(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-25
(45)【発行日】2025-01-09
(54)【発明の名称】垂直方向に移動可能な側壁を有するコンテナを有する積荷取扱システム
(51)【国際特許分類】
B65G 1/04 20060101AFI20241226BHJP
【FI】
B65G1/04 509
(21)【出願番号】P 2023526075
(86)(22)【出願日】2021-10-21
(86)【国際出願番号】 EP2021079234
(87)【国際公開番号】W WO2022090053
(87)【国際公開日】2022-05-05
【審査請求日】2023-05-25
(32)【優先日】2020-10-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(73)【特許権者】
【識別番号】515134368
【氏名又は名称】オカド・イノベーション・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(72)【発明者】
【氏名】ウェラン、マシュー
【審査官】大塚 多佳子
(56)【参考文献】
【文献】特表2018-514667(JP,A)
【文献】特開2020-040832(JP,A)
【文献】実開昭57-117335(JP,U)
【文献】米国特許出願公開第2008/0075566(US,A1)
【文献】中国実用新案第201991278(CN,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 1/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
積荷取扱システムであって、
積荷運搬台と、
前記積荷運搬台の周囲の少なくとも一部の周りに延在する側壁と、前記側壁は、前記積荷運搬台が実質的に前記側壁の下端において保持される第1の位置と、前記積荷運搬台が実質的に前記側壁の上端において又はその上方に位置する第2の位置との間で、前記積荷運搬台に対して移動するように構成されている、
を備えるコンテナを備え、
前記積荷取扱システムは、
実質的に垂直方向において前記コンテナを運搬するための、前記側壁に接続可能な持ち上げ手段と、
基部であって、
支持ステーションと、
前記積荷運搬台が、前記基部上に配置される積荷に対してアクセス可能であるように、前記積荷運搬台が前記支持ステーション上に下降された後、前記持ち上げ手段が前記コンテナを下降させ続けるときに、前記側壁が前記第1の位置から前記第2の位置に移動するにつれて、前記側壁を受容するように構成された空胴と、
を備える基部と、
を更に備える、積荷取扱システム。
【請求項2】
前記側壁は、前記積荷運搬台の全周囲の周りに延在する、請求項1に記載の積荷取扱システム。
【請求項3】
前記側壁は、前記積荷運搬台の第1の対の対向する側部に沿って延在する、請求項1に記載の積荷取扱システム。
【請求項4】
前記積荷運搬台は、2つの方向制御傾斜面を備え、各方向制御傾斜面は、前記積荷運搬台の第2の対の対向する側部のそれぞれの側部に隣接している、請求項3に記載の積荷取扱システム。
【請求項5】
前記側壁は、前記積荷運搬台を前記側壁の前記下端において保持するために、前記積荷運搬台が当接する着座部材を備える、請求項1~4のいずれか一項に記載の積荷取扱システム。
【請求項6】
前記側壁は、前記側壁と前記積荷運搬台との間の相対移動を案内するための案内部材を備える、請求項1~5のいずれか一項に記載の積荷取扱システム。
【請求項7】
前記空胴の開口部の少なくとも一部にわたって延在するように配置された変形可能なフラップを更に備える、請求項1~6のいずれか一項に記載の積荷取扱システム。
【請求項8】
前記コンテナは、前記側壁の前記上端においてコーナーブラケットを更に備え、前記コーナーブラケットは、前記側壁が前記第2の位置にあるとき、前記積荷運搬台の上面上に着座するように配置されている、請求項1~7のいずれか一項に記載の積荷取扱システム。
【請求項9】
前記コンテナは、前記側壁の前記上端から外方に延在するフレームを更に備え、前記フレームは、前記側壁が前記第2の位置にあるときに、前記空胴の前記開口部を覆うように配置されている、請求項
7又は請求項7を引用する請求項8に記載の積荷取扱システム。
【請求項10】
前記フレームは、前記側壁が前記第2の位置にあるとき、前記基部上に着座するように前記空胴の前記開口部を覆って延在して、前記積荷運搬台に対する前記側壁のそれ以上の下方への移動を防止する、請求項9に記載の積荷取扱システム。
【請求項11】
前記フレームは、前記積荷運搬台の上面まで至る傾斜面を備える、請求項9又は10に記載の積荷取扱システム。
【請求項12】
前記フレームは、前記コンテナが積み重ねられ得るように、別のコンテナの側壁の下端を受容するように構成された取付面を備える、請求項9~11のいずれか一項に記載の積荷取扱システム。
【請求項13】
請求項1~12のいずれか一項に記載の積荷取扱システムのためのコンテナ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、積荷取扱システムに関する。より詳細には、それは、積荷を運搬するためのコンテナが、積荷の受け取り又は引き渡しのために受動的に作動される積荷取扱システムに関する。本発明の態様は、積荷取扱システム自体及びそのコンテナに関する。
【背景技術】
【0002】
いくつかの商用及び工業用の活動は、多数の製品の繰り返される保管及び取り出しを可能にするシステムを必要とする。このようなシステムの例は、駐車システム内の保管場所と、収集ポイント(collection point)との間で様々な異なる車両を運搬するのに好適なコンテナ又は同様のものを備える積荷取扱システムを使用する、自動化された自動車駐車システムを含む。コンテナは、多くの場合、収集ポイントでのそれらのアクセスを可能にし、そしてまた、安全な保管空間を提供するために、連携して動作する複数の可動要素を備える複雑な作動システム(例えば、電気機械システム)を有する。これらの作動システムは、多くの場合、それらの機能を実行するために、収集ポイントにおいて他のシステムとインターフェースする。これらのシステムの複雑さは、それらを目的とし(to purpose)、維持するのに費用がかかることを意味する。従って、これらのシステムの複雑さが低減されれば、大きな利益がある。従って、複雑な作動システムを必要とせずに作動され得るコンテナを備える代替の積荷取扱システムの必要性が認識されている。
【発明の概要】
【0003】
従って、本発明は、第1の態様において、積荷運搬台と、積荷運搬台の周囲の少なくとも一部の周りに延在する側壁と、を有するコンテナを備える積荷取扱システムを提供し、側壁は、積荷運搬台が実質的に側壁の下端において保持される第1の位置と、積荷運搬台が実質的に側壁の上端において又はその上方に位置する第2の位置との間で、積荷運搬台に対して移動するように構成されている。積荷取扱システムは、実質的に垂直方向においてコンテナを運搬するための、側壁に接続可能な持ち上げ手段と、基部と、を更に備える。基部は、支持ステーションと、空胴と、を備え、空胴は、積荷運搬台が、基部上に配置される積荷に対してアクセス可能であるように、積荷運搬台が支持ステーション上に下降された後、持ち上げ手段がコンテナを下降させ続けるときに、側壁が第1の位置から第2の位置へ移動するにつれて、側壁を受容するように構成されている。
【0004】
オプションで、側壁は、積荷運搬台の全周囲の周りに延在する。
【0005】
代替として、側壁は、積荷運搬台の第1の対の対向する側部に沿って延在する。この場合、積荷運搬台は、2つの方向制御傾斜面を含み得、各方向制御傾斜面は、積荷運搬台の第2の対の対向する側部のそれぞれの側部に関連付けられている。
【0006】
オプションで、側壁は、積荷運搬台を側壁の下端において保持するために、積荷運搬台が当接する着座部材を備える。
【0007】
オプションで、側壁は、側壁と積荷運搬台との間の相対移動を案内するための案内部材を備える。
【0008】
オプションで、積荷運搬台は、空胴の開口部の少なくとも一部にわたって延在するように配置された変形可能なフラップを更に備える。
【0009】
オプションで、コンテナは、側壁の上端においてコーナーブラケットを更に備え、コーナーブラケットは、側壁が第2の位置にあるとき、積荷運搬台の上面上に着座するように配置されている。
【0010】
オプションで、コンテナは、側壁の上端から外方に延在するフレームを更に備え、フレームは、側壁が第2の位置にあるときに、空胴の開口部を覆うように配置されている。
【0011】
オプションで、フレームは、側壁が第2の位置にあるとき、基部上に着座するように空胴の開口部を覆って延在して、積荷運搬台に対する側壁のそれ以上の下方への移動を防止する。
【0012】
オプションで、フレームは、積荷運搬台の上面まで至る傾斜面を備える。
【0013】
オプションで、フレームは、コンテナが積み重ねられ得るように、別のコンテナの側壁の下端を受容するように構成された取付面を備える。
【0014】
第2の態様において、本発明は、第1の態様による積荷取扱システムのためのコンテナを提供する。
【0015】
次に、本発明のこれらの態様及び他の態様を、単なる例として、添付の図面を参照して説明する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】
図1は、本発明の一実施形態による積荷取扱システムを組み込んだロボット駐車システムの概略斜視図である。
【
図3a】
図3aは、基部の空胴内に部分的に受容された、
図1の積荷取扱システムのコンテナの概略斜視図である。
【
図3b】
図3bは、線A-Aに沿った
図3aのコンテナの概略断面図である。
【
図4a】
図4aは、基部の空胴内に完全に受容された、
図1の積荷取扱システムのコンテナの概略斜視図である。
【
図4b】
図4bは、線B-Bに沿った
図4aのコンテナの概略断面図である。
【
図5】
図5は、
図4aのコンテナの積荷運搬台上に駐車された車両の概略斜視図である。
【
図6】
図6は、コンテナ内に保持された車両の概略斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
図において、同様の特徴は、同様の参照符号によって示されている。
【0018】
以下の説明では、開示される実施形態の完全な理解を提供するために、いくつかの特定の詳細が含まれる。しかしながら、当業者であれば、他の実施形態が、これらの特定の詳細のうちの1つ以上を伴わずに、又は他の方法、構成要素、材料等を伴って、実施され得ることを認識されよう。いくつかの事例では、開示される実施形態の説明を不必要に不明瞭にすることを避けるために、プロセッサ、センサ、記憶装置(storage devices)、ネットワークインターフェース、ワークピース、引張部材、締結具、電気コネクタ、ミキサ等のような、積荷取扱システムに関連付けられた周知の構造は、詳細には説明又は図示されない。
【0019】
文脈上別段の解釈を必要としない限り、本明細書及び添付の特許請求の範囲の全体を通して、「備える(comprise)」という語、並びに「備える(comprises)」及び「備えている(comprising)」等のその変形は、「限定はしないが、~を含む(including, but not limited to)」といったオープンで包括的な意味で解釈されるべきである。
【0020】
本明細書全体を通して、「実施形態」、「例」に適用される「1つの(one)」、「1つの(an)」、又は「別の(another)」への言及は、実施形態、例、又は実装形態に関連して説明される特定の指示対象の特徴、構造、又は特性が、少なくとも1つの実施形態、例、又は実装形態に含まれることを意味する。従って、本明細書全体を通して様々な箇所で「一実施形態では」又は同様の表現が出てきても、必ずしも全てが同じ実施形態を指しているわけではない。更に、特定の特徴、構造、又は特性は、1つ以上の実施形態、例、又は実装形態において、任意の好適な方法で組み合わされ得る。
【0021】
本明細書及び添付の特許請求の範囲で使用される場合、単数形式「a」、「an」、及び「the」は、内容がそうでないことを明確に指示しない限り、複数の指示対象を含むことに留意されたい。従って、例えば、「積荷取扱装置」を含むシステムへの言及は、1つの積荷取扱装置、又は2つ以上の積荷取扱装置を含む。また、「又は(or)」という用語は、内容がそうでないことを明確に指示しない限り、「及び/又は」を含む意味で一般に用いられることに留意されたい。
【0022】
図1は、全体として2で示されるロボット駐車システムの文脈内での本発明による積荷取扱システムの一実施形態の例となる用途を示す。そのうちのいくつかが車両の形態での積荷を保持する複数のコンテナ4が、フレーム構造8内に配置されたスタック6を形成するために互いに積み重ねられている。簡略化のために、3つのスタック6を備える、全体的なフレーム構造8の代表的なセクションのみが、
図1に示されているが、当業者であれば、実際には、フレーム構造8は、この代表的なセクションよりもかなり大きく、より多くのスタック6を収容することが可能であることが理解されよう。フレーム構造8は、水平部材12、14を支持する一連の直立部材10を備える。第1のセットの実質的に平行な水平部材12が、第2のセットの実質的に平行な水平部材14に対して実質的に垂直に配置されて、直立部材10によって支持される水平グリッド構造16を形成している。
【0023】
コンテナ4は、直立部材10の間に積み重ねられ、これにより、フレーム構造8は、スタック6の水平移動を防止し、コンテナ4の垂直移動を案内する。
【0024】
グリッド構造16の最上面は、複数のロボット積荷取扱装置18を支持するレール又は同様のものを含み、複数のロボット積荷取扱装置18のうちの2つのみが
図1に示されている。第1のセットの実質的に平行なレールが、フレーム構造8の最上部にわたって第1の方向(x)への積荷取扱装置18の移動を案内し、第1のセットのレールに対して実質的に垂直に配置された、第2のセットの実質的に平行なレールが、第2の方向(y)への積荷取扱装置18の移動を案内し、第2の方向は、第1の方向に対して実質的に垂直である。このようにして、これらレールは、実質的に水平な平面における2次元での積荷取扱装置18の移動を可能にし、その結果、積荷取扱装置18は、どのスタック6の上方の位置へも移動され得る。
【0025】
各積荷取扱装置18は、スタック6の上方で、レール上を第1の方向及び第2の方向に走行するように配置された本体24を備える。本体24の前方にある一対の車輪と、本体24の後方にある一対の車輪と、で構成される第1のセットの車輪(図示せず)が、第1のセットのレールのうちの2つの隣接するレールと係合するように配置されている。同様に、本体24の各側方にある一対の車輪で構成される第2のセットの車輪(図示せず)が、第2のセットのレールのうちの2つの隣接するレールと係合するように配置されている。各セットの車輪は、第1のセットの車輪又は第2のセットの車輪のいずれかが、どの時点においてもそれぞれセットのレールと係合するように、それぞれ持ち上げ及び下降され得る。
【0026】
第1のセットの車輪が第1のセットのレールと係合し、第2のセットの車輪がレールから離れて持ち上げられたとき、第1のセットの車輪は、積荷取扱装置18を第1の方向に移動させるために、駆動機構(図示せず)によって駆動され得る。積荷取扱装置18を第2の方向に移動させるためには、第1のセットの車輪が、レールから離れて持ち上げられ、第2のセットの車輪が、第2のセットのレールと係合するように下降される。次いで、駆動機構は、第2の方向への移動を達成するために、第2のセットの車輪を駆動するために使用され得る。
【0027】
このようにして、積荷取扱装置18は、どの車両がどのコンテナ4内にあり、スタック6内のどこに車両が位置しているかを識別及び監視するための手段が設けられた保管及び仕分け制御システム(図示せず)から受信された命令に従って、スタック6の上方でグリッド構造16を動き回り得る。各積荷取扱装置18は、コンテナ4がスタック6と収集ポイント26との間で移送され得るように、コンテナ4を垂直方向に移動させるための積荷ハンドラを備える。使用時に、制御システムは、コンテナ4が収容している車両に基づいて、コンテナ4がスタック6内に配置され得る最適な位置を決定する。新たに到着した車両が長い時間期間の間必要とされない場合、そのコンテナ4が、より早く必要とされることになる車両を保持しているコンテナ4の下に配置されることが有利であり得る。従って、積荷取扱装置18は、スタック6におけるより低いところに、新たに到着した車両を保持しているコンテナ4を配置するための保管位置を作り出すために、既にスタック6にあるコンテナ4を移動させ得る。好適な保管位置が作り出されると、積荷取扱装置18は、収集ポイント26の真上のグリッド構造16上に配置され、そこで、積荷取扱装置18は、積荷ハンドラを使用して、新たに到着した車両を保持しているコンテナ4を持ち上げ得る。コンテナ4は、積荷取扱装置18の本体24内へと持ち上げられ、積荷取扱装置18は、保管位置の真上のグリッド構造16上の位置に移動され、そこで、コンテナ4は、次いで、スタック6内の位置に下降される。必要であれば、次いで、他のコンテナ4が、直近に配置されたコンテナ4の上に戻される。
【0028】
車両がスタック6から取り出される必要があるとき、積荷取扱装置18は、関連するスタック6の上方に配置され、一番上のコンテナ4を取り除く。一番上のコンテナ4が、取り出されるべき車両を保持している場合、コンテナ4は、積荷取扱装置18によって、それが最終的に車両の所有者によって収集される収集ポイント26に移動される。このコンテナ4が所望の車両を収容していない場合、積荷取扱装置18は、コンテナ4を代替のスタック6に移動させ、次いで、次のコンテナ4を取り出すために、第1のスタック6に戻る。このプロセスは、所望の車両を保持するコンテナ4が取り出されるまで継続し、取り出された時点で、次いで、そのコンテナ4は、収集ポイント26に移動される。このようにして、車両の容易な預け入れ及び取り出しが維持されながら、高密度の車両駐車が達成される。
【0029】
図2は、基部28と、コンテナ4と、を備える、全体として27で示される積荷取扱システムのより詳細な概略図を示す。この例となる用途では積荷取扱装置18を備える、コンテナ4を実質的に垂直方向に運搬するための持ち上げ手段もまた、積荷取扱システム27の一部を形成している。基部28は、ロボット駐車システム2の収集ポイント26を画定し、支持ステーション30と、積荷取扱システム27のこの例では、支持ステーション30の周囲の周りに延在する空胴32と、を備える。
【0030】
ロボット駐車システム2に保管するために、車両29をコンテナ4内に積み込むとき、コンテナ4が、車両29を受け取るために、積荷取扱装置18によって、支持ステーション30内へと下降されている間、車両29は、基部28上に保持される。コンテナ4は、積荷運搬台34(
図2には図示せず)と、積荷運搬台34の周囲の少なくとも一部の周りに延在する側壁36と、を備える。コンテナ4のこの実施形態では、側壁36は、積荷運搬台34の全周囲の周りに延在するが、代替の実施形態では、側壁36は、最も長い側部等の、積荷運搬台34の一対の対向する側部に沿ってのみ延在し得る。このような実施形態では、積荷運搬台34は、他方の対の対向する側部に関連付けられた2つの方向制御傾斜面を備え得、車両29が積荷運搬台34から不注意に転落することを防止する。積荷運搬台34と側壁36とは、摺動可能に係合され、これにより、側壁36は、積荷運搬台34が実質的に側壁36の下端38において保持される第1の位置と、積荷運搬台34が実質的に側壁36の上端40において又はその上方に位置する第2の位置との間で、積荷運搬台34に対して移動することが可能である。側壁36は、側壁36と積荷運搬台34との間の相対移動を案内するための案内部材を備え得る。
図2に示すように、コンテナ4が積荷取扱装置18の積荷ハンドラによって吊り下げられている間、積荷運搬台34は、重力下で側壁36の下端38において受動的に保持されている。側壁36は、積荷運搬台34を支持するために、その下端38において着座部材(図示せず)を備え、積荷運搬台34が、側壁36の下端38を越えて移動し、コンテナ4の底部から落下するのを防止する。
【0031】
図3aを参照すると、積荷取扱装置18は、コンテナ4を下降させ続け、従って、積荷運搬台34は、支持ステーション30上で停止し、積荷運搬台34のいかなる継続的な下方への移動も防止する。そこから、側壁36と積荷運搬台34との間の摺動係合により、
図3bに示すように、積荷取扱装置18が支持ステーション30を越えてコンテナ4を下降させ続け、側壁36を第1の位置から移動させるにつれて、側壁36は、空胴32に入る。
【0032】
図4a及び
図4bを参照すると、積荷取扱装置18は、側壁36が第2の位置に移動して、その下方への移動を完了するまで、コンテナ4を下降させ続ける。コンテナ4のこの実施形態は、側壁36の上端40に位置する4つのコーナーブラケット42を備える。これらコーナーブラケット42は、積荷運搬台34のそれぞれのコーナーから張り出しており、第2の位置において側壁36を保持するために、コンテナ4の下降中に積荷運搬台34の上面上に着座し、積荷運搬台34に対する側壁36のそれ以上の下方への移動を防止するように構成されている。コーナーブラケット42は、側壁36を第2の位置に保持するために、それらが積荷運搬台34の上面に係合するとき、積荷運搬台34の上面と側壁36の上端40とが、実質的に同一平面上にあり、車両29が積荷運搬台34にアクセスすることを容易にするように構成されている。コンテナ4のこの実施形態は、側壁36の周囲の周りにフレーム44を更に備える。フレーム44は、側壁36の上端40から垂直に外方に延在し、側壁36が第2の位置にあるときに、空胴32の開口部を覆うように配置される。この位置にあるとき、フレーム44の下側は、基部28上に着座し、また、コーナーブラケット42との組合せにおいて、積荷運搬台34に対する側壁36のそれ以上の下方への移動を防止している。コンテナ4のこの実施形態では、フレーム44の上面は、積荷運搬台34の上面まで至る傾斜セクション46を含み、側壁36の内周の周りの段付きセクションと共に、積荷運搬台34へのアクセスを改善している。段付きセクションは、他のコンテナがスタック6内の現在のコンテナ4の上に配置されたときに、他のコンテナの側壁を受容し、現在のコンテナ4に対して適切な積み重ね可能な位置へと他のコンテナ4を案内するように構成された取付レッジ(mounting ledge)又は取付面48を画定する。
【0033】
側壁36が第2の位置にある状態では、積荷運搬台34は、車両29に対してアクセス可能にされる。
図5に示すように、車両29が積荷運搬台34上に移動されると、積荷取扱装置18は、スタック6内に保管するために、コンテナ4を持ち上げる。これは、側壁36を空胴32から持ち上げて出し、側壁36を第2の位置から移動する一方で、積荷運搬台34は、支持ステーション30上に留まる。積荷取扱装置18がコンテナ4を持ち上げ続けるにつれて、第1の位置に到達し、ここで、積荷運搬台34は、実質的に側壁36の下端38において保持され、着座部材と係合する。ここから、
図6に示すように、ロボット駐車システム2に保管するために、積荷取扱装置18がコンテナ4をその本体24内へと持ち上げ続けるにつれて、側壁36及び積荷運搬台34は、一体となって(in unison)移動する。
【0034】
このプロセスは、ロボット駐車システム2から車両29を取り出すときに非常に類似している。積荷取扱装置18は、車両29を保持しているコンテナ4をその保管場所から取り出すと、積荷運搬台34が支持ステーション30上に載置されるまで、コンテナ4を収集ポイント26上へと下降させる。ここから、積荷取扱装置18は、コンテナ4を下降させ続け、側壁36を、第1の位置から、それが第2の位置に到達して空胴32内に実質的に完全に受容されるまで移動させる。次いで、車両29は、積荷運搬台34から移動され、別の車両に対して積荷運搬台34をアクセス可能にする。
【0035】
当業者であれば、本発明は、単なる例としてロボット駐車システム2の文脈で説明されており、添付の特許請求の範囲によって定義される本発明の範囲から逸脱することなく、他の用途及び様々な代替手法が採用され得ることが理解されよう。例えば、コンテナ4は、コーナーブラケット42及びフレーム44等の、側壁36の移動を第2の位置までに制限するための様々な手段とともに説明されてきた。しかしながら、他の実施形態では、側壁36の移動は、代わりに、空胴32及び側壁36のそれぞれの長さによって制限され得る。具体的には、それぞれの長さは、第2の位置にあるとき、側壁36の下端38が、空胴32の一番下の面上に着座し、更なる下方への移動を防止するように構成され得る。
【0036】
更に、積荷取扱システム27は、空胴32の開口部の少なくとも一部にわたって延在するように配置された変形可能なフラップを更に備え得、側壁36が空胴32内に下降されることを可能にしながら、破片又は同様のものが空胴32に入り込むことを防止する。