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特許7610885組織成分測定方法、装置及びウェアラブル機器
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-25
(45)【発行日】2025-01-09
(54)【発明の名称】組織成分測定方法、装置及びウェアラブル機器
(51)【国際特許分類】
   A61B 5/1455 20060101AFI20241226BHJP
   G01N 21/17 20060101ALI20241226BHJP
【FI】
A61B5/1455
G01N21/17 610
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2023548655
(86)(22)【出願日】2021-12-31
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-27
(86)【国際出願番号】 CN2021143795
(87)【国際公開番号】W WO2022170887
(87)【国際公開日】2022-08-18
【審査請求日】2023-10-05
(31)【優先権主張番号】202110185768.0
(32)【優先日】2021-02-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】522337761
【氏名又は名称】先陽科技有限公司
【氏名又は名称原語表記】SUNRISE TECHNOLOGIES CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】1001, Floor 10, Unit 1, Building 3, No. 6, East Automobile Museum Road, Fengtai District, Beijing 100071, China
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【弁理士】
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100132241
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 博史
(74)【代理人】
【識別番号】100113170
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 和久
(74)【代理人】
【識別番号】100224616
【弁理士】
【氏名又は名称】吉村 志聡
(72)【発明者】
【氏名】徐 可欣
(72)【発明者】
【氏名】韓 同帥
(72)【発明者】
【氏名】姚 明飛
(72)【発明者】
【氏名】劉 雪玉
【審査官】遠藤 直恵
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2020/119825(WO,A1)
【文献】特表2017-523825(JP,A)
【文献】特開平11-047120(JP,A)
【文献】特開2010-000218(JP,A)
【文献】特開2015-094968(JP,A)
【文献】特開平05-317295(JP,A)
【文献】特開2016-135261(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0067778(US,A1)
【文献】特開2001-087250(JP,A)
【文献】特表2009-539576(JP,A)
【文献】特表2017-534377(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 5/02-5/03、5/06-5/22、9/00-10/06
G01N 21/00-21/01、21/17-21/61
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
単一の所定の波長の入射光で測定領域を照射し、ここで、各前記入射光が前記測定領域を通過した後に少なくとも一つの出射位置から出射して少なくとも一つの出射光を形成し、前記入射光の入射位置が少なくとも一つを含むことと、
M個の感光面により採集された各前記出射光に対応する光強度値を取得し、T個の出力光強度を取得し、ここで、各前記出力光強度が一つ又は複数の前記感光面により採集された出射光の光強度値に基づいて処理して得られ、各前記感光面は前記感光面に対応する所定のブレ防止範囲内の出射位置から出射された出射光の光強度値を採集することができ、1≦T≦Mであり、各前記感光面の面積と前記感光面の周長との比率は比率閾値以上であり、ここで、一つ又は複数の前記感光面は、同類感光面であり、前記同類感光面が一つの前記出力光強度を出力することと、
前記所定の波長に対応する少なくとも一つの出力光強度に基づいて、被測定組織成分の濃度を決定することと、を含む、
組織成分の測定方法。
【請求項2】
各前記感光面が受信した出射光の目標組織層における平均光路長が総光路長を占める割合は比例閾値以上であり、ここで、前記総光路長は前記出射光の前記測定領域内で伝送された総距離であり、
前記組織成分の測定方法は、前記測定領域内の組織構造特徴に基づいて同類感光面の総面積を決定し、ここで、前記同類感光面が一つ又は複数の前記感光面を含み、前記同類感光面が一つの前記出力光強度を出力することをさらに含み、
ここで、前記感光面の前記測定領域の表面からの距離が第一距離閾値以下でありかつ前記感光面が出射光を受信する効率が効率閾値以上であり、
各前記感光面は環状感光面又は非環状感光面を含み、異なる前記感光面の形状は同じであるか又は異なり、
前記同類感光面は前記環状感光面又は前記非環状感光面を含み、ここで、前記同類感光面は一つ又は複数の前記感光面を含み、前記同類感光面は一つの前記出力光強度を出力し、
前記同類感光面が前記環状感光面であることは、
前記同類感光面が一つの前記感光面を含む場合、前記同類感光面が独立した環状感光面であることと、
前記同類感光面が複数の前記感光面を含む場合、前記同類感光面が前記複数の感光面の組み合わせにより形成された環状感光面であることと、を含み、
前記同類感光面が前記非環状感光面であることは、
前記同類感光面が一つの前記感光面を含む場合、前記同類感光面が独立した非環状感光面であることと、
前記同類感光面が複数の前記感光面を含む場合、前記同類感光面が前記複数の感光面の組み合わせにより形成された非環状感光面であることと、を含む、
請求項1に記載の組織成分の測定方法。
【請求項3】
記比率閾値は0.04mm以上である、
請求項1又は2に記載の組織成分の測定方法。
【請求項4】
単一の所定の波長の入射光で測定領域を照射する前に、
位置決め特徴を決定することと、
前記位置決め特徴に基づいて、制御可能な測定条件の再現性を満たす領域である前記測定領域を決定することと、
前記M個の感光面を含む測定プローブを前記測定領域に対応する位置に設置することと、をさらに含み、
前記位置決め特徴は第一姿勢位置決め特徴及び領域位置決め特徴を含み、
前記位置決め特徴に基づいて、前記測定領域を決定することは、
前記第一姿勢位置決め特徴に基づいて、被測定対象の現在の測定姿勢を目標測定姿勢に調整し、ここで、前記目標測定姿勢が前記制御可能な測定条件の再現性を満たす測定姿勢であることと、
前記現在の測定姿勢が前記目標測定姿勢である場合、前記領域位置決め特徴に基づいて、前記測定領域を決定することと、を含む、
請求項1に記載の組織成分の測定方法。
【請求項5】
測定プローブを前記測定領域に対応する位置に設置することは、
固定部により前記測定プローブを前記測定領域に対応する位置に設置し、ここで、前記固定部は前記測定プローブと一体であり、部分的に個別又は全部が個別であることを含み、
前記固定部は固定座及び第一係合部材を含み、
前記固定部により前記測定プローブを前記測定領域に対応する位置に設置することは、
前記第一係合部材により前記固定座を前記測定領域に対応する位置に設置することと、
前記測定プローブを前記固定座に設置することと、を含み、又は、
前記固定部は第二係合部材を含み、
前記固定部により前記測定プローブを前記測定領域に対応する位置に設置することは、
前記第二係合部材により前記測定プローブを前記測定領域に対応する位置に設置することを含む、
請求項4に記載の組織成分の測定方法。
【請求項6】
前記領域位置決め特徴に基づいて、前記測定領域を決定することは、
第一投影特徴を取得すること、
前記領域位置決め特徴が前記第一投影特徴とマッチングしないと決定した場合、前記領域位置決め特徴が前記第一投影特徴とマッチングするまで、前記測定プローブ及び/又は前記固定部の位置を調整すること、及び、
前記領域位置決め特徴が前記第一投影特徴とマッチングすると決定した場合、前記測定プローブ及び/又は前記固定部に対応する領域を前記測定領域として決定することと、
第一目標画像を取得すること、
前記領域位置決め特徴を含む第一テンプレート画像を取得すること、
前記第一目標画像が前記第一テンプレート画像とマッチングしないと決定した場合、新たな第一目標画像が前記第一テンプレート画像とマッチングするまで、前記測定プローブ及び/又は前記固定部の位置を調整することにより、前記新たな第一目標画像を取得すること、及び、
前記第一目標画像が前記第一テンプレート画像とマッチングすると決定した場合、前記測定プローブ及び/又は前記固定部に対応する領域を前記測定領域として決定することと、
前記領域位置決め特徴を含む第二目標画像を取得すること、
前記第二目標画像における前記領域位置決め特徴の位置が第一所定の位置ではないと決定した場合、新たな第二目標画像における前記領域位置決め特徴の位置が前記第一所定の位置であるまで、前記測定プローブ及び/又は前記固定部の位置を調整することにより、新たな第二目標画像を取得すること、及び、
前記新たな第二目標画像における前記領域位置決め特徴の位置が前記第一所定の位置であると決定した場合、前記測定プローブ及び/又は前記固定部に対応する領域を前記測定領域として決定することと、の一つを含み、
前記第一姿勢位置決め特徴に基づいて、被測定対象の現在の測定姿勢を目標測定姿勢に調整することは、
第二投影特徴を取得すること、
前記第一姿勢位置決め特徴が前記第二投影特徴とマッチングしないと決定した場合、前記第一姿勢位置決め特徴が前記第二投影特徴とマッチングするまで、前記現在の測定姿勢を調整すること、及び、
前記第一姿勢位置決め特徴が前記第二投影特徴とマッチングすると決定した場合、前記現在の測定姿勢が前記目標測定姿勢であると決定することと、
第三目標画像を取得すること、
前記第一姿勢位置決め特徴を含む第二テンプレート画像を取得すること、
前記第三目標画像が前記第二テンプレート画像とマッチングしないと決定した場合、新たな第三目標画像が前記第二テンプレート画像とマッチングするまで、前記現在の測定姿勢を調整することにより、前記新たな第三目標画像を取得すること、及び、
前記新たな第三目標画像が前記第二テンプレート画像とマッチングすると決定した場合、前記現在の測定姿勢が前記目標測定姿勢であると決定することと、
前記第一姿勢位置決め特徴を含む第四目標画像を取得すること、
前記第四目標画像における前記第一姿勢位置決め特徴の位置が第二所定の位置ではないと決定した場合、新たな第四目標画像における前記第一姿勢位置決め特徴の位置が前記第二所定の位置にあるまで、前記現在の測定姿勢を調整することにより、前記新たな第四目標画像を取得すること、及び、
前記新たな第四目標画像における前記第一姿勢位置決め特徴の位置が前記第二所定の位置にあると決定した場合、前記現在の測定姿勢が前記目標測定姿勢であると決定することと、の一つを含み、
前記組織成分の測定方法は、
前記測定プローブが前記測定領域に対応する位置に設置されると、前記現在の測定姿勢が前記目標測定姿勢ではないと決定した場合、第二姿勢位置決め特徴を決定することと、
前記第二姿勢位置決め特徴に基づいて、前記現在の測定姿勢を前記目標測定姿勢に調整することと、をさらに含み、
前記第二姿勢位置決め特徴に基づいて、前記現在の測定姿勢を前記目標測定姿勢に調整することは、
第三投影特徴を取得すること、
前記第二姿勢位置決め特徴が前記第三投影特徴とマッチングしないと決定した場合、前記第二姿勢位置決め特徴が前記第三投影特徴とマッチングするまで、前記現在の測定姿勢を調整すること、及び、
前記第二姿勢位置決め特徴が前記第三投影特徴とマッチングすると決定した場合、前記現在の測定姿勢が前記目標測定姿勢であると決定することと、
第五目標画像を取得すること、
前記第二姿勢位置決め特徴を含む第三テンプレート画像を取得すること、
前記第五目標画像が前記第三テンプレート画像とマッチングしないと決定した場合、新たな第五目標画像が前記第三テンプレート画像とマッチングするまで、前記現在の測定姿勢を調整することにより、前記新たな第五目標画像を取得すること、及び、
前記新たな第五目標画像が前記第三テンプレート画像とマッチングすると決定した場合、前記現在の測定姿勢が前記目標測定姿勢であると決定することと、
前記第二姿勢位置決め特徴を含む第六目標画像を取得すること、
前記第六目標画像における前記第二姿勢位置決め特徴の位置が第三所定の位置にないと決定した場合、新たな第六目標画像における前記第二姿勢位置決め特徴の位置が前記第三所定の位置にあるまで、前記現在の測定姿勢を調整することにより、前記新たな第六目標画像を取得すること、及び、
前記新たな第六目標画像における前記第二姿勢位置決め特徴の位置が前記第三所定の位置にあると決定した場合、前記現在の測定姿勢が前記目標測定姿勢であると決定することと、の一つを含む、
請求項5に記載の組織成分の測定方法。
【請求項7】
前記所定の波長に対応する少なくとも一つの出力光強度に基づいて、被測定組織成分の濃度を決定することは、
前記所定の波長に対応する少なくとも二つの出力光強度から第一出力光強度及び第二出力光強度を決定すること、及び、
前記所定の波長に対応する第一出力光強度及び第二出力光強度に基づいて、前記被測定組織成分の濃度を決定することと、
前記所定の波長に対応する少なくとも一つの出力光強度から第三出力光強度を決定すること、及び
前記所定の波長に対応する第三出力光強度に基づいて、前記被測定組織成分の濃度を決定することと、
前記所定の波長に対応する少なくとも一つの重畳光強度を決定し、ここで、前記重畳光強度が前記所定の波長に対応する複数の出力光強度に基づいて加算して得られること、及び、
前記所定の波長に対応する少なくとも一つの重畳光強度に基づいて、前記被測定組織成分の濃度を決定することと、の一つを含み、
前記所定の波長に対応する第一出力光強度及び第二出力光強度に基づいて、前記被測定組織成分の濃度を決定することは、
前記所定の波長に対応する第一出力光強度及び第二出力光強度を差分処理し、差分信号を取得することと、
前記所定の波長に対応する差分信号に基づいて、前記被測定組織成分の濃度を決定することと、を含む、
請求項1に記載の組織成分の測定方法。
【請求項8】
前記第一出力光強度と前記第二出力光強度は同類感光面により異なる時刻で採集され、ここで、前記第一出力光強度は収縮期光強度であり、前記第二出力光強度は拡張期光強度であり、前記同類感光面は一つ又は複数の前記感光面を含み、前記第一出力光強度と前記第二出力光強度とに対応する感光面は同じ又は異なり、前記同類感光面は一つの前記出力光強度を出力し、
前記所定の波長に対応する第一出力光強度は前記所定の波長に対応する第一同類感光面により採集され、前記所定の波長に対応する第二出力光強度は前記所定の波長に対応する第二同類感光面により採集され、ここで、前記第一同類感光面は一つ又は複数の前記感光面を含み、前記第二同類感光面は一つ又は複数の前記感光面を含み、
前記第一同類感光面と前記第二同類感光面は同じ同類感光面であり、前記第一同類感光面と前記第二同類感光面で受信された出射光は前記入射光が異なる入射位置から入射して伝送されて得られ、又は、
前記第一同類感光面と前記第二同類感光面は異なる同類感光面であり、
前記第一同類感光面における各前記感光面の異なる感光位置で受信された出射光の平均光路長は第一平均光路長範囲に属し、ここで、前記第一平均光路長範囲は第一光路長平均値に基づいて決定され、前記第一光路長平均値は前記第一同類感光面の各前記感光位置で受信された出射光の平均光路長に基づいて算出された平均値であり、
ここで、前記第二同類感光面における各前記感光面の異なる感光位置で受信された出射光の平均光路長は第二平均光路長範囲に属し、ここで、前記第二平均光路長範囲は第二光路長平均値に基づいて決定され、ここで、前記第二光路長平均値は前記第二同類感光面の各前記感光位置で受信された出射光の平均光路長に基づいて算出された平均値であり、
ここで、前記第一光路長平均値と前記第二光路長平均値との差の絶対値は第一光路長差範囲に属し、
ここで、前記所定の波長に対応する第三出力光強度は前記所定の波長に対応する同類感光面により採集されて得られ、前記同類感光面における各前記感光面の異なる感光位置で受信された出射光の平均光路長と前記所定の波長に対応する最適な光路長との差は第二光路長差範囲に属する、
請求項7に記載の組織成分の測定方法。
【請求項9】
前記同類感光面の目標部位からの距離が第二距離閾値以上であると決定した場合、前記同類感光面は環状感光面、ファンリング感光面、扇形感光面、円形感光面又は正方形感光面を含み、
前記同類感光面の前記目標部位からの距離が第三距離閾値以下であると決定した場合、前記同類感光面の形状は前記出射光のブレ分布に基づいて決定され、
前記出射光のブレ分布は第一方向に沿ったブレ分布と第二方向に沿ったブレ分布を含み、前記第一方向と前記第二方向は互いに垂直であり、前記同類感光面の前記第一方向に沿った長さと前記同類感光面の前記第二方向に沿った長さとの比率は前記出射光の第一方向に沿ったブレ幅と前記出射光の第二方向に沿ったブレ幅との比率に基づいて決定され、前記出射光の前記第一方向に沿ったブレ幅は最大である、
請求項2に記載の組織成分の測定方法。
【請求項10】
前記感光面は初期感光面にマスク板を設置した後に得られ、
前記マスク板の形状は出射光のブレ分布形状に基づいて決定される、
請求項1又は2に記載の組織成分の測定方法。
【請求項11】
前記入射光が前記測定領域に照射されるスポットの強度分布が均一であり、
前記入射光が前記測定領域に照射されるスポットの面積はスポット面積閾値以上である、
請求項1または2に記載の組織成分の測定方法。
【請求項12】
単一の所定の波長の入射光で測定領域を照射し、ここで、各前記入射光が前記測定領域を通過した後に少なくとも一つの出射位置から出射して少なくとも一つの出射光を形成し、前記入射光の入射位置が少なくとも一つを含む光源モジュールと、
M個の感光面を含み、前記M個の感光面により採集された各前記出射光に対応する光強度値を取得し、T個の出力光強度を取得し、ここで、各前記出力光強度が一つ又は複数の前記感光面により採集された出射光の光強度値に基づいて処理して得られ、各前記感光面は前記感光面に対応する所定のブレ防止範囲内の出射位置から出射された出射光の光強度値を採集されて取得することができ、1≦T≦Mであり、各前記感光面の面積と前記感光面の周長との比率は比率閾値以上であり、ここで、一つ又は複数の前記感光面は、同類感光面であり、前記同類感光面が一つの前記出力光強度を出力する採集モジュールと、
前記所定の波長に対応する少なくとも一つの出力光強度に基づいて、被測定組織成分の濃度を決定する処理モジュールと、を含む、
組織成分の測定装置。
【請求項13】
定プローブに第一スリーブが設置され、
前記第一スリーブの第一端面は前記測定プローブの目標表面を超え、ここで、前記第一端面は前記測定領域に近接する端面を示し、前記測定プローブの目標表面は前記測定領域に近接する表面を示し、
前記第一スリーブの第二端面及び/又は内部の領域に散乱物が設置され、ここで、前記第一端面と前記第二端面は対向する二つの端面であり、前記内部の領域は前記内部の一部の領域又は前記内部の全ての領域を含む、
請求項12に記載の組織成分の測定装置。
【請求項14】
前記感光面と前記測定領域との間に屈折率整合物が充填される、
請求項12又は13に記載の組織成分の測定装置。
【請求項15】
ウェアラブル機器であって、
請求項12~14のいずれか一項に記載の組織成分の測定装置を含み、
前記ウェアラブル機器の質量は質量閾値以下であり、それにより前記ウェアラブル機器の移動規則と測定領域での皮膚ブレ規則を一致させることを実現し、又は、
前記ウェアラブル機器により、前記測定領域での皮膚の移動幅が移動幅閾値以下である、
ウェアラブル機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の実施例は、スペクトル測定の技術分野に関し、より具体的には、組織成分の測定方法、装置及びウェアラブル機器に関する。
【背景技術】
【0002】
人体の体液に、例えば血糖、脂肪及び白血球等の様々な組織成分が含まれ、各組織成分の濃度はそれに対応する濃度範囲内にあれば、人体の健康運転を保証することができる。しかし、いくつかの個体に対して、その組織成分に不均衡が発生しやすいため、すなわち、組織成分の濃度が数値範囲内になく、さらに身体が疾患に罹患し、健康又は命が危険にさらされるため、このような対象に対して、組織成分をリアルタイムに測定する必要がある。
【0003】
光学方法は、迅速で、創傷なし及び情報の多次元化等の特徴を有するため、関連技術において一般的に光学方法を用いて構成成分の測定を行う。測定原理に基づいて、光学方法は、主に、ラマン分光法、偏光法、光干渉断層イメージング法、光音響分光法、中赤外分光法及び近赤外分光法等を含む。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示の構想を実現する過程において、発明者は関連技術に少なくとも関連技術を採用すれば確実な測定結果を取得しにくいという問題が存在することを発見する。
【0005】
これに鑑みて、本開示の実施例は組織成分測定方法、装置及びウェアラブル機器を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の実施例の一態様は組織成分測定方法を提供し、該方法は、単一の所定の波長の入射光で測定領域を照射し、ここで、各前記入射光が前記測定領域を通過した後に少なくとも一つの出射位置から出射して少なくとも一つの出射光を形成し、前記入射光の入射位置が少なくとも一つを含むことと、M個の感光面により採集された各前記出射光に対応する光強度値を取得し、T個の出力光強度を取得し、ここで、各前記出力光強度が一つ又は複数の前記感光面により採集された出射光の光強度値に基づいて処理して得られ、各前記感光面が前記感光面に対応する所定のブレ防止範囲内の出射位置から出射された出射光の光強度値を採集することができ、1≦T≦Mであることと、前記複数の所定の波長に対応する少なくとも一つの出力光強度に基づいて、被測定組織成分の濃度を決定することと、を含む。
【0007】
本開示の実施例の別の態様は、組織成分測定装置を提供し、該装置は、単一の所定の波長の入射光で測定領域を照射し、ここで、各前記入射光が前記測定領域を通過した後に少なくとも一つの出射位置から出射して少なくとも一つの出射光を形成し、前記入射光の入射位置が少なくとも一つを含む光源モジュールと、M個の感光面を含み、前記M個の感光面により採集された各前記出射光に対応する光強度値を取得し、T個の出力光強度を取得し、ここで、各前記出力光強度が一つ又は複数の前記感光面により採集された出射光の光強度値に基づいて処理して得られ、各前記感光面が前記感光面に対応する所定のブレ防止範囲内の出射位置から出射された出射光の光強度値を採集することができ、1≦T≦Mである採集モジュールと、前記所定の波長に対応する少なくとも一つの出力光強度に基づいて、被測定組織成分の濃度を決定する処理モジュールと、を含む。
【0008】
本開示の実施例の別の態様は、ウェアラブル機器を提供し、該機器は上記のような組織成分測定装置を含む。
【0009】
以下の図面を参照して本開示の実施例に対する説明により、本開示の上記及び他の目的、特徴及び利点はより明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本開示の実施例に係るブレが発生する時に小さい面積の感光面で出射光を受信する概略図を概略的に示す図
図2】本開示の実施例に係るブレが発生する時に広い面積の感光面で出射光を受信する概略図を概略的に示す図
図3】本開示の実施例に係る組織成分測定方法のフローチャートを概略的に示す図
図4】本開示の実施例に係るモンテカルロシミュレーション方法に基づいて得られた測定結果の概略図を概略的に示す図
図5】本開示の実施例に係る光学方法に基づいて測定領域の位置決めを実現する概略図を概略的に示す図
図6】本開示の実施例に係る光学方法に基づいて測定領域の位置決めを実現する別の概略図を概略的に示す図
図7】本開示の実施例に係る画像マッチング方法に基づいて測定領域の位置決めを実現する概略図を概略的に示す図
図8】本開示の実施例に係る画像マッチング方法に基づいて測定領域の位置決めを実現する別の概略図を概略的に示す図
図9】本開示の実施例に係るイメージング方法により測定領域の位置決めを実現する概略図を概略的に示す図
図10】本開示の実施例に係るイメージング方法に基づいて測定領域の位置決めを実現する別の概略図を概略的に示す図
図11】本開示の実施例に係る光学方法に基づいて測定姿勢の位置決めを実現する概略図を概略的に示す図
図12】本開示の実施例に係る画像マッチング方法により測定姿勢の位置決めを実現する概略図を概略的に示す図
図13】本開示の実施例に係るイメージング方法に基づいて測定姿勢の位置決めを実現する概略図を概略的に示す図
図14】本開示の実施例に係る差分測定の概略図を概略的に示す図
図15】本開示の実施例に係る環状感光面の概略図を概略的に示す図
図16】本開示の実施例に係るファンリング感光面の概略図を概略的に示す図
図17】本開示の実施例に係る円形感光面の概略図を概略的に示す図
図18】本開示の実施例に係る正方形感光面の概略図を概略的に示す図
図19】本開示の実施例に係る初期感光面にマスク板を設置して感光面を得る概略図を概略的に示す図
図20】本開示の実施例に係る組織成分測定装置のブロック図を概略的に示す図
図21】本開示の実施例に係る別の組織成分測定装置のブロック図を概略的に示す図
図22】本開示の実施例に係る固定部と測定プローブの位置関係の概略図を概略的に示す図
図23】本開示の実施例に係る固定部の構造概略図を概略的に示す図
図24】本開示の実施例に係る第一係合部材の概略図を概略的に示す図
図25】本開示の実施例に係る別の第一係合部材の概略図を概略的に示す図
図26】本開示の実施例に係る領域位置決め部の概略図を概略的に示す図
図27】本開示の実施例に係る別の領域位置決め部の概略図を概略的に示す図
図28】本開示の実施例に係る第一画像採集部の概略図を概略的に示す図
図29】本開示の実施例に係る第一姿勢位置決め部の概略図を概略的に示す図
図30】本開示の実施例に係る別の第一姿勢位置決め部の概略図を概略的に示す図
図31】本開示の実施例に係る第三画像採集部の概略図を概略的に示す図
図32】本開示の実施例に係る測定姿勢及び測定領域の位置決めの概略図を概略的に示す図
図33】本開示の実施例に係る別の測定姿勢及び測定領域の位置決めの概略図を概略的に示す図
図34】本開示の実施例に係る異なる感光面のアノード電気的接続の概略図を概略的に示す図
図35】本開示の実施例に係るグローブ形式の立体感光面の概略図を概略的に示す図
図36】本開示の実施例に係る別のグローブ形式の立体感光面の概略図を概略的に示す図
図37】本開示の実施例に係る手環形式の立体感光面の概略図を概略的に示す図
図38】本開示の実施例に係る別の手環形式の立体感光面の概略図を概略的に示す図
図39】本開示の実施例に係るアーム測定用の立体感光面の概略図を概略的に示す図
図40】本開示の実施例に係る測定プローブに第一スリーブを設置する概略図を概略的に示す図
図41】本開示の実施例に係る第一スリーブの目標領域の外部に第二スリーブを設置する概略図を概略的に示す図
図42】本開示の実施例に係る屈折率整合物が充填されない場合に感光面が出射光を受信する概略図を概略的に示す図
図43】本開示の実施例に係る屈折率整合物が充填される場合に感光面が出射光を受信する概略図を概略的に示す図
図44】本開示の実施例に係る屈折率整合物が充填される場合に感光面が出射光を受信する別の概略図を概略的に示す図
図45】本開示の実施例に係る拡散測定の概略図を概略的に示す図
図46】本開示の実施例に係るウェアラブル機器の概略図を概略的に示す図
図47】本開示の実施例に係るウェアラブル機器の組立過程の概略図を概略的に示す図
図48】本開示の実施例に係るウェアラブル機器が皮膚ブレ規則と一致する場合に測定プローブが受信した出射光の平均光路長を皮膚ブレ過程において所定の光路長範囲内に保持する概略図を概略的に示す図
図49】本開示の実施例に係るウェアラブル機器により測定領域における皮膚の移動幅が移動幅閾値以下である場合に測定プローブが受信した出射光の平均光路長を皮膚ブレ過程において所定の光路長範囲内に保持する概略図を概略的に示す図
図50】本開示の実施例に係る光学方法に基づいて測定領域の位置決め及び測定姿勢の位置決めを同期的に実現する概略図を概略的に示す図
図51】本開示の実施例に係る測定標準反射板により得られた差分信号の変化量が測定時間に伴って変化する概略図を概略的に示す図
図52】本開示の実施例に係る被測定対象の血糖濃度が安定した状態でその前腕伸側を測定して得られた差分信号の変化量が測定時間に伴って変化する概略図を概略的に示す図
図53】本開示の実施例に係るOGTT方式を採用して単回糖負荷実験を行う結果概略図を概略的に示す図
図54】本開示の実施例に係る差分信号の変化量と血糖真値との間の関係を概略的に示す図である図
図55】本開示の実施例に係るMTT方式を採用して二次糖負荷実験を行う結果概略図を概略的に示す図
図56】本開示の実施例に係る血糖予測値と血糖真値との関係の概略図を概略的に示す図
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照して本開示の実施例を説明する。しかし、理解すべきこととして、これらの説明は例示的なものだけであり、本開示の範囲を限定するものではない。以下の詳細な説明において、説明を容易にするために、多くの具体的な詳細を説明して本開示の実施例に対する全面的な理解を提供する。しかしながら、明らかに、一つ又は複数の実施例はこれらの具体的な詳細がない場合に実施されてもよい。また、以下の説明において、公知の構造及び技術に対する説明を省略することにより、本開示の概念を不必要に混同することを回避する。
【0012】
ここで使用される用語は具体的な実施例を説明するためだけであり、本開示を限定することを意図するものではない。ここで使用される用語「含む」、「包含」等は、前記特徴、ステップ、操作及び/又は部品の存在を示すが、一つ又は複数の他の特徴、ステップ、操作又は部品の存在又は追加を排除するものではない。
【0013】
特に定義されない限り、ここで使用される全ての用語(技術及び科学的用語を含む)は当業者が一般的に理解する意味を有する。注意すべきこととして、ここで使用される用語は本明細書の文脈と一致する意味を有すると解釈すべきであり、理想化又は頑固の方式で解釈されるべきではない。
【0014】
「A、B及びCなどのうちの少なくとも一つ」と類似するという表現を用いる場合、一般的には当業者が一般的に該表現の意味を理解して解釈すべきである(例えば、「A、B、及びCのうちの少なくとも一つを有するシステム」はAを単独で有し、Bを単独で有し、Cを単独で有し、AとBを有し、AとCを有し、BとCを有し、及び/又はA、B、Cを有するシステムなどを含むが、これらに限らない)。「A、B又はCなどのうちの少なくとも一つ」と類似するという表現を用いる場合、一般的には当業者が一般的に該表現の意味を理解して解釈すべきである(例えば、「A、B又はCのうちの少なくとも一つを有するシステム」はAを単独で有し、Bを単独で有し、Cを単独で有し、AとBを有し、AとCを有し、BとCを有し、及び/又はA、B、Cを有するシステムなどを含むが、これらに限らない)。
【0015】
光学方法に基づいて生体組織成分測定を行う研究は今まで五十年間の発展を経ており、大量の科学研究機関及び会社が該分野に大きな関心及び力を注いでいるが、被測定組織成分自体の吸収は一般的に弱く、被測定対象自体の被測定組織成分の濃度の変化範囲は一般的に大きくなく、したがって、被測定組織成分信号は一般的に微弱であり、かつ測定条件の変動などの干渉により微弱な被測定組織成分信号が容易にノイズに埋もれ、確実な生体組織成分の測定を実現する解決手段が今までまだ現れていない。これにより、生体組織成分の測定は早急に解決すべき世界的難題である。ここで、組織成分は血糖、脂肪及び白血球等を含むことができる。被測定組織成分信号は、被測定組織成分の濃度変化による出力光強度変化を示す。測定条件は、組織内での光の伝搬路に影響する条件として理解されることができる。測定条件は、制御可能な測定条件と、制御不能な測定条件とを含んでいてもよい。制御可能な測定条件は、毎回生体組織成分の測定過程において、効果的な制御方法を採用することによりそれを所定の変化範囲内に保持する(すなわち、不変又は実質的に不変に保持する)ように制御可能な測定条件である。制御不能な測定条件は、予知し難くおよび制御不能な特性を有する測定条件である。制御可能な測定条件としては、温度、圧力、測定領域、測定姿勢等を含んでも良い。制御不能な測定条件は、生理背景変動と測定装置のドリフトなどを含んでもよい。
【0016】
本開示の構想を実現する過程において、発明者は、関連技術を採用すれば確実な測定結果を取得しひくいことの主な原因が以下のとおりであることを発見した。
【0017】
発明者は、他の条件が変化しない場合に、入射光を測定領域に照射するスポットの強度分布のみを変更すれば、得られた測定結果が異なることを発見する。感光面を血管に近接して設置して得られた測定結果を、他の条件が変化しない場合に同一の感光面を血管から離れて設置して得られた測定結果と比較すると、血管から離れて設置して得られた測定結果は、血管に近接して設置して得られた測定結果より優れる。ここで、測定結果は、感光面で出射光を受信する光強度値の相対変化量又は光強度値の標準ずれによって示すことができる。測定結果が異なる原因を研究する時に、入射光を測定領域に照射するスポットの強度分布を変化させることが光源照射のランダム性を現わすことができ、血管との遠近が脈拍の拍動の強弱を現わすことができ、光源照射のランダム性及び脈拍の拍動がいずれもブレの供給源であることを発見した。これにより、確実な測定結果を取得しにくい原因の一つがブレになることを発見する。
【0018】
ブレを研究することを基に、ブレを引き起こすソースに基づいて、それを内部ソース及び外部ソースに分けることができることを発見する。ここで、内部ソースは脈拍の拍動を含むことができる以外に、さらに生理的背景変動を含むことができる。外部ソースは光源照射のランダム性を含むことができる他、入射光自体の伝送の不確定性を含むことができる。光源照射のランダム性は、入射光が測定領域に照射されるスポットの強度分布によって現わさせることができる。内部ソースによるブレ、又は外部ソースによるブレは、いずれも光の組織内での伝送経路に影響を与え、さらに出射光の測定領域での強度分布に影響を与えることを発見する。
【0019】
ブレによる測定結果の確実性が高くないという問題を解決するために、発明者は、大きな面積を有する感光面(すなわち、大面積の感光面)で出射光の光強度値を採集する解決手段を採用することができ、それによりブレによる測定結果に対する悪影響を効果的に抑制する。すなわち、大面積の感光面はブレによる悪影響を効果的に抑制することができ、いわゆる「大面積の感光面」は感光面の面積により感光面が所定のブレ防止範囲内の出射位置から出射された出射光の光強度値を採集することができると理解することができる。大面積の感光面の面積は連続的であり、大面積の感光面は感光性材料で製造され、それはシングルサインファイバ受信及び複数の単一光ファイバと組み合わせて受信することと異なる。以下、どうして大面積の感光面で出射光の出力光強度を採集する解決手段を採用することによって、ブレによる測定結果に対する悪影響を効果的に抑制することができるかを具体的に説明する。
【0020】
大面積の感光面が感光面における出射光を安定して受信する面積が該感光面の面積に占める割合を向上させることができるため、出射光を受信することの安定性を向上させることができ、それによりブレによる出射光の強度分布の変化の悪影響を低減し、それにより測定結果の確実性を向上させることができる。ここで、安定性は、感光面で出射光を受信する光強度値の相対変化量又は光強度値の標準ずれによって表され、光強度値の相対変化量が小さいほど、安定性が高く、光強度値の標準ずれが小さいほど、安定性が高い。
【0021】
概略的には、脈拍の拍動によるブレを例として説明する。脈拍の拍動は、血管の状態によって反映させることができる。図1は、本開示の実施例に係るブレが発生する時に小さい面積の感光面で出射光を受信する概略図を概略的に示す。図2は、本開示の実施例に係るブレが発生する時に広い面積の感光面を採用して出射光を受信する概略図を概略的に示す。図1及び図2で発生するブレは同じである。図1における感光面Aの面積は、図2における感光面Bの面積よりも小さい。感光面A及び感光面Bは、いずれも正方形の感光面である。図1及び図2において血管状態1は血管収縮状態を示し、血管状態2は血管拡張状態を示し、皮膚状態1は血管状態1に対応する皮膚状態を示し、皮膚状態2は血管状態2に対応する皮膚状態を示す。皮膚状態1から皮膚状態2までは、ブレが現れている。
【0022】
同じブレが発生した場合、異なる面積の感光面を採用して得られた測定結果を比較する。測定結果は、感光面で所定の時間帯内に出射光を受信する光強度値の相対変化量又は光強度値の標準ずれによって示される。ここで、光強度値の相対変化量は以下の方式で決定することができる:所定の時間帯内の最大光強度値と最小光強度値との差分値を計算し、所定の時間帯内の出射値の平均値を計算し、差分値と平均値との比率を計算し、該比率を光強度値の相対変化量とする。所定の時間帯は一つの脈動周期であってもよい。
【0023】
測定結果について、感光面で出射光を受信する光強度値の相対変化量によって測定結果を示しても、又は感光面で出射光を受信する光強度値の標準ずれによって測定結果を示しても、感光面Bを採用して得られた測定結果はいずれも感光面Aを採用して得られた測定結果より優れる。
【0024】
感光面Bの面積が感光面Aの面積よりも大きいため、大面積の感光面が出射光を受信する安定性を向上させることができ、それによりブレによる出射光の強度分布の変化の悪影響を低減し、それにより測定精度を向上させることができる。
【0025】
また、出射光の出力光強度が比較的微弱であるため、被測定組織成分の濃度変化による出力光強度変化も比較的微弱であり、かつ関連技術に採用された出射光を受信する方式で受信された出射光の効率が低く、したがって、受信された出力光強度の信号対雑音比が低く、さらに測定結果の確実性が高くないことをもたらす。本開示の実施例の大面積の感光面は出力光強度の信号対雑音比を向上させ、さらに測定結果の確実性を向上させることができる。これは、大面積の感光面が広範囲の出射光の受信を実現することができ、出射光を受信する効率を向上させ、これにより出力光強度の信号対雑音比を向上させ、測定結果の確実性を向上させることができるからである。
【0026】
説明すべきものとして、本開示の実施例に記載の大面積の感光面は、測定領域の表面からの距離が小さい場合、すなわち、測定領域の表面に近接する場合に、より高い出射光を受信する安定性及び効率を実現することができる。これは、シングルポイント光ファイバの受信と複数の単一の光ファイバの組み合わせ受信により実現できない。その原因は、その一が、光ファイバの開口数の制約に制限されることである;その二が、光ファイバの状態変化に制限されることである。光ファイバの状態変化は環境の影響を受けやすく、その変化は、出射光を受信する安定性に大きな影響を与える。
【0027】
説明すべきものとして、一般的に出力光強度の信号対雑音比を向上させるために、大面積の感光面を採用することができる。換言すれば、大面積の感光面は、一般的に、出力光強度の信号対雑音比を向上させる役割をしており、これは本開示の実施例における大面積の感光面の役割と異なり、本開示の実施例において、大面積の感光面は、主に、ブレを効果的に抑制する役割を奏している。
【0028】
同時に、本開示の構想を実現する過程において、発明者は関連技術において、一般的に多変量解析方法を用いて多波長スペクトルデータを処理し、すなわち、多変量解析方法により光学信号と被測定組織成分の濃度真値との間の数学的モデルを確立し、かつ確立された数学的モデルを用いて被測定組織成分の濃度を予測し、それにより被測定組織成分信号を間接的に取得することができることを発見する。そして、多変量解析方法を用いて生体組織成分の測定を実現することができると考え、これは、組織成分及び物理的状態(例えば温度及び圧力等)が所定の波長帯に特徴的に吸収されるため、多変量解析方法が生体組織成分の測定における干渉補正を行う潜在的な工具であると考えられるためである。ここで、所定の波長帯は、可視-近赤外波長帯を含むことができる。多変量解析方法が上記性能を有するため、いくつかの研究者は、多変量解析方法の確実性を過度に信じる。これにより、関連技術における改善方向も多変量解析方法に沿って展開される。
【0029】
しかしながら、上記方法には以下の問題が存在し、測定条件の変動による信号変化は一般的に被測定組織成分の濃度変化による信号変化よりはるかに大きく、したがって、多変量解析方法を用いて得られた測定結果は、被測定組織成分以外の干渉(例えば生理的背景干渉)に起因する信号変化と偶然に関連し、さらにこのような間接的な被測定組織成分信号の抽出方式により得られた結果は偽相関結果である可能性がある。
【0030】
上記方式で得られた測定結果が偽相関結果である可能性があるため、取得された被測定組織成分信号が実際の被測定組織成分信号であることを直接証明することができず、これにより、生体組織成分測定の実行可能性を直接証明することができず、それに応じて、測定結果の確実性が高くない。
【0031】
実際の被測定組織成分信号を直接取得することは生体組織成分測定を実現する前提条件である。実際の被測定組織成分信号を取得することができることを確保し、測定結果の確実性を向上させるために、本開示の実施例は、単一の所定の波長を採用して大面積の感光面を結合して生体組織成分の測定を行う解決手段を提供する。
【0032】
同時に、生体組織成分測定装置及びそれが生体組織成分測定装置を設置するウェアラブル機器の応用を実現するために、装置及び機器の体積をできるだけ小さくし、電源消耗をできるだけ小さくする必要があり、実際の使用に便宜である。単一の所定の波長を採用する場合、光源モジュールの体積及び構造複雑度を減少させることができ、さらに装置及び機器の体積及び構造複雑度を減少させ、携帯して測定しやすく、かつ電源モジュールに対する容量要求を低減することができ、これにより、製造コストを低減することができる。また、データ処理量を減少させることもできる。
【0033】
以下に具体的な実施例を参照して説明する。
【0034】
図3は、本開示の実施例に係る組織成分測定方法のフローチャートを概略的に示す。
【0035】
図3に示すように、該方法は操作S310~S330を含む。
【0036】
操作S310において、単一の所定の波長の入射光を測定領域に照射し、ここで、各入射光が測定領域を通過した後に少なくとも一つの出射位置から出射して少なくとも一つの出射光を形成し、入射光の入射位置が少なくとも一つを含む。
【0037】
本開示の実施例によれば、異なる測定部位が異なる皮膚特性を有するため、滑らかな程度、毛髪の有無、平坦状態、皮膚厚さ及び柔軟度等を含むことができ、したがって、実際の状況、例えば測定プローブの構造に基づいて、適切な測定部位を選択する必要がある。測定部位は、指、手のひら、アーム、額及び耳たぶのうちの少なくとも一種を含むことができる。測定領域は、測定部位上の領域であってもよい。
【0038】
本開示の実施例によれば、単一の所定の波長は、被測定組織成分に敏感な波長であってもよい。単一の所定の波長が属する波長帯は、紫外波長帯、可視光帯、近赤外波長帯、中赤外波長帯または遠赤外波長帯を含むことができる。例示的には、例えば被測定組織成分が血糖であり、それに応じて、単一の所定の波長は血糖に敏感な波長であってもよく、具体的には1550nm又は1609nmであってもよい。入射光はコリメート光又は非コリメート光であってもよい。入射光の入射位置は、一つ又は複数であってもよい。
【0039】
操作S320において、M個の感光面により採集された各出射光に対応する光強度値を取得し、T個の出力光強度を取得し、ここで、各出力光強度は一つ又は複数の感光面により採集された出射光の光強度値に基づいて処理して得られ、各感光面は感光面に対応する所定のブレ防止範囲内の出射位置から出射された出射光の光強度値を採集することができ、1≦T≦Mである。
【0040】
本開示の実施例によれば、測定結果の確実性を向上させるために、各感光面が該感光面に対応する所定のブレ防止範囲内の出射位置から出射された出射光の光強度値を採集することができることをできるだけ確保する必要があり、これは感光面の面積ができるだけ大きいことを要求する。各感光面は対応する所定のブレ防止範囲を有し、異なる感光面の所定のブレ防止範囲が同じであるか又は異なる。以下では例示を合わせて三つの方面から感光面の面積が大きいほど、ブレを抑制する効果が高いことを説明する。感光面Aの面積が感光面Bの面積よりも小さくなるように予め設定されている。感光面A及び感光面Bは、いずれも正方形の感光面である。
【0041】
その一、脈拍の拍動によるブレを抑制する。感光面Aと感光面Bをそれぞれ測定領域上の同じ位置に設置し、該位置は血管に近い位置である。他の条件が同じである場合に、感光面Aと感光面Bを用いて得られた測定結果を比較し、ここで、測定結果は、感光面により一つの脈動周期内に出射光を受信する光強度値の相対変化量又は光強度値の標準ずれによって示される。光強度値の相対変化量の計算方式は以上のとおりであり、ここでは説明を省略する。感光面Bが出射光を受信する光強度値の相対変化量は、感光面Aが出射光を受信する光強度値の相対変化量よりも小さく、感光面Bが出射光を受信する光強度値の標準ずれは、感光面Aが出射光を受信する光強度値の標準ずれより小さい。これにより、感光面で出射光を受信する光強度値の相対変化量によって測定結果を示すか、又は感光面で出射光を受信する光強度値の標準ずれによって測定結果を示し、感光面Bを用いて得られた測定結果はいずれも感光面Aを採用して得られた測定結果より優れる。
【0042】
感光面Bを採用して得られた測定結果が感光面Aを採用して得られた測定結果より優れ、同時に感光面Bの面積が感光面Aの面積よりも大きいため、感光面の面積が大きいほど、脈拍の拍動によるブレを抑制する効果が高いことを説明することができる。
【0043】
その二、入射光が測定領域に照射されたスポットの強度分布の変化によるブレを抑制する。他の条件が変化しない場合、入射光を測定領域に照射するスポットの強度分布のみを変更する。感光面Aと感光面Bを用いて得られた測定結果を比較し、ここで、測定結果は、感光面で所定の時間帯内に出射光を受信する光強度値の相対変化量又は光強度値の標準ずれによって示される。光強度値の相対変化量の計算方式は以上のとおりであり、ここでは説明を省略する。感光面Bが出射光を受信する光強度値の変化量は感光面Aが出射光を受信する光強度値の変化量よりも小さく、感光面Bが出射光を受信する光強度値の標準ずれは感光面Aが出射光を受信する光強度値の標準ずれより小さい。これにより、感光面で出射光を受信する光強度値の相対変化量によって測定結果を示しても、又は感光面で出射光を受信する光強度値の標準ずれによって測定結果を示しても、感光面Bを用いて得られた測定結果はいずれも感光面Aを用いて得られた測定結果より優れる。
【0044】
感光面Bを用いて得られた測定結果が感光面Aを用いて得られた測定結果より優れ、同時に感光面Bの面積が感光面Aの面積よりも大きいため、感光面の面積が大きいほど、入射光が測定領域に照射されたスポットの強度分布の変化によるブレを抑制する効果が高いことを説明することができる。
【0045】
その三、入射光自体の伝送の不確定性によるブレを抑制する。モンテカルロシミュレーション方法を採用する。光子数が1015である入射光を中心に入射し、感光面Aと感光面Bはそれぞれ入射光の中心から2.4mm離れる位置に設置され、シミュレーション回数は22回である。感光面Aと感光面Bを用いて得られた測定結果を比較し、ここで、測定結果は、単位面積当たりの出射光子数の標準ずれで示され、単位面積当たりの出射光子数の標準ずれが小さいほど、抑制効果が高いことを説明する。図4は、本開示の実施例に係るモンテカルロシミュレーション方法に基づいて得られる測定結果の概略図を概略的に示す。感光面Bに対応する単位面積当たりの出射光子数の標準ずれは、感光面Aに対応する単位面積当たりの出射光子数の標準ずれよりも小さいことを見出した。すなわち、感光面Bを用いて得られた測定結果は感光面Aを用いて得られた測定結果より優れる。
【0046】
感光面Bを採用して得られた測定結果が感光面Aを用いて得られた測定結果より優れ、同時に感光面Bの面積が感光面Aの面積よりも大きいため、感光面の面積が大きいほど、入射光自体の伝送の不確定性によるブレを抑制する効果が高いと説明することができる。
【0047】
以上の三つの態様の例示により、感光面の面積が大きいほど、ブレによる測定結果に対する悪影響を抑制する効果が高いことを説明する。
【0048】
本開示の実施例によれば、各感光面を環状感光面又は非環状感光面とすることができ、ここで、非環状感光面は、ファンリング感光面、円形感光面、扇形感光面、楕円形感光面又は多角形感光面を含むことができる。多角形感光面は、正方形の感光面、長方形の感光面又は三角形の感光面を含むことができる。
【0049】
本開示の実施例によれば、M個の感光面における各感光面を単独で使用し、部分的に組み合わせて使用するか又は全部を組み合わせて使用することができ、組み合わせて使用する意味は、一つの出力光強度を出力することである。本開示の実施例において、一つの出力光強度を出力するための感光面を同類感光面と呼び、同類感光面は一つ又は複数の感光面を含むことができる。ここで、異なる感光面を組み合わせて使用する条件は、各感光面が受信した出射光の平均光路長が平均光路長範囲内にあることであってもよい。平均光路長範囲は、第一平均光路長閾値以上、かつ第二平均光路長閾値以下の範囲からなる範囲であってもよい。第一平均光路長閾値及び第二平均光路長閾値は、光路長平均値及び光路長変化幅に応じて決定することができる。光路長平均値は、同類感光面の各感光位置で受信した出射光の平均光路長から算出した平均値である。例示的には、例えば光路長平均値がaであり、光路長変化幅が±30%であれば、第一平均光路長閾値は0.7aであってもよく、第二平均光路長閾値は1.3aであってもよい。
【0050】
平均光路長について以下に説明する。光の組織における伝送経路は、光路長及び透過深さで表すことができ、ここで、光路長は光が組織を伝送する総距離を示し、透過深さは、光の組織における最大縦方向距離を示す。決定された光源-プローブ距離に対して、平均光路長は、光の組織における光路長の平均値を示す。光路長の確率分布関数は、光源-プローブ距離及び組織光学パラメータの関数であると理解することができ、ここで、光源-プローブ距離は、入射光の中心と感光面の中心との間の径方向距離を示す。それに応じて、数学式において、平均光路長は光源-プローブ距離及び組織光学パラメータの関数であると理解することができ、ここで、組織光学パラメータは吸収係数、散乱係数及び異方性因子を含むことができる。なお、平均光路長に影響を与える因子としては、吸収係数、散乱係数、異方性因子、光源-プローブ距離を挙げることができる。
【0051】
本開示の実施例によれば、同類感光面は、環状感光面又は非環状感光面であってもよい。同類感光面が環状感光面であれば、同類感光面が一つの感光面を含む場合に、同類感光面が独立した環状感光面であることを含むことができる。同類感光面が複数の感光面を含む場合、同類感光面は複数の感光面の組み合わせにより形成された環状感光面である。同類感光面が非環状感光面であれば、同類感光面が一つの感光面を含む場合に、同類感光面が独立した非環状感光面であることを含むことができる。同類感光面が複数の感光面を含む場合、同類感光面は複数の感光面の組み合わせにより形成された非環状感光面である。
【0052】
操作S330において、所定の波長に対応する少なくとも一つの出力光強度に基づいて、被測定組織成分の濃度を決定する。
【0053】
本開示の実施例によれば、所定の波長に対応する少なくとも一つの出力光強度を取得した後、干渉抑制方法を用いて所定の波長に対応する少なくとも一つの出力光強度を処理することにより、被測定組織成分の濃度を決定することができる。ここで、干渉抑制方法は差分測定方法を含むことができる。差分測定方法は、時間差分測定方法または位置差分測定方法を含むことができる。又は、さらに非差分測定方法を採用して少なくとも一つの出力光強度を処理することにより、被測定組織成分の濃度を決定することができる。各出力光強度は拡散散乱光強度又は拡散透過光強度を含むことができる。
【0054】
本開示の実施例の技術案によれば、前記感光面は、対応する所定の外乱防止範囲内の出射位置から出射された出射光の光強度値を採集することができ、上記特性を有する感光面が感光面における出射光を安定して受信できる面積が該感光面の面積に占める割合を向上させるため、出射光を受信する安定性を向上させ、さらにブレによる出射光の強度分布の変化の悪影響を低減し、それにより測定結果の確実性を向上させる。同時に、単一の所定の波長を用いて上記特性を有する感光面を組み合わせて組織成分の測定を行い、実際の被測定組織成分信号を直接取得する。単一の所定の波長を用いて組織成分の測定を行い、光源モジュールの体積及び構造複雑度を減少させ、さらに装置及び機器の体積及び構造複雑度を減少させ、携帯して測定しやすく、電源モジュールに対する容量要求を低減し、かつ製造コストを低減する。また、データ処理量を減少させる。
【0055】
本開示の実施例によれば、各感光面が受信した出射光の目標組織層における平均光路長が総光路長を占める割合は比例閾値以上であり、ここで、総光路長は出射光の測定領域内で伝送された総距離である。
【0056】
本開示の実施例によれば、被測定対象の組織モデルは一般的に層状構造であり、一層又は複数層に分けることができる。異なる組織層に携帯される被測定組織成分の情報が異なり、測定結果の確実性を向上させるために、出射光の伝送経路は主に被測定組織成分の情報が豊富な組織層を携帯する必要がある。目標組織層は、被測定組織成分の情報が豊富な組織層を携帯することであると理解することができ、又は、被測定組織成分の主要な供給源の組織層である。以下では被測定対象が人体であり、被測定組織成分が血糖であることを例として説明する。
【0057】
人体の皮膚組織モデルは三層モデルであると理解することができ、外から内へそれぞれ表皮層、真皮層及び皮下脂肪層である。ここで、表皮層は少量の組織液を含み、血漿及びリンパ液を含まない。真皮層は大量の組織液を含み、かつ豊富な毛細血管が存在するため、より多くの血漿と少量のリンパ液を含む。皮下脂肪層は少量の細胞液を含み、かつ静脈と動脈等の血管が存在するため、大量の血漿と少量のリンパ液を含む。これにより分かるように、異なる組織層に搬送された被測定組織成分の情報が異なる。
【0058】
表皮層が少量の組織液を含むため、表皮層は適切な血糖情報源ではない。皮下脂肪層は大量の血漿と相対的に少量の組織液を含むが、入射光の透過深さの制限を受けるため、皮下脂肪層も適切な血糖情報源ではない。真皮層は豊富な毛細血管及び大量の組織液を含み、かつ入射光は真皮層に比較的容易に到達することができ、したがって、真皮層は血糖情報の主なソースとすることができる。それに応じて、目標組織層は真皮層であってもよい。
【0059】
本開示の実施例によれば、光路長及び透過深さに基づいて、出射光の各組織層における平均光路長を決定することができる。
【0060】
出射光の伝送経路が主に目標組織層を通過する出射光をできるだけ確保するために、各感光面が受信した出射光の目標組織層における平均光路長が総光路長を占める割合が比例閾値以上である必要があり、ここで、総光路長は出射光が測定領域内に伝送された総距離であってもよく、すなわち、入射光が測定領域に入るから、測定領域内で伝送して出射位置に到達するまでの経路の総距離である。ここで、比例閾値は、感光面の中心と入射光の中心との間の光源-プローブ距離及び組織光学パラメータに関連する。
【0061】
説明すべきものとして、本開示の実施例が感光面で受信した出射光の目標組織層における平均光路長が総光路長を占める割合を限定し、したがって、本開示の実施例の感光面の面積が大きすぎることができず、それは面積範囲内の大面積である。
【0062】
本開示の実施例によれば、測定領域内の組織構造特徴に基づいて同類感光面の総面積を決定し、ここで、同類感光面は一つ又は複数の感光面を含み、同類感光面は一つの出力光強度を出力するために用いられる。
【0063】
本開示の実施例によれば、同類感光面の総面積は測定領域内の組織構造特徴に基づいて決定することができる。ここで、組織構造特徴は測定領域が有する構造的特徴であると理解することができる。
【0064】
例示的に、例えば測定領域は三本の血管が交差する領域であり、同類感光面を三本の血管が交差する領域に設置すれば、同類感光面の総面積は三本の血管が交差する領域の面積によって限定され、すなわち、同類感光面の総面積は三本の血管が交差する領域の面積に基づいて決定する必要がある。
【0065】
また、例えば、測定領域は指が位置する領域であり、同類感光面を指が位置する領域に設置すれば、同類感光面の総面積は指が位置する領域の面積によって制限され、すなわち、同類感光面の総面積は指が位置する領域の面積に基づいて決定する必要がある。
【0066】
説明すべきものとして、本開示の実施例における感光面の面積が組織構造特徴に基づいて決定することができ、一般的には組織構造特徴に基づいて決定された面積が大きすぎることができないため、本開示の実施例の感光面の面積は大きすぎることができず、それは面積範囲内の大面積である。
【0067】
本開示の実施例によれば、各感光面の面積と感光面の周長との比率は比率閾値以上である。
【0068】
本開示の実施例によれば、入射光で伝送することの不確定性、光源のランダム性、生理的背景変動及び脈拍の拍動によるブレの出射光の測定領域での分布への影響を低減するために、感光面の面積と感光面の周長との比率ができるだけ大きくする理由は以下のとおりである。
【0069】
説明を容易にするために、以下に感光面を二つの部分、すなわち、エッジ部分と非エッジ部分(又は内部部分)に分ける。一般的にブレが主にエッジ部分が採集した出射光を影響し、非エッジ部分に対する影響が小さく、すなわち、非エッジ部分は出射光を安定して採集することができる。角度を変更して理解されるように、ブレが存在する場合、測定領域の出射光の強度分布が微細に変化するため、エッジ部分により受信された出射光の光強度値は出射光の強度分布の変化に伴って大きく変化し、非エッジ部分に位置する出射光の大部分は感光面により安定的に採集され、したがって、非エッジ部分により受信された出射光の光強度値は相対的に安定することを保持することができる。これにより、ブレによる測定結果に対する悪影響を効果的に抑制するために、非エッジ部分に対応する面積と感光面の面積との比率ができるだけ大きく、比率が大きいほど悪影響を弱める効果が高い。ここで、エッジ部分は感光面の周長によって示し、非エッジ部分は感光面の面積によって示すことができる。これにより、感光面の面積と感光面の周長との比率をできるだけ大きくすることができる。
【0070】
例示的には、例えば感光面1が円形感光面であり、感光面2が正方形感光面であり、周長が同じである場合に、感光面1の面積が感光面2の面積よりも大きいため、感光面1の面積と周長の比率が感光面2の面積と周長の比率より大きく、これにより、感光面1が悪影響を弱める効果は、感光面2が悪影響を弱める効果よりも高い。
【0071】
なお、感光面の面積と感光面の周長との比率が比率閾値以上であることが感光面の面積が面積閾値以上であるという条件を満たすことについて説明する。多くの形状の感光面に対して、一般的に感光面の面積と感光面の周長との比率が比率閾値以上であれば、実際に感光面の面積の大きさを限定している。一般的にはほとんどの形状の図形に対して、図形の面積と周長の比率が面積の大きさと正の相関関係を有し、すなわち、図形の面積と周長の比率が大きいほど、図形の面積も大きくなる。
【0072】
例示的に、例えば円形の場合、円形の面積はπRであり、円形の面積と周長の比率はR/2であり、ここで、Rは半径を示す。円形の面積と周長の比率の大きさは半径のみに関連し、円形の面積の大きさは半径のみに関連し、したがって、円形の面積と周長の比率が面積の大きさと正の相関関係を有し、円形の面積と周長の比率を限定すると、円形の面積の大きさも限定される。また、例えば、正方形の場合、正方形の面積はaであり、正方形の面積と周長の比率がa/4であり、aは辺長を表す。正方形の面積と周長の比率の大きさは辺長のみに関連し、正方形の面積の大きさは辺長のみに関連し、したがって、正方形の面積と周長の比率が面積の大きさと正の相関関係を有し、正方形の面積と周長の比率を限定すると、正方形の面積の大きさも限定される。
【0073】
本開示の実施例によれば、比率閾値は0.04mm以上である。
【0074】
本開示の実施例によれば、本開示の感光面の面積は対向する大面積であり、すなわち、感光面の面積は面積範囲内の大面積である。以下、この場合について説明する。
【0075】
その一、感光面の面積が小さすぎることができない。本開示の実施例の大面積の感光面は、感光面の面積により、感光面が所定のブレ防止範囲内の出射位置から出射された出射光の光強度値を採集することができ、したがって、本開示の実施例の大面積の感光面における大面積は、ブレ防止範囲内を実現するための大面積であり、同時に、感光面の面積と感光面の周長との比率で感光面の面積を示すことにより感光面が所定のブレ防止範囲内の出射位置から出射された出射光の光強度値を採集することができ、一般的には、感光面の面積と周長の比率が感光面の面積と正の相関関係を有し、したがって、感光面の面積と感光面の周長との比率が比率閾値以上であると、実際に感光面の面積の大きさを限定し、即ち感光面の面積と周長の比率が比率閾値以上であることにより感光面の面積が小さすぎることができないことを限定する。
【0076】
その二、感光面の面積が大きすぎることができない。本開示の実施例は感光面が受信した出射光の目標組織層における平均光路長が総光路長を占める割合が比例閾値以上であること、及び/又は感光面の面積が組織構造特徴に基づいて決定され、上記説明されたにより感光面の面積が大きすぎることができないことを要求する。
【0077】
これにより説明することができ、本開示の実施例の感光面の面積は相対的に大面積であり、即ち面積範囲内の大面積である。
【0078】
また、感光面の面積が大きいが、感光面の周長も大きいことにより感光面の面積と感光面の周長との比率が大きくない場合があり、即ち感光面の面積と感光面の周長との比率が比率閾値よりも小さく、したがって、絶対的な大面積の感光面がブレ防止の要求を満たすことが困難である。感光面の面積が小さすぎ、感光面の周長が大きいため、感光面の面積と感光面の周長との比率が比率閾値より小さい場合があり、したがって、感光面の面積が小さすぎると、ブレ防止の要求を満たすことが困難である。
【0079】
本開示の実施例によれば、感光面は測定領域の表面と接触又は非接触である。
【0080】
本開示の実施例によれば、組織成分測定の形式は、接触式測定及び非接触式測定を含むことができる。ここで、接触式測定は干渉光が感光面により受信されることを回避することができ、さらに測定結果の確実性を向上させることができる。非接触式測定は温度及び圧力などの干渉要因による測定結果への影響を回避することができ、さらに測定結果の確実性を向上させることができる。
【0081】
感光面が測定領域の表面と接触するように設置すれば、組織成分測定の形式が接触式測定であると考えることができる。感光面が測定領域の表面と非接触するように設置すれば、組織成分測定の形式が非接触式測定であると考えることができる。
【0082】
本開示の実施例によれば、感光面の測定領域の表面からの距離が第一距離閾値以下でありかつ感光面が出射光を受信する効率が効率閾値以上である。
【0083】
本開示の実施例によれば、感光面が感光性材料で製造されるため、感光面の面積が連続的であり、したがって、広範囲の光強度値の受信を実現し、出射光を受信する効率を向上させることができる。これに基づいて、測定領域の表面に近接する場合であっても、すなわち、感光面の測定領域の表面からの距離が第一距離閾値以下である場合に、出射光を受信する効率が効率閾値以上であることを実現することができる。
【0084】
本開示の実施例によれば、単一の所定の波長の入射光で測定領域を照射する前に、該方法はさらに以下の操作を含むことができる。
【0085】
位置決め特徴を決定する。位置決め特徴に基づいて、測定領域を決定し、ここで、測定領域は制御可能な測定条件の再現性を満たす領域である。測定プローブを測定領域に対応する位置に設置し、ここで、測定プローブはM個の感光面を含む。
【0086】
本開示の実施例によれば、生体組織成分の測定過程において、測定条件の変動が微弱な被測定組織成分信号を水没する可能性があり、それにより実際の被測定組織成分信号を取得しにくく、測定結果に大きな影響を与える。
【0087】
発明者は、制御可能な測定条件の変動が測定結果に影響するメカニズムがそれぞれ異なるため、数学的アルゴリズムを採用する方式によりその測定結果への影響を抑制することが困難であることを発見した。しかし、制御可能な測定条件が効果的な制御により再現性を実現することができ、それは測定結果への影響を無視できる程度に低下させ、即ち、制御可能な測定条件の変動による測定結果への影響とランダムノイズによる測定結果への影響とのレベルが相当することを発見した。これにより、制御可能な測定条件に対して、発明者は、最適な処理方法が、効果的な制御方法を採用して制御可能な測定条件を制御してその再現性を実現することであることを提出する。ここで、効果的な制御方法は数学的アルゴリズムではなく、ハードウェア設計に合わせて実現することができる。制御可能な測定条件の再現性とは、毎回に組織成分を測定する時に、制御可能な測定条件を所定の変化範囲内に保持することにより、制御可能な測定条件を不変又は基本的に不変に保持することである。
【0088】
本開示の実施例によれば、効果的な制御方法を採用して制御可能な測定条件を制御すれば制御可能な測定条件の変動による測定結果への影響を無視できる程度に低減することができ、これにより複雑な数学的アルゴリズムを採用して処理することを回避することができ、それにより測定結果の確実性を向上させ、またデータ処理の難しさを低減しかつデータ処理量を減少させる。
【0089】
以下に効果的な制御方法を採用して制御可能な測定条件の再現性を実現し、制御可能な測定条件の変動による測定結果への影響を無視できる程度に低減することを説明する。本開示の実施例において、主に測定姿勢再現性及び測定領域再現性について説明する。ここで、測定姿勢は、測定部位の肢体を支持する姿勢である。かつ関連技術において、測定姿勢に対する関連内容が発見されない。
【0090】
その一、測定領域再現性である。測定領域の位置決めずれは、組織分布の不均一性及び皮膚表面の平坦状態の違いによるものであり、測定プローブと測定領域との間の相対位置にずれが発生すると光の組織内での伝送経路を変更する。以上により、制御可能な測定条件の再現性を実現するために、測定領域の再現性をできるだけ保証する必要がある。
【0091】
その二、測定姿勢再現性である。組織成分測定において、被測定対象は同じ測定姿勢を保持しにくいが、測定姿勢変化により測定領域の皮膚状態が変化し、さらに光の組織内での伝送経路が変化し、したがって、測定姿勢が変化すれば、位置決め誤差を生成して測定結果の確実性に影響を与え、ここで、皮膚状態は皮膚表面形状及び皮膚内部構造を含むことができ、これにより、測定姿勢再現性を実現することは非常に必要である。測定姿勢位置決めの目的は、組織成分測定を行う時の測定姿勢を目標測定姿勢にすることであり、すなわち、組織成分測定を行う時に、現在測定姿勢が目標測定姿勢でなければ、現在測定姿勢を目標測定姿勢に調整する必要があり、目標測定姿勢は制御可能な測定条件の再現性を満たす測定姿勢ある。
【0092】
しかし、実際には、測定姿勢再現性を実現する重要性は常に無視され、以下の二つの方面に現わされる。
【0093】
その一、測定姿勢再現性が測定結果の確実性に影響を与える重要な原因であることを発見しない。関連技術において、一般的に制御可能な測定条件において、制御可能な測定条件の再現性に影響を与える最も主な原因は、測定領域の再現性であり、すなわち、測定領域の再現性を実現すれば、制御可能な測定条件から測定結果の確実性を向上させることを実現することができ、他の原因を考慮する必要がない。換言すれば、関連技術において、改善方向は、どのように測定領域の位置決め精度を向上させるかということであり、制御可能な測定条件において、測定姿勢の再現性も測定結果の確実性に影響を与える重要な原因であることを発見しない。
【0094】
また、上記分析から分かるように、測定領域の再現性を実現したとしても、測定部位の肢体を支持する姿勢が変化すると、測定領域での皮膚内部構造が変化し、光の組織内での伝送経路が変化し、したがって、測定結果の確実性に影響を与える。換言すれば、測定領域の再現性を確保するだけで測定姿勢再現性を無視すれば、測定結果の確実性の向上にも不利である。
【0095】
その二、有効な方式によって測定姿勢再現性を実現しない。測定結果の確実性に影響を与える要因に鋭意研究を行っておらず、測定姿勢再現性を実現する重要性を認識していないため、組織成分の測定において、被測定対象自体が身体の安定を保持する方式を採用することにより測定姿勢の制御を実現することができ、すなわち、被測定対象自体がその身体状態に変化がないと考えられる場合、測定姿勢がよく制御される。しかし、多くの場合、測定姿勢の変化が被測定対象に感知されず、これにより、このような測定姿勢の再現性を実現する方式の誤差が大きく、測定結果の確実性に大きな干渉を与える。すなわち、方式を採用して測定姿勢を制御しても、測定姿勢の再現性を実現する重要性を認識しないため、該方式は実質的に測定姿勢の再現性を保証することができない。
【0096】
以上により、測定領域の再現性を実現するために、測定姿勢の再現性をできるだけ保証する必要があり、すなわち、測定姿勢の正確な位置決めを実現する。上記に基づいて、測定領域の再現性は測定姿勢の再現性を前提とする必要があり、これにより、測定領域の位置決めは、測定姿勢の位置決めを前提とする必要がある。
【0097】
位置決め過程において、位置決め特徴に基づいて位置決めすることができる。ここで、位置決め特徴は、姿勢位置決め特徴及び領域位置決め特徴を含むことができ、姿勢位置決め特徴は、測定姿勢の位置決めを行うために用いられ、領域位置決め特徴は、測定領域の位置決めを行うために用いられる。姿勢位置決め特徴は、被測定対象又は非被測定対象に設置されてもよく、領域位置決め特徴は、被測定対象又は非被測定対象に設置されてもよく、非被測定対象は、測定プローブ又は他の装置を含むことができる。位置決め特徴は、人為的に設定された位置決め特徴又は被測定対象の固有特徴を含むことができ、ここで、固有特徴は、掌紋、指紋、母斑、あざ、またはほくろなどを含むことができる。
【0098】
本開示の実施例によれば、位置決め特徴を人為的に設定する方式を採用すれば、人為的に設定された位置決め特徴は一般的に時間の経過に伴って徐々に退色し、したがって、再び設置する必要があり、これにより新たな誤差を導入して位置決め精度に影響を与える可能性がある。固有特徴は高い安定性を有し、設置誤差が発生しにくい。
【0099】
位置決めの複雑度を低減し、位置決め精度を向上させるために、被測定対象の固有特徴を位置決め特徴とする設定方式を採用することができる。しかし、被測定対象の固有特徴を姿勢位置決め特徴とする設置方式を採用しても、皮膚内部構造が測定姿勢変動の影響を受けるため、これも測定領域の位置決めずれを生成し、したがって、位置決め特徴を被測定対象のどの位置に設置するかは任意ではなく、測定部位と、測定部位と周辺部位との間の骨格と筋肉の関係に基づいて決定する必要がある。例示的には、例えば測定部位が前腕伸側であれば、その周辺部位は手首を含む。前腕伸側に対して、手首状態の変化が前腕伸側の皮膚状態に大きく影響するため、位置決め精度を向上させるために、前腕伸側及び手の甲にそれぞれ位置決め特徴を設置することができる。説明すべきものとして、位置決め特徴とすることができる固有特徴が存在しなければ、位置決め特徴を人為的に設定することができる。例示的には、例えば位置決め特徴は、点状マーク又は図形マークであってもよく、図形マークは十字マークを含むことができる。
【0100】
本開示の実施例によれば、位置決め特徴は、第一姿勢位置決め特徴及び領域位置決め特徴を含む。位置決め特徴に基づいて、測定領域を決定し、以下の操作を含むことができる。
【0101】
第一姿勢位置決め特徴に基づいて、被測定対象の現在測定姿勢を目標測定姿勢に調整し、ここで、目標測定姿勢は制御可能な測定条件の再現性を満たす測定姿勢である。現在測定姿勢が目標測定姿勢である場合、領域位置決め特徴に基づいて、測定領域を決定する。
【0102】
本開示の実施例によれば、測定姿勢と測定領域の位置決めを行う時、測定領域の位置決めを実現する前提は、測定姿勢の位置決めを実現することであり、測定領域の位置決めを完了した後の後続の測定過程において、一般的に測定領域を再位置決めする必要がなく、測定姿勢の位置決めを行う必要がある可能性がある。ここで、測定姿勢位置決めを完了する条件は、現在測定姿勢が目標測定姿勢であり、目標測定姿勢が制御可能な測定条件の再現性を満たす測定姿勢である。
【0103】
本開示の実施例によれば、上記した測定姿勢位置決めを行う必要がある可能性がある原因は、本開示の実施例において、被測定対象により良好な使用体験をもたらすために、非測定時に測定部位が一定の範囲内で活動することを許可し、測定時に測定姿勢位置決めを行うポリシーを採用することができ、測定時に、現在測定姿勢が目標測定姿勢であることを保証する必要があり、これにより、現在測定姿勢が目標測定姿勢でなければ、測定姿勢の調整を行うことにより現在測定姿勢が目標測定姿勢であることを保証する必要がある。
【0104】
上記に基づいて、位置決めを初回測定姿勢位置決め、測定領域位置決め及び再測定姿勢位置決めに分けることができる。ここで、初回測定姿勢位置決めは、測定領域を実現する測定姿勢位置決めとして理解することができる。また、再測定姿勢位置決めは、測定プローブを測定領域に対応する位置に設置した後に、測定姿勢が目標測定姿勢ではない場合に行われる測定姿勢位置決めとして理解することができる。
【0105】
本開示の実施例によれば、領域位置決め特徴は、測定領域の位置決めを行うために用いられる。初回測定姿勢位置決めに用いられる姿勢位置決め特徴を第一姿勢位置決め特徴と呼ぶ。再測定姿勢位置決めに用いられる姿勢位置決め特徴を第二姿勢位置決め特徴と呼ぶ。第一姿勢位置決め特徴及び第二姿勢位置決め特徴はいずれも測定姿勢の位置決めを行うために用いられる。領域位置決め特徴、第一姿勢位置決め特徴及び第二姿勢位置決め特徴は、全てが同じであるか、一部が同じであるか又は全てが異なってもよい。領域位置決め特徴、第一姿勢位置決め特徴及び第二姿勢位置決め特徴の数は一つ又は複数を含むことができる。
【0106】
初回測定姿勢位置決めと測定領域位置決めを行う場合、第一姿勢位置決め特徴に基づいて、被測定対象の現在測定姿勢を調整することにより第一姿勢位置決め特徴が所定の特徴とマッチングし、第一姿勢位置決め特徴が所定の特徴とマッチングする場合、現在測定姿勢が目標測定姿勢であると決定することができる。現在測定姿勢が目標測定姿勢である場合、領域位置決め特徴に基づいて、測定領域を決定する。これにより、測定姿勢と測定領域の位置決めを完了する。
【0107】
説明すべきこととして、領域位置決め特徴に基づいて測定領域を決定することに対して、領域位置決め特徴に対応する領域を測定領域として決定することを理解することができ、それは領域位置決め特徴が位置する領域を測定領域として決定することを含む。または、領域位置決め特徴と相関関係を有する他の領域を測定領域として決定する。
【0108】
第一姿勢位置決め特徴及び領域位置決め特徴に基づいて、測定領域の位置決めと測定姿勢の位置決めを同期に完了することを実現する。
【0109】
本開示の実施例によれば、測定プローブを測定領域に対応する位置に設置することは、以下の操作を含むことができる。
【0110】
固定部を介して測定プローブを測定領域に対応する位置に設置し、ここで、固定部は測定プローブと一体であってもよく、部分的に個別であってもよく、又は全部が個別であってもよい。
【0111】
本開示の実施例によれば、固定部は、測定プローブを固定するために用いられ、固定部は測定プローブと一体であってもよく、部分的に個別であってもよく、又は全部が個別であってもよい。すなわち、固定部は、測定プローブの構成部分としてもよく、測定プローブと互いに独立した二つの部分であってもよく、一部が測定プローブの構成部分であり、一部が測定プローブと互いに独立した部分であってもよい。固定部は、固定座及び第一係合部材を含み、又は、固定部は、第二係合部材を含むことができる。第一係合部材は、固定座を測定領域に対応する位置に設置するために用いられ、固定座は、測定プローブを設置するために用いられる。第二係合部材は、測定プローブを測定領域に対応する位置に設置するために用いられる。
【0112】
固定部が固定座及び第一係合部材を含む場合、固定座が測定プローブと個別であり、第一係合部材が固定座と一体であるか又は個別である。固定部が第二係合部材を含む場合、第二係合部材が測定プローブと一体であるか又は個別である。
【0113】
本開示の実施例によれば、固定部は固定座及び第一係合部材を含む。
【0114】
固定部により測定プローブを測定領域に対応する位置に設置することは、以下の操作を含むことができる。
【0115】
第一係合部材により、固定座を測定領域に対応する位置に設置する。測定プローブを固定座に設置する。
【0116】
本開示の実施例によれば、測定プローブは、測定領域に対応する位置に直接設置されず、固定座により測定領域に対応する位置に設置される。
【0117】
組織成分測定過程において、測定プローブが固定座により測定領域に対応する位置に設置されると、固定座が測定領域から離脱せず測定領域に長時間設置することができるため、測定プローブが測定時に固定座に設置され、非測定時に固定座から離脱することを実現することができる。かつ、固定座が測定領域に対応する位置に設置されるため、測定プローブが固定座から離脱してから固定座に設置する時に、依然として高い位置決め精度を維持することができ、かつ測定プローブの位置決め難度を低下させる。
【0118】
本開示の実施例によれば、測定領域での皮膚の皮膚状態は、第一係合部材により固定座を測定領域に対応する位置に設置する過程において第一所定の条件を満たす。
【0119】
本開示の実施例によれば、測定領域での皮膚の皮膚状態は、測定プローブが固定座に設置される過程において第二所定の条件を満たす。
【0120】
本開示の実施例によれば、固定座を固定する動作が、対応する位置での皮膚の皮膚状態に影響を与え、さらに測定領域の位置決め精度に影響を与えるため、測定領域の位置決め精度を保証するために、第一係合部材が固定座を固定する過程において、測定領域での皮膚の皮膚状態が第一所定の条件を満たすことを保証することができる。ここで、第一所定の条件は、第一係合部材が固定座を固定する過程において、対応する位置の皮膚の皮膚状態による変化が第一所定の範囲内にあることである。皮膚状態による変化には、皮膚の変形が含まれていてもよい。それに応じて、第一所定の範囲は第一所定の変形範囲を含むことができる。
【0121】
本開示の実施例によれば、測定プローブを固定する動作が、対応する位置での皮膚の皮膚状態に影響を与え、さらに測定領域の位置決め精度に影響を与えるため、測定領域の位置決め精度を保証するために、固定座が測定プローブを固定する過程において、測定領域での皮膚の皮膚状態が第二所定の条件を満たすことを保証することができる。ここで、第二所定の条件は、固定座が測定プローブを固定する過程において、対応する位置の皮膚の皮膚状態による変化が第二所定の範囲内にあることである。皮膚状態による変化には、皮膚変形が含まれていてもよい。それに応じて、第二所定の範囲は第二所定の変形範囲を含むことができる。
【0122】
本開示の実施例によれば、測定プローブは固定座に移動しない。
【0123】
本開示の実施例によれば、測定プローブが固定座に固定される時、固定が堅固ではないため制御可能な測定条件の再現性に影響を与えるという問題が発生する。該問題を解決するために、組織成分の測定過程において、測定プローブが固定座に移動しないことをできるだけ保証することができる。
【0124】
本開示の実施例によれば、固定部は第二係合部材を含む。
【0125】
固定部により測定プローブを測定領域に対応する位置に設置することは、以下の操作を含むことができる。
【0126】
第二係合部材により、測定プローブを測定領域に対応する位置に設置する。
【0127】
本開示の実施例によれば、測定プローブを測定領域に対応する位置に設置する方式に対して、上記のような固定座により測定プローブを測定領域に対応する位置に設置する方式を採用する以外に、測定プローブを測定領域に対応する位置に直接設置する方式を採用することもでき、すなわち、固定座を必要とせず、第二係合部材を配合して実現する必要がある。
【0128】
説明すべきものとして、上記した固定座を必要としないことは、以下の二種類の理解を含むことができ、その一は、測定プローブに、それと一体であり独立した固定座と同じ作用を果たす構造が設けられることであり、その二は、測定プローブに独立した固定座と同じ作用を果たす構造が設置されないことである。
【0129】
本開示の実施例によれば、測定領域での皮膚の皮膚状態は、第二係合部材により測定プローブを測定領域に対応する位置に設置する過程において第三所定の条件を満たす。
【0130】
本開示の実施例によれば、測定プローブを固定する動作が対応する位置での皮膚の皮膚状態に影響を与え、さらに測定領域の位置決め精度に影響を与えるため、測定領域の位置決め精度を保証するために、第二係合部材が測定プローブを固定する過程において、測定領域での皮膚の皮膚状態が第三所定の条件を満たすことを保証することができる。ここで、第三所定の条件は、第二係合部材が測定プローブを固定する過程において、対応する位置の皮膚の皮膚状態による変化が第三所定の範囲内にあることである。皮膚状態による変化には、皮膚変形が含まれていてもよい。それに応じて、第三所定の範囲は第三所定の変形範囲を含むことができる。
【0131】
本開示の実施例によれば、領域位置決め特徴に基づいて、測定領域を決定することは、以下の操作を含むことができる。
【0132】
第一投影特徴を取得する。領域位置決め特徴が第一投影特徴とマッチングしないと決定した場合、領域位置決め特徴が第一投影特徴とマッチングするまで、測定プローブ及び/又は固定部の位置を調整する。領域位置決め特徴が第一投影特徴とマッチングすると決定した場合、測定プローブ及び/又は固定部に対応する領域を測定領域として決定する。
【0133】
本開示の実施例によれば、使用の柔軟性及び測定領域の位置決め精度を保証するために、光学方法を採用して実現することができ、すなわち、領域位置決め特徴を第一投影特徴とマッチングし、マッチング結果に基づいて、測定領域を決定し、ここで、第一投影特徴は光学方法に基づいて形成され、すなわち、光源により所定の形状のスポットを投射し、スポットの形状は領域位置決め特徴に基づいて決定することができる。例示的には、所定の形状のスポットは十字スポットである。
【0134】
本開示の実施例によれば、第一投影特徴を投射するための構造を採用して第一投影特徴を取得した後、領域位置決め特徴が第一投影特徴とマッチングするか否かを決定し、領域位置決め特徴が第一投影特徴とマッチングしないと決定した場合、領域位置決め特徴が第一投影特徴とマッチングするまで、測定プローブ及び/又は固定座の位置を調整することができ、それにより領域位置決め特徴が第一投影特徴とマッチングする。領域位置決め特徴が第一投影特徴とマッチングすると決定する場合、測定プローブ及び/又は固定座が現在位置する領域が測定領域であると説明することができる。
【0135】
本開示の実施例によれば、第一投影特徴を投射するための構造は被測定対象、測定プローブ、固定座又は他の対象に設置されることができる。他の対象は、測定プローブ、固定部及び被測定対象以外の対象を表すことができる。領域位置決め特徴は、測定プローブ、固定座、被測定対象及び他の対象のうちの少なくとも一種に設置されてもよい。以下に第一投影特徴を投射するための構造の設置位置、領域位置決め特徴の設置位置という二つの角度から、光学方法に基づいて実現された調整過程を説明する。
【0136】
第一投影特徴を投射するための構造の設置位置という角度から説明する。
【0137】
その一、第一投影特徴を投射するための構造が被測定対象に設置される場合、領域位置決め特徴は被測定対象、測定プローブ、固定座及び他の対象のうちの少なくとも一種に設置されてもよい。説明すべきものとして、領域位置決め特徴が被測定対象又は他の対象に設定されると、以下の方式により測定領域の位置決めを実現することができ、すなわち、領域位置決め特徴が第一投影特徴とマッチングするまで、領域位置決め特徴と第一投影特徴に基づいて、測定プローブ及び/又は固定座の位置を調整し、ここで、領域位置決め特徴が第一投影特徴とマッチングすることは、領域位置決め特徴が測定プローブ及び/又は固定座により遮蔽され、第一投影特徴が領域位置決め特徴が位置する位置に投射できないことを指す。領域位置決め特徴が第一姿勢位置決め特徴とマッチングしなければ、少なくとも一つの第一投影特徴が領域位置決め特徴が位置する位置に投射することができる。
【0138】
その二、第一投影特徴を投射するための構造が測定プローブに設置されると、領域位置決め特徴を測定プローブに設置することができず、被測定対象、固定座又は他の対象に設置することができる。説明すべきものとして、領域位置決め特徴が固定座に設置され、固定座が設置された固定部により測定プローブを測定領域に対応する位置に設置する方式で実現された測定プローブの位置決めを採用すれば、測定領域の位置決めを実現するために、以下の方式で実現することができ、すなわち、固定座の位置を調整する。領域位置決め特徴が第一投影特徴とマッチングすることを実現しない前に、測定プローブの位置が固定され、領域位置決め特徴が第一投影特徴とマッチングするまで、領域位置決め特徴と第一投影特徴に基づいて、固定座の位置を調整し、両者がマッチングする場合に、固定座に対応する領域を測定領域として決定し、これにより、測定プローブを固定座に設置することができる。
【0139】
その三、第一投影特徴を投射するための構造が固定座に設置されると、領域位置決め特徴を固定座に設置することができず、被測定対象、測定プローブ又は他の対象に設置することができる。説明すべきものとして、領域位置決め特徴が測定プローブに設置され、固定座が設置された固定部により測定プローブを測定領域に対応する位置に設置する方式で実現された測定プローブの位置決めを採用すれば、測定領域の位置決めを実現するために、以下の方式で実現することができ、すなわち、固定座の位置を調整する。領域位置決め特徴が第一投影特徴とマッチングすることを実現しない前に、測定プローブの位置が固定され、領域位置決め特徴が第一投影特徴とマッチングするまで、領域位置決め特徴と第一投影特徴に基づいて、固定座の位置を調整し、両者がマッチングする場合に、固定座に対応する領域を測定領域として決定し、これにより、測定プローブを固定座に設置することができる。
【0140】
その四、第一投影特徴を投射するための構造が他の対象に設置される場合、領域位置決め特徴は被測定対象、測定プローブ、固定座及び他の対象のうちの少なくとも一種に設置されてもよい。説明すべきものとして、領域位置決め特徴が被測定対象又は他の対象に設定される場合、第一投影特徴を投射するための構造を被測定対象に設置し、領域位置決め特徴を被測定対象又は他の対象に設置することと類似する方式によって測定領域の位置決めを実現することができ、ここで説明を省略する。
【0141】
領域位置決め特徴の設置位置の角度から説明する。
【0142】
その一、領域位置決め特徴が被測定対象に設定されると、第一投影特徴を投射するための構造は被測定対象、測定プローブ、固定座又は他の対象に設置されることができる。説明すべきものとして、第一投影特徴を投射するための構造が被測定対象又は他の対象に設置されると、以下の方式により測定領域の位置決めを実現することができ、すなわち、領域位置決め特徴と第一投影特徴に基づいて、領域位置決め特徴が第一投影特徴とマッチングするまで、測定プローブ及び/又は固定座の位置を調整し、ここでの領域位置決め特徴が第一投影特徴とマッチングすることは、領域位置決め特徴が測定プローブ及び/又は固定座により遮蔽され、第一投影特徴が領域位置決め特徴が位置する位置に投射できないことを指す。領域位置決め特徴が第一姿勢位置決め特徴とマッチングしなければ、少なくとも一つの第一投影特徴が領域位置決め特徴が位置する位置に投射することができる。
【0143】
その二、領域位置決め特徴が測定プローブに設置されると、第一投影特徴を投射するための構造と測定プローブは個別であり、被測定対象、固定座又は他の対象に設置することができる。説明すべきものとして、第一投影特徴を投射するための構造が固定座に設置されると、以上の対応部分の説明を参照することができ、ここで説明を省略する。
【0144】
その三、領域位置決め特徴が固定座に設置されると、第一投影特徴を投射するための構造と固定座は個別であり、被測定対象、測定プローブ又は他の対象に設置することができる。説明すべきものとして、第一投影特徴を投射するための構造が測定プローブに設置されると、以上の対応部分の説明を参照することができ、ここでは説明を省略する。
【0145】
その四、領域位置決め特徴が他の対象に設定されると、第一投影特徴を投射するための構造は被測定対象、測定プローブ、固定座又は他の対象に設置することができる。説明すべきものとして、第一投影特徴を投射するための構造が被測定対象又は他の対象に設置されると、以上の対応部分の説明を参照することができ、ここでは説明を省略する。
【0146】
例示的に、図5は、本開示の実施例に係る光学方法に基づいて測定領域の位置決めを実現する概略図を概略的に示す。図5における領域位置決め特徴は測定プローブに設置される。図6は、本開示の実施例に係る光学方法に基づいて測定領域の位置決めを実現する別の概略図を概略的に示す。図6における領域位置決め特徴は被測定対象に設定される。
【0147】
光学方法により測定領域の位置決めを実現すれば、一方では光源の位置及び角度を柔軟に調整することができるため、それが容易に領域位置決め特徴とマッチングすることができ、したがって、領域位置決め特徴を柔軟に設定することができ、それにより領域位置決め特徴の設定の難しさを低減する。他方では出射スポットの形状を調整することができ、領域位置決め特徴とのマッチングをよりよく実現し、位置決め精度を向上させることができる。
【0148】
本開示の実施例によれば、領域位置決め特徴に基づいて、測定領域を決定することは、以下の操作を含むことができる。
【0149】
第一目標画像を取得する。第一テンプレート画像を取得し、ここで、第一テンプレート画像は領域位置決め特徴を含む。第一目標画像が第一テンプレート画像とマッチングしないと決定した場合、新たな第一目標画像が第一テンプレート画像とマッチングするまで、測定プローブ及び/又は固定部の位置を調整することにより、新たな第一目標画像を取得する。第一目標画像が第一テンプレート画像とマッチングすると決定した場合、測定プローブ及び/又は固定部に対応する領域を測定領域として決定する。
【0150】
本開示の実施例によれば、使用の柔軟性と測定領域位置決めの精度を保証するために、画像マッチング方法を用いて実現することができ、すなわち、第一目標画像と第一テンプレート画像をマッチングし、マッチング結果に基づいて、測定領域を決定する。ここで、第一テンプレート画像は領域位置決め特徴を含むことができ、かつ領域位置決め特徴の第一テンプレート画像における位置は、所定の位置である。第一目標画像と第一テンプレート画像をマッチングする過程において、第一目標画像が領域位置決め特徴を含まない目標画像である可能性があり、領域位置決め特徴を含むが領域位置決め特徴の第一目標画像における位置が所定の位置ではない目標画像である可能性もあり、さらに領域位置決め特徴を含みかつ領域位置決め特徴の第一目標画像における位置が所定の位置である目標画像である可能性もある。第一テンプレート画像は所定の位置に位置する領域位置決め特徴を含むため、第一目標画像が第一テンプレート画像とマッチングすれば、第一目標画像が領域位置決め特徴を含みかつ領域位置決め特徴の第一目標画像における位置が所定の位置であると説明することができる。換言すれば、第一目標画像と第一テンプレート画像をマッチングする目的は、取得された第一目標画像が領域位置決め特徴を含みかつ領域位置決め特徴の第一目標画像における位置が所定の位置であることである。
【0151】
本開示の実施例によれば、第一目標画像が第一テンプレート画像とマッチングすると決定する場合、測定プローブ及び/又は固定座が現在位置する領域が測定領域であると説明することができる。ここで、第一目標画像が第一テンプレート画像とマッチングするか否かを決定することは第一目標画像と第一テンプレート画像との類似度を決定することを含むことができる。類似度が類似度閾値以上である場合、第一目標画像が第一テンプレート画像とマッチングすると決定する。類似度が類似度閾値より小さい場合、第一目標画像が第一テンプレート画像とマッチングしないと決定する。第一目標画像と第一テンプレート画像との類似度を決定することは第一目標画像と第一テンプレート画像を相関分析し、相関係数を得て、相関係数に基づいて第一目標画像と第一テンプレート画像との類似度を決定することを含むことができる。
【0152】
本開示の実施例によれば、第一目標画像を採集するための構造は被測定対象、測定プローブ、固定座又は他の対象に設置されることができる。他の対象は、測定プローブ、固定部及び被測定対象以外の対象を表すことができる。領域位置決め特徴は測定プローブ、固定座、被測定対象及び他の対象のうちの少なくとも一種に設置されてもよい。第一目標画像を採集するための構造及び領域位置決め特徴の説明に対して、第一投影特徴を投射するための構造及び領域位置決め特徴に対する説明を参照することができ、ここでは説明を省略する。異なることとして、第一目標画像を採集するための構造が測定プローブに設置されると、領域位置決め特徴は被測定対象、測定プローブ、固定座及び他の対象のうちの少なくとも一種に設置されてもよい。第一目標画像を採集するための構造が固定座に設置されると、領域位置決め特徴は被測定対象、測定プローブ、固定座及び他の対象のうちの少なくとも一種に設置されてもよい。
【0153】
例示的に、図7は、本開示の実施例に係る画像マッチング方法に基づいて測定領域の位置決めを実現する概略図を概略的に示す。図7における領域位置決め特徴は測定プローブに設置される。図8は、本開示の実施例に係る画像マッチング方法に基づいて測定領域の位置決めを実現する別の概略図を概略的に示す。図8における領域位置決め特徴は被測定対象に設定される。
【0154】
本開示の実施例によれば、領域位置決め特徴に基づいて、測定領域を決定することは、以下の操作を含むことができる。
【0155】
第二目標画像を取得し、ここで、第二目標画像は領域位置決め特徴を含む。第二目標画像における領域位置決め特徴の位置が第一所定の位置ではないと決定した場合、新たな第二目標画像における領域位置決め特徴の位置が第一所定の位置であるまで、測定プローブ及び/又は固定部の位置を調整することにより、新たな第二目標画像を取得する。新たな第二目標画像における領域位置決め特徴の位置が第一所定の位置であると決定した場合、測定プローブ及び/又は固定部に対応する領域を測定領域として決定する。
【0156】
本開示の実施例によれば、使用の柔軟性と測定領域位置決めの精度を保証するために、イメージング方法を採用して実現することができ、すなわち、領域位置決め特徴の第二目標画像における位置が第一所定の位置であれば、測定領域の位置決めを完了すると説明することができる。
【0157】
本開示の実施例によれば、イメージング方法を採用して測定領域の位置決めを実現する過程は、領域位置決め特徴の第二目標画像における位置が第一所定の位置であるか否かを決定する過程であり、領域位置決め特徴の第二目標画像における位置が第一所定の位置ではない場合、領域位置決め特徴の新たな第二目標画像における位置が第一所定の位置であるまで、測定プローブ及び/又は固定座の位置を調整することにより、新たな第二目標画像を取得する。新たな第二目標画像における領域位置決め特徴の位置が第一所定の位置である場合、測定プローブ及び/固定座が現在位置する領域が測定領域であると説明することができる。
【0158】
本開示の実施例によれば、第二目標画像を採集するための構造は、被測定対象、測定プローブ、固定座又は他の対象に設置されることができる。他の対象は、測定プローブ、固定部及び被測定対象以外の対象を表すことができる。領域位置決め特徴は、測定プローブ、固定座、被測定対象及び他の対象のうちの少なくとも一種に設置されてもよい。第二目標画像を採集するための構造及び領域位置決め特徴の説明に対して、第一投影特徴を投射するための構造及び領域位置決め特徴に対する説明を参照することができ、ここでは説明を省略する。
【0159】
例示的に、図9は、本開示の実施例に係るイメージング方法に基づいて測定領域の位置決めを実現する概略図を概略的に示す。図9における領域位置決め特徴は測定プローブに設置される。図10は、本開示の実施例に係るイメージング方法に基づいて測定領域の位置決めを実現する別の概略図を概略的に示す。図10における領域位置決め特徴は被測定対象に設定される。図10において測定プローブ及び固定座による移動により両者と領域位置決め特徴との相対位置が変化し、さらに画像に現される領域位置決め特徴の位置が第一所定の位置に位置するようにする。
【0160】
本開示の実施例によれば、第一姿勢位置決め特徴に基づいて、被測定対象の現在測定姿勢を目標測定姿勢に調整することは、以下の操作を含むことができる。
【0161】
第二投影特徴を取得する。第一姿勢位置決め特徴が第二投影特徴とマッチングしないと決定した場合、第一姿勢位置決め特徴が第二投影特徴とマッチングするまで、現在測定姿勢を調整する。第一姿勢位置決め特徴が第二投影特徴とマッチングすると決定した場合、現在測定姿勢が目標測定姿勢であると決定する。
【0162】
本開示の実施例によれば、使用の柔軟性及び測定姿勢位置決めの精度を保証するために、光学方法を採用して実現することができ、すなわち、第一姿勢位置決め特徴と第二投影特徴をマッチングし、マッチング結果に基づいて、目標測定姿勢を決定し、ここで、第二投影特徴は光学方法に基づいて形成され、すなわち、光源により所定の形状のスポットを投射して第二投影特徴を形成し、スポットの形状は第一姿勢位置決め特徴に基づいて決定することができる。すなわち、被測定対象に対して、第一姿勢位置決め特徴に基づいてそれにマッチングする第二投影特徴を設定することにより、第一姿勢位置決め特徴と第二投影特徴がマッチングする現在測定姿勢が目標測定姿勢である。
【0163】
本開示の実施例によれば、第二投影特徴を投射するための構造は被測定対象、測定プローブ、固定座又は他の対象に設置されることができる。他の対象は、測定プローブ、固定部及び被測定対象以外の対象を表すことができる。第一姿勢位置決め特徴は測定プローブ、固定座、被測定対象及び他の対象のうちの少なくとも一種に設置されてもよい。以下に第二投影特徴を投射するための構造の設置位置、第一姿勢位置決め特徴の設置位置という二つの角度から光学方法に基づいて実現された調整過程を説明する。
【0164】
第二投影特徴を投射するための構造の設置位置角度から説明する。
【0165】
その一、第二投影特徴を投射するための構造が被測定対象に設置されると、第一姿勢位置決め特徴は被測定対象、測定プローブ、固定座及び他の対象のうちの少なくとも一種に設置されてもよい。説明すべきものとして、第一姿勢位置決め特徴が測定プローブに設置されると、測定姿勢の位置決めを実現するために、初回測定姿勢の位置決め段階において、測定プローブの位置が一定である必要がある。同様に、第一姿勢位置決め特徴が固定座に設置されると、測定姿勢の位置決めを実現するために、初回測定姿勢の位置決め段階において、固定座の位置が一定である必要がある。
【0166】
その二、第二投影特徴を投射するための構造が測定プローブに設置されると、第一姿勢位置決め特徴は測定プローブに設置することができず、被測定対象、固定座又は他の対象に設置することができる。説明すべきものとして、初回測定姿勢の位置決め段階において、測定プローブの位置が一定である必要がある。また、第一姿勢位置決め特徴が固定座に設置されると、以下の方式によって初回測定姿勢の位置決めを実現することができ、すなわち、第一姿勢位置決め特徴が第二投影特徴とマッチングするまで、第一姿勢位置決め特徴と第二投影特徴に基づいて、被測定対象の現在測定姿勢を調整することができ、ここでの第一姿勢位置決め特徴が第二投影特徴とマッチングすることは、第一姿勢位置決め特徴が被測定対象により遮蔽され、第二投影特徴が第一姿勢位置決め特徴が位置する位置に投射できないことを指す。第一姿勢位置決め特徴が第二姿勢位置決め特徴とマッチングしなければ、少なくとも一つの第二投影特徴が第一姿勢位置決め特徴が位置する位置に投射することができる。第一姿勢位置決め特徴が他の対象に設置されると、第一姿勢位置決め特徴を固定座に設置することと類似する方式を採用して測定姿勢の位置決めを実現することができ、ここで説明を省略する。
【0167】
その三、第二投影特徴を投射するための構造が固定座に設置されると、第一姿勢位置決め特徴を固定座に設置することができず、被測定対象、測定プローブ又は他の対象に設置することができる。説明すべきことは、初回測定姿勢の位置決め段階において、固定座の位置が一定である必要がある。また、第一姿勢位置決め特徴が測定プローブ又は他の対象に設置されると、第二投影特徴を投射するための構造を測定プローブに設置し、第一姿勢位置決め特徴を固定座又は他の対象に設置することと類似する方式を採用して測定姿勢の位置決めを実現することができ、ここで説明を省略する。
【0168】
その四、第二投影特徴を投射するための構造が他の対象に設置されると、第一姿勢位置決め特徴は被測定対象、測定プローブ、固定座及び他の対象のうちの少なくとも一種に設置されてもよい。説明すべきものとして、第一姿勢位置決め特徴が測定プローブ、固定座又は他の対象に設置されると、第二投影特徴を投射するための構造を測定プローブに設置し、第一姿勢位置決め特徴を固定座又は他の対象に設置することと類似する方式を採用して測定姿勢の位置決めを実現することができ、ここで説明を省略する。
【0169】
第一姿勢位置決め特徴の設置位置の角度から説明する。
【0170】
その一、第一姿勢位置決め特徴が被測定対象に設置されると、第二投影特徴を投射するための構造が被測定対象、測定プローブ、固定座又は他の対象に設置されることができる。説明すべきものとして、第二投影特徴を投射するための構造が測定プローブに設置されると、初回測定姿勢の位置決め段階において、測定プローブの位置が一定である必要がある。同様に、第二投影特徴を投射するための構造が固定座に設置されると、初回測定姿勢の位置決め段階において、固定座の位置が一定である必要がある。
【0171】
その二、第一姿勢位置決め特徴が測定プローブに設置されると、第二投影特徴を投射するための構造と測定プローブは個別であり、被測定対象、固定座又は他の対象に設置することができる。説明すべきものとして、第二投影特徴を投射するための構造が被測定対象、固定座又は他の対象に設置されると、以上の対応部分の説明を参照することができ、ここで説明を省略する。
【0172】
その三、第一姿勢位置決め特徴が固定座に設置されると、第二投影特徴を投射するための構造と固定座は個別であり、被測定対象、測定プローブ又は他の対象に設置することができる。説明すべきものとして、第二投影特徴を投射するための構造が被測定対象、測定プローブ又は他の対象に設置されると、以上の対応部分の説明を参照することができ、ここでは説明を省略する。
【0173】
その四、第一姿勢位置決め特徴が他の対象に設置されると、第二投影特徴を投射するための構造は被測定対象、測定プローブ、固定座又は他の対象に設置することができる。説明すべきものとして、第二投影特徴を投射するための構造が被測定対象、測定プローブ、固定座又は他の対象に設置されると、以上の対応部分の説明を参照することができ、ここで説明を省略する。
【0174】
例示的に、図11は、本開示の実施例に係る光学方法に基づいて測定姿勢の位置決めを実現する概略図を概略的に示す。図11において第一姿勢位置決め特徴は被測定対象に設置される。
【0175】
光学方法により測定姿勢の位置決めを実現すれば、一方では光源の位置及び角度を柔軟に調整することができるため、それが第一姿勢位置決め特徴と容易にマッチングすることができ、したがって、第一姿勢位置決め特徴を柔軟に設定することができ、それにより第一姿勢位置決め特徴の設定の難しさを低減する。他方では出射スポットの形状を調整することにより、第一姿勢位置決め特徴とのマッチングをよりよく実現し、位置決め精度を保証することができる。
【0176】
本開示の実施例によれば、第一姿勢位置決め特徴に基づいて、被測定対象の現在測定姿勢を目標測定姿勢に調整することは、以下の操作を含むことができる。
【0177】
第三目標画像を取得する。第二テンプレート画像を取得し、ここで、第二テンプレート画像は第一姿勢位置決め特徴を含む。第三目標画像が第二テンプレート画像とマッチングしないと決定した場合、新たな第三目標画像が第二テンプレート画像とマッチングするまで、現在測定姿勢を調整することにより、新たな第三目標画像を取得する。新たな第三目標画像が第二テンプレート画像とマッチングすると決定した場合、現在測定姿勢が目標測定姿勢であると決定する。
【0178】
本開示の実施例によれば、使用の柔軟性と測定姿勢位置決めの精度を保証するために、画像マッチング方法を用いて実現することができ、すなわち、第三目標画像と第二テンプレート画像をマッチングし、マッチング結果に基づいて、目標測定姿勢を決定する。ここで、第二テンプレート画像が第一姿勢位置決め特徴を含みかつ第一姿勢位置決め特徴の第二テンプレート画像における位置が所定の位置であってもよい。第三目標画像と第二テンプレート画像をマッチングする過程において、第三目標画像は、第一姿勢位置決め特徴を含まない目標画像である可能性があり、第一姿勢位置決め特徴を含むが第一姿勢位置決め特徴の第三目標画像における位置が所定の位置ではない目標画像である可能性もあり、さらに第一姿勢位置決め特徴を含みかつ第一姿勢位置決め特徴の第三目標画像における位置が所定の位置である目標画像である可能性がある。第二テンプレート画像が所定の位置に位置する第一姿勢位置決め特徴を含むため、第三目標画像が第二テンプレート画像とマッチングすれば、第三目標画像が第一姿勢位置決め特徴を含みかつ第一姿勢位置決め特徴の第三目標画像における位置が所定の位置であると説明することができる。換言すれば、第三目標画像と第二テンプレート画像をマッチングする目的は、取得された第三目標画像が第一姿勢位置決め特徴を含みかつ第一姿勢位置決め特徴の第三目標画像における位置が所定の位置であることである。
【0179】
本開示の実施例によれば、第三目標画像を採集するための構造は被測定対象、測定プローブ、固定座又は他の対象に設置されることができる。他の対象は、測定プローブ、固定部及び被測定対象以外の対象を表すことができる。第一姿勢位置決め特徴は測定プローブ、固定座、被測定対象及び他の対象のうちの少なくとも一種に設置されてもよい。第三目標画像を採集するための構造及び第一姿勢位置決め特徴の説明に対して、第二投影特徴を投射するための構造及び第一姿勢位置決め特徴に対する説明を参照することができ、ここでは説明を省略する。異なることとして、第三目標画像を採集するための構造が測定プローブに設置されると、第一姿勢位置決め特徴は被測定対象、測定プローブ、固定座及び他の対象のうちの少なくとも一種に設置されてもよい。第三目標画像を採集するための構造が固定座に設置されると、第一姿勢位置決め特徴は被測定対象、測定プローブ、固定座及び他の対象のうちの少なくとも一種に設置されてもよい。
【0180】
例示的に、図12は、本開示の実施例に係る画像マッチング方法により測定姿勢の位置決めを実現する概略図を概略的に示す。図12において第一姿勢位置決め特徴は被測定対象に設置される。
【0181】
本開示の実施例によれば、第三目標画像が第二テンプレート画像とマッチングすると決定する場合に、現在の測定姿勢が目標測定姿勢であると説明することができる。
【0182】
本開示の実施例によれば、第一姿勢位置決め特徴に基づいて、被測定対象の現在測定姿勢を目標測定姿勢に調整することは、以下の操作を含むことができる。
【0183】
第四目標画像を取得し、ここで、第四目標画像は第一姿勢位置決め特徴を含む。第四目標画像における第一姿勢位置決め特徴の位置が第二所定の位置にないと決定した場合、新たな第四目標画像における第一姿勢位置決め特徴の位置が第二所定の位置にあるまで、現在測定姿勢を調整することにより、新たな第四目標画像を取得する。新たな第四目標画像における第一姿勢位置決め特徴の位置が第二所定の位置にあると決定した場合、現在測定姿勢が目標測定姿勢であると決定する。
【0184】
本開示の実施例によれば、使用の柔軟性及び測定姿勢位置決めの精度を保証するために、イメージング方法を採用して実現することができ、すなわち、第一姿勢位置決め特徴の第四目標画像における位置が第二所定の位置であれば、測定姿勢の位置決めを完了すると説明することができる。
【0185】
本開示の実施例によれば、イメージング方法を採用して測定姿勢の位置決めを実現する過程は、第一姿勢位置決め特徴の第四目標画像における位置が第二所定の位置であるか否かを決定する過程であり、第一姿勢位置決め特徴の第四目標画像における位置が第二所定の位置でなければ、第一姿勢位置決め特徴の新たな第四目標画像における位置が第二所定の位置であるまで、現在測定姿勢を調整することにより、新たな第四目標画像を取得することができる。新たな第四目標画像における第一姿勢位置決め特徴の位置が第二所定の位置である場合、現在測定姿勢が目標測定姿勢であると説明することができる。
【0186】
本開示の実施例によれば、第四目標画像を採集するための構造は被測定対象、測定プローブ、固定座又は他の対象に設置されることができる。他の対象は、測定プローブ、固定部及び被測定対象以外の対象を表すことができる。第一姿勢位置決め特徴は測定プローブ、固定座、被測定対象及び他の対象のうちの少なくとも一種に設置されてもよい。第四目標画像を採集するための構造及び第一姿勢位置決め特徴の説明に対して、第二投影特徴を投射するための構造及び第一姿勢位置決め特徴に対する説明を参照することができ、ここでは説明を省略する。
【0187】
例示的に、図13は、本開示の実施例に係るイメージング方法に基づいて測定姿勢の位置決めを実現する概略図を概略的に示す。図13において第一姿勢位置決め特徴は被測定対象に設置される。
【0188】
本開示の実施例によれば、該方法はさらに以下の操作を含むことができる。
【0189】
測定プローブが測定領域に対応する位置に設置されると、現在測定姿勢が目標測定姿勢ではないと決定した場合、第二姿勢位置決め特徴を決定する。第二姿勢位置決め特徴に基づいて、現在測定姿勢を目標測定姿勢に調整する。
【0190】
本開示の実施例によれば、測定プローブが測定領域に対応する位置に設置された場合、現在測定姿勢が目標測定姿勢ではないと決定した場合、上記の再測定姿勢位置決めを行う必要がある。すなわち、測定領域の位置決めを完了した後、現在測定姿勢が目標測定姿勢でなければ、上記の再測定姿勢位置決めを行う必要がある。第二姿勢位置決め特徴に基づいて、現在測定姿勢が目標測定姿勢であるまで、現在測定姿勢を調整することができる。第二姿勢位置決め特徴は、第一姿勢位置決め特徴と同一であってもよいし、異なっていてもよい。
【0191】
本開示の実施例によれば、第二姿勢位置決め特徴に基づいて、現在測定姿勢を目標測定姿勢に調整することは、以下の操作を含むことができる。
【0192】
第三投影特徴を取得する。第二姿勢位置決め特徴が第三投影特徴とマッチングしないと決定した場合、第二姿勢位置決め特徴が第三投影特徴とマッチングするまで、現在測定姿勢を調整する。第二姿勢位置決め特徴が第三投影特徴とマッチングすると決定した場合、現在測定姿勢が目標測定姿勢であると決定する。
【0193】
本開示の実施例によれば、使用の柔軟性及び測定姿勢位置決めの精度を保証するために、光学方法を採用して実現することができ、すなわち、第二姿勢位置決め特徴と第三投影特徴をマッチングし、マッチング結果に基づいて、目標測定姿勢を決定し、ここで、第三投影特徴は光学方法に基づいて形成され、すなわち、光源により所定の形状のスポットを投射して第三投影特徴を形成し、スポットの形状は第二姿勢位置決め特徴に基づいて決定することができる。すなわち、被測定対象に対して、第二姿勢位置決め特徴に基づいてそれにマッチングする第三投影特徴を設定することにより、第二姿勢位置決め特徴が第三投影特徴にマッチングする現在測定姿勢が目標測定姿勢である。
【0194】
本開示の実施例によれば、第三投影特徴を投射するための構造は被測定対象、測定プローブ、固定座又は他の対象に設置されることができる。他の対象は、測定プローブ、固定部及び被測定対象以外の対象を表すことができる。第二姿勢位置決め特徴は測定プローブ、固定座、被測定対象及び他の対象のうちの少なくとも一種に設置されてもよい。以下に第三投影特徴を投射するための構造の設置位置、第二姿勢位置決め特徴の設置位置という二つの角度から光学方法に基づいて実現された調整過程を説明する。
【0195】
第三投影特徴を投射するための構成の設置位置の角度から説明する。
【0196】
その一、第三投影特徴を投射するための構造が被測定対象に設置されると、第二姿勢位置決め特徴は被測定対象、測定プローブ、固定座及び他の対象のうちの少なくとも一種に設置されてもよい。
【0197】
その二、第三投影特徴を投射するための構造が測定プローブに設置されると、第二姿勢位置決め特徴は測定プローブ及び固定座に設置することができず、被測定対象又は他の対象に設置することができ、これは測定プローブを測定領域に対応する位置に設置した後、測定プローブが固定座に設置されることによるものである。
【0198】
その三、第三投影特徴を投射するための構造が固定座に設置されると、第二姿勢位置決め特徴は測定プローブ及び固定座に設置することができず、被測定対象又は他の対象に設置することができる。同様に測定プローブを測定領域に対応する位置に設置した後、測定プローブが固定座に設置されることによるものである。
【0199】
その四、第三投影特徴を投射するための構造が他の対象に設置されると、第二姿勢位置決め特徴は被測定対象、測定プローブ、固定座及び他の対象のうちの少なくとも一種に設置されてもよい。説明すべきものとして、第二姿勢位置決め特徴が他の対象に設置されると、以下の方式により測定姿勢の位置決めを実現することができ、すなわち、第二姿勢位置決め特徴が第三投影特徴とマッチングしないと決定した場合に、第二姿勢位置決め特徴が第三投影特徴とマッチングするまで、現在測定姿勢を調整し、第二姿勢位置決め特徴が第三投影特徴とマッチングすると決定した場合に、現在測定姿勢が目標測定姿勢であると決定する。ここでの第二姿勢位置決め特徴が第三投影特徴とマッチングすることは、第二姿勢位置決め特徴が被測定対象により遮蔽され、第三投影特徴が第二姿勢位置決め特徴が位置する位置に投射できないことを指し、第二姿勢位置決め特徴が第三投影特徴とマッチングしなければ、少なくとも一つの第三投影特徴が第二姿勢位置決め特徴が位置する位置に投射することができる。
【0200】
第二姿勢位置決め特徴の設置位置の角度から説明する。
【0201】
その一、第二姿勢位置決め特徴が被測定対象に設置されると、第三投影特徴を投射するための構造は被測定対象、測定プローブ、固定座又は他の対象に設置することができる。
【0202】
その二、第二姿勢位置決め特徴が測定プローブに設置されると、第三投影特徴を投射するための構造と測定プローブ及び固定座は個別であり、被測定対象又は他の対象に設置されてもよく、これは測定プローブを測定領域に対応する位置に設置した後、測定プローブが固定座に設置されることによるものである。
【0203】
その三、第二姿勢位置決め特徴が固定座に設置されると、第三投影特徴を投射するための構造と測定プローブ及び固定座は個別であり、被測定対象又は他の対象に設置されてもよい。同様に測定プローブを測定領域に対応する位置に設置した後、測定プローブが固定座に設置されることによるものである。
【0204】
その四、第二姿勢位置決め特徴が他の対象に設置されると、第三投影特徴を投射するための構造は被測定対象、測定プローブ、固定座又は他の対象に設置されることができる。説明すべきものとして、第三投影特徴を投射するための構造が他の対象に設置されると、以上の対応部分を参照して説明し、ここで説明を省略する。
【0205】
光学方法により測定姿勢の位置決めを実現すれば、一方では光源の位置及び角度を柔軟に調整することができるため、それが第二姿勢位置決め特徴に容易にマッチングすることができ、したがって、第二姿勢位置決め特徴を柔軟に設定することができ、それにより第二姿勢位置決め特徴の設定の難しさを低減する。他方では出射スポットの形状を調整することにより、第二姿勢位置決め特徴とのマッチングをよりよく実現し、位置決め精度を向上させることができる。
【0206】
本開示の実施例によれば、第二姿勢位置決め特徴に基づいて、現在測定姿勢を目標測定姿勢に調整することは、以下の操作を含むことができる。
【0207】
第五目標画像を取得する。第三テンプレート画像を取得し、ここで、第三テンプレート画像は第二姿勢位置決め特徴を含む。第五目標画像が第三テンプレート画像とマッチングしないと決定した場合、新たな第五目標画像が第三テンプレート画像とマッチングするまで、現在測定姿勢を調整することにより、新たな第五目標画像を取得する。新たな第五目標画像が第三テンプレート画像とマッチングすると決定した場合、現在測定姿勢が目標測定姿勢であると決定する。
【0208】
本開示の実施例によれば、使用の柔軟性と測定姿勢位置決めの精度を保証するために、画像マッチング方法を採用して実現することができ、すなわち、第五目標画像と第三テンプレート画像をマッチングし、マッチング結果に基づいて、目標測定姿勢を決定する。ここで、第三テンプレート画像が第二姿勢位置決め特徴を含みかつ第二姿勢位置決め特徴の第三テンプレート画像における位置が所定の位置であってもよい。第五目標画像と第三テンプレート画像をマッチングする過程において、第五目標画像は、第二姿勢位置決め特徴を含まない目標画像である可能性があり、第二姿勢位置決め特徴を含むが第二姿勢位置決め特徴の第五目標画像における位置が所定の位置ではない目標画像である可能性があり、さらに第二姿勢位置決め特徴を含みかつ第二姿勢位置決め特徴の第五目標画像における位置が所定の位置である目標画像である可能性がある。第三テンプレート画像が所定の位置に位置する第二姿勢位置決め特徴を含むため、第五目標画像が第三テンプレート画像とマッチングすれば、第五目標画像が第二姿勢位置決め特徴を含みかつ第二姿勢位置決め特徴の第五目標画像における位置が所定の位置であると説明することができる。換言すれば、第五目標画像と第三テンプレート画像をマッチングする目的は、取得された第五目標画像が第二姿勢位置決め特徴を含みかつ第二姿勢位置決め特徴の第五目標画像における位置が所定の位置であることである。
【0209】
本開示の実施例によれば、第五目標画像が第三テンプレート画像とマッチングすると決定する場合、現在測定姿勢が目標測定姿勢であると説明することができる。
【0210】
本開示の実施例によれば、第五目標画像を採集するための構造は被測定対象、測定プローブ、固定座又は他の対象に設置されることができる。他の対象は、測定プローブ、固定部及び被測定対象以外の対象を表すことができる。第二姿勢位置決め特徴は測定プローブ、固定座、被測定対象及び他の対象のうちの少なくとも一種に設置されてもよい。第五目標画像を採集するための構造及び第二姿勢位置決め特徴の説明に対して、第三投影特徴を投射するための構造及び第二姿勢位置決め特徴に対する説明を参照することができ、ここでは説明を省略する。異なることとして、第五目標画像を採集するための構造が測定プローブに設置されると、第二姿勢位置決め特徴は被測定対象、測定プローブ、固定座及び他の対象のうちの少なくとも一種に設置されてもよい。第五目標画像を採集するための構造が固定座に設置されると、第二姿勢位置決め特徴は被測定対象、測定プローブ、固定座及び他の対象のうちの少なくとも一種に設置されてもよい。
【0211】
本開示の実施例によれば、第二姿勢位置決め特徴に基づいて、現在測定姿勢を目標測定姿勢に調整することは、以下の操作を含むことができる。
【0212】
第六目標画像を取得し、ここで、第六目標画像は第二姿勢位置決め特徴を含む。第六目標画像における第二姿勢位置決め特徴の位置が第三所定の位置にないと決定した場合、新たな第六目標画像における第二姿勢位置決め特徴の位置が第三所定の位置にあるまで、現在測定姿勢を調整することにより、新たな第六目標画像を取得する。新たな第六目標画像における第二姿勢位置決め特徴の位置が第三所定の位置にあると決定した場合、現在測定姿勢が目標測定姿勢であると決定する。
【0213】
本開示の実施例によれば、使用の柔軟性及び測定姿勢位置決めの精度を保証するために、イメージング方法を採用して実現することができ、すなわち、第二姿勢位置決め特徴の第六目標画像における位置が第三所定の位置であれば、測定姿勢の位置決めを完了すると説明することができる。
【0214】
本開示の実施例によれば、イメージング方法を採用して測定姿勢位置決めを実現する過程は、第二姿勢位置決め特徴の第六目標画像における位置が第三所定の位置であるか否かを決定する過程であり、第二姿勢位置決め特徴の第六目標画像における位置が第三所定の位置でなければ、第二姿勢位置決め特徴が新たな第六目標画像における位置が第三所定の位置であるまで、現在測定姿勢を調整することにより、新たな第六目標画像を取得することができる。新たな第六目標画像における第二姿勢位置決め特徴の位置が第三所定の位置である場合、現在測定姿勢が目標測定姿勢であると説明することができる。
【0215】
本開示の実施例によれば、第六目標画像を採集するための構造は被測定対象、測定プローブ、固定座又は他の対象に設置されることができる。他の対象は、測定プローブ、固定部及び被測定対象以外の対象を表すことができる。第二姿勢位置決め特徴は測定プローブ、固定座、被測定対象及び他の対象のうちの少なくとも一種に設置されてもよい。第六目標画像を採集するための構造及び第二姿勢位置決め特徴の説明に対して、第三投影特徴を投射するための構造及び第二姿勢位置決め特徴に対する説明を参照することができ、ここでは説明を省略する。
【0216】
本開示の実施例によれば、該方法はさらに以下の操作を含むことができる。
【0217】
提示情報を生成し、ここで、提示情報は測定姿勢位置決め及び/又は測定領域位置決めが完了することを提示するために用いられ、提示情報の形式は画像、音声又は振動のうちの少なくとも一種を含む。
【0218】
本開示の実施例によれば、ユーザが測定姿勢位置決め及び/又は測定領域位置決めが完了するか否かをタイムリーに知ることができるために、測定姿勢位置決め及び/又は測定領域位置決めを完了した後、提示情報を生成することができる。ここで、提示情報の具体的な表現形式は画像、音声及び振動のうちの少なくとも一種を含むことができる。
【0219】
本開示の実施例によれば、該方法はさらに以下の操作を含むことができる。
【0220】
固定座が測定領域に対応する位置に設置されかつ測定プローブが固定部に設置されないと決定した場合、測定プローブを固定座に設置する。固定座が測定領域に対応する位置に設置されないと決定した場合、第一係合部材により固定座を測定領域に対応する位置に設置し、かつ測定プローブを固定座に設置する。
【0221】
本開示の実施例によれば、測定プローブが固定座により測定領域に対応する位置に設置されると、組織成分の測定過程において、固定座が測定領域から離脱することができ、測定プローブが固定座から離脱することができ、測定する必要がある場合、固定座が測定領域に対応する位置に設置されない場合、第一係合部材により固定座を測定領域に対応する位置に設置し、かつ測定プローブを固定座に設置することができる。固定座が測定領域に対応する位置に設置されかつ測定プローブが固定座に設置されなければ、測定プローブを固定座に設置することができる。
【0222】
例示的には、例えば短期的な随時測定に対して、固定座を測定領域に対応する位置に設置することができ、測定プローブが固定座から離脱することができ、測定を行う必要がある時に、測定プローブを固定座に設置する。長期測定に対して、固定座が測定領域から離脱することができ、測定プローブが固定座から離脱することができ、測定する必要がある場合、さらに第一係合部材により固定座を測定領域に対応する位置に設置し、かつ測定プローブを固定座に設置する。
【0223】
本開示の実施例によれば、該方法はさらに以下の操作を含むことができる。
【0224】
測定プローブが測定領域に対応する位置に設置されないと決定した場合、第二係合部材により測定プローブを測定領域に対応する位置に設置する。
【0225】
本開示の実施例によれば、測定プローブが測定領域に対応する位置に直接設置されると、組織成分測定過程において、測定プローブが測定領域から離脱することができ、測定する必要がある場合、さらに第二係合部材により測定プローブを測定領域に対応する位置に設置する。
【0226】
本開示の実施例によれば、所定の波長に対応する少なくとも一つの出力光強度に基づいて、被測定組織成分の濃度を決定することは、以下の操作を含むことができる。
【0227】
所定の波長に対応する少なくとも一つの出力光強度から第一出力光強度及び第二出力光強度を決定する。所定の波長に対応する第一出力光強度及び第二出力光強度に基づいて、被測定組織成分の濃度を決定する。
【0228】
本開示の実施例によれば、第一出力光強度に対応する出射光の平均光路長は第二出力光強度に対応する出射光の平均光路長と異なる。
【0229】
本開示の実施例によれば、所定の波長に対応する第一出力光強度及び第二出力光強度に基づいて、被測定組織成分の濃度を決定することは、以下の操作を含むことができる。
【0230】
所定の波長に対応する第一出力光強度と第二出力光強度を差分処理し、差分信号を得る。所定の波長に対応する差分信号に基づいて、被測定組織成分の濃度を決定する。
【0231】
本開示の実施例によれば、制御不能な測定条件の変動が予知困難および制御不能という特性を有するため、効果的な制御方法を採用して再現性を実現する方式で制御不能な測定条件の変動による測定結果への影響を低減することが困難である。測定結果の確実性を向上させるために、発明者は、合理的な数学的アルゴリズムを採用することにより制御不能な測定条件の変動による測定結果への影響を減少させ、測定結果への影響を無視できる程度に低減することができ、すなわち、制御不能な測定条件の変動による測定結果への影響がランダムノイズによる測定結果への影響に相当することを発見した。
【0232】
制御不能な測定条件の変動による測定結果への影響を低減するために、干渉抑制方法を採用して実現することができ、ここで、干渉抑制方法は、差分測定方法を含むことができる。差分測定方法は、時間差分測定方法及び位置差分測定方法を含むことができる。差分測定方法は、制御不能な測定条件の変動による測定結果への影響を低減することができる原因は以下のとおりである:異なる平均光路長での出力光強度に携帯された干渉情報が基本的に同じであれば、すなわち、異なる平均光路長での出力光強度が干渉を受ける影響が基本的に一致すれば、異なる平均光路長での出力光強度に携帯された有効情報が異なるため、二つの平均光路長での出力光強度(すなわち、第一出力光強度と第二出力光強度)に対して差分処理を行い、差分信号を得て、差分信号に基づいて被測定組織成分の濃度を決定することができる。ここで、干渉情報は出力光強度の干渉に対する応答であると理解することができる。有効情報は、出力光強度の被測定組織成分に対する応答であると理解することができる。
【0233】
本開示の実施例によれば、所定の波長に対応する第一出力光強度及び第二出力光強度を差分処理する差分処理は、ハードウェアの処理方式及びソフトウェアの処理方式を含むことができる。ここで、ハードウェアの処理方式は、差動回路を用いて処理することを含むことができる。ソフトウェアの処理方式は、差分アルゴリズムを採用して差分演算を行うことを含むことができる。差分アルゴリズムは、直接差分演算と対数差分演算とを含んでもよい。ここで、直接差分演算とは、二つのパラメータに対して直接的に差を計算する処理することである。対数差分演算は、まず二つのパラメータに対して対数を取る演算を行い、対数を取った後のパラメータを取得し、さらに二つの対数を取った後のパラメータに対して差を計算する処理を行うことである。
【0234】
本開示の実施例によれば、差分測定方法によりコモンモード干渉情報を効果的に弱め、さらに測定結果の確実性を向上させることができる。
【0235】
本開示の実施例によれば、所定の波長に対応する第一出力光強度と第二出力光強度を差分処理し、差分信号を取得することは、以下の操作を含むことができる。
【0236】
差分回路を採用して所定の波長に対応する第一出力光強度及び第二出力光強度を処理し、差分信号を得る。
【0237】
本開示の実施例によれば、差分回路を採用して第一出力光強度および第二出力光強度に対する差分処理を実現することにより、差分信号を直接的に取得することができる。
【0238】
本開示の実施例によれば、所定の波長に対応する第一出力光強度と第二出力光強度を差分処理し、差分信号を取得することは、以下の操作を含むことができる。
【0239】
差分アルゴリズムを採用して所定の波長に対応する第一出力光強度及び第二出力光強度を処理し、差分信号を得る。
【0240】
本開示の実施例によれば、差分アルゴリズムを採用して所定の波長に対応する第一出力光強度及び第二出力光強度を処理し、差分信号を取得することは、以下の操作を含むことができる。
【0241】
所定の波長に対応する第一出力光強度と第二出力光強度を直接差分演算し、差分信号を得る。
【0242】
本開示の実施例によれば、差分アルゴリズムを採用して所定の波長に対応する第一出力光強度及び第二出力光強度を処理し、差分信号を取得することは、以下の操作を含むことができる。
【0243】
所定の波長に対応する第一出力光強度及び第二出力光強度に対して対数を取る処理をし、第一対数光強度及び第二対数光強度を得る。所定の波長に対応する第一対数光強度と第二対数光強度を直接差分演算し、差分信号を得る。
【0244】
本開示の実施例によれば、第一対数光強度は第一出力光強度の対数を表し、第二対数光強度は第二出力光強度の対数を表す。
【0245】
差分信号は、次式(1)により求めることができる。
【0246】
【数1】
【0247】
ここで、
は差分信号を示し、
は第一出力光強度を示し、
は第二出力光強度を示す。
は第一出力光強度に対応する平均光路長を示し、
は第二出力光強度に対応する平均光路長を示す。
【0248】
本開示の実施例によれば、所定の波長に対応する差分信号に基づいて、被測定組織成分の濃度を決定することは、以下の操作を含むことができる。
【0249】
所定の波長に対応する差分信号を第一組織成分濃度予測モデルに入力し、被測定組織成分の濃度を出力する。
【0250】
本開示の実施例によれば、第一組織成分濃度予測モデルは、化学計量学モデルに基づいてトレーニングして生成することができ、ここで、化学計量学モデルは回帰モデルを含むことができる。回帰モデルは線形回帰モデルを含み、線形回帰モデルは一次元線形回帰モデルを含むことができる。
【0251】
本開示の実施例によれば、第一トレーニングサンプルセットを取得し、ここで、第一トレーニングサンプルセットは複数の第一トレーニングサンプルを含み、ここで、各第一トレーニングサンプルは被測定組織成分の第一実際濃度及び第一実際濃度に対応する差分信号を含む。第一トレーニングサンプルセットに基づいて、第一組織成分濃度予測モデルを確立する。
【0252】
本開示の実施例によれば、第一組織成分濃度予測モデルは以下の方式で生成され、第一トレーニングサンプルセットを取得し、第一トレーニングサンプルセットは複数の第一トレーニングサンプルを含み、第一トレーニングサンプルは被測定組織成分の第一実際濃度と第一実際濃度に対応する差分信号を含み、第一実際濃度に対応する差分信号を入力変数とし、第一実際濃度を出力変数とし、トレーニングすべき数学モデルをトレーニングし、第一組織成分濃度予測モデルを得る。
【0253】
本開示の実施例によれば、第一トレーニングサンプルセットに基づいて、第一組織成分濃度予測モデルを確立することは、以下の操作を含むことができる。
【0254】
第一トレーニングサンプルセットに対して前処理を行い、処理後の第一トレーニングサンプルセットを取得する。処理後の第一トレーニングサンプルセットに基づいて、第一組織成分濃度予測モデルを確立する。
【0255】
本開示の実施例によれば、モデルの予測精度を向上させるために、第一トレーニングサンプルセットを前処理し、第一トレーニングサンプルセットの異常トレーニングサンプルを決定し、それにより異常トレーニングサンプルを削除した後の第一トレーニングサンプルセットに基づいて第一組織成分濃度予測モデルを確立することができる。
【0256】
本開示の実施例によれば、該方法はさらに以下の操作を含むことができる。
【0257】
第四所定の条件を満たす場合に、第一組織成分濃度予測モデルを修正することにより、修正後の第一組織成分濃度予測モデルを利用して新たな差分信号を処理し、新たな被測定組織成分の濃度を取得する。
【0258】
本開示の実施例によれば、モデルの予測精度を向上させるために、組織成分測定過程における実際条件に基づいて、第一組織成分濃度予測モデルを調整する必要があり、すなわち、実際条件が第四所定の条件を満たすと、第一組織成分濃度予測モデルを修正し、修正後の第一組織成分濃度予測モデルを取得することができる。ここで、第四所定の条件は、現在の組織成分の測定と第一組織成分濃度予測モデルの確立との間の時間間隔が時間閾値以下であること、及び/又は被測定対象の状態が大きく変化しないことを含むことができ、被測定対象の状態は、被測定対象の身体状態及び/又は被測定対象の皮膚状態、例えば皮膚の熱傷を含むことができる。
【0259】
一般的に短い時間内又は被測定対象の状態が大きく変化しなく、被測定対象の組織成分の変化と測定装置の状態変化による第一組織成分濃度予測モデルの不適用は、第一組織成分濃度予測モデルを修正することにより解決することができる。
【0260】
修正後の第一組織成分濃度予測モデルを取得した後、新たな差分信号を取得し、新たな差分信号を修正後の第一組織成分濃度予測モデルに入力し、新たな被測定組織成分の濃度を出力することができる。
【0261】
本開示の実施例によれば、第一組織成分濃度予測モデルを修正することは、以下の操作を含むことができる。
【0262】
被測定組織成分の第一目標濃度を取得する。第一目標濃度に対応する差分信号を取得する。第一目標濃度に対応する差分信号と第一目標濃度に基づいて、第一組織成分濃度予測モデルを修正する。
【0263】
本開示の実施例によれば、第一組織成分濃度予測モデルは、一次元線形回帰モデルに基づいてトレーニングして生成することができる。一次元線形回帰モデルの二つの入力パラメータは傾き及び切片を含み、したがって、モデルトレーニング過程は、傾き及び切片を決定することである。第四所定の条件を満たすと、研究によって分かるように、第一組織濃度予測モデルの傾きが変化せずに切片が変化し、この場合、改めて決定する必要があるのは切片であり、これにより、第一目標濃度と第一目標濃度に対応する差分信号に基づいて第一組織成分濃度予測モデルを補正し、新たな切片を取得し、さらに修正後の第一組織成分濃度予測モデルを取得することができる。
【0264】
本開示の実施例によれば、該方法はさらに以下の操作を含むことができる。
【0265】
第五所定の条件を満たす場合に、新たな第一組織成分濃度予測モデルを利用して新たな差分信号を処理し、新たな被測定組織成分の濃度を取得する。
【0266】
本開示の実施例によれば、モデルの予測精度を向上させるために、組織成分測定過程における実際の条件に基づいて、新たな第一組織成分濃度予測モデルを再確立する必要があるか否かを決定し、すなわち、実際の条件が第五所定の条件を満たすと、新たな第一組織成分濃度予測モデルを確立することができる。ここで、第五所定の条件は、現在の組織成分の測定と第一組織成分濃度予測モデルの確立との間の時間間隔が時間閾値より大きいこと、及び/又は被測定対象の状態が大きく変化することを含むことができ、被測定対象の状態は被測定対象の身体状態及び/又は被測定対象の皮膚状態、例えば皮膚の熱傷を含むことができる。
【0267】
上記方式を採用するのは、一般的に長い時間内又は被測定対象の状態が大きく変化し、被測定対象の組織成分の変化及び測定装置の状態変化が大きく、従来の第一組織成分濃度予測モデルが適用されなくなり、かつ従来の第一組織成分濃度予測モデルを基に修正することによりそれを適用することができず、新たな第一組織成分濃度予測モデルを改めて確立する必要があることである。
【0268】
本開示の実施例によれば、新たな第一組織成分濃度予測モデルは以下の方式で生成することができ、新たな第一トレーニングサンプルセットを取得し、ここで、新たな第一トレーニングサンプルセットは複数の新たな第一トレーニングサンプルを含み、ここで、各新たな第一トレーニングサンプルは被測定対象組織成分の新たな第一実際濃度及び新たな第一実際濃度に対応する差分信号を含み、かつ新たな第一トレーニングサンプルセットに基づいて、新たな第一組織成分濃度予測モデルを確立する。
【0269】
本開示の実施例によれば、所定の波長に対応する差分信号に基づいて、被測定組織成分の濃度を決定することは、以下の操作を含むことができる。
【0270】
複数の干渉パラメータにおける各干渉パラメータの現在の干渉パラメータ値を取得する。複数の現在の干渉パラメータ値と所定の波長に対応する差分信号を第二組織成分濃度予測モデルに入力し、被測定組織成分の濃度を出力する。
【0271】
本開示の実施例によれば、組織成分濃度測定の過程において、干渉パラメータの影響を受け、ここで、干渉パラメータは温度及び圧力などを含むことができ、したがって、測定結果の確実性を向上させるために、干渉パラメータに基づく第二組織成分濃度予測モデルを確立することができる。
【0272】
第二組織成分濃度予測モデルを利用して複数の現在の干渉パラメータ値と所定の波長に対応する差分信号を処理し、被測定組織成分の濃度を取得することは、複数の現在の干渉パラメータ値を第二組織成分濃度予測モデルに入力し、差分干渉信号を出力し、差分干渉信号を利用して所定の波長に対応する差分信号を補正し、所定の波長に対応する補正信号を得て、所定の波長に対応する補正信号に基づいて、被測定組織成分の濃度を決定することを含むことができる。
【0273】
本開示の実施例によれば、干渉パラメータに基づく第二組織成分濃度予測モデルを確立することにより組織成分濃度予測を行い、測定結果の確実性をさらに向上させる。
【0274】
本開示の実施例によれば、該方法はさらに以下の操作を含むことができる。
【0275】
第二トレーニングサンプルセットを取得し、ここで、第二トレーニングサンプルセットは複数の第二トレーニングサンプルを含み、ここで、各第二トレーニングサンプルは被測定対象組織成分の第二実際濃度及び第二実際濃度に対応する差分信号を含む。第三トレーニングサンプルセットを取得し、ここで、第三トレーニングサンプルセットは複数の第三トレーニングサンプルを含み、ここで、各第三トレーニングサンプルは複数の干渉パラメータにおける各干渉パラメータのトレーニング干渉パラメータ値と各トレーニング干渉パラメータ値に対応する差分信号を含む。第二トレーニングサンプルセットに基づいて、補正すべき組織成分濃度予測モデルを確立する。第三トレーニングサンプルセットに基づいて、補正パラメータモデルを確立する。補正すべき組織成分濃度予測モデル及び補正パラメータモデルに基づいて、第二組織成分濃度予測モデルを取得する。
【0276】
本開示の実施例によれば、補正パラメータモデルは、干渉パラメータと干渉パラメータに対応する差分信号との間の数学的モデルである。補正すべき組織成分濃度予測モデルは、組織成分濃度と、組織成分濃度に対応する差分信号との間の数学モデルである。補正すべき組織成分濃度予測モデル及び補正パラメータモデルに基づいて、第二組織成分濃度予測モデルを確立することは、補正パラメータモデルに基づいて干渉パラメータに対応する差分信号を取得し、干渉パラメータに対応する差分信号を利用して組織成分濃度に対応する差分信号を補正し、組織成分濃度及び補正後の差分信号に基づいて、第二組織成分濃度予測モデルを確立することを含むことができる。ここで、モデルトレーニング過程において、組織成分濃度は第二実際濃度であり、組織成分濃度に対応する差分信号は第二実際濃度に対応する差分信号である。
【0277】
本開示の実施例によれば、モデルの予測精度を向上させるために、第二トレーニングサンプルセット及び第三トレーニングサンプルセットをいずれも前処理し、第二トレーニングサンプルセットにおける異常トレーニングサンプル及び第三トレーニングサンプルセットにおける異常トレーニングサンプルを決定することにより、異常トレーニングサンプルを削除した後の第二トレーニングサンプルセットに基づいて、補正すべき組織成分濃度予測モデルを確立することができる。異常サンプルを削除した後の第三トレーニングサンプルセットに基づいて、補正パラメータモデルを確立する。
【0278】
本開示の実施例によれば、該方法はさらに以下の操作を含むことができる。
【0279】
第四所定の条件を満たす場合に、第二組織成分濃度予測モデルを修正することにより、修正後の第二組織成分濃度予測モデルを利用して新たな差分信号及び新たな複数の現在の干渉パラメータ値を処理し、新たな被測定組織成分の濃度を取得する。
【0280】
本開示の実施例によれば、モデルの予測精度を向上させるために、組織成分の測定過程における実際の条件に基づいて、第二組織成分濃度予測モデルを調整する必要があり、すなわち、実際の条件が第四所定の条件を満たすと、第二組織成分濃度予測モデルを修正し、修正後の第二組織成分濃度予測モデルを取得することができる。ここで、第四所定の条件は、現在の組織成分の測定と第二組織成分濃度モデルの確立との間の時間間隔が時間閾値以下であること、及び/又は被測定対象の状態が大きく変化しないことを含むことができ、被測定対象の状態は、被測定対象の身体状態及び/又は被測定対象の皮膚状態、例えば皮膚の熱傷を含むことができる。
【0281】
一般的に短い時間内又は被測定対象の状態が大きく変化されず、被測定対象の組織成分の変化と測定装置の状態変化による第二組織成分濃度予測モデルの不適用は、第二組織成分濃度予測モデルを修正することにより解決することができる。
【0282】
修正後の第二組織成分濃度予測モデルを取得した後、新たな差分信号及び新たな複数の現在の干渉パラメータ値を取得し、新たな差分信号及び新たな複数の現在の干渉パラメータ値を修正後の第二組織成分濃度予測モデルに入力し、新たな被測定組織成分の濃度を出力することができる。
【0283】
本開示の実施例によれば、第二組織成分濃度予測モデルを修正することは、以下の操作を含むことができる。
【0284】
被測定組織成分の第二目標濃度を取得する。第二目標濃度に対応する差分信号を取得する。複数の干渉パラメータにおける各干渉パラメータの現在の干渉パラメータ値を取得する。第二目標濃度、複数の干渉パラメータ値及び第二目標濃度に対応する差分信号に基づいて、第二組織成分濃度予測モデルを修正する。
【0285】
本開示の実施例によれば、第二組織成分濃度予測モデルは一次元線形回帰モデルに基づいてトレーニングして生成することができる。一次元線形回帰モデルの二つの入力パラメータは傾き及び切片を含み、したがって、モデルトレーニング過程は傾き及び切片を決定することである。第一所定の条件を満たすと、研究によって分かるように、第二組織濃度予測モデルの傾きが変化せずに切片が変化し、この場合、切片を改めて決定する必要があり、これにより、第二目標濃度、第二目標濃度に対応する差分信号及び複数の干渉パラメータ値に基づいて第二組織成分濃度予測モデルを修正し、新たな切片を取得し、さらに修正後の第二組織成分濃度予測モデルを取得することができる。
【0286】
本開示の実施例によれば、該方法はさらに以下の操作を含むことができる。
【0287】
第五所定の条件を満たす場合に、新たな第二組織成分濃度予測モデルを利用して新たな差分信号及び新たな複数の現在の干渉パラメータ値を処理し、新たな被測定組織成分の濃度を取得する。
【0288】
本開示の実施例によれば、モデルの予測精度を向上させるために、組織成分測定過程における実際の条件に基づいて、新たな第二組織成分濃度予測モデルを再確立する必要があるか否かを決定し、すなわち、実際の条件が第五所定の条件を満たすと、新たな第二組織成分濃度予測モデルを確立することができる。ここで、第五所定の条件は現在の組織成分の測定と第二組織成分濃度モデルの確立との間の時間間隔が時間閾値より大きいこと、及び/又は被測定対象の状態が大きく変化することを含むことができ、被測定対象の状態は被測定対象の身体状態及び/又は被測定対象の皮膚状態、例えば皮膚の熱傷を含むことができる。
【0289】
上記方式を採用するのは、一般的に長い時間内又は被測定対象の状態が大きく変化し、被測定対象の組織成分の変化及び測定装置の状態変化が大きく、従来の第二組織成分濃度予測モデルが適用されなくなり、かつ従来の第二組織成分濃度予測モデルを基に修正することによりそれを適用することができず、新たな第二組織成分濃度予測モデルを改めて確立する必要があることである。
【0290】
本開示の実施例によれば、新たな第二組織成分濃度予測モデルは以下の方式で生成され、新たな第二トレーニングサンプルセットを取得することができ、ここで、新たな第二トレーニングサンプルセットは複数の新たな第二トレーニングサンプルを含み、ここで、各新たな第二トレーニングサンプルは、被測定対象組織成分の新たな第二実際濃度及び新たな実際濃度に対応する差分信号を含む。新たな第三トレーニングサンプルセットを取得し、ここで、新たな第三トレーニングサンプルセットは、複数の新たな第三トレーニングサンプルを含み、ここで、各新たな第三トレーニングサンプルは、複数の干渉パラメータのうちの各干渉パラメータの新たなトレーニング干渉パラメータ値と各新たなトレーニング干渉パラメータ値に対応する差分信号を含む。新たな第二トレーニングサンプルセットに基づいて、新たな補正すべき組織成分濃度予測モデルを確立する。新たな第三トレーニングサンプルセットに基づいて、新たな補正パラメータモデルを確立する。新たな補正すべき組織成分濃度予測モデル及び新たな補正パラメータモデルに基づいて、新たな第二組織成分濃度予測モデルを取得する。
【0291】
本開示の実施例によれば、第一出力光強度及び第二出力光強度は同じ又は異なる同類感光面により異なる時刻で採集され、ここで、第一出力光強度は収縮期光強度であり、第二出力光強度は拡張期光強度であり、同類感光面は一つ又は複数の感光面を含み、同類感光面は一つの出力光強度を出力するために用いられる。
【0292】
本開示の実施例によれば、第一出力光強度と第二出力光強度が同じ又は異なる同類感光面により異なる時刻で採集された場合に、脈波に基づく時間差分測定方法を用いて組織成分測定を行うことができる。
【0293】
脈拍、すなわち、動脈拍動は、心臓の拍動に伴って周期的な収縮及び拡張が発生し、大動脈内の圧力により血管径が脈動的に変化し、血管中の血流量もそれに伴って規則的及び周期的な変化が発生することを指す。各脈波波形は一つの上昇分岐及び一つの下降分岐を含み、ここで、上昇分岐は心室収縮期動脈の拡張を示し、下降は心室拡張期動脈の収縮を示す。心室の拡張および収縮は一つの脈動周期を示す。
【0294】
本開示の実施例によれば、脈波に基づく時間差分測定方法を採用すれば、脈拍の情報をできるだけ利用する必要があるため、測定結果の確実性を向上させるために、感光面を目標部位(例えば目標血管)に近い位置にできるだけ設置することができる。すなわち、第一出力光強度及び第二出力光強度を出力する同類感光面を、目標部位からの距離が第四距離閾値以下となる位置に設定することができる。ここで、第四距離閾値はゼロであってもよく、すなわち、同類感光面が目標部位に設置されてもよい。第一出力光強度及び第二出力光強度を出力するための同類感光面は目標部位からの距離が第四距離閾値以下の位置に設置され、即ち第一出力光強度及び第二出力光強度を出力するための同類感光面における各感光面の目標部位からの距離は第四距離閾値以下である。同類感光面における各感光面の目標部位からの距離が第四距離閾値以下であり、同類感光面における目標部位から最も離れた感光面のエッジから目標血管までの距離が第四距離閾値以下であってもよい。
【0295】
説明すべきものとして、脈波に基づく時間差分測定方法を採用し、脈拍の情報をできるだけ利用することは、上記した大面積の感光面を採用して脈拍の拍動による測定に対する悪影響を低減することに矛盾しなく、前者は可能な限り脈拍の拍動による有用な情報を利用し、後者は脈拍の拍動による悪影響をできるだけ低減する。また、第一出力光強度は拡張期光強度であってもよく、第二出力光強度は収縮期光強度であってもよい。所定の波長に対応する第一出力光強度及び第二出力光強度は同じ脈動周期内の出力光強度であってもよく、異なる脈動周期内の出力光強度であってもよい。
【0296】
本開示の実施例によれば、所定の波長に対応する第一出力光強度は、所定の波長に対応する第一同類感光面により採集され、所定の波長に対応する第二出力光強度は、所定の波長に対応する第二同類感光面により採集され、ここで、第一同類感光面は一つ又は複数の感光面を含み、第二同類感光面は一つ又は複数の感光面を含む。
【0297】
本開示の実施例によれば、所定の波長に対して、該所定の波長に対応する第一同類感光面及び第二同類感光面を有し、そのうち、第一同類感光面は、該所定の波長に対応する第一出力光強度を出力し、第二同類感光面は該所定の波長に対応する第二出力光強度を出力する。第一同類感光面及び第二同類感光面はいずれも一つ又は複数の感光面を含むことができる。
【0298】
本開示の実施例によれば、位置差分測定方法を採用して第一出力光強度及び第二出力光強度を処理することにより、被測定組織成分の濃度を決定することができる。
【0299】
本開示の実施例によれば、位置差分測定方法を使用すれば、目標部位(例えば目標血管)をできるだけ回避する必要があるため、測定結果の確実性を向上させるために、感光面を目標部位から離れた位置にできるだけ設置することができる。すなわち、第一出力光強度を出力するための第一同類感光面を目標部位からの距離が第五距離閾値以上である位置に設置することができ、すなわち、第一同類感光面における各感光面の目標部位からの距離が第五距離閾値以上である。第一同類感光面における各感光面の目標部位からの距離が第五距離閾値以上であり、第一同類感光面における目標部位に最も近い感光面のエッジから目標部位までの距離が第五距離閾値以上であってもよい。又は、第一同類感光面が目標部位に接触せず、第一同類感光面のうちの目標部位に最も近い感光面の中心から目標部位までの距離が第五距離閾値以上である。第二出力光強度を出力するための感光面を、対象部位からの距離が第六距離閾値以上となる位置に設置する。第二光強度を出力するための第二同類感光面を、目標部位からの距離が第六距離閾値以上である位置に設置することに対する理解について、第一出力光強度を出力するための第一同類感光面に対する説明を参照することができ、ここで説明を省略する。
【0300】
本開示の実施例によれば、第一同類感光面と第二同類感光面は同じ同類感光面であり、第一同類感光面と第二同類感光面で受信された出射光は入射光が異なる入射位置に入射して伝送されて得られる。
【0301】
本開示の実施例によれば、第一同類感光面と第二同類感光面は異なる同類感光面である。
【0302】
本開示の実施例によれば、入射光の入射位置は少なくとも一つを含むことができ、したがって、入射光の入射位置が少なくとも二つを含む場合、第一同類感光面と第二同類感光面は同一の感光面であってもよく、異なるのは、該同類感光面が第一出力光強度に対応する出射光を受信するための同類感光面であり、即ち第一同類感光面として使用される場合、出射光の入射位置は第一入射位置である。該同類感光面が第二出力光強度に対応する出射光を受信するための同類感光面であり、即ち第二同類感光面として使用される場合、出射光の入射位置は第二入射位置であり、第一入射位置と第二入射位置は異なる入射位置である。
【0303】
本開示の実施例によれば、第一同類感光面と第二同類感光面は異なる同類感光面であってもよい。
【0304】
本開示の実施例によれば、第一同類感光面における各感光面の異なる感光位置に受信された出射光の平均光路長は第一平均光路長範囲に属し、ここで、第一平均光路長範囲は、第一光路長平均値に基づいて決定され、第一光路長平均値は、第一同類感光面の各感光位置が受信した出射光の平均光路長に基づいて算出された平均値である。第二同類感光面における各感光面の異なる感光位置に受信された出射光の平均光路長は第二平均光路長範囲に属し、ここで、第二平均光路長範囲は第二光路長平均値に基づいて決定され、ここで、第二光路長平均値は第二同類感光面の各感光位置が受信した出射光の平均光路長に基づいて算出された平均値である。
【0305】
本開示の実施例によれば、位置差分測定方法に基づいて組織成分測定を行う測定結果の確実性を向上させるために、第一同類感光面が受信した出射光が光路長に近いという特徴をできるだけ確保する必要があり、第二同類感光面が受信した出射光も光路長に近いという特徴を有する。光路長に近いとは、出射光の平均光路長が平均光路長の範囲内であると理解することができる。
【0306】
第一同類感光面に対して、第一同類感光面における各感光面の異なる感光位置に受信された出射光の平均光路長は第一平均光路長範囲に属する。ここで、第一平均光路長範囲は以下の方式で決定される。第一同類感光面の各感光位置が受信した出射光の平均光路長の第一光路長平均値を決定し、第一光路長変化幅を決定する。第一光路長平均値及び第一光路長変化幅に基づいて、第一平均光路長範囲を決定する。例示的には、例えば第一光路長平均値がbであり、第一光路長変化幅が±40%である場合、第一平均光路長範囲は0.6b以上1.4b以下であってもよい。
【0307】
第二同類感光面に対して、第二同類感光面における各感光面の異なる感光位置に受信された出射光の平均光路長は第二平均光路長範囲に属する。ここで、第二平均光路長範囲は以下の方式で決定される。第二同類感光面の各感光位置が受信した出射光の平均光路長の第二光路長平均値を決定し、第二光路長変化幅を決定する。第二光路長平均値及び第二光路長変化幅に基づいて、第二平均光路長範囲を決定する。
【0308】
本開示の実施例によれば、第一光路長平均値と第二光路長平均値との差値の絶対値は第一光路長差範囲に属する。
【0309】
本開示の実施例によれば、差分測定方法に基づいて組織成分測定を行う測定結果の確実性を向上させるために、適切な位置範囲内に第一同類感光面及び第二同類感光面を設置する必要がある。以下では被測定組織成分を血糖とする場合を例に説明する。被測定組織成分が血糖である場合、目標組織層は真皮層であり、出力光強度が真皮層における組織成分情報を主に携帯する出力光強度であることが要求される。
【0310】
その一、感光面の位置から入射光の中心までの距離が小さすぎると、出射光の出力光強度は主に表皮層中の組織成分情報を携帯する。感光面の位置から入射光の中心までの距離が大きすぎると、出射光の出力光強度は主に皮下脂肪層における組織成分情報を携帯する。真皮層は表皮層と皮下脂肪層との間に位置し、これにより、第一同類感光面と第二同類感光面の設置位置は適切な位置範囲内で選択する必要があり、第一同類感光面と第二同類感光面との間の距離が大きすぎることができない。
【0311】
その二、差分測定方法はコモンモード干渉を効果的に弱めることができるが、差分測定方法はコモンモード干渉を弱めると同時に一部の有効情報、すなわち、血糖情報を損失する。二つの位置が極めて近接すると、有効情報が全て損失される可能性がある。これにより、第一同類感光面と第二同類感光面の設置位置は適切な位置範囲内で選択する必要があり、第一同類感光面と第二同類感光面との間の距離は小さすぎることができない。
【0312】
合理的な位置範囲内に第一同類感光面及び第二同類感光面を設置することを実現するために、有効情報測定原則、差分測定精度の最適化原則及び干渉信号の有効除去原則に基づいて決定することができる。ここで、有効情報測定原則は、二つの位置での出射光が目標組織層中の組織成分情報をできるだけ多く持つことができることを指し、したがって、二つの位置は一つの合理的な位置範囲内にあるべきである。差分測定精度の最適化原則は二つの位置の間に一定の距離を有するべきであり、差分した後に依然として可能な限り多くの効果的な情報を保持する。干渉信号の有効除去原則は二つの位置の間の距離をできるだけ小さくすべきであり、それにより差分測定方法がコモンモード干渉を除去する効果を向上させる。
【0313】
合理的な位置範囲内に第一同類感光面及び第二同類感光面を設置し、光路長に反映すれば、第一同類感光面に対応する第一光路長平均値と第二同類感光面に対応する第二光路長平均値との間の差の絶対値は第一光路長差範囲に属する。ここで、第一光路長差範囲は最適な差分光路長に基づいて決定される。最適な差分光路長は上記三つの原則のうちの少なくとも一つに基づいて決定されてもよい。
【0314】
理解されるように、第一同類感光面と第二同類感光面とに対する位置設定要求も同様に感光面の面積が大きすぎることができないことを要求し、そうでなければ差分効果に影響を与え、さらに測定結果の確実性に影響を与える。
【0315】
本開示の実施例によれば、第一平均光路長範囲は第一光路長差範囲以下であり、第二平均光路長範囲は第一光路長差範囲以下である。
【0316】
本開示の実施例によれば、合理的な位置範囲内に第一同類感光面と第二同類感光面を設置することをできるだけ実現するために、光路に反映すれば、さらに第一平均光路長範囲が第一光路長差範囲以下であり、かつ第二平均光路長範囲が第一光路長差範囲以下であることをできるだけ保証する必要がある。これにより、第一同類感光面に対応する第一光路長平均値と第二同類感光面に対応する第二光路長平均値との間の差値の絶対値は第一光路長差範囲に属し、第一平均光路長範囲は第一光路長差範囲以下であり、かつ第二平均光路長範囲は第一光路長差範囲以下である。
【0317】
本開示の実施例によれば、第一光路長差範囲は所定の波長に対応する最適な差分光路長に基づいて決定される。
【0318】
本開示の実施例によれば、被測定対象の測定領域が決定した場合、該所定の波長に対応する最適な差分感度が存在し、ここで、最適な差分感度は、単位被測定対象組織成分濃度変化による差分信号の変化が最大である時の感度を表すことができる。最適な差分感度に基づいて最適な差分光路長を決定することができ、すなわち、差分測定精度の最適化原則に基づいて最適な差分光路長を決定することができ、これにより、最適な差分感度に対応する光路長を最適な差分光路長と呼ぶことができる。
【0319】
本開示の実施例によれば、所定の波長に対応する最適な差分光路長を決定した後、上下調整幅を設定することができ、所定の波長に対応する最適な差分光路長及び上下調整幅に基づいて、所定の波長に対応する第一光路長差範囲を決定する。
【0320】
本開示の実施例によれば、所定の波長に対応する第一同類感光面における各感光面の入射光の中心からの光源-プローブ距離は所定の波長に対応する所定の光源-プローブ距離範囲内にあり、ここで、所定の光源-プローブ距離範囲は、所定の波長に対応する浮動基準位置の入射光の中心からの光源-プローブ距離に基づいて決定される。
【0321】
本開示の実施例によれば、測定結果の確実性をさらに向上させるために、浮動基準方法に基づいて、感光面の位置を設定することができる。ここで、浮動基準方法について以下に説明する。
【0322】
被測定対象に対して、入射光が組織に入ると吸収作用及び散乱作用が発生し、吸収作用により、光エネルギーを直接的に減衰させ、散乱作用により、光子伝送の方向を変化させることにより出射光の分布に影響を与え、出射光の分布は両者が共同作用する結果である。浮動基準方法に基づいて、被測定組織成分に対して、入射光の中心からのある位置が存在し、該位置において、吸収作用及び散乱作用による出射光の出力光強度に対する影響の程度が同じであるが方向が逆であるため、出射光が被測定組織成分の濃度変化に対して敏感ではないことをもたらす。このような特徴を有する位置を基準位置(または、参照位置)と呼ぶことができる。基準位置における出射光の出力光強度は、測定過程における被測定組織成分以外の他の外乱に対する応答を反映している。同時に、被測定組織成分に対して、入射光の中心からのある位置も存在し、該位置での出射光の出力光強度の被測定組織成分の濃度変化に対する感度が感度閾値以上である。このような特徴を有する位置を測定位置と呼ぶことができる。測定位置における出射光の出力光強度は測定過程における被測定組織成分に対する応答、及び、被測定組織成分以外の他の干渉に対する応答を反映する。そして、基準位置及び測定位置は波長によって異なり、被測定対象によって異なり、測定領域によって異なるため、基準位置を浮動基準位置と呼ぶことができる。
【0323】
本開示の実施例によれば、浮動基準位置で出射された出射光の出力光強度は主に測定過程における被測定組織成分以外の他の干渉に対する応答を携帯するため、浮動基準位置から出射された出射光の出力光強度を差分測定に導入することができ、コモンモード干渉を最大限に弱め、有効情報を小さい程度に損失することができる。上記に基づいて、被測定対象の測定領域が決定した場合、所定の波長ごとに、M個の感光面において、少なくとも一つの感光面の入射光の中心からの光源-プローブ距離が所定の波長に対応する所定の光源-プローブ距離範囲内にあり、所定の光源-プローブ距離範囲は、所定の波長に対応する浮動基準位置から入射光の中心までの距離に基づいて決定される。本開示の実施例において、第一同類感光面における各感光面の入射光の中心からの光源-プローブ距離を所定の波長に対応する所定の光源-プローブ距離範囲内にすることができる。
【0324】
例示的には、例えば被測定対象Aの測定領域Bに対して、所定の波長λに対応する浮動基準位置の入射光の中心からの距離が1.7mmである場合、所定の波長λに対応する所定の光源-プローブ距離範囲は1.5mm~1.9mmであってもよい。
【0325】
上記に基づいて、参照位置に対応する同類感光面と測定位置に対応する同類感光面を決定することができ、参照位置に対応する同類感光面に採集された出力光強度を第一出力光強度と呼び、測定領域に対応する同類感光面に採集された出力光強度を第二出力光強度と呼ぶ。又は、測定領域に対応する同類感光面に採集された出力光強度を第一出力光強度と呼び、参照位置に対応する同類感光面に採集された出力光強度を第二出力光強度と呼ぶ。
【0326】
本開示の実施例によれば、所定の波長に対応する少なくとも一つの出力光強度に基づいて、被測定組織成分の濃度を決定することは、以下の操作を含むことができる。
【0327】
所定の波長に対応する少なくとも一つの出力光強度から第三出力光強度を決定する。所定の波長に対応する第三出力光強度に基づいて、被測定組織成分の濃度を決定する。
【0328】
本開示の実施例によれば、非差分測定方法を採用して組織成分の測定を行い、すなわち、所定の波長に対応する第三出力光強度に基づいて、被測定組織成分の濃度を決定することができる。
【0329】
本開示の実施例によれば、所定の波長に対応する第三出力光強度は、所定の波長に対応する同類感光面により採集されて得られ、同類感光面における各感光面の異なる感光位置で受信された出射光の平均光路長と所定の波長に対応する最適な光路長との差は第二光路長差範囲に属する。
【0330】
本開示の実施例によれば、測定結果の確実性を向上させるために、被測定対象の測定領域が決定した場合に、所定の波長に対して、第三出力光強度を採集するための同類感光面のうちの異なる感光位置で受信された出射光の平均光路長を該所定の波長に対応する最適な光路長に近接させ、第三出力光強度を採集するための同類感光面における異なる感光位置で受信された出射光の平均光路長と該所定の波長に対応する最適な光路長との差の絶対値が第二光路長差範囲以下であるようにすることができる。該所定の波長に対応する最適な光路長は、該所定の波長において、被測定組織の成分感度が最大になる時に対応する光路長であると理解することができる。
【0331】
本開示の実施例によれば、所定の波長に対応する第三出力光強度に基づいて、被測定組織成分の濃度を決定することは、以下の操作を含むことができる。
【0332】
所定の波長に対応する第三出力光強度を第三組織成分濃度予測モデルに入力し、被測定組織成分の濃度を出力する。
【0333】
本開示の実施例によれば、第三組織成分濃度予測モデルは以下の方式で生成することができ、第四トレーニングサンプルセットを取得し、ここで、第四トレーニングサンプルセットは複数の第四トレーニングサンプルを含み、ここで、各第四トレーニングサンプルは被測定対象組織成分の第三実際濃度及び第三実際濃度に対応する出力光強度を含み、第四トレーニングサンプルセットに基づいて、第三組織成分濃度予測モデルを確立する。
【0334】
第四所定の条件を満たす場合、被測定組織成分の第三目標濃度を取得し、第三目標濃度に対応する出力光強度を取得し、第三目標濃度に対応する出力光強度及び第三目標濃度に基づいて、第三組織成分濃度予測モデルを補正し、補正後の第三組織成分濃度予測モデルを利用して新たな出力光強度を処理し、新たな被測定組織成分の濃度を取得する。
【0335】
第五所定の条件を満たす場合に、新たな第三組織成分濃度予測モデルを利用して新たな出力光強度を処理し、新たな被測定組織成分の濃度を取得する。
【0336】
本開示の実施例によれば、所定の波長に対応する第三出力光強度に基づいて、被測定組織成分の濃度を決定することは、以下の操作を含むことができる。
【0337】
複数の干渉パラメータにおける各干渉パラメータの現在の干渉パラメータ値を取得する。複数の現在の干渉パラメータ値と所定の波長に対応する第三出力光強度を第四組織成分濃度予測モデルに入力し、被測定組織成分の濃度を出力する。
【0338】
本開示の実施例によれば、第四組織成分濃度予測モデルは以下の方式で生成することができ、第五トレーニングサンプルセットを取得し、ここで、第五トレーニングサンプルセットは複数の第五トレーニングサンプルを含み、ここで、各第五トレーニングサンプルは被測定対象組織成分の第四実際濃度及び第四実際濃度に対応する出力光強度を含み、第六トレーニングサンプルセットを取得し、ここで、第六トレーニングサンプルセットは複数の第六トレーニングサンプルを含み、ここで、各第六トレーニングサンプルは複数の干渉パラメータにおける各干渉パラメータのトレーニング干渉パラメータ値及び各トレーニング干渉パラメータ値に対応する光強度値を含み、第六トレーニングサンプルセットに基づいて、補正すべき組織成分濃度予測モデルを確立し、第六トレーニングサンプルセットに基づいて、補正パラメータモデルを確立し、補正すべき組織成分濃度予測モデル及び補正パラメータモデルに基づいて、第四組織成分濃度予測モデルを取得する。
【0339】
第四所定の条件を満たす場合、被測定組織成分の第四目標濃度を取得し、第四目標濃度に対応する出力光強度を取得し、複数の干渉パラメータにおける各干渉パラメータの現在の干渉パラメータ値を取得し、第四目標濃度、複数の干渉パラメータ値及び第四目標濃度に対応する出力光強度に基づいて、第四組織成分濃度予測モデルを補正し、補正後の第四組織成分濃度予測モデルを利用して新たな出力光強度及び新たな複数の現在の干渉パラメータ値を処理し、新たな被測定組織成分の濃度を取得する。
【0340】
第五所定の条件を満たす場合に、新たな第四組織成分濃度予測モデルを利用して新たな出力光強度及び新たな複数の現在の干渉パラメータ値を処理し、新たな被測定組織成分の濃度を取得する。
【0341】
本開示の実施例によれば、各感光面は環状感光面又は非環状感光面を含み、異なる感光面の形状が同じであるか又は異なる。
【0342】
本開示の実施例によれば、各感光面は感光性材料で製造されてもよい。環状感光面は方位位置決めの問題を回避することができ、小さい光源-プローブ距離範囲内に広い面積の設計を実現することができる。説明すべきものとして、生体組織成分の測定において、光源-プローブ距離は比較的に重要な物理量であり、したがって、小さい光源-プローブ距離範囲内に広い面積を実現する設計は非常に有意義である。
【0343】
本開示の実施例によれば、いくつかの場合に、非環状感光面を採用することは以下の有益な効果を有する。
【0344】
その一、測定結果が測定領域により影響されるため、一般的には感光面が測定に有利な測定領域に設置されると、感光面が測定に干渉がある測定領域に設置されることと比べて、感光面が測定に有利な測定領域に設置されると、測定結果がより良好であり、したがって、組織構造特徴に基づいて感光面を適切な位置に設置することができる。非環状感光面が、測定に干渉がある測定領域、例えば血管又は創傷領域を容易に回避することができるため、非環状感光面を採用すれば良好な効果を有する。
【0345】
その二、組織の不均一性のため、同一の入射光の組織内での伝送経路が異なる可能性があり、さらに異なる出射位置の出射光に対応する平均光路長が異なる。被測定組織成分を血糖とすることを例とし、一般的には真皮層が血糖信号の主な供給源であるため、出射光が主に真皮層で伝送された後に得られた出射光であることが必要であり、それに応じて、出射光に対応する平均光路長に一定の要求がある。
【0346】
平均光路長に対する要求に基づいて対応するサイズの環状感光面を設計すると仮定すると、該環状感光面の異なる感光位置で受信された出射光に対応する平均光路長が基本的に類似しかつ主に真皮層を通過する出射光であり、平均光路長が平均光路長範囲C内にあると考えられる。この場合、皮膚組織が均一であれば、上記結論は実際の状況に合致する。しかし、一般的には皮膚組織は均一ではないため、同一の環状感光面の異なる感光位置で受信された出射光に対応する平均光路長の差異が大きく、例えば、環状感光面の一部の感光位置で受信された出射光に対応する平均光路長は基本的に類似し、いずれも平均光路長範囲C内にあり、該環状感光面の他の一部の感光位置で受信された出射光に対応する平均光路長は前述と大きく異なり、平均光路長範囲C内にない。出射光の平均光路長は平均光路長範囲C内にあれば出射光が主に真皮層を通過する出射光であることを説明することができ、平均光路長範囲C内にない出射光は主に真皮層を通過する出射光ではない可能性があり、同時に、環状感光面は一つの出力光強度を出力し、したがって、皮膚組織が不均一である場合に、環状感光面により取得された出力光強度の信号品質が高くなく、さらに測定結果の確実性に影響を与える。
【0347】
非環状感光面は実際の状況に応じて設置することができ、上記例を例として、平均光路長範囲C内にない平均光路長が平均光路長範囲D内にあると仮定し、二つの非環状感光面を採用することができ、ここで、一つの非環状感光面は、出射光の平均光路長が平均光路長範囲C内にある出射光の光強度値を受信することに用いられ、別の非環状感光面は、出射光の平均光路長が平均光路長範囲D内にある出射光の光強度値を受信することに用いられ、二つの非環状感光面の出力光強度は実際に一致し、測定結果の確実性を保証することに役立つ。
【0348】
その三、脈波に基づく時間差分測定方法を用いて組織成分測定を行う場合、脈拍信号を十分に利用する必要があり、すなわち、収縮期光強度及び拡張期光強度の差をできるだけ大きくする必要がある。上記状況で、環状感光面の大部分が血管の上方に位置せず、脈波信号の採集効果に影響を与えるため、収縮期光強度と拡張期光強度との差異程度を低減する。これによれば、環状感光面を採用して得られた収縮期光強度と拡張期光強度との差異程度は非環状感光面を採用して得られた収縮期光強度と拡張期光強度との差異程度よりも小さい。
【0349】
その四、組織の不均一性及び生理的背景変動の出射光に対する影響により、入射光の中心から同じ光源-プローブ距離を有する異なる感光面で受信された出射光の平均光路長に差異がある可能性があり、したがって、入射光の中心から同じ光源-プローブ距離を有する異なる感光面で採集された出力光強度を用いて差分演算を行うことにより、組織成分測定を行うことができる。上記非環状感光面により実現することができ、即ち同一の光源-プローブ距離に対して、入射光の中心を中心として、少なくとも二つの非環状感光面を離散的に設置することにより、二つの出力光強度を出力することを実現することができる。
【0350】
その五、製造プロセスの難易度が小さく、製造コストが低い。
【0351】
以下に図14を参照して第四態様を説明する。図14は、本開示の実施例に係る差分測定の概略図を概略的に示す。図14に示すように、図14は、四つのファンリング感光面を含み、それぞれファンリング感光面1、ファンリング感光面2、ファンリング感光面3及びファンリング感光面4であり、四つのファンリング感光面が単独で使用され、各ファンリング感光面が対応する一つの出力光強度を有する。四つのファンリング感光面の中心から入射光の中心までの距離が同じであり、即ち同じ光源-プローブ距離を有する。組織の不均一性によりファンリング感光面1とファンリング感光面2が受信した出射光に対応する平均光路長が異なるため、ファンリング感光面1で採集された出力光強度とファンリング感光面2で採集された出力光強度に基づいて差分演算を行い、差分測定を実現することができる。
【0352】
本開示の実施例によれば、非環状感光面はファンリング感光面、円形感光面、扇形感光面、楕円形感光面又は多角形感光面を含む。
【0353】
本開示の実施例によれば、多角形感光面は正方形感光面、長方形感光面又は三角形感光面を含む。
【0354】
本開示の実施例によれば、実際の状況に応じて中心角を設計することにより、対応するファンリング感光面を得ることができる。例えば、中心角が90°であるファンリング感光面、中心角が180°であるファンリング感光面、中心角が45°であるファンリング感光面を取得することができる。
【0355】
本開示の実施例によれば、図15は、本開示の実施例に係る環状感光面の概略図を概略的に示す。図16は、本開示の実施例に係るファンリング感光面の概略図を概略的に示す。図17は、本発明の実施例に係る円形感光面の概略図を概略的に示す。図18は、本開示の実施例に係る正方形感光面の概略図を概略的に示す。
【0356】
本開示の実施例によれば、同類感光面は環状感光面又は非環状感光面を含み、そのうち、同類感光面は一つ又は複数の感光面を含み、同類感光面は一つの出力光強度を出力するために用いられる。
【0357】
本開示の実施例によれば、同類感光面は環状感光面又は非環状感光面であってもよく、即ち全体として、同類感光面は環状感光面又は非環状感光面として呈する。同類感光面が含む感光面の数に基づいて、全体的に呈する形状が一つの単独の感光面で形成されるか、又は複数の感光面の組み合わせで形成されるかを決定することができる。ここで、同類感光面における各感光面の形状は環状感光面であってもよく、非環状感光面であってもよい。
【0358】
本開示の実施例によれば、同類感光面が環状感光面であることは、同類感光面が一つの感光面を含む場合、同類感光面が独立した環状感光面であることを含むことができる。同類感光面が複数の感光面を含む場合、同類感光面は複数の感光面の組み合わせにより形成された環状感光面である。同類感光面が非環状感光面であることは、同類感光面が一つの感光面を含む場合、同類感光面が独立した非環状感光面であることを含むことができる。同類感光面が複数の感光面を含む場合、同類感光面は複数の感光面の組み合わせにより形成された非環状感光面である。
【0359】
本開示の実施例によれば、組み合わせに参加する複数の感光面が緊密に配列されることにより、隣接する感光面の間に隙間がないことをできるだけ保証する。現在、円形感光面又は方形感光面がよく見られ、製造プロセスの難易度が小さく、製造コストが低く、他の形状の感光面は一般的にカスタマイズする必要があり、製造プロセスの難易度が大きく、製造コストが高く、したがって、製造コストにより制限されると、組み合わせ方式を採用して、複数の円形感光面及び/又は複数の正方形感光面を組み合わせて他の形状の同類感光面を形成することができる。ここで、方形は正方形および長方形を含む。
【0360】
また、感光面の製造コストは感光面の面積の大きさにも関連し、一般的には感光面の面積が大きいほど、製造コストが高くなる。広い面積の感光面を必要とし、現在、複数の小さい面積の感光面が存在すれば、製造コストを低減するために、複数の小さい面積の感光面を組み合わせて、広い面積の感光面を得ることができる。
【0361】
本開示の実施例によれば、同類感光面の目標部位からの距離が第二距離閾値以上であると決定した場合、同類感光面は環状感光面、ファンリング感光面、扇形感光面、円形感光面又は正方形感光面を含む。
【0362】
本開示の実施例によれば、同類感光面の目標部位からの距離が第二距離閾値以上であると決定した場合、実際の出射光のブレ状況に基づいて、適切な形状の感光面を選択することができ、それによりブレによる測定に対する悪影響を最大限に弱める。
【0363】
目標部位は、ブレが発生する部位であってもよい。振動を引き起こすソースの一つが脈拍の拍動であり、脈拍の拍動が血管に関連するため、目標部位は血管であってもよい。一般的には血管に近い出射光のブレ分布は一定の方向性を有し、血管から離れた出射光のブレ分布が均一であり、方向性を有しない。
【0364】
同類感光面が目標部位(例えば目標血管)から離れると、出射光のブレ分布が均一であると説明することができ、この場合に、環状感光面、ファンリング感光面、扇形感光面、円形感光面又は正方形感光面を選択することができる。同類感光面が目標部位から離れると、同類感光面における各感光面の目標部位からの距離が第二距離閾値以上であると理解されることができる。同類感光面における各感光面の目標部位からの距離が第二距離閾値以上であることは、同類感光面における目標部位に最も近い感光面のエッジから目標部位までの距離が第二距離閾値以上であり、又は、同類感光面が目標部位に接触せず、かつ同類感光面における目標部位に最も近い感光面の中心から目標部位までの距離が第二距離閾値以上であることを含むことができる。
【0365】
同類感光面が目標部位から離れる場合、同類感光面における各感光面の異なる感光位置で受信された出射光の平均光路長が光路長閾値以下であれば、出射光のブレ状況が光路長により影響されることを説明することができ、ここで、出射光の平均光路長が大きいほど、出射光のブレ状況が明らかになり、逆であれば、出射光のブレ状況が明らかにならない。この場合、入射光の中心から遠い位置に対応する弧長を長く設計することができ、これにより環状感光面、ファンリング感光面又は扇形感光面を選択することができる。
【0366】
同類感光面が目標部位から離れる場合、同類感光面における各感光面の異なる感光位置で受信された出射光の平均光路長が光路長閾値より大きければ、出射光のブレ状況が光路長とほぼ無関係であると説明することができる。この場合、円形感光面又は正方形感光面を選択することができる。
【0367】
本開示の実施例によれば、同類感光面がファンリング感光面である場合、同類感光面が一つの感光面を含む場合、ファンリング感光面は独立したファンリング感光面である。同類感光面が複数の感光面を含む場合、ファンリング感光面は複数の感光面の組み合わせにより形成された感光面である。同様に、同類感光面が環状感光面、円形感光面、正方形感光面又は扇形感光面を含む場合に対して、独立して形成された同類感光面又は組み合わせて形成された同類感光面であってもよい。
【0368】
説明すべきものとして、現在、円形感光面又は方形感光面がよく見られ、製造プロセスの難易度が小さく、製造コストが低く、他の形状の感光面は一般的にカスタマイズする必要があり、製造プロセスの難易度が大きく、製造コストが高く、したがって、製造コストによって制限されると、同類感光面の目標部位からの距離が第二距離閾値以上であると決定した場合、同類感光面は円形感光面又は方形感光面を含む。
【0369】
本開示の実施例によれば、同類感光面の目標部位からの距離が第三距離閾値以下であると決定した場合、同類感光面の形状は出射光のブレ分布に基づいて決定される。
【0370】
本開示の実施例によれば、同類感光面が目標部位(例えば、目標血管)に近接すれば、出射光のブレ分布が一定の方向性を有することを説明することができる。この場合、同類感光面の形状を出射光のブレ分布に基づいて決定することができる。代替的に、同類感光面の形状と出射光のブレ分布は類似図形である。例示的には、出射光のブレ分布が楕円形状であれば、同類感光面の形状が楕円感光面であるように設計することができる。又は、出射光のブレ分布が長方形であれば、同類感光面の形状が長方形感光面であるように設計することができる。又は、出射光のブレ分布が菱形である場合、同類感光面の形状が菱形感光面であるように設計することができる。
【0371】
本開示の実施例によれば、出射光のブレ分布は、第一方向に沿ったブレ分布と第二方向に沿ったブレ分布を含み、第一方向と第二方向は互いに垂直であり、同類感光面の第一方向に沿った長さと同類感光面の第二方向に沿った長さとの比率は、出射光の第一方向に沿ったブレ幅と出射光の第二方向に沿ったブレ幅との比率に基づいて決定され、出射光の第一方向に沿ったブレ幅は最大である。
【0372】
本開示の実施例によれば、出射光のブレ分布は二つの互いに垂直な方向に沿ったブレ分布を含み、そのうち、この二つの互いに垂直な方向のブレ分布は出射光のブレをこの二つの互いに垂直な方向に分解して得られ、二つの互いに垂直な方向はそれぞれ第一方向と第二方向と呼ばれ、ここで、出射光の第一方向に沿ったブレ幅が最大であれば、出射光の第一方向に沿ったブレ幅と第二方向に沿ったブレ幅との比率に基づいて、同類感光面の第一方向に沿った長さと第二方向に沿った長さとの比率を設定することができ、同類感光面の第一方向に沿った長さと第二方向に沿った長さとの比率を、出射光の第一方向に沿ったブレ幅と第二方向に沿ったブレ幅との比率以上にすることができる。
【0373】
例示的に、例えば第一方向及び第二方向はそれぞれ直交座標系におけるY軸方向及びX軸方向であれば、出射光のY軸方向に沿ったブレ幅とX軸方向に沿ったブレ幅との比率は、V/Vとして示され、同類感光面のY軸方向に沿った長さとX軸方向に沿った長さとの比率は、dy/dxとして示され、(dy/dx)≧(V/V)となる。
【0374】
本開示の実施例によれば、同類感光面は長方形感光面又は楕円形感光面を含み、長方形感光面の長さと幅の比率は、出射光の第一方向に沿ったブレ幅と出射光の第二方向に沿ったブレ幅との比率に基づいて決定され、楕円形感光面の長軸と短軸の比率は、出射光の第一方向に沿ったブレ幅と出射光の第二方向に沿ったブレ幅との比率に基づいて決定される。
【0375】
本開示の実施例によれば、同類感光面の目標部位からの距離が第三距離閾値以下であれば、出射光のブレ分布は第一方向に沿ったブレ分布と第二方向に沿ったブレであり、第一方向と第二方向が互いに垂直であれば、同類感光面は長方形感光面又は楕円形感光面を含むことができる。ここで、長方形感光面の長さと幅との比率は、出射光の第一方向に沿ったブレ幅と第二方向に沿ったブレ幅との比率以上である。楕円形感光面の長軸と短軸との比率は、出射光の第一方向に沿ったブレ幅と第二方向に沿ったブレ幅との比率以上である。
【0376】
本開示の実施例によれば、各出力光強度は一つ又は複数の感光面により採集された出射光の光強度値に基づいて処理して得られることは、以下の操作を含むことができる。
【0377】
一つ又は複数の感光面を組み合わせて使用することにより、一つの出力光強度を出力する。又は、一つ又は複数の感光面における各感光面を単独で使用する場合に、各感光面が採集した出射光の光強度値を計算して一つの出力光強度を得る。
【0378】
本開示の実施例によれば、一つの出力光強度を出力するための感光面を同類感光面と呼び、同類感光面は一つ又は複数の感光面を含むことができる。ここで、異なる感光面を組み合わせて使用する条件は、各感光面が受信した出射光の平均光路長が平均光路長範囲内にあることであってもよい。平均光路長範囲は、第一平均光路長閾値以上かつ第二平均光路長閾値以下の範囲であってもよい。第一平均光路長閾値及び第二平均光路長閾値は、光路長平均値及び光路長変化幅に応じて決定することができる。光路長平均値は、同類感光面の各感光位置で受信した出射光の平均光路長から算出した平均値である。
【0379】
感光面は、一般的に該感光面に対応する増幅回路と組み合わせて使用されることにより、一つの光強度値を出力する。同類感光面がより正確な出力光強度を出力することができるために、同類感光面における各感光面の光応答率と該感光面と組み合わせて使用される増幅回路の増幅倍数との積が所定値である必要があり、各感光面の光応答率と該感光面と組み合わせて使用される増幅回路の増幅倍数とが同一の所定値であることを確保する場合に、同類感光面が一つの出力光強度を出力することを実現する。感光面の光応答率と該感光面と組み合わせて使用された増幅回路の増幅倍数との積が同一の所定値ではない場合、対応する方法によって積を同じ所定値にする必要がある。
【0380】
ハードウェア又はソフトウェア方式を採用して同類感光面が一つの出力光強度を出力することを実現することができる。
【0381】
方式一、ハードウェア方式。同類感光面における異なる感光面のカソード同士を電気的に接続しかつアノード同士を電気的に接続することができ、即ち異なる感光面の間のカソード共通かつアノード共通の電気的接続を実現する。この場合、異なる感光面を並列接続することにより、一つ又は複数の感光面の組み合わせ使用を実現することに相当し、これにより、一つの出力光強度を出力する。説明すべきものとして、異なる感光面の光応答率が一致することをできるだけ保証する必要があり、より正確な出力光強度を得る。
【0382】
方式二、ソフトウェア方式。同類感光面における異なる感光面の間のカソードが接続されずかつアノード同士が接続されず、即ち各感光面が単独で使用され、一つの光強度値を出力する。各感光面に対応する光強度値を取得した後、対応するアルゴリズムを採用して同類感光面における各感光面の光強度値を加重加算して、一つの出力光強度を得ることができる。
【0383】
代替的に、同類感光面に対応する出力光強度は以下の式(2)及び(3)により決定することができる。
【0384】
【数2】
【0385】
【数3】
【0386】
ここで、Iは、同類感光面に対応する出力光強度を示し、Iは、感光面iに対応する光強度値を示し、i∈{1,2,……,N-1,N}であり、Nは、同類感光面に含まれる感光面の数を示し、1≦N≦Mであり、Mは、感光面の総数を示し、αは、感光面iに対応する重み付け係数を示し、Hは、所定値を示し、βは、感光面iに対応する光応答率を示し、γは、感光面iと組み合わせて使用される増幅回路の増幅倍数を示す。
【0387】
本開示の実施例によれば、所定の波長に対応する少なくとも一つの出力光強度に基づいて、被測定組織成分の濃度を決定することは、以下の操作を含むことができる。
【0388】
所定の波長に対応する少なくとも一つの重畳光強度を決定し、ここで、重畳光強度は所定の波長に対応する複数の出力光強度に基づいて加算して得られる。所定の波長に対応する少なくとも一つの重畳光強度に基づいて、被測定組織成分の濃度を決定する。
【0389】
本開示の実施例によれば、被測定組織成分の濃度を決定する時に、実際の状況によって、例えば単一の出力光強度の数値が小さく、又は出力光強度の信号対雑音比が低いことによって、取得されたデータを柔軟に利用することができ、それにより測定結果の確実性を向上させる。
【0390】
上記に基づいて、所定の波長に対応する少なくとも一つの重畳光強度に基づいて、被測定組織成分の濃度を決定し、ここで、重畳光強度は複数の出力光強度に基づいて加算して得られる。出力光強度は、拡散光(すなわち、出射光)の光強度である。
【0391】
本開示の実施例によれば、所定の波長は被測定組織成分に敏感な波長である。
【0392】
本開示の実施例によれば、測定結果の確実性を向上させるために、所定の波長は被測定組織成分に敏感な波長であってもよい。例示的には、例えば所定の波長は1550nm又は1609nmであってもよい。
【0393】
本開示の実施例によれば、測定領域の温度は組織成分の測定過程において所定の温度範囲内に保持される。
【0394】
本開示の実施例によれば、測定領域の温度変化は測定結果の確実性に影響を与えるため、測定結果の確実性をできるだけ保証するために、温度制御方法に基づいて測定領域の温度が組織成分の測定過程において所定の温度範囲内に保持するように制御することができる。
【0395】
本開示の実施例によれば、感光面は、初期感光面にマスク板を設置した後に得られ、マスク板の光透過率は光透過率閾値以下である。
【0396】
本開示の実施例によれば、マスク板の形状は出射光のブレ分布形状に基づいて決定される。
【0397】
本開示の実施例によれば、現在、円形感光面又は方形感光面がよく見られ、製造プロセスの難易度が小さく、製造コストが低く、他の形状の感光面は一般的にカスタマイズする必要があり、製造プロセスの難易度が大きく、製造コストが高く、したがって、製造コストによって制限されると、初期感光面にマスク板を設置する方式を採用することができ、ここで、初期感光面におけるマスク板により遮蔽された部分は、マスク板の光透過率が光透過率閾値以下であるため、光強度値を受信しにくい。
【0398】
上記に基づいて、実際に必要な形状及び面積に基づいて、マスク板の形状及び位置を設定することにより、所定の形状及び面積の感光面を得ることを実現することができる。ここで、実際に必要な形状及び面積は出射光のブレ分布状況に基づいて決定することができる。
【0399】
例示的に、図19は、本開示の実施例に係る初期感光面にマスク板を設置して感光面を得る概略図を概略的に示す。図19において初期感光面は正方形感光面であり、感光面は円形感光面である。
【0400】
本開示の実施例によれば、入射光が測定領域に照射されるスポットの強度分布が均一である。
【0401】
本開示の実施例によれば、被測定対象がより広い要求で組織成分測定を行うことができ、それにより測定結果の確実性をよりよく保証するために、入射光が測定領域に照射されたスポットの強度分布が均一であることを保証する方式を採用して実現することができる。同時に、入射光が測定領域に照射されたスポットの強度分布が均一であるほど、制御可能な測定条件の再現性に対する要求が低くなり、差分測定方法を採用して制御不能な測定条件による測定結果への影響を抑制する効果が高くなり、これにより、測定結果の確実性をよりよく保証することができる。また、入射光のスポットの測定領域での強度分布を均一にする措置が入射光の光エネルギーをある程度減衰させ、組織成分測定が入射光の光エネルギーが小さすぎることができないことを要求するため、入射光のスポットの測定領域での強度分布が均一であることをできるだけ保証する場合に、入射光の光エネルギー減衰ができるだけ小さい必要がある。また、入射光がファイバ伝送方式を採用して実現されると、入射光のスポットの測定領域での分布が均一であり、光ファイバブレによる測定結果への悪影響を低減する。
【0402】
本開示の実施例によれば、入射光が測定領域に照射されるスポットの面積はスポット面積閾値以上である。
【0403】
本開示の実施例によれば、被測定対象に対してより広い要求で組織成分測定を行うことができ、測定結果の確実性をよりよく保証するために、入射光を測定領域に照射するスポットの面積がスポット面積閾値以上となる方式によって実現することができる。同時に、一定の範囲内に、入射光が測定領域に照射されたスポットの面積が大きいほど、制御可能な測定条件の再現性に対する要求が低くなり、差分測定方法を採用して制御不能な測定条件による測定結果への影響を抑制する効果が高くなり、これにより、測定結果の確実性をよりよく保証することができる。ここで、スポット面積閾値は実際の状況に応じて設定することができ、ここで具体的に限定しない。また、入射光がファイバ伝送方式を採用して実現されると、入射光を測定領域に照射するスポットの面積をスポット面積閾値以上にさせ、ファイバブレによる測定結果への悪影響を低減する。
【0404】
なお、測定結果の確実性を向上させるために、以下の三つの態様をできるだけ保証する必要があり、その一、組織成分を実現するための測定装置は所望組織成分濃度変化を感知する能力を有する。その二、制御不能な測定条件の変動による測定結果への影響を減少させる。その三、制御可能な測定条件を制御する。本開示の実施例が提供する技術案は上記三つの態様を保証する。
【0405】
組織成分を実現するための測定装置は所望組織成分濃度変化を感知する能力を有し、大面積の感光面を採用することにより、高い出射光を受信することの安定性及び効率を実現する。制御不能な測定条件の変動による測定結果への影響を低減するために、差分測定方法を採用して実現する。制御可能な測定条件に対して、効果的な制御方法を採用して実現する。
【0406】
図20は、本開示の実施例に係る組織成分測定装置のブロック図を概略的に示す。
【0407】
図20に示すように、組織成分測定装置2000は、光源モジュール2010、採集モジュール2020及び処理モジュール2030を含む。
【0408】
光源モジュール2010は、単一の所定の波長の入射光で測定領域を照射するために用いられ、ここで、各ビームの入射光が測定領域を通過した後に少なくとも一つの出射位置から出射して少なくとも一つの出射光を形成し、入射光の入射位置が少なくとも一つを含む。
【0409】
採集モジュール2020は、採集モジュールはM個の感光面を含み、各感光面は感光面に対応する所定のブレ防止範囲内の出射位置から出射された出射光の光強度値を採集することができ、採集モジュールはM個の感光面により採集された各出射光に対応する光強度値を取得し、T個の出力光強度を取得するために用いられ、ここで、各出力光強度は一つ又は複数の感光面により採集された出射光の光強度値に基づいて処理され、1≦T≦Mである。
【0410】
処理モジュール2030は、所定の波長に対応する少なくとも一つの出力光強度に基づいて、被測定組織成分の濃度を決定するために用いられる。
【0411】
本開示の実施例の技術案によれば、前記感光面は、対応する所定の外乱防止範囲内の出射位置から出射された出射光の光強度値を採集することができ、上記特性を有する感光面は感光面における出射光を安定して受信できる面積が該感光面の面積に占める割合を向上させ、したがって、出射光の安定性を向上させ、さらにブレによる出射光の強度分布の変化による悪影響を低減し、それにより測定結果の確実性を向上させる。同時に、単一の所定の波長を用いて上記特性を有する感光面を組み合わせて組織成分の測定を行い、実際の被測定組織成分信号を直接取得する。単一の所定の波長を用いて組織成分の測定を行い、光源モジュールの体積及び構造複雑度を減少させ、さらに装置及び機器の体積及び構造複雑度を減少させ、ポータブル測定を容易にし、電源モジュールの容量に対する要求を低減し、かつ製造コストを低減する。また、データ処理量を減少させる。
【0412】
本開示の実施例によれば、各感光面が受信した出射光の目標組織層における平均光路長が総光路長を占める割合は比例閾値以上であり、ここで、総光路長は出射光の測定領域内で伝送された総距離である。
【0413】
本開示の実施例によれば、同類感光面の総面積は測定領域内の組織構造特徴に基づいて決定され、そのうち、同類感光面は一つ又は複数の感光面を含み、同類感光面は一つの出力光強度を出力するために用いられる。
【0414】
本開示の実施例によれば、各感光面の面積と感光面の周長との比率は比率閾値以上である。
【0415】
本開示の実施例によれば、比率閾値は0.04mm以上である。
【0416】
本開示の実施例によれば、感光面は測定領域の表面と接触又は非接触である。
【0417】
本開示の実施例によれば、感光面の測定領域の表面からの距離が第一距離閾値以下でありかつ感光面が出射光を受信する効率が効率閾値以上である。
【0418】
図21に示すように、本開示の実施例によれば、該組織成分測定装置2000はさらに第一決定モジュール2040、第二決定モジュール2050及び設置モジュール2060を含む。
【0419】
第一決定モジュール2040は、位置決め特徴を決定するために用いられる。第二決定モジュール2050は、位置決め特徴に基づいて、測定領域を決定するために用いられ、ここで、測定領域が制御可能な測定条件の再現性を満たす領域である。設置モジュール2060は、測定プローブを測定領域に対応する位置に設置するために用いられ、ここで、測定プローブはM個の感光面を含む。
【0420】
本開示の実施例によれば、位置決め特徴は第一姿勢位置決め特徴及び領域位置決め特徴を含む。
【0421】
第二決定モジュールは第一調整ユニット及び第一決定ユニットを含む。
【0422】
第一調整ユニットは、第一姿勢位置決め特徴に基づいて、被測定対象の現在の測定姿勢を目標測定姿勢に調整するために用いられ、ここで、目標測定姿勢が制御可能な測定条件の再現性を満たす測定姿勢である。第一決定ユニットは、現在の測定姿勢が目標測定姿勢である場合、領域位置決め特徴に基づいて、測定領域を決定するために用いられる。
【0423】
図22に示すように、本開示の実施例によれば、該組織成分測定装置2000はさらに固定部2080を含み、固定部2080は測定プローブ2070を測定領域に対応する位置に設置するために用いられ、ここで、固定部2080と測定プローブ2070は一体であり、部分的に個別又は全部が個別である。
【0424】
本開示の実施例によれば、図22における固定部及び測定プローブは一体であってもよいか又は個別であってもよい。
【0425】
図23に示すように、本開示の実施例によれば、固定部2080は固定座2081及び第一係合部材2082を含む。
【0426】
第一係合部材2082は、固定座2081を測定領域に対応する位置に設置するために用いられるもの。固定座2081は、測定プローブ2070を固定するために用いられるもの。本開示の実施例によれば、第一係合部材20822070の硬度は第一硬度及び第二硬度を含み、ここで、第一硬度は第二硬度よりも小さく、第一硬度は第一係合部材2082が固定座2081を固定する過程で対応する硬度であり、第二硬度は第一係合部材2082が固定座2081を固定した後に対応する硬度である。
【0427】
本開示の実施例によれば、第一係合部材2082が固定座2081に対して固定作用を果たすことができるために、第一係合部材2082が硬い必要がある。同時に、第一係合部材2082が固定座2081を固定する時に生成する影響をできるだけ低減するために、第一係合部材2082が一定の柔軟性を有する必要がある。以上により、上記第一係合部材2082の硬度に要求が提出される。
【0428】
上記問題を解決するために、第一係合部材2082の硬度を変更する方式を採用してもよく、すなわち、第一係合部材2082の硬度は第一硬度及び第二硬度を含む。ここで、第一硬度は第一係合部材2082が固定座20812082を固定する過程で対応する硬度を示し、第二硬度は第一係合部材2082が固定座2081を固定した後に対応する硬度を示し、第一硬度が第二硬度よりも小さく、上記により、第一係合部材2082が固定の役割を果たすだけでなく、第一係合部材2082が固定座2081を固定する時に生じる影響をできるだけ低減することができる。
【0429】
本開示の実施例によれば、第一係合部材2082は第一マジックテープ(登録商標)又は第一テンションバンドを含む。
【0430】
例示的に、図24は、本開示の実施例に係る第一係合部材の概略図を概略的に示す。図24において第一係合部材2082はマジックテープである。マジックテープの毛面の材質が非常に柔らかいため、第一係合部材2082が固定座2081を固定する時に生成した影響を低減することができ、この時、第一係合部材2082の硬度は第一硬度である。同時に、それが固定作用を果たすために、第一係合部材2082が固定座2081を固定した後、フック面を毛面に貼り付け、第一係合部材2082の硬度を増加させ、この時、第一係合部材2082の硬度が第二硬度である。
【0431】
本開示の実施例によれば、第一係合部材2082が固定座2081を固定する過程で対応する硬度が第一硬度であるため、それは第一係合部材2082が固定座2081を固定する時に生成した影響を低減することができ、したがって、測定領域での皮膚の皮膚状態が第一係合部材2082を介して固定座2081を測定領域に対応する位置に設置する過程において第一所定の条件を満たすことをできるだけ保証することができる。
【0432】
本開示の実施例によれば、第一係合部材2082の硬度は第一硬度閾値以上で第二硬度閾値以下である。
【0433】
本開示の実施例によれば、第一係合部材2082の硬度要求を満たすために、上記方式に加えて、さらに硬度が第一硬度閾値以上でありかつ第二硬度閾値以下の材質を採用して第一係合部材2082を製造する方式を採用することができ、同様に第一係合部材2082が固定座2081に対して固定作用を果たすことができ、かつ第一係合部材2082が固定座2081を固定する時に生成する影響をできるだけ低減することができる。なお、第一硬度閾値及び第二硬度閾値は実際の状況に応じて設定することができ、ここで具体的に限定しない。
【0434】
図25に示すように、本開示の実施例によれば、該組織成分測定装置2000はさらに第一磁性部2090を含み、第一係合部材2082の全部又は一部が金属ヒンジであり、かつ第一磁性部2090が第一係合部材2082と係合して固定座2081を固定する。
【0435】
本開示の実施例によれば、第一係合部材2082の硬度要求を満たすために、上記方式に加えて、さらに第一係合部材2082の全部又は一部が金属ヒンジである方式を採用することができ、同様に第一係合部材2082が固定座2081に対して固定作用を果たすことができ、かつ第一係合部材2082が固定座20812082を固定する時に生成した影響をできるだけ低減することができる。
【0436】
固定作用について、実現方式は以下のとおりである。第一係合部材2082が固定座2081に対する固定を完了した後、第一磁性部2090を第一係合部材2082に吸着することにより、第一磁性部2090が第一係合部材2082に係合して固定座2081を固定し、上記により固定作用を果たすことができる。図25を参照することができる。図25は本開示の実施例に係る別の第一係合部材の概略図を概略的に示す。図25において第一係合部材2082の全ては金属ヒンジである。第一係合部材2082が固定座2081に対する固定を完了した後、第一磁性部2090を第一係合部材2082に吸着することができる。第一磁性部2090は、マイクロ電磁石であってもよい。
【0437】
また、金属ヒンジが強磁性金属であるため、金属が吸熱しやすく、金属ヒンジと皮膚が直接接触して皮膚の温度に大きな影響を与え、したがって、金属吸熱が皮膚の温度に与える影響を回避するために、金属ヒンジの下に断熱物を置く方式を採用することができる。代替的に、断熱材は綿布であってもよい。
【0438】
上記実現可能な理由は以下のとおりである:金属ヒンジの柔軟性が高いため、第一係合部材2082が固定座2081を固定する時に生成する影響を低減することができる。同時に、第一係合部材2082が固定座2081に対する固定を完了した後、第一係合部材2082に第一磁性部2090が吸着されるため、両者の係合により第一係合部材2082がより硬くなり、したがって、固定作用を実現することができる。
【0439】
説明すべきものとして、第一係合部材2082の全部又は一部が金属ヒンジであるため、金属ヒンジの柔軟性が高く、それは第一係合部材2082が固定座2081を固定する時に生成した影響を低減することができ、したがって、測定領域での皮膚の皮膚状態が第一係合部材2082を介して固定座2081を測定領域に対応する位置に設置する過程において第一所定の条件を満たすことをできるだけ保証することができる。
【0440】
本開示の実施例によれば、第一係合部材2082の表面に孔が設置される。
【0441】
本開示の実施例によれば、以下の少なくとも一つの方式により測定プローブ2070を固定座2081に固定する:測定プローブ2070はテープにより固定座2081に固定される。測定プローブ2070は、締結部材によって固定座2081に固定されている。測定プローブ2070は、磁力によって固定座2081に固定されている。測定プローブ2070と固定座2081との間の摩擦係数は摩擦係数閾値以上である。
【0442】
本開示の実施例によれば、測定プローブ2070が固定座2081に固定されることを実現し、かつ測定プローブ2070が固定座2081内に移動しないことを保証するために、以下の少なくとも一つの方式を採用することができる。
【0443】
方式一、テープにより測定プローブ2070を固定座2081に固定することができる。方式二、締結部材により測定プローブ2070を固定座2081に固定することができる。方式三、磁力により測定プローブ2070を固定座2081に固定することができる。方式四、測定プローブ2070と固定座2081との間の摩擦係数が摩擦係数閾値以上である。代替的に、固定座2081の材質はゴム、アルミニウム又はプラスチックを含む。
【0444】
本開示の実施例によれば、固定部2080は第二係合部材を含む。
【0445】
第二係合部材は、測定プローブ2070を測定領域に対応する位置に設置するために用いられる。
【0446】
本開示の実施例によれば、第二係合部材の硬度は第三硬度及び第四硬度を含み、ここで、第三硬度は第四硬度よりも小さく、第三硬度は第二係合部材が測定プローブ2070を固定する過程で対応する硬度であり、第四硬度は第二係合部材が測定プローブ2070を固定した後に対応する硬度である。
【0447】
本開示の実施例によれば、第二係合部材は第二マジックテープ又は第二テンションバンドを含む。
【0448】
本開示の実施例によれば、第二係合部材の硬度は第三硬度閾値以上でありかつ第四硬度閾値以下である。
【0449】
本開示の実施例によれば、該組織成分測定装置2000はさらに第二磁性部を含み、第二係合部材の全部又は一部が金属ヒンジであり、かつ第二磁性部が第二係合部材と係合して測定プローブ2070を固定する。
【0450】
本開示の実施例によれば、第二係合部材の表面に孔が設置される。
【0451】
本開示の実施例によれば、第二係合部材に関する関連説明は上記第一係合部材2082の説明を参照することができ、ここで詳しく説明しない。異なることは、第二係合部材が測定プローブ2070を固定することに用いられることである。
【0452】
本開示の実施例によれば、領域位置決め特徴は測定プローブ2070、固定部2080及び被測定対象のうちの少なくとも一種に設置される。
【0453】
第一決定ユニットは、第一投影特徴を取得する。領域位置決め特徴が第一投影特徴とマッチングしないと決定した場合、領域位置決め特徴が第一投影特徴とマッチングするまで、測定プローブ2070及び/又は固定部2080の位置を調整する。領域位置決め特徴が第一投影特徴とマッチングすると決定する場合、測定プローブ2070及び/又は固定部2080に対応する領域を測定領域として決定する。
【0454】
図26及び図27に示すように、本開示の実施例によれば、該組織成分測定装置2000はさらに領域位置決め部2100を含み、領域位置決め部2100は被測定対象、測定プローブ2070、固定部2080又は他の対象に設置され、領域位置決め部2100は第一投影特徴を投射するために用いられる。
【0455】
本開示の実施例によれば、領域位置決め部2100が測定プローブ2070に設置されると決定する場合、領域位置決め特徴は測定プローブに設置されない。領域位置決め部2100が固定部2080に設置されると決定する場合、領域位置決め特徴は固定部2080に設置されない。
【0456】
本開示の実施例によれば、図26は、本開示の実施例に係る領域位置決め部の概略図を概略的に示す。図26に測定プローブ2070及び固定部2080が示されず、領域位置決め部2100は第一投影特徴を投射するために用いられ、第一投影特徴は十字スポットである。領域位置決め特徴は十字マークである。
【0457】
図27は、本発明の実施例に係る別の領域位置決め部の概略図を概略的に示す。図27において領域位置決め部2100は測定プローブ2070及び固定部2080と一体であり、領域位置決め特徴は被測定対象の手の甲に設置される。領域位置決め部2100は第一投影特徴を投射するために用いられ、第一投影特徴は十字スポットである。
【0458】
本開示の実施例によれば、領域位置決め部2100は第一レーザを含む。
【0459】
本開示の実施例によれば、第一レーザは所定の形状のスポットを投射することにより、第一投影特徴を形成することができる。
【0460】
本開示の実施例によれば、第一決定ユニットは、第一目標画像を取得する。第一テンプレート画像を取得し、ここで、第一テンプレート画像は領域位置決め特徴を含む。第一目標画像が第一テンプレート画像とマッチングしないと決定した場合、新たな第一目標画像が第一テンプレート画像とマッチングするまで、測定プローブ2070及び/又は固定部2080の位置を調整することにより、新たな第一目標画像を取得する。第一目標画像が第一テンプレート画像とマッチングすると決定した場合、測定プローブ2070及び/又は固定部2080に対応する領域を測定領域として決定する。
【0461】
図28に示すように、本開示の実施例によれば、該組織成分測定装置2000はさらに第一画像採集部2110を含み、第一画像採集部2110は被測定対象、測定プローブ2070、固定部2080又は他の対象に設置され、第一画像採集部2110は第一目標画像を採集するために用いられる。
【0462】
本開示の実施例によれば、図28は本開示の実施例に係る第一画像採集部の概略図を概略的に示す。図28において第一画像採集部2110と測定プローブ2070及び固定部2080は一体であり、領域位置決め特徴は被測定対象の手の甲に設置される。第一画像採集部2110は第一目標画像を採集するために用いられる。第一画像採集部2110は、イメージセンサであってもよい。
【0463】
本開示の実施例によれば、第一決定ユニットは、第二目標画像を取得し、ここで、第二目標画像は領域位置決め特徴を含む。第二目標画像における領域位置決め特徴の位置が第一所定の位置ではないと決定した場合、新たな第二目標画像における領域位置決め特徴の位置が第一所定の位置となるまで、測定プローブ2070及び/又は固定部2080の位置を調整することにより、新たな第二目標画像を取得する。新たな第二目標画像における領域位置決め特徴の位置が第一所定の位置であると決定した場合、測定プローブ2070及び/又は固定部2080に対応する領域を測定領域として決定する。
【0464】
本開示の実施例によれば、該組織成分測定装置2000はさらに第二画像採集部を含み、第二画像採集部は被測定対象、測定プローブ2070、固定部2080又は他の対象に設置され、第二画像採集部は第二目標画像を採集するために用いられる。
【0465】
本開示の実施例によれば、第二画像採集部は第一画像採集部2110と同じであるか又は異なる。
【0466】
本開示の実施例によれば、第二画像採集部が測定プローブ2070に設置されると決定する場合、領域位置決め特徴は測定プローブ2070に設置されない。第二画像採集部が固定部2080に設置されると決定した場合、領域位置決め特徴は固定部2080に設置されない。
【0467】
本開示の実施例によれば、第一調整ユニットは、第二投影特徴を取得する。第一姿勢位置決め特徴が第二投影特徴とマッチングしないと決定した場合、第一姿勢位置決め特徴が第二投影特徴とマッチングするまで、現在の測定姿勢を調整する。第一姿勢位置決め特徴が第二投影特徴とマッチングすると決定した場合、現在の測定姿勢が目標測定姿勢であると決定する。
【0468】
図29に示すように、本開示の実施例によれば、該組織成分測定装置2000はさらに第一姿勢位置決め部2120を含み、第一姿勢位置決め部2120は被測定対象、測定プローブ2070、固定部2080又は他の対象に設置され、第一姿勢位置決め部2120は第二投影特徴を投射するために用いられる。
【0469】
本開示の実施例によれば、第一姿勢位置決め部2120が測定プローブ2070に設置されると決定する場合、第一姿勢位置決め特徴は測定プローブ2070に設置されない。第一姿勢位置決め部2120が固定部2080に設置されると決定した場合、第一姿勢位置決め特徴は固定部2080に設置されない。
【0470】
本開示の実施例によれば、図29は本開示の実施例に係る第一姿勢位置決め部の概略図を概略的に示す。図29に測定プローブ2070及び固定部2080が示されず、第一姿勢位置決め部2120は第二投影特徴を投射するために用いられ、第二投影特徴は十字スポットである。第一姿勢位置決め特徴は十字マークである。
【0471】
図30は本発明の実施例に係る別の第一姿勢位置決め部の概略図を概略的に示す。図30において第一姿勢位置決め部2120は測定プローブ2070及び固定部2080と一体であり、第一姿勢位置決め特徴は被測定対象の手の甲に設置される。第一姿勢位置決め部2120は第二投影特徴を投射するために用いられ、第二投影特徴は十字スポットである。
【0472】
本開示の実施例によれば、第一姿勢位置決め部2120は第二レーザを含む。
【0473】
本開示の実施例によれば、第二レーザは所定の形状のスポットを投射することにより、第二投影特徴を形成することができる。
【0474】
本開示の実施例によれば、第一調整ユニットは、第三目標画像を取得する。第二テンプレート画像を取得し、ここで、第二テンプレート画像は第一姿勢位置決め特徴を含む。第三目標画像が第二テンプレート画像とマッチングしないと決定した場合、新たな第三目標画像が第二テンプレート画像とマッチングするまで、現在の測定姿勢を調整することにより、新たな第三目標画像を取得する。新たな第三目標画像が第二テンプレート画像とマッチングすると決定した場合、現在の測定姿勢が目標測定姿勢であると決定する。
【0475】
図31に示すように、本開示の実施例によれば、該組織成分測定装置2000はさらに第三画像採集部2130を含み、第三画像採集部2130は被測定対象、測定プローブ2070、固定部2080又は他の対象に設置され、第三画像採集部2130は第三目標画像を採集するために用いられる。
【0476】
本開示の実施例によれば、図31は本開示の実施例に係る第三画像採集部の概略図を概略的に示す。図31において第三画像採集部2130は測定プローブ2070及び固定部2080と一体であり、第一姿勢位置決め特徴は被測定対象の手の甲に設置される。第三画像採集部2130は第三目標画像を採集するために用いられる。第三画像採集部2130は、イメージセンサであってもよい。
【0477】
本開示の実施例によれば、第三画像採集部2130、第一画像採集部2110と第二画像採集部は異なる、部分が同じであるか又は全部が同じであってもよい。
【0478】
本開示の実施例によれば、第一調整ユニットは、第四目標画像を取得し、ここで、第四目標画像は第一姿勢位置決め特徴を含む。第四目標画像における第一姿勢位置決め特徴の位置が第二所定の位置にないと決定した場合、新たな第四目標画像における第一姿勢位置決め特徴の位置が第二所定の位置にあるまで、現在の測定姿勢を調整することにより、新たな第四目標画像を取得する。新たな第四目標画像における第一姿勢位置決め特徴の位置が第二所定の位置にあると決定した場合、現在の測定姿勢が目標測定姿勢であると決定する。
【0479】
本開示の実施例によれば、該組織成分測定装置2000はさらに第四画像採集部を含み、第四画像採集部は被測定対象、測定プローブ2070、固定部2080又は他の対象に設置され、第四画像採集部は第四目標画像を採集するために用いられる。
【0480】
本開示の実施例によれば、第四画像採集部、第三画像採集部2130、第一画像採集部2110と第二画像採集部は異なる、部分が同じであるか又は全部が同じであってもよい。
【0481】
本開示の実施例によれば、第四画像採集部が測定プローブ2070に設置されると決定する場合、第一姿勢位置決め特徴は測定プローブ2070に設置されない。第四画像採集部が固定部2080に設置されると決定した場合、第一姿勢位置決め特徴は固定部2080に設置されない。
【0482】
本開示の実施例によれば、該組織成分測定装置2000はさらに第三決定モジュール及び調整モジュールを含む。
【0483】
第三決定モジュールは、前記測定プローブ2070が前記測定領域に対応する位置に設置されると、現在の測定姿勢が目標測定姿勢ではない場合、第二姿勢位置決め特徴を決定する。調整モジュールは、第二姿勢位置決め特徴に基づいて、現在の測定姿勢を目標測定姿勢に調整する。
【0484】
本開示の実施例によれば、第二姿勢位置決め特徴は測定プローブ2070、固定部2080及び被測定対象のうちの少なくとも一種に設置される。
【0485】
調整モジュールは第一取得ユニット、第二調整ユニット及び第二決定ユニットを含む。
【0486】
第一取得ユニットは、第三投影特徴を取得する。第二調整ユニットは、第二姿勢位置決め特徴が第三投影特徴とマッチングしないと決定した場合、第二姿勢位置決め特徴が第三投影特徴とマッチングするまで、現在の測定姿勢を調整する。第二決定ユニットは、第二姿勢位置決め特徴が第三投影特徴とマッチングすると決定した場合、現在の測定姿勢が目標測定姿勢であると決定する。
【0487】
本開示の実施例によれば、該組織成分測定装置2000はさらに第二姿勢位置決め部を含み、第二姿勢位置決め部は被測定対象、測定プローブ2070、固定部2080又は他の対象に設置され、第二姿勢位置決め部は第三投影特徴を投射する。
【0488】
本開示の実施例によれば、第二姿勢位置決め部が測定プローブ2070に設置されると決定する場合、第二姿勢位置決め特徴は測定プローブ2070及び固定部2080に設置されない。第二姿勢位置決め部が固定部2080に設置されると決定した場合、第二姿勢位置決め特徴は測定プローブ2070及び固定部2080に設置されない。
【0489】
本開示の実施例によれば、第二姿勢位置決め部は第一姿勢位置決め部2120と同じであるか又は異なる。
【0490】
本開示の実施例によれば、第二姿勢位置決め部は第三レーザを含む。
【0491】
本開示の実施例によれば、第三レーザは所定の形状のスポットを投射することにより、第三投影特徴を形成することができる。
【0492】
本開示の実施例によれば、調整モジュールは第二取得ユニット、第三取得ユニット、第三調整ユニット及び第三決定ユニットを含む。
【0493】
第二取得ユニットは、第五目標画像を取得する。第三取得ユニットは、第三テンプレート画像を取得し、ここで、第三テンプレート画像が第二姿勢位置決め特徴を含む。第三調整ユニットは、第五目標画像が第三テンプレート画像とマッチングしないと決定した場合、新たな第五目標画像が第三テンプレート画像とマッチングするまで、現在の測定姿勢を調整することにより、新たな第五目標画像を取得する。第三決定ユニットは、新たな第五目標画像が第三テンプレート画像とマッチングすると決定した場合、現在の測定姿勢が目標測定姿勢であると決定する。
【0494】
本開示の実施例によれば、該組織成分測定装置はさらに第五画像採集部を含み、第五画像採集部は被測定対象、測定プローブ2070、固定部2080又は他の対象に設置され、第五画像採集部は第五目標画像を採集する。
【0495】
本開示の実施例によれば、調整モジュールは第四取得ユニット、第四調整ユニット及び第四決定ユニットを含む。
【0496】
第四取得ユニットは、第六目標画像を取得し、ここで、第六目標画像が第二姿勢位置決め特徴を含む。第四調整ユニットは、第六目標画像における第二姿勢位置決め特徴の位置が第三所定の位置にないと決定した場合、新たな第六目標画像における第二姿勢位置決め特徴の位置が第三所定の位置にあるまで、現在の測定姿勢を調整することにより、新たな第六目標画像を取得する。第四決定ユニットは、新たな第六目標画像における第二姿勢位置決め特徴の位置が第三所定の位置にあると決定した場合、現在の測定姿勢が目標測定姿勢であると決定する。
【0497】
本開示の実施例によれば、該組織成分測定装置2000はさらに第六画像採集部を含み、第六画像採集部は被測定対象、測定プローブ2070、固定部2080又は他の対象に設置され、第六画像採集部は第六目標画像を採集する。
【0498】
本開示の実施例によれば、第六画像採集部が測定プローブ2070に設置されると決定する場合、第二姿勢位置決め特徴は測定プローブ2070及び固定部2080に設置されない。第六画像採集部が固定部2080に設置されたと決定した場合、第二姿勢位置決め特徴は測定プローブ2070及び固定部2080に設置されない。
【0499】
本開示の実施例によれば、第六画像採集部、第五画像採集部、第四画像採集部、第三画像採集部2130、第一画像採集部2110と第二画像採集部とは異なる、部分が同じであるか又は全部が同じであってもよい。
【0500】
本開示の実施例によれば、光学方法を採用して測定領域と測定姿勢の位置決めを行う場合、領域位置決め部2100、第一姿勢位置決め部2120及び第二姿勢位置決め部は全て同じで、部分が同じであるか又は全部が異なり、前記部分が同じであることは上記三種類の構造のうちの二種が同じであることを指す。三種類の構造が全て同じであれば、同一の構造が第一投影特徴、第二投影特徴及び第三投影特徴を生成するために用いられることを説明することができる。上記方式は位置決め構造の複雑度を簡略化することを実現することができる。
【0501】
画像マッチング方法を採用して測定領域と測定姿勢の位置決めを行う場合、第一画像採集部2110、第三画像採集部2130及び第五画像採集部は全て同じで、部分が同じであるか又は全部が異なり、前記部分が同じであることは上記三種類の構造のうちの二種類が同じであることを指す。三種類の構造が全て同じであれば、同一の構造が第一目標画像、第三目標画像及び第五目標画像を生成するために用いられることを説明することができる。上記方式は位置決め構造の複雑度を簡略化することを実現することができる。
【0502】
イメージング方法を採用して測定領域及び測定姿勢の位置決めを行う場合、第二画像採集部、第四画像採集部及び第六画像採集部は全て同じで、部分が同じであるか又は全部が異なり、前記部分が同じであることは上記三種類の構造のうちの二種類が同じであることを指す。三種類の構造が全て同じであれば、同一の構造が第二目標画像、第四目標画像及び第六目標画像を生成するために用いられることを説明することができる。上記方式は位置決め構造の複雑度を簡略化することを実現することができる。
【0503】
以下に光学的方法を例に説明する。
【0504】
領域位置決め部2100と、第一姿勢位置決め部2120と、第二姿勢位置決め部とは、同一の構成である。第二姿勢位置決め特徴と領域位置決め特徴は完全に同じであり、第一姿勢位置決め特徴と一部が同じである。測定領域は、前腕伸側である。
【0505】
図32は本開示の実施例に係る測定姿勢及び測定領域の位置決めの概略図を概略的に示す。図32において、領域位置決め部2100、第一姿勢位置決め部2120および第二姿勢位置決め部は、いずれもレーザ1およびレーザ2を含む。レーザ1およびレーザ2は、測定プローブ2070に設置されている。
【0506】
初回測定姿勢位置決めを行う場合、測定プローブ2070がベースに設置され、初回測定姿勢位置決めが完了しない前に、測定プローブ2070の位置が一定である。第一姿勢位置決め特徴が第二投影特徴とマッチングするまで、第一姿勢位置決め特徴と第二投影特徴に基づいて、現在の測定姿勢を調整し、両者がマッチングする場合に、初回測定姿勢の位置決めを完了することを説明する。
【0507】
測定領域の位置決めを行う場合、測定プローブ2070が被測定対象に設置され、領域位置決め特徴が第一投影特徴とマッチングするまで、領域位置決め特徴と第一投影特徴に基づいて、測定プローブ2070の位置を調整し、両者がマッチングする場合に、測定領域の位置決めを完了することを説明する。
【0508】
測定プローブ2070が被測定対象に設置された後、現在の測定姿勢が目標姿勢でなければ、測定前に、再び測定姿勢の位置決めを行う必要がある。第二姿勢位置決め特徴が第三投影特徴とマッチングするまで、第二姿勢位置決め特徴と第三投影特徴に基づいて、現在の測定姿勢を調整し、両者がマッチングする場合に、再び測定姿勢の位置決めを完了することを説明する。
【0509】
領域位置決め部2100と、第一姿勢位置決め部2120と、第二姿勢位置決め部とは、同一の構成である。領域位置決め特徴と第二姿勢位置決め特徴は完全に同じであり、第一姿勢位置決め特徴と一部が同じである。測定領域は、前腕伸側である。
【0510】
図33は、本開示の実施例に係る別の測定姿勢及び測定領域の位置決めの概略図を概略的に示す。図33において、領域位置決め部2100および第二姿勢位置決め部は、レーザ3およびレーザ4を含む。第一姿勢位置決め部2120は、レーザ5と、レーザ6とを含む。レーザ3及びレーザ4は、測定プローブ2070に設置されている。レーザ5及びレーザ6は、ベースに設置されている。
【0511】
本開示の実施例によれば、該組織成分測定装置はさらに提示モジュールを含む。
【0512】
提示モジュールは、提示情報を生成し、ここで、提示情報は測定姿勢の位置決め及び/又は測定領域の位置決めが完了したことを提示するために用いられ、提示情報の形式は画像、音声又は振動のうちの少なくとも一種を含むもの。
【0513】
本開示の実施例によれば、固定座2081が測定領域に対応する位置に設置されかつ測定プローブ2070が固定部2080に設置されないと決定する場合、測定プローブ2070を固定座2081に設置する。
【0514】
固定座2081が測定領域に対応する位置に設置されないと決定した場合、第一係合部材2082により固定座2081を測定領域に対応する位置に設置し、かつ測定プローブ2070を固定座2081に設置する。
【0515】
本開示の実施例によれば、測定プローブ2070が測定領域に対応する位置に設置されないと決定した場合、第二係合部材により測定プローブ2070を測定領域に対応する位置に設置する。
【0516】
本開示の実施例によれば、処理モジュール2030は、所定の波長に対応する少なくとも二つの出力光強度から第一出力光強度及び第二出力光強度を決定するために用いられる。所定の波長に対応する第一出力光強度及び第二出力光強度に基づいて、被測定組織成分の濃度を決定する。
【0517】
本開示の実施例によれば、所定の波長に対応する第一出力光強度及び第二出力光強度に基づいて、被測定組織成分の濃度を決定することは、以下の操作を含むことができる。
【0518】
所定の波長に対応する第一出力光強度と第二出力光強度を差分処理し、差分信号を取得する。所定の波長に対応する差分信号に基づいて、被測定組織成分の濃度を決定する。
【0519】
所定の波長に対応する第一出力光強度及び第二出力光強度を差分処理し、差分信号を取得することは、以下の操作を含むことができる。差分回路を採用して所定の波長に対応する第一出力光強度及び第二出力光強度を処理し、差分信号を得る。
【0520】
本開示の実施例によれば、所定の波長に対応する第一出力光強度と第二出力光強度を差分処理し、差分信号を取得することは、以下の操作を含むことができる。差分アルゴリズムを採用して所定の波長に対応する第一出力光強度及び第二出力光強度を処理し、差分信号を取得する。
【0521】
本開示の実施例によれば、差分アルゴリズムを採用して所定の波長に対応する第一出力光強度及び第二出力光強度を処理し、差分信号を取得することは、以下の操作を含むことができる。所定の波長に対応する第一出力光強度と第二出力光強度を直接差分演算し、差分信号を取得する。
【0522】
本開示の実施例によれば、差分アルゴリズムを採用して所定の波長に対応する第一出力光強度及び第二出力光強度を処理し、差分信号を取得することは、以下の操作を含むことができる。所定の波長に対応する第一出力光強度及び第二出力光強度に対して対数を取る処理をし、第一対数光強度及び第二対数光強度を取得する。所定の波長に対応する第一対数光強度と第二対数光強度を直接差分演算し、差分信号を取得する。
【0523】
本開示の実施例によれば、所定の波長に対応する差分信号に基づいて、被測定組織成分の濃度を決定することは、以下の操作を含むことができる。
【0524】
所定の波長に対応する差分信号を第一組織成分濃度予測モデルに入力し、被測定組織成分の濃度を出力する。
【0525】
本開示の実施例によれば、該組織成分測定装置2000は、さらに、第一トレーニングサンプルセットを取得し、ここで、第一トレーニングサンプルセットは複数の第一トレーニングサンプルを含み、ここで、各第一トレーニングサンプルは被測定組織成分の第一実際濃度及び第一実際濃度に対応する差分信号を含む。第一トレーニングサンプルセットに基づいて、第一組織成分濃度予測モデルを確立する。
【0526】
本開示の実施例によれば、第一トレーニングサンプルセットに基づいて、第一組織成分濃度予測モデルを確立することは、以下の操作を含むことができる。
【0527】
第一トレーニングサンプルセットに対して前処理を行い、処理後の第一トレーニングサンプルセットを取得する。処理後の第一トレーニングサンプルセットに基づいて、第一組織成分濃度予測モデルを確立する。
【0528】
本開示の実施例によれば、該組織成分測定装置はさらに、第四所定の条件を満たす場合に、第一組織成分濃度予測モデルを修正することにより、修正後の第一組織成分濃度予測モデルを利用して新たな差分信号を処理し、新たな被測定組織成分の濃度を取得する。
【0529】
本開示の実施例によれば、第一組織成分濃度予測モデルを修正することは、以下の操作を含むことができる。
【0530】
被測定組織成分の第一目標濃度を取得する。第一目標濃度に対応する差分信号を取得する。第一目標濃度に対応する差分信号と第一目標濃度に基づいて、第一組織成分濃度予測モデルを修正する。
【0531】
本開示の実施例によれば、該組織成分測定装置はさらに、第五所定の条件を満たす場合に、新たな第一組織成分濃度予測モデルを利用して新たな差分信号を処理し、新たな被測定組織成分の濃度を取得する。
【0532】
本開示の実施例によれば、所定の波長に対応する差分信号に基づいて、被測定組織成分の濃度を決定することは、以下の操作を含むことができる。
【0533】
複数の干渉パラメータにおける各干渉パラメータの現在の干渉パラメータ値を取得する。複数の現在の干渉パラメータ値と所定の波長に対応する差分信号を第二組織成分濃度予測モデルに入力し、被測定組織成分の濃度を出力する。
【0534】
本開示の実施例によれば、該組織成分測定装置はさらに、第二トレーニングサンプルセットを取得し、ここで、第二トレーニングサンプルセットは複数の第二トレーニングサンプルを含み、ここで、各第二トレーニングサンプルは被測定対象組織成分の第二実際濃度及び第二実際濃度に対応する差分信号を含む。第三トレーニングサンプルセットを取得し、ここで、第三トレーニングサンプルセットは複数の第三トレーニングサンプルを含み、ここで、各第三トレーニングサンプルは複数の干渉パラメータにおける各干渉パラメータのトレーニング干渉パラメータ値と各トレーニング干渉パラメータ値に対応する差分信号を含む。第二トレーニングサンプルセットに基づいて、補正すべき組織成分濃度予測モデルを確立する。第三トレーニングサンプルセットに基づいて、補正パラメータモデルを確立する。補正すべき組織成分濃度予測モデル及び補正パラメータモデルに基づいて、第二組織成分濃度予測モデルを取得する。
【0535】
本開示の実施例によれば、該組織成分測定装置はさらに、第四所定の条件を満たす場合に、第二組織成分濃度予測モデルを修正することにより、修正後の第二組織成分濃度予測モデルを利用して新たな差分信号及び新たな複数の現在の干渉パラメータ値を処理し、新たな被測定組織成分の濃度を取得する。
【0536】
本開示の実施例によれば、第二組織成分濃度予測モデルを修正することは、以下の操作を含むことができる。
【0537】
被測定組織成分の第二目標濃度を取得する。第二目標濃度に対応する差分信号を取得する。複数の干渉パラメータにおける各干渉パラメータの現在の干渉パラメータ値を取得する。第二目標濃度、複数の干渉パラメータ値及び第二目標濃度に対応する差分信号に基づいて、第二組織成分濃度予測モデルを修正する。
【0538】
本開示の実施例によれば、該組織成分測定装置はさらに、
第五所定の条件を満たす場合に、新たな第二組織成分濃度予測モデルを利用して新たな差分信号及び新たな複数の現在の干渉パラメータ値を処理し、新たな被測定組織成分の濃度を取得する。
【0539】
本開示の実施例によれば、M個の感光面には所定の波長に対応する一つ又は複数の同類感光面が存在し、そのうち、同類感光面は異なる時刻に所定の波長に対応する第一出力光強度及び/又は第二出力光強度を採集するために用いられ、所定の波長に対応する第一出力光強度及び第二出力光強度は同一の脈動周期内の出力光強度であり、ここで、第一出力光強度は収縮期光強度であり、第二出力光強度は拡張期光強度であり、同類感光面は一つ又は複数の感光面を含む。処理モジュール2030は、所定の波長に対応する第一出力光強度及び第二出力光強度に基づいて、被測定組織成分の濃度を決定する。
【0540】
本開示の実施例によれば、M個の感光面には所定の波長に対応する第一同類感光面及び第二同類感光面が存在し、そのうち、第一同類感光面は所定の波長に対応する第一出力光強度を採集するために用いられ、第二同類感光面は所定の波長に対応する第二出力光強度を採集するために用いられ、第一同類感光面は一つ又は複数の感光面を含み、第二同類感光面は一つ又は複数の感光面を含む。処理モジュール2030は、所定の波長に対応する第一出力光強度及び第二出力光強度に基づいて、被測定組織成分の濃度を決定する。
【0541】
本開示の実施例によれば、第一同類感光面と第二同類感光面は同じ同類感光面であり、第一同類感光面と第二同類感光面で受信された出射光は入射光が異なる入射位置に入射して伝送されて得られる。
【0542】
本開示の実施例によれば、第一同類感光面と第二同類感光面は異なる同類感光面である。
【0543】
本開示の実施例によれば、第一同類感光面における各感光面の異なる感光位置で受信された出射光の平均光路長は第一平均光路長範囲に属し、ここで、第一平均光路長範囲は第一光路長平均値に基づいて決定され、第一光路長平均値は第一同類感光面の各感光位置で受信された出射光の平均光路長に基づいて算出された平均値である。第二同類感光面における各感光面の異なる感光位置で受信された出射光の平均光路長は第二平均光路長範囲に属し、ここで、第二平均光路長範囲は第二光路長平均値に基づいて決定され、ここで、第二光路長平均値は第二同類感光面の各感光位置で受信された出射光の平均光路長に基づいて算出された平均値である。
【0544】
本開示の実施例によれば、第一光路長平均値と第二光路長平均値との差値の絶対値は第一光路長差範囲に属する。
【0545】
本開示の実施例によれば、第一平均光路長範囲は第一光路長差範囲以下であり、第二平均光路長範囲は第一光路長差範囲以下である。
【0546】
本開示の実施例によれば、第一光路長差範囲は所定の波長に対応する最適な差分光路長に基づいて決定される。
【0547】
本開示の実施例によれば、所定の波長に対応する第一同類感光面における各感光面の入射光の中心からの光源-プローブ距離は所定の波長に対応する所定の光源-プローブ距離範囲内にあり、ここで、所定の光源-プローブ距離範囲は所定の波長に対応する浮動基準位置の入射光の中心からの光源-プローブ距離に基づいて決定される。
【0548】
本開示の実施例によれば、M個の感光面には所定の波長に対応する同類感光面が存在し、ここで、同類感光面は所定の波長に対応する第三出力光強度を採集するために用いられ、同類感光面は一つ又は複数の感光面を含む。処理モジュール2030は、所定の波長に対応する第三出力光強度に基づいて、被測定組織成分の濃度を決定する。
【0549】
本開示の実施例によれば、同類感光面における各感光面の異なる感光位置で受信された出射光の平均光路長と所定の波長に対応する最適な光路長との差は第二光路長差範囲に属する。
【0550】
本開示の実施例によれば、各感光面は環状感光面又は非環状感光面を含み、異なる感光面の形状が同じであるか又は異なる。
【0551】
本開示の実施例によれば、そのうち、非環状感光面はファンリング感光面、円形感光面、扇形感光面、楕円形感光面又は多角形感光面を含む。
【0552】
本開示の実施例によれば、多角形感光面は正方形感光面、長方形感光面又は三角形感光面を含む。
【0553】
本開示の実施例によれば、同類感光面は環状感光面又は非環状感光面を含み、そのうち、同類感光面は一つ又は複数の感光面を含み、同類感光面は一つの出力光強度を出力する。
【0554】
本開示の実施例によれば、同類感光面が環状感光面であることは、以下を含む。
【0555】
同類感光面が一つの感光面を含む場合、同類感光面は独立した環状感光面である。同類感光面が複数の感光面を含む場合、同類感光面は複数の感光面の組み合わせにより形成された環状感光面である。同類感光面が非環状感光面であることは、以下を含む:同類感光面が一つの感光面を含む場合、同類感光面は独立した非環状感光面である。同類感光面が複数の感光面を含む場合、同類感光面は複数の感光面の組み合わせにより形成された非環状感光面である。
【0556】
本開示の実施例によれば、同類感光面の目標部位からの距離が第二距離閾値以上であると決定した場合、同類感光面は環状感光面、ファンリング感光面、扇形感光面、円形感光面又は正方形感光面を含む。
【0557】
本開示の実施例によれば、同類感光面の目標部位からの距離が第三距離閾値以下であると決定した場合、同類感光面の形状は出射光のブレ分布に基づいて決定される。
【0558】
本開示の実施例によれば、出射光のブレ分布は第一方向に沿ったブレ分布と第二方向に沿ったブレ分布を含み、第一方向と第二方向は互いに垂直であり、同類感光面の第一方向に沿った長さと同類感光面の第二方向に沿った長さとの比率は出射光の第一方向に沿ったブレ幅と出射光の第二方向に沿ったブレ幅との比率に基づいて決定され、出射光の第一方向に沿ったブレ幅は最大である。
【0559】
本開示の実施例によれば、同類感光面は長方形感光面又は楕円形感光面を含み、長方形感光面の長さと幅の比率は出射光の第一方向に沿ったブレ幅と出射光の第二方向に沿ったブレ幅との比率に基づいて決定され、楕円形感光面の長軸と短軸の比率は出射光の第一方向に沿ったブレ幅と出射光の第二方向に沿ったブレ幅との比率に基づいて決定される。
【0560】
本開示の実施例によれば、M個の感光面のうちの異なる感光面のアノード同士が電気的に接続されず、一部の感光面のアノードが電気的に接続されるか又は全ての感光面のアノードが電気的に接続される。
【0561】
本開示の実施例によれば、M個の感光面のうちの異なる感光面のアノード同士が電気的に接続されず、一部の感光面のアノードが電気的に接続されるか又は全ての感光面のアノードが電気的に接続される。
【0562】
本開示の実施例によれば、M個の感光面における各感光面を単独で使用することができ、この場合、M個の感光面のうちの異なる感光面のアノードが電気的に接続されない。
【0563】
M個の感光面のうちの一部の感光面を組み合わせて使用することができ、この場合に、組み合わせて使用する異なる感光面のアノードは電気的に接続する。
【0564】
M個の感光面のうちの全ての感光面を組み合わせて使用することができ、この場合に、組み合わせて使用する異なる感光面のアノードは電気的に接続する。
【0565】
本開示の実施例によれば、図34は、本開示の実施例に係る異なる感光面のアノードが電気的に接続される概略図を概略的に示す。図34に示すように、全ての感光面のアノードを電気的に接続する。
【0566】
本開示の実施例によれば、同一の感光面の異なる部分は同一平面又は異なる平面にある。
【0567】
本開示の実施例によれば、感光面は平面感光面又は立体感光面であってもよく、ここで、感光面の異なる部分がいずれも同一平面にある場合、感光面は平面感光面である。感光面の異なる部分が異なる平面にある場合、感光面は立体感光面であり、具体的には平面感光面又は立体感光面を採用するかについて、実際の状況に応じて設定することができ、ここで具体的に限定しない。
【0568】
代替的に、接触式測定に対して、測定結果の確実性を向上させるために、感光面の目標表面と測定領域の皮膚表面との間をできるだけ良好な貼り合わせ状態にする必要がある。ここで、感光面の目標表面は測定領域に近接する表面を示す。測定領域の皮膚表面の平坦度が高くない可能性があるため、平面感光面を採用すれば、感光面の目標表面と測定領域の皮膚表面との間の良好な貼り合わせ状態を実現しにくく、立体感光面は異なる部分が異なる平面にある感光面であり、したがって、立体感光面を採用することができ、かつ測定領域の組織構造特徴に基づいて具体的な立体感光面の形式を設定することができる。
【0569】
図35は本開示の実施例に係るグローブ形式の立体感光面の概略図を概略的に示す。図36は本開示の実施例に係る別のグローブ形式の立体感光面の概略図を概略的に示す。
【0570】
図37は本開示の実施例に係る手環形式の立体感光面の概略図を概略的に示す。図38は本開示の実施例に係る別の手環形式の立体感光面の概略図を概略的に示す。図38には、hおよびhは、感光面の異なる部分の所定の平面からの距離を示す。
【0571】
図39は本開示の実施例に係るアーム測定用の立体感光面の概略図を概略的に示す。図39において、アームの組織構造特徴に基づいて感光面の異なる部分の所定の平面からの距離を設定することができる。
【0572】
本開示の実施例によれば、感光面セットは同一平面又は異なる平面にあり、そのうち、感光面セットは複数の感光面を含む。
【0573】
本開示の実施例によれば、感光面セットに含まれる各感光面は平面感光面又は立体感光面であってもよい。感光面セットに複数の平面感光面が含まれる場合、これらの複数の平面感光面のうちの一部の平面感光面又は全ての平面感光面を異なる平面に設置する方式を採用することにより、感光面セットが呈する感光面を実現する形式が立体感光面である。
【0574】
説明すべきものとして、複数の平面感光面で形成された立体感光面に基づいて、上記接触式測定に対する効果を実現することができ、ここでは説明を省略する。
【0575】
本開示の実施例によれば、所定の波長は被測定組織成分に敏感な波長である。
【0576】
本開示の実施例によれば、該組織成分測定装置はさらに温度制御モジュールを含み、温度制御モジュールは測定領域の温度を組織成分の測定過程において所定の温度範囲内に保持するように制御する。
【0577】
本開示の実施例によれば、該組織成分測定装置はさらにマスク板を含み、マスク板は初期感光面に設置され、そのうち、マスク板の光透過率は光透過率閾値以下である。マスク板は、初期感光面にマスク板を設置した後に感光面を得る。
【0578】
本開示の実施例によれば、マスク板の形状は出射光のブレ分布形状に基づいて決定される。
【0579】
図40に示すように、本開示の実施例によれば、測定プローブ2070に第一スリーブ2140が設置される。第一スリーブの第一端面は測定プローブ2070の目標表面を超え、ここで、第一端面は測定領域に近接する端面を示し、測定プローブ2070の目標表面は測定領域に近接する表面を示す。
【0580】
本開示の実施例によれば、干渉光を遮蔽するために、測定プローブ2070に第一スリーブ2140を設置することにより、第一スリーブ2140上の測定領域に近接する端面が測定プローブ2070の目標表面を超える。干渉光は、表面反射光及び/又は回折光を含んでいてもよい。
【0581】
本開示の実施例によれば、第一スリーブ2140の第二端面及び/又は内部の領域に散乱物が設置され、ここで、第一端面と第二端面は対向する二つの端面であり、内部の領域は内部の一部の領域又は内部の全ての領域を含む。
【0582】
本開示の実施例によれば、入射光を測定領域に照射するスポットの強度分布が均一であるために、第一スリーブ2140の対応する部分に散乱物を設置する方式を採用することができる。散乱物は硫酸紙、シリカゲル又は目標混合物を含むことができ、ここで、目標混合物はポリジメチルシロキサンと二酸化チタン粒子の混合物を含むことができる。
【0583】
図41に示すように、本開示の実施例によれば、該組織成分測定装置2000はさらに第二スリーブ2150を含み、第二スリーブ2150は第一スリーブ2140の目標領域の外部に設置され、ここで、目標領域は第一スリーブ2140が測定プローブ2070の目標表面の一部の領域又は全ての領域を超えることを示す。
【0584】
本開示の実施例によれば、入射光を測定領域に照射するスポットを可能な限り大きくするために、第一スリーブ2140の目標領域の外部に第二スリーブ2150を設置する方式を採用することができる。
【0585】
本開示の実施例によれば、第二スリーブ2150に散乱物が設置される。
【0586】
本開示の実施例によれば、第二スリーブ2150が設置されると、入射光を測定領域に照射するスポットの強度分布が均一であるために、第二スリーブ2150の対応する部分に散乱物を設置する方式を採用することができる。
【0587】
本開示の実施例によれば、第一スリーブ2140の内径は内径閾値以上である。
【0588】
本開示の実施例によれば、第一スリーブ2140の第一端面の開孔は第一スリーブ2140の第二端面の開孔以上である。
【0589】
本開示の実施例によれば、入射光を測定領域に照射するスポットを可能な限り大きくするために、第一スリーブ2140の内径が内径閾値以上であり、及び/又は第一スリーブ2140の第一端面の開孔が第一スリーブ2140の第二端面の開孔以上であるという方式を採用することができ、すなわち、測定領域に近接する第一スリーブ2140の端面の開孔が測定領域から離れた第一スリーブ2140の端面の開孔以上であってもよい。
【0590】
図43図44に示すように、本開示の実施例によれば、感光面と測定領域との間に屈折率整合物が充填される。
【0591】
本開示の実施例によれば、ブレにより測定領域の皮膚表面が安定せず、さらに出射光の出射角度が変化し、測定結果の確実性に影響を与えるため、ブレによる悪影響をできるだけ抑制するために、感光面と測定領域との間に屈折率整合物を充填し、感光面の出射光の安定性及び効率を向上させることができる。
【0592】
概略的には、脈拍の拍動によるブレを例として説明する。脈拍の拍動は、血管の状態によって反映させることができる。図42は、本発明の実施例に係る屈折率整合材が充填されていない状態において、感光面が出射光を受信する様子を概略的に示す概略図である。図42において血管状態1は血管収縮状態を示し、血管状態2は血管拡張状態を示し、皮膚状態1は血管状態1に対応する皮膚状態を示し、皮膚状態2は血管状態2に対応する皮膚状態を示す。図42から分かるように、ブレにより、測定領域の皮膚表面が不安定になり、さらに出射光の出射角度を変化させる。
【0593】
図43は、本発明の実施例に係る屈折率整合物を充填する場合に感光面が出射光を受信する概略図を概略的に示す。
【0594】
図44は、本発明の実施例に係る屈折率整合材を充填する場合に感光面が出射光を受信する別の概略図を概略的に示す。
【0595】
図43及び図44から分かるように、感光面と測定領域との間に屈折率整合物を充填すれば、感光面の出射光の安定性及び効率を向上させることができる。
【0596】
本開示の実施例によれば、感光面の各部分と対応する入射光が位置する方向との夾角が0°以上360°以下である。
【0597】
本開示の実施例によれば、感光面の各部分と対応する入射光が位置する方向との夾角が0°以上360°以下であり、それにより拡散測定を実現する。本開示の実施例によれば、波長特徴及び/又は測定領域の特徴に基づいて、適切な感光面の設置位置を決定することができ、ここで、波長特徴は波長の透過深さを含むことができ、測定領域特徴は測定領域の厚さを含むことができる。代替的に、一般的には感光面の各部分と対応する入射光が位置する方向との夾角が所定の角度であるように設定することができる。
【0598】
例示的には、波長の透過深さが深くかつ/又は測定領域の厚さが薄いと、感光面の位置と対応する入射光の入射位置が測定領域の異なる側に位置するように設置することができる。波長の透過深さが浅くかつ/又は測定領域の厚さが厚いと、感光面の位置と対応する入射光の入射位置が測定領域の同じ側に位置するように設置することができる。
【0599】
例示的に、図45は本開示の実施例に係る拡散測定の概略図を概略的に示す。図45において感光面Cと入射光との間の夾角は90°であり、感光面Dの位置と入射光の位置は測定領域の同じ側に位置し、感光面Eの位置と入射光の位置は測定領域の異なる側に位置する。
【0600】
本開示の実施例に係るモジュール、ユニットのうちの任意の複数、又はそのうちの任意の複数の少なくとも一部の機能は、一つのモジュールにおいて実現されてもよい。本開示の実施例に係るモジュール、ユニットのうちのいずれか一つ又は複数を複数のモジュールに分割して実現することができる。本開示の実施例に係るモジュール、ユニットのうちのいずれか一つ又は複数は、少なくとも部分的に、例えばフィールドプログラマブルゲートアレイ(Field Programmable Gate Array、FPGA)、プログラマブルロジックアレイ(Programmable Logic Arrays、PLA)、オンチップシステム、基板上のシステム、パッケージ上のシステム、専用集積回路(Application Specific Integrated Circuit、ASIC)というハードウェア回路に実現されてもよく、又は回路に集積又はパッケージングされた任意の他の合理的な方式のハードウェア又はファームウェアで実現されてもよく、又はソフトウェア、ハードウェア及びファームウェアの三つの実現方式のうちのいずれか一種又はそのうちの任意のいくつかの適切な組み合わせで実現されてもよい。又は、本開示の実施例に係るモジュール、ユニットのうちの一つ又は複数は少なくとも部分的にコンピュータプログラムモジュールとして実現され、該コンピュータプログラムモジュールが実行される場合、対応する機能を実行することができる。
【0601】
例えば、採集モジュールおよび処理モジュールのうちの任意の複数は、一つのモジュール/ユニットに統合されて実現されてもよく、又はそのうちのいずれか一つのモジュール/ユニットは複数のモジュール/ユニットに分割されてもよい。又は、これらのモジュール/ユニットのうちの一つ又は複数のモジュール/ユニットの少なくとも一部の機能は他のモジュール/ユニットの少なくとも一部の機能と結合し、かつモジュール/ユニットで実現することができる。本開示の実施例によれば、採集モジュールおよび処理モジュールのうちの少なくとも一つは少なくとも部分的に例えばフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、プログラマブルロジックアレイ(PLA)、オンチップシステム、基板上のシステム、パッケージ上のシステム、専用集積回路(ASIC)というハードウェア回路として実現されてもよく、又は回路に集積又はパッケージングされた任意の他の合理的な方式等のハードウェア又はファームウェアで実現されてもよく、又はソフトウェア、ハードウェア及びファームウェアの三つの実現方式のうちのいずれか一種又はそのうちの任意のいくつかの適切な組み合わせで実現されてもよい。又は、採集モジュールおよび処理モジュールのうちの少なくとも一つは少なくとも部分的にコンピュータプログラムモジュールとして実現されてもよく、該コンピュータプログラムモジュールが実行される場合、対応する機能を実行することができる。
【0602】
説明すべきものとして、本開示の実施例における組織成分測定装置は、本開示の実施例における組織成分測定方法部分に対応し、組織成分測定装置部分の説明は具体的には組織成分測定方法部分を参照し、ここでは説明を省略する。
【0603】
図46は本開示の実施例に係るウェアラブル機器の概略図を概略的に示す。図46に示すウェアラブル機器4600は一例であり、本開示の実施例の機能及び使用範囲にいかなる制限を与えない。
【0604】
図46に示すように、ウェアラブル機器4600は組織成分測定装置2000を含む。
【0605】
本開示の実施例の技術案に基づいて、単一の所定の波長を採用して上記特性を有する感光面を組み合わせて組織成分の測定を行い、実際の被測定組織成分信号を直接取得する。単一の所定の波長を用いて組織成分の測定を行うと、光源モジュールの体積及び構造複雑度を減少させ、さらに装置及び機器の体積及び構造複雑度を減少させ、携帯測定を容易にし、電源モジュールに対する容量要求を低減し、かつ製造コストを低減する。また、データ処理量を減少させる。
【0606】
図47に示すように、本開示の実施例によれば、ウェアラブル機器4600はさらに係止部4610及び本体4620を含む。係止部4610と本体4620は協働して組織成分測定装置2000を固定することを実現する。
【0607】
本開示の実施例によれば、図47は、本開示の実施例に係るウェアラブル機器の組立過程の概略図を概略的に示す。
【0608】
本開示の実施例によれば、ウェアラブル機器4600の質量が質量閾値以下であることにより、ウェアラブル機器4600の移動規則と測定領域での皮膚のブレ規則とが一致することを実現する。
【0609】
本開示の実施例によれば、測定結果の確実性を向上させるために、ウェアラブル機器4600の質量をより軽くすることができ、それによりウェアラブル機器4600を測定領域に対応する位置に設置する時、ウェアラブル機器4600は、測定領域での皮膚のブレに追従し、すなわち、ウェアラブル機器4600の移動規則が測定領域での皮膚ブレの規則と一致することを実現し、これにより、測定プローブ2070が受信した出射光の平均光路長は皮膚のブレ過程において所定の光路長範囲内に保持される。上記により測定プローブ2070が受信した出射光の平均光路長が測定領域での皮膚ブレ過程において所定の光路長範囲内に保持されることを実現できる理由は以下のとおりである:ウェアラブル機器4600が測定領域での皮膚ブレに追従することができれば、測定プローブ2070の測定領域での相対位置を一定又は基本的に一定にすることを実現することができ、これにより、測定プローブ2070は、固定された出射位置から出射された出射光を受信することができ、ここでの固定された出射位置は、測定領域との相対位置が一定であるか又は基本的に一定である出射位置を示す。同時に、測定領域での皮膚ブレ過程において、入射光の入射位置の測定領域での相対位置を一定又は基本的に一定にすることができ、これにより、入射光の入射位置と出射光の出射位置を決定する場合に、出射光の平均光路長が変化しないようにできるだけ保証することができる。
【0610】
例示的には、図48は、本開示の実施例に係るウェアラブル機器が皮膚ブレ規則と一致する場合に測定プローブが受信した出射光の平均光路長を皮膚ブレ過程において所定の光路長範囲内に保持する概略図を概略的に示す。皮膚ブレ過程において、測定プローブ2070(図48に示されない)は入射光が測定領域での入射位置Aから入射した後に測定領域での出射位置Bから出射された出射光を安定して受信することができる。皮膚の移動幅をζで示し、測定プローブ2070の移動幅をζで示すと、ζ=ζである。
【0611】
本開示の実施例によれば、ウェアラブル機器4600は測定領域での皮膚の移動幅を移動幅閾値以下にする。
【0612】
本開示の実施例によれば、測定結果の確実性を向上させるために、ウェアラブル機器4600の質量を大きくすることができ、ウェアラブル機器4600を測定領域に対応する位置に設置する場合、測定領域での皮膚ブレを押圧することができ、すなわち、測定領域での皮膚の移動幅が移動幅閾値以下であり、これにより、測定プローブ2070が受信した出射光の平均光路長は皮膚ブレ過程において所定の光路長範囲内に保持される。上記により測定プローブ2070が受信した出射光の平均光路長が測定領域での皮膚ブレ過程において所定の光路長範囲内に保持される原因は、ウェアラブル機器4600が測定領域での皮膚ブレを押圧することができれば、測定プローブ2070の測定領域での相対的な位置を一定又は基本的に一定にすることができ、これにより、測定プローブ2070は固定された出射位置から出射された出射光を受信することができるということである。同時に、測定領域での皮膚ブレ過程において、入射光の入射位置の測定領域での相対位置を一定又は基本的に一定にすることができ、これにより、入射光の入射位置と出射光の出射位置が決定される場合に、出射光の平均光路長を一定にするようにできるだけ保証することができる。
【0613】
例示的には、図49は、本開示の実施例に係るウェアラブル機器により測定領域での皮膚の移動幅が移動幅閾値以下である場合に測定プローブが受信した出射光の平均光路長が皮膚ブレ過程において所定の光路長範囲内に保持される概略図ことを概略的に示す。図49の測定領域における皮膚の移動幅は、零に近い。
【0614】
本開示の実施例によれば、組織成分測定装置の具体的な説明は上記対応部分を参照することができ、ここで詳しく説明しない。また、組織成分測定装置はプロセッサを含み、それは、リードオンリーメモリ(Read-Only Memory、ROM)に記憶されたプログラム又は記憶部分からランダムアクセスメモリ(Random Access Memory、RAM)にロードされたプログラムに基づいて様々な適切な動作及び処理を実行することができる。プロセッサは例えば汎用マイクロプロセッサ(例えばCPU)、指令集プロセッサ及び/又は関連チップセット及び/又は専用マイクロプロセッサ(例えば、専用集積回路(ASIC))などを含むことができる。処理はキャッシュ用のボードメモリをさらに含むことができる。プロセッサは、本開示の実施例に係る方法の流れの異なる動作を実行する単一の処理ユニットまたは複数の処理ユニットを含んでもよい。
【0615】
RAMに、組織成分測定装置操作に必要な様々なプログラム及びデータが記憶される。プロセッサ、ROM、およびRAMは、バスにより相互に接続されている。プロセッサは、ROM及び/又はRAMにおけるプログラムを実行することにより、本開示の実施例に係る方法流れの各種の操作を実行する。なお、前記プログラムはROM及びRAM以外の一つ又は複数のメモリに記憶されてもよい。処理は、一つ又は複数のメモリに記憶されたプログラムを実行することにより、本開示の実施例に係る方法流れの各種の操作を実行してもよい。
【0616】
本開示の実施例によれば、ウェアラブル機器はさらに入力/出力(I/O)インタフェースを含み、入力/出力(I/O)インタフェースもバスに接続される。ウェアラブル機器は、さらに、キーボード、マウス等の入力部分、たとえば陰極線管(CRT)、液晶ディスプレイ(Liquid Crystal Display、LCD)等及びスピーカ等を含む出力部分、ハードディスク等を含む記憶部分、及び例えばLANカード、モデム等のネットワークインタフェースカードを含む通信部分というI/Oインタフェースに接続された部品のうちの一つ又は複数を含むことができる。通信部分は、インターネット等のネットワークを介して通信処理を行う。ドライブは、必要に応じてI/Oインタフェースにも接続される。例えば磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、半導体メモリ等のリムーバブルメディアは、必要に応じてドライブにインストールされ、それによりそれから読み出されたコンピュータプログラムが必要に応じて記憶部にインストールされる。
本開示はさらにコンピュータ可読記憶媒体を提供し、該コンピュータ可読記憶媒体は上記実施例に記載の機器/装置/システムに含まれるものであってもよく、単独で存在してもよく、該機器/装置/システムに組み込まれていなくてもよい。上記コンピュータ可読記憶媒体は一つ又は複数のプログラムを担持し、上記一つ又は複数のプログラムが実行される時、本開示の実施例に係る方法を実現する。
【0617】
本開示の実施例によれば、コンピュータ可読記憶媒体は、不揮発性のコンピュータ可読記憶媒体であってもよい。例えば、携帯式コンピュータ磁気ディスク、ハードディスク、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリーメモリ(ROM)、消去可能なプログラマブルリードオンリーメモリ(Erasable Programmable Read Only Memory、EPROM)又はフラッシュメモリ)、携帯型コンパクト磁気ディスク読み出し専用メモリ(Computer Disc Read-Only Memory、CD-ROM)、光記憶デバイス、磁気メモリデバイス、又は上記任意の適切な組み合わせを含むがこれらに限定されない。本開示において、コンピュータ可読記憶媒体はプログラムを含むか又は記憶する任意の有形の媒体であってもよく、該プログラムは命令実行システム、装置又はデバイスによって使用され又はそれと組み合わせて使用されてもよい。
【0618】
例えば、本開示の実施例によれば、コンピュータ可読記憶媒体は上記ROM及び/又はRAM及び/又はROM及びRAM以外の一つ又は複数のメモリを含むことができる。
本開示の実施例はさらにコンピュータプログラム製品を含み、それはコンピュータプログラムを含み、該コンピュータプログラムは本開示の実施例が提供する方法を実行するためのプログラムコードを含む。
【0619】
該コンピュータプログラムがプロセッサにより実行される時、本開示の実施例のシステム/装置に限定された上記機能を実行する。本開示の実施例によれば、上記システム、装置、モジュール、ユニットなどはコンピュータプログラムモジュールにより実現することができる。
【0620】
一つの実施例において、該コンピュータプログラムは光記憶装置、磁気記憶装置等の有形の記憶媒体に依存することができる。別の実施例において、該コンピュータプログラムはネットワーク媒体に信号の形式で伝送し、配布し、かつ通信部分によりダウンロード及びインストールされ、及び/又は取り外し可能な媒体からインストールされてもよい。該コンピュータプログラムに含まれるプログラムコードは任意の適切なネットワーク媒体で伝送することができ、無線、有線等、又は上記任意の適切な組み合わせを含むがそれらに限定されない。
【0621】
本開示の実施例によれば、一種または複数種類のプログラミング言語の任意の組み合わせで本開示の実施例が提供するコンピュータプログラムを実行するためのプログラムコードを作成することができ、具体的には、高級過程及び/又はオブジェクト向けのプログラミング言語、及び/又はアセンブリ/機械言語を利用してこれらの計算プログラムを実施することができる。プログラミング言語は、例えばJava、C++、python、「C」言語又は類似するプログラミング言語を含むがこれらに限定されない。プログラムコードは、ユーザ計算装置に完全に実行され、部分的にユーザ装置に実行され、部分的に遠隔計算装置で実行され、又は完全に遠隔計算装置又はサーバで実行されてもよい。遠隔計算装置に関する状況では、遠隔計算装置は、ローカルエリアネットワーク(Local Area Network、LAN)又はワイドエリアネットワーク(Wide Area Networks、WAN)を含む任意の種類のネットワークを介して、ユーザ計算装置に接続されてもよく、又は、外部計算装置に接続されてもよい(例えばインターネットサービスプロバイダを利用してインターネットを介して接続される)。
【0622】
本開示の実施例が提供する技術案をよりよく理解するために、以下に具体例により説明する。ここで、被測定組織成分は血糖であり、被測定領域は左腕の前腕伸側であり、所定の波長は1550nmである。即ち人体実験で単一の所定の波長を採用して大面積の感光面を結合する組織成分測定装置を用いて組織成分の測定を行い、血糖濃度と同期して変化する実際の血糖信号を直接取得することができることを検証する。
【0623】
(一).実験前の準備作業
1.測定プローブのパラメータ
測定プローブにM=4である環状感光面が設置され、各環状感光面の環幅は0.2mmであり、4つの環状感光面は幾何学的中心が同じである。径方向に沿って内から外までの4つの環状感光面の内径はそれぞれ第一内径、第二内径、第三内径及び第四内径であり、ここで、第一内径は0.8mmであり、第二内径は3.2mmであり、第三内径は3.8mmであり、第四内径は4.4mmである。第一内径、第二内径、第三内径及び第四内径は、いずれも直径を示す。
【0624】
2、領域位置決め特徴、第一姿勢位置決め特徴及び第二姿勢位置決め特徴の設定
該具体例において、第一姿勢位置決め特徴と第二姿勢位置決め特徴は同じであり、以下姿勢位置決め特徴と呼ばれる。
【0625】
その一、姿勢位置決め特徴の設定である。すなわち、前腕伸側及び前腕伸側と周辺部位との間の骨格と筋肉の関係に基づいて、姿勢位置決め特徴の設置位置を決定する。前腕伸側に対して、手首状態の変化が前腕伸側の皮膚状態に大きく影響するため、測定姿勢の位置決め精度を向上させるために、手首の両辺にそれぞれ位置決め特徴を設定する位置を決定することができ、この二つの位置はそれぞれ左腕の前腕伸側の肘関節部分に近い第一所定の位置と左手の手の甲の手首部分に近い第二所定の位置であってもよい。
【0626】
測定姿勢を位置決めするために必要な姿勢位置決め特徴の数を減少させるために、支持平面を採用してアームと手のひらの支持に用いられ、かつ位置決め過程においてアームが支持平面に密着することを要求してアームの回転を制限し、したがって、測定姿勢の正確な位置決めを実現するために、選択された第一所定の位置及び第二所定の位置にそれぞれ一つの姿勢位置決め特徴を設定すればよい。この二つの姿勢位置決め特徴は被測定対象の固有特徴を選択してもよく、人為的に設置されてもよく、該具体例では人為的に設置された二つの姿勢位置決め特徴であり、二つの姿勢位置決め特徴は十字マークである。
【0627】
その二、領域位置決め特徴の設定である。測定領域の正確な位置決めを実現するために、測定プローブに十字マークを設置して領域位置決め特徴とする。
【0628】
3.制御可能な測定条件の再現性構成
光学的方法を採用して測定領域の位置決めと測定姿勢の位置決めを実現する。ここで、位置決め部に基づいて測定領域の位置決め及び測定姿勢の位置決めを実現する。ここで、位置決め部は領域位置決め部及び姿勢位置決め部を含む。姿勢位置決め部は第一姿勢位置決め部と第二姿勢位置決め部の作用を実現するために用いられ、すなわち、第一姿勢位置決め部と第二姿勢位置決め部は同一姿勢位置決め部である。位置決め部と測定プローブは別体である。領域位置決め部及び姿勢位置決め部は、いずれも十字スポットを投射可能な赤色レーザを採用している。
【0629】
図50は本開示の実施例に係る光学方法に基づいて測定領域の位置決めと測定姿勢の位置決めを同期的に実現する概略図を概略的に示す。
【0630】
3.血糖濃度の調整方式
方式一、グルコース溶液を飲む。グルコース飲用試験(Oral Glucose Tolerance Test、OGTT)により血糖濃度調整を行う。OGTTは一般的に被測定対象に250mlの水で75gのグルコースを溶解するグルコース溶液を飲用することを要求する。健常ボランティアに対してこの方式を採用する。
【0631】
方式二、一般的な摂食。普通の食物耐量試験(Meal Torlanrance Test、MTT)により血糖濃度調整を行う。MTTは一般的に被測定対象が炭水化物を主に食べ、少量のタンパク質の一般的な食物を有してもよく、かつ水をできるだけ少なく飲用するか又は含水が高い飲料を飲用することを要求し、飲用の総水量は50mlより低い。糖尿病患者ボランティアに対してこの方式を採用する。
【0632】
4.血糖真値取得方式
静脈留置針を用いて右手の手の甲で静脈血を取った後に3つの携帯血糖計(GT-1820,Arkray,Japan)により測定し、三つの血糖値を平均した後に血糖真値とする。
【0633】
(二)実験装置の性能試験
標準反射板と被測定対象の前腕伸側の測定信号対雑音比を測定し、測定信号対雑音比と目標信号対雑音比を比較することにより、実験装置の性能を決定する。測定信号対雑音比が目標信号対雑音比より低い場合、実験装置が実行できることを説明する。ここで、標準反射板の反射率は40%であり、該反射板を測定する時に四つの環状感光面で採集された光強度値は組織成分の測定時と類似する。
【0634】
標準反射板を測定することに対して、内径が第三内径及び第四内径である二つの環状感光面が採集した出力光強度に対して対数差分演算を行い、差分信号を取得し、毎分に480個のデータを測定し、測定時間が3.5時間である。測定開始時刻の差分信号を基準として反射板の測定過程における差分信号の変化量を計算し、結果として、図51に示すとおりである。図51は、本開示の実施例に係る標準反射板を測定して得られた差分信号の変化量が測定時間に伴って変化する概略図を概略的に示す。
【0635】
図51から分かるように、反射板を測定する時、差分信号は約0.0003a.u.の範囲内で変動する。4.5mg/dLの血糖濃度変化に相当する。
【0636】
被測定対象の前腕伸側に対して、測定時に被測定対象が中空状態を保持する必要があり、かつ光学方法により測定領域と測定姿勢の位置決めを実現し、かつ測定過程において、測定姿勢が目標測定姿勢である。内径が第三内径及び第四内径である二つの環状感光面が採集した出力光強度に対して対数差分演算を行い、差分信号を取得し、摂食終了時刻の差分信号を基準として血糖濃度が安定した場合に対応する差分信号の変化量過程における差分信号の変化量を計算し、結果として、図52に示すとおりである。図52は本開示の実施例に係る被測定対象の血糖濃度が安定した状態でその前腕伸側を測定して得られた差分信号の変化量が測定時間に伴って変化する概略図を概略的に示す。
【0637】
図52から分かるように、空腹の測定過程において、差分信号は0.0007a.u.の範囲内で変動し、10.5mg/dLの血糖濃度変化に相当し、血糖の臨床実験の精度要求を満たす。
【0638】
(三)実験工程
1.単回糖負荷試験
(1)実験計画
被測定対象は10名の健常ボランティアと7名の糖尿病ボランティアを含み、ここで、男性は11人であり、女性は6人であり、被測定対象に対して27人数分の試験を行う。
【0639】
被測定対象の年齢分布は、20~30歳の5人、30~50歳の4人、50~72歳の8人を含み、ここで、50~72歳の8人は6人の糖尿病患者を含む。
【0640】
実験の前に被測定対象が10時間以上の絶食を行ったことを保証する必要がある。被測定対象の左アームが作業台に配置され、非測定時に、アームが少し移動することができる。装置の予熱が完了した後、連続的な光学測定を行い、光学的に測定すると同時に5分間間隔で血糖真値を採集し、被測定対象の血糖濃度が低いレベルに回復するまで停止する。信号採集プロセスにおいて光学方法を用いて測定姿勢の位置決めを行う。
【0641】
(2)データ採集
実験は予熱段階、摂食段階及び糖負荷実験段階に分けられる。予熱段階は実験の前の0~1時間であり、この段階で、熱平衡に達するまで、測定プローブと皮膚は熱交換を行う。予熱段階において空腹時血糖値を採集する必要がある。
【0642】
摂食段階は予熱段階の後、摂食は一般的に10分間を必要とし、この時、被測定対象は少し動くことができる。摂食終了後に測定が終了するまでの間に、光学方法により被測定対象のアームの姿勢を目標測定姿勢とする。
【0643】
糖負荷実験段階は1~1.5時間持続し、この段階では、5~10分間ごとに血糖真値を測定しながら、測定信号を記録する必要がある。
【0644】
(3)結果解析
データを分析し、被測定対象の血糖濃度が1mmol/L変化するたびに、平均差分信号の変化量の幅は約0.0012a.u.である。同時に、差分信号の変化量は血糖濃度変化と同期し、両者の相関係数は最高で0.96に達し、平均は0.80であり、対応する直接区別できる血糖濃度の二乗平均平方根誤差は最小0.34mmol/Lであり、平均は0.82mmol/Lである。
【0645】
図53は本開示の実施例に係るOGTT方式を採用して単回糖負荷実験を行う結果概略図を概略的に示す。図53はある被測定対象に対する結果概略図である。図54は、本開示の実施形態に係る差分信号の変化量と血糖真値との関係を概略的に示す図である。
【0646】
2.二次糖負荷実験
(1)実験計画
被測定対象は、1名29歳の男性健常ボランティアである。単回糖負荷実験との相違点は以下のとおりである:該実験は二回に摂食する必要があり、すなわち、一回目の糖負荷実験が完了した後、依然として実験を継続し、血糖が既に低レベルに低下した後、再び摂食することにより、血糖を上昇させ、実験全体は約6時間持続し、残りの設定は単回糖負荷実験と同じである。
【0647】
(2)結果分析
データを分析し、血糖信号を取得し、かつ差分信号の変化量と血糖濃度が高い相関性を示すことを証明し、結果として、図55に示すように、図55は本開示の実施例に係るMTT方式を採用して二次糖負荷実験を行う結果概略図を概略的に示す。一回目のMTTにより取得されたデータを用いて構築された血糖濃度予測モデルは、二回目のMTTの血糖濃度を直接的に予測することができ、予測された二乗平均平方根誤差が0.68mmol/Lに達する。以上により、二回のMTTが同じ測定条件を保持する場合に、直接相互予測を実現することができ、結果として、図56に示すように、図56は、本開示の実施例に係る血糖予測値と血糖真値との間の関係を概略的に示す図である。図56の血糖予測値は、一回目のMTTを用いて得られたデータに対応付けられた血糖濃度予測モデルを用いて、二回目のMTTの血糖濃度を予測した結果を示している。
【0648】
以上をまとめると、27人の単回糖負荷実験における差分信号の変化量と血糖濃度との相関関係と対照群のデータとを比較すると、単一の所定の波長を採用して大面積の感光面を有する組織成分測定装置を結合して組織成分の測定を行い、実際の血糖信号を直接取得したことを証明する。同時に、生体組織成分の測定の三つの原則の重要性及び有効性も証明される。
【0649】
図面のフローチャート及びブロック図は、本開示の様々な実施例に係るシステム、方法及びコンピュータプログラム製品の実現可能なシステムアーキテクチャ、機能及び操作を示す。この点において、フローチャート又はブロック図における各ブロックは一つのモジュール、プログラムセグメント、又はコードの一部を表すことができ、上記モジュール、プログラムセグメント、又はコードの一部は一つ又は複数の所定の論理機能を実現するための実行可能な命令を含む。注意すべきこととして、いくつかの代替の実現において、ブロックにマークされた機能は図面と異なる順序で発生してもよい。例えば、二つの連続的に示されるブロックは実際に基本的に並行して実行されてもよく、それらは逆の順序で実行されてもよく、これは機能に依存して決定される。注意すべきこととして、ブロック図又はフローチャートにおける各ブロック、及びブロック図又はフローチャートにおけるブロックの組み合わせは、所定の機能又は操作を実行する専用のハードウェアに基づくシステムで実現されてもよく、又は専用ハードウェアとコンピュータ指令の組み合わせで実現されてもよい。当業者であれば理解されるように、本開示の各実施例及び/又は請求の範囲に記載の特徴は様々な組み合わせ及び/又は結合を行うことができ、このような組み合わせ又は組み合わせが本開示に明確に記載されていなくてもよい。特に、本開示の精神及び教示から逸脱することなく、本開示の各実施例及び/又は請求の範囲に記載の特徴は様々な組み合わせ及び/又は結合を行うことができる。これらの組み合わせ及び/又は結合は、全て本開示の範囲に属するものとする。
【0650】
以上、本開示の実施例について説明した。しかし、これらの実施例は説明の目的のためだけであり、本開示の範囲を限定するものではない。以上に各実施例をそれぞれ説明したが、これは各実施例における措置を有利に組み合わせて使用することができないことを意味するものではない。本開示の範囲は、特許請求の範囲およびその均等物によって限定される。本開示の範囲から逸脱することなく、当業者は様々な代替及び修正を行うことができ、これらの代替及び修正はいずれも本開示の範囲内にあるべきである。
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