(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-24
(45)【発行日】2025-01-08
(54)【発明の名称】センサおよび位置検出装置
(51)【国際特許分類】
G06F 3/041 20060101AFI20241225BHJP
G06F 3/044 20060101ALI20241225BHJP
G06F 3/046 20060101ALI20241225BHJP
【FI】
G06F3/041 560
G06F3/041 420
G06F3/041 620
G06F3/044 B
G06F3/044 124
G06F3/046 A
(21)【出願番号】P 2024559115
(86)(22)【出願日】2024-06-26
(86)【国際出願番号】 JP2024023084
【審査請求日】2024-10-23
(32)【優先日】2023-06-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2023-08-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】P 2023198704
(32)【優先日】2023-11-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000139403
【氏名又は名称】株式会社ワコム
(74)【代理人】
【識別番号】100122426
【氏名又は名称】加藤 清志
(72)【発明者】
【氏名】水橋 比呂志
(72)【発明者】
【氏名】後藤 詞貴
(72)【発明者】
【氏名】リ ジュフン
(72)【発明者】
【氏名】倉澤 隼人
【審査官】槙 俊秋
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-147348(JP,A)
【文献】特開2021-168204(JP,A)
【文献】特許第6612075(JP,B2)
【文献】米国特許出願公開第2022/0107703(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/01-3/04895
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
オンセル型相互容量方式タッチセンサと、
電磁誘導作用を用いてペンの位置を検出するための交番磁界を生成するTX電極が設けられたTX電極層からの前記交番磁界によりエネルギーを蓄積したペンが生成するペン交番磁界を検出するRX電極が複数配設されたRX電極層と、
を含み、
前記RX電極層は、前記オンセル型相互容量方式タッチセンサのオンセルタッチ層に設けられたメッシュ電極パターンにより形成されたタッチ電極によって囲まれ、前記RX電極の延在方向に隣接するフローティングパターン同士をジャンパ配線によって結合してRX電極配線が直線状に形成されているセンサ。
【請求項2】
前記直線状に形成された前記RX電極配線の一端は、応答交番磁界であるペン信号を受信し、ペン信号のレベルを取得する回路部に接続され、前記RX電極配線の終端は、ジャンパ線に接続されている請求項1に記載のセンサ。
【請求項3】
前記オンセル型相互容量方式タッチセンサは、タッチセンサ用送出電界生成部を含み、
前記TX電極層は、前記タッチセンサ用送出電界生成部を共用する請求項1に記載のセンサ。
【請求項4】
オンセル型相互容量方式タッチセンサと、
電磁誘導方式センサと、
を備え、
前記オンセル型相互容量方式タッチセンサを構成する第1の電極群と前記電磁誘導方式センサを構成する第2の電極群とが、少なくとも前記第1の電極群の一部と前記第2の電極群の一部とが混在して配設される層を含んで3層以下の層により構成されているセンサ。
【請求項5】
少なくとも、前記オンセル型相互容量方式タッチセンサを構成する前記第1の電極群が配設された第1の層と、
前記第1の電極群の一部の電極群の間を接続する補助配線と前記電磁誘導方式センサを構成する前記第2の電極群の一部の電極群とが設けられた第2の層と、
前記電磁誘導方式センサを構成する前記第2の電極群の他の一部の電極群が設けられた第3の層と、
により構成されている請求項4に記載のセンサ。
【請求項6】
前記補助配線は、ジャンパ配線もしくはブリッジ配線を含む請求項5に記載のセンサ。
【請求項7】
前記オンセル型相互容量方式タッチセンサの第1の方向に延在する電極群と、前記電磁誘導方式センサにおいて、ペンの位置を検出するための交番磁界を生成する前記第2の電極群の一部の電極群とを共用化する共用層と、
前記第2の電極群の一部の電極群からの前記交番磁界によりエネルギーを蓄積したペンが生成するペン交番磁界を検出する前記第2の電極群の他の一部の電極群と、前記オンセル型相互容量方式タッチセンサの前記第1の方向と交差する第2の方向に延在する電極群とが、それぞれ補助配線を介して接続されている混在層と、
により構成されている請求項4に記載のセンサ。
【請求項8】
前記補助配線は、ジャンパ配線もしくはブリッジ配線を含む請求項7に記載のセンサ。
【請求項9】
前記第2の電極群のうち他の一部の電極群を前記補助配線により接続したコイル群の形状が櫛形である請求項8に記載のセンサ。
【請求項10】
前記オンセル型相互容量方式タッチセンサのセンサ電極がフローティングパターンと該フローティングパターンを外側から囲む周辺部とを含み、
前記櫛形をなす前記コイル群の開放端側から終端側に向かう前記フローティングパターンと前記補助配線とを含む直線状のコイル群が、前記オンセル型相互容量方式タッチセンサの前記第1の方向と交差する第2の方向に延在する前記周辺部と前記補助配線とを含む直線状のコイル群と平面視で重ならないように配設されている請求項9に記載のセンサ。
【請求項11】
前記第1の方向に隣接する前記センサ電極の周辺部同士が複数の配線または、幅の広い配線で構成された接続部によって接続され、前記第2の電極群のうち他の一部の電極群は、延在方向に隣接する前記センサ電極のフローティングパターン同士が複数の前記補助配線によって接続されている請求項10に記載のセンサ。
【請求項12】
前記センサ電極における前記フローティングパターンあるいは前記フローティングパターンの周辺部には、複数の配線が付加されている請求項11に記載のセンサ。
【請求項13】
電磁誘導作用を用いてペンの位置を検出する位置検出装置であって、
交番磁界を生成するTX電極が設けられたTX電極層と、
前記交番磁界によりエネルギーを蓄積したペンが生成するペン交番磁界を検出するRX電極が複数配設されたRX電極層と、
オンセル型相互容量方式タッチセンサと、
表示画素と前記表示画素の明滅を制御するディスプレイと、
を含み、
前記RX電極層は、前記オンセル型相互容量方式タッチセンサのオンセルタッチ層に設けられたメッシュ電極パターンにより形成されたタッチ電極によって囲まれ、前記RX電極の延在方向に隣接するフローティングパターン同士をジャンパ配線によって結合して前記RX電極が直線状に形成されている位置検出装置。
【請求項14】
前記ペンに対して前記ディスプレイよりも離れた下側に設けられたサポートプレートを含み、前記TX電極層は、前記サポートプレートの少なくともいずれか片面に形成されている請求項13に記載の位置検出装置。
【請求項15】
前記TX電極層は、櫛形に形成されている請求項14に記載の位置検出装置。
【請求項16】
前記TX電極層のTX電極の一端を接続する接続部を含む請求項15に記載の位置検出装置。
【請求項17】
前記TX電極層が前記ペンに対して、前記サポートプレートの下面側に形成されている請求項14または16に記載の位置検出装置。
【請求項18】
パッド群あるいは一部のTXセンサコイル配線が前記サポートプレートの下面側に形成されるとともに、フレキシブル基板と接続するコネクタ端子に圧着されている請求項17に記載の位置検出装置。
【請求項19】
前記サポートプレートが分離され、前記TX電極層が前記ペンに対して、分離した前記サポートプレートの上面側に形成され、パッド群あるいは一部のTXセンサコイル配線が分離した前記サポートプレートの下面側に形成されている請求項14または16に記載の位置検出装置。
【請求項20】
前記パッド群は、分離した前記サポートプレートの上面側に形成された前記TX電極層とビアを介して、前記サポートプレートの下面側で接続されるとともに、フレキシブル基板と接続するコネクタ端子に圧着されている請求項19に記載の位置検出装置。
【請求項21】
前記サポートプレートが分離され、前記TX電極層が前記ペンに対して、分離した前記サポートプレートの下面側に形成されている請求項14または16に記載の位置検出装置。
【請求項22】
アクティブエリアの外側に、前記直線状に形成された前記RX電極の一端を接続するメッシュ構造ではない接続部を含む請求項13に記載の位置検出装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、センサおよび位置検出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、例えば、タブレット型PC(パーソナルコンピュータ)等の入力デバイスとして電磁誘導方式による位置入力装置が用いられている。
この位置入力装置は、ペン形状の位置指示器(ペン型位置指示器)と、このペン型位置指示器を用いて、ポインティング操作や文字及び図等の入力を行う入力面を有する位置検出装置と、から構成されている。
【0003】
位置指示器は、コイルとコンデンサとからなる共振回路を備える。
一方、位置検出装置は、
図18に示すように、アクティブエリアAA内における位置指示器のX軸方向の座標を求めるために、
X方向に並べられたXセンサコイルX0、・・・、X4を含むXセンサコイル群と、
Xセンサコイル群に接続されたスイッチと、
・送出期間ではX軸に並べられたXセンサコイル群の各々に電流を流すことにより交番磁界(送出磁界、以下同じ)を生成し、
・送出期間の後の検出期間では、送出期間に共振回路にエネルギーを蓄えた位置指示器からその後も継続的に生成されるペン信号(位置指示器の回路により生成される交番磁界、以下同じ)によりXセンサコイル群の各々に生じる起電力を電流または電圧により検出するX軸TX/RX回路と、
を含み構成される。
【0004】
同様に、位置検出装置は位置指示器のY軸方向の座標を求めるために、
Y方向に並べられたYセンサコイルY0、・・・、Y4を含むYセンサコイル群と、
Yセンサコイル群に接続されたスイッチと、
・送出期間ではY軸に並べられたXセンサコイル群の各々に電流を流すことで送出磁界を生成し、
・送出期間の後の検出期間では、送出期間に共振回路にエネルギーを蓄えた位置指示器からその後も継続的に生成されるペン信号によりYセンサコイル群の各々に生じる起電力を電流または電圧により検出する、Y軸TX/RX回路と、
を含み構成される。
【0005】
位置検出装置は、例えば、位置検出センサを構成する複数のセンサコイルから所定の順番で1つのセンサコイルを選択し、この選択したセンサコイルから位置指示器に対して送信信号を送出し、位置指示器内のコンデンサを充電する。
一方で、位置検出装置は、送信に用いたセンサコイルを受信回路に接続して位置指示器の共振回路から送信される信号を受信する。
位置検出装置は、センサコイルを順次に切り替えて、このような信号の送受信を行うことによって、位置検出装置上における位置指示器の位置を検出する。
【0006】
位置検出装置における位置指示器の位置検出を詳述すると、まず、(1)位置指示器が指示位置検出センサ上のどの辺りにあるかを検出するため、全てのセンサコイルを順次切り替えて位置指示器の指示位置を検出するグローバルスキャンを行って、位置検出センサ上におけるおおよその位置を特定し、(2)特定したおおよその位置近傍の所定数のセンサコイルのみを順番に選択して信号の送受信を行うセクタスキャンを行って、位置指示器による指示位置を正確に特定する。
【0007】
ここで、
図18の例では、位置指示器のY軸方向の座標は図中RXdata(上段)で示すように、YセンサコイルY0で得られたレベル値34、YセンサコイルY1で得られたレベル値118、・・・YセンサコイルY4で得られたレベル値107といった一軸方向のレベル値の分布から、Y方向の座標を補間演算などにより導出する。
【0008】
同様に、位置指示器のX軸方向の座標は図中RXdata(下段)で示すように、XセンサコイルX0で得られたレベル値25、同X1で得られたレベル値100、・・・、同X4で得られたレベル値99といった一軸方向のレベル値の分布から、X方向の座標を補間演算などにより導出する。
【0009】
このように、
図18の位置検出装置では、位置指示器の二次元座標を求める上で、2つの各々の軸におけるレベルを別々に取得し、各々の分布(RXdata)によりX軸とY軸各々の軸に対して一次元毎に座標を求め、それら2つを組み合わせて一定の加工処理をした後に2次元座標として出力する。
【0010】
また、上記の位置検出装置と、指などを静電容量(自己容量または相互容量)方式により検出するためのタッチセンサと、ディスプレイ装置とを組み合わせる(あるいは組み込む)場合のスタック構成は、
図19に示すように、ディスプレイ300(ディスプレイフロントパネル層301とTFTバックパネル層302とを含み構成される)が設けられ、ディスプレイ300の下側に、接着層(Glue)を介してTXセンサコイル群100とRXセンサコイル群200とからなるEMRセンサが設けられた構成となっている。
さらに、ディスプレイ300の上側には、タッチセンサが設けられ、タッチセンサの上側にペンが接するカバーガラス(カバーフィルムである場合も含む、以下同じ)が設けられた構成となっていた(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
しかしながら、上述の特許文献1に記載された従来の位置検出装置では、タッチセンサ、ディスプレイ300、EMRセンサ(TXセンサコイル群100とRXセンサコイル群200とを含む)が、夫々別基板(別の層)で構成されていたため、これらを接着層により接合したスタック構造の厚みが厚くなり、デザイン性も損なうという課題があった。
【0013】
そこで、本発明は、上述の課題に鑑みてなされたものであって、位置検出装置としての性能を維持しつつ、スタック構造を薄型して、デザイン性を向上させるセンサおよびセンサを含む位置検出装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
形態1;本発明の1またはそれ以上の実施形態は、オンセル型相互容量方式タッチセンサと、電磁誘導作用を用いてペンの位置を検出するための交番磁界を生成するTX電極が設けられたTX電極層からの前記交番磁界によりエネルギーを蓄積したペンが生成するペン交番磁界を検出するRX電極が複数配設されたRX電極層と、を含み、前記RX電極層は、前記オンセル型相互容量方式タッチセンサのオンセルタッチ層に設けられたメッシュ電極パターンにより形成されたタッチ電極によって囲まれ、前記RX電極の延在方向に隣接するフローティングパターン同士をジャンパ配線によって結合してRX電極配線が直線状に形成されているセンサを提案している。
【0015】
形態2;本発明の1またはそれ以上の実施形態は、オンセル型相互容量方式タッチセンサと、電磁誘導方式センサと、を備え、前記オンセル型相互容量方式タッチセンサを構成する第1の電極群と前記電磁誘導方式センサを構成する第2の電極群とが、少なくとも前記第1の電極群の一部と前記第2の電極群の一部とが混在する層を含んで3層以下の層により構成されているセンサを提案している。
【0016】
形態3;本発明の1またはそれ以上の実施形態は、電磁誘導作用を用いてペンの位置を検出する位置検出装置であって、交番磁界を生成するTX電極が設けられたTX電極層と、前記交番磁界によりエネルギーを蓄積したペンが生成するペン交番磁界を検出するRX電極が複数配設されたRX電極層と、オンセル型相互容量方式タッチセンサと、表示画素と前記表示画素の明滅を制御するディスプレイと、前記ペンに対して前記ディスプレイよりも離れた下側に設けられたサポートプレートと、を含み、前記RX電極層は、前記オンセル型相互容量方式タッチセンサのオンセルタッチ層に設けられたメッシュ電極パターンにより形成されたタッチ電極によって囲まれ、前記RX電極の延在方向に隣接するフローティングパターン同士をジャンパ配線によって結合して前記RX電極が直線状に形成されている位置検出装置を提案している。
【発明の効果】
【0017】
本発明の1またはそれ以上の実施形態によれば、位置検出装置としての性能を維持しつつ、スタック構造を薄型して、デザイン性を向上させることができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】本発明の第1の実施形態に係るセンサにおけるタッチセンサの配置を概略的に示す図である。
【
図2】本発明の第1の実施形態に係るセンサにおけるタッチセンサの透明基板上のメッシュ電極層の配置パターンを示す図である。
【
図3】本発明の第1の実施形態に係るセンサにおけるタッチセンサの透明基板裏面のジャンパ配線を示す図である。
【
図4】本発明の第1の実施形態に係るセンサにおける
図2のメッシュ電極層と
図3のジャンパ配線とを重畳させて示した図である。
【
図5】本発明の第1の実施形態に係るセンサを用いて、静電容量検出方式による静電容量(指タッチ)検出時の動作モードを示す図である。
【
図6】本発明の第1の実施形態に係るセンサを用いた位置検出装置におけるTXセンサコイル群の構成例を示す図である。
【
図7】本発明の第1の実施形態に係るセンサを用いて、電磁誘導方式によるペン検出を行う動作モード処理を示す図である。
【
図8】本発明の第2の実施形態に係るセンサにおいて、位置検出センサと、指などを静電容量(自己容量または相互容量)方式により検出するためのタッチセンサと、ディスプレイ装置とを組み合わせる(あるいは組み込む)場合のスタック構成の一例を示した図である。
【
図9】本発明の第2の実施形態に係るセンサの構成を示した図である。
【
図10】本発明の第2の実施形態に係るセンサを用いて、電磁誘導方式によるペン検出位置検出時の動作モード処理を示す図である。
【
図11】本発明の第2の実施形態に係る位置検出装置の座標導出動作を示す概念図である。
【
図12】本発明の第2の実施形態に係るセンサの変形例おける配線態様を示す図である。
【
図13】本発明の第2の実施形態に係るセンサの変形例おける配線態様を示す図である。
【
図14】本発明の第3の実施形態に係る位置検出装置の変形例における座標導出動作を示す概念図である。
【
図15A】本発明の第3の実施形態に係る位置検出装置と、指などを静電容量(自己容量または相互容量)方式により検出するためのタッチセンサと、ディスプレイ装置とを組み合わせる(あるいは組み込む)場合のスタック構成の一例を示した図である。
【
図15B】本発明の第3の実施形態に係る位置検出装置と、指などを静電容量(自己容量または相互容量)方式により検出するためのタッチセンサと、ディスプレイ装置とを組み合わせる(あるいは組み込む)場合のスタック構成の一例を示した図である。
【
図16】本発明の第4の実施形態に係る位置検出装置と、指などを静電容量(自己容量または相互容量)方式により検出するためのタッチセンサと、ディスプレイ装置とを組み合わせる(あるいは組み込む)場合のスタック構成の一例を示した図である。
【
図17】本発明の第4の実施形態に係る位置検出装置におけるTXセンサコイル群の構成例を示す図である。
【
図18A】本発明の第5の実施形態に係る位置検出装置と、指などを静電容量(自己容量または相互容量)方式により検出するためのタッチセンサと、ディスプレイ装置とを組み合わせる(あるいは組み込む)場合のスタック構成の一例を示した図である。
【
図18B】本発明の第5の実施形態に係る位置検出装置と、指などを静電容量(自己容量または相互容量)方式により検出するためのタッチセンサと、ディスプレイ装置とを組み合わせる(あるいは組み込む)場合のスタック構成の一例を示した図である。
【
図19】本発明の第5の実施形態に係る位置検出装置におけるTXセンサコイル群の構成例を示す図である。
【
図20】従来例に係る位置検出装置の座標導出動作を示す概念図である。
【
図21】従来例に係る位置検出装置と、指などを静電容量(自己容量または相互容量)方式により検出するためのタッチセンサと、ディスプレイ装置とを組み合わせる(あるいは組み込む)場合の従来のスタック構成を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施形態について、
図1から
図19を用いて説明する。
【0020】
<第1の実施形態>
図1から
図7を用いて、本実施形態に係るセンサ1について説明する。
【0021】
<センサ1の構成>
本実施形態に係るセンサ1は、
図1~
図4に示すように、オンセル型相互容量方式タッチセンサTS1と、電磁誘導作用を用いてペンの位置を検出するためのRX電極層(RXセンサコイル群200)と、を含んで構成されている。
【0022】
オンセル型相互容量方式タッチセンサTS1は、
図1に示すように、TFTバックパネル層302とディスプレイフロントパネル層301とが積層された上部に設けられた統合センサ(Integrated/Universal Sensor Module)である。
オンセル型相互容量方式タッチセンサTS1は、例えば、ディスプレイフロントパネル層301の上部に設けられる図示しない偏光板とカラーフィルタとを設けたガラス基板とディスプレイフロントパネル層301との間に設けられている。
オンセル型相互容量方式タッチセンサTS1は、例えば、相互容量方式のタッチセンサである。
【0023】
RX電極層(RXセンサコイル群200)は、電磁誘導作用を用いてペンの位置を検出するための交番磁界を生成するTX電極が設けられたTX電極層からの交番磁界によりエネルギーを蓄積したペンが生成するペン交番磁界を検出するセンサであり、RX電極層(RXセンサコイル群200)には、RX電極が複数配設されている。
なお、電磁誘導作用を用いてペンの位置を検出するためのRX電極層(RXセンサコイル群200)の詳細な構成については、後述する。
【0024】
本実施形態に係るセンサ1は、例えば、
図4に示すように、オンセル型相互容量方式タッチセンサTS1のオンセルタッチ層に設けられたメッシュ電極パターンに電磁誘導作用を用いてペンの位置を検出するためのRX電極層(RXセンサコイル群200)が統合されて形成されている。
【0025】
<オンセル型相互容量方式タッチセンサTS1の構成>
図2に示すように、オンセル型相互容量方式タッチセンサTS1は、オンセル型相互容量方式タッチセンサTS1を上部から見た場合、透明基板の一面に設けられたメッシュ電極層のメッシュパターンとして形成されている。
オンセル型相互容量方式タッチセンサTS1は、複数の第1センサ電極(タッチパネル用TX電極)210と複数の第2センサ電極220(タッチパネル用RX電極層)を含む。
複数の第1センサ電極(タッチパネル用TX電極)210および複数の第2センサ電極220(タッチパネル用RX電極層)は、図示しない表示領域に重畳されている。
【0026】
第1センサ電極210は、
図2に示すD1方向に複数配置されている。
第1センサ電極210は、
図2に示すように、例えば、フローティングパターン611と、フローティングパターン611の周囲を取り囲む周辺部612とからなるダイヤモンド形状となっている。
第1センサ電極210の周辺部612は、D1方向において隣接する第1センサ電極210の周辺部612とメッシュ接続部613により接続されて第1タッチセンサ配線(T0~T4)を形成している。
メッシュ接続部613は、第1センサ電極210と同様の素材で形成されている。
第1センサ電極210は、第1タッチセンサ配線を形成しないメッシュパターン(例えば、フローティングパターン611、第2センサ電極220)とメッシュ電極層においては絶縁されている。
図2に示すように、D1方向とD2方向とは交差している。
第1センサ電極210は、オンセル型相互容量方式タッチセンサTS1における送信電極である。
【0027】
第2センサ電極220は、
図2に示すD2方向に複数配置されている。
第2センサ電極220は、
図2に示すように、例えば、フローティングパターン611と、フローティングパターン611の周囲を取り囲む周辺部612とからなるダイヤモンド形状となっている。
図4に示すように、第2センサ電極220の周辺部612は、D2方向において隣接する第2センサ電極220の周辺部612とジャンパ配線703により、透明基板の裏面側で接続され、第2タッチセンサ配線(TR0~TR5)を形成している。
ジャンパ配線703は、透明基板の裏面側での接続のために設けられているものであるため、メッシュ接続部613とジャンパ配線703とは、絶縁されており、第2センサ電極220と同様の素材である必要はない。
第2センサ電極220はオンセル型相互容量方式タッチセンサTS1における受信電極であり、第2タッチセンサ配線(TR0~TR5)の一端部は、図示しないタッチセンサ信号受信回路に接続されている。
【0028】
<RX電極層(RXセンサコイル群200)の構成>
本実施形態に係るセンサ1におけるRX電極層(RXセンサコイル群200)は、
図3、
図4に示すように、第1センサ電極210の周辺部612がD2方向において隣接する第1センサ電極210の周辺部612とジャンパ配線701により接続されて形成されるEMRセンサ配線(ER0~ER5)の一方の端部がジャンパ配線702によって相互に接続されることにより形成されている。
RX電極層(RXセンサコイル群200)は、EMRセンサにおける受信電極であり、EMRセンサ配線の他方の端部は、図示しないRX信号受信回路に接続されている。
【0029】
ジャンパ配線701、702は、透明基板の裏面側での接続のために設けられているものであるため、ジャンパ配線701、702は、第2センサ電極220と同様の素材である必要はない。
【0030】
<静電容量検出方式による静電容量(指タッチ)検出時の動作モード>
図5を用いて、本実施形態に係るセンサ1における静電容量検出方式による静電容量(指タッチ)検出時の動作モードについて説明する。
【0031】
本実施形態に係るセンサ1は、静電容量検出動作時において、複数の第1センサ電極(タッチパネル用TX電極)210からなる第1タッチセンサ配線T0~T4と複数の第2センサ電極(タッチパネル用RX電極)220からなる第2タッチセンサ配線TR0~TR5とを用いて、静電容量検出動作を実行する。
【0032】
具体的には、図中左側のTX回路10は、第1タッチセンサ配線T0~T4のうち、スイッチ11により選択された第1タッチセンサ配線T1の一端を正相タッチ信号により駆動する。
一方で、図中右側のTX回路10は、第1タッチセンサ配線T0~T4のうち、スイッチ11により選択された第1タッチセンサ配線T1の他端を正相タッチ信号により駆動する。
これにより第1タッチセンサ配線T1に所望の電位(タッチセンサ用TX信号)を供給することが可能となる。
【0033】
RX回路20は、選択された第2タッチセンサ配線TR2により、クロスポイント(T1とTR2との交点)における基準値からの相互容量の変化を検出する。
RX回路20は、静電容量のクロスポイント毎の変化を2次元ヒートマップとして取得し、重心演算など静電容量検出で用いられる演算を用いて指タッチの位置を導出する。
【0034】
<電磁誘導方式によるペン検出>
本実施形態に係るセンサ1を用いた電磁誘導方式によるペン検出を行うためには、センサ1よりも下方のレイアに設けられたTX電極層(TXセンサコイル群100)とセンサ1に設けられたRX電極層(RXセンサコイル群200)を用いる。
以下、
図6を用いてTX電極層(TXセンサコイル群100)の構成を例示して、電磁誘導方式によるペン検出の動作について説明する。
【0035】
<TX電極層の構成(TXセンサコイル群100)>
図6は、TX電極層(TXセンサコイル群100)の構成例を示した図である。
同図のTX電極層(TXセンサコイル群100)の構成は、特に、TX電極層(TXセンサコイル群100)とRX電極(RXセンサコイル群200)とを離れた別々の層に設け、かつ単一層とした場合に特に有効である。
【0036】
TX電極層(TXセンサコイル群100)は、基板の一方の面側に形成されている。
図6に示すように、TX電極層(TXセンサコイル群100)は、TXセンサコイルT0、T1、・・・T15を各々構成するTX電極120・・・TX電極135と、TX電極120~TX電極135を互いに接続する接続部としての接続導体130と、を含み櫛形(SAW形状)の形状に構成されている。
【0037】
本実施形態に係るセンサ1とTX電極層(TXセンサコイル群100)とを備えた位置検出装置は、スイッチ11を制御して、例えば、TX電極125とTX電極126を束にしてTX回路10のTX端子に接続しつつ、TX電極128とTX電極129とを束にしてTX回路10のTX_inv端子に接続する。
TX回路10は、TX端子とTX_inv端子とを互いに電流の変化量が逆相になるように制御することにより、TX電極125とTX電極126の束と、TX電極128とTX電極129の束との間(TX電極127付近)に、束にしない場合に比して、また、TX_invを固定電位とする場合に比して強い送出磁界を形成する。
なお、スイッチ11とTX回路10とは別個の集積回路上に実装するとしてもよいし、同一の集積回路に集約されていてもよい。
【0038】
<電磁誘導方式によるペン検出時の動作モード>
図7を用いて、本実施形態に係るセンサ1における電磁誘導方式によるペン検出時の動作モードについて説明する。
なお、
図7では、電磁誘導方式によるペン検出時に、静電容量検出方式による静電容量(指タッチ)検出に関する構成要素は、機能しないため、表示を省略している。
【0039】
図6の左下に示すTX回路10は、送出期間において、TX端子を介して送出センサコイル群(TXセンサコイル群100)の送出センサコイル(TXセンサコイル)T0~T4のうちスイッチ11により選択されたセンサコイル(図ではT5、T6)の一端を正相信号で駆動する。
【0040】
次いで、TX_inv端子を介してスイッチ11により選択されたセンサコイル(図ではT8、T9)の一端を正相信号の電流の変化とは逆相の電流の変化を生じる逆相信号で駆動する。
これにより、ペン位置の付近に強い送出磁界を形成することができる。
【0041】
送出期間の後の検出期間において、
図7に示すRX回路20はスイッチ21を介して、論理的に1つのループコイルを形成しているRXセンサコイルER2とRXセンサコイルER3とを差動増幅回路に入力端に接続し、このループコイルを貫通するペン信号の信号レベルを検出する。
この後、2次元ヒートマップ(RXdata)を取得し、この2次元ヒートマップに基づいてペンの座標、傾き、傾きの方角などを導出する。
【0042】
<作用・効果>
以上、説明したように、本実施形態に係るセンサ1は、オンセル型相互容量方式タッチセンサTS1と、電磁誘導作用を用いてペンの位置を検出するための交番磁界を生成するTX電極が設けられたTX電極層(TXセンサコイル群100)からの交番磁界によりエネルギーを蓄積したペンが生成するペン交番磁界を検出するRX電極が複数配設されたRX電極層(RXセンサコイル群200)と、を含み、RX電極層(RXセンサコイル群200)は、オンセル型相互容量方式タッチセンサTS1のオンセルタッチ層に設けられたメッシュ電極パターンにより形成されたタッチ電極によって囲まれ、RX電極の延在方向に隣接するフローティングパターン同士をジャンパ配線によって結合してRX電極配線が直線状に形成されている。
つまり、本実施形態に係るセンサ1は、オンセル型相互容量方式タッチセンサTS1に少なくとも、電磁誘導方式によるペン検出を行うためのRX電極層(RXセンサコイル群200)が統合されている。
また、RX電極層(RXセンサコイル群200)は、オンセル型相互容量方式タッチセンサTS1のオンセルタッチ層に設けられたメッシュ電極パターンにより形成されたタッチ電極によって囲まれ、RX電極の延在方向に隣接するフローティングパターン同士を結合して形成されている。
そのため、本実施形態に係るセンサ1を用いた位置検出装置においては、位置検出装置としての性能を維持しつつ、スタック構造を薄型してデザイン性を向上させることができる。
また、本実施形態に係るセンサ1では、RX電極の延在方向に隣接するフローティングパターン同士がジャンパ配線によって結合されている。
つまり、RX電極に流れる電流は小電流であるため、ジャンパ配線は、細い径のものを用いることができる。
しかも、メッシュ電極パターンにより形成されるオンセルタッチ層の裏面側に配線される。
そのため、ディスプレイの視認性を害することなく、スタック構造を薄型してデザイン性を向上させることができる。
【0043】
本実施形態に係るセンサ1は、直線状に形成されたEMRセンサ配線(ER0~ER5)の一端は、応答交番磁界であるペン信号を受信し、ペン信号のレベルを取得する回路部に接続され、EMRセンサ配線(ER0~ER5)の一方の端部がジャンパ配線702によって相互に接続されている。
そのため、電磁誘導方式によるペンの位置検出に用いられるRX電極層(RXセンサコイル群200)は、コストを抑えながらディスプレイの視認性を損なうことのなく、位置検出装置としての性能を維持しつつ、スタック構造を薄型してデザイン性を向上させることができる。
【0044】
<第2の実施形態>
図8から
図13を用いて、本実施形態に係るセンサ1Aについて説明する。
【0045】
<センサ1Aの構成>
本実施形態に係るセンサ1Aは、
図8、
図9に示すように、オンセル型相互容量方式タッチセンサTS1と、電磁誘導作用を用いてペンの位置を検出するための交番磁界を生成するTX電極が設けられたTX電極層(TXセンサコイル群100)と、TX電極層(TXセンサコイル群100)からの交番磁界によりエネルギーを蓄積したペンが生成するペン交番磁界を検出するRX電極が複数配設されたRX電極層(RXセンサコイル群200)と、を含んで構成されている。
なお、上記構成要素については、第1の実施形態とその機能等は同様であるため、その詳細な説明は省略する。
【0046】
<センサ1Aが用いられるディスプレイのスタック構成>
図8は、本実施形態に係るセンサ1Aが用いられるディスプレイのスタック構成の一例を示すものであり、所謂オンセルタッチと言われるディスプレイ構成を基にしている。
ディスプレイ300Dには、ディスプレイフロントパネル層301を制御するTFTバックパネル層302と、ディスプレイフロントパネル層301とが設けられている。
図8は、ディスプレイフロントパネル層301の上側の層であってディスプレイ300Dのモジュール内に、静電容量式のタッチセンサTS1が設けられた所謂オンセルタッチパネル構成を示している。
センサ1Aは、例えば、オンセル型相互容量方式タッチセンサTS1と、電磁誘導方式センサと、を備え、オンセル型相互容量方式タッチセンサTS1を構成する第1の電極群と電磁誘導方式センサを構成する第2の電極群とが、少なくとも第1の電極群の一部と第2の電極群の一部とが混在して設けられた層を含んで3層以下の層により構成されている。
つまり、センサ1Aは、オンセル型相互容量方式タッチセンサTS1を構成する第1の電極群と電磁誘導方式センサを構成する第2の電極群とが、少なくとも第1の電極群の一部と第2の電極群の一部とが混在する層(以下、適宜、「混在層」と記載する)を含んで3層以下の層により構成されている。
より具体的には、センサ1Aは、例えば、少なくとも、オンセル型相互容量方式タッチセンサTS1を構成する第1の電極群が設けられた第1の層と、第1の電極群の一部の電極群の間を接続する補助配線と電磁誘導方式センサを構成する第2の電極群の一部の電極群とが設けられた第2の層(混在層)と、電磁誘導方式センサを構成する第2の電極群の他の一部の電極群が設けられた第3の層と、により構成されていてもよい。
なお、上記では、オンセル型相互容量方式タッチセンサTS1が形成された第1の層、混在層、電磁誘導方式センサの一部が形成された層を例示したが、混在層は、3層構成の中間層であることは、必ずしも必要ではない。
つまり、性能等に支障がなければ、混在層が介在していれば、どのような組み合わせであってもよい。
また、センサ1Aは、例えば、
図2、
図3、
図9に示すように、オンセル型相互容量方式タッチセンサTS1の第1の方向に延在する電極群と、電磁誘導方式センサにおいて、ペンの位置を検出するための交番磁界を生成する第2の電極群の一部の電極群とを共用化する共用層と、第2の電極群の一部の電極群からの交番磁界によりエネルギーを蓄積したペンが生成するペン交番磁界を検出する第2の電極群の他の一部の電極群と、オンセル型相互容量方式タッチセンサTS1の第1の方向と交差する第2の方向に延在する電極群とが、それぞれ補助配線を介して接続されている混在層と、からなる2層構造としてもよい。
ここで、補助配線は、例えば、ジャンパ配線もしくはブリッジ配線等を含む。
補助配線(ジャンパ線もしくはブリッジ配線等)は、補助配線により電気的に接続される配線が形成される層上に設けられる導体であり、他の層で形成されている導体と補完してタッチセンサまたは電磁誘導方式のセンサを形成するものである。
図12に示すように、第1の方向に隣接する第1センサ電極210の周辺部同士が複数の配線または、幅の広い配線で構成された接続部によって接続され、第2の電極群のうち他の一部の電極群は、延在方向に隣接する第2センサ電極220のフローティングパターン611同士が複数の補助配線によって接続されている。
図9等とは、第2センサ電極220および第1センサ電極210の形状は異なるが、概念を示す
図13のように、第1センサ電極210あるいは第2センサ電極220におけるフローティングパターン611あるいはフローティングパターン621の周辺部622には、複数の配線が付加されている。
【0047】
TX電極層(TXセンサコイル群100)とRX電極層(RXセンサコイル群200)とは、オンセル型相互容量方式タッチセンサTS1に統合されて構成されている。
具体的には、オンセル型相互容量方式タッチセンサTS1は、オンセル型相互容量方式のオンセル型相互容量方式タッチセンサTS1であり、RX電極層(RXセンサコイル群200)は、第1の実施形態において示した構成を有しており、TX電極層(TXセンサコイル群100A)は、
図9に示すように、例えば、オンセル型相互容量方式のタッチセンサTS1における複数の第1センサ電極(タッチパネル用TX電極)210のT0をTX電極層(TXセンサコイル群100A)のET0とするように兼用する方式となっている。
図3に示すように、第2の電極群のうち他の一部の電極群を補助配線により接続したコイル群の形状が櫛形である。
図9に示すように、オンセル型相互容量方式タッチセンサTS1のセンサ電極210、220がフローティングパターン611、621と該フローティングパターン611、621を外側から囲む周辺部とを含み、櫛形をなすコイル群の開放端側から終端側に向かうフローティングパターン621と補助配線702とを含む直線状のコイル群が、オンセル型相互容量方式タッチセンサTS1の第1の方向と交差する第2の方向に延在する周辺部622と補助配線703とを含む直線状のコイル群と平面視で重ならないように配設されている。
ここで、櫛形とは、以下の第1の配線と複数の第2の配線とがなす形状を指す。
第1の配線は、第1の方向に延在する配線であり、第2の配線は、第1の方向と交差する第2の方向に延在する複数の配線であって、複数の第2の配線同士は所定の間隔で第1の方向に並んで配設されている。
さらに、第1の配線と複数の第2の配線は電気的に接続されている。
ここで、便宜上、複数の第2の配線において、第1の配線に接続されている側を終端、他端を開放端とすると、複数の第2の配線の一端はともに第1の配線に接続され、他端は開放されており、その形状は櫛形となっている。
複数の第2の配線の他端である開放端は集積回路に接続され、例えば、駆動信号の供出あるいは受信信号の検出に用いられる。
【0048】
<電磁誘導方式によるペン検出>
以下、
図10を用いて、本実施形態に係るセンサ1Aにおける電磁誘導方式によるペン検出時の動作モードについて説明する。
なお、静電容量検出方式による静電容量(指タッチ)検出時の動作モードについては、第1の実施形態と同様であるため、詳細な説明は省略する。
また、
図10では、電磁誘導方式によるペン検出時に、静電容量検出方式による静電容量(指タッチ)検出に関する構成要素は、機能しないため、表示を省略している。
【0049】
図10の左に示すTX回路10は、送出期間において、TX端子を介して送出センサコイル群(TXセンサコイル群100A)の送出センサコイル(TXセンサコイル)T0~T4のうちスイッチ11で選択されたセンサコイル(図ではT1)の一端を正相信号で駆動する。
【0050】
一方で、TX_inv端子を介してスイッチ11で選択されたセンサコイル(TXセンサコイル、図ではT3)の一端を正相信号の電流の変化とは逆相の電流の変化を生じる逆相信号で駆動する。
【0051】
同時に図中右側に位置するTX回路10は、TX_inv端子を介してスイッチ11で選択されたセンサコイル(TXセンサコイル、図ではT3)の他端を正相信号の電流の変化とは逆相の電流の変化を生じる逆相信号で駆動する。
【0052】
一方で、TX端子を介して送出センサコイル(TXセンサコイル100A)群の送出センサコイルT0~T4のうちスイッチ11で選択されたセンサコイル(TXセンサコイル、図ではT1)の他端を正相信号で駆動する。
これにより、ペン位置の付近(図中T2の付近)に前述の強い送出磁界を形成することができる。
【0053】
送出期間の後の検出期間において、RX回路20はスイッチ21を介して、論理的に1つのループコイルを形成しているRXセンサコイルER2とRXセンサコイルER3とを差動増幅回路の入力端に接続し、このループコイルを貫通するペン信号の信号レベルを検出する。
その後、2次元ヒートマップ(RXdata)を取得し、この2次元ヒートマップに基づいてペンの座標、傾き、傾きの方角などを導出する。
【0054】
<作用・効果>
以上、説明したように、本実施形態に係るセンサ1Aは、オンセル型相互容量方式タッチセンサTS1と、電磁誘導作用を用いてペンの位置を検出するための交番磁界を生成するTX電極が設けられたTX電極層(TXセンサコイル群100)と、TX電極層(TXセンサコイル群100)からの交番磁界によりエネルギーを蓄積したペンが生成するペン交番磁界を検出するRX電極が複数配設されたRX電極層(RXセンサコイル群200)と、を含んで構成されている。
つまり、本実施形態に係るセンサ1Aは、第1の実施形態に係るセンサ1において、オンセル型相互容量方式タッチセンサTS1における第1センサ電極(タッチパネル用TX電極)210を電磁誘導方式によるペン検出を行う時には、電磁誘導方式によるペン検出を行うためのTX電極層(TXセンサコイル群100A)として利用することによって、オンセル型相互容量方式タッチセンサTS1とEMRセンサとを統合させている。
そのため、本実施形態に係るセンサ1Aを用いた位置検出装置においては、位置検出装置としての性能を維持しつつ、スタック構造を薄型してデザイン性を向上させることができる。
また、RX電極の延在方向に隣接するフローティングパターン同士は、ジャンパ配線によって結合される。
つまり、RX電極に流れる電流は小電流であるため、ジャンパ配線は、細い径のものを用いることができ、メッシュ電極パターンにより形成されるオンセルタッチ層の裏面側に配線される。
そのため、ディスプレイの視認性を害することなく、スタック構造を薄型してデザイン性を向上させることができる。
また、TX電極層(TXセンサコイル群100A)は、オンセル型相互容量方式タッチセンサTS1のオンセルタッチ層に設けられたメッシュ電極パターンにより形成されたタッチ電極からなる第1センサ電極(タッチパネル用TX電極)210からなる。
そのため、オンセル型相互容量方式タッチセンサTS1にRX電極層(RXセンサコイル群200)およびTX電極層(TXセンサコイル群100A)を統合しても、ディスプレイの視認性を害することなく、スタック構造を薄型してデザイン性を向上させることができる。
【0055】
本実施形態に係るセンサ1Aは、オンセル型相互容量方式タッチセンサTS1と、電磁誘導方式センサと、を備え、オンセル型相互容量方式タッチセンサTS1を構成する第1の電極群と電磁誘導方式センサを構成する第2の電極群とが、少なくとも第1の電極群の一部と第2の電極群の一部とが混在して設けられた層を含んで3層以下の層により構成されている。
つまり、センサ1Aは、オンセル型相互容量方式タッチセンサTS1を構成する第1の電極群と電磁誘導方式センサを構成する第2の電極群とが、少なくとも第1の電極群の一部と第2の電極群の一部とが混在する層(以下、適宜、「混在層」と記載する)を含んで3層以下の層により構成されている。
そのため、位置検出装置としての性能を維持しつつ、スタック構造を薄型することができる。
また、上記のスタック構成を実現することにより、ディスプレイ装置の光学特性を向上させ、併せて、ディスプレイ装置のデザイン性を向上させることができる。
【0056】
本実施形態に係るセンサ1Aは、少なくとも、オンセル型相互容量方式タッチセンサTS1を構成する第1の電極群が設けられた第1の層と、第1の電極群の一部の電極群の間を接続する補助配線と電磁誘導方式センサを構成する第2の電極群の一部の電極群とが設けられた第2の層(混在層)と、電磁誘導方式センサを構成する第2の電極群の他の一部の電極群が設けられた第3の層と、により構成されている。
そのため、位置検出装置としての性能を維持しつつ、スタック構造を薄型することができる。
また、上記のスタック構成を実現することにより、ディスプレイ装置の光学特性を向上させ、併せて、ディスプレイ装置のデザイン性を向上させることができる。
【0057】
本実施形態に係るセンサ1Aにおいては、オンセル型相互容量方式タッチセンサTS1の第1の方向に延在する電極群と、電磁誘導方式センサにおいて、ペンの位置を検出するための交番磁界を生成する第2の電極群の一部の電極群とを共用化する共用層と、第2の電極群の一部の電極群からの交番磁界によりエネルギーを蓄積したペンが生成するペン交番磁界を検出する第2の電極群の他の一部の電極群と、オンセル型相互容量方式タッチセンサTS1の第1の方向と交差する第2の方向に延在する電極群とが、それぞれ補助配線を介して接続されている統合層と、からなる2層構造となっている。
そのため、位置検出装置としての性能を維持しつつ、スタック構造を更に薄型することができる。
また、上記のスタック構成を実現することにより、ディスプレイ装置の光学特性を更に向上させ、併せて、ディスプレイ装置のデザイン性を更に向上させることができる。
【0058】
本実施形態に係るセンサ1Aにおいては、補助配線は、ジャンパ配線もしくはブリッジ配線等を含む。
そのため、位置検出装置としての性能を維持しつつ、スタック構造を薄型することができる。
また、上記のスタック構成を実現することにより、ディスプレイ装置の光学特性を向上させ、併せて、ディスプレイ装置のデザイン性を向上させることができる。
【0059】
本実施形態に係るセンサ1Aにおいては、第2の電極群のうち他の一部の電極群を補助配線により接続したコイル群の形状が櫛形である。
つまり、第2の電極群のうち他の一部の電極群を補助配線により接続したコイル群200が、櫛形に形成されることにより、隣り合うコイル同士が互いに重なり合わず間にギャップを有し、1ターン巻き(複数ターン巻かれない)となっている。
そのため、ディスプレイ装置の光学特性を向上させることができる。
また、位置検出装置としての性能を維持しつつ、第2の電極群のうち他の一部の電極群を補助配線により接続したコイル群200が、櫛形に形成されることにより、スタック構造の薄型化を実現し、ディスプレイ装置のデザイン性を向上させることができる。
【0060】
本実施形態に係るセンサ1Aにおいては、オンセル型相互容量方式タッチセンサTS1のセンサ電極210、220がフローティングパターン611、621と該フローティングパターン611、621を外側から囲む周辺部とを含み、櫛形をなすコイル群の開放端側から終端側に向かうフローティングパターン621と補助配線702とを含む直線状のコイル群が、オンセル型相互容量方式タッチセンサTS1の第1の方向と交差する第2の方向に延在する周辺部622と補助配線703とを含む直線状のコイル群と平面視で重ならないように配設されている。
つまり、
図9に示すように、平面視で、オンセル型相互容量方式タッチセンサTS1の第1の方向と交差する第2の方向に延在する周辺部622と補助配線703とを含む直線状のコイル群が、櫛形をなすコイル群の開放端側から終端側に向かうフローティングパターン621と補助配線702とを含む直線状のコイル群の間に配設されている。
オンセル型相互容量方式タッチセンサTS1の第1の方向と交差する第2の方向に延在する周辺部622と補助配線703とを含む直線状のコイル群と櫛形をなすコイル群の開放端側から終端側に向かうフローティングパターン621と補助配線702とを含む直線状のコイル群とが平面視で重なるようになってしまうと、オンセル型相互容量方式タッチセンサTS1の第1の方向と交差する第2の方向に延在する周辺部622と補助配線703とを含む直線状のコイル群と櫛形をなすコイル群の開放端側から終端側に向かうフローティングパターン621と補助配線702とを含む直線状のコイル群との間で大きな値の寄生容量が発生してしまい性能を損なることになる。
本実施形態に係るセンサ1Aにおいては、平面視で、オンセル型相互容量方式タッチセンサTS1の第1の方向と交差する第2の方向に延在する周辺部622と補助配線703とを含む直線状のコイル群が、櫛形をなすコイル群の開放端側から終端側に向かうフローティングパターン621と補助配線702とを含む直線状のコイル群の間に配設されるようにすることによって、大きな値の寄生容量の発生を防止するとともに、物理的な重なりが生じないことからディスプレイ装置の光学特性を向上させることができる。
また、位置検出装置としての性能を維持しつつ、スタック構造の薄型化を実現し、ディスプレイ装置のデザイン性を向上させることができる。
【0061】
本実施形態に係るセンサ1Aにおいては、第1の方向に隣接する第1センサ電極210の周辺部同士が複数の配線または、幅の広い配線で構成された接続部によって接続され、第2の電極群のうち他の一部の電極群は、延在方向に隣接する第2センサ電極220のフローティングパターン611同士が複数の補助配線によって接続されている。
つまり、
図12に示すように、第1の方向に隣接する第1センサ電極210の周辺部同士が複数の配線または、幅の広い配線で構成された接続部によって接続されている。
また、第2の電極群のうち他の一部の電極群は、延在方向に隣接する第2センサ電極220のフローティングパターン611同士が複数の補助配線によって接続されている。
このような接続形態を採用することにより、電極間の接続インピーダンスを低減させることができる。
さらに、複数の配線とすることにより、視認性の低減を抑制することができる。
【0062】
本実施形態に係るセンサ1Aにおいては、第1センサ電極210あるいは第2センサ電極220におけるフローティングパターン611あるいはフローティングパターン621の周辺部622には、複数の配線が付加されている。
このような形態を採用することにより、第1センサ電極210あるいは第2センサ電極220におけるフローティングパターン611あるいはフローティングパターン621の周辺部622のインピーダンスを低減させることができる。
【0063】
<第3の実施形態>
以下、
図14から
図15を用いて、本実施形態に係る位置検出装置2について説明する。
【0064】
<位置検出装置2の構成>
位置検出装置2は、
図13に示すように、TX回路10と、スイッチ11と、TXセンサコイル群100と、RXセンサコイル群200と、RX回路20と、及び増幅器などの周辺回路により構成されている。
なお、本実施形態に係る位置検出装置2は、第1の実施形態に係るセンサ1を用いた位置検出装置であるため、RXセンサコイル群200等の詳細な説明は省略する。
【0065】
TXセンサコイル群100は、センサの第1の方向(X軸方向)に並設された複数の電極を有する複数の導線である。
TXセンサコイル群100を構成するTXセンサコイルは、例えば、矩形のループコイルからなっている。
TXセンサコイル群100を構成するTXセンサコイルは、例えば、等間隔に並んで配置されている。
【0066】
TX回路10は、TXセンサコイル群100に対して、スイッチ11を介して、信号を送信し、TXセンサコイル群100から交番磁界を生成させる交番磁界生成部として機能する。
つまり、本実施形態に係る位置検出装置2では、TXセンサコイルT0、T1、・・・、T4は、TX回路10に接続され交番磁界を生成するために用いられるが、ペン信号の検出には、用いられない。
【0067】
RX回路20は、RXセンサコイル群200の複数の電極を用いて、交番磁界によって蓄えられた位置指示器からの応答交番磁界であるペン信号を受信し、ペン信号のレベルを取得するペン信号レベル取得部として機能する。
具体的には、RX回路20は、例えば、センサの第1の方向(X軸方向)に並設された複数の電極(TX電極)と、例えば、第1の方向(X軸方向)と交差する第2の方向(Y軸方向)に並設された複数の電極(RX電極)とが交わるクロスポイントにおいてペンの座標等を導出する。
つまり、RXセンサコイルR0、R1、・・・、R4は、RX回路20に接続されペン信号を検出するために用いられるが、送出磁界の生成には用いられない。
RX回路20は、TXセンサコイル群100の複数の導線とRXセンサコイル群200の複数の電極との各々の交点におけるペン信号のレベルの二次元分布を用いて、位置指示器の位置に関する情報を導出する情報導出部として機能する。
ここで、ペン(位置指示器)の位置に関する情報には、センサ平面(X軸とY軸とからなるXY平面)の法線に対するペンの傾きあるいは、センサ平面に対するペンの傾きの方向のいずれかを含む。
【0068】
RX回路20の情報導出部は、二次元分布の非対称性に基づいて、センサ平面の法線に対するペンの傾きまたはセンサ平面に対するペンの傾きの方向のいずれかを導出する。
【0069】
RX回路20の情報導出部は、ペンのペン先の指示位置である第1の参照位置を取得し、上に凸あるいは下に凸となる第2の参照位置を取得して、第1の参照位置に対する第2の参照位置の方向に基づいて、センサ平面に対するペンの傾きの方向を導出する。
【0070】
RX回路20の情報導出部は、第1の参照位置におけるペン信号のレベル強度と、第2の参照位置におけるペン信号のレベル強度と、に基づいて、センサ平面の法線に対するペンの傾きを導出する。
【0071】
<位置検出装置2の処理>
位置検出装置2は、TX回路10により送出磁界を生成するTXセンサコイル群100のうち1のTXセンサコイルを、スイッチ11により切り替えて選択し、選択されたTXセンサコイルをTX回路10により駆動し送出磁界を送出する。
図11においては、TXセンサコイルT1が選択された状態が示されている。
【0072】
位置検出装置2は、一定の送出期間後、つまり、TXセンサコイル近傍にペンがあれば所定のエネルギーが蓄積されるだろう期間の後、すべてのRXセンサコイルの位置におけるペン信号のレベルを得る。
位置検出装置2は、TXセンサコイルT1とRXセンサコイルR1、R2・・・R4とがクロスする領域(以下、コイルクロスポイント領域)におけるペン信号のレベル値(図中33、105、118、121、110)を検出する。
位置検出装置2は、各々のコイルクロスポイントでの信号レベルを、順次TXセンサコイルの選択を切り替えることによって、2次元ヒートマップデータRXdataを得る。
【0073】
位置検出装置2は、2次元ヒートマップデータRXdataの取得後、座標処理におけるプロセスを実行し2次元ヒートマップデータRXdataに基づいてペンの座標、ペンの傾き(センサ面に対する法線からの角度)またはペンのオリエンテーション(傾いている方角)を得る。
【0074】
<位置検出装置2のスタック構成>
図15Aおよび
図15Bを用いて、本実施形態に係る位置検出装置2のスタック構成について説明する。
なお、以下、説明するスタック構成は、本実施形態に係る位置検出装置2に限らず、
図14に示す位置検出装置2Aあるいは
図20等に示す従来例に係る位置検出装置においても適用可能である。
【0075】
<位置検出装置2のスタック構成1>
図15Aに示す位置検出装置2のスタック構成1は、交番磁界を生成するTX電極が設けられたTX電極層(TXセンサコイル群100)と、表示画素と表示画素の明滅を制御するディスプレイ300Eと、ディスプレイ300Eを中心にTX電極層(TXセンサコイル群100)が設けられた側とは反対側に、交番磁界によりエネルギーを蓄積したペンが生成するペン交番磁界を検出するRX電極が複数配設されたRX電極層(RXセンサコイル群200)と、備えた構成となっている。
つまり、
図15Aに示す位置検出装置2のスタック構成1は、TX電極層(TXセンサコイル群100)とRX電極層(RXセンサコイル群200)とを離れた別々の層に設ける構成となっている。
【0076】
図15Aに示すように、位置検出装置2のスタック構成1では、TFTバックパネル層302にTX電極層(TXセンサコイル群100)が設けられて構成され、オンセル型相互容量方式タッチセンサTS1が設けられるディスプレイフロントパネル層301より上側の層にRX電極層(RXセンサコイル群200)が設けられてディスプレイ300Eが構成されている。
ディスプレイ300Eの上部には、カバーガラスが接着剤等によって接着されている。
【0077】
なお、本構成の場合、ディスプレイフロントパネル層301の上側に、第1の実施形態に示す静電容量式のタッチセンサ並びに、RX電極層(RXセンサコイル群200)が統合されたセンサ1が設けられている。
なお、TX電極層(TXセンサコイル群100)の下側に磁気シールド板を設けるようにしてもよい。
【0078】
<位置検出装置2のスタック構成2>
図15Bに示すように、位置検出装置2のスタック構成2では、TX電極層(TXセンサコイル群100)はTFTバックパネル層302には設けられずに、ディスプレイ300Fより下側に設けられ、オンセル型相互容量方式タッチセンサ(静電容量センサ)TS1が設けられるディスプレイフロントパネル層301より上側の層にオンセル型相互容量方式タッチセンサTS1と共にRX電極層(RXセンサコイル群200)が設けられ、その上側にカバーガラスが設けられて構成されている。
つまり、
図15Bに示す位置検出装置2のスタック構成2は、TX電極層(TXセンサコイル群100)とRX電極層(RXセンサコイル群200)とを離れた別々の層に設ける構成となっている。
【0079】
なお、本構成の場合、ディスプレイフロントパネル層301の上側に、第1の実施形態に示すオンセル型相互容量方式タッチセンサTS1並びに、RX電極層(RXセンサコイル群200)が統合されたセンサ1が設けられている。
なお、TX電極層(TXセンサコイル群100)の下側に磁気シールド板を設けるようにしてもよい。
【0080】
<作用・効果>
本実施形態に係る位置検出装置2は、電磁誘導作用を用いてペンの位置を検出する位置検出装置であって、交番磁界を生成するTX電極が設けられたTX電極層(TXセンサコイル群100)と、交番磁界によりエネルギーを蓄積したペンが生成するペン交番磁界を検出するRX電極が複数配設されたRX電極層(RXセンサコイル群200)と、オンセル型相互容量方式タッチセンサTS1と、表示画素と前記表示画素の明滅を制御するディスプレイ300E、300Fと、を含み、RX電極層(RXセンサコイル群200)は、オンセル型相互容量方式タッチセンサのオンセルタッチ層に設けられたメッシュ電極パターンにより形成されたタッチ電極によって囲まれ、RX電極の延在方向に隣接するフローティングパターン同士をジャンパ配線によって結合してRX電極が直線状に形成され、TX電極層(TXセンサコイル群100)は、ディスプレイ300E、300Fよりも下側の層に形成されている。
つまり、本実施形態に係る位置検出装置2においては、TX電極層(TXセンサコイル群100)とRX電極層(RXセンサコイル群200)とを離れた別々の層に設ける構成となっている。
また、本実施形態に係る位置検出装置2において、RX電極層(RXセンサコイル群200)は、オンセル型相互容量方式タッチセンサTS1に統合されている。
そのため、
図13Aに示すように、オンセル型相互容量方式タッチセンサ(静電容量センサ)TS1が設けられるディスプレイフロントパネル層301より上側の層に、TX電極層(TXセンサコイル群100)よりも小電流で動作するRX電極層(RXセンサコイル群200)が統合され、ディスプレイフロントパネル層301より下側のTFTバックパネル層302にTX電極層(TXセンサコイル群100)が統合されて設けられることにより、ディスプレイ300Eの視認性を害することのなく、位置検出装置としての性能を維持しつつ、スタック構造を薄型してデザイン性を向上させることができる。
【0081】
本実施形態に係る位置検出装置2は、
図15Bに示すように、TX電極層(TXセンサコイル群100)はTFTバックパネル層302には設けられずに、ディスプレイ300Fより下側のTX電極層(TXセンサコイル群100)に設けられ、オンセル型相互容量方式タッチセンサ(静電容量センサ)TS1が設けられるディスプレイフロントパネル層301より上側の層にオンセル型相互容量方式タッチセンサTS1と共にRX電極層(RXセンサコイル群200)が設けられ、その上側にカバーガラスが設けられて構成されている。
つまり、本実施形態に係る位置検出装置2においては、TX電極層(TXセンサコイル群100)とRX電極層(RXセンサコイル群200)とを離れた別々の層に設ける構成となっている。
そのため、
図15Bに示すように、オンセル型相互容量方式タッチセンサ(静電容量センサ)TS1が設けられるディスプレイフロントパネル層301より上側の層に、TX電極層(TXセンサコイル群100)よりも小電流で動作するRX電極層(RXセンサコイル群200)が統合され、ディスプレイ300Fより下側にTX電極層(TXセンサコイル群100)を設けることにより、ディスプレイ300Fの視認性を害することのなく、位置検出装置としての性能を維持しつつ、スタック構造を薄型してデザイン性を向上させることができる。
【0082】
本実施形態に係る位置検出装置2において、TXセンサコイルT0、T1、・・・T15を各々構成するTX電極120・・・TX電極135と、TX電極120~TX電極135を互いに接続する第2の接続部としての接続導体130と、を含み櫛形(SAW形状)の形状に構成されている。
つまり、本実施形態に係る位置検出装置2においては、スイッチ11を制御することにより、例えば、TX電極125とTX電極126を束にしてTX回路10のTX端子に接続しつつ、TX電極128とTX電極129とを束にしてTX回路10のTX_inv端子に接続する。
また、TX回路10は、TX端子とTX_inv端子とを互いに電流の変化量が逆相になるように制御することにより、TX電極125とTX電極126の束と、TX電極128とTX電極129の束との間(TX電極127付近)に、束にしない場合に比して、また、TX_invを固定電位とする場合に比して強い送出磁界を形成することができる。
換言すれば、複数のTX電極を束にすることにより、本来線幅が細くインピーダンスが大きなTX電極によって、TX電極層(TXセンサコイル群100)を形成しても、所望の強さの送出磁界を形成することができる。
【0083】
<第4の実施形態>
図16、
図17を用いて、本実施形態に係る位置検出装置3について説明する。
なお、RX電極層(RXセンサコイル群200)の構成については、第1の実施形態から第3の実施形態と同様であるため、詳細な説明は、省略する。
【0084】
<位置検出装置3のスタック構成>
図16は、カバーフィルムの上側面同士が近づく方向(谷折り方向)に図中一点鎖線で示す折曲軸を中心に折り曲げることができるフレキシブルディスプレイを含むスタック構成を示している。
図16に示すように、位置検出装置3のスタック構成1は、ディスプレイ300Gが第1の実施形態において示した所謂オンセル型相互容量方式TS1であり、ディスプレイフロントパネル層301より上側の層にオンセル型相互容量方式TS1が設けられるとともに、RX電極層(RXセンサコイル群200)が統合されて設けられている。
つまり、
図16に示す位置検出装置3のスタック構成は、TX電極層(TXセンサコイル群100)とRX電極層(RXセンサコイル群200)とを離れた別々の層に設ける構成となっている。
また、TX電極層(TXセンサコイル群100)は、実装されるサポートプレート400のペンに対して下面の一方の面側に形成されている。
【0085】
図16に示すように、サポートプレート400の下側面の一面にTX電極層(TXセンサコイル群100)が直接設けられている。
好ましくは、サポートプレート400は、電磁誘導に影響を与えない導電性の低い材料で構成され、かつガラスエポキシ基板(FR4等)等の剛性を有するリジッド基板であり、TX電極層(TXセンサコイル群100)は、サポートプレート400の一面(
図16では上側の面)に銅、銀、カッパーなどの導電性材料がプリントにより実装されて設けられている。
TX電極層(TXセンサコイル群100)のパッド群には、FPC側のコネクタ端子を圧着しFPCを介してコントローラが接続されている。
また、
図16のように、TX電極層(TXセンサコイル群100)の下側に磁気シールド板を設けるようにしてもよい。
【0086】
<TX電極層(TXセンサコイル群100)の構成>
図17は、TX電極層(TXセンサコイル群100)の構成例を示した図である。
図17に示すTX電極層(TXセンサコイル群100)の構成は、特に
図16の構成例のように折り曲げることができるフレキシブルディスプレイを用いた場合に有効である。
【0087】
図17に示す構成は、例えば、
図16では、TX電極層(TXセンサコイル群100)は、ペンに対して、サポートプレート400の下面側にプリントにより実装されている。
【0088】
図17に示すように、TX電極層(TXセンサコイル群100)は、TXセンサコイルT0、T1、・・・T15を各々構成するTX電極120・・・TX電極135と、TX電極120~TX電極135を互いに接続する接続導体130と、を含み櫛形(SAW形状)の形状に構成されている。
【0089】
図17に示すように、TX電極120~135はパッド群140に接続されている。
TX電極層(TXセンサコイル群100)のパッド群140は、図示しないFPCのコネクタ端子に圧着されFPCを介して各々の端子に対応するコントローラのピンが接続され、コントローラによりTXセンサコイルとして駆動される。
【0090】
<作用・効果>
以上、説明したように、本実施形態に係る位置検出装置3は、折り曲げることができるフレキシブルディスプレイを含むスタック構成であって、ディスプレイ300Gは所謂オンセル型相互容量方式タッチセンサTS1であり、ディスプレイフロントパネル層301より上側の層にオンセル型相互容量方式TS1が設けられるとともに、RX電極層(RXセンサコイル群200)が統合されて設けられている。
つまり、本実施形態に係る位置検出装置3は、TX電極層(TXセンサコイル群100)とRX電極層(RXセンサコイル群200)とを離れた別々の層に設ける構成となっている。
また、TX電極層(TXセンサコイル群100)は、実装されるサポートプレート400のペンに対して下面側に形成されている。
そのため、ディスプレイ300Gの視認性を損なうことのなく、位置検出装置としての性能を維持しつつ、スタック構造を薄型してデザイン性を向上させることができる。
また、TX電極層(TXセンサコイル群100)は、実装されるサポートプレート400のペンに対して下面側に形成されおり、TX電極層(TXセンサコイル群100)に対して、FPC側のコネクタ端子を圧着しFPCを介してコントローラが接続されている構造となっている。
換言すると、サポートプレート400のペンに対して上面は、フラットなままになっていることから、サポートプレート400の上部にディスプレイ300Gを接着剤等で接着されたとしても、ディスプレイ300Gの平面度や傾きに影響を与えない構造となっている。
【0091】
<第5の実施形態>
図18、
図19を用いて、本実施形態に係る位置検出装置4について説明する。
なお、RX電極層(RXセンサコイル群200)の構成については、第1の実施形態から第4の実施形態と同様であるため、詳細な説明は、省略する。
【0092】
<位置検出装置4のスタック構成1>
図18Aは、サポートプレートが分割されたフレキシブルディスプレイを含むスタック構成を示している。
第4の実施形態と同様に、ディスプレイ300Gは所謂オンセル型相互容量方式タッチセンサTS1であり、ディスプレイフロントパネル層301より上側の層にオンセル型相互容量方式タッチセンサTS1が設けられるとともに、RX電極層(RXセンサコイル群200)が統合されて設けられている。
つまり、
図18Aに示す位置検出装置4のスタック構成1は、TX電極層(TXセンサコイル群100)とRX電極層(RXセンサコイル群200)とを離れた別々の層に設ける構成となっている。
TX電極層(TXセンサコイル群100)は、実装されるサポートプレート400-1、400-2のペンに対して下面側に形成されている。
【0093】
図18Aの構成では、第1のサポートプレート400-1の上側面にTX電極層(TXセンサコイル群100-1)が、第2のサポートプレート400―2の上側面にTX電極層(TXセンサコイル群100-2)が、直接設けられている。
好ましくは、サポートプレート400-1、400-2は、ガラスエポキシ基板(FR4等)等の剛性を有するリジッド基板であり、TX電極層(TXセンサコイル群100-1)およびTX電極層(TXセンサコイル群100-2)は、サポートプレート400の一面(
図16Aでは上側の面)に銅、銀、カッパーなどの導電性材料がプリントにより実装されて設けられている。
また、第1のサポートプレート400-1および第2のサポートプレート400-2の下面側には、第1のサポートプレート400-1および第2のサポートプレート400-2の上面側に形成されたTX電極層(TXセンサコイル群100-1、TXセンサコイル群100-2)とビアを介して接続されるパッド群あるいは一部のTXセンサコイル配線がプリント実装され、フレキシブル基板と接続するコネクタ端子に圧着されている。
なお、
図16Aに示すように、TX電極層(TXセンサコイル群100-1)あるいはTX電極層(TXセンサコイル群100-2)を実装した第1のサポートプレート400-1および第2のサポートプレート400-2の下側に磁気シールド板を設けるようにしてもよい。
【0094】
<位置検出装置4のスタック構成2>
図18Bの構成では、
図18Aの構成とは異なり、分離した第1のサポートプレート400-1および第2のサポートプレート400-2の下側面の一面にTX電極層(TXセンサコイル群100-1)あるいはTX電極層(TXセンサコイル群100-2)が直接設けられている。
つまり、
図18Bに示す位置検出装置4のスタック構成2は、TX電極層(TXセンサコイル群100)とRX電極層(RXセンサコイル群200)とを離れた別々の層に設ける構成となっている。
TX電極層(TXセンサコイル群100-1)およびTX電極層(TXセンサコイル群100-2)には、FPC側のコネクタ端子に圧着しFPCを介してコントローラが接続されている。
なお、
図18Bのように、TX電極層(TXセンサコイル群100-1)およびTX電極層(TXセンサコイル群100-2)の下側に磁気シールド板を設けるようにしてもよい。
【0095】
<TX電極層(TXセンサコイル群100)の構成>
図19は、TX電極層(TXセンサコイル群100-1、100-2)の構成例を示した図である。
図19に示すTX電極層(TXセンサコイル群100、100-2)の構成は、特に
図18A、
図18Bの構成例のように折り曲げることができるフレキシブルディスプレイを用いた場合に有効である。
【0096】
図19に示す構成は、例えば、
図18Aあるいは
図18Bでは、サポートプレート400が分離され、TX電極層がペンに対して、分離したサポートプレート400-1、400-2の上面側あるいは下面側に形成されている。
具体的には、
図19の構成では、TX電極層(TXセンサコイル群100)は、
図18Aあるいは
図18Bのサポートプレート400-1にプリントにより実装された第1のTX電極層(TXセンサコイル群100-1)と、サポートプレート400-2にプリントにより実装された第2のTX電極層(TXセンサコイル群100-2)とを含み構成されている。
また、例えば、
図18Bに示すように、サポートプレート400-2の下面側には、パッド群140-1、140-2がプリント実装され、フレキシブル基板と接続するコネクタ端子に圧着されている。
なお、サポートプレート400-1とサポートプレート400-2との間については、可撓性を有する部材あるいは構造である折り曲げ部400-3を設け、その部分は、他の第1の接続部としての接続導体130に比して曲げ操作に対して断線しにくいような材質、構造で構成された折り曲げ腰部接続導体131を設けるようにしてもよい。
【0097】
図19に示すように、TX電極層(TXセンサコイル群100)は、TXセンサコイルT0、T1、・・・T15を各々構成するTX電極120・・・TX電極135と、TX電極120~TX電極135を互いに接続する接続導体130と、を含み櫛形(SAW形状)の形状に構成されている。
【0098】
図19に示すように、TX電極120~127は第1のパッド群140-1に接続され、TX電極128~135は第2のパッド群140-2に接続されている。
TX電極層(TXセンサコイル群100)のパッド群140は、図示しないFPCのコネクタ端子に圧着されFPCを介して各々の端子に対応するコントローラのピンが接続され、コントローラによりTXセンサコイルとして駆動される。
【0099】
<作用・効果>
本実施形態に係る位置検出装置4は、折り曲げることができるフレキシブルディスプレイを含むスタック構成であって、ディスプレイ300Gは所謂オンセル型相互容量方式タッチセンサTS1であり、ディスプレイフロントパネル層301より上側の層にオンセル型相互容量方式タッチセンサTS1が設けられるとともに、RX電極層(RXセンサコイル群200)が統合されて設けられている。
一方で、分離した第1のサポートプレート400-1および第2のサポートプレート400-2の下側面の一面にTX電極層(TXセンサコイル群100-1)あるいはTX電極層(TXセンサコイル群100-2)が直接設けられている。
つまり、位置検出装置4のスタック構成2は、TX電極層(TXセンサコイル群100)とRX電極層(RXセンサコイル群200)とを離れた別々の層に設ける構成となっている。
そのため、ディスプレイ300Gの視認性を損なうことのなく、位置検出装置としての性能を維持しつつ、スタック構造を薄型してデザイン性を向上させることができる。
また、TX電極層(TXセンサコイル群100-1、100-2)は、実装される第1のサポートプレート400-1および第2のサポートプレート400-2のペンに対して下面側に形成されている。
また、サポートプレート400-2の下面側には、パッド群140-1、140-2がプリント実装され、フレキシブル基板と接続するコネクタ端子に圧着されている。
そのため、第1のサポートプレート400-1および第2のサポートプレート400-2の上面は、平面度を極力維持する構造となっており、第1のサポートプレート400-1および第2のサポートプレート400-2の上部にディスプレイ300Gを接着剤等で接着しても、ディスプレイ300Gの平面度や傾きに影響を与えにくい構造となっている。
【0100】
本実施形態に係る位置検出装置3は、折り曲げることができるフレキシブルディスプレイを含むスタック構成であって、折り曲げることができるフレキシブルディスプレイを含むスタック構成であって、ディスプレイ300Jは所謂オンセル型相互容量方式タッチセンサTS1であり、ディスプレイフロントパネル層301より上側の層にオンセル型相互容量方式タッチセンサTS1が設けられるとともに、RX電極層(RXセンサコイル群200)が設けられている。
一方で、分離した第1のサポートプレート400―1および第2のサポートプレート400―2の下側面の一面にTX電極層(TXセンサコイル群100-1)あるいはTX電極層(TXセンサコイル群100-2)が直接設けられている。
つまり、位置検出装置3のスタック構成3は、TX電極層(TXセンサコイル群100)とRX電極層(RXセンサコイル群200)とを離れた別々の層に設ける構成となっている。
また、TX電極層(TXセンサコイル群100-1)およびTX電極層(TXセンサコイル群100-2)には、FPC側のコネクタ端子を圧着しFPCを介してコントローラが接続されている。
そのため、ディスプレイ300Jの視認性を損なうことのなく、位置検出装置としての性能を維持しつつ、スタック構造を薄型してデザイン性を向上させることができる。
また、TX電極層(TXセンサコイル群100-1、TXセンサコイル群100-2)は、実装される第1のサポートプレート400-1および第2のサポートプレート400-2のペンに対して下面側に形成されており、TX電極層(TXセンサコイル群100-1、TXセンサコイル群100-2)に対して、FPC側のコネクタ端子を圧着しFPCを介してコントローラが接続されている構造となっている。
換言すると、第1のサポートプレート400-1および第2のサポートプレート400-2のペンに対して上面は、フラットなままになっていることから、第1のサポートプレート400-1および第2のサポートプレート400-2の上部にディスプレイ300Jを接着剤等で接着しても、ディスプレイ300Jの平面度や傾きに影響を与えない構造となっている。
【0101】
本実施形態に係る位置検出装置3のTX電極層(TXセンサコイル群100)は、サポートプレート400が分離され、TX電極層がペンに対して、分離したサポートプレート400-1、400-2の上面側あるいは下面側に形成されている。
具体的には、TX電極層(TXセンサコイル群100)は、
図19の構成を有し、
図18A及び
図18Bのサポートプレート400-1にプリントにより実装された第1のTX電極層(TXセンサコイル群100-1)と、サポートプレート400-2にプリントにより実装された第2のTX電極層(TXセンサコイル群100-2)とを含み構成されている。
また、本実施形態に係る位置検出装置3のTX電極層(TXセンサコイル群100)は、TXセンサコイルT0、T1、・・・T15を各々構成するTX電極120・・・TX電極135と、TX電極120~TX電極135を互いに接続する第2の接続部としての接続導体130と、を含み櫛形(SAW形状)の形状に構成されている。
つまり、本実施形態に係る位置検出装置3のTX電極層(TXセンサコイル群100)においては、スイッチ11を制御することにより、例えば、TX電極125とTX電極126を束にしてTX回路10のTX端子に接続しつつ、TX電極128とTX電極129とを束にしてTX回路10のTX_inv端子に接続する。
また、TX回路10は、TX端子とTX_inv端子とを互いに電流の変化量が逆相になるように制御することにより、TX電極125とTX電極126の束と、TX電極128とTX電極129の束との間(TX電極127付近)に、束にしない場合に比して、また、TX_invを固定電位とする場合に比して強い送出磁界を形成することができる。
換言すれば、複数のTX電極を束にすることにより、線幅が細くインピーダンスが大きなTX電極によって、TX電極層(TXセンサコイル群100)を形成しても、所望の強さの送出磁界を形成することができる。
【0102】
<変形例1>
第1の実施形態においては、オンセル型相互容量方式タッチセンサTS1にRX電極層(RXセンサコイル群200)を統合したセンサ1を示したが、第1センサ電極(タッチパネル用TX電極)210を電磁誘導方式によるペン検出を行う時には、電磁誘導方式によるペン検出を行うためのTX電極層(TXセンサコイル群100)として利用することにより、実質的に、オンセル型相互容量方式タッチセンサTS1にRX電極層(RXセンサコイル群200)を統合したセンサとし、RX電極層(RXセンサコイル群200)を別の層に形成するようにしてもよい。
【0103】
<変形例2>
上述の実施形態においては、説明内容を理解容易とするために、TX電極は磁界を送出するための電極、RX電極はペン信号を検出するための電極として、機能を一意に定めて説明したが、TX電極は、時分割で磁界を送出するためのTX電極として動作した後、ペン信号を検出するためのRX電極の配列軸(例えば、X軸)とは異なる他の軸(例えば、Y軸)のペン信号を検出するためのRX電極として動作するとしてもよい。
また、上述の実施形態におけるTX電極を第1の方向に併設された第1電極と、RX電極を第2方向に併設された第2電極と読み替えてもよい。
【0104】
なお、TX回路10等の処理をコンピュータシステムが読み取り可能な記録媒体に記録し、この記録媒体に記録されたプログラムをTX回路10等に読み込ませ、実行することによって本発明のセンサ1、センサ1Aおよび位置検出装置2~4を実現することができる。ここでいうコンピュータシステムとは、OSや周辺装置等のハードウェアを含む。
【0105】
また、「コンピュータシステム」は、WWW(World Wide Web)システムを利用している場合であれば、ホームページ提供環境(あるいは表示環境)も含むものとする。また、上記プログラムは、このプログラムを記憶装置等に格納したコンピュータシステムから、伝送媒体を介して、あるいは、伝送媒体中の伝送波により他のコンピュータシステムに伝送されてもよい。ここで、プログラムを伝送する「伝送媒体」は、インターネット等のネットワーク(通信網)や電話回線等の通信回線(通信線)のように情報を伝送する機能を有する媒体のことをいう。
【0106】
また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよい。さらに、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組合せで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。
【0107】
以上、この発明の実施形態につき、図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。
【符号の説明】
【0108】
1;センサ
1A;センサ
2;位置検出器
3;位置検出器
4;位置検出器
10;TX回路
11;スイッチ
12;スイッチ
20;RX回路
100;TX電極層(TXセンサコイル群)
100A;TX電極層(TXセンサコイル群)
100-1;第1のTX電極層
100-2;第2のTX電極層
120;TX電極
121;TX電極
125;TX電極
126;TX電極
127;TX電極
128;TX電極
129;TX電極
130;接続導体
135;TX電極
140;パッド群
140-1;第1のパッド群
140-2;第2のパッド群
200;RX電極層(RXセンサコイル群)
300;ディスプレイ
300B;ディスプレイ
300C;ディスプレイ
300D;ディスプレイ
300E;ディスプレイ
300F;ディスプレイ
300G;ディスプレイ
300J;ディスプレイ
300K;ディスプレイ
300L;ディスプレイ
AA;アクティブエリア
【要約】
位置検出装置としての性能を維持しつつ、スタック構造を薄型してデザイン性を向上させる。
オンセル型相互容量方式タッチセンサTS1と、電磁誘導作用を用いてペンの位置を検出するための交番磁界を生成するTX電極が設けられたTX電極層(TXセンサコイル群100)からの交番磁界によりエネルギーを蓄積したペンが生成するペン交番磁界を検出するRX電極が複数配設されたRX電極層(RXセンサコイル群200)と、を含み、RX電極層(RXセンサコイル群200)は、オンセル型相互容量方式タッチセンサTS1のオンセルタッチ層に設けられたメッシュ電極パターンにより形成されたタッチ電極によって囲まれ、RX電極の延在方向に隣接するフローティングパターン同士をジャンパ配線によって結合してRX電極配線が直線状に形成されている。