(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-25
(45)【発行日】2025-01-09
(54)【発明の名称】マルチスペクトル光センサ
(51)【国際特許分類】
H10F 39/12 20250101AFI20241226BHJP
H10F 77/00 20250101ALI20241226BHJP
H04N 23/20 20230101ALI20241226BHJP
H04N 25/70 20230101ALI20241226BHJP
H04N 25/10 20230101ALI20241226BHJP
H10F 39/18 20250101ALI20241226BHJP
G01J 1/02 20060101ALI20241226BHJP
G01J 1/04 20060101ALI20241226BHJP
G01J 3/26 20060101ALI20241226BHJP
G01J 3/36 20060101ALI20241226BHJP
【FI】
H01L27/146 D
H01L31/02 D
H04N23/20
H04N25/70
H04N25/10
H01L27/146 A
G01J1/02 Q
G01J1/04 B
G01J3/26
G01J3/36
(21)【出願番号】P 2020551524
(86)(22)【出願日】2019-03-29
(86)【国際出願番号】 US2019024761
(87)【国際公開番号】W WO2019191543
(87)【国際公開日】2019-10-03
【審査請求日】2022-03-28
(32)【優先日】2018-03-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】502386075
【氏名又は名称】ヴィシャイ インターテクノロジー,インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】VISHAY INTERTECHNOLOGY,INC.
【住所又は居所原語表記】63 Lancaster Avenue,Malvern,PA 19355 USA
(74)【代理人】
【識別番号】100079980
【氏名又は名称】飯田 伸行
(74)【代理人】
【識別番号】100167139
【氏名又は名称】飯田 和彦
(72)【発明者】
【氏名】ツァン,クーン-ウィン
(72)【発明者】
【氏名】リン,ユウ-ミン
【審査官】柴山 将隆
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-242179(JP,A)
【文献】特開2017-175102(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2009/0159785(US,A1)
【文献】特開2013-079873(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0005132(US,A1)
【文献】特開昭64-057134(JP,A)
【文献】特開2000-138863(JP,A)
【文献】特開2010-232509(JP,A)
【文献】国際公開第2016/117596(WO,A1)
【文献】中国特許出願公開第107331677(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 27/146
H01L 31/0232
H04N 23/20
H04N 25/70
H04N 25/10
G01J 1/02
G01J 1/04
G01J 3/26
G01J 3/36
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の第1のフォトダイオードを含むフォトダイオードアレイであって、前記第1のフォトダイオードは各々n+領域およびnウェル領域を有し、各々nウェル領域が上面を有するフォトダイオードアレイと、
前記フォトダイオードアレイ上に配置されたガイドアレイであって、前記ガイドアレイは、遮光材料の層によって互いに分離された複数のガイド部材を有し、前記複数のガイド部材は、各ガイド部材が異なるn+領域上に配置されるように前記複数の第1のフォトダイオードの前記n+領域上に配置され、前記遮光材料の各層は、前記複数の第1のフォトダイオードの各nウェル領域の前記上面に配置され、前記nウェル領域の前記上面の概ね全体を覆うガイドアレイと、
前記ガイドアレイ上に配置されたフィルタアレイであって、前記フィルタアレイは複数のバンドパスフィルタを有し、各バンドパスフィルタは複数のガイド部材のうちの異なる1つと整列し、各バンドパスフィルタは異なる通過帯域を有するフィルタアレイと、
を具備
し、
前記遮光材料の層は所定の前記ガイド部材が有する第2の厚さよりも大きな第1の厚さを有し、前記ガイド部材の各上端面が前記nウェル領域の前記上面と平行であり、そして、それぞれの前記上端面が同一高さに揃い、また、それぞれの前記上端面が前記遮光材料の層の各上端部よりも低く、
前記フィルタアレイ内には少なくとも一つのバンドパスフィルタが有り、各バンドパスフィルタはそれぞれに第1金属部位が有り、各第1金属部位は前記ガイドアレイ内に有る前記ガイド部材のそれぞれを覆う位置に在り、そして、それぞれの前記第1金属部位の少なくとも一部が前記遮光材料の前記上端部の高さよりも高い位置に在り、さらに、それぞれの前記第1金属部位の少なくとも一部が前記遮光材料の前記層の前記上端部の高さよりも低い位置に配置されていることを特徴とする光電子デバイス。
【請求項2】
前記遮光材料の層は、光反射材料および光吸収材料のうち少なくとも1つを有し、請求項1に記載の光電子デバイス。
【請求項3】
前記各ガイド部材は透光性材料を有する、請求項1に記載の光電子デバイス。
【請求項4】
前記フォトダイオードアレイは、前記複数の第1のフォトダイオードとは異なる複数の第2のフォトダイオードを有し、
前記第1のフォトダイオードは各々が可視光帯域の光を透過するように構成されたバンドパスフィルタの下に配置され、
前記第2のフォトダイオードは各々が紫外線帯域の光を透過するように構成されたバンドパスフィルタの下に配置される、請求項1に記載の光電子デバイス。
【請求項5】
赤外線(IR)帯域内の通過帯域を有する少なくとも1つの前記バンドパスフィルタ上に配置された赤外線パス(IRパス)フィルタと、
IR帯域外の通過帯域を有する少なくとも1つの前記バンドパスフィルタ上に配置された赤外線(IR)カットフィルタと、
をさらに具備する、請求項1に記載の光電子デバイス。
【請求項6】
前記フィルタアレイ
の前記第1金属部位の層は前記ガイドアレイ上に形成された連続のまたはセグメント化された第1の金属層
を有し、
さらに、前記第1の金属層上に形成された連続のまたはセグメント化された第2の金属層
が有
り、前記第2の金属層を複数の部分に構成することで前記第2の金属層の前記複数の部分の各々が前記第1の金属層から夫々異なる距離で離間される請求項1に記載の光電子デバイス。
【請求項7】
入出力(I/O)インターフェースと、
第1のフォトダイオードの異なる1つによって各々生成された複数の信号を受信し、
前記複数の信号に基づいて、フォトダイオードアレイに入射する光の色の識別を生成し、
前記入出力(I/O)インターフェースを介して前記光の色の識別を出力するように構成されたプロセッサと、
をさらに具備する、請求項1に記載の光電子デバイス。
【請求項8】
複数の第1のフォトダイオードを有するフォトダイオードアレイであって、前記第1のフォトダイオードは各々がnウェル領域を有し、各々nウェル領域が上面を有するフォトダイオードアレイを備え、
前記フォトダイオードアレイ上に配置されたガイドアレイであって、前記ガイドアレイは、遮光材料の層によって互いに分離された複数のガイド部材を有し、各ガイド部材が、前記複数の第1のフォトダイオードの異なる1つの上に配置されており、そして、前記遮光材料の各層は、前記複数の第1のフォトダイオードの各々のnウェル領域の前記上面に配置され、前記遮光材料の各層は、前記複数の第1のフォトダイオードの前記の各々のnウェル領域幅に相当する幅を持ち、
前記ガイドアレイ上に配置されたフィルタアレイであって、前記フィルタアレイは複数のバンドパスフィルタを有し、各バンドパスフィルタは複数のガイド部材のうちの異なる1つの上に配置され、各バンドパスフィルタは異なる通過帯域を有するフィルタアレイ
を具備し、
前記遮光材料の層は所定の前記ガイド部材が有する第2の厚さよりも大きな第1の厚さを有し、前記ガイド部材の各上端面が前記nウェル領域の前記上面と平行であり、そして、それぞれの前記上端面が同一高さに揃い、また、それぞれの前記上端面が前記遮光材料の層の各上端部よりも低く、
前記フィルタアレイ内には少なくとも一つのバンドパスフィルタが有り、各バンドパスフィルタはそれぞれに第1金属部位が有り、各第1金属部位は前記ガイドアレイ内に有る前記ガイド部材のそれぞれを覆う位置に在り、そして、それぞれの前記第1金属部位の少なくとも一部が前記遮光材料の前記上端部の高さよりも高い位置に在り、さらに、それぞれの前記第1金属部位の少なくとも一部が前記遮光材料の前記層の前記上端部の高さよりも低い位置に配置されていることを特徴とする光電子デバイス。
【請求項9】
前記遮光材料の層は、光反射材料および光吸収材料のうち少なくとも1つを有する請求項
8に記載の光電子デバイス。
【請求項10】
前記各ガイド部材は透光性材料で形成される、請求項
8に記載の光電子デバイス。
【請求項11】
前記フォトダイオードアレイは、前記複数の第1のフォトダイオードとは異なる複数の第2のフォトダイオードを有し、
前記第1のフォトダイオードは各々可視光帯域の光を透過するように構成されたバンドパスフィルタの下に配置され、
前記第2のフォトダイオードは各々紫外線帯域の光を透過するように構成されたバンドパスフィルタの下に配置される、請求項
8に記載の光電子デバイス。
【請求項12】
赤外線(IR)帯域内の通過帯域を有する少なくとも1つの前記バンドパスフィルタ上に配置された赤外線パス(IRパス)フィルタと、
IR帯域外の通過帯域を有する少なくとも1つの前記バンドパスフィルタ上に配置された赤外線(IR)カットフィルタと、
をさらに具備する、請求項
8に記載の光電子デバイス。
【請求項13】
前記フィルタアレイ
の前記第1金属部位の層は前記ガイドアレイ上に形成された連続のまたはセグメント化された第1の金属層
を有し、
さらに、前記第1の金属層上に形成された連続のまたはセグメント化された第2の金属層
が有
り、前記第2の金属層を複数の部分に構成することで前記第2の金属層の前記複数の部分の各々が前記第1の金属層から夫々異なる距離で離間される請求項
8に記載の光電子デバイス。
【請求項14】
入出力(I/O)インターフェースと、
第1のフォトダイオードの異なる1つによって各々生成された複数の信号を受信し、
前記複数の信号に基づいて、フォトダイオードアレイに入射する光の色の識別を生成し、
前記入出力(I/O)インターフェースを介して前記光の色の識別を出力するように構成されたプロセッサと、
をさらに具備する、請求項
8に記載の光電子デバイス。
【請求項15】
光電子デバイスを製造する方法において、
各々上面を有するnウェル領域を有する複数のフォトダイオードを構成するフォトダイオードアレイ上に透光性材料の第1の層を形成すること、
前記透光性材料の第1の層に複数の第1のトレンチを形成すること、
前記複数の第1のトレンチ内に遮光材料の層があって、各々のnウェル領域の前記上面の概ね全体を覆う遮光材料の層を前記複数の第1のトレンチの各々の中に形成すること、
前記透光性材料の第1の層および前記遮光材料の層の上に第1の金属層を形成すること 、
前記第1の金属層の上に透光性材料の第2の層を形成すること、
前記透光性材料の第2の層に深さの異なる複数の第2のトレンチを形成すること、
前記複数の第2のトレンチの各々に第2の金属層を形成すること、
および、前記第2のトレンチの各々を透光性材料で充填すること、
そして、
複数の第1のフォトダイオードを含む前記のフォトダイオードアレイであって、前記第1のフォトダイオードは各々n+領域およびnウェル領域を有し、各々nウェル領域が上面を有する前記フォトダイオードアレイを形成する工程と、
前記フォトダイオードアレイ上に配置されたガイドアレイであって、前記ガイドアレイは、前記の遮光材料の層によって互いに分離された複数のガイド部材を有し、前記複数のガイド部材は、各ガイド部材が異なるn+領域上に配置されるように前記複数の第1のフォトダイオードの前記n+領域上に配置され、前記遮光材料の各層は、前記複数の第1のフォトダイオードの各nウェル領域の前記上面に配置され、前記nウェル領域の前記上面の概ね全体を覆う前記ガイドアレイを配置する工程と、
前記ガイドアレイ上に配置されたフィルタアレイであって、前記フィルタアレイは複数のバンドパスフィルタを有し、各バンドパスフィルタは複数のガイド部材のうちの異なる1つと整列し、各バンドパスフィルタは異なる通過帯域を有する前記フィルタアレイを配置する工程と、
を有し、
前記遮光材料の層は所定の前記ガイド部材が有する第2の厚さよりも大きな第1の厚さを有し、前記ガイド部材の各上端面が前記nウェル領域の前記上面と平行であり、そして、それぞれの前記上端面が同一高さに揃い、また、それぞれの前記上端面が前記遮光材料の層の各上端部よりも低く、
前記フィルタアレイ内には少なくとも一つのバンドパスフィルタが有り、各バンドパスフィルタはそれぞれに前記第1の金属層が有り、各第1の金属層は前記ガイドアレイ内に有る前記ガイド部材のそれぞれを覆う位置に在り、そして、それぞれの前記第1の金属層の少なくとも一部が前記遮光材料の前記上端部の高さよりも高い位置に在り、さらに、それぞれの前記第1の金属層の少なくとも一部が前記遮光材料の前記層の前記上端部の高さよりも低い位置に配置されることを含むことを特徴とする、光電子デバイスを製造するための方法。
【請求項16】
前記フォトダイオードアレイによって生成される1つまたは複数の信号を処理するための処理回路を形成することをさらに含み、
前記処理回路は、フォトダイオードアレイと同一ダイ上に形成され、前記遮光材料の層は、前記処理回路で実行されるバックエンドオブライン(BEOL)メタライゼーションと同時に形成される、請求項
15に記載の方法。
【請求項17】
前記処理回路は、相補型金属酸化膜半導体(CMOS)回路または双極相補型金属酸化膜半導体(BiCMOS)回路のうち少なくとも1つを有する請求項
16に記載の方法。
【請求項18】
前記処理回路は、スイッチ、アナログ-デジタル変換器、増幅器、プロセッサ、および入出力インターフェースのうち少なくとも1つを有する請求項
16に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【関連出願】
【0001】
この出願は、2018年3月30日に出願された米国特出願第15/941,855号の利益を主張する。その内容は参照により本明細書に組み込まれる。
【技術分野】
【0002】
本開示は、光感知デバイス全般に関し、特にマルチスペクトル光センサに関する。
【背景技術】
【0003】
色の測定は、印刷デバイスや表示デバイスなどのさまざまな電子デバイスの動作を評価する上で重要な部分である。さらに、色の測定は、発光ダイオード(LED)、蛍光灯、ハロゲンライト、赤外線(IR)光源、紫外線(UV)光源などのさまざまな光源の性能を評価する上で重要な部分である。フィールドで一般的に使用されるカラーメーターは、コストが高くなる可能性がある。これらのコストは数百ドルから始まって数千ドルに及ぶ可能性があり、場合によっては法外に高くなる可能性もある。したがって、より効率的に製造することができ、かつコストを削減することのできる新しいカラーメーターを設計するニーズが存在する。
【発明の概要】
【0004】
本開示は、このニーズに対処するものである。本開示の態様によれば、光電子デバイスは、複数の第1のフォトダイオードを含むフォトダイオードアレイであって、前記第1のフォトダイオードは各々n+領域およびnウェル領域を含むフォトダイオードアレイと、前記フォトダイオードアレイ上に配置されたガイドアレイであって、前記ガイドアレイは、遮光材料の層によって互いに分離された複数のガイド部材を含み、前記ガイド部材は、各ガイド部材が異なるn+領域上に配置されるように前記第1のフォトダイオードの前記n+領域と整列し、前記遮光材料の層は、前記第1のフォトダイオードの前記nウェル領域と整列したガイドアレイと、前記ガイドアレイ上に配置されたフィルタアレイであって、前記フィルタアレイは複数のバンドパスフィルタを含み、各バンドパスフィルタは複数のガイド部材のうちの異なる1つと整列し、各バンドパスフィルタは異なる通過帯域を有するフィルタアレイと、を具備する。
【0005】
本開示の態様によれば、光電子デバイスは、複数の第1のフォトダイオードを含むフォトダイオードアレイと、前記フォトダイオードアレイ上に配置されたガイドアレイであって、前記ガイドアレイは、遮光材料の層によって互いに分離された複数のガイド部材を含み、各ガイド部材は、前記複数の第1のフォトダイオードの異なる1つと整列する、ガイドアレイと、前記ガイドアレイ上に配置されたフィルタアレイであって、前記フィルタアレイは複数のバンドパスフィルタを含み、各バンドパスフィルタは複数のガイド部材のうちの異なる1つと整列し、各バンドパスフィルタは異なる通過帯域を有するフィルタアレイと、を具備する。
【0006】
本開示の態様によれば、光電子デバイスを製造する方法は、各々nウェル領域を有する複数のフォトダイオードを含むフォトダイオードアレイ上に透光性材料の第1の層を形成すること、前記透光性材料の第1の層に複数の第1のトレンチを形成すること、前記複数の第1のトレンチ内に遮光材料の層を形成すること、前記透光性材料の第1の層および前記遮光材料の層の上に第1の金属層を形成すること、前記第1の金属層の上に透光性材料の第2の層を形成すること、前記透光性材料の第2の層に深さの異なる複数の第2のトレンチを形成すること、前記複数の第2のトレンチの各々に第2の金属層を形成すること、および前記第2の金属層を前記第2のトレンチの各々に形成した後、前記第2のトレンチの各々を透光性材料で充填すること、を含む。
【図面の簡単な説明】
【0007】
以下に説明する図面は、例示のみを目的としたものである。これらの図面は、本開示の範囲を限定することを意図したものではない。図中に示す同一または類似の参照文字および番号は、種々の実施形態において同一の部分を指す。
【0008】
【
図1A】本開示の態様に係る、IRパスおよびIRカットフィルタを含む検出器アレイの一例を示す断面側面図である。
【
図1B】本開示の態様に係る、
図1の検出器アレイの一部であるバンドパスフィルタの一例を示す断面側面図である。
【
図1C】本開示の態様に係る、IRパスおよびIRカットフィルタを取り外した
図1Aの検出器アレイの上面図である。
【
図2】
図1Aの検出器アレイの一部である複数のバンドパスフィルタの通過帯域を示すプロットである。
【
図3A】本開示の態様に係る、試験光のスペクトルコンテンツを示すプロットである。
【
図3B】本開示の態様に係る、
図3Aの試験光に対する
図1Aの検出器アレイの応答を示すプロットである。
【
図4】本開示の態様に係る、
図1Aの検出器アレイを含む光電子デバイスの一例を示す図である。
【
図5】本開示の態様に係る、
図4の光電子デバイスのプロセッサによって実行される演算の一例を示す図である。
【
図6】本開示の態様に係る検出器アレイの別の一例を示す図である。
【
図7】本開示の態様に係る、検出器アレイのさらに別の一例を示す図である。
【
図8】本開示の態様に係る、検出器アレイを製造するプロセスの一例を示すフローチャートである。
【
図9A】
図8のプロセスにおける第1のステップを実行した結果として形成されたフォトダイオードアレイの一例の上面図である。
【
図9B】本開示の態様に係る、
図9Aのフォトダイオードアレイの第1の断面側面図である。
【
図9C】本開示の態様に係る、
図9Aのフォトダイオードアレイの第2の断面側面図である。
【
図10A】本開示の態様に係る、
図8のプロセスにおける第2のステップを実行した結果として形成される第1の光透過層を含むアセンブリの一例の上面図である。
【
図11A】本開示の態様に係る、
図8のプロセスにおける第3のステップを実行した結果として
図10Aの第1の光透過層に形成される複数の第1のトレンチを含むアセンブリの一例の上面図である。
【
図12A】本開示の態様に係る、
図8のプロセスにおける第4のステップを実行した結果として
図11Aの複数のトレンチ内に形成された遮光層を含むアセンブリの上面図である。
【
図13A】本開示の態様に係る、
図8のプロセスにおける第5のステップを実行した結果として
図12Aのアセンブリ上に形成された透光性材料の層を含むアセンブリの上面図である。
【
図14A】本開示の態様に係る、
図8のプロセスにおける第6のステップを実行した結果として
図13Aのアセンブリに形成された複数のトレンチを含むアセンブリの上面図である。
【
図15A】本開示の態様に係る、
図8のプロセスにおける第7のステップを実行した結果として
図14Aのアセンブリ上に形成された第1の金属層を含むアセンブリの上面図である。
【
図16A】本開示の態様に係る、
図8のプロセスにおける第8のステップを実行した結果として
図15Aのアセンブリ上に形成された第2の光透過層を含むアセンブリの上面図である。
【
図17A】本開示の態様に係る、
図8のプロセスにおける第9のステップを実行した結果として
図16Aのアセンブリに形成された複数のトレンチを含むアセンブリの上面図である。
【
図18A】本開示の態様に係る、
図8のプロセスにおける第10のステップを実行した結果として
図17Aのアセンブリ上に形成された第2の金属層を含むアセンブリの上面図である。
【
図19A】本開示の態様に係る、
図8のプロセスにおける第11のステップを実行した結果として形成されたアセンブリの上面図である。
【
図20A】本開示の態様に係る、
図8のプロセスにおける第12のステップを実行した結果として完成した検出器アレイの上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本開示の態様によれば、光の特性を測定するための検出器アレイが提供される。当該検出器アレイは、フォトダイオードアレイと、フォトダイオードアレイ上に配置されたフィルタアレイとを含んでもよい。フォトダイオードアレイは、複数のフォトダイオードを含んでもよい。フィルタアレイは、複数のバンドパスフィルタを含んでもよい。各バンドパスフィルタは、異なるフォトダイオード上に位置してもよい。さらに、各バンドパスフィルタは他のフィルタとは異なる通過帯域を有することができるため、その下にあるフォトダイオードは、フィルタの通過帯域の光エネルギーを測定することができる。検出器アレイ内でフォトダイオードによって生成された信号が結合された場合、対象となるスペクトル全体のエネルギー測定値を取得することができる。対象となるスペクトルは、可視光バンド、IRバンド、および/またはUVバンドのうち1つまたは複数を包含してもよい。
【0010】
本開示の態様によれば、検出器アレイと、検出器アレイ内でフォトダイオードによって生成された信号を処理するように構成された信号プロセッサとを含む光電子デバイスが提供される。一部の実装では、信号プロセッサは、フォトダイオードアレイ内のフォトダイオードによって信号をシリアルに出力するように構成された入力/出力インターフェースを含んでもよい。加えてまたは代わりに、一部の実装では、信号プロセッサは、フォトダイオードアレイ内でフォトダイオードによって生成された信号に基づいて1つまたは複数の算術演算および論理演算を実行し、演算結果をI/Oインターフェースを介して出力するように構成されたプロセッサを含んでもよい。例えば、プロセッサは、光電子デバイスに入射する光の色を計算し、I/Oインターフェースを介して色の識別を出力するように構成してもよい。
【0011】
本開示の態様によれば、検出器アレイは、フォトダイオードアレイ内のフォトダイオード間のクロストークを低減するための様々な適応を含んでもよい。一部の実装では、検出器アレイは、フォトダイオードアレイとフィルタアレイとの間に配置されたガイドアレイを含んでもよい。ガイドアレイは、複数のガイド部材を含んでもよい。各ガイド部材は、透光性材料で形成してもよい。各ガイド部材を異なるフォトダイオード/フィルタペア間に配置して、フィルタのペアを通してフィルタリングされた光がガイド部材によって同一ペアのフォトダイオードへと導かれるようにしてもよい。
【0012】
本開示の態様によれば、ガイドアレイ内のガイド部材は、遮光材料の層によって互いに分離させてもよい。遮光材料の層は、ガイドアレイ内のガイド部材間の空間に形成してもよい。これにより、隣接するガイドメンバー間を移動できる光の量が減少する。遮光材料の層は、光反射材料および光吸収材料のうち少なくとも1つで形成してもよい。一部の実装では、遮光材料の層は、互いに積層した3つの金属層を含んでもよい。
【0013】
本開示の態様によれば、フォトダイオードアレイは、当該フォトダイオードアレイ内のフォトダイオード間のクロストークを低減するように構成してもよい。例えば、場合によっては、フォトダイオードは、各々、n+/p-epi領域と1つまたは複数のnウェル領域とを含むCMOSフォトダイオードであってもよい。nウェル領域は、所定の波長を有する光子がフォトダイオードアレイを透過することのできる深さよりも大きい深さまで拡散/注入してもよい。当該所定の波長は、例えば、紫外線(UV)帯域内の波長、IR帯域内の波長、可視光帯域内の波長など、任意の適切な波長を含んでもよい。nウェルはバンドギャップで生成されたDC電圧にバイアスされるため、nウェル領域は隣接するp+/n+領域間を移動する光の量を減らし、これによりフォトダイオードアレイ内のフォトダイオード間のクロストークの量を減らすことができる。
【0014】
本開示の態様によれば、ガイドアレイの遮光層は、フォトダイオードアレイ内のフォトダイオードのnウェル領域と少なくとも部分的に整列させることができる。例えば、ガイドアレイの遮光層をnウェル領域の真上に配置して、光が横方向に逸れるのを防ぐ連続的な構造を作成することができる。この構造により、所定のフィルタを通して光電子デバイスに入る光はすべて(またはその大部分が)、所定のフォトダイオードに隣接して位置するフォトダイオードに影響を与えることなく、当該所定のフィルタの下に位置する所定のフォトダイオードにのみ(または主に)当該所定のフォトダイオードに到達するため、フォトダイオードアレイ内のフォトダイオード間に発生するクロストークの量を減らすことができる。一部の態様では、ガイドアレイの遮光層をフォトダイオードアレイのnウェル領域と整列させることで、結果得られる検出器アレイの精度を大幅に向上させることができる。
【0015】
本明細書では、第1、第2などの語を用いて様々な要素を説明することができるが、これらの要素はこれらの語で限定されるものではない。これらの語は、ある要素を別の要素と区別する目的でのみ使用される。例えば、第1の要素は第2の要素と呼ぶこともできるし、同様に、第2の要素は、本発明の範囲から逸脱することなく、第1の要素と呼ぶこともできる。本明細書において用いる「および/または」という語は、リスト化された関連アイテムのうちの1つまたは複数のアイテムの任意の組み合わせを含む。
【0016】
層、領域、または基板などの要素が別の要素上にあるまたは別の要素上に延長すると説明する場合、別の要素上に直接存在するまたは直接延長するということであってもよいし、あるいは介在する要素が存在するということであってもよい。対照的に、ある要素が別の要素上に直接存在するまたは別の要素上に直接延長すると説明する場合、介在する要素は存在しない。また、ある要素が別の要素に接続されるまたは結合されると説明する場合、別の要素に直接接続または結合されるということであってもよいし、あるいは介在する要素が存在するということであってもよい。対照的に、ある要素が別の要素に直接接続されるまたは直接結合されると説明する場合、介在する要素は存在しない。これらの語は、図に示した任意の方向に加えて、要素の異なる方向を包含することを意図したものである。
【0017】
「下」または「上」、「高」または「低」、「水平」または「垂直」などの相対的な語は、図示のように、ある要素、層または領域とは別の要素、層または領域との関係を説明するために本明細書において用いてもよい。これらの語は、図に示した任意の方向に加えて、デバイスの異なる方向を包含することを意図したものである。
【0018】
図1Aは、本開示の態様に係る検出器アレイ100の一例を示す図である。検出器アレイ100は、UV光のスペクトル特性を検出するように構成されたセクション110a、可視光のスペクトル特性を検出するように構成されたセクション110b、およびIR光のスペクトル特性を検出するように構成されたセクション110cを含んでもよい。より具体的には、検出器アレイ100は、フォトダイオードアレイ110、フォトダイオードアレイ上に配置されたガイドアレイ120、およびガイドアレイ120上に配置されたフィルタアレイ130を含んでもよい。さらに、図示のように、検出器アレイ100は、IRカットフィルタ140、およびフィルタアレイ130上に配置されたIRパスフィルタ150を含んでもよい。
【0019】
フォトダイオードアレイ110は、p基板140上に形成された複数のフォトダイオード112a~iを含んでもよい。フォトダイオード112a~cは、P+/nウェルフォトダイオードであってもよく、UV帯域における発光パワーを検出するのに用いることができる。フォトダイオード112a~cは、各々、側面および底部がnウェル領域117aで囲まれたp+領域114と、nウェル領域117aの下に配置されたp領域118とを含んでもよい。フォトダイオード112d~iは、n+/P-フォトダイオードを含んでもよく、IRおよび可視光帯域における発光パワーを検出するのに用いることができる。フォトダイオード112d~iは、各々、側面(底部は場合による)がnウェル領域117bで囲まれたn+領域115と、nウェル領域117bおよびn+領域115の下に配置されたp-領域119とを含んでもよい。この例では、nウェル領域117aおよび117bは組成が同一であるが、nウェル領域117aおよび117bの組成が異なる代替の実装も可能である。説明の簡略化のため、本開示全体を通して、nウェル領域117aおよび117bは、適宜「nウェル領域117」と総称的に呼んでもよい。同様に、フォトダイオード112d~i各々のnウェル領域117bは総称的に「nウェル領域」と呼んでもよく、これらは、以下の
図9A~Bにさらに示すように、連続的なnウェル層の一部であってもよい。
【0020】
一部の実装では、nウェル領域117bは、フォトダイオード112d~i間のクロストークを防止するために、隣接するn+領域115の間を光学的絶縁性にするセカンダリ機能を有してもよい。より具体的には、一部の実装では、n+領域115は厚さt1を有し、nウェル領域117bは、厚さt2よりも大きい厚さt2を有してもよい。厚さt2は、所定の周波数を有する1つまたは複数の光子がフォトダイオードアレイ110を透過することのできる深さよりも大きくてもよい。一例として、所定の周波数は、UV帯域内の周波数、IR帯域内の周波数、または可視光帯域内の周波数であってもよい。
【0021】
ガイドアレイ120は、遮光層122によって分離された複数のガイド部材124a~iを含んでもよい。図示のように、ガイド部材124a~iは、各々、フォトダイオード112a~iのうちの異なる1つと整列させることができる。さらに、ガイド部材124a~iは、各々、誘電性透光性材料で形成してもよい。透光性材料は、SiNまたはSi02材料および/または他に適したタイプの透光性材料を含んでもよい。遮光層122は、光反射材料および/または光吸収材料のうち少なくとも1つで形成してもよい。一部の実装では、遮光層122は、光がガイド部材124a~iの1つから別の1つへと移動するのを防ぐことによってガイド部材124a~i間のクロストークを防止(または低減)するように構成してもよい。一部の実装では、遮光層122は、図示のように、互いに積層され、層122d~eによって分離された3つの金属層122a~cで形成してもよい。一部の実装では、金属層122a~cのいずれの層も、残りの層と同一の材料で形成してもよい。加えてまたは代わりに、一部の実装では、金属層122a~cのいずれの層も、残りの層とは異なる材料で形成してもよい。一部の実装では、金属層122aは、アルミニウムまたはAl-Si-Cuなどのアルミニウム-シリコン合金で形成してもよい。金属層122bは、窒化チタンバリア層の間に挟まれたAl-Cu合金で形成してもよいし、金属層122cは銅で形成してもよい。層122d~eは、同一材料または異なる材料で形成してもよい。一部の実装では、層122dは、TiN接着層を備えたタングステンプラグで形成してもよいし、層122eは銅で形成してもよい。一部の実装では、遮光層122は、検出器アレイ100と同一ダイ(die)上に位置するシーモス(CMOS)ロジックのメタライゼーションと並行して(および/または同時に)形成してもよい(例えば、
図4の信号プロセッサ405を参照)。この場合、遮光層のスタック(例えば、遮光層122)の構造的組成は、主に、使用するCMOSまたはバイシーモス(BiCMOS)バックエンドオブライン(BEOL)技術の実装に基づいて決定してもよい。一例として、3金属層または4金属層のBEOL技術を含む技術を使用してもよい。この例では、遮光層122は多層構造を有するが、遮光層122が1層のみを含む代替の実装も可能である。
【0022】
一部の実装では、ガイド部材124a~iは、各々、4.5μmから5.5μmの範囲内の厚さを有してもよい。加えてまたは代わりに、一部の実装では、遮光層122は、6.5μmから7.7μmの範囲内の厚さを有してもよい。加えてまたは代わりに、一部の実装では、遮光層122は、ガイド部材124a~iのどれよりも厚くてもよい。例えば、この場合、ガイド部材124a~iは、4.5μmから5.5μmの範囲内の厚さを有してもよいし、遮光層122は、6.5μmから7.7μmの範囲内の厚さを有してもよい。加えてまたは代わりに、一部の実装では、ガイドアレイ120は、7.5μmから8.5μmの範囲内の厚さを有してもよい。
【0023】
フィルタアレイ130は、複数のバンドパスフィルタ132a~iを含んでもよい。フィルタ132a~iは、各々、ガイド部材124a~iのうちの異なる1つと整列させることができる。さらに、各バンドパスフィルタは異なる通過帯域を有してもよい。
図2に示すように、フィルタ132aは、通過帯域210a(例えば、300~330nm)を有してもよく、フィルタ132bは、通過帯域210b(例えば、340~370nm)を有してもよく、フィルタ132cは、通過帯域210c(例えば、370~400nm)を有してもよく、フィルタ132dは、通過帯域210d(例えば、400~500nm)を有してもよく、フィルタ132eは、通過帯域210e(例えば、500~600nm)を有してもよく、フィルタ132fは、通過帯域210f(例えば、600~700nm)を有してもよく、フィルタ132gは、通過帯域210g(例えば、700~800nm)を有してもよく、フィルタ132hは、通過帯域210h(例えば、800~900nm)を有してもよく、フィルタ132iは、通過帯域210i(例えば、900~1000nm)を有してもよい。
【0024】
フィルタアレイ130は、複数の金属層134および複数の金属層136を含んでもよい。各金属層134は、金属層136の異なる1つと整列させることができる。加えてまたは代わりに、金属層134、各々、当該金属層134と整列した金属層136から異なる距離だけ離間してもよい。一部の実装では、金属層136を通過する光の少なくとも一部が所定の金属層134に到達する場合に、当該金属層136は当該所定の金属層134と整列しているとみなすことができる。加えてまたは代わりに、一部の実装では、金属層136の少なくとも一部が所定の金属層134の真上に位置する場合に、当該金属層136は当該所定の金属層134と整列しているとみなすことができる。
【0025】
一部の実装では、図示のように、金属層134および136は、透光性材料138の層に懸架してもよい。金属層134および136は、任意の適切なタイプの材料で形成してもよい。一部の実装では、金属層134および136のいずれもアルミニウムおよび銀を含む合金で形成してもよい。透光性材料の層は、SiN材料および/または二酸化ケイ素SiO2などの他に適したタイプの透光性材料を含んでもよい。一部の実装では、金属層134は、各々、400Aから600Aの範囲内の厚さを有してもよい。加えてまたは代わりに、一部の実装では、金属層136は、各々、400Aから600Aの範囲内の厚さを有してもよい。加えてまたは代わりに、一部の実装では、フィルタアレイ130の全体が0.125μmから0.4μmの範囲内の厚さを有してもよい。
【0026】
フィルタアレイ130内のフィルタ132a~iは、各々、金属層136のうちの異なる1つと、金属層136の下に位置する金属層134のうちの異なる1つと、を含んでもよい。一部の実装では、上述したように、フィルタ132a~iの任意の1つにおける金属層134と136との間の距離は、残りのフィルタ132a~iにおける金属層134と136との間の距離とは異なってもよい。より正確には、フィルタ132a~iは、各々、当該フィルタの異なる金属層136および金属層134によって形成されるファブリペローキャビティを含んでもよい。この例では、フィルタ132a~iは、ファブリペローキャビティを用いて実装される。一方で、Ag/SIN/Ag/SIN/Ag層を含むスタックを形成する3つの金属層と2つの透光性材料層とを有するファブリペローキャビティの二重スタックなど、別タイプのフィルタを用いた代替の実装も可能である。
【0027】
図1Bは、1つの特定の実装によるフィルタ132aの構成をさらに詳細に示す。一部の実装では、金属層134と136との間の距離以外にも、フィルタ132b~iの構造は、フィルタ132aの構造と同一または類似であってもよい。以下にさらに説明するように、
図1Bは、各金属層134(または少なくとも1つの金属層134)と遮光層122との間の空間的関係を明確にするものである。
図1Bは、ガイド部材124aの一部および遮光層122の一部を示す。
図1Bに示すように、遮光層122を、ガイド部材124aの厚さよりも厚くして、遮光層122の上面123がガイド部材124aの上面125の上に位置するようにしてもよい。図示のように、金属層136は、中央部分136aおよび中央部分136aに対して傾斜した末端部分136bを含んでもよい。同様に、金属層134は、中央部分134aおよび中央部分134aに対して傾斜した末端部分134bを含んでもよい。一部の実装では、金属層134の中央部分134a全体が、遮光層122の上面123のレベルよりも下に位置してもよい。加えてまたは代わりに、一部の実装では、金属層134の中央部分134aの一部のみが、遮光層の上面123のレベルよりも下に位置してもよい。金属層134の中央部分134aの少なくとも一部を、遮光層132の上面123のレベルよりも下に配置することにより、フィルタ132aと隣接フィルタとの間のクロストークの量を低減して、フィルタアレイ130の解像度を大幅に改善することができる。
図1Bの例では、上面123のレベルは破線で示すとおりである。
【0028】
この例では、金属層134は、水平中央部分134aおよび傾斜端部分134bを含む。一方で、傾斜端部分134bを省略した代替の実装も可能である。この例では、金属層136は、水平中央部分136aおよび傾斜端部分136bを含む。一方で、傾斜端部分136bを省略した代替の実装も可能である。この例では、金属層134は、同一であり不連続の金属層における異なるセグメント(または部分)とみなすことができる。これに関連して、金属層134を単一かつ連続の金属層(例えば、
図15A~Bに示す金属層1510を参照)で置き換えた代替の実装も可能であるものとする。さらに、この例では、金属層136は、同一であり不連続の金属層における異なるセグメント(または部分)とみなすことができる。これについては、金属層136を単一かつ連続の金属層(例えば、
図15A~Bに示す金属層1810を参照)で置き換えた代替の実装も可能であるものとする。
【0029】
再度
図1Aを参照すると、IRカットフィルタ140は、フィルタ132d~fの上に配置することができる。一部の実装では、IRカットフィルタ140は、波長が700nmを超える光を遮断し、波長が700nm未満の光を透過するように構成してもよい。加えてまたは代わりに、一部の実装では、IRカットフィルタ140は、4μmから5μmの範囲内の厚さを有してもよいIRパスフィルタ150は、フィルタ132g~iの上に配置することができる。一部の実装では、IRパスフィルタは、波長が700nm未満の光を遮断し、波長が700nmを超える光を透過するように構成してもよい。加えてまたは代わりに、一部の実装では、IRパスフィルタ150は、2μmから2.5μmの範囲内の厚さを有してもよい。IRカットフィルタ140およびIRパスフィルタ150はいずれも有機染料または顔料に基づく吸収フィルタであってもよい。IRカットフィルタ140およびIRパスフィルタ150はいずれもスピンコーティングおよび/または他の任意の適切なプロセスによってフィルタアレイ130上に形成してもよい。加えてまたは代わりに、一部の実装では、IRカットフィルタ150は、銀およびNb2О5(五酸化ニオブ)などの誘電体材料を含む、総厚が1μmの金属干渉IRカットフィルタであってもよい。一部の実装では、Agの厚さは約100Aであってもよく、Nb2О5の厚さは500Aから600Aの範囲であってもよい。一部の実装では、IRカットフィルタ140およびIRパスフィルタ150は、400nm未満の波長および700nm超の波長を遮断するように構成された完全誘電体IRカットフィルタに置き換えることができる。このような全誘電体IRカットフィルタの総厚は、4.5umから5.5umの範囲であってもよい。
【0030】
図1Cは、IRカットフィルタ140およびIRパスフィルタ150を取り外した検出器アレイ100の上面図である。
図1Cは、フォトダイオード112a~i、ガイド部材124a~i、およびフィルタ132a~iを整列させて、複数の検出器セル160a~iを形成することができることを示す。例えば、フィルタ132aをガイド部材124aと整列させ、ガイド部材124aをフォトダイオード112aと整列させることができる。その結果、フィルタ132a、ガイド部材124a、およびフォトダイオード112aを組み合わせて検出器セル160aを形成してもよい。別の例として、フィルタ132bをガイド部材124bと整列させ、ガイド部材124bをフォトダイオード112bと整列させることができる。その結果、フィルタ132b、ガイド部材124b、およびフォトダイオード112bを組み合わせて検出器セル160bを形成してもよい。さらに別の例として、フィルタ132iをガイド部材124iと整列させ、ガイド部材124iをフォトダイオード112iと整列させることができる。その結果、フィルタ132i、ガイド部材124i、およびフォトダイオード112iを組み合わせて検出器セル160iを形成してもよい。
【0031】
一部の実装では、ガイド部材を通過する光の少なくとも一部がフォトダイオードに到達した場合、当該ガイド部材はその下にある当該フォトダイオードと整列しているとみなすことができる。加えてまたは代わりに、一部の実装では、ガイド部材がフォトダイオードの真上に配置される場合、当該ガイド部材はその下にある当該フォトダイオードと整列しているとみなすことができる。加えてまたは代わりに、一部の実装では、ガイド部材の一部がフォトダイオードの真上に位置し、かつ別の一部が当該フォトダイオードから突出するように当該ガイド部材が部分的に当該フォトダイオードの上に配置される場合、当該ガイド部材はその下にある当該フォトダイオードと整列しているとみなすことができる。
【0032】
一部の実装では、フィルタを通過する光の少なくとも一部がガイド部材に到達した場合、当該フィルタはその下にある当該ガイド部材と整列しているとみなすことができる。加えてまたは代わりに、一部の実装では、フィルタがガイド部材の真上に配置される場合、当該フィルタはその下にある当該ガイド部材と整列しているとみなすことができる。加えてまたは代わりに、一部の実装では、フィルタの一部がガイド部材の真上に配置され、かつ別の一部が当該ガイド部材から突出するように当該フィルタが部分的に当該ガイド部材の上に配置される場合、当該フィルタはその下にある当該ガイド部材と整列しているとみなすことができる。
【0033】
本開示の態様によれば、検出器セル160a~iは、セル160a~i、または特にフォトダイオード112a~iとの間のクロストークの量を排除(または低減)するために、互いに光学的に絶縁されてもよい。一部の実装では、光学的絶縁は、上述したように、光がガイド部材124a~iの1つからの別の1つに移動するのを防止する(または当該光の量を減らす)ことができる遮光層122によって実現することができる。加えてまたは代わりに、一部の実装では、光学的絶縁は、上述したように、1つのフォトダイオードに到達した光が当該フォトダイオードを横切って移動して隣接するフォトダイオードに到達するのを防止するように構成可能なnウェル領域117によって実現することができる。
【0034】
一部の実装では、遮光層122は、ガイド層124a~iと整列し、検出器セル160a~iの1つから別の1つへと移動可能な光を防止する(または当該光の量を減らす)連続構造を形成する。例えば、遮光層122の少なくとも一部は、nウェル領域117aおよび/またはnウェル領域117bの真上に位置することができる。一部の実装では、ガイドアレイの遮光層をフォトダイオードアレイのnウェル領域と整列させることで、検出器アレイ100の精度を向上させることができる。
【0035】
図3A~Bは、本開示の態様に係る検出器アレイ100の動作を示す。
図3Aは、試験光のスペクトルコンテンツを示すプロット310である。
図3Bは、試験光に対する検出器アレイ100の応答を示すプロット320である。
図3AおよびBは、検出器アレイ100を試験光に晒した場合、検出器アレイ100内のフォトダイオード112a~iによって生成された信号を用いて、所定の対象の範囲にわたって試験光のスペクトルコンテンツを再構成することができることを示す。
【0036】
プロット320では、フォトダイオード112a~iによって生成された各信号の大きさは、バー322a~iの各々異なる1つによって表すことができる。より具体的には、バー322aは、フォトダイオード112aによって生成された信号(例えば、電圧信号)の大きさを表してもよく、バー322bは、フォトダイオード112bによって生成された信号の大きさを表してもよく、バー322cは、フォトダイオード112cによって生成された信号の大きさを表してもよい。同様に、バー322dは、フォトダイオード112dによって生成された信号の大きさを表してもよく、バー322eは、フォトダイオード112eによって生成された信号の大きさを表してもよく、バー322fは、フォトダイオード112fによって生成された信号の大きさを表してもよく、バー322gは、フォトダイオード112gによって生成された信号の大きさを表してもよく、バー322hは、フォトダイオード112hによって生成された信号の大きさを表してもよく、バー322iは、フォトダイオード112iによって生成された信号の大きさを表してもよい。
【0037】
図4は、本開示の態様に係る、光電子デバイス400の一例を示す図である。図示のように、光電子デバイス400は、検出器アレイ100および信号プロセッサ405を含む。検出器アレイ100および信号プロセッサ405は同一ダイ上に統合してもよいし、別々のダイ上に形成してもよい。信号プロセッサは、任意の適切なタイプの処理回路を含んでもよい。一部の実装では、信号プロセッサ405は、スイッチ410、増幅器420、アナログ-デジタル変換器(ADC)430、プロセッサ440、および入力/出力(I/O)インターフェース450のうち1つまたは複数を含んでもよい。
【0038】
スイッチ410は、フォトダイオード112a~iから複数の信号を受信し、信号を一度に1つずつ増幅器420に供給するように構成された任意の適切なタイプの電子デバイスを含んでもよい。増幅器420は、フォトダイオード112a~iによって生成された信号の電力を増加させるように構成された任意の適切なタイプのデバイスを含んでもよい。ADC430は、ADC430に入力されるアナログ信号のデジタル表現を生成するように構成された任意の適切なタイプのデバイスを含んでもよい。ADC430は、16ビットADC、32ビットADC、64ビットADCなどを含んでもよい。プロセッサ440は、ADC430によって生成された値に基づいて1つまたは複数の算術または論理演算を実行することのできる任意の適切なタイプの電子回路を含んでもよい。I/Oインターフェース450は、ユニバーサルシリアルバス(USB)インターフェースまたはI2Cインターフェースなど、任意の適切なタイプのパラレルまたはシリアルインターフェースを含んでもよい。
【0039】
動作中のフォトダイオード112a~bは、検出器アレイ100に入射する光のスペクトルにおける異なる部分のパワーを表す複数の信号を生成することができる。スイッチ410は、フォトダイオード112a~iによって生成された信号が各々増幅器420に供給されるように信号を切り替えることができる。増幅器420は、各信号を増幅してADC430に供給することができる。ADC430は、各信号のデジタル表現を生成して、プロセッサ440に供給することができる。プロセッサ440は、フォトダイオード112a~iによって生成された各信号のデジタル表現に基づいて、相関色温度(CCT)や色などの光の特性を検出することができる。この例では、光電子デバイスはプロセッサ440を含むが、プロセッサ440を省略した代替の実装も可能である。この場合、フォトダイオード112a~iによって生成された信号のデジタル表現は、I/Oインターフェースから出力して、外部の処理回路で使用してもよい。
【0040】
図4の例では、増幅器420は1チャネル増幅器であるが、増幅器が複数チャネルを備える代替の実装も可能である。さらに、増幅器420が複数のチャネルを備える場合、スイッチ410は、複数の信号を増幅器420に並列に供給するように構成してもよい。例えば、センサアレイ100が32個の検出器セルを含む場合、増幅器420は、8チャネル増幅器であってもよいし、スイッチ410は、8つの異なる検出器セルから増幅器に信号を並列に供給するように構成してもよい。その結果、プロセッサ440(および/またはI/Oインターフェース450)は、わずか4クロックサイクルでセンサアレイ100によって生成されるすべての信号を受信することができる。
【0041】
図5は、本開示の態様に係る数学演算の一例であり、プロセッサ440を当該演算を実行するように構成することができる。この例では、プロセッサ440は、CIE1931色空間において検出器アレイ100に適用される光の色を識別するベクトル510を生成するように構成してもよい。したがって、ベクトル510は、人間の目に記録された色感覚の客観的な記述である三刺激値X、Y、Zを含んでもよい。この例では、プロセッサ440は、CIE1394色空間における光の表現を生成するが、RGB色空間における表現やYCrCb色空間における表現など、別タイプの表現を作成する代替の実装も可能である。
【0042】
図示のように、ベクトル510は、ベクトル530に係数行列520を乗算することで計算することができる。ベクトル530は、検出器アレイ100内の異なるフォトダイオードによって生成された信号の値を表す値Va~Viを含んでもよい。例えば、値Vaは、フォトダイオード112aによって生成された信号の大きさを表してもよく、値Vbは、フォトダイオード112bによって生成された信号の大きさを表してもよく、値Vcは、フォトダイオード112cによって生成された信号の大きさを表してもよく、値Vdは、フォトダイオード112dによって生成された信号の大きさを表してもよく、値Veは、フォトダイオード112eによって生成された信号の大きさを表してもよく、値Vfは、フォトダイオード112fによって生成された信号の大きさを表してもよく、値Vgは、フォトダイオード112gによって生成された信号の大きさを表してもよく、値Vhは、フォトダイオード112hによって生成された信号の大きさを表してもよく、値Viは、フォトダイオード112iによって生成された信号の大きさを表してもよい。
【0043】
一部の実装では、係数行列520は、プロセッサ440のメモリ(図示せず)に事前に格納された行列であってもよい。当該係数行列は、既知または標準参照光源を用いて光電子デバイス400をキャリブレーションすることで計算することができる。キャリブレーションは、光電子デバイス400を既知の色のキャリブレーション光に晒し、係数行列520について
図5に示す数式を解くことで実行してもよい。
【0044】
図6は、本開示の態様に係る、光電子デバイス600の一例を示す概略図である。光電子デバイスは、検出器アレイ610および信号プロセッサ620を含む。検出器アレイ610は、図示のように、検出器セル160a~iを含んでもよい。検出器アレイ610は、グリッド状にアレンジされたセンサセル160a~iを除いて検出器アレイ100と同一または類似であってもよい。信号プロセッサ620は、
図4を参照して上で説明した信号プロセッサ405と同一または類似であってもよい。
図7は、本開示の態様による光電子デバイス700の一例を示す概略図である。光電子デバイス700は、図示のようにIRカットフィルタ740およびIRパスフィルタ750を含む点を除いて、光電子デバイス600と同一または類似であってもよい。IRカットフィルタ740は、検出器アレイ610のセル160d、160e、および160f上に配置してもよく、IRカットフィルタ140と同一または類似であってもよい。IRパスフィルタ750は、検出器アレイ610のセル160g、160h、および160i上に配置してもよく、IRパスフィルタ150と同一または類似であってもよい。
【0045】
図8は、本開示の態様に係る、検出器アレイを製造するプロセス800の一例を示すフローチャートである。
【0046】
ステップ805で、フォトダイオードアレイ910が形成される。フォトダイオードアレイ910の例を
図9A~Cに示す。図示のように、フォトダイオードアレイは、p基板940上に形成されたフォトダイオード912a~iを含んでもよい。一部の実装では、フォトダイオード912a~cは、
図1AおよびBを参照して上で説明したフォトダイオード112a~cと同一または類似であってもよい。加えてまたは代わりに、フォトダイオード912d~iは、
図1を参照して上で説明したフォトダイオード112d~iと同一または類似であってもよい。
【0047】
フォトダイオード912a~cは、p+/nウェルダイオードであってもよく、UV帯域における発光パワーを検出するのに用いることができる。フォトダイオード912a~cは、各々、側面および底部がnウェル領域917aで囲まれたp+領域914と、nウェル領域917aの下に配置されたp領域918とを含んでもよい。p+領域914は、p+領域114と同一または類似であってもよく、nウェル領域917aは、nウェル領域117aと同一または類似であってもよく、p領域918は、p領域118と同一または類似であってもよい。フォトダイオード912d~iは、n+/P-epiフォトダイオードを含んでもよく、IRおよび可視光帯域の光を検出するのに用いることができる。フォトダイオード912d~iは、各々、側面がnウェル領域917bで囲まれたn+領域915と、nウェル領域917bおよびn+領域915の下に配置されたp領域919と、を含んでもよい。n+領域915は、n+領域115と同一または類似であってもよく、nウェル領域917bは、nウェル領域117bと同一または類似であってもよく、p領域919は、p領域119と同一または類似であってもよい。
【0048】
ステップ810では、誘電体透光性材料1010の層が、フォトダイオードアレイ910上に形成される。光透過層1010の例を
図10AおよびBに示す。図示のように、透光性材料の層は、ボロホスホシリケートガラス(BPSG)、ホスホシリケートガラス(PSG)、ドープされていないシリカガラス(USG)およびフルオロシリケートガラス(FSG)材料などを含む二酸化ケイ素など、任意の適切なタイプの材料で形成してもよい。一部の実装では、透光性材料1010の層は、プラズマ強化化学蒸着(PECVD)および/または他の任意の適切なタイプのプロセスによって形成してもよい。一部の実装では、透光性材料1010の層は、パッシベーション層(図示せず)によってフォトダイオードアレイ910から分離してもよい。パッシベーション層は、二酸化ケイ素SiO2と窒化ケイ素Si3N4で形成してもよい。一部の実装では、透光性1010材料の層は、5μm~7.5μmの範囲内の厚さを有してもよい。
【0049】
ステップ815では、複数のトレンチ1110を透光性材料1010の層に形成して、複数のガイド部材1012を規定する。ガイド部材1012は、ガイド部材124a~iと同一または類似であってもよい。トレンチ1110の例を
図11A~Cに示す。図示のように、一部の実装では、トレンチ1110は、nウェル領域917bの少なくとも一部の上に形成してもよい。加えてまたは代わりに、一部の実装では、トレンチ1110は、隣接するp+領域914の間に位置するnウェル領域917a部分の上に形成してもよい。加えてまたは代わりに、一部の実装では、トレンチ1110は、隣接するp+領域915の間に位置するnウェル領域917b部分の上に形成してもよい。トレンチ1110は、CMOSまたはBICMOSバックエンドオブラインプロセスおよび/または他の任意の適切なタイプのプロセスによって形成してもよい。トレンチ1110は、光透過層1010の厚さよりも小さい、大きい、または等しい深さを有してもよい。
【0050】
ステップ820では、遮光層1210がトレンチ1110内に形成され、ガイドアレイ1120が完成する。遮光層1210およびガイドアレイ1220の例を
図12AおよびBに示す。ガイドアレイ1220は、図示のように、ガイド部材1012および遮光層1210を含んでもよい。ガイドアレイ1220は、
図1AおよびBを参照して上で説明したガイドアレイ120と同一または類似であってもよい。遮光層1210は、
図1A~Cを参照して上で説明した遮光層122と同一または類似であってもよい一部の実装では、遮光層1210は、3金属層プロセスのために、4.5μmから5.5μmの範囲内の厚さを有してもよい。一部の実装では、遮光層1210を光透過材料1010の層よりも厚くして、遮光層1210の上面が透光性材料1310の層の上面の上に位置するようにしてもよい。
【0051】
ステップ825では、誘電体透光性材料1310の層が、フォトダイオードアレイ上に形成される。透光性材料1310の層の例を
図13AおよびBに示す。透光性材料1310の層は、Si3N4材料、Al2O3、HfO2、SiO2、TiO2、Nb2O5などの任意の適切なタイプの材料を用いて形成してもよい。一部の実装では、低圧化学蒸着(LPCVD)および原子層堆積(ALD)を用いて層1310を形成してもよい。
【0052】
ステップ830では、複数のトレンチ1410が、透光性材料1310の層に形成される。トレンチ1410の例を
図14AおよびBに示す。図示のように、一部の実装では、トレンチ1410は実質的に同一の深さを有してもよく、トレンチ1410は各々フォトダイオード912a~iの異なる1つの上に形成してもよい。一部の実装では、図示のように、トレンチ1410は、各々、遮光層1210の上面のレベルよりも下に延長することができる。遮光層1210の上面の高さは、
図14AおよびBに破線で示すとおりである。一部の実装では、トレンチ1410は、低温プラズマエッチングまたは原子層(精密)エッチング(ALE)システムおよび/または他の任意の適切なタイプのプロセスによって形成してもよい。
【0053】
ステップ835では、金属層1510が、透光性材料1310の層の上に形成される。金属層1510の例を
図15AおよびBに示す。金属層1510は、銀、アルミニウム、金または銅などの任意の適切な材料で形成してもよい。一部の実装では、金属層は、アルミニウム(Al)および銀(Ag)を含む合金を用いて形成することができる。金属層1510は、例えば、熱蒸着、イオンアシスト堆積を伴う電子銃堆積、およびスパッタ堆積などの任意の適切なタイプのプロセスによって形成してもよい。一部の実装では、トレンチ1410の底部に形成する金属層1510の部分は、少なくともその一部が遮光層1210の上面のレベルよりも下に位置してもよい。遮光層1210の上面の高さは、
図15AおよびBに破線で示すとおりである。
【0054】
ステップ840では、誘電体透光性材料1610の層が金属層1510上に形成される。透光性材料1610の層の例を
図16AおよびBに示す。透光性材料1610の層は、Si3N4材料、Al2O3、HfO2、SiO2、TiO2、Nb2О5などの任意の適切なタイプの材料を用いて形成してもよい。一部の実装では、低圧化学蒸着(LPCVD)および原子層堆積(ALD)を用いて層1610を形成してもよい。一部の実装では、透光性材料1610の層は、1200Aから2500Aの範囲内の厚さを有してもよい。
【0055】
ステップ845では、複数のトレンチ1710が、透光性材料1610の層に形成される。トレンチ1710の例を
図17AおよびBに示す。一部の実装では、トレンチ1710の少なくとも1つは、少なくとも1つの他のトレンチ1710と異なる深さを有してもよい。加えてまたは代わりに、一部の実装では、各トレンチ1710は残りのトレンチ170と異なる深さを有してもよい。加えてまたは代わりに、一部の実装では、トレンチ1710は、各々、図示のように、フォトダイオードアレイ910内のフォトダイオード912a~iの異なる1つの上に形成してもよい。いくつかの実装では、トレンチ1710は、低温プラズマエッチングまたは原子層精密エッチング(ALE)システムおよび/または他に適したタイプのプロセスによって形成してもよい。
【0056】
ステップ850では、図示のように、金属層1810が、光透過層1610およびトレンチ1710の上に形成される。金属層1810の例を
図18AおよびBに示す。一部の実装では、金属層1810は、アルミニウム(Al)および銀(Ag)を含む合金で形成してもよい。一部の実装では、金属層1810は、銀、アルミニウム、金、銅、および/または他の任意の適切なタイプの材料を用いて形成してもよい。金属層1510は、例えば、熱蒸着、イオンアシスト堆積を伴う電子銃堆積、およびスパッタ堆積などの任意の適切なタイプのプロセスによって形成してもよい。一部の実装では、層1810は、バンドパスフィルタ設計の帯域幅要件に応じて400Aから600Aの範囲内の厚さを有してもよい。
【0057】
ステップ855では、透光性材料1905の層が金属層1810上に形成されて、フィルタアレイ1910が完成する。フィルタアレイ1910の例を
図19AおよびBに示す。一部の実装では、透光性材料1905の層は、Si3N4材料、Al2O3、HfО2、SiO2、TiO2、Nb2О5などの任意の適切なタイプの材料を用いて形成してもよい。一部の実装では、低圧化学蒸着(LPCVD)および原子層堆積(ALD)を用いて層1905を形成してもよい。連続的な金属層を用いて異なるファブリペローキャビティを形成する点以外にも、フィルタアレイ1910は、
図1AおよびBを参照して上で説明したフィルタアレイ130と同一または類似であってもよい。
【0058】
図19AおよびBは、プロセス800のステップ805~855を実行した結果として作成される検出器アレイ1920の例を示す。図示のように、検出器アレイ1920は、複数の検出器セル160a~iを含んでもよい。番号が示すように、検出器アレイ1920内の検出器セルは、
図1AおよびBおよび
図6を参照して上で説明した、検出器アレイ100内の検出器セルおよび検出器アレイ610内の検出器セルと同様であってもよい。上述したように、一部の実装では、検出器セル160a~cは、UV帯域における発光エネルギーを測定するように構成してもよく、セル160d~fは、可視光帯域における発光エネルギーを測定するように構成してもよく、セル160g~iは、IR帯域の光のエネルギーを測定するように構成してもよい。
【0059】
ステップ860では、IRカットフィルタ2010は検出器アレイ1720の検出器セル160d~f上に形成され、IRパスフィルタ2020は検出器アレイ1920の検出器セル160g~i上に形成され、これにより、光電子デバイス2030が完成する。一部の実装では、IRカットフィルタ2010は、IRカットフィルタ140と同一または類似であってもよい。加えてまたは代わりに、一部の実装では、IRカットフィルタ2010は、IRパスフィルタ150と同一または類似であってもよい。フィルタ2010および2020の例を
図20AおよびBに示す。
【0060】
図1~20Bは、例示目的でのみ提供したものである。これらの図を参照して上で説明した要素の少なくとも一部は異なる順序でアレンジまたは組み合わせてもよいし、完全に省略することもできる。本明細書において説明した例の提示や、「~など」、「例えば」、「~を含む」、「いくつかの態様では」、「一部の実装では」などの文言の表現は、開示の主題を特定の例に限定するものと解釈すべきではない。例えば、一部の実装では、「透光性材料」という語は、80%から95%を超える光透過率を有する任意の材料を指してもよい。例として、一部の実装では、「遮光材料」という語は、2%から0.1%未満の光透過率を有する任意の材料を指してもよい。さらに、開示されたデバイスの様々な要素の厚さの値は、例示目的でのみ示したものであり、開示は、これらの値に限定されないことが理解されるものとする。開示されたデバイスの様々な構成要素を形成するために用いた材料およびプロセスは例示目的でのみ示したものであり、開示はそれらの材料および/またはプロセスに限定されないことがさらに理解されるものとする。
【0061】
以上、本開示に係る発明について詳細に説明したが、当業者であれば、本開示を前提として、本明細書に記載の発明の概念の精神から逸脱することなく、本発明の変更が可能であることを理解するものとする。したがって、本発明の範囲は、図示および説明の特定の実施形態に限定することを意図したものではない。
【符号の説明】
【0062】
100:アレイ
100、610、1720、1920:検出器アレイ
100:センサアレイ
110、910:フォトダイオードアレイ
110a~c:セクション
110b:可視光のスペクトル特性を検出するように構成されたセクション
110c:IR光のスペクトル特性を検出するように構成されたセクション
110:フォトダイオードアレイ
112a~i、912a~i:フォトダイオード
114、914、915:p+領域
115:n+領域
117、117a、117b、917、917b:nウェル領域
118、119、918、919:p領域
118、914:p+領域
119、919:p領域
120、1120、1220:ガイドアレイ
122:遮光層
122、1210:層
122d~e、134、136、1510、1810:金属層
123、125:上面
124a~i:ガイド部材
130、1910:フィルタアレイ
132:バンドパスフィルタ
132a~i:フィルタ
134a、136a:中央部分
134b、136b:末端部分
136a:水平中央部分
136b:傾斜端部分
138:透光性材料
140、740、2010:IRカットフィルタ
140、940:p基板
150、2020:IRパスフィルタ
160、160a~i:検出器セル
160a~i:センサセル
2O3:Al
2О5:銀およびNb
210a~i:通過帯域
310、320:プロット
322a~i:バー
400、600:光電子デバイス
405、620:信号プロセッサ
410:スイッチ
420:増幅器
430:アナログ-デジタル変換器(ADC)
440:プロセッサ
450:入力/出力(I/O)インターフェース
CIE1931
510、530:ベクトル
520:係数行列
700:光電子デバイス
740:IRカットフィルタ
750:IRパスフィルタ
800:プロセス
805、810、815、820、830、835、840、845、850、855、860:ステップ
915:p+領域
1010:誘電体透光性材料
1010:光透過層
1010、1310:透光性材料
170、1110、1410、1710:トレンチ
1510、1810:金属層
1610:誘電体透光性材料
1610、1905:透光性材料
1610:光透過層
2020:IRパスフィルタ
2010、2020:フィルタ
2030:光電子デバイス