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特許7611015配車支援装置、配車サービスシステム及び配車支援方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-25
(45)【発行日】2025-01-09
(54)【発明の名称】配車支援装置、配車サービスシステム及び配車支援方法
(51)【国際特許分類】
   G08G 1/123 20060101AFI20241226BHJP
   G01C 21/34 20060101ALI20241226BHJP
【FI】
G08G1/123 A
G01C21/34
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2021041534
(22)【出願日】2021-03-15
(65)【公開番号】P2022141303
(43)【公開日】2022-09-29
【審査請求日】2023-11-07
(73)【特許権者】
【識別番号】000003997
【氏名又は名称】日産自動車株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】507308902
【氏名又は名称】ルノー エス.ア.エス.
【氏名又は名称原語表記】RENAULT S.A.S.
【住所又は居所原語表記】122-122 bis, avenue du General Leclerc, 92100 Boulogne-Billancourt, France
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100101247
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 俊一
(74)【代理人】
【識別番号】100095500
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 正和
(74)【代理人】
【識別番号】100098327
【弁理士】
【氏名又は名称】高松 俊雄
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼橋 奈都
(72)【発明者】
【氏名】金子 庸平
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 政康
【審査官】佐々木 佳祐
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-160708(JP,A)
【文献】特開2019-105926(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08G 1/00-99/00
G01C 21/00-25/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に荷物を預けている第1ユーザのユーザ端末から、前記第1ユーザの位置を示す位置情報を含む受取リクエストデータを受信する受信部と、
乗車を依頼する第2ユーザに対して、前記荷物が預けられている前記車両を配車する配車計画を決定する配車計画決定部と、
前記受取リクエストデータに基づいて、前記荷物が預けられている前記車両から、前記第1ユーザが前記荷物を受け取る受取計画を決定する受取計画決定部と、を備え、
前記受取計画決定部は、
前記受信部が前記ユーザ端末から前記受取リクエストデータを受信した場合、前記荷物が預けられている前記車両が前記第2ユーザに対する前記配車計画を実行しているか否かを判断し、
前記荷物が預けられている前記車両が前記第2ユーザに対する前記配車計画を実行している場合、
前記第1ユーザの位置に基づいて、前記配車計画における前記車両の走行経路上に前記第1ユーザが前記荷物を受け取る受取場所を設定し、
前記荷物が預けられている前記車両が前記受取場所を通過する時刻を前記第1ユーザが前記荷物を受け取る受取時刻として設定する
配車支援装置。
【請求項2】
前記受取計画決定部は、
前記第1ユーザが現在地から所定時間内に移動することができる移動可能範囲と、前記車両の走行経路とが重複する重複範囲に、前記受取場所の候補となる候補地点を1つ以上設定する
請求項1記載の配車支援装置。
【請求項3】
前記受取計画決定部は、
前記候補地点のそれぞれについて、前記第1ユーザが前記候補地点に到着するユーザ到着時刻と、前記荷物が預けられている前記車両が前記候補地点に到着する車両到着時刻とを算出し、
1つ以上の前記候補地点のうち、前記ユーザ到着時刻が前記車両到着時刻よりも早くなる前記候補地点を、前記受取場所として設定する
請求項2記載の配車支援装置。
【請求項4】
前記第1ユーザのユーザ端末に、所定のデータを送信する第1送信部をさらに有し、
前記受取計画決定部は、
前記第1ユーザに前記受取場所への移動を案内する受取通知データを生成し、
前記第1送信部は、
前記受取通知データを、前記第1ユーザのユーザ端末に送信する
請求項1から3いずれか一項記載の配車支援装置。
【請求項5】
前記受取計画決定部は、
前記重複範囲が存在しない場合には、前記第2ユーザに対する前記配車計画の実行が完了した後に前記第1ユーザが前記荷物を受け取るように前記受取計画を決定する
請求項2記載の配車支援装置。
【請求項6】
前記第2ユーザのユーザ端末に、所定のデータを送信する第2送信部をさらに有し、
前記受取計画決定部は、
前記配車計画における前記車両の走行経路上に前記受取場所が設定された場合、前記第2ユーザが前記車両に乗車している最中に前記荷物の受け取りが行われることを報知する報知データを生成し、
前記第2送信部は、
前記報知データを、前記第2ユーザのユーザ端末に送信する
請求項1から4いずれか一項記載の配車支援装置。
【請求項7】
車両に荷物を預けている第1ユーザの位置を示す位置情報を含む受取リクエストデータを送信するユーザ端末と、
前記受取リクエストデータを処理するサーバと、を有し、
前記サーバは、
前記ユーザ端末から送信された前記受取リクエストデータを受信する受信部と、
乗車を依頼する第2ユーザに対して、前記荷物が預けられた前記車両を配車する配車計画を決定する配車計画決定部と、
前記受取リクエストデータに基づいて、前記荷物が預けられている前記車両から、前記第1ユーザが前記荷物を受け取る受取計画を決定する受取計画決定部と、を備え、
前記受取計画決定部は、
前記受信部が前記ユーザ端末から前記受取リクエストデータを受信した場合、前記荷物が預けられている前記車両が前記第2ユーザに対する前記配車計画を実行しているか否かを判断し、
前記荷物が預けられている前記車両が前記配車計画を実行している場合、
前記第1ユーザの位置に基づいて、前記配車計画における前記車両の走行経路上に前記第1ユーザが前記荷物を受け取る受取場所を設定し、
前記車両が前記受取場所を通過する時刻を前記第1ユーザが前記荷物を受け取る受取時刻として設定する
配車サービスシステム。
【請求項8】
車両に荷物を預けている第1ユーザのユーザ端末から、前記第1ユーザの位置を示す位置情報を含む受取リクエストデータを受信し、
前記ユーザ端末から前記受取リクエストデータを受信したときに、乗車を依頼した第2ユーザに対して前記荷物が預けられている前記車両を配車する配車計画を実行しているか否かを判断し、
前記荷物が預けられている前記車両が前記配車計画を実行している場合、
前記第1ユーザの位置に基づいて、前記配車計画における前記車両の走行経路上に前記第1ユーザが前記荷物を受け取る受取場所を設定し、
前記車両が前記受取場所を通過する時刻を前記第1ユーザが前記荷物を受け取る受取時刻として設定する
配車支援方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、配車支援装置、配車サービスシステム及び配車支援方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、タクシーに荷物を忘れたユーザに対して、荷物(忘れ物)を戻す発明が開示されている。特許文献1に記載された発明は、ユーザの端末装置の位置情報と、営業車両の位置情報とを利用して、車両の配車を行う。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2002-245591号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載された発明においては、ユーザに荷物を戻している車両は、乗車を依頼する他のユーザに対する配車サービスの機会が失われてしまう。配車サービスの機会を向上させることにより、車両を効率的に活用することが求められるが、特許文献1にはそのような記載がない。
【0005】
本発明は、かかる課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、配車サービスの機会を向上させて、車両を効率的に活用することができる配車支援装置、配車サービスシステム及び配車支援方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様に係る配車支援装置は、ユーザ端末から受取リクエストデータを受信した場合、荷物が預けられている車両が第2ユーザに対する配車計画を実行しているか否かを判断する。車両が第2ユーザに対する配車計画を実行している場合、配車支援装置は、第1ユーザの位置に基づいて、配車計画における車両の走行経路上に受取場所を設定し、車両が受取場所を通過する時刻を受取時刻として設定する。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、配車サービスの機会を向上させて、車両を効率的に活用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、本実施形態に係る配車サービスシステムの構成を模式的に示す図である。
図2図2は、配車サービスサーバの構成をブロック図である。
図3図3は、車両の構成を示すブロック図である。
図4図4は、ユーザ端末の構成を示すブロック図である。
図5図5は、配車サービスシステムの処理の流れを示すフローチャートである。
図6図6は、受取計画を決定する処理を示すフローチャートである。
図7図7は、乗車ユーザの配車計画における車両の走行経路と、荷物預けユーザとの関係を模式的に示す図である。
図8図8は、ユーザ端末に表示される受取通知を例示する説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。図面の記載において同一部分には同一符号を付して説明を省略する。
【0010】
図1から図4を参照して、本実施形態に係る配車サービスシステム10の構成を説明する。本実施形態に係る配車サービスシステム10は、ユーザの依頼に応じて、車両40を配車するシステムである。配車サービスシステム10によって提供されるサービスには、車両40に乗車するユーザを輸送する乗車サービスと、車両40に載せたユーザの荷物Bを預かる荷物預けサービスとが含まれる。配車サービスシステム10は、それぞれのサービスに対応して車両40を配車する。
【0011】
配車サービスシステム10は、配車サービスサーバ20と、車両40と、ユーザ端末60とを主体に構成されている。配車サービスサーバ20と、車両40と、ユーザ端末60とは、ネットワーク30を介して相互に通信可能に構成されている。ネットワーク30は、例えばインターネットが挙げられる。ネットワーク30は、4G/LTE、又は5Gなどのモバイル通信機能を利用するものであってもよい。
【0012】
以下の説明において、「乗車リクエストデータ」とは、乗車サービスの利用を希望するユーザが配車サービスサーバ20に対して乗車を依頼するデータである。配車リクエストデータには、ユーザが乗車を希望する希望乗車地、及びユーザが降車を希望する希望降車地などの情報が含まれる。なお、配車リクエストデータには、希望乗車地から希望降車地までの間に経由する希望経由地、乗車を希望する時刻である希望乗車時刻、降車を希望する時刻である希望降車時刻などの情報が含まれてもよい。乗車サービスの対象となるユーザ(第2ユーザ)を「乗車ユーザ」という。
【0013】
「受取リクエストデータ」とは、荷物預かりサービスを利用しているユーザが、配車サービスサーバ20に対して荷物Bの受け取りを依頼するデータである。受取リクエストデータには、荷物Bの受け取りを依頼する受取情報と、ユーザの位置を示す位置情報とが含まれる。荷物預かりサービスの対象となるユーザ(第1ユーザ)を「荷物預かりユーザ」という。
【0014】
図2において、配車サービスサーバ20は、車両40の配車を支援する配車支援装置である。配車サービスサーバ20は、例えば、複数の車両40を用いて輸送サービスを提供する事業者によって運用されるが、これに限らない。配車サービスサーバ20は、制御装置21と、記憶装置22と、通信装置23とを備えている。
【0015】
制御装置21としては、CPU、メモリ、入出力インターフェースを主体に構成されたマイクロコンピュータ(コントローラ)を用いることができる。CPUは、メモリなどに記憶されている様々なコンピュータプログラムを読み込んで、プログラムに含まれる各種の命令を実行する。プログラムを実行することにより、CPUは、制御装置21が備える複数の情報処理回路として機能する。
【0016】
制御装置21は、通信装置23が受信したデータに基づいて、車両40を配車する配車計画を決定する。制御装置21は、1つ以上の情報処理回路として、データ受付部211と、配車計画決定部212と、受取計画決定部213とを備えている。
【0017】
データ受付部211は、通信装置23が受信した乗車リクエストデータ及び受取リクエストデータを受け付ける。データ受付部211は、受け付けたデータが乗車リクエストデータである場合、乗車リクエストデータを配車計画決定部212に出力する。一方、データ受付部211は、受け付けたデータが受取リクエストデータである場合、受取リクエストデータを配車計画決定部212に出力する。
【0018】
配車計画決定部212は、乗車リクエストデータに基づいて、乗車ユーザに対する配車計画を決定する。配車計画は、乗車ユーザに車両40を配車して、乗車ユーザを乗車地から降車地まで輸送する計画である。配車計画には、乗車ユーザに対して配車する車両40、乗車地、降車地、及び走行経路などの情報が含まれる。本実施形態の特徴の一つとして、乗車ユーザに対して配車される車両40には、空車の車両40のみならず、荷物預けユーザは乗車していないが荷物預けユーザによって預けられた荷物Bのみが載せられている車両40が含まれる。配車計画決定部212が決定した配車計画は、配車計画データとして生成される。
【0019】
受取計画決定部213は、受取リクエストデータに基づいて、荷物預けユーザに対する配車計画を決定する。以下、乗車ユーザに対する配車計画と区別するために、荷物預けユーザに対する配車計画を受取計画という。受取計画は、荷物預けユーザに対して車両40を配車して、荷預けユーザが車両40から荷物Bを受け取る計画である。受取計画には、荷物預けユーザが荷物Bを受け取る場所である受取場所、荷物預けユーザが荷物Bを受け取る時刻である受取時刻などが含まれる。受取計画決定部213が決定した受取計画は、受取計画データとして生成される。
【0020】
記憶装置22は、乗車サービス及び荷物預けサービスに必要な各種のデータベースを格納する記憶部である。記憶装置22は、運行情報DB(運行情報データベース)221を有している。
【0021】
運行情報DB221は、車両40の運行情報を管理するデータベースである。運行情報は、輸送サービスの提供を予定する車両40毎に管理されている。運行情報には、車両40を識別する車両IDが紐付けられている。運行情報DB221の内容は、配車計画決定部212及び受取計画決定部213によって管理され、必要に応じて更新される。配車計画決定部212及び受取計画決定部213は、通信装置23を介して車両40と通信することで、運行情報の管理に必要なデータを受信することができる。
【0022】
運行情報には、乗車サービスの状況、及び荷物預けサービスの状況を示すサービス情報が含まれる。
【0023】
乗車サービスの状況には、乗車サービス(配車計画)の予定があるか否か、乗車サービスの実行中であるか否か、乗車サービスを依頼した乗車ユーザのID、乗車サービスに関する配車計画などの情報が含まれる。また、荷物預けサービスの状況には、荷物預けサービスを実行しているか否か、荷物預けサービスを利用する荷預けユーザのIDなどの情報が含まれる。
【0024】
また、運行情報には、車両40に関する車両情報が含まれる。車両情報は、車両40の位置、車両40のエネルギー残量(燃料残量、充電残量)などの情報を含む。
【0025】
また、記憶装置22は、地図に関する情報を含む地図データを保有している。地図データは、配車計画に必要な走行経路を生成したり、乗車ユーザ及び荷物預けユーザ、並びに車両40の位置を認識したりするために利用される。
【0026】
なお、配車サービスサーバ20は、記憶装置22を備える構成であってもよいが、クラウドコンピューティングにより運行情報を外部のデータサーバから取得してもよい。
【0027】
通信装置23は、ネットワーク30を介して車両40又はユーザ端末60との間で通信を行う。通信装置23は、車両40及びユーザ端末60から所定のデータを受信したり(受信部)、車両40及びユーザ端末60に所定のデータを送信したりする(第1送信部、第2送信部)。また、通信装置23は、ネットワーク30を介して外部装置(図示せず)と通信することで、渋滞などの交通情報を含む道路交通データを取得することができる。例えば、通信装置23は、4G/LTE、5Gなどのモバイル通信機能を備えたデバイスであってもよいし、Wifi通信機能を備えたデバイスであってもよい。
【0028】
図3において、車両40は、輸送サービスを提供する車両(サービス車両)である。図1に示す例では、車両40が1台示されているが、これに限定されない。車両40は、ドライバが乗車しないで自動運転機能により走行する車両であってもよいし、ドライバの手動運転により走行する車両でもよい。また、車両40は、ドライバが乗車した上で自動運転機能により走行する車両でもよい。
【0029】
自動運転とは、例えば、ブレーキ、アクセル、ステアリングなどのアクチュエータのうち、少なくとも一つのアクチュエータが乗員の操作なしに制御されている状態のことを指す。そのため、その他のアクチュエータが乗員の操作により作動していたとしても構わない。また、自動運転とは、加減速制御、横位置制御などのいずれかの車両制御が実行されている状態であればよい。また、手動運転とは、例えば、ブレーキ、アクセル、ステアリングを乗員が操作している状態のことを指す。
【0030】
車両40は、エンジンのみで駆動するエンジン自動車、エンジンと電動モータとで駆動するハイブリッド自動車、電動モータのみで駆動する電気自動車のいずれであってもよい。エンジン自動車であれば、エネルギー残量は燃料残量に相当し、電気自動車であれば、エネルギー残量は充電残量に相当する。また、ハイブリッド自動車であれば、エネルギー残量は燃料残量及び充電残量に相当する。
【0031】
図3において、車両40は、制御装置41と、通信装置42とを有している。
【0032】
制御装置41としては、CPU、メモリ、入出力インターフェースを主体に構成されたマイクロコンピュータ(コントローラ)を用いることができる。CPUは、メモリなどに記憶されている様々なコンピュータプログラムを読み込んで、プログラムに含まれる各種の命令を実行する。プログラムを実行することにより、CPUは、制御装置41が備える複数の情報処理回路として機能する。
【0033】
制御装置41は、通信装置42が配車サービスサーバ20から受信したデータに基づいて、車両40を制御する。制御装置41は、1つ以上の情報処理回路として、配車計画処理部411を備えている。
【0034】
配車計画処理部411は、通信装置42が受信した配車計画データを受け付け、配車計画データに基づいて各種の処理を行う。自動運転機能により走行する車両40であれば、配車計画処理部411は、配車計画データに基づいて、車両40の各種アクチュエータ(ステアリングアクチュエータ、アクセルペダルアクチュエータ、ブレーキアクチュエータなど)を制御して、自動運転を実行する。配車計画処理部411によって実行される自動運転により、車両40は、配車計画に従って自動で走行することができる。また、手動運転により走行する車両40であれば、配車計画処理部411は、表示装置又はスピーカなどを制御して、配車計画をドライバに提示する。
【0035】
また、配車計画処理部411は、配車サービスサーバ20からの依頼に応じて、又は所定の周期で、通信装置23を用いて、車両40に関する情報を配車サービスサーバ20に送信する。
【0036】
通信装置42は、ネットワーク30を介して配車サービスサーバ20との間で通信を行う。通信装置42は、配車サービスサーバ20から所定のデータを受信し、配車サービスサーバ20に対して所定のデータを送信する。例えば、通信装置42は、4G/LTE、5Gなどのモバイル通信機能を備えたデバイスであってもよいし、Wifi通信機能を備えたデバイスであってもよい。
【0037】
図4において、ユーザ端末60は、ユーザの依頼を受け付ける装置であり、ユーザが日常的に利用する装置、例えば携帯電話、スマートフォン、携帯情報端末(PDA)などの通信機能を備えた操作端末である。図1では、乗車ユーザ及び荷物預けユーザに対応して、ユーザ端末60が2台示されているが、これに限定されない。
【0038】
ユーザ端末60は、制御装置61と、入力装置62と、表示装置63と、通信装置64と、位置検出装置65とを供えている。
【0039】
制御装置61としては、CPU、メモリ、入出力インターフェースを主体に構成されたマイクロコンピュータ(コントローラ)を用いることができる。メモリには、配車サービスシステム10においてユーザ端末60として機能させるためのコンピュータプログラムがインストールされている。コンピュータプログラムを実行することにより、制御装置61は、ユーザ端末60が備える1つ以上の情報処理回路として機能する。
【0040】
制御装置61は、配車サービスサーバ20に対して依頼する各種のデータを生成する。制御装置61は、1つ以上の情報処理回路として、リクエスト処理部611を備えている。
【0041】
ユーザ端末60が乗車ユーザによって所持されている場合、リクエスト処理部611乗車ユーザから乗車の依頼を受け付けて、乗車依頼に対応する配車リクエストデータを生成する。一方、ユーザ端末60が荷物預けユーザによって所持されている場合、制御装置61は、荷物預けユーザから荷物Bの受け取りの依頼を受け付けて、受取依頼に対応する配車リクエストデータを生成する。
【0042】
各種の依頼を行う場合、ユーザは、入力装置62を操作して、依頼の内容を入力する。リクエスト処理部611には、入力装置62から、ユーザの入力操作に応じた操作信号が入力される。リクエスト処理部611は、この操作信号に基づいて乗車リクエストデータ又は配車リクエストデータを生成する。
【0043】
入力装置62は、ユーザが入力操作を行うための装置である。表示装置63は、リクエスト処理部611に制御され、必要な情報を表示する。例えば、入力装置62は、表示装置63上に表示される情報に従って入力操作を行うことができるタッチパネルを用いることができる。
【0044】
通信装置64は、ネットワーク30を介して配車サービスサーバ20との間で通信を行う。通信装置64は、配車サービスサーバ20から所定のデータを受信したり、配車サービスサーバ20に対して所定のデータを送信したりする。例えば、通信装置64は、4G/LTE、5Gなどのモバイル通信機能を備えたデバイスであってもよいし、Wifi通信機能を備えたデバイスであってもよい。
【0045】
位置検出装置65は、ユーザ端末60、すなわち、ユーザの位置を検出し、ユーザの位置を示す位置データを制御装置61に出力する。位置検出装置65は、ユーザの絶対位置を検出するものであり、例えばGPS信号を受信するGPS受信部から構成される。
【0046】
以下、図5乃至図8を参照し、配車サービスシステム10における一連の処理の流れを説明する。以下の説明では、車両40には、荷物預けユーザによって荷物Bが預けられているものとする。また、乗車ユーザから乗車依頼があった場合、配車サービスサーバ20は、乗車ユーザに対して、荷物Bが預けられている車両40を配車する配車計画を決定するものとする。
【0047】
まず、荷物預けユーザのユーザ端末60から受取リクエストデータが送信されると、配車サービスサーバ20の通信装置23によって受信される(ステップS1)。通信装置23によって受取リクエストデータが受信されると、配車サービスサーバ20の制御装置21は、受取リクエストデータを受け付ける。受取リクエストデータには、荷物Bの受取依頼、荷預けユーザを識別するユーザID、荷物預けユーザの位置(現在地)などの情報が含まれている。
【0048】
制御装置21は、受取リクエストデータに含まれる受取依頼に基づいて、荷預けユーザが荷物Bの受け取りを依頼していることを認識する。そして、制御装置21は、受取リクエストデータに含まれる位置情報に基づいて、荷預けユーザの位置(現在地)を特定する(ステップS2)。併せて、制御装置21は、荷預けユーザのユーザIDに基づいて運行情報DB221を検索し、荷預けユーザが荷物Bを預けている車両40を特定する。そして、制御装置21は、車両40の位置(現在地)、及び車両40による乗車サービスの状況を特定する(ステップS2)。ただし、制御装置21は、通信装置23を用いて車両40と通信することで、車両40の位置と、車両40による乗車サービスの状況を取得してもよい。
【0049】
制御装置21は、乗車サービスの状況を参照し、車両40が乗車サービスの実行中又は車両40に乗車サービスの予定があることを判定した場合には(ステップS3でYes)、乗車サービスの配車計画を変更することなく受取計画を決定する(ステップS4)。ここで、車両40が乗車サービスの実行中とは、車両40が乗車ユーザに対する配車計画に従って走行していることをいう。車両40に乗車サービスの予定があるとは、乗車ユーザに対する配車計画が決定されているが、予約されているのみで、配車計画を実際に実行していないことをいう。
【0050】
図6を参照し、ステップS4の受取計画を決定する方法について詳細に説明する。まず、制御装置21は、配車計画で決定される車両40の走行経路、及び荷物預けユーザの周囲の交通情報を特定する(ステップS41)。
【0051】
車両40が乗車サービスの実行中である場合(ステップS42でYes)、制御装置21は、乗車サービス中の合流可能範囲を演算する(ステップS43)。乗車サービス中の合流可能範囲とは、荷物預けユーザと乗車サービス中の車両40とが合流することができる範囲をいう。具体的には、図7に示すよう、乗車サービス中の合流可能範囲Ajは、荷物預けユーザの移動可能範囲Ayと、配車計画における車両40の走行経路Rとが重複する範囲をいう。
【0052】
ここで、移動可能範囲Ayは、荷物預けユーザが、現在地から所定時間内に移動することができる範囲をいう。所定時間は、荷物預けユーザが荷物Bを受け取るために移動することができる移動時間の上限値であり、実験又はシミュレーションを通じて予め設定されている。荷預けユーザの移動は、徒歩などのといった自力での移動の他、電車又はバスなどの交通機関を利用した移動を含めてもよい。
【0053】
乗車サービス中の合流可能範囲がある場合(ステップS44でYes)、制御装置21は、合流可能範囲の中で、荷物Bを受け取る受取場所の候補となる候補地点を1つ以上設定する(ステップS45)。例えば、合流可能範囲の中で、車両40が停車することができるなどの条件を満たす地点が、候補地点として設定される。図7には、2つの候補地点P1、P2が示されている。
【0054】
また、制御装置21は、候補地点のそれぞれについて、荷物預けユーザが候補地点に到着するユーザ到着時刻と、車両40が候補地点に到着する車両到着時刻とを算出する。この演算には、交通情報から得られる渋滞などの要因も考慮される。そして、制御装置21は、ユーザ到着時刻と車両到着時刻との差を到着時間差として算出する。
【0055】
到着時間差が、到着時間差の上限を定めた所定時間内となる地点候補が存在する場合、制御装置21は、荷物預けユーザと車両40とが所定時間内に合流することができると判断する(ステップS46でYes)。制御装置21は、到着時間差が所定時間内となる候補地点を、受取場所として決定する(ステップS47)。加えて、制御装置21は、車両40が受取場所を通過する時刻を受取時刻として決定し(ステップS47)、乗車サービス中の受取を確定する(ステップS48)。
【0056】
到着時間差が所定時間内となる候補地点が複数ある場合、制御装置21は、到着時間差が短い候補地点を受取場所として設定する。また、ユーザ到着時刻が車両到着時刻よりも早い候補地点がある場合、制御装置21は、ユーザ到着時刻が車両到着時刻よりも早い候補地点を受取場所として設定する。また、ユーザ到着時刻が車両到着時刻よりも早い候補地点が複数ある場合には、制御装置21は、これらの候補地点の中で、到着時間差が最も短い候補地点を受取場所として優先的に設定する。
【0057】
一方、乗車サービス中の合流可能範囲がない場合(ステップS44でNo)、或いは荷物預けユーザと車両40とが所定時間内に合流することができない場合には(ステップS46でNo)、制御装置21は、乗車サービス終了後の合流可能範囲を演算する(ステップS49)。乗車サービス終了後の合流可能範囲は、乗車サービス終了後の車両40と、荷物預けユーザとが合流することができる範囲をいう。具体的には、乗車サービス終了後の合流可能範囲は、乗車サービス終了後に車両40が走行することができる走行経路と、ユーザの移動可能範囲とが重複する範囲を言う。
【0058】
制御装置21は、乗車サービス終了後の合流可能範囲の中で、受取場所を決定する(ステップS50)。例えば、制御装置21は、乗車サービス終了後の合流可能範囲の中で、荷物預けユーザにとってメリットがある地点を受取場所として決定する。荷物預けユーザにとってメリットがある地点とは、荷物預けユーザの移動方向に存在すること、荷物預けユーザの移動時間が短いこと、荷物預けユーザの移動経路が単純であること、ユーザ到着時刻と車両到着時刻との差が短いことなどの要件を満たす地点をいう。加えて、制御装置21は、車両40が受取場所を通過する時刻を受取時刻として決定し(ステップS50)、乗車サービス終了後の受取を確定する(ステップS51)。
【0059】
これに対して、車両40が乗車サービスの予定がある場合には(ステップS42でYes)、乗車サービス前に荷物Bの受け取りを行うものとして、制御装置21は、最短の合流可能範囲を演算する(ステップS52)。最短の合流可能範囲は、乗車サービス実行前の車両40と、荷物預けユーザとが合流することができる範囲をいう。具体的には、最短の合流可能範囲は、乗車サービス実行前に車両40が走行することができる走行経路と、ユーザの移動可能範囲とが重複する範囲をいう。
【0060】
制御装置21は、最短の合流可能範囲に受取場所を設定したと仮定し、予定されている乗車サービスの配車計画に変更が発生するかどうかを判断する。予定されている乗車サービスの配車計画に変更が発生する場合には(ステップS53でNo)、乗車サービス中に荷物Bの受け取りを行うものとして、上述したステップS43の処理に進む。一方、予定されている乗車サービスの配車計画に変更が発生しない場合には(ステップS53でYes)、乗車サービス前に荷物Bの受け取りを行うものとして、ステップS54の処理に進む。
【0061】
制御装置21は、最短の合流可能範囲の中で、受取場所を決定する(ステップS54)。そして、制御装置21は、荷物預けユーザにとってメリットがある地点を受取場所として決定する。荷物預けユーザにとってメリットがある地点とは、荷物預けユーザの移動方向に存在すること、荷物預けユーザの移動時間が短いこと、荷物預けユーザの移動経路が単純であること、ユーザ到着時刻と車両到着時刻との差が短いことなどの要件を満たす地点をいう。加えて、制御装置21は、車両40が受取場所を通過する時刻を受取時刻として決定し(ステップS54)、即時の受取を確定する(ステップS55)。
【0062】
再び図5を参照し、車両40が乗車サービスの実行中でもなく、且つ乗車サービスの予定もない場合には(ステップS3でNo)、制御装置21は、荷物Bの受け取りを即時に行うものとして、即時受取の受取計画を決定する(ステップS5)。即時受取の受取計画を決定する処理は、図6に示す、ステップS52、S54及びS55の処理と同様である。
【0063】
受取計画が決定すると、制御装置21は、通信装置23から、荷物預けユーザのユーザ端末60に対して受取通知データを送信する(ステップS6)。この受取通知データは、荷物預けユーザに対して、受取計画が決定したことを通知する通知情報を含んでいる。受取通知データがユーザ端末60の通信装置64によって受信されると、ユーザ端末60の制御装置61は、通知情報を表示装置63に表示する。
【0064】
図8に示すように、通知情報は、荷物預けユーザに受取場所への移動を案内する案内情報を含む。案内情報は、例えば荷物預けユーザの現在地から受取場所までの移動経路の情報であるが、これに限らない。また、通知情報は、受取場所、受取時刻、受取場所までの歩行時間、受取場所での車両40の待ち時間などの情報を含んでいる。荷物預けユーザが入力装置62を操作して、通知情報に示された受取計画を承認(確定)した場合には、制御装置61は、通信装置64を介して、承認データを配車サービスサーバ20に送信する。図8では、乗車サービス中の受取が確定したときの通知情報を例示している。
【0065】
配車サービスサーバ20の通信装置23が承認データを受信すると(ステップS7のYes)、制御装置21は、乗車ユーザに対する配車計画に受取場所及び受取時刻を反映して、配車計画を更新する。そして、制御装置21は、通信装置23を介して、更新した配車計画を含む配車計画データを車両40に送信する(ステップS8)。また、制御装置21は、通信装置23を介して、所定の報知情報を含む報知データを乗車ユーザのユーザ端末60に送信する(ステップS9)。この報知情報は、乗車ユーザが車両に乗車している最中に荷物Bの受け取りが行われることを報知する情報である。
【0066】
一方、配車サービスサーバ20の通信装置23が承認データを受信しない場合には(ステップS7のNo)、制御装置21は、受取計画を破棄する。
【0067】
このように本実施形態において、配車サービスサーバ20は、荷物預けユーザのユーザ端末60から受取リクエストデータを受信した場合、荷物Bが預けられている車両40が乗車ユーザに対する配車計画を実行しているか否かを判断する。車両40が乗車サービス、すなわち、乗車ユーザに対する配車計画を実行している場合、配車サービスサーバ20は、受取場所及び受取時刻を設定する。具体的には、配車サービスサーバ20は、荷物預けユーザの位置に基づいて、配車計画における車両40の走行経路上に受取場所を設定する。また、配車サービスサーバ20は、車両40が受取場所を通過する時刻を受取時刻として設定する。
【0068】
この構成によれば、乗車ユーザが車両40に乗車中であっても、乗車ユーザの配車計画を変更することなく、荷物預けユーザが荷物Bの受け取りを行うことができる。これにより、荷物Bを載せた車両40を乗車ユーザに対して配車したとしても、荷物預けユーザが荷物Bを受け取ることができる。その結果、配車サービスの機会を向上させることができるので、車両40を効率的に活用することができる。
【0069】
本実施形態において、配車サービスサーバ20は、乗車サービス中の合流可能範囲、すなわち、荷物預けユーザの移動可能範囲と車両40の走行経路とが重複する重複範囲に、受取場所の候補となる候補地点を1つ以上設定している。
【0070】
この構成によれば、1つ以上の候補地点を設定することができるので、荷物預けユーザが荷物Bを受け取れる機会を増やすことができる。これにより、荷物Bを載せた車両40を乗車ユーザに対して配車することが可能となる。その結果、配車サービスの機会を向上させることができるので、車両40を効率的に活用することができる。
【0071】
本実施形態において、配車サービスサーバ20は、候補地点のそれぞれについて、ユーザ到着時刻と車両到着時刻とを算出している。そして、配車サービスサーバ20は、1つ以上の候補地点のうち、ユーザ到着時刻が車両到着時刻よりも早くなる候補地点を、受取場所として設定することが好ましい。
【0072】
この構成によれば、荷物預けユーザが先に到着することができる候補地点が受取場所となるので、乗車ユーザが車両40に乗ったまま荷物預けユーザの到着を待つといった事態を抑制することができる。そのため、配車計画で決定された通りの配車サービスを乗車ユーザに提供することができるので、乗車ユーザが安心して乗車を依頼することができる。これにより、配車サービスの機会を向上させることができるので、車両40を効率的に活用することができる。
【0073】
本実施形態において、配車サービスサーバ20は、荷物預けユーザに受取場所への移動を案内する受取通知データを生成し、荷物預けユーザのユーザ端末60に送信する。この構成によれば、荷物預けユーザは、ユーザ端末より案内情報を参照することで、受取場所へとスムーズに向かうことができる。
【0074】
本実施形態において、配車サービスサーバ20は、乗車サービス中の合流可能範囲が存在しない場合には、乗車ユーザに対する配車計画の実行が完了した後に荷物預けユーザが荷物Bを受け取るように受取計画を決定する。この構成によれば、乗車ユーザに対する配車計画の実行が優先して行われるので、配車計画で決定された通りの配車サービスを乗車ユーザに提供することができる。これにより、乗車ユーザが安心して乗車を依頼することができる。配車サービスの機会を向上させることができるので、車両40を効率的に活用することができる。
【0075】
配車サービスサーバ20は、配車計画における車両40の走行経路上に受取場所が設定された場合、乗車ユーザが車両40に乗車している最中に荷物Bの受け取りが行われることを報知する報知データを生成し、乗車ユーザのユーザ端末60に送信する。この構成によれば、乗車ユーザは、ユーザ端末より報知情報を参照することで、荷物預けユーザにより荷物の受け取りが行われることを事前に把握することができる。これにより、乗車ユーザにとって不意打ちに荷物Bの受け取りが行われるといった事態を抑制することができるので、乗車ユーザが安心して乗車を依頼することができる。配車サービスの機会を向上させることができるので、車両40を効率的に活用することができる。
【0076】
また、本実施形態に開示する配車サービスシステム及び配車支援方法も、配車サービスサーバ20(配車支援装置)と同様、乗車ユーザが車両40に乗車中であっても、乗車ユーザの配車計画を変更することなく、荷物預けユーザが荷物Bの受け取りを行うことができる。これにより、荷物Bを載せた車両40を乗車ユーザに対して配車したとしても、荷物預けユーザが荷物Bを受け取ることができる。その結果、配車サービスの機会を向上させることができるので、車両40を効率的に活用することができる。
【0077】
なお、上述した実施形態では、配車サービスシステム10が、配車サービスサーバ20、車両40、及びユーザ端末60から構成されている。しかしながら、配車サービスサーバ20を省略し、この配車サービスサーバ20が実現する機能を、車両40又はユーザ端末60が担ってもよい。例えば車両40が配車サービスサーバ20の機能を実現する場合、車両40は通信装置42を用いて、ユーザ端末60から配車リクエストデータを受信する。また、例えばユーザ端末60が配車サービスサーバ20の機能を実現する場合、ユーザ端末60は、ユーザ端末60の入力装置62を用いて、受取リクエストデータを受信する。
【0078】
また、本実施形態では、配車サービスサーバ20は、ユーザに車両40を配車する装置として実現されている。しかしながら、配車サービスサーバ20は、ユーザに車両40を配車するためのデータを生成する装置として実現され、輸送サービスを提供する事業者のサーバに生成したデータを提供するものであってもよい。
【0079】
また、本実施形態では、ソフトウェアによって制御装置21、41、61が備える複数の情報処理回路を実現する例を示すが、もちろん、各情報処理回路の機能を実現するための専用のハードウェアを用意して、情報処理回路を構成することも可能である。また、複数の情報処理回路を個別のハードウェアにより構成してもよい。
【0080】
上記のように、本発明の実施形態を記載したが、この開示の一部をなす論述及び図面はこの発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施の形態、実施例及び運用技術が明らかとなろう。
【符号の説明】
【0081】
10 配車サービスシステム
20 配車サービスサーバ(配車支援装置)
21 制御装置
211 データ受付部
212 配車計画決定部
213 受取計画決定部
22 記憶装置
221 運行情報DB
23 通信装置(受信部、第1送信部、第2送信部)
40 車両
41 制御装置
42 通信装置
60 ユーザ端末
61 制御装置
62 入力装置
63 表示装置
64 通信装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8