(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-26
(45)【発行日】2025-01-10
(54)【発明の名称】デジタルコンテンツの貸与方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/0645 20230101AFI20241227BHJP
【FI】
G06Q30/0645
(21)【出願番号】P 2024122884
(22)【出願日】2024-07-29
【審査請求日】2024-07-29
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】522475340
【氏名又は名称】株式会社and DC3
(74)【代理人】
【識別番号】100159547
【氏名又は名称】鶴谷 裕二
(74)【代理人】
【識別番号】100223365
【氏名又は名称】大町 真義
(72)【発明者】
【氏名】川上 陽介
(72)【発明者】
【氏名】大門 由樹
【審査官】関 博文
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-154027(JP,A)
【文献】特開2016-122326(JP,A)
【文献】特許第6010712(JP,B1)
【文献】特開2014-067111(JP,A)
【文献】特開2013-137615(JP,A)
【文献】特開2012-155486(JP,A)
【文献】国際公開第2012/029106(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2012/0254304(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザAの所有するデジタルコンテンツを管理する1又は複数のコンピュータが、ユーザBに、前記デジタルコンテンツを貸与させる方法であって、
前記デジタルコンテンツを特定する情報を取得することと、
前記デジタルコンテンツを前記ユーザBに貸与することを肯定する前記ユーザAの意思表示を示す情報を取得することと、
前記ユーザAの管理する端末Aと前記ユーザBの管理する端末Bとの距離が所定の距離よりも近接していることを示す情報を取得することと、
前記端末Bを特定する情報を取得することと、
前記デジタルコンテンツを特定する情報と、前記ユーザAの前記意思表示を示す情報と、前記端末Aと前記端末Bとの距離が所定の距離よりも近接していることを示す情報とが取得されたことに応答して、前記ユーザAによる前記デジタルコンテンツの排他的利用を抑止し、前記端末Bを介しての前記ユーザBによる前記デジタルコンテンツの排他的利用の許可を開始することと、
前記端末Aと前記端末Bとの距離が所定の距離よりも近接しなくなったことに応答して、前記端末Bを介しての前記ユーザBによる前記デジタルコンテンツの排他的利用の許可を終了することと、
を有する、デジタルコンテンツを貸与させる方法。
【請求項2】
前記端末Bを特定する情報は、前記端末Bのハードウエアを特定する固有の情報、又は前記端末Bに固有の情報である、
請求項1に記載のデジタルコンテンツを貸与させる方法。
【請求項3】
前記終了
することの後に、
第
1の条件が満たされたことに応答して、前記端末Bを介しての前記ユーザBによる前記デジタルコンテンツの排他的利用の許可を再開すること
であって、前記第1の条件は、前記端末Aと前記端末Bとの距離が所定の距離よりも近接すること、前記デジタルコンテンツを前記ユーザBに貸与することを再開する旨の前記ユーザAの意思表示を示す情報を取得したこと、及び、前記デジタルコンテンツの排他的利用を再開する旨の前記ユーザBの意思表示を示す情報を取得したこと、のうちの少なくとも1つを含む、再開すること、
を更に有する、請求項
1に記載のデジタルコンテンツを貸与させる方法。
【請求項4】
前記開始することの後に、
第
2の条件が満たされたことに応答して、前記端末Bを介しての前記ユーザBによる前記デジタルコンテンツの排他的利用を抑止し、第三者の管理する端末Cを介しての前記デジタルコンテンツの前記第三者による排他的利用の許可を開始すること
であって、前記第三者を前記ユーザBとみなし、前記端末Cを前記端末Bとみなす、前記第三者による排他的利用の許可を開始すること、
を更に有する、請求項1に記載のデジタルコンテンツを貸与させる方法。
【請求項5】
前記第
2の条件は、
前記デジタルコンテンツを前記ユーザBが前記第三者に貸与することを肯定する前記ユーザAの意思表示を示す情報を取得できたことと、
前記端末Bと前記第三者の管理する前記端末Cとの距離が所定の距離よりも近接していることを示す情報を取得できたことと、
前記端末Cを特定する情報を取得できたことと、
のうちの少なくとも1つを含む、請求項
4に記載のデジタルコンテンツを貸与させる方法。
【請求項6】
前記開始することは、
前記ユーザAと前記ユーザBとの双方又は片方に、インセンティブを紐づけることであって、該インセンティブは、デジタルコンテンツの所有又は排他的利用において用いられることができる、インセンティブを紐づけること、
を含む、請求項1に記載のデジタルコンテンツを貸与させる方法。
【請求項7】
前記インセンティブの量は、所定の確率に基づいて変動する、
請求項
6に記載のデジタルコンテンツを貸与させる方法。
【請求項8】
前記ユーザBの指示に基づいて、前記デジタルコンテンツの編集を行うこと、
を更に有する、請求項1に記載のデジタルコンテンツを貸与させる方法。
【請求項9】
請求項1ないし
8のいずれかに記載の方法をコンピュータに実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、デジタルコンテンツの貸与方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
コンテンツをある装置から別の装置に転送する従来技術が存在する。
【0003】
複数のコンテンツプロバイダが介在する複数のコンテンツをユーザが容易に取り扱う技術が存在する。ユーザは、クライアント装置を介して自身の識別子に基づく情報を受け取り、認証されたユーザの識別子に関連付けられたコンテンツの集合を閲覧することができる。ユーザが指定したコンテンツの識別子で、データベースの検索を実行し、データベースに識別子が登録されている場合には、ユーザの管理下にある端末装置で、指定されたコンテンツの再生を行わせる。この技術により、ユーザは複数のコンテンツプロバイダが提供するコンテンツを容易に管理し利用することが可能となる。加えて、この技術を実装するプラットフォームを利用することで、複数のプロバイダが提供したコンテンツを占有することが容易に行える(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
また、ユーザに占有される複数のコンテンツ及びコンテンツを階層関係の下位に持つことができる複数のフォルダを代表するオブジェクトが配置された仮想空間と、仮想カメラを用いて、複数のコンテンツプロバイダが介在する複数のコンテンツを、仮想空間上でユーザが容易に取り扱うことができる技術が存在する(例えば、特許文献2参照)。
【0005】
また、非代替性トークン(NFT: Non-Fungible Token)を利用して、コンテンツを複製不可能な唯一無二のデジタル作品として取引し、ネット上に形成された仮想空間などにおいてこのコンテンツを利用できるようにする技術が存在する(例えば、非特許文献1参照)。
【0006】
これらの技術は、コンテンツを共通のプラットフォーム上で、唯一無二に取り扱うことを容易化させる環境を提供している。これらの技術によって、コンテンツの所有権や使用権を移転させることが容易に実現できる。
しかしながら、コンテンツの利用を一時的に他人に利用させるなど、コンテンツの貸与に関しては、十分な環境を提供していない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】特許第7297275号公報
【文献】特許第7335654号公報
【非特許文献】
【0008】
【文献】https://ethereum.org/en/nft/(2024年7月27日アクセス)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
開示の技術は、コンテンツの所有権や使用権を維持しつつ、他人に対してコンテンツを貸与することをより容易にさせると共に、かつ安全に実行させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
開示の技術は、ユーザAの所有するデジタルコンテンツを管理する1又は複数のコンピュータが、ユーザBに、前記デジタルコンテンツを貸与させる方法であって、前記デジタルコンテンツを特定する情報を取得することと、前記デジタルコンテンツを前記ユーザBに貸与することを肯定する前記ユーザAの意思表示を示す情報を取得することと、前記ユーザAの管理する端末Aと前記ユーザBの管理する端末Bとの距離が所定の距離よりも近接していることを示す情報を取得することと、前記端末Bを特定する情報を取得することと、前記デジタルコンテンツを特定する情報と、前記ユーザAの前記意思表示を示す情報と、前記端末Aと前記端末Bとの距離が所定の距離よりも近接していることを示す情報とが取得されたことに応答して、前記ユーザAによる前記デジタルコンテンツの排他的利用を抑止し、前記端末Bを介しての前記ユーザBによる前記デジタルコンテンツの排他的利用の許可を開始することと、を有する、デジタルコンテンツを貸与させる方法を提供する。
【発明の効果】
【0011】
開示の技術によれば、コンテンツの所有権や使用権を維持しつつ、他人に対してコンテンツを貸与することをより容易にさせると共に、かつ安全に実行させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】
図1Aは、ユーザが利用できる複数のコンテンツを展示した三次元仮想空間を示す図である。
図1Bは、ユーザA(以下、「貸し手」とも言う。)の管理下にある端末AであってユーザAが利用できる複数のコンテンツを展示した三次元仮想空間を表示する端末Aと、ユーザB(以下、「借り手」とも言う。)の管理下にある端末Bを示す図である。
図1Cは、ユーザAの管理下にある端末Aと、ユーザBの管理下にある端末BであってユーザAの所有するコンテンツの1つが表示された端末Bを示す図である。
【
図2】
図2は、複数のコンテンツを所有するユーザAが、ユーザBに特定のコンテンツを貸与するときに表示されるリスト形式のユーザインタフェースの例を示す図である。
【
図3】
図3は、複数のコンテンツを所有するユーザAが、ユーザBに特定のコンテンツを貸与するときに表示される三次元仮想空間のユーザインタフェースの例を示す図である。
【
図4】
図4は、コンテンツの貸与のトランザクションを特定する情報等(以下「貸与コード」とも言う。)を伝達するためのQRコード410と、コンテンツ114のサムネールとが対になって端末の画面400に表示されている図である(「QRコード」は登録商標)。
【
図5】
図5は、ユーザA(貸し手)の管理下にある端末Aに表示された貸与コードのQRコードを,ユーザB(借り手)の管理下にある端末Bで読み取る例を示した図である。
【
図6】
図6は、ユーザA(貸し手)の管理下にある端末Aと、ユーザB(借り手)の管理下にある端末Bとの物理的な距離が離れている場合に、コンテンツの貸与が行えない旨を伝える表示を示す図である。
【
図7】
図7は、コンテンツの貸与によって、コンテンツの貸し手がコンテンツを閲覧することに制限を加えられていることを示す図である。
【
図8】
図8は、コンテンツの貸与によって、ユーザB(借り手)の管理する端末Bにおいて、貸与されたコンテンツ114が閲覧できることを示す図である。
【
図9】
図9は、コンテンツの貸与によって、ユーザB(借り手)の管理する端末Bにおいて、貸与されたコンテンツ114が閲覧できなくなったときの画面を示す図である。
【
図10】
図10は、コンテンツの貸与によって、ユーザA(貸し手)がコンテンツを閲覧することに制限を加えられていること、及びコンテンツの貸与を強制的に終了するボタンが表示されている例を示す図である。
【
図11】
図11は、コンテンツを貸与する際の手順を示すシーケンス図である。
【
図12】
図12は、ユーザB(借り手)が、借りたいコンテンツを、ユーザB(借り手)の管理する端末BからユーザA(貸し手)の管理する端末Aに伝達する場合の変形例を示す図である。
【
図13】
図13A及び
図13Bは、「貸し手」と「借り手」でコードを交換(往復)する(貸し手の表示が先)の変形例を示す図である。
【
図14】
図14A及び
図14Bは、「貸し手」と「借り手」でコードを交換(往復)する(借り手の表示が先)の変形例を示す図である。
【
図15】
図15は、コンテンツの貸与の処理を示すフローチャートである。
【
図16】
図16は、コンテンツの貸与を開始するステップS1502の詳細な処理を示すフローチャートである。
【
図17】
図17は、端末間の距離に関する処理の詳細を示すフローチャートである。
【
図18】
図18は、デジタルコンテンツの貸与の終了及び再開に関するフローチャートである。
【
図19】
図19は、ユーザB(借り手)が、更に第三者にコンテンツを貸与する処理を示すフローチャートである。
【
図20】
図20は、第三者による排他的な利用を開始するときの詳細な処理を示すフローチャートである。
【
図21】
図21は、ユーザにインセンティブを与える処理を示すフローチャートである。
【
図22】
図22は、ユーザがデジタルコンテンツの編集を行うことができることを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
開示の技術について、図面を参照しながら以下に説明する。
図1Aは、ユーザが利用できる複数のコンテンツを展示した三次元仮想空間を示す図である。
【0014】
図1Bは、ユーザA(以下、「貸し手」とも言う。)の管理下にある端末AであってユーザAが利用できる複数のコンテンツを展示した三次元仮想空間を表示する端末Aと、ユーザB(以下、「借り手」とも言う。)の管理下にある端末Bを示す図である。
図1Cは、ユーザAの管理下にある端末Aと、ユーザBの管理下にある端末BであってユーザAの所有するコンテンツの1つが表示された端末Bを示す図である。
【0015】
図1Aで、所定のプラットフォームの管理下において、ユーザAが利用できる複数のコンテンツを展示した三次元仮想空間が示されている。この三次元仮想空間は、ユーザAの所有する絵画、本、3Dオブジェクトなどの複数のコンテンツを整理して配置することができる。
また、この仮想三次元空間は、ユーザAのみがアクセスできる三次元仮想空間と、特定の者又は一般の者に公開する三次元仮想空間とが定義されてもよい。
【0016】
図1Aに示す三次元仮想空間100は、一般に公開されている三次元仮想空間であるとする。したがって、一般の者は、三次元仮想空間100のURL又はURIを知っていれば、この三次元仮想空間100を、ネットを介して訪れることができる(見ることができる)。
【0017】
三次元仮想空間100には、コンテンツ112、コンテンツ114、及びコンテンツ116が展示されている。一般の者は、これらのコンテンツの外観(サムネール画像)を見ることはできるが、中身を見ることはできない(一般の者が中身の一部を試し読みすることを許容してもよい)。しかも、一般の者は、これらのコンテンツを自分の管理下にあるコンピュータにコピーすることもできないようになっていることが望ましい。すなわち、この三次元仮想空間100を実現するプラットフォームは、コンテンツを所有している者のみがコンテンツの中身を見ることができるように設計されていることが望ましい。このようにすることによって、コンテンツが唯一無二であることが十分担保できる。このような、コンテンツの唯一無二性を担保する技術は、例えばNFTを用いることで実現できる。唯一無二性は、コンテンツが他のアイテムと区別できる唯一無二のデジタル証明により、コンテンツの所有権が明確に示される。
【0018】
なお、コンテンツの所有者及びコンテンツの所有者から許可された者は、コンテンツにメモ書きなどの情報を付加することができる。また、コンテンツのうちの一部のみを他人に移転することも可能である。加えて、コンテンツを一定の期間だけ貸与することも可能となる。このようなことは、NFTに埋め込まれたスマートコントラクトを利用することで、コンテンツを一定の期間他の者に貸与することが可能である。スマートコントラクトは、ブロックチェーン上で自動的に実行されるプログラムであり、契約条項を含むことができる。
【0019】
図1Bでは、三次元仮想空間100の複数のコンテンツは、コンテンツの所有者であるユーザAの管理する端末にのみ表示されており、ユーザBの管理する端末Bには、何も表示されていない状態である。
【0020】
実施形態は、ユーザAの管理下にある端末Aと、ユーザBの管理下にある端末Bとの距離が所定の距離よりも近い場合(例えば、ユーザAとユーザBとが肉声で会話できる程度の距離にいる場合)に、ユーザAの所有するコンテンツを、所定の条件の基に、ユーザBに貸与することができる技術を提供する。
【0021】
ユーザAとユーザBとが肉声で会話できる程度に近接している場合には、ユーザAとユーザBとの信頼関係が確立していると推定でき、このような場合に、コンテンツの貸与を可能とさせることで、信頼関係が確立されている者同士で、コンテンツの貸与を許す技術を提供することができる。
【0022】
図1Bの状態のときに、例えば、ユーザBは、ユーザAの管理下にある端末Aに表示されている三次元仮想空間100内に存在するコンテンツ114を借りたいとの意思表示をユーザAに伝えることを想定する。ユーザAは、ユーザBからの上記の申出を許諾する意思がある場合、ユーザAは、端末Aを操作して、コンテンツ114を、端末Bで表示できるように、コンテンツ114をユーザBに貸与することを指示することができる。
【0023】
図1Cは、コンテンツ114がユーザBの管理下にある端末Bに表示された状態を示している。ユーザBは、端末Bに表示されたコンテンツ114のサムネールだけでなく詳細な画像を見ることもできる。例えばコンテンツ114が書籍であれば、その中身を見ることもできる。
【0024】
図1Cで、ユーザAが端末Aでコンテンツ114の詳細な画像を表示させようとしたり、コンテンツ114の中身を見ようとしたりする操作を行うと、表示画像114aに示されるように、コンテンツ114の詳細を表示することはできなくなっている。
このようにして、コンテンツ114をユーザAからユーザBに貸与することが実現できる。
なお、後述するように、所定の条件が成立することで、この貸与が終了するように設定することができる。
【0025】
図2は、複数のコンテンツを所有するユーザAが、ユーザBに特定のコンテンツを貸与するときに表示されるリスト形式のユーザインタフェースの例を示す図である。
【0026】
図2で、リスト形式の表の中に、複数のコンテンツのサムネールが表示されている。例えば、行210には、コンテンツ114のサムネールが表示されており、領域212には、コンテンツ114の名前(Title1)と、創作者(Author1)が表示されている。
【0027】
また、チェックボックス214には、チェック216が表示されている。チェック216が表示されているということは、コンテンツ114の所有者であるユーザAが、他人に貸与するために、コンテンツ114を選択していることを示す。
【0028】
ユーザAが、貸与アイコン220をタップすると、コンテンツ114をユーザBに貸与するためのその後の処理が開始される。その後の処理については、後述する。
【0029】
図3は、複数のコンテンツを所有するユーザAが、ユーザBに特定のコンテンツを貸与するときに表示される三次元仮想空間のユーザインタフェースの例を示す図である。
図3で、三次元仮想空間に、複数のコンテンツのサムネールが表示されている。例えば、コンテンツ114のサムネールが置かれている。
【0030】
例えば、ユーザAが、コンテンツ114のサムネールを指でタップすると、コンテンツ114に関するポップアップ310が表示される。ポップアップ310には、コンテンツ114の名前(Title1)と、創作者(Author1)が表示されている。加えて、貸与アイコン320が表示されている。
【0031】
ユーザAが、貸与アイコン320をタップすると、コンテンツ114をユーザBに貸与するためのその後の処理が開始される。その後の処理については、後述する。
【0032】
図4は、コンテンツの貸与のトランザクションを特定する情報等(以下「貸与コード」とも言う。)を伝達するためのQRコード410と、コンテンツ114のサムネールとが対になって端末の画面400に表示されている図である(「QRコード」は登録商標)。
【0033】
コンテンツ114のサムネール画像の表示は必ずしも必須ではないが、QRコード410が、どのコンテンツを貸与の対象としているかを分かりやすくするためのものであるため、QRコード410と共に表示されることが望ましい。
【0034】
なお、QRコード410は、貸与に係るトランザクションを特定する情報等を端末間で受け渡すための手段の一例である。したがって、QRコード以外の手段、例えば、Bluetooth Law Energy(BLE)などの無線による端末間通信などが使われてもよい。
【0035】
ここで、貸与コードについて説明する。貸与コードには、ユーザAの管理下にある端末AとユーザBの管理下にある端末との間で、ユーザAの所有する指定されたコンテンツを、端末Aから端末Bへ貸与する一連の手続きに関するトランザクションを特定する情報が少なくとも含まれ得る。なお、端末Bが、コンテンツを管理するプラットフォームの情報を持っていない場合には、端末Aから端末Bに、このプラットフォームのURIが伝達されることが望ましい。プラットフォームのURIは、貸与コードに含まれていてもよいし、別途の伝達手段によって、端末Aから端末Bに伝達されてもよい。端末A又は端末Bから送られた、貸与するコンテンツを特定する情報及び端末Bを特定する情報は、プラットフォームにおいてトランザクションを特定する情報に紐づけられていればよい。少なくとも、トランザクションを特定する情報、貸与されるコンテンツを特定する情報、及び端末Bを特定する情報が、プラットフォームに伝達されていれば、端末Bは、プラットフォームにアクセスすることで、貸与されたコンテンツに対するアクセスを開始できる。なお、これらの情報が、プラットフォームに伝達される経路及び手順は、本明細書等に開示された例示に限定されない。
なお、トランザクションのセキュリティを強化するために、QRコードの有効期限をプラットフォームが管理してもよい。
【0036】
なお、ユーザBが、ユーザAから貸与されたコンテンツを見ることができるのは、ユーザBの管理下にある端末Bに限定することが望ましい。ユーザBが端末B以外の機器で、貸与されたコンテンツを見ることができるようにする場合には、その機器がユーザBの管理下に無い場合も想定される。このような場合には、ユーザBに限定してコンテンツの貸与を許可するというセキュリティを担保することが難しくなる可能性が存在する。このため、上記のような限定を設定することが望ましい。この限定を担保するためには、端末Bのハードウエアを特定する固有の情報(例えば、MACアドレス)をプラットフォームが管理し確認したり、端末Bに固有の情報(例えば、クッキー)を保存させて確認したりすることで実現できる。
【0037】
図5は、ユーザA(貸し手)の管理下にある端末Aに表示された貸与コードのQRコードを,ユーザB(借り手)の管理下にある端末Bで読み取る例を示した図である。
【0038】
図5で、ユーザAの管理下にある端末Aに、QRコード410と、コンテンツ114のサムネールが表示されている。ユーザBの管理下にある端末Bが、端末Aの画面を撮像し、QRコード410を読み取る。この操作によって、QRコードに含まれる貸与コードが、端末Bに読み込まれる。
端末Bは、この貸与コードをプラットフォームに伝達することで、貸与されたコンテンツにアクセスすることができる。
【0039】
図6は、ユーザA(貸し手)の管理下にある端末Aと、ユーザB(借り手)の管理下にある端末Bとの物理的な距離が離れている場合に、コンテンツの貸与が行えない旨を伝える表示を示す図である。
【0040】
少なくとも、ユーザB(借り手)の画面に、端末Aと端末Bとの距離が、所定の距離以上であるために、コンテンツの貸与が行われないことを示すエラーメッセージが表示されることが望ましい。端末A及び端末Bの位置情報は、GPS、ネットワークIPアドレスからデータベースを検索することなどで実現されるジオロケーション(Geolocation)による位置判定が行われて、端末A及び端末Bの位置から計算された距離が、プラットフォームにおいて判定されるようにすることができる。端末間の距離が離れている場合は,このようなエラーメッセージが表示されるようにしてもよい。
【0041】
このように、コンテンツの貸与が行えるようにするために端末間の距離の条件を設定することで、コンテンツの貸与に制限を加えることができる。このような条件を加えることで、コンテンツの貸与が地理的に無制限に広がってしまうことを防止でき、コンテンツの価値を減じさせないようにすることができる。
図7は、コンテンツの貸与によって、コンテンツの貸し手がコンテンツを閲覧することに制限を加えられていることを示す図である。
【0042】
コンテンツの唯一無二性をより確実にするためには、コンテンツを他人に貸与した場合には、コンテンツの所有権を持っている者であっても、コンテンツの閲覧に関して、制限が加えられることが望ましい。
【0043】
図7で、ユーザA(貸し手)の管理下にある端末Aの表示画面700に、貸与したコンテンツ114に重なって、メッセージ720が表示されている。メッセージ720には、「貸与中です 閲覧できません」と表示されている。また、コンテンツ114の貸与には、制限時間が設定されていることが示されており、貸与の終了までの残りの時間710が1時間56分34秒であることが表示されている。
【0044】
図8は、コンテンツの貸与によって、ユーザB(借り手)の管理する端末Bにおいて、貸与されたコンテンツ114が閲覧できることを示す図である。
加えて、ユーザB(借り手)の管理する端末Bの画面800には、貸与の終了までの残り時間810が表示されている。
【0045】
図9は、コンテンツの貸与によって、ユーザB(借り手)の管理する端末Bにおいて、貸与されたコンテンツ114が閲覧できなくなったときの画面を示す図である。
加えて、ユーザB(借り手)の管理する端末Bの画面902には、貸与が終了して残り時間912が零となっていることが表示されている。
【0046】
図10は、コンテンツの貸与によって、コンテンツの貸し手がコンテンツを閲覧することに制限を加えられていること、及びコンテンツの貸与を強制的に終了するボタンが表示されている例を示す図である。
【0047】
図10で、ユーザA(貸し手)の管理する端末Aの画面に、コンテンツが貸与中であることを示すメッセージ1002、貸与終了までの残り時間1004,及びコンテンツの貸与を強制的に終了させるボタン1006が表示されている。ボタン1006を貸し手がタップすることによって、コンテンツの貸与が終了する。
図11は、コンテンツを貸与する際の手順を示すシーケンス図である。
【0048】
図11には、ユーザA(貸し手)が保有し一般に公開している、コンテンツを陳列した三次元空間(以下「マイルーム」)が存在するプラットフォームを実現するコンピュータ1150及びユーザA(貸し手)の管理下にある端末A(以下、合わせて「貸し手のマシン」という)と、ユーザB(借り手)の管理下にある端末Bとの間の情報伝達を示すシーケンス図が示されている。以下に、シーケンスを順に説明する。
【0049】
[シーケンス1102]貸し手のマシンは、マイルームのURIを公開する。ユーザB(借り手)は、ユーザA(貸し手)のマイルームのURIを知ることができる。
【0050】
[シーケンス1104]端末Bによって、ユーザB(借り手)は、ユーザA(貸し手)のマイルームを訪問して、借りたいコンテンツを探すことができる。借りたいコンテンツは、ユーザA(貸し手)に口頭で伝達してもよい。
【0051】
[シーケンス1106]貸し手のマシンは、借り手の借りたいコンテンツ(コンテンツC)を特定する。例えば、ユーザA(貸し手)は、ユーザA(貸し手)の管理する端末Aの画面で、コンテンツをタップすることにより、貸与するコンテンツを特定することができる。
【0052】
[シーケンス1108]貸し手のマシンは、所定の条件Aを満たす場合、コンテンツCを貸与するための「貸与コード」を作成する。所定の条件Aの例としては、端末Aと端末Bとの距離が所定の距離よりも短いこと、ユーザA(貸し手)がコンテンツをユーザB(借り手)に貸与する意思があること、ユーザB(借り手)の管理する端末Bが存在すること(特定されていること)などが挙げられる。
[シーケンス1110]貸し手のマシンは、「貸与コード」を、端末Bに伝達する。
【0053】
[シーケンス1112]端末Bは、「貸与コード」を保持する。端末Bが、貸与コードを貸し手のマシンに伝達することで、端末Bは、「貸与コード」を保持していることを、貸し手のマシンに知らせることが望ましい。
[シーケンス1114]貸し手のマシンは、貸し手によるコンテンツCの利用を制限する。
[シーケンス1116]端末Bは、「貸与コード」に基づいてマイルームにアクセスする。
【0054】
[シーケンス1118]所定の条件Bを満たす場合、貸し手のマシンは、コンテンツCを端末Bに表示させる。所定の条件Bとは、貸与の期間内であること、端末Aと端末Bとが所定の距離よりも短いことなどが挙げられる。なお、所定の距離は、貸与を開始する条件であり、その後の端末BによるコンテンツCへのアクセスにおいては、その距離の条件が満たされなくてもよいこととしてもよい。
【0055】
[シーケンス1120]所定の条件Cを満たす場合、初期の状態に戻る。所定の条件とは、貸与の時間制限を経過したこと、貸し手のマシンによって、貸与の終了の処理がなされたこと、所定の距離の条件が満たされなくなったことなどが挙げられる。
【0056】
図12は、ユーザB(借り手)が、借りたいコンテンツを、ユーザB(借り手)の管理する端末BからユーザA(貸し手)の管理する端末Aに伝達する場合の変形例を示す図である。
【0057】
ユーザB(借り手)は、ユーザA(貸し手)のマイルームを訪れて、借りたいコンテンツを特定し、そのコンテンツをタップするなどして、端末Bに、QRコード1202を表示させる。端末Bには、借りたいコンテンツ114のサムネールが表示されてもよい。
ユーザA(貸し手)の管理する端末Aが、端末Bに表示されているQRコード1202を読み取ることで、貸与コードが、端末Bから端末Aに伝達される。
【0058】
ユーザA(貸し手)は、特定されたコンテンツ114をユーザB(借り手)に貸与する意思があれば、その後の貸与の処理を実行することで、コンテンツ114のユーザB(借り手)への貸与が実現される。
図13A及び
図13Bは、「貸し手」と「借り手」でコードを交換(往復)する(貸し手の表示が先)の変形例を示す図である。
【0059】
まず、ユーザA(貸し手)の管理する端末Aで、貸与するコンテンツ114の貸与コードを含むQRコードを表示させる。このQRコードには、マイルームのURIが含まれていてもよい。
【0060】
ユーザA(貸し手)の管理する端末に表示されたQRコードを、ユーザB(借り手)の管理する端末Bで読み込む。この操作で、少なくとも貸与コードが、端末Aから端末Bに伝達される。端末Bが、ユーザA(貸し手)のマイルームのURIを知らない場合には、端末BはそのURIも取得することが可能である。端末Bは、URIにより、プラットフォームにアクセスし、貸与コードを取得したことをプラットフォームに伝達してもよい。このことにより、プラットフォームは、端末Bのアドレス及びコンテンツ114の貸与手続きが進行していることを認知することができる。
【0061】
図13Bにおいて、ユーザB(借り手)の管理する端末Bは、少なくとも貸与コードを含むQRコード1304を表示する。QRコード1304には、プラットフォームからの、貸与の確認情報が含まれてもよい。また、ユーザB(借り手)の管理する端末Bには、貸与されるコンテンツ114のサムネール(プラットフォームから送られたサムネール)が、表示されるようにしてもよい。このサムネールをユーザA(貸し手)が、目視で確認することで、確かに、貸与する予定のコンテンツ114が、端末Bにも特定されたことが確認できる。
【0062】
ユーザA(貸し手)の管理する端末Aが、端末Bに表示されたQRコードを読み取る。QRコードに含まれた貸与コードが、端末A自身が端末Bに送った貸与コードと一致することを確認することで、確かに貸与予定のコンテンツ114の貸与が、端末Bに対してなされることを確認できる。加えて、端末Bに表示されたQRコードに、プラットフォームからの確認コードが含まれている場合には、端末Bが、プラットフォームによっても特定されていることが確認できる。
【0063】
この一連の処理が滞りなく進んだ場合には、他の条件(端末間の距離が所定の距離以下であること等)を満たすことを条件として、コンテンツ114の貸与が行われる。
以上のような処理を実行することによって、より確実にコンテンツ114の貸与が実現できる。
あるいは、
図13Aにおいて、ユーザA(貸し手)の管理する端末Aに表示されるQRコードは、単にコンテンツを特定するだけの情報であってもよい。そのQRコードを読み取ったユーザB(借り手)は、自分が借りたいコンテンツであることを確認して、操作を進める。
図13Bにおいて、ユーザB(借り手)の管理する端末Bに、貸与コードのQRコードが表示される。以降の処理は、
図12と同様であってよい。
図14A及び
図14Bは、「貸し手」と「借り手」でコードを交換(往復)する(借り手の表示が先)の変形例を示す図である。
【0064】
まず、借り手は、マイルームをアクセスして、借りたいコンテンツ114を特定する。例えば、借りたいコンテンツ114をタップすることで、少なくとも貸与コードを含むQRコード1402が、端末Bに表示される。端末Bには、貸与コードが保存されてもよい。貸与コードは、端末Bがプラットフォームにアクセスし、プラットフォームが生成したユニークな貸与コードであることが望ましい。端末Bは、端末Bを特定する情報をプラットフォームにネットワーク(不図示)を介して伝達してもよい。
【0065】
ユーザA(貸し手)の管理する端末Aは、端末Bに表示されたQRコード1402を読み取る。併せて、端末Bに表示された借りたいコンテンツ114のサムネールをユーザA(貸し手)が、目視で確認することで、ユーザA(貸し手)は、借りたいコンテンツ114を正確に認識できる。
【0066】
ユーザA(貸し手)が、コンテンツ114を貸与する意思があれば、ユーザA(貸し手)は、端末Aに、少なくとも貸与コードを含むQRコード1404を表示させる。併せて、端末Aには、貸与する予定のコンテンツ114のサムネールが表示されてもよい。
【0067】
ユーザB(借り手)は、端末Bを使って、端末Aに表示されたQRコード1404を読み取る。また、端末Aに表示されたコンテンツ114のサムネールをユーザB(借り手)が目視で確認することによって、確かに、借りたいコンテンツ114を、ユーザA(貸し手)が、貸与しようとしていることが確認できる。
【0068】
この一連の処理が滞りなく進んだ場合には、他の条件(端末間の距離が所定の距離以下であること等)を満たすことを条件として、コンテンツ114の貸与が行われる。
以上のような処理を実行することによって、より確実にコンテンツ114の貸与が実現できる。
あるいは、
図14Aにおいて、ユーザB(借り手)の管理する端末Bに表示されるQRコードは、単にコンテンツを特定するだけの情報であってもよい。そのQRコードを読み取ったユーザA(貸し手)は、そのコンテンツを貸与する意思があれば、操作を進める。
図14Bにおいて、ユーザA(貸し手)の管理する端末Aに、貸与コードのQRコードが表示される。以降の処理は、
図5と同様であってよい。
【0069】
図15は、コンテンツの貸与の処理を示すフローチャートである。以下に、各ステップについて説明する。
[ステップS1502]貸与を開始する。
[ステップS1504]全ての処理を終了するか否かがチェックされる。チェックが肯定的(Yes)であれば、処理は終了する。チェックが否定的(No)であれば、処理はこのステップの直前に戻る。
図16は、コンテンツの貸与を開始するステップS1502の詳細な処理を示すフローチャートである。以下に、各ステップについて説明する。
[ステップS1602]貸与を開始する処理の開始を示すステップである。
[ステップS1604]デジタルコンテンツを特定する情報を取得する。
[ステップS1606]デジタルコンテンツをユーザBに貸与することを肯定するユーザAの意思表示を示す情報を取得する。
[ステップS1608]ユーザAの管理する端末AとユーザBの管理する端末Bとの距離が所定の距離よりも近接していることを示す情報を取得する。
[ステップS1610]端末Bを特定する情報を取得する。
【0070】
[ステップS1612]デジタルコンテンツを特定する情報と、ユーザAの意思表示を示す情報と、端末Aと端末Bとの距離が所定の距離よりも近接していることを示す情報とが取得されたか否かがチェックされる。チェックが肯定的(Yes)であれば、処理はステップS1614に移る。チェックが否定的(No)であれば、処理はこのステップの直前に戻る。
【0071】
[ステップS1614]ユーザAによるデジタルコンテンツの排他的利用を抑止し、端末Bを介してのユーザBによるデジタルコンテンツの排他的利用の許可を開始する。
[ステップS1616]処理は戻る。
【0072】
図17は、端末間の距離に関する処理の詳細を示すフローチャートである。以下に、各ステップについて説明する。
[ステップS1702]貸与を開始する。
[ステップS1704]全ての処理を終了するか否かがチェックされる。チェックが肯定的(Yes)であれば、処理は終了する。チェックが否定的(No)であれば、処理はステップS1706に移る。
[ステップS1706]端末Aと端末Bとの距離が所定の距離よりも近接しなくなった場合であっても、端末Bを介してのユーザBによるデジタルコンテンツの排他的利用の許可を維持する。
【0073】
図18は、デジタルコンテンツの貸与の終了及び再開に関するフローチャートである。以下に、各ステップについて説明する。
[ステップS1802]貸与を開始する
【0074】
[ステップS1804]第1の条件が満たされたかがチェックされる。チェックが肯定的(Yes)であれば、処理はステップS1806に移る。チェックが否定的(No)であれば、処理はこのステップの直前に戻る。
【0075】
ここで、第1の条件は、端末Aと端末Bとの距離が所定の距離よりも近接しなくなったこと、デジタルコンテンツをユーザBに貸与することを解除する旨のユーザAの意思表示を示す情報を取得したこと、デジタルコンテンツの排他的利用を終了する旨のユーザBの意思表示を示す情報を取得したこと、及び、排他的利用の許可が開始されてから所定の時間が経過したこと、のうちの少なくとも1つを含む。
[ステップS1806]端末Bを介してのユーザBによるデジタルコンテンツの排他的利用の許可を終了させる。
【0076】
[ステップS1808]全ての処理を終了するか否かがチェックされる。チェックが肯定的(Yes)であれば、処理は終了する。チェックが否定的(No)であれば、処理はステップS1810に移る。
【0077】
[ステップS1810]第2の条件が満たされたか否かがチェックされる。チェックが肯定的(Yes)であれば、処理はステップS1812に移る。チェックが否定的(No)であれば、処理はステップS1808の直前に戻る。
【0078】
ここで、第2の条件は、端末Aと端末Bとの距離が所定の距離よりも近接すること、デジタルコンテンツをユーザBに貸与することを再開する旨のユーザAの意思表示を示す情報を取得したこと、及び、デジタルコンテンツの排他的利用を再開する旨のユーザBの意思表示を示す情報を取得したこと、のうちの少なくとも1つを含む。
[ステップS1812]端末Bを介してのユーザBによるデジタルコンテンツの排他的利用の許可を再開させる。
【0079】
図19は、ユーザB(借り手)が、更に第三者にコンテンツを貸与する処理を示すフローチャートである。各ステップについて説明する。
[ステップS1902]貸与を開始する。
[ステップS1904]全ての処理を終了するか否かがチェックされる。チェックが肯定的(Yes)であれば、処理は終了する。チェックが否定的(No)であれば、処理はステップS1906に移る。
【0080】
[ステップS1906]第3の条件が満たされたか否かがチェックされる。チェックが肯定的(Yes)であれば処理はステップS1908に移る。チェックが否定的(No)であれば、処理はステップS1904の直前に戻る。
[ステップS1908]端末Bを介してのユーザBによるデジタルコンテンツの排他的利用を抑止し、第三者であるユーザCの管理する端末Cを介してのユーザCによるデジタルコンテンツの排他的利用の許可を開始する
【0081】
図20は、第三者による排他的な利用を開始するときの詳細な処理を示すフローチャートである。各ステップについて説明する。
【0082】
[ステップS2002]端末Bを介してのユーザBによるデジタルコンテンツの排他的利用を抑止し、第三者であるユーザCの管理する端末Cを介してのユーザCによるデジタルコンテンツの排他的利用の許可を開始するステップS1908の詳細な処理の開始であることを示すステップである。
[ステップS2004]ユーザCをユーザBとみなし、端末Cを端末Bとみなす。
[ステップS2006]処理は戻る。
【0083】
図21は、ユーザにインセンティブを与える処理を示すフローチャートである。各ステップについて説明する。
[ステップS2102]ユーザAによるデジタルコンテンツの排他的利用を抑止し、端末Bを介してのユーザBによるデジタルコンテンツの排他的利用の許可を開始するS1614の詳細な処理の開始であることを示すステップである。
【0084】
[ステップS2104]ユーザAとユーザBとの双方又は片方に、インセンティブを紐づけることであって、該インセンティブは、デジタルコンテンツの所有又は排他的利用において用いられることができる、インセンティブを紐づける。
【0085】
インセンティブの例としては、プラットフォームにおける金銭の消費に利用できるポイントをユーザに付与すること、マイルームをプラットフォームにおいて、第三者に告知する頻度を増加させることなどが挙げられる。インセンティブの量は、所定の確率に基づいて変動させてもよい。
[ステップS2106]処理は戻る。
【0086】
図22は、ユーザがデジタルコンテンツの編集を行うことができることを示すフローチャートである。各ステップについて説明する。
[ステップS2202]コンテンツの貸与を開始する。
[ステップS2204]全ての処理を終了するか否かがチェックされる。チェックが肯定的(Yes)であれば、処理は終了する。チェックが否定的(No)であれば、処理はステップS2206に移る。
【0087】
[ステップS2206]ユーザBの指示に基づいて、デジタルコンテンツの編集を行う。なお、コンテンツの所有者であるユーザAは、コンテンツの編集を行えることを原則とすることが望ましい。なお、コンテンツの制作者が、コンテンツの編集を許容しない場合には、ユーザA及びユーザBのいずれもが、コンテンツの編集を行うことができないこととすることは言うまでもない。
【0088】
【0089】
開示の技術のハードウエア構成は、CPU3001、本実施形態のプログラム及びデータが格納され得るROM3002、RAM3003、ネットワークインタフェース3005、入力インタフェース3006、表示インタフェース3007、外部メモリインタフェース3008を有する。これらのハードウエアは、バス3004によって相互に接続されている。
【0090】
ネットワークインタフェース3005は、ネットワーク3015に接続されている。ネットワーク3015には、有線LAN、無線LAN、インターネット、電話網などがある。入力インタフェース3006には、入力部3016が接続されている。表示インタフェース3007には、表示部3017が接続される。表示部3017は、複数の表示装置により実現されてもよい。外部メモリインタフェース3008には、記憶媒体3018が接続される。記憶媒体3018は、RAM、ROM、CD-ROM、DVD-ROM、ハードディスク、メモリーカード、USBメモリ等であってもよい。
【0091】
例示した実施形態の方法又はプログラムの手順は、矛盾のない限り順番を入れ替えることができる。また、矛盾のない限り、例示された1つの手順を、異なるタイミングで、複数回実行することができる。また、矛盾のない限り、複数の手順を同時に実行したりすることができる。また、全ての手順が必須のものではなく、矛盾の無い限り、一部の手順が存在しないか、実行されなくてもよい。
【0092】
上記の点は、請求項に規定された方法の構成要件についても同様に当てはまるものである。すなわち、矛盾のない限り構成要件の順番を入れ替えることができる。また、矛盾のない限り、複数の構成要件が同時に実施されることができる。そして、これらの構成要件の実施も、請求項に規定された技術的範囲に属する。
【0093】
また、各手順は、オペレーティングシステム又はハードウエアで実行されてもよい。また、プログラムは、非一時的な媒体に記憶された状態で配布することができる。
【0094】
上述の実施形態を実現するプログラム及び方法は、
図23に示されるハードウエア構成を備えるコンピュータにより実行され得る。すなわち、実施形態のプログラムは、コンピュータに実行させる方法として、インプリメントされてもよい。
プログラムは記憶媒体3018、ROM3002、又はRAM3003に記憶されてもよい。
各実施形態は、プログラムをインストールしたハードウエアの装置としてインプリメントされ得る。
【符号の説明】
【0095】
3001 CPU
3002 ROM
3003 RAM
3004 バス
3005 ネットワークインタフェース
3006 入力インタフェース
3007 表示インタフェース
3008 外部メモリインタフェース
3015 ネットワーク
3016 入力部
3017 表示部
3018 記憶媒体
【要約】 (修正有)
【課題】コンテンツの所有権や使用権を維持しつつ、他人に対してコンテンツを貸与する方法及びプログラムを提供する。
【解決手段】方法は、ユーザAの所有するデジタルコンテンツを管理するコンピュータが、デジタルコンテンツを特定する情報を取得し、デジタルコンテンツをユーザBに貸与することを肯定するユーザAの意思表示を示す情報を取得し、ユーザAの管理する端末AとユーザBの管理する端末Bとの距離が所定の距離よりも近接していることを示す情報を取得し、端末Bを特定する情報を取得し、デジタルコンテンツを特定する情報と、ユーザAの前記意思表示を示す情報と、端末Aと前記端末Bとの距離が所定の距離よりも近接していることを示す情報とを取得したことに応答して、ユーザAによるデジタルコンテンツの排他的利用を抑止し、端末Bを介してのユーザBによるデジタルコンテンツの排他的利用の許可を開始する。
【選択図】
図16