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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-26
(45)【発行日】2025-01-10
(54)【発明の名称】情報検索システム
(51)【国際特許分類】
   G06F 16/9035 20190101AFI20241227BHJP
   G06F 16/9535 20190101ALI20241227BHJP
【FI】
G06F16/9035
G06F16/9535
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2021103781
(22)【出願日】2021-06-23
(65)【公開番号】P2023002928
(43)【公開日】2023-01-11
【審査請求日】2022-09-22
【審判番号】
【審判請求日】2024-01-25
(73)【特許権者】
【識別番号】504103984
【氏名又は名称】ウイングアーク1st株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100190621
【弁理士】
【氏名又は名称】崎間 伸洋
(74)【代理人】
【識別番号】100212510
【弁理士】
【氏名又は名称】笠原 翔
(72)【発明者】
【氏名】田中 潤
(72)【発明者】
【氏名】大畠 幸男
【合議体】
【審判長】須田 勝巳
【審判官】林 毅
【審判官】大塚 俊範
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-190060(JP,A)
【文献】特開2020-149539(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F16/9035
G06F16/9535
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザの質問のテキストを取得する取得手段と、
前記テキストに基づいて所定の目的を特定する特定手段と、
前記所定の目的に対応する所望の情報を検索すると共に、前記所定の目的と前記所望の情報との一致度合いを示す確度を取得する検索手段と、
前記所定の目的にかかる探索ログに基づいて、前記所定の目的に関する情報と前記所望の情報紐付けて記録する記録手段と、
検索結果を出力する出力手段と、
複数のユーザが属する所定の組織ごとに、情報検索システムの利用状況を示す情報に基づいてスコアを算出する算出手段と、
を有し、
前記検索手段は、前記所定の目的に対応する前記所望の情報として、所定の確度以上の前記所望の情報が複数存在する場合、複数の前記所望の情報を検索結果として前記出力手段に出力させ、ユーザによりいずれかの前記所望の情報が選択された場合、次回以降の検索処理において、選択された前記所望の情報の確度を高くする、
情報検索システム。
【請求項2】
ユーザの質問のテキストを取得する取得手段と、
前記テキストに基づいて所定の目的を特定する特定手段と、
前記所定の目的に対応する所望の情報を検索すると共に、前記所定の目的と前記所望の情報との一致度合いを示す確度を取得する検索手段と、
前記所定の目的にかかる探索ログに基づいて、前記所定の目的に関する情報と前記所望の情報紐付けて記録する記録手段と、
検索結果を出力する出力手段と、
を有し、
前記検索手段は、前記所定の目的に対応する前記所望の情報の中から、最も確度の高い前記所望の情報のみを検索結果として前記出力手段に出力させ、
出力した前記所望の情報がユーザの期待する所望の情報であった場合、次回以降の検索処理において、前記所望の情報の確度を高くし、出力した前記所望の情報がユーザの期待する所望の情報ではなかった場合、次回以降の検索処理において、前記所望の情報の確度を低くする、
情報検索システム。
【請求項3】
前記特定手段は、前記テキストから検索の対象と内容を抽出し、前記テキストから前記内容を抽出できない場合、ユーザに前記内容を問う質問を行う、
請求項1または2に記載の情報検索システム。
【請求項4】
前記検索手段により前記所望の情報を検索できなかった場合、前記記録手段は、前記所定の目的にかかる探索ログに基づいて、前記所望の情報を記録する、
請求項1から3のいずれか一項に記載の情報検索システム。
【請求項5】
前記検索手段により前記所望の情報を検索できなかった場合、前記出力手段は、前記所望の情報がない旨を出力し、
前記取得手段が、質問を行ったユーザまたはその他のユーザから前記所望の情報の記録指示を受け付けると、前記記録手段は、前記所定の目的に関する情報と、前記所望の情報とを紐づけて記憶手段に記録する、
請求項1から4のいずれか一項に記載の情報検索システム。
【請求項6】
前記取得手段は、複数のユーザから前記テキストを取得し、
前記取得手段が、質問を行ったユーザまたはその他のユーザから前記所望の情報の記録指示を受け付けると、前記記録手段は、前記所定の目的に関する情報と、質問を行ったユーザとは異なる他のユーザから提供された前記所望の情報とを紐づけて記憶手段に記録する、
請求項1から5のいずれか一項に記載の情報検索システム。
【請求項7】
ユーザが関心のあるキーワードがユーザごとにあらかじめ記憶手段に記録され、当該関心のあるキーワードに関連する内容が記録または更新された場合、当該関心のあるキーワードに対応するユーザに対して所定の通知を行う通知手段をさらに有する、
請求項1から6のいずれか一項に記載の情報検索システム。
【請求項8】
コンピュータを用いて構築された情報検索システムに実行させる処理として、
ユーザの質問分のテキストを取得する取得ステップと、
前記テキストに基づいて所定の目的を特定する特定ステップと、
前記所定の目的に対応する所望の情報を検索すると共に、前記所定の目的と前記所望の情報との一致度合いを示す確度を取得する検索ステップと、
検索結果を出力する出力ステップと、
前記所定の目的にかかる探索ログに基づいて、前記所定の目的に関する情報と前記所望の情報紐付けて記録する記録ステップと
複数のユーザが属する所定の組織ごとに、情報検索システムの利用状況を示す情報に基づいてスコアを算出する算出ステップと、
を有し、
前記検索ステップにおいて、前記所定の目的に対応する前記所望の情報として、所定の確度以上の前記所望の情報が複数存在する場合、複数の前記所望の情報を検索結果として前記出力ステップにおいて出力させ、ユーザによりいずれかの前記所望の情報が選択された場合、次回以降の検索処理において、選択された前記所望の情報の確度を高くする、
情報検索システムの制御方法。
【請求項9】
コンピュータを用いて構築された情報検索システムに実行させる処理として、
ユーザの質問のテキストを取得する取得ステップと、
前記テキストに基づいて所定の目的を特定する特定ステップと、
前記所定の目的に対応する所望の情報を検索すると共に、前記所定の目的と前記所望の情報との一致度合いを示す確度を取得する検索ステップと、
検索結果を出力する出力ステップと、
前記所定の目的にかかる探索ログに基づいて、前記所定の目的に関する情報と前記所望の情報紐付けて記録する記録ステップと
有し、
前記検索ステップにおいて、前記所定の目的に対応する前記所望の情報の中から、最も確度の高い前記所望の情報のみを検索結果として前記出力ステップにおいて出力させ、
出力した前記所望の情報がユーザの期待する所望の情報であった場合、次回以降の検索処理において、前記所望の情報の確度を高くし、出力した前記所望の情報がユーザの期待する所望の情報ではなかった場合、次回以降の検索処理において、前記所望の情報の確度を低くする、
情報検索システムの制御方法。
【請求項10】
ユーザの質問分のテキストを取得する取得ステップと、
前記テキストに基づいて所定の目的を特定する特定ステップと、
前記所定の目的に対応する所望の情報を検索すると共に、前記所定の目的と前記所望の情報との一致度合いを示す確度を取得する検索ステップと、
検索結果を出力する出力ステップと、
前記所定の目的にかかる探索ログに基づいて、前記所定の目的に関する情報と前記所望の情報紐付けて記録する記録ステップと
複数のユーザが属する所定の組織ごとに、情報検索システムの利用状況を示す情報に基づいてスコアを算出する算出ステップと、
をコンピュータによって実行させるためのコンピュータプログラムであって、
前記検索ステップにおいて、前記所定の目的に対応する前記所望の情報として、所定の確度以上の前記所望の情報が複数存在する場合、複数の前記所望の情報を検索結果として前記出力ステップにおいて出力させ、ユーザによりいずれかの前記所望の情報が選択された場合、次回以降の検索処理において、選択された前記所望の情報の確度を高くする、
コンピュータプログラム。
【請求項11】
ユーザの質問のテキストを取得する取得ステップと、
前記テキストに基づいて所定の目的を特定する特定ステップと、
前記所定の目的に対応する所望の情報を検索すると共に、前記所定の目的と前記所望の情報との一致度合いを示す確度を取得する検索ステップと、
検索結果を出力する出力ステップと、
前記所定の目的にかかる探索ログに基づいて、前記所定の目的に関する情報と前記所望の情報紐付けて記録する記録ステップと
コンピュータによって実行させるためのコンピュータプログラムであって、
前記検索ステップにおいて、前記所定の目的に対応する前記所望の情報の中から、最も確度の高い前記所望の情報のみを検索結果として前記出力ステップにおいて出力させ、
出力した前記所望の情報がユーザの期待する所望の情報であった場合、次回以降の検索処理において、前記所望の情報の確度を高くし、出力した前記所望の情報がユーザの期待する所望の情報ではなかった場合、次回以降の検索処理において、前記所望の情報の確度を低くする、
コンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報検索システムに関する。
【背景技術】
【0002】
企業内における情報検索において、ウェブサイト等を活用した、いわゆる社内ポータルサイトが広く用いられている。このような社内ポータルサイトでは、そのサイトやコンテンツ管理を行う管理者のメンテナンス作業(コンテンツの追加および更新等)が重要な位置づけを占めている。また、ユーザが所望の情報を効率よく検索できる技術が提案されている。例えば、特許文献1には、社内ポータル内のコンテンツにおける階層構造をウェブブラウザ上に表示することが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2008-242803号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、コンテンツの増加や運用年数の経過につれて、ユーザが所望の情報をうまく検索できないといった状況が起こりうる。このような状況に対して、社内ポータルサイトの管理者は、サイトにおけるページの更新やコンテンツの追加および更新などを行うものの、このようなメンテナンス作業が追い付かないことがある。
【0005】
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、所望の情報をユーザが効率よく検索可能な技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明の一態様は、
ユーザの質問のテキストを取得する取得手段と、
前記テキストに基づいて所定の目的を特定する特定手段と、
前記所定の目的に対応する所望の情報を検索する検索手段と、
前記所定の目的にかかる探索ログに基づいて、前記所定の目的に対応する所望の情報を記録する記録手段と、
検索結果を出力する出力手段と、
を有する情報検索システムである。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、所望の情報をユーザが効率よく検索することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】情報検索および記録の一例を示す図である。
図2】情報検索システムの構成の概略を示す図である。
図3】サーバのハードウェア構成を示すブロック図である。
図4】サーバの機能的構成の一例を示す機能ブロック図である。
図5】情報検索処理の動作を示すフローチャートである。
図6】情報検索時の表示例を示す図である。
図7】情報登録処理の動作を示すフローチャートである。
図8】情報登録時の表示例を示す図である。
図9】情報通知処理の動作を示すフローチャートである。
図10】情報通知時の表示例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
(実施形態)
<概要>
以下、本実施形態について、図面を用いて説明する。図1は、本実施形態に係る情報検索および記録の一例を示す図である。本実施形態では、スマートフォン等の端末上でチャット機能を用いて情報検索を行う例について説明する。
【0010】
図1は、ユーザA~Cが端末2を操作することによって、サーバ1(情報検索装置)とメッセージがやり取りされる例を示している。例えば、ユーザAから「xxxの資料どこ?」といった質問(ユーザAのメッセージCC1)が入力されたとする。この場合、サーバ1は、メッセージCC1を受け取ると、当該質問から所定の目的を特定して、当該所定の目的に対応する所望の情報を検索する。例えば、上記の場合、所定の目的は「xxxの資料」の「所在箇所」を探すことである。そして、サーバ1は、「xxxの資料」の「所在箇所」を、社内ポータルCPや、クラウドストレージCS、所望情報DB41等の記憶部から検索する。各記憶部の詳細については後述する。サーバ1は、「xxxの資料の所在箇所」を社内ポータルCPから取得できた場合、「xxxの資料」の格納先の情報(例えば、URL:Uniform Resource Locator)をユーザAに返答する。図1の例では、「ここにあるよ。http://portal/xxx.ppt」といった返答(サーバのメッセージCC2)が端末2に表示されている。このように、サーバ1は、ユーザAが所望の情報を検索できた場合には、当該所望の情報を端末2に表示する。
【0011】
また、例えば、ユーザAから「リモートワーク申請書どこ?」といった質問(ユーザAのメッセージCC3)が入力された場合、サーバ1は上記と同様に、特定した所定の目的に対応する所望の情報を検索する。例えば、上記の場合、所定の目的は「リモートワーク申請書」の「所在箇所」を探すことである。ここで、サーバ1は、「リモートワーク申請書」の「所在箇所」をいずれの記憶部からも取得できなかった場合、その旨をユーザAに返答する。図1の例では、「わからないよ。」といった返答(サーバのメッセージCC4)が端末2に表示されている。ここで、本実施形態では、所望の情報が得られなかった場合、質問をしたユーザや、その他のユーザが所望の情報をサーバ1に教えることができる。例えば、図1の例では、ユーザBが「ここにあるよ。RW申請書http://storage.com/yyy.xls」との(ユーザBの)メッセージCC5を送信することで、サーバ1は、「RW申請書」の所在箇所が「http://storage.com/yyy.xls」であることを、所望情報DB41に記録する。そして、サーバ1は、記録が完了すると「おぼえたよ。」といった(サーバの)メッセージCC6を返答する。このように、サーバ1が、所望の情報(所定の目的を達成するための情報)を検索できなかった場合でも、ユーザとのやり取り(探索ログ)に基づいて所望の情報を記録することができる。
【0012】
また、例えば、ユーザCから「zzz案件の担当窓口はだれ?」といった質問(ユーザCのメッセージCC7)が入力された場合、サーバ1は上記と同様に、特定した所定の目的に対応する所望の情報を検索する。例えば、上記の場合、所定の目的は、「zzz案件」の「担当者」をさがすことである。ここで、サーバ1は、「zzz案件」の「担当者」をいずれの記憶部からも取得できなかった場合、その旨をユーザCに返答する。図1の例では、「わからないよ。」といった返答(サーバのメッセージCC8)が端末2に表示されている。ここで、ユーザBが「営業1部の山田さんだよ」との(ユーザBの)メッセージCC9を送信すると、サーバ1は、「zzz案件」の「担当者」が「営業1部の山田さん」であることを所望情報DB41に記録する。このように、ユーザが探したい情報をサーバ1が検索できない場合でも他のユーザが知っている場合には、所望情報DB41に記録しておくことで、次回、同様の質問が入力された場合に、サーバ1から返答できるようにしている。以下、本実施形態に係るシステム構成を説明する。
【0013】
<システム構成>
図2は、本実施形態に係る情報検索システムのシステム構成の概要を示す図である。本実施形態に係る情報検出システムは、処理を行うサーバ1と、ユーザによって操作される端末2および端末3とが、インターネット等の所定のネットワークNを介して相互に接続されることで構成される。
【0014】
サーバ1は、端末2と端末3の各動作と協働して各種処理を実行する。端末2および端末3は、ユーザによる入力を受け付けたり、サーバ1の処理結果を表示したりする。
【0015】
<ハードウェア構成>
図3は、本実施形態に係るサーバ1のハードウェア構成を示すブロック図である。サーバ1は、CPU(Central Processing Unit)11と、ROM(Read Only Memory)12と、RAM(Random Access Memory)13と、バス14と、入出力インターフェース15と、出力部16と、入力部17と、記憶部18と、通信部19と、ドライブ20と、を備えている。
【0016】
CPU11は、ROM12に記録されているプログラム、又は、記憶部18からRAM13にロードされたプログラムに従って各種の処理を実行する。RAM13には、CPU11が各種の処理を実行する上において必要なデータ等も適宜記憶される。CPU11、ROM12及びRAM13は、バス14を介して相互に接続されている。このバス14にはまた、入出力インターフェース15も接続されている。
【0017】
入出力インターフェース15には、出力部16、入力部17、記憶部18、通信部19及びドライブ20が接続されている。出力部16は、ディスプレイやスピーカ等で構成され、各種情報を画像や音声として出力する。入力部17は、キーボードやマウス等で構成され、各種情報を入力する。記憶部18は、ハードディスクやDRAM(Dynamic Random Access Memory)等で構成され、各種データを記憶する。通信部19は、インターネットを含むネットワークNを介して他の装置との間で通信を行う。
【0018】
ドライブ20には、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、或いは半導体メモリ等よりなる、リムーバブルメディア21が適宜装着される。ドライブ20によってリムーバブルメディア21から読み出されたプログラムは、必要に応じて記憶部18にインストールされる。また、リムーバブルメディア21は、記憶部18に記憶されている各種データも、記憶部18と同様に記憶することができる。
【0019】
なお、図示はしないが、端末2および端末3は、図3に示すハードウェア構成を有する。
【0020】
<機能構成>
図4は、本実施形態に係るサーバ1における機能的構成の一例を示す機能ブロック図である。サーバ1のCPU11においては、動作する際に、取得部31、特定部32、検索部33、出力部34、記録部35、通知部36、スコア算出部37が機能する。
【0021】
取得部31は、端末2を介してユーザの質問のテキストを取得する。本実施形態では、取得部31は、ユーザによって入力された文字情報をテキストとして取得する例について説明するが、例えば、ユーザによって発せられた音声情報をテキストとして取得してもよい。この場合、取得した音声情報は、端末またはサーバ内で、種々の方法によってテキストに変換される。また、取得部31は、端末2を介して複数のユーザからテキストを取得してもよく、複数の端末を介して各端末を操作する複数のユーザからテキストを取得してもよい。なお、取得部31が取得する対象は、ユーザの質問に限定されず、例えば、ユーザから所望の情報の記録指示(保管場所の記録指示)を取得してもよい。
【0022】
特定部32は、取得部31によって取得されたテキストに基づいて、所定の目的を特定する。例えば、特定部32は、種々の自然言語処理を行うことにより、上記のテキストから「対象」と「内容」を抽出して、所定の目的を特定する。例として、「xxxの資料どこ?」というテキストが取得された場合、特定部32は、「対象」として「xxxの資料」、「内容」として「所在箇所」を抽出する。そして、特定部32は、これらの「対象」および「内容」に基づいて、所定の目的は「xxxの資料」の「所在箇所」を検索することであると特定する。なお、サーバ1は、特定部32を備えていなくてもよく、この場合いテキストに基づく所定の目的の特定は、外部システムを用いて行うことができる。なお、機械学習により生成した分類器を用いて、取得されたテキストに基づいて所定の目的が特定されてもよい。
【0023】
所定の目的とは、本実施形態では、ユーザの質問に基づいて特定される、ユーザの質問の意図を示す情報である。例えば、本実施形態では、上記の通り、ユーザの質問から「対象」と「内容」を抽出することにより、所定の目的を特定する。
【0024】
「対象」とは、ユーザの質問のテキストから取得される検索の対象を示すワードであって、例えば、「〇〇の資料」、「〇〇の申請書」、「〇〇の案件」、「〇〇の期限」等である。
【0025】
「内容」とは、ユーザの質問のテキストから取得される検索の内容(ジャンル、属性)を示すワードであって、例えば、担当者、期限、所在箇所、ドキュメントデータ、手順、を示すワード、またはこれらすべてを示すワードである。
【0026】
検索部33は、特定部32によって特定された所定の目的に対応する所望の情報を検索する。例えば、上述のように、所定の目的が「xxxの資料」の「所在箇所」を検索することである場合、検索部33は、「xxxの資料」の「所在箇所」を、後述する所望情報DB41、社内情報DB51、外部ストレージ52等を対象に検索する。なお、サーバ1は、検索部33を備えていなくてもよく、この場合、所望の情報の検索は、外部システムを用いて行うことができる。なお、機械学習により生成した分類器を用いて、所定の目的に対応する所望の情報を検索(抽出)してもよい。
【0027】
出力部34は、検索部33による検索結果を端末2に出力する。出力部34は、例えば、所望の情報が取得できた場合には、当該所望の情報を端末2に出力する。また、出力部34は、例えば、所望の情報が取得できなかった場合は、その旨を端末2に出力する。
【0028】
記録部35は、所定の目的にかかる探索ログに基づいて、所望の情報を記録する。例えば、検索部33によって所望の情報を検索できなかった場合に、ユーザからの所望の情報の記録指示受け付けると、記録部35は、ユーザとのやり取り(探索ログ)に基づいて、所定の目的に関する情報と、所望の情報とを紐づけて所望情報DB41に記録する。なお、
記録指示の方法は特に限定されず、「ここにあるよ。」等のメッセージによって記録の指示を行ってもよく、「〇〇を登録しておいて」等のメッセージによって記録の指示を行ってもよい。
【0029】
通知部36は、関心情報DB42に記録されたキーワード(関心情報)に関連する内容が記録または更新された場合に、当該キーワードに関心のあるユーザに対して、所定の通知を行う。ここで、ユーザは、あらかじめ関心のあるキーワードをユーザに紐づけて関心情報DB42に記録しているものとする。例えば、ユーザが関心のあるキーワードとして、「xxxの資料」が関心情報DB42に記録されていた場合に、他のユーザによって「xxxの資料」が保存、更新されると、通知部36は、「xxxの資料」に関心のあるユーザに対して、「xxxの資料がアップ(または更新)されたよ」等の通知を行う。
【0030】
スコア算出部37は、複数のユーザが属する所定の組織ごとに、情報検索システムの成長度合いを示すスコア(レベル)を算出する。ここで、組織とは、複数のユーザが属するグループである。組織としては、例えば、企業、部署、団体等が挙げられる。情報検索システムの成長度合いを示すスコアとは、例えば、記録部35によって記録された回数や、所望情報DB41に蓄積された情報容量や、検索部33によって所望情報DB41が検索された回数、またはこれらの組合せ等に基づいて算出されるスコアである。スコア算出部37は、算出したスコアを成長度合DB53に記録する。なお、スコア算出部は、スコアの算出に加えて、「達人級」、「標準」等のラベリングを行い、成長度合DB53に記録してもよい。なお、スコア算出部37は、情報検索システムの利用状況を示す情報を成長度合DB53に記録してもよく、当該利用状況を示す情報に基づいて、上記のスコアを算出してもよい。
【0031】
図4に示す記憶部18の一領域には、所望情報DB41、関心情報DB42が設けられている。また、サーバ1の外部の記憶部として、社内情報DB51、外部ストレージ52、成長度合DB53が設けられている。
【0032】
所望情報DB41は、上述のとおり、所定の目的に基づいて抽出された「対象」、「内容」、および「所望の情報」等が格納される記憶部である。なお、本実施形態では、所望情報DB41は、サーバ1の記憶部18の一領域に設けられている例について説明するが、サーバ1の外部記憶装置の一領域に設けられていてもよい。
【0033】
関心情報DB42は、上述のとおり、ユーザごとに、当該ユーザが関心のあるキーワードが格納される記憶部である。なお、本実施形態では、関心情報DB42は、サーバ1の記憶部18の一領域に設けられている例について説明するが、サーバ1の外部記憶装置の一領域に設けられていてもよい。
【0034】
社内情報DB51は、社内ポータルサイト等に表示される情報が格納される記憶部である。本実施形態では、社内情報DB51は、サーバ1とは異なる外部記憶装置の一領域に設けられる例について説明するが、サーバ1の記憶部18の一領域に設けられていてもよい。
【0035】
外部ストレージ52は、クラウドストレージ等の任意の外部記憶装置である。なお、外部ストレージ52は、複数設けられていてもよい。
【0036】
成長度合DB53は、情報検索システムの成長度合いが、組織ごとに格納される記憶部である。成長度合DB53には、複数の組織によって管理される各サーバからスコアや、情報検索システムの利用状況が記録されるものとする。
【0037】
<処理内容:情報検索処理>
図5は、本実施形態に係る情報検索処理の一例を示すフローチャートである。図5において、サーバ1および端末2は、インターネット等の任意のネットワークNを介して通信を行う例について説明する。
【0038】
ステップS1では、端末2は、ユーザAの質問を受け付ける。本実施形態では、チャット形式において、ユーザAが文字入力を行うことで、端末2が質問を受け付ける例について説明する。なお、質問を受け付ける方法は文字入力に限定されず任意の方法でもよく、例えば、ユーザAが音声で質問を入力することにより、端末2が当該質問を受け付けてもよい。
【0039】
ステップS2では、端末2からサーバ1へ、ユーザAの質問のテキストを送信する。
【0040】
ステップS3では、取得部31は、ユーザAの質問のテキストを取得する。
【0041】
ステップS4では、特定部32は、取得部31によって取得されたテキストに基づいて、所定の目的を特定する。例えば、特定部32は、取得されたテキストに対して、種々の自然言語処理を行うことにより、所定の目的を特定する。
【0042】
ステップS5では、検索部33では、特定部32によって特定された所定の目的に対応する所望の情報を検索する。例えば、検索部33は、所望の情報(例えば、xxxの資料)の「所在箇所」を、所望情報DB41、社内情報DB51、外部ストレージ52等を対象に検索する。
【0043】
ステップS6では、出力部34は、検索部33によって検索された結果を端末2に出力する。出力部34は、所望の情報が取得できた場合には、当該所望の情報を端末2に出力し、所望の情報が取得できなかった場合は、その旨を端末2に出力する。ここでは、所望の情報(例えば、xxxの資料の格納先を示すURL)が検索結果として取得できた場合を例に説明する。
【0044】
ステップS7では、端末2は、サーバ1より出力された検索結果を、端末2の出力部(例えば、ディスプレイ)に表示する。
【0045】
ステップS8では、端末2は、ユーザAから検索結果(例えば、上記のURL)にアクセスする指示を受け付ける。検索結果にアクセスする指示を受け付ける方法は特に限定されない。例えば、検索結果がハイパーリンク形式で表示されている場合に、ユーザAによって当該検索結果を選択されることにより、アクセスする指示を受け付けてもよい。また、例えば、ユーザによって、チャットのメッセージとして検索結果を入力されることにより、アクセスする指示を受け付けてもよい。ここでは、ユーザによって、検索結果のURLが、チャットのメッセージに入力された例について説明する。
【0046】
ステップS9では、端末2は、サーバ1に対して、上記アクセス指示のメッセージを送信する。ここでは、当該メッセージは、上述の検索結果のURLである。
【0047】
ステップS10では、取得部31が上述のメッセージを取得すると、検索部33は、上述の検索結果のURLに対応する電子データを取得する。ここでは、検索結果のURLに対応する電子データとして、所定のドキュメントデータが取得されるものとする。
【0048】
ステップS11では、出力部34は、取得部31によって取得された電子データを端末2に送信する。
【0049】
ステップS12では、端末2は、サーバ1によって取得された電子データを、端末2の出力部(例えば、ディスプレイ)に表示する。なお、端末2は、サーバ1によって取得された電子データを所定のアプリケーションを用いて開いてもよい。
【0050】
図6は、本実施形態に係る情報検索時の表示例を示す図である。図6(A)は、本実施形態に係る端末2で動作するアプリケーションの表示例を示す図である。情報検索VA(Virtual Assistant)は、仮想的にユーザとやり取りを行うエージェントである。図6(A)に示すように、ユーザAが「xxxの資料を探して」と入力すると、図6(B)に示すように、サーバ1は、「xxxの資料」の所在箇所を示す情報(例えば、URL)として、「ここにあるよ。http://portal/xxx.ppt」といったメッセージを端末2に出力する。そして、図6(C)に示すように、ユーザAが「http://portal/xxx.ppt」と入力(または、上記のサーバ1の出力したURLを選択)すると、図6(D)に示すように、入力されたURLに対応する電子データを取得して、端末2に出力する。なお、本実施形態に係るアプリケーションでは、図6(E)に示すように、上記のメッセージに対してユーザAから「あってるよ。ありがとう」とのメッセージを送信すると、サーバ1から「わかりました」と返答がなされる。このように、サーバ1の出力した情報が、ユーザの所望の情報と一致しているか否かをユーザに入力させてサーバ1で管理することで、サーバ1における情報検索処理の精度を向上させることができる。
【0051】
<処理内容:情報登録処理>
図7は、本実施形態に係る情報検索処理の一例を示すフローチャートである。図5において、サーバ1および端末2は、インターネット等の任意のネットワークNを介して通信を行う例について説明する。なお、上述のアプリケーションにおいて、複数のユーザがメッセージの閲覧および入力を行うことができるものとする。
【0052】
ステップS21~S27は、上述のステップS1~S7と同様のため説明を割愛する。なお、図7の例では、ステップS25,S26において、所望の情報が取得できなかった場合を例に説明する。具体的には、例えば、ステップS27で端末2に検索結果が表示されたものの、当該検索結果が、ユーザAの所望の情報ではなかった場合である。
【0053】
ステップS28では、端末2は、ユーザAとは異なるユーザBから情報の入力を受け付ける。ここで、ユーザAは、ユーザBが入力した情報と、ユーザAの所望の情報とが一致するか否かを確認する。ユーザAは、例えば、ユーザBが入力した情報の表示(ドキュメントのファイル名、URL等)に基づいて、ユーザBが入力した情報と、ユーザAの所望の情報とが一致するか否かを確認する。また、ユーザAは、例えば、ユーザBが入力した情報にアクセス(ドキュメントを開く、URLにアクセスする等)することで、ユーザBが入力した情報と、ユーザAの所望の情報とが一致するか否かを確認する。そして、ユーザAは、ユーザBが入力した情報と、ユーザAの所望の情報とが一致する場合に、ユーザBが入力した情報の登録指示を行う。登録指示の例として、ユーザAが「登録して」等のメッセージを入力することが挙げられる。ユーザAが登録指示を行うと、次のステップS29の処理が実行される。
【0054】
ステップS29では、ユーザAから所望の情報の登録指示を受け付ける。ここでは、ステップS28でユーザBが入力した情報が、ユーザAの所望の情報と一致していた場合の例について説明する。なお、ユーザBによって、上述の所望の情報の登録指示を受け付けてもよい。
【0055】
ステップS30では、端末2は、サーバ1に対して、上記の登録指示のメッセージを送信する。
【0056】
ステップS31では、記録部35は、上記の登録指示のメッセージを受け付けると、所定の目的に関する情報と、所望の情報とを紐づけて所望情報DB41に記録する。
【0057】
ステップS32では、出力部34は、端末2に対して、所望情報DB41に記録した旨のメッセージを送信する。
【0058】
図8は、本実施形態に係る情報登録時の表示例を示す図である。図8(A)は、図6(D)と同様であって、ユーザAに入力されたURLに対応する電子データを取得して、端末2に出力された状態の表示例である。本実施形態に係る端末2で動作するアプリケーションの表示例を示す図である。図8(B)では、端末2に出力された検索結果が、ユーザAの所望の情報ではなかった場合に、ユーザAが「これじゃないよ」が入力した場合の表示例が示されている。ここで、ユーザAとは異なるユーザBが「xxxの資料」を把握している場合に、ユーザBはユーザAに対して、「xxxの資料」を提示することができる。例えば、図8(C)に示すように、ユーザBは、「この資料では?」とのメッセージを送信するとともに、資料を添付することができる。そして、図8(D)に示すように、ユーザAは、ユーザBによって添付された資料が所望の情報である場合は、「あってます。有り難う。VAこれ登録して」とのメッセージを送信することで、当該添付資料を登録(記録)するよう、サーバ1に対して指示を行うことができる。そして、サーバ1は、登録が完了すると、図8(E)に示すように、「登録しておいたよ」とのメッセージを端末2に送信する。
【0059】
<処理内容:情報通知処理>
図9は、本実施形態に係る情報通知処理の一例を示すフローチャートである。図7において、サーバ1、端末2および端末3は、インターネット等の任意のネットワークNを介して通信を行う例について説明する。
【0060】
ステップS41~S44は、上述のステップS29~S32と同様のため説明を割愛する。
【0061】
ステップS45では、通知部36は、ステップS43(ステップS31)で登録された所望の情報が、関心情報DB42のキーワードに一致または類似する場合に、所望の情報と一致または類似するキーワードに対応するユーザを抽出する。ここでは、上記のキーワードに対応するユーザとして、ユーザDが抽出されたものとする。
【0062】
ステップS46では、通知部36は、ユーザDの端末である端末3に対して、ユーザDが関心のある情報が登録された旨を通知する。
【0063】
ステップS47では、端末3は、サーバ1より出力された通知を、端末3の出力部(例えば、ディスプレイ)に表示する。
【0064】
ステップS48では、端末3は、サーバ1から通知された情報を取得する指示を受け付ける。
【0065】
ステップS49では、端末3は、サーバ1に対して、上述の通知情報を取得する旨のメッセージを送信する。
【0066】
ステップS50では、取得部31が上述のメッセージを取得すると、検索部33は、上述の通知情報に対応する電子データ(関心のある情報)を取得する。
【0067】
ステップS51では、出力部34は、取得部31によって取得された電子データを端末3に送信する。換言すると、サーバ1は、ユーザDが関心のある情報をユーザDに提供する。
【0068】
図10は、本実施形態に係る情報通知時の表示例を示す図である。端末2には、ユーザAからの登録指示に応じてサーバ1から登録完了の旨のメッセージが送信された場合の表示例が示されている。端末3には、登録された情報に一致または類似するキーワードに対応するユーザDに対して、関心のある情報が登録された旨のメッセージ(「xxxの資料アップされたよ」)が通知された場合の表示例が示されている。ここで、ユーザDから通知された情報を取得する旨のメッセージ(「xxxの資料欲しい」)が入力されると、サーバ1は、「xxxの資料どうぞ」のメッセージとともに、ユーザDの関心度が高い情報をユーザDに提供する。
【0069】
<本実施形態の有利な効果>
上述の実施形態によれば、ユーザは探したい情報をチャットに入力することで、すでにサーバに登録されている場合は、上記の探したい情報を出力することができる。すなわち、ユーザは、所望の情報の所在箇所を意識することなく、所望の情報をユーザが効率よく検索することができる。また、ユーザは、所望の情報が保存されているシステムを意識することなく、当該所望の情報検索を行うことができる。
【0070】
また、探したい情報がサーバに登録されてない場合は、質問を行ったユーザ、または他のユーザが探したい情報をサーバに教える(登録指示を行う)ことで、次回から、最新の情報を出力することができる。これにより、情報検索システムに蓄積される情報を増加させることができる。また、自律的に成長・進化する情報検索の環境を提供することができる。
【0071】
また、上述のように、サーバが、所定の目的にかかる探索ログに基づいて、所望の情報を記録することで、既存のシステム(例えば、社内ポータル)の管理者の運用の手間を削減することができる。
【0072】
また、ユーザが他のユーザと共有しておきたいドキュメント等をチャットに入力することで、自動的に適切な格納先へ保管することができる。また、所定の情報を必要としているユーザが、あらかじめ所定の情報に関するキーワードをサーバに登録しておくことで、当該キーワードに関連する情報が保管、保存、または更新された場合に、サーバから通知を受けとることができる。
【0073】
また、所定の組織ごとに、情報検索システムの成長度合いを示すスコアを算出することで、他の企業や他の部署等と利用状況を比較し、どの程度、情報検索システムが成長したかを確認することで企業力の向上につなげることができる。また、上記のスコアを算出および比較して、ゲーミフィケーション要素を加えることで、ビジネスを促進しながら遊び感覚で企業のエンパワーメントを促進することができる。
【0074】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
【0075】
(変形例)
上述の実施形態では、サーバにより所望の情報を検索できなかった場合に、所定の目的にかかる探索ログに基づいて、所望の情報を記録する例について説明したが、所望の情報を検索できなかったか否かに関わらず、所望の情報を記録してもよい。例えば、所望の資料を検索できた場合に、所望の資料に加えて新たに追加資料を作成したときは、「〇〇の資料を保存しておいて」とのメッセージとともに資料を添付することで、サーバは、所定の目的にかかる探索ログに基づいて、所望の情報(追加資料)を記録してもよい。また、例えば、所望の資料を検索できた場合に、所望の資料に変更を加えたときは、「〇〇の資料を更新しておいて」とのメッセ―ジとともに資料を添付することで、サーバは、所定の目的にかかる探索ログに基づいて、所望の情報を記録(更新)してもよい。
【0076】
上述の実施形態では、ユーザの質問から「対象」と「内容」を抽出することにより、所定の目的を特定する例について説明したが、「対象」と「内容」が一意に特定されない場合がある。例えば、「xxxの申請をしたい」といった質問が入力された場合に、サーバは、「対象」を「xxxの申請」と特定することができるが、「内容」については、一意に特定できない。このような場合に、例えば、サーバは、「xxxの申請書はこちらです」のように、「xxxの申請」の申請書の所在箇所(または申請書データそのもの)を出力してもよい。また、例えば、サーバは、「xxxの申請に対するどのような内容をご要望でしょうか」というような、「内容」を問うような質問を行ってもよい。また、例えば、サーバは、「xxxの申請」に関わる全ての情報を出力してもよい。ここで、すべての情報として、例えば、「xxx申請」における、「申請書の所在箇所」、「申請方法又は申請手順の所在箇所」、「申請期限」、「申請窓口(担当者)」等が挙げられる。
【0077】
上述の実施形態では、所定の目的に対応する所望の情報の検索結果が1つである例について説明した。具体的には例えば、検索部は、所定の目的に対応する所望の情報と、当該所望の情報の確度とを、検索結果として取得する。そして、検索部は、最も確度の高い所望の情報を検索結果として出力する。これにより、検索部は、所定の目的に対応する所望の情報の検索結果が複数存在する場合でも、1つの検索結果を出力することができる。
ここで、確度とは、所望の目的と、所望の情報との一致度合い(スコア)を示す情報である。確度は、例えば、上述の分類器を用いて取得することができる。
また、検出部は、取得した確度を調整してもよい。例えば、検索部は、検索の回数が多いドキュメントに対して確度を高くするように調整してもよい。また、検索部は、ユーザの指示(例えば、ボタン押下、チャットへの投稿等)に基づいて確度を調整してもよい。例えば、検索部は、出力された検索結果に対してユーザから「あってる」と回答された場合に確度を高くするように調整してもよい。また、検索部は、出力された検索結果に対してユーザから「期待した物と違う」と回答された場合に確度を低くするように調整してもよい。
また、例えば、所定の目的に対応する所望の情報の検索結果が複数存在する場合に、検索部は、当該複数の検索結果(例えば、所定の確度以上の複数の検索結果)をユーザの端末に表示する。そして、ユーザがいずれかの情報を選択した場合に、検索部は、選択された情報に対して、確度を高くするよう(例えば、次回以降の検索処理において)調整してもよい。
なお、サーバは、複数の検出結果のうち、いずれの検索結果を出力するべきかを問う質問を端末に出力してもよい。また、サーバは、所定の目的に対応する所望の情報の検索結果が複数存在する場合、複数の検出結果すべてを端末に出力してもよい。
【0078】
上述の実施形態では、所定の目的にかかる探索ログとして、チャット上に入力されたテキスト情報に基づいて所望の情報を記録する例について説明したが、探索ログは上記に限定されない。例えば、探索ログとして、システムログを探索ログとして用いてもよい。この場合、例えば、検索結果として、複数のファイルが端末に出力された場合に、サーバは、ユーザが閲覧した閲覧時間を計測し、閲覧されたファイルのうち、最も閲覧時間が長いファイルを、所望の情報であると特定して記録(登録)してもよい。
【0079】
上述の実施形態では、ユーザはチャット形式のアプリケーションに対して、文字を入力することにより、質問を入力する例について説明したが、質問の入力方法は特に限定されない。例えば、ユーザは、端末に話しかけることにより質問を入力してもよい。
【0080】
上述の実施形態では、端末として、スマートフォン等の端末を例に説明したが、端末は特に限定されず、PC、タブレット等の任意の端末を用いてもよい。
【0081】
上述の実施形態では、図7,8において、質問を行ったユーザ(ユーザA)とは異なる他のユーザ(ユーザB)から提供された所望の情報を、所定の目的に関する情報と紐づけて記録する例について説明した。しかし、これに限定されず、質問を行ったユーザによって提供された所望の情報を所定の目的に関する情報と紐づけて記録してもよい。例えば、質問を行ったユーザが、所望の情報を得られなかった場合に、自身で調べて発見した資料を、所望の情報としてサーバに登録する指示を行う場合が想定される。
【0082】
また例えば、上述した一連の処理は、ハードウェアにより実行させることもできるし、ソフトウェアにより実行させることもできる。換言すると、図4の機能的構成は例示に過ぎず、特に限定されない。即ち、上述した一連の処理を全体として実行できる機能が情報処理システムに備えられていれば足り、この機能を実現するためにどのような機能ブロックを用いるのかは特に図4の例に限定されない。また、機能ブロックの存在場所も、図4に特に限定されず、任意でよい。例えば、サーバの機能ブロックを他の端末等に移譲させてもよい。逆に端末の機能ブロックをサーバ等に移譲させてもよい。また、一つの機能ブロックは、ハードウェア単体で構成してもよいし、ソフトウェア単体で構成してもよいし、それらの組み合わせで構成してもよい。
【0083】
一連の処理をソフトウェアにより実行させる場合には、そのソフトウェアを構成するプログラムが、コンピュータ等にネットワークや記録媒体からインストールされる。コンピュータは、専用のハードウェアに組み込まれているコンピュータであってもよい。また、コンピュータは、各種のプログラムをインストールすることで、各種の機能を実行することが可能なコンピュータ、例えばサーバの他汎用のスマートフォンやパーソナルコンピュータであってもよい。
【0084】
このようなプログラムを含む記録媒体は、ユーザ等にプログラムを提供するために装置本体とは別に配布される図示せぬリムーバブルメディアにより構成されるだけでなく、装置本体に予め組み込まれた状態でユーザ等に提供される記録媒体等で構成される。
【0085】
なお、本明細書において、記録媒体に記録されるプログラムを記述するステップは、その順序に沿って時系列的に行われる処理はもちろん、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的あるいは個別に実行される処理をも含むものである。また、本明細書において、システムの用語は、複数の装置や複数の手段等より構成される全体的な装置を意味するものとする。
【符号の説明】
【0086】
1:サーバ 2:端末 3:端末
11:CPU 18:記憶部 19:通信部
31:取得部 32:特定部 33:検索部
34:出力部 35:記録部 36:通知部
37:スコア算出部 41:所望情報DB 42:関心情報DB
51:社内情報DB 52:外部ストレージ 53:成長度合DB
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10