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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-26
(45)【発行日】2025-01-10
(54)【発明の名称】床ブラシ構造
(51)【国際特許分類】
   A47L 9/04 20060101AFI20241227BHJP
【FI】
A47L9/04 A
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2024038429
(22)【出願日】2024-03-12
【審査請求日】2024-03-12
(31)【優先権主張番号】202310979806.9
(32)【優先日】2023-08-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】520073139
【氏名又は名称】蘇州栄▲玄▼電器有限公司
【氏名又は名称原語表記】Suzhou Rongxuan Electric Co. Ltd
【住所又は居所原語表記】Building 7, No. 288, Taishan Road, New District Suzhou, China
(74)【代理人】
【識別番号】100230086
【弁理士】
【氏名又は名称】譚 粟元
(72)【発明者】
【氏名】▲ケイ▼ 天博
(72)【発明者】
【氏名】▲ケイ▼ 俊東
【審査官】村山 達也
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-228990(JP,A)
【文献】特開2004-261539(JP,A)
【文献】特開2023-033703(JP,A)
【文献】特開2021-090487(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47L 9/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
床ブラシ構造であって、
収容空間が形成されるとともに前記収容空間と連通するノズル口が形成されたノズル口形成壁を有するハウジングと、
回転可能に前記ハウジングの前記収容空間に設置されたローラと、互いに隣接するとともに螺旋形状となるように前記ローラの外面に設置された硬毛及び軟毛層と、を含み前記硬毛の高さが前記軟毛の高さよりも低く、前記硬毛と前記軟毛との高さの差の範囲が0.2mm~5mmである回転ブラシと、
前記硬毛層及び前記軟毛層の両方の内部に入り込む歯先を有し、前記回転ブラシと対向するように前記ハウジングの前記ノズル口形成壁固定された櫛歯であって、回転ブラシが回転するとき、前記回転ブラシに絡みつく毛髪を梳か櫛歯と、を含むことを特徴とする床ブラシ構造。
【請求項2】
前記櫛歯の歯先は、前記ローラの軸方向に沿って複数配列されており、隣接する2つの歯先の間隔の範囲が2mm~6mmであことを特徴とする請求項1に記載の床ブラシ構造。
【請求項3】
前記ローラの表面には、複数の第1溝が形成され
前記第1溝は、2つの溝を1組とした組み合わせ溝であり、
そのうちの一方の溝内に前記硬毛層が取り付けられ、他方の溝内に前記軟毛層が取り付けられることを特徴とする請求項に記載の床ブラシ構造。
【請求項4】
前記組み合わせ溝の2つの溝の間隔の範囲は1mm~15mmであることを特徴とする請求項に記載の床ブラシ構造。
【請求項5】
前記ローラの表面に複数の第2溝が形成され
1つの前記第2溝内には、前記硬毛層及び前記軟毛層の両方が取り付けられることを特徴とする請求項に記載の床ブラシ構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、掃除装置の技術分野に関し、具体的には、床ブラシ構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の硬毛糸回転ブラシは、使用時に、大量の毛髪が回転ブラシに絡みつき、硬い繊維毛の質感も硬く、一旦髪毛が回転ブラシに絡みつくと掃除が困難である。一方、従来の軟毛糸回転ブラシは、硬毛糸回転ブラシに比べて毛髪の絡みつきの問題がそれほど目立たないが、カーペットを掃除する場合、軟毛糸がカーペットの毛に挿入できないため、硬毛糸に比べてカーペットに対する掃除効果が理想的ではなく、このため、従来の床ブラシは、毛髪の絡み付きの解消と掃除効果の確保を両立させることができず、床ブラシの効率化を実現することができない。
【0003】
なお、上記の背景技術の説明は、本発明の技術的解決手段を明確且つ完全に説明するのを容易にし、当業者の理解を容易にするために述べられている。これらの解決手段が本発明の背景技術の部分で説明されているだけで、上記の技術的解決手段が当業者に周知であると考えられない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記の欠陥を解消するために、本発明の目的は、軟毛糸、硬毛糸及び櫛歯の構造と取付パラメータとの高精度なマッチングにより、床ブラシの効率化を実現することによって、上記の技術的課題を効果的に解決する床ブラシ構造を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
以上の目的を達成するために、本発明に使用される技術的解決手段は以下の通りである。
床ブラシ構造であって、
ハウジングと、
ローラ、硬毛糸及び軟毛糸を含み、
前記ローラは前記ハウジング内に回転可能に設置され、前記硬毛糸は、前記ローラの外面に複数本設置され、前記軟毛糸は、前記ローラの外面に複数本設置され、前記硬毛糸の高さが前記軟毛糸の高さよりも低く、前記硬毛糸と前記軟毛糸との高さの差の範囲が0.2mm~5mmである回転ブラシと、
前記ハウジング内に設置され、前記回転ブラシに対応して設置され、回転ブラシが回転すると、その歯先部位が前記硬毛糸及び前記軟毛糸の内部に挿入されて、前記回転ブラシに絡みつく毛髪を梳かし、その頭部にある歯先の硬毛糸及び軟毛糸への挿入深さの範囲が0.1mm~5mmである櫛歯と、を含む。
【0006】
本発明の有益な効果は以下の通りである。ローラに軟毛糸及び硬毛糸を取り付けることにより、床上の毛髪を掃除するときに、軟毛糸の高さが硬毛糸よりも高いため、毛髪を軟毛糸で掃除することができ、毛髪と硬毛糸との直接接触を減少させ、同時に、櫛歯との協働により回転ブラシに絡みつく毛髪を梳かし、それにより、毛髪の絡みつきによる床ブラシの掃除が困難になるという技術的課題を解決し、ローラの硬毛糸がカーペットを掃除する際にカーペットの毛内に挿入されて掃除を行うことができ、床ブラシの機能に影響を及ぼすことはない。同時に、取付過程で、軟毛糸と硬毛糸との高さの差や櫛歯の軟毛糸及び硬毛糸への挿入深さといったパラメータと取付構造とを高精度でマッチングさせることにより、床ブラシの作動時の効果を最適にすることができる。
【0007】
取付パラメータの決定は具体的には、以下の通りである。
【0008】
1)硬毛糸と軟毛糸との高さの差を0.2mm~5mm(0.2mmと5mmを含む)の範囲に制御する。硬毛糸と軟毛糸との高さがこの範囲内であると、カーペットの掃除に使用する場合、硬毛糸がカーペットの毛内に沈んで、カーペットの隙間からほこりを簡単に取り出し、掃除機で拾い上げることができ、回転ブラシによるカーペットの掃除効果に影響を与えない。床の掃除に使用する場合、軟毛糸の高さが硬毛糸よりも高いので、軟毛糸が床に接触して床を掃除し、床上の毛髪は最初に軟毛糸に接触し、それにより、毛髪が硬毛糸に直接接触して回転ブラシに絡みついて除去されにくくなることを回避する。また、床を掃除するとき、硬毛糸が床に直接接触して、床の光沢を損なうことも回避できる。硬毛糸と軟毛糸との高さの差が0.2mm未満の場合、硬毛糸と軟毛糸はほぼ同じ高さであるため、毛ブラシが床を掃除するときに硬毛糸が毛髪に直接接触して、毛髪が回転ブラシに絡みつく可能性が高くなり、また、硬毛糸が床に接触して床を傷つける。硬毛糸と軟毛糸との高さの差が5mmを超えると、硬毛糸と軟毛糸との高さの差が大きすぎ、毛ブラシがカーペットを掃除するときに硬毛糸がカーペットの毛に沈むことができず、カーペットに対する掃除効果に影響を与える。
【0009】
2)取付時に、櫛歯の頭部にある歯先の硬毛糸及び軟毛糸への挿入深さが0.1mm~5mmの範囲内であることを確保する必要がある。これは、歯先の毛糸への挿入深さがこの範囲内で制御される場合にのみ、櫛歯の歯先は、回転ブラシの回転に影響を与えないだけでなく、回転ブラシに絡みつく毛髪を効果的に梳かすのを効果的に実現でき、挿入深さが0.1mm未満である場合、櫛歯の歯先は回転ブラシに絡み付く毛髪を効果的に取り除くことができず、挿入深さが5mmを超える場合、櫛歯の先端は深く挿入されすぎて、回転ブラシの正常な回転に影響を与えるためである。
【0010】
さらに、前記櫛歯の歯先は、前記ローラの軸方向に沿って複数配列されており、隣接する2つの歯先の間隔の範囲が2mm~6mmであり、櫛歯の頭部にある歯先の角度の範囲が8°~105°である。櫛歯の頭部にある歯先の角度が8°~105°の範囲内である場合にのみ、櫛歯の歯先が毛糸内に挿入されて絡み付いた毛髪を梳かすことができ、櫛歯の歯先の角度が8°未満であれば、歯先の部位の強度が低すぎて破断しやすく、また製造時の成形も困難であり、櫛歯の歯先の角度が105°よりも大きければ、櫛歯の歯先の間隔が大きすぎて、絡み付いた毛髪を効果的に取り除くことができない。
【0011】
さらに、複数本の硬毛糸は、1枚の基材の表面に配列されて硬毛ストリップを構成し、複数本の軟毛糸は、1枚の基材の表面に配列されて軟毛ストリップを構成し、前記硬毛ストリップ及び前記軟毛ストリップは共に複数あり、前記ローラの表面には、1つの硬毛ストリップと1つの軟毛ストリップを1組として複数組の硬毛ストリップと軟毛ストリップが設置されている。ローラに硬毛糸及び軟毛糸を取り付ける際には、まず、すべての硬毛糸を1枚の基材に編んで完全な硬毛ストリップを構成し、次に、すべての軟毛糸を基材に編んで完全な軟毛ストリップを構成し、その後、硬毛ストリップと軟毛ストリップとを2つずつ組み合わせてローラに配置してもよい。
【0012】
さらに、前記ローラの表面には、複数の第1溝が開けられ、前記第1溝は、2つの溝を1組とした組み合わせ溝であり、そのうちの一方の溝内に1つの硬毛ストリップが取り付けられ、他方の溝内に1つの軟毛ストリップが取り付けられる。ローラに硬毛糸及び軟毛糸を取り付ける際には、まず、すべての硬毛糸を1枚の基材に編んで完全な硬毛ストリップを構成し、次に、すべの軟毛糸を1枚の基材に編んで完全な軟毛ストリップを構成し、その後、硬毛ストリップ及び軟毛ストリップを2つずつ組み合わせてローラに取り付ける。硬毛ストリップ及び軟毛ストリップを2つずつ組み合わせてローラに取り付ける際に、ローラにV字形、「入」字形や螺旋状などの溝が開けられてもよく、硬毛ストリップ及び軟毛ストリップは、斜め挿入、垂直挿入などの方式で溝内に挿入して取付を完了することができ、同時に、硬毛ストリップ及び軟毛ストリップは、溝を利用せずに接着剤でローラに直接貼り付けられてもよい。
【0013】
さらに、前記組み合わせ溝の2つの溝の間隔の範囲は1mm~15mmである。硬毛ストリップと軟毛ストリップを2つずつ組み合わせて使用する場合、2つの溝の間隔は15mmを超えてはならず、15mmを超えると、回転ブラシを使用するときに、硬毛ストリップと軟毛ストリップは協働できなくなり、このため、硬毛ストリップ及び軟毛ストリップを取り付けるための溝の間隔の範囲を1mm~15mmに設定する。
【0014】
さらに、複数本の軟毛糸を複数本の硬毛糸とともに1枚の基材の表面に配置して軟・硬毛ストリップを構成し、前記軟・硬毛ストリップは、前記ローラの表面に複数本設置される。軟毛糸及び硬毛糸を1枚の基材に組み合わせて完全な軟・硬毛ストリップを編成し、その後、軟・硬毛ストリップを回転ブラシに取り付ける。
【0015】
さらに、複数の前記硬毛糸は基材に配列されて硬毛層を構成し、複数本の前記軟毛糸は基材の表面に配列されて軟毛層を構成し、前記硬毛層及び前記軟毛層は並べて設置される。軟・硬毛ストリップにおいて、すべての硬毛糸は配列されて硬毛層を構成し、すべての軟毛層は配列されて軟毛層を構成し、軟毛層及び硬毛層は、並べるように配列される。
【0016】
さらに、前記硬毛層と前記軟毛層との間隔の範囲は0mm~15mmである。硬毛層及び軟毛層が並べて毛ブラシ層として基材の表面に設置されるときに、硬毛層と軟毛層との間に間隔が存在しても、存在しなくてもよいが、両方の間隔は15mmを超えてはいけなく、15mmを超えると、回転ブラシを使用するときに、毛ストリップの硬毛糸及び軟毛糸は協働できなくなる。
【0017】
さらに、前記ローラの表面に複数の第2溝が開けられており、1つの前記第2溝内に1つの前記軟・硬毛ストリップが取り付けられる。軟・硬毛ストリップをローラに取り付ける際には、ローラにV字形、「入」字形や螺旋状などの溝が開けられてもよく、硬毛ストリップ及び軟毛ストリップは、斜め挿入、垂直挿入などの方式で溝内に挿入して配置してもよく、また、硬毛ストリップ及び軟毛ストリップは、溝を利用せずに接着剤でローラに直接貼り付けられてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明の床ブラシ全体の構造模式図である。
図2】本発明の櫛歯の構造模式図である。
図3】本発明の硬毛糸及び軟毛糸の模式図である。
図4】本発明の実施例1のローラにおける軟・硬毛糸の構造模式図である。
図5】本発明の実施例2のローラにおける軟・硬毛糸の構造模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
実施例1
以下は図面を参照して本発明の好適な実施例を詳細に説明し、それにより本発明の利点及び特徴は当業者に理解されやすく、それにより本発明の保護範囲をより明確に定義する。
図1~5を参照する。なお、本発明の説明において、説明すべきこととして、「中心」、「上」、「下」、「左」、「右」、「垂直」、「水平」、「内」、「外」などの方位又は位置関係を指示する用語は図面に示された方位又は位置関係に基づくものであり、又は該発明の製品を使用する時によく取り付けられた方位又は位置関係であり、本発明を説明し及び説明を簡略化するためだけであり、指している装置又は素子は特定の方位を有し、特定の方位で構造及び操作しなければならないことを指示又は示唆しなく、したがって本発明を限定するものとして理解できない。また、用語「第1」、「第2」、「第3」等は説明を区別するために用いられるだけであり、相対的な重要性を指示又は示唆すると理解することができない。「水平」、「垂直」、「懸垂」等の用語は、部品の絶対的な水平、懸垂を意味するものではなく、多少傾いていてもよい。[水平]とは、単に「垂直」よりもより水平であることを意味し、必ずしも完全に水平である必要はなく、多少傾いていてもよいことを意味するものではない。
【0020】
本発明の説明において、なお、特に明確な規定及び限定がない限り、用語「設置」、「取り付け」、「互いに連結」、「接続」は広義に理解すべきであり、例えば、固定接続であってもよく、着脱可能な接続であってもよく、又は一体的に接続されてもよく、機械的接続であってもよく、電気的接続であってもよく、直接接続であってもよく、中間媒体を介して間接的に接続されてもよく、2つの素子内部の連通であってもよい。当業者であれば、具体的な状況に応じて上記用語の本発明における具体的な意味を理解することができる。
【0021】
本実施例は、床ブラシ構造を提供し、図1~2に示すように、前記床ブラシ構造は、ハウジング1を含み、回転ブラシ2をさらに含み、前記回転ブラシ2は、ローラ2.1、硬毛糸2.2、及び軟毛糸2.3を含み、前記ローラ2.1は、前記ハウジング1内に回転可能に設置され、前記硬毛糸2.2は、前記ローラ2.1の外面に1周して複数本配設され、前記軟毛糸2.3は、前記ローラ2.1の外面の周りに複数本配設され、前記硬毛糸2.2の高さが前記軟毛糸2.3の高さよりも低く、
【0022】
前記床ブラシ構造は櫛歯3をさらに含み、前記ハウジング1内に設置され、前記回転ブラシ2に対応して設置され、回転ブラシ2が回転すると、前記櫛歯3の歯先の部位が前記硬毛糸2.2及び前記軟毛糸2.3の内部に挿入されて前記回転ブラシ2に絡みつく毛髪を梳かすことができる。
【0023】
上記の実施例では、前記硬毛糸2.2と前記軟毛糸2.3との高さの差の範囲は0.2mm~5mmである。硬毛糸2.2と軟毛糸2.3との高さの差は0.2mm~5mmの範囲(0.2mmと5mmを含む)に制御する必要がある。
【0024】
硬毛糸2.2と軟毛糸2.3との高さがこの範囲内である場合、カーペットの掃除に使用する場合、硬毛糸2.2がカーペットの毛内に沈んで、カーペットの隙間からほこりを簡単に取り出し、掃除機で拾い上げることができ、回転ブラシ2によるカーペットの掃除効果に影響を与えない。床の掃除に使用する場合、軟毛糸2.3の高さが硬毛糸2.2よりも高いので、軟毛糸2.3が床に接触して床を掃除し、床上の毛髪は最初に軟毛糸2.3に接触し、毛髪が硬毛糸2.2に直接接触して回転ブラシ2に絡みついて除去されにくくなることを回避する。また、床を掃除するとき、硬毛糸2.2が床に直接接触して、床の光沢を損なうことも回避できる。硬毛糸2.2と軟毛糸2.3との高さの差が0.2mm未満の場合、硬毛糸2.2と軟毛糸2.3はほぼ同じ高さであるため、毛ブラシが床を掃除するときに硬毛糸2.2が毛髪に直接接触して、毛髪が回転ブラシ2に絡みつく可能性が高くなり、そして、硬毛糸2.2が床に接触して床を傷つける。硬毛糸と軟毛糸2.3との高さの差が5mmを超える場合、硬毛糸2.2と軟毛糸2.3との高さの差が大きすぎ、毛ブラシがカーペットを掃除するときに硬毛糸2.2がカーペットの毛に沈むことができず、カーペットに対する掃除効果に影響を与える。
【0025】
以下の表は、軟・硬毛糸の高さの差をテストした結果の統計表である。
【表1-1】
【表1-2】
【0026】
上記の実施例では、前記櫛歯3の歯先は、前記ローラ2.1の軸方向に沿って複数配列されており、隣接する2つの歯先の間隔の範囲は2mm~6mmであり、
軸方向に沿って取り付けられた歯先が回転ブラシ2に挿入されると、櫛歯3が回転ブラシ2上の毛髪を梳かす範囲は回転ブラシ2全体にわたることができ、それにより、絡みついた毛髪を梳かす効果を効果的に向上させることができる。
【0027】
上記の実施例では、取付時に、櫛歯の頭部にある歯先の硬毛糸及び軟毛糸への挿入深さが0.1mm~5mm範囲内であることを確保する必要がある。
【0028】
これは、歯先の毛糸への挿入深さがこの範囲内に制御される場合にのみ、櫛歯の歯先は、回転ブラシの回転に影響を与えずに、回転ブラシに絡みつく毛髪を効果的に梳かすのを効果的に実現でき、挿入深さが0.1mm未満の場合、櫛歯の歯先は回転ブラシに絡み付いた毛髪を効果的に取り除くことができず、挿入深さが5mmを超える場合、櫛歯の歯先は深く挿入されすぎて、回転ブラシの正常な回転に影響を与えるためである。
【0029】
上記の実施例では、櫛歯の頭部の歯先の角度範囲が8°~105°である。
【0030】
櫛歯の頭部の歯先の角度が8°~105°の範囲内である場合、櫛歯の歯先が毛糸内に挿入される場合にのみ絡み付いた毛髪を梳かすことができ、櫛歯の歯先の角度が8°未満であれば、歯先の部位の強度が低すぎて破断しやすく、また製造時の成形も困難であり、櫛歯の歯先の角度が105°よりも大きければ、櫛歯の歯先の間隔が大きすぎて、絡み付いた毛髪を効果的に取り除くことができない。
【0031】
上記の実施例では、図3に示すように、複数本の硬毛糸2.2は、1枚の基材の表面に配列されて硬毛ストリップ100を構成し、複数本の軟毛糸2.3は、1枚の基材の表面に配列されて軟毛ストリップ200を構成し、前記硬毛ストリップ100及び前記軟毛ストリップ200の両方は複数あり、前記ローラ2.1の表面には、1つの硬毛ストリップ100と1つの軟毛ストリップ200を1組として複数組の硬毛ストリップ100と軟毛ストリップ200が設置されている。
【0032】
その具体的な配設形態は、連続的な螺旋形状であってもよく、断続的な螺旋形状(例えば、回転ブラシの本体の表面全体に螺旋形に配設されているが、複数の部分に分けられ、部分同士は予め間隔を置くか、一体に順次接合される)であってもよく、2つの螺旋形状が回転ブラシの本体の表面に対称的に設置され、回転ブラシの本体の軸方向の中心位置に互いに接続されるか、所定の間隔を置いているように構成されてもよい。
【0033】
ローラ2.1に硬毛糸2.2及び軟毛糸2.3を取り付ける際には、まず、すべての硬毛糸2.2を1枚の基材に編んで完全な硬毛ストリップ100を構成し、次に、すべての軟毛糸2.3を1枚の基材に編んで完全な軟毛ストリップ200を構成し、その後、硬毛ストリップ100と軟毛ストリップ200とを2つずつ組み合わせてローラ2.1に配置してもよい。
【0034】
上記の実施例では、前記ローラ2.1の表面には、複数の第1溝300が開けられ、前記第1溝300は、2つの溝を1組とした組み合わせ溝であり、そのうちの一方の溝内に1つの硬毛ストリップ100が取り付けられ、他方の溝内に1つの軟毛ストリップ200が取り付けられる。
【0035】
硬毛ストリップ100及び軟毛ストリップ200を2つずつ組み合わせてローラ2.1に取り付ける際には、ローラ2.1には、V字形、「入」字形や螺旋状などの溝が開けられてもよく、硬毛糸及び軟毛ストリップ200は、斜め挿入、垂直挿入などの方式で溝内に挿入して配置してもよく、また、硬毛ストリップ及び軟毛ストリップ200は、溝を利用せずに接着剤でローラ2.1に直接貼り付けられてもよい。
【0036】
上記の実施例では、前記組み合わせ溝の2つの溝の間隔の範囲は1mm~15mmである。
【0037】
硬毛ストリップ100と軟毛ストリップ200を2つずつ組み合わせて使用する場合、2つの溝の間隔は15mmを超えてはいけなく、15mmを超えると、回転ブラシ2を使用するときに、硬毛ストリップ100と軟毛ストリップ200は協働できなくなり、このため、硬毛ストリップ100及び軟毛ストリップ200を取り付けるための溝の間隔の範囲を1mm~15mmに設定する。
【0038】
実施例2
本実施例は、床ブラシ構造を提供し、実施例1との相違点は以下の通りである。
【0039】
図4に示すように、複数本の軟毛糸2.3を複数本の硬毛糸2.2とともに1枚の基材の表面に配置して軟・硬毛ストリップ400を構成し、前記軟・硬毛ストリップ400は、前記ローラ2.1の表面に複数設置される。
【0040】
軟毛糸2.3及び硬毛糸2.2を1枚の基材に組み合わせて完全な軟・硬毛ストリップ400を編成し、その後、軟・硬毛ストリップ400を回転ブラシ2に取り付ける。
【0041】
上記の実施例2では、前記軟・硬毛ストリップ400において、複数の前記硬毛糸2.2は、基材に配列されて硬毛層500を構成し、複数本の前記軟毛糸2.3は、基材の表面に配列されて軟毛層600を構成し、前記硬毛層500及び前記軟毛層600は並べて設置される。
【0042】
軟・硬毛ストリップ400において、すべての硬毛糸2.2は配列されて硬毛層500を構成し、すべての軟毛層600は配列されて軟毛層600を構成し、軟毛層600及び硬毛層500は、並べるように配列される。
【0043】
上記の実施例2では、前記硬毛層500と前記軟毛層600との間隔の範囲は0mm~15mmである。
【0044】
硬毛層500及び軟毛層600が並べて毛ブラシ層として基材の表面に設置されるときに、硬毛層500と軟毛層600との間に間隔が存在しても、存在しなくてもよいが、両方の間の間隔は15mmを超えてはいけなく、15mmを超えると、回転ブラシ2を使用するときに、毛列の硬毛糸2.2及び軟毛糸2.3は協働できなくなる。
【0045】
上記の実施例2では、前記ローラ2.1の表面に複数の第2溝700が開けられており、1つの前記第2溝700内に1つの前記軟・硬毛ストリップ400が取り付けられる。
【0046】
軟・硬毛ストリップ400をローラ2.1に取り付ける際には、ローラ2.1にV字形、「入」字形や螺旋状などの溝が開けられてもよく、軟・硬毛ストリップ400は、斜め挿入、垂直挿入などの方式で溝内に挿入して配置してもよく、また、軟・硬毛ストリップ400は、溝を利用せずに接着剤でローラ2.1に直接貼り付けられてもよい。
【0047】
以上の実施形態は本発明の技術的構想及び特徴を説明するためのものだけであり、その目的は当業者が本発明の内容を理解して実施することであり、これによって本発明の保護範囲を制限することができず、本発明の精神の本質に基づいて行われる等価変化又は修飾はいずれも本発明の保護範囲内に含まれるべきである。
【符号の説明】
【0048】
1 ハウジング
2 回転ブラシ
3 櫛歯
2.1 ローラ
2.2 硬毛糸
2.3 軟毛糸
100 硬毛ストリップ
200 軟毛ストリップ
300 第1溝
400 軟・硬毛ストリップ
500 硬毛層
600 軟毛層
700 第2溝
【要約】      (修正有)
【課題】軟毛糸、硬毛糸及び櫛歯の構造と取付パラメータとの高精度なマッチングにより、床ブラシの効率化を実現する。
【解決手段】床ブラシ構造は、ハウジング内に回転可能に設置されるローラ、ローラの外面に設置される複数本の硬毛糸、及びローラの外面に設置される複数本の軟毛糸を含み、硬毛糸の高さが軟毛糸の高さよりも低く、前記硬毛糸と前記軟毛糸との高さの差の範囲が0.2mm~5mmである回転ブラシと、ハウジング内に設置され、回転ブラシに対応して設置され、回転ブラシが回転すると、その歯先部位が0.1mm~5mmの範囲の深さで硬毛糸及び/又は軟毛糸の内部に挿入されて、回転ブラシに絡みつく毛髪を梳かす櫛歯と、を含む。ローラに硬毛糸及び軟毛糸を取り付けることにより、床上の毛髪を掃除する場合、毛髪と硬毛糸との直接接触を減少させ、櫛歯との協働により回転ブラシに絡みつく毛髪を梳かす。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4
図5