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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-26
(45)【発行日】2025-01-10
(54)【発明の名称】ズームレンズ及び撮像装置
(51)【国際特許分類】
   G02B 15/20 20060101AFI20241227BHJP
   G02B 13/18 20060101ALN20241227BHJP
【FI】
G02B15/20
G02B13/18
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2020105346
(22)【出願日】2020-06-18
(65)【公開番号】P2021196572
(43)【公開日】2021-12-27
【審査請求日】2023-06-01
(73)【特許権者】
【識別番号】000133227
【氏名又は名称】株式会社タムロン
(74)【代理人】
【識別番号】100156867
【弁理士】
【氏名又は名称】上村 欣浩
(74)【代理人】
【識別番号】100143786
【弁理士】
【氏名又は名称】根岸 宏子
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼橋 賢一
【審査官】岡田 弘
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-008031(JP,A)
【文献】特開2015-040986(JP,A)
【文献】国際公開第2013/161995(WO,A1)
【文献】特開2021-156963(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 9/00-17/08
G02B 21/02-21/04
G02B 25/00-25/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
物体側から順に、負の屈折力を有する第1レンズ群と、1以上のレンズ群からなり全体で正の屈折力を有する中間群と、負の屈折力を有するレンズ群LNと、負の屈折力を有する最終レンズ群とから構成され、
前記中間群は、物体側から順に、正の屈折力を有する第2レンズ群、負の屈折力を有する第3レンズ群、及び正の屈折力を有する第4レンズ群で構成されている、又は物体側から順に、正の屈折力を有する第2レンズ群、及び正の屈折力を有する第3レンズ群で構成されていて、
変倍に際して、隣り合うレンズ群の間隔が変化し、
以下の条件式を満足することを特徴とするズームレンズ。
-1.20 ≦ f1/fpt ≦ -0.05・・・・・(1)
0.05 ≦ fpMax/fw ≦ 1.25・・・・・(2)
-3.00 ≦ f1/fw ≦ -1.93・・・・・・・(3)
但し、
f1 :前記第1レンズ群の焦点距離
fpt :望遠端における無限遠合焦時の前記中間群の焦点距離
fpMax:前記中間群に含まれるレンズ群の中で正の屈折力が最も強いレンズ群の焦点距離
fw :当該ズームレンズの広角端における無限遠合焦時の焦点距離
【請求項2】
以下の条件式を満足する請求項1に記載のズームレンズ。
-1.50 ≦ fn1/ft ≦ -0.05・・・・・(4)
但し、
fn1:前記レンズ群LNの焦点距離
ft :当該ズームレンズの望遠端における無限遠合焦時の焦点距離
【請求項3】
以下の条件式を満足する請求項1又は請求項2に記載のズームレンズ。
0.05 ≦ frt/ft ≦ 1.50・・・・・(5)
但し、
frt:望遠端における無限遠合焦時の前記中間群から前記最終レンズ群までの合成焦点距離
ft :当該ズームレンズの望遠端における無限遠合焦時の焦点距離
【請求項4】
以下の条件式を満足する請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のズームレンズ。
-1.50 ≦ fn12/ft ≦ -0.05・・・・・(6)
但し、
fn12:望遠端における無限遠合焦時の前記レンズ群LNから前記最終レンズ群までの合成焦点距離
ft :当該ズームレンズの望遠端における無限遠合焦時の焦点距離
【請求項5】
以下の条件式を満足する請求項1から請求項4のいずれか一項に記載のズームレンズ。
1.00 ≦ βn1 ≦ 5.00・・・・・(7)
但し、
βn1:広角端における無限遠合焦時の前記レンズ群LNの横倍率
【請求項6】
以下の条件式を満足する請求項1から請求項5のいずれか一項に記載のズームレンズ。
1.00 ≦ βn12 ≦ 5.00・・・・・(8)
但し、
βn12:広角端における無限遠合焦時の前記レンズ群LNから前記最終レンズ群までの合成横倍率
【請求項7】
前記レンズ群LNを光軸方向に移動させることで無限遠から近接物体への合焦を行い、以下の条件式を満足する請求項1から請求項6のいずれか一項に記載のズームレンズ。
1.0≦|{1-(βn1×βn1)}×(βn2×βn2)|≦15.0・・・(9)
但し、
βn1:広角端における無限遠合焦時の前記レンズ群LNの横倍率
βn2:広角端における無限遠合焦時の前記最終レンズ群の横倍率
【請求項8】
以下の条件式を満足する請求項1から請求項7のいずれか一項に記載のズームレンズ。
1.00 ≦ |CrG1r/fw|・・・・・(10)
但し、
CrG1r:前記第1レンズ群の最も像側の面の曲率半径
【請求項9】
以下の条件式を満足する請求項1から請求項8のいずれか一項に記載のズームレンズ。
0.65 ≦ (fw×tanω)/BFw ≦ 2.30・・・・・(11)
但し、
ω :当該ズームレンズの広角端における無限遠合焦時の半画角
BFw:当該ズームレンズの広角端における無限遠合焦時の最も像側の面から像面までの光軸上の空気換算長
【請求項10】
前記中間群に含まれるレンズ群の中で正の屈折力が最も強いレンズ群は、正の屈折力を有するレンズLpMpを少なくとも1枚有し、以下の条件式を満足する請求項1から請求項9のいずれか一項に記載のズームレンズ。
45.0 ≦ νdLpMp ≦ 98.0・・・・・(12)
但し、
νdLpMp:前記レンズLpMpのd線におけるアッベ数
【請求項11】
前記第1レンズ群は、正の屈折力を有するレンズL1pを少なくとも1枚有し、以下の条件式を満足する請求項1から請求項10のいずれか一項に記載のズームレンズ。
20.0 ≦ νdL1p ≦ 50.0・・・・・(13)
但し、
νdL1p:前記レンズL1pのd線におけるアッベ数
【請求項12】
前記第1レンズ群は、正の屈折力を有するレンズL1pを少なくとも1枚有し、以下の条件式を満足する請求項1から請求項11のいずれか一項に記載のズームレンズ。
1.70 ≦ NdL1p ≦ 2.20・・・・・(14)
但し、
NdL1p:前記レンズL1pのd線における屈折率
【請求項13】
前記最終レンズ群の最も像側に、負の屈折力を有するレンズLnLを有し、以下の条件式を満足する請求項1から請求項12のいずれか一項に記載のズームレンズ。
-3.00 ≦ fLnL/ft ≦ -0.05・・・・・(15)
但し、
fLnL:前記レンズLnLの焦点距離
ft :当該ズームレンズの望遠端における無限遠合焦時の焦点距離
【請求項14】
以下の条件式を満足する請求項1から請求項13のいずれか一項に記載のズームレンズ。
|BFt-BFw|/TLw ≦ 0.30・・・・・(16)
但し、
BFw:当該ズームレンズの広角端における無限遠合焦時の最も像側の面から像面までの光軸上の空気換算長
BFt:当該ズームレンズの望遠端における無限遠合焦時の最も像側の面から像面までの光軸上の空気換算長
TLw:当該ズームレンズの広角端における無限遠合焦時の光学全長
【請求項15】
請求項1から請求項14のいずれか一項に記載のズームレンズと、当該ズームレンズの像側に当該ズームレンズによって形成された光学像を電気的信号に変換する撮像素子とを備えたことを特徴とする撮像装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本件発明は、ズームレンズ及び撮像装置に関する。
【背景技術】
【0002】
デジタルスチルカメラやデジタルビデオカメラ等の固体撮像素子を用いた撮像装置において、近年固体撮像素子の高画素化が進んでいることにより、光学系についても以前に比べ更なる高性能化が求められている。また、撮像装置の小型化に伴い、光学系についても小型のズームレンズが求められている。
【0003】
特許文献1には、物体側から順に負の屈折力を有する第1レンズ群、正の屈折力を有する第2レンズ群、正の屈折力を有する第3レンズ群、負の屈折力を有する第4レンズ群、負の屈折力を有する第5レンズ群より構成される変倍光学系、及び、物体側から順に負の屈折力を有する第1レンズ群、正の屈折力を有する第2レンズ群、負の屈折力を有する第3レンズ群、負の屈折力を有する第4レンズ群より構成される変倍光学系が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2019-008031号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1の実施例1、4、6に記載のズームレンズにおいては、正の屈折力を有するレンズ群の屈折力が弱いため、全長の短縮化が図れておらず、小型化が不十分という問題がある。
【0006】
そこで、本件発明の課題は、小型なズームレンズを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために本件発明に係るズームレンズは、物体側から順に、負の屈折力を有する第1レンズ群と、1以上のレンズ群からなり全体で正の屈折力を有する中間群と、負の屈折力を有するレンズ群LNと、負の屈折力を有する最終レンズ群とから構成され、
変倍又は合焦に際して、隣り合うレンズ群の間隔が変化し、
以下の条件式を満足することを特徴とする。
-1.20 ≦ f1 / fpt ≦ -0.05・・・・・(1)
0.05 ≦ fpMax / fw ≦ 1.25・・・・・(2)
但し、
f1 : 前記第1レンズ群の焦点距離
fpt : 望遠端における無限遠合焦時の前記中間群の焦点距離
fpMax: 前記中間群に含まれるレンズ群の中で正の屈折力が最も強いレンズ群の焦点距離
fw : 当該ズームレンズの広角端における無限遠合焦時の焦点距離
【0008】
また、上記課題を解決するために本件発明に係る撮像装置は、上記ズームレンズと、当該ズームレンズによって形成された光学像を電気的信号に変換にする撮像素子とを備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本件発明によれば、小型なズームレンズ及び撮像装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1参考例1のズームレンズの断面図である。
図2参考例1のズームレンズの広角端における収差図である。
図3参考例1のズームレンズの中間焦点距離位置における収差図である。
図4参考例1のズームレンズの望遠端における収差図である。
図5】実施例2のズームレンズの断面図である。
図6】実施例2のズームレンズの広角端における収差図である。
図7】実施例2のズームレンズの中間焦点距離位置における収差図である。
図8】実施例2のズームレンズの望遠端における収差図である。
図9】実施例3のズームレンズの断面図である。
図10】実施例3のズームレンズの広角端における収差図である。
図11】実施例3のズームレンズの中間焦点距離位置における収差図である。
図12】実施例3のズームレンズの望遠端における収差図である。
図13】実施例4のズームレンズの断面図である。
図14】実施例4のズームレンズの広角端における収差図である。
図15】実施例4のズームレンズの中間焦点距離位置における収差図である。
図16】実施例4のズームレンズの望遠端における収差図である。
図17】実施例5のズームレンズの断面図である。
図18】実施例5のズームレンズの広角端における収差図である。
図19】実施例5のズームレンズの中間焦点距離位置における収差図である。
図20】実施例5のズームレンズの望遠端における収差図である。
図21】実施例6のズームレンズの断面図である。
図22】実施例6のズームレンズの広角端における収差図である。
図23】実施例6のズームレンズの中間焦点距離位置における収差図である。
図24】実施例6のズームレンズの望遠端における収差図である。
図25】本発明の一実施形態に係る撮像装置の構成の一例を模式的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本件発明に係るズームレンズ及び撮像装置の実施の形態を説明する。但し、以下に説明するズームレンズ及び撮像装置は本件発明に係るズームレンズ及び撮像装置の一態様であって、本件発明に係るズームレンズ及び撮像装置は以下の態様に限定されるものではない。
【0012】
1.ズームレンズ
1-1.光学構成
当該ズームレンズは、物体側から順に、負の屈折力を有する第1レンズ群と、1以上のレンズ群からなり全体で正の屈折力を有する中間群と、負の屈折力を有するレンズ群LNと、負の屈折力を有する最終レンズ群とから構成される。このようなテレフォトタイプの屈折力配置の光学構成を採用することで、第1レンズ群の像側をテレフォト傾向の強いパワー配置とすることができ、中間群から最終レンズ群までの合成焦点距離に比して中間群から最終レンズ群までの光軸上の長さを短縮することができる。
【0013】
(1)第1レンズ群
第1レンズ群は負の屈折力を有するレンズ群であり、負の屈折力を有するレンズを少なくとも1枚有する限り、その具体的な構成は特に限定されるものではない。また第1レンズ群は少なくとも1枚の正の屈折力を有するレンズL1pを有することが好ましい。少なくとも1枚の正レンズL1pと共に負の屈折力を有するレンズを少なくとも1枚有することは、色収差を抑え良好な光学性能を図ることが容易となり好ましい。また第1レンズ群において、物体側から順に負の屈折力を有するレンズと、負の屈折力を有するレンズと、正の屈折力を有するレンズで構成することは、色収差を抑え、小型が容易となりさらに好ましい。
【0014】
ここで、レンズ群は、1枚又は互いに隣接する複数枚のレンズからなり、変倍又は合焦の際に光軸に沿って同じ軌跡で同じ移動量だけ移動する。一つのレンズ群が複数枚のレンズから構成される場合、その一つのレンズ群に含まれる各レンズ間の光軸上の距離は変倍又は合焦の際には変化しないものとする。また、隣接するレンズ群間の光軸上の距離は変倍又は合焦の際に変化するものとする。
【0015】
(2)中間群
中間群は全体で正の屈折力を有する群であり、1つ以上の正の屈折力のレンズ群を有する限り、その具体的な構成は特に限定されるものではない。中間群は正の屈折力を有するレンズ群を2つ以上有していても良いし、正の屈折力を有するレンズ群と負の屈折力を有するレンズ群をそれぞれ1つ以上ずつ有していても良い。また中間群において、正の屈折力を有するレンズと負の屈折力を有するレンズとの接合レンズを有することは、色収差を抑え、且つ各レンズの敏感度を抑えることが容易となり好ましい。また中間群においてレンズ群の中で屈折力が最も強いレンズ群は、正の屈折力を少なくとも1枚正の屈折力を有するレンズLpMpを有することが好ましい。また中間群において最も像側のレンズは、像側に凸形状であることがより好ましい。この構成を有することで、像面湾曲を良好に補正でき、小型化を図ることが容易となる。
【0016】
(3)開口絞り
当該ズームレンズにおいて、開口絞りの配置は特に限定されるものではない。但し、ここでいう開口絞りは、当該ズームレンズの光束径を規定する開口絞り、すなわち当該ズームレンズのFnoを規定する開口絞りをいう。しかしながら、開口絞りは第1レンズ群よりも像側、特に中間群内に配置することが、絞りユニットの小型化を図る上で好ましい。さらに、中間群が負の屈折力を有するレンズ群を含む場合、その負の屈折力を有するレンズ群よりも物体側に開口絞りが配置されることが好ましい。第1レンズ群で発生する負の歪曲や負の像面湾曲を打ち消すためには、開口絞りを挟んだ前後で同じ方向の収差を発生させればよい。そのため、開口絞りを第1レンズ群より像側、中間群内の負の屈折力を有するレンズ群より物体側に配置することで、開口絞りの前後において収差を効率よく打ち消し合うことができ、光学性能の高いズームレンズを得る上で好ましい。
【0017】
(4)レンズ群LN
レンズ群LNは負の屈折力を有するレンズ群であり、負の屈折力を有するレンズを少なくとも1枚有する限り、その具体的な構成は特に限定されるものではない。またレンズ群LNにおいて、正の屈折力を有するレンズを少なくとも1枚有することは、色収差を抑え良好な光学性能を図ることが容易となり好ましい。またレンズ群LNにおいて、負の屈折力を有するレンズの形状は像側が凹面形状であることがより好ましく、像面湾曲を補正し、小型化を図ることが容易となる。また両凹形状であることがさらに好ましく、小型化を図ることを容易とする。
【0018】
(5)最終レンズ群
最終レンズ群は負の屈折力を有するレンズ群であり、負の屈折力を有するレンズを少なくとも1枚有する限り、その具体的な構成は特に限定されるものではない。また最終レンズ群において、正の屈折力を有するレンズを少なくとも1枚有することは、色収差を抑え良好な光学性能を図ることが容易となり好ましい。また最終レンズ群において、その最も像側に負の屈折力を有するレンズLnLを有することは、歪曲収差やコマ収差を抑え良好な光学性能を図ることが容易となり好ましい。
【0019】
1-2.動作
(1)変倍
当該ズームレンズは、上記構成を採用し、変倍に際して、第1レンズ群と1つ以上のレンズ群からなる中間群とレンズ群LNと最終レンズ群の光軸上の間隔を変化させることにより変倍する。このように各レンズ群を移動させることで、各レンズ群のパワーを無理に強くすることがなく、変倍全域で良好な光学性能を得ることが容易となる。
【0020】
また上記構成を採用し、変倍に際して、最終レンズ群と少なくとも一以上の他のレンズ群とを同軌跡とすることでメカ構造を簡易化することが可能となり、当該ズームレンズ全体の小型化を図ることが容易となる。
【0021】
(2)合焦
当該ズームレンズにおいて、無限遠から近距離へのフォーカシングに際しレンズ群LNが光軸上を物体側へ移動する構成が好ましい。レンズ群LNは中間群よりも像側に配置されており、光線入射角の変動が小さいため、合焦時の画角変動を抑えることが容易になる。
【0022】
1-3. 条件式
当該ズームレンズは、上述した構成を採用すると共に、次に説明する条件式を少なくとも1つ以上満足することが望ましい。
【0023】
1-3-1.条件式(1)
-1.20 ≦ f1/fpt ≦ -0.05・・・・・(1)
但し、
f1 :第1レンズ群の焦点距離
fpt:望遠端における無限遠合焦時の中間群の焦点距離
【0024】
上記条件式(1)は、第1レンズ群の焦点距離と、望遠端における中間群の合成焦点距離との比を規定した条件式である。条件式(1)を満足することで、広角端において画角を広くすることができ、変倍時における収差変動を抑制することができる。すなわち、広角端における画角が広く、且つ、光学性能の高いズームレンズを実現することが容易となる。
【0025】
これに対して、条件式(1)の値が下限値未満になると、第1レンズ群の屈折力が中間群の屈折力に対して弱くなりすぎる場合、又は、第1レンズ群の屈折力に対して中間群の屈折力が強くなりすぎる場合がある。第1レンズ群の屈折力が相対的に弱くなると、広角端において広画角化を達成するには第1レンズ群を構成するレンズのうち、特に物体側にレンズ径の大きいレンズを配置する必要があり、径方向の小型化を図ることが困難となる。
【0026】
また、中間群の屈折力が相対的に弱くなると当該ズームレンズの光学全長を長くする必要がある。これらのことから、条件式(1)の値が下限値未満である場合、小型で光学性能の高いズームレンズを実現することが困難になるため好ましくない。一方、条件式(1)の値が上限値を超えると、第1レンズ群の屈折力が中間群の屈折力に対して強くなりすぎる。この場合、コマ収差や歪曲収差の補正が困難になり、光学性能の高いズームレンズを実現することが困難になる。
【0027】
上記効果を得る上で、条件式(1)の下限値は-1.15であることが好ましく、-1.10であることがより好ましく、-1.05であることがさらに好ましい。また、条件式(1)の上限値は-0.10であることが好ましく、-0.15であることがより好ましく、-0.20であることがさらに好ましい。なお、これらの好ましい下限値又は上限値を採用する場合、条件式(1)において等号付不等号(≦)を不等号(<)に置換してもよい。他の条件式についても原則として同様である。
【0028】
1-3-2.条件式(2)
0.05 ≦ fpMax/fw ≦ 1.25・・・・・(2)
但し、
fpMax:中間群に含まれるレンズ群の中で正の屈折力が最も強いレンズ群の焦点距離
fw :当該ズームレンズの広角端における無限遠合焦時の焦点距離
【0029】
上記条件式(2)は中間群に含まれるレンズ群の中で正の屈折力が最も強いレンズ群の焦点距離と広角端における当該ズームレンズの焦点距離の比を規定した条件式である。条件式(2)を満足することで、テレフォト傾向のより強いパワー配置とすることが可能となり、光学全長の短縮化を図ることが容易となる。
【0030】
これに対して、条件式(2)の値が下限値未満になると、中間群に含まれるレンズ群の中で正の屈折力が最も強いレンズ群の屈折力が強くなりすぎるため、球面収差の補正が困難となり、好ましくない。一方、条件式(2)の値が上限値を超えると、全長が長くなってしまい、当該ズームレンズ全体の小型化が困難となる。
【0031】
上記効果を得る上で、条件式(2)の下限値は0.10であることが好ましく、0.15であることがより好ましく、0.25であることがさらに好ましい。また、条件式(2)の上限値は1.25であることが好ましく、1.20であることがより好ましく、1.15であることがさらに好ましく、1.05にするとさらに好ましい。
【0032】
1-3-3.条件式(3)
-3.00 ≦ f1/fw ≦ -1.00・・・・・(3)
但し、
f1 :第1レンズ群の焦点距離
fw :当該ズームレンズの広角端における無限遠合焦時の焦点距離
【0033】
上記条件式(3)は第1レンズ群の焦点距離と当該ズームレンズの広角端における無限遠合焦時の焦点距離の比を規定した条件式である。条件式(3)を満足することで、広角端状態において画角が広くすることができ、変倍時における収差変動の抑制を図ることが容易となる。すなわち、広角端における画角が広く、且つ、小型で、光学性能の高いズームレンズを実現することが容易となる。
【0034】
これに対して、条件式(3)の値が下限値未満になると、広角端において広画角化を達成するには第1レンズ群を構成するレンズのうち、特に物体側にレンズ径の大きいレンズを配置する必要があり、径方向の小型化を図ることが困難になる。一方、条件式(3)の値が上限値を超えると、第1レンズ群の屈折力が強くなりすぎるため、コマ収差や歪曲収差の補正が困難になり、光学性能の高いズームレンズの小型化が困難になる。
【0035】
上記効果を得る上で、条件式(3)の下限値は-2.90であることが好ましく、-2.80であることがより好ましく、-2.70であることがさらに好ましい。また、条件式(3)の上限値は-1.10であることが好ましく、-1.15であることがより好ましく、-1.20であることがさらに好ましい。
【0036】
1-3-4.条件式(4)
-1.50 ≦ fn1/ft ≦ -0.05・・・・・(4)
但し、
fn1:レンズ群LNの焦点距離
ft :当該ズームレンズの望遠端における無限遠合焦時の焦点距離
【0037】
上記条件式(4)はレンズ群LNの焦点距離と当該ズームレンズの望遠端における無限遠合焦時の焦点距離の比を規定した条件式である。条件式(4)を満足することで、テレフォト傾向の強いパワー配置とすることが可能となり、光学全長の短縮化を図ることが容易となる。
【0038】
これに対して、条件式(4)の値が下限値未満になると、全長が長くなってしまい、小型化が困難になる。一方、条件式(4)の値が上限値を超えると、レンズ群LNの屈折力が強くなりすぎるため、歪曲収差やコマ収差の補正が困難となる。
【0039】
上記効果を得る上で、条件式(4)の下限値は-1.45であることが好ましく、-1.35であることがより好ましい。また、条件式(4)の上限値は-0.10であることが好ましく、-0.15であることがより好ましく、-0.20であることがさらに好ましい。
【0040】
1-3-5.条件式(5)
0.05 ≦ frt/ft ≦ 1.50・・・・・(5)
但し、
frt:望遠端における無限遠合焦時の中間群から最終レンズ群までの合成焦点距離
ft :当該ズームレンズの望遠端における無限遠合焦時の焦点距離
【0041】
上記条件式(5)は望遠端における無限遠合焦時の中間群から最終レンズ群までの合成焦点距離と当該ズームレンズの望遠端における無限遠合焦時の焦点距離を規定した条件式である。条件式(5)を満足することで、ズームレンズの小型化と光学性能の両立を図ることを容易とする。
【0042】
これに対して条件式(5)の値が下限値未満になると、歪曲収差やコマ収差、球面収差の補正が困難となる。一方、条件式(5)の値が上限値を超えると、第1レンズ群における物体側のレンズが大口径化し、小型化が困難となる。
【0043】
上記効果を得る上で、条件式(5)の下限値は0.10であることが好ましく、0.15であることがより好ましく、0.20であることがさらに好ましい。また、条件式(5)の上限値は1.45であることが好ましく、1.40であることがより好ましく、1.35であることがさらに好ましい。
【0044】
1-3-6.条件式(6)
-1.50 ≦ fn12/ft ≦ -0.05・・・・・(6)
但し、
fn12:望遠端における無限遠合焦時のレンズ群LNから最終レンズ群までの合成焦点距離
ft :当該ズームレンズの望遠端における無限遠合焦時の焦点距離
【0045】
上記条件式(6)は望遠端における無限遠合焦時のレンズ群LNから最終レンズ群までの合成焦点距離と望遠端における無限遠合焦時の当該ズームレンズの焦点距離の比を規定するための条件式である。条件式を満足することで、テレフォト傾向の強いパワー配置とすることが可能となり、光学全長の短縮化を図ることが容易となる。
【0046】
これに対して、条件式(6)の値が下限値未満になると、光学全長が長くなり、小型化が困難となる。一方、条件式(6)の値が上限値を超えると、最終レンズ群の屈折力が強くなりすぎるため、歪曲収差やコマ収差の補正が困難となる。
【0047】
上記効果を得る上で、条件式(6)の下限値は-1.40であることが好ましいく、-1.35であることがより好ましい。また、条件式(6)の上限値は-0.10であることが好ましく、-0.15であることがより好ましく、-0.20であることがさらに好ましい。
【0048】
1-3-7. 条件式(7)
1.00 ≦ βn1 ≦ 5.00・・・・・(7)
但し、
βn1:広角端における無限遠合焦時のレンズ群LNの横倍率
【0049】
上記条件式(7)は広角端における無限遠合焦時のレンズ群LNの横倍率を規定するための条件式である。条件式(7)を満足することで、ズーム全域における光学性能の高性能化を図ることを容易とし、光学全長の短縮化を図ることが容易となる。
【0050】
これに対して、条件式(7)の値が下限値未満になると、広角端から望遠端への変倍におけるレンズ群LNの移動量が大きくなりすぎるため、全長が長くなってしまい、小型化が困難となる。一方、条件式(7)の値が上限値を超えると、レンズ群LNの横倍率が高くなりすぎるため、歪曲収差や像面湾曲の補正が困難となる。
【0051】
上記効果を得る上で、条件式(7)の下限値は1.10であることが好ましく、1.20であることがより好ましい。また、条件式(7)の上限値は4.90であることが好ましく、4.80であることがより好ましく、4.70であることがさらに好ましい。
【0052】
1-3-8. 条件式(8)
1.00 ≦ βn12 ≦ 5.00・・・・・(8)
但し、
βn12:広角端における無限遠合焦時のレンズ群LNから最終レンズ群までの合成横倍率
【0053】
上記条件式(8)は広角端における無限遠合焦時のレンズ群LNから最終レンズ群までの合成横倍率を規定するための条件式である。条件式(8)を満足することで、ズーム全域における光学性能の高性能化を図ることを容易とし、光学全長の短縮化を図ることが容易となる。
【0054】
これに対して、条件式(8)の値が下限値未満になると、広角端から望遠端への変倍におけるレンズ群LNの移動量が大きくなりすぎるため、全長が長くなってしまい、小型化が困難となる。一方、条件式(8)の値が上限値を超えると、レンズ群LNの横倍率が高くなりすぎるため、歪曲収差や像面湾曲の補正が困難となる。
【0055】
上記効果を得る上で、条件式(8)の下限値は1.10であることが好ましく、1.20であることがより好ましい。また、条件式(8)の上限値は4.90であることが好ましく、4.80であることがより好ましく、4.70であることがさらに好ましい。
【0056】
1-3-9. 条件式(9)
1.0 ≦|{1-(βn1×βn1)}×(βn2×βn2)|≦ 15.0・・・(9)
但し、
βn1:広角端における無限遠合焦時のレンズ群LNの横倍率
βn2:広角端における無限遠合焦時の最終レンズ群の横倍率
【0057】
上記条件式(9)は合焦時に光軸上を移動するレンズ群LNのピント敏感度の絶対値、すなわちレンズ群LNが単位量動いた場合の像面移動量を規定するための式である。
条件式(9)を満足することで、無限遠から至近距離までの合焦時におけるフォーカスの移動量の短縮化を可能とし、光学全長の短縮を図ることが容易となる。
【0058】
これに対して、条件式(9)の値が下限値未満になると、無限遠から至近距離への合焦時の移動量が大きくなり、光学全長の小型化が困難となる。一方、条件式(9)の値が上限値を超えると、ピント位置の位置ずれを補正するためのレンズ群LNの移動量が小さくなり過ぎるため、高精度の制御が困難となる。
【0059】
上記効果を得る上で、条件式(9)の下限値は1.20であることが好ましく、1.30であることがより好ましい。また、条件式(9)の上限値は14.0であることが好ましく、13.0であることがより好ましく、12.0であることがさらに好ましい。
【0060】
1-3-10. 条件式(10)
1.00 ≦ | CrG1r/fw |・・・・・(10)
但し、
CrG1r: 第1レンズ群の最も像側の面の曲率半径
fw :当該ズームレンズの広角端における無限遠合焦時の焦点距離
【0061】
上記条件式(10)は第1レンズ群の最も像側の面の曲率半径と当該ズームレンズの広角端における無限遠合焦時の焦点距離の比を規定するための条件式である。条件式(10)を満足することで、球面収差や像面湾曲を補正し、高性能化を実現しながら小型化を図ることが容易となる。
【0062】
これに対して、条件式(10)の値が下限値未満になると、像面湾曲が過補正となるとともに、第1レンズ群における物体側のレンズが大口径化し、小型化が困難となる。
【0063】
上記効果を得る上で、条件式(10)の下限値は1.10であることが好ましく、1.20であることがより好ましく、1.30であることがさらに好ましい。
【0064】
1-3-11. 条件式(11)
0.65 ≦ (fw×tanω)/BFw ≦ 2.30・・・・・(11)
但し、
fw :当該ズームレンズの広角端における無限遠合焦時の焦点距離
ω :当該ズームレンズの広角端における無限遠合焦時の半画角
BFw:当該ズームレンズの広角端における無限遠合焦時の最も像側の面から像面までの光軸上の空気換算長
【0065】
上記条件式(11)は当該ズームレンズの広角端における無限遠合焦時の半画角と最も像側の面から像面までの光軸上の空気換算長を規定するための条件式である。条件式(11)を満足することで、ズーム全域における光学性能の高性能化が実現可能になるとともに、光学全長の短縮化を図ることが容易となる。
【0066】
これに対して、条件式(11)の値が下限値未満になると、軸外光線の像面への入射角を大きくする必要がある。そのため、最終レンズ群の焦点距離を小さくする必要があり、コマ収差や歪曲収差の補正が困難となる。もしくは、最終レンズ群のレンズ径を大きくする必要が生じ、小型化が困難となる。一方、条件式(11)の値が上限値を超えると、全長が長くなり、小型化が困難となる。
【0067】
上記効果を得る上で、条件式(11)の下限値は0.70であることが好ましく、0.75であることがより好ましく、0.85にするとさらに好ましく、0.90にするとさらに好ましい。また、条件式(11)の上限値は2.10であることがより好ましく、2.00であることがさらに好ましく、1.90であることがさらに好ましく、1.80であることがさらに好ましい。
【0068】
1-3-12. 条件式(12)
45.0 ≦ νdLpMp ≦ 98.0・・・・・(12)
但し、
νdLpMp:中間群内で正の屈折力が最も強いレンズ群LpMax中に含まれるレンズLpMpのd線におけるアッベ数
【0069】
上記条件式(12)は中間群内で正の屈折力が最も強いレンズ群LpMax中に含まれるレンズLpMpのd線におけるアッベ数を規定するための式である。条件式(12)を満足することで、軸上色収差と球面収差の両立を図ることが容易となる。
【0070】
これに対して、条件式(12)の値が下限値未満になると、軸上色収差の補正が困難となる。一方、条件式(12)の値が上限値を超えると、レンズが高価なものとなるため、ローコスト化の点で好ましくない。
【0071】
上記効果を得る上で、条件式(12)の下限値は50.0であることが好ましく、60.0であることがより好ましい。また、条件式(12)の上限値は95.0であることが好ましく、90.0であることがより好ましく、85.0であることがさらに好ましい。
【0072】
1-3-13. 条件式(13)
20.0 ≦ νdL1p ≦ 50.0・・・・・(13)
但し、
νdL1p: レンズL1pのd線におけるアッベ数
【0073】
上記条件式(13)は第1レンズ群に含まれる少なくとも1枚の正の屈折力を有するレンズL1pのd線におけるアッベ数を規定するための式である。条件式(13)を満足させることで、良好な像面性を確保しながら、ローコスト化を図ることを容易とする。
【0074】
これに対して、条件式(13)の値が下限値未満になると、低分散なガラスは高価なためローコスト化を図ることが困難となる。一方、条件式(13)の値が上限値を超えると、高分散なガラスは高価なため、ローコスト化を図ることが困難となる。
【0075】
上記効果を得る上で、条件式(13)の下限値は23.0であることが好ましく、26.0であることがより好ましく、29.0であることがさらに好ましい。また、条件式(13)の上限値は47.0であることが好ましく、44.0であることがより好ましく、41.0であることがさらに好ましい。
【0076】
1-3-14. 条件式(14)
1.70 ≦ NdL1p ≦ 2.20・・・・・(14)
但し、
NdL1p:レンズL1pのd線における屈折率
【0077】
上記条件式(14)は第1レンズ群に少なくとも1枚含まれ、正の屈折力を有するレンズL1pのd線における屈折率を規定するための式である。条件式(14)を満足することで、良好な像面性を確保しながら、ローコスト化を図ることを容易とする。
【0078】
これに対して、条件式(14)の値が下限値未満になると、低屈折率ガラスは高価なためローコスト化を図ることが困難となる。一方、条件式(14)の値が上限値を超えると、高屈折率ガラスは高価なため、ローコスト化を図ることが困難となる。
【0079】
上記効果を得る上で、条件式(14)の下限値は1.75であることが好ましく、1.80であることがより好ましく、1.85であることがさらに好ましい。また、条件式(14)の上限値は2.15であることが好ましく、2.10であることがより好ましく、2.05であることがさらに好ましい。
【0080】
1-3-15. 条件式(15)
-3.00 ≦ fLnL/ft ≦ -0.05・・・・・(15)
但し、
fLnL:レンズLnLの焦点距離
ft :当該ズームレンズの望遠端における無限遠合焦時の焦点距離
【0081】
上記条件式(15)は最終レンズ群の最も像側に配置されるレンズLnLの焦点距離と当該ズームレンズの望遠端における無限遠合焦時の焦点距離の比を規定するための条件式である。条件式(15)を満足することで、バックフォーカスが短く、小型なズームレンズを実現することを容易とする。
【0082】
これに対して、条件式(15)の値が下限値未満になると、レンズLnLを通る周辺光線の光軸からの高さが高くなってしまうことでレンズが大口径化し、小型化が困難となる。一方、条件式(15)の値が上限値を超えると、レンズLnLの屈折力が強くなりすぎるため、歪曲収差やコマ収差の補正が困難となる。
【0083】
上記効果を得る上で、条件式(15)の下限値は-2.90であることが好ましく、-2.80であることがより好ましく、-2.70であることがさらに好ましい。また、条件式(15)の上限値は-0.10であることが好ましく、-0.15であることがより好ましく、-0.20であることがさらに好ましい。
【0084】
1-3-16. 条件式(16)
|BFt-BFw|/TLw ≦ 0.30・・・・・(16)
但し、
BFw :当該ズームレンズの広角端における無限遠合焦時の最も像側の面から像面までの光軸上の空気換算長
BFt :当該ズームレンズの望遠端における無限遠合焦時の最も像側の面から像面までの光軸上の空気換算長
TLw :当該ズームレンズの広角端における無限遠合焦時の光学全長
【0085】
上記条件式(16)は広角端から望遠端に変倍する際の、最終レンズ群の物体側への移動量を規定するための条件式である。ここで光学全長とは、ズームレンズを構成するレンズのうち、最も物体側のレンズから像面までの光軸上の全長を示し、その間にあるカバーガラス及びIRカットフィルター等を含む数値である。条件式(16)を満足することで、最終レンズ群の屈折力が適正であり、且つ、変倍時における当該移動量が適正な範囲内となる。そのため、所定の変倍比を確保しつつ、望遠端における光学全長の短縮化を図ることが容易となる。
【0086】
これに対して、条件式(16)の値が上限値を超えると、変倍時における最終レンズ群の上記移動量が大きくなる。このとき、鏡筒を外筒部分に内筒部分を収容した入れ子状の構造とした場合、広角端における光学全長に合わせて鏡筒長を設計すると、内筒部分を2重にして外筒部分に収容する必要が生じるなど、鏡筒の構造が複雑となり、鏡筒の外径も大きくなり小型化が困難となる。
【0087】
上記効果を得る上で、条件式(16)の上限値は0.27であることが好ましく、0.21であることがより好ましく、0.18であることがさらに好ましい。
【0088】
1-3-17. 条件式(17)
-0.50 ≦ fpMax/f1 ≦ -0.05・・・・・(17)
但し、
fpMax:中間群に含まれるレンズ群の中で正の屈折力が最も強いレンズ群の焦点距離
f1 :第1レンズ群の焦点距離
【0089】
上記条件式(17)は、中間群に含まれるレンズ群の中で正の屈折力が最も強いレンズ群の焦点距離と、第1レンズ群の焦点距離との比を規定した条件式である。条件式(17)を満足することで、レンズ群LpMaxの変倍効果を高くすることが可能となる。また変倍における各レンズ群の移動量を短くすることが可能となり、光学全長の短縮化を実現することが容易となる。
【0090】
これに対して、条件式(17)の値が下限値未満になると、第1レンズ群の屈折力がレンズ群LpMaxの屈折力に対して強くなりすぎる場合、又は、第1レンズ群の屈折力に対してレンズ群LpMaxの屈折力が弱くなりすぎる場合である。レンズ群LpMaxの屈折力が相対的に弱くなると当該ズームレンズの光学全長を長くする必要がある。第1レンズ群の屈折力が相対的に弱くなると、広角端において広画角化を達成するには第1レンズ群を構成するレンズのうち、特に物体側にレンズ径の大きいレンズを配置する必要があり、径方向の小型化を図ることが困難になる。一方、条件式(17)の値が上限値を超えると、レンズ群LpMaxの屈折力が第1レンズ群の屈折力に対して強くなりすぎる。この場合、球面収差の補正が困難になり、光学性能の高いズームレンズを実現することが困難になる。
【0091】
上記効果を得る上で、条件式(17)の下限値は-0.48であることが好ましく、-0.46であることがより好ましく、-0.44であることがさらに好ましい。また、条件式(17)の上限値は-0.10であることが好ましく、-0.15であることがより好ましく、-0.20であることがさらに好ましい。
【0092】
1-3-18. 条件式(18)
0.40 ≦ fpt/ft ≦ 2.00・・・・・(18)
但し、
fpt:望遠端における中間群の焦点距離
ft :当該ズームレンズの望遠端における無限遠合焦時の焦点距離
【0093】
上記条件式(18)は、望遠端における中間群の焦点距離と、当該ズームレンズの望遠端における無限遠合焦時の焦点距離との比を規定した条件式である。条件式(18)を満足することで、テレフォト傾向の強いパワー配置とすることが可能となり、光学全長の短縮化を実現する事が容易となる。
【0094】
これに対して、条件式(18)の値が下限値未満になると、中間群の屈折力が強くなりすぎるため、球面収差の補正が困難となり好ましくない。一方、条件式(18)の値が上限値を超えると、全長が長くなってしまい、小型化が困難となる。
【0095】
上記効果を得る上で、条件式(18)の下限値は-0.45であることが好ましく、-0.50であることがより好ましく、-0.65であることがさらに好ましい。また、条件式(18)の上限値は1.90であることが好ましく、1.80であることがより好ましく、1.70であることがさらに好ましく、1.50であることがさらに好ましい。
【0096】
1-3-19. 条件式(19)
-1.35 ≦ fn1/fpt ≦ -0.05・・・・・(19)
但し、
fpt:望遠端における中間群の焦点距離
fn1:レンズ群LNの焦点距離
【0097】
上記条件式(19)は、レンズ群LNの焦点距離と、望遠端における中間群の焦点距離との比を規定した条件式である。条件式(19)を満足することで、テレフォト傾向の強いパワー配置とすることが可能となり、光学全長の短縮化を実現することが容易となる。
【0098】
これに対して、条件式(19)の値が下限値未満になると、レンズ群LNの屈折力が強くなりすぎるため、歪曲収差やコマ収差の補正が困難となるため好ましくない。また、レンズ群LNよりも像側に配置されている最終レンズ群における周辺光線の光線高さが高くなる。さらに最終レンズ群が像側にレンズ径の大きいレンズを配置することとなり、径方向の小型化を図ることが困難となる。一方、条件式(19)の値が上限値を超えると、全長が長くなってしまい、小型化が困難となる。
【0099】
上記効果を得る上で、条件式(19)の下限値は-1.30であることが好ましく、-1.25であることがより好ましく、-0.65であることがさらに好ましい。また、条件式(19)の上限値は-0.10であることが好ましく、-0.15であることがより好ましく、-0.20であることがさらに好ましい。
【0100】
2.撮像装置
次に、本件発明に係る撮像装置について説明する。本件発明に係る撮像装置は、上記本件発明に係るズームレンズと、当該ズームレンズによって形成された光学像を電気的信号に変換する撮像素子とを備えたことを特徴とする。なお、撮像素子はズームレンズの像側に設けられることが好ましい。
【0101】
ここで、撮像素子等に特に限定はなく、CCD(Charge Coupled Device)センサやCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)センサなどの固体撮像素子等も用いることができる。本件発明に係る撮像装置は、デジタルカメラやビデオカメラ等のこれらの固体撮像素子を用いた撮像装置に好適である。また、当該撮像装置は、一眼レフカメラ、ミラーレス一眼カメラ、デジタルスチルカメラ、監視カメラ、車載用カメラ、ドローン搭載用カメラ等の種々の撮像装置に適用することができる。また、これらの撮像装置はレンズ交換式の撮像装置であってもよいし、レンズが筐体に固定されたレンズ固定式の撮像装置であってもよい。特に本発明に係るズームレンズはフルサイズ等のサイズの大きな撮像素子を搭載した撮像装置のズームレンズに好適である。当該ズームレンズは全体的に小型で軽量、且つ、高い光学性能を有するため、このような撮像装置用のズームレンズとしたときにも高画質な撮像画像を得ることができる。
【0102】
図25は、撮像装置1の構成の一例を模式的に示す図である。カメラ2は、着脱可能なズームレンズ3と、ズームレンズ3の結像面IPに配置された撮像素子21(CCDセンサ又はCMOSセンサ)と、撮像素子21の物体側に配置されたカバーガラス22を有す。ズームレンズ3は、開口絞り31を有す。
【0103】
次に、参考例と実施例を示して本件発明を具体的に説明する。但し、本件発明は以下の実施例に限定されるものではない。
[参考例
【実施例1】
【0104】
(1)光学構成
図1は、本件発明に係る参考例1のズームレンズの広角端、望遠端における無限遠合焦時の断面図である。当該ズームレンズは、物体側から順に、負の屈折力を有する第1レンズ群G1、正の屈折力を有する第2レンズ群G2、負の屈折力を有する第3レンズ群G3、正の屈折力を有する第4レンズ群G4、負の屈折力を有する第5レンズ群G5、負の屈折力を有する第6レンズ群G6から構成されている。
【0105】
広角端から望遠端へのズーミングに際し、第1レンズ群G1はまず像側に移動した後に物体側へ移動し、第2レンズ群G2は物体側へ移動し、第3レンズ群G3は移動せず、固定であり、第4レンズ群G4は物体側に移動し、第5レンズ群G5は物体側へ移動し、第6レンズ群G6は物体側へ移動する。また、ズーミングに際し、第4レンズ群G4と第6レンズ群G6は同一軌道で移動する。
【0106】
無限遠物体から近接物体への合焦の際、第5レンズ群G5が光軸に沿って物体側から像側へ移動する。
【0107】
開口絞りSは第3レンズ群G3の物体側に隣接して配置されている。
【0108】
参考例で、上記中間群とは、第2レンズ群G2、第3レンズ群G3及び第4レンズ群G4からなる群のことであり、上記レンズ群LpMaxとは、第4レンズ群G4のことであり、上記レンズ群LNとは、第5レンズ群G5のことであり、上記最終レンズ群とは、第6レンズ群G6のことである。なお、第4レンズ群は中間群に含まれるレンズ群の中で正の屈折力が最も強いレンズ群である。以下、各レンズ群の構成を説明する。
【0109】
第1レンズ群G1は、物体側から順に、物体側凸形状の負メニスカスレンズL101と、両凹レンズL102と、両面に非球面を有する物体側凸形状の正メニスカスレンズL103から構成される。
【0110】
第2レンズ群G2は、物体側から順に、両面に非球面を有する両凸レンズL104と、物体側凹形状の負メニスカスレンズL105と、両凸レンズL106から構成されている。
【0111】
第3レンズ群G3は、物体側から順に、開口絞りSと、物体側の面に非球面を有する両凹レンズL107と、両凸レンズL108と、両凹レンズL109から構成されている。
【0112】
第4レンズ群G4は、物体側から順に、両凸レンズL110と、両凸レンズL111と、両面に非球面を有する両凸レンズL112から構成されている。
【0113】
第5レンズ群G5は、物体側から順に、物体側凸形状の負メニスカスレンズL113と、物体側の面に非球面を有する物体側凸形状の正メニスカスレンズL114から構成されている。
【0114】
第6レンズ群G6は、物体側から順に、両凸レンズL115と、物体側凹形状の負メニスカスレンズL116から構成されている。
【0115】
参考例で本願のL1pとはレンズL103のことであり、LpMpとはレンズL111のことであり、LnLとはレンズL116のことであり、CrGLfとはレンズL103の像側の面のことである。
【0116】
なお、図1において、「IP」は像面であり、具体的には、CCDセンサやCMOSセンサなどの固体撮像素子の撮像面、或いは、銀塩フィルムのフィルム面等を示す。また、像面IPの物体側にはカバーガラスCG等の実質的な屈折力を有さない平行平板を備える。また、図1において各レンズ群を構成するレンズに対する符号の付与は省略している。これらの点は、他の実施例で示す各レンズ断面図においても同様であるため、以後説明を省略する。
【0117】
(2)数値参考例
次に、当該ズームレンズの具体的数値を適用した数値参考例について説明する。以下に、「レンズデータ」、「諸元表」、「可変間隔」、「非球面係数」、「レンズ群データ」を示す。また、各条件式の値(表1)及び各条件式の値を求めるために用いる諸数値等(表2)は実施例6の後にまとめて示す。
【0118】
(レンズデータ)において、「面番号」は物体側から数えたレンズ面の順番、「R」はレンズ面の曲率半径、「D」は光軸上のレンズ肉厚又は空気間隔、「Nd」はd線(波長λ=587.6nm)における屈折率、「ABV」はd線におけるアッベ数を示している。また、「面番号」の欄において面番号の次に付した「ASP」はそのレンズ面が非球面であることを示し、「S」はその面が開口絞りであることを示す。「D」の欄において、「D(6)」、「D(12)」等と示すのは、当該レンズ面の光軸上の間隔が変倍時に変化する可変間隔であることを意味する。また、曲率半径の欄の「0.0000」は無限大を意味し、そのレンズ面が平面であることを意味する。
【0119】
(諸元表)において、「f」は当該ズームレンズの焦点距離、「Fno」はFナンバー、「W」は半画角、「Y」は像高、「TL」は光学全長である。それぞれ広角端、中間焦点距離、望遠端における値を示している。
【0120】
(可変間隔)において、広角端、中間焦点距離、望遠端における無限遠合焦時の値をそれぞれ示している。他の実施例についても同じである。
【0121】
(非球面係数)は、次のようにして非球面形状を定義したときの非球面係数を示す。但し、xは光軸方向の基準面からの変位量、rは近軸曲率半径、Hは光軸に垂直な方向の光軸からの高さ、kは円錐係数、Anはn次の非球面係数とする。また「非球面係数」の表において「E±XX」は指数表記を表し「×10±XX」を意味する。
【0122】
【数1】
【0123】
これらの各表における事項は他の実施例で示す各表においても同様であるため、以下では説明を省略する。
【0124】
また、図2図3及び図4に当該ズームレンズの広角端、中間焦点距離及び望遠端における無限遠合焦時における縦収差図を示す。各図に示す縦収差図は、図面に向かって左側から順に、それぞれ球面収差(mm)、非点収差(mm)、歪曲収差(%)である。球面収差図は実線がd線(波長587.6nm)、破線がF線(波長486.1nm)、点線がC線(波長656.3nm)における球面収差をそれぞれ示す。非点収差図は縦軸が半画角(ω)、横軸がデフォーカスであり、実線がd線のサジタル像面(S)を示し、破線がd線のメリディオナル像面(M)をそれぞれ示す。歪曲収差図は、縦軸が半画角(ω)、横軸が歪曲収差である。これらの事項は、他の実施例において示す各収差図においても同じであるため、以下では説明を省略する。
【0125】
(レンズデータ)
面番号 R D Nd ABV
1 124.1004 2.0000 1.69680 55.46
2 32.7464 10.5157
3 -346.5647 2.0000 1.49700 81.61
4 47.0039 2.8357
5 ASP 64.0822 3.9531 1.88202 37.22
6 ASP 213.0728 D( 6)
7 ASP 229.6363 4.0489 1.72916 54.67
8 ASP -67.1566 1.6500
9 -63.2719 1.5000 1.92286 20.88
10 -2259.4237 0.1000
11 66.3043 5.6238 1.72916 54.67
12 -76.8959 D(12)
13 S 0.0000 3.3554
14 ASP -60.0156 0.2000 1.53610 41.21
15 -62.4762 1.2000 1.70154 41.15
16 45.4814 1.6081
17 48.1506 3.6658 1.98613 16.48
18 -991.4188 4.3046
19 -34.3709 1.2000 1.78472 25.72
20 1578.8626 D(20)
21 57.1212 3.8884 1.49700 81.61
22 -625.9645 0.1000
23 32.6298 8.3899 1.49700 81.61
24 -53.2937 0.1000
25 ASP 137.3913 2.3668 1.88202 37.22
26 ASP -152.6159 D(26)
27 197.2996 1.2000 1.85883 30.00
28 32.7802 2.0643
29 ASP 40.1582 0.2000 1.53610 41.21
30 42.4092 2.2574 1.72916 54.67
31 58.5890 D(31)
32 62.1969 8.3641 1.49700 81.61
33 -31.5909 6.3018
34 -27.0088 1.5000 1.83400 37.34
35 0.0000 D(35)
36 0.0000 2.5000 1.51680 64.20
37 0.0000 1.0000
【0126】
(諸元表)
広角端 中間 望遠端
f 25.78 35.45 48.51
Fno 2.06 2.06 2.06
W 41.07 31.21 23.00
Y 20.61 21.63 21.63
TL 150.05 145.05 144.82
【0127】
(可変間隔)
広角端 中間 望遠端
D(5) 1.0000 29.5878 60.1049
D(14) 40.7065 16.2511 1.0000
D(31) 0.9807 9.3356 8.9082
D(34) 30.4459 22.091 22.5184
D(37) 14.4999 32.4611 49.0997
【0128】
(非球面係数)
面番号 K A4 A6 A8 A10
5 -6.01225E+00 1.52917E-06 3.46595E-09 -7.48207E-12 6.68959E-15
6 5.69139E+00 -2.68169E-06 4.29674E-09 -8.47722E-12 7.09503E-15
7 0.00000E+00 -7.10488E-07 -9.43179E-10 -2.96672E-12 0.00000E+00
8 0.00000E+00 8.01634E-07 -1.01577E-09 -2.30382E-12 0.00000E+00
14 0.00000E+00 5.29970E-06 -2.26478E-09 1.47060E-12 0.00000E+00
25 0.00000E+00 -1.03549E-05 -2.65374E-09 2.20566E-10 -6.43627E-13
26 0.00000E+00 2.11307E-06 3.44455E-09 2.26640E-10 -6.86047E-13
29 0.00000E+00 -3.10161E-07 3.58551E-09 -3.63278E-11 0.00000E+00
【0129】
(レンズ群データ)
群 面番号 焦点距離
G1 1-6 -56.82
G2 7-12 50.68
G3 14-20 -33.56
G4 21-26 23.74
G5 27-31 -61.94
G6 32-35 -500.00
【実施例2】
【0130】
(1)光学構成
図5は、本件発明に係る実施例2のズームレンズの広角端、望遠端における無限遠合焦時の断面図である。当該ズームレンズは、物体側から順に、負の屈折力を有する第1レンズ群G1、正の屈折力を有する第2レンズ群G2、負の屈折力を有する第3レンズ群G3、正の屈折力を有する第4レンズ群G4、負の屈折力を有する第5レンズ群G5、負の屈折力を有する第6レンズ群G6から構成されている。
【0131】
広角端から望遠端へのズーミングに際し、第1レンズ群G1は移動せず、固定であり、第2レンズ群G2は物体側へ移動し、第3レンズ群G3は物体側に移動し、第4レンズ群G4は物体側に移動し、第5レンズ群G5は物体側へ移動し、第6レンズ群G6は物体側へ移動する。また、ズーミングに際し、第4レンズ群G4と第6レンズ群G6は同一軌道で移動する。
【0132】
無限遠物体から近接物体への合焦の際、第5レンズ群G5が光軸に沿って物体側から像側へ移動する。
【0133】
開口絞りSは第3レンズ群G3の物体側に隣接して配置されている。
【0134】
本実施例で上記中間群とは、第2レンズ群G2、第3レンズ群G3及び第4レンズ群G4からなる群のことであり、上記レンズ群LpMaxとは、第4レンズ群G4のことであり、上記レンズ群LNとは、第5レンズ群G5のことであり、上記最終レンズ群とは、第6レンズ群G6のことである。なお、第4レンズ群は中間群に含まれるレンズ群の中で正の屈折力が最も強いレンズ群である。以下、各レンズ群の構成を説明する。
【0135】
第1レンズ群G1は、物体側から順に、物体側凸形状の負メニスカスレンズL201と、物体側凸形状の負メニスカスレンズL202と、両面に非球面を有する物体側凸形状の正メニスカスレンズL203から構成される。
【0136】
第2レンズ群G2は、物体側から順に、両面に非球面を有する両凸レンズL204と、物体側凹形状の負メニスカスレンズL205と、両凸レンズL206から構成されている。
【0137】
第3レンズ群G3は、物体側から順に、開口絞りSと、両凹レンズL207と両凸レンズL208とが接合された接合レンズと、物体側の面に非球面を有する両凹レンズL209から構成されている。
【0138】
第4レンズ群G4は、物体側から順に、両凸レンズL210と、物体側凸形状の負メニスカスレンズL211と両凸レンズL212とが接合された接合レンズと、両面に非球面を有する両凸レンズL213から構成されている。
【0139】
第5レンズ群G5は、物体側凸形状の負メニスカスレンズL214から構成されている。
【0140】
第6レンズ群G6は、物体側から順に、両凸レンズL215と、物体側凹形状の負メニスカスレンズL216から構成されている。
【0141】
本実施例で本願のL1pとはレンズL203のことであり、LpMpとはレンズL210のことであり、LnLとはレンズL216のことであり、CrGLfとはレンズL203の像側の面のことである。
【0142】
(2)数値実施例
次に、当該ズームレンズの具体的数値を適用した数値実施例として、「レンズデータ」、「諸元表」、「可変間隔」、「非球面係数」、「レンズ群データ」を示す。また、図6図7及び図8に当該ズームレンズの広角端、中間焦点距離及び望遠端における無限遠合焦時における縦収差図を示す。
【0143】
(レンズデータ)
面番号 R D Nd ABV
1 113.2329 2.0000 1.69680 55.46
2 28.9918 14.5759
3 1100.4655 2.0000 1.49700 81.61
4 40.9545 3.8366
5 ASP 67.6631 4.9844 1.88202 37.22
6 ASP 263.7182 D( 6)
7 ASP 353.4183 3.5852 1.70338 56.13
8 ASP -72.9016 2.3235
9 -46.8700 1.5000 1.92286 20.88
10 -100.4699 0.1000
11 108.2828 4.7848 1.72916 54.67
12 -61.7328 D(12)
13 S 0.0000 2.6692
14 -79.9400 1.2000 1.69453 33.74
15 24.8547 3.9977 1.92286 20.88
16 -226.1765 2.8711
17 ASP -32.1322 1.2000 1.78431 29.92
18 115.3058 D(18)
19 30.3491 4.1422 1.56061 69.42
20 -488.3397 0.1000
21 64.3308 1.0000 1.92123 22.09
22 30.6549 6.0126 1.49715 81.57
23 -47.3036 0.1000
24 ASP 47.7491 3.2661 1.60787 63.65
25 ASP -150.4366 D(25)
26 1000.2287 1.2000 1.49700 81.61
27 28.9539 D(27)
28 106.6910 4.9866 1.54830 50.74
29 -45.8170 2.2484
30 -35.8488 1.5000 1.69842 55.08
31 -1854.8498 D(31)
32 0.0000 13.1500
33 0.0000 2.5000 1.51680 64.20
34 0.0000 1.0000
【0144】
(諸元表)
広角端 中間 望遠端
f 20.60 32.56 48.51
Fno 2.88 2.88 2.88
W 48.36 33.40 23.02
Y 19.68 21.63 21.63
TL 150.00 150.00 150.00
【0145】
(可変間隔)
広角端 中間 望遠端
D( 6) 36.5041 18.4579 2.2359
D(12) 2.0000 16.1729 28.1780
D(18) 7.0006 4.7795 2.0000
D(25) 5.8909 2.3950 2.5056
D(27) 5.6703 9.1662 9.0555
D(31) 0.1000 6.1943 13.1907
【0146】
(非球面係数)
面番号 K A4 A6 A8 A10
5 -2.41245E+00 1.68633E-06 1.86228E-09 -3.84080E-13 3.03302E-15
6 9.66380E+00 -1.19783E-06 8.14054E-10 3.91400E-13 3.30443E-16
7 0.00000E+00 -3.29731E-06 6.24380E-09 -1.31483E-11 0.00000E+00
8 0.00000E+00 -2.61691E-06 6.16884E-09 -1.23535E-11 0.00000E+00
17 0.00000E+00 4.93529E-06 7.76897E-09 -4.63230E-11 0.00000E+00
24 0.00000E+00 -7.39682E-06 -3.12310E-08 -1.33183E-10 5.47014E-13
25 0.00000E+00 1.16420E-05 -2.36695E-08 -1.11278E-10 7.57203E-13
【0147】
(レンズ群データ)
群 番号 焦点距離
G1 1-6 -52.16
G2 7-12 51.85
G3 14-18 -37.90
G4 19-25 23.21
G5 26-27 -60.02
G6 28-31 -866.15
【実施例3】
【0148】
(1)光学構成
図9は、本件発明に係る実施例3のズームレンズの広角端、望遠端における無限遠合焦時の断面図である。当該ズームレンズは、物体側から順に、負の屈折力を有する第1レンズ群G1、正の屈折力を有する第2レンズ群G2、正の屈折力を有する第3レンズ群G3、負の屈折力を有する第4レンズ群G4、負の屈折力を有する第5レンズ群G5から構成されている。
【0149】
広角端から望遠端へのズーミングに際し、第1レンズ群G1はまず像側に移動した後に物体側へ移動し、第2レンズ群G2は物体側へ移動し、第3レンズ群G3は物体側に移動し、第4レンズ群G4は物体側に移動し、第5レンズ群G5は物体側へ移動する。
【0150】
無限遠物体から近接物体への合焦の際、第4レンズ群G4が光軸に沿って物体側から像側へ移動する。
【0151】
開口絞りSは第3レンズ群G3の物体側に隣接して配置されている。
【0152】
本実施例で上記中間群とは、第2レンズ群G2及び第3レンズ群G3からなる群のことであり、上記レンズ群LpMaxとは、第3レンズ群G3のことであり、上記レンズ群LNとは、第4レンズ群G4のことであり、上記最終レンズ群とは、第5レンズ群G5のことである。なお、第3レンズ群は中間群に含まれるレンズ群の中で正の屈折力が最も強いレンズ群である。以下、各レンズ群の構成を説明する。
【0153】
第1レンズ群G1は、物体側から順に、両凹レンズL301と、物体側凸形状の負メニスカスレンズL302と、両面に非球面を有する両凸レンズL303から構成される。
【0154】
第2レンズ群G2は、物体側から順に、両面に非球面を有する両凸レンズL304と、物体側凹形状の負メニスカスレンズL305と、両凸レンズL306から構成されている。
【0155】
第3レンズ群G3は、物体側から順に、開口絞りSと、両凹レンズL307と両凸レンズL308とが接合された接合レンズと、物体側の面に非球面を有する両凹レンズL309と、両凸レンズL310と、物体側凸形状の負メニスカスレンズL311と両凸レンズL312とが接合された接合レンズと、両面に非球面を有する両凸レンズL313から構成されている。
【0156】
第4レンズ群G4は、両凹レンズL314から構成されている。
【0157】
第5レンズ群G5は、物体側から順に、物体側凹形状の正メニスカスレンズL315と、物体側凹形状の負メニスカスレンズL316から構成されている。
【0158】
本実施例で本願のL1pとはレンズL303のことであり、LpMpとはレンズL310のことであり、LnLとはレンズL316のことであり、CrGLfとはレンズL303の像側の面のことである。
【0159】
(2)数値実施例
次に、当該ズームレンズの具体的数値を適用した数値実施例として、「レンズデータ」、「諸元表」、「可変間隔」、「非球面係数」、「レンズ群データ」を示す。また、図10図11及び図12に当該ズームレンズの広角端、中間焦点距離及び望遠端における無限遠合焦時における縦収差図を示す。
【0160】
(レンズデータ)
面番号 R D Nd ABV
1 -2236.7015 2.0000 1.69680 55.46
2 27.3449 11.7237
3 249.8646 2.0000 1.49700 81.61
4 56.2626 4.3892
5 ASP 666.8413 5.8788 1.88202 37.22
6 ASP -90.7339 D( 6)
7 ASP 122.9237 3.6737 1.72917 54.67
8 ASP -99.3509 3.5122
9 -34.6395 1.5000 1.92286 20.88
10 -66.3126 0.1000
11 290.8205 8.4371 1.72916 54.67
12 -41.4174 D(12)
13 S 0.0000 2.8414
14 -44.7019 1.2000 1.70085 34.48
15 29.9927 4.4622 1.92286 20.88
16 -91.2906 2.1384
17 ASP -125.1747 1.2000 1.78796 30.34
18 31.8452 5.9742
19 40.8206 4.9661 1.56823 68.35
20 -82.6639 0.1000
21 104.6105 1.0000 1.91901 23.79
22 38.6544 7.4729 1.50803 78.95
23 -27.9405 0.1000
24 ASP 237.9555 4.1714 1.63691 60.91
25 ASP -35.1031 D(25)
26 -156.7844 1.2000 1.49700 81.61
27 24.6262 D(27)
28 -240.7169 5.5480 1.63943 33.54
29 -24.7233 0.1000
30 -30.8315 1.5000 2.00100 29.13
31 -739.3576 D(31)
32 0.0000 13.1500
33 0.0000 2.5000 1.51680 64.20
34 0.0000 1.0000
【0161】
(諸元表)
広角端 中間 望遠端
f 20.60 29.12 38.81
Fno 2.88 2.88 2.88
W 48.36 37.03 27.97
Y 19.68 21.63 21.63
TL 150.00 144.53 146.59
【0162】
(可変間隔)
広角端 中間 望遠端
D( 6) 31.6350 12.9055 2.0000
D(12) 2.0000 13.2119 22.3626
D(25) 4.6309 3.4430 2.0000
D(27) 6.6861 7.1924 7.8817
D(31) 1.2088 3.9403 8.5061
【0163】
(非球面係数)
面番号 K A4 A6 A8 A10
5 1.00000E+01 9.69921E-06 -9.70199E-09 1.60672E-11 -1.36358E-14
6 -1.56748E+00 5.20654E-06 -9.88038E-09 1.29752E-11 -1.36136E-14
7 0.00000E+00 -9.03623E-06 -4.56900E-09 2.22950E-11 0.00000E+00
8 0.00000E+00 -8.12098E-06 1.98512E-09 2.01792E-11 0.00000E+00
17 0.00000E+00 -1.89534E-05 1.21170E-08 -1.05762E-10 0.00000E+00
24 0.00000E+00 -6.50834E-06 -4.31965E-08 1.99772E-10 3.36191E-14
25 0.00000E+00 8.96935E-06 -3.60234E-08 1.65609E-10 2.62714E-13
【0164】
(レンズ群データ)
群 番号 焦点距離
G1 1-6 -56.93
G2 7-12 49.69
G3 14-25 23.69
G4 26-27 -42.73
G5 28-31 -127.05
【実施例4】
【0165】
(1)光学構成
図13は、本件発明に係る実施例4のズームレンズの広角端、望遠端における無限遠合焦時の断面図である。当該ズームレンズは、物体側から順に、負の屈折力を有する第1レンズ群G1、正の屈折力を有する第2レンズ群G2、負の屈折力を有する第3レンズ群G3、負の屈折力を有する第4レンズ群G4から構成されている。
【0166】
広角端から望遠端へのズーミングに際し、第1レンズ群G1は像側に移動し、第2レンズ群G2は物体側へ移動し、第3レンズ群G3は物体側に移動し、第4レンズ群G4は物体側に移動する。
【0167】
無限遠物体から近接物体への合焦の際、第3レンズ群G3が光軸に沿って物体側から像側へ移動する。
【0168】
開口絞りSは第2レンズ群G2中に配置されている。
【0169】
本実施例で上記中間群とは、第2レンズ群G2のことであり、上記レンズ群LpMaxとは、第2レンズ群G2のことであり、上記レンズ群LNとは、第3レンズ群G3のことであり、上記最終レンズ群とは、第4レンズ群G4のことである。なお、第2レンズ群は中間群に含まれるレンズ群の中で正の屈折力が最も強いレンズ群である。以下、各レンズ群の構成を説明する。
【0170】
第1レンズ群G1は、物体側から順に、物体側凸形状の負メニスカスレンズL401と、像側の面に非球面を有する両凹レンズL402と、両面に非球面を有する物体側凸形状の正メニスカスレンズL403から構成される。
【0171】
第2レンズ群G2は、物体側から順に、物体側凸形状の正メニスカスレンズL404と、開口絞りSと、物体側凸形状の負メニスカスレンズL405と物体側凸形状の正メニスカスレンズL406とが接合された接合レンズと、両面に非球面を有する両凸レンズL407から構成されている。
【0172】
第3レンズ群G3は、両凹レンズL408から構成されている。
【0173】
第4レンズ群G4は、物体側から順に、両凸レンズL409と、物体側凹形状の負メニスカスレンズL410と、両面に非球面を有する物体側凹形状の負メニスカスレンズL411から構成されている。
【0174】
本実施例で本願のL1pとはレンズL403のことであり、LpMpとはレンズL407のことであり、LnLとはレンズL411のことであり、CrGLfとはレンズL403の像側の面のことである。
【0175】
(2)数値実施例
次に、当該ズームレンズの具体的数値を適用した数値実施例として、「レンズデータ」、「諸元表」、「可変間隔」、「非球面係数」、「レンズ群データ」を示す。また、図14図15及び図16に当該ズームレンズの広角端、中間焦点距離及び望遠端における無限遠合焦時における縦収差図を示す。
【0176】
(レンズデータ)
面番号 R D Nd ABV
1 60.6706 2.0000 1.69680 55.46
2 22.0000 12.1130
3 -203.7986 2.0000 1.49700 81.61
4 ASP 21.5856 3.6638
5 ASP 32.6755 5.2332 1.88202 37.22
6 ASP 61.9904 D( 6)
7 37.8621 2.9348 1.72916 54.67
8 178.6874 2.3629
9 S 0.0000 3.7933
10 22.4993 1.2000 1.91124 34.42
11 12.8888 6.5006 1.57505 67.44
12 85.8581 10.0754
13 ASP 27.3823 5.7808 1.49700 81.61
14 ASP -24.7300 D(14)
15 -61.8097 1.2000 1.72916 54.67
16 34.4138 D(16)
17 375.9690 5.0605 1.68460 43.79
18 -19.8398 0.2986
19 -24.9204 1.5000 1.91082 35.25
20 -64.7824 4.3005
21 ASP -30.3891 1.5000 1.85135 40.10
22 ASP -84.9035 D(22)
23 0.0000 13.1500
24 0.0000 2.5000 1.51680 64.20
25 0.0000 1.0000
【0177】
(諸元表)
広角端 中間 望遠端
f 20.60 29.15 38.80
Fno 2.88 2.88 2.88
W 48.28 36.90 27.98
Y 20.03 21.59 21.63
TL 123.99 113.14 107.70
【0178】
(可変間隔)
広角端 中間 望遠端
D( 6) 30.1383 13.2308 2.0000
D(14) 2.0001 3.7100 5.9959
D(16) 3.5842 5.4743 7.4542
D(22) 0.1000 2.5597 4.0776
【0179】
(非球面係数)
面番号 K A4 A6 A8 A10
4 -4.07902E+00 5.20396E-05 -1.01831E-07 1.84887E-10 0.00000E+00
5 -6.79657E+00 2.83309E-05 -5.33579E-08 1.19865E-10 -1.46658E-14
6 3.44746E+00 -1.91082E-06 -1.05921E-08 5.89406E-11 -8.29321E-14
13 0.00000E+00 -2.44644E-05 -3.39046E-08 -3.44484E-10 0.00000E+00
14 0.00000E+00 5.31260E-06 -3.71272E-08 -3.31959E-10 0.00000E+00
21 0.00000E+00 -9.04175E-05 5.73366E-08 -9.26258E-11 0.00000E+00
22 0.00000E+00 -6.68157E-05 1.69679E-07 -9.20940E-11 0.00000E+00
【0180】
(レンズ群データ)
群 面番号 焦点距離
G1 1-6 -29.66
G2 7-14 25.13
G3 15-16 -30.16
G4 17-22 -400.01
【実施例5】
【0181】
(1)光学構成
図17は、本件発明に係る実施例5のズームレンズの広角端、望遠端における無限遠合焦時の断面図である。当該ズームレンズは、当該ズームレンズは、物体側から順に、負の屈折力を有する第1レンズ群G1、正の屈折力を有する第2レンズ群G2、負の屈折力を有する第3レンズ群G3、正の屈折力を有する第4レンズ群G4、負の屈折力を有する第5レンズ群G5、負の屈折力を有する第6レンズ群G6から構成されている。
【0182】
広角端から望遠端へのズーミングに際し、第1レンズ群G1は移動せず、固定であり、第2レンズ群G2は物体側へ移動し、開口絞りSは移動せず、固定であり、第3レンズ群G3は像側に移動し、第4レンズ群G4は移動せず、固定であり、第5レンズ群G5は物体側へ移動し、第6レンズ群G6は移動せず、固定である。
【0183】
無限遠物体から近接物体への合焦の際、第5レンズ群G5が光軸に沿って物体側から像側へ移動する。
【0184】
開口絞りSは第2レンズ群G2と第3レンズ群G3の間に独立して配置されている。
【0185】
本実施例で上記中間群とは、第2レンズ群G2、第3レンズ群G3及び第4レンズ群G4からなる群のことであり、上記レンズ群LpMaxとは、第4レンズ群G4のことであり、上記レンズ群LNとは、第5レンズ群G5のことであり、上記最終レンズ群とは、第6レンズ群G6のことである。なお、第4レンズ群は中間群に含まれるレンズ群の中で正の屈折力が最も強いレンズ群である。以下、各レンズ群の構成を説明する。
【0186】
第1レンズ群G1は、物体側から順に、両凹レンズL501と、像側の面に非球面を有する物体側凸形状の負メニスカスレンズL502と、物体側凸形状の負メニスカスレンズL503から構成されている。
【0187】
第2レンズ群G2は、両凸レンズL504と物体側凹形状の負メニスカスレンズL505とが接合された接合レンズと、両凸レンズL506から構成されている。
【0188】
第3レンズ群G3は、物体側から順に、両凹レンズL507と両凸レンズL508とが接合された接合レンズと、物体側の面に非球面を有する両凹レンズL509と、物体側凸形状の正メニスカスレンズL510から構成されている。
【0189】
第4レンズ群G4は、物体側から順に、両面に非球面を有する両凸レンズL511と、両凸レンズL512と物体側凹形状の負メニスカスレンズL513とが接合された接合レンズから構成されている。
【0190】
第5レンズ群G5は、両面に非球面を有する両凹レンズL514から構成されている。
【0191】
第6レンズ群G6は、物体側から順に、物体側凹形状の正メニスカスレンズL515と、両凹レンズL516から構成されている。
【0192】
本実施例で本願のL1pとはレンズL503のことであり、LpMpとはレンズL511のことであり、LnLとはレンズL516のことであり、CrGLfとはレンズL503の像側の面のことである。
【0193】
(2)数値実施例
次に、当該ズームレンズの具体的数値を適用した数値実施例として、「レンズデータ」、「諸元表」、「可変間隔」、「非球面係数」、「レンズ群データ」を示す。また、図18図19及び図20に当該ズームレンズの広角端、中間焦点距離及び望遠端における無限遠合焦時における縦収差図を示す。
【0194】
(レンズデータ)
面番号 R D Nd ABV
1 -432.5690 2.0000 1.65534 44.20
2 44.8660 4.3979
3 83.2788 2.0000 1.49700 81.61
4 ASP 31.4343 4.4655
5 63.9196 3.1569 1.75404 28.91
6 174.6629 D(6)
7 69.3596 6.5632 1.58528 66.16
8 -56.0044 1.0000 1.92286 20.88
9 -113.4602 2.6930
10 44.5856 5.5502 1.59382 66.96
11 -681.0575 D(11)
12 S 0.0000 D(12)
13 -174.8844 1.0000 1.83913 35.38
14 40.7918 3.9572 1.85347 22.43
15 -47.1043 1.5540
16 ASP -24.4495 1.2000 1.91004 35.29
17 47.4411 0.3120
18 46.9147 2.0248 1.92286 20.88
19 83.1280 D(19)
20 ASP 60.2483 5.8432 1.58749 65.90
21 ASP -26.0922 0.0744
22 70.2837 6.9800 1.49700 81.61
23 -25.0067 1.0000 1.89211 21.51
24 -40.0619 D(24)
25 ASP -168.1626 1.0000 1.69260 53.24
26 ASP 76.7232 D(26)
27 -173.3234 4.3046 1.91925 23.76
28 -36.8857 0.1892
29 -48.8379 1.0000 1.75776 25.64
30 53.3950 15.9159
31 0.0000 2.5000 1.51680 64.20
32 0.0000 1.0000
【0195】
(諸元表)
広角端 中間 望遠端
f 28.85 46.44 72.67
Fno 2.88 2.88 2.88
W 38.14 24.64 15.79
Y 19.91 21.63 21.63
TL 140.00 140.00 140.00
【0196】
(可変間隔)
広角端 中間 望遠端
D( 6) 27.2265 14.5929 2.1783
D(11) 2.2955 14.9291 27.3436
D(12) 2.1782 6.4295 11.7481
D(19) 11.7372 7.4859 2.1673
D(24) 8.4438 5.2820 4.4632
D(26) 6.4369 9.5988 10.4176
【0197】
(非球面係数)
面番号 K A4 A6 A8 A10
4 0.00000E+00 -4.12067E-06 -3.05369E-09 -1.84090E-12 0.00000E+00
16 0.00000E+00 7.62098E-06 1.35010E-08 -2.35354E-11 0.00000E+00
20 0.00000E+00 -3.02504E-06 -6.95946E-09 6.02111E-12 0.00000E+00
21 0.00000E+00 1.16203E-05 -8.87540E-09 2.23704E-12 0.00000E+00
25 0.00000E+00 3.92682E-06 -4.92977E-08 1.21563E-10 0.00000E+00
26 0.00000E+00 3.84781E-06 -2.70552E-08 8.56004E-11 0.00000E+00
【0198】
(レンズ群データ)
群 面番号 焦点距離
G1 1-6 -55.58
G2 7-11 42.25
G3 13-19 -29.60
G4 20-24 23.24
G5 25-26 -75.94
G6 27-30 -100.00
【実施例6】
【0199】
(1)光学構成
図21は、本件発明に係る実施例6のズームレンズの広角端、望遠端における無限遠合焦時の断面図である。当該ズームレンズは、物体側から順に、負の屈折力を有する第1レンズ群G1、正の屈折力を有する第2レンズ群G2、正の屈折力を有する第3レンズ群G3、負の屈折力を有する第4レンズ群G4、正の屈折力を有する第5レンズ群G5、負の屈折力を有する第6レンズ群G6、負の屈折力を有する第7レンズ群G7から構成されている。
【0200】
広角端から望遠端へのズーミングに際し、第1レンズ群G1は移動せず、固定であり、第2レンズ群G2は像側へ移動し、第3レンズ群G3は物体側へ移動し、開口絞りSは移動せず、固定であり、第4レンズ群G4は像側に移動し、第5レンズ群G5は移動せず、固定であり、第6レンズ群G6は物体側へ移動し、第7レンズ群G7は移動せず、固定である。
【0201】
無限遠物体から近接物体への合焦の際、第6レンズ群G6が光軸に沿って物体側から像側へ移動する。
【0202】
開口絞りSは第3レンズ群G3と第4レンズ群G4の間に独立して配置されている。
【0203】
本実施例で上記中間群とは、第2レンズ群G2、第3レンズ群G3、第4レンズ群G4及び第5レンズ群G5からなる群のことであり、上記レンズ群LpMaxとは、第5レンズ群G5のことであり、上記レンズ群LNとは、第6レンズ群G6のことであり、上記最終レンズ群とは、第7レンズ群G7のことである。なお、第5レンズ群は中間群に含まれるレンズ群の中で正の屈折力が最も強いレンズ群である。以下、各レンズ群の構成を説明する。
【0204】
第1レンズ群G1は、物体側が平面の平凹レンズL601から構成される。
【0205】
第2レンズ群G2は、物体側から順に、像側の面に非球面を有する物体側凸形状の負メニスカスレンズL602と、物体側凸形状の正メニスカスレンズL603から構成されている。
【0206】
第3レンズ群G3は、両凸レンズL604と物体側凹形状の負メニスカスレンズL605とが接合された接合レンズと、両凸レンズL606から構成されている。
【0207】
第4レンズ群G4は、物体側から順に、両凹レンズL607と両凸レンズL608とが接合された接合レンズと、物体側の面に非球面を有する両凹レンズL609と、物体側凸形状の正メニスカスレンズL610から構成されている。
【0208】
第5レンズ群G5は、物体側から順に、両面に非球面を有する両凸レンズL611と、両凸レンズL612と物体側凹形状の負メニスカスレンズL613とが接合された接合レンズから構成されている。
【0209】
第6レンズ群G6は、物体側から順に、両面に非球面を有する両凹レンズL614から構成されている。
【0210】
第7レンズ群G7は、物体側から順に、物体側凸形状の負メニスカスレンズL615から構成されている。
【0211】
本実施例で本願のLpMpとはレンズL611のことであり、LnLとはレンズL615のことであり、CrGLfとはレンズL601の像側の面のことである。
【0212】
(2)数値実施例
次に、当該ズームレンズの具体的数値を適用した数値実施例として、「レンズデータ」、「諸元表」、「可変間隔」、「非球面係数」、「レンズ群データ」を示す。また、図22図23及び図24に当該ズームレンズの広角端、中間焦点距離及び望遠端における無限遠合焦時における縦収差図を示す。
【0213】
(レンズデータ)
面番号 R D Nd ABV
1 0.0000 2.0000 1.65595 43.41
2 31.5382 D( 2)
3 46.1135 2.0000 1.55440 48.77
4 ASP 28.5329 2.2812
5 41.5798 3.4352 1.91920 23.80
6 70.6455 D( 6)
7 70.3251 4.5885 1.58682 65.98
8 -55.2713 1.0000 1.92286 20.88
9 -132.0319 0.0000
10 46.8701 3.7754 1.59774 66.43
11 -166.9787 D(11)
12 S 0.0000 D(12)
13 -70.8026 1.0000 1.80147 43.76
14 146.7866 2.5860 1.86552 22.13
15 -55.7713 2.2797
16 ASP -29.3436 0.2000 1.53610 41.21
17 -28.1516 1.0000 1.90560 35.54
18 53.1008 0.3683
19 49.9701 2.3681 1.92286 20.88
20 198.2902 D(20)
21 ASP 58.1368 5.9408 1.59805 64.69
22 ASP -26.0328 0.0000
23 47.0802 6.1303 1.49700 81.61
24 -33.4750 1.0000 1.86259 22.20
25 -90.6067 D(25)
26 ASP -55.0870 1.0000 1.59807 66.39
27 ASP 137.2913 D(27)
28 329.2435 1.0000 1.77402 44.32
29 62.5860 0.0000
30 0.0000 16.1500
31 0.0000 2.5000 1.51680 64.20
32 0.0000 1.0000
【0214】
(諸元表)
広角端 中間 望遠端
f 28.84 45.11 72.75
Fno 4.12 4.12 4.12
W 38.13 25.27 15.78
Y 19.92 21.63 21.63
TL 130.00 130.00 130.00
【0215】
(可変間隔)
広角端 中間 望遠端
D( 2) 4.0563 6.0563 8.0757
D( 6) 31.8607 17.6273 2.0000
D(11) 2.0000 14.2334 27.8414
D(12) 2.2673 5.6919 10.6665
D(20) 10.3992 6.9746 2.0000
D(25) 9.4245 5.2401 2.5877
D(27) 6.3885 10.5729 13.2253
【0216】
(非球面係数)
No. K A4 A6 A8 A10
4 0.00000E+00 -3.61525E-06 -3.55159E-09 -6.20392E-12 0.00000E+00
16 0.00000E+00 2.80091E-06 -3.35294E-10 -1.75681E-11 0.00000E+00
21 0.00000E+00 -3.59063E-06 1.32767E-09 1.32009E-11 0.00000E+00
22 0.00000E+00 7.92222E-06 -1.41905E-09 3.59304E-11 0.00000E+00
26 0.00000E+00 -2.81203E-06 4.19731E-08 -1.27591E-10 0.00000E+00
27 0.00000E+00 -2.09918E-06 4.88511E-08 -1.25865E-10 0.00000E+00
【0217】
(レンズ群データ)
群 面番号 焦点距離
G1 1-2 -48.07
G2 3-6 426.48
G3 7-11 40.07
G4 13-20 -33.33
G5 21-25 24.24
G6 26-27 -65.61
G7 28-29 -100.00
【0218】
[表1]
条件式 参考例1 実施例2 実施例3 実施例4 実施例5 実施例6
条件式(1) f1/fpt -1.06 -1.01 -1.10 -1.18 -0.69 -0.65
条件式(2) fpMax/fw 0.92 1.13 1.15 1.22 0.81 0.84
条件式(3) f1/fw -2.20 -2.53 -2.76 -1.44 -1.93 -1.67
条件式(4) fn1/ft -1.28 -1.24 -1.10 -0.78 -1.05 -0.90
条件式(5) frt/ft 0.86 0.97 1.30 0.64 0.50 0.43
条件式(6) fn12/ft -0.91 -1.08 -0.78 -0.65 -0.55 -0.50
条件式(7) βn1 1.78 1.50 1.60 2.03 1.33 1.35
条件式(8) βn12 1.50 1.44 1.84 1.98 1.59 1.61
条件式(9) |{1-(βn1×βn1)}×(βn2×βn2)|
1.55 1.15 2.05 2.97 1.10 1.18
条件式(10) | CrG1r/fw | 8.26 12.80 4.41 3.01 6.05 1.09
条件式(11) (fw×tanω)/BFw 1.42 1.46 1.36 1.45 1.22 1.20
条件式(12) νdLpMp 81.61 69.42 68.35 81.61 65.90 64.69
条件式(13) νdL1p 37.22 37.22 37.22 37.22 28.91 -
条件式(14) NdL1p 1.88 1.88 1.88 1.88 1.75 -
条件式(15) fLnL/ft -0.67 -1.08 -0.83 -1.45 -0.46 -1.37
条件式(16) |BFt-BFw|/TLw 0.03 0.09 0.05 0.03 0.00 0.00
条件式(17) fpMax/f1 -0.42 -0.44 -0.42 -0.85 -0.42 -0.50
条件式(18) fpt/ft 1.10 1.06 1.33 0.65 1.11 1.01
条件式(19) fn1/fpt -1.06 -1.01 -1.10 -1.18 -0.69 -0.65
【産業上の利用可能性】
【0219】
本件発明に係るズームレンズは、例えば、フィルムカメラ、デジタルスチルカメラ、デジタルビデオカメラ等の撮像装置の撮像光学系として好適に適用できる。
【符号の説明】
【0220】
S ・・・開口絞り
CG ・・・カバーガラス
IP ・・・像面
G1 ・・・第1レンズ群
G2 ・・・第2レンズ群
G3 ・・・第3レンズ群
G4 ・・・第4レンズ群
G5 ・・・第5レンズ群
G6 ・・・第6レンズ群
G7 ・・・第7レンズ群
(W) ・・・広角端
(T) ・・・望遠端
1 ・・・撮像装置
2 ・・・カメラ
3 ・・・レンズ
21 ・・・撮像素子(CCDセンサ又はCMOSセンサ)

図1
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