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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-25
(45)【発行日】2025-01-09
(54)【発明の名称】医療用照明装置
(51)【国際特許分類】
   A61B 1/06 20060101AFI20241226BHJP
   A61B 1/00 20060101ALI20241226BHJP
   G02B 23/26 20060101ALI20241226BHJP
【FI】
A61B1/06 614
A61B1/00 630
A61B1/00 510
G02B23/26 B
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2021527513
(86)(22)【出願日】2020-05-27
(86)【国際出願番号】 JP2020020994
(87)【国際公開番号】W WO2020261857
(87)【国際公開日】2020-12-30
【審査請求日】2023-04-10
(31)【優先権主張番号】P 2019118618
(32)【優先日】2019-06-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】313009556
【氏名又は名称】ソニー・オリンパスメディカルソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】北村 健
【審査官】渡▲辺▼ 純也
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-188221(JP,A)
【文献】特開2009-153899(JP,A)
【文献】特開2015-036066(JP,A)
【文献】国際公開第2010/070720(WO,A1)
【文献】国際公開第2010/064322(WO,A1)
【文献】特開2008-212348(JP,A)
【文献】国際公開第2016/056477(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 1/00 ~ 1/32
G02B 23/24 ~ 23/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
光を出射する出射部と、
前記出射部から出射された光が入射し、該入射した光を内部で導光して出射する光ファイバと、
前記光ファイバの前記光の出射端を含む出射端近傍に設けられ、前記光ファイバの光を検出する第1検出部及び第2検出部と、
前記第1検出部及び前記第2検出部が検出した光の検出値に基づいて、各検出部の検出値の正常/異常を判定し、該判定結果に基づいて、前記第1検出部及び前記第2検出部、並びに、前記光ファイバの正常/異常を判定し、判定した結果を出力する制御部と、
を備える医療用照明装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記第1検出部及び前記第2検出部、並びに、前記光ファイバの少なくとも一つが異常と判定された場合に、前記出射部による前記光の出射を停止させる、
請求項に記載の医療用照明装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記第1検出部の検出値が正常であり、前記第2検出部の検出値が異常である場合に、前記第2検出部が異常であると判定する、
請求項に記載の医療用照明装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記第1検出部の検出値と前記第2検出部の検出値とが異常である場合に、前記光ファイバが異常であると判定する、
請求項に記載の医療用照明装置。
【請求項5】
前記出射部が出射する光は、照射対象を励起する励起光である、
請求項1に記載の医療用照明装置。
【請求項6】
前記出射部に供給される電流を監視する電流監視部、
をさらに備え、
前記制御部は、前記検出部の正常/異常を判定するとともに、前記電流監視部の正常/異常を判定する、
請求項1に記載の医療用照明装置。
【請求項7】
前記光ファイバは、単線のファイバからなる、
請求項1に記載の医療用照明装置。
【請求項8】
前記第1検出部及び前記第2検出部は、前記光ファイバの側面から漏れた光をそれぞれ受光する、
請求項1に記載の医療用照明装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医療用照明装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、医療分野や工業用分野において、撮像素子を用いて被写体像を撮像する内視鏡装置や、医療用顕微鏡装置などの医療装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。このうち、内視鏡装置は、例えば、内視鏡と、撮像装置と、表示装置と、制御装置(画像処理装置)と、光源装置とを備える。内視鏡装置では、内視鏡に接続されるライトガイドを介して光源装置から照明光が供給され、照明光を照射して被写体像を撮像する。
【0003】
光源装置は、光源と、光源からの光を導光する光ファイバとを備える。特許文献1では、光ファイバが導光する光の光量を検出する光センサを設けて、光源装置から出射される光の光量を制御している。光センサは、光ファイバから漏れた光を受光して、その光量を検出する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2015-210890号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載の検出部は、光ファイバに対して一つ設けられている。この際、検出された光量検出値が通常状態とは異なる異常値である場合、光センサの故障による異常値であるのか、光ファイバの異常による異常値であるのかを判断することができなかった。このため、光ファイバ及び光センサのうち異常が生じている箇所がどちらであるのかを特定することができなかった。
【0006】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、光ファイバ及び光センサのうち異常が生じている箇所を特定することができる医療用照明装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明にかかる医療用照明装置は、光を出射する出射部と、前記出射部から出射された光が入射し、該入射した光を内部で導光して出射する光ファイバと、前記光ファイバの前記光の出射端を含む出射端近傍に設けられ、前記光ファイバの光を検出する第1及び第2検出部と、前記第1及び第2検出部が検出した光の検出値に基づいて、各検出部の検出値の正常/異常を判定する判定し、判定した結果を出力する制御部と、を備えることを特徴とする。
【0008】
また、本発明にかかる医療用照明装置は、上記発明において、前記制御部は、各検出部の検出値の正常/異常の判定結果に基づいて、前記第1及び第2検出部、並びに、前記光ファイバの正常/異常を判定することを特徴とする。
【0009】
また、本発明にかかる医療用照明装置は、上記発明において、前記制御部は、前記第1及び第2検出部、並びに、前記光ファイバの少なくとも一つが異常と判定された場合に、前記出射部による前記光の出射を停止させることを特徴とする。
【0010】
また、本発明にかかる医療用照明装置は、上記発明において、前記制御部は、前記第1検出部の検出値が正常であり、前記第2検出部の検出値が異常である場合に、前記第2検出部が異常であると判定することを特徴とする。
【0011】
また、本発明にかかる医療用照明装置は、上記発明において、前記制御部は、前記第1検出部の検出値と前記第2検出部の検出値とが異常である場合に、前記光ファイバが異常であると判定することを特徴とする。
【0012】
また、本発明にかかる医療用照明装置は、上記発明において、前記出射部が出射する光は、照射対象を励起する励起光であることを特徴とする。
【0013】
また、本発明にかかる医療用照明装置は、上記発明において、前記出射部に供給される電流を監視する電流監視部、をさらに備え、前記制御部は、前記検出部の正常/異常を判定するとともに、前記電流監視部の正常/異常を判定することを特徴とする。
【0014】
また、本発明にかかる医療用照明装置は、上記発明において、前記光ファイバは、単線のファイバからなることを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、光ファイバ及び光センサのうち異常が生じている箇所を特定することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1図1は、本発明の実施の形態1にかかる内視鏡装置の概略構成を示す図である。
図2図2は、図1に示したカメラヘッド、制御装置及び光源装置の構成を示すブロック図である。
図3図3は、図1に示した光源装置の要部の構成を示す図である。
図4図4は、光源制御部による光源部における正常/異常状態の判定パターンを説明する図である。
図5図5は、本発明の実施の形態1にかかる光源制御部が行う、第1光源部における正常/異常状態の判定処理を示すフローチャートである。
図6図6は、本発明の実施の形態2にかかる内視鏡装置における光源装置の要部の構成を示す図である。
図7図7は、本発明の実施の形態2にかかる光源制御部が行う、第1光源部における正常/異常状態の判定処理を示すフローチャートである。
図8図8は、その他の実施の形態にかかる医療用照明装置を備えた医療用観察システムである手術用顕微鏡システムの全体構成を模式的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明を実施するための形態(以下、「実施の形態」という)を説明する。実施の形態では、本発明にかかる医療用照明装置を備えるシステムの一例として、患者等の被検体内の画像を撮像して表示する医療用の内視鏡装置について説明する。また、この実施の形態により、この発明が限定されるものではない。さらに、図面の記載において、同一部分には同一の符号を付して説明する。
【0018】
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1にかかる内視鏡装置1の概略構成を示す図である。内視鏡装置1は、医療分野において用いられ、人等の観察対象物の内部(生体内)の被写体を観察する装置である。この内視鏡装置1は、図1に示すように、内視鏡2と、撮像装置3と、表示装置4と、制御装置5と、光源装置6とを備え、撮像装置3と制御装置5とで、医療用観察システムを構成する。なお、本実施の形態1では、内視鏡2及び撮像装置3により、例えば硬性鏡等の内視鏡を用いた画像取得装置を構成する。
【0019】
光源装置6は、ライトガイド7の一端にそれぞれ接続される二つの光源部(第1光源部61、第2光源部62)と、光源部による照明光の出射を制御する光源制御部63と、を有する。本実施の形態1において、第1光源部61は、生体内を照明するための赤外(Infrared:IR)光を供給する。第2光源部62は、生体内を照明するための白色光を出射する光源と、光源が出射した白色光をライトガイド7に導光する照明光学系とを有する。第1光源部61の構成については後述する。なお、光源装置6と制御装置5とは、図1に示すように別体とし相互に通信する構成としてもよいし、一体化した構成であってもよい。また、本実施の形態1では、第1光源部61がIR光を出射する例を説明するが、IR光に限らず、第1光源部61が出射する光には、観察対象を励起するための波長帯域の光が選択される。
【0020】
ライトガイド7は、一端が光源装置6に着脱自在に接続されるとともに、他端が内視鏡2に着脱自在に接続される。そして、ライトガイド7は、光源装置6から供給された光を一端から他端に伝達し、内視鏡2に供給する。
【0021】
撮像装置3は、内視鏡2からの被写体像を撮像して当該撮像結果を出力する。この撮像装置3は、図1に示すように、伝送ケーブル8と、カメラヘッド9とを備える。本実施の形態1では、伝送ケーブル8とカメラヘッド9とにより医療用撮像装置が構成される。
【0022】
内視鏡2は、硬質で細長形状を有し、生体内に挿入される。この内視鏡2の内部には、1または複数のレンズを用いて構成され、被写体像を集光する観察光学系が設けられている。内視鏡2は、ライトガイド7を介して供給された光を先端から出射し、生体内に照射する。そして、生体内に照射された光(被写体像)は、内視鏡2内の観察光学系(レンズユニット91)により集光される。
【0023】
カメラヘッド9は、内視鏡2の基端に着脱自在に接続される。そして、カメラヘッド9は、制御装置5による制御の下、内視鏡2にて集光された被写体像を撮像し、当該撮像による撮像信号を出力する。なお、カメラヘッド9の詳細な構成については、後述する。内視鏡2とカメラヘッド9とは、図1に示すように着脱自在に構成してもよいし、一体化した構成であってもよい。
【0024】
伝送ケーブル8は、一端がコネクタを介して制御装置5に着脱自在に接続されるとともに、他端がコネクタを介してカメラヘッド9に着脱自在に接続される。具体的に、伝送ケーブル8は、最外層である外被の内側に複数の電気配線(図示略)が配設されたケーブルである。当該複数の電気配線は、カメラヘッド9から出力される撮像信号を制御装置5に、制御装置5から出力される制御信号、同期信号、クロック、及び電力をカメラヘッド9にそれぞれ伝送するための電気配線である。
【0025】
表示装置4は、制御装置5による制御のもと、制御装置5により生成された画像を表示する。表示装置4は、観察時の没入感を得やすくするために、表示部が55インチ以上を有するものが好ましいが、これに限らない。
【0026】
制御装置5は、カメラヘッド9から伝送ケーブル8を経由して入力された撮像信号を処理し、表示装置4へ画像信号を出力するとともに、カメラヘッド9及び表示装置4の動作を統括的に制御する。なお、制御装置5の詳細な構成については、後述する。
【0027】
次に、撮像装置3及び制御装置5の構成について説明する。図2は、カメラヘッド9、制御装置5及び光源装置6の構成を示すブロック図である。なお、図2では、カメラヘッド9及び伝送ケーブル8同士を着脱可能とするコネクタの図示を省略している。
【0028】
以下、制御装置5の構成、及びカメラヘッド9の構成の順に説明する。なお、以下では、制御装置5の構成として、本発明の要部を主に説明する。制御装置5は、図2に示すように、信号処理部51と、画像処理部52と、通信モジュール53と、入力部54と、出力部55と、制御部56と、メモリ57とを備える。なお、制御装置5には、制御装置5及びカメラヘッド9を駆動するための電源電圧を生成し、制御装置5の各部にそれぞれ供給するとともに、伝送ケーブル8を介してカメラヘッド9に供給する電源部(図示略)などが設けられていてもよい。
【0029】
信号処理部51は、カメラヘッド9が出力した撮像信号に対してノイズ除去や、必要に応じてA/D変換等の信号処理を行うことによって、デジタル化された撮像信号(パルス信号)を画像処理部52に出力する。
【0030】
また、信号処理部51は、撮像装置3及び制御装置5の同期信号、及びクロックを生成する。撮像装置3への同期信号(例えば、カメラヘッド9の撮像タイミングを指示する同期信号等)やクロック(例えばシリアル通信用のクロック)は、図示しないラインで撮像装置3に送られ、この同期信号やクロックを基に、撮像装置3は駆動する。
【0031】
画像処理部52は、信号処理部51から入力される撮像信号をもとに、表示装置4が表示する表示用の画像信号を生成する。画像処理部52は、撮像信号に対して、所定の信号処理を実行して被写体画像を含む表示用の画像信号を生成する。ここで、画像処理部52は、検波処理や、補間処理、色補正処理、色強調処理、及び輪郭強調処理等の各種画像処理等の公知の画像処理を行う。画像処理部52は、生成した画像信号を表示装置4に出力する。
【0032】
通信モジュール53は、制御部56から送信された後述する制御信号を含む制御装置5からの信号を撮像装置3に出力する。また、撮像装置3からの信号を制御装置5内の各部に出力する。つまり通信モジュール53は、撮像装置3へ出力する制御装置5の各部からの信号を、例えばパラレルシリアル変換等によりまとめて出力し、また撮像装置3から入力される信号を、例えばシリアルパラレル変換等により振り分けて制御装置5の各部に出力する、中継デバイスである。
【0033】
入力部54は、キーボード、マウス、タッチパネル等のユーザインタフェースを用いて実現され、各種情報の入力を受け付ける。
【0034】
出力部55は、スピーカーやプリンタ、ディスプレイ等を用いて実現され、各種情報を出力する。出力部55は、制御部56の制御のもと、アラーム音声、アラーム光の出力や、画像表示を行う。
【0035】
制御部56は、制御装置5及びカメラヘッド9を含む各構成部の駆動制御、及び各構成部に対する情報の入出力制御などを行う。制御部56は、メモリ57に記録されている通信情報データ(例えば、通信用フォーマット情報など)を参照して制御信号を生成し、該生成した制御信号を、通信モジュール53を介して撮像装置3へ送信する。また、制御部56は、伝送ケーブル8を介して、カメラヘッド9に対して制御信号を出力する。
【0036】
メモリ57は、フラッシュメモリやDRAM(Dynamic Random Access Memory)等の半導体メモリを用いて実現され、通信情報データ(例えば、通信用フォーマット情報など)が記録されている。なお、メモリ57は、制御部56が実行する各種プログラム等が記録されていてもよい。
【0037】
なお、信号処理部51が、入力されたフレームの撮像信号を基に、各フレームの所定のAF用評価値を出力するAF処理部、及び、AF処理部からの各フレームのAF用評価値から、最も合焦位置として適したフレームまたはフォーカスレンズ位置等を選択するようなAF演算処理を行うAF演算部を有していてもよい。
【0038】
上述した信号処理部51、画像処理部52、通信モジュール53及び制御部56は、プログラムが記録された内部メモリ(図示略)を有するCPU(Central Processing Unit)等の汎用プロセッサやASIC(Application Specific Integrated Circuit)等の特定の機能を実行する各種演算回路等の専用プロセッサを用いて実現される。また、プログラマブル集積回路の一種であるFPGA(Field Programmable Gate Array:図示略)を用いて構成するようにしてもよい。なお、FPGAにより構成される場合は、コンフィグレーションデータを記憶するメモリを設け、メモリから読み出したコンフィグレーションデータにより、プログラマブル集積回路であるFPGAをコンフィグレーションしてもよい。
【0039】
次に、カメラヘッド9の構成として、本発明の要部を主に説明する。カメラヘッド9は、図2に示すように、レンズユニット91と、撮像部92と、通信モジュール93と、カメラヘッド制御部94とを備える。
【0040】
レンズユニット91は、1または複数のレンズを用いて構成され、レンズユニット91を通過した被写体像を、撮像部92を構成する撮像素子の撮像面に結像する。当該1または複数のレンズは、光軸に沿って移動可能に構成されている。そして、レンズユニット91には、当該1または複数のレンズを移動させて、画角を変化させる光学ズーム機構(図示略)や焦点位置を変化させるフォーカス機構が設けられている。なお、レンズユニット91は、内視鏡2において設けられる光学系とともに、内視鏡2に入射した観察光を撮像部92に導光する観察光学系を形成する。
【0041】
撮像部92は、カメラヘッド制御部94による制御の下、被写体を撮像する。この撮像部92は、レンズユニット91が結像した被写体像を受光して電気信号に変換する撮像素子を用いて構成されている。撮像素子は、CCD(Charge Coupled Device)イメージセンサまたはCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)イメージセンサにより構成される。撮像素子がCCDの場合は、例えば、当該撮像素子からの電気信号(アナログ信号)に対して信号処理(A/D変換等)を行って撮像信号を出力する信号処理部(図示略)がセンサチップなどに実装される。撮像素子がCMOSの場合は、例えば、光から電気信号に変換された電気信号(アナログ信号)に対して信号処理(A/D変換等)を行って撮像信号を出力する信号処理部(図示略)が撮像素子に含まれる。撮像部92は、生成した電気信号を通信モジュール93に出力する。
【0042】
通信モジュール93は、制御装置5から送信された信号をカメラヘッド制御部94等のカメラヘッド9内の各部に出力する。また、通信モジュール93は、カメラヘッド9の現在の状態に関する情報などを予め決められた伝送方式に応じた信号形式に変換し、伝送ケーブル8を介して当該変換した信号を制御装置5に出力する。つまり通信モジュール93は、制御装置5や伝送ケーブル8から入力される信号を、例えばシリアルパラレル変換等により振り分けてカメラヘッド9の各部に出力し、また制御装置5や伝送ケーブル8へ出力するカメラヘッド9の各部からの信号を、例えばパラレルシリアル変換等によりまとめて出力する、中継デバイスである。
【0043】
カメラヘッド制御部94は、伝送ケーブル8を介して入力した駆動信号や、カメラヘッド9の外面に露出して設けられたスイッチ等の操作部へのユーザ操作により操作部から出力される指示信号等に応じて、カメラヘッド9全体の動作を制御する。また、カメラヘッド制御部94は、伝送ケーブル8を介して、カメラヘッド9の現在の状態に関する情報を制御装置5に出力する。
【0044】
なお、上述した通信モジュール93及びカメラヘッド制御部94は、プログラムが記録された内部メモリ(図示略)を有するCPU等の汎用プロセッサやASIC等の特定の機能を実行する各種演算回路等の専用プロセッサを用いて実現される。また、プログラマブル集積回路の一種であるFPGAを用いて構成するようにしてもよい。ここで、FPGAにより構成される場合は、コンフィグレーションデータを記憶するメモリを設け、メモリから読み出したコンフィグレーションデータにより、プログラマブル集積回路であるFPGAをコンフィグレーションしてもよい。
【0045】
また、カメラヘッド9や伝送ケーブル8に、通信モジュール93や撮像部92により生成された撮像信号に対して信号処理を施す信号処理部を構成するようにしてもよい。さらに、カメラヘッド9内部に設けられた発振器(図示略)で生成された基準クロックに基づいて、撮像部92を駆動するための撮像用クロック、及びカメラヘッド制御部94のための制御用クロックを生成し、撮像部92及びカメラヘッド制御部94にそれぞれ出力するようにしてもよいし、伝送ケーブル8を介して制御装置5から入力した同期信号に基づいて、撮像部92及びカメラヘッド制御部94における各種処理のタイミング信号を生成し、撮像部92及びカメラヘッド制御部94にそれぞれ出力するようにしてもよい。また、カメラヘッド制御部94をカメラヘッド9ではなく伝送ケーブル8や制御装置5に設けてもよい。
【0046】
続いて、光源装置6の要部の構成について、図3を参照して説明する。図3は、図1に示した光源装置の要部の構成を示す図である。第1光源部61は、赤外光を出射するレーザーモジュール611と、レーザーモジュール611を駆動させる駆動回路612と、レーザーモジュールが導光する光を検出する二つの検出部(第1センサ613、第2センサ614)とを備える。これらの各部は、光源装置6を構成する筐体の内部に設けられる。なお、本発明にかかる医療用照明装置は、少なくともレーザーモジュール611、二つの検出部(第1センサ613、第2センサ614)及び光源制御部63を用いて構成される。
【0047】
レーザーモジュール611は、レーザー光(赤外光)を出射するレーザーモジュール励起部615と、レーザーモジュール励起部615が出射したレーザー光を導光する光ファイバ616とによって構成される。
【0048】
レーザーモジュール励起部615は、駆動回路612から供給される電流によって発光体を励起してレーザー光を発する。レーザーモジュール励起部615から出射されたレーザー光は、光ファイバ616の一端に導光され、光ファイバ616の他端から出射される。光ファイバ616の他端から出射されたレーザー光は、図示しないフィルタや光学系を経て、ライトガイド7に入射する。レーザーモジュール励起部615は、出射部に相当する。
【0049】
光ファイバ616は、光源装置6の筐体内における配設スペースに応じて、屈曲される。光ファイバ616は、例えば、図3に示すように、一部が巻回される。光ファイバ616は、単線のファイバからなる。なお、光ファイバ616は、複数のファイバを束ねて構成されるものとしてもよい。
【0050】
第1センサ613及び第2センサ614は、光センサを用いて構成され、光ファイバ616の側面、かつ光ファイバ616の出射端近傍に設けられる。第1センサ613及び第2センサ614は、光ファイバ616の側面から漏れた光を受光して、受光した光の光量に応じた光量値を出力する。第1センサ613及び第2センサ614は、図3に示すように光ファイバ616の長手方向に沿って並べて配置してもよいし、光ファイバ616の周方向に沿って並べて配置してもよい。
【0051】
光源制御部63は、第1センサ613及び第2センサ614から検出値を受け取ると、検出値と、予め設定されている基準値とをもとに、第1センサ613及び第2センサ614の検出値の正常/異常を判定する。例えば、光源制御部63は、検出値と基準値との差分を算出し、差分に応じて正常/異常を判定する。基準値は、例えば、レーザーモジュール励起部615が出射する光の光量に対応付けられ、光ファイバ616がその光量の光を導光した際に検出される理論的な検出値が設定される。また、光源制御部63は、算出した差分に基づいて正常/異常を判定するための判定閾値を記憶する。
光源制御部63は、プログラムが記録された内部メモリ(図示略)を有するCPU等の汎用プロセッサやASIC等の特定の機能を実行する各種演算回路等の専用プロセッサ、及びメモリを用いて実現される。
【0052】
光源制御部63は、第1センサ613及び第2センサ614の正常/異常を判定後、その判定結果の組み合わせによって、第1センサ613、第2センサ614及びレーザーモジュール611の正常/異常状態を判定する。
【0053】
図4は、光源制御部による光源部における正常/異常状態の判定パターンを説明する図である。光源制御部63は、第1センサ613及び第2センサ614の検出値がともに正常であると判定した場合、第1センサ613、第2センサ614及びレーザーモジュール611は、正常状態であると判定する。
これに対し、光源制御部63は、第1センサ613及び第2センサ614のうちの一方が正常、他方が異常であると判定した場合、異常と判定した方のセンサについて、異常状態であると判定する。具体的に、光源制御部63は、第1センサが正常、第2センサ614が異常であると判定した場合、第2センサが異常状態であると判定する。一方、光源制御部63は、第1センサが異常、第2センサ614が正常であると判定した場合、第1センサが異常状態であると判定する。
また、光源制御部63は、第1センサ及び第2センサ614がともに異常であると判定した場合、光ファイバ616が異常であると判定する。この際、光ファイバ616には、例えばファイバ折れなどによって、光が出射端に到達する前に、光が外部に漏れている状態となっている。
光源制御部63は、判定結果に関する情報を制御装置5に出力する。光源制御部63は、医療用照明装置の制御部に相当する。なお、光源制御部63とは別に、正常/異常を判定し、判定結果に関する情報を外部に出力する制御部を別途設けてもよいし、正常/異常を判定する判定部と、判定結果に関する情報を外部に出力する出力部とを有する制御部を別途設けてもよい。
【0054】
続いて、光源制御部63が行う、第1光源部61における正常/異常状態の判定処理の流れについて、図5を参照して説明する。図5は、本発明の実施の形態1にかかる光源制御部が行う、第1光源部における正常/異常状態の判定処理を示すフローチャートである。
【0055】
光源制御部63は、レーザーモジュール611の励起処理を実施する(ステップS101)。これにより、レーザーモジュール励起部615からレーザー光が出射される。レーザーモジュール励起部615から出射されたレーザー光は、光ファイバ616に入射し、ファイバ内を進行して外部に放出される。
【0056】
光源制御部63は、レーザーモジュール611の励起処理を実施後、第1センサ613及び第2センサ614から検出値を取得する(ステップS102)。
【0057】
光源制御部63は、第1センサ613から検出値を受け取ると、検出値と、予め設定されている基準値とをもとに、第1センサ613の検出値の正常/異常を判定する(ステップS103)。光源制御部63は、検出値と基準値との差分を算出し、差分に応じて第1センサ613の検出値の正常/異常を判定する。
【0058】
光源制御部63は、第2センサ614から検出値を受け取ると、検出値と、予め設定されている基準値とをもとに、第2センサ614の検出値の正常/異常を判定する(ステップS104)。光源制御部63は、検出値と基準値との差分を算出し、差分に応じて第2センサ614の検出値の正常/異常を判定する。
なお、ステップS103及びステップS104は、処理順が逆であってもよいし、同時に行ってもよい。
【0059】
光源制御部63は、第1センサ613及び第2センサ614の状態判定を行った後、その判定結果に基づいて第1光源部61の正常/異常状態を判定する(ステップS105)。光源制御部63は、第1センサ613の判定結果と、第2センサ614の判定結果との組み合わせに基づいて、第1光源部61の正常/異常状態を判定する(例えば、図4参照)。
【0060】
光源制御部63は、第1光源部61の正常/異常状態を判定すると、この判定結果に関する情報を出力する(ステップS106)。光源制御部63は、判定結果に関する情報を制御装置5に出力する。制御装置5は、予め設定されている条件に基づいて、判定結果を処理する。制御装置5は、例えば、判定結果を出力部55に出力させる。出力部55は、例えば、判定結果をモニタに表示する。出力部55は、正常、第1センサ異常、第2センサ異常、光ファイバ異常のいずれかを判定結果として表示する。なお、出力部55が、第1センサ613及び第2センサ614の検出値の正常/異常の判定結果を表示するようにしてもよい。この場合、術者等は、第1センサ613及び第2センサ614の検出値の判定結果を確認し、第1センサ異常、第2センサ異常、光ファイバ異常のいずれかを判断する。また、第1センサ613及び第2センサ614の状態判定結果を、当該装置のメンテナンスを担当する担当者の端末に送信するようにしてもよい。
【0061】
また、光源制御部63は、第1光源部61の正常/異常状態の判定結果に基づいて、レーザーモジュール励起部615を制御する。例えば、光源制御部63は、第1センサ613、第2センサ614及び光ファイバ616のいずれかに異常があると判定した場合、レーザーモジュール励起部615によるレーザー光の出射を停止するようにしてもよい。また、光源制御部63は、第1センサ613、第2センサ614の一方のみに異常があると判定した場合は、レーザーモジュール励起部615によるレーザー光の出射を継続するようにしてもよい。レーザー光の出射継続後は、正常な一方のセンサのみを用いて検出を行う。さらに、検出を行う一方のセンサが異常と検知した場合は、レーザー光の出射を停止し、エラー情報として表示装置4に表示(報知)させてもよい。
【0062】
上述した実施の形態1は、光ファイバ616の出射端側に二つのセンサ(第1センサ613及び第2センサ614)を設けて、各センサの検出値の正常/異常の判定結果に基づいて、正常、第1センサ異常、第2センサ異常、光ファイバ異常の各状態を判定するようにしたので、光ファイバ及び光センサのうち異常が生じている箇所を特定することができる。本実施の形態1によれば、異常が生じている箇所が特定されるため、レーザーモジュール611、第1センサ613及び第2センサ614をすべて取り出して確認する必要なく、異常がある部品のみを取り出して交換することで異常状態を解消することができる。この際、第1センサ613及び第2センサ614は、互いに光ファイバ616の出射端近傍に設けられており、検出値もほぼ同等であるため、同一の判定値を用いることができる。
【0063】
上述した実施の形態1では、IR光を出射する第1光源部61において、上述した光センサを設けて、センサや光ファイバの正常/異常を検出する。ここで、IR光は、ヒトの目には見えず、実際に光が出射されているか、どの程度の強度の光が出射されているかが分かり難い。実施の形態1では、このようなヒトの目では判断できない光の出射状態を、光センサの検出値を用いて判定する。
【0064】
なお、上述した実施の形態1では、第1センサ613及び第2センサ614が、光ファイバ616の出射端近傍に設けられる例を説明したが、光ファイバ616の全体に対して折れ等の異常を判定するため、第1センサ613及び第2センサ614は光ファイバ616の出射端に近い位置に設けられることが好ましい。すなわち、第1センサ613及び第2センサ614は、光ファイバ616の光の出射端を含む出射端近傍に設けられることが好ましい。
【0065】
(実施の形態2)
続いて、本発明の実施の形態2について説明する。図6は、本発明の実施の形態2にかかる内視鏡装置における光源装置の要部の構成を示す図である。本実施の形態2は、上述した実施の形態1の第1光源部61に代えて第1光源部61Aを備える。本実施の形態2において、第1光源部61Aの構成以外は、上述した実施の形態1の内視鏡装置1と同じであるため、説明を省略する。
【0066】
第1光源部61Aは、赤外光を出射するレーザーモジュール611と、レーザーモジュール611を駆動させる駆動回路612と、レーザーモジュールが導光する光を検出する二つの検出部(第1センサ613、第2センサ614)と、電流監視部617とを備える。これらの各部は、光源装置6を構成する筐体の内部に設けられる。レーザーモジュール611、駆動回路612及び検出部の構成は実施の形態1と同様であるため、説明を省略する。
【0067】
電流監視部617は、駆動回路612からレーザーモジュール励起部615に供給される電流を監視する。具体的に、電流監視部617は、駆動回路612とレーザーモジュール励起部615との間に流れる電流の大きさ(電流値)を検出する。電流監視部617は、検出した電流値(検出値)を光源制御部63に出力する。
【0068】
続いて、光源制御部63が行う、第1光源部61Aにおける正常/異常状態の判定処理の流れについて、図7を参照して説明する。図7は、本発明の実施の形態2にかかる光源制御部が行う、第1光源部における正常/異常状態の判定処理を示すフローチャートである。
【0069】
光源制御部63は、レーザーモジュール611の励起処理を実施する(ステップS201)。レーザーモジュール励起部615から出射されたレーザー光は、光ファイバ616に入射し、ファイバ内を進行して外部に放出される。
【0070】
光源制御部63は、レーザーモジュール611の励起処理を実施後、第1センサ613、第2センサ614及び電流監視部617から検出値を取得する(ステップS202)。
【0071】
光源制御部63は、第1センサ613から検出値を受け取ると、検出値と、予め設定されている基準値とをもとに、第1センサ613の検出値の正常/異常を判定する(ステップS203)。
【0072】
光源制御部63は、第2センサ614から検出値を受け取ると、検出値と、予め設定されている基準値とをもとに、第2センサ614の検出値の正常/異常を判定する(ステップS204)。
なお、ステップS203及びステップS204は、処理順が逆であってもよいし、同時に行ってもよい。
【0073】
光源制御部63は、第1センサ613及び第2センサ614の状態判定を行った後、その判定結果に基づいて第1光源部61Aの正常/異常状態を判定する(ステップS205)。光源制御部63は、第1センサ613の判定結果と、第2センサ614の判定結果との組み合わせに基づいて、第1光源部61Aの正常/異常状態を判定する(例えば、図4参照)。
【0074】
光源制御部63は、電流監視部617から取得した検出値に基づいて電流監視部617の正常/異常状態を判定する(ステップS206)。光源制御部63は、上述したステップS105と同様にして、検出値と、予め設定されている基準値とをもとに、電流監視部617の検出値の正常/異常を判定する。
【0075】
光源制御部63は、第1光源部61A(第1センサ613、第2センサ614及び電流監視部617の各検出値)の正常/異常状態を判定すると、この判定結果に関する情報を出力する(ステップS207)。光源制御部63は、判定結果に関する情報を制御装置5に出力する。制御装置5は、予め設定されている条件に基づいて、判定結果を処理する。制御装置5は、例えば、判定結果を出力部55に出力させる。出力部55は、例えば、判定結果をモニタに表示する。出力部55は、正常、第1センサ異常、第2センサ異常、光ファイバ異常から判定結果に基づいて選択される判定結果を表示する。
【0076】
上述した実施の形態2は、光ファイバ616の出射端側に二つのセンサ(第1センサ613及び第2センサ614)を設けて、各センサの検出値の正常/異常の判定結果に基づいて、正常、第1センサ異常、第2センサ異常、光ファイバ異常の各状態を判定するようにしたので、光ファイバ及び光センサのうち異常が生じている箇所を特定することができる。さらに、本実施の形態2では、駆動回路612とレーザーモジュール励起部615との間に電流監視部617を設けて、駆動回路612とレーザーモジュール励起部615との間に流れる電流値を監視する部分の異常を判定するようにした。本実施の形態2によれば、異常が生じている箇所が特定されるため、レーザーモジュール611、第1センサ613及び第2センサ614や電流監視部617のすべて取り出して確認する必要なく、異常がある部品のみを取り出して交換することで異常状態を解消することができる。
【0077】
ここまで、本発明を実施するための形態を説明してきたが、本発明は上述した実施の形態によってのみ限定されるべきものではない。上述した実施の形態では、制御装置5が信号処理などを行うものとして説明したが、カメラヘッド9側で行うものであってもよい。
【0078】
なお、上述した実施の形態1、2において、光ファイバ616の光入射端側にも光センサを設けて、レーザーモジュール励起部615と光ファイバ616との間で伝送される光を検出するようにしてもよい。
【0079】
また、上述した実施の形態1、2では、励起光を出射する光源を対象に、光センサと光ファイバとの正常/異常を判定する例を説明したが、白色光を出射する光源(例えば、上述した第2光源部62)に上述した判定を行う構成を適用してもよい。
【0080】
また、上述した実施の形態1、2において、ライトガイド7の内視鏡2に接続する側の端部に二つの検出部を配置して、ライトガイド7における導光路の正常/異常を判定する構成としてもよい。
【0081】
また、上述した実施の形態1、2では、光源制御部63が、検出値から、正常、第1センサ異常、第2センサ異常、光ファイバ異常のいずれかを判定結果として出力する例を説明したが、第1センサ及び第2センサの各検出値の正常/異常のみを出力するようにしてもよい。この場合、例えば、上述した図5のステップS103、S104の判定結果が出力されることになる。
【0082】
また、本実施の形態1、2にかかる光源装置、並びに、他の構成部で実行される各処理に対する実行プログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD-ROM、フレキシブルディスク、CD-R、DVD等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して提供するように構成してもよく、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成してもよい。また、インターネット等のネットワーク経由で提供または配布するように構成してもよい。
【0083】
(その他の実施の形態)
また、上述した実施の形態1、2では、硬性の内視鏡を例に説明したが、軟性の内視鏡に適用してもよいし、所定の視野領域を拡大して撮像し、撮像した画像を表示する機能を有する手術用顕微鏡システム(医療用画像取得システム)にも適用できる。図8は、その他の実施の形態にかかる医療用観察装置を備えた医療用観察システムである手術用顕微鏡システムの全体構成を模式的に示す図である。
【0084】
手術用顕微鏡システム100は、被写体を観察するための画像を撮像することによって取得する医療用撮像装置である顕微鏡装置110と、顕微鏡装置110が撮像した画像を表示する表示装置111とを備える。なお、表示装置111を顕微鏡装置110と一体に構成することも可能である。
【0085】
顕微鏡装置110は、被写体の微小部位を拡大して撮像する顕微鏡部112と、顕微鏡部112の基端部に接続し、顕微鏡部112を回動可能に支持するアームを含む支持部113と、支持部113の基端部を回動可能に保持し、床面上を移動可能なベース部114と、を有する。ベース部114は、手術用顕微鏡システム100の動作を制御する制御部114aと、顕微鏡装置110から被写体に照射する照明光を生成する光源部115とを有する。なお、制御部114aは、上述した信号処理部51、画像処理部52などの上述した制御装置5の機能を有している。また、ベース部114は、床面上に移動可能に設けるのではなく、天井や壁面等に固定して支持部113を支持する構成としてもよい。
【0086】
顕微鏡部112は、例えば、円柱状をなして、その内部に上述した撮像部92を有する。顕微鏡部112の側面には、顕微鏡装置110の動作指示の入力を受け付けるスイッチが設けられている。顕微鏡部112の下端部の開口面には、内部を保護するカバーガラスが設けられている(図示せず)。
【0087】
光源部115は、上述した実施の形態1、2のいずれかの光源装置と同じ構成を備える。
【0088】
術者等のユーザは、顕微鏡部112を把持した状態で各種スイッチを操作しながら、顕微鏡部112を移動したり、ズーム操作を行ったり、照明光を切り替えたりする。なお、顕微鏡部112の形状はユーザが把持して視野方向を変更しやすいように、観察方向に細長く延びる形状であれば好ましい。このため、顕微鏡部112の形状は、円柱状以外の形状であってもよく、例えば多角柱状であってもよい。
【0089】
制御部114aでは、実施の形態1等と同様にして、光源制御部63が、第1センサ613及び第2センサ614の検出値をもとに、第1センサ613、第2センサ614及びレーザーモジュール611の正常/異常状態を判定する。
【0090】
以上説明したように、手術用顕微鏡システム100においても、上述した実施の形態1と同様の効果を得ることができる。
【産業上の利用可能性】
【0091】
以上のように、本発明にかかる医療用照明装置は、光ファイバ及び光センサのうち異常が生じている箇所を特定するのに有用である。
【符号の説明】
【0092】
1 内視鏡装置
2 内視鏡
3 撮像装置
4 表示装置
5 制御装置
6 光源装置
7 ライトガイド
8 伝送ケーブル
9 カメラヘッド
51 信号処理部
52 画像処理部
53 通信モジュール
54 入力部
55 出力部
56、114a 制御部
57 メモリ
61、61A 第1光源部
62 第2光源部
63 光源制御部
91 レンズユニット
92 撮像部
93 通信モジュール
94 カメラヘッド制御部
100 手術用顕微鏡システム
110 顕微鏡装置
111 表示装置
112 顕微鏡部
113 支持部
114 ベース部
115 光源部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8