(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-25
(45)【発行日】2025-01-09
(54)【発明の名称】緊急事態検出装置、緊急事態検出システム及び緊急事態検出方法
(51)【国際特許分類】
G08B 21/02 20060101AFI20241226BHJP
G08B 25/00 20060101ALI20241226BHJP
【FI】
G08B21/02
G08B25/00 510F
(21)【出願番号】P 2022579615
(86)(22)【出願日】2022-02-03
(86)【国際出願番号】 JP2022004332
(87)【国際公開番号】W WO2022168933
(87)【国際公開日】2022-08-11
【審査請求日】2023-07-11
(31)【優先権主張番号】P 2021017126
(32)【優先日】2021-02-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】521055895
【氏名又は名称】株式会社grigry
(74)【代理人】
【識別番号】110000279
【氏名又は名称】弁理士法人ウィルフォート国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】福嶋 友樹
【審査官】小松崎 里沙
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-085702(JP,A)
【文献】特開2013-073536(JP,A)
【文献】特開2005-135204(JP,A)
【文献】特許第6013660(JP,B1)
【文献】特開2012-095165(JP,A)
【文献】国際公開第2018/047346(WO,A1)
【文献】特開2020-024585(JP,A)
【文献】特開2002-152337(JP,A)
【文献】特開2005-039700(JP,A)
【文献】特開2008-085437(JP,A)
【文献】特開2010-187388(JP,A)
【文献】特開2003-318766(JP,A)
【文献】特開2014-107623(JP,A)
【文献】特開2011-155522(JP,A)
【文献】特開2010-166224(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2017-0098490(KR,A)
【文献】特開2013-085896(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08B19/00-31/00
H03J 9/00- 9/06
H04M 1/00- 1/82
3/00
3/16- 3/20
3/38- 3/58
7/00- 7/16
11/00-11/10
99/00
H04Q 9/00- 9/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
検出装置本体と、
前記検出装置本体に与えられた振動を検出してこの振動に応じた検出信号を出力する振動検出部と、
前記振動検出部からの前記検出信号の大きさが第1の閾値を超えたことを判定する第1の閾値判定部と、
前記第1の閾値判定部による、前記検出信号の大きさが前記第1の閾値を超え
てから次に前記第1の閾値を超えたとの判定の第1の時間間隔を計測するインターバル時間計測部と、
前記第1の閾値判定部による、前記検出信号の大きさが前記第1の閾値を超えたとの判定の後に、前記検出信号の大きさが前記第1の閾値よりも小さい第3の閾値を下回ったことを判定する第2の閾値判定部と、
前記第1の閾値判定部による、前記検出信号の大きさが前記第1の閾値を超えたときから、前記第2の閾値判定部による、前記検出信号の大きさが前記第3の閾値を下回ったときまでの第2の時間間隔を計測する入力波形判定時間計測部と、
前記第1の時間間隔が第2の閾値以下で且つ前記第2の時間間隔が第4の閾値以下になった回数が所定の回数を超えたら緊急事態を検出する緊急事態検出部と
を有することを特徴とする緊急事態検出装置。
【請求項2】
検出装置本体と、
前記検出装置本体に与えられた振動を検出してこの振動に応じた検出信号を出力する振動検出部と、
前記振動検出部からの前記検出信号の大きさが第1の閾値を超えたことを判定する第1の閾値判定部と、
前記第1の閾値判定部による、前記検出信号の大きさが前記第1の閾値を超え
てから次に前記第1の閾値を超えたとの判定の時間間隔を計測するインターバル時間計測部と、
前記インターバル時間計測部により計測された前記時間間隔が第2の閾値以下で且つ前記第2の閾値よりも小さい第5の閾値を超えた回数が所定の回数を超えたら緊急事態を検出する緊急事態検出部と
を有することを特徴とする緊急事態検出装置。
【請求項3】
前記所定の回数、前記第1の閾値、前記第2の閾値及び前記第3の閾値は、ユーザが任意に設定変更可能に構成されていることを特徴とする請求項1に記載の緊急事態検出装置。
【請求項4】
前記所定の回数、前記第1の閾値、及び前記第2の閾値は、ユーザが任意に設定変更可能に構成されていることを特徴とする請求項2に記載の緊急事態検出装置。
【請求項5】
前記緊急事態検出装置により前記緊急事態が検出されたときに周囲の音声を録音する録音部と、
報知音を出力する報知部と、
を有し、
前記緊急事態検出部により緊急事態が検出されたときに、前記録音部が周囲の音声を録音する録音モード、または前記報知部が報知音を出力するブザーモード、または録音モード及びブザーモードの両モードを実行可能な複合モードのいずれかのモードに遷移するかをユーザが選択可能に構成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の緊急事態検出装置。
【請求項6】
前記検出装置本体は、ユーザに長押しされたときに緊急事態を検出する押しボタンスイッチを有し、
前記振動検出部及び前記押しボタンスイッチで緊急事態を検出する通常モード、または前記押しボタンスイッチで緊急事態を検出するボタンモードをユーザが選択可能に構成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の緊急事態検出装置。
【請求項7】
検出装置本体に与えられた振動に基づいて緊急事態を検出する緊急事態検出装置と、
前記緊急事態検出装置毎に緊急連絡先が登録された外部サーバと、
前記緊急事態検出装置と通信可能なプログラムが格納されたユーザ端末と
を有し、
前記緊急事態検出装置は、当該緊急事態検出装置に電力を供給するバッテリーと、
前記バッテリーの充電残量が所定残量以下の場合、前記外部サーバ及び前記ユーザ端末に残量警告信号を送出する充電残量通知部と、
ユーザに前記バッテリーの充電を喚起する画面を前記ユーザ端末に表示する充電切れ防止部と
を有し、
前記外部サーバは、前記ユーザ端末及び前記緊急連絡先に前記残量警告信号を送出することを特徴とする緊急事態検出システム。
【請求項8】
検出装置本体に与えられた振動に基づいて緊急事態を検出する緊急事態検出装置と、
前記緊急事態検出装置により緊急事態が検出された際の前記検出装置本体の位置情報を格納する外部サーバと、
現在位置情報を前記外部サーバに通知するユーザ端末と、
を有し、
前記外部サーバは、前記現在位置情報から所定の距離範囲内に前記位置情報がある場合、前記ユーザ端末に危険アラートを送出することを特徴とする緊急事態検出システム。
【請求項9】
検出装置本体に与えられた振動に基づいて緊急事態を検出する緊急事態検出装置と、
前記緊急事態検出装置と通信する外部サーバと、
を有し、
前記緊急事態検出装置は、
前記緊急事態検出装置により前記緊急事態が検出されたときに周囲の音声を録音する録音部と、
前記録音部が録音した録音データを格納するメモリと、を有し、
前記録音部による録音が完了した旨を前記外部サーバに送信することを特徴とする緊急事態検出システム。
【請求項10】
検出装置本体に与えられた振動に基づいて緊急事態を検出する緊急事態検出装置と、
前記緊急事態検出装置と通信可能なプログラムが格納されたユーザ端末と
を有し、
前記緊急事態検出装置は、前記緊急事態検出装置が充電中の場合、前記ユーザ端末に御神籤発行許可信号を送信し、
前記ユーザ端末は、前記御神籤発行許可信号を受信した場合、発行した御神籤を画面に表示することを特徴とする緊急事態検出システム。
【請求項11】
緊急事態検出方法であって、
検出装置本体に与えられた振動を検出してこの振動に応じた検出信号を出力し、
前記検出信号の大きさが第1の閾値を超えたことを判定し、
前記検出信号の大きさが前記第1の閾値を超え
てから次に前記第1の閾値を超えたとの判定の第1の時間間隔を計測し、
前記検出信号の大きさが前記第1の閾値を超えたとの判定の後に、前記検出信号の大きさが前記第1の閾値よりも小さい第3の閾値を下回ったことを判定し、
前記検出信号の大きさが前記第1の閾値を超えたときから、前記検出信号の大きさが前記第1の閾値よりも小さい第3の閾値を下回ったときまでの第2の時間間隔を計測し、
計測した前記第1の時間間隔が第2の閾値以下で且つ前記第2の時間間隔が第4の閾値以下になった回数が所定の回数を超えたら緊急事態を検出する
ことを特徴とする緊急事態検出方法。
【請求項12】
緊急事態検出方法であって、
検出装置本体に与えられた振動を検出してこの振動に応じた検出信号を出力し、
前記検出信号の大きさが第1の閾値を超えたことを判定し、
前記検出信号の大きさが前記第1の閾値を超え
てから次に前記第1の閾値を超えたとの判定の時間間隔を計測し、
計測した前記時間間隔が第2の閾値以下で且つ前記第2の閾値よりも小さい第5の閾値を超えた回数が所定の回数を超えたら緊急事態を検出する
ことを特徴とする緊急事態検出方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、緊急事態検出装置、緊急事態検出システム及び緊急事態検出方法に関する。
【背景技術】
【0002】
痴漢、ストーカー、盗難など身体に緊急事態が生じた場合にこれを報知する装置(例えば防犯ブザー)は知られている。
【0003】
本技術分野の背景技術として、特許文献1がある。特許文献1には、「携帯端末装置は、本体ケースと、電波を送受信するアンテナと、常態においてアンテナの一部が本体ケース外に突出した突出部となるように付勢する付勢手段と、を備える。また、携帯端末装置は、付勢手段による付勢に抗して突出部が本体ケース内に押し込み操作されたことを検出する検出手段を備える。突出部の押し込み操作が所定時間以内に所定回数以上なされた場合に防犯機能を作動させる」ことが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
先行文献である特許文献1に開示された携帯端末装置は、突出部の押し込み操作が所定時間以内に所定回数以上なされた場合に防犯機能を作動させる。しかしながら、緊急事態が発生した咄嗟の状態において、携帯端末装置に備えられた突出部を確実に押し込み操作できるとは限らない。
【0006】
本発明は上記の課題に鑑みてなされたもので、緊急事態が生じた際に確実に緊急事態を検出し、かつ誤検出を低減することが可能な緊急事態検出装置、緊急事態検出システム及び緊急事態検出方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決すべく、本発明の一つの観点に従う緊急事態検出装置は、検出装置本体と、検出装置本体に与えられた振動を検出してこの振動に応じた検出信号を出力する振動検出部と、振動検出部からの検出信号の大きさが第1の閾値を超えたことを判定する第1の閾値判定部と、第1の閾値判定部による、検出信号の大きさが第1の閾値を超えたとの判定の時間間隔を計測するインターバル時間計測部と、インターバル時間計測部により計測された時間間隔が第2の閾値以下になった回数が所定の回数を超えたら緊急事態を検出する緊急事態検出部とを有する。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、緊急事態が生じた際に確実に緊急事態を検出し、かつ誤検出を低減することが可能な緊急事態検出装置及び緊急事態検出方法を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】第1実施形態に係る緊急事態検出装置の機能構成を示すブロック図である。
【
図2】第1実施形態に係る緊急事態検出装置の外観を示す図である。
【
図3】第1実施形態に係る緊急事態検出装置の検出の原理の一例を示す図である。
【
図4】第1実施形態に係る緊急事態検出装置の検出の原理の他の例を示す図である。
【
図5】第1実施形態に係る緊急事態検出装置の動作を説明するためのフローチャートである。
【
図6】第2実施形態に係る緊急事態検出装置の機能構成を示すブロック図である。
【
図7】第2実施形態に係る緊急事態検出装置の外観を示す図である。
【
図8】第2実施形態に係る緊急事態検出装置の外観及び内観を示す図である。
【
図9】第2実施形態に係るユーザ端末の設定画面を示す図である。
【
図10】第2実施形態に係る動作モードの状態遷移図である。
【
図11】第2実施形態に係る緊急事態判定制御を示すフローチャートである。
【
図12】第2実施形態に係る充電残量通知制御を示すフローチャートである。
【
図13】第2実施形態に係る御神籤機能を示すフローチャートである。
【
図14】第2実施形態に係る外部サーバの機能構成を示すブロック図である。
【
図15】第2実施形態に係るSOS通知制御を示すフローチャートである。
【
図16】第2実施形態に係るデータ解析制御を示すフローチャートである。
【
図17】第2実施形態に係る遠隔操作制御を示すフローチャートである。
【
図18】第2実施形態に係る遠隔操作制御を説明するための図である。
【
図19】第2実施形態に係る安全支援制御を示すフローチャートである。
【
図20】第2実施形態に係る危険スポットの表示例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。なお、以下に説明する実施形態は請求の範囲に係る発明を限定するものではなく、また実施形態の中で説明されている諸要素及びその組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
【0011】
なお、実施例を説明する図において、同一の機能を有する箇所には同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
【0012】
なお、以下の説明では、「プログラム」を主語として処理を説明する場合があるが、プログラムは、プロセッサ(例えばCPU(Central Processing Unit))によって実行されることで、定められた処理を、適宜に記憶資源(例えばメモリ)及び/又は通信インターフェースデバイス(例えばポート)を用いながら行うため、処理の主語がプログラムとされても良い。プログラムを主語として説明された処理は、プロセッサ或いはそのプロセッサを有する計算機が行う処理としても良い。
【実施例1】
【0013】
図1は、第1実施形態に係る緊急事態検出装置の機能構成を示すブロック図で、
図2は第1実施形態に係る緊急事態検出装置の外観を示す図である。
【0014】
本実施形態の緊急事態検出装置1は、
図2に示すように箱状の装置本体2の中に各種装置が収納されて構成されている。
【0015】
緊急事態検出装置1は、プロセッサ10、メモリ11、押しボタンスイッチ12、加速度センサモジュール13、GPSモジュール14,通信モジュール15、スピーカーモジュール16及びバッテリー17を有する。
【0016】
プロセッサ10は、例えばCPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)等である。メモリ11は、例えばRAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、SSD(Solid State Drive)などの半導体記憶媒体等を有する。
【0017】
メモリ11には、ファームウェアなどのプログラムが格納されている。緊急事態検出装置1の動作開始時(例えば電源投入時)にファームウェア等のプログラムをこのメモリ11から読み出して実行し、後述する各種機能を実施することで緊急事態検出装置1の制御を行う。また、メモリ11には、プログラム以外にも、緊急事態検出装置1の各処理に必要なデータ等が格納されている。
【0018】
押しボタンスイッチ12は、
図2に示すように装置本体2の外面に露出されるように配置されている。この押しボタンスイッチ12は、後述する緊急事態検出によりスピーカーモジュール16から報知音が出力された際に、緊急事態検出装置1を所持する人により長押しされ、これにより押しボタンスイッチ12が入力信号をプロセッサ10に出力し、プロセッサ10は報知音の出力を停止する。
【0019】
加速度センサモジュール13は、装置本体2に加えられた振動、衝撃を加速度として検出し、装置本体2に与えられた加速度を検出信号として出力する。加速度センサモジュール13は、好ましくは互いに直交する3つの軸(X軸、Y軸、Z軸)を有する座標軸における軸毎の加速度を検出し、軸毎の検出信号を出力する。
【0020】
GPSモジュール14は、GPS衛星からの信号を受信してこの信号に基づいて装置本体2が位置する位置情報を出力する。GPSモジュール14は、所定の時間間隔毎に位置情報を出力し、プロセッサ10は、少なくとも直近の位置情報を一時的にメモリ11に格納する。
【0021】
通信モジュール15は、プロセッサ10からの指示に基づいて移動体通信網に代表されるWAN(Wide Area Network)を介して外部サーバ3と通信を行う。
【0022】
スピーカーモジュール16は、プロセッサ10からの指示に基づいて報知音を出力する。
【0023】
バッテリー17は、プロセッサ10を含む緊急事態検出装置1の動作に必要な電力を供給する。バッテリー17は、装置本体2の外面に露出して
図2では図略のコネクタ(例えばmicroUSB端子)18を介して充電される。
【0024】
プロセッサ10は、メモリ11に格納されたプログラムが実行されることで、それぞれ、振動検出部20、第1の閾値判定部21、第2の閾値判定部22、インターバル時間計測部23、入力波形判定時間計測部24、カウンタ25、位置情報取得部26、緊急事態検出部27、報知部28及び通信部29として機能する。
【0025】
振動検出部20は、装置本体2に与えられた振動を検出してこの振動に応じた検出信号を出力する。具体的には、振動検出部20は、加速度センサモジュール13から出力される軸毎の加速度検出信号の合成ベクトルを算出し、この合成ベクトルの大きさを、装置本体2に与えられた振動を表す検出信号とする。
【0026】
第1の閾値判定部21は、振動検出部20からの検出信号の大きさが第1の閾値を超えたことを判定する。インターバル時間計測部23は、検出信号の大きさが第1の閾値を超えたと第1の閾値判定部21が判定したら、第1の閾値判定部21の判定の時間間隔を計測する。
【0027】
カウンタ25は、インターバル時間計測部23により計測された時間間隔が第2の閾値以下であればカウント数を加算し、また、時間間隔が第2の閾値を超えたらカウント数をリセットする。
【0028】
緊急事態検出部27は、カウンタ25のカウント数が所定の回数を超えたら緊急事態を検出する。
【0029】
報知部28は、緊急事態検出部27が緊急事態を検出したら、緊急事態が生じていることをスピーカーモジュール16から報知音を出力させることで報知する。
【0030】
位置情報取得部26は、GPS衛星から受信した情報に基づいて装置本体2が存在する位置情報を取得する。具体的には、位置情報取得部26は、GPSモジュール14から出力される位置情報を取得し、これを装置本体2が存在する位置情報とする。
【0031】
通信部29は、緊急事態検出部27により緊急事態が検出された際の位置情報(メモリ11に一時的に格納されている位置情報を含む)と緊急事態検出部27により緊急事態が検出されたことを示す情報とを外部サーバ3に送出する。
【0032】
第2の閾値判定部22は、第1の閾値判定部21が、振動検出部20が出力する検出信号の大きさが第1の閾値を超えたと判定した後に、引き続き振動検出部20が出力する検出信号の大きさが第3の閾値を下回ったことを判定する。
【0033】
入力波形判定時間計測部24は、第1の閾値判定部21が、振動検出部20が出力する検出信号の大きさが第1の閾値を超えたと判定してから、第2の閾値判定部22が、振動検出部20が出力する検出信号の大きさが第3の閾値を下回ったと判定するまでの時間間隔を計測する。
【0034】
そして、緊急事態検出部27は、入力波形判定時間計測部24により計測された時間間隔が第4の閾値を超えたら緊急事態を検出しない。
【0035】
また、緊急事態検出部27は、インターバル時間計測部23により計測された時間間隔が第2の閾値より小さい第5の閾値以下であれば緊急事態を検出しない。
【0036】
次に、
図3及び
図4を参照して、本実施形態の緊急事態検出装置1の動作について説明する。
【0037】
図3は、第1本実施形態の緊急事態検出装置1の検出の原理の一例を示す図である。
【0038】
図3の上段に示すように、振動検出部20は、装置本体2に与えられた振動を検出し、加速度の合成ベクトル値(合成ベクトルの大きさ)として検出信号を出力する。第1の閾値判定部21は、この検出信号の大きさが検出開始閾値(第1の閾値)を超えたらこれを判定する。次いで、第2の閾値判定部22は、第1の閾値判定部21による判定の後、検出信号の大きさが検出終了閾値(第3の閾値)を超えたらこれを判定する。
【0039】
図3の上段に示すように、振動検出部20が一定の時間間隔を置いて複数の振動を検出したら、第1の閾値判定部21及び第2の閾値判定部22がそれぞれ閾値判定をし、インターバル時間計測部23は、第1の閾値判定部21による判定の時間間隔(検出インターバル時間)を計測する。
【0040】
図3の中段に示すように、カウンタ25は、第2の閾値判定部22による判定があるとカウントを開始し、インターバル時間計測部23により計測された検出インターバル時間が第2の閾値以下であればカウント数を加算し、また、検出インターバル時間が第2の閾値を超えたらカウント数をリセットする。
図3に示す例では、カウンタ25はカウント数を3つまで加算している。
【0041】
そして、緊急事態検出部27は、カウンタ25のカウント数が所定の回数(
図3に示す例では3回)を超えたら、緊急事態が生じていることを検出し(
図3の下段において検出フラグON)、報知部28により報知音を出力させ、通信部29により、緊急事態検出時の位置情報と緊急事態が生じたことを示す情報とを外部サーバ3に送出する。
【0042】
図4は、第1本実施形態の緊急事態検出装置1の検出の原理の他の例を示す図である。
【0043】
図4に示す緊急事態検出装置1の検出の原理は
図3に示すそれと略同一である。
図4において、入力波形判定時間計測部24は、第1の閾値判定部21が、検出信号の大きさが検出開始閾値を超えたと判定してから、第2の閾値判定部22が、検出信号の大きさが検出終了閾値を下回ったと判定するまでの時間間隔(入力波形判定時間)を計測する。
【0044】
そして、緊急事態検出部27は、入力波形判定時間計測部24により計測された入力波形判定時間が第4の閾値を超えたら緊急事態を検出しない。
図4に示す例では、入力波形判定時間が第4の閾値を超えたら、カウンタ25がカウント数を加算しない。これにより、入力波形判定時間が第4の閾値を超えている検出信号波形が緊急事態検出部27による緊急事態検出の基礎とならない。
【0045】
図5は、第1本実施形態の緊急事態検出装置1の動作を説明するためのフローチャートである。
【0046】
まず、緊急事態検出装置1の振動検出部20は、加速度センサモジュール13からの信号に基づいて、装置本体2に与えられた振動の大きさを示す検出信号を加速度の合成ベクトル値として算出する(S100)。次いで、第1の閾値判定部21は、S100において算出された検出信号が検出開始閾値より大きいか否かを判定し(S101)、大きいと判定したら(S101においてYES)S102に進み、検出開始閾値以下であると判定したら(S101においてNO)S100に戻る。
【0047】
S102では、入力波形判定時間計測部24が入力波形判定時間を計測する。入力波形判定時間計測部24による計測は、第2の閾値判定部22が、検出信号が検出終了閾値より小さいと判定する(S103においてYES)まで継続される。並行して、インターバル時間計測部23は、第1の閾値判定部21の判定の時間間隔である検出インターバル時間を計測する。
【0048】
緊急事態検出部27は、入力波形判定時間計測部24が計測した入力波形判定時間が第4の閾値より大きいか否かを判定し(S104)、大きいと判定したら(S104においてYES)S112に進み、第4の閾値以下であると判定したら(S104においてNO)S105に進む。
【0049】
S105において、カウンタ25は、インターバル時間計測部23が計測した検出インターバル時間が第2の閾値よりも大きいか否かを判定する。そして、検出インターバル時間が第2の閾値より大きいと判定したら(S105においてYES)、S106においてカウント数をクリアしてS107に進み、検出インターバル時間が第2の閾値以下であると判定したら(S105においてNO)インターバル時間計測部23は検出インターバル時間をリセットする(S107)。
【0050】
次いで、カウンタ25は、カウント数を1つ加算し(S108)、インターバル時間計測部23は検出インターバル時間の計測を開始する(S109)。
【0051】
そして、緊急事態検出部27は、カウンタ25によりカウントされたカウント数が所定の回数(
図3、
図4に示す例では3回)以上に達したか否かを判定する(S110)。そして、カウント数が所定の回数以上に達したと判定したら(S110においてYES)、S111において緊急事態が生じていることを検出し、報知部28から報知音を出力させ、通信部29を介して位置情報等を外部サーバ3に送出させる。一方、カウント数が所定の回数に満たないと判定したら(S110においてNO)S100に戻る。
【0052】
一方、S112では、緊急事態検出部27が誤検出であると判定し、カウンタ25はカウント数をクリアし(S113)、インターバル時間計測部23は検出インターバル時間をリセットする(S114)。この後、プログラムはS100に戻る。
【0053】
以上詳細に説明したように、本実施形態の緊急事態検出装置1によれば、この緊急事態検出装置1をカバン等に入れておき、緊急事態が生じたと緊急事態検出装置1の所持者が判断したら、カバンの外から緊急事態検出装置1を叩くなどして振動を与えれば、緊急事態検出装置1がこの振動に基づいて緊急事態を検出し、報知音を発するとともに外部サーバ3に緊急事態が生じた情報を送出することができる。これにより、押しボタンを押すなどの煩雑な動作を不要として、緊急事態を検出することができる。
【0054】
加えて、本実施形態の緊急事態検出装置1は、カウンタ25のカウント数が所定回数以上になったことを条件に緊急事態を検出している。装置本体2に加えられた振動を検出して緊急事態を検出している本実施形態の緊急事態検出装置1の場合、例えば緊急事態検出装置1が入れられているカバンが不意に障害物に当たる場合、また、所持者が階段を昇降する場合などにも振動が装置本体2に作用する。かかる振動に基づいて緊急事態を検出するとこれは誤検出に当たる。本実施形態の緊急事態検出装置1では、カウンタ25のカウント数が所定回数以上になったことを条件に緊急事態を検出しているので、誤検出を極力排除して確実な緊急事態検出を行うことができる。
【0055】
さらに、本実施形態の緊急事態検出装置1は、入力波形判定時間計測部24により計測された入力波形判定時間が第4の閾値より大きいと判断したら、振動検出に基づくカウンタ25のカウント数を増加させない。これにより、所持者が意識的に叩くなどして与えた振動以外の長周期の振動を緊急事態検出の対象外とすることができ、さらに誤検出を極力排除して確実な緊急事態検出を行うことができる。
【0056】
なお、本実施形態の緊急事態検出装置1では、検出終了閾値の大きさを検出開始閾値の大きさより小さくしている。検出開始閾値は振動検出の始期を定めるものであるから、ある程度の大きさに設定して緊急事態検出装置1の使用者が意識的に叩くなどの動作に基づいて検出を開始することが好ましい一方、検出終了閾値は入力波形判定時間の終期を定めるものであり、検出信号の立ち下がりを確実に検出する観点から、検出開始閾値よりも小さいことが好ましい。
【0057】
なお、上記した実施例は本発明を分かりやすく説明するために構成を詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、各実施例の構成の一部について、他の構成に追加、削除、置換することが可能である。
【0058】
また、上述した実施形態において、閾値や緊急事態検出の前提となるカウンタ25のカウント数を実際にどのような値にするかは任意に設定可能であり、特段の制限はない。加えて、閾値などを緊急事態検出装置1の使用者が変更可能にすることも可能である。一例として、装置本体2に回転式、ディップ式のスイッチを設けて、このスイッチにより閾値等の変更を行ってもよい。
【0059】
さらには、インターバル時間計測部23により計測された検出インターバル時間が第2の閾値より小さい第5の閾値以下である時は、カウンタ25のカウント数を増加させないことも可能である。例えば緊急事態検出装置1の使用者が乗車した自動車が段差を乗り越えるなどして短周期の振動が緊急事態検出装置1に付与された場合、この振動を誤検出しないことができる。
【0060】
また、上記の各構成、機能、処理部、処理手段等は、それらの一部または全部を、例えば集積回路で設計する等によりハードウェアで実現してもよい。また、本発明は、実施例の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードによっても実現できる。この場合、プログラムコードを記録した記憶媒体をコンピュータに提供し、そのコンピュータが備えるプロセッサが記憶媒体に格納されたプログラムコードを読み出す。この場合、記憶媒体から読み出されたプログラムコード自体が前述した実施例の機能を実現することになり、そのプログラムコード自体、及びそれを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。このようなプログラムコードを供給するための記憶媒体としては、例えば、フレキシブルディスク、CD-ROM、DVD-ROM、ハードディスク、SSD(Solid State Drive)、光ディスク、光磁気ディスク、CD-R、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROMなどが用いられる。
【0061】
また、本実施例に記載の機能を実現するプログラムコードは、例えば、アセンブラ、C/C++、perl、Shell、PHP、Java(登録商標)、Python等の広範囲のプログラムまたはスクリプト言語で実装できる。
【0062】
さらに、実施例の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを、ネットワークを介して配信することによって、それをコンピュータのハードディスクやメモリ等の記憶手段またはCD-RW、CD-R等の記憶媒体に格納し、コンピュータが備えるプロセッサが当該記憶手段や当該記憶媒体に格納されたプログラムコードを読み出して実行するようにしてもよい。
【0063】
上述の実施例において、制御線や情報線は、説明上必要と考えられるものを示しており、製品上必ずしも全ての制御線や情報線を示しているとは限らない。全ての構成が相互に接続されていてもよい。
【実施例2】
【0064】
次に、第2実施形態に係る緊急事態検出装置31を備えた緊急事態検出システム30について説明する。なお、第2実施形態に係る緊急事態検出装置31は、第1実施形態に係る緊急事態検出装置1とは、プロセッサ32、広域無線通信モジュール33、音声処理モジュール34、マイクモジュール35、LED表示器36、衛星測位モジュール37及びローカル無線通信モジュール38の構成が異なるだけであり、その他の構成は、第1実施形態に係る緊急事態検出装置1と同様である。したがって、第1実施形態との相違を中心に述べる。
【0065】
図6は、第2実施形態に係る緊急事態検出装置の機能構成を示すブロック図である。
【0066】
緊急事態検出システム30は、緊急事態検出装置31と、外部サーバ(緊急事態制御サーバ)3と、ユーザ端末4とを有する。
【0067】
緊急事態検出装置31は、プロセッサ32、メモリ11、押しボタンスイッチ12、加速度センサモジュール13、スピーカーモジュール16、バッテリー17、広域無線通信モジュール33、音声処理モジュール34、「録音部」の一例としてのマイクモジュール35、LED表示器36、衛星測位モジュール37及びローカル無線通信モジュール38を有する。
【0068】
プロセッサ32は、メモリ11に格納されたプログラムを実行することで、それぞれ、振動検出部20、第1の閾値判定部21、第2の閾値判定部22、インターバル時間計測部23、入力波形判定時間計測部24、カウンタ25、位置情報取得部26、緊急事態検出部27、報知部28、通信部29、充電残量通知部39及び充電切れ防止部40として機能する。
【0069】
充電残量通知部39は、バッテリー17の充電残量が所定残量(例えば20%以下)以下の場合、所定回数(例えば1日1回または電力消費を抑えるための所定の小回数)だけ残量警告信号を外部サーバ3に送出する。
【0070】
充電切れ防止部40は、ユーザにバッテリー17の充電を喚起する画面をユーザ端末4に表示する。充電を喚起する画面は、バッテリー17を充電中にユーザがユーザ端末4上で電子的な御神籤を引ける画面である。なお、充電を喚起する画面は、例えばゲーム、占いなど他の機能でもよい。
【0071】
広域無線通信モジュール33は、移動体通信網に代表されるLTE(登録商標)(Long Term Evolution)を介して外部サーバ3との間で広域の移動体無線通信を行う。
【0072】
音声処理モジュール34は、プロセッサ10からの指示に基づいてスピーカーモジュール16及びマイクモジュール35と通信を行う。
【0073】
マイクモジュール35は、プロセッサ10からの指示に基づいて周囲の音声を録音する。マイクモジュール35が録音した録音データは、メモリ11に格納される。最大録音可能時間は、メモリ11の容量に応じて設定される。最大録音可能時間は、例えば300秒でよい。
【0074】
LED表示器36は、バッテリー17の充電中に発光する。LED表示器36は、緊急事態検出部27による緊急事態の検出中に発光してもよい。
【0075】
衛星測位モジュール37は、GNSS(Global Navigation Satellite System)からの信号を受信してこの信号に基づいて装置本体52(
図7,8)が位置する位置情報を出力する。衛星測位モジュール37は、所定の時間間隔毎に位置情報を出力し、プロセッサ10は、少なくとも直近の位置情報を一時的にメモリ11に格納する。
【0076】
ローカル無線通信モジュール38は、Bluetооth(登録商標)を介してユーザ端末4との間で近距離の無線通信を行う。
【0077】
ユーザ端末4は、携帯端末に代表されるスマートフォンであり、緊急事態支援アプリケーション及び緊急事態支援プログラムを記憶している。
【0078】
図7は、第2実施形態に係る緊急事態検出装置の外観を示す図であり、(a)は左側面図、(b)は正面図、(c)は右側面図、(d)は平面図、(e)は背面図、(f)は底面図である。
図8は、第2実施形態に係る緊急事態検出装置の外観及び内観を示す図であり、(g)は正面側の斜視図、(h)は分解図、(i)は蓋を外した状態の正面側の斜視図である。
【0079】
緊急事態検出装置31は、樹脂製の装置本体52を有している。装置本体52は、
図7(b)(d)に示すように正面視で一側の両角が面取りされた箱状に形成されている。
【0080】
装置本体52の背面には、
図7(a)~(d)(f)及び
図8(g)(h)に示すように着脱可能な蓋53が設けられている。蓋53の外面上部には、
図7(e)に示すようにスピーカーモジュール16の報知音を外部に報知させる複数の貫通孔55が形成されている。
【0081】
装置本体52の正面上部には、
図7(b)に示すように結び目のマーク54が設けられている。マーク54は、装置本体52にレーザ印字で形成されてよい。
【0082】
装置本体52の右側面には、
図7(c)に示すように押しボタンスイッチ12が外部に露出するように配置されている。装置本体52の底面には、
図7(f)に示すようにコネクタ18が外部に露出するように配置されている。
【0083】
装置本体38内には、
図8(h)(i)に示すように1以上の内符58を収納可能な収納空間55が形成されている。収納空間55を構成する装置本体38の内面には、伸縮可能なゴム製のバンド56の両端が固定されている。バンド56の中央部分には、円状の留め具57が設けられている。バンド56、留め具57装置及び本体38の内面は、それらの間の内符58を支持する。なお、収納空間55には、内符58の他に、ユーザの目標や願い事を記載した用紙、写真、硬貨及び/または紙幣などを収納してもよい。
【0084】
図9は、第2実施形態に係るユーザ端末の設定画面を示す図である。
【0085】
ユーザ端末4には、緊急事態検出装置31を操作可能なプログラムがインストールされる。ユーザ端末4には、緊急事態検出装置31の動作条件を、ユーザの好み及び/または状況に応じて設定可能な設定画面60が表示される。設定画面60には、SOSモード61、SOS起動設定62、みまもりびとへのSOS通知63、感度設定64及び設定ボタン65が表示される。なお、みまもりびととは、緊急事態検出部27により緊急事態が検出されたときに、緊急事態検出装置31の位置情報、SOS状態、SOSの許可設定の各情報を含む緊急事態発生通知が送出される緊急連絡先である。
【0086】
SOSモード61は、緊急事態検出部27により緊急事態が検出ときに、「録音モード」または「ブザーモード」のいずれかのモードに遷移するのかをユーザが選択可能に構成されている。録音モードは、プロセッサ10からの指示に基づいてマイクモジュール35がその周囲の音声を録音するモードである。ブザーモードは、プロセッサ10からの指示に基づいてスピーカーモジュール16が警告音を出力するモードである。報知音は、予めユーザにより複数の種類の中から選択されてよい。なお、SOSモード61には、録音モード及びブザーモードの両モードを実行可能な複合モードが含まれてよい。複合モードでは、警告音の録音を防止するため、録音時に警告音を打ち消す処理を実行してもよい。
【0087】
SOS起動設定62は、振動検出及びボタン操作(例えば押しボタンスイッチ12の3秒間の長押し)の双方で緊急事態を検出する「振動・ボタン(通常モード)」か、または振動検出はせずにボタン操作のみで緊急事態を検出するか「ボタン(SW Onlyモード)」をユーザが選択可能に構成されている。なお、SOS起動設定62は、初期時に通常モードに設定されている。
【0088】
SOS通知63は、緊急事態検出部27により緊急事態が検出されたときに、外部サーバ3から緊急連絡先に緊急事態発生通知を送出する「YES」か否「NO」かをユーザが選択可能に構成されている。外部サーバ3は、緊急事態検出装置31のID(即ちユーザ)毎に複数の緊急連絡先を登録することができる。SOS通知63は、外部サーバ3に登録された全ての緊急連絡先に一律に同じ設定を適用してもよい。あるいはSOS通知63は、緊急連絡先毎に異なる設定(緊急事態発生通知を送出するか否か、あるいは異なる種類や内容の緊急事態発生通知のうちのいずれかを送出するか等)が適用されるようにしてもよい。これにより、SOS通知63をオフに設定して、緊急事態検出装置31に振動を与えれば、緊急連絡先に緊急事態発生通知を送出せずに、緊急事態検出装置31の検出感度を確認することができる。
【0089】
感度設定64は、振動(加速度)の検出感度(検出閾値)を、「低」「中」「高」の3段階でユーザが選択可能に構成されている。感度設定64の下方には、「カバンの種類によって動作が異なる場合がありますので、カバンを変える度に感度の調整をお願いいたします」の注意文章が表示される。
【0090】
なお、「所定の回数」としての検出回数、検出開始閾値、検出終了閾値、検出インターバル時間、入力波形判定時間及び判定用加速度の移動平均回数それぞれは、予め設定されている。
【0091】
検出回数は、3~10回に設定されており、好ましくは4回に設定されている。検出回数は、実験結果に基づき、2回の場合、日常生活で発生する可能性が高くなるため、3回以上に設定されている。
【0092】
検出開始閾値は、1.25~2.50gに設定されており、好ましくは1.75gに設定されている。検出開始閾値は、実験結果の正規分布に基づいて設定されている。なお、自動車に乗車中の加速度は、0.5g程度である。
【0093】
検出終了閾値は、0.75~1.00gに設定されており、好ましくは1.00gに設定されている。検出終了閾値は、上記した検出開始閾値に基づいて設定されている。
【0094】
検出インターバル時間は、250~400msに設定されており、好ましくは250msに設定されている。検出インターバル時間は、実験結果に基づいて設定されている。尚、意思を持って叩く速さは、100~200ms以下である。
【0095】
入力波形判定時間は、50~75msに設定されており、好ましくは50msに設定されている。入力波形判定時間は、実験結果に基づき、緊急事態検出装置31をカバンに入れた状態でユーザが走ったときに誤検知しない値に設定されている。尚、緊急事態検出装置31は、入力波形判定時間の設定値を超えても、次の検出信号が所定の時間内に検出されない場合、検出回数をクリアしてよい。
【0096】
判定用加速度の移動平均回数は、1~10回に設定されており、好ましくは5回に設定されている。判定用加速度の移動平均回数は、緊急事態検出装置31を硬い床などに落としたときに誤検知しない値に設定されている。
【0097】
設定ボタン65は、SOSモード61、SOS起動設定62、みまもりびとへのSOS通知63及び/または感度設定64の設定変更を完了させるときに押下される。
【0098】
図10は、第2実施形態に係る動作モードの状態遷移図である。
【0099】
緊急事態検出装置31は、待機モードM1、ブザーモードM2または録音モードM3のいずれかのモードに遷移可能である。
【0100】
待機モードM1では、緊急事態判定D11、充電残量通知D12、録音データ再生D13及び御神籤制御D14の各機能が継続して実行可能となる。
【0101】
緊急事態判定D11は、SOS起動設定62が通常モードに設定されているときに振動検出及びボタン操作の双方で緊急事態を判定により検出するか、またはSOS起動設定62がSW Onlyモードに設定さえているときに振動検出はせずにボタン操作のみで緊急事態を検出するか機能である。
【0102】
充電残量通知D12及び御神籤制御D14は、充電残量通知部39及び充電切れ防止部40の各機能である。
【0103】
録音データ再生D13は、メモリ11に格納された録音データを再生する機能である。なお、なお、メモリ11に格納された録音データは、ユーザ端末4が受信して再生してもよい。
【0104】
ブザーモードM2では、継続的な警音発生D21、IDの間欠送信D22、位置情報の間欠送信D23、SOS状態の間欠送信D24及びSOS許可設定の間欠送信D25の各機能が継続して実行可能となる。さらに、ブザーモードM2では、警音停止Ex21及びSOS状態解除の送信Ex22の各機能が、待機モードM1への遷移前に実行される。
【0105】
継続的な警音発生D21は、スピーカーモジュール16から警音を継続的な発生させる機能である。
【0106】
IDの間欠送信D22は、緊急事態検出装置31のIDを外部サーバ3に間欠して(例えば1分毎に)送出する機能である。
【0107】
位置情報の間欠送信D23は、緊急事態検出部27により緊急事態が検出されたときに緊急事態検出装置31の位置情報を外部サーバ3に間欠して(例えば1分毎に)送出する機能である。
【0108】
SOS状態の間欠送信D24は、SOS状態を外部サーバ3に間欠して(例えば1分毎に)送出する機能である。
【0109】
SOS許可設定の間欠送信D25は、SOS許可設定を外部サーバ3に間欠して(例えば1分毎に)送出する機能である。
【0110】
警音停止Ex21は、スピーカーモジュール16から発生する警音を停止させる機能である。
【0111】
SOS状態解除の送信Ex22は、SOS状態の解除を外部サーバ3に送出する機能である。
【0112】
録音モードM3では、録音確認音出力En1の機能が待機モードM1からの遷移後に実行される。さらに、録音モードM3では、継続的な録音D31、IDの間欠送信D32、位置情報の間欠送信D33、SOS状態の間欠送信D34及びSOS許可設定の間欠設定D35の各機能が継続して実行可能となる。さらに、録音モードM3では、録音停止EX31、録音上書き禁止EX32、SOS状態解除の送信EX33及び録音完了の送信EX34の各機能が待機モードM1への遷移前に実行される。
【0113】
録音確認音出力En1は、録音が正常に開始された事実をユーザに知らせる確認音を短時間だけスピーカーモジュール16から出力する機能である。
【0114】
継続的な録音D31は、マイクモジュール35の周囲の音声を継続的に録音する機能である。
【0115】
IDの間欠送信D32、位置情報の間欠送信D33、SOS状態の間欠送信D34、SOS許可設定の間欠設定D35は、IDの間欠送信D22、位置情報の間欠送信D23、SOS状態の間欠送信D24、SOS許可設定の間欠設定D25とそれぞれ同様な機能である。
【0116】
録音停止EX31は、マイクモジュール35による録音を停止する機能である。
【0117】
録音上書き禁止EX32は、メモリ11に録音データが格納されている場合、新たな新たな録音データをメモリ11に上書きすることを禁止する機能である。これにより、録音データの喪失が防止される。
【0118】
SOS状態解除の送信EX33は、SOS状態解除の送信Ex22と同様な機能である。
【0119】
録音完了の送信EX34は、マイクモジュール35による録音が完了した旨を外部サーバ3に送信する機能である。
【0120】
緊急事態検出装置31は、電源がターンオンされると、待機モードM1に遷移する。
【0121】
待機モードM1において、緊急事態検出部27により緊急事態が検出された場合、緊急事態検出装置31は、SOS起動設定62の動作条件の設定に応じて、待機モードM1からブザーモードM2または録音モードM3のいずれかのモードに遷移する。
【0122】
ブザーモードM2及び録音モードM3の両モードにおいて、ユーザにより特別の手動操作(例えば押しボタンスイッチ12の3秒間の長押し)がなされるか、あるいは電源がターンオフした場合、緊急事態検出装置31は、両モードM2,M3から待機モードM1に遷移する。
【0123】
録音モードM3において、録音開始から所定の録音上限時間が経過した場合も、緊急事態検出装置31は、録音モードM2から待機モードM1に遷移する。
【0124】
待機モードM1、またはブザーモードM2及び録音モードM3において外部サーバ3と通信していない間は、緊急事態検出装置31は、広域無線通信モジュール33及び衛星測位モジュール37の電源をオフにして、電力消費を抑制してもよい。
【0125】
待機モードM1において、SOSモード61が録音モードに設定され、メモリ11に録音データが格納されているときに、緊急事態検出部27により緊急事態が検出された場合、緊急事態検出装置31は、ブザーモードM2に遷移してもよい。
【0126】
図11は、第2実施形態に係る緊急事態判定制御を示すフローチャートである。
【0127】
緊急事態検出部27は、SOS起動設定62を判定する(S301)。緊急事態検出部27は、SOS起動設定62が振動・ボタン(通常モード)の場合、押しボタンスイッチ12による緊急事態を検出したか否かを判定する(S302)。緊急事態検出部27は、S302の判定結果が偽の場合(S302:NO)、振動による緊急事態を検出(
図5)したか否かを判定する(S303)。緊急事態検出部27は、S303の判定結果が真(S303:NO)の場合、振動による緊急事態を検出するまで待つ。緊急事態検出部27は、S303の判定結果が真の場合(S303:NO)、緊急事態と判定し(S304)、緊急事態判定制御を終了する。
【0128】
一方、緊急事態検出部27は、SOS起動設定62がボタン(SW Only)モード、またはS302の判定結果が真の場合(S302:YES)、押しボタンスイッチ12が長押しされたか否かを判定する(S305)。緊急事態検出部27は、S305の判定結果が偽(S305:NO)の場合、押しボタンスイッチ12が長押しされるまで待つ。緊急事態検出部27は、S305の判定結果が真の場合(S305:YES)、緊急事態と判定し(S304)、緊急事態判定制御を終了する。
【0129】
図12は、第2実施形態に係る充電残量通知制御を示すフローチャートである。
【0130】
充電残量通知部39は、バッテリー17の充電残量をチェックする(S401)。充電残量通知部39は、バッテリー17の充電残量が所定残量(例えば20%以下)以下か否かを判定する(S402)。充電残量通知部39は、S402の判定結果が偽の場合(S402:NO)、通知フラグをターンオフし(S403)、S401に戻る。充電残量通知部39は、S402の判定結果が真の場合(S402:YES)、残量警告信号を外部サーバ3に送信した場合の通知フラグを判定する(S404)。なお、通知フラグは、例えば1日に1回クリアされる。充電残量通知部39は、S404の判定結果が真の場合(S404:YES)、充電残量通知制御を終了する。充電残量通知部39は、S404の判定結果が偽の場合(S404:NO)、外部サーバ3に残量警告信号を送出し(S405)、通知フラグをターンオフする(S406)。なお、充電残量通知部39は、ユーザ端末4に残量警告信号を送出してもよい。
【0131】
外部サーバ3は、残量警告信号を受信する(S407)。外部サーバ3は、ユーザ端末4と、緊急連絡先に残量警告信号を送出する(S408)。
【0132】
図13は、第2実施形態に係る御神籤機能を示すフローチャートである。
【0133】
ユーザ端末4は、緊急事態検出装置31と通信接続されている間、緊急事態検出装置31へ充電伺いを送信する(S501)。
【0134】
充電切れ防止部40は、ユーザ端末4から充電伺いを受信する(S502)。充電切れ防止部40は、充電中か否かをチェックする(S503)。充電切れ防止部40は、充電中か否かを判定する(S504)。充電切れ防止部40は、S504の判定結果が真の場合(S504:YES)、御神籤許可信号をユーザ端末4に返信する(S505)。充電切れ防止部40は、S504の判定結果が偽の場合(S504:NO)、御神籤禁止信号をユーザ端末4に返信する(S506)。
【0135】
ユーザ端末4は、充電伺いに対する返信を充電切れ防止部40から受信する(S507)。ユーザ端末4は、御神籤許可信号を充電切れ防止部40から受信したか否かを判定する(S508)。ユーザ端末4は、S508の判定結果が偽の場合(S508:NO)、S501に戻る。ユーザ端末4は、S508の判定結果が真の場合(S508:YES)、御神籤発行可能を表示し、ユーザ操作に応じて御神籤を発行し、発行した御神籤を表示する。これにより、ユーザが充電を頻繁に行う動機付けとなり、バッテリー17の充電切れが起きる頻度を極力減らすことができる。
【0136】
図14は、第2実施形態に係る外部サーバの機能構成を示すブロック図である。
【0137】
外部サーバ3は、通信ネットワーク60を介してユーザ端末4、緊急事態検出装置31、「緊急連絡先」の一例としての緊急連絡先端末61及びデータ解析システム62との間で通信を行う。
【0138】
外部サーバ3は、ストレージ70、CPU71、メモリ72及び通信モジュール73を有する。
【0139】
ストレージ70は、記憶デバイスにデータを格納する機能を有する装置であればよい。ストレージ70は、各種データを格納するデータベース74を有している。
【0140】
データベース74は、ID75、ユーザ属性情報76、緊急連絡先情報77、SOSログ78及び解析結果(危険スポットリスト)79が格納される。
【0141】
ID75は、緊急事態検出装置31(即ちユーザ)毎に予め割り当てられたIDである。
【0142】
ユーザ属性情報76は、ユーザの属性を示す各種情報である。ユーザ属性情報76は、例えばユーザの名前、ユーザが所有するユーザ端末4の電話番号、メールアドレス等である。
【0143】
緊急連絡先情報77は、緊急事態検出装置31毎に予め登録された緊急連絡先の名前、緊急連絡先端末61の電話番号、メールアドレス等である。
【0144】
SOSログ78は、緊急事態発生通知毎の日時、場所、アクション及び結果の履歴情報である。SOSログ78は、外部から受信した他の危険情報を含んでもよい。
【0145】
解析結果79は、解析システム62がSOSログ78を解析した結果である。
【0146】
ストレージ70には、各種制御プログラム80が格納されている。制御プログラム80には、SOS通報81、データ管理82、遠隔操作83及び安全支援84が含まれる。
【0147】
SOS通報81は、緊急連絡先端末61がSOS許可設定の場合に緊急連絡先端末61に緊急事態発生通知を送信するためのプログラムである。データ管理82は、データベース74内の各種情報を管理するためのプログラムである。遠隔操作83は、緊急連絡先端末61から緊急事態検出装置31を操作するためのプログラムである。安全支援84は、解析システム62にSOSログ78を解析させて、ユーザに対する危険スポットを算出するためのプログラムである。
【0148】
CPU71は、例えばCPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)等である。メモリ72は、例えばRAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、SSD(Solid State Drive)などの半導体記憶媒体等を有する。
【0149】
通信モジュール73は、携帯通信、インターネット通信等の各種通信手段を介して通信ネットワーク60に通信接続する。
【0150】
緊急連絡先端末61は、緊急連絡先情報77にID75毎に予め登録された緊急連絡先の端末である。緊急連絡先端末61は、例えばユーザの保護者である。
【0151】
データ解析システム62は、SOSログ78に基づいて、危険スポットを解析し、解析した解析結果79をデータベース74内に格納する。
【0152】
図15は、第2実施形態に係るSOS通知制御を説明するための図である。
【0153】
外部サーバ3は、各ユーザの緊急事態検出装置31からSOS状態を受信したか否かを判定する(S601)。外部サーバ3は、S601の判定結果が真の場合(S601:YES)、緊急連絡先端末61がSOS許可設定か否かを判定する(S602)。外部サーバ3は、S602の判定結果が真の場合(S602:YES)、そのユーザの緊急連絡先へ緊急事態を定期的(例えば1分毎)に通知し(S603)、SOSログ78をデータベース74内に格納して(S604)、S601に戻る。。外部サーバ3は、S602の判定結果が偽の場合(S602:NO)、そのユーザの緊急連絡先へ緊急事態を通知せずに、SOSログ78をデータベース74内に格納して(S604)、S601に戻る。
【0154】
外部サーバ3は、各ユーザの緊急事態検出装置31からSOS状態解除を受信したか否かを判定する(S605)。外部サーバ3は、S601の判定結果が真の場合(S605:YES)、緊急連絡先端末61がSOS許可設定か否かを判定する(S606)。外部サーバ3は、S606の判定結果が真の場合(S606:YES)、そのユーザの緊急連絡先へ緊急事態解除を通知し(S607)、SOSログ78をデータベース74内に格納して(S604)、S601に戻る。
【0155】
外部サーバ3は、S605の判定結果が偽の場合(S605:NO)、S601に戻る。外部サーバ3は、S606の判定結果が偽の場合(S606:NO)、そのユーザの緊急連絡先へ緊急事態解除を通知せずに、SOSログ78をデータベース74内に格納する(S604)。
【0156】
図16は、第2実施形態に係るデータ解析制御を示すフローチャートである。
【0157】
データ解析システム62は、外部サーバ3からSOSログ78と解析結果79(危険スポットリスト)を受信する(S701)。データ解析システム62は、SOSログ78に基づいて危険スポットを特定する(S702)。データ解析システム62は、S702で特定した危険スポットに基づいて、危険スポットリストを更新する(S703)。データ解析システム62は、危険スポットリストを外部サーバ3に送信する(S704)。
【0158】
図17は、第2実施形態に係る遠隔操作制御を示すフローチャートであり、
図18は、第2実施形態に係る遠隔操作制御を説明するための図である。
【0159】
外部サーバ3は、各ユーザの緊急連絡先端末61から遠隔操作要求を受信したか否かを判定する(S801)。外部サーバ3は、S801の判定結果が偽の場合(S801:NO)、各ユーザの緊急連絡先端末61から遠隔操作要求を受信するまで待つ。
【0160】
外部サーバ3は、S801の判定結果が真の場合(S801:YES)、そのユーザの緊急事態検出装置31に指令して、緊急事態検出装置31に所定動作(警音発生、位置報告など)を実行させるか、ユーザ端末4に所定メッセージ(警告メッセージ、位置報告など)を送信する(S802)。外部サーバ3は、要求した緊急連絡先端末61へ遠隔操作の結果を通知する(S803)。外部サーバ3は、SOSログ78をデータベース74内に格納する(S804)。
【0161】
図19は、第2実施形態に係る安全支援制御を示すフローチャートであり、
図20は、第2実施形態に係る危険スポットの表示例を示す図である。
【0162】
ユーザ端末4は、外部サーバ3へ定期的に現在の位置情報を通知する(S901)。
【0163】
外部サーバ3は、各ユーザ端末4の現在の位置情報を受信する(S902)。
【0164】
外部サーバ3は、各ユーザ端末4の現在の位置情報から所定の距離範囲内の危険スポットを危険スポットリストから検索する(S903)。
【0165】
外部サーバ3は、各ユーザ端末4の現在の位置情報から所定の距離範囲内の危険スポットがあるか否かを判定する(S904)。外部サーバ3は、S904の判定結果が偽の場合(S904:NO)、S901に戻る。外部サーバ3は、S904の判定結果が真の場合(S904:YES)、危険アラートをそのユーザ端末4に送信する(S905)。
【0166】
ユーザ端末4は、危険アラートをユーザに通知する(S906)。ユーザへの危険アラートの通知は、アラート音を発生してもよいし、地
図90を表示し、表示した地
図90上に現在位置と危険スポットDの位置を表示してもよいし、アラートメッセージを表示してもよい。
【0167】
以上詳細に説明したように、本実施形態の緊急事態検出装置31によれば、入力波形判定時間の設定値を超えても、次の検出信号が所定の時間内に検出されない場合、検出回数をクリアするので、振動の蓄積に伴う誤検出を極力排除して確実な緊急事態検出を行うことができる。
【0168】
加えて、本実施形態の緊急事態検出装置31は、検出開始閾値は、1.25~2.50gであり、検出インターバル時間は、250~400msであり、検出回数は、3~10回である。これにより、日常生活で発生する振動による誤検出を極力排除して確実な緊急事態検出を行うことができる。
【0169】
さらに、本実施形態の緊急事態検出装置31の装置本体52は、正面視で一側の両角が面取りされた箱状に形成されており、装置本体52内には、内符58を収納可能な収納空間55が形成されている。これにより、ユーザに緊急事態検出装置31がお守りであることを直感させることができ、「自身が守られている」という心理的な安心感を与えると共に、緊急事態検出装置31の携帯忘れの防止に繋がる。
【0170】
さらに、本発明の緊急事態検出システム30は、緊急事態検出装置31と、緊急事態検出装置31毎に緊急連絡先端末61が登録された外部サーバ3とを有する。外部サーバ3は、緊急事態検出部27により緊急事態が検出された場合、その緊急事態検出部27により緊急事態が検出されたことを示す情報を緊急連絡先端末61に送出する。これにより、緊急連絡先端末61の所有者がユーザに緊急事態が発生したことを認識することができ、迅速に対応することができる。
【0171】
さらに、本発明の緊急事態検出システム30は、緊急事態検出装置31と、緊急事態検出装置31毎に緊急連絡先端末61が登録された外部サーバ3と、緊急事態検出装置31と通信可能なプログラムが格納されたユーザ端末4とを有する。緊急事態検出装置31は、その緊急事態検出装置31に電力を供給するバッテリー17と、バッテリー17の充電残量が所定残量以下の場合、外部サーバ3及びユーザ端末4に残量警告信号を送出する充電残量通知部39と、ユーザにバッテリー17の充電を喚起する画面をユーザ端末4に表示する充電切れ防止部40とを有し、外部サーバ3は、ユーザ端末4及び緊急連絡先端末61に残量警告信号を送出する。
【0172】
さらに、本発明の緊急事態検出システム30は、緊急事態検出装置31と、緊急事態検出部27により緊急事態が検出された際の装置本体52の位置情報を格納する外部サーバ3と、現在位置情報を外部サーバ3に通知するユーザ端末4と、を有する。外部サーバは3、現在位置情報から所定の距離範囲内に位置情報がある場合、ユーザ端末4に危険アラートを送出する。これにより、ユーザは、過去に緊急事態が発生した場所を把握することができ、適切に身の危険を回避することができる。
【0173】
本発明は、上記した実施形態に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。
【0174】
例えば、第2実施形態に係る緊急事態検出装置31は、マイクモジュール35による録音の代わりに、録画(動画記録)が可能なカメラを有してもよい。
【0175】
さらに、第2実施形態に係る緊急事態検出装置31は、録音または録画の代わりに、ユーザ端末4に録音または録画要求を送出して、ユーザ端末4に録音または録画させてもよい。
【符号の説明】
【0176】
1…緊急事態検出装置 2…装置本体 3…外部サーバ 4…ユーザ端末 10…プロセッサ 11…メモリ 12…押しボタンスイッチ 13…加速度センサモジュール 14…GPSモジュール 15…通信モジュール 16…スピーカーモジュール 17…バッテリー 20…振動検出部 21…第1の閾値判定部 22…第2の閾値判定部 23…インターバル時間計測部 24…入力波形判定時間計測部 25…カウンタ 26…位置情報取得部 27…緊急事態検出部 28…報知部 29…通信部 30…緊急事態検出システム 31…緊急事態検出装置 35…マイクモジュール 39…充電残量通知部 40…充電切れ防止部 52…装置本体 55…収納空間 58…内符 61…緊急連絡先端末 62…データ解析システム