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特許7610875遠隔制御システム、遠隔制御プログラムおよび遠隔制御方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-25
(45)【発行日】2025-01-09
(54)【発明の名称】遠隔制御システム、遠隔制御プログラムおよび遠隔制御方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/10 20120101AFI20241226BHJP
   A63F 13/792 20140101ALI20241226BHJP
   A63F 11/00 20060101ALI20241226BHJP
【FI】
G06Q50/10
A63F13/792
A63F11/00 Z
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2023177265
(22)【出願日】2023-10-13
【審査請求日】2024-05-29
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 令和5年6月27日湘南ステーションビル株式会社に対して本願の請求項1,6,7に記載の遠隔制御システム、遠隔制御プログラム、および遠隔制御方法について公開した。
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】512178499
【氏名又は名称】株式会社KOKADO
(74)【代理人】
【識別番号】110004163
【氏名又は名称】弁理士法人みなとみらい特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】小門 豊
(72)【発明者】
【氏名】川村 武
【審査官】松谷 洋平
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-006169(JP,A)
【文献】特開2004-135717(JP,A)
【文献】特開2005-073824(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 50/10
A63F 13/792
A63F 11/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
施設に設置された複数のアミューズメント装置を遠隔制御するための遠隔制御システムであって、
同一の施設に設置された複数の前記アミューズメント装置と、前記施設外に存在する管理端末と、前記施設内に設置された返金装置と、を備え、
前記管理端末は、通信部と、表示部と、入力部と、を有し、
前記通信部は、前記施設内の複数の前記アミューズメント装置の稼働状態を受信し、
前記表示部は、前記稼働状態を一覧表示する管理画面を表示し、
前記入力部は、前記管理画面を介して、前記アミューズメント装置の各々について、稼働状態を変更する入力を受け付けて、当該アミューズメント装置に対する制御信号を送信するとともに、前記管理画面を介して、前記返金装置に返金処理を実行させる入力を受け付けて、前記返金装置に対する制御信号を送信し、
前記アミューズメント装置は、前記制御信号に応じて稼働制御され
前記返金装置は、前記制御信号に応じて貨幣の払い出しを行う、遠隔制御システム。
【請求項2】
前記通信部は、前記返金装置の稼働状態を受信し、
前記表示部は、前記管理画面において、前記返金装置の稼働状態を更に表示する、請求項に記載の遠隔制御システム。
【請求項3】
前記施設に設置され、前記アミューズメント装置を含む映像を撮影するカメラを更に備え、
前記表示部は、前記カメラによる撮影映像を更に表示する、請求項に記載の遠隔制御システム。
【請求項4】
前記施設に設置される施設端末を更に備え、
前記施設端末は、認証部を有し、
前記認証部は、連絡先の入力を受け付けて認証情報の送信要求を送信した後、前記連絡先に送信された前記認証情報の入力を受け付けて認証機関に送信する、請求項に記載の遠隔制御システム。
【請求項5】
施設に設置された複数のアミューズメント装置を遠隔制御するための遠隔制御システムに適用される遠隔制御プログラムであって、
前記遠隔制御システムは、同一の施設に設置された複数の前記アミューズメント装置と、前記施設外に存在する管理端末と、前記施設内に設置された返金装置と、を備え、
前記管理端末を、通信部と、表示部と、入力部と、として機能させ、
前記通信部は、前記施設内の複数の前記アミューズメント装置の稼働状態を受信し、
前記表示部は、前記稼働状態を一覧表示する管理画面を表示し、
前記入力部は、前記管理画面を介して、前記アミューズメント装置の各々について、稼働状態を変更する入力を受け付けて、当該アミューズメント装置を稼働制御するために、当該アミューズメント装置に対する制御信号を送信するとともに、前記管理画面を介して、前記返金装置に返金処理を実行させる入力を受け付けて、前記返金装置に返金処理を実行させるために、前記返金装置に対する制御信号を送信する、遠隔制御プログラム。
【請求項6】
施設に設置された複数のアミューズメント装置を遠隔制御するための遠隔制御システムによる遠隔制御方法であって、
前記遠隔制御システムは、同一の施設に設置された複数の前記アミューズメント装置と、前記施設外に存在する管理端末と、前記施設内に設置された返金装置と、を備え、
前記管理端末は、通信部と、表示部と、入力部と、を有し、
前記通信部は、前記施設内の複数の前記アミューズメント装置の稼働状態を受信し、
前記表示部は、前記稼働状態を一覧表示する管理画面を表示し、
前記入力部は、前記管理画面を介して、前記アミューズメント装置の各々について、稼働状態を変更する入力を受け付けて、当該アミューズメント装置に対する制御信号を送信するとともに、前記管理画面を介して、前記返金装置に返金処理を実行させる入力を受け付けて、前記返金装置に対する制御信号を送信し、
前記アミューズメント装置は、前記制御信号に応じて稼働制御され
前記返金装置は、前記制御信号に応じて貨幣の払い出しを行う、遠隔制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、施設に設置されたアミューズメント装置を遠隔制御するための、遠隔制御システム、遠隔制御プログラムおよび遠隔制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、アミューズメント分野において、装置の制御に関する様々な技術が知られている。例えば特許文献1には、パチンコ店等において、遊技機が設置されたスペースとは区切られた制御室から、メンテナンスのために複数の遊技機の一括開錠の制御を行う技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2004-267640号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、ゲームセンターやカプセルトイコーナー等のアミューズメント施設では、現地にスタッフを配置して、ゲーム装置やカプセルトイ等のアミューズメント装置の不具合の対応や不正の監視等を行うことが一般的である。一方で施設に人員を配置すると人件費が大きくなるという課題が存在していた。
【0005】
このような現状に鑑みて、本発明は、現地に人員を配置することなくアミューズメント施設を運営可能とするための新規な技術を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明は、施設に設置された複数のアミューズメント装置を遠隔制御するための遠隔制御システムであって、同一の施設に設置された複数の前記アミューズメント装置と、前記施設外に存在する管理端末と、を備え、前記管理端末は、通信部と、表示部と、入力部と、を有し、前記通信部は、前記施設内の複数の前記アミューズメント装置の稼働状態を受信し、前記表示部は、前記稼働状態を一覧表示する管理画面を表示し、前記入力部は、前記管理画面を介して、前記アミューズメント装置の各々について、稼働状態を変更する入力を受け付けて、当該アミューズメント装置に対する制御信号を送信し、前記アミューズメント装置は、前記制御信号に応じて稼働制御される。
【0007】
このような構成とすることで、施設に設置されたアミューズメント装置の各々について、遠隔地から状態を一覧で確認するとともに、電源の制御を行うことができる。これにより、例えば施設に問合せ先を掲示しておき、コールセンターから装置の制御を行って、不具合のあるアミューズメント装置の稼働を停止(電源オフ)することが可能となる。
したがって、施設には人員を配置する必要がなく、複数の施設について一か所のコールセンター等で対応することができるため、人件費を削減することが可能となる。これにより、従来は人件費の関係で実現が難しかった、ショッピングモール等の商業施設内に小規模なゲームコーナーを設けることも可能となる。また商業施設等に設置されたゲームコーナー等においては、母体施設側の運営コストが不要となり、ゲームコーナーの運営を母体施設とは別の主体に完全に委託することが可能となる。
【0008】
本発明の好ましい形態では、前記アミューズメント装置と同一の施設内に設置された返金装置を更に備え、前記入力部は、前記管理画面を介して、前記返金装置に返金処理を実行させる入力を受け付けて、前記返金装置に対する制御信号を送信し、前記返金装置は、前記制御信号に応じて貨幣の払い出しを行う。
【0009】
このような構成とすることで、アミューズメント装置の故障や偶発的な不具合により、返金の必要が生じた場合にも、施設に設置された返金装置を遠隔地から制御することにより返金対応を行うことができる。
【0010】
本発明の好ましい形態では、前記通信部は、前記返金装置の稼働状態を受信し、前記表示部は、前記管理画面において、前記返金装置の稼働状態を更に表示する。
【0011】
本発明の好ましい形態では、前記施設に設置され、前記アミューズメント装置を含む映像を撮影するカメラを更に備え、前記表示部は、前記カメラによる撮影映像を更に表示する。
【0012】
このような構成とすることで、遠隔地から施設の様子を確認して、各種の操作を行うことができる。
特に返金を行う場合、現地の状況を映像により確認することで、必要がないにもかかわらず返金を求めて金銭をだまし取る不正行為を防止することができる。
【0013】
本発明の好ましい形態では、前記施設に設置される施設端末を更に備え、前記施設端末は、認証部を有し、前記認証部は、連絡先の入力を受け付けて認証情報の送信要求を送信した後、前記連絡先に送信された前記認証情報の入力を受け付けて認証機関に送信する。
【0014】
このような構成とすることで、実際に現地にいる人物からの連絡であることを確認して、稼働制御や返金等を行うことができる。また、連絡先を入力させることにより、いたずらや不正な返金要求を抑止することができる。
【0015】
上記課題を解決するために、本発明は、施設に設置された複数のアミューズメント装置を遠隔制御するための遠隔制御システムに適用される遠隔制御プログラムであって、前記遠隔制御システムは、同一の施設に設置された複数の前記アミューズメント装置と、前記施設外に存在する管理端末と、を備え、前記管理端末を、通信部と、表示部と、入力部と、として機能させ、前記通信部は、前記施設内の複数の前記アミューズメント装置の稼働状態を受信し、前記表示部は、前記稼働状態を一覧表示する管理画面を表示し、前記入力部は、前記管理画面を介して、前記アミューズメント装置の各々について、稼働状態を変更する入力を受け付けて、当該アミューズメント装置を稼働制御するために、当該アミューズメント装置に対する制御信号を送信する。
【0016】
上記課題を解決するために、本発明は、施設に設置された複数のアミューズメント装置を遠隔制御するための遠隔制御システムによる遠隔制御方法であって、前記遠隔制御システムは、同一の施設に設置された複数の前記アミューズメント装置と、前記施設外に存在する管理端末と、を備え、前記管理端末は、通信部と、表示部と、入力部と、を有し、前記通信部は、前記施設内の複数の前記アミューズメント装置の稼働状態を受信し、前記表示部は、前記稼働状態を一覧表示する管理画面を表示し、前記入力部は、前記管理画面を介して、前記アミューズメント装置の各々について、稼働状態を変更する入力を受け付けて、当該アミューズメント装置に対する制御信号を送信し、前記アミューズメント装置は、前記制御信号に応じて稼働制御される。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、現地に人員を配置することなくアミューズメント施設を運営可能とするための新規な技術を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本実施形態のシステム全体の構成を示す図。
図2】本実施形態のシステムの機能構成を示すブロック図。
図3】本実施形態の情報処理装置及び端末装置のハードウェア構成図。
図4】本実施形態の管理端末における管理画面の表示例。
図5】本実施形態の管理端末における画面の表示例。
図6】本実施形態の施設端末におけるメニュー画面の表示例。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明は、複数のアミューズメント装置が設置された施設に人員を常時配置することなく運営するための、アミューズメント装置等の遠隔制御技術に関する。本発明は特にアミューズメント分野に利用され、本発明における「施設」は、アミューズメント施設等を指す。なお「施設」の規模や形態に制限はなく、複数のアミューズメント装置が設置された場所を指す。すなわち、大規模なアミューズメントパークや、商業施設の一角に設けられた小規模なゲームコーナー等がいずれも本発明の「施設」に含まれるものとする。
【0020】
以下、添付図面を参照して、さらに詳細に説明する。図面には好ましい実施形態が示されているが、多くの異なる形態で実施されることが可能であり、本明細書に記載される実施形態に限定されない。
【0021】
例えば、本実施形態では、遠隔制御システムの構成、動作等について説明するが、同様の機能を有する装置、装置が実行する方法、方法をコンピュータ装置に実行させるコンピュータプログラム等によっても、同様の作用効果を奏することができる。プログラムは、コンピュータが読み取り可能な非一過性の記録媒体として提供されてもよいし、外部のサーバからダウンロード可能に提供されてもよい。
【0022】
本発明のアミューズメント装置は、アミューズメント分野においてユーザに提供される任意の装置を指す。例えば、クレーンゲーム機やメダルゲーム機等の電気的に制御されるアーケードゲーム機や、カプセルトイ等の電気的制御を伴わない装置の両方が、アミューズメント装置に含まれる。以下、本実施形態では、アミューズメント装置として、電気的に制御されるゲーム装置を用いる例について説明するが、これに代えて、又は加えて、カプセルトイ等の装置がアミューズメント装置として利用されてもよい。
【0023】
<1.システム構成>
図1は、本実施形態の遠隔制御システムの構成を示すブロック図である。図1に示すように、遠隔制御システム0は、管理端末1と、施設端末2と、複数のゲーム装置Gと、カメラCと、返金装置Rと、を備える。管理端末1、施設端末2、ゲーム装置G、カメラC、及び返金装置Rは、ネットワークNWを介して通信可能に構成される。ネットワークNWは、本実施形態では、IP(Internet Protocol)ネットワークであるが、通信プロトコルの種類、ネットワークの種類等にも制限はない。
【0024】
複数のゲーム装置G、カメラC、返金装置R、及び施設端末2は、全て同一の施設内に設置される。実際には同様の施設が複数存在するが、ここでは説明を省略する。また管理端末1は複数存在し、複数の施設のゲーム装置G、カメラC、返金装置Rと相互に通信可能に接続される。なおカメラCは、ゲーム装置Gごとに1台設けることが好ましいが、これに制限されない。例えば、複数のゲーム装置Gを撮影可能な位置にカメラCを設置して、設置台数をゲーム装置Gよりも少なくしてもよいし、ひとつのゲーム装置Gに対して複数のカメラCを設け、ゲーム装置Gを複数の角度から撮影してもよい。
【0025】
なお上述の通り、ゲーム装置Gに代えて又は加えて、電気的制御を伴わないカプセルトイ等の装置が用いられてもよい。この場合、稼働状態の制御及び取得を行うための、電気的に制御可能な機構を備える通信機器と組み合わせて利用される。例えば、通信機能を有する装置と無線により接続され、通信によって取得された電気的信号により物理的な駆動機構の制御がされる装置を用いることにより、物理的に装置の稼働状態を制限したり、制限を解除したりすることが想定される。
【0026】
<2.機能構成>
次に図2を参照して、遠隔制御システム0の機能構成について説明する。管理端末1は、通信部11と、表示部12と、入力部13と、を有する。これは、ソフトウェアによる情報処理が、ハードウェアによって具体的に実現されたものである。
【0027】
通信部11は、施設内の複数のゲーム装置Gの稼働状態を示す情報と、ゲーム装置Gを含む映像を撮影するカメラCの映像と、当該施設内に設置された返金装置Rの稼働状態を示す情報と、を施設ごとに受信する。なお本実施形態では、ゲーム装置G、カメラC及び返金装置RがネットワークNWに接続され、管理端末1に情報を送信するが、例えばこれらの装置がサーバ装置に情報を送信し、管理端末1はサーバ装置から情報を取得してもよい。
【0028】
表示部12は、施設内の複数のゲーム装置Gの稼働状態と、返金装置Rの稼働状態と、カメラCの映像と、を表示する。具体的には、後述の管理画面において、同一の施設内に設置された各ゲーム装置G及び返金装置Rの稼働状態を一覧表示する。また施設管理者(運営スタッフ)等の操作に応じて、カメラCの映像を表示する。カメラCの映像については、ストリーミングで管理端末1に配信され、撮影した映像がリアルタイムで表示部12に表示される。またこれに代えて又は加えて、映像をカメラCに接続された記憶装置に記憶しておき、過去の特定の時点の映像を管理端末1に表示してもよい。
【0029】
入力部13は、管理画面を介して、ゲーム装置G及び返金装置Rの各々について、稼働状態を変更する入力を受け付け、ゲーム装置G又は返金装置Rに対する制御信号を送信する。稼働状態を変更する入力とは、例えばゲーム装置Gの電源がオンの場合には、電源をオフにする入力であり、ゲーム装置Gの電源がオフの場合には、電源をオンにする入力である。またゲーム装置Gに代えて又は加えてカプセルトイを用いる場合には、電源制御に代えて、物理的な駆動機構により、稼働制御が行われる。
【0030】
本実施形態では、入力部13は、特定のゲーム装置G又は返金装置Rを指定する情報を含む制御信号を、ネットワークNWを介して送信する。ゲーム装置Gは、この信号に基づいて、電源のオンオフを切り替える。本実施形態では、ゲーム装置G、カメラC、返金装置Rの各々にネットワーク上のアドレスが指定されており、入力部13がそのアドレスを宛先として制御信号を送信することにより、上記の稼働制御が行われる。
【0031】
なおこの他にも、例えば各施設に1又は複数台、ネットワークNWに接続する中継装置を設け、ゲーム装置G、カメラC、及び返金装置Rと、中継装置と、が近距離無線通信により接続される形態も想定される。このような場合には、入力部13は、制御信号の宛先として、ネットワーク上の中継装置のアドレスを指定する。そして、制御信号にゲーム装置GのIDを含んでおき、当該制御信号に基づいて、中継装置又はゲーム装置G自身が、指定されたゲーム装置Gの稼働制御を行う形態としてもよい。
【0032】
施設端末2は、施設ごとに1台以上設置され、表示部21と、認証部22と、を備える。
表示部21は、施設利用者による入力を受け付けるための各種の画面を表示する。
【0033】
認証部22は、施設利用者の連絡先の入力を受け付けて認証情報の送信要求を送信する。具体的には、例えば、いわゆるSMS認証を利用することができる。例えば施設端末2にインストールされたウェブブラウザアプリケーションにより、認証用のWebサイトに、施設利用者が電話番号を入力する。そして、APIによりSMS認証サービスを利用して、当該電話番号に、認証情報を送信させる。
【0034】
施設利用者が、受信した認証情報を上述のWebサイトに入力すると、認証部22は、認証機関であるSMS認証サービスに当該認証情報を送信する。SMS認証サービスは、送信された認証情報との一致確認により認証を行う。そして施設管理者は、APIによりその認証結果を受信し、確認する。
【0035】
この認証結果を、管理端末1を操作する施設管理者が確認することにより、実際に施設を訪れた施設利用者が、入力を行ったということが確認できる。これにより、故障や返金の対応について、実際の施設利用者が連絡を行ったということが確認でき、不正防止に役立てることができる。ただし認証部22を備えることは必須ではなく、また認証部22を備える場合にも、認証を行わずに返金や稼働制御を行ってもよい。
【0036】
<3.ハードウェア構成>
ゲーム装置G、カメラC、返金装置Rは、1又は複数の、汎用のサーバやパーソナルコンピュータ等の情報処理装置10(コンピュータ装置)を備える。又は、このような情報処理装置10と接続される。また管理端末1及び施設端末2として、パーソナルコンピュータやスマートフォン、タブレット端末等の端末装置9(コンピュータ装置)を利用することができる。管理端末1は、本実施形態では、遠隔制御方法を実行するコンピュータプログラム(遠隔操作プログラム)をインストールした端末装置9である。
【0037】
図3(a)は、情報処理装置10のハードウェア構成図である。図3に示すように、情報処理装置10は、制御部101、記憶部102、及び通信部103を有し、各部及び各工程の作用発揮に用いられる。
【0038】
制御部101は、命令セットを実行可能なCPUなどのプロセッサを有し、OSやプログラムを実行する。
記憶部102は、命令セットを記憶可能なRAMなどの揮発性メモリ、OS、プログラムやDBMS(データベースサーバ)等を記録可能な、HDDやSSDなどの不揮発性の記録媒体を有する。
通信部103は、ネットワークに物理的に接続するためのインタフェースを有し、ネットワークNWとの通信制御を実行して、情報の入出力を行う。
【0039】
図3(b)は、端末装置9のハードウェア構成図である。図3に示すように、端末装置9は、制御部901、記憶部902、通信部903、入力部904及び出力部905を有し、各部及び各工程の作用発揮に用いられる。
【0040】
制御部901は、命令セットを実行可能なCPUなどのプロセッサを有し、OSやプログラム等を実行する。
記憶部902は、命令セットを記憶可能なRAMなどの揮発性メモリ、OS、判定プログラム等を記録可能な、HDDやSSDなどの不揮発性の記録媒体を有する。
通信部903は、ネットワークに物理的に接続するためのインタフェースを有し、ネットワークNWとの通信制御を実行して、情報の入出力を行う。
入力部904は、タッチパネルやキーボードなどの入力処理が可能な操作入力デバイス、マイクなどの音声入力が可能な音声入力デバイス等を有する。
出力部905は、ディスプレイなどの表示処理が可能な表示デバイス、スピーカなどの音声出力デバイスを有する。
【0041】
<4.管理端末1における表示画面>
図4は、管理端末1に表示される管理画面の一例を示す図である。ゲーム装置G、カメラC、及び返金装置Rは、設置された施設に対応付けて管理される。管理画面は、施設ごとに、当該施設に設置された全てのゲーム装置Gの稼働状態と、当該施設に設置された返金装置Rの稼働状態と、を一覧表示する。
【0042】
本実施形態では、ゲーム装置G及び返金装置Rと、カメラCとで分けて管理画面が表示される。図4(a)はゲーム装置G及び返金装置Rの管理画面の表示例を、また図4(b)はカメラCの管理画面の表示例を示す。
また図4に示した例では、施設AにおいてカメラCが各ゲーム装置Gにつき1台ずつ設置されており、カメラの映像を確認するためのボタンが管理画面に表示されている。
【0043】
本実施形態では、ゲーム装置Gや返金装置Rの稼働制御の予約も可能であり、画面上部の施設名の下に、次の制御の予定が表示される。
各ゲーム装置Gについては、それぞれ名称と「On」又は「Off」の電源表示が配置され、またカメラCについてはそれぞれ映像を確認するためのカメラボタンが配置される。例えば「1番 カメラ」のボタンを選択すると、当該カメラの撮影映像を表示する画面に遷移する。本実施形態では、各ゲーム装置Gの番号とカメラCの番号とが対応しており、「1番 カメラ」は「1番 ゲームA」を含む映像を撮影する。
【0044】
また管理画面は、返金装置Rの稼働状態も表示する。本実施形態では、両替機が返金装置Rとして機能し、管理画面における「両替機電源」が返金装置Rの稼働状態を示す表示である。これにより、新たに装置を設置することなく、施設に設置された両替機を用いて遠隔で返金を行うことができる。
【0045】
また施設管理者が「返金ボタン」を選択することにより、入力部13が返金装置Rに返金処理を実行させる入力を受け付ける。そして、上述のゲーム装置Gの電源制御と同様の手順で返金処理の制御が行われる。返金処理については、任意の返金機能付き両替機の返金機能により行うことができる。例えば、所定の時間電源供給を停止させることで、予め定められた貨幣を払い出す機能を有する両替機を返金装置Rとして用いて、制御信号により所定の時間電源供給を停止させ、返金を行えばよい。制御信号の送信及びそれに基づく制御については、ゲーム装置Gの電源制御と同様である。
【0046】
なお管理画面においては、電源のOnとOff、ゲーム装置G又は返金装置RとカメラCで、それぞれ異なる形態で表示することが好ましい。これにより、一見してどのような装置に関する表示であるかを認識することが容易になる。
【0047】
また表示部12は、過去の制御の履歴及び予約されている電源制御(稼働制御)の予定も表示する。図5(a)は、直近の制御履歴の一覧画面の表示例である。このように表示部12は、直近の制御の履歴を、新しい順に表示する。各履歴については、対象の装置と、時刻と、制御の内容と、が表示され、それぞれの履歴を選択することで更に詳細が表示される。また各履歴から、対象の装置に関する稼働制御を行うための画面に遷移させてもよい。
【0048】
図5(b)は、稼働制御の予約機能による、将来の稼働制御の予定の表示例である。このように表示部12は、制御の予定を、近い順に表示する。各予定については、対象の装置と、予約時刻と、制御の内容と、が表示され、それぞれの予定を選択することで、対象の装置に関する稼働制御を行うための画面に遷移する。
【0049】
<5.遠隔対応手順>
以下、本発明により施設利用者が返金の対応を求める場合を想定し、実際に返金が行われるまでの手順を説明する。まず、施設利用者がゲーム装置Gを操作し、ゲーム装置Gの不具合により正常にゲームが行われなかった場合等に、施設利用者は、施設端末2を用いて施設管理者に連絡を行う。
【0050】
図6は、施設端末2におけるメニュー画面の表示例である。施設利用者は、メニューの中から希望する内容を選択し、順に入力を行う。具体的には、例えば返金が必要な理由及び必要な返金額を施設利用者が入力する。なお、「故障対応」や「景品について」を選択した場合には、それぞれ故障内容や景品に関する具体的な対応内容の入力画面が表示される。
【0051】
表示内容や入力形式は任意に決定してよく、例えば図6(a)のようにメニューから順次選択する形式としてもよいし、図6(b)のようにアバターとの会話形式で情報を入力させる形式としてもよい。また出力は画面への表示に代えて又は加えて、音声によって行ってもよく、例えば図6(b)の形態において、質問を音声により出力してもよい。また初期の入力についても、施設管理者及び施設利用者の間の音声通話により行われてもよい。
【0052】
各種入力が完了すると、入力された情報が施設管理者の使用する端末装置に送信されるとともに、施設管理者に対し音声発信が行われる。なお入力された情報を受信する端末装置は、管理端末1と同一であってもよいし、別の端末装置であってもよい。
【0053】
着信を受けた施設管理者は、端末装置に送信された情報を参照し、また音声通話により施設利用者と会話をして、状況を確認する。施設管理者と施設利用者との会話においては、施設端末2にアバターを表示し、アバターと対話をする形式で行われてもよい。そして、返金が必要であると施設管理者が判断した場合には、施設利用者にその旨を伝え、施設端末2からSMS認証を行うよう指示する。この際、施設管理者は、必要に応じて管理端末1によりカメラCの映像を確認して、返金の必要性を判断することができる。またカメラCの映像から不正でないことが判断できた場合には、施設管理者は、SMS認証を行わずに管理端末1により返金処理を実行させる入力を行ってもよい。
【0054】
施設利用者は、施設端末2のメニュー画面における「SMS認証に進む」を選択し、自らの電話番号を入力して、SMS認証を行う。施設利用者が認証情報を入力し、認証が成功すると、その旨の情報が、施設管理者の使用する端末装置に送信される。ここでの端末装置も、管理端末1と同一であってもよいし、別の端末装置であってもよい。施設管理者は、認証が成功したことを確認して、管理端末1により返金処理を実行させる入力を行い、返金装置Rにより貨幣の払い出しが行われる。
【0055】
なお、本発明の返金処理における貨幣は、一般的な通貨でなくてもよい。例えばメダルゲームのゲーム装置Gが設置された施設においては、メダルを払い出す構成としてもよい。
【0056】
以上のように、本発明の構成によれば、施設に常時人員を配置しなくとも、ゲーム装置Gの故障に関する対応を遠隔地から行うことができる。これにより、人件費を削減することができる。更に同様に遠隔操作可能な返金装置を設置することにより、返金の対応も遠隔で行うことができるようになるため、より広く施設の無人運営が可能となる。
【0057】
また、施設にカメラCを設置し、カメラCの映像を管理端末1から確認できるようにすることで、いたずらや不正な返金要求等を防止することができる。更に認証部による認証を行うことで、いたずらや不正な返金要求を抑止する効果をより高めることができる。
【符号の説明】
【0058】
0 :遠隔制御システム
1 :管理端末
11 :通信部
12 :表示部
13 :入力部
2 :施設端末
21 :表示部
22 :認証部
C :カメラ
G :ゲーム装置
R :返金装置
NW :ネットワーク
10 :情報処理装置
101 :処理部
102 :記憶部
103 :通信部
9 :端末装置
901 :処理部
902 :記憶部
903 :通信部
904 :入力部
905 :出力部
【要約】
【課題】現地に人員を配置することなくアミューズメント施設を運営可能とするための新規な技術を提供すること。
【解決手段】施設に設置された複数のアミューズメント装置を遠隔制御するための遠隔制御システムであって、同一の施設に設置された複数のアミューズメント装置と、施設外に存在する管理端末と、を備え、管理端末は、通信部と、表示部と、入力部と、を有し、通信部は、施設内の複数のアミューズメント装置の稼働状態を受信し、表示部は、稼働状態を一覧表示する管理画面を表示し、入力部は、管理画面を介して、アミューズメント装置の各々について、稼働状態を変更する入力を受け付けて、当該アミューズメント装置に対する制御信号を送信し、アミューズメント装置は、制御信号に応じて稼働制御される、遠隔制御システム。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4
図5
図6