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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-26
(45)【発行日】2025-01-10
(54)【発明の名称】接合装置及び接合方法
(51)【国際特許分類】
   B23K 3/00 20060101AFI20241227BHJP
   B23K 1/18 20060101ALI20241227BHJP
   B23K 1/002 20060101ALI20241227BHJP
   B23K 1/00 20060101ALI20241227BHJP
【FI】
B23K3/00 310L
B23K1/18 B
B23K1/002
B23K1/00 A
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2020132770
(22)【出願日】2020-08-05
(65)【公開番号】P2022029500
(43)【公開日】2022-02-18
【審査請求日】2023-03-14
(73)【特許権者】
【識別番号】591036457
【氏名又は名称】三菱電機エンジニアリング株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003166
【氏名又は名称】弁理士法人山王内外特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】藤井 脩矢
(72)【発明者】
【氏名】片山 篤
(72)【発明者】
【氏名】山口 敬史
(72)【発明者】
【氏名】清水 隆紀
(72)【発明者】
【氏名】松下 浩延
【審査官】柏原 郁昭
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-000645(JP,A)
【文献】特開平09-267166(JP,A)
【文献】特開2009-095847(JP,A)
【文献】特開2008-100266(JP,A)
【文献】特開平10-216930(JP,A)
【文献】特開平05-023843(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B23K 3/00
B23K 1/18
B23K 1/002
B23K 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1管材の接続部分側を支持可能な治具と、
接続部分が前記第1管材の接続部分に挿入される第2管材の、当該接続部分以外の部分を支持可能な管材支持ロボットとを備え、
前記第1管材が前記治具により支持され、前記第2管材が前記管材支持ロボットにより支持された状態で、前記接続部分に対して母材を溶かして接合を行う
ことを特徴とする接合装置。
【請求項2】
前記治具は、
ベース板と、
根元が前記ベース板に取付け可能であり、先端に前記第1管材の接続部分側を支持可能な管材受けを有するシャフトを有し、
前記シャフトを、前記ベース板上の指定された位置に指定された軸周りの角度で取付ける治具組立てロボットを備えた
ことを特徴とする請求項1記載の接合装置。
【請求項3】
前記シャフトは、長さが調整可能であり、
前記治具組立てロボットは、前記シャフトを、指定された長さに調整する
ことを特徴とする請求項2記載の接合装置。
【請求項4】
前記第1管材及び前記第2管材を前記治具及び前記管材支持ロボットに取付ける管材取付けロボットを備えた
ことを特徴とする請求項1から請求項3のうちの何れか1項記載の接合装置。
【請求項5】
前記第1管材の接続部分又は前記第2管材の接続部分に取付けられるリング状のろう材と、
前記第1管材の接続部分に前記第2管材の接続部分が挿入された状態で、前記ろう材を加熱する高周波加熱コイルとを備えた
ことを特徴とする請求項1から請求項4のうちの何れか1項記載の接合装置。
【請求項6】
前記高周波加熱コイルによる前記ろう材の加熱後、前記第1管材と前記第2管材との接続状態の良否判定を行う良否判定装置を備えた
ことを特徴とする請求項5記載の接合装置。
【請求項7】
治具に、第1管材の接続部分側を支持させ、
管材支持ロボットに、接続部分が前記第1管材の接続部分に挿入された第2管材の、当該接続部分以外の部分を支持させ
前記第1管材が前記治具により支持され、前記第2管材が前記管材支持ロボットにより支持された状態で、前記接続部分に対して母材を溶かして接合を行う
ことを特徴とする接合方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、2つの管材の接続部分を接合するための接合装置及び接合方法に関する。
【背景技術】
【0002】
2つの管材を接続する方法の一つとして、ろう付けによる接続方法が挙げられる。ろう付けでは、バーナ等を用いて2つの管材の接続部分を均一に加熱できないと、ろう材の溶け方にムラが生じ、精度のよい接続が実現できない。そこで、ろう付けを行い易くするため、管材を支持する治具を用いている(例えば特許文献1参照)。
【0003】
この治具は、ベース板と、ベース板に取付けられ、管材を支持可能な管材受けとから構成されている。治具は、2つの管材のうちの一方の管材における1点及び他方の管材における1点の少なくとも2点を支持する必要があり、管材受けを複数有している。なお、治具が支持する上記2点のうちの1点は、上記接続部分である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開平2-180542号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述したように、従来の治具は、2つの管材のうちの一方の管材における1点及び他方の管材における1点の少なくとも2点を支持する必要があり、部品点数が多くなる。
【0006】
本開示は、上記のような課題を解決するためになされたもので、従来構成に対し、治具の部品点数を削減可能な接合装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示に係る接合装置は、第1管材の接続部分側を支持可能な治具と、接続部分が第1管材の接続部分に挿入される第2管材の、当該接続部分以外の部分を支持可能な管材支持ロボットとを備え、第1管材が治具により支持され、第2管材が管材支持ロボットにより支持された状態で、接続部分に対して母材を溶かして接合を行うことを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本開示によれば、上記のように構成したので、従来構成に対し、治具の部品点数を削減可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】実施の形態1に係るろう付け装置の構成例を示す図である。
図2】実施の形態1に係るろう付け装置によるろう付けで得られる管材ユニットの構成例を示す分解斜視図である。
図3図3A図3Cは、実施の形態1に係るろう付け装置によるろう付けの工程例を示す斜視図である。
図4図4A図4Bは、実施の形態1における管材受けの構成例を示す斜視図である。
図5図5A図5Dは、実施の形態1における管材受けの構成例を示す斜視図である。
図6図6A図6Bは、実施の形態1における管材受けの構成例を示す斜視図である。
図7】実施の形態1に係るろう付け装置の動作例を示すフローチャートである。
図8】実施の形態1における高周波加熱コイルによるろう付けを説明する図である。
図9図9A図9Cは、実施の形態1における良否判定装置による良否判定を説明する図である。
図10図10A図10Cは、実施の形態1におけるろう付け装置の動作例(第1工程)を示す図である。
図11図11A図11Bは、実施の形態1におけるろう付け装置の動作例(第1工程)を示す図である。
図12図12A図12Bは、実施の形態1におけるろう付け装置の動作例(第1工程)を示す図である。
図13】実施の形態1におけるろう付け装置の動作例(第1工程)を示す図である。
図14図14A図14Cは、実施の形態1におけるろう付け装置の動作例(第2工程)を示す図である。
図15図15A図15Bは、実施の形態1におけるろう付け装置の動作例(第2工程)を示す図である。
図16図16A図16Cは、実施の形態1におけるろう付け装置の動作例(第2工程)を示す図である。
図17】実施の形態1におけるろう付け装置の動作例(第2工程)を示す図である。
図18図18A図18Cは、実施の形態1におけるろう付け装置の動作例(第3工程)を示す図である。
図19図19A図19Bは、実施の形態1におけるろう付け装置の動作例(第3工程)を示す図である。
図20図20A図20Bは、実施の形態1におけるろう付け装置の動作例(第3工程)を示す図である。
図21図21A図21Bは、実施の形態1におけるろう付け装置の別の構成例(治具が複数設けられた構成)を示す図である。
図22図22A図22Bは、実施の形態1におけるロボットのハードウェア構成例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
実施の形態1.
図1は実施の形態1に係るろう付け装置(接合装置)の構成例を示す図である。
ろう付け装置は、2つの管材100である管材(第1管材)100a及び管材(第2管材)100bの接続部分に対してろう付けを行う。
【0011】
以下では、ろう付け装置が、ろう付けにより図2に示す管材ユニット101を得る場合を示す。図2に示す管材ユニット101は、4つの管材100-1~100-4から構成されている。また、ろう付け装置は、図3に示す3つの工程(第1工程~第3工程)に分けて、4つの管材100-1~100-4に対するろう付けをそれぞれ行うことで、1つの管材ユニット101を得る。
【0012】
なお、管材100a及び管材100bは、工程毎に、ろう付けが行われる2つの管材100をそれぞれ指す。
例えば、図3Aに示す第1工程では、管材100-1が管材100aとなり、管材100-2が管材100bとなる。また、図3Bに示す第2工程では、管材100-5(ろう付け後の管材100-1,100-2)が管材100aとなり、管材100-3が管材100bとなる。また、図3Cに示す第3工程では、管材100-6(ろう付け後の管材100-1~100-3)が管材100aとなり、管材100-4が管材100bとなる。
【0013】
また、例えば図2に示すように、管材100a(図2では管材100-1)は、少なくとも一部の端部に大径部1001を有する。大径部1001は、管材100aの他の部分に対して径が大きく構成され、管材100bの端部を挿入可能な径に構成されている。図2では、管材100-1がT継手であり、管材100-1の各端部にそれぞれ大径部1001が設けられ、各管材100-2~100-4の端部をそれぞれ挿入可能に構成されている。また、管材100aは、内壁において、大径部1001とその他の部分との間に段差が設けられており、この段差がストッパ部として機能する。ストッパ部は、管材100bの挿入を規制する。そして、管材100aの一端と、当該一端に挿入された管材100bの一端との重なる部分が、ろう付けにより接続される部分(接続部分)となる。
【0014】
また、管材100aの接続部分又は管材100bの接続部分には、事前に、作業者等によりリング状のろう材102(図2では不図示)が取付けられる。
【0015】
ろう付け装置は、図1に示すように、治具1、ロボット2、ロボット3、高周波加熱コイル4及び良否判定装置5(不図示)を備えている。なお図1に示すろう付け装置では、ロボット2が、治具組立てロボット、管材取付けロボット及び管材支持ロボットとして機能し、ロボット3が、管材取付けロボット及び管材支持ロボットとして機能する。
【0016】
治具1は、管材100aの接続部分側を支持可能に構成されている。治具1は、図1に示すように、ベース板11及びシャフト12を有している。
【0017】
ベース板11は、シャフト12を固定する。
【0018】
シャフト12は、先端に、管材受け121を有している。管材受け121は、管材100aの接続部分を支持可能に構成されている。この管材受け121の種別としては、例えば、図4に示すT継手用、図5に示すクランプ型及び図6に示すV字型等が挙げられる。
【0019】
また、シャフト12は、長さが調整可能に構成されていてもよい(図10等参照)。図10等では、シャフト12は、管材受け121を根元側から引き上げ可能に構成され、また、管材受け121が根元側に対して所定の向きに回転(図10等では90度回転)されることで長さを固定可能に構成されている。
【0020】
図1では、ベース板11及びシャフト12は別体に構成され、シャフト12は根元がベース板11に取付け可能に構成されている。
図1では、ベース板11が電磁石(電磁チャック)により構成され、シャフト12が磁性体等により構成されている。このベース板11は、電流が流されることで磁力を生じ、この磁力によってベース板11上に置かれたシャフト12を固定する。
【0021】
ロボット2は、治具組立てロボットとして機能する。すなわち、ロボット2は、シャフト12をベース板11上の指定された位置に指定された軸周りの角度で取付ける。また、ロボット2は、シャフト12の長さが指定されている場合、シャフト12を指定された長さに調整する。
【0022】
ロボット2で用いられる治具組立てに関するプログラムは、例えば、管材100a及び管材100bのモデルを示す3DCADデータに基づいて、管材100a及び管材100bの重心の位置を演算し、当該重心の位置を考慮して最適な支持箇所及び支持角度を演算することで、作成可能である。なお、1つのベース板11上に複数の治具1を配置する場合、上記プログラムに対し、ロボット2がシャフト12の配置をしていく過程で、既に配置したシャフト12と干渉することがないように、ロボット2の動きを確認するシミュレーションが必要である。
【0023】
また、ロボット2は、管材支持ロボットとしても機能する。すなわち、ロボット2は、治具1及びロボット2が管材100の支持を行う場合、管材100bの接続部分以外の部分を支持する。一方、ロボット2は、治具1、ロボット2及びロボット3が管材100の支持を行う場合、管材100a及び管材100bのうちの一方の接続部分以外の部分を支持する。
シャフト12が有する管材受け121と、ロボット2が有するアームとの位置関係は、管材100a及び管材100bの支持箇所に応じて設定される。管材100a及び管材100bの支持箇所は、例えば、管材100a及び管材100bのモデルを示す3DCADデータに基づいて、管材100a及び管材100bの重心の位置を演算し、当該重心の位置を考慮して演算可能である。
【0024】
また、ロボット2は、管材取付けロボットとしても機能する。すなわち、ロボット2は、管材100a又は管材100bのうちの少なくとも一方の取付けを行う。
【0025】
ロボット3は、管材支持ロボットとして機能する。すなわち、ロボット3は、治具1及びロボット3が管材100の支持を行う場合、管材100bの接続部分以外の部分を支持する。一方、ロボット3は、治具1、ロボット2及びロボット3が管材100の支持を行う場合、管材100a及び管材100bのうちの他方の接続部分以外の部分を支持する。
シャフト12が有する管材受け121と、ロボット3が有するアームとの位置関係は、管材100a及び管材100bの支持箇所に応じて設定される。管材100a及び管材100bの支持箇所は、例えば、管材100a及び管材100bのモデルを示す3DCADデータに基づいて、管材100a及び管材100bの重心の位置を演算し、当該重心の位置を考慮して演算可能である。
【0026】
また、ロボット3は、管材取付けロボットとしても機能する。すなわち、ロボット3は、管材100a又は管材100bのうちの少なくとも一方の取付けを行う。
【0027】
ロボット2及びロボット3のうちの少なくとも一方によって、治具1により管材100aの接続部分側が支持され、管材100aの接続部分に管材100bの接続部分が挿入された状態とされる。
【0028】
高周波加熱コイル4は、管材100aの接続部分に管材100bの接続部分が挿入された状態で、ろう材102を加熱する。これにより、高周波加熱コイル4は、ろう材102を溶かし、管材100aと管材100bとを接続させる。高周波加熱コイル4の動作条件(加熱温度及び加熱時間等)は事前に設定される。
【0029】
良否判定装置5は、高周波加熱コイル4によるろう材102の加熱後、管材100aと管材100bとの接続状態の良否判定を行う。良否判定装置5は、例えば撮像装置51(不図示)及び良否判定部52(不図示)を有している。
【0030】
撮像装置51は、高周波加熱コイル4によるろう材102の加熱後、管材100aと管材100bとの接続部分を全周に渡って撮像する。
良否判定部52は、撮像装置51による撮像結果に基づいて、管材100aと管材100bとの接続状態の良否判定を行う。
【0031】
なお上記では、ロボット2が、治具組立てロボット、管材取付けロボット及び管材支持ロボットとして機能し、ロボット3が、管材取付けロボット及び管材支持ロボットとして機能する場合を示した。
しかしながら、治具組立てロボット、管材取付けロボット及び管材支持ロボットの組合せはこれに限らず、上記の各ロボットは、各々独立したロボットとして構成されていてもよいし、複数組合せられて単一又は複数のロボットとして構成されていてもよい。
【0032】
次に、図1に示す実施の形態1に係るろう付け装置の動作例について、図7を参照しながら説明する。以下では、ロボット2が治具組立てロボットとして動作し、ロボット3が管材取付けロボット及び管材支持ロボットとして動作する場合を示す。なお、管材100aの一端(接続部分)又は管材100bの一端(接続部分)には、事前に、作業者等によりリング状のろう材102が取付けられている。
【0033】
図1に示す実施の形態1に係るろう付け装置の動作例では、図7に示すように、まず、ロボット2は、治具1の組立てを行う(ステップST701)。なお、ろう付けに用いられるシャフト12は、事前に、作業者等によりシャフト置き場6に置かれている。
【0034】
この場合、まず、ロボット2は、例えば撮像装置(不図示)を用いてシャフト置き場6を撮像し、その画像から指定されたシャフト12を認識し、当該シャフト12の先端側(管材受け121)を掴む。
そして、ロボット2は、掴んでいるシャフト12の先端側を根元側から引き上げることで、シャフト12を指定された長さに調整する。そして、ロボット2は、掴んでいるシャフト12の先端側を根元側に対して所定の向きに回転させることで、シャフト12の長さを固定する。
そして、ロボット2は、掴んでいるシャフト12を引き上げることでシャフト置き場6から取出し、当該シャフト12をベース板11上の指定された位置に指定された軸周りの角度で置く。
なお、ベース板11は、電流が流されることで磁力を発生し、ロボット2がシャフト12をベース板11へ置くことで、この磁力によりシャフト12がベース板11に固定される。
【0035】
次いで、ロボット3は、管材100aの接続部分を治具1に支持させる(ステップST702)。なお、管材100aは、事前に、作業者等によって管材置き場7に指定された位置及び指定された向きで仮置きされている。この際、ろう付け装置は、例えば、プロジェクタ、ディスプレイ又はAR(Augmented Reality)ゴーグルを用いて、作業者等に対し、管材100aを置く位置及び向きを大まかに指示してもよい。
【0036】
この場合、まず、ロボット3は、例えば撮像装置(不図示)を用いて管材置き場7を撮像し、その画像から指定された管材100aを認識し、当該管材100aのうちの指定された箇所を指定された角度で把持する。この際、ロボット3は、例えば撮像装置(不図示)を用いて自身のアームを撮像し、その画像から管材100aの把持状態を確認し、把持箇所及び把持角度の調整を行ってもよい。
そして、ロボット3は、例えば撮像装置(不図示)を用いて治具1を撮像し、その画像からシャフト12が有する管材受け121の位置を特定し、把持している管材100aの接続部分を当該管材受け121に支持させる。
【0037】
次いで、ロボット3は、管材100bの接続部分以外の部分を掴み、管材100bの接続部分を管材100aの接続部分に挿入する(ステップST703)。なお、管材100bは、事前に、作業者等によって管材置き場7に指定された位置及び指定された向きで仮置きされている。この際、ろう付け装置は、例えば、プロジェクタ、ディスプレイ又はARゴーグルを用いて、作業者等に対し、管材100bの置く位置及び向きを大まかに指示してもよい。
【0038】
この場合、まず、ロボット3は、例えば撮像装置(不図示)を用いて管材置き場7を撮像し、その画像から指定された管材100bを認識し、当該管材100bのうちの指定された箇所(接続部分以外の部分)を指定された角度で把持する。この際、ロボット3は、例えば撮像装置(不図示)を用いて自身のアームを撮像し、その画像から管材100bの把持状態を確認し、把持箇所及び把持角度の調整を行ってもよい。
そして、ロボット3は、例えば撮像装置(不図示)を用いて治具1を撮像し、その画像からシャフト12が有する管材受け121の位置を特定し、把持している管材100bの接続部分を当該管材受け121に支持されている管材100aの接続部分に挿入する。
また、これにより、ロボット3は、管材100bの接続部分以外の部分を支持する。
【0039】
なお、管材100a及び管材100bは、加工精度により、3DCADデータが示すモデルに対してずれが生じる場合がある。そこで、ロボット3は、例えば撮像装置(不図示)を用いて管材100a及び管材100bの接続部分を撮像し、その画像から3DCADデータが示すモデルとのずれを検出し、管材100aへの管材100bの挿入状態を微調整してもよい。また、ロボット3は、例えば触覚センサ又は圧力センサ等のセンサを用い、管材100aへの管材100bの挿入状態の良否を判定して微調整してもよい。
【0040】
次いで、高周波加熱コイル4は、管材100aの接続部分に管材100bの接続部分が挿入された状態で、ろう材102を加熱する(ステップST704)。なお、高周波加熱コイル4は、管材100a,100bのセットが完了した後、コイル部分を自動で上記接続部分の位置まで移動する。そして、図8に示すように、高周波加熱コイル4は、リング状のろう材102を溶かして、当該ろう材102を管材100aと管材100bとの間に流し込ませてフィレットを形成させることで、管材100aと管材100bとの接続を行う。その後、加熱終了時はコイル部分の温度が直ぐに下がらないため、高周波加熱コイル4は、コイル部分を自動で上記接続部分から離す。
【0041】
なお、ステップST701におけるロボット2による治具1の組立て処理と、ステップST702~704におけるロボット3による管材100の取付け処理及び高周波加熱コイル4によるろう付け処理は、順番に実施してもよいし並行して実施してもよい。
【0042】
次いで、良否判定装置5は、管材100aと管材100bとの接続状態の良否判定を行う(ステップST705)。すなわち、例えば、撮像装置51は、高周波加熱コイル4によるろう材102の加熱後、管材100aと管材100bとの接続部分を全周に渡って撮像する。そして、良否判定部52は、図9に示すように、撮像装置51による撮像結果に基づいて、管材100aと管材100bとの接続状態の良否判定を行う。この際、良否判定部52は、AI(Artificial Intelligence)等による技術を用いて、上記良否判定を行ってもよい。なお、図9Aは管材100aと管材100bとの接続状態が良好である場合を示し、図9B,9Cは管材100aと管材100bとの接続状態が良好ではない場合を示している。図9Bは、接続部分のうちの一部を取除いた状態を示しており、当該接続部分のうちの一部にフィレットがなく内部が途切れている状態を示している。図9Cは、フィレットが多く、接続部分の外周面にまで垂れている状態を示している。
【0043】
このステップST705において、良否判定装置5が接続状態が不良であると判定した場合、例えばその旨が外部に通知される。
一方、ステップST705において、良否判定装置5が接続状態が良好であると判定した場合、ろう付け後の管材100が、ろう付け装置又は作業者等により治具1及びロボット2から取外され、例えば管材置き場7に置かれる。また、シャフト12は、作業者等によりベース板11から取外され、例えばシャフト置き場6に置かれる。
【0044】
次に、図1に示す実施の形態1に係るろう付け装置によるろう付けの具体例について、図10~20を用いて説明する。なお、各工程で用いられるシャフト12は、事前に、作業者等によりシャフト置き場6に置かれている。図10では、シャフト置き場6に、T継手用のシャフト12及びクランプ型のシャフト12が置かれている。
【0045】
ろう付け装置によるろう付けの具体例では、まず、ろう付け装置は、第1工程として、管材100-1及び管材100-2に対するろう付けを行う。なお、第1工程で用いられる管材100-1及び管材100-2は、事前に、作業者等により管材置き場7に置かれている。
【0046】
第1工程では、まず、ロボット2は、管材100-1を支持するための治具1を組立てる。
【0047】
この場合、まず、図10Aに示すように、ロボット2は、シャフト置き場6に置かれたシャフト12のうち、T継手用のシャフト12の先端側(管材受け121)を掴む。そして、図10Bに示すように、ロボット2は、掴んでいるシャフト12の先端側を根元側から引き上げることで、シャフト12を指定された長さに調整する。そして、図10Cに示すように、ロボット2は、掴んでいるシャフト12の先端側を根元側に対して90度回転させることで、シャフト12の長さを固定する。
【0048】
そして、図11Aに示すように、ロボット2は、掴んでいるシャフト12を引き上げることでシャフト置き場6から取出し、当該シャフト12をベース板11上の指定された位置に指定された軸周りの角度で置く。
なお、ベース板11は、電流が流されることで磁力を発生し、ロボット2がシャフト12をベース板11へ置くことで、この磁力によりシャフト12がベース板11に固定される。また、ベース板11上には、高周波加熱コイル4が置かれている。
【0049】
次に、ロボット3は、管材100-1を治具1に支持させる。
【0050】
この場合、まず、図11Bに示すように、ロボット3は、管材置き場7に置かれた管材100のうち、指定された管材100-1の指定された箇所を、指定された角度で把持する。
そして、図12Aに示すように、ロボット3は、把持している管材100-1の接続部分を、ベース板11上に取付けられたシャフト12が有する管材受け121に支持させる。
【0051】
次に、ロボット3は、管材100-2の接続部分以外の部分を掴み、当該管材100-2の接続部分を管材100-1の接続部分に挿入する。
【0052】
この場合、まず、図12Bに示すように、ロボット3は、管材置き場7に置かれた管材100のうち、指定された管材100-2の指定された箇所(接続部分以外の部分)を、指定された角度で把持する。
そして、図13に示すように、ロボット3は、把持している管材100-2の接続部分を、ベース板11上に取付けられたシャフト12が有する管材受け121に支持されている管材100-1の接続部分に挿入する。
また、これにより、ロボット3は、管材100-2の接続部分以外の部分を支持する。
【0053】
次に、高周波加熱コイル4は、管材100-1の接続部分に管材100-2の接続部分が挿入された状態で、ろう材102を加熱する。これにより、高周波加熱コイル4は、ろう材102を溶かし、管材100-1と管材100-2とを接続させる。これにより、ろう付け装置は、管材100-5を得る。
【0054】
なお図10~13では、ロボット2による治具1の組立て処理と、ロボット3による管材100の取付け処理及び高周波加熱コイル4によるろう付け処理とを、並行して実施している。
【0055】
次に、良否判定装置5は、管材100-5の接続状態の良否判定を行う。
【0056】
そして、良否判定装置5が接続状態が不良であると判定した場合、例えばその旨が外部に通知される。
一方、良否判定装置5が接続状態が良好であると判定した場合、ろう付け後の管材100-5は、作業者等により治具1及びロボット2から取外され、管材置き場7に置かれる。また、シャフト12は、作業者等によりベース板11から取外される。
【0057】
次いで、ろう付け装置は、第2工程として、管材100-5及び管材100-3に対するろう付けを行う。なお、第2工程で用いられる管材100-5及び管材100-3は、事前に、作業者等により管材置き場7に置かれている。
【0058】
第2工程では、まず、ロボット2は、管材100-5を支持するための治具1を組立てる。
【0059】
この場合、まず、図14Aに示すように、ロボット2は、シャフト置き場6に置かれたシャフト12のうち、クランプ型のシャフト12の先端側(管材受け121)を掴む。そして、図14Bに示すように、ロボット2は、掴んでいるシャフト12の先端側を根元側から引き上げることで、シャフト12を指定された長さに調整する。そして、図14Cに示すように、ロボット2は、掴んでいるシャフト12の先端側を根元側に対して90度回転させることで、シャフト12の長さを固定する。
【0060】
そして、図15Aに示すように、ロボット2は、掴んでいるシャフト12を引き上げることでシャフト置き場6から取出し、当該シャフト12をベース板11上の指定された位置に指定された軸周りの角度で置く。これにより、シャフト12がベース板11に固定される。
【0061】
次に、ロボット3は、管材100-5の接続部分以外の部分を掴み、当該管材100-5を治具1に支持させる。
【0062】
この場合、まず、図15Bに示すように、ロボット3は、管材置き場7に置かれた管材100のうち、指定された管材100-5の指定された箇所(接続部分以外の部分)を、指定された角度で把持する。
そして、図16Aに示すように、ロボット3は、把持している管材100-5の接続部分を、ベース板11上に取付けられたシャフト12が有する管材受け121に支持させる。クランプ型のシャフト12は、図16B,16Cに示すように、ロボット3により挿入された管材100-5を挟み込んで支持する。なお、クランプ型のシャフト12は、自動で開閉機構を動作させて管材100-5の挟み込みを行う。
また、これにより、ロボット3は、管材100-5の接続部分以外の部分を支持する。
【0063】
次に、ロボット2は、管材100-3の接続部分以外の部分を掴み、当該管材100-3の接続部分を管材100-5の接続部分に挿入する。
【0064】
この場合、まず、図16Aに示すように、ロボット2は、管材置き場7に置かれた管材100のうち、指定された管材100-3の指定された箇所(接続部分以外の部分)を、指定された角度で把持する。
そして、図17に示すように、ロボット2は、把持している管材100-3の接続部分を、ベース板11上に取付けられたシャフト12が有する管材受け121に支持されている管材100-5の接続部分に挿入する。
また、これにより、ロボット2は、管材100-3の接続部分以外の部分を支持する。
【0065】
次に、高周波加熱コイル4は、管材100-5の接続部分に管材100-3の接続部分が挿入された状態で、ろう材102を加熱する。これにより、高周波加熱コイル4は、ろう材102を溶かし、管材100-5と管材100-3とを接続させる。これにより、ろう付け装置は、管材100-6を得る。
【0066】
次に、良否判定装置5は、管材100-6の接続状態の良否判定を行う。
【0067】
そして、良否判定装置5が接続状態が不良であると判定した場合、例えばその旨が外部に通知される。
一方、良否判定装置5が接続状態が良好であると判定した場合、ろう付け後の管材100-6は、作業者等により治具1、ロボット2及びロボット3から取外され、管材置き場7に置かれる。また、シャフト12は、作業者等によりベース板11から取外される。
【0068】
次いで、ろう付け装置は、第3工程として、管材100-6及び管材100-4に対するろう付けを行う。なお、第3工程で用いられる管材100-6及び管材100-4は、事前に、作業者等により管材置き場7に置かれている。
【0069】
第3工程では、まず、ロボット2は、管材100-6を支持するための治具1を組立てる。
【0070】
この場合、まず、図18Aに示すように、ロボット2は、シャフト置き場6に置かれたシャフト12のうち、V字型のシャフト12の先端側(管材受け121)を掴む。そして、図18Bに示すように、ロボット2は、掴んでいるシャフト12の先端側を根元側から引き上げることで、シャフト12を指定された長さに調整する。そして、図18Cに示すように、ロボット2は、掴んでいるシャフト12の先端側を根元側に対して90度回転させることで、シャフト12の長さを固定する。
【0071】
そして、図19Aに示すように、ロボット2は、掴んでいるシャフト12を引き上げることでシャフト置き場6から取出し、当該シャフト12をベース板11上の指定された位置に指定された軸周りの角度で置く。これにより、シャフト12がベース板11に固定される。
【0072】
次に、ロボット2は、管材100-6の接続部分以外の部分を掴み、当該管材100-6を治具1に支持させる。
【0073】
この場合、まず、図19Bに示すように、ロボット2は、管材置き場7に置かれた管材100のうち、指定された管材100-6の指定された箇所(接続部分以外の部分)を、指定された角度で把持する。
そして、図20Aに示すように、ロボット2は、把持している管材100-6の接続部分を、ベース板11上に取付けられたシャフト12が有する管材受け121に支持させる。
また、これにより、ロボット2は、管材100-6の接続部分以外の部分を支持する。
【0074】
次に、ロボット3は、管材100-4の接続部分以外の部分を掴み、当該管材100-4の接続部分を管材100-6の接続部分に挿入する。
【0075】
この場合、まず、図20Aに示すように、ロボット3は、管材置き場7に置かれた管材100のうち、指定された管材100-4の指定された箇所(接続部分以外の部分)を、指定された角度で把持する。
そして、図20Bに示すように、ロボット3は、把持している管材100-4の接続部分を、ベース板11上に取付けられたシャフト12が有する管材受け121に支持されている管材100-6の接続部分に挿入する。
また、これにより、ロボット3は、管材100-4の接続部分以外の部分を支持する。
【0076】
次に、高周波加熱コイル4は、管材100-6の接続部分に管材100-4の接続部分が挿入された状態で、ろう材102を加熱する。これにより、高周波加熱コイル4は、ろう材102を溶かし、管材100-6と管材100-4とを接続させる。これにより、ろう付け装置は、管材ユニット101を得る。
【0077】
次に、良否判定装置5は、管材ユニット101の接続状態の良否判定を行う。
【0078】
そして、良否判定装置5が接続状態が不良であると判定した場合、例えばその旨が外部に通知される。
一方、良否判定装置5が接続状態が良好であると判定した場合、ろう付け後の管材ユニット101は、作業者等により治具1、ロボット2及びロボット3から取外され、管材置き場7に置かれる。また、シャフト12は、作業者等によりベース板11から取外される。
【0079】
また上記では、1つのベース板11上に1つのシャフト12が取付けられる場合を示した。しかしながら、これに限らず、ろう付けを行う管材100の構造によっては、1つのベース板11上に複数のシャフト12が取付けられる場合もある。図21は、1つのベース板11上に2つのシャフト12が取付けられた場合を示している。
【0080】
ここで、実施の形態1に係るろう付け装置では、治具1が管材100aの接続部分側を支持し、管材支持ロボットが管材100bの接続部分以外の部分を支持する。このように、実施の形態1に係るろう付け装置では、治具1は、最小で、管材100aの接続部分側の1点のみを支持すれば足りるため、従来構成に対して部品点数を削減可能である。
【0081】
また、実施の形態1に係るろう付け装置では、管材支持ロボットは、管材100bの接続部分以外の部分を支持しており、すなわち、上記接続部分から離れた部分を支持する。これにより、実施の形態1に係るろう付け装置では、上記接続部分に対するろう付けにおいて管材支持ロボットの加熱を回避可能であり、管材支持ロボットとして汎用ロボットを使用可能となる。すなわち、管材支持ロボットは、耐熱性を有する専用のロボットである必要はない。
【0082】
また、実施の形態1に係るろう付け装置では、管材支持ロボットは、管材100bの把持を行うだけでよく、動きが単純であり、制御が容易となる。
【0083】
また、実施の形態1に係るろう付け装置では、治具組立てロボットが治具1の組立てを行う。これにより、実施の形態1に係るろう付け装置では、作業者はシャフト12をシャフト置き場6に置くだけでよく、治具1の組立て間違えを回避可能となる。また、実施の形態1に係るろう付け装置では、作業者が手で治具1の組立てを行う場合に対し、治具1の組立て精度が向上する。また、実施の形態1に係るろう付け装置では、治具1の保管も標準部品(ベース板11及びシャフト12)の保管で済むため、省スペース化が実現できる。
【0084】
また、実施の形態1に係るろう付け装置では、作業者が手で治具1を組立てる際に参照していた組立て要領書の作成が不要となる。また、実施の形態1に係るろう付け装置では、例えば、ある工程で管材取付けロボットが管材100の取付けを行って高周波加熱コイル4がろう付けを行っている間に、治具組立てロボットが次工程の治具1の組立てを行うことが可能である。これにより、実施の形態1に係るろう付け装置では、従来構成に対し、作業時間を短縮可能となる。また、実施の形態1に係るろう付け装置では、治具組立てロボットが用いているプログラムを共有することで、他の場所でも治具1の組立てを容易に再現可能であり、また、改造も容易となる。
【0085】
また、実施の形態1に係るろう付け装置では、量産用として使用可能である場合、一品一葉の治具1を製作する必要なくなり、治具1の製作時間をなくすことができ、また、治具1の保管場所及び管理も不要となる。
【0086】
また、実施の形態1に係るろう付け装置では、管材取付けロボットが、管材100の取付けを行う。これにより、実施の形態1に係るろう付け装置では、作業者による管材100の取付け作業が不要となる。
【0087】
また、実施の形態1に係るろう付け装置では、管材取付けロボットは、例えば撮像装置を用いて管材置き場7に仮置きされた管材100を認識して、当該管材100の把持を行う。これにより、実施の形態1に係るろう付け装置では、管材100の取り間違えを回避可能となる。また、実施の形態1に係るろう付け装置では、管材100の加工間違えがある場合にもこれを検出可能となる。
【0088】
また、実施の形態1に係るろう付け装置では、高周波加熱コイル4を用いてろう付けを行う。これにより、実施の形態1に係るろう付け装置では、ろう付け技能を有していない作業者であっても作業が可能となる。また、実施の形態1に係るろう付け装置では、高周波加熱コイル4の出力制御により加熱温度の制御が可能となり、管材100に取付けられたリング状のろう材102を均一に加熱可能となり、従来構成に対して気温又は作業者等によるろう付けのバラツキを低減可能となる。また、実施の形態1に係るろう付け装置では、高周波加熱コイル4を用いることで、従来構成のようなガスを用いたバーナは不要であり、ガス漏れ等を回避可能となる。
【0089】
また、実施の形態1に係るろう付け装置では、良否判定装置5が、ろう付け後の管材100の接続状態の良否判定を行う。これにより、実施の形態1に係るろう付け装置では、ろう付けによる不良を検出可能となる。
【0090】
なお図1では、シャフト12が、長さが調整可能に構成された場合を示した。しかしながら、これに限らず、シャフト12は、長さが固定されていてもよい。
また図1では、シャフト12が、ベース板11とは別体に構成された場合を示した。しかしながら、これに限らず、シャフト12は、ベース板11に一体に構成されていてもよい(位置固定)。
【0091】
また図1では、治具組立てロボットが治具1の組立てを自動で行う場合を示した。しかしながら、これに限らず、治具1の組立ては、作業者が行ってもよい。
【0092】
また図1では、管材取付けロボットが管材100の取付けを自動で行う場合を示した。しかしながら、これに限らず、管材100の取付けは、作業者が行ってもよい。
【0093】
また図1では、高周波加熱コイル4が管材100の接続部分に対するろう付けを自動で行う場合を示した。しかしながら、これに限らず、管材100の接続部分に対するろう付けは、作業者が行ってもよい。
【0094】
以上のように、この実施の形態1によれば、ろう付け装置は、管材100aの接続部分側を支持可能な治具1と、接続部分が管材100aの接続部分に挿入される管材100bの、当該接続部分以外の部分を支持可能な管材支持ロボットとを備えた。これにより、実施の形態1に係るろう付け装置は、従来構成に対し、治具1の部品点数を削減可能となる。
【0095】
なお上記では、接合装置が、2つの管材100の接続部分に対してろう付けを行うためのろう付け装置である場合を示した。しかしながら、これに限らず、接合装置は、2つの管材100の接続部分に対して母材を溶かして接合するための装置であればよく、例えば溶接により接合を行う溶接装置でもよい。
【0096】
なお、実施の形態の任意の構成要素の変形、若しくは実施の形態の任意の構成要素の省略が可能である。
【0097】
最後に、図22を参照して、実施の形態1におけるロボット2のハードウェア構成例を説明する。なおここでは、ロボット2のハードウェア構成例について示すが、ロボット3についても同様である。
ロボット2の各機能は、処理回路501により実現される。処理回路501は、図22Aに示すように、専用のハードウェアであってもよいし、図22Bに示すように、メモリ503に格納されるプログラムを実行するCPU(Central Processing Unit、中央処理装置、処理装置、演算装置、マイクロプロセッサ、マイクロコンピュータ、プロセッサ、又はDSP(Digital Signal Processor)ともいう)502であってもよい。
【0098】
処理回路501が専用のハードウェアである場合、処理回路501は、例えば、単一回路、複合回路、プログラム化したプロセッサ、並列プログラム化したプロセッサ、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)、又はこれらを組み合わせたものが該当する。ロボット2の機能それぞれを処理回路501で実現してもよいし、各機能をまとめて処理回路501で実現してもよい。
【0099】
処理回路501がCPU502の場合、ロボット2の機能は、ソフトウェア、ファームウェア、又はソフトウェアとファームウェアとの組み合わせにより実現される。ソフトウェア及びファームウェアはプログラムとして記述され、メモリ503に格納される。処理回路501は、メモリ503に記憶されたプログラムを読み出して実行することにより、各部の機能を実現する。すなわち、ロボット2は、処理回路501により実行されるときに、例えば図7に示した各ステップが結果的に実行されることになるプログラムを格納するためのメモリ503を備える。また、これらのプログラムは、ロボット2の手順及び方法をコンピュータに実行させるものであるともいえる。ここで、メモリ503としては、例えば、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリ、EPROM(Erasable Programmable ROM)、EEPROM(Electrically EPROM)等の不揮発性又は揮発性の半導体メモリ、磁気ディスク、フレキシブルディスク、光ディスク、コンパクトディスク、ミニディスク、又はDVD(Digital Versatile Disc)等が該当する。
【0100】
なお、ロボット2の各機能について、一部を専用のハードウェアで実現し、一部をソフトウェア又はファームウェアで実現するようにしてもよい。例えば、治具組立てロボットについては専用のハードウェアとしての処理回路501でその機能を実現し、管材取付けロボット及び管材支持ロボットについては処理回路501がメモリ503に格納されたプログラムを読み出して実行することによってその機能を実現することが可能である。
【0101】
このように、処理回路501は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、又はこれらの組み合わせによって、上述の各機能を実現することができる。
【符号の説明】
【0102】
1 治具、2 ロボット、3 ロボット、4 高周波加熱コイル、5 良否判定装置、6 シャフト置き場、7 管材置き場、11 ベース板、12 シャフト、51 撮像装置、52 良否判定部、100 管材、100a 管材(第1管材)、100b 管材(第2管材)、101 管材ユニット、102 ろう材、121 管材受け、501 処理回路、502 CPU、503 メモリ、1001 大径部。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
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図22