IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 江▲蘇▼大毛牛新材料有限公司の特許一覧

特許7611405二酸化炭素溶液を使用して発泡するプロセス
<>
  • 特許-二酸化炭素溶液を使用して発泡するプロセス 図1
  • 特許-二酸化炭素溶液を使用して発泡するプロセス 図2
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-25
(45)【発行日】2025-01-09
(54)【発明の名称】二酸化炭素溶液を使用して発泡するプロセス
(51)【国際特許分類】
   C08J 9/12 20060101AFI20241226BHJP
   B29C 44/08 20060101ALI20241226BHJP
【FI】
C08J9/12
B29C44/08
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2023542910
(86)(22)【出願日】2022-03-08
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-22
(86)【国際出願番号】 CN2022079780
(87)【国際公開番号】W WO2023019919
(87)【国際公開日】2023-02-23
【審査請求日】2023-07-13
(31)【優先権主張番号】202110943093.1
(32)【優先日】2021-08-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】522262898
【氏名又は名称】江▲蘇▼大毛牛新材料有限公司
【氏名又は名称原語表記】Jiangsu Damaoniu New Material Technology Co., Ltd.
【住所又は居所原語表記】No.19, Qinhuai North Road, Lishui Economic Development Zone, Nanjing City, Jiangsu, China
(74)【代理人】
【識別番号】100169904
【弁理士】
【氏名又は名称】村井 康司
(74)【代理人】
【識別番号】100217412
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 亜子
(72)【発明者】
【氏名】白朋
(72)【発明者】
【氏名】▲張▼振秀
【審査官】岩田 行剛
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-100554(JP,A)
【文献】特開平08-311230(JP,A)
【文献】米国特許第05723510(US,A)
【文献】中国特許出願公開第103665613(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第110846011(CN,A)
【文献】特開2003-236921(JP,A)
【文献】特開2003-236918(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C08J 9/
B29C 44/
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
二酸化炭素溶液を使用して発泡するプロセスであって、パリソンを二酸化炭素溶液に入れて一次発泡を行って取り出し、二次発泡を行い、発泡製品を得るという手順を含み、
前記一次発泡において、パリソンを溶媒を入れた予備発泡装置に加えて密封し、二酸化炭素を導入し、100~160℃、40~50MPaで2~3h発泡し、
前記100~160℃、40~50MPaで2~3h発泡する前に、40~60℃、10~15MPaで20~40min発泡し、
前記二次発泡の温度は120~130℃であることを特徴とする。
【請求項2】
請求項1に記載の二酸化炭素溶液を使用して発泡するプロセスであって、前記パリソンは、放射線架橋または鎖延長剤架橋によってポリマーを硬化させることで得られることを特徴とする。
【請求項3】
請求項1に記載の二酸化炭素溶液を使用して発泡するプロセスであって、前記二酸化炭素溶液は二酸化炭素と溶媒とを含み、前記溶媒にはヒドロキシル無機物が含まれることを特徴とする。
【請求項4】
請求項3に記載の二酸化炭素溶液を使用して発泡するプロセスであって、前記溶媒には無機酸も含まれることを特徴とする。
【請求項5】
請求項4に記載の二酸化炭素溶液を使用して発泡するプロセスであって、前記溶媒中のヒドロキシル無機物質の質量パーセントは、0wt%を除いた0~100wt%であることを特徴とする。
【請求項6】
請求項4に記載の二酸化炭素溶液を使用して発泡するプロセスであって、前記溶媒には、アルコール化合物、エステル化合物、ケトン化合物、複素環式化合物、炭化水素化合物、および無機塩のうちの1種または複数種も含まれることを特徴とする。
【請求項7】
請求項1に記載の二酸化炭素溶液を使用して発泡するプロセスであって、前記二次発泡の時間は1~2hであることを特徴とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はC08J9/18に関し、具体的には、本発明が二酸化炭素溶液を使用して発泡するプロセスに関する。
【背景技術】
【0002】
高分子発泡材は、重要な高分子製品の1種として、建築、化学工業、医療と日常生活において重要な役割を果たし、環境にやさしい発泡方法として、二酸化炭素発泡が広く注目を集めている。
【0003】
CN102875882Aは、ポリエチレン二酸化炭素押出微細発泡製品とその調製方法を提供している。ポリエチレン二酸化炭素押出微細発泡製品は、ポリエチレンを基材として、発泡剤である重炭酸ナトリウム、潤滑剤、発泡核剤を加え、混合、押出発泡、カレンダリング、冷却、成形の工程によって得られる。本発明は、液体二酸化炭素の代わりに重炭酸ナトリウムを採用し、発泡プロセスが簡単で生産コストが低く、分解する有毒物質がなく、プロセス全過程が安全で配合方法も簡単であり、歩留まりが高い。
【0004】
しかし、現在使用されている発泡方法は、発泡率が低く、特に結晶化度が高い製品では発泡率が低く、気泡孔のサイズが大きく変化するなどの問題があり、発泡材料の発展に影響を及ぼすことである。
【発明の概要】
【0005】
上記の問題を解決するため、本発明の第1の態様は、二酸化炭素溶液を使用して発泡するプロセスを提供し、パリソンを二酸化炭素溶液に入れて一次発泡を行って取り出し、二次発泡を行い、発泡製品を得るという手順を含む。
【0006】
一実施形態では、本発明の前記パリソンは、放射線架橋または鎖延長剤架橋によってポリマーを硬化することで得られる。
【0007】
一実施形態では、本発明の前記架橋硬化は、以下を含む:前記パリソンは、ポリマー、鎖延長剤、触媒の混合、硬化、成形によって調製される。
【0008】
一実施形態では、本発明の前記ポリマーは、結晶性ポリマーまたは非晶性ポリマーであり、前記結晶性ポリマーは、ポリオレフィンホモポリマー、ポリオレフィンコポリマー、ポリエステル、ポリイミドなど、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレンポリテトラフルオロエチレン、ポリエチレンテレフタレートなどであり得る。
【0009】
一実施形態では、本発明の前記ポリマー、鎖延長剤、触媒の重量比は(80~90):(3~6):(1~2)である。
【0010】
一実施形態では、本発明の前記鎖延長剤は、ペルオキシ、ビニルまたはイソシアネート基含有の化合物であり得る、好ましくは有機過酸化物などのペルオキシ含有の化合物である。具体的には、2,5-ビス(tert-ブチルペルオキシ)-2,5-ジメチルヘキサン、tert-ブチルペルオキシ-2-エチルヘキサノエート、tert-ブチルペルオキシイソノナノエート、2,5-ビス(tert-ブチルペルオキシ)-2,5-ジメチル-3-ヘキシン、ペルオキシピバリン酸tert-ブチル、ジ-tert-ブチルペルオキシド、ジ-tert-ブチルペルオキシドが挙げられる。前記鎖延長剤は、1,-6-ヘキサンジオールジアクリレート、ジプロピレングリコールジアクリレート、トリアリルイソシアヌレート、トリシクロデカンジメタノールジアクリレートなどのポリプロピレン鎖延長剤を含み得る。
【0011】
本発明の前記触媒は、光、熱などの作用下でフリーラジカルまたはアニオンおよびカチオンを生成して、硬化および鎖延長を促進することができる。ベンゾフェノン、1-ヒドロキシ-シクロヘキシルフェニル-ケトン、ジフェニルエタノン、1-ヒドロキシシクロヘキシルベンゾフェノン、アゾビスイソブチロニトリル、アゾビスイソヘプタニトリルなどが挙げられ、特に限定されない。
【0012】
前記成形方法は、特に限定されず、押出成形、ホットプレス成形、金型射出成形などであり得る。
【0013】
一実施形態では、本発明の前記二酸化炭素溶液は、二酸化炭素と溶媒を含む。
【0014】
一実施形態では、本発明の溶媒は、特に限定されず、水などのヒドロキシル無機物質を含む。本発明は、溶媒中のヒドロキシル無機物質の質量パーセントを特に限定されない。前記溶媒中のヒドロキシル無機物質の質量パーセントは、0wt%を除いた0~100wt%であり、好ましくは50~100 wt%であり、より好ましくは80~100 wt%である。
【0015】
一実施形態では、本発明の溶媒には、炭酸などの無機酸も含まれる。
【0016】
一実施形態では、本発明の溶媒はまた、アルコール化合物、エステル化合物、ケトン化合物、複素環式化合物、炭化水素化合物、無機塩などを含み得、特に限定されず、例えば、メタノール、メチルエチルケトン、ギ酸エチル、テトラヒドロフラン、ヘキサン、ナトリウムを含み得、特に限定されない。
【0017】
ポリマー、特に高結晶性ポリマーに対して発泡を行うとき、その高結晶性により分子鎖が動きにくく、二酸化炭素がパリソンに浸透して発泡率の高い発泡製品を形成しにくいことである、かつ、発泡材料を得るには、高温高圧の二酸化炭素内で長時間処理する必要があり、コストとエネルギーの浪費を引き起こす場合がある。発明者は、ポリマーを架橋および硬化して二酸化炭素、特に二酸化炭素と水を含有する溶液に浸漬することにより、比較的短時間で発泡率の高い発泡材料を得ることができると発見した。その理由として、ポリマーを二酸化炭素のみで処理する場合と比較して、二酸化炭素を水溶液に溶解した後、特定の二酸化炭素水‐炭素平行溶液が形成され、材料の内部に浸透する二酸化炭素水と炭素も酸を生成・分解し、溶液の浸透をさらに促進し、飽和濃度の高いパリソンを短時間で得ることができるようになったと考えられる。
【0018】
一実施形態では、本発明の一次発泡において、パリソンを溶媒を入れた予備発泡装置に加えて密封し、二酸化炭素を導入し、100~160℃、40~50MPaで2~3h発泡する。
【0019】
一実施形態では、本発明の前記100~160℃、40~50MPaで2~3h発泡する前に、40~60℃、10~15MPaで20~40min発泡する。
【0020】
さらに、発明者は、パリソン内の高い二酸化炭素濃度および反応のために、二酸化炭素核形成口の構造と界面安定性を破壊し、不均一な気泡孔を生成しやすいと発見した。しかし、低温低圧で一定時間発泡させて最初に均一な二酸化炭素核形成口を形成し、次に高温高圧で反応し、温度を上げて二酸化炭素の溶媒中の溶解を減らし、および高圧状態で二酸化炭素の溶解を増加させるという協調作用の下で、二酸化炭素の溶解度を適切に増加すると同時に、高温作用下で分子鎖の活性と自由体積を高めることにより、より多くの二酸化炭素の核形成口を提供し、さらにパリソン中の二酸化炭素の濃度を増加すると同時に、気泡孔の均一性を向上させることができると発見した。
【0021】
一実施形態では、本発明の前記二次発泡の温度は120~130℃である。
【0022】
一実施形態では、本発明の前記二次発泡の時間は1~2hである。
【0023】
発泡率をさらに向上させ、気泡孔の成長を促進するため、発明者は、一次発泡後に二次発泡を行った。この時、発明者は、二次発泡の温度を適切に制御すると、高い発泡率と均一な気泡孔を備えた構造の形成を助長し、表面の光沢度を高めることができると発見した。その原因として、適切な温度状態下で、一次発泡によって得られた気泡孔の構造、およびポリマー鎖間に二酸化炭素と炭酸を含有する水溶液は、熱の作用によって水の揮発と炭酸の分解による吸熱反応が発生したことが考えられる。温度が低い場合は、パリソンの内部温度の伝達、パリソン内部の気泡孔のサイズ、発泡の均一性に影響を与えるが、二次発泡の温度が高すぎる場合、分子鎖自体の動きが多くなり、大きな発泡孔が発生し、加熱・発泡後の冷却時に収縮が発生し、表面の滑らかさや光沢に影響を与える可能性がある。
従来技術と比較して、本発明の有益な効果は次のとおりである。
【0024】
高圧ガスを直接発泡に使用するよりも極性液体体系を使用した発泡は、高い発泡率と均一な気泡孔を備えた構造の形成を加速することができ、結晶性の高いポリマーに対して優れた発泡効果がある。
【0025】
二酸化炭素の導入後の温度と圧力の変化を制御することで、最初に架橋材料の表面に対する二酸化炭素の衝撃と浸透を制御できる。さらに、圧力と温度を上げることにより、極性体系での二酸化炭素の溶解度を向上させ、ポリマー中の二酸化炭素の飽和を加速し、さらに、その後の加熱および発泡工程で高い発泡率と均一な気泡孔を備えた構造の形成を促進することができる。
【0026】
加熱と発泡の温度と時間を制御することにより、気泡孔の形成と膨張を促進し、表面の光沢度を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1図1は実施例1のSEM図である。
図2図2は実施例2のSEM図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
本明細書で使用される「および/または」という用語は、関連する例示項目の1つまたは複数の任意と全部の組み合わせを含む。 「の少なくとも1つ(種)」などの表現は、要素のリストの前後にある場合、要素リスト全体を修飾するが、リストの個別の要素を修飾しない。
【0029】
本明細書で使用される用語は、具体的な実施形態を説明するために使用され、本発明の概念を限定するものではない。単数形「1個(種)(不定冠詞、a、an)」および「前記(該)」には、文脈で明確に指示されていない限り、複数の指示対象が含まれる。以下、本明細書で使用される「含む」、「備える(有する)」および「含まれる」などの用語は、明細書に記載された特徴、数、手順、動作、構成要素(部品)、部分、および/またはその組み合わせの存在を示すことを意図し、1つまたは複数の別の特徴、、数、手順、動作、構成要素(部品)、部分、および/またはその組み合わせを追加する可能性を排除することを意図するものではない。「または」という用語は「および/または」を意味する。「/」という表現は、文脈に応じて「および」と「または」と解釈できることを理解されたい。
【0030】
別段の定義がない限り、本明細書で使用されるすべての用語(技術用語と科学用語を含む)は、この発明概念が属する分野の当業者が一般的に理解されるのと同じ意味を有する。
【0031】
さらに、本書で明示的に定義されていない限り、一般的に使用される辞書で定義されている用語は、本開示内容および関連技術分野での意味と一致し、理想化された、または過度に形式的な意味で解釈しないことを理解されたい。
【実施例
【0032】
【実施例1】
【0033】
本実施例は、二酸化炭素溶液を使用して発泡するプロセスを提供し、パリソンを二酸化炭素溶液に入れて一次発泡を行って取り出し、二次発泡を行い、気泡製品を得るという手順を含む。前記一次発泡は、パリソンを水で満たされた予備発泡装置に入れて密封し、二酸化炭素を導入し、50℃、12MPaで30min発泡した後、140℃、45MPaで2.5h発泡するという手順を含む。前記二次発泡の温度は125℃、時間は1.5hである。前記パリソンは、ポリマー、鎖延長剤、および触媒を混合および成形することによって得られる。前記ポリマー、鎖延長剤、および触媒の重量比は85:4:1.5である。前記ポリマーはHDPEであり、ダウデュポン会社から購入されたDMDA-6200である。 前記鎖延長剤は2,5-ビス(tert-ブチルペルオキシド)-2,5-ジメチルヘキサンであり、前記触媒はアゾビスイソブチロニトリルである。
【実施例2】
【0034】
本実施例は、二酸化炭素溶液を使用して発泡するプロセスを提供し、パリソンを二酸化炭素溶液に入れて一次発泡を行って取り出し、二次発泡を行い、気泡製品を得るという手順を含む。前記一次発泡は、パリソンを水で満たされた予備発泡装置に入れて密封し、二酸化炭素を導入し、60℃、15MPaで20min発泡した後、160℃、50MPaで2h発泡するという手順を含む。前記二次発泡の温度は130℃、時間は1hである。前記パリソンは、ポリマー、鎖延長剤、および触媒を混合および成形することによって得られる。前記ポリマー、鎖延長剤、および触媒の重量比は90:6:2である。前記ポリマーはHDPEであり、プラスチック会社から購入された8010である。前記鎖延長剤はtert-ブチルペルオキシ-2-エチルヘキサノエートであり、前記触媒はアゾビスイソヘプタニトリルである。
【実施例3】
【0035】
本実施例は、二酸化炭素溶液を使用して発泡するプロセスを提供し、パリソンを二酸化炭素溶液に入れて一次発泡を行って取り出し、二次発泡を行い、気泡製品を得るという手順を含む。前記一次発泡は、パリソンを水で満たされた予備発泡装置に入れて密封し、二酸化炭素を導入し、40℃、10MPaで40min発泡した後、130℃、40MPaで3h発泡するという手順を含む。前記二次発泡の温度は120℃、時間は2hである。前記パリソンは、ポリマー、鎖延長剤、および触媒を混合および成形することによって得られる。前記ポリマー、鎖延長剤、および触媒の重量比は80:3:1である。前記ポリマーはHDPEであり、ダウデュポン会社から購入されたDMDA-6200である。 前記鎖延長剤はtert-ブチルペルオキシイソノナノエートであり、前記触媒はアゾビスイソブチロニトリルである。
【実施例4】
【0036】
本実施例は、二酸化炭素溶液を使用して発泡するプロセスを提供し、パリソンを二酸化炭素溶液に入れて一次発泡を行って取り出し、二次発泡を行い、気泡製品を得るという手順を含む。前記一次発泡は、パリソンを水で満たされた予備発泡装置に入れて密封し、二酸化炭素を導入し、140℃、45MPaで3h発泡するという手順を含む。前記二次発泡の温度は125℃、時間は1.5hである。前記パリソンは、ポリマー、鎖延長剤、および触媒を混合および成形することによって得られる。前記ポリマー、鎖延長剤、および触媒の重量比は85:4:1.5である。前記ポリマーはHDPEであり、ダウデュポン会社から購入されたDMDA-6200である。 前記鎖延長剤は2,5-ビス(tert-ブチルペルオキシ)-2,5-ジメチルヘキサンであり、前記触媒はアゾビスイソブチロニトリルである。
【実施例5】
【0037】
本実施例は、二酸化炭素溶液を使用して発泡するプロセスを提供し、パリソンを二酸化炭素溶液に入れて一次発泡を行って取り出し、二次発泡を行い、気泡製品を得るという手順を含む。前記一次発泡は、パリソンを水で満たされた予備発泡装置に入れて密封し、二酸化炭素を導入し、50℃、12MPaで30min発泡した後、140℃、45MPaで2.5h発泡するという手順を含む。前記二次発泡の温度は110℃、時間は1.5hである。前記パリソンは、ポリマー、鎖延長剤、および触媒を混合および成形することによって得られる。前記ポリマー、鎖延長剤、および触媒の重量比は85:4:1.5である。前記ポリマーはHDPEであり、ダウデュポン会社から購入されたDMDA-6200である。前記鎖延長剤は2,5-ビス(tert-ブチルペルオキシ)-2,5-ジメチルヘキサンであり、前記触媒はアゾビスイソブチロニトリルである。
(性能評価)
【0038】
・ 二次発泡率:二次発泡率(体積比)を計算し、結果を表1に示す。
・ 二次発泡の均一性:SEMで気泡孔の均一性を観察し、二次発泡後の表面の光沢状態は目視で確認した。実施例1~2のSEM図は図1~2に示すように、気泡孔が均一であり、その結果を表1に示す。
【表1】
試験結果からわかるように、本発明で提供される発泡プロセスは、高分子材料の発泡に使用することができ、また、高結晶性製品に対しても高い発泡率を有し、得られた製品の表面は滑らかで光沢度が高く、内部気泡孔のサイズは均一である。
本明細書に記載の実施形態は、説明するために使用され、その目的を限定するものではないことを理解されたい。各実施形態内の特徴、利点または態様の説明は、他の実施形態における他の同様の特徴、利点または態様について利用可能であると見なされるものとする。
図1
図2