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特許7610891情報処理システム、情報処理方法、および情報処理プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-25
(45)【発行日】2025-01-09
(54)【発明の名称】情報処理システム、情報処理方法、および情報処理プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 20/06 20120101AFI20241226BHJP
   A63F 13/792 20140101ALI20241226BHJP
   A63F 13/79 20140101ALI20241226BHJP
   A63F 13/69 20140101ALI20241226BHJP
【FI】
G06Q20/06 300
A63F13/792
A63F13/79
A63F13/69
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2024097081
(22)【出願日】2024-06-15
【審査請求日】2024-06-17
(31)【優先権主張番号】P 2024092124
(32)【優先日】2024-06-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】524215638
【氏名又は名称】株式会社Sector Seven Games
(74)【代理人】
【識別番号】100226997
【弁理士】
【氏名又は名称】辻 知英
(74)【代理人】
【識別番号】100221291
【弁理士】
【氏名又は名称】青井 隆徳
(72)【発明者】
【氏名】所山 武司
【審査官】原 忠
(56)【参考文献】
【文献】特開2022-163648(JP,A)
【文献】特開2019-211925(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2023/0014928(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
A63F 13/792
A63F 13/79
A63F 13/69
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のプレイヤー間で行われるオンラインゲームに関する情報処理システムであって、
それぞれの前記プレイヤーが支払う仮想通貨の価値に基づいて、第1のスマートコントラクトにより、該プレイヤーにゲームトークンを発行するゲームトークン発行手段と、
前記複数のプレイヤーが前記ゲームトークンを使用して参加する前記オンラインゲームで勝利したプレイヤーに対して、第2のスマートコントラクトにより、該複数のプレイヤーが使用した前記ゲームトークンに基づくゲームポイント数で定められるデジタルアートを含むノンファンジブルトークン(NFT)アートを発行するNFTアート発行手段
を備えることを特徴とする情報処理システム。
【請求項2】
請求項1に記載の情報処理システムであって、
前記プレイヤーのアカウント情報と該プレイヤーが保有するゲームトークンの枚数に関する情報を含むユーザ管理情報を記憶するユーザ管理手段をさらに備え、
前記第1のスマートコントラクトは、
前記プレイヤーが支払う前記仮想通貨を所定の法定通貨に準じたステーブルコインにスワップし、
スワップされた前記ステーブルコインの額に基づく枚数の前記ゲームトークンを発行し、
発行された前記ゲームトークンの枚数に基づいて前記ユーザ管理手段に前記ユーザ管理情報の前記ゲームトークンの枚数に関する情報を更新させる
ことを特徴とする情報処理システム。
【請求項3】
請求項2に記載の情報処理システムであって、
前記第2のスマートコントラクトは、
前記NFTアート発行手段が発行した前記NFTアートを前記勝利したプレイヤーが管理するデジタルウォレットのブロックチェーン上のウォレットアドレスに送信する
ことを特徴とする情報処理システム。
【請求項4】
請求項1に記載の情報処理システムであって、
前記第2のスマートコントラクトは、
前記ゲームトークンに基づくゲームポイント数で定められるデジタルアートについて、該ゲームポイント数が大きい場合のデジタルアートの方が、該ゲームポイントが小さい場合のデジタルアートよりも希少性の度合いを示すレア度を高く設定して、該レア度がデザインに反映された前記デジタルアートを含む前記NFTアートを前記NFTアート発行手段に発行させる
ことを特徴とする情報処理システム。
【請求項5】
請求項1に記載の情報処理システムであって、
前記第2のスマートコントラクトは、
前記ゲームトークンに基づくゲームポイント数で定められるデジタルアートについて、該ゲームポイント数が大きい場合のデジタルアートの方が、該ゲームポイントが小さい場合のデジタルアートよりも希少性の度合いを示すレア度がデザインに反映される割合を高くして、前記NFTアート発行手段に前記NFTアートを発行させる
ことを特徴とする情報処理システム。
【請求項6】
請求項1に係る情報処理システムであって、
前記オンラインゲームに関するゲームアプリをネットワーク上にデプロイするゲーム提供手段をさらに備え、
前記第2のスマートコントラクトは、
1ゲームのオンラインゲームが終了するごとに、前記勝利したプレイヤーが該オンラインゲームを行っていた前記ゲームアプリに組み込まれているアプリケーションプログラミングインタフェース(API)から、前記複数のプレイヤーが使用した前記ゲームトークンに基づくゲームポイント数を前記ゲーム提供手段に送信させ、
前記NFTアート発行手段が前記ゲーム提供手段から前記NFTアートの発行要求を受けた場合、前記NFTアート発行手段に前記NFTアートを生成させ、生成された前記NFTアートを前記勝利したプレイヤーが管理するデジタルウォレットのブロックチェーン上のウォレットアドレスに送信させる
ことを特徴とする情報処理システム。
【請求項7】
請求項1に記載の情報処理システムであって、
所定の法定通貨の物理通貨単位に基づいたデザインを有するデジタルアートを管理する著作物管理手段をさらに備え、
前記第2のスマートコントラクトは、
前記NFTアート発行手段による前記NFTアートの発行にあたって、前記ゲームトークンに基づくゲームポイント数を前記法定通貨の物理通貨単位に相当する一または複数のポイント群に分割し、
前記一または複数のポイント群に分割されたそれぞれのポイント数に基づいて、前記著作物管理手段で管理されている前記法定通貨の物理通貨単位に基づいた一または複数のデジタルアートを含む前記NFTアートを生成し、
生成された前記NFTアートを前記勝利したプレイヤーが管理するデジタルウォレットのブロックチェーン上でのウォレットアドレスに送信させる
ことを特徴とする情報処理システム。
【請求項8】
請求項1に記載の情報処理システムであって、
前記第1のスマートコントラクトは、前記ゲームトークン発行手段に、前払式支払手段で購入された前記ゲームトークンの発行時に該ゲームトークンに有効期限を設定する
ことを特徴とする情報処理システム。
【請求項9】
請求項1に記載の情報処理システムであって、
前記第2のスマートコントラクトは、
前記NFTアートの保有者が該NFTアートを第三者に譲渡した場合前記第三者への譲渡の額に基づいて定められるロイヤリティ額に相当する仮想通貨を前記NFTアートの著作者のデジタルウォレットのブロックチェーン上でのウォレットアドレスに送金させる
ことを特徴とする情報処理システム。
【請求項10】
複数のプレイヤー間で行われるオンラインゲームに関する情報処理システムの情報処理方法であって、
それぞれの前記プレイヤーが支払う仮想通貨の価値に基づいて、第1のスマートコントラクトにより、該プレイヤーにゲームトークンを発行するゲームトークン発行ステップと、
前記複数のプレイヤーが前記ゲームトークンを使用して参加する前記オンラインゲームで勝利したプレイヤーに対して、第2のスマートコントラクトにより、該複数のプレイヤーが使用した前記ゲームトークンに基づくゲームポイント数で定められるデジタルアートを含むNFTアートを発行するNFTアート発行ステップ
を有することを特徴とする情報処理方法。
【請求項11】
複数のプレイヤー間で行われるオンラインゲームに関する情報処理システムに、
それぞれの前記プレイヤーが支払う仮想通貨の価値に基づいて、第1のスマートコントラクトにより、該プレイヤーにゲームトークンを発行させるゲームトークン発行ステップと、
前記複数のプレイヤーが前記ゲームトークンを使用して参加する前記オンラインゲームで勝利したプレイヤーに対して、第2のスマートコントラクトにより、該複数のプレイヤーが使用した前記ゲームトークンに基づくゲームポイント数で定められるデジタルアートを含むNFTアートを発行させるNFTアート発行ステップ
を実行させるための情報処理システムが読み取り可能な情報処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ブロックチェーンを利用したオンラインゲームに関する情報処理システム、情報処理方法、および情報処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、モバイル端末やゲーミングPCなどのハードウェアの進化、ブロードバンドや5Gの普及などの技術の進歩により、オンラインゲームが非常に盛んになってきている。そして、このようなオンラインゲームにブロックチェーンゲーム技術が利用されている(例えば、特許文献1を参照)。
【0003】
特許文献1に記載の技術は、ブロックチェーン技術を活用してゲームアイテムをノンファンジブルトークン(NFT)として取扱い、ゲームアイテムをゲーム内外で送受信することを容易にするものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特願2021-152815号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献1に記載の技術は、ブロックチェーン上のスマートコントラクトによって、オンラインゲームでの対戦結果に基づいて希少性の高いNFTを発行したり、ゲームの興趣性を向上させるようなことについては触れられていない。
【0006】
本発明は、このような事情を考慮してなされたものであり、オンラインゲーム上での取引の透明性と効率を向上させつつ、プレイヤーの興趣性を向上させることができる情報処理システム、情報処理方法、および情報処理プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明は、複数のプレイヤー間で行われるオンラインゲームに関する情報処理システムであって、それぞれの前記プレイヤーが支払う仮想通貨の価値に基づいて、第1のスマートコントラクトにより、該プレイヤーにゲームトークンを発行するゲームトークン発行手段と、前記複数のプレイヤーが前記ゲームトークンを使用して参加する前記オンラインゲームで勝利したプレイヤーに対して、第2のスマートコントラクトにより、該複数のプレイヤーが使用した前記ゲームトークンに基づくゲームポイント数で定められるデジタルアートを含むNFTアートを発行するNFTアート発行手段を備えることを特徴とする。
【0008】
また、上記課題を解決するために、本発明は、複数のプレイヤー間で行われるオンラインゲームに関する情報処理システムの情報処理方法であって、それぞれの前記プレイヤーが支払う仮想通貨の価値に基づいて、第1のスマートコントラクトにより、該プレイヤーにゲームトークンを発行するゲームトークン発行ステップと、前記複数のプレイヤーが前記ゲームトークンを使用して参加する前記オンラインゲームで勝利したプレイヤーに対して、第2のスマートコントラクトにより、該複数のプレイヤーが使用した前記ゲームトークンに基づくゲームポイント数で定められるデジタルアートを含むNFTアートを発行するNFTアート発行ステップを有することを特徴とする。
【0009】
さらに、上記課題を解決するために、本発明は、複数のプレイヤー間で行われるオンラインゲームに関する情報処理システムが読み取り可能な情報処理プログラムであって、それぞれの前記プレイヤーが支払う仮想通貨の価値に基づいて、第1のスマートコントラクトにより、該プレイヤーにゲームトークンを発行させるゲームトークン発行ステップと、前記複数のプレイヤーが前記ゲームトークンを使用して参加する前記オンラインゲームで勝利したプレイヤーに対して、第2のスマートコントラクトにより、該複数のプレイヤーが使用した前記ゲームトークンに基づくゲームポイント数で定められるデジタルアートを含むNFTアートを発行させるNFTアート発行ステップを実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、オンラインゲーム上での取引の透明性と効率を向上させつつ、プレイヤーの興趣性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の一実施形態に係る情報処理システムの概略構成を示すブロック図である。
図2】本発明の一実施形態に係るユーザ管理サーバのハードウエア構成例を示す図である。
図3】本発明の一実施形態に係る情報処理システムにおけるオンラインゲームの実行に関する各サーバ間等の処理手順を例示するシーケンス図である。
図4】本発明の一実施形態に係る情報処理システムのユーザ端末における処理手順を例示するフローチャートである。
図5】本発明の一実施形態に係る情報処理システムのゲームトークン発行サーバにおける処理手順を例示するフローチャートである。
図6】本発明の一実施形態に係る情報処理システムのNFTアート発行サーバにおける処理手順を例示するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。なお、すべての図面において、同様な構成要素には同様の符号を付し、適宜説明を省略する。
なお、以下に示す説明において、各装置・システムの各構成要素は、ハードウェア単位の構成ではなく、機能単位のブロックを示している。各装置・システムの各構成要素は、任意のコンピュータのCPU、メモリ、メモリにロードされたプログラム、そのプログラムを格納するハードディスクなどの記憶メディア、ネットワーク接続用インタフェースを中心にハードウェアとソフトウェアの任意の組合せによって実現される。そして、その実現方法、装置には様々な変形例がある。
【0013】
<情報処理システム100の構成>
図1は、本発明の一実施形態に係る情報処理システム100の概略構成を示すブロック図である。図1に示すように、情報処理システム100は、複数のユーザ端末A1,A2,・・・、ユーザ管理サーバ110、ゲームトークン発行サーバ120、著作物管理サーバ130、ノンファンジブルトークン(NFT)アート発行サーバ140、ブロック・チェーンネットワーク150、ゲーム提供サーバC1、およびNFTマーケットシステムD1が、インターネット等のネットワークB1に接続されることで構成される。
以下の実施形態では、情報処理システム100を用いて、スマートコントラクトを活用することで、ゲームコインの購入から報酬分配のプロセスを自動化し、既存システムと比較して人的オペレーションが必要なことや管理コストを大幅に削減する処理について説明する。
【0014】
ユーザ端末A1,A2,・・・は、複数のプレイヤー(ユーザ)がオンラインゲームのアプリケーションソフトウェア(Application Software)(以下、「ゲームアプリ」と言う)A10をダウンロードするスマートフォンやパーソナルコンピュータ等のコンピュータ端末である。
【0015】
また、ユーザ端末A1,A2,・・・には、当該コンピュータ端末を使用するユーザ用のデジタルウォレットA12,A22,・・・がそれぞれ備わっている。デジタルウォレットA12,A22,・・・は、ユーザが後述するゲームトークンを購入するためにイーサリアム、ビットコインなどの仮想通貨を保管したり、ゲームの結果に応じて獲得するNFTアートを保管することができる。デジタルウォレットA12,A22,・・・に仮想通貨やNFTアートを保管させるには、各デジタルウォレットのブロックチェーン上でのウォレットアドレスを指定して送金等を行う。
【0016】
本実施形態では、図1に示すように、ユーザ端末A1,A2,・・・には、それぞれデジタルウォレットA12,A22,・・・が一つずつ備わっており、それぞれのデジタルウォレットに仮想通貨もNFTアートも保存する。なお、ユーザ端末A1,A2,・・・では、仮想通貨用の仮想通貨ウォレットとNFTアート用のNFTウォレットのように、保存対象ごとにデジタルウォレットを分けられるように、複数のデジタルウォレットを備えるようにしてもよい。
【0017】
ユーザ管理サーバ110は、情報処理システム100でオンラインゲームを実施するプレイヤーであるユーザのユーザIDやパスワード等のユーザに関する情報や、当該プレイヤーが保有するゲームトークンの枚数に関する情報などのユーザ管理情報を管理する。このユーザ管理情報はユーザ管理サーバ110が備えるユーザ管理データベース111に記憶されている。なお、ユーザ管理データベース111はユーザ管理サーバ110の外部に設けられたデータベースであってもよい。
【0018】
ゲームトークン発行サーバ120は、ユーザが仮想通貨を用いてゲームトークンの購入を行った場合に、支払われた仮想通貨の価値に基づいて、ゲームトークン発行スマートコントラクト151(第1のスマートコントラクト)によって、当該プレイヤーにユーティリティトークンであるゲームトークンを発行する。
また、ゲームトークン発行サーバ120は、デジタルウォレット121を備えており、プレイヤーがゲームトークンの購入代金として送金した仮想通貨を保管する。なお、デジタルウォレット121は、ゲームトークン発行サーバ120の外部に設けられたデジタルウォレットであってもよい。
【0019】
著作物管理サーバ130は、後述のNFTアート発行サーバ140で生成されるNFTアートのデザインとして用いられ、当該NFTアートに含まれるデジタル化された著作物であるデジタルアートを記憶・管理し、NFTアート発行サーバ140がNFTアートを生成する際に、記憶しているデジタルアートをNFTアート発行サーバ140に出力する。ここで、著作物管理サーバ130は、デジタルアートを格納するストレージとして、デジタル著作物データベース131を備える。なお、デジタル著作物データベース131は、著作物管理サーバ130の外部に設けられたデータベースであってもよい。
【0020】
本実施形態では、法定通貨である「米国ドル(USドル)」の物理通貨単位である「流通紙幣(1ドル紙幣、5ドル紙幣、10ドル紙幣、20ドル紙幣、50ドル紙幣、100ドル紙幣など)の一部分(例えば、各紙幣の肖像画部分)」に基づいたデザインを有するデジタルアート(例えば、各紙幣の肖像画の人物をモチーフにした単色カラー配色でデザインされたデジタルアート)がデジタル著作物データベース131に記憶されている。
また、デジタル著作物データベース131には、通常のNFTアート用のデジタルアートの他に、「希少性の度合いを示すレア度」が高く設定されたデジタルアートも記憶されている。例えば、通常のNFTアート用のデジタルアートが紙幣の肖像画の人物をモチーフにした単色カラー配色でデザインされたデジタルアートの場合、「希少性の度合いを示すレア度が高く設定されたデジタルアート」は、当該肖像画の人物をモチーフにした複数色を使ったカラフルなカラー配色でデザインされたデジタルアートなどにすることができる。
【0021】
NFTアート発行サーバ140は、複数のプレイヤーがゲームトークンを使用して参加するオンラインゲームにおいて、勝利したプレイヤーに対してNFTアートを発行する。NFTアート発行サーバ140は、NFT発行スマートコントラクト152(第2のスマートコントラクト)に基づいて、複数のプレイヤーが使用したゲームトークンに基づくゲームポイント数で定められるデジタルアートを含むNFTアートを発行する。また、NFTアート発行サーバ140は、仮想通貨を保管するデジタルウォレット141を備えている。なお、デジタルウォレット141は、NFTアート発行サーバ140の外部に設けられたデジタルウォレットであってもよい。
【0022】
ブロックチェーン・ネットワーク150は、各種スマートコントラクトを実行できるプログラムがインストールされた複数のサーバおよびコンピュータ等により構成されるネットワークである。具体的には、ブロックチェーン・ネットワーク150は、イーサリアム(Ethereum)等のプラットフォームを提供するマイナーノードの集合体であり、ブロックチェーン上に記録されるデータには改ざんが無いことが、ブロックチェーンの仕組みにより保証される。
【0023】
ここで、スマートコントラクトは、イーサリアムなどのブロックチェーン上で動作するプログラムであり、内部に整数や文字列、配列などの変数を保持できると共に、外部から呼び出すための関数などが定義されている。これらのスマートコントラクトがブロックチェーン上に記録されることによって、透明性、不変性、安全性が確保される。また。ブロックチェーン上で管理されることにより、プレイヤー間等での取引やゲーム内の活動が信頼できる形で実行され得る。
【0024】
本実施形態におけるブロックチェーン・ネットワーク150には、ゲームトークンの発行に関するゲームトークン発行スマートコントラクト151(第1のスマートコントラクト)と、NFTアートの発行に関するNFT発行スマートコントラクト152(第2のスマートコントラクト)がインストールされている。
なお、上記の構成は一例であり、ブロックチェーン・ネットワーク150が、上記のスマートコントラクト以外のスマートコントラクトを保有することを排除するものではない。
【0025】
ネットワークB1は、インターネット、LAN(Local Area Network)またはWAN(Wide Area Network)などの有線または無線の通信ネットワークであり、4Gまたは5G回線での通信を含む。
【0026】
本実施形態において、ゲームアプリA10は、ゲームディベロッパー(ゲーム開発者)が開発してネットワークB1上にデプロイする、または、ゲームパブリッシャー(ゲーム発行者)が開発・配布・販売等をしてネットワークB1上にデプロイするものとする。そして、ゲームディベロッパーおよびゲームパブリッシャーをあわせて「ゲーム提供者」という。
ゲーム提供サーバC1は、ゲーム提供者が管理等するサーバであり、開発されたゲームアプリA10をネットワークB1上のアプリストアにアップロードすることで、ネットワークB1上にゲームアプリA10がデプロイされる。
【0027】
NFTマーケットシステムD1は、プレイヤーが保有するNFTアートを出品して売却することが可能なマーケットとして機能するシステムであり、NFTアートをオンライン上で取引するマーケットプレイスにより管理されるサーバ、情報処理装置、デジタルウォレット等で構成される。NFTマーケットシステムD1は、情報処理システム100の必須の構成要素ではないが、このことは情報処理システム100がNFTマーケットシステムD1を構成要素の一つとすることを排除するものではない。
【0028】
(ハードウエア構成例)
図2は、本発明の一実施形態に係るユーザ管理サーバ110のハードウエア構成例を示す図である。ユーザ管理サーバ110は、バス1010、プロセッサ1020、メモリ1030、ストレージデバイス1040、入出力インタフェース1050、およびネットワークインタフェース1060を有する。
【0029】
バス1010は、プロセッサ1020、メモリ1030、ストレージデバイス1040、入出力インタフェース1050、およびネットワークインタフェース1060が、相互にデータを送受信するためのデータ伝送路である。ただし、プロセッサ1020などを互いに接続する方法は、バス接続に限定されない。
【0030】
プロセッサ1020は、CPU(Central Processing Unit)やGPU(Graphics Processing Unit)などで実現されるプロセッサである。
【0031】
メモリ1030は、RAM(Random Access Memory)などで実現される主記憶装置である。
【0032】
ストレージデバイス1040は、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、メモリカードなどのリムーバブルメディア、またはROM(Read Only Memory)などで実現される補助記憶装置であり、記録媒体を有している。ストレージデバイス1040の記録媒体はユーザ管理サーバ110の各機能を実現するプログラムモジュールを記憶している。プロセッサ1020がこれら各プログラムモジュールをメモリ1030上に読み込んで実行することで、そのプログラムモジュールに対応する各機能が実現される。また、ストレージデバイス1040は、ユーザ管理情報を記憶するユーザ管理データベース111として機能する。
【0033】
入出力インタフェース1050は、ユーザ管理サーバ110と各種入出力機器とを接続するためのインタフェースである。
【0034】
ネットワークインタフェース1060は、ユーザ管理サーバ110をネットワークB1に接続するためのインタフェースである。ネットワークインタフェース1060がネットワークB1に接続する方法は、無線接続であってもよいし、有線接続であってもよい。ユーザ管理サーバ110は、ネットワークインタフェース1060を介してユーザ端末A1,A2,・・・と通信してもよい。
【0035】
なお、ゲームトークン発行サーバ120、著作物管理サーバ130、NFTアート発行サーバ140、およびゲーム提供サーバC1のハードウエア構成については、ユーザ管理サーバ110と同様であるため、ここでの説明は省略する。
また、ユーザ端末A1,A2,・・・はスマートフォンやパーソナルコンピュータなどであり、そのハードウェア構成についても、図2に示すユーザ管理サーバ110の構成に準じるので、ここでの説明は省略する。
【0036】
情報処理システム100は複数のプレイヤー間で行われるオンラインゲームに適用できるシステムであり、1対1のプレイヤー間で行われるゲーム以外に、1対NやN対N(Nは2以上)のプレイヤー間で行われるゲームであっても適用することができる。
以下に示す実施形態では、説明を簡単化するために、2人のプレイヤー間でのオンライン対戦型ゲームを例に挙げる。具体的には、ユーザ端末A1のプレイヤーとユーザ端末A2のプレイヤーがネットワークB1上にゲーム提供サーバC1がデプロイ(deploy)した対戦型のゲームアプリA10をダウンロードして、ゲームトークンを使用してゲームに参加し、互いに対戦を行って勝負する。
【0037】
<動作例>
図3は、本発明の一実施形態に係る情報処理システム100におけるオンラインゲームの実行に関する各サーバ間等の処理手順を例示するシーケンス図である。
ゲーム提供者であるゲームディベロッパーまたはゲームパブリッシャーは、開発されたオンラインゲーム用のゲームアプリA10をゲーム提供サーバC1によってネットワークB1上にデプロイする。ここで、本実施形態では、ゲーム内通貨であるゲームトークンを利用したポイント配分、ゲームの勝利に基づいた自動的な報酬の割り当て、およびNFTアートの付与などをあらゆるPvPゲームに実装できるアプリケーションプログラミングインタフェース(API)がシステム運営側から提供されており、ゲームアプリA10にも実装されている。
【0038】
(ゲームアプリのダウンロード)
複数のユーザ(プレイヤー)はそれぞれのユーザ端末A1,A2からインターネット等のネットワークB1にアクセスし、アプリストア等からゲーム提供者がデプロイしたゲームアプリA10をそれぞれのユーザ端末A1,A2にダウンロードする(ステップS101)。
【0039】
ここで、図4は、本発明の一実施形態に係る情報処理システム100のユーザ端末A1,A2における処理手順を例示するフローチャートである。上記の複数ユーザによるゲームアプリA10のダウンロード処理(ステップS101)は、図4のフローチャートにおける、ゲーム提供者がアプリストア等にデプロイしたゲームアプリA10をダウンロードする処理(ステップS201)に相当する。
【0040】
(ユーザアカウント登録)
次に、複数のユーザはそれぞれユーザ向けサービス体を構成するユーザ管理サーバ110に対して、ユーザアカウント登録を行う(ステップS111)。ここで、本実施形態では、ユーザは、ダウンロードしたゲームアプリA10を用いて行うオンラインゲームのユーザアカウント、後述するゲームトークンの購入に係るユーザアカウント、およびNFTアートの発行に係るユーザアカウント、NFTアートなどを保管するデジタルウォレットA12,A22ヘアクセスするためのURLなどの情報を含む情報処理システム100内で用いられる共通のユーザアカウントの登録を行う。
【0041】
上記の複数ユーザのユーザアカウント登録処理(ステップS111)は、図4のフローチャートにおける、ゲームアプリA10の利用(オンラインゲームの実施)、オンラインゲームに参加するために必要なゲームへの入場料となるゲームトークンの購入、オンラインゲームで勝利したユーザへのNFTアートの発行に関するユーザアカウントの登録処理(ステップS202)に相当する。
【0042】
(ゲームトークンの購入)
ユーザは、ゲームトークンを購入するために、ユーザアカウント登録した情報に基づいて、それぞれのユーザ端末A1,A2のデジタルウォレットA12,A22に保管している仮想通貨を支払うと、ユーザが支払った仮想通貨はゲームトークン発行サーバ120に送金される(ステップS121)。
【0043】
具体的には、ユーザ端末A1,A2からゲームトークンの購入意思が示された場合、ゲームトークン発行サーバ120は、購入意思のあったゲームトークンの量(枚数)の対価となる金額に、ゲームトークン発行サーバ120の運営母体の利益となる手数料と、その他の実費とを合計した金額をユーザに提示する。その他の実費には、仮想通貨の取引をブロックチェーン上で処理するための送金手数料、仮想通貨のトランザクションをネットワーク上で実行するためにスマートコントラクトプラットフォーム上で発生する計算リソースの手数料であるガス代、および為替手数料などが含まれる。
【0044】
図5は、本発明の一実施形態に係る情報処理システム100のゲームトークン発行サーバ120における処理手順を例示するフローチャートである。
ユーザ端末A1,A2から仮想通貨の送金を受けたゲームトークン発行サーバ120は、送金された仮想通貨をデジタルウォレット121に保管する(ステップS301)。これにより、ゲームトークン発行サーバ120の管理主体であるユーザ向けサービス体は送金された仮想通貨のうちの手数料に相当する金額を収益とすることができる。
そして、ゲームトークン発行サーバ120は、ゲームトークン発行に対する手数料(発行手数料)とその他の実費に相当する費用を除いた仮想通貨の価値に基づいて、ゲームトークン発行スマートコントラクト151によって、プレイヤーにゲームトークン(ユーティリティトークン)を発行する(ステップS122,ステップS302)。
【0045】
なお、本実施形態では、ゲームトークン発行サーバ120で発行されるゲームトークンが実際にユーザ端末A1,A2に送信されるのではなく、ユーザ管理サーバ110で管理されるユーザ管理情報のうちのゲームトークンの枚数に関する情報が更新される。
具体的には、第1のスマートコントラクトであるゲームトークン発行スマートコントラクト151により、ゲームトークン発行サーバ120が発行したゲームトークンの枚数に基づいてユーザ管理サーバ110にユーザ管理情報のゲームトークンの枚数に関する情報を更新させる処理が行われる。
【0046】
また、本実施形態では、各プレイヤーは、仮想通貨として、テザー社(Tether Limited)が発行するステーブルコインであるUSDTを用いてゲームトークンを購入する。USDTは、多くの仮想通貨取引所等で、ビットコインやイーサリアムなどの主要な仮想通貨との取引ペアとして使われており、法定通貨を使用する場合よりも高速かつ低コストで国際送金を行う手段として利用される。
【0047】
なお、プレイヤーがUSDTではなく、ビットコインやイーサリアムなどの他の仮想通貨を用いてゲームトークンを購入することもできる。この場合は、第1のスマートコントラクトであるゲームトークン発行スマートコントラクト151により、ゲームトークン発行サーバ120は、プレイヤーが支払うビットコイン等の仮想通貨を法定通貨に準じたステーブルコインであるUSDTにスワップし、スワップされたUSDTの額に基づく枚数のゲームトークンを発行する。具体的には、スワップ後の仮想通貨の額が100USDTであった場合、ゲームトークン発行サーバ120は100枚のゲームトークンを発行する。
【0048】
また、上記のプレイヤーによるゲームトークンを購入処理(ステップS121)およびゲームトークン発行サーバ120によるゲームトークンの発行処理(ステップS122)は、図4のフローチャートにおける、仮想通貨のゲームトークン発行サーバ120への送金処理を行って、ゲームトークンを購入し入手する処理(ステップS203)に相当する。
さらに、情報処理システム100では、ゲームトークン発行スマートコントラクト151(第1のスマートコントラクト)で、ゲームトークン発行サーバ120に、前払式支払手段で購入されたゲームトークンの発行時に当該ゲームトークンに有効期限を設定するようにすることもできる。このように、ゲームトークンの使用可能期限を定めることで、ゲームへの積極的な参加を促すとともに、トークンの不正利用や悪用を防ぐことが可能となる。
【0049】
上述したように、本実施形態に係る情報処理システム100は、プレイヤーのアカウント情報と当該プレイヤーが保有するゲームトークンの枚数に関する情報を含むユーザ管理情報を記憶するユーザ管理手段(ユーザ管理サーバ110)をさらに備え、ゲームトークン発行スマートコントラクト151(第1のスマートコントラクト)は、プレイヤーが支払う仮想通貨(ビットコイン等)を所定の法定通貨に準じたステーブルコイン(USDT等)にスワップし、スワップされたステーブルコインの額に基づく枚数のゲームトークンを発行し、発行されたゲームトークンの枚数に基づいてユーザ管理サーバ110にユーザ管理情報のゲームトークンの枚数に関する情報を更新させる。このような構成を有することで、プレイヤーがゲームトークンを購入するにあたって、ユーザが仮想通貨での支払いを行ったことをゲームトークン発行スマートコントラクト151が検証し、ゲームトークン発行サーバ120が自動的にゲームトークンを発行するので、取引の透明性や効率を向上させることができる。
【0050】
(ゲーム参加)
上述の手続きによって、複数のプレイヤーはそれぞれのユーザ端末A1,A2,・・・にオンラインゲームのゲームアプリA10をダウンロードし、ゲームトークンの購入が終了している。
ここで、2人のプレイヤーが、それぞれ100枚のゲームトークンを保持しており(ユーザ管理サーバ110のユーザ管理情報にその情報が含まれている)、それぞれユーザ端末A1,A2にダウンロードしたゲームアプリA10で対戦型のオンラインゲームを行う場合について説明する。
【0051】
まず、各プレイヤーは、それぞれのユーザ端末A1,A2上のゲームアプリA10を通じて、それぞれ1枚のゲームトークンを参加費として使用(消費)して(ステップS131)、対戦型のオンラインゲームに参戦する(ステップS204)。
ここで、ユーザ管理サーバ110は、それぞれのプレイヤーが保有するゲームトークン数(ゲームトークンの購入直後なので、それぞれのプレイヤーは100枚ずつ保有)から、オンラインゲームの参加費として使用した1枚を減らして、保有枚数をそれぞれ99枚するように、ユーザ管理情報のうちのゲームトークンの枚数に関する情報を更新する。
また、ユーザ管理サーバ110は、2人のプレイヤーが使用したゲームトークンの枚数に関する情報(例えば、上記ケースでは2人で2枚のゲームトークンが消費されたという情報)をゲームトークン発行サーバ120に通知する(ステップS132)。
【0052】
ゲームトークン発行サーバ120は、ユーザ管理サーバ110から、2人のプレイヤーが使用したゲームトークンの枚数に関する情報の通知を受ける(ステップS303)。
そして、ゲームトークン発行サーバ120は、ユーザ管理サーバ110から通知されたゲームトークンの総数(上記ケースでは2枚)に関する情報に基づいて、ゲームトークンの対価として保管していた仮想通貨のうち、ゲームトークンの総数に対応する価値のステーブルコイン(上記ケースでは、2USDT)をゲーム利用料としてゲーム提供サーバC1に送金する(ステップS133,ステップS304)。
【0053】
本実施形態では、以下に示すように、ゲーム提供者が開発し、ゲーム提供サーバC1からデプロイされたゲームアプリA10によるオンラインゲームの勝者であるユーザにNFTアートが付与される。
なお、上記のケースでは、各プレイヤーが保有するゲームトークンのうちそれぞれ1枚のゲームトークンを参加費として使用しているが、1度のゲームでそれ以上のトークン(例えば、5枚や10枚など)を使用するようにしてもよい。
【0054】
(NFTアートの発行)
本実施形態では、1ゲームのオンラインゲームが終了するごとに、NFTアート発行サーバ140は、勝利したプレイヤーに対して、NFTアートを発行する。
図6は、本発明の一実施形態に係る情報処理システム100のNFTアート発行サーバ140における処理手順を例示するフローチャートである。
NFTアート発行サーバ140は、例えばNFTアートの発行に先立って、外部から当該NFTアートの発行資金の一部または全部として、ゲーム提供サーバC1等の外部から仮想通貨の送金を受け付け、サーバ内のデジタルウォレット141等に保管する(ステップS401)。
【0055】
2人のプレイヤーによる対戦型のゲームが1ゲーム終了すると、ユーザ管理サーバ110は、NFT発行スマートコントラクト152(第2のスマートコントラクト)に従って、勝利したプレイヤーのゲームアプリA10に、複数のプレイヤーが使用したゲームトークンに基づくゲームポイント数(上記ケースでは2ポイント)を通知する(ステップS141)。
【0056】
上記通知をうけて、勝利したプレイヤーのゲームアプリA10は、NFT発行スマートコントラクト152に従って、アプリ内に組み込まれているAPIから、複数のプレイヤー(上記ケースでは2人)が使用したゲームトークンに基づくゲームポイント数(上記ケースでは2ポイント)を含むゲーム結果に関する情報をゲーム提供サーバC1に送信させる(ステップS142,ステップS205)。
【0057】
ゲーム提供サーバC1は、ゲームアプリA10からゲーム結果に関する情報を受けると、NFTアート発行サーバ140にNFT発行スマートコントラクト152(第2のスマートコントラクト)に従って、NFTアートを生成し、NFTアートの発行要求を行う(ステップS143)。そして、NFTアート発行サーバ140では、ゲーム提供サーバC1からNFTアートの発行要求を受けたかどうかが判断される(ステップS402)。
NFTアート発行サーバ140は、ゲーム提供サーバC1からNFTアートの発行要求を受けると(ステップS402でYESの場合)、NFT発行スマートコントラクト152(第2のスマートコントラクト)に従って、NFTアートを生成し、生成したNFTアートを勝利したプレイヤーが管理するデジタルウォレット(NFTウォレット等)のブロックチェーン上のウォレットアドレスに送信する(ステップS144)。送信されたNFTアートは、勝利した側のユーザ端末A1またはA2のデジタルウォレットA12またはA22で保管される(ステップS206)。
【0058】
上述したように、本実施形態にかかる情報処理システム100は、複数のプレイヤー間で行われるオンラインゲームに関するものであり、それぞれのプレイヤーが支払う仮想通貨の価値に基づいて、第1のスマートコントラクト(ゲームトークン発行スマートコントラクト151)により、プレイヤーにゲームトークン(ユーティリティトークン)を発行するゲームトークン発行手段(ゲームトークン発行サーバ120)と、複数のプレイヤーがゲームトークンを使用して参加するオンラインゲームで勝利したプレイヤーに対して、第2のスマートコントラクト(NFT発行スマートコントラクト152)により、複数のプレイヤーが使用したゲームトークンに基づくゲームポイント数で定められるデジタルアートを含むNFTアートを発行するNFTアート発行手段(NFTアート発行サーバ140)を備えている。このような構成を有することにより、ゲーム内通貨(ゲームトークン)を利用したPvPゲーム等において勝利したプレイヤーに、獲得したゲームポイントに応じたデザインのデジタルアートを有するNFTを発行するので、プレイヤーのオンラインゲームに対する興趣性を高くする好適なプラットフォームを提供できる。
【0059】
複数のプレイヤーが上述した1ゲームだけでゲームを終了させず、ゲームを続ける場合(ステップS207でNOの場合)、前述のステップS204の処理に戻って、あらためてゲームトークンを使用してゲームへ参戦することになる。
【0060】
上述したように、本実施形態に係る情報処理システム100は、ゲームトークン発行サーバ120およびNFTアート発行サーバ140に加えて、オンラインゲームに関するゲームアプリをネットワーク上にデプロイするゲーム提供サーバC1をさらに備え、NFT発行スマートコントラクト152(第2のスマートコントラクト)は、1ゲームのオンラインゲームが終了するごとに、勝利したプレイヤーがオンラインゲームを行っていたゲームアプリA10に組み込まれているAPIから、複数のプレイヤーが使用したゲームトークンに基づくゲームポイント数をゲーム提供サーバC1に送信させ、NFTアート発行サーバ140がゲーム提供サーバC1からNFTアートの発行要求を受けた場合、NFTアート発行サーバ140にNFTアートを生成させ、生成された前記NFTアートを勝利したプレイヤーが管理するデジタルウォレットのブロックチェーン上のウォレットアドレスに送信させる。
情報処理システム100は、このような構成を有することにより、オンラインゲームが1ゲーム終了するごとに、勝利したプレイヤーには保有ゲームポイントに比例したNFTアートを自動的に発行できる。
【0061】
ここで、NFTアート発行サーバ140が、NFT発行スマートコントラクト152(第2のスマートコントラクト)に従って、NFTアートを生成・発行する処理についてさらに説明する。
【0062】
本実施形態で、NFTアート発行サーバ140が生成・発行するNFTアートには、複数のプレイヤーが使用したゲームトークンに基づくゲームポイント数で定められるデジタルアートが含まれる。これらのデジタルアートは、著作物管理サーバ130内のデジタル著作物データベース131に記憶されている。
例えば、本実施形態では、デジタルアートとして、法定通貨である「米国ドル(USドル)」の物理通貨単位である「流通紙幣」のうち、1ドル紙幣、2ドル紙幣、5ドル紙幣、10ドル紙幣、20ドル紙幣、50ドル紙幣、100ドル紙幣に基づいたデザインを有するデジタルアートが用いられる。
【0063】
そこで、NFTアート発行サーバ140は、NFT発行スマートコントラクト152に従って、ゲームトークンに基づくゲームポイント数で定められるデジタルアートを著作物管理サーバ130から入手する(ステップS403)。
そして、NFTアート発行サーバ140は、NFT発行スマートコントラクト152に従って、入手したデジタルアートを含むNFTアートを生成し(ステップS404)、生成したNFTアートを勝利したプレイヤーが管理するデジタルウォレットのブロックチェーン上のウォレットアドレスに送信する(ステップS405)。
【0064】
例えば、2人のプレイヤーがそれぞれ1枚ずつゲームトークンを使用してゲームに参加した場合、「複数のプレイヤーが使用したゲームトークンの総数(2枚)に基づくゲームポイント数」は2ポイントとなる。この場合、勝利したプレイヤーには、当該2ポイントに基づいて定められるデジタルアートである「2ドル紙幣」に基づいたデザインを有するデジタルアートを含むNFTアートが1枚発行される。
ここで、2ドル紙幣は現在も米国の法定通貨として有効ではあるが、流通量が極めて少なく「レア度」が高い紙幣である。そこで、本実施形態でも、このような紙幣のデザインに基づいたデザインを有するデジタルアートを大量に発生させないようにする。したがって、このような場合は、1ドル紙幣に基づいたデザインを有するデジタルアートを含むNFTアートを2枚発行させるようにする。
【0065】
そこで、本実施形態では、NFTアート発行サーバ140は、NFT発行スマートコントラクト152(第2のスマートコントラクト)に従って、以下の処理を行うようにする。
(1)複数のプレイヤーが使用したゲームトークンに基づくゲームポイント数を法定通貨である「米国ドル(USドル)」の物理通貨単位である「流通紙幣」のうち、1ドル紙幣、5ドル紙幣、10ドル紙幣、20ドル紙幣、50ドル紙幣、100ドル紙幣(2ドル紙幣は含めない、または、希少性の高いレア度のあるデジタルアートの一つとして2ドル紙幣を考慮する)に相当する一または複数のポイント群に分割する。例えば、2ポイントであれば1ポイントと1ポイントに分割し、30ポイントであれば、20ポイントと10ポイントに分割する。
(2)一または複数のポイント群に分割されたそれぞれのポイント数に基づいて、著作物管理サーバ130で管理されている法定通貨の物理通貨単位に基づいた一または複数のデジタルアートを含むNFTアートを生成する。例えば、2ポイントであれば、1ドル紙幣に基づいたデザインを有するデジタルアートを含むNFTアートを2枚発行し、30ポイントであれば、20ドル紙幣に基づいたデザインを有するデジタルアートを含むNFTアートが1枚と10ドル紙幣に基づいたデザインを有するデジタルアートを含むNFTアートを1枚発行する。
(3)生成された一または複数のNFTアートを勝利したプレイヤーが管理するデジタルウォレットのブロックチェーン上でのウォレットアドレスに送信させる。
【0066】
情報処理システム100において、上記のような処理を行うことにより、実際に流通している法定通貨の紙幣等の通貨単位に準じたNFTアートを生成・発行することができ、NFTアートを獲得するプレイヤーにリアリティの高いオンラインゲームを体感させることができ、ゲームの興趣性を高くすることができる。
【0067】
また、NFTアート発行サーバ140は、ゲームトークンに基づくゲームポイント数で定められるデジタルアートについて、ゲームポイント数が大きい場合のデジタルアートの方が、ゲームポイントが小さい場合のデジタルアートよりも希少性の度合いを示すレア度を高く設定することもできる。この処理は、NFTアート発行サーバ140に対して、NFT発行スマートコントラクト152(第2のスマートコントラクト)に従って行わせる。これにより、ゲームポイント数が大きい場合のデジタルアートの方が、希少性の度合いを示すレア度が高くなるようにしたデジタルアートを含むNFTアートを発行させるようにすることができる。
具体的には、ゲームポイント数が大きい場合のデジタルアート(例えば、100ドル紙幣に基づいたデザインを有するデジタルアート)の方が、ゲームポイントが小さい場合のデジタルアート(例えば、1ドル紙幣に基づいたデザインを有するデジタルアート)よりも希少性の度合いを示すレア度を高く設定する。例えば、100ドル紙幣に基づくデジタルアートの方を、1ドル紙幣に基づくデジタルアートよりも、カラー配色数を多くしたデジタルアートをデザインすることができる。
【0068】
さらに、NFTアート発行サーバ140は、ゲームトークンに基づくゲームポイント数で定められるデジタルアートについて、ゲームポイント数が大きい場合のデジタルアートの方が、ゲームポイントが小さい場合のデジタルアートよりも希少性であるレアさがデザインに反映される割合・頻度を高くすることもできる。この処理は、NFTアート発行サーバ140に対して、NFT発行スマートコントラクト152(第2のスマートコントラクト)に従って行わせる。これにより、ゲームポイント数が大きい場合のデジタルアートの方が、希少性であるレアさがデザインに反映される割合・頻度を高くして、NFTアートを発行させるようにすることができる。
具体的には、ゲームポイント数が大きい場合のデジタルアート(例えば、100ドル紙幣に基づいたデザインを有するデジタルアート)の方が、ゲームポイントが小さい場合のデジタルアート(例えば、1ドル紙幣に基づいたデザインを有するデジタルアート)よりも希少性であるレアさがデザインに反映される割合・頻度を高く設定する。例えば、100ドル紙幣に基づくデジタルアートの方を1ドル紙幣に基づくデジタルアートよりもレアさがデザインに反映されたデジタルアートをデザインすることができる。
【0069】
上述のように、レア度が高くなるようなNFTアートを発行させるような構成を情報処理システム100が有することで、希少性を示すレア度の高いデジタルアートを含むNFTアートを意図的に発行されることができるようになるので、ゲームに勝利したプレイヤーがNFTアート自体の資産価値をより高く認識し、レアなNFTアートを獲得するために、1ゲームで使用するポイントを高くして、オンラインゲームへ積極的に参加することが期待できる。
【0070】
(NFTアートの出品)
本実施形態に係る情報処理システム100では、NFTアートの保有者が当該NFTアートをNFTマーケットシステムD1経由で第三者に譲渡することもできる。この場合、当該NFTアートを取得した第三者から、NFTマーケットシステムD1の手数料等を除いたNFTアートの対価を受け取ることができる(ステップS151)。なお、当該対価である仮想通貨は、NFTアートの新保有者から旧保有者のデジタルウォットのブロックチェーン上でのウォレットアドレスに送金される。
【0071】
本実施形態に係る情報処理システム100では、NFT発行スマートコントラクト152(第2のスマートコントラクト)に従って、NFTアートの保有者が当該NFTアートをNFTマーケットシステムD1経由で第三者に譲渡した場合第三者への譲渡の額に基づいて定められるロイヤリティ額に相当する仮想通貨を自動的にアート著作物であるデジタルアートの著作者のデジタルウォレットのブロックチェーン上でのウォレットアドレスに送金させるようにしてもよい。
このようにすることで、アート著作物であるデジタルアートの著作者はそれが用いられたNFTアートが転々流通しても適切にロイヤリティを得ることができる。
なお、上述したデジタルウォレットをNFTアートと仮想通貨で分けるようにしてもよい。これにより、セキュリティの向上、管理の効率化、利便性の向上、プライバシーの保護といったメリットが得られる。また、暗号資産の性質や用途に応じて適切なウォレットを使用することで、全体的なリスク管理と運用の効率を高めることができる。
【0072】
上述の通り、本発明の一実施形態に係る情報処理システム100によれば、スマートコントラクトの導入により、各ステップおよび会社間のトランザクションを完全に自動化しトレース可能な状態にすることで、ゲーム運営会社がゲームコインの購入から報酬配布までのプロセスを効率的に管理することができる。
なお、本実施形態に係るシーケンス図およびフローチャート(図3図4図5および図6)は、あくまで一実施形態である。本発明の趣旨を変更しない範囲で、図3図4図5および図6で説明した処理以外の処理があってもよいし、図3図4図5および図6で説明した処理の一部がなくてもよいし、処理の順番を入れ替えてもよい。
【0073】
以上のように本発明の実施の形態について説明を行なったが、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。この発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味、および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0074】
100 情報処理システム
110 ユーザ管理サーバ
111 ユーザ管理データベース
120 ゲームトークン発行サーバ
121、141、A12、A22 デジタルウォレット
130 著作物管理サーバ
131 デジタル著作物データベース
140 NFTアート発行サーバ
150 ブロックチェーン・ネットワーク
151 ゲームトークン発行スマートコントラクト
152 NFT発行スマートコントラクト
1010 バス
1020 プロセッサ
1030 メモリ
1040 ストレージデバイス
1050 入出力インタフェース
1060 ネットワークインタフェース
A1、A2 ユーザ端末
A11、A21 ゲームAPP(アプリ)
B1 ネットワーク
C1 ゲーム提供サーバ
D1 NFTマーケットシステム

【要約】
【課題】オンラインゲーム上での取引の透明性と効率を向上させつつ、プレイヤーの興趣性を向上させることができる情報処理システム、情報処理方法、および情報処理プログラムを提供する。
【解決手段】情報処理システム100は、オンラインゲームを行うそれぞれのプレイヤーが支払う仮想通貨の価値に基づいて、ゲームトークン発行スマートコントラクト151により、プレイヤーにゲームトークンを発行するゲームトークン発行サーバ120と、複数のプレイヤーがゲームトークンを使用して参加するオンラインゲームで勝利したプレイヤーに対して、NFT発行スマートコントラクト152により、複数のプレイヤーが使用したゲームトークンに基づくゲームポイント数で定められるデジタルアートを含むNFTアートを発行するNFTアート発行サーバ140を備える。
【選択図】 図1

図1
図2
図3
図4
図5
図6