(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-26
(45)【発行日】2025-01-10
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理システム、情報処理方法および情報処理プログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/0207 20230101AFI20241227BHJP
G08G 1/01 20060101ALI20241227BHJP
G08G 1/13 20060101ALI20241227BHJP
G16Y 40/10 20200101ALI20241227BHJP
【FI】
G06Q30/0207
G08G1/01 A
G08G1/13
G16Y40/10
(21)【出願番号】P 2021000576
(22)【出願日】2021-01-05
【審査請求日】2023-12-05
(73)【特許権者】
【識別番号】000237592
【氏名又は名称】株式会社デンソーテン
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】西山 奈津美
(72)【発明者】
【氏名】田中 真一
(72)【発明者】
【氏名】盛林 敏之
(72)【発明者】
【氏名】松井 涼
【審査官】田中 寛人
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-219673(JP,A)
【文献】特開2020-177417(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q10/00-99/00
G08G 1/00-99/00
G16Y40/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータを備えた情報処理装置であって、
前記コンピュータは、
ユーザの行動に関する行動情報を取得
し、
取得
した前記行動情報に基づいて、前記ユーザがイベント施設で開催されるイベントに参加しない非参加者であるか否かを判定
し、
前記非参加者であると判定
した前記ユーザに対して特典を付与する
、
情報処理装置。
【請求項2】
前記コンピュータは、
前記イベントに関する混雑の状況を示す混雑情報を取得し、
取得
した前記混雑情報を、前記イベント施設に応じて設定される所定領域に存在する前記ユーザに対して提供する
、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記コンピュータは、
前記イベントに関する混雑の状況を示す混雑情報を取得し、
取得
した前記行動情報および前記混雑情報に基づいて、前記非参加者であると判定
した前記ユーザのうち、混雑する混雑領域内に存在する前記ユーザに対して前記特典を付与する
、
請求項1または2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記コンピュータは、
前記イベントに関する混雑の状況を示す混雑情報を取得し、
取得
した前記行動情報および前記混雑情報に基づいて、前記非参加者であると判定
した前記ユーザのうち、混雑する混雑領域への移動が予測される前記ユーザに対して前記特典を付与する
、
請求項1~3のいずれか一つに記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記コンピュータは、
前記ユーザの前記行動情報に応じて、当該ユーザに対して付与する特典の内容を変更する
、
請求項1~4のいずれか一つに記載の情報処理装置。
【請求項6】
請求項1~5のいずれか一つに記載の情報処理装置と、
前記情報処理装置によって付与された前記特典を受信する端末装置と
を備え
る情報処理システム。
【請求項7】
コンピュータが実行する情報処理方法であって、
ユーザの行動に関する行動情報を取得
し、
取得
した前記行動情報に基づいて、前記ユーザがイベント施設で開催されるイベントに参加しない非参加者であるか否かを判定
し、
前記非参加者であると判定
した前記ユーザに対して特典を付与する
、
情報処理方法。
【請求項8】
ユーザの行動に関する行動情報を取得し、
取得した前記行動情報に基づいて、前記ユーザがイベント施設で開催されるイベントに参加しない非参加者であるか否かを判定し、
前記非参加者であると判定した前記ユーザに対して特典を付与すること、
をコンピュータに実行させる、情報処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理システム、情報処理方法および情報処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えばコンサートなどのイベント時に、イベント施設周辺の混雑を緩和させる技術が種々提案されている(例えば、特許文献1参照)。従来技術にあっては、イベント終了後にイベント施設から最寄りの駅へ向かうイベントの参加者に対して、イベント施設と駅との間の店舗で利用できるクーポンなどの特典を付与する。そして、参加者が特典を利用することで、イベント施設から駅までの経路の混雑を緩和させるようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記した従来技術にあっては、イベントの参加者に対して対応するものであるため、例えばイベントに参加しない非参加者に対して適切な対応を行うという点で、改善の余地があった。
【0005】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、イベント施設で開催されるイベントに参加しない非参加者に対して適切な対応を行うことができる情報処理装置、情報処理システム、情報処理方法および情報処理プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、情報処理装置において、取得部と、判定部と、付与部とを備える。取得部は、ユーザの行動に関する行動情報を取得する。判定部は、前記取得部によって取得された前記行動情報に基づいて、前記ユーザがイベント施設で開催されるイベントに参加しない非参加者であるか否かを判定する。付与部は、前記判定部によって前記非参加者であると判定された前記ユーザに対して特典を付与する。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、イベント施設で開催されるイベントに参加しない非参加者に対して適切な対応を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、第1の実施形態に係る情報処理方法の概要を示す図である。
【
図2】
図2は、情報処理システムの構成例を示すブロック図である。
【
図3】
図3は、情報処理装置の構成例を示すブロック図である。
【
図4】
図4は、イベント情報の一例を示す図である。
【
図6】
図6は、交通機関情報の一例を示す図である。
【
図9】
図9は、制御部で実行される各種の処理を説明する図である。
【
図10】
図10は、情報処理装置が実行する処理手順を示すフローチャートである。
【
図11】
図11は、第2の実施形態における移動誘導情報の提供処理を説明する図である。
【
図12】
図12は、第2の実施形態に係る情報処理装置が実行する処理手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、添付図面を参照して、本願の開示する情報処理装置、情報処理システムおよび情報処理方法の実施形態を詳細に説明する。なお、以下に示す実施形態によりこの発明が限定されるものではない。
【0010】
(第1の実施形態)
<情報処理方法の概要>
以下では先ず、第1の実施形態に係る情報処理方法の概要について
図1を参照して説明する。
図1は、第1の実施形態に係る情報処理方法の概要を示す図である。
【0011】
図1に示すように、第1の実施形態に係る情報処理方法は、例えば情報処理システム1に含まれる情報処理装置10によって実行される。情報処理装置10は、イベント施設100に関する情報の処理やイベント施設100周辺に関する情報の処理など各種の処理を実行可能なサーバである。ここで、イベント施設100は、例えばスポーツの試合などのイベントが行われるスポーツ施設、コンサートや演劇などのイベントが開催される施設(会場)である。
【0012】
また、
図1では、イベント施設100と駅Aとの間が移動経路Bで結ばれる例を示している。駅Aは、イベント施設100に対応する交通機関の駅であり、具体的にはイベント施設100から最寄りの駅であるが、これに限定されるものではなく、イベント施設100周辺の駅であればよい。なお、駅Aは、所定地点の一例である。また、上記では、移動経路Bが、イベント施設100から駅Aまでの移動経路であるとしたが、これに限られず、例えばバス乗り場、タクシー乗り場などその他の交通機関の乗り場までの移動経路や、イベント施設100とは異なる別の施設(例えば商業施設など)までの移動経路などであってもよい。
【0013】
イベント施設100(以下「施設100」と記載する場合がある)では、例えばイベントが終了すると、イベントに参加した参加者Ub、すなわち観客が一斉に出てくる。そのため、施設100からの移動経路Bおよび最寄りの駅である駅Aなどは混雑する。同様に、イベントの開始前も、イベントの参加者Ubが同じような時間帯で施設100へ移動するため、移動経路Bや駅Aなどが混雑する。
【0014】
ところで、移動経路Bや駅Aなどを含む施設100の周辺には、上記した参加者Ub以外に、イベントに参加しない非参加者Uaも存在する。非参加者Uaの一例としては、施設100周辺に自宅200があり、かかる自宅200へ帰るユーザUなどである。なお、非参加者Uaは、上記した自宅200を有するユーザUに限られず、例えば施設100周辺に勤務先の会社(図示せず)があって通勤するユーザUなど、イベントに参加せずに、施設100周辺を移動するようなユーザUであればよい。
【0015】
上記した非参加者Uaは、イベントの開催によって混雑が発生すると、例えば自宅200への移動に時間がかかるなど混雑の影響を受ける。そこで、本実施形態に係る情報処理装置10にあっては、イベントの開催によって発生する混雑の影響を受ける非参加者Uaに対して、適切な対応を行うことができるような構成とした。また、本実施形態にあっては、非参加者Uaに対して適切な対応を行うことで、例えば非参加者Uaの混雑への理解を得たり、混雑の緩和を図ったりすることができるようにした。
【0016】
以下、情報処理装置10の処理について具体的に説明すると、情報処理装置10は先ず、ユーザUの行動情報を取得する(ステップS1)。例えば、情報処理装置10は、ユーザUが所持する端末装置40からユーザUの行動情報を取得する。
【0017】
ユーザUの行動情報には、例えばユーザUの現在の行動を示すユーザ位置情報や、ユーザUの過去の行動を示す行動履歴情報などが含まれるが、これらは例示であって限定されるものではない。行動履歴情報は、例えばユーザ位置の時系列での推移、すなわちユーザUの移動履歴(移動推移)を示す移動履歴情報などである。
【0018】
次いで情報処理装置10は、施設100で開催されるイベントに関するイベント情報を取得する(ステップS2)。例えば、情報処理装置10は、施設100を管理するサーバ(後述するイベント施設用情報処理装置50(
図2参照))からイベント情報を取得する。なお、イベント情報には、イベントが開催される日時(イベントの開始予定時刻および終了予定時刻)を示すイベント日時情報が含まれるが、これは例示であって限定されるものではない。
【0019】
次いで、情報処理装置10は、取得されたユーザUの行動情報およびイベント情報に基づいて、ユーザUが施設100で開催されるイベントに参加しない非参加者Uaであるか否かを判定する(ステップS3)。
【0020】
かかる判定処理の一例について説明すると、ユーザUは、自宅200がある場所を起点としてある程度の規則性を持って移動する傾向がある(例えば、平日の朝に自宅200から出発し、夜に自宅200へ帰るなど)。情報処理装置10は、ユーザUの行動情報に含まれる移動履歴情報を解析することで、このような規則性のある移動を検出することができる。すなわち、情報処理装置10は、ユーザUの行動を解析し、例えば移動履歴情報に、ユーザUが所定場所を起点として規則的に移動するような移動推移の情報が含まれる場合、当該所定場所がユーザUの自宅200であると推定する。
【0021】
そして、情報処理装置10は、複数のユーザUのうち、例えば施設100のイベント終了後あるいは開始前で混雑の発生が予測されるときに、自宅200であると推定された所定場所に存在したり、所定場所を起点として移動したりするユーザUを、非参加者Uaであると判定する。逆に言えば、情報処理装置10は、複数のユーザUのうち、例えば施設100のイベント終了後あるいは開始前の時間帯のみ、施設100の周辺を移動するようなユーザUを、参加者Ubであると判定する。
【0022】
次いで、情報処理装置10は、非参加者Uaであると判定されたユーザUに対して特典を付与する(ステップS4)。例えば、情報処理装置10は、非参加者Uaのユーザ位置情報に応じた特典を付与することができる。一例として、情報処理装置10は、非参加者Uaが駅Aから自宅200へ向かう移動経路B上に存在する場合、移動経路B上の店舗110に関する特典(例えばクーポンなど)を付与する。
【0023】
このように、本実施形態に係る情報処理装置10は、非参加者Uaに対し、特典を付与する適切な対応を行うことができる。そして、本実施形態にあっては、特典の付与によって非参加者Uaに対してインセンティブを付与することができ、非参加者Uaの混雑への理解を得やすくすることができる。
【0024】
また、特典の付与により、非参加者Uaを移動経路B上の店舗110に誘導し、店舗110に入店して留まることを促すことができる。そして、非参加者Uaが特典を利用することで、例えば移動経路Bを移動する人数を減少させることができ、移動経路Bの混雑を緩和させることができる。
【0025】
なお、上記では、特典が移動経路B上の店舗110のものである例を示したが、これに限られず、特典は迂回路(例えば、移動経路Bを迂回して自宅200へ向かう迂回路)にある店舗や施設などのものであってもよい。また、情報処理装置10は、特典に加えてあるいは代えて、ユーザUにとって有用な情報(例えば混雑の状況や、混雑する領域を回避するための情報を含む混雑情報)をユーザUに提供してもよく、これについては後述する。
【0026】
<情報処理システムの構成>
次に、本実施形態に係る情報処理装置10を含む情報処理システム1の構成について、
図2を用いて説明する。
図2は、情報処理システム1の構成例を示すブロック図である。
【0027】
図2に示すように、情報処理システム1は、上記した情報処理装置10と、端末装置40と、イベント施設用情報処理装置50と、定点カメラ60と、交通機関用情報処理装置70とを含み、これらはインターネット網などの通信ネットワークNを介して通信可能に接続される。なお、
図2では、図示の簡略化のため、端末装置40および定点カメラ60をそれぞれ1つ示したが、複数であってもよい。
【0028】
端末装置40は、ユーザUに所持されて使用される装置である。ここでのユーザUには、イベントの参加者Ubおよび非参加者Uaの両方が含まれる。なお、端末装置40としては、例えばスマートフォンやタブレット端末などを用いることができるが、これに限定されるものではない。
【0029】
端末装置40には、例えばGPS(Global Positioning System)衛星からの信号に基づいてユーザUの位置(正確には端末装置40の位置)を示す位置情報を検出するGPS受信機などが含まれる。端末装置40は、検出した位置情報を情報処理装置10へ送信することができる。また、端末装置40は、上記した情報処理装置10によって付与された特典や提供された混雑情報等を受信することができる。
【0030】
イベント施設用情報処理装置50は、施設100を管理するサーバであり、例えば施設100で開催されるイベントを管理するサーバである。例えば、イベント施設用情報処理装置50は、施設100で開催されるイベントに関するイベント情報の処理など各種の処理を実行可能なサーバである。イベント施設用情報処理装置50は、施設100のイベントの開始予定時刻および終了予定時刻などのイベント日時情報を含むイベント情報を情報処理装置10へ送信することができる。
【0031】
定点カメラ60は、移動経路Bや施設100周辺、交通機関の施設(例えば駅の構内)、交通機関(例えば電車内)などに複数台設置される。定点カメラ60は、移動経路Bや施設100周辺、交通機関の施設を撮像し、撮像されたカメラ画像を情報処理装置10へ送信することができる。なお、定点カメラ60のカメラ画像は、動画データであるが、これに限られず、静止画データなどであってもよい。かかるカメラ画像は、情報処理装置10において混雑情報として取得されるが、これについては後述する。
【0032】
なお、定点カメラ60は、移動経路B等の人を検知する人体検知センサであってもよい。人体検知センサとしては、例えば赤外線信号を用いた焦電センサなどを採用することができる。
【0033】
なお、上記において、情報処理装置10は、定点カメラ60のカメラ画像に基づいて混雑情報を取得するようにしたが、これに限られず、例えばユーザUの端末装置40の位置情報に基づいて混雑情報を取得してもよい。かかる場合、言い換えると、定点カメラ60のカメラ画像が混雑情報として利用されない場合、定点カメラ60は除去されてもよい。
【0034】
交通機関用情報処理装置70は、電車やバスなどの交通機関を管理するサーバである。例えば、交通機関用情報処理装置70は、交通機関に関する交通機関情報の処理など各種の処理を実行可能なサーバである。例えば、交通機関用情報処理装置70は、交通機関である電車の混雑状況などを含む交通機関情報を情報処理装置10へ送信することができる。
【0035】
<情報処理装置の構成>
次いで、情報処理装置10の構成について
図3等を参照して具体的に説明する。
図3は、情報処理装置10の構成例を示すブロック図である。なお、
図3等のブロック図では、本実施形態の特徴を説明するために必要な構成要素のみを機能ブロックで表しており、一般的な構成要素についての記載を省略している。
【0036】
換言すれば、
図3等のブロック図に図示される各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。例えば、各機能ブロックの分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することが可能である。
【0037】
図3に示すように、情報処理装置10は、通信部11と、制御部20と、記憶部30とを備える。
【0038】
通信部11は、通信ネットワークNに双方向通信可能に接続する通信インターフェイスであり、端末装置40、イベント施設用情報処理装置50、定点カメラ60および交通機関用情報処理装置70等との間で情報の送受信を行う。
【0039】
制御部20は、取得部21と、判定部22と、付与部23と、提供部24とを備え、例えば、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、ハードディスクドライブ、入出力ポートなどを有するコンピュータや各種の回路を含む。
【0040】
コンピュータのCPUは、例えば、ROMに記憶されたプログラムを読み出して実行することによって、制御部20の取得部21、判定部22、付与部23および提供部24として機能する。
【0041】
また、制御部20の取得部21、判定部22、付与部23および提供部24の少なくともいずれか一部または全部をASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等のハードウェアで構成することもできる。
【0042】
また、記憶部30は、例えば、不揮発性メモリやデータフラッシュ、ハードディスクドライブといった記憶デバイスで構成される記憶部である。かかる記憶部30には、イベント情報31、混雑情報32、交通機関情報33、ユーザ情報34、特典情報35および各種プログラムなどが記憶される。
【0043】
イベント情報31は、施設100で開催されるイベントに関する情報である。ここで、
図4を用いて、イベント情報31について説明する。
図4は、イベント情報31の一例を示す図である。
【0044】
図4に示すように、イベント情報31には、「イベントID」、「施設名」、「イベント名」、「開始予定時刻」および「終了予定時刻」等の項目が含まれ、各項目は互いに関連付けられている。
【0045】
「イベントID」は、イベント情報を識別する識別情報である。「施設名」は、イベントが開催される施設100の名称を示す情報である。なお、
図4に示す例では、便宜上、「施設名」を「施設E1」といったように抽象的な記載とするが、「施設E1」には具体的な情報が記憶されるものとする。以下、他の情報についても抽象的に記載する場合がある。
【0046】
「イベント名」は、イベントの名称を示す情報である。「開始予定時刻」は、イベントの開始予定時刻を示す情報である。「終了予定時刻」は、イベントの終了予定時刻を示す情報である。
【0047】
図4に示す例において、イベントID「D01」で識別されるイベント情報は、施設名が「施設E1」、イベント名が「イベントF1」、開始予定時刻が「時刻G1」、終了予定時刻が「時刻H1」であることを示している。
【0048】
図3の説明に戻ると、混雑情報32は、移動経路Bにおける混雑状況および施設100の周辺などの混雑状況を示す情報である。ここで、
図5を用いて、混雑情報32について説明する。
図5は、混雑情報32の一例を示す図である。
【0049】
図5に示すように、混雑情報32には、「地点」および「混雑度」等の項目が含まれ、各項目は互いに関連付けられている。
【0050】
「地点」は、移動経路Bおよび施設100周辺の地点を示す情報である。具体的には、「地点」は、移動経路B上の各地点の名称(施設100から100mの地点、200mの地点など)や、施設100周辺における各地点の名称(施設100の東口付近、西口付近など)を示す情報である。
【0051】
「混雑度」は、移動経路B等の混雑状況の度合いを示す情報であり、一例としては、対応する地点を含む単位領域に存在する人数に応じたレベルで示される情報である。混雑情報32には、「混雑度」に加えてあるいは代えて、上記した移動経路B等の人の移動速度など移動経路Bの人の流れを示す人流情報や、移動経路Bにいる人の数の情報などが含まれてもよい。
【0052】
図5に示す例では、「地点J1」において、混雑度が「混雑度K1」であることを示している。
【0053】
図3の説明に戻ると、交通機関情報33は、施設100に対応する交通機関に関する混雑状況を含む情報である。ここでは、施設100に対応する交通機関が電車であり、交通機関情報33が電車の駅(例えば駅A)および駅Aを発着または通過する電車に関する情報である場合を例にとって説明する。
【0054】
図6は、交通機関情報33の一例を示す図である。
図6に示すように、交通機関情報33には、「交通機関ID」、「交通機関名」および「混雑度」等の項目が含まれ、各項目は互いに関連付けられている。
【0055】
「交通機関ID」は、交通機関情報を識別する識別情報である。「交通機関名」は、交通機関の施設の名称や電車の名称を示す情報である。例えば、「交通機関名」には、上記した駅Aなどの交通機関の施設名・識別コードを示す情報や、駅Aを発着または通過する電車を識別する電車の名称・識別コードを示す情報が含まれる。
【0056】
「混雑度」は、交通機関の施設、および、交通機関(例えば電車内)における混雑度を示す情報である。交通機関情報33には、「混雑度」に加えてあるいは代えて、交通機関の施設(例えば駅の構内)の人の移動速度や、交通機関の施設にいると推定される人の数の情報などの混雑の状況に関する情報が含まれてもよい。
【0057】
図6に示す例において、交通機関ID「L01」で識別される交通機関情報は、交通機関名が「駅A」、混雑度が「混雑度N1」であることを示している。
【0058】
図3の説明に戻ると、ユーザ情報34は、ユーザUに関する情報である。ここで、
図7を用いて、ユーザ情報34について説明する。
図7は、ユーザ情報34の一例を示す図である。
【0059】
図7に示すように、ユーザ情報34には、「ユーザID」、「ユーザ位置」、「行動履歴情報」および「属性」等の項目が含まれ、各項目は互いに関連付けられている。
【0060】
「ユーザID」は、ユーザUを識別する識別情報である。「ユーザ位置」は、ユーザUの位置を示すユーザ位置情報である。かかるユーザ位置情報は、ユーザUの現在の行動を示す情報であり、ユーザUの行動情報の一例である。
【0061】
「行動履歴情報」は、ユーザUの過去の行動を示す行動履歴情報である。かかる行動履歴情報も、ユーザUの行動情報の一例である。行動履歴情報には、上記したように、例えばユーザ位置の時系列での推移、すなわちユーザUの移動履歴(移動推移)を示す移動履歴情報が含まれる。
【0062】
なお、行動履歴情報に含まれる情報は、移動履歴情報に限定されるものではない。すなわち、例えば端末装置40に経路案内アプリケーション(以下、「ナビアプリ」と記載する)がインストールされる場合、行動履歴情報は、かかるナビアプリに対するユーザUの操作履歴の内容を示す情報を含んでもよい。具体的には、ナビアプリに対して目的地を設定する操作(行動)がユーザUによってなされた場合、行動履歴情報は、設定されたユーザUの目的地を示す目的地情報を含んでもよい。この目的地情報に基づいて、ユーザUが非参加者Uaであるか否かの判定を行うことができるが、これについては後述する。
【0063】
「属性」は、ユーザUの属性を示す属性情報である。「属性」には、ユーザUの年齢、性別、住所、趣味、嗜好などの情報が含まれるが、これらはあくまでも例示であって限定されるものではない。
【0064】
図7に示す例において、ユーザID「P01」で識別されるユーザUのデータは、ユーザ位置が「位置Q1」、行動履歴情報が「行動履歴R1」、属性が「属性T1」であることを示している。
【0065】
図3の説明に戻ると、特典情報35は、クーポンなどの特典に関する情報である。ここで、
図8を用いて、特典情報35について説明する。
図8は、特典情報35の一例を示す図である。
【0066】
図8に示すように、特典情報35には、「特典ID」、「付与対象」および「特典」等の項目が含まれ、各項目は互いに関連付けられている。
【0067】
「特典ID」は、特典を識別する識別情報である。「付与対象」は、特典を付与する対象を示す情報である。例えば、「付与対象」には、上記したイベント情報、混雑情報、交通機関情報およびユーザ情報などに基づいて選択される対象ユーザに関する情報などが含まれる。
【0068】
具体的に「付与対象」には、対象ユーザとなる非参加者Uaの情報が含まれる。詳しくは、「付与対象」には、「混雑領域(後述)内に存在する非参加者Ua」、「混雑領域への移動が予測される非参加者Ua」などの情報が含まれる。
【0069】
「特典」は、対象ユーザ(非参加者Ua)に対して付与する特典の内容を示す情報である。上記した「付与対象」や「特典」は、例えばユーザUの行動情報の内容に基づいて設定されたり、混雑度情報やイベント情報などに基づいて設定されたりするが、これについては後述する。
【0070】
図8に示す例において、特典ID「U01」で識別される特典のデータは、付与対象が「対象V1」、特典が「特典W1」であることを示している。
【0071】
図3の説明に戻ると、制御部20の取得部21は、通信部11を介して各種の情報を取得する。例えば、取得部21は、施設100で開催されるイベントに関するイベント情報をイベント施設用情報処理装置50から取得する。そして、取得部21は、取得された施設100のイベント情報を記憶部30にイベント情報31(
図4参照)として登録する。
【0072】
取得部21は、ユーザUの行動に関する行動情報を取得する。ユーザUの行動情報には、上記したように、ユーザ位置情報や行動履歴情報などが含まれる。例えば、取得部21は、端末装置40から、ユーザUの現在の行動を示すユーザ位置情報を取得し、記憶部30のユーザ情報34に登録する。
【0073】
また、取得部21は、例えばユーザ位置の時系列での推移、すなわちユーザUの移動履歴(移動推移)を示す移動履歴情報を取得し、記憶部30のユーザ情報34の行動履歴情報として登録することができる。
【0074】
また、取得部21は、端末装置40に対する操作履歴の内容を示す操作履歴情報を取得し、記憶部30のユーザ情報34の行動履歴情報として登録することができる。例えば、取得部21は、端末装置40のナビアプリに対して設定されたユーザUの目的地を示す目的地情報を、行動履歴情報として取得し登録することができる。
【0075】
また、取得部21は、端末装置40から属性情報を取得し、記憶部30のユーザ情報34に登録することができる。
【0076】
また、取得部21は、現在の混雑情報を取得する。例えば、取得部21は、定点カメラ60(
図2参照)のカメラ画像などに基づいて混雑情報を取得してもよい。例えば、取得部21は、移動経路Bに設置された定点カメラ60から送信されたカメラ画像を解析して移動経路Bにいる人の数を計測し、計測された人数に応じた混雑度を含む混雑情報を、記憶部30の混雑度(
図5参照)として登録する。言い換えると、取得部21は、施設100と駅A(所定地点の一例)との間の移動経路Bにおける混雑情報を取得し、記憶部30に登録する。
【0077】
また、取得部21は、駅Aに設置された定点カメラ60のカメラ画像を解析して駅Aにいる人の数を計測し、計測された人数に応じた混雑度を含む混雑情報を、記憶部30の交通機関情報33の混雑度(
図6参照)として登録する。また、取得部21は、電車内に設置された定点カメラ60のカメラ画像を解析して電車内の混雑度を含む混雑情報を、記憶部30の交通機関情報33の混雑度として登録する。なお、取得部21は、定点カメラ60に加えて、あるいは代えて、例えば端末装置40の位置情報に基づいて混雑情報を取得してもよい。
【0078】
ここで、混雑情報の取得処理の一例について
図9を参照して説明する。
図9は、制御部20で実行される各種の処理を説明する図である。
【0079】
図9に示すように、取得部21は、イベントに関する混雑の状況を示す混雑情報を取得する。詳しくは、取得部21は、施設100を含む所定領域Cにおける混雑の状況を示す混雑情報を、上記した定点カメラ60のカメラ画像や端末装置40の位置情報等に基づいて取得する。
【0080】
所定領域Cは、施設100の周辺であり、例えば施設100、移動経路Bおよび駅Aを含む。なお、上記では、所定領域Cが施設100、移動経路Bおよび駅Aを含むとしたが、これは例示であって限定されるものではなく、例えば施設100に関連する領域であれば、任意の領域に設定可能である。
【0081】
また、取得部21は、例えば混雑情報における混雑度などに基づいて、所定領域Cにおいて混雑する混雑領域Caを設定してもよい。混雑領域Caは、混雑度が比較的高い領域であり、例えば混雑度が予め設定された所定混雑度以上の領域である。なお、所定混雑度は、対応する領域が混雑していると判定可能な値に設定されるが、これに限られず、任意に設定可能である。
図9では、混雑領域Caとして移動経路Bおよび駅Aが設定された例を示している。
【0082】
図3の説明を続けると、判定部22は、ユーザUの行動情報およびイベント情報等に基づいて、ユーザUが施設100で開催されるイベントに参加しない非参加者Uaであるか否かを判定する。
【0083】
例えば、施設100を含む所定領域C(
図9参照)を日常的に移動しているユーザUは、イベントに参加していない非参加者Uaである可能性が高い。ここで、所定領域Cを日常的に移動しているユーザUの例としては、所定領域Cに自宅200(
図9参照)や勤務先の会社(図示せず)、通学している学校(図示せず)などがあるユーザUである。
【0084】
そこで、判定部22は、ユーザUの行動情報等に基づいて、所定領域Cに自宅200(または会社や学校)があると推定されるユーザUを非参加者Uaであると判定する。例えば、判定部22は、ユーザUの行動情報に含まれる移動履歴情報を解析し、移動履歴情報に、ユーザUが所定領域C内の所定場所を起点として規則的に移動するような移動推移の情報が含まれる場合、当該所定場所がユーザUの自宅200(または会社や学校)であると推定し、当該ユーザUは非参加者Uaであると判定する。判定部22は、判定結果(すなわち非参加者Uaと判定されたユーザUに関する情報)を付与部23へ通知する。
【0085】
逆に言えば、例えば判定部22は、ユーザUの移動履歴情報を解析し、所定領域Cを日常的に移動しておらず、施設100のイベント終了後あるいは開始前の時間帯のみ、移動経路Bや駅Aを移動するようなユーザUを、参加者Ubであると判定してもよい。また、例えば、判定部22は、ユーザUの移動履歴情報を解析し、所定領域Cを日常的に移動しておらず、施設100のイベントが開催されている時間帯に施設100に存在するようなユーザUを、参加者Ubであると判定してもよい。
【0086】
なお、上記した非参加者Uaの判定手法は、あくまでも例示であって限定されるものではなく、その他の判定手法が用いられてもよい。すなわち、例えば、
図9に示すように、判定部22は、ユーザUの行動情報に含まれる行動履歴情報に、所定領域C内の所定施設300を目的地とする目的地情報が含まれる場合、当該ユーザUは、施設100ではなく、所定施設300へ向かう可能性が高いことから、非参加者Uaであると判定する。
【0087】
なお、本実施形態においては、後述するように、非参加者Ua(正確には非参加者Uaの一部)に対して特典の付与が行われる。そのため、ユーザUの中には、特典の付与のみを目的として施設100付近へ来るユーザUが存在する可能性がある。そこで、本実施形態にあっては、特典の付与のみを目的とするユーザUを特典付与の対象から除外するようにした。すなわち、例えば、判定部22は、ユーザUの行動情報等に基づいて、所定領域Cを日常的に移動しておらず、イベント開催時のみ施設100付近に存在するユーザUは、特典の付与のみを目的とするユーザUか、参加者Ubであるため、このようなユーザUについては非参加者Uaとして判定しないようにする。これにより、特典の付与のみを目的として施設100付近へ来るユーザUを、特典付与の対象から除外することが可能になる。
【0088】
図3の説明を続けると、付与部23は、非参加者Uaであると判定されたユーザUに対して特典を付与する。例えば、付与部23は、記憶部30の混雑情報32、交通機関情報33、ユーザ情報34および特典情報35などに基づいて、非参加者Uaであると判定されたユーザUの中から特典付与の対象となる対象ユーザを選択し、選択された対象ユーザに対して特典(例えばクーポンなど)を付与する。
【0089】
このように、本実施形態に係る付与部23は、非参加者Uaに対し、特典を付与する適切な対応を行うことができる。そのため、例えば特典の付与によって非参加者Uaに対してインセンティブを付与することができ、非参加者Uaの混雑への理解を得やすくすることができる。また、付与した特典の利用により、混雑の緩和も図ることができる。
【0090】
ここで、付与部23による特典の付与処理の具体例について
図9を参照しつつ説明する。
図9に示すように、例えば付与部23は、ユーザUの行動情報および混雑情報に基づいて、非参加者Uaであると判定されたユーザUのうち、混雑する混雑領域Ca内に存在するユーザU(非参加者Ua1)に対して特典を付与する。
【0091】
これにより、本実施形態にあっては、例えば混雑領域Caである移動経路Bを移動中で、自宅200への移動に時間がかかるなど、混雑の影響を現在受けている非参加者Ua1に対して、特典を付与することができ、よって非参加者Ua1の混雑への理解を得やすくすることができる。
【0092】
なお、特典の一例としては、例えば移動経路B上の店舗110で利用可能なクーポンであるが、これに限られず、店舗110で利用可能なポイントなどその他の種類の特典であってもよい。また、上記したクーポンやポイントなどの特典は、例えば店舗110での決済に利用することができるが、これに限定されるものではなく、サービスなどに利用してもよい。また、特典は、混雑が生じているとき以外に利用できるものであってもよい。
【0093】
また、非参加者Ua1に対する特典の付与により、非参加者Ua1を移動経路B上の店舗110に誘導し、店舗110に入店して留まることを促すことができる。そして、非参加者Ua1が特典を利用することで、例えば移動経路Bを移動する人数を減少させることができ、移動経路Bの混雑を緩和させることができる。
【0094】
次に、混雑領域Ca外にいる非参加者Ua2,Ua3、言い換えると、混雑領域Caに現時点で存在しない非参加者Ua2,Ua3への付与処理について説明する。なお、
図9の例では、非参加者Ua2,Ua3は、駅Aに繋がる駅X1にいるものとする。
【0095】
付与部23は、ユーザUの行動情報および混雑情報に基づいて、非参加者Uaであると判定されたユーザUのうち、混雑する混雑領域Caへの移動が予測されるユーザU(非参加者Ua2)に対して特典を付与する。
【0096】
例えば、付与部23は、非参加者Ua2の行動情報の行動履歴情報に、駅X1から混雑領域Caである駅Aへ向かうことが推定される移動推移が含まれる場合、非参加者Ua2は混雑領域Caへ移動すると予測し、非参加者Ua2に特典を付与する。なお、ここでの特典の一例としては、非参加者Ua2のユーザ位置情報に基づき、駅X1の店舗120で利用可能なクーポンである。
【0097】
これにより、本実施形態にあっては、例えばこれから混雑領域Caへ移動し、混雑の影響を将来受けると予測される非参加者Ua2に対して、特典を付与することができ、よって非参加者Ua2の混雑への理解を得やすくすることができる。
【0098】
また、非参加者Ua2に対する特典の付与により、非参加者Ua2を駅X1の店舗120に誘導し、店舗120に入店して留まることを促すことができる。そして、非参加者Ua2が特典を利用することで、例えば混雑領域Caである駅Aや移動経路Bへ向けて移動する人数を減少させることができ、駅A等の混雑を緩和させることができる。
【0099】
他方、付与部23は、非参加者Ua3の行動情報の行動履歴情報に、駅X1から混雑領域Caである駅Aへ向かうと推定される移動推移が含まれない場合、非参加者Ua3は混雑領域Caへ移動しないと予測し、非参加者Ua3に特典を付与しない。
【0100】
これにより、非参加者Uaであると判定されたユーザUのうち、イベントによる混雑の影響を受けないユーザU(非参加者Ua3)を特典付与の対象から除外することが可能になる。
【0101】
また、付与部23は、ユーザUの行動情報に応じて、当該ユーザUに対して付与する特典の内容を変更してもよい。例えば、付与部23は、混雑領域Caから非参加者Uaまでの距離が短くなるにつれて店舗110での割引率が増加するなど特典の内容が良くなるようにして、特典の付与を行ってもよい。これにより、非参加者Uaに対して、店舗110に入店して留まることをより促すことができ、非参加者Ua1が店舗110に入店することで、移動経路Bの混雑をより一層緩和させることができる。
【0102】
なお、上記では、特典の内容が混雑領域Caから非参加者Uaまでの距離に応じて変更されるようにしたが、これに限定されるものではない。すなわち、例えば特典の内容は、イベントが終了してからの時間(経過時間)や、イベントが開始するまでの時間、混雑度などその他の情報に応じて変更されるようにしてもよい。
【0103】
また、付与部23は、記憶部30のユーザ情報34の属性情報を読み出し、属性情報に応じた特典を非参加者Uaに付与してもよい。例えば、付与部23は、ユーザUの属性(例えば年齢、性別、趣味など)に応じた特典を非参加者Uaに付与してもよい。これにより、非参加者Uaに適した特典を付与することができ、よってユーザUを店舗等へ効果的に誘導することが可能になる。
【0104】
なお、上記では、特典の内容を、店舗110,120で利用可能なクーポンとしたが、これに限られず、例えば施設100、駅Aや駅X1などの交通機関の施設、交通機関の運賃で利用可能なクーポン等の特典であってもよく、任意に設定可能である。交通機関の運賃で利用可能な特典の一例としては、混雑領域Caである駅Aを迂回して別の駅から自宅200へ向かうような迂回路について、その別の駅までの路線を利用するときの運賃を割引くなどの特典である。かかる特典の場合、ユーザUを当該迂回路へ効果的に誘導することが可能となり、混雑領域Caの混雑をより一層緩和させることができる。
【0105】
提供部24は、施設100に応じて設定される所定領域Cに存在するユーザUに対して混雑情報を提供する。なお、所定領域Cは、
図9の例で示す領域に限定されるものではなく、例えば施設100の場所や施設100のイベントの規模などイベントに関連する情報に応じて設定されたり、施設100のイベントによって混雑が生じる可能性のある領域や混雑の影響を受ける可能性がある領域に設定されたりしてもよい。
【0106】
例えば、提供部24は、所定領域Cに存在する非参加者Uaおよび参加者Ubを含むユーザUへ混雑情報を提供することができる。ここでの混雑情報は、ユーザUにとって有用な情報の一例であり、例えば混雑の状況や、混雑する混雑領域Caを回避するための情報を含んでもよい。
【0107】
具体的には、混雑情報には、例えば所定領域Cや混雑領域Caの混雑の状況(混雑度など)が含まれてもよい。また、混雑情報には、例えば混雑領域Caを可能な限り迂回して各ユーザUの目的地(自宅200や所定施設300、施設100など)へ向かう迂回路(道や鉄道路線など)に関する情報が含まれてもよい。また、混雑情報には、ユーザUが位置する地点に一時的に留まることを促す待機情報や推奨待機時間情報が含まれてもよい。なお、推奨待機時間は、例えば混雑情報や交通機関情報に基づいて算出される時間であり、詳しくは混雑領域Caの混雑が解消すると推定される時間である。
【0108】
これにより、混雑情報が提供されたユーザU(非参加者Uaおよび参加者Ubを含む)は、混雑情報に応じた行動をとることが可能になる、すなわち例えば迂回路を選択して移動したり、一時的に待機してから移動したりすることが可能になり、混雑領域Caを可能な限り回避することができる。
【0109】
このように、本実施形態にあっては、特典はイベントに参加しない非参加者Uaに付与し、混雑情報などはその領域にいるユーザU全員(非参加者Uaおよび参加者Ubを含む)に提供するようにした。言い換えると、本実施形態にあっては、特典は対象者を絞り込んで付与し、混雑情報などは対象者を広範囲にして提供するようにした。
【0110】
これにより、例えば特典の付与によって非参加者Uaの混雑への理解を得つつ、非参加者Uaや参加者Ubを含むユーザUへの混雑情報の提供によって混雑をより効果的に緩和させることが可能になる。
【0111】
<情報処理装置の制御処理>
次に、情報処理装置10における具体的な処理手順の一例について
図10を用いて説明する。
図10は、情報処理装置10が実行する処理手順を示すフローチャートである。なお、
図10は、特典の付与処理に関するフローチャートである。
【0112】
図10に示すように、情報処理装置10の制御部20は、施設100で開催されるイベントに関するイベント情報や、イベントに関する混雑の状況を示す混雑情報などを取得する(ステップS10)。次いで、制御部20は、ユーザの行動情報を取得する(ステップS11)。
【0113】
次いで、制御部20は、ユーザの行動情報などに基づいて、ユーザUがイベントに参加しない非参加者Uaであるか否かを判定する(ステップS12)。制御部20は、ユーザUが非参加者Uaではないと判定された場合(ステップS12,No)、以降の処理をスキップする。
【0114】
他方、制御部20は、ユーザUが非参加者Uaであると判定された場合(ステップS12,Yes)、ユーザU(非参加者Ua)は混雑領域Caに存在するか否かを判定する(ステップS13)。
【0115】
制御部20は、ユーザUが混雑領域Caに存在すると判定された場合(ステップS13,Yes)、当該ユーザU(非参加者Ua)に対して特典を付与する(ステップS14)。
【0116】
一方、制御部20は、ユーザUが混雑領域Caに存在しないと判定された場合(ステップS13,No)、ユーザUは、混雑領域Caへ移動予定か否かを判定する、言い換えると、混雑領域Caへの移動が予測されるユーザUであるか否かを判定する(ステップS15)。
【0117】
制御部20は、ユーザUが混雑領域Caへ移動予定であると判定された場合(ステップS15,Yes)、ステップS14に進み、特典を付与する。他方、制御部20は、ユーザUが混雑領域Caへ移動予定ではないと判定された場合(ステップS15,No)、そのまま処理を終了する。
【0118】
上述してきたように、第1の実施形態に係る情報処理装置10は、取得部21と、判定部22と、付与部23とを備える。取得部21は、ユーザUの行動に関する行動情報を取得する。判定部22は、取得部21によって取得された行動情報に基づいて、ユーザUが施設100で開催されるイベントに参加しない非参加者Uaであるか否かを判定する。付与部23は、判定部22によって非参加者Uaであると判定されたユーザUに対して特典を付与する。これにより、施設100で開催されるイベントに参加しない非参加者Uaに対して適切な対応を行うことができる。
【0119】
(第2の実施形態)
<第2の実施形態に係る情報処理装置の構成>
次いで、第2の実施形態に係る情報処理装置10の構成について説明する。なお、以下においては、第1の実施形態と共通の構成については、同一の符号を付して説明を省略する。
【0120】
第2の実施形態において、情報処理装置10の制御部20の提供部24(
図3参照)は、非参加者Uaであると判定されたユーザUに対し、当該ユーザU(非参加者Ua)の移動を誘導する移動誘導情報を提供する。
【0121】
これにより、イベントの開催によって発生する混雑の影響を受ける非参加者Uaに対して、適切な対応を行うことができる。また、第2の実施形態にあっては、非参加者Uaに対して適切な対応を行うことで、例えば非参加者Uaの混雑への理解を得たり、混雑の緩和を図ったりすることができる。
【0122】
ここで、提供部24による移動誘導情報の提供処理の具体例について
図11を参照しつつ説明する。
図11は、第2の実施形態における移動誘導情報の提供処理を説明する図である。なお、
図11では、混雑領域Caとして駅Aおよび駅A付近の移動経路Bが設定された例を示している。
【0123】
また、駅X1にいる非参加者Ua4は、これから自宅200へ移動するものとする。また、駅X1から自宅200へ向かう経路は、駅X1から駅A、移動経路Bを経由して自宅200へ向かう経路と、駅X1から駅Aとは異なる駅X2、移動経路B1を経由して自宅200へ向かう経路とがあるものとする。また、駅Aを経由する経路の長さは、駅X2を経由する経路の長さより短いものとする、すなわち、駅X1から自宅200へ移動する際、駅Aを経由する経路が通常利用される経路であるものとする。
【0124】
図11に示すように、例えば提供部24は、ユーザUの行動情報および混雑情報に基づいて、非参加者Ua4であると判定されたユーザUが、混雑領域Caを回避可能な移動経路を移動誘導情報として提供する。
【0125】
詳しくは、例えば提供部24は、非参加者Ua4の行動情報の行動履歴情報に、駅X1から混雑領域Caである駅Aを経由して自宅200へ向かうことが推定される移動推移が含まれる場合、混雑領域Caを回避できる経路(ここでは、駅X1から駅X2、移動経路B1を経由して自宅200へ向かう移動経路Y)を移動誘導情報として、非参加者Ua4の端末装置40(
図2参照)へ提供する(送信する)。そして、端末装置40は、提供された移動誘導情報を受信する。
【0126】
これにより、非参加者Ua4は、端末装置40で受信した移動誘導情報に基づいて、混雑領域Caを回避しながら、駅X2を経由して自宅200へスムーズに移動することが可能になる。これにより、非参加者Ua4に対する混雑の影響を可能な限り低下させることができ、よって非参加者Ua4の混雑への理解を得やすくすることができる。また、非参加者Ua4が移動経路Yを利用することで、例えば混雑領域Caである駅Aへ向けて移動する人数を減少させることができ、駅Aの混雑を緩和させることができる。
【0127】
また、提供部24は、ユーザUの行動情報等に基づいて、非参加者Ua5であると判定されたユーザUに対して一時的に留まることを促す待機情報を提供してもよい。例えば、提供部24は、非参加者Ua5に対して当該ユーザU(非参加者Ua5)が位置する地点に一時的に留まって待機することを推奨する待機情報を提供してもよい。
【0128】
以下、自宅200にいる非参加者Ua5は、これから駅Aを経由して駅X1へ移動することを所望しているものとして説明を続ける。例えば、提供部24は、非参加者Ua5の行動情報の行動履歴情報に、駅X1が目的地として設定されたことを示す目的地情報が含まれ、混雑領域Caである駅Aを経由して駅X1へ向かうことが推定される情報が含まれる場合、非参加者Ua5の端末装置40に、例えば「駅Aは現在混雑しています。自宅200にしばらく留まることをお勧めします」など、待機を推奨するメッセージ情報を端末装置40に表示させてもよい。
【0129】
このような情報が端末装置40に表示された非参加者Ua5が自宅200に一時的に留まることで、例えば混雑領域Caである駅Aへ向けて移動する人数を減少させることができ、駅Aの混雑を緩和させることができる。また、非参加者Ua5は、駅Aの混雑が解消したころに自宅200を出発することで、駅Aを経由して駅X1へスムーズに移動することが可能になる。これにより、非参加者Ua5に対する混雑の影響を可能な限り低下させることができ、よって非参加者Ua5の混雑への理解を得やすくすることができる。
【0130】
なお、提供部24は、混雑情報や交通機関情報に基づいて、混雑が解消すると推定される時間を算出し、算出された時間を推奨待機時間情報としてユーザU(例えば非参加者Ua5)に提供してもよい。これにより、ユーザU(例えば非参加者Ua5)は、混雑回避のために自宅200に留まっておくべき時間(待機すべき時間)を容易に把握することができる。
【0131】
なお、上記では、提供部24は、非参加者Ua5に対して待機情報を提供したが、これに加えてあるいは代えて、移動誘導情報を提供してもよい。すなわち、例えば提供部24は、混雑する駅A付近の移動経路Bを迂回して駅Aへ向かう迂回路の情報や、混雑する駅Aとは異なる駅X2を利用して駅X1へ向かう迂回路の情報を移動誘導情報として提供してもよい。
【0132】
これにより、非参加者Ua5は、移動誘導情報に基づいて、混雑領域Caを可能な限り回避しながら、駅X1へスムーズに移動することが可能になる。従って、非参加者Ua5に対する混雑の影響を可能な限り低下させることができ、よって非参加者Ua5の混雑への理解を得やすくすることができる。また、非参加者Ua5が迂回路を利用することで、例えば混雑領域Caの混雑を緩和させることもできる。
【0133】
また、提供部24は、交通機関情報に基づいて、非参加者Ua6であると判定されたユーザUが交通機関の混雑を回避可能な交通機関を移動誘導情報として提供してもよい。
【0134】
以下、駅X1にいる非参加者Ua6は、これから駅Aを経由して駅X3へ移動することを所望しているものとして説明を続ける。例えば、提供部24は、非参加者Ua6の行動情報の行動履歴情報に、駅X3が目的地として設定されたことを示す目的地情報が含まれ、混雑領域Caである駅Aを経由して駅X3へ向かうことが推定される情報が含まれる場合、交通機関の混雑を回避可能な交通機関を移動誘導情報として提供する。
【0135】
詳説すると、駅X1から駅X3へ向かう電車は、途中の駅Aに停車すると、混雑する駅Aから多くのユーザU(例えば参加者Ub)が乗車し、電車内が非常に混雑する可能性が高い。そこで、提供部24は、例えば混雑する駅Aを通過する電車など、非参加者Ua6が交通機関の混雑を回避可能な交通機関への乗車を推奨する情報を移動誘導情報として提供する。なお、ここでの移動誘導情報には、例えば駅Aを通過する電車の発車予定時刻や発車予定ホームなど、かかる電車に関する情報が含まれるが、これに限定されるものではない。
【0136】
なお、図示は省略するが、駅X1から駅Aを迂回して駅X3へ向かう別路線がある場合、提供部24は、かかる別路線の交通機関(電車)への乗車を推奨する情報を移動誘導情報として提供してもよい。なお、上記した別路線は、例えば施設100に対応する駅を含まず、施設100のイベントによる混雑の影響を受けないあるいは受けにくい路線であるが、これに限定されるものではない。
【0137】
これにより、非参加者Ua6は混雑する駅Aを通過する交通機関(電車)や駅Aを迂回する別路線(迂回路線)の交通機関に乗車することで、例えば混雑領域Caである駅Aの影響を受けずに、駅X3へスムーズに移動することが可能になる。これにより、非参加者Ua6に対する混雑の影響を可能な限り低下させることができ、よって非参加者Ua6の混雑への理解を得やすくすることができる。
【0138】
次に、第2の実施形態に係る情報処理装置10における具体的な処理手順について
図12を用いて説明する。
図12は、第2の実施形態に係る情報処理装置10が実行する処理手順を示すフローチャートである。なお、
図12は、移動誘導情報の提供処理に関するフローチャートである。
【0139】
図12に示すように、情報処理装置10の制御部20は、ステップS10~S12は、第1の実施形態と同様の処理を行う。次いで、制御部20は、ユーザUが非参加者Uaであると判定された場合(ステップS12,Yes)、ユーザUは、混雑領域Caへ移動予定か否かを判定する、言い換えると、混雑領域Caへの移動が予測されるユーザUであるか否かを判定する(ステップS13a)。
【0140】
制御部20は、ユーザUが混雑領域Caへ移動予定であると判定された場合(ステップS13a,Yes)、移動誘導情報を提供する(ステップS14a)。他方、制御部20は、ユーザUが混雑領域Caへ移動予定ではないと判定された場合(ステップS13a,No)、そのまま処理を終了する。
【0141】
上述してきたように、第2の実施形態に係る情報処理装置10は、取得部21と、判定部22と、提供部24とを備える。取得部21は、ユーザUの行動に関する行動情報を取得する。判定部22は、取得部21によって取得された行動情報に基づいて、ユーザUが施設100で開催されるイベントに参加しない非参加者Uaであるか否かを判定する。提供部24は、判定部22によって非参加者Uaであると判定されたユーザUに対し、当該ユーザUの移動を誘導する移動誘導情報を提供する。これにより、施設100で開催されるイベントに参加しない非参加者Uaに対して適切な対応を行うことができる。
【0142】
なお、上記した第1の実施形態および第2の実施形を適宜に組み合わせてもよい。すなわち、情報処理装置10は、非参加者Uaに対して特典を付与するとともに、移動誘導情報を提供してもよい。
【0143】
なお、上記では、情報処理装置10が特典の付与や移動誘導の提供など各種の処理を行うようにしたが、各種の処理が行われる装置は、情報処理装置10に限定されるものではない。すなわち、情報処理装置10で行われる処理の一部あるいは全部が、端末装置40、イベント施設用情報処理装置50、交通機関用情報処理装置70で行われるようにしてもよい。
【0144】
また、上記では、1つのイベント施設100でイベントが開催される例を示したが、これに限られず、第1実施形態および第2実施形態は、複数のイベント施設でそれぞれイベントが開催される場合にも適用可能である。
【0145】
さらなる効果や変形例は、当業者によって容易に導き出すことができる。このため、本発明のより広範な態様は、以上のように表しかつ記述した特定の詳細および代表的な実施形態に限定されるものではない。したがって、添付の特許請求の範囲およびその均等物によって定義される総括的な発明の概念の精神または範囲から逸脱することなく、様々な変更が可能である。
【符号の説明】
【0146】
10 情報処理装置
20 制御部
21 取得部
22 判定部
23 付与部
24 提供部