(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-26
(45)【発行日】2025-01-10
(54)【発明の名称】配管支持デバイス及び製造方法
(51)【国際特許分類】
F16L 57/00 20060101AFI20241227BHJP
【FI】
F16L57/00 A
(21)【出願番号】P 2022573702
(86)(22)【出願日】2021-05-25
(86)【国際出願番号】 US2021034003
(87)【国際公開番号】W WO2021247282
(87)【国際公開日】2021-12-09
【審査請求日】2023-04-13
(32)【優先日】2020-06-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】500049716
【氏名又は名称】アムジエン・インコーポレーテツド
(74)【代理人】
【識別番号】110001173
【氏名又は名称】弁理士法人川口國際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ショーメイカー,ケネス
(72)【発明者】
【氏名】アンソン,ジョナサン
(72)【発明者】
【氏名】ワイリー,ブレット
(72)【発明者】
【氏名】ハンター,グレン・エム
(72)【発明者】
【氏名】ブラウン,スペリー・ケイ
【審査官】岩瀬 昌治
(56)【参考文献】
【文献】特表2018-507359(JP,A)
【文献】欧州特許出願公開第03187761(EP,A1)
【文献】特表2020-501082(JP,A)
【文献】特開2017-084781(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16L 57/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
薬剤製造システムの配管のための配管支持デバイスであって、
第1の端部、第2の端部、及び複数の突起を有する本体であって、前記複数の突起は、前記第1の端部に配置された第1の突起と、前記第2の端部に配置された第2の突起とを含み、前記第1及び第2の突起のそれぞれは、留め具を受け入れるように適合された開口を含む、本体と、
前記本体の前記第1の端部から前記第2の端部まで延びるボアであって、前記ボアは、前記本体が配管を補強し、それにより、前記配管が高圧で流体を含むことを可能にし、及び/又は前記配管のよじれを防止するように、前記配管を受け入れるように適合される、ボアと、
を備え、
前記本体は、(1)前記本体の前記第1の端部に配置された第1のタブと、前記本体の前記第2の端部に配置された第2のタブとを含み、前記第1のタブおよび前記第2のタブのそれぞれが前記本体を吊るすための留め具を受け入れるように適合されたスロットを有すること、(2)前記配管を前記本体内にさらに固定するために前記配管と接触するように適合された把持システムを有する内面を含み、前記把持システムは、前記本体の前記第1の端部近くの前記内面に配置された第1の歯のアレイおよび前記本体の前記第2の端部近くの前記内面に配置された第2の歯のアレイを含むこと、(3)前記本体の前記第1の端部および前記第2の端部における複数の隆起部であって、前記配管を前記本体内にさらに固定するために前記配管と接触するように適合された当該複数の隆起部、を有する内面、
の一つを含む、
配管支持デバイス。
【請求項2】
前記本体が、第1の本体部分と、前記第1の本体部分に連結された第2の本体部分とをさらに含み、前記第1及び第2の本体部分のそれぞれは、第1の端部、第2の端部、前記第1の端部に配置された第1の突起、及び前記第2の端部に配置された第2の突起を含み、前記第1の本体部分および前記第2の本体部分の前記第1の突起および前記第2の突起のそれぞれは開口を含む、請求項1に記載の配管支持デバイス。
【請求項3】
前記第1及び第2本体部分が一緒に結合されたときに、前記第2の本体部分の前記第1及び第2の突起の前記開口が前記第1の本体部分の前記第1及び第2の突起の前記開口と位置合わせされるように、前記第2の本体部分が前記第1の本体部分に対して形状が相補的である、請求項2に記載の配管支持デバイス。
【請求項4】
前記本体がシースであり、C字形状を含み、前記第1の本体部分は前記シースの前半部分であり、前記第2の本体部分は前記シースの後半部分であり、前記第1及び第2の本体部分のそれぞれは、同じ形状を有し、一緒に結合されたときに前記ボアを形成する、請求項2又は3に記載の配管支持デバイス。
【請求項5】
前記第1及び第2のタブのそれぞれは、前記本体を吊り下げ、前記本体の前記ボア内に受け入れられるように適合された前記配管を持ち上げ、前記配管のよじれを防止するための留め具を受け入れる、請求項1~4のいずれか一項に記載の配管支持デバイス。
【請求項6】
前記複数の突起が、前記本体の中央部分から上向きに延びる第3の突起をさらに含み、前記第3の突起が、留め具を受け入れるように適合された開口を含む、請求項2又は3に記載の配管支持デバイス。
【請求項7】
前記本体が、円筒形状を有するスリーブであり、前記本体は、前記把持システムを含む、請求項6に記載の配管支持デバイス。
【請求項8】
前記第1及び第2の歯のアレイの少なくとも1つの歯は、基部から内側に延びる第1の側面と、前記基部から内側に延びる第2の側面とを有する当該基部を含み、前記第1及び第2の側面は、前記配管が前記ボア内に配置されたときに前記配管を把持するためのエッジを形成し、前記第1及び第2の歯のアレイはそれぞれ、前記本体の前記第1及び第2の端部のそれぞれの近くで前記ボアの前記内面の周りにそれぞれ延びる、請求項7に記載の配管支持デバイス。
【請求項9】
前記本体が、積層造形された第1の本体部分と、前記積層造形された第1の本体部分に結合された積層造形された第2の本体部分とを備える積層造形された本体を含む、請求項1~8のいずれか一項に記載の配管支持デバイス。
【請求項10】
薬剤製造システムであって、
1つ又は複数の製造コンポーネントと、
前記1つ又は複数の製造コンポーネントに流体結合された1つ又は複数の流体ラインであって、前記1つ又は複数の流体ラインは、配管支持デバイスを有する配管を含み、前記配管支持デバイスは、
第1の端部、第2の端部、及び複数の突起を有する本体であって、前記複数の突起は、前記第1の端部に配置された第1の突起と、前記第2の端部に配置された第2の突起とを含み、前記第1及び第2の突起のそれぞれは、留め具を受け入れるように適合された開口を含む、本体と、
本体の第1の端部から第2の端部まで延びるボアであって、前記ボアは、前記本体が前記配管を補強するように前記配管を受け入れ、それによって前記配管が高圧で流体を含むことを可能にし、及び/又は前記配管のよじれを防止する、ボアと、
を備える、1つ又は複数の流体ラインと、
を備え、
前記本体は、(1)前記本体の前記第1の端部に配置された第1のタブと、前記本体の前記第2の端部に配置された第2のタブとを含み、前記第1のタブおよび前記第2のタブのそれぞれが前記本体を吊るすための留め具を受け入れるように適合されたスロットを有すること、(2)前記配管を前記本体内にさらに固定するために前記配管と接触する把持システムを有する内面を含み、前記把持システムは、前記本体の前記第1の端部近くの前記内面に配置された第1の歯のアレイおよび前記本体の前記第2の端部近くの前記内面に配置された第2の歯のアレイを含むこと、(3)前記本体の前記第1の端部および前記第2の端部のそれぞれにおける複数の隆起部であって、前記配管を前記本体内にさらに固定するために前記配管と接触する当該複数の隆起部、を有する内面、
の一つを含む、
薬剤製造システム。
【請求項11】
前記本体が、第1の本体部分と、前記第1の本体部分に連結された第2の本体部分とをさらに含み、前記第1及び第2の本体部分のそれぞれは、第1の端部、第2の端部、前記第1の端部に配置された第1の突起、及び前記第2の端部に配置された第2の突起を含み、前記第1の本体部分および前記第2の本体部分の前記第1の突起および前記第2の突起のそれぞれは留め具を有する開口を含む、請求項10に記載のシステム。
【請求項12】
前記本体がシースであり、C字形状を含み、前記第1の本体部分は前記シースの前半部分であり、前記第2の本体部分は前記シースの後半部分であり、前記第1及び第2の本体部分のそれぞれは、同じ形状を有し、一緒に結合されたときに前記ボアを形成する、請求項11に記載のシステム。
【請求項13】
前記第1及び第2のタブのそれぞれは、前記本体を吊り下げ、前記本体の前記ボア内に受け入れられた前記配管を持ち上げ、前記配管のよじれを防止するための留め具を有する、請求項10~12のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項14】
前記本体が円筒形状を有するスリーブであり、前記本体は、(1)または(2)のうちの1つ、すなわち:(1)前記把持システム、又は、(2)前記本体の前記第1の端部および前記第2の端部のそれぞれにおける複数の隆起部であって、複数の隆起部が前記本体の前記第1の端部近くの前記内面に配置された第1の複数の隆起部と前記本体の前記第2の端部近くの前記内面に配置された第2の複数の隆起部とを含み、前記第1及び第2の複数の隆起部のそれぞれは前記本体内の前記配管をさらに固定するために前記配管と接触する、当該複数の隆起部、のうちの1つ、を含む、請求項10又は11に記載のシステム。
【請求項15】
薬剤製造システム用の配管支持デバイスを製造する方法であって、
ボア及び複数の突起を含む本体を形成することであって、前記ボアは、前記本体の長さに沿って延び、配管を補強し、高圧操作中の前記配管のよじれを防止するために、薬剤製造システムの前記配管を受け入れるように適合される、形成することと、
前記複数の突起のうちの少なくとも1つの突起に開口を形成することであって、前記開口は留め具を受け入れるように適合される、形成することと、
を含み、
ボア及び複数の突起を含む前記本体を形成することは、(1)または(2)のうちの1つをもつ内面を有する本体を形成すること、すなわち:(1)前記本体の第1の端部近くに配置された第1の歯のアレイと前記本体
の第2の端部近くの前記内面に配置された第2の歯のアレイとを有し、前記本体の前記内面の周りに前記第1の歯のアレイおよび前記第2の歯のアレイのそれぞれが配置されている、把持システム、又は、(2)前記本体の第1の端部近くに配置された第1の複数の隆起部および前記本体の第2の端部近くに配置された第2の複数の隆起部、のうちの1つをもつ内面を有する本体を形成することを含む、
方法。
【請求項16】
ボア及び複数の突起を含む本体を形成することが、積層造形技術を使用して、ボア及び少なくとも1つの突起に開口を有する複数の突起を含む本体を形成することを含む、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
ボア及び複数の突起を含む本体を形成することが、
第1の本体部分を形成することであって、第1の端部、第2の端部、前記第1の本体部分の前記第1の端部に配置された第1の突起、及び前記第1の本体部分の前記第2の端部に配置された第2の突起を有する、当該第1の本体部分を形成することであって、前記第1の本体部分は前記本体の前半部分である、当該第1の本体部分を形成することと、
第2の本体部分を形成することであって、第1の端部、第2の端部、前記第2の本体部分の前記第1の端部に配置された第1の突起、及び前記第2の本体部分の前記第2の端部に配置された第2の突起を有する、当該第2の本体部分を形成することであって、前記第2の本体部分は前記本体の後半部分である、当該第2の本体部分を形成することと、
を含む、請求項15又は16に記載の方法。
【請求項18】
ボア及び複数の突起を含む本体を形成することが、本体の第1の端部に配置される第1のタブ及び本体の第2の端部に配置される第2のタブを形成することと、第1及び第2のタブのそれぞれにスロットを形成することであって、前記スロットは本体を吊るすための留め具を受け入れるためのものである、形成することと、をさらに含む、請求項15~17のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
2020年6月5日に出願された米国仮特許出願第63/035,439号に対する優先権が主張され、その内容全体はこの参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
開示の分野は、原薬製造システムで使用される配管に関し、より具体的には、配管を補強するための配管支持デバイス及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0003】
原薬の製造では、多くの場合、要求の厳しい高圧プロセスを使用する必要がある。溶接された配管の圧力は、いくつかの原薬製造システムの制限要因となっている。製造中の溶接は、多数のバッファ、カセット、及びカラムを使用して原薬を迅速に開発するための重要な要素である。具体的には、配管は通常、流体移送のための無菌接続を行う方法として、処理中に溶接される。しかしながら、現在の最大許容圧力は、配管の種類に関係なく、溶接部で約15PSIであり、他の原薬製造システムコンポーネントが制限される。
【0004】
いくつかの原薬製造システムは、
図1Aに示すように、バイオリアクタに入るいくつかの栄養供給ライン12を有するバイオリアクタシステム10を含む。しかしながら、ライン12及び他の管は、配置のためにねじれることが多い。例えば、使い捨て(SU)エアブレークチューブ14は、透過ラインを清潔に保つことをサポートするバイオリアクタシステムの機能にとって重要である。例えば、バイオリアクタへのポンプがオフになっている場合、細菌は透過ラインから逆方向に流れる可能性がある。エアブレークチューブ14は、細菌の逆流を防止し、ポンプが作動している間、液体の適切な流れを可能にし、液体の望ましくない前方への吸い上げを防止する。現在のバイオリアクタ装置の配置及び環境要因は、エアブレークチューブ14及び他の配管ライン12を持ち上げることを理想的とはいえないものにしており、それはエアブレークチューブ14及びライン12がそれらの掛り位置の結果としてよじれることが多いからである。
【0005】
他の供給ラインは、薬剤製造システム内に配置されているため、衝突がある。例えば、
図1Bに示されるように、いくつかの栄養供給ライン22(例えば、バイオリアクタシステム10のリアクタ21に入る)は、リアクタ21に取り付けられたステンレス鋼バー23の上に掛けられた使い捨てリアクタなどの可撓性ガンマ線照射ラインを有する。これらのライン22は、例えば、媒質、基剤、消泡剤、及び/又はグルコースを運ぶことができる。しかしながら、この構成は、衝突点24などでライン22に衝突を引き起こす可能性がある。
【0006】
さらに、一部の従来の使い捨てバイオリアクタには、現在、使い捨てATF濾過システムが装備されている。例えば、
図2は、ATF濾過システムを使用する別の従来の使い捨てバイオリアクタシステム30の一部を示す。しかしながら、エルボピース34が典型的にはステンレス鋼から作られ、非無菌様式で接続されるので、エルボピース34が取り付けられた上部アセンブリ32は、オートクレーブ、例えば、加熱による蒸気滅菌が依然として必要である。オートクレーブは使い捨てコネクタアセンブリを使用するほど効率的ではないため、代わりに使い捨てコネクタアセンブリが使用される。
【0007】
ガンマ線照射された可撓性配管44を有する使い捨てコネクタアセンブリ42を含むバイオリアクタシステム40が
図3に示されている。多くの場合、ガンマ線照射された可撓性配管44は、バイオリアクタシステム40のリアクタに接続されたときに、それ自体を支持するための機械的強度を有していない。その結果、可撓性配管44は、多くの場合、追加の配管や結束バンド46などの他の構造で支持する必要があり、これによっても薬剤製造中の高い動作圧力が制限される。
【0008】
したがって、使い捨て処理装置には、無菌の使い捨て可撓性ラインの使用を含む多くの利点があるが、これらの可撓性ラインは、例えば、より従来型のステンレス鋼ラインと同じ機械的強度を持っていない。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0009】
本開示の一態様は、薬剤製造システムの配管のための配管支持デバイスを含む。配管支持デバイスは、第1の端部、第2の端部、及び複数の突起を有する本体を備える。複数の突起は、第1の端部に配置された第1の突起と、第2の端部に配置された第2に突起とを含み、第1及び第2の突起のそれぞれは、留め具を受け入れるように適合された開口を含む。ボアは、本体の第1の端部から第2の端部まで延び、ボアは、本体が配管を補強し、配管が高圧で流体を含むことを可能にし、及び/又は配管のよじれを防止するように、配管を受け入れるように適合される。
【0010】
本開示の別の態様は、薬剤製造システムを含む。薬剤製造システムは、1つ又は複数の製造コンポーネントと、1つ又は複数の製造コンポーネントに流体結合された1つ又は複数の流体ラインとを備える。1つ又は複数の流体ラインは、配管支持デバイスを有する配管を含む。配管支持デバイスは、第1の端部、第2の端部、及び複数の突起を有する本体を含む。複数の突起は、第1の端部に配置された第1の突起と、第2の端部に配置された第2に突起とを含み、第1及び第2の突起のそれぞれは、留め具を受け入れるように適合された開口を含む。ボアは、本体の第1の端部から第2の端部まで延び、ボアは、本体が配管を補強し、配管が高圧で流体を含むことを可能にし、及び/又は配管のよじれを防止するように、配管を受け入れるように適合される。
【0011】
本開示の別の態様は、薬剤製造システム用の配管支持デバイスを製造する方法を含む。この方法は、ボア及び複数の突起を含む本体を形成することを含み、ボアは、本体の長さに沿って延び、配管を補強し、及び/又は高圧操作中に配管のよじれを防止するために、薬剤製造システムの配管を受け入れるように適合される。この方法は、複数の突起のうちの少なくとも1つの突起に開口を形成することをさらに含む。
【0012】
本開示の前述の例示的な態様のそれぞれは、以下の特徴のうちの任意の1つ又は複数をさらに含むことができる。例えば、本体は、第1の本体部分と、第1の本体部分に結合された第2の本体部分とをさらに含むことができる。第1及び第2の本体部分のそれぞれは、第1の端部、第2の端部、第1の端部に配置された第1の突起、及び第2の端部に配置された第2の突起を含み得る。突起のそれぞれは開口を含むことができる。
【0013】
いくつかのさらなる態様では、第1及び第2本体部分が一緒に結合されたときに、第2の本体部分の第1及び第2の突起の開口が第1の本体部分の第1及び第2の突起の開口と位置合わせされるように、第2の本体部分が前記第1の本体部分に対して形状が相補的であってもよい。
【0014】
いくつかの他の態様では、本体はシースであり、C字形状を含む。第1の本体部分はシースの前半部分を含むことができ、第2の本体部分はシースの後半部分を含むことができる。第1及び第2の本体部分のそれぞれは、同じ形状を有し、一緒に結合されたときにボアを形成することができる。
【0015】
他の態様では、本体は、本体の第1の端部に配置された第1のタブと、本体の第2の端部に配置された第2のタブとをさらに含み得る。第1及び第2のタブのそれぞれは、本体を吊り下げ、本体のボア内に受け入れられるように適合された配管を持ち上げ、配管のよじれを防止するための留め具を受け入れるように適合されたスロットを有し得る。
【0016】
別の態様では、複数の突起は、本体の中央部分から上方に延びる第3の突起をさらに含むことができる。第3の突起はまた、留め具を受け入れるように適合された開口を含み得る。
【0017】
他の態様によれば、本体は、円筒形状を有するスリーブを含み得る。さらに、本体は、溶接された配管をボア内にさらに固定するために、溶接された配管と接触するように適合された把持システムを有する内面を含むことができる。把持システムは、本体の第1の端部近くの内面に配置された第1の歯のアレイと、本体の第2の端部近くの内面に配置された第2の歯のアレイとを含むことができる。
【0018】
いくつかの態様では、第1及び第2の歯のアレイの少なくとも1つの歯は、基部から内側に延びる第1の側面と、基部から内側に延びる第2の側面とを有する基部を含み得る。第1及び第2の側面は、溶接された配管がボア内に配置されるときに、溶接された配管を把持するためのエッジを形成することができる。
【0019】
いくつかの他の態様では、第1及び第2の歯のアレイはそれぞれ、本体の第1及び第2の端部のそれぞれの近くでボアの内面の周りに延び、環状の第1の歯のアレイ及び環状の第2の歯のアレイを形成することができる。
【0020】
さらに他の態様では、本体は、スリーブと、配管を本体内にさらに固定するために配管と接触するように適合された複数の隆起部を有する内面とを含み得る。さらに、内面は、本体の第1の端部近くの内面に配置された第1の複数の隆起部と、本体の第2の端部近くの内面に配置された第2の複数の隆起部とを含むことができる。第1及び第2の複数の隆起部のそれぞれは、配管を本体内にさらに固定するために配管と接触することができる。
【0021】
さらに別の態様では、本体は、本体の第1の端部近くに配置された第1の複数の隆起部と、本体の第2の端部近くに配置された第2の複数の隆起部とを含み得る。
【0022】
他の態様では、本体は、積層造形された第1の本体部分と、積層造形された第1の本体部分に結合された積層造形された第2の本体部分とを備える積層造形された本体を含み得る。
【0023】
さらに別の態様では、ボア及び複数の突起を含む本体を形成することは、積層造形技術を使用してボア及び複数の突起を含む本体を形成することを含み得る。
【0024】
別の態様では、ボア及び複数の突起を含む本体を形成することは、第1の端部、第2の端部、第1の端部に配置された第1の突起、及び第2の端部に配置された第2の突起を有する第1の本体部分を形成することであって、第1の本体部分は本体の前半部分である、形成することを含み得る。さらに、この方法は、第1の端部、第2の端部、第1の端部に配置された第1の突起、及び第2の端部に配置された第2の突起を有する第2の本体部分を形成することであって、第2の本体部分は本体の後半部分である、形成することをさらに含み得る。
【0025】
さらに別の態様では、ボア及び複数の突起を含む本体を形成することは、本体の第1の端部に配置される第1のタブ及び本体の第2の端部に配置される第2のタブを形成することと、第1及び第2のタブのそれぞれにスロットを形成することであって、スロットは本体を吊るすための留め具を受け入れるためのものである、形成することと、をさらに含み得る。
【0026】
さらに別の態様では、ボア及び複数の突起を含む本体を形成することは、本体の第1の端部近くに配置された第1の歯のアレイと、本体の第2の端部近くの内面に配置された第2の歯のアレイとを有する把持システムを備えた内面を有する本体を形成することと、第1及び第2の歯のアレイのそれぞれを本体の内面の周りに配置することと、を含み得る。
【0027】
新規であると考えられる本発明の特徴は、添付の特許請求の範囲に詳細に記載されている。本発明は、添付の図面と併せて解釈される以下の説明を参照することによって最もよく理解することができ、図面において、同様の参照番号は、いくつかの図における同様の要素を識別する。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【
図1A】バイオリアクタに入るいくつかの栄養供給ラインを有する従来の原薬製造システムの一部の斜視図である。
【
図1B】
図1Aの従来の原薬製造システムの追加ラインの別の斜視図である。
【
図2】濾過システムを使用する従来の使い捨てバイオリアクタシステムの一部の別の斜視図である。
【
図3】ガンマ線照射された可撓性配管を有する使い捨てコネクタアセンブリを含む従来のバイオリアクタシステムの一部の別の斜視図である。
【
図4A】本開示の一態様による配管支持デバイスを含む例示的な薬剤製造システムのブロック図である。
【
図4B】
図4Aの薬剤製造システムの例示的な溶接配管の斜視図である。
【
図5】本開示の一態様による配管支持デバイスの斜視図である。
【
図6】
図5の配管支持デバイスの第1の本体部分の側面図である。
【
図7】
図5の配管支持デバイスの第2の本体部分の側面図である。
【
図8】
図5の配管支持デバイスの斜視図であり、配管支持デバイスに留め具が取り付けられている。
【
図9】本開示の別の態様による別の配管支持デバイスの正面図である。
【
図12】
図9の配管支持デバイスの一部の斜視図である。
【
図13A】本開示の別の態様による別の配管支持デバイスの正面斜視図である。
【
図14】
図13Aの配管支持デバイス、及び、寸法が異なることを除いて
図13Aの配管支持デバイスと同じ態様による、別の配管支持デバイスの斜視図である。
【
図15A】
図13Aの配管支持デバイス及び追加の補強用の結束バンドを使用する、例示的な実験装置の斜視図である。
【
図16A】
図13Aの配管支持デバイス及び追加の補強用の熱可塑性スリーブを使用する、別の例示的な実験装置の斜視図である。
【
図17A】
図13Aの配管支持デバイス及び追加の補強用のバーブロックを使用する、別の例示的な実験装置の斜視図である。
【
図17B】
図17Aの実験装置と共に使用される例示的なバーブロックの斜視図である。
【
図17C】配管上に配置され、
図17Aの実験装置と共に使用されるバーブロックの斜視図である。
【
図18】本開示の配管支持デバイスを積層造形するためのシステムのブロック図である。
【
図19】
図18のシステムのコンポーネントを示す別のブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
配管スリーブ又は配管シースのいずれかなどの配管支持デバイスは、使い捨て製造システム及び使い捨てフローキットなどの薬剤製造システムで使用される配管を補強するように設計されている。本開示の配管支持デバイスは、配管が非常に高い圧力の流体を含むことを可能にし、配管が将来の使い捨て製造システムで一般的に使用されることを可能にする。圧力定格を高めることに加えて、配管支持デバイスはまた、別の表面から配管を持ち上げて、無菌性を高め、配管のよじれを防ぐ。具体的には、一例では、配管支持デバイスは、本体の第1の端部に配置された第1の突起及び本体の第2の端部に配置された第2の突起を含む複数の突起を有する本体を含む。第1及び第2の突起のそれぞれは、留め具を受け入れるための開口を含み、したがって、配管支持デバイスを配管の周りに固定する。ボアは本体の長さに沿って延び、本体が配管を補強するように配管を受け入れるように適合されており、それによって配管が他の従来の補強デバイスよりも高い圧力で流体を含むことを可能にし、及び/又は配管のよじれを防止する。積層造形などの製造技術と使用される材料により、配管支持デバイスはまた、従来の溶接補強材よりも約半分のサイズで、最大40%近く軽量化されている。
【0030】
ここで
図4Aを参照すると、例示的な薬剤製造システム50が示されている。例示的な薬剤製造システム50は、1つ又は複数の製造コンポーネント51と、1つ又は複数の製造コンポーネント51に流体連結された1つ又は複数の流体ライン52とを有する任意の原薬製造システムを含むことができる。1つ又は複数の流体ライン52は、本開示による配管支持デバイス54を有する配管53を含むことができる。1つ又は複数の流体ライン52の配管53は、
図4Bに示すように、可撓性配管、溶接配管、及び/又は、薬剤製造システム50の1つ又は複数の製造コンポーネント51と共に使用及び/又は結合され得る任意の他の配管を含むことができる。使い捨て処理では、配管は通常、薬剤製造システム50における流体移送のための無菌接続を行う方法として溶接される。理解されるように、
図4Bに示したものとは異なる様々な他の設計の溶接配管を代わりに使用することができ、それでも本開示の範囲内に入る。やはり理解されるように、配管53は、薬剤製造システム50全体に配置された様々な製造コンポーネント51に流体結合され得る。以下に説明するように、本開示の配管支持デバイス54は、配管53を補強するために配管53の周りに配置され得る。
【0031】
本開示の一態様によれば、配管支持デバイス54は、
図5に示されるように、配管支持デバイス100を含む。配管支持デバイス100は、第1の端部104及び第2の端部106を有する本体102を含む。本体102は、第1の端部104に配置された第1の突起108及び第2の端部106に配置された第2の突起110を含む複数の突起106も含む。第1及び第2の突起108、110のそれぞれは、以下でさらに説明するように、留め具を受け入れるように適合された開口112を含む。さらに、複数の突起106は、本体102の中央部分から上方に延びる第3の突起114をさらに含むことができる。第1及び第2の突起108、110と同様に、第3の突起114も、以下でさらに説明するように、留め具を受け入れるための開口116を含む。ボア118は、第1の端部104から第2の端部106まで、本体102の長さに沿って延びる。ボア118は、本体102が配管を補強するように、配管を受け入れるように適合され、それによって配管が高圧での流体を含むことを可能にし、及び/又は配管のよじれを防ぐ。
【0032】
一例では、第1の突起108は、本体102の第1の端部104から下方且つ内側に延びる。加えて、第2の突起110は、本体102の第2の端部106から内側に延びる。さらに、この例では、本体102はシースであり、例えば、第1の端部104が第2の端部106の上に配置された、C字形状などの丸い形状を含む。
【0033】
ここで、
図6及び
図7を参照すると、本体102は、第1の本体部分120(
図6)と、第1の本体部分120に結合されて
図5の本体102を形成するように適合された第2の本体部分122(
図7)とをさらに含む。
図6に示されるように、第1の本体部分120は、第1の端部104a、第2の端部106a、第1の端部104aに配置された第1の突起108a、及び第2の端部106aに配置された第2の突起110aを含む。第1及び第2の突起108a、110aのそれぞれは、以下でさらに説明するように、留め具を受け入れるように適合された開口112aを含む。第3の突起114aは、第1の本体部分120の中央領域から延び、留め具を受け入れるための開口116aも含む。
図7に示すように、第2の本体部分122は同様に、第1の端部104b、第2の端部106b、第1の端部104bに配置された第1の突起108b、及び第2の端部106bに配置された第2の突起110bを含む。第2の本体部分122の第1及び第2の突起108b、110bのそれぞれはまた、開口112bを含む。第3の突起114bは、第2の本体部分122の中央領域から延び、留め具を受け入れるための開口116bを含む。
【0034】
第2の本体部分122は、例えば、
図6及び
図7に示すように、第1の本体部分120と形状が相補的である。一例では、本体102の第1及び第2の本体部分120、122のそれぞれは、C字形状などの丸みを帯びた形状である。第1及び第2の本体部分120、122は、代わりに、様々な他の形状の形態をとり得、依然として本開示の範囲内にあることが理解されるであろう。少なくとも、第1及び第2の本体部分120、122は形状が相補的である、例えば同じ形状を有するので、第1の本体部分120の第1及び第2の突起108a、110aの開口112aは、第1及び第2の本体部分120、122が一緒に結合されるとき、第2の本体部分122の第1及び第2の突起108b、110bの開口112bと整列する。これにより、以下に説明するように、留め具を第1の本体部分120の第1の開口112aに配置し、第2の本体部分122の開口112bを通して配置し、第1及び第2の本体部分120、122を一緒に固定することができる。
【0035】
この例では、配管支持デバイス100の本体102はシースであり、第1の本体部分120はシースの前半部分であり、第2の本体部分122はシースの後半部分である。第1及び第2の本体部分120、122が一緒に結合されると、本体102の第1及び第2の本体部分120、122は、
図5に示されるように、配管52を受け入れるように適合されたボア118を形成する。
【0036】
さらに、
図6及び
図7に示すように、第1及び第2の本体部分120、122のそれぞれは、第1の端部104a、106bに配置された第1のタブ124a、124bと、第2の端部104b、106bに配置された第2のタブ126a、126bとをそれぞれ含む。第1のタブ124a、124bのそれぞれは、留め具を受け入れるように適合されたスロット128a、128bを含み、第2のタブ126a、126bのそれぞれは、やはり留め具を受け入れるように適合されたスロット128a、128bを含む。したがって、第1及び第2のタブ124a、124b、126a、126bは、本体102のボア118内に配置された配管を上昇させ、配管のよじれを防止することを可能にする。
【0037】
ここで
図8を参照すると、
図5~7の配管支持デバイス100が、各突起108、110、114に配置された留め具130と共に示されている。具体的には、留め具130は、各突起108、110、114内に配置された開口112、112a、112b(
図5~7)内にそこを通して配置され、例えば、第1の本体部分120(
図6)を第2の本体部分122(
図7)に一緒に結合する。一例では、留め具130は、第1及び第2の本体部分120、122を一緒に、且つ溶接された配管の周りに留めるねじである。この例では、3つのねじ130がある。第1の本体部分120を(例えば、配管支持デバイス100の本体102を組み立てるために)第2の本体部分122に固定することができる様々な他の留め具を代わりに使用でき、依然として本開示の範囲内にあり得ることを理解されたい。
【0038】
一例では、配管支持デバイス100の本体102は、積層造形された本体102を含む。第1の本体部分120は、積層造形された第1の本体部分120であり、第2の本体部分122は、同様に、積層造形された第2の本体部分122である。積層造形された本体102と、積層造形された第1及び第2の本体部分120、122は、以下でさらに説明するように、3Dプリンタを使用するなど、任意の既知の積層造形技術に従って積層造形され得る。或いは、配管支持デバイス100の本体102は、射出成形、鋳造、又は任意の他の容易に入手可能な既知の製造プロセスによって作製されてもよく、依然として本開示の範囲内に入る。
【0039】
ここで、
図9~12を参照すると、本開示の別の態様による別の配管支持デバイス200が示されている。配管支持デバイス200は、
図5~8の配管支持デバイス100と同様又は同じ多くの特徴を含む。したがって、配管支持デバイス100の部分と同じ配管支持デバイス200の部分には、配管支持デバイス100の部分よりも100多い番号が付けられている。C字形状のデザインを含む
図5~8の配管支持デバイス100とは異なり、例えば、配管支持デバイス200はスリーブであり、長方形の円筒形状を含む。加えて、配管支持デバイス200は、単一の部分を含むことができる。配管支持デバイス200と配管支持デバイス100との間のさらなる相違点は、以下でさらに説明され、理解されるであろう。
【0040】
ここで
図9を参照すると、配管支持デバイス200は、第1の端部204及び第2の端部206を有する本体202を含む。本体102は、第1の端部204に配置された第1の突起208及び第2の端部206に配置された第2の突起210を含む複数の突起
207も含む。第1及び第2の突起208、210のそれぞれは、配管支持デバイス100に関して上述した留め具130などの留め具を受け入れるように適合された開口212を含む。さらに、複数の突起206は、本体202の中央部分から上方に延びる第3の突起214をさらに含むことができる。第1及び第2の突起208、210と同様に、第3の突起214も、留め具130などの留め具を受け入れるための開口216を含む。
図10及び
図11に示されるように、ボア218は、第1の端部204から第2の端部206まで、本体202の長さに沿って延びる。ボア218は、本体202が配管を補強するように配管を受け入れるように適合され、配管が圧力の増加した流体を含むことを可能にし、及び/又は配管のよじれを防ぐ。一例では、第1の突起208は、本体202の第1の端部204から下向きに延びる。加えて、第2の突起210も同様に、本体202の第2の端部206から下向きに延びる。
【0041】
ここで
図10を参照すると、配管支持デバイス200の本体202は、(配管が配管支持デバイス200内に配置されるとき)配管と接触し、ボア218内に配管をさらに固定するように適合された把持システム234を有する内面232をさらに含む。把持システム234は、本体202の第1の端部204近くの内面232上に配置された第1の歯のアレイ236を含む。把持システム234は、本体202の第2の端部206近くの内面232上に配置された第2の歯のアレイ238をさらに含む。第1及び第2の歯のアレイ236、238は、本体202の内面232の周りに延び、環状の第1の歯のアレイ236a及び環状の第2の歯のアレイ238aを形成する。例えば、
図11は、第1の端部204で本体202の内面232全体の周りに延びる第1の歯のアレイ236を示す。同様にして、第2の歯のアレイ238は、第2の端部204で本体202の内面232全体の周りに同様に延びる。一例では、
図11に示すように、第1の歯のアレイ236、236aは、本体202の内面232の周りに等距離に離間された歯の8つの列240を含む。
【0042】
加えて、ここで
図12を参照すると、歯の各列240は、4つの歯242を含むことができ、各歯242は、ベース244から内向き且つ上向きに延びる第1の側壁246と、ベース244から内向き且つ上向きに延びる第2の側壁248とを有するベース244を含む。各歯242の第1及び第2の側壁246、248はエッジ250を形成し、これは、配管が本体202のボア218内に配置されたときに配管を把持する。これらの特徴は2つの歯のアレイ236、238(
図10)に対して説明されているが、2つ以上の歯242及び/又はすべての歯が同じ形状及び特徴を含むことが理解されるであろう。或いは、各歯242は、任意の他の異なる形状の形態を取り、及び/又は各アレイにおいてより少ない又はより多くの歯を有してもよく、依然として本開示の範囲内に入る。
【0043】
一例では、配管支持デバイス100と同様に、配管支持デバイス200の本体202も積層造形された本体202を含むことができる。本体202は、3Dプリンタを使用するなど、任意の既知の積層造形技術に従って積層造形される。或いは、配管支持デバイス200の本体202は、射出成形、鋳造、又は任意の他の容易に入手可能な既知の製造プロセスによって作製されてもよく、依然として本開示の範囲内に入る。
【0044】
ここで、
図13A~14を参照すると、本開示の別の態様による別の配管支持デバイス300が示されている。配管支持デバイス300は、
図5~8の配管支持デバイス100と同様又は同じ多くの特徴を含む。したがって、配管支持デバイス100の部分と同じ配管支持デバイス300の部分には、配管支持デバイス100の部分よりも100多い番号が付けられている。C字形状のデザインを含む
図5~8の配管支持デバイス100とは異なり、例えば、配管支持デバイス200はスリーブであり、長方形の円筒形状を含む。加えて、配管支持デバイス300の本体から延びる第3の突起はない。配管支持デバイス300と配管支持デバイス100との間のさらなる相違点は、以下でさらに説明され、理解されるであろう。
【0045】
ここで、
図13A及び
図13Bを参照すると、配管支持デバイス300は、第1の端部304及び第2の端部306を有する本体302を含む。本体302は、第1の端部304に配置された第1の突起308及び第2の端部306に配置された第2の突起310を含む複数の突起306も含む。第1及び第2の突起308、310のそれぞれは
、留め具を受け入れるように適合された開口312を含む。
図13B及び
図14に示されるように、ボア318は、第1の端部304から第2の端部306まで、本体302の長さに沿って延びる。ボア318はまた、本体302が配管を強化するように、配管を受け入れるように適合され、高圧での流体を含むことを可能にし、及び/又は溶接された配管のよじれを防止する。一例では、第1の突起308は、本体202の第1の端部304から上向きに延びる。加えて、第2の突起310も同様に、本体
302の第2の端部306から上向きに延びる。
【0046】
ここで
図13Bを参照すると、本体302は、第1の本体部分320と、第1の本体部分320に結合されて
図13Aの本体302を形成するように適合された第2の本体部分322とをさらに含む。
図13Bに示されるように、第1の本体部分320は、第1の端部304a、第2の端部306a、第1の端部304aに配置された第1の突起308a、及び第2の端部306aに配置された第2の突起310aを含む。第1及び第2の突起308a、310aのそれぞれは、以下でさらに説明するように、留め具を受け入れるように適合された開口312aを含む。第2の本体部分322は同様に、第1の端部304b、第2の端部306b、第1の端部304bに配置された第1の突起308b、及び第2の端部306bに配置された第2の突起310bを含む。第2の本体部分322の第1及び第2の突起308b、310bのそれぞれはまた、開口312bを含む。
【0047】
第2の本体部分322もまた、形状が第1の本体部分320と相補的である。一例では、本体302の第1及び第2の本体部分320、322のそれぞれは、形状が長方形である。第1及び第2の本体部分320、322は、代わりに、様々な他の形状の形態をとり得、依然として本開示の範囲内にあることが理解されるであろう。第1の本体部分320の第1及び第2の突起308a、310aの開口312aは、第1及び第2の本体部分320、322が一緒に結合されたときに、第2の本体部分322の第1及び第2の突起308b、310bの開口312bと整列する。これにより、留め具330を第1の本体部分320の開口312a内に配置し、第2の本体部分322の開口312bを通して第1及び第2の本体部分320、322を一緒に固定することができる。
【0048】
この例では、配管支持デバイス300の本体302はスリーブである。第1の本体部分320はスリーブの前半部分であり、第2の本体部分322はスリーブの後半部分である。第1及び第2の本体部分320、322が一緒に結合されると、本体302の第1及び第2の本体部分320、322は、配管を受け入れるように適合されたボア318を形成する。さらに、一例では、第2の本体部分322は、第1の本体部分320及び第2の本体部分322のそれぞれの底部領域に配置された少なくとも1つのヒンジ352によって、第1の本体部分320にさらに結合される。この例では、3つのヒンジ352が、第1及び第2の本体部分320、322の底部領域に配置され、第1及び第2の本体部分320、322を一緒に回転可能に結合し、これらは、上で説明したように、留め具330を介して互いにさらに固定される。
【0049】
一例では、配管支持デバイス300の本体302は、積層造形された本体302を含む。第1の本体部分320は、積層造形された第1の本体部分320であり、第2の本体部分322は、同様に、積層造形された第2の本体部分322である。積層造形された本体302と、積層造形された第1及び第2の本体部分320、322は、以下でさらに説明するように、3Dプリンタを使用するなど、任意の既知の積層造形技術に従って積層造形され得る。或いは、配管支持デバイス300の本体302は、射出成形、鋳造、又は任意の他の容易に入手可能な既知の製造プロセスによって作製されてもよく、依然として本開示の範囲内に入る。
【0050】
別の例では、第1の本体部分320及び第2の本体部分322のそれぞれは、少なくとも1つの隆起部を有する内面を含む。特に、
図13Bに示すように、第1の本体部分320は内面354aを含み、第2の本体部分は内面354bを含む。第1の本体部分320の第1の端部304aと第2の端部306aの両方で、第1の本体部分320の内面354aに複数の隆起部が配置される。この例では、第1の複数の隆起部356aが第1の本体部分320の第1の端部304aで内面354aに配置され、第2の複数の隆起部358aが、第1の本体部分320の第2の端部306aで内面354aに配置される。同様に、複数の隆起部は、第1及び第2の端部304b、306bのそれぞれで第2の本体部分322の内面354bに配置される。この例では、第1の複数の隆起部356bが、第2の本体部分322の第1の端部304bで内面354b上に配置され、第2の複数の隆起部358bが、第2の本体部分322の第2の端部306bで内面3454b上に配置される。
【0051】
それぞれの複数の隆起部356a、356b、358a、358bは、上記のように、この例ではスリーブであってもよい配管支持デバイス300の本体302と、配管53との間の接続を固定するのに役立つ(例えば、
図4Bを参照)。一例では、それぞれの複数の隆起部356a、356b、358a、358bは、6つの隆起部を含み得る。より多い又はより少ない隆起部が代わりに使用されてもよく、それでも本開示の範囲内にあることが理解されるであろう。さらに、複数の隆起部356a、356b、358a、358bが、それぞれ、第1及び第2の本体部分320、322のそれぞれの第1の端部304a、304b及び第2の端部306a、306bのそれぞれに配置されるが、また、複数の隆起部356a、356bは、代わりに、第1の端304a、304bのみ、又は第2の端306a、306bのみなど、一方の端のみに配置されてもよく、依然として本開示の範囲内にあることも理解されよう。
【0052】
ここで
図14を参照すると、
図13A及び
図13Bの配管支持デバイス300が、別の例示の配管支持デバイス400と共に示されている。配管支持デバイス400は、配管支持デバイス400がより大きいデバイスであることを除いて、配管支持デバイス300と同じ特徴をすべて含む。特に、配管支持デバイス400のボア418の直径は、
図13A及び
図13Bの配管支持デバイス300のボア318の直径よりも大きい。したがって、配管支持デバイスは、例えば、配管支持デバイスのボア内に配置されるように適合された、溶接された配管などの様々なサイズの配管の寸法に適合するようにサイズ決定され得る。
【0053】
ここで、
図15A~17Cを参照すると、配管支持デバイス300内に配置された配管が58PSI以上の圧力で安全に動作できることを保証するために、配管支持デバイス300を支持デバイスの一例として使用して、様々な実験的試験が実施された。第1の実験の実験装置を
図15A及び
図15Bに示す。この第1の実験では、配管は溶接された#73Cフレックス配管510であり、配管支持デバイス300はサイズ#73の配管支持デバイス300である。実験装置には、Quattroフローポンプ520、少なくとも1つの圧力計522、3/4インチバルブなどのいくつかのバルブ524、及び結束バンド526も含まれる。より具体的には、Cフレックス配管を使用する再循環ループが開発され、
図15Aに示される。再循環ループは、Quattroフローポンプ520、圧力計522、配管支持デバイス300、及びバルブ524に直列に接続されたDIW供給容器528を含む。配管支持デバイス300は、溶接配管510上に固定された。20PSI及び30PSIでの試験では、溶接配管510に目に見える漏れはなかった。40PSIで結束バンドが壊れ、漏れが検出された(配管支持デバイス300内の溶接された配管510は、単一のケーブルタイのみでホースバーブに接続されていた)。結束バンドを追加して補強した後、40PSIで他の漏れや結束バンドの破損は発生しなかった。50PSIでの試験中、やはり漏れは観察されず、60PSIでは、例えば、
図15Bに示されるように、結束バンドの境界面で配管が顕著な膨張が認められた。
【0054】
ここで、
図16A及び16Bを参照すると、配管支持デバイス300を使用して第2の実験が再び行われたが、結束バンドの代わりに熱可塑性スリーブが使用された。第2の実験では、溶接配管を含むPureWeld#73配管610が、Quattroフローポンプ620、圧力計622、少なくとも1つの3/4インチバルブ624、配管支持デバイス300、及び熱可塑性スリーブ626と共に使用される。具体的には、PureWeld配管を使用した再循環ループが開発された。ループは、Quattroフローポンプ620、圧力計622、配管支持デバイス300、及びバルブ624に直列に接続されたDIW供給容器628を含む。配管支持デバイス300は、溶接配管610上に固定された。試験中、20PSIから75PSIの圧力まで、溶接された配管に観察可能な膨張や漏れはなかった。85PSIでは、配管はコネクタジョイントの周りで膨らんだ。しかしながら、溶接された配管には、漏れや膨張の兆候は見られなかった。
【0055】
ここで、
図17A~17Cを参照すると、ケーブルタイではなく、配管支持デバイス300及びバーブロックを使用して、第3の実験が行われた。第3の実験では、溶接配管を含むPureWeld#24配管710を、Quattroフローポンプ620、圧力計622、1/2インチバルブ、サイズ#24配管支持デバイス300、及びバーブロック760と共に使用した。より具体的には、PureWeld配管710を使用した再循環ループが開発された。ループは、Quattroポンプ620(
図16A)、圧力計622、配管支持デバイス300、及びバルブ626(
図16)に直列に接続されたDIW供給容器628を含んでいた。試験中、圧力は80PSIで15分間維持され、その後75PSIで120分間維持された。結果は、圧力が20PSIから75PSIの範囲内の任意の点で維持された場合、溶接された配管710に観察可能な膨張又は漏れがないことを示した。圧力が80PSIに維持されると、溶接された配管に観察可能な膨張や漏れは再びなかった。
【0056】
第4及び第5の実験は、配管支持デバイス300を使用せずに、溶接された配管で実施された。例えば、第4の実験では、#24PureWeld配管を使用した再循環ループが開発され、このループにも、Quattroポンプ、圧力計、配管アセンブリ、及びバルブに直列に接続されたDIW供給容器が含まれていた。配管支持デバイスは使用されなかった。圧力を90PSIで10分間維持され、85~90PSIで15分間維持された。結果は、20PSIから75PSIの範囲の任意の値で圧力を加えた場合、観察可能な膨張や漏れがないことを示した。さらに、90PSIの圧力を加えた場合、コネクタジョイントの周囲に数ミリメートル未満の非常に小さな膨張が発生した。第5の実験では、#73PureWeld配管、例えば溶接配管などを使用した再循環ループが開発され、このループにも、Quattroポンプ、圧力計、配管アセンブリ、及びバルブに直列に接続されたDIW供給容器が含まれていた。配管支持デバイスは使用されなかった。結果は、溶接された配管が90PSIに数分以上は耐えられないことを示した。溶接された配管に著しい膨張が観察された。バーブロックには目に見える膨張はなかった。
【0057】
5つの実験の実験結果は、圧力定格が、例えば、配管のタイプ、コネクタ、及び配管支持デバイス300の使用に依存することを示している。さらに、このデータは、PureWeld溶接配管サイズ#24(外骨格などの配管支持デバイスなし)及びサイズ#73では配管支持デバイス300を使用すると、4バールの圧力定格が達成可能であることを示唆している。第1と第2の実験では、熱可塑性スリーブを備えたPureWeld#73配管支持デバイス300が4バールの動作圧力を達成するのに適しており、熱可塑性スリーブは静圧試験に基づいてより大きなシステム分離を提供し、システムの環境への露出を減らす。第3及び第4の実験では、配管支持デバイス300及びバーブロックに溶接部分を有するPureWeld#24配管が、4バールの動作圧力を達成するのに適している。溶接部とバーブロックを備えたPureWeld#24配管は、配管支持デバイス300なしで、1.5Xの動作圧力(60PSI)から最大90PSIまで維持できる。さらに、配管支持デバイス300のないPureWeld#73配管溶接及びバーブロックは、90PSIに耐えることができず、バーブロックの周りにわずかな膨張があった。
【0058】
ここで
図18を参照すると、前述の配管支持デバイス100、200、300のいずれか1つを積層造形するためのシステム800が示されている。システム800は、通信ネットワーク812、無線ネットワークなどの通信ネットワーク812に通信可能に結合されたスキャンデバイス814、及びスキャンデバイス814及び通信ネットワーク812にも通信可能に結合された設計システム820を含むことができる。一例では、スキャンデバイス814は、配管支持デバイス100、200、300の配管固有のスキャンを作成するために、溶接配管などの配管の一部、又は補強を必要とする原薬製造システムの別の部分をスキャンすることができる。スキャンデバイス814は、例えば、iPad、iPod、iPhone、又はその他のスマートフォン、タブレット、又はそのようなスキャン機能を有するその他のデバイスなど、1つ又は複数の様々な既知のコンピューティングデバイスを含み得る。いくつかの例では、以下でさらに説明するように、配管固有のスキャンを後で使用して、3Dプリンタを介して配管支持デバイスを作成することができる。
【0059】
システム800はさらに、配管支持デバイス100、200、300を積層造形する3Dプリンタ816と、最終的で完全な配管支持デバイス100、200、300を配送するための出力配送センター818とを含む。システム800はさらに、スキャンデバイス814及び3Dプリンタ816の両方に通信可能に結合される設計システム820を含む。一例では、設計システム820は、無線ネットワーク812などの通信ネットワーク812を介して通信可能に結合される。図示のように、設計システム820は、スキャンデバイス814を介した溶接配管部分のスキャンに対応するデータなど、配管支持デバイス100、200、300に固有のデータを受信することができる1つ又は複数の計算デバイス822を含む。設計システム820の少なくとも1つの計算デバイス822は次いで、配管固有の設計を、無線ネットワーク812などを介して3Dプリンタ816に送信し、3Dプリンタ816に前述の配管支持デバイス100、200、300の1つを積層造形するように指示することができる。
【0060】
ここで
図19を参照すると、一例では、スキャンデバイス814は、スキャンデバイス814のメモリ825に格納されたスキャンモジュールを実装する1つ又は複数のプロセッサ824を含む。スキャンデバイス814はまた、ユーザ入力826及びネットワークインタフェース827を含むことができ、これにより、スキャンデバイス814は、例えば、無線ネットワーク812に通信可能に結合され、設計システム820と通信することができる。スキャンデバイス814は、送信機828及び受信機829をさらに含み、送信機828が、以下でさらに説明するように、(例えば、所望の溶接された配管の)配管固有のスキャンに対応するスキャンされたデータを処理のために設計システム820に送信できるようにする。さらに、スキャンデバイス814は、例えば、所望の溶接配管に対応するスキャンされたデータを表示することができるディスプレイ830を含むこともできる。
【0061】
同様に、システム820の1つ又は複数のコンピューティングデバイス822も、コンピューティングデバイス822のメモリ832などのメモリに格納されたモジュールを実装して、スキャンデバイス814から配管固有のスキャンに対応するデータなどのデータを受信及び処理する、1つ又は複数のプロセッサ831を含む。コンピューティングデバイス822はまた、ユーザ入力833及びネットワークインタフェース834を含むことができ、これにより、コンピューティングデバイスは無線ネットワーク821に通信可能に結合され、スキャンデバイス814及び3Dプリンタ816の両方と通信することができる。設計システムコンピューティングデバイス822はまた、送信機835及び受信機836を含み得、送信機835は、配管固有のスキャンに関連する処理されたデータを(例えば、スキャンデバイス814から)送信する、又は配管支持デバイス100、200、300を3Dプリンタ816に送信し、送信されたデータに従って配管支持デバイスを印刷するように3Dプリンタ816に指示する。受信機836は、スキャンデバイス814からスキャンデータを受信し、これは、コンピューティングデバイス822の1つ又は複数のプロセッサ831によって処理され、3Dプリンタ816の動作を実施するために使用される。コンピューティングデバイス822は、ディスプレイ837も含み、そこにはスキャンデバイス814からのデータ及びコンピューティングデバイス822によって処理されたデータなどのデータを表示することができる。
【0062】
引き続き
図19を参照すると、3Dプリンタ816は、スキャンデバイス814と設計システム820の両方に通信可能に結合されている。3Dプリンタ816は、作成されてその後設計システムのコンピューティングデバイス822から3Dプリンタ816に送信されて3Dプリンタ816のメモリ839に格納される配管支持デバイスプロファイルを実装する、1つ又は複数のプロセッサ838を含む。3Dプリンタ816のメモリ839に格納され得る配管支持デバイス設計プロファイルは、3Dプリンタ816の1つ又は複数のプロセッサ838によって実行される設計プロトコルを含む。3Dプリンタ816はまた、ユーザ入力840及びネットワークインタフェース841を含んでもよく、これにより、例えば、3Dプリンタ816が無線ネットワーク812に通信可能に結合されることも可能になる。3Dプリンタ816は、送信機842、例えば配管支持デバイスプロファイルに関して設計システム820からデータを受信するための受信機843、及びディスプレイ844をさらに含み、ディスプレイ844は、ユーザ入力840を含み得るか、又はそれとは別個であり得る。
【0063】
プロセッサ824、831、及び838のそれぞれは、汎用プロセッサ、デジタル信号プロセッサ、ASIC、フィールドプログラマブルゲートアレイ、グラフィックス処理ユニット、アナログ回路、デジタル回路、又は他の既知の若しくは後に開発されるプロセッサであり得る。スキャンデバイス814のプロセッサ824は、例えば、スキャンデバイス814のメモリ825に格納されたプロファイルに従って動作することができる。メモリ825、832、839は、揮発性メモリ又は不揮発性メモリであってもよい。メモリ825、832、839は、読み取り専用メモリ(「ROM」)、ランダムアクセスメモリ(「RAM」)、フラッシュメモリ、電子的消去可能プログラム読み取り専用メモリ(「EEPROM」)、又は他の種類のメモリのうちの1つ又は複数を含むことができる。メモリ825、832、839は、光学、磁気式(ハードドライブ)、又は任意の他の形態のデータストレージを含むことができる。
【0064】
一例では、配管支持デバイス設計プロトコルは、メモリ832、839に格納された配管固有の設計プロファイルの一部であり、3Dプリンタ816を制御して配管支持デバイス100、200、300を印刷する一連の実行可能な命令を含む。配管支持デバイス設計プロトコルは、メモリ832、839上に格納されたコンピュータ可読命令として具現化された、1つ又は複数のルーチン及び/又はサブルーチンを含むコンピューティングロジックとしてメモリ832、839上に格納することができる。プロセッサ831、838は、ロジックを実行して、プロセッサ831、838にプロファイルを取得させ、配管支持デバイス設計プロファイルに従って3Dプリンタ816を制御することができる。特に、配管支持デバイス設計プロトコルは、他のパラメータの中でもとりわけ、配管支持デバイスのサイズ、形状及び/又は容積、並びに3D印刷のタイミングを指定することができる。
【0065】
上記を考慮して、本開示の配管支持デバイス54、100、200、300は、以下の例示的な方法に従って製造され得ることが理解されるであろう。特に、一例では、薬剤製造システム50用の配管支持デバイスを製造する方法は、ボア118、218、318及び複数の突起106、206を含む本体102、202、302を形成することを含み、ボア118、218、318は、本体102、202、302の長さに沿って延び、溶接配管52を補強し、高圧動作時の溶接配管52のよじれを防止するために、薬剤製造システム50の配管52(
図4A)を受け入れるように適合されている。この方法は、複数の突起のうちの少なくとも1つの突起108、110、208、210、308、310に開口112、112a、112b、212、312を形成することをさらに含む。
【0066】
いくつかの例では、ボア118、218、318及び複数の突起106、206を含む本体102、202、302を形成することは、本明細書で説明されるもののいずれかなどの積層造形技術を使用して本体102、202、302を形成することを含む。別の例では、ボア118、218、318を含む本体102、202、302を形成することは、第1の端部104a、第2の端部106a、第1の端部104a上に配置された第1の突起108a、及び第2の端部106aに配置された第2の突起110aを有する第1の本体部分120を形成することを含む。さらに、この方法は、第1の端部104b、第2の端部106b、第1の端部104bに配置された第1の突起108b、及び第2の端部106bに配置された第2の突起110bを有する第2の本体部分122であって、本体102の後半部分である第2の本体部分を形成することをさらに含む。さらに、一例では、第1の端部104b、第2の端部106b、第1の端部104b上に配置された第1の突起108b、及び第2の突起を有する第2の本体部分122を形成することは、第2の端部106b上に配置された110bは、第1の本体部分120と相補的な形状を有する第2の本体部分122を形成することを含む。方法はさらにまた、積層造形技術を使用して第1の本体部分120、220を形成すること、及び、積層造形技術を使用して第2の本体部分122、222を形成することを含むことができる。
【0067】
別の例では、複数の突起を有する本体102を形成することは、本体102の第1の端部104a、104bに配置された第1のタブ124a、124bと、本体102の第2の端部106bに配置された第2のタブ126a、126bとを形成することと、第1及び第2のタブ124a、124b、126a、126bのそれぞれに、スロット128a、128bであって、本体102を吊るすための留め具を受け入れるスロット128a、128bを形成することと、を含む。複数の突起106、206を有する本体102、202を形成することは、本体102、202の第1の端部104、204に配置された第1の突起108、208を形成することと、本体102、202の第2の端部106、206に配置された第2の突起110、210を形成することと、本体102、202の中央部分から上向きに延びる第3の突起114、214を形成することと、を含む。
【0068】
さらにまた、もう1つ別の例では、複数の突起206を有する本体202を形成することは、本体202の第1の端部204近くに配置された第1の歯のアレイ236と、本体202の第2の端部206近くの内面232に配置された第2の歯のアレイ238とを有する把持システム234を備えた内面232を有する本体202を形成することと、第1及び第2の歯のアレイ236、238のそれぞれを本体202の内面232の周りに配置することと、を含む。
【0069】
一例では、上述の製造方法の行為のそれぞれは、1つ又は複数の積層造形技術を使用することができる。一般に、積層造形技術は、材料上に材料の連続層を追加することによって三次元物体を構築する任意の積層造形技術又はプロセスであり得る。積層造形技術は、3Dプリンタ816(
図18)などの任意の適切な機械、又は上述のシステム800などの機械の組み合わせによって実行することができる。積層造形技術は、通常、コンピュータ、三次元モデリングソフトウェア(例えば、コンピュータ支援設計、つまりCADのソフトウェア)、機械機器、及び層形成材料を含み、又は使用することができる。CADモデルが作成されると、機械機器はCADファイルからデータを読み込み、(例えば)液体、粉末、シート材料の連続層をレイヤーごとに層状に追加して、三次元オブジェクトを製造することができる。積層造形技術は、例えば、ステレオリソグラフィー(「SLA」)プロセス、溶融堆積モデリング(「FDM」)プロセス、マルチジェットモデリング(「MJM」)プロセス、選択的レーザー焼結(「SLS」)プロセス、電子ビーム積層造形プロセス、及びアーク溶接積層造形プロセスなどの、いくつかの技術又はプロセスのいずれかを含むことができる。いくつかの実施形態では、積層造形プロセスは、指向性エネルギーレーザー堆積プロセスを含むことができる。このような指向性エネルギーレーザー堆積プロセスは、指向性エネルギーレーザー堆積能力を備えた多軸コンピュータ数値制御(「CNC」)旋盤によって実行することができる。
【0070】
さらに、配管支持デバイス100、200、300は、VeroWhitePlus(RDG835)を含むがこれに限定されない様々な堅牢な材料から作ることができ、材料仕上げは滑らかであり、GMP製造に準拠している。使用される材料の種類及び仕上げは、材料が堅牢であり、依然として本開示の範囲内にある限り、この例示的な材料とは異なっていてもよい。さらに、いくつかの例では、配管支持デバイス100、200、300のサイズは、従来の溶接補強デバイスと比較して、重量が最大40%減少するなど、サイズが半分であり、軽量であり、これは少なくとも部分的に、使用されている材料と、それに対する積層造形技術に起因している。上述のように、配管支持デバイス100、200、300のサイズは、様々な配管に適合させることができる。
【0071】
前述の観点から、配管支持デバイス100、200、300及びその製造方法の以下の利点が理解されるであろう。例えば、配管支持デバイス100、200、300は、観察可能な悪影響なしに、最大85PSIなどの非常に高い圧力で配管が流体を含むことを可能にする。これにより、溶接された配管が将来の使い捨て製造システムで一般的に使用されるのを可能にする。圧力定格を高めることに加えて、配管支持デバイス100、200、300はまた、別の表面から配管を持ち上げて、無菌性を高め、溶接された配管のよじれを防止する。積層造形技術及び使用される材料により、配管支持デバイス100、200、300はまた、従来の溶接補強材よりもサイズが約半分であり、重量が最大で40%近く軽量である。さらに、配管支持デバイス100、200、300は、例えば、従来のシステムで一般的に使用される追加の支持配管及び結束バンドの必要性を軽減し、配管が反応器及び他のシステムコンポーネントの上にドレープされる間のあらゆる形成異常を軽減する。
【0072】
本発明は、様々な好ましい実施形態に関連して示され説明されてきたが、上記のものに加えて、特定の変更及び修正がなされ得ることは明らかである。この特許は、許容される等価物の範囲内に完全に収まる開示の教示のすべての実施形態をカバーする。したがって、当業者が考え得るすべての変更及び修正を保護することが意図されている。
【0073】
以下の追加の考察は、上述の説明にも当てはまる。本明細書全体を通じて、複数の事例が、1つの事例として説明された構成要素、動作、又は構造を実装することもできる。1つ以上の方法の個々の動作が別の動作として図示され、説明されているが、個々の動作のうちの1つ又は複数を同時に実行することもでき、動作を図示された順序で行わなければならないとは要求されていない。例示的な構成の中で別々の構成要素として提示されている構造と機能は、組み合わせの構造又は構成要素としても実装できる。同様に、1つの構成要素として提示された構造と機能は、別の構成要素としても実装できる。これら及びその他の変更、改良、追加、及び改善も、本明細書の主旨の範囲に含まれる。
【0074】
特に明記しない限り、「処理する」、「コンピューティングする」、「計算する」、「決定する」、「提示する」、「表示する」などの言葉を使用する本明細書の議論は、1つ又は複数のメモリ(揮発性メモリ、不揮発性メモリ、又はそれらの組み合わせなど)、レジスタ、又は情報を受信、格納、送信、又は表示するその他の機械コンポーネント内の物理的(電子、磁気、又は光学などの)量として表されるデータを操作又は変換する機械(例えば、コンピュータ)の動作又はプロセスを指すことができる。
【0075】
本明細書で使用される場合、「1つの実装形態」、「1つの実施形態」、「実装形態」、又は「実施形態」への言及は、実装に関連して説明される特定の要素、特徴、構造、又は特性が少なくとも1つの実装に含まれることを意味する。本明細書の様々な箇所に現れる「一実装形態において」又は「一実施形態において」という語句は、必ずしもすべて同じ実施形態を指しているわけではない。
【0076】
一部の実装形態は、「結合された」という表現とその派生語を使用して説明される場合がある。例えば、いくつかの実装形態は、「結合された」という用語を使用して、2つ以上の要素が直接物理的又は電気的に接触していることを示す場合がある。しかしながら、用語「結合された」は、2つ以上の要素が互いに直接接触していないが、それでもなお互いに協働又は相互作用することを意味する場合もある。実装形態は、このコンテキストに限定されない。
【0077】
本明細書で使用される用語「備える」、「備えている」、「含む」、「含んでいる」、「有する」、「有している」、又はそれらの他の変化形は、非排他的な包含をカバーすることを意図している。例えば、要素の列挙を含むプロセス、方法、物品、又は装置は、必ずしもそれらの要素のみに限定されるわけではなく、明示的に列挙されていない、又はそのようなプロセス、方法、物品、又は装置に固有でない他の要素を含む場合がある。さらに、反対のことが明確に述べられていない限り、「又は」は排他的な「又は」ではなく、包括的な「又は」を指す。例えば、条件A又はBは、Aが真(又は存在)且つBが偽(又は存在しない)、Aが偽(又は存在しない)且つBが真(又は存在)、及び、AとBの両方が真(又は存在)、のいずれかによって満たされる。
【0078】
さらに、「a」又は「an」の使用は、本明細書の実装形態の要素及び構成要素を説明するために使用される。これは単に便宜上、及び本発明の一般的な意味を与えるために行われる。この記述は、1つ又は少なくとも1つを含むように読まれるべきであり、別の意味であることが明らかでない限り、単数形は複数形も含む。
【0079】
さらに、本特許出願の末尾の特許請求の範囲は、伝統的なミーンズプラスファンクションの文言が明記されていない限り、例えば「~のための手段(means for)」又は「~のためのステップ(step for)」などの文言が特許請求の範囲に明記されていない限り、米国特許法第112条(f)に基づいて解釈されることは意図されていない。