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特許7611371ガイドワイヤ偏向器を有する長尺状のカテーテル組立体
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-25
(45)【発行日】2025-01-09
(54)【発明の名称】ガイドワイヤ偏向器を有する長尺状のカテーテル組立体
(51)【国際特許分類】
   A61M 25/00 20060101AFI20241226BHJP
【FI】
A61M25/00 534
A61M25/00 540
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2023519073
(86)(22)【出願日】2021-08-25
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-10-11
(86)【国際出願番号】 IB2021057790
(87)【国際公開番号】W WO2022064294
(87)【国際公開日】2022-03-31
【審査請求日】2023-05-12
(31)【優先権主張番号】63/083,195
(32)【優先日】2020-09-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】522368684
【氏名又は名称】ボストン サイエンティフィック メディカル デバイス リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(74)【代理人】
【識別番号】100142907
【弁理士】
【氏名又は名称】本田 淳
(72)【発明者】
【氏名】リョン、ライナス
(72)【発明者】
【氏名】ガルビン、ロバート
【審査官】中村 一雄
(56)【参考文献】
【文献】特表2002-525163(JP,A)
【文献】特表2017-531544(JP,A)
【文献】国際公開第2011/162100(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2014/0018837(US,A1)
【文献】特表2019-506930(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 25/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
遠位ガイドワイヤセクションを有するガイドワイヤと共に使用するための装置であって、
長尺状のカテーテル組立体に沿って軸線方向に延びるカテーテル内腔を画定する長尺状のカテーテル組立体と、
前記カテーテル内腔に装着されたガイドワイヤ偏向器と、を備え、
前記カテーテル内腔は、前記ガイドワイヤの前記遠位ガイドワイヤセクションを受け入れるように構成されており、
前記長尺状のカテーテル組立体が、前記カテーテル内腔から軸線方向に延びる軸線方向ポータルを画定し、
前記長尺状のカテーテル組立体は、前記カテーテル内腔から半径方向に延びる半径方向ポータルをも画定し、
前記カテーテル内腔、前記軸線方向ポータル、および前記半径方向ポータルは、互いに連通しており、
前記ガイドワイヤ偏向器は、
選択的に膨張および収縮して前記遠位ガイドワイヤセクションの移動を偏向および方向付けするように構成されたバルーン組立体と、
前記長尺状のカテーテル組立体の長さに沿って延びる膨張内腔と、を含み、
前記膨張内腔は前記バルーン組立体と連通しており、
前記バルーン組立体は、膨張したときに、前記カテーテル内腔に沿って軸線方向に移動させられる前記ガイドワイヤの前記遠位ガイドワイヤセクションの軸線方向へ付勢された移動を、前記軸線方向ポータルから離れ、かつ前記半径方向ポータルに向かってバルーン組立体に対して上昇させるように選択的に偏向させるように構成され
前記バルーン組立体は、収縮したときに、前記ガイドワイヤの前記遠位ガイドワイヤセクションの軸線方向へ付勢された移動を選択的に可能にし、前記カテーテル内腔に沿って前記軸線方向ポータルを通って軸線方向に移動させるように構成される、装置。
【請求項2】
前記長尺状のカテーテル組立体は、側壁を有し、
前記長尺状のカテーテル組立体は、前記側壁から伸びる遠位セクションをも有する、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記カテーテル内腔は、前記長尺状のカテーテル組立体の遠位セクションに向かって、かつ遠位セクションを通って、前記軸線方向ポータルまで軸線方向に延びる、請求項1または2に記載の装置。
【請求項4】
前記長尺状のカテーテル組立体の遠位セクションは、前記カテーテル内腔に沿って軸線方向に移動する前記ガイドワイヤの前記遠位ガイドワイヤセクションの、前記軸線方向ポータルに向かう、および前記軸線方向ポータルを通る移動を可能にするように構成され、
前記遠位セクションが、前記カテーテル内腔から半径方向に延びる前記半径方向ポータルを画定し、
前記半径方向ポータルは、前記長尺状のカテーテル組立体の側壁を通って半径方向に延びる、請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の装置。
【請求項5】
前記ガイドワイヤ偏向器は、前記長尺状のカテーテル組立体の遠位セクションで前記カテーテル内腔に取り付けられ、
前記ガイドワイヤ偏向器は、前記軸線方向ポータルに近接して取り付けられる、請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の装置。
【請求項6】
前記カテーテル内腔の近位セクションが、前記ガイドワイヤの前記遠位ガイドワイヤセクションを受け入れるように構成され、
前記カテーテル内腔の遠位セクションが、前記軸線方向ポータルと前記半径方向ポータルを画定する、請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の装置。
【請求項7】
前記バルーン組立体は、前記半径方向ポータルの遠位に延びる、請求項1~6のいずれか一項に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、ガイドワイヤと共に使用するための長尺状のカテーテル組立体であって、ガイドワイヤ偏向器を有するもの(およびそのための方法)の技術分野に関する(なお、これに限定されない)。
【背景技術】
【0002】
既知の医療装置は、医療処置を容易にし、医療従事者が病気の患者の病状を診断および/または治療するのを助けるように構成されている。
【発明の概要】
【0003】
既存の(既知の)医療用カテーテル組立体に関連する少なくとも1つの問題を(少なくとも部分的に)軽減する必要性が存在することが理解されよう。既存の(既知の)医療用カテーテル組立体の多くの研究、および実験の後、問題およびその解決策の理解(少なくとも一部)が特定され、(少なくとも一部が)以下のように明示される。
【0004】
既知の再進入カテーテルは、ガイドワイヤの遠位先端が再進入カテーテルのサイドポートを指向するようにガイドワイヤを方向付ける医師の能力に依存する。遠位先端を方向付けるプロセスは、ガイドワイヤの操作[ホイッピング(whipping)、回転、トルク付け]のために困難である場合がある。また、(ガイドワイヤの)遠位先端がサイドポートに向いているかどうかを判断することも、(医療用画像処理システムによって生成される医療用画像の)画像解像度に起因して困難である場合がある。
【0005】
ガイドワイヤの軸線方向へ付勢された移動を、軸線方向ポータル(正面ポート)から離れるように、かつ半径方向ポータル(サイドポート)に半径方向に向かうように選択的に偏向するように構成されたガイドワイヤ偏向器を提供することが望ましい場合がある。
【0006】
既存の技術に関連する少なくとも1つの問題を少なくとも部分的に軽減するために、(主要な態様に従って)装置が提供される。本装置は、遠位ガイドワイヤセクションを有するガイドワイヤと共に使用するためのものである。本装置は、ガイドワイヤの遠位ガイドワイヤセクションを受け入れるように構成されたカテーテル内腔を画定する長尺状のカテーテル組立体を含むがそれらに限定されない。カテーテル内腔はまた、軸線方向ポータルおよび半径方向ポータルを画定している。長尺状のカテーテル組立体には、ガイドワイヤ偏向器が取り付けられる。ガイドワイヤ偏向器は、ガイドワイヤの遠位ガイドワイヤセクションの軸線方向へ付勢された移動を、軸線方向ポータルから離れるように、かつ半径方向ポータル向かって半径方向に選択的に偏向するように構成される。
【0007】
既存の技術に関連する少なくとも1つの問題を少なくとも部分的に軽減するために、(主要な態様に従って)装置が提供される。本装置は、遠位ガイドワイヤセクションを有するガイドワイヤと共に使用するためのものである。本装置は、長尺状のカテーテル組立体に沿って軸線方向に延びるカテーテル内腔を画定する長尺状のカテーテル組立体を含むがこれに限定されない。カテーテル内腔は、ガイドワイヤの遠位ガイドワイヤセクションを受け入れるように構成される。長尺状のカテーテル組立体は、カテーテル内腔から軸線方向に延びる軸線方向ポータルを画定している。長尺状のカテーテル組立体はまた、カテーテル内腔から半径方向に延びる半径方向ポータルを画定している。カテーテル内腔には、ガイドワイヤ偏向器が取り付けられる。ガイドワイヤ偏向器は、ガイドワイヤの遠位ガイドワイヤセクションの軸線方向へ付勢された移動を(カテーテル内腔に沿って軸線方向に移動させられている)、軸線方向ポータルから離れるように、かつ半径方向ポータルに向かって半径方向に選択的に偏向するように構成される。
【0008】
既存の技術に関連する少なくとも1つの問題を少なくとも部分的に軽減するために、(主要な態様に従って)方法が提供される。本方法は、遠位ガイドワイヤセクションを有するガイドワイヤを使用するためのものである。本方法は、長尺状のカテーテル組立体(ガイドワイヤの遠位ガイドワイヤセクションを受け入れるように構成されたカテーテル内腔を画定し、また、軸線方向ポータルおよび半径方向ポータルを画定する)に取り付けられたガイドワイヤ偏向器を使用して、ガイドワイヤの遠位ガイドワイヤセクションの軸線方向へ付勢された移動を軸線方向ポータルから離れるように、かつ半径方向ポータルに向かって半径方向に選択的に偏向するように構成されるが、これに限定はされない。
【0009】
他の態様は、特許請求の範囲において特定される。非限定的な実施形態の他の態様および特徴は、添付の図面とともに非限定的な実施形態の以下の詳細な説明を検討することにより、今や当業者にとって明らかになるであろう。この要約は、詳細な説明において以下にさらに説明される概念を簡略化した形で紹介するために提供される。本要約は、開示された主題の潜在的に重要な特徴または可能性のある本質的な特徴を特定することを意図しておらず、また、それぞれ開示された実施形態または開示された主題のすべての実施形態を説明することを意図していない。他の多くの新規な利点、特徴、および関係は、本説明が進むにつれて明らかになるであろう。図およびそれに続く説明は、より具体的に実例となる実施形態を例証するものである。
【図面の簡単な説明】
【0010】
非限定的な実施形態は、添付の図面と併せて解釈した場合の非限定的な実施形態の以下の詳細な説明を参照することによって、より完全に理解され得る:
図1】ガイドワイヤ偏向器を有する長尺状のカテーテル組立体の実施形態の斜視側面図である。
図2】ガイドワイヤ偏向器を有する長尺状のカテーテル組立体の実施形態の断面図である。
図3】ガイドワイヤ偏向器を有する長尺状のカテーテル組立体の実施形態の断面図である。
図4】ガイドワイヤ偏向器を有する長尺状のカテーテル組立体の実施形態の断面図である。
図5図1のガイドワイヤ偏向器の実施形態の断面図である。
図6図1のガイドワイヤ偏向器の実施形態の断面図である。
図7図1のガイドワイヤ偏向器の実施形態の断面図である。
図8図1のガイドワイヤ偏向器の実施形態の断面図である。
図9図1のガイドワイヤ偏向器の実施形態の断面図である。
図10図1のガイドワイヤ偏向器の実施形態の断面図である。
図11図1のガイドワイヤ偏向器の実施形態の断面図である。
図12図1のガイドワイヤ偏向器の実施形態の断面図である。
図13図1のガイドワイヤ偏向器の実施形態の断面図である。
図14図1のガイドワイヤ偏向器の実施形態の断面図である。
図15図1のガイドワイヤ偏向器の実施形態の断面図である。
図16図1のガイドワイヤ偏向器の実施形態の側面図である。
【0011】
図面は必ずしも縮尺通りではなく、仮想線、図式的表現、断片的な図によって図示されることがある。特定の例では、実施形態の理解に不必要な詳細(および/または他の詳細を知覚することを困難にする詳細)が省略されている場合がある。対応する参照文字は、図面のいくつかの図を通して、対応する構成要素を示す。いくつかの図における要素は、単純化および明確化のために図示されており、縮尺通りに示されてはいない。図中のいくつかの要素の寸法は、開示された様々な実施形態の理解を容易にするために、他の要素に対して強調される場合がある。加えて、商業的に実現可能な実施形態において有用な、一般的で、よく理解されている要素は、本開示の実施形態をより妨げないようにするために、示されていないことが多い。
【0012】
図面で使用される参照番号のリスト
カテーテル組立体 102
側壁 103
遠位セクション 104
軸線方向ポータル 106
カテーテル内腔 108
半径方向ポータル 110
ガイドワイヤ偏向器 112
バルーン組立体 202
膨張内腔 204
第一磁石 301
第二磁石 302
プレート要素 402
制御ワイヤ 404
生体特徴 800
生体管 801
生体閉塞 802
側壁 803
ガイドワイヤ 900
遠位ガイドワイヤセクション 90
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下の詳細な説明は、単に例示的なものであり、記載された実施形態、または記載された実施形態の適用および使用を制限することを意図するものではない。使用されるように、単語「例示的」または「実例となる」は、「例、事例、または実例として役立つ」ことを意味する。「例示的」または「実例となる」として説明される任意の実施態様は、必ずしも他の実施態様よりも好ましい、または有利であると解釈される必要はない。以下に説明される全ての実施形態は、当業者が本開示の実施形態を作製または使用できるように提供される実例となる実施形態であり、本開示の範囲を限定することを意図するものではない。本開示の範囲は、特許請求の範囲によって定義される。説明のために、用語「上」、「下」、「左」、「後」、「右」、「前」、「縦」、「横」、およびそれらの派生語は、図面において方向づけられるような実施例に関するものとする。先の技術分野、背景技術、要約、または以下の詳細な説明における明示または黙示の理論に拘束される意図は全くない。また、添付の図面に示され、以下の明細書に記載された装置およびプロセスは、添付の請求項に定義された例示的な実施形態(例)、態様および/または概念であることが理解されるべきものとする。したがって、開示された実施形態に関する寸法および他の物理的特性は、特許請求の範囲に明示的に記載されていない限り、限定的なものとして考慮されない。「少なくとも1つの」という表現は、「a(1つの)」と同等であると理解される。態様(例、変更、修正、オプション、変形、実施形態、およびそれらの任意の等価物)は、図面に関して説明される。本開示は、特許請求の範囲によって提供される主題に限定され、本開示は、表現かつ説明された特定の態様に限定されないことが理解されるべきである。アイテムに結合されるように構成された装置(すなわち、アイテムに接続される、アイテムと相互作用する、など)の意味の範囲は、装置が、直接または間接的にアイテムに結合されるように構成されていると解釈されることが理解されよう。したがって、「~に構成されている」は、特に断りのない限り、「直接または間接的に」の意味を含むことがある。
【0014】
図1から図6は、ガイドワイヤ偏向器112を有する長尺状のカテーテル組立体102の実施形態の斜視側面図(図1)および断面図(図2から図6)である。断面図(図2から図6)は、図1の断面線A-Aに沿っている。
【0015】
図1に示す実施形態を参照すると、長尺状のカテーテル組立体102は、遠位ガイドワイヤセクション902を有するガイドワイヤ900とともに使用されるように構成されている。長尺状のカテーテル組立体102は、カテーテル内腔108を画定している。カテーテル内腔108は、長尺状のカテーテル組立体102の長尺状の長さに沿って(軸線方向に)延びる。カテーテル内腔108の近位セクション(図1の左側に位置する)は、ガイドワイヤ900の遠位ガイドワイヤセクション902を受け入れるように構成される。カテーテル内腔108の遠位セクション(図1の右側に配置されている)は、軸線方向ポータル106および半径方向ポータル110(サイドポートとも呼ばれる)を画定する。
【0016】
カテーテル内腔108、軸線方向ポータル106および半径方向ポータル110は、互いに(相互に)連通している。軸線方向ポータル106は、カテーテル内腔108に対して軸線方向に相対的に位置決めされる。半径方向ポータル110は、カテーテル内腔108に対して半径方向に相対的に位置決めされる。ガイドワイヤ900は、カテーテル内腔108の長さに沿って、軸線方向ポータル106に向かって(および軸線方向ポータルを通って)移動可能である(すなわち、軸線方向移動が付勢される)ように構成されている(すなわち、ガイドワイヤ900の近位セクション(図1の左側に位置する)から遠位セクション(図1の右側に位置する)にかけて)。長尺状のカテーテル組立体102は、生体(患者)によって画定される限定された空間に挿入されるように構成される。
【0017】
図1に示される実施形態を参照すると、カテーテル内腔108は、長尺状のカテーテル組立体102(の長尺状の長さ)に沿って軸線方向に延びている。軸線方向ポータル106は、カテーテル内腔108(の遠位セクション)から軸線方向に延びている。半径方向ポータル110は、カテーテル内腔108の(遠位セクションから)半径方向に延びている。軸線方向ポータル106および半径方向ポータル110は、好ましくは、互いに(相互に)近接して配置される。
【0018】
図2から図6に示される実施形態を参照すると、長尺状のカテーテル組立体102は、ガイドワイヤ偏向器112を備えている。ガイドワイヤ偏向器112は、好ましくは、ユーザが制御可能(作動可能)である。ガイドワイヤ偏向器112が利用されない(稼働されない)場合のために、ガイドワイヤ900の遠位ガイドワイヤセクション902は、軸線方向ポータル106に向かって移動して到達する(そこから延びる)ように付勢され、それによって遠位ガイドワイヤセクション902が半径方向ポータル110をバイパスして軸線方向ポータル106を通って移動(およびそこから延びる)ように付勢され得る。ガイドワイヤ偏向器112は、ガイドワイヤ900の遠位ガイドワイヤセクション902の半径方向ポータル110に向かう移動を(一旦そうするように稼働されると)選択的に偏向するように構成され、したがって、この配置では、(ガイドワイヤ偏向器112の稼働に応答して)遠位ガイドワイヤセクション902の軸線方向ポータル106へ(およびそこから延びる)付勢される移動は回避され得る。
【0019】
図2から図6に示される実施形態を参照すると、長尺状のカテーテル組立体102および/またはガイドワイヤ偏向器112の構成要素は、産業および規制安全基準(または医療用としての適合性)に準拠するための十分な性能(電気絶縁強度、熱性能、電気絶縁、腐食、耐水、熱耐性など)に適した生体適合性材料特性などを含む。なお、適切な材料の選択にあたっては、ヴィニー・R・サストリ(Vinny R. Sastri)「医療装置におけるプラスチック:特性、要件、および適用(“Plastics in Medical Devices: Properties, Requirements, and Applications”)」、2013年11月21日、アムステルダム[オランダ]:エルゼビア/ウィリアム・アンドリュー[2014](Amsterdam [Pays-Bas]: Elsevier/William Andrew[2014])、第2版、ハードカバー ISBN:9781455732012を参照されたい。
【0020】
図2から図6に示されるような実施形態を参照すると、ガイドワイヤ偏向器112は、バルーン組立体202を含む。バルーン組立体202は、選択的に膨張および収縮されるように構成される。膨張内腔204は、長尺状のカテーテル組立体102に取り付けられている(支持されている)。膨張内腔204は、長尺状のカテーテル組立体102の長さに沿って延びている。膨張内腔204は、バルーン組立体202と連通している。膨張内腔204は、長尺状のカテーテル組立体102の近位セクションから延びている。膨張内腔204の近位セクションは、膨張源(既知であり、描かれていない)に流体的に接続されるように構成されている。膨張内腔204は、長尺状のカテーテル組立体102の側壁に配置され得ることが理解されよう。膨張内腔204は、(要望であれば)カテーテル内腔108に配置されてもよいことが理解されよう。長尺状のカテーテル組立体102は、バルーン組立体202の選択的な膨張を容易にするために、マルチ内腔シャフトを提供してもよいことが理解されよう。
【0021】
図1および図2に示される実施形態を参照すると、長尺状のカテーテル組立体102は側壁103を有している。長尺状のカテーテル組立体102はまた、側壁103から延びる遠位セクション104を有している。カテーテル内腔108は、遠位セクション104に向かって、そして遠位セクション104を通って、軸線方向ポータル106まで軸線方向に延びる。遠位セクション104は、カテーテル内腔108に沿って軸線方向に移動するガイドワイヤ900の遠位ガイドワイヤセクション902が、軸線方向ポータル106に向かって、そしてそれを通って移動することを可能に(容易に)するように構成される。半径方向ポータル110を画定する遠位セクション104は、カテーテル内腔108から半径方向に延びる。半径方向ポータル110は、側壁103を貫通して半径方向に延びる。
【0022】
図2に示される実施形態を参照すると、ガイドワイヤ偏向器112は、長尺状のカテーテル組立体102に(一般に)取り付けられている。ガイドワイヤ偏向器112は、(ガイドワイヤ900の)遠位ガイドワイヤセクション902の軸線方向へ付勢された移動を、軸線方向ポータル106から離れるように、かつ半径方向ポータル110に向かって半径方向に選択的に偏向するように構成される(一旦、適宜稼働すると)。
【0023】
図2に示される実施形態を参照すると、ガイドワイヤ偏向器112は、(好ましくは)カテーテル内腔108に(カテーテル内腔108の遠位セクションに)取り付けられている。ガイドワイヤ偏向器112は、ガイドワイヤ900の遠位ガイドワイヤセクション902の軸線方向へ付勢された移動を、軸線方向ポータル106から離れるように、かつ半径方向ポータル110に向かって選択的に偏向するように構成されている(通常、ガイドワイヤ900は、軸線方向ポータル106に向かってカテーテル内腔108に沿って軸線方向に移動させられる)。
【0024】
図2に示される実施形態を参照すると、ガイドワイヤ偏向器112は、遠位セクション104でカテーテル内腔108に取り付けられている(位置決めされている)。
ガイドワイヤ偏向器112はまた、軸線方向ポータル106に近接して取り付けられている(位置決めされている)。
【0025】
図3に示される実施形態を参照すると、(ガイドワイヤ900の)遠位ガイドワイヤセクション902は、軸線方向ポータル106に向かって移動するように付勢されている。
図4に示される実施形態を参照すると、ガイドワイヤ偏向器112は稼働されていない(利用されていない)。(ガイドワイヤ900の)遠位ガイドワイヤセクション902は、軸線方向ポータル106に到達し、遠位ガイドワイヤセクション902が軸線方向ポータル106から延びるように移動し続けることができる。
【0026】
図5に示される実施形態を参照すると、ガイドワイヤ偏向器112が稼働されている(利用されている)。そして、(ガイドワイヤ900の)遠位ガイドワイヤセクション902は、軸線方向ポータル106に向かって移動するように付勢され、ガイドワイヤ偏向器112は、遠位ガイドワイヤセクション902の経路において稼働されている。
【0027】
図6に示される実施形態を参照すると、(ガイドワイヤ900の)遠位ガイドワイヤセクション902は、ガイドワイヤ偏向器112に到達して接触する。ガイドワイヤ偏向器112は、使用時に、(ガイドワイヤ900の)遠位ガイドワイヤセクション902が軸線方向ポータル106から離れて、半径方向ポータル110に向かうように、遠位ガイドワイヤセクション902の移動を偏向させる。
【0028】
遠位ガイドワイヤセクション902は、遠位ガイドワイヤセクション902が半径方向ポータル110から延びるように移動させ続けることができる。
図1から図6に示される実施形態を参照すると、遠位ガイドワイヤセクション902を有するガイドワイヤ900を使用するための方法が示されている。この方法は、ガイドワイヤ900の遠位ガイドワイヤセクション902の軸線方向へ付勢された移動を、軸線方向ポータル106から離れるように、かつ半径方向ポータル110に向かうように(そして、好ましくは、半径方向ポータル110を通って)選択的に偏向させるためにガイドワイヤ偏向器112を使用することを含む。
【0029】
図1から図6に示される実施形態を参照すると、(ガイドワイヤ900の)遠位ガイドワイヤセクション902は、エネルギー(高周波エネルギー等およびその任意の等価物)を選択的に放出するように構成される。例えば、遠位ガイドワイヤセクション902およびガイドワイヤ900は、BAYLIS MEDICAL COMPANY(本社:カナダ)製のBAYLIS(登録商標)POWERWIRE(登録商標)高周波ガイドワイヤなどの高周波穿刺装置を含むことがある。別の実施形態によれば、遠位ガイドワイヤセクション902は、機械的切断部を呈する遠位先端セクションを含む(これに限定されない)(この場合、穿刺は、機械的切断部を生体特徴に物理的に移動させることによって形成する)。
【0030】
図1から図6に示される実施形態を参照すると、(好ましくは)ガイドワイヤ偏向器112は、バルーン組立体202を含む。バルーン組立体202は、膨張可能および収縮可能、拡張可能および縮小可能(膨張および収縮可能なメッシュ構造、拡張および縮小可能なメッシュ構造など)などに構成された任意の装置およびその同等物を含み得る。バルーン組立体202は、好ましくは、カテーテル内腔108に面した(長尺状のカテーテル組立体102の)内壁に位置決めされて取り付けられ、軸線方向ポータル106および半径方向ポータル110に近接して位置決めされる。バルーン組立体202は、ガイドワイヤ900の遠位ガイドワイヤセクション902の半径方向ポータル110に向けた、半径方向ポータルの中への、およびそれを越える移動を方向付ける(偏向する)ように構成される(それによって、遠位ガイドワイヤセクション902が軸線方向ポータル106の中へ移動してそれを越えて延びることを防止する)。バルーン組立体202は、遠位ガイドワイヤセクション902の移動のための空間的な向きを所望の方向へ向ける(方向付けをアシストする)ことなどを助ける場合がある。有利には、ガイドワイヤ偏向器112は、半径方向ポータル110を通る遠位ガイドワイヤセクション902の付勢された移動をアシストするために、ガイドワイヤ900の特性への依存を(少なくとも部分的に)低減することができる。
【0031】
図1から図6に示される実施形態を参照すると、(好ましくは)バルーン組立体202は、長尺状のカテーテル組立体102の遠位セクション104に取り付けられている。バルーン組立体202は、(場合により、接着プロセス、または幾何学の機能などによって)正しい位置に固定され、すなわち、バルーン組立体202は、(長尺状のカテーテル組立体102の)カテーテル内腔108の減少した内径のために、移動することが制限されてもよい。バルーン組立体202の形状は、ガイドワイヤ900がバルーン組立体202(またはガイドワイヤ偏向器112)に対して上昇し、半径方向ポータル110(サイドポート)から外に移動するように誘導することができる。バルーン組立体202は、所定の圧力まで膨張するように構成されており、これは、調節可能または制御可能であってもよく、好ましくは、破裂状態までの過膨張(患者へのリスクなどを引き起こす)を回避するようにする。バルーン組立体202は、長尺状のカテーテル組立体102からの圧縮の力、および/またはガイドワイヤ900および/または遠位ガイドワイヤセクション902との相互作用からの力に抵抗することができてよい。
【0032】
図7から図9は、図1のガイドワイヤ偏向器112の実施形態を示す断面図である。断面図(図7から図9)は、図1の断面線A-Aに沿っている。
図7から図9に示される実施形態を参照すると、長尺状のカテーテル組立体102は、生体特徴800の生体管801に挿入され、次に、生体管801内に配置された生体閉塞802(閉塞ともいう)に向かって移動される。生体閉塞802は、長尺状のカテーテル組立体102の移動を阻止する。この場合、長尺状のカテーテル組立体102は、生体特徴800の側壁803(内膜下空間とも呼ばれる)内に移動され、それによって生体閉塞802をバイパスさせ、次いで、長尺状のカテーテル組立体102を生体閉塞802の周りを移動させてから生体管801内に戻すよう付勢され得る。
【0033】
図8に示される実施形態を参照すると、長尺状のカテーテル組立体102は、側壁803に沿って、生体閉塞802をちょうど過ぎたところに移動される。長尺状のカテーテル組立体102は、一旦半径方向ポータル110が生体閉塞802をちょうど越えて(過ぎて)配置されると、移動を停止され、半径方向ポータル110が生体管801に向かい合う。
【0034】
図9に示される実施形態を参照すると、ガイドワイヤ偏向器112が稼働される。ガイドワイヤ900は、ガイドワイヤ偏向器112に向かって移動される。ガイドワイヤ偏向器112は、(ガイドワイヤ900の)遠位ガイドワイヤセクション902を半径方向ポータル110に向かって偏向させる。ガイドワイヤ偏向器112は、遠位ガイドワイヤセクション902が軸線方向ポータル106から離れて前進するのを回避し、半径方向ポータル110に向かわせる。遠位ガイドワイヤセクション902は、半径方向ポータル110を通過して生体管801内に移動するようにさらに促される。全般的に、長尺状のカテーテル組立体102が再進入カテーテルとして利用される場合、遠位ガイドワイヤセクション902は、側壁803(内膜下空間とも呼ばれる)に沿って、かつその内部で生体閉塞802(閉塞)を越えて前進される。一旦遠位ガイドワイヤセクション902が半径方向ポータル110(サイドポート)に近接して配置されると、ガイドワイヤ偏向器112(またはバルーン組立体202)が稼働される(膨張させられる、など)。ガイドワイヤ900は、遠位ガイドワイヤセクション902が半径方向ポータル110を通って(またはそこから押し出されて)偏向され得るように(バルーン組立体202が一旦膨張されると)前進される。必要に応じて、遠位ガイドワイヤセクション902は、生体管801(血管の真の管腔など)へのアクセスを得るために、側壁803の内面を穿刺するために利用(例えば、エネルギーを発するように稼働)され得る。有利には、ガイドワイヤ偏向器112は、血管壁(側壁803)に対してより少ない圧力をかけることができ、それによって生理学的にストレスの少ないアプローチを課すことができる。図9に従って、バルーン組立体202は、側壁803から生体管801に戻る遠位ガイドワイヤセクション902の再進入運動を助ける(アシストする)ことができる。ガイドワイヤ偏向器112は、(ガイドワイヤ900の)遠位ガイドワイヤセクション902を長尺状のカテーテル組立体102(再進入型シースなどとも呼ばれる)の外への誘導を容易にすることを補助し得る。ガイドワイヤ偏向器112は、側壁803(内膜下チャネル)から内膜層を通って生体管801(血管内腔)へ戻る際の前進を容易にすることを可能にし得る。有利には、(ガイドワイヤ900の)遠位ガイドワイヤセクション902は、遠位ガイドワイヤセクション902を半径方向ポータル110(サイドポート)に整列させるためにガイドワイヤ900を(回転、押し、引きなどによって)操作する必要性を(少なくとも部分的に)回避することによって、(長尺状のカテーテル組立体102の)半径方向ポータル110からより容易に移動し得る。有利には、遠位ガイドワイヤセクション902、ガイドワイヤ偏向器112は、医師がガイドワイヤ900を方向付けることを容易にし、それによって遠位ガイドワイヤセクション902が半径方向ポータル110(サイドポート)を通過することを可能にする。有利には、ガイドワイヤ偏向器112は、遠位ガイドワイヤセクション902が、より少ないユーザ操縦技術で半径方向ポータル110(サイドポート)から外に向けられることを可能にする場合がある。ガイドワイヤ偏向器112は、閉塞(慢性完全閉塞など)を伴う様々な経皮的冠動脈形成術治療において利用され得ることが理解されるであろう。長尺状のカテーテル組立体102とガイドワイヤ偏向器112との組み合わせ(再進入装置と呼ぶこともある)は、血管の側枝などにナビゲートするために使用されることもある。例えば、ガイドワイヤ900で冠状動脈にアクセスすることは困難な場合があり、したがって、長尺状のカテーテル組立体102とガイドワイヤ偏向器112との組み合わせを使用することは、患者の冠状動脈にアクセスするためのより信頼できる方法を提供することができる。
【0035】
図9に示される実施形態を参照すると、長尺状のカテーテル組立体102は、要望があれば、操縦可能カテーテルとして構成することができる。
図10から図12は、図1のガイドワイヤ偏向器112の実施形態の断面図である。断面図(図10から図12)は、図1の断面線A-Aに沿っている。
【0036】
図10から図12に示される実施形態を参照すると、ガイドワイヤ偏向器112は、第一磁石301と第二磁石302とを含む。第一磁石301は、(ガイドワイヤ900の)遠位ガイドワイヤセクション902に取り付けられる。第二磁石302は、第一磁石301に対して移動可能である。第二磁石302は、(生体特徴800の)側壁803に沿って、生体閉塞802の一方の側から生体閉塞802の他方の側まで移動可能である。第一磁石301は、永久磁石を含んでいる。第二磁石302は、第二磁石302を選択的に分極して、(A)第一磁石301に対して吸引的であるか、または(B)第一磁石301に対して反発的であるように構成された電磁装置を含む。長尺状のカテーテル組立体102の構成要素および生体特徴800の画像を生成するために、医療用画像処理システム(既知であり、描かれていない)が利用されてもよく、このようにして、生体特徴800および長尺状のカテーテル組立体102の画像は、処置中にユーザに表示してもよいことが理解されよう。
【0037】
図10に示される実施形態を参照すると、第二磁石302と第一磁石301とは、互いに(相互に)磁気的に引き寄せられるように構成される。これは、第二磁石302が第一磁石301を生体閉塞802を越えて(側壁803を通って)磁気的に引き寄せるような方法で行われる。
【0038】
図11に示されるような実施形態を参照すると、第二磁石302と第一磁石301は、互いに磁気的に寄せ付けない(反発する)ように構成される。一旦遠位ガイドワイヤセクション902が半径方向ポータル110に近接して配置されると、第二磁石302は、第一磁石301を磁気的に押して(反発させて)、半径方向ポータル110に向かって、そしてそれを通って、生体管801の中に移動する。第一磁石301は、永久磁石を含むことが理解されよう。第二磁石302は、(A)第二磁石302が第一磁石301を第二磁石302に向かって磁気的に引き寄せるように第一磁石301に対して吸引的であるか、または(B)第二磁石302が第一磁石301を第二磁石302から離れるように磁気的に押すように第一磁石301に対して反発的であるように選択的に分極するように構成された電磁装置を含む。全般的に、第一磁石301および第二磁石302は、以下のように構成されることが理解されよう:(A)互いに選択的に吸引する;これは好ましくは、第二磁石302が第一磁石301を第二磁石302に向かって磁気的に引き寄せるような方法で行われ、および/または(B)互いに(相互に)選択的に反発する;これは好ましくは、第二磁石302が第一磁石301を第二磁石302から磁気的に押すような方法で行われる。
【0039】
図12に示される実施形態を参照すると、第二磁石302と第一磁石301とは、互いに(相互に)磁気的に吸引されるように構成される。これは、好ましくは、第二磁石302が第一磁石301を生体管801に沿って磁気的に引き寄せるように行われる。
【0040】
図13から図16は、図1のガイドワイヤ偏向器112の実施形態の断面図(図13から図15)と、図1の長尺状のカテーテル組立体102の実施形態の側面図(図16)である。断面図(図13から図15)は、図1の断面線A-Aに沿っている。
【0041】
図13に示される実施形態を参照すると、ガイドワイヤ偏向器112は、第一磁石装置311と第二磁石装置312とを含む。第一磁石装置311は、(長尺状のカテーテル組立体102の)遠位セクション104に取り付けられる。第二磁石装置312は、第一磁石装置311に対して移動可能である。第二磁石装置312は、(生体特徴800の)側壁803に沿って、生体閉塞802の一方の側から他方の側まで移動可能である。第一磁石装置311は、永久磁石を含んでいる。第二磁石装置312は、第二磁石装置312を選択的に分極させて、(A)第一磁石装置311に対して吸引的であるか、または(B)第一磁石装置311に対して反発的であるように構成された電磁装置を含む。長尺状のカテーテル組立体102の構成要素および生体特徴800の画像を生成するために、医療用画像処理システム(既知であり、描かれていない)が利用されてもよい。このように、生体特徴800および長尺状のカテーテル組立体102の画像は、処置中にユーザに表示してもよいことが理解されよう。第二磁石装置312は、側壁803に沿って第一磁石装置311を磁気的に吸引するように構成される。全般的に、第一磁石装置311および第二磁石装置312は、以下のように構成される。(A)互いに選択的に吸引される、または(B)互いに(相互に)選択的に反発される。
【0042】
図14および図15に描かれる実施形態を参照すると、ガイドワイヤ偏向器112は、プレート要素402と制御ワイヤ404とを含む。プレート要素402は、カテーテル内腔108に向かい合う内面に枢動可能に取り付けられる。プレート要素402は、軸線方向ポータル106および半径方向ポータル110に近接して配置される(取り付けられる)。制御ワイヤ404は、プレート要素402に取り付けられている。制御ワイヤ404は、プレート要素402をプレート稼働位置(図15に描かれているような)とプレート格納位置(図14に描かれているような)との間で選択的に移動するように構成されている。プレート要素402は、制御ワイヤ404の付勢された移動に応答して、プレート稼働位置(図15に示されるような)とプレート格納位置(図14に示されるような)との間で枢動可能に移動されるように構成される。プレート要素402は、プレート要素402が稼働した後(一旦稼働すると)、すなわち、一旦プレート要素402が制御ワイヤ404の付勢された動きに応答してプレート格納位置(図14に示される)からプレート稼働位置(図15に示される)へと選択的に移動されると、(ガイドワイヤ900の)遠位ガイドワイヤセクション902の付勢された移動を半径方向ポータル110に向かって(そして軸線方向ポータル106から離れて)選択的に偏向するように構成される。
【0043】
図16に示される実施形態を参照すると、長尺状のカテーテル組立体102の遠位セクション104は、空間的に調節可能および/または方向付け可能であるように構成される。この配置では、軸線方向ポータル106および半径方向ポータル110は、所望の方向に向かい合うように方向付けされ得る。
【0044】
以下は、(詳細な説明、概要、および特許請求の範囲に記載された)任意の技術的特徴のうちの任意の1つまたは複数が(詳細な説明、概要、および特許請求の範囲に記載された)任意の他の1つまたは複数と組み合わせることができる、実施形態のさらなる説明として提示される。特許請求の範囲の各請求項は、別段の記載がない限り、オープンエンドの請求項であると理解される。特に指定がない限り、本明細書で使用される関係用語は、当業者が同等の機能を提供すると認識する一定の許容範囲を含むと解釈されるべきである。例えば、垂直という用語は、必ずしも90.0度に限定されるものではなく、当業者が関連する部材や要素について説明した目的と同等の機能を提供するものとして認識することができるその変形を含むことができる。構成の文脈における「約」や「実質的に」などの用語は、一般に、本開示を実質的に変更しない本開示内の要素の操作性を保持するために、関連する要素の位置、配置、または構成に正確かまたは十分に近い配置、位置、または構成に関するものである。同様に、その文脈から特に明らかにされない限り、数値は、当業者が本開示の操作性を実質的に変更しないため無視できる重要性を有すると認識するであろう一定の許容範囲を含むと解釈されるべきである。説明および/または図面は、装置の実施形態を(明示的または本質的に)特定し、説明することが理解されるであろう。装置は、特定の技術的目的および/または技術的機能に適合するために必要および/または望まれるように、詳細な説明において特定されるような技術的特徴の任意の適切な組み合わせおよび/または順列を含み得る。可能かつ好適な場合には、本装置の技術的特徴のうちの任意の1つまたは複数を、本装置の技術的特徴のうちの任意の他の1つまたは複数と(任意の組み合わせおよび/または順列で)組み合わせることができることが理解されよう。当業者であれば、上記でそのように明示されていなくても、各実施形態の技術的特徴が他の実施形態に(可能であれば)展開され得ることを知るであろうことが理解されよう。当業者であれば、製造要件に調整するための装置の構成要素の構成について、他のオプションが可能であり、それでも請求項の少なくとも1つ以上に記載された範囲内に留まることができることを知るであろうことは理解されよう。この書面による説明は、最良の態様を含む実施形態を提供し、また、当業者が実施形態を製造し使用することを可能にする。特許可能な範囲は、特許請求の範囲によって定義され得る。書面の説明および/または図面は、請求項の範囲を理解するのに役立ち得る。開示された主題のすべての重要な態様は、本書において提供されたと考えられる。本書では、単語「含む(includes)」は、「含む(includes)」と「構成される(comprising)」の両方の単語が組立体、構成要素、部品などのオープンエンドのリストを意味するために使用されるという点で、単語「構成される(comprising)」と同等であると理解される。用語「構成される(comprising)」は、用語「含む(including)」、「包含する(containing)」、または「特徴づけられる(characterized by)」と同義であり、包括的またはオープンエンドであり、追加の、再現されていない要素または方法ステップを除外しない。「構成される(comprising)」は「オープン」な表現であり、追加的な未反映の要素を採用する技術をカバーすることができる。請求項において使用される場合、「構成される(comprising)」という単語は、請求項の前文と開示の技術的特徴を分離する経過的な動詞(経過的な用語)である。以上、非限定的な実施形態(例)を概説した。特定の非限定的な実施形態(例)についての説明である。非限定的な実施形態は、単に例として説明するものであることが理解される。
図1
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