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特許7611778オペレーション装置、プログラム及びオペレーション方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-26
(45)【発行日】2025-01-10
(54)【発明の名称】オペレーション装置、プログラム及びオペレーション方法
(51)【国際特許分類】
   H04L 45/247 20220101AFI20241227BHJP
   H04L 45/42 20220101ALI20241227BHJP
【FI】
H04L45/247
H04L45/42
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2021097755
(22)【出願日】2021-06-11
(65)【公開番号】P2022189262
(43)【公開日】2022-12-22
【審査請求日】2024-02-01
(73)【特許権者】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100116964
【弁理士】
【氏名又は名称】山形 洋一
(74)【代理人】
【識別番号】100120477
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 賢改
(74)【代理人】
【識別番号】100135921
【弁理士】
【氏名又は名称】篠原 昌彦
(74)【代理人】
【識別番号】100083840
【弁理士】
【氏名又は名称】前田 実
(72)【発明者】
【氏名】鳥巣 大輔
(72)【発明者】
【氏名】吉田 聡太
【審査官】吉田 歩
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-113640(JP,A)
【文献】特開2013-243559(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L 45/247
H04L 45/42
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
メッシュネットワークに含まれている複数のネットワークエレメントと、前記複数のネットワークエレメントを接続する複数のリンクと、の接続関係を示すネットワーク構成情報、前記メッシュネットワークに形成されたパス毎に、予め設定されている迂回ルートである事前予約レストレーションルートを示す事前予約レストレーションルート情報、前記メッシュネットワークにおいて使用可能なリソースと、前記メッシュネットワークにおいて使用するために割り当てられたリソースと、を示すリソース情報を記憶する記憶部と、
前記ネットワーク構成情報を参照することで、前記複数のリンクの内、迂回対象となるリンクを通過する複数のパスを複数の通過パスとして特定するとともに、前記事前予約レストレーションルート情報を参照することで、前記複数の通過パスに予め設定されている前記事前予約レストレーションルートである候補ルートを特定するパス管理部と、
前記リソース情報を参照することで、前記候補ルートに前記リソースを割り当てることができるか否かを判断するリソース管理部と、
前記複数の通過パスの各々に対して、前記リソースを割り当てることのできる前記候補ルートを、切替パスとして選択するルート選択部と、を備えること
を特徴とするオペレーション装置。
【請求項2】
前記事前予約レストレーションルート情報では、前記事前予約レストレーションルートに優先度が割り当てられており、
前記ルート選択部は、前記優先度が高い前記候補ルートから順に、前記リソース管理部に前記リソースを割り当てることができるか否かを問い合わせ、
前記リソース管理部は、問い合わせを受けた前記候補ルートに前記リソースを割り当てることができるか否かを前記ルート選択部に回答すること
を特徴とする請求項1に記載のオペレーション装置。
【請求項3】
前記事前予約レストレーションルート情報では、前記事前予約レストレーションルートに優先度が割り当てられており、
前記ルート選択部は、前記リソースを割り当てることのできる前記候補ルートの数が少ない前記通過パスから順に、かつ、前記優先度が高い前記候補ルートから順に、前記リソースを割り当てることのできる前記候補ルートを前記切替パスとして選択すること
を特徴とする請求項1に記載のオペレーション装置。
【請求項4】
前記複数のネットワークエレメントと通信を行う通信部をさらに備え、
前記パス管理部は、オペレータの選択に応じて、全ての前記優先度に対応する前記切替パスへの切り替え、又は、選択された前記優先度に対応する前記切替パスへの切り替えを、前記通信部を介して、前記複数のネットワークエレメントに指示すること
を特徴とする請求項2又は3に記載のオペレーション装置。
【請求項5】
コンピュータを、
メッシュネットワークに含まれている複数のネットワークエレメントと、前記複数のネットワークエレメントを接続する複数のリンクと、の接続関係を示すネットワーク構成情報、前記メッシュネットワークに形成されたパス毎に、予め設定されている迂回ルートである事前予約レストレーションルートを示す事前予約レストレーションルート情報、前記メッシュネットワークにおいて使用可能なリソースと、前記メッシュネットワークにおいて使用するために割り当てられたリソースと、を示すリソース情報を記憶する記憶部、
前記ネットワーク構成情報を参照することで、前記複数のリンクの内、迂回対象となるリンクを通過する複数のパスを複数の通過パスとして特定するとともに、前記事前予約レストレーションルート情報を参照することで、前記複数の通過パスに予め設定されている前記事前予約レストレーションルートである候補ルートを特定するパス管理部、
前記リソース情報を参照することで、前記候補ルートに前記リソースを割り当てることができるか否かを判断するリソース管理部、及び、
前記複数の通過パスの各々に対して、前記リソースを割り当てることのできる前記候補ルートを、切替パスとして選択するルート選択部、として機能させること
を特徴とするプログラム。
【請求項6】
パス管理部が、メッシュネットワークに含まれている複数のネットワークエレメントと、前記複数のネットワークエレメントを接続する複数のリンクと、の接続関係を示すネットワーク構成情報を参照することで、前記複数のリンクの内、迂回対象となるリンクを通過する複数のパスを複数の通過パスとして特定し、
前記パス管理部が、前記メッシュネットワークに形成されたパス毎に、予め設定されている迂回ルートである事前予約レストレーションルートを示す事前予約レストレーションルート情報を参照することで、前記複数の通過パスに予め設定されている前記事前予約レストレーションルートである候補ルートを特定し、
リソース管理部が、前記メッシュネットワークにおいて使用可能なリソースと、前記メッシュネットワークにおいて使用するために割り当てられたリソースと、を示すリソース情報を参照することで、前記候補ルートに前記リソースを割り当てることができるか否かを判断し、
ルート選択部が、前記複数の通過パスの各々に対して、前記リソースを割り当てることのできる前記候補ルートを、切替パスとして選択すること
を特徴とするオペレーション方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、オペレーション装置、プログラム及びオペレーション方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、都市間伝送等のように、長距離大容量が求められる通信には、WDM(Wavelength Division Multiplexer)装置が使用されてきた。
従来のWDM装置は、リング型のネットワークを形成し、通信する特定のノード間の経路として、リングの右回り及び左回りの二経路が設けられている。そして、何れかのリンクで障害等が発生した場合には、OUPSR(Optical Unidirectional Path Switched Ring)方式を用いて、二経路間で切り替えることが一般的である。
【0003】
ある光パスに対してOUPSR方式により冗長性を確保する場合、現用経路及び予備経路のリソースは、その光パス用に割り当てられるため、現用経路及び予備経路のリソースが確保可能と判別できる場合にのみ、OUPSR方式を適用することができる。
【0004】
リング型ネットワークにおいて、障害発生時だけでなく、伝送路の光ファイバのメンテナンス又はトラヒックの増加に伴うノードの追加等が行われる場合にも、光パスにおいて対応箇所を迂回する必要がある。
【0005】
WDM装置では、通常、一伝送路当たり最大約100本の光パスを収容することができるため、最大約100本の光パスの迂回が必要となる。このため、特許文献1には、光パスの一括切替機能を具備するネットワークオペレーションシステムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開2004-247787号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
WDM装置は、従来、二方路の装置であったため、リング型ネットワーク又はリニア型のネットワーク構成しか採用することができなかった。近年、WSS(Wavelength Selective Switch)の普及に伴い、WDM装置は、多方路装置へと変化した。
【0008】
これに伴い、ネットワーク構成がリング型ネットワーク構成からメッシュ型ネットワーク構成へと変化し、二つのノード間の取り得るルートが、最大二ルートから、二ルートよりも多くのルートである多ルートとなり得る。
【0009】
多ルート化に伴い、光パスの冗長化方式もOUPSR方式だけでなく、光パス障害時に代替ルートに切り替えるレストレーション方式を具備したWDM装置も存在する。
【0010】
レストレーション方式には、予め設定された複数の切り替えルートの中から障害発生時に切り替え先を選択する事前予約型レストレーション方式と、ネットワーク内で自律的に切り替えルートを探索する自律型レストレーション方式とが一般的に存在する。
【0011】
この、事前予約型レストレーション方式では、複数の予備経路を設定することが可能である。そして、事前予約型レストレーション方式を用いて光パスに対して予備経路を設定しても、その光パス用に予備経路のリソースが割り当てられるものではなく、他の光パスにも同一のリソースを用いて予備経路を設定することが可能である。
【0012】
従来のネットワークオペレーションシステムは、ネットワーク構成がリングネットワークからメッシュネットワークへ変化したこと、及び、冗長方式がOUPSR方式から事前予約型レストレーション方式に対応する必要ができたことの二点の変化に対して解決策を示していない。
【0013】
そこで、本開示の一又は複数の態様は、メッシュネットワークにおいて、事前予約型レストレーション方式を用いて、光パスを一括して切り替える切替パスを特定できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本開示の一態様に係るオペレーション装置は、メッシュネットワークに含まれている複数のネットワークエレメントと、前記複数のネットワークエレメントを接続する複数のリンクと、の接続関係を示すネットワーク構成情報、前記メッシュネットワークに形成されたパス毎に、予め設定されている迂回ルートである事前予約レストレーションルートを示す事前予約レストレーションルート情報、前記メッシュネットワークにおいて使用可能なリソースと、前記メッシュネットワークにおいて使用するために割り当てられたリソースと、を示すリソース情報を記憶する記憶部と、前記ネットワーク構成情報を参照することで、前記複数のリンクの内、迂回対象となるリンクを通過する複数のパスを複数の通過パスとして特定するとともに、前記事前予約レストレーションルート情報を参照することで、前記複数の通過パスに予め設定されている前記事前予約レストレーションルートである候補ルートを特定するパス管理部と、前記リソース情報を参照することで、前記候補ルートに前記リソースを割り当てることができるか否かを判断するリソース管理部と、前記複数の通過パスの各々に対して、前記リソースを割り当てることのできる前記候補ルートを、切替パスとして選択するルート選択部と、を備えることを特徴とする。
【0015】
本開示の一態様に係るプログラムは、コンピュータを、メッシュネットワークに含まれている複数のネットワークエレメントと、前記複数のネットワークエレメントを接続する複数のリンクと、の接続関係を示すネットワーク構成情報、前記メッシュネットワークに形成されたパス毎に、予め設定されている迂回ルートである事前予約レストレーションルートを示す事前予約レストレーションルート情報、前記メッシュネットワークにおいて使用可能なリソースと、前記メッシュネットワークにおいて使用するために割り当てられたリソースと、を示すリソース情報を記憶する記憶部、前記ネットワーク構成情報を参照することで、前記複数のリンクの内、迂回対象となるリンクを通過する複数のパスを複数の通過パスとして特定するとともに、前記事前予約レストレーションルート情報を参照することで、前記複数の通過パスに予め設定されている前記事前予約レストレーションルートである候補ルートを特定するパス管理部、前記リソース情報を参照することで、前記候補ルートに前記リソースを割り当てることができるか否かを判断するリソース管理部、及び、前記複数の通過パスの各々に対して、前記リソースを割り当てることのできる前記候補ルートを、切替パスとして選択するルート選択部、として機能させることを特徴とする。
【0016】
本開示の一態様に係るオペレーション方法は、パス管理部が、メッシュネットワークに含まれている複数のネットワークエレメントと、前記複数のネットワークエレメントを接続する複数のリンクと、の接続関係を示すネットワーク構成情報を参照することで、前記複数のリンクの内、迂回対象となるリンクを通過する複数のパスを複数の通過パスとして特定し、前記パス管理部が、前記メッシュネットワークに形成されたパス毎に、予め設定されている迂回ルートである事前予約レストレーションルートを示す事前予約レストレーションルート情報を参照することで、前記複数の通過パスに予め設定されている前記事前予約レストレーションルートである候補ルートを特定し、リソース管理部が、前記メッシュネットワークにおいて使用可能なリソースと、前記メッシュネットワークにおいて使用するために割り当てられたリソースと、を示すリソース情報を参照することで、前記候補ルートに前記リソースを割り当てることができるか否かを判断し、ルート選択部が、前記複数の通過パスの各々に対して、前記リソースを割り当てることのできる前記候補ルートを、切替パスとして選択することを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本開示の一又は複数の態様によれば、メッシュネットワークにおいて、事前予約型レストレーション方式を用いて、光パスを一括して切り替える切替パスを特定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】実施の形態1及び2に係る光通信管理システムの構成を概略的に示すブロック図である。
図2】端末の構成を概略的に示すブロック図である。
図3】(A)及び(B)は、ハードウェア構成例を示すブロック図である。
図4】実施の形態1及び2におけるオペレーション装置の構成を概略的に示すブロック図である。
図5】実施の形態1における端末及びオペレーション装置により光通信ネットワークの一括切替を行う動作を示すシーケンス図である。
図6】想定結果画面画像の一例を示す概略図である。
図7】実施の形態1におけるルート選択部による切替パスの振分動作を説明するための概略的なフロー図である。
図8】実施の形態2におけるルート選択部による切替パスの振分動作を説明するための概略的なフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
実施の形態1.
図1は、実施の形態1に係る光通信管理システム100の構成を概略的に示すブロック図である。
光通信管理システム100は、複数のネットワークエレメント101と、複数のネットワークエレメント101を接続する複数のリンク102とを含む光通信ネットワークを管理するためのシステムである。
ネットワークエレメント101は、ノードともいう。また、光通信ネットワークは、メッシュ型のネットワークであるメッシュネットワークであるものとする。
【0020】
光通信管理システム100は、端末110と、オペレーション装置120とを備え、光通信ネットワークが含まれてもよい。
端末110と、オペレーション装置120とは、監視網としてのネットワーク103に接続され、光通信ネットワークのネットワークエレメント101もネットワーク103に接続されているものとする。
【0021】
図2は、端末110の構成を概略的に示すブロック図である。
端末110は、記憶部111と、入力部112と、表示部113と、通信部114と、制御部115とを備える。
【0022】
記憶部111は、端末110での処理に必要な情報及びプログラムを記憶する。
入力部112は、光通信管理システム100のオペレータからの入力を受け付ける。例えば、入力部112は、障害の発生、保守の必要、又は、新たなネットワークエレメントの導入等の理由で、迂回する必要のあるリンク、言い換えると、一括切替を行うリンクの選択の入力を受け付ける。
【0023】
表示部113は、各種画面画像を表示する。例えば、表示部113は、後述する想定結果画面画像を表示する。入力部112は、この想定結果画面画像を介して、後述する切替指示の選択の入力を受け付ける。
【0024】
通信部114は、ネットワーク103との間で通信を行う。例えば、通信部114は、選択されたリンクを示す情報である選択リンク情報を含む切替想定結果要求指示を、オペレーション装置120に送信する。また、通信部114は、オペレーション装置120から後述する想定結果画面情報を受信する。さらに、通信部114は、想定結果画面情報に基づいて選択された切替指示をオペレーション装置120に送信する。
【0025】
制御部115は、端末110での処理を制御する。例えば、制御部115は、入力部112を介して選択されたリンクを示す選択リンク情報を生成し、その選択リンク情報を含む切替想定結果要求指示を、通信部114にオペレーション装置120へ送信させる。また、制御部115は、通信部114から想定結果画面情報を受け取り、その想定結果画面情報に基づいて、表示部113に想定結果画面画像を表示させる。さらに、制御部115は、入力部112が選択を受け付けた切替指示を、通信部114に、オペレーション装置120へ送信させる。
【0026】
以上に記載された制御部115の一部又は全部は、例えば、図3(A)に示されているように、メモリ10と、メモリ10に格納されているプログラムを実行するCPU(Central Processing Unit)等のプロセッサ11とにより構成することができる。このようなプログラムは、ネットワークを通じて提供されてもよく、また、記録媒体に記録されて提供されてもよい。即ち、このようなプログラムは、例えば、プログラムプロダクトとして提供されてもよい。言い換えると、端末110は、コンピュータにより実現することができる。
【0027】
また、制御部115の一部又は全部は、例えば、図3(B)に示されているように、単一回路、複合回路、プログラム化したプロセッサ、並列プログラム化したプロセッサ、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)又はFPGA(Field Programmable Gate Array)等の処理回路12で構成することもできる。
以上のように、制御部115は、処理回路網で構成することができる。
【0028】
なお、記憶部111は、揮発性メモリ、不揮発性メモリ、HDD(Hard Disk Drive)又はSSD(Solid State Drive)等の記憶装置により実現することができる。
入力部112は、キーボード又はマウス等の入力装置により実現することができる。
表示部113は、液晶等を用いたディスプレイにより実現することができる。
通信部114は、NIC(Network Interface Card)等の通信装置により実現することができる。
【0029】
図4は、オペレーション装置120の構成を概略的に示すブロック図である。
オペレーション装置120は、記憶部121と、通信部126と、制御部127とを備える。
【0030】
記憶部121は、オペレーション装置120での処理に必要な情報及びプログラムを記憶する。図4では、オペレーション装置120での処理に必要なプログラムについては、図示していない。
例えば、記憶部121は、ネットワーク構成情報122と、事前予約レストレーションルート情報123と、リソース情報124とを記憶する。
【0031】
ネットワーク構成情報122は、光通信ネットワークの構成を示す。例えば、ネットワーク構成情報122は、メッシュネットワークである光通信ネットワークに含まれている複数のネットワークエレメント101と、複数のネットワークエレメント101を接続する複数のリンク102との接続関係を示す。具体的には、ネットワーク構成情報122は、ネットワークエレメント101をノードとして、ノードの方路と、リンクとを示す。詳細には、ネットワーク構成情報122は、「ノード#1の方路#1と、ノード#2の方路#2とが、OTS(Optical Transmission Section)リンク#1で接続」といった情報を含む。
【0032】
事前予約レストレーションルート情報123は、光通信ネットワークのパス毎に、予め設定された迂回ルートである事前予約レストレーションルートを示す。事前予約レストレーションルートには、予め優先度が定められているものとする。ここでは、事前予約レストレーションルートに、優先度として「1」から順に正の整数が割り振られており、「1」が最も優先度が高いものとする。
【0033】
リソース情報124は、光通信ネットワークにおいて使用可能なリソースと、光通信ネットワークにおいて使用するために割り当てられたリソースとを示す。例えば、リソース情報124は、光通信ネットワークのリンク毎に、割り当て可能なリソースと、実際に割り当てられたリソースとを示す。ここでのリソースは、波長であるものとする。
【0034】
通信部126は、ネットワーク103との間で通信を行う。例えば、通信部126は、端末110からの切替想定結果要求指示を受信する。また、通信部126は、後述する想定結果画面情報を端末110に送信する。さらに、通信部126は、切替指示を送受信する。
【0035】
制御部127は、オペレーション装置120での処理を制御する。
例えば、制御部127は、要求処理部128と、パス管理部129と、ルート選択部130と、リソース管理部131とを備える。
【0036】
要求処理部128は、通信部126が受信した切替想定結果要求指示を受け取り、切替想定結果要求指示に含まれている選択リンク情報で示される選択されたリンクを迂回するための、パスの一括切替を行う処理を制御する。
例えば、要求処理部128は、選択リンク情報で示されるリンクをパス管理部129に通知する。要求処理部128は、後述するように、ルート選択部130から、選択されたリンクを迂回するために、パスの一括切替を行うための想定結果を受け取り、その想定結果を示す想定結果画面情報を生成する。そして、要求処理部128は、想定結果画面情報を、通信部126に端末110へ送信させる。
【0037】
また、要求処理部128は、通信部126が受信した切替指示を受け取り、その切替指示をルート選択部130に通知する。
【0038】
パス管理部129は、要求処理部128から、リンクの通知を受け取り、ネットワーク構成情報122を参照することで、そのリンクを通過する全てのパスを特定する。ここで特定されるパスは、迂回対象となるリンクを通過するパスであるため、通過パスともいう。
【0039】
また、パス管理部129は、事前予約レストレーションルート情報123を参照することで、通過パスにおいて、そのリンクを迂回するための、全ての事前予約レストレーションルートを特定する。ここで特定される事前予約レストレーションルートを、候補ルートともいう。そして、パス管理部129は、通過パスとして特定されたパス及び候補ルートとして特定された事前予約レストレーションルートをルート選択部130に通知する。
【0040】
また、パス管理部129は、ルート選択部130から切替指示の通知を受けると、通信部126を介して、ネットワークエレメント101にその切替指示を送信する。
後述のように、パス管理部129は、オペレータの選択に応じて、全ての優先度に対応する切替パスへの切り替え、又は、選択された優先度に対応する切替パスへの切り替えを行うための切替指示を、通信部126を介して、複数のネットワークエレメント101に送る。
【0041】
ルート選択部130は、複数の通過パスの各々に対して、リソースを割り当てることのできる候補ルートを切替パスとして選択する。例えば、ルート選択部130は、パス管理部129から通知を受けたパス毎に、事前予約レストレーションルートの優先度の高いものから順に、リソース管理部131にリソースの空きを問い合わせることで、事前予約レストレーションルートを優先度毎に振り分ける。そして、ルート選択部130は、振り分けられた事前予約レストレーションルートを示す想定結果を要求処理部128に通知する。ここでは、振り分けられた事前予約レストレーションルートが切替パスとなる。
【0042】
また、ルート選択部130は、要求処理部128から切替指示の通知を受けると、その切替指示をパス管理部129に通知する。
【0043】
リソース管理部131は、リソース情報124を参照することで、候補ルートである事前予約レストレーションルートにリソースを割り当てることができるか否かを判断する。例えば、リソース管理部131は、リソース情報124を参照することにより、ルート選択部130から問い合わせを受けた事前予約レストレーションに含まれている全てのリンクについて、リソースに空きがあるか否かを判断する。リソース管理部131は、その判断結果をルート選択部130に通知し、ルート選択部130からの指示により、確保されたリソースを、割り当てられたリソースとして、リソース情報124に格納する。
【0044】
以上に記載された制御部127の一部又は全部は、例えば、図3(A)に示されているように、メモリ10と、メモリ10に格納されているプログラムを実行するCPU等のプロセッサ11とにより構成することができる。このようなプログラムは、ネットワークを通じて提供されてもよく、また、記録媒体に記録されて提供されてもよい。即ち、このようなプログラムは、例えば、プログラムプロダクトとして提供されてもよい。言い換えると、オペレーション装置120は、コンピュータにより実現することができる。
【0045】
また、制御部127の一部又は全部は、例えば、図3(B)に示されているように、単一回路、複合回路、プログラム化したプロセッサ、並列プログラム化したプロセッサ、ASIC又はFPGA等の処理回路12で構成することもできる。
以上のように、制御部127は、処理回路網で構成することができる。
【0046】
なお、記憶部121は、揮発性メモリ、不揮発性メモリ、HDD又はSSD等の記憶装置により実現することができる。
通信部126は、NIC等の通信装置により実現することができる。
【0047】
図5は、実施の形態1における端末110及びオペレーション装置120により光通信ネットワークの一括切替を行う動作を示すシーケンス図である。
まず、オペレータは、端末110の入力部112を用いて、一括切替を行うリンクを選択する。端末110の制御部115は、選択されたリンクを示す選択リンク情報を生成して、その選択リンク情報を含む切替想定結果要求指示を通信部114にオペレーション装置120へ送信させる(S10)。
【0048】
オペレーション装置120の通信部126は、その切替想定結果要求指示を受信し、その切替想定結果要求指示を要求処理部128に与える。要求処理部128は、その切替想定結果要求指示に含まれている選択リンク情報で示されるリンクを含むパスリスト送信指示をパス管理部129に与える(S11)。
【0049】
パス管理部129は、ネットワーク構成情報122を参照することで、パスリスト送信指示に含まれているリンクを使用する全てのパスを示すパスリストを生成する。また、パス管理部129は、事前予約レストレーションルート情報123を参照することで、そのパスリストに含まれている全てのパスの各々において、そのリンクを迂回する全ての事前予約レストレーションルートを特定する。そして、パス管理部129は、パスリスト及び特定された事前予約レストレーションルートをルート選択部130に与える(S12)。
【0050】
ルート選択部130は、パスリストに含まれている各々のパスに対して、優先度の高い事前予約レストレーションルートから順に一つの事前予約レストレーションルートを特定し、その一つの事前予約レストレーションルートに含まれている全てのリンクにリソースの空きがあるか否かをリソース管理部131に問い合わせる(S13)。
【0051】
リソース管理部131は、リソース情報124を参照することで、問い合わせを受けた一つの事前予約レストレーションルートに含まれている全てのリンクにリソースの空きがあるか否かを判断し、その判断結果をリソース状況としてルート選択部130に回答する(S14)。
【0052】
ルート選択部130は、リソース管理部131からのリソース状況により、問い合わせをした一つの事前予約レストレーションルートに含まれている全てのリンクにリソースの空きがある場合には、そのリソースを確保するように、リソース管理部131に指示する(S15)。このような指示を受けたリソース管理部131は、その一つの自薦予約レストレーションルートに含まれている全てのリンクにリソースを割り当て、そのリソースの割り当て状況をリソース情報124に格納する。
【0053】
ルート選択部130は、ステップS13~S15の処理を繰り返すことで、パスリストに含まれている全てのパスに対して、事前予約レストレーションルートを切り替え可能か否か、及び、切り替え可能である場合にはその切り替え可能な事前予約レストレーションルートを特定した想定結果を生成する。そして、ルート選択部130は、その想定結果を要求処理部128に与える(S16)。
【0054】
要求処理部128は、ルート選択部130から想定結果を受け取ると、その想定結果を表示するための想定結果画面情報を生成し、通信部126に、その想定結果画面情報を端末110へ送信させる(S17)。
【0055】
端末110の制御部115は、通信部114で受信された想定結果画面情報を受け取り、その想定結果画面情報に基づいて、想定結果画面画像を表示部113に表示させる。
【0056】
図6は、想定結果画面画像の一例を示す概略図である。
図6に示されている想定結果画面画像140は、全優先度一括切替ボタン141と、優先度毎の一括切替ボタン142-1~142-Nと、切替不可パス表示領域143と、切替設定無パス表示領域144とを備える。
【0057】
また、優先度毎の一括切替ボタン142-1~142-N、切替不可パス表示領域143及び切替設定無パス表示領域144に対しては、切替パス優先度列145と、パス始点列146と、パス終点列147と、切替前パス詳細列148と、切替後パス詳細列149とに対応する欄が設けられている。
【0058】
優先度毎の一括切替ボタン142-1~142-Nの各々における切替パス優先度列145に対応する欄には、優先度毎の一括切替ボタン142-1~142-Nにより切り替えられる事前予約レストレーションルートの優先度が示される。
【0059】
優先度毎の一括切替ボタン142-1~142-N、切替不可パス表示領域143及び切替設定無パス表示領域144の各々におけるパス始点列146に対応する欄には、優先度毎の一括切替ボタン142-1~142-N、切替不可パス表示領域143及び切替設定無パス表示領域144の各々に対応するパスの始点となるネットワークエレメント101を識別するための識別情報が示される。ここでの識別情報は、ノード名となっている。
【0060】
優先度毎の一括切替ボタン142-1~142-N、切替不可パス表示領域143及び切替設定無パス表示領域144の各々におけるパス終点列147に対応する欄には、優先度毎の一括切替ボタン142-1~142-N、切替不可パス表示領域143及び切替設定無パス表示領域144の各々に対応するパスの終点となるネットワークエレメント101を識別するための識別情報が示される。
【0061】
優先度毎の一括切替ボタン142-1~142-N、切替不可パス表示領域143及び切替設定無パス表示領域144の各々における切替前パス詳細列148に対応する欄には、優先度毎の一括切替ボタン142-1~142-N、切替不可パス表示領域143及び切替設定無パス表示領域144の各々に対応する切り替え前のパスの詳細構成を表示する指示を入力するためのボタンが示される。
例えば、オペレータが、その列の何れかのボタンを、入力部112を用いて選択して実行する指示の入力を行うことで、対応するパスの詳細構成が表示部113に表示される。
【0062】
優先度毎の一括切替ボタン142-1~142-N、切替不可パス表示領域143及び切替設定無パス表示領域144の各々における切替後パス詳細列149に対応する欄には、優先度毎の一括切替ボタン142-1~142-N、切替不可パス表示領域143及び切替設定無パス表示領域144の各々に対応する切り替え後のパスの詳細構成を表示する指示を入力するためのボタンが示される。
例えば、オペレータが、その列の何れかのボタンを、入力部112を用いて選択して実行する指示の入力を行うことで、対応するパスの詳細構成が表示部113に表示される。
【0063】
図5に戻り、端末110の制御部115は、オペレータが、図6に示されている想定結果画面画像140の全優先度一括切替ボタン141及び優先度毎の一括切替ボタン142-1~142-Nの何れかのボタンを選択して実行する指示を入力すると、そのボタンに対応する切替指示を生成し、その切替指示を通信部114にオペレーション装置120へ送信させる(S18)。
【0064】
そのような切替指示を受信したオペレーション装置120では、要求処理部128が通信部126からその切替指示を受け取り、その切替指示をルート選択部130に与える(S19)。
【0065】
また、ルート選択部130は、その切替指示をパス管理部129に与え(S20)、パス管理部129は、その切替指示を、通信部126に対応するネットワークエレメント101へ送信させる(S21)。
【0066】
そのような切替指示を受けたネットワークエレメント101は、そのような切替指示に従って、リンクを切り替えて、その切替結果をオペレーション装置120に送信する(S22)。
【0067】
そのような切替結果を受信したオペレーション装置120では、パス管理部129が通信部126からその切替結果を受け取り、その切替結果を要求処理部128に与える(S23)。
【0068】
要求処理部128は、その切替結果を、通信部126に端末110へ送信させる(S24)。そのような切替結果を受信した端末110では、制御部115は、その切替結果を表示部113に表示させる。これにより、オペレータは、切替が行われたことを知ることができる。
【0069】
図7は、実施の形態1におけるルート選択部130による切替パスの振分動作を説明するための概略的なフロー図である。
まず、ルート選択部130は、パス管理部129からのパスリストに含まれている一つのパスを対象パスとして特定する(S30)。
【0070】
ルート選択部130は、パス管理部129からの特定された事前予約レストレーションルートに、対象パスの事前予約レストレーションルートが含まれているか否かを判断する(S31)。対象パスの事前予約レストレーションルートが含まれていない場合には、処理はステップS32に進み、対象パスの事前予約レストレーションルートが含まれている場合には、処理はステップS33に進む。
【0071】
ステップS32では、ルート選択部130は、対象パスを切替設定無パスに割り振る。
一方、ステップS33では、ルート選択部130は、対象パスの優先度1の事前予約レストレーションルートの全てのリンクにリソースの空きがあるか否かを、リソース管理部131に問い合わせることで、対象パスを優先度1の事前予約レストレーションルートに切り替え可能か否かを判断する。リソース管理部131は、例えば、波長の若番から、リソースに空きがあるか否かを判断して、その判断結果をリソース状況としてルート選択部130に回答する。ここでは、リソース管理部131は、リソースに空きがない場合には、リソースに空きがない旨を判断結果として回答し、リソースに空きがある場合には、その事前予約レストレーションルートに割り当てるリソースを判断結果として回答する。
【0072】
そして、対象パスの優先度1の事前予約レストレーションルートの全てのリンクにリソースの空きがある場合には、処理はステップS34に進み、対象パスの優先度1の事前予約レストレーションルートにおいてリソースの空きがないリンクがある場合には、処理はステップS35に進む。
【0073】
ステップS34では、ルート選択部130は、対象パスの優先度1の事前予約レストレーションルートを優先度1の切替パスとして振り分ける。
一方、ステップS35では、ルート選択部130は、対象パスの優先度2の事前予約レストレーションルートの全てのリンクにリソースの空きがあるか否かを、リソース管理部131に問い合わせることで、対象パスを優先度2の事前予約レストレーションルートに切り替え可能か否かを判断する。リソース管理部131は、優先度1と同様に、波長の若番から、リソースに空きがあるか否かを判断して、その判断結果をリソース状況としてルート選択部130に回答する。そして、対象パスの優先度2の事前予約レストレーションルートの全てのリンクにリソースの空きがある場合には、処理はステップS36に進む。
【0074】
ステップS36では、ルート選択部130は、対象パスの優先度2の事前予約レストレーションルートを優先度2の切替パスとして振り分ける。
以下、同様にして、ルート選択部130は、リソースの空きが見つからない場合には、対象パスの事前予約レストレーションルートとして特定されている最も低い優先度N(Nは、1以上の整数)まで、リソースの空きがあるか否かをリソース管理部131に問い合わせる(S37)。
【0075】
そして、リソース管理部131からの回答により、対象パスの優先度Nの事前予約レストレーションルートの全てのリンクにリソースの空きがある場合には、ルート選択部130は、対象パスの優先度Nの事前予約レストレーションルートを優先度Nの切替パスとして振り分ける(S38)。
一方、リソース管理部131からの回答により、対象パスの優先度Nの事前予約レストレーションルートにおいてリソースに空きがないリンクがある場合には、ルート選択部130は、対象パスを切替不可パスに振り分ける(S39)。
【0076】
そして、ルート選択部130は、パスリストに含まれている全てのパスを対象パスとして特定するまで、図7に示されている動作を繰り返す。これにより、パスリストに含まれている全てのパスの振分を行うことができる。
【0077】
以上により、実施の形態1によれば、オペレータの選択した優先度での一括切替が実施される。
なお、切替設定無パス又は切替不可パスについても、オペレータが個別に切り替え先を再設定することで切り替え可能となる。
【0078】
実施の形態2.
図1に示されているように、実施の形態2に係る光通信管理システム200は、端末110と、オペレーション装置220とを備える。
実施の形態2に係る光通信管理システム200の端末110は、実施の形態1に係る光通信管理システム100の端末110と同様である。
【0079】
図4に示されているように、実施の形態2におけるオペレーション装置220は、記憶部121と、通信部126と、制御部227とを備える。
【0080】
実施の形態2におけるオペレーション装置220の記憶部121及び通信部126は、実施の形態1におけるオペレーション装置120の記憶部121及び通信部126と同様である。
【0081】
制御部227は、オペレーション装置220での処理を制御する。
制御部227は、要求処理部128と、パス管理部129と、ルート選択部230と、リソース管理部131とを備える。
実施の形態2における制御部227の要求処理部128、パス管理部129及びリソース管理部131は、実施の形態1における制御部127の要求処理部128、パス管理部129及びリソース管理部131と同様である。
【0082】
実施の形態2におけるルート選択部230は、実施の形態1におけるルート選択部130とほぼ同様の処理を行うが、事前予約レストレーションルートの振分動作において、実施の形態1と異なっている。
【0083】
上記のように、実施の形態1では、ルート選択部130は、優先度が高い候補ルートから順に、リソース管理部131にリソースを割り当てることができるか否かを問い合わせ、リソース管理部131は、問い合わせを受けた候補ルートにリソースを割り当てることができるか否かを回答している。
一方、実施の形態2では、ルート選択部230は、候補ルートについて、リソース管理部131にリソースを割り当てることができるか否かを問い合わせ、リソース管理部131は、候補ルートにリソースを割り当てることができるか否かをルート選択部230に回答する。そして、ルート選択部230は、リソースが割り当て可能な候補ルートの数が少ない通過パスから順に、かつ、優先度が高い候補ルートから順に、リソースを割り当てることができる候補ルートを切替パスとして選択する。
これにより、実施の形態2のルート選択部230は、切り替え可能な光パス数を実施の形態1よりも増加させる。
【0084】
図8は、実施の形態2におけるルート選択部230による切替パスの振分動作を説明するための概略的なフロー図である。
まず、ルート選択部230は、パス管理部129からパスリスト及び特定された事前予約レストレーションルートを取得する(S40)。
【0085】
ルート選択部230は、取得されたパスリストに、事前予約レストレーションルートを有しないパスがあるか否かを判断する(S41)。
取得されたパスリストに、事前予約レストレーションルートを有しないパスがある場合には、そのようなパスを切替設定無パスに振り分ける(S42)。
【0086】
ルート選択部230は、パスリストにおいて、事前予約レストレーションルートを有するパスをルート有りパスとして特定し、各ルート有りパスについて、リソース管理部131に問い合わせることで、現時点での切り替え可能なルート数を確認する(S43)。
ルート選択部230は、ルート有りパスに、切り替え可能なルート数が「0」のパスがある場合には、そのようなパスを切替不可パスに振り分ける(S44)。
【0087】
ルート選択部230は、ルート有りパスに、切り替え可能なルート数が「1」、かつ、切り替え可能な事前予約レストレーションルートに優先度1が割り当てられているパスがあるか否かを確認する(S45)。
ルート選択部230は、ルート有りパスに、切り替え可能なルート数が「1」、かつ、切り替え可能な事前予約レストレーションルートに優先度1が割り当てられているパスがある場合には、リソース管理部131に、そのようなパスの優先度1の事前予約レストレーションルートにリソースを確保させて、そのようなパスの優先度1の事前予約レストレーションルートを優先度1パスに振り分ける(S46)。
【0088】
ルート選択部230は、ルート有りパスに、切り替え可能なルート数が「1」、かつ、切り替え可能な事前予約レストレーションルートに優先度2が割り当てられているパスがあるか否かを確認する(S47)。
ルート選択部230は、ルート有りパスに、切り替え可能なルート数が「1」、かつ、切り替え可能な事前予約レストレーションルートに優先度2が割り当てられているパスがある場合には、リソース管理部131に、そのようなパスの優先度2の事前予約レストレーションルートにリソースを確保させて、そのようなパスの優先度2の事前予約レストレーションルートを優先度2パスに振り分ける(S48)。
【0089】
以下、同様にして、ルート選択部230は、最も低い優先度N(Nは、1以上の整数)まで、ルート有りパスに、切り替え可能なルート数が「1」、かつ、切り替え可能な事前予約レストレーションルートに優先度Nが割り当てられているパスがあるか否かを確認する(S49)。
ルート選択部230は、ルート有りパスに、切り替え可能なルート数が「1」、かつ、切り替え可能な事前予約レストレーションルートに優先度Nが割り当てられているパスがある場合には、リソース管理部131に、そのようなパスの優先度Nの事前予約レストレーションルートにリソースを確保させて、そのようなパスの優先度Nの事前予約レストレーションルートを優先度Nパスに振り分ける(S50)。
【0090】
ルート選択部230は、ルート有りパスにおいて切り替え可能なルート数が「1」であったパスで残ったパスを、切替不可パスに振り分ける(S51)。
【0091】
そして、ルート選択部230は、ルート有りパスにおいて振り分けが行われていないパスである未振り分けパスについて、再度、リソース管理部131に問い合わせることで、現時点での切り替え可能なルート数を確認する(S52)。
ルート選択部230は、未振り分けパスに、切り替え可能なルート数が「0」のパスがある場合には、そのようなパスを切替不可パスに振り分ける(S53)。
【0092】
また、ルート選択部230は、未振り分けパスに、切り替え可能なルート数が「1」のパスがある場合には、処理をステップS45に戻して、再度、ルート数が「1」のパスに対して、優先度に応じた振り分けを行う。
【0093】
一方、ルート選択部230は、未振り分けパスに、切り替え可能なルート数が「1」のパスがない場合には、処理をステップS54に進める。
ステップS54では、ルート選択部230は、未振り分けパスに、切り替え可能なルート数が「2」、かつ、切り替え可能な事前予約レストレーションルートに優先度1が割り当てられているパスがあるか否かを確認する。
ルート選択部230は、未振り分けパスに、切り替え可能なルート数が「2」、かつ、切り替え可能な事前予約レストレーションルートに優先度1が割り当てられているパスがある場合には、リソース管理部131に、そのようなパスの優先度1の事前予約レストレーションルートにリソースを確保させて、そのようなパスの優先度1の事前予約レストレーションルートを優先度1パスに振り分ける(S55)。
【0094】
以下、同様に、ルート選択部230は、切り替え可能なルート数の最大値であるM(Mは、1以上の整数)まで、優先度に応じた振り分けを行う。
そして、ルート選択部230は、未振り分けパスに、切り替え可能なルート数が「M」、かつ、切り替え可能な事前予約レストレーションルートに優先度Nが割り当てられているパスがあるか否かを確認する(S56)。
ルート選択部230は、未振り分けパスに、切り替え可能なルート数が「M」、かつ、切り替え可能な事前予約レストレーションルートに優先度Nが割り当てられているパスがある場合には、リソース管理部131に、そのようなパスの優先度Nの事前予約レストレーションルートにリソースを確保させて、そのようなパスの優先度Nの事前予約レストレーションルートを優先度Nパスに振り分ける(S57)。
そして、ルート選択部230は、未振り分けパスが未だ残っている場合には、そのようなパスを切替不可パスに振り分ける(S58)。
【0095】
以上により、実施の形態2によれば、切り替えルートが少ないパスについては、切り替え先のルートが低い優先度であっても、優先してリソースが確保されるため、切り替え可能なパスを増やすことができる。
【符号の説明】
【0096】
100,200 光通信管理システム、 101 ネットワークエレメント、 102 リンク、 110 端末、 111 記憶部、 112 入力部、 113 表示部、 114 通信部、 115 制御部、 120,220 オペレーション装置、 121 記憶部、 122 ネットワーク構成情報、 123 事前予約レストレーションルート情報、 124 リソース情報、 126 通信部、 127,227 制御部、 128 要求処理部、 129 パス管理部、 130,230 ルート選択部、 131 リソース管理部。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8