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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-25
(45)【発行日】2025-01-09
(54)【発明の名称】監視装置
(51)【国際特許分類】
   G03B 11/04 20210101AFI20241226BHJP
   G03B 15/00 20210101ALI20241226BHJP
   G03B 15/02 20210101ALI20241226BHJP
   G03B 17/56 20210101ALI20241226BHJP
   G03B 17/02 20210101ALI20241226BHJP
   H04N 23/52 20230101ALI20241226BHJP
   H04N 23/50 20230101ALI20241226BHJP
   H04N 23/56 20230101ALI20241226BHJP
【FI】
G03B11/04 Z
G03B15/00 S
G03B15/02 M
G03B17/56 H
G03B17/02
H04N23/52
H04N23/50
H04N23/56
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2021085661
(22)【出願日】2021-05-20
(65)【公開番号】P2022178696
(43)【公開日】2022-12-02
【審査請求日】2023-12-20
(73)【特許権者】
【識別番号】000115854
【氏名又は名称】リンナイ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000110
【氏名又は名称】弁理士法人 快友国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】水野 達彦
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 裕康
(72)【発明者】
【氏名】土橋 洋樹
【審査官】池田 博一
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2004/0075739(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2019/0114935(US,A1)
【文献】欧州特許出願公開第4215821(EP,A1)
【文献】国際公開第2010/029727(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03B 11/04
G03B 15/00
G03B 15/02
G03B 17/56
G03B 17/02
H04N 23/52
H04N 23/50
H04N 23/56
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
被監視物を監視するために設置される監視装置であって、
ケーシングと、
前記ケーシングの内部に収容されており、撮像レンズを有し前記被監視物を撮像する撮像部と、
前記撮像レンズの光軸に沿う方向で前記撮像レンズを覆っており、前記ケーシングに着脱可能に取り付けられた、前記撮像部が検出可能な光を透過する第1カバー体と、
前記ケーシング内に設けられており、前記撮像レンズの前記光軸に沿う方向で前記撮像レンズを覆う閉位置と、前記撮像レンズの前記光軸に沿う方向で前記撮像レンズを覆わない開位置の間で移動可能な第2カバー体と、
前記第2カバー体を前記閉位置と前記開位置の間で移動させる開閉機構を備えた監視装置において、
前記開閉機構は、前記第1カバー体が前記ケーシングから取り外される場合に、前記第2カバー体を前記開位置から前記閉位置に自動的に移動させるように構成されている、監視装置。
【請求項2】
前記開閉機構は、前記第1カバー体が前記ケーシングに取り付けられる場合に、前記第2カバー体を前記閉位置から前記開位置に自動的に移動させるように構成されている、請求項1の監視装置。
【請求項3】
前記第1カバー体の前記ケーシングからの着脱を検知する第1カバー体着脱検知手段と、
報知手段と、をさらに備え、
前記報知手段は、前記撮像部が前記被監視物を撮像する際、前記第1カバー体着脱検知手段によって、前記第1カバー体が前記ケーシングに取り付けられていないことを検知した場合に、前記第1カバー体が前記ケーシングに取り付けられていないことを報知するように構成されている、請求項1または2の監視装置。
【請求項4】
前記第2カバー体は、前記第1カバー体よりも前記撮像部が検出可能な前記光を透過しにくく、
前記第1カバー体着脱検知手段は、前記撮像部により撮像された画像に基づいて、前記第1カバー体が取り付けられているか否かを判断するように構成されている、請求項3の監視装置。
【請求項5】
前記ケーシング内に設けられており、前記第2カバー体が前記閉位置と前記開位置の間で移動する際に、前記第2カバー体に摺接して前記第2カバー体を清掃する清掃部をさらに備える、請求項1から4の何れか一項の監視装置。
【請求項6】
前記被監視物は、加熱調理器を含んでおり、
前記監視装置は、前記加熱調理器を上方から撮像するように構成されている、請求項1から5の何れか一項の監視装置。
【請求項7】
前記被監視物に前記撮像部が検出可能な前記光を照射する光照射器をさらに備えており、
前記第1カバー体は、前記ケーシングに取り付けられた場合に、前記光照射器の光軸に沿う方向で前記光照射器を覆っている、請求項1から6の何れか一項の監視装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、監視装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、被監視物を監視する監視装置であって、ケーシングと、前記ケーシングの内部に収容されており、撮像レンズを有し前記被監視物を撮像する撮像部と、前記撮像レンズの光軸に沿う方向で前記撮像レンズを覆っており、前記ケーシングに着脱可能に取り付けられた、前記撮像部が検出可能な光を透過するカバー体と、を備えた監視装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2016-004248号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の監視装置では、撮像部の撮像レンズに汚れ(例えば、埃など)が付着した場合には清掃する必要があるが、監視装置が取り付けられる場所によっては、撮像レンズは清掃しにくい。これに対し、撮像レンズを覆うようにケーシングに取り外し可能なカバー体を設けて、撮像レンズに汚れが付着することを防ぎ、汚れが付着したカバー体を取り外して清掃することが考えられる。しかしながら、カバー体を取り外して清掃した後、ケーシングに取り付けることを忘れたまま監視装置が使用された場合には、結局、撮像レンズに汚れが付着してしまう。本明細書では、監視装置において、撮像レンズに汚れが付着することを防止することが可能な技術を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本明細書では、監視装置を開示する。監視装置は、被監視物を監視するために設置されていてもよい。前記監視装置は、ケーシングと、前記ケーシングの内部に収容されており、撮像レンズを有し前記被監視物を撮像する撮像部と、前記撮像レンズの光軸に沿う方向で前記撮像レンズを覆っており、前記ケーシングに着脱可能に取り付けられた、前記撮像部が検出可能な光を透過する第1カバー体と、前記ケーシング内に設けられており、前記撮像レンズの前記光軸に沿う方向で前記撮像レンズを覆う閉位置と、前記撮像レンズの前記光軸に沿う方向で前記撮像レンズを覆わない開位置の間で移動可能な第2カバー体と、前記第2カバー体を前記閉位置と前記開位置の間で移動させる開閉機構を備えていてもよい。前記開閉機構は、前記第1カバー体が前記ケーシングから取り外される場合に、前記第2カバー体を前記開位置から前記閉位置に自動的に移動させるように構成されていてもよい。
【0006】
上記の監視装置では、ケーシング内に第2カバー体が設けられており、第1カバー体が取り外されている場合でも、代わりに第2カバー体によって撮像レンズを覆うことができる。また、上記の監視装置では、第1カバー体が取り外される場合に、開閉機構(例えば、バネやモータなどを用いた機構)によって、第2カバー体を、撮像レンズを覆わない開位置から撮像レンズを覆う閉位置に自動的に移動させることができる。このような構成とすることによって、撮像レンズが第1カバー体や第2カバー体によって覆われていない状態で監視装置が使用されることを防ぐことができ、撮像レンズに汚れが付着することを防止することができる。
【0007】
前記開閉機構は、前記第1カバー体が前記ケーシングに取り付けられる場合に、前記第2カバー体を前記閉位置から前記開位置に自動的に移動させるように構成されていてもよい。
【0008】
第1カバー体を取り外した後、ケーシングに取り付けることを忘れたまま監視装置が使用されると、第2カバー体に汚れが付着することがある。上記の構成によれば、ケーシングへの第1カバー体の取り付けに連動して、第2カバー体が撮像レンズを覆う閉位置から撮像レンズを覆わない開位置に自動的に移動するため、第2カバー体に汚れが付着した場合であっても、監視装置の使用時に第2カバー体が撮像に影響を及ぼすことを防ぐことができる。
【0009】
前記監視装置は、前記第1カバー体の前記ケーシングからの着脱を検知する第1カバー体着脱検知手段と、報知手段と、をさらに備えていてもよい。前記報知手段は、前記撮像部が前記被監視物を撮像する際、前記第1カバー体着脱検知手段によって、前記第1カバー体が前記ケーシングに取り付けられていないことを検知した場合に、前記第1カバー体が前記ケーシングに取り付けられていないことを報知するように構成されていてもよい。
【0010】
第1カバー体を取り外した後、ケーシングに取り付けることを忘れたまま監視装置が使用されると、第2カバー体に汚れが付着することがある。上記の構成によれば、第1カバー体の取り付け忘れにより第2カバー体に汚れが付着することを防止することができる。
【0011】
前記第2カバー体は、前記第1カバー体よりも前記撮像部が検出可能な前記光を透過しにくいものであってもよい。前記第1カバー体着脱検知手段は、前記撮像部により撮像された画像に基づいて、前記第1カバー体が取り付けられているか否かを判断するように構成されていてもよい。
【0012】
撮像部は、第1カバー体が取り付けられている場合には第1カバー体を通して被監視物を撮像し、そうでない場合には第2カバー体を通して被監視物を撮像する。上記の構成によれば、第1カバー体着脱検知手段は、撮像された画像(例えば、画像の平均輝度など)に基づいて撮像レンズを覆うカバー体が第1カバー体であるのか、あるいは第2カバー体であるのかを判別することにより、第1カバー体が取り付けられているか否かを判断できる。このような構成とすることによって、第1カバー体の着脱を検知するための特別な機構を設けることなく、第1カバー体が取り付けられているか否かを判断することができる。
【0013】
監視装置は、前記ケーシング内に設けられており、前記第2カバー体が前記閉位置と前記開位置の間で移動する際に、前記第2カバー体に摺接して前記第2カバー体を清掃する清掃部をさらに備えていてもよい。
【0014】
第1カバー体を取り外した後、ケーシングに取り付けることを忘れたまま監視装置が使用されると、第2カバー体に汚れが付着することがある。上記の構成によれば、第2カバー体に汚れが付着した場合であっても、第2カバー体が閉位置と開位置の間で移動する際に、清掃部によって第2カバー体を清掃することができる。
【0015】
前記被監視物は、加熱調理器を含んでもよい。前記監視装置は、前記加熱調理器を上方から撮像するように構成されていてもよい。
【0016】
監視装置が加熱調理器の上方に配置されている場合、加熱調理器からの油煙によって監視装置が汚れやすい。上記の構成によれば、第1カバー体または第2カバー体によって、監視装置の撮像レンズに加熱調理器からの油煙などの汚れが付着することを防止することができる。
【0017】
監視装置は、前記被監視物に前記撮像部が検出可能な前記光を照射する光照射器をさらに備えていてもよい。前記第1カバー体は、前記ケーシングに取り付けられた場合に、前記光照射器の光軸に沿う方向で前記光照射器を覆っていてもよい。
【0018】
上記の構成では、光照射器によって撮像部が被監視物を撮像する際に必要な光量を確保することができるとともに、監視装置の使用時に光照射器に汚れが付着することを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】実施例1に係るレンジフード1および加熱調理器100を模式的に示す図である。
図2】実施例1に係るレンジフード1において、第1カバー体21がケーシング2に取り付けられている状態でレンジフード1を下方から見た場合の、カメラ3および照明部4が配置されている部分の拡大図である。
図3】実施例1に係るレンジフード1において、第1カバー体21がケーシング2に取り付けられている状態における、ケーシング2の近傍を図2のIII-III断面で見た断面図である。
図4】実施例1に係るレンジフード1において、図4の状態からスライド爪部20bをスリット2bを覆わない位置にスライドさせた直後の状態における、ケーシング2の近傍を図2のIII-III断面で見た断面図である。
図5】実施例1に係るレンジフード1において、第1カバー体21がケーシング2から取り外されている状態における、ケーシング2の近傍を図2のIII-III断面で見た断面図である。
図6】実施例1の変形例に係るレンジフード1において、第1カバー体21がケーシング2に取り付けられている状態における、ケーシング2の近傍を図2のIII-III断面で見た断面図である。
図7】実施例1に係るレンジフード1および加熱調理器100のブロック図である。
図8】実施例1に係るレンジフード1の制御部5によって実行される加熱調理器監視処理を示すフローチャートである。
図9】実施例2に係るレンジフード1において、第1カバー体21がケーシング2に取り付けられている状態でレンジフード1を下方から見た場合の、カメラ3および照明部4が配置されている部分の拡大図である。
図10】実施例2に係るレンジフード1において、第1カバー体21がケーシング2に取り付けられている状態における、ケーシング2の近傍を図9のX-X断面で見た断面図である。
図11】実施例2に係るレンジフード1において、第1カバー体21がケーシング2から取り外されている状態における、ケーシング2の近傍を図9のX-X断面で見た断面図である。
図12】実施例2に係るレンジフード1の制御部5によって実行される加熱調理器監視処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0020】
(実施例1)
図1に示すように、本実施例に係るレンジフード1は、被監視物である加熱調理器100を監視する監視装置として機能する。レンジフード1は、ケーシング2、カメラ3、照明部4を備えている。加熱調理器100は、コンロバーナ101、操作部102を備えている。
【0021】
コンロバーナ101は、加熱調理器100の上部に配置されている。コンロバーナ101では、調理器具などを載置して、調理を行うことができる。操作部102は、加熱調理器100の前面に配置されている。操作部102は、コンロバーナ101における点火、消火、火力調節に係る操作を実行できる。なお、本実施例における前後方向、上下方向および左右方向は、いずれも、加熱調理器100から見た前後方向、上下方向および左右方向を意味している。このため、本実施例における前後方向、左右方向は、加熱調理器100の前方に立って加熱調理器100を利用する利用者から見た前後方向、左右方向とは異なることに注意されたい。
【0022】
レンジフード1において、ケーシング2は、レンジフード1の下部に、加熱調理器100に対向して設けられている。ケーシング2は、その内部にカメラ3と照明部4を収容している。カメラ3は、ケーシング2の中心部において、加熱調理器100を上方から撮像するように配置されている。照明部4は、カメラ3の両側で、加熱調理器100を上方から照らすように配置されている。
【0023】
カメラ3は、加熱調理器100のコンロバーナ101の周囲の様子を撮像でき、調理時には、コンロバーナ101における調理の様子を撮像することができる。照明部4は、加熱調理器100のコンロバーナ101の周囲に光を照射することができる。照明部4が光を照射することによって、カメラ3によるコンロバーナ101の撮像の際に、十分な光量を確保することができる。
【0024】
図2に示すように、ケーシング2は、カメラ3および照明部4の下方を除くすべての側面を覆っている。ケーシング2の下方には、第1カバー体21が、カメラ3および照明部4を覆うように取り付けられている。カメラ3のカメラレンズ3aおよび照明部4は、それぞれ、光軸がレンジフード1の下方に向くように配置されている。
【0025】
第1カバー体21がケーシング2に取り付けられている場合には、カメラレンズ3aおよび照明部4は、ケーシング2と第1カバー体21によって周囲を覆われているので、カメラレンズ3aおよび照明部4に汚れが付着することが防止される。なお、第1カバー体21は、本実施例においては、可視光を透過するものであり、カメラ3による撮像の妨げとはならない。
【0026】
図3に示すように、レンジフード1は、開閉機構20、第2カバー体22、クリーナ23をさらに備える。ケーシング2は、後面に第2カバー体22が通過可能なスリット2aを有しており、前面に第1カバー体21が通過可能なスリット2bを有している。第2カバー体22は、スリット2aに後方から挿入されている。第1カバー体21がスリット2bの前方から挿入されると、第1カバー体21の後端が第2カバー体22の前端に係合する。開閉機構20は、ねじりコイルバネ20aとスライド爪部20bから構成されている。ねじりコイルバネ20aは、一端がレンジフード1に固定され、他端が第2カバー体22に固定されている。ねじりコイルバネ20aは、第2カバー体22を後方から前方に向けて押し出す方向に第2カバー体22を付勢する。第1カバー体21の後端が第2カバー体22の前端に係合した状態で、第1カバー体21が前方から後方へ向けて押し込まれると、ねじりコイルバネ20aの付勢力に抗して、第2カバー体22も前方から後方へ向けて押し込まれる。スライド爪部20bは、ケーシング2の前面の外側に摺動可能に取り付けられている。図3に示すように、第1カバー体21が前端までスリット2bに挿入された状態で、スライド爪部20bがスリット2bを覆う位置までスライド爪部20bをスライドさせると、スライド爪部20bが第1カバー体21の前端に当接する。図3に示す状態では、第1カバー体21がケーシング2に取り付けられているとともに、第2カバー体22が、カメラレンズ3aの光軸に沿う方向でカメラレンズ3aを覆わない位置(開位置)に保持されている。クリーナ23は、スリット2aの後方近傍において第2カバー体22の下面に当接するように配置されている。第2カバー体22が前後方向に移動する場合には、第2カバー体22の下面がクリーナ23に摺接しながら移動することにより、クリーナ23は第2カバー体22の下面を清掃することができる。
【0027】
図3に示す状態では、可視光を透過する第1カバー体21がカメラレンズ3aの光軸に沿う方向でカメラレンズ3aを覆っている。このため、カメラレンズ3aに汚れが付着することを防止しつつ、カメラ3による撮像が可能となっている。また、図3に示す状態では、可視光を透過する第1カバー体21が照明部4の光軸に沿う方向で照明部4を覆っている。このため、照明部4に汚れが付着することを防止しつつ、照明部4により照明が可能となっている。
【0028】
図4に示すように、図3に示す状態から、スライド爪部20bを、スリット2bを覆わない位置にスライドさせると、ねじりコイルバネ20aの付勢力によって、第2カバー体22および第1カバー体21が前方向に押し出される。なお、図4に示す状態でも、第1カバー体21と第2カバー体22が係合した状態で前方向に移動することから、第1カバー体21および第2カバー体22によって、カメラレンズ3aの光軸に沿う方向でカメラレンズ3aが覆われており、照明部4の光軸に沿う方向で照明部4が覆われているので、カメラレンズ3aや照明部4に汚れが付着することが防止されている。このとき、第2カバー体22は前方向に移動するため、クリーナ23によって第2カバー体22の下面が清掃される。
【0029】
第2カバー体22はスリット2aよりも幅の広いストッパ部22aを有している。このため、図4に示す状態から、さらに第2カバー体22および第1カバー体21が前方向に押し出されると、図5に示すように、第1カバー体21がスリット2bから完全に抜け出るとともに、第2カバー体22のストッパ部22aがケーシング2の後面に当接する。図5に示す状態では、第1カバー体21がケーシング2から取り外されているとともに、第2カバー体22は、カメラレンズ3aの光軸に沿う方向でカメラレンズ3aを覆う位置(閉位置)に保持される。また、図5に示す状態では、第2カバー体22が照明部4の光軸に沿う方向で照明部4を覆っている。
【0030】
第2カバー体22は、本実施例においては、可視光を透過するものの、第1カバー体21よりも可視光を透過しにくいものである。したがって、第2カバー体22が閉位置にあるとき、カメラ3は第2カバー体22越しに外部(加熱調理器100など)を撮像することになる。この場合、カメラ3によって撮像される画像の平均輝度は、第1カバー体21越しに撮像した場合に比べて低くなる。なお、図5に示す状態でも、第2カバー体22によって、カメラレンズ3aや照明部4に汚れが付着することが防止されている。
【0031】
図5に示す状態から、第1カバー体21を取り付ける際には、図4に示すように、スリット2bの前方から第1カバー体21を挿入して、第1カバー体21の後端が第2カバー体22の前端に係合した状態で、第1カバー体21を前方から後方へ向けて押し込む。このとき、第2カバー体22は後方向に移動するため、クリーナ23によって第2カバー体22の下面が清掃される。
【0032】
図4に示す状態から、さらに第1カバー体21を前方から後方へ押し込み、図3に示すように、第1カバー体21が前端までスリット2bに挿入された状態で、スライド爪部20bがスリット2bを覆う位置までスライド爪部20bをスライドさせることで、第1カバー体21をケーシング2に取り付け、第2カバー体22を閉位置に保持することができる。
【0033】
なお、開閉機構20は、ねじりコイルバネ20aとスライド爪部20bから構成されていなくてもよく、例えば、図6に示すように、スライド爪部20bのみで構成されていてもよい。図6に示す例では、カメラ3のカメラレンズ3aの光軸が後方下方を向いており、ケーシング2の開口部が下方に対して傾けて配置されている。この場合、第1カバー体21が取り外されたときには、第2カバー体22の自重によって、第2カバー体22が開位置から閉位置に移動する。
【0034】
図7に示すように、加熱調理器100は、制御部103、報知部104、通信部105をさらに備えている。
【0035】
制御部103は、図示しないCPU、メモリ、インタフェース回路等により構成された電子回路ユニットである。制御部103は、コンロバーナ101、操作部102、報知部104、通信部105の動作を制御することができる。制御部103は、メモリに記憶された各種のプログラムに従って、加熱調理器100を動作させるための各種の処理を実行する。
【0036】
報知部104は、加熱調理器100の動作状態に関する表示や、危険などの報知に係る表示をすることができる。特に、本実施例においては、音声によって利用者に危険や注意を報知することができる。
【0037】
通信部105は、例えばBluetooth(登録商標)などの近距離無線通信によって、後述する通信部8との間で通信を行うことができる。
【0038】
レンジフード1は、制御部5、画像処理部6、報知部7、通信部8、をさらに備えている。
【0039】
制御部5は、図示しないCPU、メモリ、インタフェース回路等により構成された電子回路ユニットである。制御部5は、カメラ3、照明部4、画像処理部6、報知部7、通信部8の動作を制御することができる。制御部5は、メモリに記憶された各種のプログラムに従って、レンジフード1を動作させるための各種の処理を実行する。特に、本実施例においては、制御部5は、後述する加熱調理器監視処理を実行することができる。
【0040】
画像処理部6は、カメラ3で撮像された画像に基づいて、画像処理を行うことができる。特に、本実施例においては、画像処理部6は、カメラ3で撮像された画像データの平均輝度値を抽出することができる。
【0041】
報知部7は、レンジフード1の動作状態に関する表示や、危険などの報知に係る表示をすることができる。特に、本実施例においては、報知部7は、音声によって利用者に危険や注意を報知することができる。
【0042】
通信部8は、例えばBluetoothなどの近距離無線通信によって、通信部105との間で通信を行うことができる。
【0043】
レンジフード1の制御部5は、図8に示す加熱調理器監視処理を実行する。
【0044】
ステップ150において、制御部5は、加熱調理器100においてコンロバーナ101をONにする操作を行ったという情報が、通信部8で受信されたか否か判定する。ステップ150が否定された場合には、ステップ150を再度繰り返す。ここで、ステップ150が繰り返されている状態を、レンジフード1の待機状態とする。また、ステップ150が肯定された場合には、ステップ151に移行する。なお、本実施例のように、ステップ150において、制御部5は、加熱調理器100のコンロバーナ101をONにする操作を行ったという情報が、通信部8で受信されたか否かを判定するのではなく、加熱調理器100に電源を投入する操作を行ったという情報が、通信部8で受信されたか否かを判定するものであってもよい。
【0045】
ステップ151において、制御部5は、照明部4をONにする。照明部4は、加熱調理器100のコンロバーナ101の周囲に光を照射することによって、カメラ3によるコンロバーナ101の撮像の際に、十分な光量を確保する。
【0046】
ステップ152において、制御部5は、第1カバー体21がケーシング2に取り付けられているか否か判定する。本実施例では、制御部5は、カメラ3で撮像した画像に基づいて、画像処理部6で画像の平均輝度を抽出し、その平均輝度が予め設定した閾値以上である場合に、第1カバー体21がケーシング2に取り付けられていると判定し、平均輝度が閾値に満たない場合に、第1カバー体21がケーシング2に取り付けられていないと判定する。なお、第1カバー体21が取り外されている場合には、カメラレンズ3aの光軸に沿う方向は、可視光を透過しにくい第2カバー体22で覆われるため、上記の閾値は、第2カバー体22がカメラレンズ3aの光軸に沿う方向でカメラレンズ3aを覆っている場合に撮像される画像の平均輝度よりも高い値に設定される。
【0047】
ステップ152の判定が否定された場合には、ステップ153に移行する。ステップ153において、制御部5は、報知部7によって、カメラ3が無効になっている旨の音声を再生する。これによって、第1カバー体21の取り付け忘れを使用者に気づかせることができる。さらには、第2カバー体22がカメラレンズ3aを覆った状態で加熱調理器100が使用されて、第2カバー体22に汚れが付着することを防止することができる。ステップ153の後、処理はステップ152に戻る。
【0048】
ステップ152の判定が肯定された場合には、ステップ154に移行する。ステップ154において、制御部5は、報知部7によって、カメラ3が有効になっている旨の音声を再生する。なお、制御部5は、報知部7によって、カメラ3が有効になっている旨の音声を再生しなくてもよい。すなわち、制御部5は、ステップ154を省略してもよい。
【0049】
その後、ステップ155に移行し、ステップ155において、制御部5は、メイン処理を実行する。ここでいうメイン処理とは、カメラ3での撮像データを利用した加熱調理器100の監視に関する処理であり、例えば、調理容器の大きさの検出や、物体の侵入検知、監視結果に応じた加熱調理器100への火力調整指示などである。なお、メイン処理においても、制御部5は、ステップ152と同様に、第1カバー体21がケーシング2に取り付けられているか否かを常に判定し、この判定が否定された場合には、ステップ153と同様に、報知部7によって、カメラ3が無効になっている旨の音声を再生する、という処理を実行する。
【0050】
次のステップ156において、制御部5は、加熱調理器100において、コンロバーナ101をOFFにする操作を行ったという情報が、通信部8で受信されたか否か判定する。ステップ156が否定された場合には、ステップ155のメイン処理に戻る。ステップ156が肯定された場合には、ステップ157に移行する。ステップ157において、制御部5は、照明部4をOFFにする。その後ステップ150に移行し、待機状態となる。なお、本実施例のように、ステップ156において、制御部5は、加熱調理器100のコンロバーナ101をOFFにする操作を行ったという情報が、通信部8で受信されたか否かを判定するのではなく、加熱調理器100の電源を遮断する操作を行ったという情報が、通信部8で受信されたか否かを判定するものであってもよい。
【0051】
(実施例2)
本実施例に係るレンジフード1は、実施例1に係るレンジフード1と略同様の構成を備えている。以下では、本実施例のレンジフード1について、実施例1のレンジフード1と相違する点について説明する。
【0052】
図9に示すように、本実施例のレンジフード1では、ケーシング2の右方内部にモータ24がさらに備えられている。モータ24の駆動によって、第2カバー体22が開位置・閉位置に移動される。また、図10図11に示すように、本実施例のレンジフード1では、ケーシング2の前方内部にマイクロスイッチ25がさらに備えられている。マイクロスイッチ25は、第1カバー体21が取り付けられた状態ではONとなり、第1カバー体21が取り外された状態ではOFFとなる。モータ24とマイクロスイッチ25は、それぞれ、制御部5(図7参照)に電気的に接続されている。本実施例では、制御部5とモータ24が開閉機構20を構成している。
【0053】
図10に示すように、本実施例では、第2カバー体22の外面は円柱面になっており、この円柱面の中心軸と、モータ24の回転軸が一致するように配置されている。モータ24は、第2カバー体22の円柱面の中心軸周りに第2カバー体22を回転させるものである。クリーナ23は、第2カバー体22の外面に当接するように、ケーシング2の後方内部に配置されている。第2カバー体22が回転移動する場合には、第2カバー体22の外面がクリーナ23に摺接しながら移動することにより、クリーナ23は第2カバー体22の外面を清掃することができる。
【0054】
図10に示すように、第1カバー体21がケーシング2に取り付けられた状態では、マイクロスイッチ25はONになっており、第2カバー体22は開位置にある。このとき、可視光を透過する第1カバー体21がカメラレンズ3aの光軸に沿う方向でカメラレンズ3aを覆っているため、カメラレンズ3aに汚れが付着することを防止しつつ、カメラ3による撮像が可能となっている。また、図10に示す状態では、可視光を透過する第1カバー体21が照明部4の光軸に沿う方向で照明部4を覆っているため、照明部4に汚れが付着することを防止しつつ、照明部4により照明が可能となっている。
【0055】
図10に示す状態から、第1カバー体21がケーシング2から取り外されて、マイクロスイッチ25がOFFになった場合には、制御部5(図7参照)がモータ24を駆動して、開位置にある第2カバー体22を閉位置に移動させることで、図11に示すような状態になる。このとき、第2カバー体22が、カメラレンズ3aの光軸に沿う方向でカメラレンズ3aを覆っているため、カメラレンズ3aに汚れが付着することが防止されている。さらに、モータ24の駆動によって、第2カバー体22は、常にクリーナ23に摺接しながら閉位置に移動するため、クリーナ23によって第2カバー体22の外面が清掃される。
【0056】
図11に示す状態から、第1カバー体21が取り付けられて、マイクロスイッチ25がONになった場合には、制御部5(図7参照)がモータ24を駆動して閉位置にある第2カバー体22を開位置に移動させることで、図10に示すような状態になる。このとき、第1カバー体21が、カメラレンズ3aの光軸に沿う方向でカメラレンズ3aを覆っているため、カメラレンズ3aに汚れが付着することが防止されている。さらに、モータ24の駆動によって、第2カバー体22は、常にクリーナ23に摺接しながら開位置に移動するため、クリーナ23によって第2カバー体22の外面が清掃される。
【0057】
本実施例では、レンジフード1の制御部5は、図12に示す加熱調理器監視処理を実行する。
【0058】
ステップ150において、制御部5は、加熱調理器100においてコンロバーナ101をONにする操作を行ったという情報が、通信部8で受信されたか否か判定する。ステップ150が否定された場合には、ステップ150を再度繰り返す。ここで、ステップ150が繰り返されている状態を、レンジフード1の待機状態とする。また、ステップ150が肯定された場合には、ステップ151に移行する。ステップ151において、制御部5は、照明部4をONにする。なお、本実施例のように、ステップ150において、制御部5は、加熱調理器100のコンロバーナ101をONにする操作を行ったという情報が、通信部8で受信されたか否かを判定するのではなく、加熱調理器100に電源を投入する操作を行ったという情報が、通信部8で受信されたか否かを判定するものであってもよい。
【0059】
ステップ152において、制御部5は、第1カバー体21がケーシング2に取り付けられているか否か判定する。本実施例では、制御部5は、マイクロスイッチ25がONになっている場合に、第1カバー体21がケーシング2に取り付けられていると判定し、マイクロスイッチ25がOFFになっている場合に、第1カバー体21がケーシング2に取り付けられていないと判定する。
【0060】
ステップ152の判定が否定された場合には、ステップ160に移行する。ステップ160において、制御部5は、第2カバー体22が開位置にある場合には、モータ24を駆動して、第2カバー体22を閉位置に移動させる。そして、ステップ153において、制御部5は、報知部7によって、カメラ3が無効になっている旨の音声を再生する。これによって、第1カバー体21の取り付け忘れを使用者に気づかせることができる。さらには、第2カバー体22がカメラレンズ3aを覆った状態で加熱調理器100が使用されて、第2カバー体22に汚れが付着することを防止することができる。ステップ153の後、処理はステップ152に戻る。
【0061】
ステップ152の判定が肯定された場合には、ステップ161に移行する。ステップ161において、制御部5は、第2カバー体22が閉位置にある場合には、モータ24を駆動して、第2カバー体22を開位置に移動させる。そして、ステップ154において、制御部5は、報知部7によって、カメラ3が有効になっている旨の音声を再生する。なお、制御部5は、報知部7によって、カメラ3が有効になっている旨の音声を再生しなくてもよい。すなわち、制御部5は、ステップ154を省略してもよい。
【0062】
その後、ステップ155に移行し、ステップ155において、制御部5は、メイン処理を実行する。ここでいうメイン処理とは、カメラ3での撮像データを利用した加熱調理器100の監視に関する処理であり、例えば、調理容器の大きさの検出や、物体の侵入検知、監視結果に応じた加熱調理器100への火力調整指示などである。なお、メイン処理においても、制御部5は、ステップ152と同様に、第1カバー体21がケーシング2に取り付けられているか否かを常に判定し、この判定が否定された場合には、ステップS160と同様に、モータ24を駆動して、第2カバー体22を閉位置に移動させ、ステップS153と同様に、報知部7によって、カメラ3が無効になっている旨の音声を再生するという処理を実行する。
【0063】
次のステップ156において、制御部5は、加熱調理器100において、コンロバーナ101をOFFにする操作を行ったという情報を通信部8で受信したか否か判定する。ステップ156が否定された場合には、ステップ155のメイン処理に戻る。ステップ156が肯定された場合には、ステップ157に移行する。ステップ157において、制御部5は、照明部4をOFFにする。その後ステップ150に移行し、待機状態となる。なお、本実施例のように、ステップ156において、制御部5は、加熱調理器100のコンロバーナ101をOFFにする操作を行ったという情報が、通信部8で受信されたか否かを判定するのではなく、加熱調理器100の電源を遮断する操作を行ったという情報が、通信部8で受信されたか否かを判定するものであってもよい。
【0064】
(変形例)
監視装置は、レンジフード1に限られず、加熱調理器100以外の、例えば人などの被監視物を監視するものであってもよい。
【0065】
加熱調理器100は、コンロバーナ101を備えるものに限られず、誘導加熱コイルなどを備えた誘導加熱調理器や電気調理器、オーブンなどの加熱調理器であってもよい。
【0066】
カメラ3は、可視光を検出、撮像するものに限られず、その他検出可能な光を検出、撮像するものであってもよく、例えば、赤外線カメラであってもよい。
【0067】
画像処理部6は、画像の平均輝度を抽出するものに限られず、カメラ3が撮像した画像データに関わる処理全般を行うことができるものであってもよい。
【0068】
制御部5は、カメラ3が撮像したデータに基づいて、画像処理部6で画像の平均輝度以外の情報を抽出してもよく、画像処理部6で抽出された画像の平均輝度以外の情報に基づいて、第1カバー体21がケーシング2に取り付けられているか否かを判定してもよい。
【0069】
報知部7は、音声に限られず、ブザー音により報知するものであってもよく、あるいは、表示部を有しており、表示により報知するものであってもよい。
【0070】
第1カバー体21は、可視光を透過するものに限られず、カメラ3が検出可能な光を透過するものであれば、適宜変更し得る。
【0071】
第2カバー体22は、可視光を完全に遮断するものであってもよいし、あるいは、カメラ3が外部を撮像できない程度の透明度のものであってもよい。
【0072】
レンジフード1は、クリーナ23を備えていなくてもよい。
【0073】
以上のように、一またはそれ以上の実施形態において、レンジフード1は、加熱調理器100を監視するために設置されている。レンジフード1は、ケーシング2と、ケーシング2の内部に収容されており、カメラレンズ3aを有し加熱調理器100を撮像するカメラ3と、カメラレンズ3aの光軸に沿う方向でカメラレンズ3aを覆っており、ケーシング2に着脱可能に取り付けられた、カメラ3が検出可能な可視光を透過する第1カバー体21と、ケーシング2内に設けられており、カメラレンズ3aの光軸に沿う方向でカメラレンズ3aを覆う閉位置と、カメラレンズ3aの光軸に沿う方向でカメラレンズ3aを覆わない開位置の間で移動可能な第2カバー体22と、第2カバー体22を閉位置と開位置の間で移動させる開閉機構20を備えている。開閉機構20は、第1カバー体21がケーシング2から取り外される場合に、第2カバー体22を開位置から閉位置に自動的に移動させるように構成されている。
【0074】
上記のレンジフード1では、ケーシング2内において第2カバー体22が設けられており、第1カバー体21が取り外されている場合でも、代わりに第2カバー体22によってカメラレンズ3aを覆うことができる。また、上記のレンジフード1では、開閉機構20によって、第1カバー体21が取り外される場合に、第2カバー体22を、カメラレンズ3aを覆わない開位置からカメラレンズ3aを覆う閉位置に自動的に移動させることができる。このような構成とすることによって、カメラレンズ3aが第1カバー体21や第2カバー体22によって覆われていない状態でレンジフード1が使用されることを防ぐことができ、カメラレンズ3aに汚れが付着することを防止することができる。
【0075】
一またはそれ以上の実施形態において、開閉機構20は、第1カバー体21がケーシング2に取り付けられる場合に、第2カバー体22を閉位置から開位置に自動的に移動させるように構成されている。
【0076】
上記の構成では、ケーシング2への第1カバー体21の取り付けに連動して、第2カバー体22がカメラレンズ3aを覆う閉位置からカメラレンズ3aを覆わない開位置に自動的に移動するため、レンジフード1の使用時に第2カバー体22が撮像に影響を及ぼすことを防ぐことができる。
【0077】
一またはそれ以上の実施形態において、レンジフード1は、第1カバー体21のケーシング2からの着脱を検知する制御部5および画像処理部6(またはマイクロスイッチ25)と、報知部7と、をさらに備えている。報知部7は、カメラ3が加熱調理器100を撮像する際、制御部5および画像処理部6(またはマイクロスイッチ25)によって、第1カバー体21がケーシング2に取り付けられていないことを検知した場合に、第1カバー体21がケーシング2に取り付けられていないことを報知するように構成されている。
【0078】
第1カバー体21を取り外した後、ケーシング2に取り付けることを忘れたままレンジフード1が使用されると、第2カバー体22には汚れが付着することがある。上記の構成によれば、第1カバー体21の取り付け忘れにより第2カバー体22に汚れが付着することを防止することができる。
【0079】
一またはそれ以上の実施形態において、第2カバー体22は、第1カバー体21よりもカメラ3が検出可能な可視光を透過しにくいものである。制御部5および画像処理部6は、カメラ3により撮像された画像に基づいて、第1カバー体21が取り付けられているか否かを判断するように構成されている。
【0080】
カメラ3は、第1カバー体21が取り付けられている場合には第1カバー体21を通して加熱調理器100を撮像し、そうでない場合には第2カバー体22を通して加熱調理器100を撮像する。上記の構成によれば、制御部5および画像処理部6は、撮像された画像の平均輝度に基づいてカメラレンズ3aを覆うカバー体が第1カバー体21であるのか、あるいは第2カバー体22であるのかを判別することにより、第1カバー体21が取り付けられているか否かを判断できる。このような構成とすることによって、第1カバー体21の着脱を検知するための特別な機構を設けることなく、第1カバー体21が取り付けられているか否かを判断することができる。
【0081】
一またはそれ以上の実施形態において、レンジフード1は、ケーシング2内に設けられており、第2カバー体22が閉位置と開位置の間で移動する際に、第2カバー体22に摺接して第2カバー体22を清掃するクリーナ23をさらに備えている。
【0082】
第1カバー体21を取り外した後、ケーシング2に取り付けることを忘れたままレンジフード1が使用されると、第2カバー体22に汚れが付着することがある。上記の構成によれば、第2カバー体22に汚れが付着した場合であっても、第2カバー体22が閉位置と開位置の間で移動する際に、クリーナ23によって第2カバー体22を清掃することができる。
【0083】
一またはそれ以上の実施形態において、被監視物は、加熱調理器100である。レンジフード1は、加熱調理器100を上方から撮像するように構成されている。
【0084】
監視装置が加熱調理器100の上方に配置されている場合、加熱調理器100からの油煙によってレンジフード1が汚れやすい。上記の構成によれば、第1カバー体21または第2カバー体22によって、レンジフード1のカメラレンズ3aに加熱調理器100からの油煙などの汚れが付着することを防止することができる。
【0085】
一またはそれ以上の実施形態において、レンジフード1は、加熱調理器100にカメラ3が検出可能な可視光を照射する照明部4をさらに備えている。第1カバー体21は、ケーシング2に取り付けられた場合に、照明部4の光軸に沿う方向で照明部4を覆っている。
【0086】
上記の構成では、照明部4によってカメラ3が加熱調理器100を撮像する際に必要な光量を確保することができるとともに、レンジフード1の使用時に照明部4に汚れが付着することを防止することができる。
【0087】
以上、実施例について詳細に説明したが、これらは例示に過ぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組合せに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成し得るものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
【符号の説明】
【0088】
1 :レンジフード
2 :ケーシング
2a、2b:スリット
3 :カメラ
3a :カメラレンズ
4 :照明部
5 :制御部
6 :画像処理部
7 :報知部
8 :通信部
20 :開閉機構
20a :ねじりコイルバネ
20b :スライド爪部
21 :第1カバー体
22 :第2カバー体
22a :ストッパ部
23 :クリーナ
24 :モータ
25 :マイクロスイッチ
100 :加熱調理器
101 :コンロバーナ
102 :操作部
103 :制御部
104 :報知部
105 :通信部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12