(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-26
(45)【発行日】2025-01-10
(54)【発明の名称】射出成型システム及び射出成型方法
(51)【国際特許分類】
B29C 45/20 20060101AFI20241227BHJP
B29C 45/27 20060101ALI20241227BHJP
B29C 45/38 20060101ALI20241227BHJP
【FI】
B29C45/20
B29C45/27
B29C45/38 A
(21)【出願番号】P 2022177336
(22)【出願日】2022-11-04
【審査請求日】2022-11-04
(32)【優先日】2022-07-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】520365090
【氏名又は名称】キング スチール マシネリー カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】チェン、チン-ハオ
(72)【発明者】
【氏名】イェー、リャン-ホイ
【審査官】田村 佳孝
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-355866(JP,A)
【文献】特開2005-319639(JP,A)
【文献】特開2002-370255(JP,A)
【文献】特開2002-292690(JP,A)
【文献】特開昭58-045037(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2008/0089975(US,A1)
【文献】実開平06-081716(JP,U)
【文献】特開昭63-281811(JP,A)
【文献】国際公開第2008/152872(WO,A1)
【文献】特開2001-334552(JP,A)
【文献】特開2003-236886(JP,A)
【文献】米国特許第05518393(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B29C 45/20
B29C 45/27
B29C 45/38
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
射出成型システムであって、
成型装置と、
注入装置と、を含み、
前記成型装置が金型キャビティを画定し、かつ前記金型キャビティに連通される注入口部を含み、前記注入口部が端部表面を有する端部を含み、前記注入口部の前記端部表面が、相互に非共平面である第1表面、第2表面および第3表面を有し、前記第1表面が前記第2表面と前記第3表面とを接続し、前記金型キャビティが、第1の深さを有する第1部分と、第2の深さを有する第2部分を含み、前記第1の深さが前記第2の深さより小さく、前記注入口部が前記第2部分より前記第1部分に近く、
前記注入装置が、吐出チャネルを含み、前記吐出チャネルが端部表面を有する端部を含み、前記吐出チャネルの前記端部表面が、相互に非共平面である第1表面、第2表面および第3表面を有し、前記第1表面が前記第2表面と前記第3表面とを接続し、
前記吐出チャネルの前記端部表面の前記第1表面が前記注入口部の前記端部表面の前記第1表面に全体的に接触し、前記吐出チャネルの前記端部表面の前記第2表面が前記注入口部の前記端部表面の前記第2表面に全体的に接触し、
前記吐出チャネルの前記端部表面の前記第3表面が、前記注入口部の前記端部表面の前記第3表面と垂直に交差し、
断面図において、前記吐出チャネルの前記端部表面の前記第1表面の長さが前記注入口部の前記端部表面の前記第1表面の長さと等しく、前記吐出チャネルの前記端部表面の前記第2表面の幅が前記注入口部の前記端部表面の前記第2表面の幅と等しい、
ことを特徴とする、射出成型システム。
【請求項2】
前記成型装置がさらに、前記注入口部から延伸され、かつ前記金型キャビティに連通された第1通路を画定し、前記注入装置がさらに、収容空間を画定し、前記吐出チャネルが前記収容空間に連通される第2通路を画定し、前記射出成型システムがさらに、前記成型装置の前記第1通路の開口と前記注入装置の前記第2通路の開口の位置を合わせるためのセルフアライメント機構を含み、
前記第1通路が一定の幅を有し、前記第2通路が一定の幅を有し、前記第1通路の幅は前記第2通路の幅に等しい、ことを特徴とする、請求項
1に記載の射出成型システム。
【請求項3】
前記セルフアライメント機構が、前記成型装置の凹部と、前記吐出チャネルの前記端部を含み、前記凹部が、前記成型装置の表面から凹陥され、かつ前記第1通路に連通され、前記吐出チャネルの前記端部の形状が、前記凹部の形状と一致する、ことを特徴とする、請求項
2に記載の射出成型システム。
【請求項4】
前記成型装置が、前記金型キャビティに連通される連接点をさらに画定し、前記連接点が前記金型キャビティに対する流体または気体の出入りを可能にするように構成され、
前記成型装置が、前記金型キャビティ内の圧力を検出するように構成された感圧ユニットをさらに含む、ことを特徴とする、請求項
2に記載の射出成型システム。
【請求項5】
前記吐出チャネルの前記端部表面の前記第1表面が、前記吐出チャネルの前記端部表面の前記第2表面と90度より大きい第1の角度で交差し、前記注入口部の前記端部表面の前記第1表面が、前記注入口部の前記端部表面の前記第2表面と90度より大きい第2の角度で交差し、前記第1の角度が、前記第2の角度と等しい、ことを特徴とする、請求項1に記載の射出成型システム。
【請求項6】
前記注入口部の前記端部が、前記成型装置の上面から凹陥した凹部を画定し、前記凹部の最大幅が、前記吐出チャネルの最大幅と等しい、ことを特徴とする、請求項1に記載の射出成型システム。
【請求項7】
前記成型装置が、前記金型キャビティに連通される追加注入口部をさらに含み、前記追加注入口部が端部表面を有する端部を含み、前記注入装置が、追加吐出チャネルをさらに含み、前記追加吐出チャネルが端部表面を有する端部を含み、前記追加吐出チャネルの前記端部の前記端部表面が前記追加注入口部の前記端部の前記端部表面と係合し、前記追加吐出チャネルの前記端部の構造が前記吐出チャネルの前記端部の構造と異なり、前記追加注入口部の前記端部の構造が前記注入口部の前記端部の構造と異なる、ことを特徴とする、請求項1に記載の射出成型システム。
【請求項8】
射出成型方法であって、
金型キャビティを画定し、前記金型キャビティに連通される注入口部を含み、前記注入口部が端部表面を有する端部を含み、前記注入口部の前記端部表面が、第1表面と、当該第1表面と非共平面である第2表面とを有する成型装置を提供する工程と、
吐出チャネルを含み、前記吐出チャネルが端部表面を有する端部を含み、前記吐出チャネルの前記端部表面が、第1表面と、当該第1表面と非共平面である第2表面とを有
し、前記金型キャビティが、第1の深さを有する第1部分と、第2の深さを有する第2部分を含み、前記第1の深さが前記第2の深さより小さく、前記注入口部が前記第2部分より前記第1部分に近い注入装置を提供する工程と、
前記注入口部の
前記端部と前記吐出チャネルの
前記端部を係合し、そのうち、前記吐出チャネルにより画定される第2通路の開口と、前記注入口部により画定される第1通路の開口をセルフアライメントにより位置合わせし、前記吐出チャネルの前記端部表面の前記第1表面を前記注入口部の前記端部表面の前記第1表面に全体的に接触させ、前記吐出チャネルの前記端部表面の前記第2表面を前記注入口部の前記端部表面の前記第2表面に全体的に接触させる工程であって、断面図において、前記吐出チャネルの前記端部表面の前記第1表面の長さが前記注入口部の前記端部表面の前記第1表面の長さと等しく、前記吐出チャネルの前記端部表面の前記第2表面の幅が前記注入口部の前記端部表面の前記第2表面の幅と等しい工程と、
前記金型キャビティに圧力を提供する工程と、
前記注入装置を通じて前記金型キャビティに混合物を注入する工程と、
を含むことを特徴とする、射出成型方法。
【請求項9】
前記吐出チャネルの前記端部表面が、前記吐出チャネルの前記端部表面の前記第1表面を接続する第3表面をさらに有し、前記注入口部の前記端部表面が、前記注入口部の前記端部表面の前記第1表面を接続する第3表面をさらに有し、前記吐出チャネルの前記端部表面の前記第3表面が、前記注入口部の前記端部表面の前記第3表面と垂直に交差する、ことを特徴とする、請求項
8に記載の射出成型方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、2022年7月15日に提出された米国非仮特許出願第17/812,722号の優先権を主張し、当該出願は、完全に引用されているかのように、本明細書に参考として組み込まれる。
【0002】
本発明は射出成型システム及び射出成型方法に関し、特に、ポリマー成形品を製造するための射出成型システム及び射出成型方法に関する。
【背景技術】
【0003】
高分子材料には、高い強度、軽さ、耐衝撃性、断熱性など、多くの利点がある。ポリマー成形品は射出成型または押出成型で製造することができる。例えば、高分子材料を溶解し、発泡剤と混合して混合物を形成した後、この混合物に力または圧力を加え、混合物を金型のキャビティ内に射出または押し出し、キャビティ内で発泡及び冷却させて、成形品を形成することができる。
【0004】
一般に、ポリマー成形品の外観および物理的性質は、形成工程により直接影響を受けるため、金型の設計においては、混合物をキャビティ内で均一かつ迅速に分布させることができるように、混合物の流動性を考慮する必要がある。金型を用いて成型されたポリマー成形品には、多くの利点と用途があるが、その欠点に起因する限界と制限は未だに解消されていない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、射出成型システム及び方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一実施態様によれば、射出成型システムが開示される。射出成型システムは、成型装置と、注入装置を含む。成型装置は、金型キャビティを画定し、かつ金型キャビティに連通される注入口部を含む。注入装置は、吐出チャネルを含む。注入口部の端部と吐出チャネルの端部は、それぞれ非平面状の端部表面を有し、相互に係合可能である。
【0007】
本発明の一実施態様によれば、射出成型システムが開示される。射出成型システムは、成型装置と、注入装置と、セルフアライメント機構を含む。成型装置は、金型キャビティと、金型キャビティに連通された第1通路を画定する。注入装置は、収容空間と、収容空間に連通される第2通路を画定する。セルフアライメント機構は、成型装置の第1通路の開口と、注入装置の第2通路の開口の位置を合わせるために用いられる。
【0008】
本発明の一実施態様によれば、射出成型方法が開示される。射出成型方法は、金型キャビティを画定し、かつ金型キャビティに連通された注入口部を含む成型装置を提供する工程と、吐出チャネルを含む注入装置を提供する工程と、注入口部の端部と吐出チャネルの端部を係合し、そのうち、吐出チャネルにより画定される第2通路の開口と、注入口部により画定される第1通路の開口をセルフアライメントにより位置合わせさせる工程と、を含む。
【0009】
本発明の態様は添付の図面と以下の詳細な説明からより理解されるであろう。業界における標準的慣行に従い、多様な特徴が正確な縮尺率ではないことに注意すべきである。実際、多様な特徴の寸法は、説明を明確にするために、任意に増減されていることがある。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明の一実施態様による射出成型システムの概略上面図である。
【
図2】
図1のI-I線に沿った注入装置の概略断面図である。
【
図3】
図1のII-II線に沿った成型装置の概略断面図である。
【
図4】
図1の射出成型システムの概略上面図であり、注入装置が成型装置に対応する位置へ水平移動することを示す図である。
【
図5】
図4のIII-III線に沿った注入装置と成型装置の概略断面図である。
【
図5A】射出成型システムの概略断面図であり、注入装置が成型装置に対応する位置へ水平移動することを示す図である。
【
図6】射出成型システムの概略断面図であり、注入装置が下方向へ移動し、成型装置に接触することを示す図である。
【
図6A】本発明の一実施態様による射出成型システムの概略断面図である。
【
図7】本発明の一実施態様による射出成型システムの概略上面図である。
【
図8】
図7のIV-IV線に沿った注入装置の概略断面図である。
【
図9】
図7のV-V線に沿った成型装置の概略断面図である。
【
図10】
図7の射出成型システムの概略上面図であり、注入装置が成型装置に対応する位置へ水平移動することを示す図である。
【
図11】
図10のVI-VI線に沿った注入装置と成型装置の概略断面図である。
【
図12】
図10の射出成型システムの概略断面図であり、注入装置が下方向へ移動し、成型装置に接触することを示す図である。
【
図13】本発明の一実施態様による射出成型システムの概略断面図である。
【
図14】
図13の射出成型システムの概略断面図であり、注入装置が下方向へ移動し、成型装置に接触することを示す図である。
【
図15】本発明の一実施態様による射出成型システムの概略断面図である。
【
図16】
図15の射出成型システムの概略断面図であり、注入装置が下方向へ移動し、成型装置に接触することを示す図である。
【
図17】本発明の一実施態様による射出成型システムの概略断面図である。
【
図18】
図17の射出成型システムの概略断面図であり、注入装置が下方向へ移動し、成型装置に接触することを示す図である。
【
図19】本発明の一実施態様による射出成型システムの概略断面図である。
【
図20】
図19の射出成型システムの概略断面図であり、注入装置が下方向へ移動し、成型装置に接触することを示す図である。
【
図21】本発明の一実施態様による射出成型システムの概略断面図である。
【
図22】
図21の射出成型システムの概略断面図であり、注入装置が下方向へ移動し、成型装置に接触することを示す図である。
【
図23】本発明の一実施態様による射出成型システムの概略上面図である。
【
図24】
図23のVII-VII線に沿った成型装置の概略断面図である。
【
図25】
図24の成型装置における混合物の流動を示す概略断面図である。
【
図26】
図24の成型装置の金型キャビティに対する混合物の充填を示す概略断面図である。
【
図27】本発明の一部の実施態様による射出成型方法を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下で、本発明の異なる特徴を示すために異なる実施形態または実施例を開示する。本発明を簡易に示すために、部材と配置の具体例を以下で示す。当然、それらは例示的であり、限定する意図はない。例えば、以下の説明で、第2の要素上における第1の要素の形成には、第1の要素と第2の要素が直接接触した実施形態を含んだり、第1の要素と第2の要素間に別の要素が含まれ、第1の要素と第2の要素が必ずしも直接接触していない実施形態を含んだりすることがあり得る。さらに、本発明は異なる実施例で参照符号(数字及び(または)文字)を繰り返し使用することがある。この繰り返しは簡易性と明確性を目的としており、それ自体が論じられている異なる実施例及び(または)構成間の関係を決定付けることはない。
【0012】
また、「の真下(beneath)」、「の下(below)」、「の下方(lower)」、「の上(above)」、「の上方(upper)」空間的相対語(spatiallyrelativeterm)は、図面に示されるような1つの要素または特徴と他の要素または特徴との間の関係を説明するための記述を容易にするために、本明細書で使用されることがある。空間的相対語は、図面に描写された向きの他に使用または操作における装置の様々な向きを含むことを意図する。装置は異なる方向に向けられて(90度回転されている、または他の向きになっている)もよく、本明細書で使用される空間的相対記述子はそれに応じて解釈されるべきである。
【0013】
本発明の広範囲で示す数値的範囲及びパラメータは近似値であるが、具体例に記載の数値は可能な限り正確に報告する。但し、いずれの数値もそれらの各試験測定値において見られる標準偏差から必然的に生じる特定の誤差を本質的に包含する。本明細書で使用される「約」という用語は、通常与えられた値または範囲の10%、5%、1%または0.5%以内を指す。または、「約」という用語は、当業者により検討されたとき許容可能な標本平均の標準誤差内を指す。運用例/実施例を除き、またはその他明示的に記載がない限り、ここに開示されている材料の数量、時間の長さ、温度、動作条件、量の割合などについてのすべての数値的範囲、数量、値、割合は、すべての場合において「約」という用語によって修正されると理解されるべきである。したがって、特にそうではないことが示されない限り、本発明及び添付の特許請求の範囲に記述されている数値パラメータは、所望に応じて変動し得る。最後に、各数値的パラメータは、報告された有効な数字の数を考慮し、また通常の概算方法を適用することによって解釈されるべきである。本明細書において範囲は1つの終点からもう1つの終点まで、または2つの終点の間として表される。本明細書に開示されるすべての範囲は、別途そうではない旨の記載がない限り、終点を含む。
【0014】
図1は、本発明の一実施態様による射出成型システム1の概略上面図である。射出成型システム1は、少なくとも1つのレール12と、少なくとも1つの成型ステーション13、14と、少なくとも1つの成型装置3、3’と、注入装置2と、押出システム29と、を含んでもよい。
【0015】
押出システム29と注入装置2は、レール12上に配置されてもよく、レール12上で、またはレール12に沿って、成型装置3、3’に向かって移動または摺動することができる。押出システム29は注入装置2上に配置されてもよく、したがって、注入装置2は、押出システム29と共に移動または摺動してもよい。しかしながら、一部の実施態様において、押出システム29は注入装置2またはレール12の脇に配置されてもよく、注入装置2のみがレール12上で、またはレール12に沿って、移動または摺動してもよい。押出システム29は、高分子材料と発泡剤の混合物を生成するように構成され、混合物を注入装置2内に吐出するように構成されてもよい。押出システム29は、注入装置2に連結される、または連通可能であってもよい。一部の実施態様において、混合物は高分子重合体と発泡剤を含んでもよい。一部の実施態様において、発泡剤は、加熱工程中に気体を放出し、それによりこの工程後に得られる発泡ポリマー成形品に気孔を形成する、物理添加剤または化学添加剤であってもよい。一部の実施態様において、発泡剤は物理発泡剤であってもよい。一部の実施態様において、発泡剤は超臨界流体(SCF)であってもよい。
【0016】
注入装置2は、本体部21と、伸長部23と、少なくとも1つの吐出チャネル27を含んでもよい。少なくとも1つの成型ステーション13、14は、レール12の脇に配置されてもよい。少なくとも1つの成型装置3、3’は、少なくとも1つの成型ステーション13、14上に配置されてもよい。成型ステーション13、14の数と成型装置3、3’の数は、必要に応じて調整されてもよい。一部の実施態様において、射出成型システム1は、複数の成型ステーション13、14と、複数の成型装置3、3’を含んでもよい。各成型装置3、3’は、各成型ステーション13、14上に配置されてもよい。したがって、成型装置3、3’は、レール12に沿って並んで配置されてもよい。
【0017】
図2は、
図1のI-I線に沿った注入装置2の概略断面図である。注入装置2は、本体部21と、伸長部23と、少なくとも1つの吐出チャネル27を含んでもよい。本体部21は、側壁22により収容空間20を画定してもよい。伸長部23は、本体部21から延伸されてもよい。あるいは、伸長部23は、本体部21に接続されてもよい。伸長部23は、収容空間20に連通された接続路231を画定してもよい。吐出チャネル27は、伸長部23から延伸されてもよい。あるいは、吐出チャネル27は、伸長部23に接続されてもよい。吐出チャネル27は、接続路231と収容空間20に連通された第2通路26を画定してもよい。したがって、吐出チャネル27は、伸長部23の分岐であってもよく、第2通路26は、本体部21の収容空間20に連通されていてもよい。
【0018】
吐出チャネル27は、本体部24と、端部25を含んでもよい。一部の実施態様において、本体部24と端部25は、一体型構造物または一体構造として一体的に形成されてもよい。本体部24は、外側面241を有する。端部25は、外側面251と、端部表面254を有してもよい。端部25の外側面251は、本体部24の外側面241と実質的に共平面であってもよい。端部25の端部表面254は、第1表面252と、第2表面253を含んでもよい。第1表面252は、第2表面253と共平面でなくてもよい。第1表面252は、第2表面253と90度より大きい角度で交差していてもよい。したがって、端部25の端部表面254は、非平面状の面であってもよい。吐出チャネル27の端部25は、非平面状の端部表面254を有してもよい。端部25の端部表面254全体は、平坦な表面でなくてもよい。さらに、第1表面252は、外側面251と共平面でなくてもよい。第1表面252は、外側面251と第2表面253を接続する傾斜面であってもよい。したがって、端部25は、第2表面253に向かって先細りになってもよい。一部の実施態様において、第2表面253の延長線は、外側面251の延長線に対して垂直であってもよい。
【0019】
図2に示すように、第2通路26は、本体部24と端部25を貫通して延伸され、第2表面253に開口264を有していてもよい。開口264は、吐出ポートであってもよい。一部の実施態様において、押出システム29内の混合物は、収容空間20から接続路231を介して吐出チャネル27の第2通路26に注入されてもよい。一部の実施態様において、1つの吐出チャネル27が1つの伸長部23に対応してもよい。一部の実施態様において、1つの伸長部23が複数の吐出チャネル27に対応してもよい。一部の実施態様において、複数の吐出チャネル27は、伸長部23に連結される、または連通可能であってもよい。一部の実施態様において、各吐出チャネル27は、伸長部23に取り付けられてもよい。吐出チャネル27の数量は、混合物の性質に基づいて調整することができる。
【0020】
吐出チャネル27は相互に平行に延伸され、相互に隣接して配置されてもよい。一部の実施態様において、各吐出チャネル27は、収容空間20から射出される異なる分量の混合物を収容してもよい。吐出チャネル27は、成型装置3に同じまたは異なる分量の混合物を吐出することができる。一部の実施態様において、各吐出チャネル27は異なる温度下で運用することができる。一部の実施態様において、吐出チャネル27は、異なる幅または直径を有することができ、そのため混合物の異なる流量を有することができる。一部の実施態様において、吐出チャネル27の端部25は、異なる分量の混合物を射出してもよい。
【0021】
図1に示すように、成型装置3、3’の数量は、必要に応じて調整することができる。一部の実施態様において、複数の成型装置3、3’が、1つの注入装置2に対応してもよい。混合物は、押出システム29から、注入装置2の吐出チャネル27を介して、1つの成型装置3、3’に流入させることができる。
図1は明確性と簡易性を目的として、2つの成型装置3、3’のみを示しているが、この例は例示を目的としたのみであり、実施態様を限定することを意図していない。当業者であれば任意の適した数量の成型装置3、3’を利用でき、それらすべての組み合わせが実施態様の範囲内に含まれることが意図されていることを容易に理解できるであろう。さらに、成型装置3、3’は、類似の特徴を有するものとして示されているが、これは例示を目的としており、実施態様を限定することを意図しておらず、成型装置3、3’は、所望の機能を満たすために類似の構造または異なる構造を有することができる。
【0022】
図3は、
図1のII-II線に沿った成型装置3の概略断面図である。成型装置3は、上面33を有してもよく、かつ上型31と、上型31に相対する下型32を含んでもよい。成型装置3(上型31と下型32を含む)は、金型キャビティ30と、金型キャビティ30に連通された第1通路36を画定してもよい。
図3は明確性と簡易性を目的として、1つの金型キャビティ30を含む1つの成型装置3を示しているが、この例は例示を目的としたのみであり、実施態様を限定することを意図していない。当業者であれば、1つの成型装置3が複数の金型キャビティ30を含むことができることを容易に理解できるであろう。
【0023】
一部の実施態様において、金型キャビティ30は上型31と下型32により定義される。一部の実施態様において、上型31と下型32は相補的に構成され、かつ相互に分離可能である。一部の実施態様において、下型32は、金型キャビティ30を画定してもよく、上型31は一定の厚さを有し、下型32と金型キャビティ30を覆ってもよい。しかしながら、別の実施態様において、下型32は下型キャビティを画定してもよく、上型31は下型キャビティに相対する上型キャビティを画定してもよい。金型キャビティ30は、上型キャビティと下型キャビティにより形成されてもよい。
【0024】
成型装置3の上型31は、注入口部37を含んでもよい。一部の実施態様において、上型31と注入口部37は、一体型構造物または一体構造として一体的に形成されてもよい。第1通路36は、注入口部37から延伸されてもよい。したがって、注入口部37は、金型キャビティ30に連通されていてもよい。注入口部37は、端部35を含んでもよい。端部35は、成型装置3の上面33から凹陥した凹部34を画定してもよい。注入口部37の端部35は、端部表面354を有してもよい。端部35の端部表面354は、第1表面352と、第2表面353を含んでもよい。第1表面352は、第2表面353と共平面でなくてもよい。第1表面352は、第2表面353と90度より大きい角度で交差していてもよい。したがって、端部35の端部表面354は、非平面状の面であってもよい。注入口部37の端部35は、非平面状の端部表面354を有してもよい。端部35の端部表面354全体は、平坦な表面でなくてもよい。注入口部37の端部35の端部表面354全体は、成型装置3の上面33と非共平面であってもよい。一部の実施態様において、注入口部37の端部35の端部表面354(第1表面352と第2表面353を含む)は、成型装置3の上面33から凹陥され、凹部34を画定する。
【0025】
さらに、第1表面352は、成型装置3の上面33と第2表面353を接続する傾斜面であってもよい。したがって、凹部34は、成型装置3の上面33から離れる方向に先細になっていてもよい。一部の実施態様において、第1通路36は、凹部34に連通されていてもよく、凹部34は、第1通路36に向かって先細になっていてもよい。第1通路36は、第2表面353に開口364を有してもよい。開口364は、注入ポートまたは供給ポートであってもよい。
図3は、明確性と簡易性を目的として、1つの成型装置3に3つの注入口部37が含まれているものを示しているが、この例は例示を目的としたのみであり、実施態様を限定することを意図していない。当業者であれば、1つの成型装置3が、1つの金型キャビティ30に連通可能な1つ以上の注入口部37を含んでもよいことを容易に理解できるであろう。
【0026】
図4は、
図1の射出成型システムの概略上面図であり、そのうち、注入装置2は、成型装置3に対応する位置へ水平に移動する。
図5は、
図4のIII-III線に沿った注入装置2と成型装置3の概略断面図である。
図5に示すように、吐出チャネル27は、成型装置3の注入口部37上方に配置されてもよい。一部の実施態様において、吐出チャネル27の第2通路26または開口264は、成型装置3の注入口部37の第1通路36または開口364と位置合わせされてもよい。吐出チャネル27の第2通路26の中心軸は、成型装置3の注入口部37の第1通路36の中心軸と位置合わせされてもよい。
【0027】
吐出チャネル27の端部25は、成型装置3の注入口部37の端部35に結合するように構成されてもよい。一部の実施態様において、吐出チャネル27の端部25と、成型装置3の注入口部37の端部35は、相互に係合可能であってもよい。例えば、成型装置3の注入口部37の端部35の端部表面354と、吐出チャネル27の端部25の端部表面254は、相補的に構成されてもよい。つまり、吐出チャネル27の端部25の輪郭が、成型装置3の注入口部37の凹部34の輪郭と一致してもよい。
【0028】
図5Aは、射出成型システム1の概略断面図であり、そのうち、注入装置2は成型装置3に対応する位置へ水平に移動する。
図5Aに示すように、吐出チャネル27は、成型装置3の注入口部37の上方に配置されてもよい。一部の実施態様において、吐出チャネル27の第2通路26または開口264は、成型装置3の注入口部37の第1通路36または開口364と位置がややずれていてもよい。吐出チャネル27の第2通路26の中心軸と、成型装置3の注入口部37の第1通路36の中心軸との間には、若干のずれがあってもよい。
【0029】
図6は、射出成型システム1の概略断面図であり、そのうち、注入装置2は下方向へ移動して、成型装置3に接触する。
図6に示すように、
図5または
図5Aの注入装置2は、下方向へ移動し、成型装置3に接触してもよい。成型装置3の注入口部37の端部35の端部表面354と、吐出チャネル27の端部25の端部表面254は、相補的に構成されてもよいため、成型装置3の注入口部37の端部35と吐出チャネル27の端部25は相互に係合されてもよい。一部の実施態様において、吐出チャネル27は、成型装置3の注入口部37に受け入れられてもよい。したがって、吐出チャネル27の端部25は、成型装置3の凹部34内に配置されるように構成されてもよい。吐出チャネル27の端部25は、成型装置3の凹部34を埋めてもよい。したがって、吐出チャネル27の端部25は、成型装置3の注入口部37の端部35によって少なくとも部分的に囲まれてもよい。吐出チャネル27の端部25は、成型装置3の注入口部37の端部35にそれぞれ結合されてもよい。混合物は、吐出チャネル27から成型装置3の金型キャビティ30内に輸送されてもよい。一部の実施態様において、混合物は金型キャビティ30に射出され、その後金型キャビティ30内で一定時間後発泡ポリマー成形品が形成される。
【0030】
成型装置3の第1通路36または開口364は、連接点15で、注入装置2の第2通路26または開口264に連通可能であってもよい。連接点15は、成型装置3の上面33と水平でなくてもよい。一部の実施態様において、連接点15の高さは、成型装置3の上面33の高さより低くてもよい。
【0031】
成型装置3の注入口部37の端部35の端部表面354は、インターフェイスにおいて、吐出チャネル27の端部25の端部表面254に接触してもよい。例えば、インターフェイスは、成型装置3の注入口部37の端部35の端部表面354または吐出チャネル27の端部25の端部表面254であってもよい。インターフェイスは、成型装置3の上面33と非共平面であってもよい。一部の実施態様において、インターフェイスは、成型装置3の上面33から凹陥していてもよい。
【0032】
一部の実施態様において、成型装置3はさらに、金型キャビティ30に連通される連接点(図示せず)を画定してもよい。連接点は、金型キャビティ30に対する流体または気体の出入りを可能にするように構成されてもよい。気体源(図示せず)の気体管路(図示せず)が連接点に結合されてもよい。一部の実施態様において、気体源は流体または気体を供給するように構成されてもよく、必要に応じて適した流体または気体を供給することができる。例えば、流体または気体は、空気、不活性ガスなどとすることができるが、本発明はこれらに限らない。連接点の位置、形状、数量は特に限定されず、必要に応じて調整することができる。一部の実施態様において、連接点は穴である。一部の実施態様において、連接点が内部側壁または下型32の内部底壁に配置され、かつ下型32を貫通する。一部の実施態様において、連接点は気体を供給及び放出するように構成される。
【0033】
成型装置3はさらに、金型キャビティ30内の圧力を検出するように構成された感圧ユニット(図示せず)を含んでもよい。一部の実施態様において、発泡ポリマーの性質はポリマーにおける気孔の大きさと分布により影響を受け、そのうち、気孔の大きさと分布は温度、圧力、供給速度に関連している。感圧ユニットは特定の種類に限定されず、圧力を検知することができ、かつ金型キャビティ30内の圧力を検知した後、圧力に関する情報を提供できればよい。気体が金型キャビティ30に出入りするとき、金型キャビティ30内の圧力を調整し、得られる発泡ポリマー成形品が所望する所定の形状と性質を有することができるようにする必要がある。
【0034】
本発明において、金型キャビティ30に混合物が注入される前に、金型キャビティ30内には、気体源により供給される圧力(例えば、1気圧以上)が存在する。そのため、注入装置2と成型装置3間の漏れ止めが重要な課題となる。
図1から
図6に示す実施態様において、成型装置3の注入口部37の端部35の端部表面354と、吐出チャネル27の端部25の端部表面254は、相補的に構成されてもよいため、成型装置3の注入口部37の端部35と吐出チャネル27の端部25は相互に緊密に係合されてもよい。それにより、注入装置2と成型装置3間に優れた漏れ止めを形成することができる。したがって、空気漏れや望ましくない圧力低下を改善することができる。
【0035】
さらに、
図5Aに示すように、吐出チャネル27の第2通路26または開口264は、成型装置3の注入口部37の第1通路36または開口364と位置がややずれていてもよい。
図1から
図6に示す実施態様において、成型装置3の注入口部37の端部35の第1表面352と、吐出チャネル27の端部25の第1表面252の設計により、吐出チャネル27は注入装置2の下降移動中に所望の位置へ導かれ、これをセルフアライメント効果とすることができる。すなわち、射出成型システム1は、成型装置3の第1通路36の開口364と、注入装置2の第2通路26の開口264とを位置合わせするためのセルフアライメント機構を含んでもよい。セルフアライメント機構は、成型装置3の凹部34と、吐出チャネル27の端部25を含んでもよい。その結果、成型装置3の第1通路36または開口364は、
図6に示すように、注入装置2の第2通路26または開口264と位置合わせされてもよい。つまり、成型装置3の注入口部37の端部35の第1表面352と、吐出チャネル27の端部25の第1表面252のマッチングにより、注入装置2と成型装置3間の位置公差を是正することができる。したがって、混合物が漏れることなく吐出チャネル27の第2通路26から成型装置3の第1通路36に円滑に注入される。
【0036】
図6Aは、本発明の一実施態様による射出成型システム1’の概略断面図である。
図6Aの射出成型システム1’は、
図6の射出成型システム1と類似していてもよいが、射出成型システム1’の吐出チャネルが異なる構造を有し、射出成型システム1’の注入口部が異なる構造を有してもよい。
図6Aに示すように、少なくとも1つの吐出チャネル(例:吐出チャネル27’)は、吐出チャネル27と異なっていてもよい。注入装置2’の吐出チャネル27’は、本体部24’と、端部25’を含んでもよい。注入装置2’の吐出チャネル27’の端部25’は、外側面241及び(または)外側面251に垂直な平坦な端部表面256を有していてもよい。さらに、成型装置3’の少なくとも1つの注入口部(例:注入口部37’)は、注入口部37とは異なっていてもよい。成型装置3’の注入口部37’は、端部35’を含んでもよい。成型装置3’の注入口部37’の端部35’は、成型装置3’の上面33と共平面の平坦な端部表面356を有してもよい。成型装置3’の注入口部37の端部35’が、注入装置2’の吐出チャネル27の端部25と係合されているとき、吐出チャネル27’の端部25’の平坦な端部表面256が、注入口部37’の端部35’の平坦な端部表面356に緊密に接触し、吐出チャネル27’の第2通路26または開口264と、成型装置3’の注入口部37’の第1通路36または開口364が位置合わせされてもよい。
【0037】
図7は、本発明の一実施態様による射出成型システム1aの概略上面図である。射出成型システム1aは、少なくとも1つのレール12と、少なくとも1つの成型ステーション13、14と、少なくとも1つの成型装置3a、3a’と、注入装置2aと、押出システム29を含んでもよい。
図7のレール12と、成型ステーション13、14と、押出システム29は、
図1のレール12と、成型ステーション13、14と、押出システム29とそれぞれ同じであってもよい。
図7の成型装置3aは、
図1の成型装置3と類似していてもよいが、注入口部37aの構造が異なる。
図7の注入装置2aは、
図1の注入装置2と類似していてもよいが、吐出チャネル27aの構造が異なる。
【0038】
図8は、
図7のIV-IV線に沿った注入装置2aの概略断面図である。注入装置2aは、本体部21と、伸長部23と、少なくとも1つの吐出チャネル27aを含んでもよい。
図8の本体部21と伸長部23は、
図2の本体部21と伸長部23とそれぞれ類似していてもよい。吐出チャネル27aは、本体部24と、端部25aを含んでもよい。一部の実施態様において、本体部24と端部25aは、異なる要素であってもよい。つまり、端部25aは、本体部24に取り外し可能に取り付けられていてもよい。あるいは、端部25aは、本体部24に配置されてもよい。一部の実施態様において、端部25aは、吐出口または射出ノズルであってもよい。
図8の端部25aの構造及び輪郭は、
図2の端部25の構造及び輪郭と同じまたは類似していてもよい。端部25aの端部表面254は、第1表面252と、第2表面253を含んでもよい。第1表面252は、第2表面253と共平面でなくてもよい。したがって、端部25aの端部表面254は、非平面状の面であってもよい。第2通路26は、本体部24と端部25aを貫通して延伸され、第2表面253に開口264を有していてもよい。
【0039】
図9は、
図7のV-V線に沿った成型装置3aの概略断面図である。成型装置3aは、上面33を有してもよく、かつ上型31と、上型31に相対する下型32を含んでもよい。成型装置3a(上型31と下型32を含む)は、金型キャビティ30と、金型キャビティ30に連通された第1通路36を画定してもよい。成型装置3aはさらに、上型31の貫通孔313に埋め込まれ、または配置される注入口部37aをさらに含んでもよい。したがって、上型31と注入口部37aは、異なる要素であってもよい。注入口部37aは、スプルーブッシュであってもよく、上型31から着脱可能であってもよい。第1通路36は、注入口部37aから延伸されてもよい。注入口部37aは、端部35aを含んでもよい。端部35aは、成型装置3aの上面33から凹陥した凹部34を画定してもよい。注入口部37aの端部35aは、端部表面354を有してもよい。端部35aの端部表面354は、第1表面352と、第2表面353を含んでもよい。第1表面352は、第2表面353と共平面でなくてもよい。したがって、端部35aの端部表面354は、非平面状の面であってもよい。
【0040】
注入口部37aの端部35aの端部表面354全体は、成型装置3aの上面33と非共平面であってもよい。一部の実施態様において、第1通路36は、凹部34に連通されていてもよく、凹部34は、第1通路36に向かって先細になっていてもよい。第1通路36は、第2表面353に開口364を有してもよい。
【0041】
図10は、
図7の射出成型システム1aの概略上面図であり、注入装置2aが成型装置3aに対応する位置へ水平移動することを示す。
図11は、
図10のVI-VI線に沿った注入装置2aと成型装置3aの概略断面図である。
図11に示すように、吐出チャネル27aは、成型装置3aの注入口部37aの上方に配置されてもよい。一部の実施態様において、吐出チャネル27aの第2通路26または開口264は、成型装置3aの注入口部37aの第1通路36または開口364と位置合わせされてもよい。吐出チャネル27aの第2通路26の中心軸は、成型装置3aの注入口部37aの第1通路36の中心軸と位置合わせされてもよい。一部の実施態様において、吐出チャネル27aの端部25aと、成型装置3aの注入口部37aの端部35aは、相互に係合可能であってもよい。例えば、成型装置3aの注入口部37aの端部35aの端部表面354と、吐出チャネル27aの端部25aの端部表面254は、相補的に構成されてもよい。つまり、吐出チャネル27aの端部25aの輪郭が、成型装置3aの注入口部37aの凹部34の輪郭と一致してもよい。
【0042】
図12は、
図10の射出成型システム1aの概略断面図であり、注入装置2aが下方向へ移動し、成型装置3aに接触することを示す。
図12に示すように、成型装置3aの注入口部37aの端部35aと、吐出チャネル27aの端部25aは、相互に係合されてもよい。
【0043】
図13は、本発明の一実施態様による射出成型システム1bの概略断面図である。
図14は、
図13の射出成型システム1bの概略断面図であり、注入装置2bが下方向へ移動し、成型装置3bに接触することを示す。
図13の射出成型システム1bは、
図11の射出成型システム1aと類似していてもよいが、注入装置2bの吐出チャネル27bの端部25bと、成型装置3bの注入口部37bの端部35bの構造が異なる。
図13に示すように、注入装置2bの吐出チャネル27bの端部25bの端部表面254bは、曲面を含んでもよい。例えば、吐出チャネル27bの端部25bの端部表面254bは、凸面を含んでもよい。さらに、成型装置3bの注入口部37bの端部35bの端部表面354b(または凹部34b)は、曲面を含んでもよい。例えば、成型装置3bの注入口部37bの端部35bの端部表面354bは、凹面を含んでもよい。
図14に示すように、成型装置3bの注入口部37bの端部35b(または凹部34b)の凹面を含む端部表面354bは、吐出チャネル27bの端部25bの凸面を含む端部表面254bと一致していてもよい。したがって、成型装置3bの注入口部37bの端部35bは、吐出チャネル27bの端部25bと係合されてもよい。
【0044】
図15は、本発明の一実施態様による射出成型システム1cの概略断面図である。
図16は、
図15の射出成型システム1cの概略断面図であり、注入装置2cが下方向へ移動し、成型装置3cに接触することを示す。
図15の射出成型システム1cは、
図11の射出成型システム1aと類似していてもよいが、注入装置2cの吐出チャネル27cの端部25cと、成型装置3cの注入口部37cの端部35cの構造が異なる。
図15に示すように、注入装置2cの吐出チャネル27cの端部25cは、凹部28を画定し、端部表面254cを有してもよい。端部25cの端部表面254cは、第1表面252と、第2表面253と、第3表面255を含んでもよい。第3表面255は、吐出チャネル27cの端部25cの底面であってもよい。凹部28は、第3表面255から凹陥され、かつ第1表面252と第2表面253により画定されてもよい。凹部28は、第2通路26に連通されていてもよい。第1表面252、第2表面253、第3表面255は、相互に共平面でなくてもよい。第1表面252は、第2表面253と90度より大きい角度で交差していてもよい。したがって、端部25cの端部表面254cは、非平面状の面であってもよい。吐出チャネル27cの端部25cは、非平面状の端部表面254cを有してもよい。端部25cの端部表面254c全体は、平坦な表面でなくてもよい。
【0045】
成型装置3cの注入口部37cの端部35cは、成型装置3cの上面33から突出した突起部38を含んでもよい。突起部38は、端部表面354cを有してもよい。端部35cの突起部38の端部表面354cは、第1表面352と、第2表面353を含んでもよい。第1表面352、第2表面353、上面33は、相互に共平面でなくてもよい。第1表面352は、第2表面353と90度より大きい角度で交差していてもよい。したがって、注入口部37cの端部35cの端部表面354cは、非平面状の表面であってもよく、成型装置3cの上面33から突出していてもよい。さらに、第1通路36は、成型装置3cの突起部38を貫通して延伸されてもよく、成型装置3cの突起部38の輪郭が、吐出チャネル27cの凹部28の輪郭と一致していてもよい。一部の実施態様において、成型装置3cの第1通路36または開口364は、連接点15において、注入装置2cの第2通路26または開口264に連通可能であってもよい。
図16に示すように、連接点15の高さは、成型装置3cの上面33の高さより高くてもよい。さらに、射出成型システム1cのセルフアライメント機構は、吐出チャネル27cの凹部28と、成型装置3cの突起部38を含んでもよい。
【0046】
図17は、本発明の一実施態様による射出成型システム1dの概略断面図である。
図18は、
図17の射出成型システム1dの概略断面図であり、注入装置2dが下方向へ移動し、成型装置3dに接触することを示す。
図17の射出成型システム1dは、
図15の射出成型システム1cと類似していてもよいが、注入装置2dの吐出チャネル27dの端部25dと、成型装置3dの注入口部37dの端部35dの構造が異なる。
図17に示すように、注入装置2dの吐出チャネル27dの端部25dの端部表面254d(または凹部28)は、曲面を含んでもよい。例えば、吐出チャネル27dの端部25dの端部表面254dは、凹面を含んでもよい。さらに、成型装置3dの注入口部37dの端部35dの端部表面354d(または突出部38)は、曲面を含んでもよい。例えば、成型装置3dの注入口部37dの端部35dの端部表面354dは、凸面を含んでもよい。
図18に示すように、成型装置3dの注入口部37dの端部35dの凸面を含む端部表面354dは、吐出チャネル27dの端部25dの凹面を含む端部表面254dと一致していてもよい。したがって、成型装置3dの注入口部37dの端部35dは、吐出チャネル27dbの端部25dと係合されてもよい。
【0047】
図19は、本発明の一実施態様による射出成型システム1eの概略断面図である。
図20は、
図19の射出成型システム1eの概略断面図であり、注入装置2eが下方向へ移動し、成型装置3eに接触することを示す。
図19の射出成型システム1eは、
図15の射出成型システム1cと類似していてもよいが、注入装置2eの吐出チャネル27eの端部25eと、成型装置3eの注入口部37eの端部35eの構造が異なる。
図19に示すように、注入装置2eの吐出チャネル27eの端部25eは、凹部28eを画定し、端部表面254eを有してもよい。凹部28eは、第3表面255から凹陥され、かつ第1表面252により画定されてもよい。したがって、端部25eの端部表面254eは、第1表面252と第3表面255を含んでもよい。凹部28eは、第2通路26に連通されなくてもよい。凹部28eは、位置決め孔または環状溝であってもよい。
【0048】
成型装置3eの注入口部37eの端部35eは、成型装置3eの上面33から突出した突起部38eを含んでもよい。突起部38eは、端部表面354eを有してもよい。端部35eの突起部38eの端部表面354eは、第1表面352と、第2表面353を含んでもよい。第1通路36は、成型装置3eの突起部38eを貫通して延伸されなくてもよい。突起部38eは、位置決めピンまたは環状壁であってもよい。成型装置3eの突起部38eの輪郭は、吐出チャネル27eの凹部28eの輪郭と一致していてもよい。
【0049】
図21は、本発明の一実施態様による射出成型システム1fの概略断面図である。
図22は、
図21の射出成型システム1fの概略断面図であり、注入装置2fが下方向へ移動し、成型装置3fに接触することを示す。
図21の射出成型システム1fは、
図15の射出成型システム1cと類似していてもよいが、注入装置2fの吐出チャネル27fの端部25fと、成型装置3fの注入口部37fの端部35fの構造が異なる。
図21に示すように、注入装置2fの吐出チャネル27fの端部25fは、平坦でない端部表面254fを有してもよい。端部表面254f上には突起部と凹部があってもよい。さらに、成型装置3fの注入口部37fの端部35fは、平坦でない端部表面354fを有してもよい。端部表面354f上には突起部と凹部があってもよい。成型装置3fの注入口部37fの端部35fの平坦でない端部表面354fの輪郭は、注入装置2fの吐出チャネル27fの端部25fの平坦でない端部表面254fの輪郭と一致していてもよい。したがって、端部35fの平坦でない端部表面354fが、端部25fの平坦でない端部表面254fに接触または係合されてもよい。
【0050】
図23は、本発明の一実施態様による射出成型システム1gの概略上面図である。
図24は、
図23のVII-VII線に沿った成型装置3gの概略断面図である。
図23の射出成型システム1gは、
図10の射出成型システム1aと類似していてもよいが成型装置3g、3g’の構造が異なる。
図24の成型装置3gは、
図11の成型装置3aと類似していてもよいが、上型31gと下型32gにより画定される金型キャビティ30gの寸法が異なる。
図24に示すように、金型キャビティ30gは、第1部分301と第2部分302を含んでもよい。第1部分301は、第1の深さD
1を有し、第2部分302は、第2の深さD
2を有し、第1の深さD
1は第2の深さD
2より小さくてもよい。例えば、金型キャビティ30gの深さは、左側から右側に向かって大きくなってもよい。注入口部37aは、第2部分302よりも、第1部分301に近くてもよい。つまり、注入口部37aは、金型キャビティ30gの相対的に小さい深さに対応する位置に配置されてもよい。あるいは、注入口部37aは、最大深さを有する金型キャビティ30gの部分よりも、最小深さを有する金型キャビティ30gの部分に近い位置に配置されてもよい。
【0051】
図25は、
図24の成型装置3gにおける混合物60の流動を示す概略断面図である。
図26は、
図24の成型装置3gの金型キャビティ30gに対する混合物60の充填を示す概略断面図である。
図24に示すように、混合物60は、吐出チャネル27aと注入口部37aを介して金型キャビティ30gの第1部分301に進入してもよい。その後、混合物60は、
図25に示すように、金型キャビティ30gの第2部分302に向かって流動してもよい。その後、混合物60は、金型キャビティ30gに充填されてもよい。混合物60が狭い部分(例:第1部分301)から広い部分(例:第2部分302)へと流動するため、抵抗が少なく、円滑に流動させることができる。したがって、得られる発泡ポリマー成形品は、所望する所定の形状と性質といった品質がより良好となる。
【0052】
図27は、本発明の一部の実施態様による射出成型方法を示すフローチャートである。
図27に示すように、射出成型方法50は、次の工程を含んでもよい。
【0053】
一部の実施態様において、成型方法50は、金型キャビティを画定し、金型キャビティに連通される注入口部を含む成型装置を提供する工程S51を含んでもよい。例えば、
図3に示すように、成型装置3が提供される。成型装置3は、上型31と、上型31に相対する下型32を含んでもよい。成型装置3(上型31と下型32を含む)は、金型キャビティ30と、金型キャビティ30に連通される第1通路36を画定してもよい。成型装置3の上型31は、注入口部37を含んでもよい。注入口部37は、端部35を含んでもよい。第1通路36は、注入口部37から延伸されてもよい。したがって、注入口部37は、金型キャビティ30に連通されていてもよい。第1通路36は、注入口部37の端部35の端部表面354に開口364を有してもよい。
【0054】
一部の実施態様において、成型方法50は、吐出チャネルを含む注入装置を提供する工程S52を含んでもよい。例えば、
図2に示すように、注入装置2が提供される。注入装置2は、本体部21と、伸長部23と、少なくとも1つの吐出チャネル27を含んでもよい。本体部21は、側壁22により収容空間20を画定してもよい。伸長部23は、本体部21から延伸されてもよい。伸長部23は、収容空間20に連通される接続路231を画定してもよい。吐出チャネル27は、伸長部23から延伸されてもよい。吐出チャネル27は、接続路231と収容空間20に連通される第2通路26を画定してもよい。吐出チャネル27は、本体部24と、端部25を含んでもよい。端部25は、端部表面254を有していてもよい。第2通路26は、本体部24と端部25を貫通して延伸され、端部25の端部表面254に開口264を有していてもよい。
【0055】
一部の実施態様において、成型方法50は、注入口部の端部と吐出チャネルの端部を係合し、そのうち、吐出チャネルにより画定される第2通路の開口と、注入口部により画定される第1通路の開口をセルフアライメントにより位置合わせさせる工程S53を含んでもよい。例えば、
図5と
図6に示すように、成型装置3の注入口部37の端部35の端部表面354と、吐出チャネル27の端部25の端部表面254は、相補的に構成されてもよいため、成型装置3の注入口部37の端部35と吐出チャネル27の端部25は相互に係合されてもよい。一部の実施態様において、第2通路26または吐出チャネル27の第2通路26の開口264と、第1通路36または成型装置3の注入口部37の第1通路36の開口364をセルフアライメントにより位置合わせさせてもよい。
【0056】
前述の説明は当業者が本発明の態様をより理解できるようにいくつかの実施態様の特徴を概説したものである。当業者は本発明を基礎として使用し、ここで説明した実施態様と同じ目的を実行する、及び(または)同じ利点を達成するために、他のプロセス及び構造の設計または変更を行うことができるであろう。また、当業者はそのような同等の構造が本発明の要旨と範囲を逸脱しておらず、また本発明の要旨と範囲から逸脱することなく、本発明の種々の変更、置換、および改変が可能であることを理解すべきであろう。
【0057】
さらに、本発明の範囲は、プロセス、機械、製造、物質の組成、手段、方法、および本明細書に記載のステップの特定の実施態様に限定されるものではない。当業者であれば本発明の開示から容易に理解するように、プロセス、機械、製造、物質の組成、手段、方法、またはステップは、現在既存のまたは後に開発される、実質的に同じ機能を果たすか、本発明に従って利用することができるような本明細書に記載の対応する実施態様のように、実質的に同じ結果を達成する。したがって、添付の特許請求の範囲は、その範囲内にそのようなプロセス、機械、製造、物質の組成、手段、方法、及びステップを含むことを意図している。
【符号の説明】
【0058】
1、1’、1a、1b、1c、1d、1e、1f、1g 射出成型システム
12 レール
13、14 成型ステーション
15 連接点
2、2’、2a、2b、2c、2d、2e、2f、2g 注入装置
20 収容空間
21 本体部
22 側壁
23 伸長部
231 接続路
24、24’ 本体部
241 外側面
25、25’、25a、25b、25c、25d、25e、25f 端部
251 外側面
252 第1表面
253 第2表面
254、254b、254c、254d、254e、254f 端部表面
255 第3表面
256 端部表面
26 第2通路
264 開口
27、27’、27a、27b、27c、27d、27e、27f 吐出チャネル
28、28e 凹部
29 押出システム
3、3’、3a、3b、3c、3d、3e、3f、3g、3g’ 成型装置
30、30g 金型キャビティ
301 第1部分
302 第2部分
31、31g 上型
32、32g 下型
33 上面
34 凹部
35、35’、35a、35b、35c、35d、35e、35f 端部
352 第1表面
353 第2表面
354、354b、354c、354d、354e、354f 端部表面
36 第1通路
364 開口
37、37’、37a、37b、37c、37d、37e、37f 注入口部
38、38e 突起部
50 成型方法
60 混合物
D1 第1の深さ
D2 第2の深さ