(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-25
(45)【発行日】2025-01-09
(54)【発明の名称】燃料蓄圧装置
(51)【国際特許分類】
F02M 55/02 20060101AFI20241226BHJP
F02M 55/00 20060101ALI20241226BHJP
F02M 61/16 20060101ALI20241226BHJP
F02M 37/00 20060101ALI20241226BHJP
【FI】
F02M55/02 350F
F02M55/00 B
F02M55/02 350U
F02M55/02 360Z
F02M61/16 W
F02M37/00 331B
(21)【出願番号】P 2021106054
(22)【出願日】2021-06-25
【審査請求日】2024-01-19
(73)【特許権者】
【識別番号】316015888
【氏名又は名称】三菱重工エンジン&ターボチャージャ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】小川 久雄
(72)【発明者】
【氏名】北村 陽昌
【審査官】稲本 遥
(56)【参考文献】
【文献】欧州特許出願公開第01150006(EP,A2)
【文献】特開平09-042108(JP,A)
【文献】特表2014-508244(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F02M 37/00-71/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部に蓄圧空間部が設けられる燃料蓄圧部と、
前記燃料蓄圧部に装着されて燃料を前記蓄圧空間部に流入可能な燃料流入部と、
前記燃料蓄圧部に装着されて燃料を前記蓄圧空間部から流出可能な燃料流出部と、
前記燃料蓄圧部に設けられて前記燃料蓄圧部における前記燃料流入部の装着位置および前記燃料蓄圧部における前記燃料流出部の装着位置に漏えいした燃料を貯留する燃料貯留部と、
を備
え、
前記蓄圧空間部は、前記燃料蓄圧部の長手方向に沿って設けられ、前記燃料貯留部は、前記蓄圧空間部と平行をなして前記燃料蓄圧部の長手方向に沿って設けられる第1流路と、前記第1流路と前記装着位置とを連通する第2流路とを有し、
前記燃料流入部および前記燃料流出部は、前記燃料蓄圧部に設けられた筒状装着部にシール部材を介して嵌合するコネクタを有し、前記第2流路は、前記筒状装着部と前記シール部材と前記コネクタとにより区画された領域に連通する、
燃料蓄圧装置。
【請求項2】
前記燃料貯留部に貯留された燃料を燃料タンクに戻す燃料戻しラインが設けられる、
請求項1に記載の燃料蓄圧装置。
【請求項3】
前記燃料戻しラインは、一端部が前記燃料貯留部に接続されて他端部が燃料タンクに接続される配管を有する、
請求項2に記載の燃料蓄圧装置。
【請求項4】
前記燃料貯留部または前記燃料戻しラインにおける燃料の有無を検出する燃料漏えい検出器と、前記燃料漏えい検出器が燃料を検出したときに表示する表示装置とが設けられる、
請求項2または請求項3に記載の燃料蓄圧装置。
【請求項5】
前記燃料蓄圧部が複数直列に配置され、隣接する前記燃料蓄圧部における前記燃料流入部と前記燃料流出部が燃料接続ラインにより接続される、
請求項1から
請求項4のいずれか一項に記載の燃料蓄圧装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、内燃機関に適用される燃料蓄圧装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えば、ディーゼルエンジンに適用されるコモンレール式の燃料噴射装置は、燃料ポンプと、コモンレール(燃料蓄圧装置)と、燃料噴射弁とを備える。燃料ポンプは、燃料タンクの燃料を吸入して加圧し、高圧燃料としてコモンレールに供給する。コモンレールは、燃料ポンプから供給された高圧燃料を所定の圧力に保持する。燃料噴射弁は、噴射弁を開閉することで、コモンレールの高圧燃料をディーゼルエンジンの燃焼室に噴射する。コモンレールは、高圧燃料を所定の圧力に維持するアキュムレータであり、燃料ポンプが接続されると共に、複数の燃料噴射弁が接続される。このようなコモンレールとしては、例えば、下記特許文献1に記載されたものがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
コモンレールは、ディーゼルエンジンの気筒数に応じた数の燃料噴射弁が接続される。そのため、コモンレールは、全長が2mを超えるものがある。長尺のコモンレールを単一部材で構成する場合、専用の大型加工設備が必要となり、製造コストが増加してしまう。そのため、コモンレールを分割構造とすることが考えられる。一般的に、コモンレールは、レール部に複数のコネクタが取付けられ、各コネクタに配管を介して燃料噴射弁が連結される。この場合、レール部に対するコネクタの取付部から燃料が漏えいするおそれがある。コモンレールを分割構造とした場合、燃料の漏えい個所が増加する。そこで、レール部自体をカバーにより被覆し、コネクタの取付部から漏えいした燃料をカバーで受け止めることが考えられる。ところが、この構成では、コモンレールの大型化を招いてしまうという課題がある。
【0005】
本開示は、上述した課題を解決するものであり、漏えいした燃料を回収可能とすると共に装置の大型化を抑制する燃料蓄圧装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の目的を達成するための本開示の燃料蓄圧装置は、内部に蓄圧空間部が設けられる燃料蓄圧部と、前記燃料蓄圧部に装着されて燃料を前記蓄圧空間部に流入可能な燃料流入部と、前記燃料蓄圧部に装着されて燃料を前記蓄圧空間部から流出可能な燃料流出部と、前記燃料蓄圧部に設けられて前記燃料蓄圧部における前記燃料流入部の装着位置および前記燃料蓄圧部における前記燃料流出部の装着位置に漏えいした燃料を貯留する燃料貯留部と、を備える。
【発明の効果】
【0007】
本開示の燃料蓄圧装置によれば、漏えいした燃料を回収可能とすることができると共に、装置の大型化を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、本実施形態の燃料噴射装置を表す概略構成図である。
【
図2】
図2は、本実施形態の燃料蓄圧装置を表す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に図面を参照して、本開示の好適な実施形態を詳細に説明する。なお、この実施形態により本開示が限定されるものではなく、また、実施形態が複数ある場合には、各実施形態を組み合わせて構成するものも含むものである。また、実施形態における構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のもの、いわゆる均等の範囲のものが含まれる。
【0010】
<燃料噴射装置>
図1は、本実施形態の燃料噴射装置を表す概略構成図である。
【0011】
図1に示すように、燃料噴射装置10は、ディーゼルエンジン(内燃機関)に搭載される。燃料噴射装置10は、燃料ポンプ11と、コモンレール(燃料蓄圧装置)12と、複数の燃料噴射弁13とを備える。
【0012】
燃料ポンプ11は、燃料ラインL11を介して燃料タンク14が接続される。燃料ポンプ11は、燃料タンク14に貯留されている燃料を燃料ラインL11から吸入し、加圧して高圧燃料を生成する。燃料ポンプ11は、燃料高圧ラインL12を介してコモンレール12が接続される。コモンレール12は、複数のレール部21,22,23から構成される。レール部21,22,23の個数は、ディーゼルエンジンの形態に応じて適宜設定される。複数のレール部21,22,23は、接続ラインL21,L22により直列に接続される。なお、複数のレール部21,22,23は、接続ラインにより並列に接続されていてもよい。コモンレール12は、燃料ポンプ11から供給された高圧燃料を所定の圧力に調整する。コモンレール12は、複数の燃料供給ラインL13を介して燃料噴射弁13が接続される。燃料噴射弁13は、噴射弁を開閉することで、コモンレール12の高圧燃料をディーゼルエンジンの各シリンダ(燃焼室)に噴射する。
【0013】
<燃料蓄圧装置>
図2は、本実施形態の燃料蓄圧装置を表す正面図である。
【0014】
燃料蓄圧装置としてのコモンレール12は、複数のレール部21,22,23から構成される。但し、コモンレール12は、1個のレール部21から構成されていてもよい。この場合、燃料蓄圧装置は、コモンレール12であり、1個のレール部21でもある。レール部21,22,23は、ほぼ同様の構成をなすことから、以下では、レール部21について詳細に説明する。
【0015】
図1および
図2に示すように、レール部21は、燃料蓄圧部31と、燃料流入部32と、燃料流出部33,34,35と、燃料貯留部36,37とを備える。
【0016】
燃料蓄圧部31は、長尺形状をなす圧力容器である。燃料蓄圧部31は、内部に蓄圧空間部41が設けられる。燃料蓄圧部31は、1個の燃料流入部32と、3個の燃料流出部33,34,35が長手方向に間隔を空けて装着される。但し、燃料流出部33,34,35の数は、3個に限定されない。燃料流入部32は、外部から燃料を蓄圧空間部41に流入可能である。燃料流出部33,34,35は、燃料を蓄圧空間部から外部に流出可能である。
【0017】
レール部21では、燃料流入部32は、燃料ポンプ11(
図1参照)からの燃料高圧ラインL12が接続される。また、燃料流出部33,34は、燃料供給ラインL13を介して燃料噴射弁13(
図1参照)が接続される。燃料流出部35は、接続ラインL21を介して隣接して配置されるレール部22における燃料蓄圧部31の燃料流入部32に接続される。
【0018】
燃料貯留部36,37は、燃料蓄圧部31に設けられる。燃料貯留部36,37は、燃料蓄圧部31における燃料流入部32の装着位置および燃料蓄圧部31における燃料流出部33,34,35の装着位置に流出した燃料を貯留する。燃料貯留部36は、燃料蓄圧部31における燃料流入部32と燃料流出部33から流出した燃料を貯留する。燃料貯留部37は、燃料蓄圧部31における燃料流出部34,35から流出した燃料を貯留する。
【0019】
<レール部>
図3は、レール部を表す縦断面、
図4は、
図3のIV-IV断面図、
図5は、
図3のV-V断面図、
図6は、
図5のVI-VI断面図である。
【0020】
図3および
図4に示すように、燃料蓄圧部31は、長手方向に沿って貫通する蓄圧空間部41が形成される。蓄圧空間部41は、長手方向に沿って設けられ、長手方向における各端部がプラグ42,43により閉塞される。燃料流入部32および燃料流出部33,34,35は、例えば、コネクタであり、中心部に燃料流通孔32a,33a,34a,35aが形成される。なお、燃料蓄圧部31における蓄圧空間部41の端部にプラグ42,43を固定して閉塞したが、蓄圧空間部41とプラグ42,43との間にOリングなどのシール部材を設けてもよいし、設けなくてもよい。
【0021】
燃料蓄圧部31は、長手方向に間隔を空けて筒状装着部44,45,46,47が固定される。筒状装着部44,45,46,47は、蓄圧空間部41の長手方向に直交する方向に沿って配置される。燃料流入部32および燃料流出部33,34,35は、軸方向の端部がOリング(シール部材)48,49,50,51を介して筒状装着部44,45,46,47に嵌合して固定される。なお、ここでは、燃料流入部32および燃料流出部33,34,35と筒状装着部44,45,46,47との間にOリング48,49,50,51を設けたが、設けなくてもよい。燃料蓄圧部31は、筒状装着部44,45,46,47の内側に蓄圧空間部41と外部とを連通する連通孔44a,45a,46a,47aが形成される。燃料流入部32および燃料流出部33,34,35は、燃料流通孔32a,33a,34a,35aが連通孔44a,45a,46a,47aを介して蓄圧空間部41に連通する。
【0022】
図3、
図5および
図6に示すように、燃料流入部32および燃料流出部33,34,35は、例えば、外周部が筒状装着部44,45,46,47の内周部にねじ締結される。このとき、燃料流入部32および燃料流出部33,34,35と筒状装着部44,45,46,47との間にOリング48,49,50,51が介在する。燃料流入部32および燃料流出部33,34,35と筒状装着部44,45,46,47とOリング48,49,50,51と燃料蓄圧部31とにより区画された空間部領域A1,A2.A2,A4が形成される。例えば、燃料流通孔32a,33a,34a,35aと連通孔44a,45a,46a,47aとの接続部から漏えいした燃料は、燃料流入部32および燃料流出部33,34,35の装着位置である空間部領域A1,A2.A2,A4に流れる。
【0023】
燃料貯留部36,37は、空間部領域A1,A2.A2,A4に連通し、空間部領域A1,A2.A2,A4に漏えいした燃料を貯留する。燃料貯留部36は、燃料流入部32と燃料流出部33に対応して設けられ、燃料貯留部37は、燃料流出部34,35に対応して設けられる。燃料貯留部36は、第1流路61と、第2流路62,63とを有する。燃料貯留部37は、第1流路64と、第2流路65,66とを有する。
【0024】
燃料貯留部36の第1流路61は、蓄圧空間部41と平行をなし、燃料蓄圧部31の長手方向に沿って設けられる。第1流路61は、燃料流入部32および燃料流出部33と蓄圧空間部41との間に設けられる。燃料貯留部36の第2流路62は、第1流路61と空間部領域A1とを連通し、第2流路63は、第1流路61と空間部領域A2とを連通する。また、燃料貯留部37の第1流路64は、蓄圧空間部41と平行をなし、燃料蓄圧部31の長手方向に沿って設けられる。第1流路64は、燃料流出部34,35と蓄圧空間部41との間に設けられる。燃料貯留部37の第2流路65は、第1流路64と空間部領域A3とを連通し、第2流路66は、第1流路64と空間部領域A4とを連通する。
【0025】
図1および
図4に示すように、レール部21は、燃料貯留部36,37に貯留された燃料を燃料タンク14(
図1参照)に戻す燃料戻しラインL31が設けられる。
【0026】
燃料蓄圧部31は、燃料流入部32および燃料流出部33,34,35に隣接してコネクタ71,72が固定される。コネクタ71は、燃料貯留部36に対応して配置され、コネクタ72は、燃料貯留部37に対応して配置される。コネクタ71,72は、燃料排出孔71a,72aが形成される。燃料排出孔71a,72aは、燃料蓄圧部31に形成された連通孔73,74,75,76を介して空間部領域A1,A2.A2,A4に連通する。但し、燃料排出孔71a,72a,73a,74aは、連通孔を介して燃料貯留部36,37に連通してもよい。
【0027】
コネクタ71,72は、接続ラインL32を介して接続される。また、隣接して配置されるレール部21,22のコネクタ71,72は、接続ラインL33を介して接続される。燃料戻しラインL31は、レール部21のコネクタ71に接続される。燃料戻しラインL31および接続ラインL32,L33は、配管である。
【0028】
また、燃料戻しラインL31は、燃料の有無を検出する燃料漏えい検出器81が設けられる。燃料漏えい検出器81は、制御装置82に接続される。制御装置82は、警報器(表示装置)83が接続される。燃料漏えい検出器81は、燃料戻しラインL31の燃料を検出すると、検出信号を制御装置82に出力する。制御装置82は、燃料漏えい検出器81から検出信号が入力すると、警報器83を作動して警報を発する。
【0029】
なお、警報器83に代えてまたは加えて、表示パネルやスピーカなどの表示装置を設けてもよい。また、燃料漏えい検出器81を空間部領域A1,A2.A2,A4や燃料貯留部36,37などに設けることで、漏えい位置を特定するように構成してもよい。
【0030】
そのため、レール部21にて、燃料蓄圧部31に供給された高圧燃料は、燃料流入部32から蓄圧空間部41に流入して蓄圧される。そして、蓄圧空間部41の高圧燃料は、必要時に、燃料流出部33,34,35から外部に流出される。
【0031】
蓄圧空間部41の高圧燃料は、燃料流入部32および燃料流出部33,34,35の装着位置から漏えいすることがある。燃料流入部32および燃料流出部33,34,35の装着位置から漏えいした高圧燃料は、圧力が低下し、空間部領域A1,A2.A2,A4に流れ、燃料貯留部36,37に貯留される。そして、空間部領域A1,A2.A2,A4や燃料貯留部36,37に貯留された燃料は、接続ラインL32,L33によりコネクタ71,72に集められ、燃料戻しラインL31を通して燃料タンク14に戻される。
【0032】
このとき、燃料漏えい検出器81は、燃料戻しラインL31の燃料を検出し、制御装置82は、警報器83を作動して警報を発する。すなわち、制御装置82は、警報器83を作動することで、燃料流入部32や燃料流出部33,34,35の装着位置からの燃料の漏えいを周囲に知らせる。
【0033】
[本実施形態の作用効果]
第1の態様に係る燃料蓄圧装置は、内部に蓄圧空間部41が設けられる燃料蓄圧部31と、燃料蓄圧部31に装着されて燃料を蓄圧空間部41に流入可能な燃料流入部32と、燃料蓄圧部31に装着されて燃料を蓄圧空間部41から流出可能な燃料流出部33,34,35と、燃料蓄圧部31に設けられて燃料蓄圧部31における燃料流入部32の装着位置および燃料蓄圧部31における燃料流出部33,34,35の装着位置に漏えいした燃料を貯留する燃料貯留部36,37とを備える。
【0034】
第1の態様に係る燃料蓄圧装置によれば、燃料蓄圧部31における燃料流入部32の装着位置や燃料蓄圧部31における燃料流出部33,34,35の装着位置から燃料が漏えいすると、漏えいした燃料は、燃料貯留部36,37に貯留される。そのため、漏えいした燃料を適正に回収することができる。また、燃料貯留部36,37が燃料蓄圧部31に設けられていることから、レール部21,22,23が大型化することがなく、装置の大型化を抑制することができる。
【0035】
第2の態様に係る燃料蓄圧装置は、蓄圧空間部41が燃料蓄圧部31の長手方向に沿って設けられ、燃料貯留部36,37は、蓄圧空間部41と平行をなして燃料蓄圧部31の長手方向に沿って設けられる第1流路61,64と、第1流路61,64と装着位置とを連通する第2流路62,63,65,66とを有する。これにより、燃料貯留部36,37を効率良く配置することができる。
【0036】
第3の態様に係る燃料蓄圧装置は、燃料流入部32および燃料流出部33,34,35が、燃料蓄圧部31に設けられた筒状装着部44,45,46,47にOリング(シール部材)を介して嵌合するコネクタを有し、前記第2流路は、前記筒状装着部と前記シール部材と前記コネクタとにより区画された領域に連通する。これにより、燃料貯留部36,37を、蓄圧空間部41とは区画して燃料蓄圧部31の内部にコンパクトに設けることができる。
【0037】
第4の態様に係る燃料蓄圧装置は、燃料貯留部36,37に貯留された燃料を燃料タンク14に戻す燃料戻しラインL31が設けられる。これにより、燃料戻しラインL31により燃料を回収することで、外部への燃料の漏えいを防止することができる。
【0038】
第5の態様に係る燃料蓄圧装置は、燃料戻しラインL31は、一端部が燃料貯留部36,37に接続されて他端部が燃料タンク14に接続される配管を有する。これにより、燃料戻しラインL31を配管により構成することで、装置の簡素化を図ることができる。
【0039】
第6の態様に係る燃料蓄圧装置は、燃料貯留部36,37または燃料戻しラインL31における燃料の有無を検出する燃料漏えい検出器81と、燃料漏えい検出器81が燃料を検出したときに表示する警報器(表示装置)83とが設けられる。これにより、燃料流入部32および燃料流出部33,34,35の装着位置から燃料が漏えいしたときに、警報を発することから、燃料の漏えいを周囲に知らせることができる。
【0040】
第7の態様に係る燃料蓄圧装置は、燃料蓄圧部31が複数直列に配置され、隣接する燃料蓄圧部31における燃料流入部32と燃料流出部35が接続ラインL21により接続される。これにより、コモンレール12を複数のレール部21,22,23により分割して構成することができる。
【0041】
また、燃料噴射装置10の形態やコモンレール12の形態は、上述した実施形態に限定されるものではない。例えば、コモンレール12や燃料噴射弁13の数、燃料ポンプ11の接続位置などは、適宜設定すればよいものである。
【符号の説明】
【0042】
10 燃料噴射装置
11 燃料ポンプ
12 コモンレール(燃料蓄圧装置)
13 燃料噴射弁
14 燃料タンク
21,22,23 レール部
31 燃料蓄圧部
32 燃料流入部
33,34,35 燃料流出部
41 蓄圧空間部
42,43 プラグ
44,45,46,47 筒状装着部
48,49,50,51 Oリング(シール部材)
61,64 第1流路
62,63,65,66 第2流路
71,72 コネクタ
73,74,75,76 連通孔
81 燃料漏えい検出器
82 制御装置
83 警報器(表示装置)
A1,A2.A2,A4 空間部領域
L11 燃料ライン
L12 燃料高圧ライン
L13 燃料供給ライン
L21 接続ライン
L31 燃料戻しライン
L32,L33 接続ライン