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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-26
(45)【発行日】2025-01-10
(54)【発明の名称】治療装置
(51)【国際特許分類】
   A61N 1/08 20060101AFI20241227BHJP
   A61N 1/36 20060101ALI20241227BHJP
【FI】
A61N1/08
A61N1/36
【請求項の数】 20
(21)【出願番号】P 2022515703
(86)(22)【出願日】2020-06-05
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-12-06
(86)【国際出願番号】 IB2020055292
(87)【国際公開番号】W WO2021048642
(87)【国際公開日】2021-03-18
【審査請求日】2023-06-02
(73)【特許権者】
【識別番号】518008208
【氏名又は名称】ロエラ ヘマント カラムチャンド
【氏名又は名称原語表記】ROHERA, Hemant Karamchand
【住所又は居所原語表記】101 Flamingo, Raheja Gardens, Wanorie, Pune, Maharashtra 411040 India
(74)【代理人】
【識別番号】100121083
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 宏義
(74)【代理人】
【識別番号】100138391
【弁理士】
【氏名又は名称】天田 昌行
(74)【代理人】
【識別番号】100132067
【弁理士】
【氏名又は名称】岡田 喜雅
(74)【代理人】
【識別番号】100137903
【弁理士】
【氏名又は名称】菅野 亨
(72)【発明者】
【氏名】ロエラ ヘマント カラムチャンド
【審査官】宮崎 敏長
(56)【参考文献】
【文献】特表2013-539690(JP,A)
【文献】特表2010-505471(JP,A)
【文献】特表2018-510036(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2019/0282821(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2016/0339261(US,A1)
【文献】特表2016-512965(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61N 1/08
A61N 1/36 - A61N 1/39
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者の医学的状態の監視と処置用治療装置(100)、前記の装置(100)は以下から構成される:
a. 入力ユニット(102)は少なくとも1つの入力をユーザーから受信するように構成されている、
b. 患者の健康関連の複数の所定パラメータを監視するように構成された複数のセンサー(104a-n)、さらに前記のセンサー(104a-n)は前記の監視パラメータに基づいて検出信号を生成するように構成されている、
c. 前記の入力ユニット(102)と前記のセンサー(104a-n)と共同で機能するように構成されたコントロールユニット(106)、前記のコントロールユニット(106)は以下から構成される:
i. 処置対象の医学的状態一覧と前記の医学的状態別に対応するプログラムを保存したメモリー(108)であって、前記のプログラムごとに、対応する医学的状態の処置に適用可能な温熱療法の示唆とともに、プラスとマイナスの値を含む電圧、電流、周波数のうち少なくとも1つの所定値を含む、さらに
ii. 前記に入力ユニット(102)から前記の入力と前記のセンサー(104a-n)からの検出信号を受信するように構成されているコントローラ(110)であって、前記のコントローラ(110)はさらにメモリー(108)と共同で機能して、受信された入力または、検出信号、これらの組み合わせに基づいてプログラムを選択するように構成されている、
d. 選択されたプログラムをコントロールユニット(106)と共同で機能して受信するように構成され、さらに、前記の患者の体細胞のゼータ電位を改善する前記の医学的状態の処置を可能にする信号を生成するために、選択されたプログラムと関連するプラスとマイナスの電圧値を含む電圧、電流、周波数のうち少なくとも1つの所定値の電磁信号または電気信号である一連のパルスから成る治療信号を生成するように構成された波形生成装置(112)、前記の波形生成装置(112)は次を含む:
i. 前記の電磁信号を生成して、前記の選択されたプログラムに対応する医学的状態の治療を可能にする複数の治療用コイル(206a-s)、
ii. 前記の選択されたプログラムと関連する電圧、電流、周波数のうち少なくとも1つの前記の所定値のドライブ信号を生成するように構成された第一の信号生成装置(202)、
iii. 前記の第一の信号生成装置(202)と共同で機能して前記の生成されたドライブ信号を受信するように構成され、さらに前記の受信したドライブ信号を前記の治療用コイル(206a-s)の要件と数に基づいて調整するように構成されたコイルドライバー回路(204)であって、前記のコイルドライバー回路(204)は調整済みの第一信号を前記の治療用コイル(206a-s)に提供して前記の電磁信号を生成させるように構成されている、さらに
iv. 前記の選択されたプログラムに対応して医学的状態の治療を可能にするために前記の選択されたプログラムと関連する電圧、電流、周波数のうち少なくとも1つの前記の所定値の前記の電気信号を生成するように構成された第二の信号生成装置、
e. 治療信号を患者の身体に送り込むため患者の身体の近くに取り付けられ、選択されたプログラムに対応する医学的状態の処置を可能にする波形生成装置(112)の結合手段、さらに
f. 温熱療法を使用して前記の患者の治癒を可能にするために前記の装置(100)に接続可能な温熱パッド。
【請求項2】
請求項1に請求する装置(100)であって、ここに、前記のセンサー(104a-n)は、心電図(ECG)センサー、光電式指尖容積脈波測定(PPG)センサー、網膜電図(ERG)センサー、筋運動図センサー、血圧センサー、血糖値測定器、温度センサー、酸素飽和度センサー(SpO2センサー)、心拍数センサー、侵撃的(動脈内)血圧(IBP)センサー、心室圧センサー、神経筋監視装置、呼気終末CO2センサー(EtCO2センサー)、パルスオキシメーター、患者のストレス、心拍変動(HRV)、睡眠データ、歩数、燃えた熱量、累積歩行距離、心臓活動データを記録するフィットネストラッカーのうち少なくとも1つを含む。
【請求項3】
請求項1に請求する装置(100)であって、ここに、前記の波形生成装置(112)はマイクロコントローラを使用して実装されている。
【請求項4】
請求項1に請求する装置(100)であって、ここに、前記の治療用コイル(206a-s)は電磁コイルである。
【請求項5】
請求項1において請求する装置(100)であって、ここに、前記の入力ユニット(102)はキーパッド、タッチスクリーン、プッシュボタン、トグルスイッチのうち少なくとも一つを含む。
【請求項6】
請求項1に請求する装置(100)であって、ここに、前記の第二の信号生成装置は赤色光、近赤外線、赤外線発光ダイオード(LED)に接続して医学的状態の処置を可能にするために赤色光、近赤外線、赤外線の生成が可能である。
【請求項7】
請求項1に請求する装置(100)であって、ここに、前記第二の信号生成装置は電流制御ユニットに接続して、医学的状態の処置を可能にするための顔面刺激、骨盤刺激、経皮的電気神経刺激術(TENS)、干渉治療(IFT)、除細動、電気鍼電気刺激治療のうち少なくとも1つを含む電気刺激治療を提供することが可能である。
【請求項8】
請求項1に請求する装置(100)であって、ここに、前記の装置(100)に2G(GSM)、3G(GPRS)、4G(LTE)、狭帯域IoT(NB-IoT/5G)、リモートクラウドサーバーとの無線通信を可能にするためのZigbeeモジュール(302)で成るグループから選択する無線通信モジュールを埋め込む。
【請求項9】
請求項1に請求する装置(100)であって、ここに、前記の装置(100)はバッテリー、ソーラーパネル、AC電源装置と接続可能なDC-DCコンバーターユニットで成るグループから選択する電源装置(114)を含む。
【請求項10】
請求項1に請求する装置(100)であって、ここに、前記の装置(100)は音楽療法を使用して患者の治癒を可能にするための複数の楽曲を保存するHDMIポートとUSBポートのうち少なくとも1つを含む。
【請求項11】
請求項1に請求する装置(100)であって、ここに、前記の監視されるパラメータには心拍数、脈拍数、ECG、PPG、血圧(BP)、酸素飽和度(SpO2)、呼気週末二酸化炭素濃度、呼吸数、神経筋ブロック、血糖値、皮膚温度、燃えた熱量、ストレスレベル、累積歩行距離、睡眠時間を含む。
【請求項12】
請求項8に請求する装置(100)であって、ここに、前記の装置(100)は前記のリモートクラウドサーバー(302)と通信する監視装置(300)によって前記の所定パラメータ実時監視を可能にする。
【請求項13】
請求項12に請求する装置(100)であって、ここに、前記の装置(100)は以下から構成される健康評価ユニット(116)を含む
a. 前記のセンサー(104a-n)と共同で機能して前記の検出信号を受信し、さらに前記の検出信号に基づいて検出値を生成するように構成された信号調整ユニット(118)、さらに、
b. 前記の信号調整ユニット(118)と共同で機能して前記の検出値を受信するように構成され、さらに、前記の受信した検出値を少なくとも1つの所定閾値と照合して患者の健康状態を評価するように構成されたコンパレータ(120)、前記のコンパレータ(120)は前記の検出値が前記の所定閾値と等しくなると注意信号を生成するように構成されている。
【請求項14】
請求項13に請求する装置(100)であって、ここに、前記の健康評価ユニット(116)は前記の生成された注意信号を前記のリモートクラウドサーバー(302)から前記の監視装置(300)送信するように構成されている。
【請求項15】
請求項12に請求する装置(100)であって、ここに、前記の装置(100)は前記の入力を前記のリモートクラウドサーバー(302)から前記の監視装置(300)を通して遠隔で行うことができるようにする。
【請求項16】
請求項8に請求する装置であって、ここに、前記の装置(100)は前記のリモートクラウドサーバー(302)を介して病院の健康記録システムに統合されている。
【請求項17】
請求項8に請求する装置(100)であって、ここに、前記のリモートクラウドサーバー(302)から前記のプログラムをリモートで手動または自動グレードアップが可能であり、ここに、前記の自動グレードアップは機械言語技術を使用して実行される。
【請求項18】
請求項1に請求する装置(100)であって、ここに、前記の装置(100)は可搬な着用可能装置である。
【請求項19】
請求項1に請求する装置(100)であって、ここに、前記の結合手段は導電性素材製である。
【請求項20】
請求項1に請求する装置(100)であって、ここに、前記の結合手段はベルト、接触面、プローブセットセット、ケーブル、電極セットで成すグループから選択する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は概して医療装置に関し、具体的には患者の医学的状態の監視と処置用治療装置に関する。
【0002】
(用語の定義)
本発明で使用される以下の用語は一般的に次の定義の意味を持つものとして意図されており、文脈上別段の意味を示す場合を除く。
【0003】
心電図(ECG)-「心電図」または「ECG」という用語は以下において、心臓の正常な機能状態を判断するために心臓の電気的機能、筋肉の機能を評価するために使用する診断ツールを意味する。
【0004】
光電式指尖容積脈波測定(PPG)-「光電式指尖容積脈波測定」あるいは「PPG」という用語は以下において、末梢循環における血液の容積変化を検出するために使用される簡素な光学技術を意味する。
【0005】
SpO2-「SpO2」という用語は末梢毛細管酸素飽和度を意味し、以下では血中酸素量を意味する。より具体的には、この用語は血中ヘモグロビン総量に対する酸素化ヘモグロビンのパーセンテージを指す(酸素化ヘモグロビンと未酸素化ヘモグロビン)。
【0006】
除細動-「除細動」という用語は以下において、救急医療において心臓の正常な脈動を回復させるために制御された電気ショックを投与して心臓の細動を停止するために使用される技法を意味する。
【0007】
経皮的電気神経刺激術/TENS/電気刺激による運動――「経皮的電気神経刺激術」、「TENS」、電気刺激による運動という用語は以下において、人の皮膚に取り付けた電極から弱電パルスを投与して神経を刺激し治療する処置を意味する。
【0008】
干渉治療(IFT)-「介入セラピー」または「IFT」という用語は以下において、電流を使用して組織を刺激し、鎮痛、腫れの削減、その他多くの健康的効果を提供するための一種の電気治療を意味する。
【0009】
筋電図検査(EMG)-「筋電図検査」または「EMG」という用語は以下において、骨格筋に生じる電気活性の評価と記録用診断医療技術を意味する。
【0010】
電気鍼-「電気鍼」という用語は以下において、身体の特異点に差し込む鍼用針ペアの間に弱電流を通して鎮痛や健康、幸福な状態を回復するための鍼術の一形態を意味する。
【0011】
ユーザー-「ユーザー」という用語は以下において、本発明の治療装置の使用者を意味する。ユーザーは患者や患者の介護者、内科医、医師であることができる。
【背景技術】
【0012】
下記の背景情報は本発明に関するものであって、必ずしも先行技術に関するものであるとは限らない。
【0013】
現在様々な治療装置が医療用に使用されている。これらの治療装置は主に電界、電磁界、磁界を利用して特定の疾患や障害を治療する。磁界とは磁石から放散される磁力である。電磁界はコイルに電流を通すと発生する。交流電流をコイルに通すと動的磁界が生成される。磁界強度は通る電流の強さに比例する。電磁界とは電界と磁界を含む動的磁界を意味する。電磁波特性の特定に使用する主なパラメータは電磁エネルギーの率または周波数であり、これは変動数を指し、ヘルツ(Hz)または一秒当たり周期数により表される。
【0014】
こうした治療装置は通常電極から構成され、電波と電磁波を放射する。患者の身体の部分をこれらの放射に暴露させ、急速に加熱する。電波と電磁波が有利な生体効果を生じることは周知である。例えば、人体に電波を照射する電気治療は筋肉痙攣の弛緩、筋肉のリハビリや訓練、筋肉の電気刺激、廃用性萎縮症の予防と遅延、局所の血行増進、運動範囲の維持と増大、慢性および難治性疼痛、術後急性疼痛、外傷後急性疼痛の管理、静脈血栓の予防、創傷治癒、薬剤投与の防止のための筋肉の手術直後の刺激用に使用されている。同様に、電磁療法は電磁波を利用して骨の治癒、術後の鎮痛や治癒、炎症の治癒、膝疼痛さらにうつ病の回復にも使用される。
【0015】
従来の治療装置では特定周波数を所定時間適用するサイクルを実行するために適した自動プログラムのほか、治療期間と頻度を選択することができる。治療装置のなかには特定の疾患や障害の処置用に特定のプラス電圧を選択できるものもある。しかし、これらの装置では患者の身体に電極を取り付ける操作者がいることが前提であるほかにも、装置の制御と取り扱い監視も必要である。さらに、従来型治療装置では様々な治療技法を統合することができないため、白血病やリンパ腫、糖尿病、緑内障、高血圧、血友病など血液関連の多種多様な疾患や障害の治癒と治療はできない。普及している治療装置ではさらに、患者の身体の様々な健康関連パラメータの実時監視ができないため、患者が救急処置にアクセス可能な手段となっていない。従って、上記の課題を解決する治療装置の必要性があると思われる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
(発明の目的)
本発明の目的の一部は少なくとも1つの実施例を本明細書において取り上げることで十分であるが、以下のものである。
【0017】
先行技術の持つ一つまたは複数の課題を改善するかまたは少なくとも有用な代替手段を提供することが本発明の目的である。
【0018】
本発明の一つの目的は治療装置を提供することである。
【0019】
本発明のもう一つの目的は、患者の身体の異なる健康パラメータの実時監視を可能にする治療装置を提供することである。
【0020】
本発明のさらにもう一つの目的は、いくつもの疾患や障害を治療しうる治療装置を提供することである。
【0021】
本発明のさらにもう一つの目的は、体細胞のゼータ電位を回復させる治療装置を提供することである。
【0022】
本発明のさらにもう一つの目的は、患者の健康の遠隔監視を可能にする治療装置を提供することである。
【0023】
本発明のさらにもう一つの目的は、病院の健康記録システムに統合可能な治療装置を提供することである。
【0024】
本発明のさらにもう一つの目的は、着用式治療装置を提供することである。
【0025】
本発明のさらにもう一つの目的は、内科や登録病院、介護者に医療的緊急事態を通知する治療装置を提供することである。
【0026】
本発明のさらにもう一つの目的は、患者が救急処置にアクセス可能になる治療装置を提供することである。
【0027】
本発明のさらにもう一つの目的は、血液疾患や障害を治療しうる治療装置を提供することである。
【0028】
本発明のその他の目的と優位性は本発明の範囲をこれに限定することは意図されていない次の悦明によってさらに明らかとなる。
【課題を解決するための手段】
【0029】
(発明の要約)
本発明は患者の医学的状態の監視と処置用治療装置を提供する。この装置は入力ユニット、複数のセンサー、コントロールユニット波形生成装置、冷却装置から構成される。入力ユニットは少なくとも1つの入力をユーザーから受信するように構成されている。入力ユニットはキーパッド、タッチスクリーン、プッシュボタン、トグルスイッチのうち少なくとも一つを含む。各センサーは患者の健康関連の複数の所定されたパラメータを監視するように構成されている。さらにセンサーは監視されたパラメータに基づき検出信号を生成するように構成されている。センサーは心電図(ECG)センサー、光電式指尖容積脈波測定(PPG)センサー、網膜電図(ERG)センサー、筋運動図センサー、血圧センサー、血糖値測定器、温度センサー、酸素飽和度 センサー(SpO2センサー)、心拍数センサー、侵撃的(動脈内)血圧(IBP)センサー、心室圧センサー、神経筋監視装置、呼気終末CO2センサー(EtCO2センサー)、パルスオキシメーター、患者のストレス、心拍変動(HRV)、睡眠データ、歩数、燃えた熱量、累積歩行距離、心臓活動データを記録するフィットネストラッカーのうち少なくとも1つを含む。従って、監視対象パラメータには心拍数、脈拍数、ECG、PPG、血圧(BP)、酸素飽和度(SpO2)、呼気週末二酸化炭素濃度、呼吸数、神経筋ブロック、血糖値、皮膚温度、燃えた熱量、ストレスレベル、累積歩行距離、睡眠時間を含む。コントロールユニットは入力ユニットとセンサーと共同で機能するように構成されている。コントロールユニットは1つのメモリーと1つのコントローラから成る。メモリーには処置対象の医学的状態と各医学的状態に対応するプログラムが含まれる。各プログラムは 関連する医学的状態の処置に必要な電圧、電流、周波数のうち少なくとも1つの所定値から成る。電圧所定値はプラスとマイナスの電圧値を含む。コントローラは入力ユニットからの入力とセンサーからの検出信号を受信するように構成されている。コントローラはさらに受信した入力、検出信号、これらの組み合わせのいずれかに基づいてプログラムを選択するようにメモリーと共同で機能するように構成されている。波形生成装置はコントロールユニットと共同で機能して選択されたプログラムを受信するように構成され、さらに、選択されたプログラムと関連する電圧、電流、周波数のうち少なくとも1つの所定値の治療信号を生成するように構成されている。結合手段により波形生成装置を患者の身体の近くに取り付けて、治療信号を患者の身体に送り込み、選択されたプログラムに対応する医学的状態の処置を可能にする。
【0030】
ある実施形態において、波形生成装置はマイクロコントローラを使用して実装される。ある実施形態において、治療信号は一連のパルスから成る。
【0031】
ある実施形態において、治療信号は電磁信号である。波形生成装置は複数の治療用コイル、第一の信号生成装置、コイルドライバー回路を含む。第一の信号生成装置は、選択されたプログラムと関連する電圧、電流、周波数のうち少なくとも1つの所定値のドライブ信号を生成するように構成されている。コイルドライバー回路は第一の信号生成装置と共同で機能して生成されたドライブ信号を受信するように構成され、さらに、治療用コイルの要件と数に基づいて受信されたドライブ信号のコンディショニングを行うように構成されている。コイルドライバー回路は、電磁信号の生成を可能にする治療用コイルに調整済みドライブ信号を提供するように構成されている。治療用コイルは電磁信号を生成し、選択されたプログラムに対応する医学的状態の処置を可能にする。ある実施形態において、治療用コイルは電磁コイルである。本発明の一実施形態において、波形生成装置は患者の体細胞のゼータ電位を改善することにより医学的状態の処置が可能になる電磁信号を生成する。
【0032】
別の実施形態において、治療信号は電気信号である。波形生成装置は、選択されたプログラムと関連する電圧、電流、周波数のうち少なくとも1つの所定値の電気信号を生成して、選択されたプログラムに対応する医学的状態の処置を可能にするように構成された第二の信号生成装置を含む。ある実施形態において、第二の信号生成装置は、医学的状態の処置を可能にする赤色光、近赤外線、赤外線の生成を可能にする赤色光、近赤外線、赤外線発光ダイオード(LED)に接続可能である。もう一つの実施形態において、第二の信号生成装置は、医学的状態の処置を可能にする顔面刺激、骨盤刺激、経皮的電気神経刺激術(TENS)、介入セラピー(IFT)、除細動、電気鍼のうち少なくとも1つを含む電気刺激治療を提供する電流制御ユニットに接続可能である。さらに別の実施形態において、この装置は患者の温熱療法を使用して治癒を可能にするための温熱パッドに接続可能である。これに代わる実施形態において、この装置は音楽療法を使用して患者の治癒を可能にするための複数の楽曲を保存するHDMI(登録商標)ポートとUSBポートのうち少なくとも1つを含む。
【0033】
ある実施形態において、装置に2G (GSM)、3G (GPRS)、4G (LTE)、狭帯域 IoT (NB-IoT/5G)、リモートクラウドサーバーとの無線通信を可能にするための Zigbeeモジュールで成るグループから選択する無線通信モジュールを埋め込む。この装置は、リモートクラウドサーバーと通信可能に接続されている監視装置を介して遠隔でパラメータの実時監視を可能にする。
【0034】
本発明の一実施形態において、この装置は信号調整ユニットとコンパレータで構成される健康評価ユニットを含む。信号調整ユニットは検出信号を受信するセンサーと共同で機能するように構成され、さらに検出信号に基づいて検出値を生成するように構成されている。コンパレータは信号調整ユニットと共同で機能して検出値を受信するように構成され、 さらに受信した各検出値を少なくとも1つの所定閾値と比較して患者の健康状態を評価するように構成されている。コンパレータは検出値が所定閾値に等しくなると注意信号を生成するように構成されている。ある実施形態において、健康評価ユニットは生成された注意信号をリモートクラウドサーバーを経由して監視装置へ送信するように構成されている。
【0035】
ある実施形態において、この装置はリモートクラウドサーバーから監視装置を通してリモートでの入力提供を可能にする。
【0036】
ある実施形態において、結合手段は通電性素材である。別の実施形態において、結合手段はベルト、接触面、プローブセットセット、ケーブル、電極セットで成るグループから選択する。
【0037】
優位な方法として、装置はリモートクラウドサーバーを経由して病院の健康記録システムと統合される。
【0038】
優位な方法として、装置は可搬な着用可能な装置である。
【図面の簡単な説明】
【0039】
本発明の治療装置を付帯図面を用いて説明する。図面は以下の通りである。
図1図1は本発明の治療装置のブロック図を表す。
図2図2は本発明の実施形態に従う図1の装置の波形生成装置のブロック図を表す。
図3図3のリモートクラウドサーバーを経由して図1の装置とリモート監視装置を接続するブロック図を表す。
【発明を実施するための形態】
【0040】
(発明の詳細な説明)
本発明の実施形態を付帯図面を参照しつつ以下に説明する。
【0041】
ここに記載の実施形態をもってこの分野の技能者であれば本発明の範囲を完全かつ余すところなく把握することができる。個別コンポーネントに関連していくつもの詳細を記載して本発明の実施形態を完全に把握しうる。この分野の技能を有する者であれば実施形態に記載の明細をもって本発明の範囲を制限するものと解釈することはできないことは明白である。実施形態によっては周知の工程や周知の装置構造、周知の技法を詳細に説明していない。
【0042】
本発明において、記載されている用語は特定の実施例を説明するためにのみ使用しており、その用語をもって本発明の範囲を限定するものとしてとらえてはならない。本発明において使用する名詞は文脈上単数扱いとすべき場合を除き、複数の事物も同時に含むものとする。「から構成される」、「を含む」や「をもって構成する」「から成る」といった用語はそれ以外のものも含む可能性を含む遷移的語句であって、このため本明細書に記載する機能や特長、整数、操作、要素、モジュール、ユニットあるいはコンポーネントの存在を規定するものであるが、それ以外の機能や整数、操作、要素、コンポーネント、コンポーネントのグループの存在や追加を排除するものではない。本明細書に使用する「または」とは、関連する一覧要素の1つまたは複数の任意のおよびすべての組み合わせを含む。
【0043】
次に本発明の治療装置(以下、「装置100」と表記)について図1から図3を参照しつつ説明する。従来の治療装置とは異なり、本発明の装置100は複数の代替療法を単一のプラットフォームに統合して疾患や障害を治療する固有の、スマートで薬剤を使用しない、先端小型治療装置である。装置100はさらに患者の健康の実時監視も可能にする。装置100は着用可能、可搬な形態で利用可能であり、病院のベッドサイズにカスタム化も可能である。
【0044】
図1において、治療装置100は入力ユニット102、複数のセンサー104a-n、コントロールユニット106、波形生成装置112、冷却装置(図示されていない)から成る。入力ユニット102は少なくとも1つの入力をユーザーから受信するように構成されている。各センサー104a-nは患者の健康関連の複数の所定されたパラメータを監視するように構成されている。さらにセンサー104a-nは監視されたパラメータに基づき検出信号を生成するように構成されている。センサー104a-nは心電図(ECG)センサー、光電式指尖容積脈波測定(PPG)センサー、網膜電図(ERG)センサー、筋運動図センサー、血圧センサー、血糖値測定器、温度センサー、酸素飽和度センサー(SpO2 センサー)、心拍数センサー、侵撃的(動脈内)血圧(IBP)センサー、心室圧センサー、神経筋監視装置、呼気終末CO2センサー(EtCO2センサー)、パルスオキシメーター、患者のストレス、心拍変動(HRV)、睡眠データ、歩数、燃えた熱量、累積歩行距離、心臓活動データを記録するフィットネストラッカーのうち少なくとも1つを含む。ある実施形態において、センサー104a-nは装置100内に取り付けられている。ある実施形態において、複数のセンサーをまとめて単一のユニットとすることができる。装置100には前記のような複数の統合単位を含むことができ、ここに、各統合ユニットは複数の健康パラメータを監視するように構成することができる。別の実施形態において、センサーを外部で装置に接続することができる。例えば、血糖値測定器を連続分析試料監視装置とすることができ、皮下あるいは皮膚貫通式(経皮的など)あるいは血管内設置のセンサーを含むことができる。複数のセンサーの監視対象パラメータには心拍数、脈拍数、ECG、PPG、血圧(BP)、酸素飽和度(SpO2)、呼気週末二酸化炭素濃度、呼吸数、神経筋ブロック、血糖値、皮膚温度、燃えた熱量、ストレスレベル、累積歩行距離、睡眠時間を含む。監視対象パラメータは値に変換され、装置100のディスプレイ画面に表示される。
【0045】
コントロールユニット106は入力ユニット102とセンサー104a-nと共同で機能するように構成される。コントロールユニット106はメモリー108とコントローラ110から成る。メモリー108には処置対象の医学的状態と医学的状態ごとに対応するプログラムが含まれる。各プログラムは関連する医学的状態の処置に必要な電圧、電流、周波数のうち少なくとも1つの所定値から成る。電圧所定値はプラスとマイナスの電圧値を含む。メモリー108は医学的状態および対応するプログラムを1つまたは複数の検索表として一覧に保存するように構成することができる。コントローラ110は入力ユニット102からの入力とセンサー104a-nの検出信号を受信するように構成されている。コントローラ110はさらにメモリー108と共同で機能して受信した入力または、検出信号、これらの組み合わせに基づいてプログラムを選択するように構成されている。波形生成装置112はコントロールユニット106と共同で機能して選択されたプログラムを受信するように構成され、さらに、選択されたプログラムと関連する電圧、電流、周波数のうち少なくとも1つの所定値の治療信号を生成するように構成されている。したがって、プログラムを選択すると、装置100は処置する患者用に選択されたプログラムに対応する電圧、電流、または周波数を含む治療信号を生成してプログラムを実行する。ある実施形態において、メモリー108は各プログラムについて所定の所要時間も保存している。装置100では、関連する所定所要時間の間、所定電圧、電流、または周波数のサイクルを実行する自動プログラムの選択が可能である。ある実施形態において、既定の所定所要時間はプログラムごとに30分である。結合手段により波形生成装置112を患者の身体の近くに取り付けて、前記の治療信号を患者の身体に送り込み、選択されたプログラムに対応する医学的状態の処置をしやすくする。ある実施形態において、結合手段は通電性素材である。別の実施形態において、結合手段はベルト、接触面、プローブセットセット、ケーブル、電極セットなどで成るグループから選択する。ある実施形態において、センサー104a-nをケーブルやプローブ、電極により患者の身体と接続することができる。センサーが使用されていないとき、センサー104a-nの結合手段を利用して治療信号を患者の体内に送り込むことができる。
【0046】
ある実施形態において、波形生成装置112はマイクロコントローラを使用して実装される。ある実施形態において、治療信号はパルス信号である。
【0047】
ある実施形態において、治療信号は電磁信号である。波形生成装置112は複数の治療用コイル206a-s、第一の信号生成装置202、コイルドライバー回路204を含む。第一の信号生成装置202は、選択されたプログラムと関連する電圧、電流、周波数のうち少なくとも1つの所定値のドライブ信号を生成するように構成されている。第一の信号生成装置202パルス矩形波やのこ歯波形、三角波、正弦波などの様々な波形のドライブ信号を生成することができる。ある実施形態において、生成されたドライブ信号は一連のパルスから成る。コイルドライバー回路204は第一の信号生成装置202と共同で機能して、生成されたドライブ信号を受信するように構成されており、さらに受信した信号を治療用コイル206a-sの要件と数に基づいて調整ように構成されている。コイルドライバー回路204はコンディショニング済みドライブ信号を治療用コイル206a-sに送り、電磁信号の生成を可能にするように構成されている。治療用コイル206a-sは電磁コイルである。治療用コイル206a-sはドーナツ形、あるいは渦巻、螺旋形であることができる。治療用コイル206a-sは電磁信号を生成し、選択されたプログラムに対応する医学的状態の処置を可能にする。治療用コイル206a-sでは、治療用コイル206a-sにより生成される電磁波が本質的には均一の電磁界強度を持つように間隔を置くことができる。ある実施形態において、生成される電磁信号はパルス電磁信号である。
【0048】
本発明の一実施形態において、波形生成装置112は患者の体細胞のゼータ電位を改善することにより医学的状態の処置を可能にする電磁信号を生成する。健康な細胞の膜は内側がマイナスに帯電しており、細胞の外側がプラスに帯電している。細胞膜を通して電荷が流れると電流が発生する。身体が一点から他の点へメッセージを送る必要があるとき、細胞が刺激される。刺激された細胞は開いたイオンチャンネルを通してプラスの電荷が内部に入るようにする。このため細胞内がプラスに帯電するため、電流が発生し、電気パルスに変わる。これらの電流が阻害されると疾患につながる。装置100が生成する電磁信号は細胞、組織、体液内のイオンと電解質が流れることを可能にする。この流れにより体細胞や組織には非常に多様な科学的、電気的相互作用が発生するよう刺激されることで再度均衡が保たれやすくなる。従って、電流の障害が解消され、細胞が修復される。細胞膜の電圧とそのpH値の間に直接相関性が存在することは周知である。pH値が低くなるとは酸性のpHであることを意味する。pH値が低い溶液にはいくつものフリーラジカルまたは電子略奪因子が含まれる。フリーラジカル(遊離基)とは電子が不足している分子であり、電子を略奪するために健康な細胞を求めている。この略奪過程で電子を奪われた細胞の機能が破壊される、または少なくとも深刻な支障をきたす。しかし抗酸化物質は電子を付与するあるいは寄与する能力がある分子であり、以前は不安定で毒性のあった細胞を無害にする。pHが低くなると、細胞電圧はプラスになる。細胞電圧が高くなると発病プロセスの開始の兆候である。一定のプラス細胞電圧を超えると、DNAが損傷し、がんの増殖が始まる。装置100は電磁信号を生成して健康な電圧を細胞膜全体に回復させることで発病過程と細胞の損傷を阻止する。
【0049】
別の実施形態において、治療信号は電気信号である。波形生成装置112は、選択されたプログラムと関連する電圧、電流、周波数のうち少なくとも1つの所定値の電気信号を生成して、選択されたプログラムに対応する医学的状態の処置をしやすくするように構成された第二の信号生成装置を含む。
【0050】
ある実施形態において、装置100は第一の信号生成装置202と第二の信号生成装置を含む。
【0051】
ある実施形態において、第二の信号生成装置は、医学的状態の処置を可能にする赤色光、近赤外線、赤外線の生成を可能にする赤色光、近赤外線、赤外線発光ダイオード(LED)に接続可能である。例えば、赤色光照射療法は通常、妊娠線や皺などの皮膚の外見の問題を処置するために使用されている。赤色光照射療法はさらに、乾癬や傷口の修復遅延などの異常、化学療法の副作用さえ処置するために使用される。もう一つの実施形態において、第二の信号生成装置は、医学的状態の処置を可能にする顔面刺激、骨盤刺激、経皮的電気神経刺激術(TENS)、介入セラピー(IFT)、除細動、電気鍼のうち少なくとも1つを含む電気刺激治療を提供する電流制御ユニットに接続可能である。装置100は複数の電極に接続して、電気刺激治療を患者に提供することができる。電流コントロールユニットとLEDを第一の信号生成装置202に接続して電気刺激治療および赤色光照射療法または近赤外線療法あるいは赤外線療法を提供することも可能である。
【0052】
ある実施形態において、この装置100は音楽療法を使用して患者の治癒を可能にするための複数の楽曲を保存するHDMIポートとUSBポートのうち少なくとも1つを含む。音楽療法は侵撃的処置の改善、失語回復、がん治療の副作用削減、鎮痛に効果的なことが知られている。音楽療法は痴ほう症患者の生活の質をかなりの程度まで改善する。もう一つの実施形態において、この装置100は患者の温熱療法を使用して治癒を可能にするための温熱パッドに接続可能である。温熱療法は関節炎や筋肉硬直、皮膚深層組織の損傷がある人に有益である。熱は関節リュウマチなどの異常のために効果的な自己治療になりうる。熱の治療効果にはコラーゲン組織の拡張性増大、関節硬直の軽減、鎮痛、筋肉痙攣の解消、炎症や浮腫の削減を含む。さらに温熱療法では治癒の急性期以後および血行増進にも効果がある。異常のある部位への血行増進により増えるタンパク質、栄養素、酸素の供給が治癒を促す。ある実施形態において、入力ユニット102はキーパッド、タッチスクリーン、プッシュボタン、トグルスイッチのうち少なくとも一つを含む。
【0053】
優位な形態において、装置100に2G(GSM)、3G(GPRS)、4G(LTE)、狭帯域IoT(NB-IoT/5G)、リモートクラウドサーバー302との無線通信を可能にするためのZigbeeモジュールで成るグループから選択する無線通信モジュールを埋め込む。この装置100は、リモートクラウドサーバー302と通信可能に接続されている監視装置300を介して遠隔でパラメータの実時監視を可能にする。
【0054】
ある実施形態において、装置100は信号調整ユニット118とコンパレータ120から成る健康評価ユニット116を含む。信号調整ユニット118は検出信号を受信するセンサー104a-nと共同で機能するように構成され、さらに検出信号に基づいて検出値を生成するように構成されている。コンパレータ120は信号調整ユニット118と共同で機能して検出値を受信するように構成され、さらに受信した検出値ごとに少なくとも1つの所定閾値と比較して患者の健康状態を評価するように構成されている。コンパレータ120は検出値が所定閾値に等しくなると注意信号を生成するように構成されている。ある実施形態において、健康評価ユニット116は11つまたは複数のプロセッサを使用して実装される。
【0055】
ある実施形態において、健康評価ユニット116は生成された注意信号をリモートクラウドサーバー302を経由して監視装置300へ送信するように構成されている。監視装置300は注意信号を受信すると注意通知を生成し、医師または介護者に患者の異常な健康パラメータに関して通知する。IoT(物のインターネット)プラットフォームでは関連する医師が通常の患者以外に重体の患者も監視することができる。優位な方法として、装置100はリモートクラウドサーバー302を経由して病院の健康記録/患者管理システムと統合される。ある実施形態において、バックオフィスを実行してロボットによる自動プロセスを使用して終日患者を監視することができる。
【0056】
別の実施形態において、装置100はリモートクラウドサーバー302を経由して監視装置300を通した遠隔での入力を可能にする。装置100はまた、医療状態別にプログラムのリモートグレードアップも可能にする。装置100は周波数範囲0.01Hzから300Thz、電圧範囲2Vから80V、電流範囲5mAから5Aにプログラム可能である。
【0057】
さらに別の実施形態においては、クラウドサーバー302はデータロガーユニットとデータ解析ユニットを含む。データロガーユニットは装置100から検出値に対応して検出値と選択されたプログラム(すなわち、ユーザーに選択された電圧、電流、周波数のうち少なくとも1つの所定値)を受信するように構成され、受信した検出値とプログラムのログを生成するように構成されている。サーバー302は複数の患者に関連する複数の装置100に関して検出値と選択されたプログラムのログを保存することができる。データ解析ユニットは検出値と選択されたプログラムのログデータを解析するように構成され、さらにログデータのパターンを特定してログの検出値と選択されたプログラムを関連付ける数学的関数を決定うるように構成されている。データ解析ユニットは数学的関係の決定に1つまたは複数の機械学習技術を使用することができる。データログは継続的に更新されるため、数学的関数も定期的/期間をおいて更新され、検出値と選択されたプログラムの関係を正確に定義することができる。
【0058】
例示的実施形態において、サーバー302は複数の患者の治療装置100と調整して検出値を受信し、格差や医学的状態、受信された検出値と数学的関数に基づいて選択する対応する処置プログラムを特定し、対応する制御信号を生成し、制御信号を治療装置100へ送信してプログラムの自動選択を可能にし、装置100を使用して患者に処置を提供する。
【0059】
ある実施形態において、サーバー302は更新ごとに完了すると治療装置100に数学的関数を送信する。受信した数学的関数に基づいて、装置100はメモリー108に保存されているプログラムを更新/変更し、監視対象パラメータと特定された医学的状態に基づいて患者に正確な処置を提供する。このようにして、装置100は医学的状態別にプログラムの自動更新を可能にする。
【0060】
ある実施形態において、装置100またはサーバー302を病院の健康記録システムと統合して、時々取得される患者の履歴と病状の変化から洞察を得る。このデータを使用して装置100から詳しい情報を取得し、使用パターンを推奨することができる。
【0061】
優位な方法として、クラウドサーバー302は量子コンピュータを使用するデータ解析に対応している量子クラウドサーバーであってもよい。
【0062】
装置100はバッテリー、ソーラーパネル、AC電源装置と接続可能なDC-DCコンバーターユニットで成るグループから選択する電源装置114を含む。ある実施形態において、装置100は無線周波数(RF)受信装置アンテナと整流器を含む。RF受信装置アンテナはRF信号を受信する。整流器はRF信号をDC電力に変換する。DC-DCコンバーターはDC電力をバッテリー充電用電力に変換する。
【0063】
優位な方法として、装置100は院内の酸素供給監視制御システムや個別供給ユニットに統合可能である。装置100は可搬な血液診断システム、ポータブル酸素装置、鍼治療システムやその他の医療装置とも統合して、患者の血液線から病気や障害の診断、診断に基づくプログラムの自動実行が可能である。
【0064】
優位な方法として、装置100は持ち運び可能であり着用可能な装置である。装置100は患者の要件に応じたカスタム化が可能である。腕時計やリストバンド、さらには病院の病床形態で設計することができる。
【0065】
装置100は電気的、電磁的、機械的振動を含む異なる形態のエネルギーを用いて体内に振動を発生させて、患者を自然に治療可能である。例示的実施形態において、センサー104a-nは患者の健康を継続監視する。監視されるパラメータは継続的にコントロールユニット106へ送信される。装置100は数学的関数を使用して監視対象パラメータから格差/医学的状態を検出する。パラメータに格差が検出されると、コントロールユニット106が自動的にプログラムを選択して、電気信号または電磁信号を生成し、患者を治癒して格差を補償する。装置100は特定の医学的状態を検出できない場合がある。その場合、装置100の入力ユニット102はユーザーからプログラム選択用の手入力を受信する。入力に基づいて、コントロールユニット106は患者を治癒する電気信号や電磁信号を生成する。コントロールユニット106はセンサー104a-nと入力ユニット102から同時に入力を受信し、監視と治癒機能を同時に実行するように構成することができる。監視中に緊急の健康状態異常が発生した場合、健康評価ユニット116が注意信号を生成する。注意信号はリモート監視装置 300に受信されるが、この装置は病院のコンピュータや医師のあるいは介護者のユーザー端末であってよく、緊急の健康異常が通知される。医師や介護者は次に適切な対応を取り、緊急事態にある患者を助ける。このように、装置100は患者が緊急処置を受けられるようにする。
【0066】
本発明のさらにもう一つの例示的実施形態に従い、装置100は糖尿病の人の血糖値監視に使用される。血糖値が所定値を超過すると、装置100は血糖値制御のために専用周波数での治療信号を生成する。
【0067】
実施形態に関する前記の説明は解説のために行ったものであって、本発明の範囲をこの説明の範囲のみに限定することを意図していない。特定の実施例の個々のコンポーネントは概してその特定の実施形態に限定されるものではなく、相互に入れ替え可能である。こうした亜種を本発明とは異なるものと見なすことはできず、全てのこのような亜種は本発明の範囲に含むものと見なされる。
【0068】
(技術進歩)
上述の本発明には以下の機能を有する治療装置の実現に限定することなく含むいくつかの技術的優位性がある:
・患者の身体の異なる健康パラメータの実時監視を可能にする
・複数の病気や障害の治療が可能である
・体細胞のゼータ電位を回復する
・患者の健康の遠隔監視を可能にする
・病院の健康記録システムに統合可能
・着用可能
・医師や登録病院、介護者に医学的緊急事態を通知する
・患者が緊急処置を利用できるようにする
・血液疾患や障害の治療が可能である
【0069】
本発明の実施例ならびに様々な特長および優位性の詳細を限定することのない実施例を参照することによって以下に説明する。確立している既存のコンポーネントならびに処理技術についての説明は省略し、本発明の実施例についての理解を不要に困難にしないようにした。本発明に使用されている例は単に本発明の実施例を実用化可能にする方法の理解を可能にし、この分野の技能を持つ者が本発明の実施例を実施することを可能にすることのみを目的としている。従って、例によって本発明の実施例の範囲を限定するものと解釈されてはならない。
【0070】
前記の具体的実施形態に関する記述は、本発明の実施形態が持つ一般的性質をじゅうぶんに明らかにしているので、現状の知識を適用することにより、前記の一般的概念から乖離することなく前記の具体的実施形態を異なる用途のために変更および/または適合することができ、従って、適合/変更は本発明の実施形態と同等の物としての意味、およびその範囲で、理解されることが意図されるべきであり、意図されている。本明細書に使用されている句節の用法や用語は説明目的のためであって限定するために使用されてはいない。従って、本明細書に記載された実施例は優先的実施例に基いて説明されていると同時に、同分野の技能を有する者は本明細書に記載された実施例が本明細書で説明された実施例の意図および範囲で変更しても実践可能であることが認められる。
【0071】
「少なくとも」または「少なくとも1つの」という表現の使用は、1つまたは複数の目的物質または結果を得るために本発明の実施例において使用される場合があることに従い、1つまたは複数の要素または成分または数量の使用を示唆している。
【0072】
本明細書に含まれている文書、素材、デバイス、または同類のものについての議論は本発明開示のための文脈を成す目的のためにのみ含まれている。任意のまたはすべての以上の事項が既知の発明技術の基礎の一部を構成するまたは本出願優先日以前に任意の場所に存在していた本発明関連分野における共有されている一般的知識であるという是認と解釈されてはならない。
【0073】
異なる物理的パラメータ、変数、寸法や数量を表す数値は概数であって、パラメータ、変数、寸法や数量に代入された数値より高い/低い値は本発明の範囲に含まれることが意図されている。但し、明細書に異なる記載がなされている場合はこの限りではない。
【0074】
優先実施形態の異なる構成要素及び構成要素の部分を相当強調してきたが、多くの実施形態が可能であって、発明の原理から乖離することなく優先実施形態には多くの変更も可能である。本発明または優先実施形態ならびにその他の実施形態の特質を修正できることは本発明分野の専門的技能を有する者には明らかであって、この際、以上の説明的事項が単に本発明を説明するためのものであり、限定的なものとして解釈されてはならないことを明確に理解する必要がある。
【符号の説明】
【0075】
100 装置
102 入力ユニット
104a-n センサー
106 コントロールユニット
108 メモリー
110 コントローラ
112 波形生成装置
114 電源装置
116 健康評価ユニット
118 信号調整ユニット
120 コンパレータ
202 第一の信号生成装置
204 コイルドライバー回路
206a-s 治療用コイル
300 監視装置
302 リモートクラウドサーバー

図1
図2
図3