(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-25
(45)【発行日】2025-01-09
(54)【発明の名称】作業管理方法、作業管理システムおよび作業管理プログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/02 20240101AFI20241226BHJP
A01D 41/127 20060101ALI20241226BHJP
A01F 12/50 20060101ALI20241226BHJP
A01G 7/00 20060101ALI20241226BHJP
G06Q 10/06 20230101ALI20241226BHJP
【FI】
G06Q50/02
A01D41/127
A01F12/50
A01G7/00 603
G06Q10/06
(21)【出願番号】P 2021140682
(22)【出願日】2021-08-31
【審査請求日】2024-02-20
(73)【特許権者】
【識別番号】720001060
【氏名又は名称】ヤンマーホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100205350
【氏名又は名称】狩野 芳正
(74)【代理人】
【識別番号】100117617
【氏名又は名称】中尾 圭策
(72)【発明者】
【氏名】宮内 俊輔
(72)【発明者】
【氏名】吉峰 拓海
(72)【発明者】
【氏名】近藤 拓也
(72)【発明者】
【氏名】岡本 将希
【審査官】木内 康裕
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-068533(JP,A)
【文献】特開2020-064663(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2012/0271489(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
A01D 41/127
A01F 12/50
A01G 7/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
作業機械が圃場での作業中に通過した複数の位置を測定した測位情報および前記作業機械の機械属性を表す機械属性情報を含む稼働情報と、前記作業機械が作業を行った作業領域を表す作業領域情報と、前記作業機械が行った作業種別を表す作業種別情報とを関連付けて表す領域情報を用意することと、
複数の期間と、前記複数の期間のそれぞれにおいて予定される農作業の作業種別とを関連付けた栽培暦を表す栽培暦情報を用意することと、
前記領域情報から、所望の前記作業種別情報または所望の前記機械属性情報に関連付けられた前記作業領域情報を抽出領域情報として抽出することと、
前記抽出領域情報が表す領域を地図上に表示することと
を含
み、
前記抽出することは、
所定の期間に予定される前記作業種別を表す前記作業種別情報を抽出作業種別情報として前記栽培暦情報から抽出し、前記抽出作業種別情報に関連付けられた前記作業領域情報を前記抽出領域情報として前記領域情報から抽出すること
を含む
作業管理方法。
【請求項2】
請求項1に記載の作業管理方法において、
前記領域情報を用意することは、
前記測位情報に基づいて前記作業領域情報を推定することと、
前記稼働情報に基づいて前記作業種別情報を推定することと
を含む
作業管理方法。
【請求項3】
作業機械が圃場での作業中に通過した複数の位置を測定した測位情報および前記作業機械の機械属性を表す機械属性情報を含む稼働情報と、前記作業機械が作業を行った作業領域を表す作業領域情報と、前記作業機械が行った作業種別を表す作業種別情報とを関連付けて表す領域情報を用意することと、
複数の期間と、前記複数の期間のそれぞれにおいて予定される農作業の作業種別とを関連付けた栽培暦を表す栽培暦情報を用意すること
と、
前記領域情報から、所望の前記作業種別情報または所望の前記機械属性情報に関連付けられた前記作業領域情報を抽出領域情報として抽出することと、
前記抽出領域情報が表す領域を地図上に表示することと
を含み、
前記抽出することは、
使用者がログインしたログイン時刻を含む期間に予定される前記作業種別を表す前記作業種別情報を抽出作業種別情報として前記栽培暦情報から抽出し、前記抽出作業種別情報に関連付けられた前記作業領域情報を前記抽出領域情報として前記領域情報から抽出すること
を含む
作業管理方法。
【請求項4】
作業機械が圃場での作業中に通過した複数の位置を測定した測位情報および前記作業機械の機械属性を表す機械属性情報を含む稼働情報と、前記作業機械が作業を行った作業領域を表す作業領域情報と、前記作業機械が行った作業種別を表す作業種別情報とを関連付けて表す領域情報を用意することと、
複数の期間と、前記複数の期間のそれぞれにおいて予定される農作業の作業種別とを関連付けた栽培暦を表す栽培暦情報をさらに用意すること
と、
前記領域情報から、所望の前記作業種別情報または所望の前記機械属性情報に関連付けられた前記作業領域情報を抽出領域情報として抽出することと、
前記抽出領域情報が表す領域を地図上に表示することと
を含み、
前記抽出することは、
使用者によって選択された期間に予定される前記作業種別を表す前記作業種別情報を抽出作業種別情報として前記栽培暦情報から抽出し、前記抽出作業種別情報に関連付けられた前記作業領域情報を前記抽出領域情報として前記領域情報から抽出すること
を含む
作業管理方法。
【請求項5】
請求項3または4に記載の作業管理方法において、
前記抽出することは、
前記抽出作業種別情報が複数存在する場合に、複数の前記抽出作業種別情報にそれぞれ関連付けられた複数の前記抽出領域情報の総数を算出することと、
前記総数が最大となる前記抽出作業種別情報に関連付けられた前記抽出領域情報を抽出することと
を含み、
前記表示することは、
前記総数が最大となる前記抽出作業種別情報に関連付けられた前記抽出領域情報を、他の前記抽出領域情報と区別可能に表示すること
をさらに含む
作業管理方法。
【請求項6】
請求項1または2に記載の作業管理方法において、
前記抽出することは、
使用者によって選択された前記作業種別と、選択された前記作業種別を表す前記機械属性情報に関連付けられた前記作業領域情報を前記抽出領域情報として抽出すること
を含む
作業管理方法。
【請求項7】
作業機械が圃場での作業中に通過した複数の位置を測定した測位情報および前記作業機械の機械属性を表す機械属性情報を含む稼働情報と、前記作業機械が作業を行った作業領域を表す作業領域情報と、前記作業機械が行った作業種別を表す作業種別情報とを関連付けて表す領域情報を記憶する領域情報記憶部と、
複数の期間と、前記複数の期間のそれぞれにおいて予定される農作業の作業種別とを関連付けた栽培暦を表す栽培暦情報を記憶する栽培暦情報記憶部と、
前記領域情報から、所望の前記作業種別
情報または所望の前記機械属性
情報に関連付けられた前記作業領域情報を抽出領域情報として抽出する抽出部と、
前記抽出領域情報が表す領域を地図上に表示するように出力する出力部と
を備え
、
前記抽出部は、所定の期間に予定される前記作業種別を表す前記作業種別情報を抽出作業種別情報として前記栽培暦情報から抽出し、前記抽出作業種別情報に関連付けられた前記作業領域情報を前記抽出領域情報として前記領域情報から抽出する
作業管理システム。
【請求項8】
作業機械が圃場での作業中に通過した複数の位置を測定した測位情報および前記作業機械の機械属性を表す機械属性情報を含む稼働情報と、前記作業機械が作業を行った作業領域を表す作業領域情報と、前記作業機械が行った作業種別を表す作業種別情報とを関連付けて表す領域情報を記憶する領域情報記憶部と、
複数の期間と、前記複数の期間のそれぞれにおいて予定される農作業の作業種別とを関連付けた栽培暦を表す栽培暦情報を記憶する栽培暦情報記憶部
と、
前記領域情報から、所望の前記作業種別情報または所望の前記機械属性情報に関連付けられた前記作業領域情報を抽出領域情報として抽出する抽出部と、
前記抽出領域情報が表す領域を地図上に表示するように出力する出力部と
を備え、
前記抽出部は、使用者がログインしたログイン時刻を含む期間に予定される前記作業種別を表す前記作業種別情報を抽出作業種別情報として前記栽培暦情報から抽出し、前記抽出作業種別情報に関連付けられた前記作業領域情報を前記抽出領域情報として前記領域情報から抽出する
作業管理システム。
【請求項9】
実行することによって所定の処理を実現するための作業管理プログラムであって、
前記処理は、
作業機械が圃場での作業中に通過した複数の位置を測定した測位情報および前記作業機械の機械属性を表す機械属性情報を含む稼働情報と、前記作業機械が作業を行った作業領域を表す作業領域情報と、前記作業機械が行った作業種別を表す作業種別情報とを関連付けて表す領域情報を用意することと、
複数の期間と、前記複数の期間のそれぞれにおいて予定される農作業の作業種別とを関連付けた栽培暦を表す栽培暦情報を用意することと、
前記領域情報から、所望の前記作業種別情報または所望の前記機械属性情報に関連付けられた前記作業領域情報を抽出領域情報として抽出することと、
前記抽出領域情報が表す領域を地図上に表示することと
を含
み、
前記抽出することは、
所定の期間に予定される前記作業種別を表す前記作業種別情報を抽出作業種別情報として前記栽培暦情報から抽出し、前記抽出作業種別情報に関連付けられた前記作業領域情報を前記抽出領域情報として前記領域情報から抽出すること
を含む
作業管理プログラム。
【請求項10】
実行することによって所定の処理を実現するための作業管理プログラムであって、
前記処理は、
作業機械が圃場での作業中に通過した複数の位置を測定した測位情報および前記作業機械の機械属性を表す機械属性情報を含む稼働情報と、前記作業機械が作業を行った作業領域を表す作業領域情報と、前記作業機械が行った作業種別を表す作業種別情報とを関連付けて表す領域情報を用意することと、
複数の期間と、前記複数の期間のそれぞれにおいて予定される農作業の作業種別とを関連付けた栽培暦を表す栽培暦情報を用意すること
と、
前記領域情報から、所望の前記作業種別情報または所望の前記機械属性情報に関連付けられた前記作業領域情報を抽出領域情報として抽出することと、
前記抽出領域情報が表す領域を地図上に表示することと
を含み、
前記抽出することは、
使用者がログインしたログイン時刻を含む期間に予定される前記作業種別を表す前記作業種別情報を抽出作業種別情報として前記栽培暦情報から抽出し、前記抽出作業種別情報に関連付けられた前記作業領域情報を前記抽出領域情報として前記領域情報から抽出すること
を含む
作業管理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は作業管理方法、作業管理システムおよび作業管理プログラムに関し、例えば、農作業を管理する作業管理方法、作業管理システムおよび作業管理プログラムに好適に利用できるものである。
【背景技術】
【0002】
営農においては、使用者が管理または関与する圃場の生産状況や生産性などを把握して評価することが重要である。しかしながら、機械化が進んだ圃場では、たとえ単一の圃場であったとしても、多数の作業機械が関わり、これらの作業機械が行う作業の種類は多岐にわたる。さらに、同一のトラクターが異なる作業機を装着してそれぞれ異なる種別の作業を行う場合があり、単一の作業種別を行うプランタやハーベスタなどが同一の作業を複数日にまたがって行う場合もある。このように、圃場の情報は複雑になり得るので、隅々まで把握することは容易ではない。
【0003】
上記に関連して、特許文献1(特開2017-102924号公報)には、農作管理システムが開示されている。この農作管理システムでは、農作物を収穫した農地に関する農地情報と、この収穫に関する稼働情報とを、収穫機から受信したデータベースサーバが関連付けて記録し、ユーザからのリクエストに応じてこれらの情報を端末のディスプレイに表示する。
【0004】
また、特許文献2(特許第6302391号公報)には、遠隔サーバが開示されている。この遠隔サーバは、各種の農業機械から、それぞれの農業機械の状態を表す情報などを受信して管理する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2017-102924号公報
【文献】特許第6302391号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記の各技術では、複数の農業機械による農作業の状況を圃場ごとにサーバで管理することによって、オペレータは圃場ごとの各種の農作業の進捗状況を把握しやすくなる。しかしながら、複数種類の農業機械または同一種類の多数の農業機械が同時に作業を実行する場合や、複数の農業機械が同一圃場で作業を実行する場合などには、それぞれの圃場における多数の農業機械の稼働状態が含まれることになる。このような場合、農作業の進捗状況を簡単に把握することは困難である。
【0007】
上記状況に鑑み、本開示は、使用者が必要とする情報を効率的に表示する作業管理方法、作業管理システムおよび作業管理プログラムを提供することを目的の1つとする。その他の課題と新規な特徴は、本明細書の記述および添付図面から明らかになるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0008】
以下に、(発明を実施するための形態)で使用される番号を用いて、課題を解決するための手段を説明する。これらの番号は、(特許請求の範囲)の記載と(発明を実施するための形態)との対応関係を明らかにするために付加されたものである。ただし、それらの番号を、(特許請求の範囲)に記載されている発明の技術的範囲の解釈に用いてはならない。
【0009】
一実施の形態によれば、作業管理方法は、作業機械が圃場(9)での作業中に通過した複数の位置を測定した測位情報および作業機械の機械属性を表す機械属性情報を含む稼働情報と、作業機械が作業を行った作業領域(91、93)を表す作業領域情報と、作業機械が行った作業種別を表す作業種別情報とを関連付けて表す領域情報を用意すること(S1)を含む。作業管理方法は、さらに、領域情報から、所望の作業種別情報または所望の機械属性情報に関連付けられた作業領域情報を抽出領域情報として抽出すること(S205、S208、S4)と、抽出領域情報が表す領域(91、93)を地図上に表示すること(S206、S209、S5)とを含む。
【0010】
一実施の形態によれば、作業管理システム(1)は、領域情報記憶部(523)と、抽出部(514)と、出力部(515、613)とを備える。領域情報記憶部(523)は、作業機械が圃場(9)での作業中に通過した複数の位置を測定した測位情報および作業機械の機械属性を表す機械属性情報を含む稼働情報と、作業機械が作業を行った作業領域を表す作業領域情報と、作業機械が行った作業種別を表す作業種別情報とを関連付けて表す領域情報を記憶する。抽出部(514)は、領域情報から、所望の作業種別または所望の機械属性に関連付けられた作業領域情報を抽出領域情報として抽出する。出力部(515、613)は、抽出領域情報が表す領域を地図上に表示するように出力する。
【0011】
一実施の形態によれば、作業管理プログラムは、実行することによって所定の処理を実現するための作業管理プログラムである。この処理は、作業機械が圃場(9)での作業中に通過した複数の位置を測定した測位情報および作業機械の機械属性を表す機械属性情報を含む稼働情報と、作業機械が作業を行った作業領域(91、93)を表す作業領域情報と、作業機械が行った作業種別を表す作業種別情報とを関連付けて表す領域情報を用意すること(S1)を含む。この処理は、さらに、領域情報から、所望の作業種別情報または所望の機械属性情報に関連付けられた作業領域情報を抽出領域情報として抽出すること(S205、S208、S4)と、抽出領域情報が表す領域(91、93)を地図上に表示すること(S206、S209、S5)とを含む。
【発明の効果】
【0012】
一実施の形態によれば、使用者が必要とする情報を効率的に表示することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】
図1は、一実施の形態による作業管理システムの一構成例を示す図である。
【
図2】
図2は、一実施の形態による作業管理装置の一構成例を示すブロック回路図である。
【
図3】
図3は、一実施の形態による外部端末の一構成例を示すブロック回路図である。
【
図4】
図4は、一実施の形態による作業管理プログラムの一構成例を示すフローチャートである。
【
図5】
図5は、一実施の形態による表示の一例を示す図である。
【
図6】
図6は、一実施の形態による表示の一例を示す図である。
【
図7】
図7は、一実施の形態による作業管理プログラムの一部の一構成例を示すフローチャートである。
【
図8】
図8は、一実施の形態による栽培暦の内容の一例を示す表である。
【
図9】
図9は、一実施の形態による表示の一例を示す図である。
【
図10】
図10は、一実施の形態による栽培暦の内容の一例を示す表である。
【
図12】
図12は、一実施の形態による作業管理プログラムの一部の一構成例を示すフローチャートである。
【
図13】
図13は、一実施の形態による栽培暦の内容の一例を示す表である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
添付図面を参照して、本発明による作業管理方法、作業管理システムおよび作業管理プログラムを実施するための形態を以下に説明する。
【0015】
(第1の実施の形態)
図1に示すように、一実施の形態による作業管理システム1は、作業管理装置5と、外部端末6とを備える。作業管理装置5は、車載端末3が送信する測位情報を、ネットワーク4を介して受信する。車載端末3は、作業車両2に搭載されており、作業車両2が作業機械を用いて圃場9で農作業などの作業を行うときに通過する複数の位置をGNSS(Global Navigation Satellite System:全球測位衛星システム)などによって測定して測位情報を取得する。外部端末6は、作業管理装置5との間で、ネットワーク4を介して通信して情報の送受信を行う。外部端末6は、特に、作業管理装置5が送信した情報を受信して表示するように構成されている。
【0016】
図2に示すように、作業管理装置5は、例えばサーバなどのコンピュータ装置として構成されていてもよい。作業管理装置5は、バス50と、演算装置51と、記憶装置52と、通信装置53と、入出力装置54とを備えている。演算装置51、記憶装置52、通信装置53および入出力装置54は、バス50を介して互いに通信可能に接続されている。
【0017】
演算装置51は、入力部511と、算出部512と、判定部513と、抽出部514と、出力部515とを備えている。入力部511、算出部512、判定部513、抽出部514および出力部515のそれぞれは、演算装置51が作業管理プログラムを実行することによって実現される機能を表す仮想的な機能部である。各機能の具体的な内容については、後述する。
【0018】
記憶装置52は、作業管理プログラムを記憶する作業管理プログラム記憶部521と、稼働情報を記憶する稼働情報記憶部522と、領域情報を記憶する領域情報記憶部523と、栽培暦情報を記憶する栽培暦情報記憶部524とを備える。作業管理プログラム、稼働情報、領域情報および栽培暦情報の一部または全ては、記録媒体520から読み出されてもよいし、通信装置53を介して外部から受信されてもよい。作業管理プログラム、稼働情報、領域情報および栽培暦情報の具体的な内容については、後述する。記憶装置52は、その他の情報を記憶してもよい。
【0019】
通信装置53は、ネットワーク4を介して、車載端末3および/または外部端末6と通信を行う。
【0020】
入出力装置54は、入力装置541と、出力装置542とを備える。入力装置541は、例えば、キーボード、マウス、マイクロフォンなどを含む。出力装置542は、例えば、表示装置、スピーカー、ランプなどを含む。入出力装置54は、入力装置541および出力装置542として機能するタッチパネル装置を含んでもよい。
【0021】
図3に示すように、外部端末6は、例えばタブレット端末などのコンピュータ装置として構成されていてもよい。外部端末6は、バス60と、演算装置61と、記憶装置62と、通信装置63と、入出力装置64とを備えている。演算装置61、記憶装置62、通信装置63および入出力装置64は、バス60を介して互いに通信可能に接続されている。
【0022】
演算装置61は、入力部611と、算出部612と、出力部613とを備えている。入力部611、算出部612および出力部613のそれぞれは、演算装置61が表示操作プログラムを実行することによって実現される機能を表す仮想的な機能部である。各機能の具体的な内容については、後述する。
【0023】
記憶装置62は、表示操作プログラムを記憶する表示操作プログラム記憶部621を備えている。表示操作プログラムは、記録媒体620から読み出されてもよいし、通信装置63を介して外部から受信されてもよい。
【0024】
通信装置63は、ネットワーク4を介して、作業管理装置5と通信を行う。
【0025】
入出力装置64は、入力装置641と、出力装置642とを備える。入力装置641は、例えば、ボタン、マイクロフォンなどを含む。出力装置642は、例えば、表示装置、スピーカー、ランプなどを含む。入出力装置64は、入力装置641および出力装置642として機能するタッチパネル装置を含んでもよい。
【0026】
図4を参照して、一実施の形態による作業管理方法について説明する。
図4は、一実施の形態による作業管理プログラムの一構成例を示すフローチャートである。以下、一実施の形態において作業管理装置5が作業管理プログラムを実行することによって実現される作業管理システム1の動作の一例について説明する。
【0027】
一実施の形態による作業管理装置5が起動すると、作業管理装置5の演算装置51が作業管理プログラムを実行し、作業管理方法が開始する。一実施の形態による作業管理方法が開始すると、ステップS1が実行される。
【0028】
ステップS1において、作業管理装置5の演算装置51の入力部511が、領域情報を用意する。領域情報は、稼働情報と、作業領域情報と、作業種別情報とを関連付けて表す。
【0029】
稼働情報について説明する。稼働情報は、作業機械が圃場9での作業中に通過した複数の位置を測定した測位情報と、作業機械の機械属性を表す機械属性情報とを含む。稼働情報は、作業車両2に搭載された車載端末3から送信されて作業管理装置5が受信してもよい。
【0030】
測位情報について説明する。測位情報は、作業車両2に搭載された車載端末3が作業中に通過した複数の位置を測定することによって得られる。測位情報は、例えば、測定を行った位置の緯度および経度と、測定を行った時刻とを含む。
【0031】
機械属性情報と、機械属性情報が表す機械属性とについて説明する。機械属性とは、作業機械が行う作業に応じて作業機械を分類する属性である。機械属性には、例えば、トラクター、移植機、農薬散布機、収穫機などが含まれる。なお、トラクターが特定の作業のみを行うことが既知である場合、たとえば、あるトラクターが移植や農薬散布の作業を専用で行う場合には、そのトラクターに装着する機械の種類に応じて、そのトラクターの機械属性を移植機や農薬散布機としても良い。機械属性を、作業管理装置5が扱えるように表す情報を、機械属性情報と呼ぶ。
【0032】
作業種別と作業種別情報とについて説明する。作業種別とは、農作物を育成するために行う作業の種別である。作業種別には、例えば、心土破砕、耕起、整地、移植、追肥、中耕除草、防除、収穫などが含まれる。作業種別を、作業管理装置5が扱えるように表す情報を、作業種別情報と呼ぶ。作業種別情報は、作業管理装置5の演算装置51の算出部512が機械属性情報に基づいて推定することによって取得されてもよい。
【0033】
作業領域と、作業領域情報とについて説明する。圃場9のうち、作業機械が作業を行った領域を作業領域と呼ぶ。また、作業領域を、作業管理装置5が扱えるように表す情報を、作業領域情報と呼ぶ。作業領域情報は、作業管理装置5の演算装置51の算出部512が測位情報と、作業機械が作業幅に基づいて推定することによって取得されてもよい。ここで、作業幅とは、作業機械が移動しながら圃場9に対して作業を施した範囲の幅方向の長さを表す。なお作業領域情報には、作業を行った日時、機械の機械属性情報、行った作業の作業種別も含まれる。
【0034】
ステップS1の後、ステップS2が実行される。ステップS2において、作業管理装置5の演算装置51の出力部515と、外部端末6の演算装置61の出力部613とが、デフォルトの条件に基づいて作業領域91を表示する。より具体的には、まず、作業管理装置5の出力部515が、デフォルトの条件に該当する作業領域を表す作業領域情報を出力して外部端末6に送信し、次に、外部端末6の出力部613が、受信した作業領域情報が表す作業領域91を表示する。ここでは、まず、
図5を参照して、作業領域91がどのように表示されるかについて説明する。なお、表示される作業領域91をデフォルトの条件に基づいて抽出する方法については後述する。
【0035】
図5に示すように、出力装置642としてのタッチパネル装置は、複数の圃場9のうち、所定の条件に基づいて抽出された作業領域91を表す情報を、地図上に表示することによって出力する。このとき、タッチパネル装置は、外部端末6の演算装置61が表示操作プログラムを実行することによって実現する出力部613の制御下で、作業領域91の位置および形状を地図上に表示する。出力部613は、タッチパネル装置を制御して、作業領域91の代表位置を示すマーク92をさらに表示してもよい。
【0036】
ステップS2の後、ステップS3が実行される。ステップS3において、作業管理装置5の入力部511が、使用者によって作業領域91の抽出条件が入力されたか否かを判定する。より具体的には、使用者が外部端末6の入力装置641としてのタッチパネル装置を操作して作業領域91の抽出条件を設定または変更するための入力を行うと、この入力を表す情報が外部端末6の出力部613から作業管理装置5の入力部511に送信される。作業管理装置5の入力部511は、この入力を表す情報が受信されない(No)間はステップS3を繰り返して待機し、この入力を表す情報が受信されたとき(Yes)にステップS4へ処理を進める。
【0037】
使用者がタッチパネル装置を操作して作業領域91の抽出条件を入力する方法の一例について説明する。外部端末6の出力装置642としてのタッチパネル装置には、地図上に表示された作業領域91の他に、抽出条件を入力するための条件設定ウィンドウ70、80が表示されていてもよい。使用者は、タッチパネルを操作して、条件設定ウィンドウ70、80が備える入力枠71、72、73やスイッチ81、82、83、84、85などを適宜に操作することによって、抽出条件の設定や変更などを行ってもよい。
【0038】
図5の例では、条件設定ウィンドウ70に含まれる入力枠71、72、73に所望の文字列、所望の期間、所望の作業種別をそれぞれ入力することによって、使用者は作業領域91を抽出する条件を設定してもよい。また、条件設定ウィンドウ80に含まれるスイッチ81、82、83、84、85を操作することによって、使用者は、登録圃場の表示または非表示と、作業領域91およびマーク92の表示または非表示と、機械属性が収穫機である作業領域の表示または非表示と、機械属性がトラックである作業領域の表示または非表示と、機械属性がトラクターである作業領域の表示または非表示と、機械属性が移植機である作業領域の表示または非表示とを、それぞれ切り替えてもよい。
【0039】
ステップS4において、作業管理装置5の演算装置51の抽出部514が、ステップS3で入力された抽出条件に基づいて作業領域91を抽出する。ここで、抽出部514は、領域情報を参照して、ステップS3で入力された抽出条件を満たす作業種別情報を抽出し、抽出した作業種別情報に関連付けられた作業領域情報を抽出領域情報として抽出する。ここで、抽出条件として選択された作業種別と、選択された作業種別に対応する機械属性とが一対一対応の関係にある場合には、この機械属性を表す機械属性情報に関連付けられた作業領域情報を抽出領域情報として抽出してもよい。
【0040】
ステップS4の後、ステップS5が実行される。ステップS5において、作業管理装置5の演算装置51の出力部515と、外部端末6の演算装置61の出力部613とが、抽出条件に基づいて作業領域91を表示する。より具体的には、まず、作業管理装置5の出力部515が、抽出条件に該当する作業領域を表す作業領域情報を出力して外部端末6に送信し、次に、外部端末6の出力部613が、受信した作業領域情報が表す作業領域91を表示する。
【0041】
図6を参照して、ステップS3で入力された抽出条件に基づいて抽出された作業領域91の表示の一例について説明する。
図6の例では、スイッチ83がオン状態になっている機械属性の作業機械が、入力枠72に記入された期間において、入力枠73に記入された作業種別の作業を行った作業領域91が、マーク92と共に表示されている。より具体的には、スイッチ83に対応する収穫機の機械属性を有する作業機械が、入力枠72に記入されている2021年5月1日から2021年5月7日までの期間において、入力枠73に対応する作業種別である「収穫」の作業を行った作業領域91が、マーク92と共に表示されている。この表示は、ステップS3において使用者が入力枠72と、入力枠73と、スイッチ83とに入力した結果として得られる。
【0042】
ステップS5の後、処理はステップS3に戻って新たな抽出条件が入力されるまで待機してもよい。
【0043】
以上に説明したように、ステップS3~ステップS5の処理では、使用者が所望する作業領域91を表示するために適切な抽出条件を入力することが求められる。使用者が管理する圃場9が多ければ多いほど、抽出条件の入力は煩雑になる場合がある。そこで、一実施の形態では、ステップS2の時点で使用者が所望する作業領域91を推定して自動的に表示することを試みる。
【0044】
図7を参照して、ステップS2の詳細について説明する。
図4のステップS1の後、ステップS2が実行されると、まず、
図7のステップS201が実行される。
【0045】
ステップS201において、作業管理装置5の演算装置51の入力部511が、栽培暦を表す栽培暦情報を用意する。栽培暦情報は、
図2に示したように、作業管理装置5の記憶装置52の栽培暦情報記憶部524に記憶されている。栽培暦情報は、記録媒体520から読み出されてもよいし、通信装置53を介して外部から取得されてもよい。
【0046】
図8は、一実施の形態による栽培暦の内容の一例を示す表である。
図8の表の横方向には、複数の期間が順に並べられている。ここで、「B」は各月の上旬を表し、「M」は各月の中旬を表し、「E」は各月の下旬を表している。また、
図8の表の縦方向には、作業種別と、作業種別を表す作業名とが並べられている。期間と作業種別とが交わるセルには、その期間にその作業種別の作業を行う予定がある場合にはチェックが記入されており、反対にその予定が無い場合にはチェックが記入されていない。なお、作業名は、生産者または生産地域で独自に使用される名称であって、作業種別と同一名であってもよいし、作業種別に紐づけられていれば作業種別と異なる名称が使用されてもよい。一例として、作業種別が「移植」である作業に対応して「植え付け」という作業名が使用されてもよい。
【0047】
なお、栽培暦は、使用者によって記入や変更が行われてもよい。一例として、
図8に示した表を外部端末6の出力装置642としてのタッチパネル装置に表示した状態で、使用者が外部端末6の入力装置641としてのタッチパネル装置を操作することによって、期間と作業種別が交わるセルのチェックを記入したり削除したりできる。また、使用者は、「ADD」ボタンまたは「DELETE」ボタンを操作することによって、作業種別の行を追加または削除することができる。さらに、作業種別のプルダウンメニューを操作することによって、その行の作業種別を変更することができる。
【0048】
ステップS201の後、ステップS202が実行される。ステップS202において、使用者によるログインが発生し、作業管理装置5の演算装置51の入力部511がログイン時刻を取得する。このログインは、使用者が外部端末6を起動し、外部端末6が作業管理装置5との通信を開始するときに発生してもよい。
【0049】
ステップS202の後、ステップS203が実行される。ステップS203において、作業管理装置5の演算装置51の抽出部514が、栽培暦からログイン時刻に対応する内容を読み出す。ここで、抽出部514は、栽培暦情報から、使用者がログインしたログイン時刻を含む期間に予定される作業種別を抽出する。抽出された作業種別を、抽出作業種別と呼ぶ。
図8に示した例では、ログイン時刻が2021年5月の上旬に含まれている場合、栽培暦情報のうち、期間101のデータが読み出される。
【0050】
ステップS203の後、ステップS204が実行される。ステップS204において、作業管理装置5の演算装置51の判定部513が、ステップS104で読み出した内容に該当する作業種別が1種類か否かを判定する。該当する作業種別が1種類である場合(Yes)は、ステップS204の後にステップS205が実行される。反対に、該当する作業種別が1種類ではない場合(No)は、ステップS204の後にステップS207が実行される。
図8に示した例では、読み出した期間101のデータに含まれる作業種別は「追肥」の1種類であるので、この場合はステップS204の後にステップS205が実行される。
【0051】
ステップS205において、作業管理装置5の演算装置51の抽出部514が、ステップS203で読み出した内容に該当する作業種別を行う作業領域を抽出する。より具体的には、注目している作業種別に関連付けられた作業領域を表す作業領域情報が抽出される。抽出された作業領域情報を、抽出領域情報と呼ぶ。
【0052】
ステップS205の後、ステップS206が実行される。ステップS206において、外部端末6の出力装置642が、ステップS205で抽出された抽出領域情報が表す作業領域を表示する。より具体的には、作業管理装置5の出力部515が通信装置53を制御して抽出領域情報を外部端末6に送信し、外部端末6の演算装置61の出力部613が出力装置642を制御して抽出領域情報が表す作業領域91を表示する。
【0053】
一例として、ステップS206において、抽出された作業領域91が
図9のように表示されてもよい。
図9は、一実施の形態による表示の一例を示す図である。このとき、条件設定ウィンドウ70の入力枠72には、ログイン時刻を含む期間が表示されてもよい。また、条件設定ウィンドウ70の入力枠73には、抽出された作業種別が表示されてもよい。
【0054】
ステップS206の後、処理は
図4のステップS3に進む。
【0055】
ステップS207において、作業管理装置5の演算装置51の算出部512が、所定の期間内に存在する作業種別ごとに作業領域の総数を集計する。より具体的には、算出部512は、ステップS204で1種類ではないと判定された複数の作業種別のそれぞれに関連付けられた複数の抽出領域情報の総数を算出する。
図10は、一実施の形態による栽培暦の内容の一例を示す表である。
図10の例では、読み出した期間102のデータに含まれる作業種別は「移植」、「追肥」、「中耕除草」の3種類であるので、これら3種類の作業種別のそれぞれに関連付けられた抽出領域情報の総数が算出される。
【0056】
ステップS207の後、ステップS208が実行される。ステップS208において、作業管理装置5の演算装置51の抽出部514が、ステップS207で集計した総数が最大である作業種別の作業領域を抽出する。
【0057】
ステップS208の後、ステップS209が実行される。ステップS209において、ステップS206の場合と同様に、外部端末6の出力部613が出力装置642を制御して、登録されている圃場9と、ステップS208で抽出した作業領域とを表示する。
【0058】
一例として、ステップS209において、登録され点在する圃場9を
図11Aのように表示し、抽出された作業領域を
図11Bのように表示してもよい。
図11Aは、一実施の形態による表示の一例を示す図である。
図11Bは、
図11Aの一部93を拡大して示す図である。このとき、圃場9と共に
図11Aに条件設定ウィンドウ70が表示され、条件設定ウィンドウ70の入力枠72には、ログイン時刻を含む期間が表示されてもよい。また、条件設定ウィンドウ70の入力枠73には、抽出された作業種別の全てが表示されてもよい。
図11Aの例では、
図10で読み出された「移植」、「追肥」、「中耕除草」の3種類が入力枠73に表示されている。一例として、抽出された作業種別が複数であるとき、入力枠73にこれら複数の作業種別を表示する順番は、その作業種別の作業領域の総数が多い順であってもよい。
図11Aの例では、対応する作業領域の総数が最も多い「移植」が入力枠73の一番上に、かつ、太字で強調されて表示されている。
【0059】
図11Bの例では、
図11Aの一部93に、圃場9A、9B、9C、9D、9E、9Fが表示されている。また、
図11Bの例では、対応する作業領域の総数が最も多い「移植」の作業領域9A1が圃場9Aの内側に存在することを示している。同様に、
図11Bの例では、「移植」の作業領域9D1および9D2が圃場9Dの内側に存在することも示している。このとき、
図11Aの入力枠73に表示されている「追肥」の作業領域9B1および9B2については、これらが圃場9Bの内側に存在することを表示してもよいし、表示しなくてもよいが、表示する場合には「移植」の作業領域9A1、9D1、9D2をより強調して表示することが好ましい。同様に、
図11Aの入力枠73に表示されている「中耕除草」の作業領域9C1についても、これが圃場9Cの内側に存在することを表示してもよいし、表示しなくてもよいが、表示する場合には「移植」の作業領域9A1、9D1、9D2をより強調して表示する。ただし、いずれの場合も、圃場9A、9B、9C、9D、9E、9Fを表す枠線は常時表示することが好ましい。
【0060】
図11Cは、別の状態における
図11Bを示す図である。この状態は、使用者が外部端末6を操作するなどして、
図11Aに示した入力枠73に表示されている作業種別のいずれかを選択することによって遷移した状態である。
図11Cの例では、
図11Aに示した入力枠73に表示されている作業種別のうち、「追肥」が選択されている状態を示している。このとき、入力枠73においては「追肥」が太字で表示され、
図11Cにおいては「追肥」の作業領域9B1、9B2が圃場9Bの内側に存在していることを示している。このとき、残る「移植」の作業領域9A1、9D1、9D2と、「中耕除草」の作業領域9C1については、表示してもよいし、表示しなくてもよいが、表示する場合には入力枠73で選択されている「追肥」の作業領域9B1、9B2をより強調して表示する。ただし、いずれの場合も、圃場9A、9B、9C、9D、9E、9Fを表す枠線は常時表示することが好ましい。
【0061】
ステップS209の後、処理は
図4のステップS3に進む。
【0062】
(変形例)
図12を参照して、一実施の形態による作業管理方法の一変形例について説明する。この変形例による作業管理方法は、
図4に示したステップS4を、
図12に示したフローチャートに置き換えることで得られる。この変形例では、
図4に示したステップS4が開始すると、
図12に示したステップS401が開始する。
【0063】
ステップS401において、作業管理装置5の判定部513が、抽出条件に期間が含まれており、かつ、作業種別および機械属性が含まれていないかどうかを判定する。判定の結果が真(TRUE)である場合、処理はステップS402へ進む。反対に、判定の結果が偽(FALSE)である場合、処理はステップS404へ進む。
【0064】
ステップS402において、作業管理装置5の算出部512は、抽出条件に該当する対象期間内に存在する作業種別ごとに作業領域の総数を集計する。このとき、集計した総数が最大である作業種別の作業領域を、他の作業種別の作業領域と区別できるように記憶する。一例として、
図13に示した栽培暦では、2021年4月上旬から2021年5月下旬までの期間103が抽出条件に含まれており、この期間103に存在する作業種別は「移植」、「追肥」および「中耕除草」である。
【0065】
ステップS402の後、ステップS403が実行される。ステップS403において、作業管理装置5の抽出部514は、抽出条件に該当する対象期間内に存在する全ての作業種別の作業領域を抽出する。一例として、
図13に示した例では、「移植」、「追肥」および「中耕除草」のそれぞれの作業領域を抽出する。
【0066】
ステップS403の後、処理は
図4のステップS5へ進む。ステップS5では、登録され点在する圃場9を
図14Aのように表示し、ステップS403で抽出された作業領域を
図14Bのように表示する。
図14Aは、一実施の形態による表示の一例を示す図である。
図14Bは、
図14Aの一部93を拡大して示す図である。このとき、ステップS402で集計した総数が最大である作業種別の作業領域を、他の作業種別の作業領域と区別できるように強調して表示する。一例として、
図14Bに示した表示の例では、ステップ403で抽出された「移植」、「追肥」および「中耕除草」の作業領域を表示している。より詳細には、「移植」の作業領域9A1、9D1、9D2が圃場9A、9Dの内側に存在することと、「追肥」の作業領域9B1、9B2が圃場9Bの内側に存在することと、「中耕除草」の作業領域9C1が圃場9Cの内側に存在することとを示している。さらに、これらの作業領域のうち、総数が最大である「移植」の作業領域9A1、9D1、9D2を、他の作業領域9B1、9B2、9C1と区別できるように強調して表示している。
図14Bの例では、太線による強調表示を行っているが、本開示はこの例に限定されず、その他、異なる色や、異なる線種などによる強調表示を行ってもよい。
【0067】
図14Bの状態において、それぞれの作業領域が対応する作業種別を識別するための表示は省略されていてもよい。その一方で、使用者が作業領域の表示を選択する操作などを行った結果として、その作業領域の作業種別を文字などによって表示してもよい。このような状態による表示の一例を、
図14Cに示す。
図14Cの例では、使用者が「追肥」の作業領域9B1または9B2をタッチパネルへのタッチ操作などによって選択したときに、これらの作業領域9B1、9B2に「追肥」の文字が表示された状態を示している。このとき、それまで表示されていた「移植」の作業領域9A1、9D1、9D2と、「中耕除草」の作業領域9C1とは、表示されたままでもよいし、表示されなくてもよいが、表示される場合は選択されている「追肥」の作業領域9B1、9B2を区別できるように強調して表示することが好ましい。
【0068】
なお、これらの処理を行うとき、使用者が入力枠73を操作しない限り、入力枠73は空白のままであってもよい。反対に、使用者が入力枠73を操作して指定した作業種類の作業領域を検索してもよい。その結果として、検索条件に合致する作業領域が選択的に表示されてもよい。
【0069】
ステップS404において、作業管理装置5の抽出部514は、抽出された作業種別の作業領域を抽出する。ここで、抽出された作業種別の作業領域は、抽出条件に該当する全ての作業種別の作業領域であってもよい。
【0070】
ステップS404の後、処理は
図4のステップS5へ進む。ステップS5では、ステップS404で抽出された全ての作業領域を表示する。
【0071】
以上に説明したように、一実施の形態によれば、使用者が外部端末6を操作してログインすることによって、使用者が作業領域91を抽出する条件を設定する前に、使用者が必要とする情報を推測して自動的に表示する。その結果、使用者が必要とする情報を効率的に出力することができる。その後、使用者が抽出条件を適宜に設定することによって、使用者が求める別の情報も出力することもできる。
【0072】
以上、発明者によってなされた発明を実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。また、実施の形態に説明したそれぞれの特徴は、技術的に矛盾しない範囲で自由に組み合わせることが可能である。
【符号の説明】
【0073】
1 作業管理システム
2 作業車両
3 車載端末
4 ネットワーク
5 作業管理装置
50 バス
51 演算装置
511 入力部
512 算出部
513 判定部
514 抽出部
515 出力部
52 記憶装置
520 記録媒体
521 作業管理プログラム記憶部
522 稼働情報記憶部
523 領域情報記憶部
524 栽培暦情報記憶部
53 通信装置
54 入出力装置
541 入力装置
542 出力装置
6 外部端末
60 バス
61 演算装置
611 入力部
612 算出部
613 出力部
62 記憶装置
620 記録媒体
621 表示操作プログラム記憶部
63 通信装置
64 入出力装置
641 入力装置
642 出力装置
70、80 条件設定ウィンドウ
71、72、73 入力枠
81、82、83、84、85 スイッチ
9 圃場
91、93 作業領域
92、94 マーク
101、102、103 期間