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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-25
(45)【発行日】2025-01-09
(54)【発明の名称】光検出ユニット
(51)【国際特許分類】
   H10F 55/00 20250101AFI20241226BHJP
   H10F 77/00 20250101ALI20241226BHJP
【FI】
H01L31/12 E
H01L31/02 B
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2020014059
(22)【出願日】2020-01-30
(65)【公開番号】P2021120994
(43)【公開日】2021-08-19
【審査請求日】2022-12-16
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000129253
【氏名又は名称】株式会社キーエンス
(74)【代理人】
【識別番号】110001427
【氏名又は名称】弁理士法人前田特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】チャ ライ タッ
(72)【発明者】
【氏名】永田 晃規
【審査官】桂城 厚
(56)【参考文献】
【文献】特開2000-241657(JP,A)
【文献】特開2005-005004(JP,A)
【文献】特開平06-104837(JP,A)
【文献】特開2017-110926(JP,A)
【文献】特開2006-243467(JP,A)
【文献】特開2006-237449(JP,A)
【文献】特開2008-177087(JP,A)
【文献】特開平09-127346(JP,A)
【文献】特開2016-004859(JP,A)
【文献】特開2008-159766(JP,A)
【文献】米国特許第07085452(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 31/00-31/0392
H01L 31/08-31/20
IEEE Xplore
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
検出光を検出領域に向けて投光する発光素子と、
前記検出領域からの前記検出光を受光する受光素子と、
前記発光素子に光結合され、前記検出光を外部に誘導するための投光用穴と、
前記受光素子に光結合され、外部からの前記検出光を誘導するための受光用穴と、
前記受光素子で生成された受光信号としきい値とを比較して比較結果を示す検出信号を生成する信号生成部と、
前記検出信号に関する情報を筐体の外部に表示する表示部を有し、前記検出領域からの前記検出光に基づく前記検出信号に基づき前記検出領域における物品の有無を判別する光学式センサとともに用いられる光検出ユニットであって、
前記光検出ユニットは、前記光学式センサの前記投光用穴または前記受光用穴に対して挿抜可能に接続され、前記発光素子から投光された検出光を前記投光用穴から投光端まで導光し、前記検出領域からの前記検出光を受光端から前記受光用穴まで導光すように構成されており、
第1端部と第2端部との間を導光し幅寸法が厚み寸法に比べて長く設定された幅広のシート状をなし、コアと、前記コアを囲むクラッドとを有し、前記コアと前記クラッドとが厚み方向に層状に設けられた光導波路であって
前記第1端部が前記光学式センサの前記発光素子に光結合されるように前記投光用穴に接続され、前記第2端部が前記投光端として、前記検出領域に前記検出光を投光す投光用光導波路、及び、前記第1端部が前記光学式センサの前記受光素子に光結合されるように前記受光用穴に接続され、前記第2端部が前記受光端として、前記検出領域から前記検出光を受光する受光用光導波路、を備える光導波路と、
前記光導波路の前記第1端部が接続され、前記光導波路の前記第1端部を前記光学式センサの前記投光用穴または前記受光用穴に対して光学的に直接または間接に接続するとともに、前記投光用穴または前記受光用穴に対して着脱自在に取り付けられるコネクタ部と、
を有し、
前記光導波路に、当該光導波路を取付部材に固定するための穴が設けられている光検出ユニット。
【請求項2】
請求項1に記載の光検出ユニットにおいて、
前記コネクタ部は、前記投光用穴または前記受光用穴に対して挿入される凸部を有している光検出ユニット。
【請求項3】
請求項2に記載の光検出ユニットにおいて、
前記凸部の先端面に、前記光導波路の前記第1端部が露出しており、
前記凸部は、前記投光用穴または前記受光用穴に対して挿入された状態で、前記発光素子の光出射面または前記受光素子の受光面の中心位置に前記第1端部を位置決めする光検出ユニット。
【請求項4】
請求項1に記載の光検出ユニットにおいて、
前記光導波路は、前記光学式センサの前記投光用穴に接続され、前記第2端部が投光端として前記検出領域に前記検出光を投光する投光用光導波路と、前記光学式センサの前記受光用穴に接続され、前記第2端部が受光端として前記検出領域から前記検出光を受光する受光用光導波路とを含み、
前記コネクタ部は、前記投光用光導波路の前記第1端部に接続され、前記投光用穴に挿抜可能に光結合される投光側光ファイバと、前記受光用光導波路の前記第1端部に接続され、前記受光用穴に挿抜可能に光結合される受光側光ファイバとを一体的に束ねる光検出ユニット。
【請求項5】
請求項4に記載の光検出ユニットにおいて、
前記投光側光ファイバ及び前記受光側光ファイバは、複数の光ファイバ線を束ねたバンドル光ファイバである光検出ユニット。
【請求項6】
請求項5に記載の光検出ユニットにおいて、
前記投光側光ファイバにおける前記投光用光導波路との接続側は、当該投光側光ファイバを構成している前記複数のファイバ線が前記投光用光導波路の幅方向に並んで配置されている光検出ユニット。
【請求項7】
請求項6に記載の光検出ユニットにおいて、
前記投光側光ファイバと、前記投光用光導波路との間には、当該投光用光導波路の幅方向に長いロッドレンズ、透明弾性材または透明接着材が設けられている光検出ユニット。
【請求項8】
請求項1から7のいずれか1つに記載の光検出ユニットにおいて、
前記光導波路の前記第1端部と前記第2端部との間に、前記光導波路のコアを通る光を外部に取り出す表示灯が、投光側または受光側の前記光導波路に設けられている光検出ユニット。
【請求項9】
請求項1から7のいずれか1つに記載の光検出ユニットにおいて、
前記投光用穴および前記受光用穴は、円形状の穴であり、
前記コネクタ部のうち、前記投光用穴または前記受光用穴に対して着脱自在に取り付けられる部分は、前記光導波路のコアがシート状に配列されている部分である光検出ユニット。
【請求項10】
請求項1からのいずれか1つに記載の光検出ユニットにおいて、
前記コネクタ部に、当該コネクタ部を固定するための貫通穴を有する光検出ユニット。
【請求項11】
請求項4から7のいずれか1つに記載の光検出ユニットにおいて、
前記投光側光ファイバおよび前記受光側光ファイバと前記投光用光導波路および前記受光用光導波路とが光学的に結合している部分は、前記コネクタ部内にある光検出ユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発光素子及び受光素子を有する光学式センサに接続される光検出ユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、検出領域に照射する検出光を生成する発光素子と、検出領域からの検出光を受光する受光素子とを備え、受光素子で生成された受光信号としきい値とを比較してその比較結果として物品の有無等に関する信号を出力するように構成された光検出ユニットが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
この種の光検出ユニットを用いて光検出を行う際には、発光素子に接続される発光側の光ファイバと、受光素子に接続される受光側の光ファイバとを有する光検出ユニットが一般的に使用される。特許文献1の光検出ユニットを構成している光ファイバは、複数の光ファイバ線を束ねたバンドル光ファイバからなるものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特許第4177178号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、特許文献1の光ファイバのように複数の光ファイバ線を束ねたバンドル光ファイバの場合、その構造上、光ファイバの外径は、当該光ファイバを構成している光ファイバ線の線径の数倍以上になることは避けられなかった。
【0006】
しかしながら、光検出ユニットの光ファイバは、例えば部品と部品との間が狭くて薄いスペースしか確保できないところを通したり、そのような薄いスペースに設置したい場合がある。これらの場合、特許文献1のバンドル光ファイバでは、外径が大きくて対応が困難であった。
【0007】
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、光検出ユニットの光導波路を薄いスペースに通したり、薄いスペースに設置できるようにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本開示の第1の側面では、検出光を検出領域に向けて投光する発光素子と、前記検出領域からの検出光を受光する受光素子と、前記発光素子に光結合するための投光用接続部と、前記受光素子に光結合するための受光用接続部と、前記受光素子で生成された受光信号としきい値とを比較して比較結果を示す検出信号を生成する信号生成部と、を有する光学式センサに接続される光検出ユニットを前提としている。
【0009】
光検出ユニットは、光導波路とコネクタ部とを有している。光導波路は、第1端部と第2端部との間を導光し水平方向に幅広のシート状をなし、コアと、前記コアを囲むクラッドとを有し、前記コアと前記クラッドとが鉛直方向に層状に設けられ、前記第1端部が前記光学式センサの前記発光素子または前記受光素子に光結合されるように投光用接続部または受光用接続部に接続され、前記第2端部が投光端または受光端として、検出領域に光を投光または検出領域から光を受光する部材である。コネクタ部は、前記光導波路の前記第1端部が接続され、前記光導波路の前記第1端部を前記光学式センサの前記投光用接続部または前記受光用接続部に対して直接または間接に、光学的に接続するとともに、前記投光用接続部または前記受光用接続部に対して着脱自在に取り付けられる部材である。
【0010】
この構成によれば、光導波路が水平方向に幅広のシート状をなしており、鉛直方向に層状に設けられたコアとクラッドとを有しているので、光導波路を薄くしながら、光導波路の光量を確保することが可能になる。光導波路の第1端部がコネクタ部により光学式センサの投光用接続部または受光用接続部に対して接続することができる。コネクタ部は、投光用接続部または受光用接続部に対して着脱自在に取り付けられているので、必要に応じて光検出ユニットを光学式センサに接続することや、光検出ユニットの交換等が容易になる。
【0011】
本開示の第2の側面では、前記コネクタ部が、前記投光用接続部または前記受光用接続部に対して挿入される凸部を有している構成とすることができる。
【0012】
この構成によれば、コネクタ部の凸部を投光用接続部または受光用接続部に対して挿入することで、光導波路を投光用接続部または受光用接続部に容易に接続することができる。凸部は、投光側と受光側の両方に設けられていてもよく、投光側の凸部と受光側の凸部とを一体化することで、接続作業がより一層容易になる。
【0013】
光学式センサには、凸部をクランプするクランプ機構が設けられていてもよい。クランプ機構をアンクランプ状態にして凸部を投光用接続部または受光用接続部に挿入し、挿入後、クランプ機構をクランプ状態にすることで、凸部が光学式センサから離脱しないようにすることができる。
【0014】
本開示の第3の側面では、前記凸部の先端面に、前記光導波路の前記第1端部が露出しており、前記凸部は、前記投光用接続部または前記受光用接続部に対して挿入された状態で、前記発光素子の光出射面または前記受光素子の受光面の中心位置に前記第1端部を位置決めする構成とすることができる。
【0015】
この構成によれば、凸部の先端面に光導波路の第1端部が露出しているので、凸部を投光用接続部または受光用接続部に挿入することで、光導波路を発光素子または受光素子に光結合することが可能になる。このとき、光導波路の第1端部が、発光素子の光出射面または受光素子の光受光面の中心位置に位置決めされるので、接続部分における光量の減少を抑制することができる。
【0016】
本開示の第4の側面では、前記光導波路は、前記光学式センサの前記投光用接続部に接続され、前記第2端部が投光端として検出領域に光を投光する投光用光導波路と、前記光学式センサの前記受光用接続部に接続され、前記第2端部が受光端として検出領域から光を受光する受光用光導波路とを含んでいてもよい。また、前記コネクタ部は、前記投光用光導波路の前記第1端部に接続され、前記投光用接続部に挿抜可能に光結合される投光側光ファイバと、前記受光用光導波路の前記第1端部に接続され、前記受光用接続部に挿抜可能に光結合される受光側光ファイバとを一体的に束ねる部材であってもよい。
【0017】
この構成によれば、投光用光導波路の第1端部を、投光側光ファイバを介して投光用接続部に接続することができ、また、受光用光導波路の第1端部を、受光側光ファイバを介して受光用接続部に接続することができる。このとき、投光側光ファイバと受光側光ファイバとをコネクタによって一体的に束ねているので、投光側光ファイバ及び受光側光ファイバの挿抜操作が容易に行える。また、投光側光ファイバ及び受光側光ファイバが中継部材となるので、投光用光導波路と受光用光導波路の光路端面の形状が光学式センサの投光用接続部と受光用接続部の形状と異なっていても、容易に対応することができる。さらに、投光側光ファイバ及び受光側光ファイバの間隔が光学式センサ側の要求によって決定されていたとしても、コネクタよりも先の投光用光導波路と受光用光導波路との間隔は自由に設定することができ、検出対象物や検出方法に合わせることができる。
【0018】
本開示の第5の側面では、前記投光側光ファイバ及び前記受光側光ファイバは、複数の光ファイバ線を束ねたバンドル光ファイバとすることができる。
【0019】
本開示の第6の側面では、前記投光側光ファイバにおける前記投光用光導波路との接続側は、当該投光側光ファイバを構成している複数のファイバ線が前記投光用光導波路の幅方向に並んで配置されていてもよい。
【0020】
すなわち、バンドル光ファイバで投光側光ファイバを構成する場合には、円形に近い端面形状を有することになるのに対し、投光用光導波路が水平方向に幅広であり、両者の接続部分の形状差が大きくなり、その結果、光損失が増えるおそれがある。この構成では、投光側光ファイバを構成している複数のファイバ線が投光用光導波路の幅方向に並んで配置されているので、投光側光ファイバと投光用光導波路との接続部分の形状差が小さくなり、光損失を減らすことができる。
【0021】
尚、受光側光ファイバにおける受光用光導波路との接続側は、当該受光側光ファイバを構成している複数のファイバ線が受光用光導波路の幅方向に並んで配置されていてもよい。
【0022】
本開示の第7の側面では、前記投光側光ファイバと、前記投光用光導波路との間には、当該投光用光導波路の幅方向に長いロッドレンズが設けられていてもよい。
【0023】
受光側光ファイバと、受光用光導波路との間には、当該受光用光導波路の幅方向に長い透明弾性材が設けられていてもよいし、透明接着材が設けられていてもよい。
【0024】
本開示の第8の側面では、筐体内の投光素子に光学的に結合される投光用穴と、前記筐体内の受光素子に光学的に結合される受光用穴と、を有する光学式センサに挿抜可能に接続される光検出ユニットを前提とすることができる。
【0025】
光検出ユニットは、センサ側端部が前記投光用穴に光学的に結合され、検出端が検出領域に向けて検出光を投光するよう配置され、光が通るコアとその周囲を囲うクラッドを有するシート状の第1光導波路と、センサ側端部が前記受光用穴に光学的に結合され、検出端が検出領域からの検出光を受光するよう配置され、光が通るコアとその周囲を囲うクラッドを有するシート状の第2光導波路と、前記第1光導波路と前記第2光導波路を一体化するコネクタ部と、前記コネクタ部に設けられ、前記第1光導波路の前記センサ側端部の周囲を囲む略円形断面を有し、前記投光用穴と略同一の大きさの投光側凸部と、前記コネクタ部に設けられ、前記第2光導波路の前記センサ側端部の周囲を囲む略円形断面を有し、前記受光用穴と略同一の大きさの受光側凸部とを有している。
【0026】
すなわち、第1光導波路及び第2光導波路がシート状であることから、光導波路を薄くしながら、光導波路の光量を確保することが可能になる。光検出ユニットを光学式センサに接続する際には、コネクタと一体の投光側凸部を光学式センサの投光用穴に挿入すればよく、接続時の作業性が良好である。投光側凸部を接続すると、投光側凸部が投光用穴と略同一の大きさであることから、投光用穴内で位置決めされる。同様に、受光側凸部も位置決めされる。これにより、光損失を減らすことができる。
【0027】
本開示の第9の側面では、前記投光側凸部の外径を前記第1光導波路の厚み寸法よりも大きくすることができる。
【0028】
前記投光側凸部および前記受光側凸部は、光ファイバであってもよい。
【0029】
前記光学式センサの投光用穴と受光用穴は、筐体に対して縦方向に並んで配置され、前記光導波路の投光用経路および受光用経路は、シート状の横方向に並び、前記光導波路の検出領域と接続穴との間に、ひねり部を有していてもよい。前記ひねり部は光ファイバ部分であってもよい。
【0030】
前記光導波路の第1端部と第2端部との間に、前記光導波路のコアを通る光を外部に取り出す表示灯が、投光側または受光側の光導波路に設けられていてもよい。
【0031】
前記投光用接続部および前記受光用接続部は、円形状の穴であり、前記コネクタ部のうち、前記投光用接続部または前記受光用接続部に対して着脱自在に取り付けられる部分は、前記光導波路のコアがシート状に配列されている部分であってもよい。
【0032】
前記コネクタ部は、投光側および受光側の前記光導波路を把持する部分であってもよい。前記コネクタに、固定用の貫通穴を有していてもよい。
【0033】
前記光ファイバと前記光導波路とが光学的に結合している部分は、前記コネクタ内にあってもよい。前記光導波路に固定用の穴が設けられていてもよい。
【発明の効果】
【0034】
以上説明したように、コアとクラッドとが鉛直方向に層状に設けられた光導波路が水平方向に幅広のシート状をなしているので、光導波路の光量を確保しながら、光導波路を薄いスペースに通したり、薄いスペースに設置することができる。コネクタ部が投光用接続部または受光用接続部に対して着脱自在に取り付けられているので、光検出ユニットの接続や、光検出ユニットの交換等を容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0035】
図1図1は、本発明の実施形態に係る光検出ユニットが接続された光学式センサの使用状態を示す斜視図である。
図2図2は、光学式センサのブロック図である。
図3図3は、素子ホルダ及び素子ホルダに保持された部材を説明するための縦断面斜視図である。
図4図4は、光検出ユニットの導光部とコネクタ部とを分離した状態を示す平面図である。
図5図5は、光検出ユニットの導光部の上側被覆部材を省略した斜視図である。
図6図6は、図4におけるVI-VI線断面図である。
図7図7は、光導波路の端部近傍を拡大して示す平面図である。
図8A図8Aは、複数のコアを有する光導波路の拡大断面図である。
図8B図8Bは、1つのコアを有する光導波路の拡大断面図である。
図9図9は、図5に示す光検出ユニットの導光部の先端側を拡大した図である。
図10図10は、ワークの検出状態を示す図4のX-X線断面図である。
図11図11は、光検出ユニットを固着部材によって取付部材に固定する例を示す平面図である。
図12図12は、光検出ユニットを固着部材によって取付部材に固定する例を示す縦断面図である。
図13図13は、光検出ユニットを固定プレートによって取付部材に固定する例を示す平面図である。
図14図14は、光検出ユニットを固定プレートによって取付部材に固定する例を示す縦断面図である。
図15図15は、光検出ユニットをフック状部材によって取付部材に固定する例を示す図である。
図16図16は、光検出ユニットをネジによって取付部材に直接固定する例を示す平面図である。
図17図17は、光検出ユニットをネジによって取付部材に直接固定する例を示す縦断面図である。
図18図18は、光検出ユニットの固定部分に被覆部材を設ける例を示す斜視図である。
図19図19は、光検出ユニットの固定部分に被覆部材を設け、被覆部材の幅方向両側を固定する例を示す斜視図である。
図20図20は、光検出ユニットの固定部分に被覆部材を設け、被覆部材の先端側を固定する例を示す斜視図である。
図21図21は、光検出ユニットの固定部分に被覆部材を設け、被覆部材の先端側と、投光用光導波路及び受光用光導波路の間の部分を固定する例を示す斜視図である。
図22図22は、ワッシャーを用いて光検出ユニットを固定する例を示す縦断面図である。
図23A図23Aは、光導波路同士を接続した部分の縦断面図である。
図23B図23Bは、光導波路同士を接続した部分の平面図である。
図24図24は、単一の部材に投光用光導波路及び受光用光導波路を形成し、限定反射を実現する構成例を示す斜視図である。
図25図25は、投光用光導波路及び受光用光導波路の先端部に別部材からなるリフレクタを設けて限定反射を実現する構成例を示す斜視図である。
図26図26は、光損失の低減を考慮した光導波路のパターン例を示す光検出ユニットの平面図である。
図27A図27Aは、光出射ミラー面を投光用光導波路の先端面に設けた例を示す図である。
図27B図27Bは、投光用光導波路の先端面の方向を方向設定部材によって設定した例を示す図である。
図28図28は、外形サイズを優先した光導波路のパターン例を示す光検出ユニットの平面図である。
図29図29は、投光用光導波路及び受光用光導波路を、複数の光ファイバを水平方向に並べて構成した例を示す斜視図である。
図30図30は、光導波路の先端部から光を出射する限定反射の例を示す平面図である。
図31図31は、光導波路の先端部から光を出射する限定反射の別の例を示す平面図である。
図32図32は、光導波路の側面から光を出射する限定反射の例を示す平面図である。
図33図33は、光導波路の側面から光を出射する限定反射の別の例を示す平面図である。
図34図34は、多点反射型光検出ユニットとして使用する例を示す平面図である。
図35図35は、光導波路の先端部を屈曲させた例を示す図である。
図36A図36Aは、光導波路とミラー部材とを組み合わせた例を示す図である。
図36B図36Bは、光導波路とミラー部材とを組み合わせた別の例を示す図である。
図37図37は、回帰反射板を設置する例を示す図である。
図38A図38Aは、投光用光導波路と受光用光導波路とが同方向に延びる場合の透過型光検出ユニットの例を示す図である。
図38B図38Bは、投光用光導波路と受光用光導波路とが逆方向に延びる場合の透過型光検出ユニットの例を示す図である。
図39図39は、投光用光導波路の先端部と受光用光導波路の先端部とを対向させた場合の透過型光検出ユニットの例を示す図である。
図40図40は、光検出ユニット内でワークの検出を行う場合の透過型光検出ユニットの例を示す図である。
図41図41は、多数の光路を形成した透過型光検出ユニットの例を示す図である。
図42図42は、第1例に係るコネクタ部の平面図である。
図43図43は、第1例に係るコネクタ部の側面図である。
図44図44は、図43におけるA-A線断面図である。
図45図45は、図42におけるB-B線断面図である。
図46図46は、図43におけるC-C線断面図である。
図47図47は、第1例に係るコネクタ部を先端側から見た図である。
図48図48は、第1例に係るコネクタ部を押さえ込み部材が配設されている側から見た斜視図である。
図49図49は、第2例に係るコネクタ部の斜視図である。
図50図50は、第3例に係るコネクタ部の平視図である。
図51図51は、第3例に係るコネクタ部を先端側から見た図である。
図52図52は、プリ設置アダプタを備えている例を示す図である。
図53図53は、光学式センサの投光用穴及び受光用穴がスリット形状である例を示す図である。
図54図54は、第4例に係るコネクタ部を示す斜視図である。
図55A図55Aは、中継部分の第1例の構造を示す表側から見た斜視図である。
図55B図55Bは、中継部分の第1例の構造を示す裏側から見た斜視図である。
図55C図55Cは、中継部分の第1例の構造を示す斜視図である。
図56A図56Aは、中継部分の第1例を示す断面図である。
図56B図56Bは、中継部分の第1例を示す平面図である。
図57図57は、中継部分の第2例を示す平面図である。
図58図58は、中継部分の第2例を示す断面図である。
図59図59は、中継部分の第3例を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0036】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。尚、以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物或いはその用途を制限することを意図するものではない。
【0037】
図1は、本発明の実施形態に係る光検出ユニット400が接続された光学式センサ1の使用状態を示す斜視図である。光検出ユニット400と、光学式センサ1とにより、光学式検出装置300が構成されている。図1は、光学式検出装置300を斜め上方から見た斜視図であり、DINレール2に4つの光学式検出装置300を互いに隣り合わせに設置した例が図示されており、そのうちの1台の光学式検出装置300が上蓋4を開いた状態で図示されている。
【0038】
DINレール2に隣接して設置された複数の光学式検出装置300は、その1つが親機であり、他が子機である。例えば親機の投光が終わると、親機から第1の子機に投光開始の信号が供給され、第1の子機の投光が実行される。この第1の子機の投光が終わると、第1の子機から第2の子機に投光開始の信号が供給され、第2の子機の投光が実行される。以下、第3、第4の子機の投光が順次開始される。
【0039】
なお、図1に示す使用例は一例であり、光学式検出装置300を1台のみで使用することもできるし、光学式検出装置300をDINレール2以外の部材に固定して使用することもできる。
【0040】
(光学式センサ1の構成)
図2に光学式検出装置300のブロック図を示すように、光学式検出装置300を構成している光学式センサ1は、投光部102と受光部202とを備えている。投光部102は所定のパルス光を光検出ユニット400に出力する。投光部102の発光素子104は、投光電源制御回路302から供給される発振パルスによって駆動されてパルス光を発する。一方、受光部202が受光した光は受光素子204で光電変換され、受光素子増幅回路206、増幅回路304、A/D変換器306を経て制御部308に送られる。これによって、パルス光に同期した検波が施され、検波信号は更に直流信号等に変換された後、インタフェース部を構成するI/O回路360から、検出結果を表わすON/OFF信号として出力される。
【0041】
光学式センサ1は、発光素子104を駆動するための投光回路106を備える。発光素子104は、検出光を検出領域に向けて投光するための部材であり、発光素子104の典型例は発光ダイオード(LED)であるが、これに限られるものではない。
【0042】
投光回路106は、投光APC回路108と、モニタPD等のモニタ用受光素子110を備える。投光APC回路108は発光素子104の出力、つまり発光量が所定値となるよう制御する。投光部102のモニタ用受光素子110はモニタ信号増幅回路114に接続されており、モニタラインを介してLED発光量モニタ回路312に受光量を送出する。LED発光量モニタ回路312は、A/D変換器314を介してデジタル信号に変換した受光量信号を制御部308に供給する。制御部308は、モニタ用受光素子110が検出した発光量に基づいて、発光量が所定値となるように投光電源制御回路302を制御し、投光APC回路108の電流量を調整して発光素子104を駆動するフィードバック制御を行う。
【0043】
光学式センサ1は受光素子204を駆動するための受光回路208を備える。受光素子204は検出領域からの検出光を受光する部材であり、受光素子増幅回路206に接続されている。受光素子204で受光した受光量は受光素子増幅回路206で増幅されて、増幅回路304に送出された後、コントローラ増幅回路304で増幅される。コントローラ増幅回路304で増幅されたアナログ信号は、A/D変換器306を介してデジタル信号に変換され、制御部308の信号生成部308aに入力される。信号生成部308aは、受光素子(フォトダイオードPD)204の受光量を検出し、受光素子204で生成された受光信号と所定のしきい値とを比較して比較結果を示す検出信号を生成する。信号生成部308aが生成した検出信号は、最終的にI/O回路360から出力される。
【0044】
制御部308には、各種設定値などを記憶するための記憶部326、光学式センサ1側の情報を表示するための表示回路328、設定値調整を受け付けるためのユーザインタフェースである操作ボタン6、8(図1に示す)を接続したスイッチ入力回路330、外部との入出力を行うI/O回路360などが接続されており、これら回路はコントローラ電源回路332によって駆動される。
【0045】
なお、制御部308は,例えば、中央演算処理装置、FPGA、ASICなどのICから構成することができる。各種回路(参照符号108、114、206、214、302、304、306、312、314、320、328、330、332、360)は、それぞれがICから構成されていてもよいし、各種回路で1つのICで構成されていてもよいし、制御部308と各種回路とが1つのICで構成されていてもよい。
【0046】
図1に示すように、光学式センサ1の筐体10の上面には表示部334が設けられている。この説明では、図1に示す使用状態にあるときに上に位置する側を「上」と呼ぶが、これは説明の便宜を図るために定義するだけであり、光学式センサ1はどの面が上になるように設置してもよい。
【0047】
表示部334は、例えば有機ELディスプレイや平面ディスプレイ等で構成されており、図2に示す表示回路328によって制御される。表示部334は、図1に示すようにセグメント表示器でもよい。表示部334を使って検出値(受光量)やしきい値等が表示される。表示部334は、横並びに配置した7セグメントディスプレイで構成してもよい。
【0048】
図1に示すように、光学式センサ1の筐体10の上面には表示部334に隣接して、アップダウンボタン6、モードボタン8、セットボタン9等の操作ボタンが配設されている。光学式センサ1は出力に関し2つのチャンネルを有しているが、これに限定されるものではない。参照符号16は、現在の出力又は検出状態を表示するための動作表示灯を示し、参照符号16aは第1チャンネルの動作表示灯を示し、参照符号16bは第2チャンネルの動作表示灯を示す。
【0049】
上記ボタン6、8、9等を操作することにより、検出値(受光量)及びしきい値をそのまま表示する無変換表示モードと、表示用変換率又は表示用変換式で変換した表示用検出値(表示用受光量)及び表示用しきい値を表示する変換表示モードとを切り替えることや、感度設定、しきい値設定などを行うことができる。尚、光学式センサ1の表示対象、表示態様、表示示切替え操作、表示モード切替えに関してJP特開2006-351380号およびJP特開2019-61885号明細書に詳しく記載されていることから、このJP特開2006-351380号およびJP特開2019-61885号明細書を援用することにより、その説明を省略する。
【0050】
光学式センサ1の筐体10の内部には、図3に示すような素子ホルダ368が設けられている。素子ホルダ368は、発光素子104及び受光素子204を保持する部材である。素子ホルダ368には、投光部材370と、受光部材372とが収容されている。投光部材370は前述した投光部102を実質的に構成する部材であり、発光素子104、モニタ用受光素子110、リフレクタ380を含む。受光部材372は前述した受光部202を実質的に構成する部材であり、受光素子204、光表示発光素子としてのLED212を含む。この形態では、発光素子104及び受光素子204が上下方向に並んでおり、具体的には発光素子104が受光素子204の上に位置しているが、受光素子204が発光素子104の上に位置していてもよいし、発光素子104及び受光素子204が左右方向(水平方向)に並んでいてもよい。
【0051】
素子ホルダ368は、光検出ユニット400が接続される投光用穴376及び受光用穴378を有している。投光用穴376及び受光用穴378は、円形断面を有する貫通孔で構成されており、素子ホルダ368を貫通するように形成されている。投光用穴376は、光検出ユニット400が有する投光用光導波路410(図4に示す)を直接または間接に接続することによって発光素子104に光結合するための投光用接続部を構成している。また、受光用穴378は、光検出ユニット400が有する受光用光導波路420を直接または間接に接続することによって受光素子204に光結合するための受光用接続部を構成している。投光用光導波路410及び受光用光導波路420の具体的な構成については後述する。
【0052】
すなわち、投光用穴376及び受光用穴378の端部は、素子ホルダ368の外面に開口する第1差し込み口376a及び第2差し込み口378aを有している。投光用穴376の奥側には、発光素子104が配置されている。発光素子104は投光用実装基板382に実装されている。投光用穴376の中心線の延長線上に発光素子104の発光面の中心が位置するように、発光素子104の位置が設定されている。
【0053】
受光用穴378の奥側には、受光素子204が配置されている。受光素子204は、受光用実装基板384に実装されている。受光用穴378の中心線の延長線上に受光素子204の受光面の中心が位置するように、受光素子204の位置が設定されている。発光素子104が配置される空間と、受光素子204が配置される空間とは、光学的に隔絶されている。受光素子204と、受光用穴378の奥側の端部との間には、透光部材であるガラス板374が介装されている。
【0054】
(クランプ機構)
光学式センサ1は、光検出ユニット400を接続状態でクランプするためのクランプ機構を有している。クランプ機構は、筐体10の内部に設けられ、光検出ユニット400における投光用穴376及び受光用穴378に差し込まれた部分(詳細は後述する)を当該穴376、378の径方向に挟み込むことが可能に構成されている。光検出ユニット400における投光用穴376及び受光用穴378に差し込まれた部分がクランプ機構によってクランプされると、当該差し込まれた部分の投光用穴376及び受光用穴378からの抜けが阻止されるようになっている。
【0055】
一方、図1に示すように、筐体10の外部には、クランプ機構を外部から操作するための操作レバー7が設けられている。操作レバー7を所定方向に動かすことで、クランプ機構をクランプ状態にすることができる。操作レバー7を上記所定方向と反対側に動かすことで、クランプ機構をアンクランプ状態にすることができる。
【0056】
クランプ機構及び操作レバー7の構成は上述した構成に限られるものではなく、光検出ユニット400における投光用穴376及び受光用穴378に差し込まれた部分をクランプすることが可能な構成であればよい。
【0057】
(光検出ユニット400の全体構成)
図4に一例を示すように、光検出ユニット400は、導光部401とコネクタ部500とを備えており、限定反射によるワークWK(図10に示す)の検出を可能にするユニットである。コネクタ部500については後述する。
【0058】
ここで、限定反射によってワークWKを検出するセンサとは、ワークWKが所定の位置に存在するか否かを検出するため、物体の検知領域を限定して検出用の光を照射し、検知領域でワークWKにより反射された反射光を受光部で受光するタイプのセンサである。
【0059】
詳細は後述するが、光検出ユニット400には、ネジなどの固定部材が挿通する第1~第4挿通孔402~405が設けられている。
【0060】
図5図6に示すように、導光部401は、投光用光導波路410と、受光用光導波路420と、光取り出し部材430と、上側被覆部材440と、下側被覆部材450とを備えている。尚、光検出ユニット400の先端側及び基端側を図4図5に示すように定義する。光検出ユニット400の基端側は、光学式センサ1に接続される側であり、コネクタ部500が設けられる側である。光検出ユニット400の先端側はワークWK(図9等に示す)の検出を行う側である。
【0061】
図5に示すように、投光用光導波路410は、光検出ユニット400の基端部(第1端部)と先端部(第2端部)との間を導光するように細長い帯状に形成されている。基端部はセンサ側端部であり、また、先端部は検出端である。投光用光導波路410は、図8Aに示すように水平方向の寸法(幅寸法W)が鉛直方向の寸法(厚み寸法t)に比べて長く設定された水平方向に幅広のシート状をなしている。投光用光導波路410の主面は、上面及び下面である。投光用光導波路410の側面は、幅方向両側に位置する面である。尚、投光用光導波路410は、図6に示す水平方向が鉛直方向に向く姿勢で使用することや、図6に示す水平方向が傾斜した姿勢で使用することもできる。
【0062】
図8Aに示すように、投光用光導波路410は、水平方向に互いに間隔をあけて並ぶ複数のコア411と、コア411を囲むクラッド412とを有している。コア411とクラッド412の屈折率を変えることで、コア411に入射した光がコア411とクラッド412の境界面で全反射を起こして進行する。このときの光のロスは殆どない。
【0063】
コア411の数は任意の数に設定することができ、図示した数に限られるものではない。コア411を複数設けることで、投光用光導波路410の厚みを厚くすることなく、光量を大きくすることが可能になるので好ましい。コア411の断面形状は、特に限定されるものではないが、例えば矩形状にすることができる。クラッド412は、コア411を上から覆う上側部412aと、コア411を下から覆う下側部412bと、水平方向に並ぶコア411とコア411との間に介在する中間部412cとを有している。クラッド412の上側部412aと、コア411と、クラッド412の下側部412bとは、鉛直方向に層状に設けられて一体化されている。
【0064】
クラッド412の中間部412cは、上側部412aから下側部412bに達するまで延びている。中間部412cによって上側部412aと下側部412bとが連結された構造になっている。図8Aに示す例では、投光用光導波路410の幅方向両端に位置するコア411がクラッド412によって覆われずに、露出した形態となっているが、投光用光導波路410の幅方向両端に位置するコア411をクラッド412によって覆うようにしてもよい。
【0065】
投光用光導波路410の先端部近傍の拡大平面図である図7に示すように、クラッド412の中間部412cは、その先端部が投光用光導波路410の先端部に達していなくてもよい。
【0066】
図8Bに示すように、コア411の数は1つであってもよい。コア411が1つの場合、投光用光導波路410の幅方向に長い断面を有するように形成することができる。この場合、クラッド412の中間部412cは無くなり、クラッド412は上側部412aと下側部412bとで構成される。コア411の幅方向両側面は、露出させてもよいし、クラッド412によって覆うようにしてもよい。
【0067】
投光用光導波路410は、いわゆるポリマー光導光路である。投光用光導波路410の材料としては、例えば、アクリル、エポキシ、シロキサン、シリコーン、ポリイミド、ポリシラン、ポリノルボルネン、フッ素樹脂などの樹脂を挙げることができるが、これらに限られるものではなく、所望の光学的特性と物性を満たす材料を適宜用いることができる。上記材料は1種のみ使用してもよいし、任意の複数種を混合して使用してもよい。また、上記材料には、光学的特性や物性を改善するための添加剤を加えることもできる。投光用光導波路410を上述した樹脂により形成することで、投光用光導波路410が柔軟性及び可撓性を有するものになるとともに、所定の耐熱性を有するものになる。
【0068】
投光用光導波路410のコア411の形成方法については、材料に応じて選定することができる。例えば、物理エッチング法(RIE法)、スタンピング法(モールド法)、フォトブリーチング法(UV変換法)、光直接露光法(UV硬化法)等のなかから選定することができるが、これらに限られるものではない。
【0069】
図6に示すように、受光用光導波路420は、投光用光導波路410と同様に構成することができ、コア421とクラッド422とを有している。受光用光導波路420と投光用光導波路410とは、全く同じであってもよいし、寸法等が異なっていてもよい。投光用光導波路410と受光用光導波路420とは、幅方向に間隔をあけて配置される。投光用光導波路410と受光用光導波路420との間隔は、特に限定されるものではないが、例えば、後述するネジ止めを考慮して5mm以上に設定することができる。
【0070】
投光用光導波路410及び受光用光導波路420は、投光用光導波路410の外側に補強材となる上側被覆部材413、下側被覆部材414によって被覆され、受光用光導波路420の外側に補強材となる上側被覆部材423、下側被覆部材424によって被覆され、さらに、光不透過性を有する上側被覆部材440と下側被覆部材450によって被覆されている。上側被覆部材413及び下側被覆部材414と、上側被覆部材423及び下側被覆部材424とが第1被覆部材である。上側被覆部材440と下側被覆部材450とが第2被覆部材である。したがって、光検出ユニット400は積層構造の被覆部材を備えている。
【0071】
すなわち、投光用光導波路410のクラッド412の下面は、下側被覆部材414によって覆われ、受光用光導波路420のクラッド421の下面は、下側被覆部材424によって覆われ、これら下側被覆部材414と下側被覆部材424とは下側被覆部材450によって覆われている。また、投光用光導波路410のクラッド412の上面は、上側被覆部材413によって覆われ、受光用光導波路420のクラッド421の上面は、上側被覆部材423によって覆われ、これら上側被覆部材413と上側被覆部材423とは上側被覆部材440によって覆われている。図4図5に示すように、上側被覆部材440と下側被覆部材450は、投光用光導波路410及び受光用光導波路420の先端部から基端側へ延びるシート状に形成されている。投光用光導波路410及び受光用光導波路420の基端側は、上側被覆部材440と下側被覆部材450の基端側から突出しており、上側被覆部材440及び下側被覆部材450によって覆われていない。投光用光導波路410及び受光用光導波路420における被覆部材440、450によって覆われていない部分が、光学式センサ1に挿抜される部分である。
【0072】
以下、上側被覆部材413、下側被覆部材414、上側被覆部材423、下側被覆部材424については、光導波路410または光導波路420の上下面に設けられているため説明を省略する。すなわち、上側被覆部材413及び下側被覆部材414は、光導波路410の一部を構成する部材することができ、この場合、上側被覆部材413及び下側被覆部材414を含んで光導波路410と呼ぶことができる。たとえば、「光導波路410に穴をあける」と説明する場合には、光導波路410の上下面の上側被覆部材413と下側被覆部材414についても、穴をあけるという意味であるがその説明は煩雑であるため省略する。同様に、上側被覆部材423及び下側被覆部材424は、光導波路420の一部を構成する部材することができ、この場合、上側被覆部材423及び下側被覆部材424を含んで光導波路420と呼ぶことができる。尚、上側被覆部材413、下側被覆部材414、上側被覆部材423、下側被覆部材424を設けてもよいし、それらのうち、一部のみ設けてもよいし、それら全ての設けなくてもよいことは言うまでもない。また、上側被覆部材413及び下側被覆部材414は、光導波路410とは別の部材として扱ってもよいし、上側被覆部材423及び下側被覆部材424は、光導波路420とは別の部材として扱ってもよい。
【0073】
上側被覆部材440及び下側被覆部材450は、発光素子104から放出される光を遮光する遮光性を有している。上側被覆部材440及び下側被覆部材450は、発光素子104から放出される光を100%遮光しなくてもよく、例えば90%以上の遮光性を有していればよい。上側被覆部材440及び下側被覆部材450は、発光素子104から放出される光の波長に応じた遮光性、当該光を減衰する減衰効果を有していればよい。上側被覆部材440及び下側被覆部材450の色は、外観視において黒色以外、例えば紺色等であってもよい。上側被覆部材440及び下側被覆部材450を構成する樹脂材に、印刷によって着色することができる。
【0074】
投光用光導波路410及び受光用光導波路420は、その内部を伝搬する光に対して透明な材料で構成されている。上側被覆部材413、下側被覆部材414、上側被覆部材423、下側被覆部材424は、上記投光用光導波路410及び受光用光導波路420に対して補強の役割をもち、それらとの界面で反射させるため、不透明な材料で構成されている。材料の一例としてポリイミドを挙げることができる。その外側に設けられる上側被覆部材440及び下側被覆部材450は、上述したように、遮光性を有しており、上側被覆部材413、下側被覆部材414、上側被覆部材423、下側被覆部材424よりも遮光性の高くなるように着色等の加工がされている。上側被覆部材440及び下側被覆部材450ならびに上側被覆部材413、下側被覆部材414、上側被覆部材423、下側被覆部材424とは同じ材料であるポリイミドで構成されていてもよく、上側被覆部材440及び下側被覆部材450に黒色印刷することで遮光性の差異を設けてもよい。なお、図6の受光用光導波路420と上側被覆部材440および下側被覆部材450との間の水平方向の2か所ならびに、投光用光導波路410と上側被覆部材440および下側被覆部材450との間の水平方向の2か所にある部分は、空気が入っている部分である。投光用光導波路410、上側被覆部材413、下側被覆部材414からなる積層体と受光用光導波路420、上側被覆部材423、下側被覆部材424からなる積層体を上側被覆部材440と下側被覆部材450で覆う際に、空気が入っていてもよい。これにより、投光用光導波路410および受光用光導波路420と空気との屈折率差で光の漏れを低減できる。
【0075】
上側被覆部材440の裏面には、粘着層や接着層が設けられている。上側被覆部材440は、投光用光導波路410のクラッド412の上面と、受光用光導波路420のクラッド421の上面に粘着または接着される。これにより、上側被覆部材440は、投光用光導波路410及び受光用光導波路420と一体的に構成されている。
【0076】
下側被覆部材450の裏面にも粘着層や接着層が設けられている。下側被覆部材450は、投光用光導波路410のクラッド412の下面と、受光用光導波路420のクラッド421の下面に粘着または接着される。これにより、下側被覆部材450は、投光用光導波路410及び受光用光導波路420と一体的に構成されている。
【0077】
上側被覆部材440と下側被覆部材450とは、幅方向両側において互いに粘着または接着されている。これにより、幅方向両側からの光の漏れを抑制することができる。さらに、上側被覆部材440と下側被覆部材450とは、投光用光導波路410及び受光用光導波路420の間においても互いに粘着または接着されている。これにより、投光用光導波路410と受光用光導波路420とを光学的に隔絶することができる。
【0078】
上側被覆部材440と下側被覆部材450とは、例えば柔軟性を有する樹脂製テープや樹脂製シート、樹脂製フィルム等で構成することができる。使用可能な樹脂材としては、例えばポリイミド等を挙げることができるが、これに限られるものではなく、柔軟性、可撓性を有し、かつ、後述する固定時に破断しないような強度を有する樹脂材であればよい。上側被覆部材440と下側被覆部材450を着色する場合、顔料や染料による着色であってもよい。
【0079】
また、上側被覆部材440と下側被覆部材450とに分離することなく、1枚の被覆部材で投光用光導波路410及び受光用光導波路420を覆うようにしてもよい。また、被覆部材は袋状であってもよく、その形状は特に限定されるものではない。上側被覆部材440及び下側被覆部材450は、投光用光導波路410の先端部である投光端と、受光用光導波路420の先端部である受光端とは覆わないように形成されており、光取り出し部材430と、投光用光導波路410の投光端及び受光用光導波路420の受光端とを光結合可能にしている。
【0080】
上側被覆部材440と下側被覆部材450には、例えば光検出ユニット400の製造会社名、品番、型式等を示す文字、記号、マーク等を記載することもできる。上側被覆部材440と下側被覆部材450を黒色等の濃い色にし、文字、記号、マーク等を白等の薄い色にすることで、文字、記号、マーク等が目立ち易くなる。文字、記号、マーク等を、例えば上面にのみ記載しておくことで、使用者はどちらが上面であるか容易に判別することができる。上側被覆部材440または下側被覆部材450に、上下、表裏等の方向を示す方向表示部として、例えば文字、記号、マーク等を記載してもよい。
【0081】
上側被覆部材440と下側被覆部材450を設けることで、光検出ユニット400を曲げて設置する場合に、投光用光導波路410及び受光用光導波路420からの光の漏れを抑制することができる。また、上側被覆部材440と下側被覆部材450を投光用光導波路410及び受光用光導波路420と一体化することで、投光用光導波路410及び受光用光導波路420を補強して強度を高めることができる。例えば、光検出ユニット400を曲げて設置する場合に、投光用光導波路410及び受光用光導波路420の折れを、上側被覆部材440と下側被覆部材450によって抑制することができる。一方、上側被覆部材440、下側被覆部材450、投光用光導波路410及び受光用光導波路420は柔軟性を有しているので、例えば障害物を迂回する際に光検出ユニット400を曲げたり、捻ったり、撓ませたりすることができ、取り回しの自由度が向上する。このようにしても投光用光導波路410及び受光用光導波路420からの光の漏れを抑制することができるので、検出性能に悪影響を与えることはない。
【0082】
また、本形態では、投光用光導波路410及び受光用光導波路420がシート状で薄いことが特徴となっているので、光検出ユニット400を薄いスペースに配置することが可能になる。その一方、投光用光導波路410及び受光用光導波路420が薄いと、取り扱い時に曲がり易くなるとともに絡まり易くなって取り扱い性が悪化することも考えられるが、上側被覆部材440と下側被覆部材450を設けることで、投光用光導波路410及び受光用光導波路420の曲がりが適度に抑制されるとともに、絡まりにくくなり、取り扱い性が良好になる。
【0083】
上側被覆部材440及び下側被覆部材450を構成する樹脂材の剛性を、投光用光導波路410及び受光用光導波路420を構成する樹脂材の剛性よりも高く設定することができる。これにより、上側被覆部材440及び下側被覆部材450による補強効果がより一層高まる。また、上側被覆部材440及び下側被覆部材450を構成する樹脂材の方が、投光用光導波路410及び受光用光導波路420を構成する樹脂材よりも滑り難くすることができる。これにより、光検出ユニット400の設置時に光検出ユニット400が滑り難くなる。
【0084】
また、図8Aおよび図6に示すように、投光用光導波路410の水平方向の端面は、コア411が一部露出している。これは、端面を強化するためである。たとえば、投光用光導波路410を構成するクラッドが、コアから改質して製造されるような場合、コア411はクラッド412よりも強度が高くなる。そのためコア411を露出させることで、端面側の強度を高めることができる。
【0085】
また、図7に示すように、投光用光導波路410のうち、先端側の端面は、コア411である。また、水平方向の端面(図7の紙面で左右端)についても、コア411である。これは、コア411がクラッド412よりも強度が優れるため、外部に露出する部分をクラッド412ではなくコア411にしている。
【0086】
図9に示すように、光取り出し部材430は、光検出ユニット400の先端部に配置されており、投光用光導波路410の先端部から受光用光導波路420の先端部に亘って設けられる板状に形成されている。光取り出し部材430の厚みは、投光用光導波路410や受光用光導波路420の厚みと同程度に設定されている。尚、図9に示すように、光検出ユニット400の左右を定義するが、これは説明の便宜を図るためだけであり、実際の使用状態を限定するものではない。
【0087】
光取り出し部材430は、投光用光導波路410のコア411の材料と同じ導光性を有する材料で構成することができる。図10に示すように、光取り出し部材430は、単一のコア430aで構成されている。光取り出し部材430は、投光用光導波路410のクラッド412と同様なクラッドを有していてもよい。光取り出し部材430の下面は、下側被覆部材450に粘着または接着され、光取り出し部材430の上面は、上側被覆部材440に粘着または接着されている。これにより、光取り出し部材430と、投光用光導波路410及び受光用光導波路420との相対的な位置がずれないようにすることができるとともに、光取り出し部材430を上側被覆部材440及び下側被覆部材450によって覆うことができる。
【0088】
図9に示すように、光取り出し部材430の右側は、投光用光導波路410の先端部に突き当てられている。これにより、光取り出し部材430と投光用光導波路410の複数のコア411とが光結合されるので、投光用光導波路410のコア411を進行した光が光取り出し部材430における右側部分に入射する。光取り出し部材430と、投光用光導波路410の先端部との間には透明弾性材や透明接着材を介在させてもよい。
【0089】
光取り出し部材430の右側の先端部には、右側傾斜面431が形成されている。右側傾斜面431は反射面であり、光取り出し部材430の右側に入射した光の進行方向は、右側傾斜面431によって左側へ変換される。投光用光導波路410の長手方向に対する右側傾斜面431の傾斜角度は、光取り出し部材430の右側に入射した光が左側へ方向変換されるように設定されている。
【0090】
光取り出し部材430の上面の右側には、光出射部としての光出射ミラー面432が設けられている。光出射ミラー面432は、光取り出し部材430の上面に対して所定角度で傾斜した面で構成されており、光取り出し部材430の右側に入射して右側傾斜面431によって左側へ変換された光の方向は、光出射ミラー面432によって投光用光導波路410の主面側(上面側)から検出領域R(図10に示す)に向けて出射する。投光用光導波路410の先端部は投光端となり、光取り出し部材430を介して検出領域Rに光を投光する。光出射ミラー面432は、例えばレーザー加工によって得ることができる。光出射ミラー面432には、反射率を向上させるために金属を蒸着させた蒸着膜を形成してもよい。
【0091】
光の入射と出射開口角NA=0.2程度にすることができ、これにより、レンズなどを追加しなくても小さい投光スポットと受光視野を実現できる。尚、各図に示す光路は逆であってもよい。すなわち、各図における投光側を受光側とし、受光側を投光側とすることもできる。また、光検出ユニット400とワークWKとの距離は、特に限定されるものではないが、例えば0mm~3mm程度にすることができる。
【0092】
検出領域Rは、検出対象であるワークWKが配置される領域であり、ワークWKの配置予定領域である。この形態では、光取り出し部材430の上方に位置している。光出射ミラー面432の角度によって光の出射角度を変更することができる。
【0093】
また、光取り出し部材430の左側は、受光用光導波路420の先端部に突き当てられている。これにより、光取り出し部材430と受光用光導波路420とが光結合されるので、光取り出し部材430における左側部分を進行した光が受光用光導波路420のコア421に入射する。光取り出し部材430と、受光用光導波路420の先端部との間には透明弾性材や透明接着材を介在させてもよい。
【0094】
図10に示すように、検出領域RにワークWKが配置されていた場合には、ワークWKに照射された光は反射して下方へ進み、この光が到達する部分に対応するように、光取り出し部材430の上面には光入射部としての光入射ミラー面433が設けられている。光入射ミラー面433は、光取り出し部材430の上面に対して所定角度で傾斜した面で構成されており、入射した光が左側へ進行するように光入射ミラー面433の傾斜角度が設定されている。
【0095】
図9に示すように、光取り出し部材430の左側の先端部には、左側傾斜面434が形成されている。左側傾斜面434は反射面であり、光入射ミラー面433から光取り出し部材430に入射して左側へ進む光の進行方向は、左側傾斜面434によって変換されて受光用光導波路420に入射する。受光用光導波路420の長手方向に対する左側傾斜面434の傾斜角度は、光取り出し部材430の左側に入射した光が光検出ユニット400の基端側へ方向変換されるように設定されている。受光用光導波路420の先端部は、光取り出し部材430を介して検出領域Rからの光を受光する受光端である。光出射ミラー面432及び光入射ミラー面433は上側被覆部材440によって覆われておらず、露出している。
【0096】
投光用光導波路410及び受光用光導波路420は、複数のコア411、421が配置されているが、光取り出し部材430は単一のコアを有する。複数のコアを有する場合、光結合する際にコア同士を位置合わせするのは困難であるが、複数のコアをそれよりも大きな断面積を有するコアに光結合するのは容易である。そのため、投光用光導波路410及び受光用光導波路420と光取り出し部材430とを突き合わせることで光損失を抑制しつつ光結合でき、組立て性が良い。
【0097】
(光検出ユニット400の固定構造)
図11及び図12に示すように、光検出ユニット400を設置する際には、例えば取付対象である取付部材600に固定することができる。取付部材600は、例えば各種装置の一部を構成する部材であってもよいし、定盤等であってもよい。図11及び図12に示す例では、光検出ユニット400を取付部材600の表面に対して粘着材や接着材、両面テープ等からなる固着部材601によって固定している。このとき、下側被覆部材450の下面が設置面となり、取付部材600に固定される面となる。設置面が水平な場合は、投光用光導波路410と、受光用光導波路420とが水平に並ぶことになるが、図3に示すように光学式センサ1の投光用穴376と受光用穴378とは上下方向に並んでいるので、投光用光導波路410及び受光用光導波路420を途中で捻るように取り回す必要がある。この場合も、上側被覆部材440及び下側被覆部材450で被覆された投光用光導波路410及び受光用光導波路420はシート状であって所定の柔軟性、可撓性を有しているので、容易に取り回すことができる。
【0098】
光検出ユニット400の先端側には、基端側に比べて幅が広い幅広部400aが設けられている。この幅広部400aを固着部材601によって取付部材600に固定することで、固定される部分の面積を広くすることができる。
【0099】
図13及び図14は、光検出ユニット400を取付部材600に固定プレート602を用いてネジ止めする例を示す。固定プレート602は、例えば硬質樹脂や金属材からなるものであり、取付部材600の上面に沿って延びるように形成されている。固定プレート602は、光検出ユニット400の先端側の幅よりも幅広に形成されている。固定プレート602における幅方向両側には、ネジ603が挿通する挿通孔(図示せず)が形成されている。この挿通孔は、光検出ユニット400の先端側の外方に位置付けられており、固定プレート602を光検出ユニット400の先端側の上面に重ねた状態でネジ603を挿通孔に挿通させて取付部材600に螺合させると、固定プレート602と取付部材600とで光検出ユニット400の先端側を厚み方向に挟んで固定することができる。固定プレート602は、光出射ミラー面432及び光入射ミラー面433を覆わないように配置する。ネジ603の代わりに釘やステープラ等を用いることもできる。
【0100】
図15は、光検出ユニット400を取付部材600にフック状部材604によって固定する例を示す。図15は、光検出ユニット400の長手方向に直交する縦断面である。フック状部材604は、取付部材600を囲むように形成されており、例えば硬質樹脂や金属材等で構成されている。フック状部材604は一対の脚部604aを有している。フック状部材604を光検出ユニット400の先端側の上方から取付部材600に係合させることで、フック状部材604と取付部材600とで光検出ユニット400の先端側を厚み方向に挟んで固定することができる。フック状部材604は、光出射ミラー面432及び光入射ミラー面433を覆わないように配置する。
【0101】
図16及び図17は、光検出ユニット400を取付部材600に直接ネジ止めすることによって固定する例を示す。光検出ユニット400には、取付部材600に設置する際に使用される固定部材としてのネジ605が挿通する第1~第4挿通孔402~405(図4に示す)が設けられている。第1~第4挿通孔402~405は、上側被覆部材440及び下側被覆部材450を上下方向に貫通している。すなわち、上側被覆部材440及び下側被覆部材450は、投光用光導波路410及び受光用光導波路420の投光端と受光端との間のクラッド412、422を覆う部分を有しており、この投光端と受光端との間のクラッド412、422を覆う部分が取付部材600に固定される部分となる。
【0102】
第1挿通孔402が最も基端側に位置しており、第4挿通孔405が最も先端側に位置している。第2挿通孔403及び第3挿通孔404は、第1挿通孔402と第4挿通孔405との間に位置しており、第2挿通孔403が第3挿通孔404よりも基端側に近くなっている。第3挿通孔404は第4挿通孔405に接近している。第1~第4挿通孔402~405は長穴で構成することもできる。第1~第4挿通孔402~405は、被覆部材440、450における投光用光導波路410と受光用光導波路420との間に対応する部分に位置しており、投光用光導波路410及び受光用光導波路420には影響を与えないようになっている。
【0103】
図16及び図17に示すように、ネジ605を第1~第4挿通孔402~405に挿通させて取付部材600に螺合させると、第1~第4挿通孔402~405の周縁部をネジ605の頭部と取付部材600とで挟んで固定することができる。挿通孔の数、ネジ605の数は、4つに限られるものではなく、例えば1つであってもよい。第1~第4挿通孔402~405の周縁部は、取付部材600に固定される被固定部となる。ネジ605の頭部と、第1~第4挿通孔402~405の周縁部との間にワッシャ(図示せず)を介在させてもよい。
【0104】
図18に示すように、被覆部材450は、取付部材600に固定する部分に設けてもよい。この場合、被覆部材450を貫通するようにネジ605を配置して取付部材600に螺合させればよい。これにより、被覆部材450をネジ605の頭部と取付部材600とで挟んで固定することができる。
【0105】
図19に示すように、被覆部材450を取付部材600に固定する部分に設ける場合に、被覆部材450の幅方向両側に、投光用光導波路410及び受光用光導波路420並びに/または被覆部材450をひろげた取付用領域602を設け、その取付用領域602に設けた穴をそれぞれネジ605で止めるようにしてもよい。この場合、被覆部材450の幅方向両側をネジ605の頭部と取付部材600とで挟んで固定することができる。
【0106】
図20に示すように、被覆部材450を取付部材600に固定する部分に設ける場合に、被覆部材450の先端側に、投光用光導波路410及び受光用光導波路420並びに/または被覆部材450をひろげた取付用領域602を設け、その取付用領域602に設けた穴をネジ605で止めるようにしてもよい。この場合、被覆部材450の先端側をネジ605の頭部と取付部材600とで挟んで固定することができる。
【0107】
図21に示すように、被覆部材450を取付部材600に固定する部分に設ける場合に、被覆部材450の先端側と、投光用光導波路410及び受光用光導波路420の間の部分に、投光用光導波路410及び受光用光導波路420並びに/または被覆部材450をひろげた取付用領域602を設け、その取付用領域602に設けた穴を固定するようにしてもよい。被覆部材450の先端側は、ネジ605の頭部と取付部材600とで挟んで固定することができ、被覆部材450における投光用光導波路410及び受光用光導波路420の間の部分は、ネジ605を貫通させて取付部材600に螺合させることで固定することができる。
【0108】
図22に示すように、光検出ユニット400を、ネジ606及びワッシャ607を用いて固定することもできる。図22は、光検出ユニット400の長手方向に直交する縦断面であり、第4挿通孔405が形成されている部分を示している。ワッシャ607は、光検出ユニット400の下に配置されている。ワッシャ607には、第4挿通孔405に挿入される環状部607aが形成されている。ネジ606は、ワッシャ607の環状部607aに挿通するとともに、取付部材600に螺合させる。このとき、ネジ606の頭部をワッシャ607の環状部607aの上端部で受けることができるので、光検出ユニット400に対して上下方向に強い力が作用しにくくなり、投光用光導波路410、受光用光導波路420や、光取り出し部材430の破損を抑制できる。固定部位は、第4挿通孔405に限られるものではなく、第1~第3挿通孔402~404のいずれでもよいし、これら貫通孔402~405のうち、任意の複数に対して同様な固定方法を採用することもできる。
【0109】
上述した固定方法は一例であり、光検出ユニット400を取付部材600に固定する方法であれば、各種方法を採用することができる。例えば、結束バンドや針金等を使用した固定方法も採用できる。また、上述した複数通りの固定方法のうち、任意の2以上の固定方法を組み合わせて光検出ユニット400を取付部材600に固定することもできる。
【0110】
また、コネクタ部500を省略し、投光用光導波路410及び受光用光導波路420の基端部を光学式センサ1に固定して取り外しできないようにしてもよい。
【0111】
(光導波路の接続構造)
図23Aは、2つの投光用光導波路410A、410Bの接続部分の縦断面図であり、この図に示すように、2つの投光用光導波路410A、410Bを接続して使用することができる。投光用光導波路410Aの端面と、投光用光導波路410Bの端面とを直接突き合わせて接続してもよいし、投光用光導波路410Aの端面と、投光用光導波路410Bの端面との間に空気層が残らないように透明な弾性材460や透明接着材を介在させてもよい。
【0112】
投光用光導波路410Aから投光用光導波路410Bまで連続した補強材461を設けることもできる。補強材461は、投光用光導波路410Aの下面及び投光用光導波路410Bの下面に貼り付けるテープ状の部材であり、柔軟性を有している。補強材461は、投光用光導波路410Aの長手方向に伸縮しない性質を有しているのが好ましく、これにより、例えば2つの投光用光導波路410A、410Bが互いに離れる方向に引っ張られたときに投光用光導波路410A、410Bの間に隙間ができないようにすることができ、効率の低下を抑制できる。補強材461は、投光用光導波路410A及び投光用光導波路410Bの上面に設けてもよい。
【0113】
図23Bは、2つの投光用光導波路410A、410Bの接続部分の平面図であり、この図に示すように、2つの投光用光導波路410A、410Bを接続して使用することができる。図23Bの左右方向中心部に位置する接続部分に示すように、界面付近までクラッド412は伸びていなくてもよい。コア411同士を突き合わせることで、光が伝播できるに足りる程度の光結合が得られる。なお、コア411同士を突き合わせてもよい。
【0114】
(光導波路の形成例)
図24は、単一の光導波路形成部材470に投光用光導波路410及び受光用光導波路420を形成し、限定反射を実現する構成例を示している。光導波路形成部材470の幅方向両側にそれぞれ投光用光導波路410及び受光用光導波路420が設けられている。この図では図示しないが、投光用光導波路410及び受光用光導波路420は、図8A等に示すようにコアとクラッドとで構成されている。
【0115】
投光用光導波路410の先端側は、光導波路形成部材470の先端側において受光用光導波路420に接近する方向に屈曲している。光導波路形成部材470には、投光用光導波路410の先端部に対応するように光出射ミラー面432が形成されている。これにより、投光用光導波路410の先端部は投光端となり、光出射ミラー面432を介して検出領域Rに光を投光する。
【0116】
また、受光用光導波路420の先端側は、光導波路形成部材470の先端側において投光用光導波路410に接近する方向に屈曲している。光導波路形成部材470には、受光用光導波路420の先端部に対応するように光入射ミラー面433が形成されている。これにより、受光用光導波路420の先端部は受光端となり、光入射ミラー面433を介して検出領域Rから光を受光する。この例では、別体の光取り出し部材430を設けることなく、投光用光導波路410及び受光用光導波路420が設けられた光導波路形成部材470に光出射ミラー面432及び光入射ミラー面433を設けることができるので、部材同士の相対的な位置ずれが起こることはなく、検出精度の低下を抑制できる。光取り出し部材を投光用光導波路410及び受光用光導波路420に組み込んで一体化した構成ということもできる。
【0117】
図25は、投光用光導波路410及び受光用光導波路420の先端部に別部材からなるリフレクタ471を設けて限定反射を実現する構成例を示している。リフレクタ471は、例えば白色のような光の反射率の高い樹脂材で構成されており、投光用光導波路410の先端部及び受光用光導波路420の先端部が差し込まれて保持されるようになっている。投光用光導波路410の先端部は、当該投光用光導波路410の長手方向に対して傾斜する方向にカットされており、リフレクタ471の第1内面471aに突き当てられている。投光用光導波路410を進んだ光は、リフレクタ471の第1内面471aで反射して受光用光導波路420側へむけてその進行方向が変換される。リフレクタ471には、光出射ミラー面432が設けられており、投光用光導波路410を進んできた光がリフレクタ471の第1内面471aで反射すると、光出射ミラー面432に達し、この光出射ミラー面432によって検出領域Rに進む。
【0118】
また、受光用光導波路420の先端部も当該受光用光導波路420の長手方向に対して傾斜する方向にカットされており、リフレクタ471の第2内面471bに突き当てられている。リフレクタ471には、光出射ミラー面432に隣接するように、光入射ミラー面433が設けられている。検出領域Rからの光は、光入射ミラー面433を介してリフレクタ471の第2内面471bに入射して当該第2内面471bで反射し、受光用光導波路420に入射する。この例では、投光用光導波路410及び受光用光導波路420の先端部をリフレクタ471で保持することができるので、部材同士の相対的な位置ずれを抑制することができる。
【0119】
図26は、光損失の低減を考慮した光導波路のパターン例を示す光検出ユニット400の平面図である。投光用光導波路410の先端側近傍は、大きな曲率を保った状態で湾曲するように延びており、受光用光導波路420の先端側近傍も同様に大きな曲率を保った状態で湾曲するように延びている。投光用光導波路410及び受光用光導波路420の曲率を大きくすることで、光検出ユニット400の幅が広くなるが、光検出ユニット400のレイアウト上、光検出ユニット400の幅が広くなることを許容できる場合には、本例のような曲率の大きなパターンとすることで、光の損失を低減できる。
【0120】
図27Aに示すように、投光用光導波路410の先端部には、光出射ミラー面432を設けることができる。受光用光導波路420の先端部も同様に、光入射ミラー面433を設けることができる(図26参照)。
【0121】
図27Bに示すように、投光用光導波路410の先端面410aの方向を方向設定部材472によって設定することで、光の出射方向を、限定反射が可能な方向にすることができる。光の入射側も同様に方向設定部材(図示せず)によって設定することができる。
【0122】
図28は、外形サイズを優先した光導波路のパターン例を示す光検出ユニット400の平面図である。投光用光導波路410の先端側近傍は、受光用光導波路420から離れる方向に延び、また、受光用光導波路420の先端側近傍は、投光用光導波路410から離れる方向に延びているが、図26に示す例に比べて、投光用光導波路410の先端側近傍と、受光用光導波路420の先端側近傍との離間距離が短く設定されている。これにより、光検出ユニット400の幅を狭くすることができるので、設置場所の幅が狭い場合に対応することができる。投光用光導波路410の先端部には光出射ミラー面432を設けることができ、受光用光導波路420の先端部には光入射ミラー面433を設けることができる。図28に示す例にも、図27A、27Bに示す構成を適用することができる。
【0123】
図29は、投光用光導波路410及び受光用光導波路420を、それぞれ、複数の光ファイバを水平方向に並べて構成した例を示す。すなわち、投光用光導波路410は、複数の光ファイバ線を束ねたバンドル光ファイバ413で構成されており、バンドル光ファイバ413の光ファイバ線を水平方向に並べることによって投光用光導波路410ができている。受光用光導波路420もバンドル光ファイバ423で構成されており、バンドル光ファイバ423の光ファイバ線を水平方向に並べることによって受光用光導波路420ができている。投光用光導波路410の光ファイバ線及び受光用光導波路420の光ファイバ線は、上側被覆部材440と下側被覆部材450とによって覆われている。図示を省略しているが、投光用光導波路410および受光用光導波路420を上下に挟んでいる上側被覆部材440と下側被覆部材450における図29の水平方向の端部は、被覆部材440と下側被覆部材450を貼り付けて固定できる。
【0124】
図30は、光導波路の先端部から光を出射する限定反射の例を示している。この例では、投光用光導波路410のコア411が当該投光用光導波路410の先端部に達しており、また、受光用光導波路420のコア421が当該受光用光導波路420の先端部に達している。従って、光を投光用光導波路410の先端部から当該投光用光導波路410の長手方向に出射してワークWKに照射することができる。検出領域Rからの光は、受光用光導波路420の先端部に入射させることができる。
【0125】
図5に示すような例では、投光用光導波路410の主面から検出領域に光を出射し、ワークWKにて反射された光を受光用光導波路420の主面にて受光していたが、図30に示す例では、投光用光導波路410の先端側の端面(側面)が投光面となり、受光用光導波路420の先端側の端面(側面)が受光面なっている。このように、投光用光導波路410および受光用光導波路420の主面以外を投受光面とすることが可能である。
【0126】
また、図24、26、28、30に示すように、光導波路410、420内で直線のパターン以外に平面内でコアのパターンを自由に引くことができ、光導波路410、420内の光路の設計自由度が高い。
【0127】
図31は、光導波路の先端部から光を出射する限定反射の別の例を示している。この例では、投光用光導波路410のコア411を進んだ光は、投光用光導波路410の先端部から当該投光用光導波路410の長手方向に出射してワークWKに照射することができる。検出領域Rからの光は、受光用光導波路420の先端部から入射させることができる。図31に示す例は図30と同様の光路であるが、光導波路内でのパターンではなく、光導波路の側面を斜めにカットすることで、光導波路と外部との屈折率差を用いて、光路を変更することも可能である。
【0128】
図32に示すように、光導波路の側面から光を出射させること、及び入射させることもできる。この例では、投光用光導波路410のコア411を進んだ光は、投光用光導波路410の側面からワークWKに照射することができる。検出領域Rからの光は、同様に側面から受光用光導波路420に入射させることができる。これは、コア411、412の形成パターンによって実現可能である。
【0129】
図33は、光導波路の側面から光を出射する限定反射の別の例を示している。投光用光導波路410の先端部に光出射ミラー面432を設けることにより、光を投光用光導波路410の側面からワークWKに照射することができる。受光用光導波路420の先端部に光入射ミラー面433を設けることにより、検出領域Rからの光を側面から受光用光導波路420に入射させることができる。この例では、コア411、412の形成パターンは直線状のままでよい。
【0130】
図34は、光検出ユニット400を多点反射型光検出ユニットとして使用する例を示している。光検出ユニット400には、多方向に投光及び多方向からの受光が可能なコア411(421)が形成されている。これにより、光が光検出ユニット400の先端部から多方向に照射されるとともに、多方向からの光を光検出ユニット400の先端部で受けることができるので、例えばワークWKの表面に凹凸等が存在していてもその影響を軽減して検出精度を向上させることができる。
【0131】
図35に示すように、光検出ユニット400の投光用光導波路410の先端部及び受光用光導波路420の先端部を屈曲させてもよい。これにより、投光用光導波路410の光を屈曲させた方向に照射することができ、また、検出領域Rからの光を、受光用光導波路420を屈曲させた方向から受光できる。また、投光用光導波路410の先端部及び受光用光導波路420の先端部を屈曲させずに、平面内でコアのパターンによって屈曲させることもできる。
【0132】
図36Aは、光導波路とミラー部材とを組み合わせた例を示している。投光用光導波路410の先端部と対向するように投光用ミラー部材480が配置されている。投光用ミラー部材480には、光出射ミラー面480aが形成されており、この光出射ミラー面480aにより、光を投光用光導波路410の上方へ出射させることができる。また、受光用光導波路420の先端部と対向するように受光用ミラー部材481が配置されている。受光用ミラー部材481には、光入射ミラー面481aが形成されており、この光入射ミラー面481aにより、光を受光用光導波路420の上方から入射させることができる。
【0133】
図36Bは、光導波路とミラー部材とを組み合わせた別の例を示している。投光用光導波路410の先端部と投光用ミラー部材480を突き当てて配置しており、この構成によっても光出射ミラー面480aにより、光を投光用光導波路410の上方へ出射させることができる。また、受光用光導波路420の先端部と受光用ミラー部材481を突き当てて配置しており、この構成によっても光を受光用光導波路420の上方から入射させることができる。
【0134】
図37は、投光用光導波路410から出射した光を回帰反射板485に照射する例を示している。この例では、回帰反射板485から反射した光を受光用光導波路420の先端部で受光することができる。回帰反射板485と、投光用光導波路410及び受光用光導波路420との間にワークWKが存在していると、ワークWKによって光が遮られるので、受光用光導波路420で光を受光することができなくなる。このことを利用した検出方法に本例を適用することができる。
【0135】
(透過型の光検出ユニット)
上記例では、限定反射による検出方法に本発明を適用した場合を中心に説明したが、本発明は透過型の光検出ユニット400としても利用することができる。
【0136】
図38Aは、投光用光導波路410と受光用光導波路420とが同方向に延びる場合の透過型光検出ユニット400の例を示している。投光用光導波路410の先端部に設けられた光出射ミラー面432により、投光用光導波路410を進んだ光が受光用光導波路420側に方向変換される。投光用光導波路410から出射した光は、受光用光導波路420で受光されて光入射ミラー面433により方向変換されて受光用光導波路420を進む。
【0137】
図38Bは、投光用光導波路410と受光用光導波路420とが逆方向に延びる場合の透過型光検出ユニット400の例を示している。この例のように、投光用光導波路410を進んだ光の反射角度は光出射ミラー面432によって設定することができ、これにより、投光用光導波路410と受光用光導波路420とが逆方向に延びるように配置されていてもワークWKの検出が可能である。
【0138】
図39は、投光用光導波路410の先端部と受光用光導波路420の先端部とを対向させた例を示している。この例のように、投光用光導波路410の先端部と受光用光導波路420の先端部とを互いに所定の間隔をあけて配置し、投光用光導波路410の先端部から出射した光を受光用光導波路420の先端部で受光可能にすることができる。この場合、投光用光導波路410の先端部と受光用光導波路420の先端部との間のワークWKを検出できる。
【0139】
図40は、光検出ユニット400内でワークWKの検出を行う例を示している。光検出ユニット400には、凹部や孔部からなるワークWKの挿入部459が設けられている。投光用光導波路410を進行した光は、挿入部459内に投光されて受光用光導波路420の先端部で受光することができる。挿入部459にワークWKが挿入されていると、投光用光導波路410から投光された光が遮られる。
【0140】
図41は、多数の光路を形成した透過型光検出ユニット400の例を示している。投光用光導波路410の先端部からは、多数の光路を形成するように投光される。これに対応するように、受光用光導波路420の先端部では、多数の光路の光を受光することができる。この例では、検出範囲を広くすることができる。
【0141】
(コネクタ部500)
図4に示す形態は、コネクタ部500を有する形態であり、コネクタ部500が投光用光導波路410と受光用光導波路420に接続される前の状態を示している。コネクタ部500は、投光用光導波路410の基端部と受光用光導波路420の基端部とが接続される部材である。コネクタ部500は、投光用光導波路410の基端部及び受光用光導波路420の基端部を、それぞれ光学式センサ1の投光用穴376及び受光用穴378に対して直接または間接に、光学的に接続するとともに、投光用穴376及び受光用穴378に対して着脱自在に取り付けられる部材である。コネクタ部500を構成する材料は、例えば樹脂材とすることができ、その樹脂材の色は、光を透過させない色、もしくは光を殆ど透過させない色とするのが好ましい。
【0142】
図42図46に示す本実施形態の第1例に係るコネクタ部500は、本体部501と、本体部501から突出する投光側凸部502及び受光側凸部503とを有しており、コネクタ部500により投光用光導波路410と受光用光導波路420とを一体化できる。投光側凸部502及び受光側凸部503は、それぞれ光学式センサ1の投光用穴376及び受光用穴378(図3に示す)に挿入される部分である。したがって、投光側凸部502及び受光側凸部503の間隔は、光学式センサ1の投光用穴376及び受光用穴378の間隔と略一致している。
【0143】
投光側凸部502の断面は投光用光導波路410の周囲を囲む略円形であり、光学式センサ1の投光用穴376の断面と略一致している。投光側凸部502の外径は、投光用光導波路410の厚み寸法よりも大きく設定されている。また、投光側凸部502の外径は、光学式センサ1の投光用穴376よりも若干小さく設定することができるが、投光側凸部502を投光用穴376に挿入した状態で両者の間に形成される隙間は僅かなものになっている。これにより、投光側凸部502の径方向の位置決めがなされる。また、投光側凸部502の長さは、投光用穴376の深さに対応しており、投光側凸部502を投光用穴376に挿入した状態で投光側凸部502の先端面が図3に示すリフレクタ380の端面に当接もしくは近接するようになっている。投光側凸部502の先端面をリフレクタ380の端面に当接させることで投光側凸部502の挿入深さを規定することができる。投光側凸部502の挿入深さは、本体部501を光学式センサ1の一部に押し当てることによって規定することもできる。
【0144】
受光側凸部503も投光側凸部502と同様に構成されており、受光用光導波路420の周囲を囲む略円形である。受光側凸部503が光学式センサ1の受光用穴378に挿入された状態で、径方向及び挿入方向の位置決めがなされる。
【0145】
図44に示すように、本体部501には、導光部401の基端部を挿入する導光部挿入孔501aが形成されている。導光部401の基端部と、導光部挿入孔501aの内面との間には、ゴムやエラストマー等からなる弾性材504が設けられている。弾性材504は、導光部401の基端部の外周面を覆うように形成されている。弾性材504には複数の係合突起504aが形成されている。本体部501には、弾性材504の係合突起504aが係合する係合孔501bが形成されている。弾性材504の係合突起504aが本体部501の係合孔501bに係合した状態で弾性材504の本体部501からの抜けが阻止される。尚、この弾性材504は省略してもよい。
【0146】
導光部401の投光用光導波路410は、投光側凸部502内を通っている。図47に示す第1例のように、投光用光導波路410の先端部は、投光側凸部502の先端面に達し、当該先端面に露出している。投光用光導波路410の先端部と、投光側凸部502の先端面とは面一であってもよいし、投光用光導波路410の先端部が投光側凸部502の先端面から奥まっていてもよい。奥まっている場合、投光用光導波路410の先端部の損傷を防止することができる。また、奥まっている場合、投光用光導波路410の先端部と、投光側凸部502の先端面との距離は0.5mm以下に設定しておくのが好ましい。これは光量の低下を抑制するためである。
【0147】
図48に示すように、投光側凸部502には、投光用光導波路410を収容する凹形状の投光側収容部502aが形成されている。投光側収容部502aは、投光側凸部502の外周面で開口している。投光側収容部502aには、投光用光導波路410を押さえ込んで保持しておくための押さえ込み部材505が設けられている。押さえ込み部材505は、投光側収容部502aの内面に係合して所定位置に保持され、これにより、投光用光導波路410の投光側凸部502に対する相対位置が決定される。したがって、投光側凸部502は、光学式センサ1の投光用穴376に対して挿入された状態で、図3に示す発光素子104の光出射面の中心位置に投光用光導波路410の先端部を位置決めする。押さえ込み部材505を省略して投光用光導波路410を投光側収容部502aの内面に接着してもよい。
【0148】
また、受光側凸部503には、受光用光導波路420を収容する凹形状の投光側収容部503aが形成されている。受光側収容部503aは、受光側凸部503の外周面で開口している。受光側収容部503aには、受光用光導波路420を押さえ込んで保持しておくための押さえ込み部材506が設けられている。押さえ込み部材506は、受光側収容部503aの内面に係合して所定位置に保持され、これにより、受光用光導波路420の受光側凸部503に対する相対位置が決定される。したがって、受光側凸部503は、光学式センサ1の受光用穴378に対して挿入された状態で、図3に示す受光素子204の受光面の中心位置に受光用光導波路420の先端部を位置決めする。
【0149】
図49は、本実施形態の第2例に係るコネクタ部500を示している。第2例のコネクタ部500の本体部510は、上側部材511と下側部材512とで構成されている。上側部材511と下側部材512とはネジ等で一体化してもよいし、接着剤等で一体化してもよい。
【0150】
下側部材512には、保護用弾性材513で保護された投光用光導波路410を保持する第1溝部512aと、保護用弾性材514で保護された受光用光導波路420を保持する第2溝部512bとが形成されている。上側部材511には、第1溝部512aに嵌入する第1嵌入部511aと、第2溝部512bに嵌入する第2嵌入部511bとが形成されている。第1嵌入部511aを第1溝部512aに嵌入することで、投光用光導波路410を第1嵌入部511aの先端面と、第1溝部512aの底面とで挟み込んで保持することができ、また、第2嵌入部511bを第2溝部512bに嵌入することで、受光用光導波路420を第2嵌入部511bの先端面と、第2溝部512bの底面とで挟み込んで保持することができる。
【0151】
また、上側部材511には、投光側収容部502aに嵌入する第3嵌入部511cと、投光側収容部503aに嵌入する第4嵌入部511dとが形成されている。第3嵌入部511c及び第4嵌入部511dは、第1例の押さえ込み部材505、506の代わりとなる部分であり、第3嵌入部511c及び第4嵌入部511dにより、投光用光導波路410及び受光用光導波路420を押さえ込んでおくことができる。
【0152】
図50は、本実施形態の第3例に係るコネクタ部500を示している。第3例のコネクタ部500は、本体部520と、投光側凸部522と、受光側凸部523とが別部材で構成されている。投光側凸部522及び受光側凸部523は、それぞれ棒状の部材で構成されている。投光側凸部522は、一部が切り欠かれた形状のベース部材522aと、その切り欠かれた部分に嵌合する嵌合部材522bとで構成されている。ベース部材522aの切り欠かれた部分に投光用光導波路410を配置することで、投光用光導波路410をベース部材522aに対して位置決めすることが可能になる。投光用光導波路410を位置決めした状態で、ベース部材522aの切り欠かれた部分に嵌合部材522bを嵌合させることにより、投光用光導波路410を動かないように保持することができるようになっている。受光側凸部523も同様に構成されており、ベース部材523aと、嵌合部材523bとを有している。
【0153】
図51に示すように、本体部520には、投光側凸部522が挿入された状態で保持される投光側保持孔520aと、受光側凸部523が挿入された状態で保持される受光側保持孔520bとが形成されている。投光側凸部522を投光側保持孔520aに挿入した状態で投光側凸部522をその中心線周りに回動させることができる。また、受光側凸部523も同様に回動させることができる。本体部520は、ゴム等で構成することができる。本体部520は省略してもよい。
【0154】
図52に示すように、光学式センサ1にプリ設置アダプタ540が予め設けられていてもよい。この例では、プリ設置アダプタ540を介して光検出ユニット400を光学式センサ1に接続することができる。
【0155】
図53に示すように、光学式センサ1の投光用穴376及び受光用穴378の差し込み口376a、378aの形状がスリット形状であってもよい。このスリット形状の差し込み口376a、378aは、投光用光導波路410及び受光用光導波路420の断面形状と略一致しているので、コネクタ部500を設けることなく、投光用光導波路410及び受光用光導波路420の基端部を投光用穴376及び受光用穴378に直接接続することができる。
【0156】
図54は、実施形態の第4例に係る投光側コネクタ部550及び受光側コネクタ部551を示している。投光側コネクタ部550は、光学式センサ1の投光用穴376に挿入されて位置決め可能な円柱状に形成されている。投光側コネクタ部550には、投光用光導波路410を差し込むスリット状の孔部550aが形成されている。受光側コネクタ部551も同様に構成されており、光学式センサ1の受光用穴378に挿入されて位置決め可能な円柱状に形成されるとともに、スリット状の孔部551aを有している。
【0157】
投光側コネクタ部550及び受光側コネクタ部551を光学式センサ1の投光用穴376及び受光用穴378に奥まで挿入するとともに、孔部550a、551aに投光用光導波路410及び受光用光導波路420を奥まで挿入することで、光学式センサ1に接続することができる。
【0158】
(中継部の構成)
図55A図55B図55C図56A及び図56Bに示す中継部分の第1例の構造のように、投光用光導波路410及び受光用光導波路420と、バンドル光ファイバとを中継コネクタ部580によって接続することができる。中継コネクタ部580は、投光用光導波路410の基端部に接続され、光学式センサ1の投光用穴376に挿抜可能に光結合される投光側光ファイバ560と、受光用光導波路420の基端部に接続され、光学式センサ1の受光用穴378に挿抜可能に光結合される受光側光ファイバ561とを一体的に束ねる部材である。投光側光ファイバ560及び受光側光ファイバ561は、複数の光ファイバ線を束ねたバンドル光ファイバからなるものである。
【0159】
中継コネクタ部580は、光検出ユニット400を延長する場合に使用することができる。中継コネクタ部580は、光を透過させない、もしくは光を殆ど透過させない樹脂材等で構成されたコネクタケース581を備えている。投光側光ファイバ560及び受光側光ファイバ561は、それぞれ、光ファイバ線560a、561aを水平方向(光導波路410、420の幅方向)に並べた状態でファイバアダプタ560b、561bによって保持されている。ファイバアダプタ560b、561bは、コネクタケース581に収容された状態で固定されている。コネクタケース581内では、投光側と受光側とが光学的に隔絶されている。
【0160】
投光用光導波路410及び受光用光導波路420の基端部には、それぞれ、投光側アダプタ490及び受光側アダプタ491が取り付けられている。投光側アダプタ490及び受光側アダプタ491は、コネクタケース581に収容された状態で固定されている。
【0161】
投光側光ファイバ560を構成している光ファイバ線560aの並び方向と、投光用光導波路410の幅方向とが一致しており、光ファイバ線560aは、投光用光導波路410の幅方向一端に対応する部分から他端に対応する部分まで配置されている。受光側も同様に、光ファイバ線561aの並び方向と、受光用光導波路420の幅方向とが一致しており、光ファイバ線561aは、受光用光導波路420の幅方向一端に対応する部分から他端に対応する部分まで配置されている。
【0162】
投光側光ファイバ560の先端部と、投光用光導波路410の基端部との間には、投光用光導波路410の幅方向に長い投光側ロッドレンズ582が設けられている。また、受光側光ファイバ561の先端部と、受光用光導波路420の基端部との間には、受光用光導波路420の幅方向に長い受光側ロッドレンズ583が設けられている。投光側ロッドレンズ582及び受光側ロッドレンズ583の代わりに透明な弾性材や接着材を設けてもよい。また、投光側ロッドレンズ582及び受光側ロッドレンズ583を省略して、投光側光ファイバ560の先端部と投光用光導波路410の基端部とを突き当ててもよいし、受光側光ファイバ561の先端部と受光用光導波路420の基端部とを突き当ててもよい。尚、複数の光ファイバ線を使用することなく、1つのコアで構成してもよい。
【0163】
そして、投光用光導波路410と受光用光導波路420を1つのケース581にまとめずに、投光用光導波路410と受光用光導波路420を分割する形態でもよい。
【0164】
また、投光側光ファイバ560の先端部と、投光用光導波路410の基端部の結合で漏れた光を動作表示灯、受光側光ファイバ561の先端部と、受光用光導波路420の基端部の結合で漏れた光を出力表示灯585(図55Aに示す)として使用することもできる。
【0165】
なお、図55Aでは、受光側に表示灯585を設けているが投光側に設けてもよい。また、表示灯の光源は、図3に示すLED212でもよいし、検出用に用いる発光素子104から出射した光やその光がワークWKにて反射された光であってもよい。また、表示灯、光導波路の表面を一部カットしたりすることで実現してもよいが、光導波路410、420と光ファイバ560、561との結合端面で生じてしまう漏れ光をうまく表示灯とすることで、検出光のロスを低減できる。
【0166】
図55A及び図55Bに示すように、中継コネクタ580にも貫通孔588を設けてもよい。中継コネクタ580の貫通孔588のうち、先端側の貫通孔は、光導波路間または、光導光路内に設けられた貫通孔と連通している。
【0167】
また、光導波路410、420の先端部には、補強板461が設けられている。補強板461は、金属や樹脂からなり、薄く、強度の高いものが好ましい。また、下側被覆部材450の上に補強板461を接着剤または両面テープで貼ることにより、先端検出部の曲げや変形を抑制することができる。
【0168】
補強板461は光導波路410、420の裏面のみ、表面のみ、または両面に設けてもよい。図56では、光導波路410、420の裏面のみに補強板461を設けている。また、補強板461を設ける面は光導波路410、420の主面に限られず、検出部の3辺の端面を補強板461で囲むこともできる。また、補強板461は、光導波路410、420またはシート状の被覆部材よりも幅広である。
【0169】
補強板461にも、光導波路410、420の第3貫通穴404と第4貫通穴405と連通する穴が設けることができる。この穴をねじ止めの固定穴として用いることができる。
【0170】
補強板461の固定方法は、ねじ止めに限られず、接着、両面テープ、挟み込むなどの方法により補強板461を固定面にもできる。
【0171】
なお、図示しないが、表示判別のため中継コネクタケース581または光導波路410、420のテープの表面、裏面にシール、シルク印刷、刻印などにより、文字を書くことができる。
【0172】
図55A~55Cを用いて中継コネクタ部581の概形を説明したが、図56Bを用いて、中継コネクタ部581にて、光導波路410、420と光ファイバ560、561との光結合を行う際の組み立て方法について簡単に説明する。図56Bのような構成を採ることで、受光側光ファイバ561の先端部と受光用光導波路420の基端部との突き当てを効率よく行うことができる構成となる。
図56Bの中継コネクタ部の構成説明)
1.光ファイバ560、561(バンドルファイバ)の先端被覆を剥いて、ファイバアダプタ560b、561bにバンドルファイバを一列に並べる。
2.光導波路410、420をテープ貼り合わせによって幅方向のピッチ間隔を決めて、光ファイバ560、561との結合部分を少し飛び出させる。
3.ファイバアダプタ560b、561bをコネクタケース581に嵌めて、位置決めボス(楕円形上)で幅方向を位置決めする。
4.光導波路410、420をコネクタケース581に嵌めて、位置決めボス(楕円形上)で幅方向を位置決めする。
5.コネクタケース581に嵌合したファイバアダプタ560b、561bと光導波路410、420を長手方向に移動し、光結合端面を突き当てるか、隙間を少し残る状態で、ファイバアダプタ560b、561bと光導波路410、420の根元を固めの接着剤で固定し、光結合部を透明な弾性材や接着材で結合隙間を充填して固定する。
6.最後にコネクタケース581の蓋を閉める。このとき、接着剤、両面テープ、溶着により蓋が開かないようにしておく。
【0173】
図57及び図58に示す中継部分の第2例の構造のように、中継コネクタ部590を3部品で構成することもできる。中継コネクタ部590は、投光側光ファイバ560及び受光側光ファイバ561を保持する第1保持部材591と、投光用光導波路410及び受光用光導波路420を保持する第2保持部材592と、第1保持部材591及び第2保持部材592の間に配置される中間部材593とを備えている。
【0174】
図58に示すように、第1保持部材591には、投光側光ファイバ560及び受光側光ファイバ561の先端部が挿入された状態で保持される保持孔591a、591bが形成されている。第2保持部材592には、投光用光導波路410及び受光用光導波路420の基端部が挿入された状態で保持される保持孔592a、592bが形成されている。
【0175】
第1保持部材591、中間部材593及び第2保持部材592は、ネジ594によって一体化されている。すなわち、ネジ594は、第1保持部材591側から当該第1保持部材591及び中間部材593を貫通した後、第2保持部材592に螺合する。ネジ594の位置は図58に示す位置に限られるものではなく、例えば図59に示す中継部分の第3例のように、投光側光ファイバ560と受光側光ファイバ561との間隔が広ければ、投光側光ファイバ560と受光側光ファイバ561との間にネジ594を設けることもできる。
【0176】
また、中継コネクタ580から延出させる光ファイバ560、561をフリーカットの光ファイバとしてもよい。フリーカットの光ファイバに対しては、フリーカット用の治具を用いることで光ファイバの長さを調整できる。
【0177】
また、中継部分の第1例ないし第3例においては、中継コネクタ部580から光学式センサ1側に延出する光ファイバ560、561として、細径の光ファイバを用いる場合は、光ファイバと光学式センサ1とを接続するためのアダプタを用いて光結合しやすくしてもよい。
【0178】
光ファイバ560、561のファイバ径は任意のものを用いることができる。光導波路の先端部と同様に、設置スペースの自由度をあげるため、中継コネクタ部580においても、薄型化は望まれる。光ファイバの径が大きいとその分、中継コネクタ580の厚みも増す。そのため、できるだけファイバ径は小さい方が良いが、光導波路との結合効率を考慮して自由に設計できる設計自由度がある。
【0179】
なお、本実施形態では、図6及び図8に示すように、コア411が1層のもので説明したが、これに限られずコア411が2層以上でも構わない。
【0180】
また、光学式センサ1を図1に示すように、表示部334が上面に位置するように立てて設置する場合には、投光用穴376と受光用穴378は、筐体10に対して縦方向に並んで配置され、光導波路の投光用経路および受光用経路は、シート状の横方向に並んでいる。そのため、縦方向に並んでいる2本を水平方向に並べることになるので、光学式センサ1と光導波路の先端との間において、縦に並んでいるものを横に並べるためのひねり部が必要となる。シート状の光導波路をひねるよりも、細い線状の光ファイバをひねるほうが容易であり、断線や光の漏れ、損失を低減できる。
【0181】
(実施形態の作用効果)
本実施形態によれば、光導波路410、420が水平方向に幅広のシート状をなしており、鉛直方向に層状に設けられたコア411、421とクラッド412、422とを有しているので、光導波路410、420を薄くしながら、光導波路410、420の光量を確保することが可能になる。この光導波路410、420のクラッド412、422がシート状の被覆部材440、450により覆われており、この被覆部材440、450が取付対象に対する設置面となるので、薄い光導波路410、420を取付対象に容易に設置することが可能になる。
【0182】
また、光導波路410、420をコネクタ部500によって光学式センサ1に接続することができる。コネクタ部500は、光学式センサ1に対して着脱自在に取り付けられているので、必要に応じて光検出ユニット400を光学式センサ1に接続することや、光検出ユニット400の交換等が容易になる。
【0183】
また、光検出ユニット400は、被覆部材、コネクタ部、中継コネクタ部等により投受光側が一体となっており、ユニットとして取り扱いが容易となる。
【0184】
上述の実施形態はあらゆる点で単なる例示に過ぎず、限定的に解釈してはならない。さらに、特許請求の範囲の均等範囲に属する変形や変更は、全て本発明の範囲内のものである。
【産業上の利用可能性】
【0185】
以上説明したように、本発明は、例えば物品の有無等を検出する場合に使用することができる。
【符号の説明】
【0186】
1 光学式センサ
104 発光素子
204 受光素子
308a 信号生成部
376 投光用穴(投光用接続部)
378 受光用穴(受光用接続部)
400 光検出ユニット
402~405 第1~第4挿通孔(被固定部)
410 投光用光導波路
411 コア
412 クラッド
420 受光用光導波路
421 コア
422 クラッド
440 上側被覆部材
430 光取り出し部材
432 光出射ミラー面(光出射部)
433 光入射ミラー面(光入射部)
450 下側被覆部材
461 補強板(補強金属)
500 コネクタ部
502 投光側凸部
503 受光側凸部
560 投光側光ファイバ
560a 光ファイバ線
561 受光側光ファイバ
561a 光ファイバ線
582 投光側ロッドレンズ
583 受光側ロッドレンズ
585 表示灯
588 中間コネクタ部の貫通穴
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8A
図8B
図9
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図27B
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図38B
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図55B
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図56A
図56B
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