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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-25
(45)【発行日】2025-01-09
(54)【発明の名称】産業用ロボット
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/677 20060101AFI20241226BHJP
   B25J 15/00 20060101ALI20241226BHJP
【FI】
H01L21/68 A
B25J15/00 D
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2020157678
(22)【出願日】2020-09-18
(65)【公開番号】P2022051282
(43)【公開日】2022-03-31
【審査請求日】2023-08-08
(73)【特許権者】
【識別番号】000002233
【氏名又は名称】ニデックインスツルメンツ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100125690
【弁理士】
【氏名又は名称】小平 晋
(74)【代理人】
【識別番号】100142619
【弁理士】
【氏名又は名称】河合 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100153316
【弁理士】
【氏名又は名称】河口 伸子
(72)【発明者】
【氏名】栗林 保
(72)【発明者】
【氏名】風間 俊道
【審査官】湯川 洋介
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-061400(JP,A)
【文献】特開2000-174099(JP,A)
【文献】特開2020-102532(JP,A)
【文献】特開2010-179419(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/677
B25J 15/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の搬送対象物が搭載される搭載機構を備える産業用ロボットにおいて、
前記搭載機構は、前記搬送対象物の搭載部を有し上下方向において所定のピッチで重なる少なくとも3個以上の複数のハンドと、複数の前記搭載部の上下方向のピッチを変えるためのピッチ変更機構とを備え、
複数の前記ハンドのうちの1番上に配置される前記ハンドを最上位ハンドとし、複数の前記ハンドのうちの1番下に配置される前記ハンドを最下位ハンドとし、複数の前記ハンドのうちの前記最上位ハンドと前記最下位ハンドとを除いた前記ハンドを中間ハンドとし、上下方向で隣接する2個の前記ハンドのうちの上側に配置される前記ハンドを上ハンドとし、下側に配置される前記ハンドを下ハンドとすると、
前記ピッチ変更機構は、前記最下位ハンドを昇降させる昇降機構を備え、複数の前記搭載部の上下方向のピッチを所定の第1ピッチと前記第1ピッチよりも広い第2ピッチとし、
前記昇降機構が前記最下位ハンドを上昇させると、前記最下位ハンドの上昇に伴って少なくとも前記中間ハンドが上昇して複数の前記搭載部の上下方向のピッチが前記第1ピッチになり、
前記昇降機構が前記最下位ハンドを降下させると、前記最下位ハンドの降下に伴って少なくとも前記中間ハンドが降下して複数の前記搭載部の上下方向のピッチが前記第2ピッチになり、
前記上ハンドは、前記下ハンドを下側から支持するための支持部を備え、
複数の前記搭載部のピッチが前記第1ピッチになっているときには、前記下ハンドの上面が前記上ハンドの下面に接触し、
複数の前記搭載部のピッチが前記第2ピッチになっているときには、前記下ハンドが前記支持部に接触し、
前記下ハンドの下面には、前記支持部が配置される凹部が形成され、
前記凹部は、前記下ハンドの下面から上側に向かって窪んでおり、
前記支持部の上下方向の厚さは、前記凹部の上下方向の幅よりも薄くなっており、
複数の前記搭載部のピッチが前記第1ピッチになっているときには、前記支持部は、上下方向において前記凹部の上面と前記下ハンドの上面との間に配置されていることを特徴とする産業用ロボット。
【請求項2】
複数の前記搭載部のピッチが前記第2ピッチになっている状態で、前記昇降機構が前記最下位ハンドを上昇させると、前記下ハンドの上面が前記上ハンドの下面に接触し前記下ハンドが前記上ハンドを持ち上げて、複数の前記搭載部のピッチが前記第1ピッチになり、
複数の前記搭載部のピッチが前記第1ピッチになっている状態で、前記昇降機構が前記最下位ハンドを降下させると、前記下ハンドが前記支持部に接触し前記上ハンドを引き下げて、複数の前記搭載部のピッチが前記第2ピッチになることを特徴とする請求項記載の産業用ロボット。
【請求項3】
前記ハンドは、前記搬送対象物の搬送時に水平方向に直線的に移動し、
前記ハンドの移動方向と上下方向とに直交する方向を直交方向とすると、
前記上ハンドは、前記直交方向の両側に配置される前記支持部を備えることを特徴とする請求項または記載の産業用ロボット。
【請求項4】
前記ピッチ変更機構は、少なくとも前記中間ハンドおよび前記最下位ハンドを上下方向に直線的に案内するガイド機構を備え、
前記ガイド機構は、複数のスプライン軸と、前記ハンドに固定されるとともに前記スプライン軸が挿通される複数の外筒とを備えるボールスプライン機構であり、
複数の前記スプライン軸のうちの1本の前記スプライン軸が挿通される前記外筒が固定される前記ハンドと、この1本の前記スプライン軸が挿通される貫通穴が形成されるとともにこの1本の前記スプライン軸が挿通される前記外筒が固定されていない前記ハンドとが上下方向で交互に配置され、
前記貫通穴の内径は、前記外筒の外径よりも大きくなっていることを特徴とする請求項1からのいずれかに記載の産業用ロボット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体ウエハ等の搬送対象物を搬送する産業用ロボットに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、半導体ウエハ等の基板を搬送する産業用ロボットが知られている(たとえば、特許文献1参照)。特許文献1に記載の産業用ロボットは、複数の基板が搭載される基板搭載機構と、基板搭載機構の基端側を回動可能に支持する第1アームとを備えている。基板搭載機構は、基板が搭載されるハンドフォークを有するとともに上下方向において所定のピッチで重なる5個のハンドと、5個のハンドフォークのピッチを変えるピッチ変更機構とを備えている。
【0003】
ピッチ変更機構は、5個のハンドのうちの1番上に配置されるハンド、および、上から2番目に配置されるハンドが連結されるレバー部材(第1レバー部材)と、1番下に配置されるハンド、および、下から2番目に配置されるハンドが連結されるレバー部材(第2レバー部材)と、2個のレバー部材を回動させるための駆動機構とを備えている。レバー部材には、カムフォロアが取り付けられており、このカムフォロアは、ハンド側に固定されるガイド部材に係合している。特許文献1に記載の産業用ロボットでは、2個のレバー部材が回動すると、上から3番目に配置されるハンドを除く4個のハンドが昇降して、5個のハンドフォークのピッチが変わる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2010-179420号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載の産業用ロボットでは、回動する2個の細長いレバー部材をピッチ変更機構が備えているため、ピッチ変更機構が大型化する。また、特許文献1に記載の産業用ロボットにおいて、より多くの基板を一度に搬送できるように基板搭載機構が備えるハンドの数を増やす場合には、ピッチ変更機構が有するレバー部材の数を増やしたり、1本のレバー部材により多くのハンドを連結させたりする必要が生じるため、ピッチ変更機構の構成が複雑になって、ピッチ変更機構がより大型化する。
【0006】
そこで、本発明の課題は、搬送対象物が搭載される複数の搭載部の上下方向のピッチを変えるためのピッチ変更機構を備える産業用ロボットにおいて、ピッチ変更機構を小型化することが可能な産業用ロボットを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するため、本発明の産業用ロボットは、複数の搬送対象物が搭載される搭載機構を備える産業用ロボットにおいて、搭載機構は、搬送対象物の搭載部を有し上下方向において所定のピッチで重なる少なくとも3個以上の複数のハンドと、複数の搭載部の上下方向のピッチを変えるためのピッチ変更機構とを備え、複数のハンドのうちの1番上に配置されるハンドを最上位ハンドとし、複数のハンドのうちの1番下に配置されるハンドを最下位ハンドとし、複数のハンドのうちの最上位ハンドと最下位ハンドとを除いたハンドを中間ハンドとし、上下方向で隣接する2個のハンドのうちの上側に配置されるハンドを上ハンドとし、下側に配置されるハンドを下ハンドとすると、ピッチ変更機構は、最下位ハンドを昇降させる昇降機構を備え、複数の搭載部の上下方向のピッチを所定の第1ピッチと第1ピッチよりも広い第2ピッチとし、昇降機構が最下位ハンドを上昇させると、最下位ハンドの上昇に伴って少なくとも中間ハンドが上昇して複数の搭載部の上下方向のピッチが第1ピッチになり、昇降機構が最下位ハンドを降下させると、最下位ハンドの降下に伴って少なくとも中間ハンドが降下して複数の搭載部の上下方向のピッチが第2ピッチになり、上ハンドは、下ハンドを下側から支持するための支持部を備え、複数の搭載部のピッチが第1ピッチになっているときには、下ハンドの上面が上ハンドの下面に接触し、複数の搭載部のピッチが第2ピッチになっているときには、下ハンドが支持部に接触し、下ハンドの下面には、支持部が配置される凹部が形成され、凹部は、下ハンドの下面から上側に向かって窪んでおり、支持部の上下方向の厚さは、凹部の上下方向の幅よりも薄くなっており、複数の搭載部のピッチが第1ピッチになっているときには、支持部は、上下方向において凹部の上面と下ハンドの上面との間に配置されていることを特徴とする。
【0008】
本発明の産業用ロボットでは、昇降機構が最下位ハンドを上昇させると、最下位ハンドの上昇に伴って少なくとも中間ハンドが上昇して複数の搭載部の上下方向のピッチが第1ピッチになり、昇降機構が最下位ハンドを降下させると、最下位ハンドの降下に伴って少なくとも中間ハンドが降下して複数の搭載部の上下方向のピッチが第2ピッチになる。そのため、本発明では、特許文献1に記載された産業用ロボットのように細長い2個のレバー部材を用いなくても、昇降機構によって最下位ハンドを昇降させれば、複数の搭載部の上下方向のピッチを変えることが可能になる。したがって、本発明では、ピッチ変更機構を小型化することが可能になる。
【0009】
また、本発明では、搭載機構が備えるハンドの数が増えても、昇降機構によって最下位ハンドを昇降させれば、複数の搭載部の上下方向のピッチを変えることが可能になるため、搭載機構が備えるハンドの数が増えても、ピッチ変更機構の構成を簡素化して、ピッチ変更機構を小型化することが可能になる。
【0010】
また、本発明では、上下方向で隣接する2個のハンドのうちの上側に配置されるハンドを上ハンドとし、下側に配置されるハンドを下ハンドとすると、上ハンドは、下ハンドを下側から支持するための支持部を備え、複数の搭載部のピッチが第1ピッチになっているときには、下ハンドの上面が上ハンドの下面に接触し、複数の搭載部のピッチが第2ピッチになっているときには、下ハンドが支持部に接触している。そのため、比較的簡易な構成で、複数の搭載部のピッチが第1ピッチになっているときの複数のハンドの上下方向の位置決めと、複数の搭載部のピッチが第2ピッチになっているときの複数のハンドの上下方向の位置決めとを行うことが可能になる。
【0011】
本発明において、複数の搭載部のピッチが第2ピッチになっている状態で、昇降機構が最下位ハンドを上昇させると、下ハンドの上面が上ハンドの下面に接触し下ハンドが上ハンドを持ち上げて、複数の搭載部のピッチが第1ピッチになり、複数の搭載部のピッチが第1ピッチになっている状態で、昇降機構が最下位ハンドを降下させると、下ハンドが支持部に接触し上ハンドを引き下げて、複数の搭載部のピッチが第2ピッチになることが好ましい。このように構成すると、比較的簡易な構成で、最下位ハンド以外のハンドを、最下位ハンドの昇降に伴って確実に昇降させることが可能になる。
【0012】
本発明において、ハンドは、搬送対象物の搬送時に水平方向に直線的に移動し、ハンドの移動方向と上下方向とに直交する方向を直交方向とすると、上ハンドは、直交方向の両側に配置される支持部を備えることが好ましい。このように構成すると、複数の搭載部のピッチが第2ピッチになっているときの下ハンドの状態をより安定させることが可能になる。
【0013】
本発明において、ピッチ変更機構は、少なくとも中間ハンドおよび最下位ハンドを上下方向に直線的に案内するガイド機構を備え、ガイド機構は、複数のスプライン軸と、ハンドに固定されるとともにスプライン軸が挿通される複数の外筒とを備えるボールスプライン機構であり、複数のスプライン軸のうちの1本のスプライン軸が挿通される外筒が固定されるハンドと、この1本のスプライン軸が挿通される貫通穴が形成されるとともにこの1本のスプライン軸が挿通される外筒が固定されていないハンドとが上下方向で交互に配置され、貫通穴の内径は、外筒の外径よりも大きくなっていることが好ましい。
【0014】
このように構成すると、ボールスプライン機構を用いてハンドを上下方向に案内する場合であっても、1本のスプライン軸が挿通される外筒が全てのハンドに固定されている場合と比較して、上下方向で隣接する2個のハンドの上下方向の距離を近づけることが可能になる。したがって、ボールスプライン機構を用いてハンドを上下方向に案内する場合であっても、第1ピッチを小さくすることが可能になる。
【発明の効果】
【0015】
以上のように、本発明では、搬送対象物が搭載される複数の搭載部の上下方向のピッチを変えるためのピッチ変更機構を備える産業用ロボットにおいて、ピッチ変更機構を小型化することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明の実施の形態にかかる産業用ロボットの斜視図である。
図2図1に示す搭載機構、リニア駆動機構および傾き補正機構等の斜視図である。
図3図1に示す搭載機構の斜視図である。
図4図3に示す搭載機構を異なる方向から示す斜視図である。
図5図3に示すハンドの構成を説明するための側面図である。
図6図3に示す搭載機構の基端部の側面図である。
図7図3に示す搭載機構の背面図である。
図8図3に示す搭載機構の背面図である。
図9図7に示す支持部材の構成を説明するための拡大図である。
図10図6に示すガイド機構の構成を説明するための断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施の形態を説明する。
【0018】
(産業用ロボットの全体構成)
図1は、本発明の実施の形態にかかる産業用ロボット1の斜視図である。図2は、図1に示す搭載機構3、リニア駆動機構5~7および傾き補正機構8等の斜視図である。図3は、図1に示す搭載機構3の斜視図である。
【0019】
本形態の産業用ロボット1(以下、「ロボット1」とする。)は、搬送対象物である半導体ウエハ2(以下、「ウエハ2」とする。)を搬送するためのロボットである。ウエハ2は、薄い円板状に形成されている。ロボット1は、たとえば、複数のウエハ2が所定のピッチで積層されて収容されるカセット(図示省略)から複数のウエハ2を同時に搬出して、半導体製造システム(図示省略)を構成する所定の処理装置の中へカセットから搬出した複数のウエハ2を搬入する。また、ロボット1は、複数のウエハ2が所定のピッチで積層されて収容される処置装置から複数のウエハ2を同時に搬出して、搬出した複数のウエハ2をカセットの中へ搬入する。
【0020】
ロボット1は、複数のウエハ2が搭載される搭載機構3と、1枚のウエハ2が搭載されるハンド4と、搭載機構3を水平方向に直線的に移動させるためのリニア駆動機構5と、ハンド4を水平方向に直線的に移動させるためのリニア駆動機構6と、リニア駆動機構5、6を水平方向に直線的に移動させるためのリニア駆動機構7と、搭載機構3およびハンド4の傾きを補正するための傾き補正機構8と、傾き補正機構8を保持する本体部9と、本体部9を水平方向に移動可能に支持するベース部材10とを備えている。
【0021】
搭載機構3には、上下方向において一定のピッチで重なる複数枚のウエハ2が搭載される。搭載機構3は、ウエハ2が搭載される複数のハンド14~24を備えている。本形態の搭載機構3は、11個のハンド14~24を備えている。ハンド14~24のそれぞれには、1枚のウエハ2が搭載される。11個のハンド14~24は、上下方向において所定のピッチで重なっている。具体的には、11個のハンド14~24は、一定のピッチで重なっている。11個のハンド14~24は、同じ方向を向いている。
【0022】
また、搭載機構3は、11個のハンド14~24の上下方向のピッチを変えるためのピッチ変更機構25を備えている。ハンド4は、ハンド14~24よりも上側に配置されている。ハンド4は、ハンド14~24と同じ方向を向いている。ハンド14~24およびピッチ変更機構25の具体的な構成については後述する。なお、搭載機構3の基端側部分は、カバー27によって覆われているが(図2参照)、図3等では、カバー27の図示を省略している。
【0023】
リニア駆動機構5は、搭載機構3を直線的に往復移動させる。すなわち、リニア駆動機構5は、11個のハンド14~24を直線的に往復移動させる。リニア駆動機構5は、ハンド14~24よりも下側に配置されている。リニア駆動機構5は、たとえば、モータ、ボールネジおよびガイド機構等を備えている。リニア駆動機構6は、リニア駆動機構5によって移動するハンド14~24の往復移動方向と同方向へハンド4を直線的に往復移動させる。リニア駆動機構6は、ハンド14~24よりも下側に配置されている。リニア駆動機構6は、リニア駆動機構5と同様に、たとえば、モータ、ボールネジおよびガイド機構等を備えている。
【0024】
リニア駆動機構7は、リニア駆動機構5、6によって移動するハンド4、14~24の往復移動方向と同方向へリニア駆動機構5、6を直線的に往復移動させる。すなわち、リニア駆動機構7は、リニア駆動機構5、6によって移動するハンド4、14~24の往復移動方向と同方向へ、ハンド14~24をリニア駆動機構5と一緒にさらに往復移動させるとともに、ハンド4をリニア駆動機構6と一緒にさらに往復移動させる。リニア駆動機構7は、リニア駆動機構5、6の下側に配置されている。リニア駆動機構7は、リニア駆動機構5、6と同様に、たとえば、2個のモータ、2本のボールネジおよびガイド機構等を備えている。
【0025】
傾き補正機構8は、リニア駆動機構7の下側に配置されている。リニア駆動機構7は、傾き補正機構8に搭載されている。傾き補正機構8は、リニア駆動機構7を傾けることで、ウエハ2が搭載されるハンド4、14~24の傾きを補正する。傾き補正機構8は、上下方向に対して傾いた所定の第1方向を回動の軸方向として、リニア駆動機構7等と一緒にハンド4、14~24を回動させる第1傾き補正機構と、上下方向に対して傾くとともに第1方向に対して傾いた第2方向を回動の軸方向として、リニア駆動機構7等と一緒にハンド4、14~24を回動させる第2傾き補正機構とを備えている。第1方向は、搭載機構3およびハンド4の往復移動方向と略一致している。第2方向は、第1方向に直交する方向である。
【0026】
本体部9は、傾き補正機構8を昇降可能に保持する柱状フレーム31を備えている。柱状フレーム31は、上下方向に細長い柱状に形成されている。また、本体部9は、本体部9の下端部を構成するとともにベース部材10に対して水平移動可能な基台32と、柱状フレーム31の下端が固定されるとともに基台32に対して回動可能な回動ベース33とを備えている。ロボット1は、柱状フレーム31に対して傾き補正機構8を昇降させる昇降機構と、上下方向を回動の軸方向として基台32に対して回動ベース33を回動させる回動機構と、ベース部材10に対して基台32を水平移動させる水平移動機構とを備えている。
【0027】
(ハンドの構成)
図4は、図3に示す搭載機構3を異なる方向から示す斜視図である。図5は、図3に示すハンド14~24の構成を説明するための側面図である。図6は、図3に示す搭載機構3の基端部の側面図である。図7図8は、図3に示す搭載機構3の背面図である。図9は、図7に示す支持部材78~87の構成を説明するための拡大図である。
【0028】
搭載機構3は、上述のように、11個のハンド14~24を備えている。ハンド14~24は、上側から下側に向かってこの順番で配置されている。本形態のハンド14は、複数のハンド14~24のうちの1番上に配置されるハンドである最上位ハンドとなっており、ハンド24は、複数のハンド14~24のうちの1番下に配置されるハンドである最下位ハンドとなっている。また、ハンド15~23は、複数のハンド14~24のうちの最上位ハンド(ハンド14)と最下位ハンド(ハンド24)とを除いた残りのハンドである中間ハンドとなっている。
【0029】
また、本形態では、ハンド14とハンド15との関係において、ハンド14は、上下方向で隣接する2個のハンド14、15のうちの上側に配置されるハンドである上ハンドとなっており、ハンド15は、下側に配置されるハンドである下ハンドとなっている。また、ハンド15とハンド16との関係において、ハンド15は、上下方向で隣接する2個のハンド15、16のうちの上側に配置されるハンドである上ハンドとなっており、ハンド16は、下側に配置されるハンドである下ハンドとなっている。
【0030】
同様に、ハンド16とハンド17との関係において、ハンド16は上ハンドとなっており、ハンド17は下ハンドとなっており、ハンド17とハンド18との関係において、ハンド17は上ハンドとなっており、ハンド18は下ハンドとなっており、ハンド18とハンド19との関係において、ハンド18は上ハンドとなっており、ハンド19は下ハンドとなっており、ハンド19とハンド20との関係において、ハンド19は上ハンドとなっており、ハンド20は下ハンドとなっている。
【0031】
また、ハンド20とハンド21との関係において、ハンド20は上ハンドとなっており、ハンド21は下ハンドとなっており、ハンド21とハンド22との関係において、ハンド21は上ハンドとなっており、ハンド22は下ハンドとなっており、ハンド22とハンド23との関係において、ハンド22は上ハンドとなっており、ハンド23は下ハンドとなっており、ハンド23とハンド24との関係において、ハンド23は上ハンドとなっており、ハンド24は下ハンドとなっている。
【0032】
ハンド14~24は、ウエハ2の搬送時に水平方向に直線的に移動する。以下の説明では、ハンド14~24の移動方向(往復移動方向)である図3等のX方向を「前後方向」とし、上下方向と前後方向とに直交する図3等のY方向を「左右方向」とする。本形態の左右方向(Y方向)は、ハンド14~24の移動方向と上下方向とに直交する直交方向である。
【0033】
また、以下では、説明の便宜上、前後方向の一方側である図3等のX1方向側を「前」側とし、その反対側である図3等のX2方向側を「後ろ」側とし、左右方向の一方側である図3等のY1方向側を「右」側とし、その反対側である図3等のY2方向側を「左」側とする。本形態では、前側は、ハンド14~24の先端側であり、後ろ側は、ハンド14~24の基端側である。
【0034】
ハンド14~24は、ウエハ2が搭載されるブレード36を備えている。図5に示すように、ハンド14は、ブレード36が固定されるブレード保持部材37と、ブレード保持部材37が固定される固定部材49とを備えている。ハンド14と同様に、ハンド15は、ブレード36が固定されるブレード保持部材38と、ブレード保持部材38が固定される固定部材50とを備え、ハンド16は、ブレード36が固定されるブレード保持部材39と、ブレード保持部材39が固定される固定部材51とを備えている。
【0035】
同様に、ハンド17は、ブレード36が固定されるブレード保持部材40と、ブレード保持部材40が固定される固定部材52とを備え、ハンド18は、ブレード36が固定されるブレード保持部材41と、ブレード保持部材41が固定される固定部材53とを備え、ハンド19は、ブレード36が固定されるブレード保持部材42と、ブレード保持部材42が固定される固定部材54とを備え、ハンド20は、ブレード36が固定されるブレード保持部材43と、ブレード保持部材43が固定される固定部材55とを備えている。
【0036】
さらに、ハンド21は、ブレード36が固定されるブレード保持部材44と、ブレード保持部材44が固定される固定部材56とを備え、ハンド22は、ブレード36が固定されるブレード保持部材45と、ブレード保持部材45が固定される固定部材57とを備え、ハンド23は、ブレード36が固定されるブレード保持部材46と、ブレード保持部材46が固定される固定部材58とを備え、ハンド24は、ブレード36が固定されるブレード保持部材47と、ブレード保持部材47が固定される固定部材59とを備えている。
【0037】
本形態では、ブレード保持部材37~47のそれぞれとブレード36とによってウエハ2の搭載部が構成されている。ブレード36は、平板状に形成されている。ブレード36は、ブレード36の厚さ方向と上下方向とが一致するように配置されている。上下方向から見たときのブレード36の形状は略U形状となっている。ブレード36は、ブレード保持部材37~47と別体で形成されている。なお、ハンド14~24と同様に、ハンド4は、ウエハ2が搭載されるブレード73を備えている(図2参照)。
【0038】
ブレード保持部材37~47は、略長方形の平板状に形成されている。ブレード保持部材37~47は、ブレード保持部材37~47の厚さ方向と上下方向とが一致するように配置されている。本形態のハンド14は、2枚のブレード保持部材37を備えており、2枚のブレード保持部材37は、左右方向に間隔をあけた状態で配置されている。同様に、ハンド15~24のそれぞれは、2枚のブレード保持部材38~47を備えており、2枚のブレード保持部材38~47のそれぞれは、左右方向に間隔をあけた状態で配置されている。
【0039】
ブレード36の後端部(基端部)は、皿ボルト等のボルトによって2枚のブレード保持部材37~47の前端部に固定されている。ブレード36の後端部は、ブレード保持部材37~47の前端部の上側に配置されており、上下方向においてブレード保持部材37~47の前端部と重なった状態でブレード保持部材37~47に固定されている。ブレード36の後端部の下面は、ブレード保持部材37~47の前端部の上面に接触している。
【0040】
固定部材49~59は、平板状に形成されている。固定部材49~59は、固定部材49~59の厚さ方向と上下方向とが一致するように配置されており、固定部材49~59の上面および下面は、上下方向に直交する平面となっている。固定部材49~59の外形は互いにほぼ同形状となっている。固定部材49~59は、上下方向において所定のピッチで重なっている。上述のように、ハンド14~24は、上側から下側に向かってこの順番で配置されており、固定部材49~59は、上側から下側に向かってこの順番で配置されている。固定部材49の下側に配置される固定部材50~59は、固定部材49の上側から見えない。
【0041】
ブレード保持部材37~47のそれぞれは、ボルトによって、固定部材49~59のそれぞれの前端部に固定されている。ブレード保持部材37~47のそれぞれは、上下方向において固定部材49~59のそれぞれと重なった状態で固定部材49~59に固定されている。具体的には、ブレード保持部材37~47のそれぞれは、固定部材49~59のそれぞれの前端部の上側に配置されており、上下方向において固定部材49~59のそれぞれの前端部と重なった状態で固定部材49~59に固定されている。ブレード保持部材37~47のそれぞれの下面は、固定部材49~49のそれぞれの前端部の上面に接触している。
【0042】
ブレード保持部材37~47が固定される固定部材49~59の前端部を除いた固定部材49~59の大半部分は、搭載機構3の下面を構成する下フレーム75と、搭載機構3の上面を構成する上フレーム76(図6図8参照)との間に配置されている。下フレーム75は、リニア駆動機構5の可動部に固定されている。下フレーム75の上面には、上側に向かって立ち上がる複数の支柱が固定されており、上フレーム76は、複数の支柱の上端部に固定されている。なお、図3図4等では、上フレーム76の図示を省略している。
【0043】
固定部材49には、固定部材50を下側から支持するための支持部78aを有する支持部材78が固定されている。すなわち、ハンド14は、ハンド15を下側から支持するための支持部78aを備えている。本形態のハンド14は、左右方向の両側に配置される支持部78aを備えている。すなわち、本形態では、左右方向の両側において固定部材49に支持部材78が固定されており、2個の支持部78aによって、左右方向の両側において固定部材50を下側から支持することが可能になっている。
【0044】
同様に、固定部材50の左右方向の両端側には、左右方向の両側において固定部材51を下側から支持するための支持部79aを有する支持部材79が固定され、固定部材51の左右方向の両端側には、左右方向の両側において固定部材52を下側から支持するための支持部80aを有する支持部材80が固定され、固定部材52の左右方向の両端側には、左右方向の両側において固定部材53を下側から支持するための支持部81aを有する支持部材81が固定され、固定部材53の左右方向の両端側には、左右方向の両側において固定部材54を下側から支持するための支持部82aを有する支持部材82が固定されている。
【0045】
また、固定部材54の左右方向の両端側には、左右方向の両側において固定部材55を下側から支持するための支持部83aを有する支持部材83が固定され、固定部材55の左右方向の両端側には、左右方向の両側において固定部材56を下側から支持するための支持部84aを有する支持部材84が固定され、固定部材56の左右方向の両端側には、左右方向の両側において固定部材57を下側から支持するための支持部85aを有する支持部材85が固定され、固定部材57の左右方向の両端側には、左右方向の両側において固定部材58を下側から支持するための支持部86aを有する支持部材86が固定され、固定部材58の左右方向の両端側には、左右方向の両側において固定部材59を下側から支持するための支持部87aを有する支持部材87が固定されている。
【0046】
すなわち、ハンド15~23のそれぞれは、ハンド16~24のそれぞれを下側から支持するための支持部79a~87aを備えている。また、ハンド15~23のそれぞれは、左右方向の両側に配置される2個の支持部79a~87aを備えている。
【0047】
固定部材49~59の右端側では、支持部材78~87は、左右方向において同じ位置に配置されている。また、固定部材49~59の右端側では、たとえば、図6に示すように、前後方向において、支持部材78と支持部材82と支持部材86とが同じ位置に配置され、支持部材79と支持部材83と支持部材87とが同じ位置に配置され、支持部材80と支持部材84とが同じ位置に配置され、支持部材81と支持部材85とが同じ位置に配置されるとともに、支持部材78、82、86と、支持部材79、83、87と、支持部材80、84と、支持部材81、85とが前後方向において互いにずれた位置に配置されている。
【0048】
固定部材49~59の左端側では、支持部材78、80、82、84、86と、支持部材79、81、83、85、87とが左右方向においてずれた位置に配置されている。具体的には、支持部材78、80、82、84、86は、支持部材79、81、83、85、87よりも右側に配置されている。また、固定部材49~59の左端側では、たとえば、支持部材78、80、82、84、86が、支持部材79、81、83、85、87よりも後ろ側に配置されている。
【0049】
図9に示すように、支持部材78は、固定部材49に固定される被固定部78bと、被固定部78bから左右方向の外側に伸びる位置調整部78cとを備えている。また、支持部材79は、固定部材50に固定される被固定部79bと、被固定部79bから左右方向の外側に伸びる位置調整部79cとを備えている。同様に、支持部材80~87は、固定部材51~58のそれぞれに固定される被固定部80b~87bと、被固定部80b~87bのそれぞれから左右方向の外側に伸びる位置調整部80c~87cとを備えている。
【0050】
支持部78a~87a、被固定部78b~87b、および、位置調整部78c~87cは、平板状に形成されている。支持部78a~87aは、支持部78a~87aの厚さ方向と上下方向とが一致するように配置され、被固定部78b~87bは、被固定部78b~87bの厚さ方向と左右方向とが一致するように配置され、位置調整部78c~87cは、位置調整部78c~87cの厚さ方向と上下方向とが一致するように配置されている。被固定部78b~87bのそれぞれは、ボルト61によって、固定部材49~58のそれぞれの左右方向の端面に固定されている。支持部78a~87aのそれぞれは、被固定部78b~87bの下端から左右方向の内側に向かって伸びている。
【0051】
固定部材50~59の左右方向の両端側部分の下面には、支持部78a~87aのそれぞれが配置される凹部50b~59bが形成されている。凹部50b~59bは、固定部材50~59のそれぞれの下面から上側に向かって、かつ、固定部材50~59のそれぞれの左右方向の両端面から左右方向の内側に向かって窪んでいる。凹部50b~59bの上面は、上下方向に直交する平面となっている。支持部78a~87aの厚さ(上下方向の厚さ)は、凹部50b~59bの上下方向の幅よりも薄くなっている。
【0052】
固定部材49~58のそれぞれに対する支持部材78~87のそれぞれの上下方向の位置は、調整用ボルト88によって調整可能となっている。調整用ボルト88は、位置調整部78c~87cのそれぞれの上面に接触して位置調整部78c~87cのそれぞれを下側へ押す押しボルト63と、位置調整部78c~87cのそれぞれを上側へ引き上げる引きボルト64とによって構成されている(図9参照)。押しボルト63は、たとえば、六角穴付き止めネジであり、引きボルト64は、たとえば、六角穴付きボルトである。
【0053】
固定部材49~58のそれぞれには、押しボルト63のオネジが係合するネジ穴と、引きボルト64が挿通される貫通穴とが形成されるボルト保持部49c~58cが形成されている。ボルト保持部49c~58cのそれぞれは、固定部材49~58のそれぞれの左右方向の両端部に形成されている。ボルト保持部49c~58cのそれぞれは、固定部材49~58のそれぞれから左右方向の外側に突出している。ボルト保持部49c~58cは直方体状に形成されている。
【0054】
ボルト保持部49c~58cのそれぞれは、位置調整部78c~87cのそれぞれの上側に配置されている。被固定部78b~87bには、被固定部78b~87bとボルト保持部49c~58cとの干渉を防止するための切欠きが形成されている。ボルト保持部49c~58cの上側には、押しボルト63に係合するナット65が配置されている(図9参照)。ナット65は、押しボルト63の緩みを防止する機能を果たしている。位置調整部78c~87cには、引きボルト64のオネジが係合するネジ穴が形成されている。
【0055】
また、搭載機構3の上フレーム76には、左右方向の両側において固定部材49を下側から支持するための支持部89aを有する支持部材89が固定されている(図6参照)。すなわち、上フレーム76は、左右方向の両側においてハンド14を下側から支持するための2個の支持部89aを備えている。支持部材89は、支持部材78~87と同様に構成されており、上フレーム76に固定される被固定部と、この被固定部から左右方向の外側に伸びる位置調整部とを備えている。支持部89aは、平板状に形成されており、支持部89aの厚さ方向と上下方向とが一致するように配置されている。なお、図6以外では、支持部材89の図示を省略している。
【0056】
固定部材49の左右方向の両端側部分の下面には、支持部89aが配置される凹部49bが形成されている。凹部50b~59bと同様に、凹部49bは、固定部材49の下面から上側に向かって、かつ、固定部材49の左右方向の両端面から左右方向の内側に向かって窪んでいる。凹部49bの上面は、上下方向に直交する平面となっている。支持部89aの厚さ(上下方向の厚さ)は、凹部49bの上下方向の幅よりも薄くなっている。上フレーム76に対する支持部材89の上下方向の位置は、調整ボルト88と同様の調整用ボルトによって調整可能となっている。
【0057】
(ピッチ変更機構の構成)
図10は、図6に示すガイド機構92の構成を説明するための断面図である。
【0058】
ピッチ変更機構25は、11枚のブレード36の上下方向のピッチを変える。すなわち、ピッチ変更機構25は、11個のハンド14~24の搭載部の上下方向のピッチを変える。具体的には、ピッチ変更機構25は、11枚のブレード36の上下方向のピッチを所定の第1ピッチ(図8参照)と第1ピッチよりも広い第2ピッチ(図7参照)とにする。第1ピッチは、たとえば、8mm程度であり、第2ピッチは、たとえば、10mm程度である。ピッチ変更機構25は、ハンド24を昇降させる昇降機構91と、ハンド14~24を上下方向に直線的に案内するガイド機構92とを備えている。
【0059】
昇降機構91は、駆動源としてエアシリンダ93と、エアシリンダ93とハンド24とを繋ぐ連結部材94とを備えている。エアシリンダ93は、ロッド(ピストン)の移動速度が比較的遅い低速エアシリンダである。エアシリンダ93は、ハンド14~24よりも後ろ側に配置されている。エアシリンダ93の本体は、下フレーム75の上面側に固定されている。エアシリンダ93は、エアシリンダ93のロッドが下側に向かって突出するように配置されている。連結部材94は、エアシリンダ93のロッドの下端部と、ハンド24の固定部材59の下面とに固定されている。
【0060】
ガイド機構92は、固定部材49~59を上下方向に直線的に案内する。ガイド機構92は、複数のスプライン軸95~98と、スプライン軸95~98が挿通される複数の外筒99とを備えるボールスプライン機構である。本形態のガイド機構92は、4本のスプライン軸95~98(図3参照)と、22個の外筒99とを備えている。スプライン軸95~98は、スプライン軸95~98の軸方向と上下方向とが一致するように配置されている。スプライン軸95~98の下端は、下フレーム75に固定され、スプライン軸95~98の上端は、上フレーム76に固定されている。
【0061】
図3に示すように、スプライン軸95、96は、ハンド14~24の右端側に配置されている。スプライン軸97、98は、ハンド14~24の左右方向の中心よりも左側に配置されている。スプライン軸95とスプライン軸96とは、左右方向において同じ位置に配置されるとともに前後方向において間隔をあけた状態で配置されている。スプライン軸95は、スプライン軸96よりも後ろ側に配置されている。
【0062】
スプライン軸97とスプライン軸98とは、前後左右方向において互いにずれた位置に配置されている。スプライン軸97は、スプライン軸98よりも後ろ側かつ右側に配置されている。スプライン軸95とスプライン軸97とは、前後方向において互いにずれた位置に配置されている。スプライン軸95は、スプライン軸97よりもわずかに後ろ側に配置されている。スプライン軸96とスプライン軸98とは、前後方向において同じ位置に配置されている。
【0063】
外筒99は、円筒状に形成されている。外筒99は、ハンド14~24のそれぞれに固定されている。本形態では、外筒99は、固定部材49~59のそれぞれに2個ずつ固定されている。また、外筒99は、固定部材49~59のそれぞれの後端側部分と前端側部分との2箇所に固定されている。具体的には、スプライン軸95が挿通される外筒99は、固定部材50、52、54、56、58のそれぞれに固定され、スプライン軸96が挿通される外筒99は、固定部材49、51、53、55、57、59のそれぞれに固定されている(図10参照)。また、スプライン軸97が挿通される外筒99は、固定部材49、51、53、55、57、59のそれぞれに固定され、スプライン軸98が挿通される外筒99は、固定部材50、52、54、56、58のそれぞれに固定されている。
【0064】
外筒99の長さ(上下方向(軸方向)の長さ)は、固定部材49~59の厚さよりも長くなっている。外筒99の上端部は、外筒99が固定される固定部材49~59のそれぞれの上面よりも上側に突出している。外筒99の下端部は、外筒99が固定される固定部材49~59のそれぞれの下面よりも下側に突出している。固定部材49、51、53、55、57、59のそれぞれには、スプライン軸95、98が挿通される貫通穴49d、51d、53d、55d、57d、59dが形成されている(図10参照)。固定部材50、52、54、56、58には、スプライン軸96、97が挿通される貫通穴50d、52d、54d、56d、58dが形成されている(図10参照)。
【0065】
このように、本形態では、スプライン軸95が挿通される外筒99が固定されるハンド15、17、19、21、23と、スプライン軸95が挿通される貫通穴49d、51d、53d、55d、57d、59dが形成されるとともにスプライン軸95が挿通される外筒99が固定されていないハンド14、16、18、20、22、24とが上下方向で交互に配置されている。また、スプライン軸96が挿通される外筒99が固定されるハンド14、16、18、20、22、24と、スプライン軸96が挿通される貫通穴50d、52d、54d、56d、58dが形成されるとともにスプライン軸96が挿通される外筒99が固定されていないハンド15、17、19、21、23とが上下方向で交互に配置されている。
【0066】
また、スプライン軸97が挿通される外筒99が固定されるハンド14、16、18、20、22、24と、スプライン軸97が挿通される貫通穴50d、52d、54d、56d、58dが形成されるとともにスプライン軸97が挿通される外筒99が固定されていないハンド15、17、19、21、23とが上下方向で交互に配置されている。また、スプライン軸98が挿通される外筒99が固定されるハンド15、17、19、21、23と、スプライン軸98が挿通される貫通穴49d、51d、53d、55d、57d、59dが形成されるとともにスプライン軸98が挿通される外筒99が固定されていないハンド14、16、18、20、22、24とが上下方向で交互に配置されている。
【0067】
すなわち、本形態では、4本のスプライン軸95~98のうちの1本のスプライン軸95~98が挿通される外筒99が固定されるハンド14~24と、この1本のスプライン軸95~98が挿通される貫通穴49d~59dが形成されるとともにこの1本のスプライン軸95~98が挿通される外筒99が固定されていないハンド14~24とが上下方向で交互に配置されている。
【0068】
貫通穴49d~59dは、上下方向に貫通する丸穴である。貫通穴49d~59dの内径は、外筒99の外径よりも大きくなっている。より具体的には、11枚のブレード36の上下方向のピッチが第1ピッチとなったときの固定部材49~59と外筒99との干渉が生じないように、貫通穴49d~59dの内径は、固定部材49~59の上面から上側に突出する外筒99の上端部の外径、および、固定部材49~59の下面から下側に突出する外筒99の下端部の外径よりも大きくなっている。
【0069】
本形態では、11枚のブレード36のピッチが第1ピッチになっているときには、エアシリンダ93のロッドが引っ込んで、ハンド24を押し上げた状態になっている。このときには、図8に示すように、固定部材49の上面が上フレーム76の下面に接触し、固定部材50の上面が固定部材49の下面に接触し、固定部材51の上面が固定部材50の下面に接触し、固定部材52の上面が固定部材51の下面に接触し、固定部材53の上面が固定部材52の下面に接触し、固定部材54の上面が固定部材53の下面に接触し、固定部材55の上面が固定部材54の下面に接触し、固定部材56の上面が固定部材55の下面に接触し、固定部材57の上面が固定部材56の下面に接触し、固定部材58の上面が固定部材57の下面に接触し、固定部材59の上面が固定部材58の下面に接触している。
【0070】
すなわち、11枚のブレード36のピッチが第1ピッチになっているときには、ハンド14の上面が上フレーム76の下面に接触し、ハンド15の上面がハンド14の下面に接触し、ハンド16の上面がハンド15の下面に接触し、ハンド17の上面がハンド16の下面に接触し、ハンド18の上面がハンド17の下面に接触し、ハンド19の上面がハンド18の下面に接触し、ハンド20の上面がハンド19の下面に接触し、ハンド21の上面がハンド20の下面に接触し、ハンド22の上面がハンド21の下面に接触し、ハンド23の上面がハンド22の下面に接触し、ハンド24の上面がハンド23の下面に接触している。
【0071】
また、11枚のブレード36のピッチが第1ピッチになっているときには、上下方向において、固定部材49と支持部89aの上面との間に隙間が形成され、固定部材50と支持部78aの上面との間に隙間が形成され、固定部材51と支持部79aの上面との間に隙間が形成され、固定部材52と支持部80aの上面との間に隙間が形成され、固定部材53と支持部81aの上面との間に隙間が形成され、固定部材54と支持部82aの上面との間に隙間が形成され、固定部材55と支持部83aの上面との間に隙間が形成され、固定部材56と支持部84aの上面との間に隙間が形成され、固定部材57と支持部85aの上面との間に隙間が形成され、固定部材58と支持部86aの上面との間に隙間が形成され、固定部材59と支持部87aの上面との間に隙間が形成されている。
【0072】
また、11枚のブレード36のピッチが第1ピッチになっているときには、上下方向において、固定部材50と支持部89aの下面との間に隙間が形成され、固定部材51と支持部78aの下面との間に隙間が形成され、固定部材52と支持部79aの下面との間に隙間が形成され、固定部材53と支持部80aの下面との間に隙間が形成され、固定部材54と支持部81aの下面との間に隙間が形成され、固定部材55と支持部82aの下面との間に隙間が形成され、固定部材56と支持部83aの下面との間に隙間が形成され、固定部材57と支持部84aの下面との間に隙間が形成され、固定部材58と支持部85aの下面との間に隙間が形成され、固定部材59と支持部86aの下面との間に隙間が形成されている。
【0073】
一方、11枚のブレード36のピッチが第2ピッチになっているときには、エアシリンダ93のロッドが突出して、ハンド24を引き下げた状態になっている。このときには、図7に示すように、固定部材49は支持部89aの上面に接触し、固定部材50は支持部78aの上面に接触し、固定部材51は支持部79aの上面に接触し、固定部材52は支持部80aの上面に接触し、固定部材53は支持部81aの上面に接触し、固定部材54は支持部82aの上面に接触し、固定部材55は支持部83aの上面に接触し、固定部材56は支持部84aの上面に接触し、固定部材57は支持部85aの上面に接触し、固定部材58は支持部86aの上面に接触し、固定部材59は支持部87aの上面に接触している。
【0074】
すなわち、11枚のブレード36のピッチが第2ピッチになっているときには、ハンド14は支持部89aに接触し、ハンド15は支持部78aに接触し、ハンド16は、支持部79aに接触し、ハンド17は支持部80aに接触し、ハンド18は支持部81aに接触し、ハンド19は支持部82aに接触し、ハンド20は支持部83aに接触し、ハンド21は支持部84aに接触し、ハンド22は支持部85aに接触し、ハンド23は支持部86aに接触し、ハンド24は支持部87aに接触している。
【0075】
また、11枚のブレード36のピッチが第2ピッチになっているときには、上下方向において、固定部材49の上面と上フレーム76の下面との間に隙間が形成され、固定部材50の上面と固定部材49の下面との間に隙間が形成され、固定部材51の上面と固定部材50の下面との間に隙間が形成され、固定部材52の上面と固定部材51の下面との間に隙間が形成され、固定部材53の上面と固定部材52の下面との間に隙間が形成され、固定部材54の上面と固定部材53の下面との間に隙間が形成され、固定部材55の上面と固定部材54の下面との間に隙間が形成され、固定部材56の上面と固定部材55の下面との間に隙間が形成され、固定部材57の上面と固定部材56の下面との間に隙間が形成され、固定部材58の上面と固定部材57の下面との間に隙間が形成され、固定部材59の上面と固定部材58の下面との間に隙間が形成されている。
【0076】
11枚のブレード36のピッチが第2ピッチになっている状態で、昇降機構91がハンド24を上昇させると(具体的には、エアシリンダ93がハンド24を上昇させると)、固定部材59の上面が固定部材58の下面に接触して固定部材58を持ち上げ、その後、固定部材58の上面が固定部材57の下面に接触して固定部材57を持ち上げ、その後、固定部材57の上面が固定部材56の下面に接触して固定部材56を持ち上げ、その後、固定部材56の上面が固定部材55の下面に接触して固定部材55を持ち上げ、その後、固定部材55の上面が固定部材54の下面に接触して固定部材54を持ち上げ、その後、固定部材54の上面が固定部材53の下面に接触して固定部材53を持ち上げ、その後、固定部材53の上面が固定部材52の下面に接触して固定部材52を持ち上げ、その後、固定部材52の上面が固定部材51の下面に接触して固定部材51を持ち上げ、その後、固定部材51の上面が固定部材50の下面に接触して固定部材50を持ち上げ、その後、固定部材50の上面が固定部材49の下面に接触して固定部材49を持ち上げて11枚のブレード36のピッチが第1ピッチになる。
【0077】
このように、11枚のブレード36のピッチが第2ピッチになっている状態で、昇降機構91がハンド24を上昇させると、ハンド24~15の上面がハンド23~14の下面に接触しハンド23~14を持ち上げて、11枚のブレード36のピッチが第1ピッチになる。具体的には、11枚のブレード36のピッチが第2ピッチになっている状態で、昇降機構91がハンド24を上昇させると、ハンド24~15の上面がハンド23~14の下面に順次接触しハンド23~14をこの順番で順次持ち上げて、11枚のブレード36のピッチが第1ピッチになる。すなわち、11枚のブレード36のピッチが第2ピッチになっている状態で、昇降機構91がハンド24を上昇させると、ハンド24の上昇に伴ってハンド14~23が上昇して11枚のブレード36の上下方向のピッチが第1ピッチになる。
【0078】
一方、11枚のブレード36のピッチが第1ピッチになっている状態で、昇降機構91がハンド24を降下させると(具体的には、エアシリンダ93がハンド24を降下させると)、固定部材59が支持部87aの上面に接触して固定部材58を引き下げ、その後、固定部材58が支持部86aの上面に接触して固定部材57を引き下げ、その後、固定部材57が支持部85aの上面に接触して固定部材56を引き下げ、その後、固定部材56が支持部84aの上面に接触して固定部材55を引き下げ、その後、固定部材55が支持部83aの上面に接触して固定部材54を引き下げ、その後、固定部材54が支持部82aの上面に接触して固定部材53を引き下げ、その後、固定部材53が支持部81aの上面に接触して固定部材52を引き下げ、その後、固定部材52が支持部80aの上面に接触して固定部材51を引き下げ、その後、固定部材51が支持部79aの上面に接触して固定部材50を引き下げ、その後、固定部材50が支持部78aの上面に接触して固定部材49を引き下げて11枚のブレード36のピッチが第2ピッチになる。
【0079】
このように、11枚のブレード36のピッチが第1ピッチになっている状態で、昇降機構91がハンド24を降下させると、ハンド24~15が支持部87a~78aに接触しハンド23~14を引き下げて、11枚のブレード36のピッチが第2ピッチになる。具体的には、11枚のブレード36のピッチが第1ピッチになっている状態で、昇降機構91がハンド24を降下させると、ハンド24~15が支持部87a~78aの上面に順次接触しハンド23~14をこの順番で順次引き下げて、11枚のブレード36のピッチが第2ピッチになる。すなわち、11枚のブレード36のピッチが第1ピッチになっている状態で、昇降機構91がハンド24を降下させると、ハンド24の降下に伴ってハンド14~23が降下して11枚のブレード36の上下方向のピッチが第2ピッチになる。
【0080】
(本形態の主な効果)
以上説明したように、本形態では、昇降機構91がハンド24を上昇させると、ハンド24の上昇に伴ってハンド14~23が上昇して11枚のブレード36の上下方向のピッチが第1ピッチになり、昇降機構91がハンド24を降下させると、ハンド24の降下に伴ってハンド14~23が降下して11枚のブレード36の上下方向のピッチが第2ピッチになる。そのため、本形態では、上述の特許文献1に記載された産業用ロボットのように細長い2個のレバー部材を用いなくても、昇降機構91によって1個のハンド24を昇降させれば、11枚のブレード36の上下方向のピッチを変えることができる。したがって、本形態では、ピッチ変更機構25を小型化することが可能になる。
【0081】
また、本形態では、昇降機構91によって1個のハンド24を昇降させれば、11枚のブレード36の上下方向のピッチを変えることができるため、搭載機構3が11個のハンド14~24を備えていても、ピッチ変更機構25の構成を簡素化して、ピッチ変更機構25を小型化することが可能になる。
【0082】
本形態では、11枚のブレード36のピッチが第1ピッチになっているときに、ハンド14の上面が上フレーム76の下面に接触し、ハンド15~24のそれぞれの上面がハンド14~23のそれぞれの下面に接触している。また、本形態では、11枚のブレード36のピッチが第2ピッチになっているときに、ハンド14が支持部89aに接触し、ハンド15~24のそれぞれが支持部78a~87aのそれぞれに接触している。そのため、本形態では、比較的簡易な構成で、11枚のブレード36のピッチが第1ピッチになっているときのハンド14~24の上下方向の位置決めと、11枚のブレード36のピッチが第2ピッチになっているときのハンド14~24の上下方向の位置決めとを行うことが可能になる。
【0083】
本形態では、11枚のブレード36のピッチが第2ピッチになっている状態で、昇降機構91がハンド24を上昇させると、ハンド24~15の上面がハンド23~14の下面に接触しハンド23~14を持ち上げて、11枚のブレード36のピッチが第1ピッチになり、11枚のブレード36のピッチが第1ピッチになっている状態で、昇降機構91がハンド24を降下させると、ハンド24~15が支持部87a~78aに接触しハンド23~14を引き下げて、11枚のブレード36のピッチが第2ピッチになる。そのため、本形態では、比較的簡易な構成で、ハンド24の昇降に伴ってハンド14~23を確実に昇降させることが可能になる。
【0084】
本形態では、ハンド14~23のそれぞれは、左右方向の両側においてハンド15~24のそれぞれを下側から支持するための支持部78a~87aを備えている。また、本形態では、上フレーム76は、左右方向の両側においてハンド14を下側から支持するための支持部89aを備えている。そのため、本形態では、11枚のブレード36のピッチが第2ピッチになっているときのハンド14~24の状態をより安定させることが可能になる。
【0085】
本形態では、4本のスプライン軸95~98のうちの1本のスプライン軸95~98が挿通される外筒99が固定されるハンド14~24と、この1本のスプライン軸95~98が挿通される貫通穴49d~59dが形成されるとともにこの1本のスプライン軸95~98に挿通される外筒99が固定されていないハンド14~24とが上下方向で交互に配置されている。また、本形態では、11枚のブレード36の上下方向のピッチが第1ピッチとなったときの固定部材49~59と外筒99との干渉が生じないように、貫通穴49d~59dの内径は、固定部材49~59の上面から上側に突出する外筒99の上端部の外径、および、固定部材49~59の下面から下側に突出する外筒99の下端部の外径よりも大きくなっている。
【0086】
そのため、本形態では、ボールスプライン機構を用いてハンド14~24を上下方向に案内する場合であっても、11枚のブレード36のピッチが第1ピッチになるときに、ハンド14~23のそれぞれの下面とハンド15~24のそれぞれの上面とを接触させて、上下方向で隣接する2個のハンド14~24の上下方向の距離を近づけることが可能になる。したがって、本形態では、ボールスプライン機構を用いてハンド14~24を上下方向に案内する場合であっても、第1ピッチを小さくすることが可能になる。
【0087】
(他の実施の形態)
上述した形態は、本発明の好適な形態の一例ではあるが、これに限定されるものではなく本発明の要旨を変更しない範囲において種々変形実施が可能である。
【0088】
上述した形態において、11枚のブレード36のピッチが第1ピッチになっているときに、固定部材50の上面が支持部89aの下面に接触し、固定部材51の上面が支持部78aの下面に接触し、固定部材52の上面が支持部79aの下面に接触し、固定部材53の上面が支持部80aの下面に接触し、固定部材54の上面が支持部81aの下面に接触し、固定部材55の上面が支持部82aの下面に接触し、固定部材56の上面が支持部83aの下面に接触し、固定部材57の上面が支持部84aの下面に接触し、固定部材58の上面が支持部85aの下面に接触し、固定部材59の上面が支持部86aの下面に接触していても良い。この場合には、ハンド15~24のそれぞれの上面とハンド14~23のそれぞれの下面との間に隙間が形成されている。
【0089】
上述した形態において、11枚のブレード36のピッチが第1ピッチになっているときのハンド14~24の上下方向の位置を決めるためのストッパ部材が、固定部材49~58の上面および下面の少なくともいずれか一方に固定されていても良いし、固定部材59の上面に固定されていても良い。すなわち、ハンド14~24は、11枚のブレード36のピッチが第1ピッチになっているときのハンド14~24の上下方向の位置を決めるためのストッパ部材を備えていても良い。
【0090】
上述した形態において、ハンド14~23は、支持部材78~87を備えていなくても良い。また、上フレーム76は、支持部材89を備えていなくても良い。この場合には、たとえば、下フレーム75から立ち上がる支柱に、支持部材78~87、89に相当する支持部材が固定されている。また、この場合には、たとえば、支柱に固定される支持部材と固定部材49~59とがハンド14~24の昇降時に干渉するのを防止するための切欠きが固定部材50~59に形成されている。
【0091】
上述した形態において、11枚のブレード36のピッチが第1ピッチになっている状態でハンド24を降下させたときに、ハンド14~23が自重で落下して11枚のブレード36のピッチが第2ピッチとなっても良い。
【0092】
上述した形態において、ハンド14は、上フレーム76に固定されていても良い。具体的には、固定部材49が上フレーム76に固定されていても良い。この場合には、支持部材89が不要になる。また、この場合には、11枚のブレード36のピッチが第2ピッチになっている状態でハンド24を上昇させると、ハンド24の上昇に伴ってハンド15~23が上昇して11枚のブレード36の上下方向のピッチが第1ピッチになり、11枚のブレード36のピッチが第1ピッチになっている状態でハンド24を降下させると、ハンド24の降下に伴ってハンド15~23が降下して11枚のブレード36の上下方向のピッチが第2ピッチになる。また、この場合には、ガイド機構92は、ハンド15~24を上下方向に案内する。
【0093】
上述した形態において、外筒99は、ハンド14~24のそれぞれに4個ずつ固定されていても良い。この場合には、ハンド14~24のそれぞれに固定される4個の外筒99のそれぞれに4本のスプライン軸95~98のそれぞれが挿通されている。また、この場合には、固定部材49~59に貫通穴49d~59dが形成されていない。また、上述した形態において、ガイド機構92は、スプライン軸95~98および外筒99に代えて、ガイド軸と、ガイド軸が挿通されるブッシュとを備えていても良いし、ガイドレールと、ガイドレールに係合するガイドブロックとを備えていても良い。
【0094】
上述した形態において、昇降機構91は、エアシリンダ93に代えて、モータを備えていても良い。また、上述した形態において、搭載機構3が備えるハンドの数は、3個以上であれば10個以下であっても良いし、12個以上であっても良い。さらに、上述した形態において、ロボット1は、ハンド4を備えていなくても良い。この場合には、リニア駆動機構6等が不要になる。また、上述した形態において、ロボット1は、傾き補正機構8を備えていなくても良い。
【0095】
上述した形態において、ロボット1は、水平多関節型のロボットであっても良い。この場合には、ロボット1は、リニア駆動機構5~7に代えて、搭載機構3が先端部に回動可能に連結される多関節アームと、ハンド4が先端部に回動可能に連結される多関節アームとを備えている。また、上述した形態において、ロボット1は、ウエハ2以外の搬送対象物を搬送しても良い。たとえば、ロボット1は、液晶ディスプレイ装置用のガラス基板を搬送しても良い。
【符号の説明】
【0096】
1 ロボット(産業用ロボット)
2 ウエハ(半導体ウエハ、搬送対象物)
3 搭載機構
14 ハンド(最上位ハンド、上ハンド)
15~23 ハンド(中間ハンド、上ハンド、下ハンド)
24 ハンド(最下位ハンド、下ハンド)
25 ピッチ変更機構
36 ブレード(搭載部の一部)
37~47 ブレード保持部材(搭載部の一部)
49d~59d 貫通穴
78a~87a 支持部
91 昇降機構
92 ガイド機構
95~98 スプライン軸
99 外筒
X ハンドの移動方向
Y 直交方向
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10