(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-26
(45)【発行日】2025-01-10
(54)【発明の名称】太陽光発電装置
(51)【国際特許分類】
H02S 20/30 20140101AFI20241227BHJP
【FI】
H02S20/30 D
H02S20/30 Z
(21)【出願番号】P 2022080299
(22)【出願日】2022-05-16
【審査請求日】2023-04-12
(31)【優先権主張番号】P 2021142767
(32)【優先日】2021-09-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】392019857
【氏名又は名称】株式会社アクトリー
(74)【代理人】
【識別番号】100114074
【氏名又は名称】大谷 嘉一
(72)【発明者】
【氏名】水越 裕治
(72)【発明者】
【氏名】澤守 忠
(72)【発明者】
【氏名】今井 美里
(72)【発明者】
【氏名】柴垣 浩明
【審査官】眞壁 隆一
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2012/0313569(US,A1)
【文献】特開2013-199754(JP,A)
【文献】特開2015-212459(JP,A)
【文献】特開2014-145203(JP,A)
【文献】登録実用新案第3194013(JP,U)
【文献】米国特許第06423895(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02S 20/00 - 20/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
折り畳み可能に連結された複数の太陽光パネルと、ヒンジを介して前記太陽光パネルを支持する
横フレームからなる支持フレームに連結したパンタグラフを有し、前記
横フレームは走行輪を介して地面に接地しており、前記パンタグラフの伸縮と前記走行輪の走行で前記複数の太陽光パネルが展開又は折り畳まれる
ものであり、
前記パンタグラフはX字型にクロス連結した一対のクロスリンク部材と、該一対のクロスリンク部材の自由端部と連結した一対の補助リンク部材とを有し、前記横フレームは、前記一対のクロスリンク部材のクロス連結部又は前記一対の補助リンク部材の補助連結部に連結されていることを特徴とする太陽光発電装置。
【請求項2】
前記複数の太陽光パネルの連結は山折り部と谷折り部とを有し、前記谷折り部側が前記
横フレームに連結されており、水平方向の展開状態において、前記太陽光パネルの山折り部の回動中心に対して谷折り部の回動中心が下側に位置していることを特徴とする請求項
1記載の太陽光発電装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の太陽光パネルを折り畳み収納及び展開可能な太陽光発電装置に関する。
【背景技術】
【0002】
太陽光発電装置として、複数の太陽光パネルを折り畳み収納できるものとしては、例えば特許文献1~4等が開示されている。
特許文献1、2は、走行輪を有する架台に蝶番あるいはヒンジにより折り畳み開閉自在に連結する2枚の太陽光パネルが搭載されている。
上記特許文献1,2に開示する太陽光発電装置は、移動可能でコンパクト性に優れるが、太陽光パネルの総受光面を大きく確保することが難しく、必要な電力を得にくい。
一方、特許文献3は、蝶番で連結された複数の太陽光パネルが、ワイヤーロープをレール手段として折り畳み収納・展開可能である。
特許文献4は、ヒンジ機構で連結された複数の太陽光パネルが、チェーン駆動により支柱に支持された枠体上で展開、折り畳み収容される。
上記特許文献3,4に開示する太陽光発電装置は、多くの太陽光パネルを備えることが可能である。
しかし、張った状態のワイヤーロープを維持したり、枠体や支柱を設置したままで収納できず、多くの太陽光パネルを展開しようとすれば枠体が大きくなるなど、装置としてのコンパクト性や利便性に問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2013-191728号公報
【文献】実用新案登録第3169441号公報
【文献】特開2003-318430号公報
【文献】特開平10-125945号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、必要な電力が得やすく、コンパクト性や利便性に優れる太陽光発電装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明に係る太陽光発電装置は、折り畳み可能に連結された複数の太陽光パネルと、前記複数の太陽光パネルを支持して移動可能な複数の支持部材と、前記複数の支持部材の間隔を近接方向及び離間方向に移動可能に連結したパンタグラフを有していることを特徴とする。
ここで、複数の太陽光パネルは、必要とする発電電力に合せて設計することができ、例えば4枚~40枚程度の太陽光パネルであり、この太陽光パネルを互いに直列又は一部並列に電気接続して用いる。
本発明は、複数の太陽光パネルを移動可能な複数の支持部材で支持し、この支持部材に取り付けたパンタグラフを伸縮することで複数の太陽光パネルを折り畳んだり、展開することができる。
これにより、太陽光発電装置を使用しない際に、太陽光パネルを折り畳むことができるだけでなく、装置全体をコンパクトにできる。
【0006】
複数の太陽光パネルを折り畳むと、相互に山状に折り曲がる山折り部と、谷状に折り曲がる谷折り部が形成される。
そこで、本発明は複数の太陽光パネルの両端部側の太陽光パネルの端部を谷折り側に位置させ、前記支持部材は支持フレームと、該支持フレームの下部に走行輪とを有し、前記複数の太陽光パネルの連結は山折り部と谷折り部とを有し、前記谷折り部側が前記支持フレームに連結されているようにしてもよい。
このようにすると、複数の支持フレームは、その下部に設けた走行輪の走行で、隣り合った支持フレームとスムーズに近接できる。
【0007】
パンタグラフはひし形状に連節されたリンク構造をいうが、本発明において、前記パンタグラフはX字型にクロス連結した一対のクロスリンク部材と、該一対のクロスリンク部材の自由端部と連結した一対の補助リンク部材とを有し、前記複数の支持部材は、それぞれ前記一対のクロスリンク部材のクロス連結部又は前記一対の補助リンク部材の補助連結部に連結されているようにしてもよい。
なお、この種のパンタグラフはマジックハンドとも称されている。
ここで、パンタグラフは手動で伸縮させてもよく、またボールねじ機構等の駆動装置にて伸縮させてもよい。
さらには、前記複数の太陽光パネルを折り畳んだ状態で収納できる台座部を有し、前記台座部に前記複数の太陽光パネルのうち、端部側の太陽光パネルを連結してあってもよい。
ここで、端部側の太陽光パネルとは展開方向末尾側のものをいい、台座部に太陽光パネルを収納することで、太陽光発電装置を一体的に移動しやすい。
この際、複数の走行輪、例えば台座部の下部の四隅にそれぞれ走行輪が設けられていることで、収納状態の太陽光発電装置は安定した移動ができる。
【0008】
水平方向の展開状態において、前記太陽光パネルの山折り部の回動中心に対して谷折り部の回動中心が下側に位置していてもよい。
例えば、太陽光パネルの下側に設けた間接部材に下ヒンジを介して支持フレームを連結し、太陽光パネルを水平方向に展開した状態で、山折り時の回動中心となる上ヒンジよりも谷折り時の回動中心となる下ヒンジが所定の寸法だけ下側にオフセットされていてもよい。
これにより、展開状態において太陽光パネルと支持フレームとが上下に所定の間隔を有して間接的に連結された状態となり、この状態から太陽光パネルを収納するために、例えば支持フレームに対して左方向に力を加えると、この支持フレームの上方で間接的に連結した太陽光パネルにはベクトルがやや上向きとなって力が作用するので、複数の太陽光パネルがその山折り部と谷折り部で折り曲がりやすいように力が働き、小さな力で太陽光パネルを折り畳むことができる。
【発明の効果】
【0009】
本発明に係る太陽光発電装置は、複数の太陽光パネルを支持する支持部材同士を近づけて太陽光パネルを折り畳む際に、支持部材の移動をパンタグラフが補助する。
これにより、使用後等に太陽光パネルを折り畳みやすく、従来のようなレール手段を用いて太陽光パネルを折り畳んでいないので、装置自体がコンパクトになる。
また、使用時にはパンタグラフに補助されながら太陽光パネルを展開できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明に係る太陽光発電装置の展開状態例を示し、(a)に正面斜視図を、(b)に背面斜視図を示す。
【
図2】折り畳み状態例を示し、(a)に正面斜視図を、(b)に背面斜視図を示す。
【
図6】実施例5の展開状態例を、(a)に平面斜視図で、(b)に底面斜視図で示す。
【
図7】実施例5の展開状態における支持部材の近傍を、断面拡大図で示す。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明に係る太陽光発電装置の構造例を、以下、図に基づいて説明する。
太陽光発電装置10は、折り畳み可能に連結された複数の太陽光パネル11と、複数の太陽光パネル11を支持して移動可能な複数の支持部材と、複数の支持部材の間隔を近接及び離間方向に移動可能に連結したパンタグラフを備える。
なお、本明細書において、
図1~
図4における左右方向を太陽光パネルの展開・折り畳み方向とし、両端部側を太陽光パネルの展開方向末尾側及び先端側として説明する。
【0012】
実施例1を
図1、2に示す。
図1は太陽光発電装置の展開状態例を、
図2はその折り畳み状態例を示している。
なお、本実施例は、複数の電池セルの集合体である太陽光パネル11を説明の都合上、4枚で説明するが、太陽光パネルの枚数は必要な電力に応じて調整可能である。
太陽光パネル11は、
図1(a)に示すように折り畳む際に山折り側となる上ヒンジ12aと、谷折り側となる下ヒンジ12bを取り付けてある。
上ヒンジ12aは、隣り合う太陽光パネル11、11を直接的に連結してあり、山折り時の回動中心となる。
一方、下ヒンジ12bは、太陽光パネル11と後述する支持部材(支持フレーム21)に連結され、支持部材に取り付けた下ヒンジ12b、12bを介して太陽光パネル11、11が隣り合い、下ヒンジ12bが谷折り時の回動中心となる。
なお、本実施例では折り畳みやすいように、複数の太陽光パネルの両端部側に位置する太陽光パネルの端部が谷折り側となるように下ヒンジ12bに連結してある。
複数の太陽光パネル11は、上ヒンジ12aと下ヒンジ12bが左右方向に交互になるように連結されることで、互いの受光面が対向するように折り畳み可能である。
支持部材は、支持フレーム21とその下部に設けた走行輪25からなる。
本実施例における支持フレーム21は、横フレーム22に立設した縦フレーム23と、横フレーム22と縦フレーム23を連結する角度フレーム24を有し、走行輪25は横フレーム22の下部に設けてある。
横フレーム22に対して角度フレーム24は、例えば30°の角度を有して設けられてあってもよい。
このようにすれば、角度フレーム24に下ヒンジ12bを介して取り付けた太陽光パネル11は、展開時にその受光面を地面に対しておよそ30°に維持しやすく、採光がしやすい。
なお、フレームの形状や素材、走行輪の数とその取付位置に制限はない。
【0013】
パンタグラフは、複数のリンク部材30が相互に連節されている。
リンク部材30の連結構造を、
図1(b)に示した太陽光発電装置10の背面斜視図で説明する。
一対のクロスリンク部材31a、31bが中央部のクロス連結部32にてX字状に回動自在に連結され、それぞれのクロスリンク部材31a、31bの自由端部同士は軸連結されている。
両端部側の一対のクロスリンク部材31a、31bの自由端部は、それぞれ一対の補助リンク部材33a、33bとの端部連結部34a,34bにてリンク連結してあり、この一対の補助リンク部材33a、33b同士は補助連結部35にて軸着してある。
複数のクロスリンク部材31a、31bが連節されているうち、太陽光パネルの連接方向の長さに応じて、太陽光パネルの谷折り部に位置する下ヒンジ12bを取り付けた角度フレーム24とクロス連結部32とが連結されている。
なお、クロス連結部32はクロスリンク部材が回動自在になるように角度フレーム24に取り付けられている。
本実施例では、両端部側の支持部材の角度フレーム24と補助リンク部材33a、33bの補助連結部35にて軸着した例になっているが、クロス連結部32、補助連結部35は支持部材と直接又は間接的に連結されていればよく、角度フレーム24と連結する構造に限定されない。
これにより、パンタグラフは左右方向へ伸縮自在であり、パンタグラフの伸縮により支持部材が左右方向に引っ張られる。
すると、支持部材が有する走行輪25の走行により、支持部材に支持された太陽光パネル11が展開又は折り畳まれることになる。
具体的には、パンタグラフの伸長により支持部材が引き離されるように走行することで、
図1に示すように折り畳まれた複数の太陽光パネル11が展開状態となる。
また、パンタグラフの収縮により支持部材が引き寄せられるように走行することで、
図2に示すように複数の太陽光パネル11が折り畳まれた状態となる。
【0014】
図3に、実施例2の正面図を示す。
本実施例は複数の支持部材のうち、太陽光パネルの展開方向末尾側の支持部材が支持フレーム21aに台座部26と、台座部26の下部に走行輪25aを有する例である。
台座部26は、その上部又は内部に他の支持部材(支持フレーム21、走行輪25)を載置可能なスペースを有し、例えば支持フレーム21aを構成する横フレーム等に固定、あるいは横フレームの代わりに縦フレーム、角度フレームと固定状態であってもよい。
台座部26の先端部に回動自在に設けたスロープ26aは、地面に近接した状態で他の支持部材の搭乗を促し、起立した状態でストッパーとしての役割を果たす。
太陽光発電装置10の使用時には、台座部26の下部側に設けた固定具26bを用いて台座部26の移動を抑制でき、装置の使用後には、台座部26から上方に設けた把持部26cを把持して台座部26上に収納した太陽光パネル11を一体的に移動できる。
【0015】
図4に、実施例3を示す。
本実施例はパンタグラフの伸縮の補助として、ボールねじ機構等の駆動装置を付加した例である。
図4は、実施例1におけるパンタグラフを側面視した状態であり、太陽光パネル11は下ヒンジ12bを介して角度フレーム24、24a、24bに固定されている。
展開方向末尾側の角度フレーム24aには、モータ41で駆動するボールねじ軸42が軸受43、ブラケット44を介して保持されている。
角度フレーム24aからひとつ手前の角度フレーム24bには、ボールねじナット45がブラケット46を介して固定されている。
これにより、ボールねじ軸42の回転によりボールねじナット45が移動し、角度フレーム24a、24bが引き寄せられる方向に引っ張られるとパンタグラフが収縮し、引き離す方向に移動すると、それに伴いパンタグラフが伸長する。
従って、ボールねじ機構により太陽光パネルの折り畳み、展開を自動制御することができる。
なお、ボールねじ機構は小さな出力のものを採用し、手動で折り畳み又は展開するのを補助するのに用いてもよい。
【0016】
図5に、実施例4の側面斜視図を示す。
本実施例は、パンタブラフを構成するリンク部材30をダブルリンク機構にした例であり、また、パンタフラフを角度フレーム24以外に連結した例である。
支持フレームは、2本の縦フレーム23、28を連結する横フレーム22及び下フレーム27と、縦フレーム23と横フレーム22を連結する角度フレーム24を有する。
下フレーム27は横フレーム22の下方に配設され、上側に案内溝27aが設けられている。
本実施例においては、横フレーム22及び/又は下フレーム27にパンタグラフを取り付ける。
なお、太陽光パネルの展開方向末尾側の支持フレームには台座部26を有していてもよく、走行輪25は台座部26又は縦フレーム23,28の下部に設けてあるが、走行輪25が地面を走行できれば支持フレームに設ける位置に特に制限はない。
パンタグラフは、実施例1における一対のクロスリンク部材31a、31bに重ねるようにして、このクロスリンク部材の1.5倍の長さの補強リンク部材36a、36bを設けた。
補強リンク部材36a、36bは、クロスリンク部材31a、31bとともに軸連結されるとともに、延長された補強リンク部材同士が回動自在に連結されていることになる。
また、補強リンク部材36a、36bだけが有する連結部のうち、可動連結部37が下フレーム27に設けた案内溝27aに沿って前後移動自在、具体的には摺動自在に取り付けられている。
案内溝27aには、可動連結部37の前後移動を補助する台形ねじ機構等の駆動装置を設けてあってもよい。
例えば、台形ねじ軸の回転により台形ねじが移動し、台形ねじの先端に設けたスプリング等が可動連結部37を前側から後側(
図5における右側から左側)に押圧することで、パンタグラフの伸長を促進してもよい。
これにより、補強リンク部材36a、36bがクロスリンク部材や補助リンク部材と一体的な動きをする。
このように、パンタグラフを構成するリンク機構をダブルリンク機構にすることで、太陽光パネルの展開や折り畳みがよりしやすくなる。
また、複数の支持部材を例えば一本の紐状部材50で連結し、展開や折り畳み時に紐状部材50を引っ張ることで、展開や折り畳みがしやすくなるように補助してもよい。
紐状部材50は、ウインチ等の巻取り装置で巻取ってもよい。
例えば、紐状部材を引くのにより力が必要な巻取り初期にはウインチで少しずつ巻取り、ギアを切り替えて途中からは大きく巻取ってもよい。
太陽光パネルが展開されると自重によりさらに開くと平面状になり、山折り起点がなくなる恐れがある。
そこで、山折り起点を確保すべく、ヒンジや支持部材に回動や移動制限を設けてもよい。
本発明における太陽光パネルの総受光面の大きさは、必要とする電力に合わせて設定できるが、本発明は5kW程の太陽光発電を確保するのにも有効である。
【0017】
実施例5を、
図6~8に示す。
本実施例は、太陽光パネルを水平方向に展開した状態で下ヒンジの回動中心を上ヒンジの回動中心よりも下側に所定の寸法だけオフセットさせた例である。
図6~
図8において、水平方向となる左右方向を太陽光パネルの展開・折り畳み方向とし、上下方向を展開及び折り畳み方向とおよそ直交する方向として説明する。
例えば
図6(b)に示すように、支持フレームは横フレーム22と、この横フレームの両端側に配設した一対の車輪保持部25bからなり、この車輪保持部の下側に走行輪25を備えている。
図7に示すように、下ヒンジ12bの一方側を支持フレームに取り付け、他方側を太陽光パネル11の端部下側に設けた略L字状の間接部材63に取り付けることで、上ヒンジ12aに対して下ヒンジ12bを、水平方向を基準線として寸法dだけ下側にオフセットさせてある。
これにより、展開状態において、太陽光パネル11と支持フレーム(横フレーム22及び/又は車輪保持部25b)の上下間に間接部材63が配設される。
本実施例は、下ヒンジ12bの一方側を車輪保持部25bの上面に、他方側を略L字形状の間接部材63の側面に取り付けた例であるが、間接部材の形状や素材に特に制限はなく、太陽光パネルの端部と支持フレームとの上下間に所定の間隔を形成できれば、例えば間接部材が太陽光パネルを保持する枠の一部であってもよい。
寸法dは、太陽光パネルの重さや支持フレームの強度等により適宜選択することが好ましい。
間接部材が例えば略長方形状であれば、この間接部材の下面と支持フレームの側面にそれぞれ下ヒンジを取り付けてもよく、太陽光パネルの展開や折り畳みが可能であればヒンジの代わりに弾性部材からなる回動部材を取り付けてあってもよい。
このようにすれば、例えば
図7に示すように、支持フレーム(横フレーム22及び/又は車輪保持部25b)に対して矢印AのようにX軸の負の方向に力を加えると、この支持フレームの上方で間接的に連結した太陽光パネル11の端部には矢印BのようにベクトルがややY軸の正方向になって力が働く。
これにより、本実施例のように地面におよそ水平に展開した複数の太陽光パネルに対して、その山折り部と谷折り部で折り曲がりやすいように力が働き、小さな力で太陽光パネルを折り畳むことができる。
本実施例は、
図6(b)に示すように横フレーム22にパンタグラフを連結し、パンタグラフを構成するリンク部材がクロスリンク部材31aとクロス連結部32にてX字状に回動自在に連結される2つのクロスリンク部材31b、31bを有する例である。
また、補助リンク部材33bに補強部33cを設けて支持フレームとの連結を補強した例であるが、パンタグラフの構造をこれに限定するわけではない。
説明の都合上、太陽光発電装置が4枚の太陽光パネルを有する例としたが、これに限定するわけではなく、展開方向末尾側や先端側の構造が移動やパネルの展開・折り畳みがしやすいように、例えば把持部等を設けたものであってもよい。
本実施例は、さらに太陽光発電装置10が移動しやすいように、隣り合う太陽光パネル11、11を直接連結する上ヒンジ12a側に、補助輪61を備えた補助輪保持部60を取り付けてあり、太陽光パネルの谷折り部側とこの補助輪保持部60とを連結部材62で連結してある。
これにより、
図8に示すように太陽光パネルが折り畳まれた状態においては、補助輪61や連結部材62が隣り合う太陽光パネルの間に収納されて太陽光発電装置全体がコンパクトになるとともに、補助輪が走行輪とともに走行することで太陽光パネルの展開や折り畳みがしやすい。
【符号の説明】
【0018】
10 太陽光発電装置
11 太陽光パネル
21 支持フレーム
25 走行輪
30 リンク部材