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▶ ハグネシア、アクチボラグの特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-25
(45)【発行日】2025-01-09
(54)【発明の名称】方位角またはポロイダル磁束機械
(51)【国際特許分類】
   H02K 41/03 20060101AFI20241226BHJP
【FI】
H02K41/03 A
【請求項の数】 18
(21)【出願番号】P 2021547330
(86)(22)【出願日】2020-03-03
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-04-20
(86)【国際出願番号】 SE2020050234
(87)【国際公開番号】W WO2020180234
(87)【国際公開日】2020-09-10
【審査請求日】2023-01-18
(31)【優先権主張番号】1950276-4
(32)【優先日】2019-03-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】SE
(73)【特許権者】
【識別番号】521355843
【氏名又は名称】ハグネシア、アクチボラグ
【氏名又は名称原語表記】HAGNESIA AB
(74)【代理人】
【識別番号】100091487
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 行孝
(74)【代理人】
【識別番号】100120031
【弁理士】
【氏名又は名称】宮嶋 学
(74)【代理人】
【識別番号】100127465
【弁理士】
【氏名又は名称】堀田 幸裕
(74)【代理人】
【識別番号】100164688
【弁理士】
【氏名又は名称】金川 良樹
(72)【発明者】
【氏名】アンデシュ、ハグネストール
【審査官】谿花 正由輝
(56)【参考文献】
【文献】特表2014-504129(JP,A)
【文献】独国特許出願公開第102014213276(DE,A1)
【文献】特開2013-223289(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02K 41/03
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
磁束のスイッチングによって動作する電気機械(1)であって、
-第1の磁気構造(10)と、
-第2の磁気構造(20)と、
-巻線(30)と
を備え、
前記第1および第2の磁気構造(10、20)は、所定の運動経路(4)に沿って互いに対して移動可能に配置され、
前記第1および第2の磁気構造(10、20)は、前記所定の運動経路(4)に垂直な閉鎖経路(3)に沿って、前記所定の運動経路(4)に平行で、4つを超える空隙(40)を介して互いに交互配置される、それぞれのセクション(12、22)を有し、
各セクション(12、22)は、前記閉鎖経路(3)の方向に沿って見られるときに、前記4つを超える空隙(40)の2つの連続するものに面するセクション表面(14、16、24、26)の間に位置する前記それぞれの磁気構造の一部として定義され、
前記磁気構造の各セクション(12、22)について、前記電気機械が発電機として動作する場合、又は前記電気機械がモータとして動作する場合に発生する磁力線は、前記セクション表面(14、16、24、26)の間の磁性材料を通過し、
前記第1の磁気構造(10)は、各空隙(40)で、前記所定の運動経路(4)に平行する方向に沿って透磁率の分布が変化する可変透磁率をもち、
前記第2の磁気構造(20)は、各空隙(40)での前記所定の運動経路(4)に平行な前記方向において、
(i)前記運動経路(4)に平行する方向に沿って透磁率の分布が変化する可変透磁率と、
(ii)前記所定の運動経路(4)に平行する方向に沿って設けられた永久磁極と、
(iii)前記所定の運動経路(4)に平行する方向に沿って設けられた超伝導材料を備える磁極と、
のうちの少なくとも1つをもち、
第1の平均距離(11)と第2の平均距離(21)とは、前記第1の平均距離(11)に対して35%以内で近似し、
前記第1の平均距離(11)は、前記第1の磁気構造(10)のセクション(12)の前記所定の運動経路(4)に平行する前記透磁率の連続する最大値をもつ位置間の平均距離として規定され、前記第2の平均距離(21)は、前記第2の磁気構造(20)の隣接するセクション(22)の前記所定の運動経路(4)に平行する前記透磁率の連続する最大値をもつ位置間の平均距離として規定されるか、または前記第2の磁気構造の前記隣接するセクション(22)の前記永久磁石又は前記超伝導材料を備える磁極の同じ極性の連続する磁極間の平均距離として規定され、
前記4つを超える空隙(40)の各々について、少なくとも1つの動作段階での少なくとも1つの位置で、第1の平均は第2の平均の15%よりも大きく、前記第1の平均は前記電気機械が発電機として動作する場合、又は前記電気機械がモータとして動作する場合に発生する空隙(40)での前記セクション表面(14、16、24、26)に垂直な磁束密度の成分の平均として規定され、
前記第2の平均は、前記電気機械が発電機として動作する場合、又は前記電気機械がモータとして動作する場合に発生する前記セクション表面(14、16、24、26)に垂直な磁束密度の成分の絶対値の平均として規定され、ここで、前記第1の平均と前記第2の平均は所定の第1距離(41)に渡って求められ、ここで、前記所定の第1距離(41)は、前記所定の運動経路(4)の前記方向における前記それぞれの空隙(40)に沿った前記第1の平均距離(11)の整数倍であり、この整数倍は3倍より大きくなっており、
前記磁気構造の前記セクション(12、22)のうちの少なくとも3つについて、前記巻線(30)は、前記所定の運動経路(4)の前記方向に少なくとも前記所定の第1距離(41)のそれぞれのセクション(12、22)の周りに設けられた、または、前記所定の運動経路(4)を囲む全体に沿ったそれぞれのセクション(12、22)に沿って設けられた、それぞれのループ(32)を有する、電気機械。
【請求項2】
2つの連続する前記それぞれのループ(32)を通過する磁力線の向きが、前記2つの連続するループ(32)の前記位置の間で磁束の閉鎖経路に沿って、150度未満の方向で変化することを特徴とする、請求項1に記載の電気機械。
【請求項3】
前記第1の磁気構造(10)がステータであることを特徴とする、請求項1または2に記載の電気機械。
【請求項4】
前記第2の磁気構造(20)がステータであることを特徴とする、請求項1または2に記載の電気機械。
【請求項5】
前記所定の運動経路(4)が直線経路であることを特徴とする、請求項1から4のいずれか一項に記載の電気機械。
【請求項6】
前記所定の運動経路(4)が円弧経路であり、それによって前記電気機械(1)がポロイダル磁束機械であることを特徴とする、請求項1から4のいずれか一項に記載の電気機械。
【請求項7】
前記巻線(30)が、前記第1の磁気構造(10)の3つ以上のセクション(12)または前記第2の磁気構造(20)の3つ以上のセクション(22)の周りに前記所定の運動経路(4)に対して非垂直に巻かれることを特徴とする、請求項1から6のいずれか一項に記載の電気機械。
【請求項8】
前記第1の磁気構造(10)の各セクション(12)は、非磁性材料(17)またはスリットによって分離された磁気的高透過性材料(13)からなる第1の部分のスタックを備え、
それによって前記第1の平均距離(11)は、磁気的高透過性材料(13)からなる2つの連続する第1の部分の中心間の平均距離に等しいことを特徴とする、請求項1から7のいずれか一項に記載の電気機械。
【請求項9】
前記巻線(30)のループ(32)が、磁気的高透過性材料(13)からなる複数の連続する前記第1の部分を取り囲む前記所定の運動経路(4)に平行に巻かれることを特徴とする、請求項8に記載の電気機械。
【請求項10】
前記第2の磁気構造(20)の各セクション(22)が、非磁性材料またはスリットによって分離された磁気的高透過性材料(23)の第2の部分のスタックを備え、それによって前記第2の平均距離(21)は、磁気的高透過性材料(23)の2つの連続する第2の部分間の平均距離に等しいことを特徴とする、請求項1から9のいずれか一項に記載の電気機械。
【請求項11】
前記巻線(30)のループ(32)が、磁気的高透過性材料(23)の複数の連続する前記第2の部分を取り囲む前記所定の運動経路(4)に平行に巻かれることを特徴とする、請求項10に記載の電気機械。
【請求項12】
前記第2の磁気構造(20)の前記セクション(22)の少なくとも1つが、前記空隙(40)に面する表面(24、26)に沿って交互の極を提示するように配置された永久磁石(27、27A、27B、27C)を備えることを特徴とする、請求項1から9のいずれか一項に記載の電気機械。
【請求項13】
前記第2の磁気構造(20)の前記セクション(22)の少なくとも1つが、非磁性材料またはスリットによって分離された磁気的高透過性材料(23)の第2の部分のスタックを備え、前記第2の平均距離(21)は、磁気的高透過性材料(23)の2つの連続する第2の部分間の平均距離に等しいことを特徴とする、請求項12に記載の電気機械。
【請求項14】
前記第2の磁気構造(20)の各セクション(22)が、前記空隙(40)に面する前記表面(24、26)に沿って交互の極を提示するように配置された永久磁石(27、27A、27B、27C)を備えることを特徴とする、請求項12に記載の電気機械。
【請求項15】
永久磁石(27、27A、27B、27C)を備える前記第2の磁気構造(20)の各セクション(22)は、前記所定の運動経路(4)の前記方向において、磁気的高透過性材料(23)の部分によって分離された、前記所定の運動経路(4)に平行な交互の磁化方向を伴う永久磁石(27A、27B)のスタックを備え、それにより、前記第2の平均距離(21)は、各第2の永久磁石(27A、27B)間の平均距離に等しいことを特徴とする、請求項12または14に記載の電気機械。
【請求項16】
前記巻線(30)のループ(32)が、複数の連続する前記永久磁石(27A、27B)を取り囲むよう前記所定の運動経路(4)に平行に延びることを特徴とする、請求項15に記載の電気機械。
【請求項17】
前記1の磁気構造と前記第2の磁気構造との間において、前記空隙(40)の少なくとも1つにまたはその近傍に配置された、少なくとも1つの軸受(60)をさらに備え、前記空隙(40)の前記1つと前記少なくとも1つの軸受(60)との間の距離は、前記空隙(40)の前記1つでの前記セクション表面(14、16、24、26)の幅(61)よりも小さく、前記幅(61)は、前記所定の運動経路(4)に対して垂直にとられることを特徴とする、請求項1から16のいずれか一項に記載の電気機械。
【請求項18】
請求項1から17のいずれか一項に記載の電気機械(1)を備えるシステムであって、前記システムが、
再生可能エネルギー変換システムと、
風力発電プラントと、
潮力発電プラントと、
海洋波発電プラントと、
電気船舶推進システムと
ギアレスモータと、
駆動システムと、
アクチュエータと
の中から選択される、システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に電気機械に関し、詳細には可変リラクタンス機械に関する。
【背景技術】
【0002】
電気機械の概念は周知であり、19世紀後半に発明された誘導機械および同期機械などの最初の種類の電気機械は、今日の産業において依然として非常に重要である。電気機械は、一般に、通常限定されないがロータまたはトランスレータである1つの可動部分と、通常限定されないがステータである第2の部分とを備える。これらの部品は、可動部品と第2の部分とを分離する、エアギャップによって分離されている。部品の少なくとも1つ、典型的にはステータは、電流を搬送することができる電気巻線も有する。
【0003】
電気機械を特徴付けるものは、ギアボックス、油圧システム、および空気圧システムなどの機械システムと比較して低い力またはトルク密度を有するが、高速で動作することができるため、高い出力密度を有することである。1kW/kgの電力密度は、電動モータの代表的な数である。
【0004】
ほとんどの電気機械を特徴付けるものにはまた、巻線の渦電流が無視される場合、電気機械の損失の大部分を構成することが多い抵抗電力損失がエアギャップ速度vに依存しないことである。しかしながら、総電力のパーセントでカウントすると、総電力はvに比例するため、抵抗電力損失は1/vに比例する。それにより、一般的な電気機械は、通常、10~100m/sの範囲の高速で高い効率を有し、90~98%の範囲の効率が一般的である。低速、例えば5m/s未満では、電気機械は通常低い効率を有する。
【0005】
また、抵抗損失は、通常、電気機械において熱的問題を引き起こし、数秒を超える動作のためのトルクおよび力密度ならびに出力密度を制限する。
【0006】
力またはトルク密度が低く、低速効率が低いため、電気機械は、高いトルクまたは力および低速を必要とする用途では、ギアボックス、油圧システムまたは空気圧システムと組み合わせて使用されることが多い。これにより、電気機械を高速かつ低トルクで動作させることができる。しかしながら、これらの機械的システムは、一定の欠点を有する。機械的変換は、システムに余分な損失を発生させ、これは通常、システムに応じて3~20%であり、部分的負荷ではさらに高い。機械変換システムはまた、電気機械自体よりも大きな程度のメンテナンスを必要とし、これは全体的なコストを増加させる可能性がある。一例として、風力発電の場合、ギアボックスのメンテナンスの問題は、過去20年間継続的に大きな問題となっている。
【0007】
低速効率問題および低力密度問題を回避するために、可変リラクタンス機械(VRM)、特に可変リラクタンス永久磁石機械(VRPM)として知られる機械のファミリーに属するいくつかの異なる機種が提案され、開発されている。これらの機種、例えばバーニヤ機械(VM)、バーニヤハイブリッド機械(VHM)、および横方向磁束機械(TFM)の様々な変形は、磁気歯車装置として知られる幾何学的効果を実装し、これは巻線を短くかつ厚くすることによって巻線抵抗を大幅に低下させる。これは、いくつかの隣接する極からの磁束が同じ方向に向かうように、かつ可動部分、すなわちトランスレータまたはロータが1つの極の長さだけ移動するときにこれらの極からの磁束が方向を切り替えるように、幾何学的形状を配置することによって達成される。
【0008】
これらの機械はまた、せん断応力が単位エアギャップ面積当たりの有用なせん断力として定義される、他の機械よりも高いせん断応力を発生させる。しかしながら、それらは、一般に、標準的な機械と比較して単位体積当たりに詰め込まれるエアギャップ領域の量をあまり増加させないので、これらの機械の力密度は増加するが、それは中程度に過ぎない。これらの機種でよく知られている問題は、漏れ磁束が大きくなり、全負荷時の力率が低くなることである。それにより、それらは高い力率と非常に高いせん断応力とを両方とも有することができない。これらは風力発電に関して提案されているが、これらの欠点のために広く普及した市場浸透には至っていない。
【0009】
1つの種類のTFM機械が参考文献[1-4]に提案されている。この機械は、単位体積当たりのかなりのエアギャップ領域を詰め込むという利点を有する。しかしながら、機械は、2つに分割された変圧器のように見え、1相当たり最大2つの大規模なコイルのエアギャップから遠く離れたコイルを有する。残念ながら、この設計はまたいくつかの小さな欠点を有している。提案された設計は、大きな漏れ磁束を与え、その結果、力率が低くなる。また、コアを保持するために強い機械的構造を必要とする大きなクランプ磁気垂直力を有する。これは、コイルが2つの構造にのみ巻かれており、これら2つの構造がいくつかの空隙から遠くに位置していることに起因する。
【0010】
従来技術の電気機械の問題は、低速用途および高い力またはトルク密度が必要とされる用途では、現在の解決策は非常に高いトルクまたは力密度に到達することができず、最もトルク密度の高い機械は全負荷で低い力率を有することである。これにより、かなりの損失を有することが多い大型で高価な直接駆動機械となる。
【発明の概要】
【0011】
したがって、提示された技術の一般的な目的は、改善された一般的なトルクまたは力密度および向上した低速効率を有する電気機械を提供することである。
【0012】
上記の目的は、独立請求項に記載の装置によって達成される。好ましい実施形態は、従属請求項で定義される。
【0013】
一般的な用語において、第1の態様では、磁束のスイッチングによって動作する電気機械は、第1の磁気構造と、第2の磁気構造と、巻線とを備える。第1および第2の磁気構造は、所定の運動経路に沿って互いに対して移動可能に配置される。第1および第2の磁気構造は、所定の運動経路に垂直な閉鎖経路に沿って、所定の運動経路に平行な4つを超える空隙を介して互いに交互配置されたそれぞれのセクションを有する。各セクションは、閉鎖経路の方向に沿って見たときに、4つを超える空隙のうちの2つの連続する空隙に面するセクション表面の間に位置するそれぞれの磁気構造の一部として定義される。磁気構造の各セクションについて、磁力線は、セクション表面間の磁性材料を通過する。第1の磁気構造は、各空隙での所定の運動経路に平行な方向に、可変透磁率を提示する。第2の磁気構造は、各空隙での所定の運動経路に平行な方向に、可変透磁率、永久磁極、および/または超伝導材料を備える磁極を提示する。第1の磁気構造のセクションの可変透磁率の連続する最大値間の平均距離として決定される第1の平均距離は、第2の磁気構造の隣接するセクションの可変透磁率の連続する最大値間の平均距離または第2の磁気構造の隣接するセクションの同じ極性の連続する磁極間の平均距離として決定される第2の平均距離に35%以内で等しい。4つを超える空隙の各々、少なくとも1つの動作段階での少なくとも1つの位置について、エアギャップでのセクション表面に垂直な磁束密度の成分の平均は、セクション表面に垂直な磁束密度の成分の絶対値の平均の15%よりも大きい。平均は、均一磁束距離にわたってとられるべきであり、ここで、均一磁束距離は、所定の運動経路の方向におけるそれぞれの空隙に沿った第1の平均距離の3倍より大きい整数である。磁気構造の少なくとも3つのセクションについて、巻線は、所定の運動経路の方向に少なくとも均一磁束距離にわたってそれぞれのセクションの周りに、または閉じられた前記所定の運動経路全体に沿ってそれぞれのセクションに沿ういずれかに設けられたそれぞれのループを有する。
【0014】
第2の態様では、システムは、第1の態様による電気機械を備える。システムは、再生可能エネルギー変換システム、風力発電プラント、海洋波発電プラント、電気船舶推進システム、ギアレスモータ、直接駆動システム、または力高密度アクチュエータである。
【0015】
提案された技術の1つの利点は、それが機械の力またはトルク密度を増加させ、特に低速でその効率を向上させることである。他の利点は、詳細な説明を読むときに理解されるであろう。
【0016】
本発明は、そのさらなる目的および利点と共に、添付の図面と共に以下の説明を参照することによって最もよく理解され得る。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1A】磁束のスイッチングによって動作する電気機械の一実施形態の図である。
図1B】一部が切り取られた図1Aの実施形態の図である。
図1C】第2の磁気構造の一実施形態の概略図である。
図1D】第2の磁気構造の一実施形態の概略図である。
図1E】第1の磁気構造の一実施形態の概略図である。
図1F】第1の磁気構造の一実施形態の概略図である。
図1G】第1の磁気構造と第2の磁気構造との間の幾何学的関係および磁気的関係の実施形態の概略図である。
図1H】第1の磁気構造と第2の磁気構造との間の幾何学的関係および磁気的関係の実施形態の概略図である。
図2A】第1の磁気構造と第2の磁気構造との間の幾何学的関係の実施形態の概略図である。
図2B】第1の磁気構造と第2の磁気構造との間の幾何学的関係の実施形態の概略図である。
図2C】第1の磁気構造と第2の磁気構造との間の幾何学的関係の実施形態の概略図である。
図2D】第1の磁気構造と第2の磁気構造との間の幾何学的関係の実施形態の概略図である。
図3】エアギャップの磁束の概略図である。
図4】変化する空隙磁束の一例を示す図である。
図5】第2の磁気構造および関連する巻線ループの一実施形態の断面の概略図である。
図6】方位角磁束機械またはポロイダル磁束機械の一実施形態の断面図である。
図7】方位角磁束機械またはポロイダル磁束機械の別の実施形態の断面図である。
図8】方位角磁束機械またはポロイダル磁束機械のさらに別の実施形態の断面図である。
図9】表面実装永久磁石を利用する第1の磁気構造と第2の磁気構造との間の幾何学的関係の一実施形態の概略図である。
図10】スイッチトリラクタンス機械における第1の磁気構造と第2の磁気構造との間の幾何学的関係の一実施形態の概略図である。
図11】ポロイダル磁束機械の一実施形態の部品の概略図である。
図12】部品が切り取られたポロイダル磁束機械の第1および第2の磁気構造ならびに巻線の一実施形態の部品の概略図である。
図13】部品が切り取られた回転機械の一実施形態の概略図である。
図14】部品が切り取られたポロイダル磁束機械の第1および第2の磁気構造ならびに巻線の別の実施形態の部品の概略図である。
図15】電気機械における軸受配置の実施形態の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
図面全体を通して、類似または対応する要素には同じ参照番号が使用されている。
本明細書で提示される技術は、非常に高いトルクまたは力密度を有し、低速でも非常に高い効率を有し、適切な力率を保持することによって、電気機械の一般的なトルクまたは力密度の問題と低速効率の問題の両方に対する洗練された解決策を提供する。これは、好ましくは3つの異なる態様を考慮することによって達成される。これらの概念は、次に、設計および幾何学的特徴が従わなければならないフレームを与える。
【0019】
巻線抵抗はしばしば大きな欠点である。何倍も低い巻線抵抗を有するために、本明細書に提示される技術は、いわゆる磁気歯車装置を実装する。この概念は、巻線が各個々の極の間ではなく、代わりに多くの極の周りに巻かれることを意味する。通常、相全体が単純なループで囲まれている。これにより、巻線を標準的な機械よりも数倍短くすることができる。同時に、巻線を数倍厚くすることもできる。次にこれにより、巻線抵抗が標準的な機械よりも何倍も小さくなる。このような手段によって、巻線抵抗は、幾何学的形状およびサイズに応じて約1/100~1/5の係数で低減することができる。これはまた、熱的問題を大幅に低減する。
【0020】
考慮すべき別の概念は、可能な限り小さい容積でエアギャップの数を増加させることである。言い換えれば、機械の力が空隙内で発生するため、特定の機械容積内の総空隙面積を増加させる努力がなされている。本明細書に提示される技術は、好ましくは磁気的に閉ループを形成する幾何学的形状に、磁気的に密に詰まった多数のエアギャップを直列に接続する幾何学的形状を実装する。これは、好ましくは、鉄などの磁性材料のブロックに不要な長い磁力線経路を有することなく達成される。本明細書に提示される幾何学的配置は、磁束のための磁性材料のいずれかの受動戻り経路を低減することによってこれを達成する。それにより、標準的な電気機械と比較して、本明細書に提示されている機械では単位体積当たりに何倍も多くの空隙領域を詰め込むことができる。これは、過剰な量の永久磁石を使用することなくさらに達成される。
【0021】
これは、巻線における低減された抵抗と組み合わせて、電気機械におけるかなり高い電流負荷も可能にする。これは、せん断応力、すなわちエアギャップで発生する単位面積当たりの有効力が、標準的な機械の2~4倍になることを意味する。100kN/mまでの単位面積当たりの力でさえ実現可能である。せん断応力の増加は、標準的な機械がこの点で好ましくないスケーリングを有するため、磁気歯車装置に起因する多くのエアギャップが密集しているとき、標準的な機械と比較してさらに大きくなる。これは、単位体積または重量当たりのエアギャップ面積の大幅な増加と組み合わせて、本明細書に提示される技術に、標準的な機械の何倍もの、通常は10~25倍の力またはトルク密度を与える。
この幾何学的形状による別の効果は、好ましくは、エアギャップでの磁性材料に対する垂直力を局所的に、少なくとも理想的には排除することができるように配置することができ、これにより、重くかさばる構造材料の必要性が大幅に低減されることである。磁性材料に対する垂直力の排除は、通常、従来技術の電気機械でも実行されるが、通常は全体的な意味で実行される。したがって、これは、機械の一方の側から他方の側に垂直力を搬送する内部構造を必要とする。しかしながら、本明細書に提示された局所的な意味での垂直力除去は、非常に有利である。堅牢な内部構造の必要性は、本明細書に提示される技術によって大幅に低減される。
【0022】
いくつかの好ましい実施形態のさらなる利点は、漏れ磁束の排除である。巻線を少なくとも3つのセクションの周りに分散して配置することにより、1つの相の巻線全体は、閉じたまたはほぼ閉じたコイルの幾何学的形状に似ている。この幾何学的形状は、トロイダルコイルまたは同様の形状であってもよい。このような幾何学的形状を有することにより、漏れ磁束を大幅に低減することができ、またはほとんどなくすことができる。機械のこれらの実施形態における巻線は、この目的のために、全体的な漏れ磁束をほぼ排除するように配置される。これにより、機械の力率は、せん断応力を低下させることなく合理的なレベルに維持することができ、好ましい実施形態では0.8に達することができる。また、そのような幾何学的関係は、巻線および機械的構造における渦電流、ならびに電磁鋼板における平面渦電流の問題を低減させる。
【0023】
本発明は、好ましくは、特に低速で、力率を損なうことのない好ましい場合に機械の力またはトルク密度を著しく増加させ、その効率を向上させるために幾何学的効果を利用する種類の電気機械に関する。本明細書に提示される技術は、直接駆動などの低速用途、および高い力またはトルク密度が必要とされる用途において前例のない性能を有するが、それに限定されない。適切な用途は、風力、潮力および海洋波発電、すなわち再生可能エネルギー変換システム、電気船推進、ギアモータの交換、直接駆動用途および力高密度アクチュエータであるが、本発明はこれに限定されず、多くの他の用途にも使用することができる。本発明は、線形または回転電気機械として実装することができるが、これに限定されない。
【0024】
本開示で使用されるいくつかの用語は、明確な定義を必要とする場合がある。
【0025】
「電気機械」は、電流が加えられたときに可動体に力を加えることができる機械、またはその逆として解釈されるべきである。電気機械は、通常、発電機、モータまたはアクチュエータとして使用される。
【0026】
「エアギャップ」または「空隙」は、通常空気で満たされるが、それに限定されず、気体、液体、テフロンなどの滑り軸受材料などの非磁性である任意の材料を含むことができる。
【0027】
「非磁性」は、本明細書では、0.2テスラの磁束密度Bで50未満の比透磁率を有し、0.2テスラ未満の残留磁束密度を有する材料として解釈されるべきである。さらに、「磁性」は、本明細書では、0.2テスラの磁束密度Bまたは0.2テスラ以上の残留磁束密度で50以上の比透磁率を有する材料として解釈されるべきである。
【0028】
機械的動力は、P=Fvとして表すことができ、ここで、Fは力であり、vは速度である。
【0029】
「速度」は、ここでは、可動部分と第2の部分との間の相対速度として定義される。速度は、2つの部品を分離するエアギャップにおけるこれら2つの部品のそれぞれの表面で定義される。
【0030】
「力」は、本明細書では、可動部分と第2の部分との間の電流によって及ぼされる相対力として定義される。力は、2つの部品を分離するエアギャップにおけるこれらの2つの部品のそれぞれの表面で、表面でのせん断力になるように運動に沿って取得される。
【0031】
「垂直力」は、本明細書では、可動部分と第2の部分との間のエアギャップにおける吸引垂直力として定義される。
【0032】
本明細書に提示される技術の幾何学的形状は、磁束が単純な巻線ループの内側で一方向性またはほぼ一方向性であるように磁気歯車装置を実装するように構成される。この巻線ループは、通常、以下でさらに説明するように、少なくとも均一な磁束距離にわたって磁束を囲む長方形の巻線ループである。これは、磁束が一方向ではない同期電気機械における分布巻線と同じではないことに留意されたい。
【0033】
それにより、本発明は、バーニヤ機械(VM)、バーニヤハイブリッド機械(VHM)、横方向磁束機械(TFM)、およびスイッチトリラクタンス機械(SRM)などの磁気歯車装置を実装する機械の種類と共に、可変リラクタンス電気機械ファミリーに属する。これらの機械は、低抵抗を達成するが、多くのエアギャップを磁気的に直列に接続せず、それによって本発明のように単位体積当たりの大きなエアギャップ領域に詰め込まず、最大で数倍少ないため、本発明ほど高い力またはトルク密度には達しない。また、これらの機械は、本発明と同程度に漏れ磁束を回避しないため、渦電流および低力率の多くの問題を有する。これらの機械はまた、本明細書に提示される技術と同程度には、局所的な意味で磁気垂直力を相殺しない。それにより、それらは同じ量のトルクに対してより多くの構造材料を必要とし、それら機械をより重く、より高価なものにする。
【0034】
軸方向磁束同期電気機械(AFM)は、軸方向に磁束が並ぶ周知の同期機械である。少しの事例では、軸方向磁束機械は、そのトルク密度を増加させることができる直列に磁気的に接続された多くのエアギャップで動作することができることが示唆されている。しかしながら、AFMは、磁気歯車装置を実装しないため、本発明が有するような低い巻線抵抗を有さず、したがって、空隙に同じせん断応力を生成することができないため、高効率と高トルク密度の両方に到達することができない。さらに、AFMの巻線抵抗は、磁極を短くした場合に本発明と比較して好適ではないスケーリングを有するため、AFMは、本発明と同じ程度の単位体積当たりのエアギャップ面積に詰め込むことができない。これらの記載された特徴は、永久磁石を伴うかまたは伴わない鉄芯および空気芯同期電気機械、誘導機械および同期リラクタンス機械、またはそれらの組合せを含む、磁気歯車装置を実装しない任意の電気機械よりも、複合効率および力またはトルク密度に関してかなり優れた性能を本発明に与える。
【0035】
図1Aは、磁束のスイッチングによって動作する電気機械1の一実施形態を示す。この実施形態は三相機械であり、異なる相2A、2B、および2Cが互いに後に配置される。各相は、原則として互いに独立して動作し、それらは互いに機械的にのみ接続される。電気機械1は、この実施形態では8つのセクション12に分割された第1の磁気構造10を備える。電気機械1は、いくつかのループ32を有する、巻線30をさらに備える。この実施形態では、ループ32の内側に第2の磁気構造20がある。この実施形態では、第2の磁気構造20は8つのセクション22に分割されており、そのうちの1つのみが図ではわずかに観察可能であり得る。第1および第2の磁気構造10、20および巻線30を見ることを可能にするために、機械的構造部分が除去される。
【0036】
第1の磁気構造10および第2の磁気構造20は、本実施形態では直線経路である、所定の運動経路4に沿って互いに対して移動可能に配置される。第1および第2の磁気構造10、20のセクション12、22は、図では一方のみに番号が付けられている空隙40を介して互いに対向して配置されている。空隙40は、所定の運動経路4に平行である。閉鎖経路3は、運動経路4に対して垂直と定義することができる。したがって、このような閉鎖経路3に沿って、第1の磁気構造10および第2の磁気構造20は、空隙40を介して互いに交互配置されたそれぞれのセクション12、22を有する。言い換えれば、閉鎖経路3に沿って通過するとき、第1の磁気構造10のセクション12の後に、空隙40によって分離された、第2の磁気構造20のセクション22が続く。同様に、閉鎖経路3に沿って通過するとき、第2の磁気構造20のセクション22の後に、空隙40によって分離された、第1の磁気構造10のセクション12が続く。したがって、第2の磁気構造のセクション22の各対の間に第1の磁気構造20のセクション12があり、同様に、第2の磁気構造のセクション12の各対の間に第1の磁気構造10のセクション22がある。
【0037】
所定の運動経路4は、第1の磁気構造10と第2の磁気構造20との間の相対運動に関する。そのような所定の運動経路4は、例えば、第2の磁気構造20での固定点に対する第1の磁気構造10における固定点の運動として定義することができる。もちろん、反対の定義が使用されてもよく、第1の磁気構造10の固定点に対する第2の磁気構造20の固定点の動きを定義することもできる。運動は相対運動であるため、所定の運動経路4は、空間のいかなる定義位置も有さず、可動部品の近傍に示されている添付の図面にある。所定の運動経路4が絶対座標で定義されていなくても、所定の運動経路4の方向は実世界においても十分に定義される。
【0038】
したがって、各セクション12、22は、閉鎖経路3の方向に沿って、空隙40のうちの2つの連続するものに面するセクション表面の間に位置するそれぞれの磁気構造10、20の一部として定義することができる。
【0039】
図1Bは、図1Aの電気機械1の切断面2を示す図である。ここでは、第2の磁気構造20のセクション22が直接見える。図の可読性を高めるために、一方のセクション12、22および一方の空隙40のみに番号が付けられている。ここで、第2の磁気構造20のセクション22は、閉鎖経路3の方向に沿って、空隙40のうちの2つの連続するものに面するセクション表面24、26の間に位置することが分かる。また、第1の磁気構造10のセクション12は、閉鎖経路3の方向に沿って、空隙40のうちの2つの連続するものに面するセクション表面14、16の間に位置する。
【0040】
さらに、磁気構造10、20の各セクション12、22について、磁力線は、セクション表面14、16、24、26の間の磁性材料を通過する。これは、この実施形態16では、多くの空隙40が磁気的に直列に接続されていることを意味する。その上、セクションは磁気的に閉ループを形成する。空隙40は、比較的密に詰まっており、磁性材料のブロックには非常に長い磁力線経路はない。
【0041】
交互配置されたセクションの数をさらに増やすことによって、これらの特性をさらに高めることができる。現在、顕著な利点を達成するためには、4つを超える空隙がなければならないと考えられている。よりはっきりとした利点は、6つを超える空隙を使用して達成される。最も好ましくは、10個を超える空隙が設けられ、真の力密度またはトルク密度の機械を得るためには、14個を超える空隙が設けられることが好ましい。
【0042】
図1Aおよび図1Bで理解できるように、所定の運動経路4に沿ってセクション12、22の様々な構造も存在する。これについては、図1C図1Fに関連してより詳細に説明する。しかしながら、空隙40は第2の磁気構造20に平行であるので、第1の磁気構造10は、第2の磁気構造20に対して所定の運動経路4の方向に移動可能であることに留意されたい。
【0043】
図1Cでは、空隙から見たセクション表面24の1つの一部が示されている。第2の磁気構造20のセクション22は、電磁鋼板25のブロックまたは磁気的高透過性材料23の第2の部分と呼ばれる任意の他の磁気的高透過性材料と交互配置された永久磁石27A、27Bのスタックを備える。部分は第2の磁気構造20内に設けられているので、表記「第2」が使用される。電磁鋼板25は、通常、所定の運動経路4の方向の渦電流を阻止する。磁気的高透過性材料23の第2の部分は磁場を良好に伝導し、永久磁石は所定の運動経路4の方向に交互の極性で配置されているため、磁気的高透過性材料23の第2の部分の1つおきのものは磁極Nを提示し、他の部分は磁極Sを提示する。磁気的高透過性材料23の第2の部分は磁束集中構造として作用する。したがって、この実施形態では、各空隙での所定の運動経路4に平行な方向において、第2の磁気構造20は、永久磁極N、Sを提示する。
【0044】
「磁気的高透過性材料」は、本開示では、0.2テスラを超える磁束密度で50を超える比透磁率を有する材料として定義される。
【0045】
永久磁石と交互配置されたブロックとして、または以下でさらに説明するように電磁鋼板を使用して説明する他の設計で使用することができる別の磁気的高透過性材料は、例えば軟磁性複合材(SMC)である。これらの材料は、最終形状に焼結された電気絶縁コーティングを有する鉄粒子を含む。これらの材料は、有意な渦電流を示すことなく全方向に磁束を伝導することができる。
【0046】
第2の磁気構造20の同一極性の連続磁極間の平均距離21は二重矢印で示す。この特定の実施形態では、同じ極性の連続する磁極間のすべての距離は同じであり、その平均も同じである。しかしながら、代替的な実施形態では、永久磁石はいくらか変位して設けられてもよく、これは、同じ極性の連続する磁極間の距離がいくらか変化してもよいが、常に平均値があることを意味する。
【0047】
図1Dでは、セクション22の図1Cと同じ部分が半径方向に示されている。ここでは、セクション表面24、26が見やすくなっている。示されている経路42は、永久磁石27A、27Bと、セクション表面24、26の間の磁気的高透過性材料23の第2の部分とを備える磁力線が磁性材料をどのように通過し得るかの一例を示す。セクション表面24および26は、言い換えれば、互いに磁気的に接続されている。
【0048】
したがって、一実施形態では、第2の磁気構造20のセクション22の少なくとも一方は、空隙に面する、表面24、26に沿って交互の極を提示するように配置された永久磁石27A、27Bを備える。
【0049】
さらなる実施形態では、永久磁石27A、27Bを備える第2の磁気構造20の各セクション22は、所定の運動経路4の方向にスタックを備える。スタックは、磁気的高透過性材料23の第2の部分、すなわち、ここでは電磁鋼板25のブロックによって分離された、所定の運動経路4に平行な交互の磁化方向を伴う永久磁石27A、27Bを備える。これにより、第2周期性、すなわち平均距離21は、各第2の永久磁石間の距離に等しい。
【0050】
図1Eでは、セクション表面14の1つの一部が空隙から見たものとして示されている。第1の磁気構造10のセクション12は、距離ブロック17と交互配置された、電磁鋼板15または他の磁気的高透過性材料のブロックのスタックを備える。電磁鋼板15のブロックは、磁場を良好に伝導し、したがって、セクション表面14で高い透磁率を提示する。しかしながら、距離ブロック17は、この実施形態のように、空隙から離れて設けられるか、または非磁性材料によって作られる。したがって、距離ブロック17は、セクション表面14、すなわち空隙に面する面で低い透磁率を提示する。したがって、各空隙での所定の運動経路4に平行な方向において、第1の磁気構造10は可変透磁率を提示する。
【0051】
この実施形態では、第1の磁気構造10の各セクション12は、磁気的高透過性材料13の第1の部分、この場合は電磁鋼板15のブロックを備えるスタックを備える。磁気的高透過性材料13の第1の部分は、所定の運動経路4に対して垂直な主延在部を有する。磁気的高透過性材料13の第1の部分は、非磁性材料またはスリット、すなわち距離ブロック17または材料の非存在によって分離される。それにより、第1周期性は、磁気的高透過性材料13の2つの連続する第1の部分間の距離に等しい。
【0052】
第1の磁気構造10の前記可変透磁率の連続する最大値間の平均距離11が二重矢印によって示されている。この特定の実施形態では、第1の磁気構造10の可変透磁率の連続する最大値間の距離はすべて同じであり、すなわちそれらの平均値と同じである。しかしながら、代替的な実施形態では、磁気的高透過性材料13の第1の部分は、いくらか変位して設けられてもよく、これは、第1の磁気構造10の前記可変透磁率の最大値間の距離がいくらか変化してもよいが、常に平均値があることを意味する。
【0053】
図1Fでは、図1Eとセクション12の同じ部分が半径方向に示されている。ここでは、セクション表面14、16が見やすくなっている。示されている経路42は、セクション表面14、16の間に磁気的高透過性材料13の第1の部分を備える磁力線が磁性材料をどのように通過し得るかの一例を示す。セクション表面14および16は、言い換えれば、互いに磁気的に接続されている。
【0054】
第1の磁気構造と第2の磁気構造との間の関係も重要である。図1Gは、所定の運動経路4に垂直な閉鎖経路の一部に沿った第1の磁気構造10および第2の磁気構造20のいくつかのセクション12、22を概略的に示している。ここで、第1の磁気構造10のセクション12と第2の磁気構造20のセクション22の交互の外観が容易に見える。空隙40は、セクション12、22を互いに分離する。ここで、第1の磁気構造10のセクション12の磁性部分は、第2の磁気構造20のセクション22の磁極から磁場を伝導することができることも分かる。したがって、磁束は、主に点線矢印44に沿って伝導することができる。ここで、図示された磁束は、同じ方向、すなわち図の左手に各空隙40を通過することに留意され得る。
【0055】
図1Hは、第1の磁気構造10および第2の磁気構造20が平均距離11の半分に等しい距離だけ所定の運動経路4の方向に互いに対して変位されたときの図1Gの第1の磁気構造10および第2の磁気構造20のセクション12、22を概略的に示している。磁束の状況はここで完全に変化する。ここでは、磁束の経路は、点線矢印45によって示されるように、図の右方向にある。各空隙40では、磁束の方向がここでは変化している。
【0056】
図1Gおよび図1Hにおいて、各瞬間にすべての空隙にわたって同じ方向の磁束を有する効果は、第1の磁気構造10の距離11を第2の磁気構造20の距離21に等しくなるように適合させることによって達成されることに留意され得る。磁束の最大変化を達成するために、これらの平均距離は同じでなければならない。しかしながら、この要求から逸脱し、せん断応力および効率の一部を犠牲にし、依然として稼働機械を有することができる。例えば、平均距離にわずかな偏差を与えて、例えば力の変動およびいわゆるコギング効果を低減し、振動を低減し、モータの始動を容易にする可能性がある。第1の磁気構造10または第2の磁気構造20のいずれかの磁性材料が所定の運動経路の方向に互いに対して角度を提示するようにスキューされる、いわゆるスキューを使用することも可能である。
【0057】
図2A図2Dでは、所定の運動経路4の方向に異なる周期性を有する第1の磁気構造10および第2の磁気構造20のいくつかの実施形態が概略的に示されている。図2Aでは、平均距離11によって表される第1の磁気構造10の周期性は、平均距離21によって表される第2の磁気構造20の周期性とわずかに異なる。しかしながら、差は、全体的な建設的動作を達成するのに十分に小さい。図2Bでは、平均周期性は両方の磁気構造について同じであるが、第1の磁気構造10は、連続する構造反復間の異なる個々の距離11’および11’’を有する。図2Cでは、その代わりに、異なる個々の距離21’および21’’を有する第2の磁気構造20である。図2Dでは、両方の磁気構造10、20は、それらのそれぞれの構造反復間の異なる個々の距離を有し、平均距離11、21にわずかな差さえ有する。もちろん、他の構成も可能である。
【0058】
湾曲した所定の運動経路を有する実施形態では、湾曲に関して外側の磁気構造は、以下でさらに説明するように、異なる平均距離11、21を有することができる。しかしながら、第1の磁気構造の各セクションについて、第2の磁気構造の隣接するセクションが常に存在し、ここで上述した限界内に入る平均距離を提示する。
【0059】
現在、平均距離のこのような偏差は35%を超えるべきではないと考えられている。言い換えれば、第1の磁気構造のセクションの可変透磁率の連続する最大値間の平均距離として決定される第1の平均距離は、第2の磁気構造の隣接するセクションの同じ極性の連続する磁極間の平均距離として決定される第2の平均距離に35%以内で等しい。好ましくは、平均距離は、できるだけ互いに近くに保たれるべきである。したがって、好ましい実施形態では、第1および第2の磁気構造の平均距離の間の偏差は、30%を超えてはならず、より好ましくは20%を超えてはならず、最も好ましくは10%を超えてはならない。
【0060】
可変透磁率の最大値を定義するとき、考慮されることが意図されているのは反復構造の全体的な変形である。外部の空隙における一般的なエネルギー変換に影響を及ぼさない小さな極大値を生じさせ得る小さな微視的変動は、この点で最大値と見なされるべきではない。同様に、小延在部の透磁率の変動を与え、外部の空隙におけるエネルギー変換に寄与しない他の小さな構造は無視されるべきである。最も広い主最大値の幅の20%よりも小さい幅を有する極大値は、機械の動作にとってあまり重要ではなく、最大値間の平均距離を定義するときに無視されるべきであると考えられる。
【0061】
同様に、欠落した主最大値によって周期性が乱され、連続する主最大値間の距離が2倍の距離になる場合、動作特性はいくらか低下するが、ほとんどの場合、依然として有用である。そうでなければ反復構造におけるそのような省略された最大値はまた、最大値間の平均距離を定義するときに無視されるべきである。
【0062】
したがって、本開示の技術は、2つの磁気構造間の相対位置に応じて大きさおよび方向を変化させる空隙上の磁束の基本原理に基づいている。望ましくない漏れ磁束を無視する理想的な場合、空隙にわたるすべての磁束は、各瞬間に同じ方向に向けられる。したがって、機械は、磁束スイッチングを利用する機械である。本開示では、磁束のスイッチングを利用する機械を、磁束のスイッチングによって動作する電気機械として定義し、それによっていわゆる磁気歯車装置を実装する。
【0063】
図1A図1Hの特定の実施形態を検討すると、この実施形態では、所定の運動経路は直線経路であることが最初に分かり得る。また、機械は、方位角方向に沿った磁束の変化に起因して動作すると結論付けることができ、したがって、この種類の機械は、好ましくは方位角磁束スイッチング機械として示すことができる。
理想的な世界では、第1の磁気構造10の磁気的高透過性材料13の第1の部分が第2の磁気構造20の磁気的高透過性材料23の第2の部分と整列すると、すべての磁束が空隙40を通過して反対側のセクションに到達する。しかしながら、現実世界では、漏れ磁束が常に存在する。したがって、いくらかの磁束は、常に空隙40を越えて反対方向に再び漏れる。しかしながら、慎重な設計により、磁束の大部分は、少なくとも磁気構造が整列しているときに同じ方向に向けられる。本明細書に提示される技術の効率、せん断応力および力率は、一般に、この大部分が増加すると増加する。
【0064】
図3は、これらの定義を概略的に示している。第2の磁気構造20は、空隙40に面する表面24に沿って交互の磁極を提示する。N極からS極へ通過する磁束を矢印43で示す。磁束の一部、好ましくは大部分は、第1の磁気構造10を介して次の第2の磁気構造20へ通過する。これは、機械の動作を達成するために本明細書に提示された技術で利用される磁束、すなわち有用な磁束である。この図の空隙40は、図の可読性を高めるために劇的に誇張されていることに留意されたい。しかしながら、いくらかの磁束は、第1の磁気構造10を通過することなく同じ第2の磁気構造20に漏れ戻る。破線49によって示される、表面24またはその近傍の状況が考慮される場合、磁束は外向きに、すなわち図の右側に通過する。現在の状況では、5つの矢印43が線49と交差して第2の磁気構造20の各N極を離れる。同時に、磁束も内側、すなわち図の左側に通過する。現在の状況では、2つの矢印43が線49を横切って、第2の磁気構造20の各S極に到達する。
【0065】
顕著な利点を達成するための最小限度として、一方向の磁束が反対方向の磁束を約1/3上回る場合が推定されている。これを適切な方法で定量化するために、2つの統合された尺度を定義することができる。最初の測定では、表面24に出入りするすべての磁束の、表面24に垂直な成分が、その方向を含めて平均化される。図3では、各N極からの2つの矢印が隣接するS極に戻るので、それらはそのような平均化において互いに相殺する。第1の磁気構造10を通過する3つの矢印に対応する磁束のみが、平均値、すなわち磁束スイッチング機械にとって「有用な」磁束または正味の磁束に寄与する。第2の尺度では、表面24に出入りする磁束は再び平均化されるが、ここでは方向を無視する。言い換えれば、セクション表面に垂直な磁束密度の成分の絶対値を平均化に使用する。これにより、エアギャップをいずれかの方向に通過する全磁束の測定値が得られる。第1の尺度、すなわち有用な磁束と第2の尺度、すなわち全磁束との比を考慮することによって、「有用な」磁束の相対量を決定することができる。上述したように、逆方向の磁束を1/3程度上回る一方向の磁束は、利点を享受するための下限であるとみられる。上述の2つの統合された尺度の比を使用すると、これは約0.15に相当する。少なくとも0.20の比を有するより顕著な利点が達成される。少なくとも0.25の比を有することがさらにより好ましく、少なくとも0.30の比を有することがさらにより好ましい。最も好ましくは、比は少なくとも0.40である。
【0066】
磁束スイッチング機械における基本的な考え方は、第1の磁気構造と第2の磁気構造との間の相対位置と共に変化するエアギャップ上の磁束を有することであるので、この平均化は、空隙40の長さのかなりの部分に対して有効であるべきである。これはまた、いくつかの連続する磁極および/または可変透磁率の最大値にも当てはまるべきである。言い換えれば、この条件は、所定の運動経路4に沿った空隙の連続パスに存在するべきである。これはまた、共通の誘導された「有用な」磁束が空隙40に沿って少なくとも一対の極期間にわたって提供されるべきであるかのように表現することもできる。空隙にわたって局所的に均一に誘導された磁束を有することができるが、いくつかの磁極期間を含む距離にわたってではない非磁束スイッチング機械の異なる例がある。平均化はまた、極対の全数にわたって行われるべきである。したがって、上述の平均化は、3つを超える極対の所定の運動経路4の方向の距離にわたってとられるべきである。図3において、矢印41は、極対距離の平均の4倍の平均距離を示す。したがって、現在、第1の磁気構造10の可変透磁率の連続する最大値間の平均距離11の少なくとも3倍である整数にわたる平均が、真の磁束スイッチング基本設計を確保すると考えられている。したがって、平均化が行われる距離は、議論するための意味のある比率を有するために、磁気構造の周期性の整数倍であるべきである。そうでなければ、期間内の磁束の差が比率に影響を及ぼす可能性があり、これは意図されていない。
【0067】
有用な磁束と同じ磁気構造に戻る磁束との間の関係は、装置全体で変化し得ることにも留意されたい。例えば、有用な磁束は、所定の運動経路の方向において、磁気構造の中央よりも磁気構造の端部で低い可能性が高い。さらに上述した、磁気構造内の距離の偏差を提供することはまた、ある位置から別の位置への有用な磁束の比を変化させることができる。したがって、上述の条件は、空隙の少なくとも1つの位置、例えば磁気構造の中央に近い、および/または磁気構造の要素間の反復距離を伴う部分に近い位置に存在することを意図している。
【0068】
有用な磁束と同じ磁気構造に戻る磁束との間の関係は、動作段階にわたって変化し得ることにも留意されたい。例えば図1Gおよび図1Hに示すように、第1および第2の磁気構造の変化する構造が互いに記録にある場合、有用な磁束は非常に高いと考えられる。しかしながら、中間の相対位置、すなわち他の動作段階では、状況は異なり得る。したがって、磁束比に関する上記の議論は、例えば有用な磁束が最大化されるときに、少なくとも1つの動作段階に対して有効であるように意図されている。
【0069】
言い換えれば、空隙40の各々について、少なくとも1つの動作段階での少なくとも1つの位置で、エアギャップ40でのセクション表面に垂直な磁束密度の成分の平均は、セクション表面に垂直な磁束密度の成分の絶対値の平均の15%よりも大きく、平均は、均一磁束距離にわたってとられるべきであり、均一磁束距離は、所定の運動経路4の方向においてそれぞれの空隙40に沿った第1の平均距離11の3倍よりも大きい整数である。高い性能を達成するために、これらの条件は、機械の可能な限り大きな部分に存在することが好ましい。したがって、好ましい実施形態では、この関係は、所定の運動経路4の方向におけるそれぞれの空隙40に沿った第1の平均距離11の5倍を超える、さらにより好ましくは9倍を超える、最も好ましくは15倍を超える均一磁束距離についても成り立つ。
【0070】
簡単に上述したように、エアギャップでの磁性材料に対する垂直力は、局所的に排除することができる。第1の磁気構造10から第2の磁気構造20に一方側からかかる力は、理想的には反対側の第1の磁気構造10からの等しい力によって補償される。同様に、第2の磁気構造20から第1の磁気構造10に一方側からかかる力は、機械的に容易に取り扱われる前記閉鎖経路3に対して垂直な(幾何学的形状に依存する)小さい力成分を除いて、反対側の第2の磁気構造20からの等しい力によって補償される。したがって、力がバランスし、重くかさばる構造材料の必要性が大幅に減少する。現実世界では、完全な幾何学的形状からの偏差が常に存在し、それらの偏差は、アーンショーの定理により相殺されない垂直力を生成する。しかしながら、これらの力は、はるかに小さい大きさであり、通常、軸受によって処理される。本明細書に提示された局所的な意味での垂直力除去は、このように以前には使用されていない。
【0071】
したがって、エアギャップを横切る磁束は、所定の運動経路4に沿って第1の磁気構造10および第2の磁気構造20の相対変位を変化させると変動する。これは、図4に概略的に示されている。この磁束の変化は、第1の磁気構造10と第2の磁気構造20の両方のすべての空隙およびすべてのセクションに同時に現れる。この可変磁束を取り囲むように巻線30を配置することにより、電気機械の動作を達成することができる。
【0072】
図5は、第2の磁気構造20のセクション22の周りに設けられたループ32、すなわちいくつかのターンを有する巻線30の実施形態を示し、その結果、巻線はセクション22の周りで1つまたは複数のターンを作る。図4の変化する磁束もまた、第2の磁気構造20のセクション22の上に存在する。ループ32は、一般に、所定の運動経路4に平行に、すなわちこの実施形態では図の紙面に垂直に向けられた閉鎖経路を横切るように延在している。言い換えれば、ループ32は、所定の運動経路4の方向にそれらの主延在部を有する。変換される電力量に関連して巻線抵抗を低減するために磁束の実質的に均一な方向から恩恵を受けるために、ループが所定の運動経路4に沿って複数の磁極距離、すなわち同じ極性の連続する磁極間の距離を取り囲むことが有益である。顕著な利点を達成するために、現在、少なくとも3つの磁極距離が少なくとも1つの単一ループ32によって囲まれるべきであると考えられている。しかしながら、単一のループによって囲まれた第2の磁気構造20のセクション22が多いほど、合計で必要とされる巻線材料が少なくなり、変換される電力に関して抵抗損失をより低くすることができる。図5では、15個の磁極対が囲まれている。
【0073】
一実施形態では、巻線は、第1の磁気構造の3つ以上のセクションまたは第2の磁気構造の3つ以上のセクションの周りに所定の運動経路に対して非垂直に巻かれる。
【0074】
さらなる実施形態では、巻線のループは、磁気透過性材料の複数の連続する第1の部分を取り囲む所定の運動経路に平行に巻かれる。
【0075】
磁気歯車装置の概念は、巻線が個々の極の間ではなく、代わりに多くの極の周りに巻かれることによって使用される。これにより、極を短くすると巻線が長く薄くなり、標準的な機械の低速性能が制限されるという問題を回避する。通常、相全体が単純なループで囲まれており、これは巻線を非常に短く保つことができることを意味する。通常、ループは長方形または同様の形状を有する。また、利用可能な空間が十分にあり、短い巻線にそれほど費用がかからないため、巻線を数倍厚くすることができる。全体として、これは巻線抵抗を標準的な機械よりも何倍も小さくする。
【0076】
以下でさらに説明するように、巻線30はまた、第1の磁性セクションの周りにも設けられてもよい。言い換えれば、巻線は、所定の運動経路の方向に少なくとも上述の均一磁束距離の間、それぞれのセクションの周りに設けられたループを有する。
【0077】
さらに、磁束が構造から漏れるのを防止するために、いくつかのセクションの周りにループを設けることが有益である。これについては、以下でより詳細に説明する。磁気構造の少なくとも3つのセクションの周りにループを有することによって効果が達成され得ると考えられる。ループで囲まれたセクションが多いほど、単位重量当たりの電力をより多く利用することができ、漏れ磁束がより低くなる。好ましくは、ループは、磁気構造のセクションの少なくとも4つ、より好ましくは少なくとも6つ、最も好ましくは少なくとも8つの周りに設けられる。図1Aの実施形態では、8つのセクションすべての周りにループがある。
【0078】
電気機械が発電機として動作する場合、第1の磁気構造10および第2の磁気構造20は互いに対して移動させられ、巻線30のループ32に電圧を誘起する。同様に、電気機械がモータとして動作する場合、巻線30のループ32を通る電流が変化すると、第1の磁気構造10と第2の磁気構造20との間に力が生じ、相対運動が生じる。
【0079】
したがって、一実施形態では、電気機械は発電機である。第1および第2の磁気構造の相対運動は、巻線に誘起交流電圧を生じさせる。
【0080】
別の実施形態では、電気機械はモータである。巻線を通って伝導される交流電流は、第1および第2の磁気構造の相対運動を引き起こす。
【0081】
これまで、第1の磁気構造と第2の磁気構造との間の相対運動についてのみ説明した。これは、多くの異なる方法で得ることができる。
【0082】
一実施形態では、第1の磁気構造はステータである。言い換えれば、第1の磁気構造は、機械の固定支持部に機械的に取り付けられる。次いで、第2の磁気構造は、ステータに対して、すなわち機械の支持部に対しても移動可能に配置される。したがって、線形の所定の運動経路の場合、第2の磁気構造はトランスレータになる。
【0083】
別の実施形態では、状況は逆である。第2の磁気構造はステータである。言い換えれば、第2の磁気構造は、機械の固定支持部に機械的に取り付けられる。次いで、第1の磁気構造は、ステータに対して、すなわち機械の支持部に対しても移動可能に配置される。したがって、線形の所定の運動経路の場合、第1の磁気構造はトランスレータになる。
【0084】
さらに別の実施形態では、第1および第2の磁気構造の両方は、機械の固定支持部に対して移動可能であってもよい。
【0085】
本明細書に提示されている幾何学的形状は、多くの空隙を磁気的に直列に接続する。これは、この閉ループが絶対的な要件ではない場合であっても、通常、幾何学的に閉ループのセクションを形成する。磁気歯車装置が実装される場合、エアギャップを通過する大きな一方向磁束が存在する。磁束密度は発散がないため、磁束は消滅することはできず、程度の差はあるが閉ループに入らなければならない。それにより、セクション自体がループを形成しない場合、この機能を提供するために磁性材料の他のブロックを追加しなければならない。磁束が大きいので、これらの磁性材料のブロックにおける磁力線経路は長くなる。空隙間の鉄などの磁性材料のブロックの不必要に長い磁力線経路を回避することが好ましいが、その理由は、これらのブロックが力または電力を提供せず、余分な質量、余分な損失および余分なコストのみを提供するからである。これらの考えの1つの結果は、磁力線が反対方向を与えられない第1および/または第2の磁気構造のセクションの周りに巻線のループを配置することができることである。言い換えれば、磁力線は、通常、連続するセクションの周りのループ間でそれらの方向をあまり変化させない場合がある。図1A図1Hの実施形態では、ループで囲まれた8つのセクションは、それらの隣接するループに対して45°に向けられた磁力線を囲んでいる。これらの考えは、多数の空隙を達成する可能性を高めると共に、漏れ磁場の低減も容易にする。
【0086】
したがって、一実施形態では、2つの連続するそれぞれのループを通過する磁力線は、2つの連続するループの位置の間で150度未満、好ましくは120度以下、最も好ましくは90度以下の方向に変化する。
【0087】
図6は、図1の磁束スイッチング電気機械1の所定の運動経路に垂直な断面を示す。この実施形態では、円形レイアウトおよび磁束集中磁石構造で実現される。理解できるように、巻線30は、そのループ32によって疎なトロイダルコイルに似ている。理想的なトロイダルコイルは、漏れ磁束を全く有していない。この実施形態では、疎なトロイダルコイル巻線はそれらの特性のいくつかを継承し、それによって全体的な漏れ磁束は非常に小さくなる。トロイダル形状の周りのループの数が増加すると、漏れ磁束が減少し、同時に連続する空隙間の距離が減少する。
【0088】
したがって、機械の巻線は、全体的な漏れ磁束をほぼ排除するように配置される。これにより、機械の力率を、せん断応力を低下させることなく、妥当なレベルに維持することができる。好ましい実施形態では、力率0.8に達することができる。また、そのような幾何学的関係は、巻線および機械的構造における渦電流、ならびに電磁鋼板における平面渦電流の問題を低減させる。
【0089】
したがって、本技術は、機械の力またはトルク密度を増加させ、その効率を高めるために幾何学的効果を利用する。これは、低速時に特に顕著になる。好ましい実施形態では、これは力率を損なうことなく達成することができる。したがって、本明細書に提示される技術は、直接駆動などの低速用途、および高い力またはトルク密度が必要とされる用途において前例のない性能を有する。しかしながら、本技術はこれに限られるものではない。適切な用途は、一般に再生可能エネルギー変換システム、例えば風力または海洋波発電、電気船舶推進、ギアモータの交換、直接駆動用途および力高密度アクチュエータである。しかしながら、本技術はこれに限定されず、他の多くの用途にも使用することができる。
【0090】
しかしながら、円形断面を伴う設計は、特に円筒対称性を破る湾曲が所定の運動経路4に導入される回転機械について、機械的構造およびその取り付けにいくつかの要求を課す。製造および取り付けに魅力的である設計を達成するために、磁気特性をいくらか犠牲にすることは、構築がより容易な設計を達成するために興味深いことであり得る。
【0091】
1つの代替案を図7に示す。この設計は、第2の磁気構造20のセクション22が第1の磁気構造10のセクション12Aと交互配置されている直線的な構成要素に基づいている。次いで、第1の磁気構造10の2つの端部セクション12Bは、アセンブリを磁気的に閉ループに接続し、閉鎖経路3を提供する。この構造では、第1の磁気構造10のセクション12Aは、巻線のループ32によって囲まれている。
【0092】
この実施形態は、製造および取り付けがはるかに容易であるが、磁気挙動にいくつかの欠点を有する。第1に、図の上部または下部の整列されたセクションのループが同じ方向を有する磁力線を囲んだとしても、端部セクション12Bの両側のループは代わりにそれらの方向を180度変えた磁力線を囲み、これは最適ではない。これは必然的にいくらかの漏れ場を引き起こす。これらの最適でない磁気特性の欠点は、取り付けられる直線ブロックのみを有するという利点に関連して加えられる必要がある。
【0093】
図8は、代替的な一実施形態である。ここでは、第2の磁気構造20の2つの追加セクション22Bが構造の側面に追加されている。これらのセクション22Bは、第1の磁気構造10の2つの角セクション12Cの間に挟まれている。この実施形態では、磁力線は構造のどこでも90度を超えて方向を変えず、これにより磁気挙動が改善される。しかしながら、追加のセクション22Bは、代わりに、取り付けおよび構造の複雑さが増す。
【0094】
上記の実施形態では、磁束集中構造として作用する、磁気的高透過性材料23の第2の部分と交互配置された永久磁石27A、27Bのスタックが示されている。言い換えれば、第2の磁気構造の各セクションは、空隙40に面する表面24、26に沿って交互の極を提示するように配置された永久磁石27A、27Bを備え、それにより、第2の周期性は、同じ極性の2つの連続する極間の距離に等しい。好ましくは、巻線のループは、磁性材料の複数の連続する第2のシートを取り囲む所定の運動経路に平行に巻かれる。しかしながら、磁場の提供は、他の構成によって提供することもできる。
【0095】
図9は、表面実装磁石を伴う線形横方向磁束機械の断面図を概略的に示す。これは、第2の磁気構造20の所定の運動経路4に平行な方向に空隙40に沿って永久磁極を提供する代替の方法を提示する。第2の磁気構造20は、ここでは、磁性材料の中心本体29を有するセクション22を備える。中心本体29の表面には、表面実装磁石27Cが設けられている。このような設計により、セクション22の反対側の極性は異なるものであり得、これは、第1の磁気構造10のセクション12を所定の運動経路4の方向に変位させることなく取り付けることができることを意味する。しかしながら、所定の運動経路4に垂直な表面実装磁石27Cには磁力があるため、表面実装磁石27Cの安全な取り付けを確保するための手段が必要である。
【0096】
代替的な一実施形態では、第2の磁気構造は、各空隙で前記所定の運動経路に平行な方向に超伝導材料を備える磁極を提示する。次いで、これらの極は、ループを有する超伝導材料で形成された巻線によって提供される。この実施形態は、第2の磁気構造に鉄を使用することなく、かなり高い磁束密度を達成することができるという利点を有する。欠点は、解決策がより高価であり、超伝導巻線を超伝導温度に冷却するためにクライオスタットシステムを必要とすることである。
【0097】
さらに別の代替形態では、スイッチトリラクタンス機械設計を採用することができる。図10は、そのような手法における第1の磁気構造10と第2の磁気構造20との間の関係を示している。第2の磁気構造20は、ここでは、磁気的高透過性材料23の第2の部分、例えば電磁鋼板25のブロックを備える。それらには、第1の磁気構造10の磁気的高透過性材料13の第1の部分と本質的に同じ周期性が与えられる。ここでも、さらに上述したように、周期性間の正確な一致からの偏差を適用することができる。したがって、第2の磁気構造20は、各空隙で所定の運動経路に平行な方向に可変透磁率を提示する。
【0098】
スイッチトリラクタンスの実施形態における力は、第1の磁気構造10の磁性材料と第2の磁気構造20の磁性材料とが整列せず、巻線の電流によって磁化されているときに、第1の磁気構造の磁性材料と第2の磁気構造の磁性材料との間の単純な引力によって生成される。この力は、第1の磁気構造10と第2の磁気構造20との間の相対位置に応じていずれの方向にあってもよい。それにより、スイッチトリラクタンス実施形態の1つの位相は、電気周期の半分、4つの象限のうちの2つの象限に対してのみ所望の方向の力を生成することができ、他の2つの象限の間は受動的なままである。これは、平均力密度を直接半分にし、必要な相数を2倍にする機械の種類の欠点である。また、力は一般に永久磁石の実施形態よりも低く、これはさらなる欠点であり、力率および効率はより低い。しかしながら、スイッチトリラクタンス実施形態の利点は、材料コストを低減し、そのようなユニットの製造のためのネオジムおよびジスプロシウムなどの永久磁石材料の利用可能性に依存性をもたらさず、実施形態に高価な永久磁石がないことである。さらに、巻線に電流がないとき、第1の磁気構造10と第2の磁気構造20との間に吸引力はない。これにより、製造および組み立ての複雑さが大幅に軽減化される。
【0099】
したがって、一実施形態では、第2の磁気構造のセクションの少なくとも1つは、非磁性材料またはスリットによって分離された、好ましくは所定の運動経路に垂直な主延在部を有する磁気透過性材料の第2の部分のスタックを備え、それによって第2の平均距離は、磁気透過性材料の連続する第2の部分間の平均距離として決定される。
【0100】
さらなる実施形態では、巻線のループは、磁気透過性材料の複数の連続する第2の部分を取り囲む所定の運動経路に平行に巻かれる。
【0101】
いくつかの実施形態では、スイッチトリラクタンス手法を磁化磁気構造と組み合わせることができることに留意されたい。この目的のために、第2の磁気構造のいくつかのセクションは、本明細書で上述したように、リラクタンススイッチト型であってもよく、第2の磁気構造の他のセクションは、例えば図1A図9に関連して説明した実施形態のいずれかによる、磁石に基づく構造を有してもよい。
【0102】
これまでは、線形の所定の運動経路のみを説明してきた。しかしながら、回転機械などの湾曲した所定の運動経路について上記の考えを利用することも可能である。
【0103】
回転機械の場合、上述の原理のほとんどは依然として有効である。主な違いは、所定の運動経路の形状である。第1および第2の磁気構造は、所定の運動経路と同じ主形状に成形されなければならない。これは、所定の運動経路が円形経路である場合、磁気構造も円形であるか、または円形セグメントとして形成されなければならないことを意味する。
【0104】
図11は、上記に提示されたアイデアによる回転機械の一実施形態を示す。円形の所定の運動経路4が示されている。主トロイダル形状を有する第1の磁気構造10は、所定の運動経路4の方向に設けられた磁気的高透過性材料13のいくつかの第1の部分を有するセクション12を提示する。回転電気機械1は、この実施形態では6つの相2A~Fを有し、異なる相の第1の磁気構造10間の詳細な変位に応じて、機械は1、2、3または6相機械とすることができる。巻線のいくつかのループ32が、主トロイダル形状の外側および内側に見られる。この図では、第2の磁気構造は見えていない。
【0105】
簡単に上述したように、湾曲の内側、すなわち回転機械の中心に面するセクション12、22は、外側のセクションよりも所定の運動経路に沿った磁気構造10、20の磁気挙動の繰り返し間にわずかにより小さい平均距離を有する。しかしながら、通常、隣接するセクションは依然として上述の20%の不一致範囲内にある。
【0106】
図12は、図11の実施形態の切り取り図の一部である。ここでは、「レーストラック形状」の断面があることが分かり得る。長い側は、それぞれ、第1の磁気構造10および第2の磁気構造20の交互セクション12A、22を備える。「レーストラック」の端部では、第1の磁気構造10の半円部12Dが磁気経路を閉じて閉鎖経路となる。巻線のループ32は、支持距離ブロックによって分離された、「レーストラック」の外側および内側、すなわち閉鎖磁気部品の内側および外側に設けられている。ループ32は、機械の相に属する第2の磁気構造20の部品を囲むように延在している。
【0107】
図11図12の特定の実施形態を検討すると、この実施形態では、所定の運動経路は円形経路、またはその少なくとも一部であることが最初に分かり得る。この回転機械では、エアギャップ40を横切る磁束は、ポロイダル方向に向けられることがさらに留意され得る。機械は、ポロイダル方向に沿った磁束の変化に起因して動作するので、この種類の機械は、好ましくは、ポロイダル磁束スイッチング機械として示すことができる。
【0108】
したがって、一実施形態では、所定の運動経路は円弧経路であり、それによって電気機械は、ポロイダル磁束機械である。
【0109】
図13は、明確にするために構造材料が除去された回転機械の別の実施形態を提示している。円形の所定の運動経路4が示されている。主トロイダル形状を有する第1の磁気構造10は、所定の運動経路4の方向に設けられた磁気的高透過性材料13のいくつかの第1の部分を有するセクション12を提示する。1つより多い、任意の数の相が、所定の運動経路4、この特定の図では3つの相2A~Cに沿って分布している。各相について直列もしくは並列のいずれかに、またはそれらの組合せで接続された巻線の1つまたは複数のループ32が、この実施形態では、第2の磁気構造20のセクション22の周りに設けられている。第1の磁気構造の2つの歯付きセクション12Eは、位相を磁気的に接続し、機械の磁気回路を閉じる。
【0110】
回転機械では、可動磁気構造はしばしばロータと呼ばれる。したがって、一実施形態では、第2の磁気構造はロータである。別の実施形態では、第1の磁気構造はロータである。
【0111】
レーストラック断面幾何学的形状を伴うこのポロイダル磁束スイッチング機械の幾何学的形状は、上記でさらに提示した円形幾何学的形状を伴う方位角磁束スイッチング機械ほど漏れ磁束を回避するのに適していない。しかしながら、先に説明したように、幾何学的形状は、代わりに、製造がそれほど複雑ではない。
【0112】
当業者が理解するように、線形機械に使用される任意の幾何学的形状を回転機械にも移すことができる。しかしながら、追加の湾曲に起因して、最適な磁気挙動が要求される場合、製造および取り付けは、通常、回転機械にとってさらに厄介である。
【0113】
1つの相のみを有する回転機械では、巻線はやや特殊な方法で提供されてもよい。これを図14に示す。この実施形態では、巻線30は、回転機械全体、磁路の内部を取り囲む単一のループとして設けられている。巻線30のループは、ここでは、閉じられた所定の運動経路4全体に沿ったセクションに沿って設けられている。
【0114】
この実施形態は、戻り巻線が必要とされず、次いで特定の一実施形態の導電損失を低減するため、より短い巻線という利点を有する。欠点は、各相に1つの実施形態が必要であり、通常必要な一定のトルクを生成するために、少なくとも2つまたは好ましくは3つの別個のリングが必要であることである。それによって、各導体リングは、より少ない材料を磁化し、より少ない力を生成し、これにより、抵抗損失の低減があまり顕著にならない。また、より多くの軸受が必要とされ、エアギャップの外側のリング巻線の内側に漏れ磁束が存在するため、力率が低くなる。
【0115】
本発明の一般的な課題は、エアギャップを正確に維持することである。図14に示す本発明の一実施形態では、これは、エアギャップ40に、またはエアギャップ40内にさえも配置された軸受60を有することによって達成され、第2の磁気構造20のセクション22に対して第1の磁気構造10のセクション12を位置決めする。それによって、エアギャップ40は、第1の磁気構造10のセクション12および第2の磁気構造20のセクション22を支持する大きな剛性構造を必要とせずに維持することができ、それぞれのセクションを分離したままにすることができる。この解決策は標準的ではなく、少なくとも回転機械用ではなく、通常、ロータの回転軸に近接して配置された軸受がある。軸受は、ボール軸受、ローラ軸受、トラックローラ、流体軸受滑り軸受などの任意のタイプであってもよい。
【0116】
図15は、軸受60の代替位置を伴うエアギャップ40を示し、軸受はある距離内に配置される。60Aにおいて、軸受は、エアギャップの外側に配置されるが、エアギャップ幅距離61内に配置される。エアギャップ幅距離61は、所定の運動経路と閉鎖経路の両方に垂直な方向におけるエアギャップの幅である。60Bでは、軸受はエアギャップに配置され、これにより、セクション12、22の機械的剛性要件が緩和されるが、機械の電磁動作を妨げる。60Cでは、軸受の1つが取り外され、残りの軸受がエアギャップの中心付近に配置される。これにより、軸受の数が減少するが、機械の剛性要件が大きくなる。最後に、60Dでは、エアギャップの大部分またはエアギャップ全体が軸受によって覆われる。通常、これは滑り軸受である。要約すると、少なくとも1つの軸受60は、少なくとも1つのエアギャップ40にまたはその近傍に配置され、エアギャップ40と軸受60との間の距離は、エアギャップ40での前記セクション表面14、16、24、26の幅61未満、または好ましくは、エアギャップ40でのセクション表面の幅61の半分未満であり、幅61は、前記所定の運動経路に対して垂直にとられる。
【0117】
前記所定の運動経路が回転機械に当てはまる湾曲を有する実施形態では、湾曲中心に近い、湾曲の内側に位置する前記セクション12、22の極の長さは、同じ周波数で動作するために湾曲の中心からさらに離れて位置するセクション12、22よりも短い極の長さを有する必要がある。それによって、これらの極は、それらが前記セクション表面の同じ前記幅61を有する場合、湾曲の中心からさらに離れて位置するものよりも少ない磁束を搬送することができる。これは、次に力がより低くなり、漏れ磁束がより高くなるため、機械の性能にとって問題またはわずかな欠点であり得る。これを補償するために、セクションのセクション幅61は、湾曲の中心のより近くに位置するセクションほど大きくすることができる。最適には、セクション幅61は、すべてのセクションがほぼ同じ量の磁束を搬送することができるように、湾曲の中心とセクション(12、22)の中心との間の距離に反比例するように選択することができる。
【0118】
本明細書に提示される技術は、低速用途において非常に優れた性能を有するので、低速用途において前述の説明による機械を使用することが有利である。最も重要な用途はおそらく直接駆動発電機およびモータであるが、5m/s未満の特性速度で動作するシステムも特に適していると考えられる。特性速度は、例えばトランスレータとステータ、またはロータとステータなどの第1の磁気構造と第2の磁気構造との間の通常の相対運動速度として定義される。適切な用途は、通常、再生可能エネルギー変換システム、風力、潮力、海洋波発電、電気船推進、ギアモータの交換、すなわちギアレスモータにおいて、トラクションモータ、一般的な直接駆動システム、および力高密度アクチュエータである。
【0119】
上記の実施形態は、本発明のいくつかの例示的な例として理解されるべきである。当業者であれば、本発明の範囲から逸脱することなく、実施形態に様々な修正、組合せ、および変更を加えることができることを理解するであろう。特に、異なる実施形態における異なる部分の解決策は、技術的に可能な場合、他の構成で組み合わせることができる。しかしながら、本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲によって定められる。
【0120】
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図1A
図1B
図1C
図1D
図1E
図1F
図1G
図1H
図2A
図2B
図2C
図2D
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15