(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-25
(45)【発行日】2025-01-09
(54)【発明の名称】モニタリングシステム、モニタリング装置及び建設機械
(51)【国際特許分類】
H04N 7/18 20060101AFI20241226BHJP
E02F 9/20 20060101ALI20241226BHJP
E02F 9/26 20060101ALI20241226BHJP
E02F 9/24 20060101ALI20241226BHJP
【FI】
H04N7/18 J
H04N7/18 U
E02F9/20 Z
E02F9/26 A
E02F9/24 B
(21)【出願番号】P 2023520868
(86)(22)【出願日】2022-03-16
(86)【国際出願番号】 JP2022011784
(87)【国際公開番号】W WO2022239465
(87)【国際公開日】2022-11-17
【審査請求日】2023-09-01
(31)【優先権主張番号】P 2021080537
(32)【優先日】2021-05-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000005522
【氏名又は名称】日立建機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002572
【氏名又は名称】弁理士法人平木国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】齋藤 理沙
(72)【発明者】
【氏名】田中 正道
(72)【発明者】
【氏名】日暮 昌輝
(72)【発明者】
【氏名】多胡 尚
【審査官】長谷川 素直
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-32134(JP,A)
【文献】特開2013-37619(JP,A)
【文献】国際公開第2021/024965(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 7/18
E02F 9/20
G06Q 50/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
建設機械の周辺映像を、前記建設機械の外部に位置するモニタリング装置で表示するモニタリングシステムであって、
前記建設機械は、
前記建設機械の周辺を撮像する第1カメラと、
前記第1カメラが撮像した動画又は静止画としての周辺映像を記録する映像記録装置と、
前記映像記録装置に記録された前記周辺映像を前記モニタリング装置又は外部サーバに送信する第1無線通信装置と、
前記建設機械の運転室外に配置されて、前記周辺映像を受信するための識別情報又はパスワードの一方に関連する第1認証関連情報を表示する第1認証関連情報表示部と、
前記運転室内に配置されて、前記周辺映像を受信するための識別情報又はパスワードの他方に関連する第2認証関連情報を表示する第2認証関連情報表示部と
を備え、
前記モニタリング装置は、
前記建設機械又は前記外部サーバと通信する第2無線通信装置と、
前記第2無線通信装置を介して受信された前記周辺映像を表示する表示装置と、
モニタリング制御装置と
を有し、
前記モニタリング制御装置は、
前記周辺映像を受信するための識別情報及びパスワードを入力するための認証画面と、
前記認証画面で入力された識別情報及びパスワードが、真性の識別情報及びパスワードと一致したときに、前記周辺映像を示す映像表示画面と
を前記表示装置に表示させる
ことを特徴とするモニタリングシステム。
【請求項2】
前記第1認証関連情報は、前記建設機械の識別番号を含み、
前記周辺映像を受信するための識別情報は、前記建設機械の識別番号と、前記建設機械の種類を示すコードとの組合せから構成される
ことを特徴とする請求項1に記載のモニタリングシステム。
【請求項3】
前記第1認証関連情報及び前記第2認証関連情報は、前記第1認証関連情報表示部及び前記第2認証関連情報表示部それぞれにおいて2次元バーコードで表示され、
前記モニタリング装置は、前記2次元バーコードを撮像する第2カメラを有し、
前記モニタリング制御装置は、前記第2カメラが撮像した前記2次元バーコードを読み取って、前記第1認証関連情報及び前記第2認証関連情報に基づいて前記周辺映像を受信するための識別情報及びパスワードを前記認証画面に入力する
ことを特徴とする請求項1又は2に記載のモニタリングシステム。
【請求項4】
前記モニタリングシステムは、複数の前記建設機械を備え、
前記モニタリング装置は、前記周辺映像を受信するための識別情報及びパスワードが入力された複数の前記建設機械をリストで表示し、
前記リストでは、前記建設機械に応じた機体の種類を示すアイコンを前記建設機械毎に表示する
ことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のモニタリングシステム。
【請求項5】
前記周辺映像を受信するための識別情報は、前記建設機械の識別番号を含み、
前記モニタリングシステムは、前記建設機械の識別番号と、当該識別番号に対応する前記建設機械のモデル名及び号機を関連付けて記憶する建設機械データベースをさらに備え、
前記モニタリング装置は、前記建設機械のリストにおいて、前記建設機械データベースから取得した前記建設機械のモデル名及び号機を表示する
ことを特徴とする請求項4に記載のモニタリングシステム。
【請求項6】
前記建設機械は、前記第1カメラの録画映像及びリアルタイム映像の両方を送信可能であり、
前記モニタリング装置は、
前記録画映像又は前記リアルタイム映像の表示を選択する表示選択画面を表示し、
前記表示選択画面での選択入力に従って、前記録画映像又は前記リアルタイム映像を表示する
ことを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載のモニタリングシステム。
【請求項7】
前記モニタリング装置は、
前記周辺映像を受信するためのパスワードを変更するパスワード変更画面を表示し、
前記パスワード変更画面で入力された新たなパスワードを前記第1無線通信装置に送信し、
前記第1無線通信装置は、受信した前記新たなパスワードを用いる
ことを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか1項に記載のモニタリングシステム。
【請求項8】
前記建設機械には、前記周辺映像を受信するためのパスワードを初期化する初期化ボタンが設けられる
ことを特徴とする請求項7に記載のモニタリングシステム。
【請求項9】
建設機械の周辺映像を受信して表示するモニタリング装置であって、
前記モニタリング装置は、
第2カメラと、
前記建設機械又は外部サーバと通信する第2無線通信装置と、
前記第2無線通信装置を介して受信された前記周辺映像を表示する表示装置と、
モニタリング制御装置と
を有し、
前記モニタリング制御装置は、
前記建設機械に配置された第1認証関連情報表示部に表示された、前記周辺映像を受信するための識別情報又はパスワードの一方に関連する第1認証関連情報を、前記第2カメラで読み込むことを要求する第1読取り画面と、
前記建設機械の運転室内において前記建設機械に配置された第2認証関連情報表示部に表示された、前記周辺映像を受信するための識別情報又はパスワードの他方に関連する第2認証関連情報を、前記第2カメラで読み込むことを要求する第2読取り画面と、
前記第1読取り画面で読み取られた前記第1認証関連情報及び前記第2読取り画面で読み取られた前記第2認証関連情報に基づいて、前記周辺映像を受信するための識別情報及びパスワードを入力して、前記周辺映像を受信するための認証を行う認証画面と、
前記認証画面で入力された識別情報及びパスワードが、真性の識別情報及びパスワードと一致したときに、前記周辺映像を示す映像表示画面と
を前記表示装置に表示させる
ことを特徴とするモニタリング装置。
【請求項10】
周辺映像を外部機器に送信可能な建設機械であって、
前記建設機械は、
前記周辺映像を撮像する第1カメラと、
前記第1カメラが撮像した動画又は静止画としての周辺映像を記録する映像記録装置と、
前記映像記録装置に記録された前記周辺映像を前記外部機器に送信する第1無線通信装置と、
前記建設機械の運転室外に配置されて、前記周辺映像を受信するための識別情報又はパスワードの一方に関連する第1認証関連情報を表示する第1認証関連情報表示部と、
前記運転室内に配置されて、前記周辺映像を受信するための識別情報又はパスワードの他方に関連する第2認証関連情報を表示する第2認証関連情報表示部と
を備える
ことを特徴とする建設機械。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建設機械のカメラで撮像した周辺映像のモニタリングを行うモニタリングシステム及びモニタリング装置、並びにそのための建設機械に関する。
【背景技術】
【0002】
建設業界では、人手不足又は労働災害回避の観点から、生産性向上又は安全性向上につながる建設機械、施工管理システム、ツール等の提供が求められている。建設機械にカメラを設け、映像を記録、配信するドライブレコーダのような映像提供システムも提供されている。このような映像提供システムによれば、施工現場の作業内容の振り返りや、進捗状況の確認等を映像で行うことができ、現場での生産性向上又は安全性向上に役立っている。
【0003】
特許文献1(要約)では、杭施工現場周辺(1)が撮像手段(3)により撮影され、杭(2)の施工状況をリアルタイムに常時監視する。撮像手段が重機(5)に搭載されていると共に、重機の撮像手段は、外部の端末機器(6)とデータの送受信自在に接続されており、重機の撮像手段で撮影された杭施工現場周辺の動画又は静止画のデータ(7)が、外部の端末機器に常時送信され、動画又は静止画のデータによるリアルタイムな杭の施工状況が端末機器で可視化される。
【0004】
特許文献2(要約)の建設機械管理システムは、走行体と、走行体に接続された作業機と、走行体に設けられた操縦領域と、作業機及び前記走行体の動作を制御する駆動制御部と、操縦領域に配置され作業機を操作する操作部と、操縦領域に配置され操縦者が着座する操縦席と、操縦領域に配置され携帯端末と接続する接続端子と、携帯端末と通信を行い、各部を制御する車体制御部と、認証情報を記憶する記憶部とを有する。車体制御部は、接続端子に携帯端末が接続された場合、携帯端末から送信される認証情報と記憶部に記憶している認証情報とを照合し、両者が一致した場合、入力された操作に対する動作を実行可能とし、両者が異なる場合、作業機及び走行体を動作禁止とする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2019-193062号公報
【文献】特開2018-114978号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記のように、特許文献1では、重機(5)の撮像手段(3)で撮影された杭施工現場周辺(1)の動画又は静止画のデータ(7)が、外部の端末機器(6)に常時送信され、画像によるリアルタイムな杭(2)の施工状況が端末機器で可視化される(要約)。しかしながら、特許文献1では、重機に設ける撮像手段と外部の端末機器の具体的な接続、認証方法等は述べられておらず、画像データの取り扱いについて課題を残している。特に施工現場周辺の画像は、作業員の顔や現場の進捗具合等がわかるものであり、施工現場主に帰属するべき(個人)情報に近しい属性を持ったデータであり、外部漏洩を避ける必要がある。
【0007】
認証方法については特許文献2に開示があるものの、特許文献2では、認証に際して、操縦領域の接続端子と携帯端末の接続(物理的接触)を要する(要約)。そのため、建設機械の映像又は画像(動画又は静止画、以下「映像等もしくは映像」という)は外部のモニタリング装置(携帯端末等)でモニタリング(監視)する目的では利用し辛い。
【0008】
本発明は上記のような課題を考慮してなされたものであり、周辺映像データ漏洩に関するセキュリティを確保しつつ、モニタリングに際してのユーザの利便性を向上可能なモニタリングシステム、モニタリング装置及び建設機械を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するため、本発明に係るモニタリングシステムは、建設機械の周辺映像を、前記建設機械の外部に位置するモニタリング装置で表示するものであって、
前記建設機械は、
前記建設機械の周辺を撮像する第1カメラと、
前記第1カメラが撮像した動画又は静止画としての周辺映像を記録する映像記録装置と、
前記映像記録装置に記録された前記周辺映像を前記モニタリング装置又は外部サーバに送信する第1無線通信装置と、
前記建設機械の運転室外に配置されて、前記周辺映像を受信するための識別情報又はパスワードの一方に関連する第1認証関連情報を表示する第1認証関連情報表示部と、
前記運転室内に配置されて、前記周辺映像を受信するための識別情報又はパスワードの他方に関連する第2認証関連情報を表示する第2認証関連情報表示部と
を備え、
前記モニタリング装置は、
前記建設機械又は前記外部サーバと通信する第2無線通信装置と、
前記第2無線通信装置を介して受信された前記周辺映像を表示する表示装置と、
モニタリング制御装置と
を有し、
前記モニタリング制御装置は、
前記周辺映像を受信するための識別情報及びパスワードを入力するための認証画面と、
前記認証画面で入力された識別情報及びパスワードが、真性の識別情報及びパスワードと一致したときに、前記周辺映像を示す映像表示画面と
を前記表示装置に表示させる
ことを特徴とする。
【0010】
本発明によれば、モニタリング装置が建設機械の周辺映像を受信するための識別情報(ID)及びパスワードに関連する第1・第2認証関連情報は、いずれも建設機械に表示されている。そのため、モニタリング装置のユーザは、比較的容易に識別情報及びパスワードを入手可能となり、ユーザの利便性を向上できる。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、周辺映像データ漏洩に関するセキュリティを確保しつつ、モニタリングに際してのユーザの利便性を向上可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本発明の一実施形態に係るモニタリングシステムの全体構成を簡略的に示す構成図。
【
図2】前記実施形態に係る前記モニタリングシステムの各部の内部構成を簡略的に示す構成図。
【
図3】前記実施形態における第1銘板を簡略的に示す正面図。
【
図4】前記実施形態における第2銘板を含む映像記録ユニットを簡略的に示す正面図。
【
図5】前記実施形態の携帯端末における表示画面の遷移の一例を示す図。
【
図6】前記実施形態の建設機械リスト画面の一例を示す図。
【
図7】前記実施形態の建設機械新規登録画面の第1例を示す図。
【
図8】前記実施形態のPIN読込み画面の一例を示す図。
【
図9】前記実施形態の通信アドレス読込み画面の一例を示す図。
【
図10】前記実施形態の建設機械新規登録画面の第2例を示す図。
【
図11】前記実施形態のモニタリング管理画面の一例を示す図。
【
図12】前記実施形態のパスワード変更画面の一例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0013】
<A.一実施形態>
[A-1.構成]
(A-1-1.全体構成)
図1は、本発明の一実施形態に係るモニタリングシステム10の全体構成を簡略的に示す構成図である。
図2は、本実施形態に係るモニタリングシステム10の各部の内部構成を簡略的に示す構成図である。モニタリングシステム10は、複数の建設機械20と、複数の携帯端末30と、管理サーバ40とを有する。モニタリングシステム10は、建設機械20から撮像した周辺映像を、建設機械20の外部に位置する携帯端末30に表示するシステムである。なお、前述したとおり、本発明における映像には、動画、静止画のいずれも含むとともに、画像という概念も含み得るものを総称して映像もしくは映像等と称する。
【0014】
建設機械20と携帯端末30の間、携帯端末30と管理サーバ40の間は、通信ネットワーク50を介して通信可能である。建設機械20と管理サーバ40の間も、通信ネットワーク50を介して通信可能であってもよい。通信ネットワーク50としては、Wi-Fi等の無線通信ネットワーク50(無線LAN)、及び通信ケーブル等の有線通信ネットワークを用いることができる。
【0015】
(A-1-2.建設機械20)
建設機械20は、油圧ショベル、ホイールローダ、ブルドーザ等を含む。
図2に示すように、建設機械20は、第1カメラ200と、映像記録装置202と、第1無線通信装置204と、映像制御装置206と、第1銘板208と、第2銘板210と、パスワード初期化ボタン212とを有する。
【0016】
第1カメラ200は、例えば建設機械20の機体に配置されて建設機械20の周辺(例えば機体の前方)を撮像する。1台の建設機械20に第1カメラ200を複数設けて、それぞれ異なる方向を撮像してもよい。映像記録装置202は、図示しない不揮発性記憶素子(ハードディスク、フラッシュメモリ等)を有し、第1カメラ200が撮像した動画又は静止画としての周辺映像を記録する。周辺映像は、第1カメラ200が撮像したままのもののみならず、映像制御装置206において、複数方向を撮影した周辺映像を建設機械20の機体外部から俯瞰視したように合成した映像等、又は複数方向の映像等を1つの映像等に合成した多分割映像等であってもよい。
【0017】
第1無線通信装置204(以下「無線LAN装置204」ともいう。)は、映像記録装置202に記録された周辺映像(録画映像)及び第1カメラ200にて撮像された周辺映像(リアルタイム映像)を携帯端末30(又は管理サーバ40)に送信する。ここにいうリアルタイム映像は、映像記録装置202に記録された直後の映像等を含んでもよい。無線LAN装置204は、無線LAN(Local Area Network)のアクセスポイントとしても機能する。
【0018】
無線LAN装置204は、携帯端末30等の外部機器が無線LAN装置204にアクセスするための認証機能を有する。すなわち、無線LAN装置204は、外部機器が無線LAN装置204にアクセスするために、外部機器からアクセス識別番号(アクセスID)及びアクセスパスワードを受信する。そして、受信したアクセスID及びアクセスパスワードが、真性のアクセスID及びアクセスパスワード(事前に無線LAN装置204が保持しているもの)と一致した場合、無線LAN装置204は、認証成立として、外部機器に周辺映像の送信を認める。
【0019】
映像制御装置206は、第1カメラ200、映像記録装置202及び第1無線通信装置204を制御する。本実施形態において、映像記録装置202、第1無線通信装置204及び映像制御装置206は、これらの装置を一体化した単一ユニットとしての映像記録ユニット230(
図4)として構成される。
【0020】
図3は、本実施形態における第1銘板208を簡略的に示す正面図である。第1銘板208(第1認証関連情報表示部)には、建設機械20のモデル、型式、製品識別番号(PIN:Product Identification Number)、製造者名等の第1認証関連情報が表示されており、建設機械20の図示しない運転室外において建設機械20の一部(例えば機体)に配置される。第1銘板208は、例えば運転室外の車体外面や、エンジンカバーの裏面など、モニタリングシステム10の利用者が建設機械20の外部から見ることのできる位置に取り付けられている。
【0021】
図3の第1銘板208では、PIN表示224を示す一方で、建設機械20のモデル、型式等は表示を省略している。建設機械20のPINは、製造者識別コード、機械仕様区分、機械指示区分等を表わす17桁の英数字で構成されており、日本産業規格(JIS)では30年間重複した番号が発行されないことと規定されている。
【0022】
本実施形態において、第1銘板208には、建設機械20のPINを示す2次元バーコード220も表示されている。建設機械20のPINは、無線LAN装置204のアクセスIDに関連する情報として用いられる。すなわち、本実施形態のアクセスIDは、建設機械20のPINと、建設機械20の種類を示すコード(種類コード)との組合せから構成される。種類コードは、例えば、油圧ショベルであれば「_SH」である。
【0023】
図4は、本実施形態における第2銘板210を含む映像記録ユニット230を簡略的に示す正面図である。第2銘板210(第2認証関連情報表示部)には、映像記録ユニット230のモデル、型式、製品識別番号(PIN)、通信アドレス、製造者名等の第2認証関連情報が示されている。また、第2銘板210は、建設機械20の運転室(図示せず)内において映像記録ユニット230の筐体前面に配置される(
図4)。
【0024】
図4の第2銘板210では、通信アドレス表示232を示す一方で、映像記録ユニット230のモデル、型式等は表示を省略している。本実施形態において、第2銘板210には、無線LAN装置204の通信アドレスを示す2次元バーコード222も表示する。本実施形態の通信アドレスは、MAC(Media Access Control)アドレスである。また、本実施形態の無線LAN装置204の初期アクセスパスワードは、この通信アドレス(MACアドレス)がそのまま用いられる。
【0025】
パスワード初期化ボタン212(以下「初期化ボタン212」ともいう。)は、無線LAN装置204に対するアクセスパスワードを初期化するボタンである。
図4に示すように、初期化ボタン212は、第2銘板210と並ぶように、映像記録ユニット230の筐体前面に配置される。
【0026】
(A-1-3.携帯端末30)
携帯端末30(モニタリング装置)は、建設機械20の無線LAN装置204から建設機械20の周辺映像を受信して表示する。携帯端末30は、例えば、スマートホン、タブレットパーソナルコンピュータ(タブレットPC)、ノートPC等、持ち運び可能な端末である。
図2に示すように、携帯端末30は、第2カメラ300と、第2無線通信装置302と、入出力装置304と、端末制御装置306と、端末記憶装置308とを有する。
【0027】
第2カメラ300は、第1銘板208の2次元バーコード220及び第2銘板210の2次元バーコード222の撮像に利用可能である。第2無線通信装置302は、建設機械20の無線LAN装置204及び管理サーバ40と通信可能である。入出力装置304は、携帯端末30のユーザからの入力を受け付けると共に、ユーザに対して出力を行う。入出力装置304は、建設機械20の周辺映像を表示する表示装置310(タッチパネル等)を含む。
【0028】
端末制御装置306(モニタリング制御装置)は、携帯端末30にインストールされているアプリケーション312を実行して携帯端末30全体を制御する。端末記憶装置308は、端末制御装置306が実行するアプリケーション312及びデータを記憶するものであり、不揮発性メモリ及び揮発性メモリを有する。
図5~
図12を参照して後述するように、アプリケーション312は、建設機械20の周辺映像(記録映像又はリアルタイム映像)を携帯端末30においてモニタリング(監視)するために用いられる。アプリケーション312は、例えば、管理サーバ40からダウンロードされる。或いは、個別にメール送信等で配布されてもよい。
【0029】
(A-1-4.管理サーバ40)
管理サーバ40は、アプリケーション312の提供、建設機械20のデータ管理等を行う。
図2に示すように、管理サーバ40は、通信装置400と、入出力装置402と、サーバ制御装置404と、サーバ記憶装置406とを有する。
【0030】
通信装置400は、携帯端末30(及び建設機械20)と通信する。入出力装置402は、ユーザからの入力及びユーザに対する出力を行う装置であり、例えば、キーボード、マウス及び表示装置(いずれも図示せず)を含む。サーバ制御装置404は、サーバ記憶装置406に記憶されているソフトウェア及びデータを用いて管理サーバ40全体を制御する。サーバ記憶装置406は、揮発性メモリ及び不揮発性メモリを有する。サーバ記憶装置406は、建設機械データベース408(以下「建設機械DB408」という。)を有する。建設機械DB408は、建設機械20のPINと、建設機械20のPINに対応する建設機械20のモデル名及び号機を関連付けて記憶する。
【0031】
[A-2.本実施形態の使用方法]
次に、本実施形態のモニタリングシステム10の使用方法について、携帯端末30を中心に説明する。上記のように、本実施形態のモニタリングシステム10において、携帯端末30のユーザは、建設機械20の周辺映像を携帯端末30で確認可能である。
【0032】
図5は、本実施形態の携帯端末30における表示画面の遷移の一例を示す図である。携帯端末30のユーザが、アプリケーション312を起動するためのアイコン(図示せず)を選択(タップ)すると、端末制御装置306は、端末記憶装置308のアプリケーション312を起動して、初期画面60を表示装置310に表示させる。初期画面60においてログインボタン(図示せず)が選択されると、端末制御装置306は、ログイン画面62を表示装置310に表示させる(
図5の矢印A1)。ログイン画面62において携帯端末30のユーザがログインID及びログインパスワードを入力して決定ボタン(図示せず)を選択すると、端末制御装置306は、メインメニュー画面64を表示装置310に表示させる(
図5の矢印A2)。
【0033】
メインメニュー画面64では、アプリケーション312が実行可能な各種機能の選択が可能であり、機能の1つとして建設機械20の周辺映像のモニタリングが選択可能である。ユーザが周辺映像モニタリングボタン(図示せず)を選択すると、端末制御装置306は、建設機械リスト画面66を表示装置310に表示させる(
図5の矢印A3)。
【0034】
図6は、本実施形態の建設機械リスト画面66の一例を示す図である。建設機械リスト画面66は、周辺映像を取得する建設機械20を管理するための画面である。
図6に示すように、建設機械リスト画面66は、画面タイトル661と、操作説明662と、新規追加ボタン663と、建設機械説明664と、建設機械アイコン665と、編集ボタン666とを有する。画面タイトル661は、建設機械リスト画面66の概要を示すものであり、
図6の例では「機械リスト」と表示される。操作説明662は、ユーザが可能な操作の説明であり、
図6の例では「モニタリングする機械を選択してください」と表示される。
【0035】
新規追加ボタン663は、建設機械リスト画面66に表示する建設機械20(すなわち、周辺映像をモニタリングするモニタリング対象の建設機械20)を追加するためのボタンである。ユーザが新規追加ボタン663を選択すると、端末制御装置306は、建設機械新規登録画面68を表示装置310に表示させる(
図5の矢印A4)。
【0036】
建設機械説明664は、周辺映像のモニタリングが可能な建設機械20の情報を示す。ここでの情報は、例えば、建設機械20のPINが用いられる。対象となる建設機械20の情報が管理サーバ40の建設機械DB408に記憶されている場合、端末制御装置306は、管理サーバ40から情報を取得して、建設機械20のPINの代わりに、これに対応する建設機械20のモデル名及び号機を表示してもよい。モデル名及び号機の情報を管理サーバ40から取得するタイミングは、例えば、モデル名及び号機を表示するタイミング、若しくは新規の建設機械20の情報を登録するタイミング、又はアプリケーション312を起動するタイミングとすることができる。管理サーバ40から取得したモデル名及び号機の情報は、携帯端末30の端末記憶装置308に記憶しておき、表示タイミング毎に用いてもよい。
【0037】
建設機械アイコン665は、対となる建設機械説明664に対応する建設機械20の種類を示すアイコンである。建設機械アイコン665は、例えば、建設機械20のPINに含まれる種類コードに基づいてその種類が選択される。或いは、建設機械20のPINに基づいて管理サーバ40から建設機械20の種類を取得することで、建設機械アイコン665の種類を決定することも可能である。携帯端末30のユーザが、建設機械説明664又は建設機械アイコン665を選択(ダブルタップ)すると、端末制御装置306は、対応する建設機械20の周辺映像をモニタリングするための処理を開始する。
【0038】
編集ボタン666は、登録済の建設機械20の情報を編集するためのボタンである。ユーザが編集ボタン666をタップすると、端末制御装置306は、図示しない編集画面を表示させる。編集画面では、建設機械20のPIN、通信アドレス、アクセスID及びアクセスパスワードを表示又は編集可能である。
【0039】
図7は、本実施形態の建設機械新規登録画面68の第1例を示す図である。上記のように、建設機械リスト画面66(
図6)においてユーザが新規追加ボタン663を選択(タップ)すると、建設機械新規登録画面68が表示装置310に表示される(
図5の矢印A4)。建設機械新規登録画面68(以下「新規登録画面68」ともいう。)は、新たなモニタリング対象の建設機械20のPIN及び無線LAN装置204の通信アドレス(アクセスID及びアクセスパスワードの関連情報)を入力する画面である。新規登録画面68は、画面タイトル681と、PIN入力欄682と、通信アドレス入力欄683と、キャンセルボタン684と、登録ボタン685とを有する。
【0040】
画面タイトル681は、新規登録画面68の概要を示すものであり、
図7の例では「機械情報の追加」と表示される。PIN入力欄682は、新たなモニタリング対象の建設機械20のPIN(アクセスIDの関連情報)を入力する欄である。ユーザがPIN入力欄682を選択(タップ)すると、端末制御装置306は、新規登録画面68の下方にキーボード表示688(
図10)を表示させる。ユーザは、キーボード表示688の各ボタンを選択して、PINを入力することができる。上記のように、建設機械20のPINは、第1銘板208に表示されている。PIN入力欄682の右端には、第1バーコード入力ボタン686が表示される。ユーザが第1バーコード入力ボタン686を選択(タップ)すると、端末制御装置306は、PIN読込み画面70を表示装置310に表示させる(
図5の矢印A5)。
【0041】
通信アドレス入力欄683は、新たなモニタリング対象の建設機械20の無線LAN装置204の通信アドレス(アクセスパスワードの関連情報)を入力する欄である。ユーザが通信アドレス入力欄683を選択(タップ)すると、端末制御装置306は、新規登録画面68の下方にキーボード表示688(
図10)を表示させる。ユーザは、キーボード表示688の各ボタンを選択して、アクセスパスワードを入力することができる。通信アドレス入力欄683の右端には、第2バーコード入力ボタン687が表示される。ユーザが第2バーコード入力ボタン687をタップすると、端末制御装置306は、通信アドレス読込み画面72を表示装置310に表示させる(
図5の矢印A7)。
【0042】
キャンセルボタン684は、建設機械新規登録画面68での入力を中断するためのボタンである。登録ボタン685は、建設機械新規登録画面68での入力を完了するためのボタンである。登録ボタン685は、PIN又は通信アドレスが未入力であると選択不可であり、PIN及び意通信アドレスの両方が入力済であると選択可となる。キャンセルボタン684又は登録ボタン685がタップされると、建設機械リスト画面66に戻る(
図5の矢印A9)。或いは、登録ボタン685がタップされると、後述するモニタリング管理画面74に遷移してもよい。
【0043】
図8は、本実施形態のPIN読込み画面70の一例を示す図である。上記のように、建設機械新規登録画面68(
図7)においてユーザが第1バーコード入力ボタン686を選択(タップ)すると、PIN読込み画面70が表示装置310に表示される(
図5の矢印A5)。PIN読込み画面70は、新たなモニタリング対象の建設機械20の第1銘板208の2次元バーコード220(
図3)を用いて、建設機械20のPINを自動入力する画面である。PIN読込み画面70は、操作説明701と、操作説明画像702と、2次元バーコード読取り欄703とを有する。
【0044】
操作説明701は、ユーザが可能な操作の説明であり、
図8の例では「PIN銘板の2次元コードをスキャンしてください」と表示される。操作説明画像702は、読み込むべき2次元バーコード220の位置を示す画像(
図8では当該画像の図示を省略している。)である。2次元バーコード読取り欄703は、第2カメラ300で撮像された映像等が表示される部位である。読取り欄703の周囲にも、第2カメラ300で撮像された映像等を表示してもよい。端末制御装置306は、読取り欄703の中に2次元バーコード220があるか否かを判定し、2次元バーコード220を検出すると、当該2次元バーコード220が示す内容(建設機械20のPIN)を判定する。その後、端末制御装置306は、新規登録画面68に戻り(
図5の矢印A6)、読み取った2次元バーコード220の内容(建設機械20のPIN)をPIN入力欄682(
図7及び
図10)に表示させる。
【0045】
図9は、本実施形態の通信アドレス読込み画面72の一例を示す図である。上記のように、建設機械新規登録画面68(
図7)においてユーザが第2バーコード入力ボタン687を選択(タップ)すると、通信アドレス読込み画面72が表示装置310に表示される(
図5の矢印A7)。通信アドレス読込み画面72は、新たなモニタリング対象の建設機械20の第2銘板210の2次元バーコード222を用いて、無線LAN装置204の通信アドレス(アクセスパスワードの関連情報)を自動入力する画面である。通信アドレス読込み画面72は、操作説明721と、操作説明画像722と、2次元バーコード読取り欄723とを有する。
【0046】
操作説明721は、ユーザが可能な操作の説明であり、
図9の例では「オペレーションレコーダの2次元コードをスキャンしてください」と表示される。操作説明画像722は、読み込むべき2次元バーコード222の位置を示す画像(
図9では当該画像の図示を省略している。)である。2次元バーコード読取り欄723は、第2カメラ300で撮像された映像等が表示される部位である。読取り欄723の周囲にも、第2カメラ300で撮像された映像等を表示してもよい。端末制御装置306は、読取り欄723の中に2次元バーコード222があるか否かを判定し、2次元バーコード222を検出すると、当該2次元バーコード222が示す内容(通信アドレス)を判定する。その後、端末制御装置306は、新規登録画面68に戻り(
図5の矢印A8)、読み取った2次元バーコード222の内容(通信アドレス)を通信アドレス入力欄683(
図7及び
図10)に表示させる。
【0047】
図10は、本実施形態の建設機械新規登録画面68の第2例を示す図である。
図10の表示内容は、基本的に
図7の表示内容と同じである。但し、
図10の例では、キーボード表示688が表示されている。また、
図10の例では、建設機械20のPIN及び通信アドレスが入力されているため、登録ボタン685が選択可能(アクティブ)となっている。
図10の通信アドレスからわかるように、本実施形態の通信アドレスは、MACアドレスである。
【0048】
上記のように、登録ボタン685がアクティブな状態で登録ボタン685がタップされると、端末制御装置306は、建設機械新規登録画面68での入力を完了する。具体的には、端末制御装置306は、PIN入力欄682に入力されたPINと、通信アドレス入力欄683に入力された通信アドレスを端末記憶装置308に記憶する。そして、端末制御装置306は、建設機械リスト画面66(
図6)に戻り(
図5の矢印A9)、今回入力された建設機械20に対応する建設機械説明664、建設機械アイコン665及び編集ボタン666を表示させる。
【0049】
本実施形態では、無線LAN装置204(映像記録ユニット230)のアクセスID(具体的にはSSID:Service Set Identifier)には、建設機械20のPINと、建設機械20の種類コードとの組合せが設定されている。また、種類コードは、建設機械20のPINから判定可能である。そのため、端末制御装置306は、建設機械20のPINから建設機械20の種類コードを判定し、無線LAN装置204に対するアクセスIDを生成して記憶しておく(或いは、周辺映像の受信時に、建設機械20のPINからアクセスIDを生成してもよい。)。上記のように、種類コードは、管理サーバ40に問い合わせて行ってもよい。なお、2次元バーコード220がアクセスID自体(PINと種類コードの組合せ)を示してもよい。
【0050】
また、本実施形態では、無線LAN装置204(映像記録ユニット230)のアクセスパスワードの初期値(初期パスワード)には、無線LAN装置204の通信アドレスがそのまま設定されている。そのため、端末制御装置306は、無線LAN装置204の通信アドレスをアクセスパスワードとして記憶しておく(後述するように、アクセスパスワードは変更可能である。)。
【0051】
図6に戻り、上記のように、建設機械説明664又は建設機械アイコン665が選択(ダブルタップ)されると、端末制御装置306は、対応する建設機械20の周辺映像をモニタリングするための処理を開始する。具体的には、端末制御装置306は、選択された建設機械20の映像記録ユニット230(無線LAN装置204)のアクセスID及びアクセスパスワードを用いて当該映像記録ユニット230にアクセスを試みる。当該アクセスの前に、アクセス開始確認画面(図示せず)を表示して、携帯端末30のユーザに対して、アクセスの開始を確認してもよい。
【0052】
アクセス開始が成功すると、端末制御装置306は、映像記録ユニット230から録画リスト情報を取得する。加えて、端末制御装置306は、建設機械リスト画面66からモニタリング管理画面74に遷移する(
図5の矢印A10)。
【0053】
図11は、本実施形態のモニタリング管理画面74の一例を示す図である。上記のように、建設機械リスト画面66(
図6)においてユーザが建設機械説明664又は建設機械アイコン665を選択(ダブルタップ)すると、モニタリング管理画面74が表示装置310に表示される(
図5の矢印A10)。モニタリング管理画面74は、建設機械20の周辺映像のモニタリングを管理するための画面である。
図11に示すように、モニタリング管理画面74は、画面タイトル741と、建設機械説明742と、操作説明743と、録画ファイル表示744と、録画再生ボタン745と、リアルタイム再生ボタン746と、パスワード変更ボタン747とを有する。
【0054】
画面タイトル741は、モニタリング管理画面74の概要を示すものであり、
図11の例では「再生リスト」と表示される。建設機械説明742は、対象となっている建設機械20を特定する説明であり、
図11の例では、建設機械20のPINが表示されている。対象となる建設機械20の情報が管理サーバ40の建設機械DB408に記憶されている場合、端末制御装置306は、管理サーバ40から情報を取得して、建設機械20のPINの代わりに、これに対応する建設機械20のモデル名及び号機を表示してもよい。
【0055】
操作説明743は、ユーザが可能な操作の説明であり、
図11の例では「閲覧する録画ファイルを選択してください」と表示される。録画ファイル表示744は、再生(又はダウンロード)が可能な録画ファイルを示す表示である。
【0056】
録画再生ボタン745は、録画ファイル表示744のいずれかが選択された状態で選択(タップ)されると、当該録画ファイル表示744の再生(ダウンロード)を指令するボタンである。録画再生ボタン745が選択(タップ)されると、端末制御装置306は、選択された録画ファイル表示744に対応する録画ファイルを映像記録ユニット230に要求して、映像記録ユニット230から当該録画ファイルをダウンロード(又は受信)する。その際、録画ファイルを受信中である旨の画面を表示させてもよい。録画ファイルのダウンロードが完了すると、端末制御装置306は、録画再生画面76を表示させ(
図5の矢印A11)、録画ファイルを再生する。録画再生画面76において戻るボタン(図示せず)が選択(タップ)されると、端末制御装置306は、録画再生画面76からモニタリング管理画面74に戻す(
図5の矢印A12)。
【0057】
図11のリアルタイム再生ボタン746は、リアルタイム映像の表示を指令するボタンである。リアルタイム再生ボタン746が選択(タップ)されると、端末制御装置306は、リアルタイム映像を映像記録ユニット230に要求して、映像記録ユニット230からリアルタイム映像を受信する。また、端末制御装置306は、モニタリング管理画面74からリアルタイム表示画面78に切り替えて(
図5の矢印A13)、リアルタイム映像を表示させる。リアルタイム表示画面78において戻るボタン(図示せず)がタップされると、端末制御装置306は、リアルタイム表示画面78からモニタリング管理画面74に戻す(
図5の矢印A14)。
【0058】
図11のパスワード変更ボタン747は、選択中の建設機械20の映像記録ユニット230の通信パスワードの変更を指令するボタンである。パスワード変更ボタン747が選択(タップ)されると、端末制御装置306は、パスワード変更画面80を表示させる(
図5の矢印A15)。
【0059】
図12は、本実施形態のパスワード変更画面80の一例を示す図である。パスワード変更画面80は、選択中の建設機械20の映像記録ユニット230の通信パスワードを変更するための画面である。パスワード変更画面80は、画面タイトル801と、建設機械説明802と、現パスワード入力欄803と、新パスワード入力欄804と、新パスワード確認入力欄805と、キャンセルボタン806と、変更ボタン807とを有する。
【0060】
画面タイトル801は、パスワード変更画面80の概要を示すものであり、
図12の例では「無線LANアクセスパスワードの変更」と表示される。建設機械説明802は、対象となっている建設機械20を特定する説明であり、
図12の例では、建設機械20のPINが表示されている。対象となる建設機械20の情報が管理サーバ40の建設機械DB408に記憶されている場合、端末制御装置306は、管理サーバ40から情報を取得して、建設機械20のPINの代わりに、これに対応する建設機械20のモデル名及び号機を表示してもよい。
【0061】
現パスワード入力欄803は、選択中の建設機械20の現アクセスパスワードを入力する欄である。ユーザが現パスワード入力欄803を選択(タップ)すると、端末制御装置306は、パスワード変更画面80の下方にキーボード入力表示(図示せず。
図10の688と同様のもの)を表示させる。ユーザは、キーボード表示の各ボタンを選択して、現パスワードを入力することができる。現パスワード入力欄803の右端には、バーコード入力ボタン808が表示される。ユーザがバーコード入力ボタン808をタップすると、端末制御装置306は、現パスワード読込み画面82を表示装置310に表示させる(
図5の矢印A16)。
【0062】
現パスワード読込み画面82は、通信アドレス読込み画面72(
図9)と同じ内容である。すなわち、本実施形態における映像記録ユニット230の通信パスワードの初期値は、映像記録ユニット230の通信アドレス(MACアドレス)が用いられる。そのため、現パスワードが初期値のままである場合、映像記録ユニット230に設けられた第2銘板210の2次元バーコード222が示す内容が現パスワードである。現パスワード読込み画面82において2次元バーコード222の読込みが行われると、端末制御装置306は、パスワード変更画面80に戻る(
図5の矢印A17)。その際、パスワード変更画面80の現パスワード入力欄803には、読み取った2次元バーコード222の内容が入力される。なお、既にパスワードが変更済である場合、端末制御装置306は、バーコード入力ボタン808の表示を省略してもよい。その場合、現パスワード読込み画面82への切替えは行われない。
【0063】
新パスワード入力欄804は、選択中の建設機械20の新たなアクセスパスワードを入力する欄である。新パスワード確認入力欄805は、選択中の建設機械20の新たなアクセスパスワードを再入力する欄である。ユーザが新パスワード入力欄804又は新パスワード確認入力欄805を選択(タップ)すると、端末制御装置306は、パスワード変更画面80の下方にキーボード入力表示(図示せず。
図10の688と同様のもの)を表示させる。ユーザは、キーボード表示の各ボタンを選択して、新パスワードを入力することができる。
【0064】
キャンセルボタン806は、パスワード変更画面80での入力を中断するためのボタンである。変更ボタン807は、パスワード変更画面80での入力を完了するためのボタンである。変更ボタン807は、いずれかの入力欄が未入力であると選択不可であり、全ての入力欄が入力済であると選択可となる。キャンセルボタン806又は変更ボタン807が選択(タップ)されると、モニタリング管理画面74に戻る(
図5の矢印A18)。
【0065】
パスワード変更画面80において新パスワードが設定された場合、次のような処理が行われる。すなわち、端末制御装置306は、パスワード変更指令と共に現パスワード及び新パスワードを映像記録ユニット230に送信する。パスワード変更指令を受信した映像記録ユニット230は、受信した現パスワードと、自らが保持する現パスワードが一致するか否かを判定する。両者が一致する場合、映像記録ユニット230は、受信した新パスワードを、今後用いる現パスワードとして記録し、端末制御装置306に対してパスワード変更完了通知を送信する。パスワード変更通知を受信した端末制御装置306は、新パスワードを現パスワードとして更新する。
【0066】
モニタリング管理画面74(
図6)において、機械リスト表示ボタン(図示せず)がタップされると、端末制御装置306は、モニタリング管理画面74から建設機械リスト画面66に切り替える(
図5の矢印A19)。
【0067】
[A-3.本実施形態の効果]
本実施形態によれば、携帯端末30(モニタリング装置)が建設機械20の周辺映像を受信するためのアクセスID及びアクセスパスワードに関連する情報(2次元バーコード220、222)は、いずれも建設機械20に表示されている。そのため、携帯端末30のユーザは、容易にアクセスID及びアクセスパスワードを入手可能となり、ユーザの利便性を向上できる。
【0068】
また、アクセスID及びアクセスパスワードに関連する情報としての2次元バーコード220、222は、第1銘板208(第1認証関連情報表示部)及び第2銘板210(第2認証関連情報表示部)に別々に表示される(
図3及び
図4)。そのため、単一の銘板(認証関連情報表示部)に2次元バーコード220、222を表示する場合等と比較して、セキュリティを高めることが可能となる。さらに、第2銘板210は、建設機械20の運転室内に配置される。そのため、運転室が施錠可能であり、且つ運転室外から確認できない位置に第2銘板210を配置することで、運転室が解錠された状態でのみ、第2銘板210の表示(アクセスパスワードの関連情報)を確認可能となる。従って、携帯端末30を用いて建設機械20の周辺映像を受信するためには、携帯端末30のユーザは、建設機械20の運転室内に入り込む権限を有する者(建設機械20の鍵を持つ者等)に限定されるため、さらにセキュリティを高めることが可能となる。
【0069】
本実施形態において、第1銘板208の2次元バーコード220(第1認証関連情報)は、建設機械20のPINを含む(
図3)。また、周辺映像を受信するためのアクセスIDは、建設機械20のPINと、建設機械20の種類を示すコードとの組合せから構成される。これにより、携帯端末30(モニタリング装置)のユーザは、アクセスIDを簡易に入力することが可能となる。
【0070】
本実施形態において、アクセスID及びアクセスパスワードの関連情報は、第1銘板208(第1認証関連情報表示部)及び第2銘板210(第2認証関連情報表示部)それぞれにおいて2次元バーコード220、222で表示される(
図3及び
図4)。また、携帯端末30(モニタリング装置)は、2次元バーコード220、222を撮像する第2カメラ300を有する(
図2)。さらに、端末制御装置306(モニタリング制御装置)は、第2カメラ300が撮像した2次元バーコード220、222を読み取って、アクセスID及びアクセスパスワードを入力する(
図8~
図10)。これにより、携帯端末30のユーザは、アクセスID及びアクセスパスワードを簡易に入力することが可能となる。
【0071】
本実施形態において、モニタリングシステム10は、複数の建設機械20を備える(
図1)。また、携帯端末30(モニタリング装置)は、アクセスID及びアクセスパスワードが入力された複数の建設機械20をリストで表示する(
図6)。さらに、リストでは、建設機械20に応じた機体の種類を示すアイコン665を建設機械20毎に表示する(
図6)。これにより、モニタリングが可能な複数の建設機械20がある場合、携帯端末30のユーザは、自らがモニタリングしたい建設機械20の特定が容易となる。
【0072】
本実施形態において、アクセスID(周辺映像を受信するための識別情報)は、建設機械20のPINを含む。また、モニタリングシステム10は、建設機械20のPINと、当該PINに対応する建設機械20のモデル名及び号機を関連付けて記憶する建設機械DB408を備える(
図2)。さらに、携帯端末30(モニタリング装置)は、建設機械20のリスト(
図6)において、建設機械DB408から取得した建設機械20のモデル名及び号機を表示することができる。これにより、建設機械20のPINをリスト表示する場合と比較して、携帯端末30のユーザは、各建設機械20を識別し易くなる。
【0073】
本実施形態において、建設機械20は、第1カメラ200の録画映像及びリアルタイム映像の両方を送信可能である(
図11)。また、携帯端末30(モニタリング装置)は、録画映像又は前記リアルタイム映像の表示を選択するモニタリング管理画面74(表示選択画面)を表示する(
図11)。さらに、携帯端末30は、モニタリング管理画面74での選択入力に従って、録画映像又はリアルタイム映像を表示する(
図5の矢印A11、A13)。これにより、携帯端末30のユーザは、モニタリング対象の建設機械20の録画映像及びリアルタイム映像を適宜選択してモニタリングすることが可能となる。そのため、携帯端末30のユーザの利便性を高めることができる。
【0074】
本実施形態において、携帯端末30(モニタリング装置)は、アクセスパスワード(周辺映像を受信するためのパスワード)を変更するパスワード変更画面80(
図12)を表示する。また、携帯端末30は、パスワード変更画面80で入力された新パスワードを無線LAN装置204(第1無線通信装置)に送信する。さらに、無線LAN装置204は、受信した新パスワードを用いる。これにより、建設機械20の無線LAN装置204のパスワード(アクセスパスワード)を、携帯端末30から変更可能となり、セキュリティを高めることができる。
【0075】
本実施形態において、建設機械20には、アクセスパスワード(周辺映像を受信するためのパスワード)を初期化する初期化ボタン212が設けられる(
図2及び
図4)。これにより、携帯端末30(モニタリング装置)を介して新パスワードを設定した場合でも、必要に応じてパスワードを初期化することが可能となる。従って、複数の携帯端末30が存在し、そのうちの1つの携帯端末30(第1携帯端末30)を介して新パスワードを設定し、別の携帯端末30(第2携帯端末30)のユーザが当該新パスワードを知らない場合等でも、パスワードの初期化により対応可能となる。
【0076】
本実施形態において、端末制御装置306(モニタリング制御装置)は、
建設機械20に配置された第1銘板208(第1認証関連情報表示部)に表示された2次元バーコード220(アクセスIDの関連情報)を第2カメラ300で読み込むことを要求するPIN読込み画面70(第1読取り画面)と、
建設機械20に配置された第2銘板210(第2認証関連情報表示部)に表示された2次元バーコード222(アクセスパスワードの関連情報)を第2カメラ300で読み込むことを要求する通信アドレス読込み画面72(第2読取り画面)と、
PIN読込み画面70及び通信アドレス読込み画面72で読み取られた2次元バーコード220、222の情報に基づいて、アクセスID及びアクセスパスワードを入力して、周辺映像を受信するための認証を行う建設機械新規登録画面68(認証画面)と、
新規登録画面68で入力されたアクセスID及びアクセスパスワードが、真性のアクセスID及びアクセスパスワードと一致したときに、周辺映像を示す録画再生画面76又はリアルタイム表示画面78(映像表示画面)と
を表示装置310に表示させる(
図5)。
【0077】
本実施形態によれば、2次元バーコード220(アクセスIDの慣例情報)と、2次元バーコード222(アクセスパスワードの関連情報)が別々に建設機械20で表示されている場合に、アクセスID及びアクセスパスワードを簡易に入力可能となる。また、本実施形態に係る携帯端末30(モニタリング装置)は、セキュリティの高いモニタリングシステム10の一部として利用可能となる。
【0078】
<B.変形例>
なお、本発明は、上記実施形態に限らず、本明細書の記載内容に基づき、種々の構成を採り得ることはもちろんである。例えば、以下の構成を採用することができる。
【0079】
[B-1.構成]
(B-1-1.モニタリングシステム10)
上記実施形態では、モニタリングシステム10は複数の建設機械20及び複数の携帯端末30を有していた(
図1)。しかしながら、モニタリングシステム10は、1台の建設機械20と複数の携帯端末30のみ、若しくは複数の建設機械20と1つの携帯端末30のみ、又は1台の建設機械20と1つの携帯端末30のみを有するものであってもよい。
【0080】
(B-1-2.建設機械20)
上記実施形態において、建設機械20(映像記録ユニット230)は、第1カメラ200の動画及び静止画の両方を周辺映像として携帯端末30に送信した。しかしながら、動画又は静止画の一方のみを携帯端末30に送信する構成も可能である。
【0081】
上記実施形態において、建設機械20(映像記録ユニット230)は、第1カメラ200の録画映像及びリアルタイム映像の両方を周辺映像として携帯端末30に送信した(
図11)。しかしながら、録画映像又はリアルタイム映像の一方のみを携帯端末30に送信する構成も可能である。リアルタイム映像のみを送信する場合、映像記録装置202を設けない構成も可能である。
【0082】
上記実施形態では、2次元バーコード220、222を表示する部位(認証関連情報表示部)として第1銘板208及び第2銘板210を用いた(
図2~
図4)。しかしながら、例えば、2次元バーコード220、222を表示する観点からすれば、これに限らず、その他の部位に2次元バーコード220、222を表示してもよい。
【0083】
上記実施形態では、第1銘板208を運転室外に配置し、第2銘板210を運転室内に配置した。しかしながら、例えば、アクセスID及びアクセスパスワードを異なる部位(認証関連情報表示部)に表示する観点からすれば、これに限らない。第1銘板208を運転室内に配置し、第2銘板210を運転室外に配置してもよい。或いは、第1銘板208及び第2銘板210の両方を運転室内又は運転室外に配置することも可能である。
【0084】
上記実施形態では、パスワード初期化ボタン212を映像記録ユニット230の前面に設けたが(
図4)、その他の場所に設けてもよい。
【0085】
(B-1-3.携帯端末30(モニタリング装置))
上記実施形態では、建設機械20の周辺映像をモニタリングするモニタリング装置として携帯端末30を用いた(
図1及び
図2)。しかしながら、例えば、アクセスIDの関連情報として建設機械20のPINを用いる観点からすれば、これに限らない。例えば、携帯端末30以外の情報端末(例えば、デスクトップPC)をモニタリング装置として用いることも可能である。
【0086】
(B-1-4.管理サーバ40)
上記実施形態では、モニタリングシステム10は管理サーバ40を有していた(
図1)。しかしながら、管理サーバ40は省略してもよい。
【0087】
[B-2.制御]
(B-2-1.建設機械20と携帯端末30の通信)
上記実施形態では、建設機械20と携帯端末30が無線LAN(イーサネット)で通信する場合を想定していた(
図1)。しかしながら、例えば、周辺映像を携帯端末30に送信する観点からすれば、これに限らない。例えば、建設機械20と携帯端末30は、インターネットを介して通信することも可能である。
【0088】
(B-2-2.周辺映像の提供)
上記実施形態では、建設機械20の周辺映像を建設機械20から携帯端末30に直接送信した(
図1及び
図2)。しかしながら、例えば、携帯端末30で周辺映像をモニタリングする観点からすれば、これに限らない。例えば、管理サーバ40を介して建設機械20から携帯端末30に周辺映像を送信してもよい。その場合、録画映像は、建設機械20の映像記録装置202ではなく、管理サーバ40の記憶装置406に記録してもよい。また、管理サーバ40を介する場合、携帯端末30が周辺映像を受信するためのアクセスID及びアクセスパスワードの認証は、建設機械20ではなく、管理サーバ40で行ってもよい。
【0089】
(B-2-3.アクセスID及びアクセスパスワード)
上記実施形態において、アクセスIDは、建設機械20のPINと建設機械20の種類コードの組合せを用いた。しかしながら、例えば、建設機械20のPINに基づいてアクセスIDを設定する観点からすれば、これに限らない。例えば、アクセスIDは、建設機械20のPINのみから構成してもよい。或いは、アクセスIDは、建設機械20のPINに基づくハッシュ値を含んでもよい。或いは、例えば、アクセスID及びアクセスパスワードの一方を第1銘板208に、他方を第2銘板210に表示させる観点からすれば、アクセスIDは、建設機械20のPINとは関係のない値で設定してもよい。
【0090】
上記実施形態において、アクセスパスワードは、無線LAN装置204の通信アドレス(MACアドレス)を用いた。しかしながら、例えば、無線LAN装置204(第1無線通信装置)の通信アドレスに基づいて初期アクセスパスワードを設定する観点からすれば、これに限らない。例えば、初期アクセスパスワードは、無線LAN装置204の通信アドレスと建設機械20の種類コードの組合せで構成してもよい。或いは、初期アクセスパスワードは、無線LAN装置204の通信アドレスに基づくハッシュ値を含んでもよい。或いは、例えば、アクセスID及びアクセスパスワードの一方を第1銘板208に、他方を第2銘板210に表示させる観点からすれば、アクセスパスワードは、無線LAN装置204の通信アドレスとは関係のない値で設定してもよい。
【0091】
上記実施形態では、アクセスIDの一部及びアクセスパスワードを2次元バーコード220、222で表示した(
図3及び
図4)。しかしながら、例えば、アクセスIDの一部及びアクセスパスワードを別々に表示する観点からすれば、これに限らない。例えば、バーコードではない通常の文字列又は1次元バーコードでアクセスID又はアクセスパスワードの関連情報を表示してもよい。
【0092】
(B-2-4.携帯端末30の表示画面)
上記実施形態では、周辺映像のモニタリングが可能な建設機械20を、建設機械リスト画面66でリスト表示した(
図6)。しかしながら、例えば、周辺映像のモニタリングの観点からすれば、これに限らない。例えば、実際にモニタリングする度に携帯端末30で、対象となる建設機械20を入力する構成も可能である。
【0093】
上記実施形態の建設機械リスト画面66(
図6)では、建設機械説明664に加えてアイコン665を表示した。しかしながら、アイコン665を省略することも可能である。
【0094】
本実施形態に係るモニタリングシステム10は、建設機械20の周辺映像を、建設機械20の外部に位置する携帯端末(モニタリング装置)30で表示するものであって、
建設機械20は、
建設機械20の周辺を撮像する第1カメラ200と、
第1カメラ200が撮像した動画又は静止画としての周辺映像を記録する映像記録装置202と、
映像記録装置202に記録された周辺映像を携帯端末30又は外部サーバ40に送信する無線LAN装置(第1無線通信装置)204と、
建設機械20の運転室外に配置されて、周辺映像を受信するための識別情報又はパスワードの一方に関連する第1認証関連情報を表示する第1銘板(第1認証関連情報表示部)208と、
運転室内に配置されて、周辺映像を受信するための識別情報又はパスワードの他方に関連する第2認証関連情報を表示する第2銘板(第2認証関連情報表示部)210と
を備え、
携帯端末30は、
建設機械20又は外部サーバ40と通信する第2無線通信装置302と、
第2無線通信装置302を介して受信された周辺映像を表示する表示装置310と、
端末制御装置(モニタリング制御装置)306と
を有し、
端末制御装置360は、
周辺映像を受信するための識別情報及びパスワードを入力するための認証画面68と、
認証画面68で入力された識別情報及びパスワードが、真性の識別情報及びパスワードと一致したときに、周辺映像を示す録画再生画面76又はリアルタイム表示画面78(映像表示画面)と
を表示装置310に表示させる
ことを特徴とする。
【0095】
本実施形態によれば、携帯端末30が建設機械20の周辺映像を受信するための識別情報(ID)及びパスワードに関連する第1・第2認証関連情報は、いずれも建設機械20に表示されている。そのため、携帯端末30のユーザは、比較的容易に識別情報及びパスワードを入手可能となり、ユーザの利便性を向上できる。
【0096】
また、建設機械20の周辺映像を受信するための識別情報及びパスワードに関連する第1・第2認証関連情報は、第1銘板208及び第2銘板210に別々に表示される。そのため、単一の認証関連情報表示部に識別情報及びパスワードを表示する場合等と比較して、セキュリティを高めることが可能となる。さらに、第2銘板210は、建設機械20の運転室内に配置される。そのため、運転室が施錠可能であり、且つ運転室外から確認できない位置に第2銘板210を配置した場合、運転室が解錠された状態でのみ、第2銘板210の表示(識別情報又はパスワードに関連する情報)を確認可能となる。従って、携帯端末30を用いて建設機械20の周辺映像を受信するためには、携帯端末30のユーザは、建設機械20の運転室内に入り込む権限を有する者(建設機械の鍵を持つ者等)に限定されるため、さらにセキュリティを高めることが可能となる。
【0097】
第1認証関連情報は、建設機械20の識別番号を含んでもよい。周辺映像を受信するための識別情報は、建設機械20の識別番号と、建設機械20の種類を示すコードとの組合せから構成されてもよい。これにより、携帯端末30のユーザは、周辺映像を受信するための識別情報を簡易に入力することが可能となる。
【0098】
第1認証関連情報及び第2認証関連情報は、第1銘板208及び第2銘板210それぞれにおいて2次元バーコード220、222で表示されてもよい。また、携帯端末30は、2次元バーコード220、222を撮像する第2カメラ300を有してもよい。さらに、端末制御装置306は、第2カメラ300が撮像した2次元バーコード220、222を読み取って、第1認証関連情報及び前記第2認証関連情報に基づいて周辺映像を受信するための識別情報及びパスワードを入力してもよい。これにより、携帯端末30のユーザは、周辺映像を受信するための識別情報及びパスワードを簡易に入力することが可能となる。
【0099】
モニタリングシステム10は、複数の建設機械20を備えてもよい。また、携帯端末30は、周辺映像を受信するための識別情報及びパスワードが入力された複数の建設機械20を建設機械リスト画面(リスト)66で表示してもよい。さらに、建設機械リスト画面66では、建設機械20に応じた機体の種類を示すアイコンを建設機械20毎に表示してもよい。これにより、モニタリングが可能な複数の建設機械20がある場合、携帯端末30のユーザは、自らがモニタリングしたい建設機械20の特定が容易となる。
【0100】
周辺映像を受信するための識別情報は、建設機械20の識別番号を含んでもよい。また、モニタリングシステム10は、建設機械20の識別番号と、当該識別番号に対応する建設機械20のモデル名及び号機を関連付けて記憶する建設機械データベース408をさらに備えてもよい。さらに、携帯端末30は、建設機械20のリストにおいて、建設機械データベース408から取得した建設機械20のモデル名及び号機を表示してもよい。これにより、建設機械20の識別番号をリスト表示する場合と比較して、携帯端末30のユーザは、各建設機械20を識別し易くなる。
【0101】
建設機械20は、第1カメラ200の録画映像及びリアルタイム映像の両方を送信可能であってもよい。また、携帯端末30は、録画映像又はリアルタイム映像の表示を選択する表示選択画面74を表示してもよい。さらに、携帯端末30は、表示選択画面74での選択入力に従って、録画映像又はリアルタイム映像を表示してもよい。これにより、携帯端末30のユーザは、モニタリング対象の建設機械20の録画映像及びリアルタイム映像を適宜選択してモニタリングすることが可能となる。そのため、携帯端末30のユーザの利便性を高めることができる。
【0102】
携帯端末30は、前記周辺映像を受信するためのパスワードを変更するパスワード変更画面80を表示してもよい。また、携帯端末30は、パスワード変更画面80で入力された新たなパスワードを無線LAN装置204に送信してもよい。さらに、無線LAN装置204は、受信した新たなパスワードを用いてもよい。これにより、建設機械20の無線LAN装置204のパスワードを、携帯端末30から変更可能となり、セキュリティを高めることができる。
【0103】
建設機械20には、周辺映像を受信するためのパスワードを初期化するパスワード初期化ボタン(初期化ボタン)212が設けられてもよい。これにより、携帯端末30を介して新たなパスワードを設定した場合でも、必要に応じてパスワードを初期化することが可能となる。従って、複数の携帯端末30が存在し、そのうちの1つの携帯端末30(第1モニタリング装置)を介して新たなパスワードを設定し、別のモニタリング装置(第2モニタリング装置)のユーザが当該新たなパスワードを知らない場合等でも、パスワードの初期化により対応可能となる。
【0104】
本実施形態に係る携帯端末30は、建設機械20の周辺映像を受信して表示するものであって、
前記携帯端末30は、
第2カメラ300と、
建設機械20又は外部サーバ40と通信する第2無線通信装置302と、
第2無線通信装置302を介して受信された周辺映像を表示する表示装置310と、
端末制御装置(モニタリング制御装置)306と
を有し、
端末制御装置306は、
建設機械20に配置された第1銘板208に表示された、周辺映像を受信するための識別情報又はパスワードの一方に関連する第1認証関連情報を、第2カメラ300で読み込むことを要求する第1読取り画面70と、
建設機械20に配置された第2銘板210に表示された、周辺映像を受信するための識別情報又はパスワードの他方に関連する第2認証関連情報を、第2カメラ300で読み込むことを要求する第2読取り画面72と、
第1読取り画面70で読み取られた第1認証関連情報及び第2読取り画面72で読み取られた第2認証関連情報に基づいて、周辺映像を受信するための識別情報及びパスワードを入力して、周辺映像を受信するための認証を行う認証画面68と、
認証画面68で入力された識別情報及びパスワードが、真性の識別情報及びパスワードと一致したときに、周辺映像を示す録画再生画面76又はリアルタイム表示画面78(映像表示画面)と
を表示装置310に表示させる
ことを特徴とする。
【0105】
本実施形態の携帯端末30によれば、建設機械20の周辺映像を受信するための識別情報及びパスワードの一方に関連する第1認証関連情報と、他方に関連する第2認証関連情報が、別々に建設機械20で表示されている場合に、識別情報及びパスワードを簡易に入力可能となる。また、携帯端末30は、セキュリティの高いモニタリングシステムの一部として利用可能となる。
【0106】
本実施形態に係る建設機械20は、周辺映像を外部機器に送信可能なものであって、
建設機械20は、
周辺映像を撮像する第1カメラ200と、
第1カメラ200が撮像した動画又は静止画としての周辺映像を記録する映像記録装置202と、
映像記録装置202に記録された周辺映像を携帯端末30等の外部機器に送信する無線LAN装置204と、
建設機械20の運転室外に配置されて、周辺映像を受信するための識別情報又はパスワードの一方に関連する第1認証関連情報を表示する第1銘板208と、
運転室内に配置されて、周辺映像を受信するための識別情報又はパスワードの他方に関連する第2認証関連情報を表示する第2銘板210と
を備える
ことを特徴とする。
【0107】
以上、本発明の実施形態について詳述したが、本発明は、前記の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、種々の設計変更を行うことができるものである。
【符号の説明】
【0108】
10 モニタリングシステム、20 建設機械、30 携帯端末(モニタリング装置)、40 管理サーバ(外部サーバ)、68 建設機械新規登録画面(認証画面)、70 PIN読込み画面(第1読取り画面)、72 通信アドレス読込み画面(第2読取り画面)、74 モニタリング管理画面(表示選択画面)、76 録画再生画面(映像表示画面)、78 リアルタイム表示画面(映像表示画面)、80 パスワード変更画面、200 第1カメラ、202 映像記録装置、204 無線LAN装置(第1無線通信装置)、208 第1銘板(第1認証関連情報表示部)、210 第2銘板(第2認証関連情報表示部)、212 パスワード初期化ボタン、220、222 2次元バーコード、300 第2カメラ、302 第2無線通信装置、306 端末制御装置(モニタリング制御装置)、310 表示装置、408 建設機械データベース、665 アイコン