(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-26
(45)【発行日】2025-01-10
(54)【発明の名称】搬送通電制御装置、搬送通電制御方法、搬送通電制御プログラム、及び機械式駐車装置
(51)【国際特許分類】
E04H 6/00 20060101AFI20241227BHJP
E04H 6/18 20060101ALI20241227BHJP
【FI】
E04H6/00 A
E04H6/18 601F
E04H6/18 601A
(21)【出願番号】P 2023094832
(22)【出願日】2023-06-08
【審査請求日】2024-05-17
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】309036221
【氏名又は名称】三菱重工機械システム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100112737
【氏名又は名称】藤田 考晴
(74)【代理人】
【識別番号】100136168
【氏名又は名称】川上 美紀
(74)【代理人】
【識別番号】100172524
【氏名又は名称】長田 大輔
(72)【発明者】
【氏名】野田 整一
(72)【発明者】
【氏名】税所 正昭
(72)【発明者】
【氏名】藤川 博康
(72)【発明者】
【氏名】安藤 敏彦
【審査官】兼丸 弘道
(56)【参考文献】
【文献】実開昭61-047355(JP,U)
【文献】特開2018-188832(JP,A)
【文献】特開2012-207502(JP,A)
【文献】特開2022-184371(JP,A)
【文献】特開2012-001923(JP,A)
【文献】特開昭63-165648(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04H 6/00-6/42
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の入庫及び出庫の少なくともいずれか一方を行う乗降室と、前記乗降室の出入口に設けられた入出庫扉と、前記入出庫扉を駆動する扉駆動手段と、車両の搬送に関する機器である搬送機器を駆動する搬送機器駆動手段とを備える機械式駐車装置に適用される搬送通電制御装置であって、
前記搬送機器駆動手段と電源とを接続する電路に設けられた開閉器と、
前記開閉器を制御する開閉器制御手段と
を備え、
前記開閉器制御手段は、前記搬送機器が前記乗降室に着床したときから前記入出庫扉の全開状態が検知されるときまでの
任意のタイミングにおいて、前記開閉器を開いて前記搬送機器駆動手段への電力供給を遮断する搬送通電制御装置。
【請求項2】
前記開閉器制御手段は、前記入出庫扉の全閉状態が検知されなくなった場合に、前記開閉器を開放し、前記搬送機器駆動手段への電力を遮断する請求項1に記載の搬送通電制御装置。
【請求項3】
車両の入庫及び出庫の少なくともいずれか一方を行う乗降室と、前記乗降室の出入口に設けられた入出庫扉と、前記入出庫扉を駆動する扉駆動手段と、車両の搬送に関する機器である搬送機器を駆動する搬送機器駆動手段とを備える機械式駐車装置に適用される搬送通電制御装置であって、
前記搬送機器駆動手段と電源とを接続する電路に設けられた開閉器と、
前記開閉器を制御する開閉器制御手段と
を備え、
前記開閉器制御手段は、前記搬送機器が前記乗降室に着床したときから前記入出庫扉の全開状態が検知されるときまでの所定のタイミングにおいて、前記開閉器を開いて前記搬送機器駆動手段への電力供給を遮断し、
前記開閉器制御手段は、前記入出庫扉の全閉状態が検知された場合に、前記開閉器を閉じて、前記搬送機器駆動手段へ電力を供給す
る搬送通電制御装置。
【請求項4】
前記開閉器制御手段は、前記入出庫扉の全閉状態が検知された場合であって、前記乗降室内の無人が確認された場合に、前記開閉器を閉じて、前記搬送機器駆動手段へ電力を供給する請求項3に記載の搬送通電制御装置。
【請求項5】
前記開閉器制御手段は、乗降室内の人を検知するための内部検知手段から無人であることを示す信号を受信した場合に、前記開閉器を閉じて、前記搬送機器駆動手段へ電力を供給する請求項4に記載の搬送通電制御装置。
【請求項6】
前記開閉器制御手段は、起動許可信号を受信した場合に、前記開閉器を閉じて、前記搬送機器駆動手段へ電力を供給する請求項1に記載の搬送通電制御装置。
【請求項7】
前記開閉器制御手段は、起動許可信号を受信した場合であって、前記乗降室内の無人が確認された場合に、前記開閉器を閉じて、前記搬送機器駆動手段へ電力を供給する請求項1に記載の搬送通電制御装置。
【請求項8】
前記開閉器制御手段は、乗降室内の人を検知するための内部検知手段から無人であることを示す信号を受信した場合に、前記開閉器を閉じて、前記搬送機器駆動手段へ電力を供給する請求項
7に記載の搬送通電制御装置。
【請求項9】
前記開閉器制御手段は、格納棚への車両の格納が完了した場合に、前記開閉器を開いて前記搬送機器駆動手段への電力を遮断する請求項1に記載の搬送通電制御装置。
【請求項10】
前記開閉器制御手段は、非常停止ボタンが操作された場合に、前記開閉器を開いて前記搬送機器駆動手段への電力を遮断する請求項1に記載の搬送通電制御装置。
【請求項11】
前記乗降室に設けられた非常用扉を備え、
前記開閉器制御手段は、前記非常用扉が開いたことが検知された場合に、前記開閉器を開いて前記搬送機器駆動手段への電力供給を遮断する請求項1に記載の搬送通電制御装置。
【請求項12】
車両の入庫及び出庫の少なくともいずれか一方を行う乗降室と、
前記乗降室の出入口に設けられた入出庫扉と、
前記入出庫扉を駆動する扉駆動手段と、
車両の搬送に関する機器である搬送機器を駆動する搬送機器駆動手段と、
請求項1
から11のいずれかに記載の搬送通電制御装置と
を備える機械式駐車装置。
【請求項13】
前記扉駆動手段と前記電源とを接続する電路に設けられた扉用開閉器と、前記扉用開閉器を制御する扉用開閉器制御手段とを有する扉通電制御装置を備え、
前記搬送通電制御装置と前記扉通電制御装置とは通信可能に構成され、
前記扉通電制御装置と前記搬送通電制御装置とは、前記扉用開閉器及び前記開閉器を開閉するタイミングを相互に通知することにより、前記扉用開閉器と前記開閉器とが共に閉状態とならないように、前記扉用開閉器と前記開閉器の開閉制御を行う請求項
12に記載の機械式駐車装置。
【請求項14】
車両の入庫及び出庫の少なくともいずれか一方を行う乗降室と、
前記乗降室の出入口に設けられた入出庫扉と、
前記入出庫扉を駆動する扉駆動手段と、
車両の搬送に関する機器である搬送機器を駆動する搬送機器駆動手段と、
請求項1から11のいずれかに記載の搬送通電制御装置と、
前記扉駆動手段と前記電源とを接続する電路に設けられた扉用開閉器と、前記扉用開閉器を制御する扉用開閉器制御手段とを有する扉通電制御装置
と
を備え、
前記搬送通電制御装置と前記扉通電制御装置とは通信可能に構成され、
前記扉通電制御装置と前記搬送通電制御装置とは、前記扉用開閉器及び前記開閉器を開閉するタイミングを相互に通知することにより、前記扉用開閉器と前記開閉器とが共に閉状態とならないように、前記扉用開閉器と前記開閉器の開閉制御を行
う機械式駐車装置。
【請求項15】
車両の入庫及び出庫の少なくともいずれか一方を行う乗降室と、前記乗降室の出入口に設けられた入出庫扉と、前記入出庫扉を駆動する扉駆動手段と、車両の搬送に関する機器である搬送機器を駆動する搬送機器駆動手段と、前記搬送機器駆動手段と電源とを接続する電路に設けられた開閉器とを備える機械式駐車装置に適用される搬送通電制御方法であって、
コンピュータが、前記搬送機器が前記乗降室に着床したときから前記入出庫扉の全開状態が検知されるときまでの
任意のタイミングにおいて、前記開閉器を開いて前記搬送機器駆動手段への電力供給を遮断する搬送通電制御方法。
【請求項16】
車両の入庫及び出庫の少なくともいずれか一方を行う乗降室と、前記乗降室の出入口に設けられた入出庫扉と、前記入出庫扉を駆動する扉駆動手段と、車両の搬送に関する機器である搬送機器を駆動する搬送機器駆動手段と、前記搬送機器駆動手段と電源とを接続する電路に設けられた開閉器とを備える機械式駐車装置に適用される搬送通電制御方法であって、
コンピュータが、前記搬送機器が前記乗降室に着床したときから前記入出庫扉の全開状態が検知されるときまでの所定のタイミングにおいて、前記開閉器を開いて前記搬送機器駆動手段への電力供給を遮断し、
前記入出庫扉の全閉状態が検知された場合に、前記開閉器を閉じて、前記搬送機器駆動手段へ電力を供給する搬送通電制御方法。
【請求項17】
コンピュータに請求項1
5又は16に記載の搬送通電制御方法を実行させるための搬送通電制御プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、搬送通電制御装置、搬送通電制御方法、搬送通電制御プログラム、及び機械式駐車装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
機械式駐車装置では、安全性を確保するために種々の方法が提案されている。例えば、特許文献1には、入出庫扉が完全に開かれた状態に、車両搬送機器や入出庫扉の運転をロックする運転ロック状態とし、車両の入庫や出庫が完了して乗降室内の無人が確認された後に、運転ロック状態を解除し、扉の閉扉を可能とする機械式駐車装置が開示されている。また、特許文献1には、入出庫扉の閉動作が完了すると、パレットなどの搬送手段を移動させ、格納処理が終了すると、再び運転ロック状態とすることが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
機械式駐車装置の安全性を更に高め、庫内における人の閉じ込め等を可能な限り防止することは、重要な課題の一つである。
【0005】
本開示は、安全性を向上させることのできる搬送通電制御装置、搬送通電制御方法、搬送通電制御プログラム、及び機械式駐車装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様に係る搬送通電制御装置は、車両の入庫及び出庫の少なくともいずれか一方を行う乗降室と、前記乗降室の出入口に設けられた入出庫扉と、前記入出庫扉を駆動する扉駆動手段と、車両の搬送に関する機器である搬送機器を駆動する搬送機器駆動手段とを備える機械式駐車装置に適用される搬送通電制御装置であって、前記搬送機器駆動手段と電源とを接続する電路に設けられた開閉器と、前記開閉器を制御する開閉器制御手段とを備え、前記開閉器制御手段は、前記搬送機器が前記乗降室に着床したときから前記入出庫扉の全開状態が検知されるときまでの任意のタイミングにおいて、前記開閉器を開いて前記搬送機器駆動手段への電力供給を遮断する。
本開示の一態様に係る搬送通電制御装置は、車両の入庫及び出庫の少なくともいずれか一方を行う乗降室と、前記乗降室の出入口に設けられた入出庫扉と、前記入出庫扉を駆動する扉駆動手段と、車両の搬送に関する機器である搬送機器を駆動する搬送機器駆動手段とを備える機械式駐車装置に適用される搬送通電制御装置であって、前記搬送機器駆動手段と電源とを接続する電路に設けられた開閉器と、前記開閉器を制御する開閉器制御手段とを備え、前記開閉器制御手段は、前記搬送機器が前記乗降室に着床したときから前記入出庫扉の全開状態が検知されるときまでの所定のタイミングにおいて、前記開閉器を開いて前記搬送機器駆動手段への電力供給を遮断し、前記開閉器制御手段は、前記入出庫扉の全閉状態が検知された場合に、前記開閉器を閉じて、前記搬送機器駆動手段へ電力を供給する。
【0007】
本開示の一態様に係る機械式駐車装置は、車両の入庫及び出庫の少なくともいずれか一方を行う乗降室と、前記乗降室の出入口に設けられた入出庫扉と、前記入出庫扉を駆動する扉駆動手段と、車両の搬送に関する機器である搬送機器を駆動する搬送機器駆動手段と、上記搬送通電制御装置とを備える。
本開示の一態様に係る機械式駐車装置は、車両の入庫及び出庫の少なくともいずれか一方を行う乗降室と、前記乗降室の出入口に設けられた入出庫扉と、前記入出庫扉を駆動する扉駆動手段と、車両の搬送に関する機器である搬送機器を駆動する搬送機器駆動手段と、上記搬送通電制御装置と、前記扉駆動手段と前記電源とを接続する電路に設けられた扉用開閉器と、前記扉用開閉器を制御する扉用開閉器制御手段とを有する扉通電制御装置とを備え、前記搬送通電制御装置と前記扉通電制御装置とは通信可能に構成され、前記扉通電制御装置と前記搬送通電制御装置とは、前記扉用開閉器及び前記開閉器を開閉するタイミングを相互に通知することにより、前記扉用開閉器と前記開閉器とが共に閉状態とならないように、前記扉用開閉器と前記開閉器の開閉制御を行う。
【0008】
本開示の一態様に係る搬送通電制御装置は、車両の入庫及び出庫の少なくともいずれか一方を行う乗降室と、車両を乗降階と格納階との間で移動させるリフトを駆動する搬送機器駆動手段と、前記リフトが昇降するリフト昇降室と前記乗降室との間に設けられた区画扉とを備える機械式駐車装置に適用される搬送通電制御装置であって、前記搬送機器駆動手段と電源とを接続する電路に設けられた開閉器と、前記開閉器を制御する開閉器制御手段とを備え、前記開閉器制御手段は、前記リフトが前記乗降階に到達したときから前記区画扉の全閉状態が検知されるときまでの所定のタイミングにおいて、前記開閉器を開いて前記搬送機器駆動手段への電力供給を遮断する。
【0009】
本開示の一態様に係る機械式駐車装置は、車両の入庫及び出庫の少なくともいずれか一方を行う乗降室と、前記乗降室に設けられた機器を駆動するバース駆動手段と、車両を乗降階と格納階との間で移動させるリフトを駆動する搬送機器駆動手段と、上記搬送通電制御装置とを備える。
【0010】
本開示の一態様に係るバース通電制御装置は、車両の入庫及び出庫の少なくともいずれか一方を行う乗降室と、車両を乗降階と格納階との間で移動させるリフトを駆動する搬送機器駆動手段と、前記リフトが昇降するリフト昇降室と前記乗降室との間に設けられた区画扉と、前記乗降室に設けられたバース機器を駆動するバース駆動手段とを備える機械式駐車装置に適用されるバース通電制御装置であって、前記バース機器には、前記区画扉が含まれ、前記バース駆動手段と電源とを接続する電路に設けられたバース用開閉器と、前記バース用開閉器を制御するバース用開閉器制御手段とを備え、前記バース用開閉器制御手段は、前記区画扉の全開が検知されたときから前記リフトが乗降階からの移動を開始するまでの所定のタイミングで前記バース用開閉器を開いて前記バース駆動手段への電力供給を遮断する。
【0011】
本開示の一態様に係る機械式駐車装置は、車両の入庫及び出庫の少なくともいずれか一方を行う乗降室と、車両を乗降階と格納階との間で移動させるリフトを駆動する搬送機器駆動手段と、前記リフトが昇降するリフト昇降室と前記乗降室との間に設けられた区画扉と、前記乗降室に設けられたバース機器を駆動するバース駆動手段と、上記記載のバース通電制御装置とを備える。
【0012】
本開示の一態様に係る搬送通電制御方法は、車両の入庫及び出庫の少なくともいずれか一方を行う乗降室と、前記乗降室の出入口に設けられた入出庫扉と、前記入出庫扉を駆動する扉駆動手段と、車両の搬送に関する機器である搬送機器を駆動する搬送機器駆動手段と、前記搬送機器駆動手段と電源とを接続する電路に設けられた開閉器とを備える機械式駐車装置に適用される搬送通電制御方法であって、コンピュータが、前記搬送機器が前記乗降室に着床したときから前記入出庫扉の全開状態が検知されるときまでの任意のタイミングにおいて、前記開閉器を開いて前記搬送機器駆動手段への電力供給を遮断する。
本開示の一態様に係る搬送通電制御方法は、車両の入庫及び出庫の少なくともいずれか一方を行う乗降室と、前記乗降室の出入口に設けられた入出庫扉と、前記入出庫扉を駆動する扉駆動手段と、車両の搬送に関する機器である搬送機器を駆動する搬送機器駆動手段と、前記搬送機器駆動手段と電源とを接続する電路に設けられた開閉器とを備える機械式駐車装置に適用される搬送通電制御方法であって、コンピュータが、前記搬送機器が前記乗降室に着床したときから前記入出庫扉の全開状態が検知されるときまでの所定のタイミングにおいて、前記開閉器を開いて前記搬送機器駆動手段への電力供給を遮断し、前記入出庫扉の全閉状態が検知された場合に、前記開閉器を閉じて、前記搬送機器駆動手段へ電力を供給する。
【0013】
本開示の一態様に係る搬送通電制御方法は、車両の入庫及び出庫の少なくともいずれか一方を行う乗降室と、車両を乗降階と格納階との間で移動させるリフトを駆動する搬送機器駆動手段と、前記リフトが昇降するリフト昇降室と前記乗降室との間に設けられた区画扉と、前記搬送機器駆動手段と電源とを接続する電路に設けられた開閉器とを備える機械式駐車装置に適用される搬送通電制御方法であって、コンピュータが、前記リフトが前記乗降階に到達したときから前記区画扉の全閉状態が検知されるときまでの所定のタイミングにおいて、前記開閉器を開いて前記搬送機器駆動手段への電力供給を遮断する。
【0014】
本開示の一態様に係る搬送通電制御プログラムは、コンピュータに上記搬送通電制御方法を実行させるためのプログラムである。
【0015】
本開示の一態様に係るバース通電制御方法は、車両の入庫及び出庫の少なくともいずれか一方を行う乗降室と、車両を乗降階と格納階との間で移動させるリフトを駆動する搬送機器駆動手段と、前記リフトが昇降するリフト昇降室と前記乗降室との間に設けられた区画扉と、前記乗降室に設けられたバース機器を駆動するバース駆動手段と、前記バース駆動手段と電源とを接続する電路に設けられたバース用開閉器とを備える機械式駐車装置に適用されるバース通電制御方法であって、前記バース機器には、前記区画扉が含まれ、前記区画扉の全開が検知されたときから前記リフトが乗降階からの移動を開始するまでの所定のタイミングで前記バース用開閉器を開いて前記バース駆動手段への電力供給を遮断する。
【0016】
本開示の一態様に係る搬送通電制御プログラムは、コンピュータに上記記載のバース通電制御方法を実行させるためのプログラムである。
【0017】
本開示の一態様に係る機械式駐車装置は、車両の入庫及び出庫の少なくともいずれか一方を行う乗降室と、前記乗降室の出入口に設けられた入出庫扉と、前記入出庫扉を駆動する扉駆動手段と、車両の搬送に関する機器である搬送機器を駆動する搬送機器駆動手段と、前記乗降室に設けられた非常用扉と、前記搬送機器駆動手段と電源とを接続する電路に設けられた開閉器と、前記非常用扉が開いたことが検知された場合に、前記開閉器を開いて前記搬送機器駆動手段への電力供給を遮断する開閉器制御手段とを備える。
【発明の効果】
【0018】
本開示によれば、安全性を向上させることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】本開示の第1実施形態に係る機械式駐車装置の縦断面図である。
【
図2】本開示の第1実施形態に係る乗降室を示す概略斜視透視図である。
【
図3】本開示の第1実施形態に係る乗降室における測域センサの設置位置及び検出範囲の一例を示した図である。
【
図4】本開示の第1実施形態に係る操作盤の一構成例を示した図である。
【
図5】本開示の第1実施形態に係る機械式駐車装置の制御装置が備える機能の一例を示した機能ブロック図である。
【
図6】本開示の第1実施形態に係る扉通電制御装置及び搬送通電制御装置の一構成例を示した図である。
【
図7】本開示の第1実施形態に係る入庫処理の処理手順の一例を示したフローチャートである。
【
図8】本開示の第1実施形態に係る入庫処理の処理手順の一例を示したフローチャートである。
【
図9】本開示の第1実施形態に係る入庫処理の処理手順の一例を示したフローチャートである。
【
図10】本開示の第1実施形態に係る扉通電制御方法の処理手順の一例を示したフローチャートである。
【
図11】本開示の第1実施形態に係る搬送通電制御方法の処理手順の一例を示したフローチャートである。
【
図12】本開示の第2実施形態に係る扉通電制御装置及び搬送通電制御装置の一構成例を示した図である。
【
図13】本開示の第2実施形態に係る扉通電制御方法の処理手順の一例を示したフローチャートである。
【
図14】本開示の第2実施形態に係る搬送通電制御方法の処理手順の一例を示したフローチャートである。
【
図15】本開示の第3実施形態に係る機械式駐車装置の概略構造を示す斜視図である。
【
図16】
図15に示したバース(乗降室)の概略外観図である。
【
図17】
図15に示したバース(乗降室)の概略平面図である。
【
図18】本開示の第3実施形態に係る電気的構成を概略的に示した概略電気構成図である。
【
図19】本開示の第3実施形態に係る入庫処理の手順の一例を示した図である。
【
図20】本開示の第4実施形態に係る電気的構成を概略的に示した概略電気構成図である。
【
図21】本開示の第4実施形態に係る入庫処理の手順の一例を示した図である。
【
図22】本開示の変形例に係る入庫処理の手順の一例を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
〔第1実施形態〕
以下、本開示の第1実施形態に係る搬送通電制御装置、搬送通電制御方法、搬送通電制御プログラム、及び機械式駐車装置について、図面を参照して説明する。以下に説明する実施形態では、本開示の機械式駐車装置としてエレベータ方式のタワー型機械式駐車装置を例示して説明するが、この例に限定されない。本開示の機械式駐車装置は、垂直循環方式、平面往復方式、水平循環方式、二多段方式等であってもよい。また、パレットを使用しないコンベヤ式やフォーク式の機械式駐車装置であってもよい。
【0021】
図1は、本開示の一実施形態に係る機械式駐車装置1の縦断面図である。
図1に示すように、機械式駐車装置1は、複数の車両2を収容可能なエレベータ式のタワー型立体駐車場施設であり、入出庫口3と入出庫扉4とが設けられた駐車塔5を備えている。駐車塔5の地上階は、車両2を入出庫させる乗降室7となっており、その床面には車両2の方向を転換させるターンテーブル8が設置されている。ターンテーブル8は、乗降室7の床面に形成された凹状のピット9内に旋回板10と旋回駆動部11が設けられた構成である。なお、本実施形態では、乗降室7において、入庫及び出庫の両方が行われる場合を示しているがこれに限定されない。例えば、入庫と出庫とで乗降室を異ならせ、入庫専用の乗降室と、出庫専用の乗降室とを備える構成としてもよい。また、本実施形態において、1つの乗降室が示されているが、複数の乗降室を備えていてもよい。
【0022】
駐車塔5の中心部には垂直な昇降通路13が形成されており、この中にリフト14(エレベータ状の搬送機)が上下に昇降可能に設けられている。リフト14は、例えば駐車塔5の上部に設けられた図示しないウインチから下方に延びる複数本のワイヤロープに四隅を吊持され、上記ウインチが起動することにより昇降通路13内を上下に昇降することができる。
【0023】
一方、昇降通路13の両側には車両格納棚17(駐車スペース)が設けられている。この車両格納棚17は、昇降通路13を挟むようにして上下に多階層状に設けられており、それぞれの車両格納棚17には車両を積載するためのパレット18が1枚ずつ収容されている。なお、車両格納棚17の支柱等は図示が省略されている。
【0024】
リフト14と車両格納棚17の床面には、両者の床面の高さが一致したときに、空荷のパレット18、または車両2が積載されたパレット18を、リフト14から車両格納棚17に、または車両格納棚17からリフト14に、スムーズに受け渡すことができる図示しない受渡機構が設けられている。
【0025】
図2は、乗降室7を示す概略斜視透視図である。乗降室7の内部には、中央部にパレット18が配置されるスペースがあり、入出庫扉4の正面の壁には車両2の位置をドライバー(利用者)が確認するための鏡24と、「前進」、「停車」、「後退」の案内を行う電光式の停車位置指示灯25が設けられている。
【0026】
乗降室7には、内部状況を撮影する4台のカメラ35A~35Dが設置されている。本実施形態において、カメラ35A~35Dは、例えば、ビデオカメラであり、それぞれ乗降室7の異なる壁面(4面)に取り付けられている。なお、カメラの設置数については上記に限定されず、少なくとも1台のカメラが設けられていればよい。
【0027】
乗降室7内には、乗降室内にいる人(物体)を検知するための内部検知センサ(内部検知手段)30(
図5参照)が設けられている。内部検知センサ30は、例えば、乗降室7の前部領域、右側部領域、左側部領域、及び後部領域などのそれぞれの領域において、人(物体)を検出するためのセンサを備えていてもよい。これらセンサとして、公知のセンサを適宜採用することが可能である。一例として、人感センサ、光電センサ等が挙げられる。また、内部検知センサ30は、車両の停車位置を検知するための車両位置検知センサを備えていてもよい。また、内部検知センサ30は、例えば、乗降室7の対角位置に設けられた2台の測域センサ30A、30Bを備えていてもよい。
【0028】
図3は、乗降室7における測域センサ30A、30Bの設置位置及び検出範囲の一例を示した図である。測域センサ30A、30Bは、例えば、レーザー光線や超音波等の目標物に当たって反射する性質のある探査波Wを出力し、その反射波を受信しながら所定の角度範囲を水平方向にスキャニング(走査)することにより、乗降室内における人の検知、車両の在車の有無などを検知することができる。
【0029】
また、内部検知センサ30として、上述したカメラ35A~35Dを代用することも可能であり、この場合には、カメラ35A~35Dによって取得された画像データに基づいて乗降室内の無人を確認することができる。
なお、内部検知センサ30は、乗降室内部の無人確認を行うために使用されるセンサであり、上述した各種センサに限定されない。上述した各種センサを組み合わせて用いてもよいし、他の公知のセンサを適宜採用することとしてもよい。
【0030】
図2に示すように、乗降室7の入出庫口3には、乗降室7から人又は車両が入退出したことを検知するための入退出検知センサ32が設けられていてもよい。
また、乗降室内には、音声で利用者に情報(入出庫のためのガイダンス情報、エラー発生情報等)を通知するための報知部(報知手段:図示省略)が設けられていてもよい。報知部の一例として、スピーカ、警告灯などが挙げられる。
【0031】
乗降室7の外部には、入出庫扉4の上部に青と赤のランプを備えた入庫管制灯21が設けられている。また、乗降室7の外部には、入出庫扉4を閉めるための入力情報等を受け付ける操作盤22が設けられている。操作盤22は、例えば、利用者、管理者、保守員等によって操作される。また、操作盤22の近傍には、カメラ35A~35Dによって撮像されたリアルタイム画像を表示するためのモニタ28が設置されている。
また、乗降室7には、非常時やメンテナンス時において作業員等が出入りするための非常用扉6が設けられている。
【0032】
また、乗降室7の内部又は外部に、機械式駐車装置1の全体の制御を行う制御装置40が設置されている。また、機械式駐車装置1は、後述する扉通電制御装置80(
図6参照)及び搬送通電制御装置90を備えている。
【0033】
図4は、操作盤22の一構成例を示した図である。
図4に示すように、操作盤22は、例えば、風雨からの保護と悪戯防止のために金属製の筐体43に収容されており、この筐体43には施錠可能な蓋44が設けられている。操作者が操作盤22を操作する際には、施錠を解錠して蓋44を開き、操作盤22にアクセスする。
【0034】
操作盤22は、例えば、利用者の認証情報を受け付けるための認証情報入力部を備えている。本実施形態では、認証情報入力部の一例として、ICカードリーダ46が設けられているが、この例に限定されない。認証情報入力部は、例えば、テンキー、指紋、虹彩、静脈の情報、顔画像等のいわゆる生体認証情報を読み取る生体情報読取部、無線通信(例えば、3G,4G,5G,6G、無線LAN、Wifi、LTE等)で認証情報を受信する無線通信部等によって構成されていてもよい。
【0035】
また、操作盤22は、タッチパネル45、操作者(例えば、利用者)に操作方法を音声で案内するためのスピーカ47、機械式駐車装置1の動作を非常停止させる非常停止ボタン48、マイク等を備えていてもよい。
【0036】
タッチパネル45は、表示機能と入力機能とを兼ね備えている。タッチパネル45には、例えば、入出庫の操作を行わせるための各種案内情報が表示されるとともに、入出庫の操作を操作者に行わせるための操作ボタン等が表示される。タッチパネル45の表示は後述する制御装置40によって制御され、また、タッチパネル45が操作者等によって操作されることにより入力された情報は、制御装置40に出力される。
【0037】
図5は、本実施形態に係る機械式駐車装置1の制御装置40が備える機能の一例を示した機能ブロック図である。制御装置40は、例えば、情報処理装置であり、CPU、CPUが実行するプログラム等を記憶するための補助記憶装置、各プログラム実行時のワーク領域として機能するメインメモリ、ネットワークに接続するための通信インターフェース等を備えている。また、制御装置40は、機械式駐車装置1を制御するために必要となる各種データが格納されている総合データベース52を備えている。総合データベース52には、在車状況、パレット形状種別、車両格納棚形状種別、当該機械式駐車装置1の使用を許可されている人物の識別情報、利用者等の連絡先(例えば、登録メールアドレス等)が格納されている。当該機械式駐車装置1の使用を許可されている人物には、利用者の他、管理者、保守員等が含まれる。
【0038】
また、制御装置40は、後述する入庫処理、出庫処理の実行に伴い、必要なデータを格納するための記憶部41を備えている。例えば、記憶部41には、第1のユーザ認証処理においてユーザ認証に成功した利用者ID(第1認証情報)、各種モードの情報等が格納される。
【0039】
制御装置40の補助記憶装置には、機械式駐車装置1の各機構を制御するための制御プログラム等が記憶されており、CPUが補助記憶装置に格納されている各種プログラムをメインメモリに読み出して実行することにより、後述する各部の機能を実現させる。また、プログラムの実行にあたり、CPUは総合データベース52に格納されている各種データを参照して用いる。
【0040】
上記制御プログラムは、制御装置40の製造時においてROM等の補助記憶装置に予め格納されていてもよいし、施工後などにおいて、制御プログラム等を配信するサーバ等からダウンロードしてインストールされてもよい。また、外部記憶装置を介してインストールされる態様としてもよい。このように、各種プログラムのインストール方法については特に限定されない。
【0041】
制御装置40は、主制御部50を備えている。主制御部50には、上述した総合データベース52に加えて、入出庫扉制御部55、搬送機制御部56、センサ制御部57、カメラ制御部58、画像データベース59、車両計測制御部61、旋回制御部62等が接続されている。また、主制御部50には、操作盤22が接続されており、双方向通信が可能な構成とされている。
【0042】
入出庫扉制御部55は、主制御部50から動作指令を受けて入出庫扉4を開閉駆動する扉駆動部63を制御することにより、入出庫扉4を開閉させる。また、入出庫扉制御部55は、入出庫扉センサ65から入出庫扉4の位置信号を受けて、その情報を主制御部50にフィードバックする。
扉駆動部63は、例えば、モータ等を備えて構成される。なお、扉駆動部63には、公知の種々の構成を適宜採用することができる。
入出庫扉センサ65は、例えば、入出庫扉4の全開を検知する扉全開検知センサ66(
図12参照)、入出庫扉4の全閉を検知する扉全閉検知センサ67(
図6参照)等を備えている。入出庫扉センサ65として、公知のセンサを適宜採用することができる。扉全開検知センサ66及び扉全閉検知センサ67の一例として、リミットスイッチ等が挙げられる。
【0043】
搬送機制御部56は、主制御部50から動作指令を受けてリフト14を駆動するリフト駆動部64を制御することにより、リフト14の昇降およびパレット18の積み下ろし動作を制御する。また、搬送機制御部56は、搬送機位置センサ68からリフト14の位置信号を受けて、その情報を主制御部50にフィードバックする。
【0044】
センサ制御部57は、内部検知センサ30の検出信号を受信し、その情報を主制御部50に出力する。また、センサ制御部57は、入退出検知センサ32の検出信号に基づいて人又は車両の入退出を判定し、判定結果を主制御部50に出力する。また、センサ制御部57は、着床検知センサ34の検出信号を受信し、その情報を主制御部50に出力する。ここで、着床検知センサ34は、例えば、リフト14が乗降室7に着床したことを検知するセンサである。着床検知センサ34は、機械式駐車装置が一般的に備えるセンサ(例えば、特開2006-307495のケージ着床検知器等)であり、公知のセンサを用いればよい。
【0045】
カメラ制御部58は、主制御部50から動作指令を受けて乗降室7の内部に設置されたカメラ35(35A~35D)に画像を撮像させ、その画像情報を主制御部50に出力する。この画像情報は、画像データベース59に所定の期間蓄積される。なお、画像データベース59を総合データベース52の内部に設けたり、クラウド上に設けたりしても良い。
【0046】
車両計測制御部61は、主制御部50から動作指令を受けて、車両計測器69により、リフト14に搭載された車両の車重を計測し、車重センサ73を介してその情報を主制御部50にフィードバックする。この車重情報は、リフト14の制御等に用いられる。
【0047】
旋回制御部62は、主制御部50から動作指令を受けて、ターンテーブル8を旋回させる旋回駆動部11を制御することによってターンテーブル8を動作させる。また、旋回制御部62は、ターンテーブル位置センサ71によりターンテーブル8の旋回位置信号を受けて、その情報を主制御部50にフィードバックする。
【0048】
主制御部50は、各制御部55,56,57,58,61,62からのフィードバック、操作盤22からの入力情報に基づいて機械式駐車装置1を運行させる。また、主制御部50は、操作盤22と授受する各種情報に基づいて入庫処理の制御プログラムや出庫処理の制御プログラムを実行する。なお、内部検知センサ30、入退出検知センサ32、着床検知センサ34の検出信号については、上述したセンサ制御部57を介して主制御部50に入力されるのに代えて、直接的に主制御部50に入力されることとしてもよい。このようにすることで、検知信号に応じたより迅速な制御を実施することが可能となる。
【0049】
図6は、本実施形態に係る扉通電制御装置80及び搬送通電制御装置90の一構成例を示した図である。
図6に示すように、扉通電制御装置80は、開閉器(扉用開閉器)81と、開閉器制御部(扉用開閉器制御手段)82とを備えている。また、搬送通電制御装置90は、開閉器91と、開閉器制御部(開閉器制御手段)92とを備えている。
【0050】
入出庫扉4を駆動する扉駆動部63には、電源70から電力が供給される。電源70と扉駆動部63を接続する電路にはブレーカー74が設けられている。
同様に、車両の搬送に関する搬送機器を駆動する搬送機器駆動部60には、電源70から電力が供給される。搬送機器には、リフト14が含まれる。また、搬送装置には、ターンテーブル8が含まれてもよい。また、搬送機器駆動部60には、リフト14を駆動するリフト駆動部64が含まれる。また、搬送機器駆動部60には、ターンテーブル8を駆動する旋回駆動部11が含まれてもよい。
電源70と搬送機器駆動部60とを接続する電路にはブレーカー75が設けられている。
【0051】
過電流等の異常が発生した場合には、ブレーカー74,75が作動することにより、扉駆動部63、搬送機器駆動部60への電力供給が遮断されるように構成されている。また、ブレーカー74,75は、作業員等によって安全が確認された後に作業員によって復旧され、電源が再投入される。
【0052】
また、電源70と扉駆動部63とを接続する電路であって、ブレーカー74よりも下流側、換言すると、扉駆動部63に近い電路には、開閉器81が設けられている。開閉器81は、扉駆動部63への電力供給を制御するものである。開閉器81は、例えば、扉駆動部63への電力投入及び電力遮断を切り替える機械的スイッチであり、一例として、マグネットコンタクタ、マグネットスイッチ等が挙げられる。開閉器81の開閉は、開閉器制御部82によって制御される。
【0053】
開閉器制御部82は、例えば、情報処理装置であり、CPU、CPUが実行するプログラム等を記憶するための補助記憶装置、各プログラム実行時のワーク領域として機能するメインメモリ、他の装置と情報を送受信するための通信インターフェース等を備えている。また、開閉器制御部82の補助記憶装置には、開閉器81の開閉を制御するための扉通電制御プログラム等が記憶されており、CPUが補助記憶装置に格納されているプログラムをメインメモリに読み出して実行することにより、後述する各種処理を実現させる。
【0054】
上記扉通電制御プログラムは、開閉器制御部82の製造時においてROM等の補助記憶装置に予め格納されていてもよいし、施工後などにおいて、当該プログラム等を配信するサーバ等からダウンロードしてインストールされてもよい。また、外部記憶装置を介してインストールされる態様としてもよい。このように、各種プログラムのインストール方法については特に限定されない。
【0055】
開閉器制御部82は、例えば、入庫時又は出庫時において、乗降室7にリフト14が着床したことが着床検知センサ34によって検知された場合に、開閉器81を閉じて扉駆動部63への電力供給を開始させる。また、開閉器制御部82は、例えば、入庫時又は出庫時において、乗降室7における車両の入庫又は退出が完了し、リフト14の搬送が開始されると、開閉器81を開いて扉駆動部63への電力供給を遮断する。
より具体的には、開閉器制御部82は、着床検知センサ34から着床検知信号(オン信号)が入力された場合に開閉器81を閉じ、着床検知センサ34から着床解除信号(オフ信号)が入力された場合に開閉器81を開く。
【0056】
また、電源70と搬送機器駆動部60とを接続する電路であって、ブレーカー75よりも下流側、換言すると、搬送機器駆動部60に近い電路には、開閉器91が設けられている。開閉器91は、搬送機器駆動部60への電力供給を制御するものである。開閉器91は、例えば、搬送機器駆動部60への電力投入及び電力遮断を切り替える機械的スイッチであり、一例として、マグネットコンタクタ、マグネットスイッチ等が挙げられる。開閉器91の開閉は、開閉器制御部92によって制御される。
【0057】
開閉器制御部92は、例えば、情報処理装置であり、CPU、CPUが実行するプログラム等を記憶するための補助記憶装置、各プログラム実行時のワーク領域として機能するメインメモリ、他の装置と情報を送受信するための通信インターフェース等を備えている。また、開閉器制御部92の補助記憶装置には、開閉器91の開閉を制御するための搬送通電制御プログラム等が記憶されており、CPUが補助記憶装置に格納されているプログラムをメインメモリに読み出して実行することにより、後述する各種処理を実現させる。
【0058】
上記搬送通電制御プログラムは、開閉器制御部92の製造時においてROM等の補助記憶装置に予め格納されていてもよいし、施工後などにおいて、当該プログラム等を配信するサーバ等からダウンロードしてインストールされてもよい。また、外部記憶装置を介してインストールされる態様としてもよい。このように、各種プログラムのインストール方法については特に限定されない。
【0059】
開閉器制御部92は、例えば、扉全閉検知センサ67からの検出信号が入力される構成とされている。開閉器制御部92は、例えば、入庫時又は出庫時において、入出庫扉4が開き始めたことが扉全閉検知センサ67によって検知された場合に、開閉器91を開いて搬送機器駆動部60への電力供給を遮断する。また、開閉器制御部92は、例えば、入庫時又は出庫時において、入出庫扉4が全閉状態となったことが扉全閉検知センサ67によって検知された場合に、開閉器91を閉じて搬送機器駆動部60への電力供給を開始させる。
より具体的には、開閉器制御部92は、扉全閉検知センサ67から扉閉解除信号(オフ信号)が入力された場合に開閉器91を開き、扉全閉検知センサ67から扉全閉信号(オン信号)が入力された場合に開閉器91を閉じる。
【0060】
〔入庫処理〕
次に、入庫時において、制御装置40によって実行される入庫処理の一例について図を参照して説明する。
図7~
図9は、制御装置40によって実行される入庫処理の手順の一例を示したフローチャートである。
【0061】
まず入庫を行う場合、利用者は車両2を入出庫口3の前に移動させ、降車して、操作盤22に向かう。そして、専用の鍵で施錠を解錠し筐体43の蓋44を開ける。制御装置40は、蓋44が開いたことを検知すると(
図7のSA1)、操作盤22のタッチパネル45に第1のユーザ認証画面を表示させる(SA2)。
【0062】
利用者がICカードをICカードリーダ46に接触させると、ICカードに登録されている利用者ID(第1認証情報)が読み取られ、制御装置40に送信される。制御装置40は、利用者IDが入力されると(SA3)、入庫を行おうとしている人物が予め登録された利用者であるか否かを判定する第1のユーザ認証(第1認証)を行う(SA4)。具体的には、制御装置40は総合データベース52にアクセスし、入力された利用者IDが登録されているか否かを判定する。この結果、第1のユーザ認証が成功しなかった場合には(SA5:NO)、タッチパネル45にユーザ認証に失敗したメッセージを表示させることによりユーザに認証が失敗したことを通知した上で、第1のユーザ認証画面を表示させる(SA2)。
【0063】
一方、第1のユーザ認証が成功した場合(SA5:YES)、すなわち、利用者IDが総合データベース52に登録されている場合には、操作盤22のタッチパネル45からの入力操作が可能な操作許可状態とし(SA6)、第1のユーザ認証が成功した利用者IDを記憶部41に記憶し(SA7)、操作盤22のタッチパネル45に入庫起動確認画面を表示させる(SA8)。
【0064】
入庫起動確認画面において、起動ボタンが押下されると(SA9)、制御装置40は、機械機構(入出庫扉4、ターンテーブル8、リフト14等)の運転が可能な運転許可状態とし(SA10)、車両格納棚17から空パレットを呼び出す。また、このとき、タッチパネル45に入庫待ちの状態を示す入庫待ち確認画面を表示してもよい。
【0065】
次に、空パレットが乗降室7に到着し、着床検知センサ34によってリフトの着床が検知されると(SA11)、着床検知センサ34から扉通電制御装置80(
図6参照)にオン信号が通知される。扉通電制御装置80の開閉器制御部82は、オン信号を受け付けると、開閉器81を閉じて扉駆動部63への電力供給を開始させる(ST1)。
【0066】
続いて、制御装置40はタッチパネル45に入出庫扉4が開くことを示す扉開画面を表示し(SA12)、開扉を開始する(
図8のSA13)。入出庫扉4が開き始めることにより、扉全閉検知センサ67から搬送通電制御装置90(
図6参照)にオフ信号が通知される。搬送通電制御装置90の開閉器制御部92は、オフ信号を受け付けると、開閉器91を開放し搬送機器駆動部60への電力供給を遮断する(SH1)。
【0067】
続いて、入出庫扉4が完全に開いたことが扉全開検知センサ(図示略)によって検知されると(SA14)、制御装置40は利用者に対して入庫を促す入庫案内画面をタッチパネル45に表示させ(SA15)、更に、操作盤22のタッチパネル45からの入力を受け付けない操作ロック状態とする(SA16)。これにより、利用者が操作盤22の前を離れている間における第三者によるタッチパネル45からの入力を阻止することが可能となる。
【0068】
入庫案内画面を確認した利用者は車両2に乗り込み、車両2を乗降室内に移動させ、乗降室内に搬送された空パレット上に車両2を停止させ、操作盤22の前に戻る。
制御装置40は、操作盤22のタッチパネル45に第2のユーザ認証画面を表示させ、利用者に対して認証情報の入力を促す(SA17)。
【0069】
これにより、利用者等がICカードをICカードリーダ46に接触させ、認証情報(第2認証情報)が入力されると(SA18)、制御装置40は、第2のユーザ認証を行う(SA19)。第2のユーザ認証(第2認証)では、受信した利用者ID(第2認証情報)が予め登録されている利用者IDであるか否かを判定する。この結果、第2のユーザ認証に成功した場合には(SA19:YES)、続いて、第1のユーザ認証で入力された利用者ID(第1認証情報)と第2のユーザ認証で入力された利用者ID(第2認証情報)とが同一か否かを判定する照合処理を行う(SA20)。照合処理では、入出庫扉4を開けた人物と閉める人物とが同一であるか否かを判定する。照合処理に成功した場合には(SA20:YES)、ステップSA21に移行する。
【0070】
一方、第2のユーザ認証が成功しなかった場合(SA19:NO)、又は、照合処理が成功しなかった場合には(SA20:NO)、ステップSA17に戻り、第2のユーザ認証画面を表示させる。なお、このとき、認証又は照合に失敗した旨を通知することとしてもよい。
【0071】
ステップSA21において、制御装置40は、操作盤22を操作許可状態とする(SA21)。続いて、制御装置40は、乗降室内の無人確認を利用者に行わせるための無人確認画面をタッチパネル45に表示させる(
図9のSA22)。無人確認画面では、例えば、無人確認ボタンを表示するとともに、乗降室内の無人を確認した上で無人確認ボタンを操作するように利用者を促すガイダンスが表示される。この無人確認画面において無人確認ボタンが押されると(SA23)、制御装置40は、操作盤22のタッチパネル45に入出庫扉4を閉めるための扉閉画面を表示させる(SA24)。閉扉画面では、例えば、閉扉ボタンを表示するとともに、乗降室内の無人を再度確認した上で閉扉ボタンを操作するように利用者を促すガイダンスが表示される。
【0072】
この閉扉画面において、閉扉ボタンが押されると(SA25)、制御装置40は、閉扉を開始する(SA26)。そして、入出庫扉4の全閉が扉全閉検知センサ67によって検知されると(SA27)、扉全閉検知センサ67から搬送通電制御装置90(
図6参照)にオン信号が通知される。搬送通電制御装置90の開閉器制御部92は、オン信号を受け付けると、開閉器91を閉じ、搬送機器駆動部60への電力供給を開始させる(SH2)。
続いて、制御装置40は、車両の格納を開始する(SA28)。具体的には、車両を所定の格納棚に格納すべく、リフト14を駆動させる。リフト14が上昇することにより、着床検知センサ34から扉通電制御装置80(
図6参照)にオフ信号が通知される。扉通電制御装置80の開閉器制御部82は、オフ信号を受け付けると、開閉器81を開放し、扉駆動部63への電力供給を遮断する(ST2)。続いて、車両2の格納が完了すると(SA29)、記憶部41に記憶されている利用者ID(第1認証情報)を消去し(SA30)、入庫処理を終了する。
【0073】
〔扉通電制御処理〕
次に、入庫時において、扉通電制御装置80によって実行される扉通電制御処理の一例について図を参照して説明する。
図10は、扉通電制御装置80、具体的には、開閉器制御部82によって実行される扉通電制御方法の処理手順の一例を示したフローチャートである。
【0074】
まず、開閉器制御部82は、制御装置40によって入庫処理が開始されると、着床検知センサ34から着床検知信号(オン信号)を受信したか否かを判定する(SB1)。この結果、着床検知信号を受信していない場合には(SB1:NO)、着床検知信号を受信するまで待機状態となる。一方、着床検知信号を受信した場合には(SB1:YES)、開閉器制御部82は開閉器81を閉じる(SB2)。これにより、電源70(
図6参照)から扉駆動部63への電力供給が開始される(
図7のST1の状態)。
【0075】
続いて、開閉器制御部82は、着床検知センサ34から着床解除信号(オフ信号)を受信したか否かを判定する(SB3)。この結果、着床解除信号を受信していない場合には(SB3:NO)、着床解除信号を受信するまで待機状態となる。一方、着床解除信号を受信した場合には(SB3:YES)、開閉器制御部82は開閉器81を開放し(SB4)、本処理を終了する。これにより、電源70(
図6参照)から扉駆動部63への電力供給が遮断される(
図9のST2の状態)。
【0076】
〔搬送通電制御処理〕
次に、入庫時において、搬送通電制御装置90によって実行される搬送通電制御処理の一例について図を参照して説明する。
図11は、搬送通電制御装置90、具体的には、開閉器制御部92によって実行される搬送通電制御方法の処理手順の一例を示したフローチャートである。
【0077】
まず、開閉器制御部92は、制御装置40によって入庫処理が開始されると、扉全閉検知センサ67から扉全閉解除信号(オフ信号)を受信したか否かを判定する(SC1)。この結果、扉全閉解除信号を受信していない場合には(SC1:NO)、扉全閉解除信号を受信するまで待機状態となる。一方、扉全閉解除信号を受信した場合には(SC1:YES)、開閉器制御部92は開閉器91を開放する(SC2)。これにより、電源70(
図6参照)から搬送機器駆動部60への電力供給が遮断される(
図8のSH1の状態)。
【0078】
続いて、開閉器制御部92は、扉全閉検知センサ67から扉全閉信号(オン信号)を受信したか否かを判定する(SC3)。この結果、扉全閉信号を受信していない場合には(SC3:NO)、扉全閉信号を受信するまで待機状態となる。一方、扉全閉信号を受信した場合には(SC3:YES)、開閉器制御部92は開閉器91を閉じ(SC4)、本処理を終了する。これにより、電源70(
図6参照)から搬送機器駆動部60への電力供給が開始される(
図9のSH2の状態)。
【0079】
〔出庫処理〕
出庫処理については、入庫起動確認画面(
図7のSA8)、入庫案内画面(
図8のSA15)等のように入庫に特化した画面が、出庫起動確認画面、出庫案内画面等のように出庫に特化した画面に変更される点、パレットの呼出処理において、入庫時は空パレットが呼び出されるのに対して、出庫時は車両が載置されたパレットが呼び出される点以外は、上述した入庫処理における各種処理と同様である。したがって、ここでの詳細な説明は省略する。
【0080】
また、出庫時における扉通電制御装置80による扉通電制御方法及び搬送通電制御装置90による搬送通電制御方法も入庫時と同様であるため、ここでの詳細な説明は省略する。
【0081】
以上説明してきたように、本実施形態によれば、人が乗降室7内に入室する可能性のある期間において、搬送機器(リフト14、ターンテーブル8等)への電力供給を遮断させることが可能となる。これにより、人が乗降室7内に入室する可能性のある期間において搬送機器が駆動することを確実に防止することができる。すなわち、本実施形態によれば、搬送機器を駆動させる搬送機器駆動部60への電力供給自体を遮断するので、ソフトウェア処理によって搬送機器の運転をロックする場合に比べて、搬送機器の駆動をより確実に防止することが可能となる。これにより、安全性を更に高めることが可能となる。
【0082】
なお、本実施形態では、入出庫扉4の開き始め、換言すると、扉全閉検知センサ67から扉全閉解除信号が通知されたときに、開閉器91を開放することとしたが、これに限られない。例えば、開閉器制御部92は、搬送機器(例えば、リフト14)が乗降室7に着床したときから入出庫扉4の全開状態が検知されるときまでの所定のタイミングにおいて、開閉器91を開くこととしてもよい。例えば、開閉器制御部92は、着床検知センサ34によって着床が検知されたときに、開閉器91を開くこととしてもよい。また、開閉器制御部92は、扉全開検知センサによって入出庫扉4の全開が検知されたときに、開閉器91を開くこととしてもよい。
【0083】
また、本実施形態において、内部検知センサ30による無人確認を組み合わせ、内部検知センサ30によって乗降室内の無人が確認された場合に、開閉器81、91を閉じることとしてもよい。
例えば、
図10のステップSB1において、着床検知信号を受信した場合に、開閉器制御部82は、内部検知センサ30によって乗降室7が無人であることが検知されているか否かを判定し、乗降室7が無人であると判定した場合に、開閉器81を閉じることとしてもよい。
【0084】
また、例えば、
図11のステップSC3において扉全閉信号を受信した場合に、開閉器制御部92は、内部検知センサ30によって乗降室7が無人であることが検知されているか否かを判定し、乗降室7が無人であると判定した場合に、開閉器91を閉じることとしてもよい。
なお、乗降室7が無人であることの判定は、内部検知センサ30からの信号に基づいて開閉器制御部82、92が判定してもよいし、主制御部50から開閉器制御部82、92に無人確認信号が入力されるような構成としてもよい。あるいは、カメラ35によって撮影された映像をモニタ28に表示させ、利用者に乗降室7の無人確認をさせることとしてもよい。
【0085】
〔第2実施形態〕
次に、本開示の第2実施形態に係る搬送通電制御装置、搬送通電制御方法、搬送通電制御プログラム、及び機械式駐車装置について、図面を参照して説明する。
上述した第1実施形態においては、着床検知センサ34からの信号に基づいて扉通電制御を行うとともに、扉全閉検知センサ67からの信号に基づいて搬送通電制御を行っていた。本実施形態では、主制御部50からの信号を開閉器81、91の開閉制御に反映させる点が異なる。また、本実施形態では、第1実施形態よりも開閉器81、91の開閉を更に細かく制御する点が異なる。
以下、上述した第1実施形態と同一の構成については同一の符号を付し説明を省略し、異なる構成について主に説明する。
【0086】
図12は、本実施形態に係る扉通電制御装置80a及び搬送通電制御装置90aの一構成例を示した図である。
図12に示すように、開閉器制御部82aには、例えば、着床検知センサ34、扉全開検知センサ66、扉全閉検知センサ67、及び主制御部50からの信号が入力される構成とされている。また、開閉器制御部92aには、着床検知センサ34、扉全閉検知センサ67、及び主制御部50からの信号が入力される構成とされている。
【0087】
〔扉通電制御処理〕
次に、入庫時において、扉通電制御装置80aによって実行される扉通電制御処理の一例について図を参照して説明する。
図13は、本実施形態に係る扉通電制御装置80a、具体的には、開閉器制御部82aによって実行される扉通電制御方法の処理手順の一例を示したフローチャートである。
【0088】
まず、開閉器制御部82aは、制御装置40によって入庫処理が開始されると、着床検知センサ34から着床検知信号(オン信号)を受信したか否かを判定する(SD1)。この結果、着床検知信号を受信していない場合には(SD1:NO)、着床検知信号を受信するまで待機状態となる。一方、着床検知信号を受信した場合には(SD1:YES)、開閉器制御部82aは開閉器91を閉じる(SD2)。これにより、電源70(
図6参照)から扉駆動部63への電力供給が開始される。
【0089】
続いて、開閉器制御部82aは、扉全開検知センサ66から扉全開信号(オン信号)を受信したか否かを判定する(SD3)。この結果、扉全開信号を受信していない場合には(SD3:NO)、扉全開信号を受信するまで待機状態となる。一方、扉全開信号を受信した場合には(SD3:YES)、開閉器制御部82aは開閉器81を開放する(SD4)。これにより、電源70(
図12参照)から扉駆動部63への電力供給が遮断される。
【0090】
続いて、開閉器制御部82aは、主制御部50から閉扉指示信号を受信したか否かを判定する(SD5)。この閉扉指示信号は、例えば、
図9のステップSA25において、利用者によって閉扉指示が入力された場合に、主制御部50から扉駆動部63及び扉通電制御装置80aに出力される信号である。開閉器制御部82aは、閉扉指示信号を受信していない場合には(SD5:NO)、閉扉指示信号を受信するまで待機状態となる。一方、閉扉指示信号を受信した場合には(SD5:YES)、開閉器制御部82aは開閉器81を閉じる(SD6)。これにより、電源70(
図12参照)から扉駆動部63への電力供給が開始される。
【0091】
続いて、開閉器制御部82aは、扉全閉検知センサ67から扉全閉信号(オン信号)を受信したか否かを判定する(SD7)。この結果、扉全閉信号を受信していない場合には(SD7:NO)、扉全閉信号を受信するまで待機状態となる。一方、扉全閉信号を受信した場合には(SD7:YES)、開閉器制御部82aは開閉器81を開放し(SD8)、本処理を終了する。これにより、電源70(
図12参照)から扉駆動部63への電力供給が遮断される。
【0092】
上記の扉通電制御方法によれば、例えば、
図7のステップSA11においてリフトの着床が検知された場合に、扉駆動部63への電力供給が開始され、
図8のステップSA14において入出庫扉の全開が検知された場合に、扉駆動部63への電力供給が遮断される。そして、
図9のステップSA25において利用者によって閉扉指示が入力されることにより、主制御部50から閉扉指示信号を受信した場合に、扉駆動部63への電力供給が開始され、
図9のステップSA27において入出庫扉4の全閉が検知された場合に、扉駆動部63への電力供給が遮断される。
【0093】
〔搬送通電制御処理〕
次に、入庫時において、搬送通電制御装置90aによって実行される搬送通電制御処理の一例について図を参照して説明する。
図14は、搬送通電制御装置90a、具体的には、開閉器制御部92aによって実行される搬送通電制御方法の処理手順の一例を示したフローチャートである。
【0094】
まず、開閉器制御部92aは、制御装置40によって入庫処理が開始されると、主制御部50から起動許可信号を受信したか否かを判定する(SE1)。この起動許可信号は、例えば、上述した第1実施形態の入庫処理において、
図7のステップSA9において、利用者によって起動ボタンが押下された場合に、主制御部50から搬送通電制御装置90aに出力される信号である。開閉器制御部92aは、起動許可信号を受信していない場合には(SE1:NO)、起動許可信号を受信するまで待機状態となる。一方、起動許可信号を受信した場合には(SE1:YES)、開閉器制御部92aは開閉器91を閉じる(SE2)。これにより、電源70(
図12参照)から搬送機器駆動部60への電力供給が開始される。
【0095】
続いて、開閉器制御部92aは、着床検知センサ34から着床検知信号(オン信号)を受信したか否かを判定する(SE3)。この結果、着床検知信号を受信していない場合には(SE3:NO)、着床検知信号を受信するまで待機状態となる。一方、着床検知信号を受信した場合には(SE3:YES)、開閉器制御部92aは開閉器91を開放する(SE4)。
続いて、開閉器制御部92aは、入出庫扉センサ65から扉全閉信号(オン信号)を受信したか否かを判定する(SE5)。この結果、扉全閉信号を受信していない場合には(SE5:NO)、扉全閉信号を受信するまで待機状態となる。一方、扉全閉信号を受信した場合には(SE5:YES)、開閉器制御部92aは開閉器91を閉じる(SE6)。
続いて、開閉器制御部92aは、主制御部50から格納完了信号を受信したか否かを判定する(SE7)。この格納完了信号は、例えば、上述した第1実施形態の入庫処理において、
図9のステップSA29において、車両の格納が完了した場合に、主制御部50から搬送通電制御装置90aに出力される信号である。開閉器制御部92aは、格納完了信号を受信していない場合には(SE7:NO)、格納完了信号を受信するまで待機状態となる。一方、格納完了信号を受信した場合には(SE7:YES)、開閉器制御部92aは開閉器91を解消し(SE8)、本処理を終了する。これにより、電源70(
図12参照)から搬送機器駆動部60への電力供給は遮断される。
【0096】
上記の搬送通電制御方法によれば、例えば、
図7のステップSA9において起動ボタンが利用者によって押下されることにより、主制御部50から起動許可信号を受信した場合に、搬送機器駆動部60への電力供給が開始され、続く、ステップSA11においてリフト14の着床が検知された場合に、搬送機器駆動部60への電力供給が遮断される。そして、
図9のステップSA27において入出庫扉4の全閉が検知された場合に、搬送機器駆動部60への電力供給が開始され、続くステップSA29において、主制御部50から格納完了信号を受信した場合に、搬送機器駆動部60への電力供給が遮断される。
【0097】
以上説明してきたように、本実施形態によれば、第1実施形態に比べて、開閉器81、91の開閉制御が、細やかに行われる。これにより、消費電力の削減を図ることが可能となる。
【0098】
なお、本実施形態において、主制御部50に加えて、各種センサからの検知信号が開閉器制御部82a、92aに入力される構成としたが、これに限られない。例えば、各種センサの検出信号についても、主制御部50を介して開閉器制御部82a、92aに入力されるような構成としてもよい。
【0099】
また、扉駆動部63への電力供給を遮断するタイミングについては、上記例に限られない。例えば、扉全開検知センサ66によって入出庫扉4の全開が検知されたときから着床検知センサ34によって着床が検知されなくなるまでの期間における所定のタイミングで、開閉器制御部82が開閉器81を開放するような構成としてもよい。
【0100】
また、扉駆動部63への電力供給を開始するタイミングについては、上記例に限られない。例えば、無人確認の後(例えば、
図9のSA23)から主制御部50によって入出庫扉4の閉扉が開始される(例えば、
図9のSA26)までの期間における所定のタイミングで、開閉器制御部82が開閉器81を閉じるような構成としてもよい。
【0101】
また、本実施形態において、内部検知センサ30による無人確認を組み合わせ、内部検知センサ30によって乗降室内の無人が確認された場合に、開閉器81、91を閉じることとしてもよい。
例えば、
図13のステップSD1において着床検知信号を受信した場合、ステップSD5において閉扉指示信号を受信した場合に、開閉器制御部82aは、内部検知センサ30によって乗降室7が無人であることが検知されているか否かを判定し、乗降室7が無人であると判定した場合に、開閉器81を閉じることとしてもよい。
【0102】
また、例えば、
図14のステップSE1において起動許可信号を受信した場合、ステップSE5において扉全閉信号を受信した場合に、開閉器制御部92aは、内部検知センサ30によって乗降室7が無人であることが検知されているか否かを判定し、乗降室7が無人であると判定した場合に、開閉器91を閉じることとしてもよい。
なお、乗降室7が無人であることの判定は、内部検知センサ30からの信号に基づいて開閉器制御部82a、92aが判定してもよいし、主制御部50から開閉器制御部82a、92aに無人確認信号が入力されるような構成としてもよい。
【0103】
〔変形例〕
例えば、扉通電制御装置80,80aと搬送通電制御装置90,90aとが相互に通信可能な構成としてもよい。この場合、扉通電制御装置80,80aと搬送通電制御装置90,90aとは、開閉器81,91を開閉するタイミングを相互に通知することにより、開閉器81と開閉器91とが共に閉状態となる状態を回避する。これにより、開閉器81が閉じられている期間において、開閉器91を開放状態とすることができ、同様に、開閉器91が閉じられている期間において、開閉器81を開放状態とすることができる。これにより、安全性を更に向上させることが可能となる。
【0104】
また、乗降室7内又は操作盤22に設けられている非常停止ボタンの操作信号が扉通電制御装置80,80a及び搬送通電制御装置90,90aに入力されるような構成とされてもよい。扉通電制御装置80,80a及び搬送通電制御装置90,90aは、非常停止ボタンが操作された場合に、開閉器81,91を開放し、扉駆動部63、搬送機器駆動部60への電力供給を遮断することとしてもよい。
【0105】
また、開閉器81,91は、それぞれ一つずつ設けられていたが、これらの設置数については限定されない。例えば、開閉器81,91は、それぞれ複数の開閉器が直列に接続された構成とされてもよい。これにより、一つの開閉器が故障しても、他の開閉器が開状態とされることで、確実に電力供給を遮断することが可能となる。
【0106】
また、扉通電制御装置80,80a及び搬送通電制御装置90,90aは、制御装置40とは個別の制御装置として設けられていたがこれに限られない。例えば、制御装置40が扉通電制御装置80,80a及び搬送通電制御装置90,90aの少なくともいずれか一つの機能を備える構成としてもよい。
【0107】
〔第3実施形態〕
次に、本開示の第3実施形態に係る搬送通電制御装置、搬送通電制御方法、搬送通電制御プログラム、及び機械式駐車装置について、図面を参照して説明する。上述した第1及び第2の実施形態では、乗降室7と車両格納棚17との間でリフト14によってパレット18が搬送されるエレベータ方式の機械式駐車装置1を例示して説明したが、本実施形態ではコンベヤによって車両の受け渡しをする平面往復方式の機械式駐車装置100を例示して説明する。
【0108】
図15は、本実施形態に係る機械式駐車装置100の概略構造を示す斜視図である。
図15に示すように、機械式駐車装置100は、例えば、複数の複列式格納棚群110を備えている。複列式格納棚群110は、車両2を格納する複数の格納棚112が連続的に配置されている。
各格納棚112には、横送りコンベヤ117が配設されている。各複列式格納棚群110間の通路(台車走行路)には、1台または複数台の台車105が設けられている。台車105は、例えば、レール上を走行することにより、複列式格納棚群110に沿って走行することができる。なお、複列式格納棚群110は階層構造になっており、これに対応して、台車105も各階に設けられている。台車105には、車両2を横送りするための横送りコンベヤ116が設けられている。
【0109】
複列式格納棚群110には、入庫又は出庫を行うためのバース(乗降室)102が入出庫階に設けられている。バース102は、リフト103が昇降するリフト昇降室101に併設されている。バース102には、横送りコンベヤ114(
図16参照)が設けられている。また、リフト103には、横送りコンベヤ115が設けられている。
図16は、バース(乗降室)102の概略外観図、
図17は、バース102の概略平面図である。
図16、
図17に示すように、乗降室でもあるバース102と、リフト昇降室101との間には、区画扉104が設けられている。
【0110】
図17に示すように、バース102の駐車場出入口SP側には、自動扉123が設けられている。この自動扉123は、バース102と駐車場出入口SPとの間を人が移動する際に用いられる出入口扉である。駐車場出入口SP側には、操作盤125が設けられている。この操作盤125は、自動扉123の近傍に設けられ、バース102内が視認可能な場所に設けられていることが好ましい。
【0111】
バース102の各所には複数のカメラ(図示略)が設置されている。複数のカメラは、後述する制御装置130(
図18参照)によって制御される。更に、バース102の各所には内部の無人を確認するための内部検知センサ(図示略)が設置されていてもよい。内部検知センサにより、バース内の人物等の検知や、車両の位置等の検知が可能とされている。
【0112】
なお、本実施形態に係る機械式駐車装置100の構成は、一例であり、他の公知の構成を採用することが可能である。
【0113】
図18は、本実施形態に係る電気的構成を概略的に示した概略電気構成図である。
図18に示すように、機械式駐車装置100は、制御装置130、バース通電制御装置180、及び搬送通電制御装置190を備えている。
制御装置130は、機械式駐車装置100全体の制御を行う。制御装置130は、例えば、図示しないCPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、及びコンピュータ読み取り可能な記憶媒体等から構成されている。そして、各種機能を実現するための一連の処理は、一例として、プログラム(例えば、機械式駐車装置の制御プログラム等)の形式で記憶媒体等に記憶されており、このプログラムをCPUがRAM等に読み出して、情報の加工・演算処理を実行することにより、後述の入庫処理、出庫処理等の各種処理が実現される。なお、プログラムは、ROMやその他の記憶媒体に予めインストールしておく形態や、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体に記憶された状態で提供される形態、有線又は無線による通信手段を介して配信される形態等が適用されてもよい。コンピュータ読み取り可能な記憶媒体とは、磁気ディスク、光磁気ディスク、CD-ROM、DVD-ROM、半導体メモリ等である。
【0114】
制御装置130は、例えば、バース102に設けられた機器を駆動させるバース駆動部140、リフト(搬送機器)103を昇降させるリフト駆動部150、台車105を走行させる台車駆動部160等を制御する。更に、制御装置130は、例えば、横送りコンベヤ115,116,117を駆動する横送り駆動部(図示略)を制御する。
バース駆動部140は、例えば、区画扉104を開閉させる扉駆動部141を含んでいる。更に、バース駆動部140は、横送りコンベヤ114を駆動する横送り駆動部142を含んでいてもよい。
【0115】
バース通電制御装置180は、開閉器(バース用開閉器)181と、開閉器制御部(バース用開閉器制御手段)182とを備えている。また、搬送通電制御装置190は、開閉器191と、開閉器制御部(開閉器制御手段)192とを備えている。
【0116】
バース駆動部140、リフト駆動部150、台車駆動部160には、電源200から電力が供給される。電源200とバース駆動部140とを接続する電路にはブレーカー120が設けられ、電源200とリフト駆動部150とを接続する電路にはブレーカー121が設けられ、電源200と台車駆動部160とを接続する電路にはブレーカー122が設けられている。
【0117】
過電流等の異常が発生した場合には、ブレーカー120~122が作動することにより、バース駆動部140、リフト駆動部150、台車駆動部160への電力供給が遮断されるように構成されている。また、ブレーカー120~122は、作業員等によって安全が確認された後に作業員によって復旧され、電源が再投入される。
【0118】
また、電源200とバース駆動部140とを接続する電路であって、ブレーカー120よりも下流側、換言すると、バース駆動部140に近い電路には、開閉器181が設けられている。開閉器181は、バース駆動部140への電力供給を制御するものである。開閉器181は、例えば、バース駆動部140への電力投入及び電力遮断を切り替える機械的スイッチであり、一例として、マグネットコンタクタ、マグネットスイッチ等が挙げられる。開閉器181の開閉は、開閉器制御部182によって制御される。
【0119】
開閉器制御部182は、例えば、情報処理装置であり、CPU、CPUが実行するプログラム等を記憶するための補助記憶装置、各プログラム実行時のワーク領域として機能するメインメモリ、他の装置と情報を送受信するための通信インターフェース等を備えている。また、開閉器制御部182の補助記憶装置には、開閉器181の開閉を制御するためのバース通電制御プログラム等が記憶されており、CPUが補助記憶装置に格納されているプログラムをメインメモリに読み出して実行することにより、後述する各種処理を実現させる。
【0120】
上記バース通電制御プログラムは、開閉器制御部182の製造時においてROM等の補助記憶装置に予め格納されていてもよいし、施工後などにおいて、当該プログラム等を配信するサーバ等からダウンロードしてインストールされてもよい。また、外部記憶装置を介してインストールされる態様としてもよい。このように、各種プログラムのインストール方法については特に限定されない。
【0121】
開閉器制御部182は、例えば、入庫時又は出庫時において、バース102が設けられた乗降階にリフト103が到着した場合に、開閉器181を閉じてバース駆動部140への電力供給を開始させる。また、開閉器制御部182は、例えば、入庫時又は出庫時において、バース102における車両2のリフト103への移動が完了し、リフト103の搬送が開始されると、開閉器181を開いてバース駆動部140への電力供給を遮断する。より具体的には、リフト昇降室101には、リフト103が乗降階に到着したことを検知するためのリフト乗降室センサ171が設けられている。リフト乗降室センサ171として公知のセンサを適宜採用することができる。例えば、リフト乗降室センサ171の一例として、リミットスイッチ等が挙げられる。開閉器制御部182は、リフト乗降室センサ171からオン信号(到着検知信号)が出力された場合に開閉器181を閉じ、リフト乗降室センサ171からオフ信号(到着解除信号)が出力された場合に開閉器181を開放する。
【0122】
また、電源200とリフト駆動部150とを接続する電路であって、ブレーカー121よりも下流側、換言すると、リフト駆動部150に近い電路には、開閉器191が設けられている。開閉器191は、リフト駆動部150への電力供給を制御するものである。開閉器191は、例えば、リフト駆動部150への電力投入及び電力遮断を切り替える機械的スイッチであり、一例として、マグネットコンタクタ、マグネットスイッチ等が挙げられる。開閉器191の開閉は、開閉器制御部192によって制御される。
【0123】
開閉器制御部192は、例えば、情報処理装置であり、CPU、CPUが実行するプログラム等を記憶するための補助記憶装置、各プログラム実行時のワーク領域として機能するメインメモリ、他の装置と情報を送受信するための通信インターフェース等を備えている。また、開閉器制御部192の補助記憶装置には、開閉器191の開閉を制御するための搬送通電制御プログラム等が記憶されており、CPUが補助記憶装置に格納されているプログラムをメインメモリに読み出して実行することにより、後述する各種処理を実現させる。
【0124】
上記搬送通電制御プログラムは、開閉器制御部192の製造時においてROM等の補助記憶装置に予め格納されていてもよいし、施工後などにおいて、当該プログラム等を配信するサーバ等からダウンロードしてインストールされてもよい。また、外部記憶装置を介してインストールされる態様としてもよい。このように、各種プログラムのインストール方法については特に限定されない。
【0125】
開閉器制御部192は、扉全閉検知センサ172からの検出信号が入力される構成とされている。開閉器制御部192は、例えば、入庫時又は出庫時において、区画扉104が開き始めた場合に、開閉器191を開放してリフト駆動部150への電力供給を遮断させる。また、開閉器制御部192は、例えば、入庫時又は出庫時において、区画扉104が全閉状態とされた場合に、開閉器191を閉じてリフト駆動部150への電力供給を開始する。例えば、開閉器制御部192は、扉全閉検知センサ172からオン信号(扉全閉信号)が出力された場合に開閉器191を閉じ、扉全閉検知センサ172からオフ信号(扉全閉解除信号)が出力された場合に開閉器191を開放する。
【0126】
〔入庫処理〕
次に、本実施形態に係る機械式駐車装置100の入庫時におけるバース通電制御装置180及び搬送通電制御装置190の制御について
図19を参照して説明する。
図19は、本実施形態に係る入庫処理の手順の一例を示した図である。
まず、利用者は、バース102内の所定停車位置に車両2を停止させ、降車し、自動扉123から退出する。利用者がバース102から退出すると、操作員は操作盤125のICカードリーダにICカードをかざすことにより、認証情報を入力する。機械式駐車装置100の制御装置130は、操作盤125から認証情報を受け付けると、入庫予約を行う。
【0127】
制御装置130は、リフト駆動部150を駆動させることにより、リフト103をバース102に向けて昇降させる。また、制御装置130は、台車駆動部160を駆動させることにより、リフト103から車両を受け入れる受入可能位置に台車105を移動させる。
リフト103が乗降階に到着すると、リフト乗降室センサ171がオン状態となり、到着検知信号(オン信号)が開閉器制御部182に出力される。開閉器制御部182は、到着検知信号を受信すると、開閉器181を閉じ、バース駆動部140への電力供給を開始させる(SH1)。
【0128】
一方、利用者により、バース102内の無人が確認され、操作盤125において無人確認ボタンが押されると、続いて、操作員による安全確認が行われ、操作盤125において安全確認ボタンが押される。制御装置130は、安全確認ボタンの押下を受け付けると、扉駆動部141を駆動させることにより、区画扉104を開く。これにより、扉全閉検知センサ172から扉全閉解除信号(オフ信号)が開閉器制御部192に出力される。開閉器制御部192は、扉全閉解除信号を受信すると、開閉器191を開放し、リフト駆動部150への電力供給を遮断させる(SH2)。
【0129】
続いて、制御装置130は、区画扉104が全開状態であることが扉全開センサ(図示略)によって検知されると、横送り駆動部142を駆動させる。これにより、横送りコンベヤ114によって車両2がリフト103に横行引き渡しされる。制御装置130は、車両2のリフト103上への移動が完了すると、区画扉104を閉じる。そして、区画扉104が完全に閉じ、扉全閉検知センサ172から扉全閉検知信号(オン信号)が開閉器制御部192に出力される。開閉器制御部192は、扉全閉検知信号を受信すると、開閉器191を閉じ、リフト駆動部150への電力供給を開始させる(SH3)。
【0130】
続いて、制御装置130は、リフト駆動部150を駆動させることにより、リフト103を格納階まで移動させる。これにより、リフト乗降室センサ171から到着解除信号(オフ信号)が開閉器制御部182に出力される。開閉器制御部182は、到着解除信号を受信すると、開閉器181を開放し、バース駆動部140への電力供給を遮断させる(SH4)。
リフト103が格納階に到達したことが検知されると、制御装置130は、リフト103に設けられた横送りコンベヤ115の横送り駆動部(図示略)を駆動させる。これにより、車両2は格納階で連動待ちしていた台車105に横行引き渡しされる。続いて、制御装置130は、台車駆動部160を駆動させ、台車105を所定の格納棚112まで移動させる。そして、制御装置130は、台車105に設けられた横送りコンベヤ116の横送り駆動部(図示略)、格納棚112に設けられた横送りコンベヤ117の横送り駆動部(図示略)を駆動することにより、車両2を所定の格納棚112に格納させ、入庫処理を終了する。
【0131】
〔出庫処理〕
出庫処理については、車両2の移動経路を入庫時と逆にすればよく、主な処理は同様である。したがって、ここでの詳細な説明は省略する。また、出庫時におけるバース通電制御装置180によるバース通電制御方法及び搬送通電制御装置190によるリフト通電制御方法も入庫時と同様であるため、ここでの詳細な説明は省略する。
【0132】
以上説明してきたように、本実施形態に係る搬送通電制御装置190によれば、区画扉104が開いている状態において、リフト(搬送機器)103への電力供給を遮断させることが可能となる。これにより、区画扉104が開いている状態でリフト103が駆動することを確実に防止することができる。すなわち、本実施形態によれば、リフト103を駆動させるリフト駆動部150への電力供給自体を遮断するので、ソフトウェア処理によってリフト103の運転をロックする場合に比べて、リフト103の駆動をより確実に防止することが可能となる。これにより、安全性を更に高めることが可能となる。
【0133】
また、本実施形態に係るバース通電制御装置180によれば、リフト103が動いている期間においてバース駆動部140への電力供給を遮断させることが可能となる。これにより、リフト103が動いている状態で区画扉104、横送りコンベヤ114等が駆動することを確実に防止することができる。すなわち、本実施形態によれば、区画扉104、横送りコンベヤ114等を駆動させるバース駆動部140への電力供給自体を遮断するので、ソフトウェア処理によってこれらの機器の運転をロックする場合に比べて、これらの機器の駆動をより確実に防止することが可能となる。これにより、安全性を更に高めることが可能となる。
【0134】
〔第4実施形態〕
次に、本開示の第4実施形態に係る搬送通電制御装置、搬送通電制御方法、搬送通電制御プログラム、及び機械式駐車装置について、図面を参照して説明する。
上述した第3実施形態においては、リフト乗降室センサ171からの信号に基づいてバース通電制御を行うとともに、扉全閉検知センサ172からの信号に基づいて搬送通電制御を行っていた。本実施形態では、リフト乗降室センサ171、扉全閉検知センサ172及び制御装置130からの信号を開閉器181、191の開閉制御に反映させる点が異なる。また、本実施形態では、第3実施形態よりも開閉器191の開閉をより細かく制御する点が異なる。
以下、上述した第3実施形態と同一の構成については同一の符号を付し説明を省略し、異なる構成について主に説明する。
【0135】
図20は、本実施形態に係る電気的構成を概略的に示した概略電気構成図である。
図20に示すように、開閉器制御部182aには、リフト乗降室センサ171及び制御装置130からの信号が入力される構成とされている。また、開閉器制御部192aには、扉全閉検知センサ172及び制御装置130からの信号が入力される構成とされている。
【0136】
〔入庫処理〕
次に、本実施形態に係る機械式駐車装置100の入庫時におけるバース通電制御装置180a及び搬送通電制御装置190aの制御について
図21を参照して説明する。
図21は、本実施形態に係る入庫処理の手順の一例を示した図である。
【0137】
まず、入庫予約までは、上述した第3実施形態と同様のため、説明を省略する。入庫予約がされると、制御装置130は、開閉器制御部192aに対してリフト起動指示信号を出力する。開閉器制御部192aは、リフト起動指示信号を受け付けると、開閉器191を閉じ、リフト駆動部150への電力供給を開始させる(SJ1)。制御装置130は、リフト駆動部150を駆動させることにより、リフト103をバース102に向けて昇降させる。また、制御装置130は、台車駆動部160を制御することにより、リフト103から車両を受け入れる受入可能位置に台車105を移動させる。
リフト103が乗降階に到着すると、リフト乗降室センサ171がオン状態となり、到着検知信号(オン信号)が開閉器制御部182aに出力される。開閉器制御部182aは、到着検知信号を受信すると、開閉器181を閉じ、バース駆動部140への電力供給を開始させる(SH1)。
【0138】
一方、利用者により、バース102内の無人が確認され、操作盤125において無人確認ボタンが押されると、続いて、操作員による安全確認が行われ、操作盤125において安全確認ボタンが押される。制御装置130は、安全確認ボタンの押下を受け付けると、扉駆動部141を駆動させることにより、区画扉104を開く。これにより、扉全閉検知センサ172がオフとなり、扉全閉解除信号(オフ信号)が開閉器制御部192aに出力される。開閉器制御部192aは、扉全閉解除信号を受信すると、開閉器191を開放し、リフト駆動部150への電力供給を遮断させる(SH2)。
【0139】
続いて、制御装置130は、区画扉104が全開状態であることが扉全開センサ(図示略)によって検知されると、横送り駆動部142を駆動させる。これにより、車両2は横送りコンベヤ114によってリフト103に横行引き渡しされる。制御装置130は、車両2のリフト103上への移動が完了すると、扉駆動部141を駆動させ、区画扉104を閉じる。そして、区画扉104が完全に閉じ、扉全閉検知センサ172から扉全閉検知信号(オン信号)が開閉器制御部192aに出力される。開閉器制御部192aは、扉全閉検知信号を受信すると、開閉器191を閉じ、リフト駆動部150への電力供給を開始させる(SH3)。
続いて、制御装置130は、リフト駆動部150を駆動させることにより、リフト103を格納階まで移動させる。これにより、リフト乗降室センサ171から到着解除信号(オフ信号)が開閉器制御部182aに出力される。開閉器制御部182aは、到着解除信号を受信すると、開閉器181を開放し、バース駆動部140への電力供給を遮断させる(SH4)。
【0140】
リフト103が格納階に到達したことが検知されると、制御装置130は、リフト103に設けられた横送りコンベヤ115の横送り駆動部(図示略)を駆動させる。これにより、車両2は格納階で連動待ちしていた台車105に横行引き渡しされる。続いて、制御装置130は、リフト103から台車105への車両2の移動が完了すると、台車移動完了信号を開閉器制御部192aに出力する。開閉器制御部192aは、台車移動完了信号を受信すると、開閉器191を開放し、リフト駆動部150への電力供給を遮断させる(SJ2)。
続いて、制御装置130は、台車駆動部160を駆動させ、台車105を所定の格納棚112まで移動させる。そして、制御装置130は、台車105に設けられた横送りコンベヤ116の横送り駆動部(図示略)、格納棚112に設けられた横送りコンベヤ117の横送り駆動部(図示略)を駆動することにより、車両2を所定の格納棚112に格納させ、入庫処理を終了する。
【0141】
〔出庫処理〕
出庫処理については、車両2の移動経路を入庫時と逆にすればよく、主な処理は同様である。したがって、ここでの詳細な説明は省略する。また、出庫時におけるバース通電制御装置180aによるバース通電制御方法及び搬送通電制御装置190aによるリフト通電制御方法も入庫時と同様であるため、ここでの詳細な説明は省略する。
【0142】
以上説明してきたように、本実施形態によれば、第3実施形態に比べて、開閉器191の開閉制御を細やかに行うので、入出庫の状況に応じて適切なタイミングでリフト駆動部150への電力供給及び電力遮断を制御することが可能となる。この結果、安全性を向上させることができ、また、消費電力の削減を図ることが可能となる。
【0143】
なお、上述した第3実施形態及び第4実施形態では、台車駆動部160は常時通電状態とされていたが、これに限られない。例えば、ブレーカー122と台車駆動部160との間に開閉器を設け、台車駆動部160への通電も制御することとしてもよい。例えば、
図22に示すように、制御装置130からリフト起動指示信号を受け付けたときに、開閉器を閉じて、台車駆動部160への電力供給を開始させ(SK1)、台車105から格納棚112への車両2の受け渡しが完了することにより、制御装置130から格納棚移動完了信号を受け付けたときに開閉器を開放して、台車駆動部160への電力供給を遮断させることとしてもよい(SK2)。
【0144】
また、上述した第3実施形態では、リフト乗降室センサ171及び制御装置130からの信号が開閉器制御部182aに入力され、扉全閉検知センサ172及び制御装置130からの信号が開閉器制御部192aに入力される構成としたが、これに限られない。例えば、リフト乗降室センサ171、扉全閉検知センサ172からの信号についても制御装置130を介して入力される構成としてもよい。
【0145】
また、上述した第3実施形態、第4実施形態における開閉器181,191を開閉させるタイミングについては上記例に限られず、他のタイミングでこれらの開閉器181,191の開閉を制御することとしてもよい。
例えば、開閉器制御部182aは、リフト乗降室センサ171から到着検知信号(オン信号)が出力された後からバース102内の安全が確認されるときまでの所定のタイミングにおいて開閉器181を閉じることとしてもよい。ここで、バース102内の安全が確認されるときとは、例えば、上述したように、利用者や操作者によって無人確認の入力又は安全確認の入力がなされたときでもよいし、バース102に設置された内部検知センサ(例えば、人感センサ、車両位置検知センサ、測域センサ、カメラ等)によってバース102内の安全が確認されたときでもよい。
【0146】
また、開閉器制御部182aは、扉全開検知センサ(図示略)によって区画扉104の全開が検知されたときからリフト乗降室センサ171から到着解除信号(オフ信号)が出力されるまでの所定のタイミングで開閉器181を開放することとしてもよい。
【0147】
また、例えば、開閉器制御部192aは、リフト乗降室センサ171から到着検知信号(オン信号)が出力された後から区画扉104の全開が検知されて、扉全開センサから扉全閉検知信号(オン信号)が出力されるまでの所定のタイミングにおいて、開閉器191を開放することとしてもよい。これにより、オフ期間を長くすることができ、消費電力の削減を図ることができる。
【0148】
また、バース通電制御装置180,180a及び搬送通電制御装置190,190aは、制御装置130とは個別の制御装置として設けられていたがこれに限られない。例えば、制御装置130がバース通電制御装置180,180a及び搬送通電制御装置190,190aの機能を備える構成としてもよい。
【0149】
以上、本開示について、上記実施形態を用いて説明したが、本開示の技術的範囲は上記実施形態に記載の範囲には限定されない。開示の要旨を逸脱しない範囲で上記実施形態に多様な変更又は改良を加えることができ、該変更又は改良を加えた形態も本開示の技術的範囲に含まれる。また、上記実施形態で説明した入庫処理、出庫処理、扉通電制御処理、搬送通電制御処理、バース通電制御処理等の流れは一例であり、本開示の主旨を逸脱しない範囲内において不要なステップを削除したり、新たなステップを追加したり、処理順序を入れ替えたりすることが可能である。
【0150】
例えば、入出庫扉4、区画扉104として上方開きの扉を例示して説明したがこれに限られない。例えば、入出庫扉4、区画扉104は、水平開きであってもよいし、下方開き(地面に格納されるタイプ)であってもよい。
【0151】
以上説明した各実施形態に記載の搬送通電制御装置、搬送通電制御方法、搬送通電制御プログラム、及び機械式駐車装置は、例えば以下のように把握される。
【0152】
本開示の第1態様に係る搬送通電制御装置(90,90a)は、車両(2)の入庫及び出庫の少なくともいずれか一方を行う乗降室(7)と、前記乗降室の出入口(3)に設けられた入出庫扉(4)と、前記入出庫扉を駆動する扉駆動手段(63)と、車両の搬送に関する機器である搬送機器(8,14)を駆動する搬送機器駆動手段(60)とを備える機械式駐車装置(1)に適用される搬送通電制御装置であって、前記搬送機器駆動手段と電源(70)とを接続する電路に設けられた開閉器(91)と、前記開閉器を制御する開閉器制御手段(92,92a)とを備え、前記開閉器制御手段は、前記搬送機器が前記乗降室に着床したときから前記入出庫扉の全開状態が検知されるときまでの所定のタイミングにおいて、前記開閉器を開いて前記搬送機器駆動手段への電力供給を遮断する。
【0153】
上記態様によれば、人が乗降室内に入室する可能性のある期間において、搬送機器を駆動させる搬送機器駆動手段への電力供給自体を遮断するので、ソフトウェア処理によって搬送機器の運転をロックする場合に比べて、搬送機器の駆動をより確実に防止することが可能となる。これにより、安全性を更に高めることが可能となる。
【0154】
本開示の第2態様に係る搬送通電制御装置(90,90a)は、上記第1態様において、前記開閉器制御手段は、前記入出庫扉の全閉状態が検知されなくなった場合に、前記開閉器を開放し、前記搬送機器駆動手段への電力を遮断する。
【0155】
上記態様によれば、入出庫扉が全閉状態でない期間において、搬送機器駆動手段への電力供給を遮断させることが可能となる。これにより、搬送機器の駆動を確実に防止することができる。
【0156】
本開示の第3態様に係る搬送通電制御装置(90,90a)は、上記第1又は第2態様において、前記入出庫扉の全閉状態が検知された場合に、前記開閉器を閉じて、前記搬送機器駆動手段へ電力を供給する。
【0157】
上記態様によれば、入出庫扉が全閉状態となった期間においては、搬送機器駆動手段へ電力を供給することができる。これにより、搬送機器の駆動を速やかに開始させることが可能となる。
【0158】
本開示の第4態様に係る搬送通電制御装置(90a)は、上記第1又は第2態様において、前記開閉器制御手段は、起動許可信号を受信した場合に、前記開閉器を閉じて、前記搬送機器駆動手段へ電力を供給する。
【0159】
上記態様によれば、搬送機器の運転が必要となったときに適切なタイミングで搬送機器駆動手段に電力を供給することが可能となる。これにより、消費電力の削減を図ることができる。
【0160】
本開示の第5態様に係る搬送通電制御装置(90a)は、上記第1又は第2態様において、前記開閉器制御手段は、起動許可信号を受信した場合であって、前記乗降室内の無人が確認された場合に、前記開閉器を閉じて、前記搬送機器駆動手段へ電力を供給する。
【0161】
上記態様によれば、乗降室内の無人を確認した上で、搬送機器を駆動させることが可能となる。この結果、安全性を更に高めることが可能となる。
【0162】
本開示の第6態様に係る搬送通電制御装置(90a)は、上記第5態様において、前記開閉器制御手段は、乗降室内の人を検知するための内部検知手段(30)から無人であることを示す信号を受信した場合に、前記開閉器を閉じて、前記搬送機器駆動手段へ電力を供給する。
【0163】
上記態様によれば、内部検知手段の検知結果に基づいて無人が確認された上で、搬送機器を駆動させることが可能となる。この結果、安全性を更に高めることが可能となる。
【0164】
本開示の第7態様に係る搬送通電制御装置(90a)は、上記第1から第6態様のいずれかにおいて、前記開閉器制御手段は、格納棚(17)への車両の格納が完了した場合に、前記開閉器を開いて前記搬送機器駆動手段への電力を遮断する。
【0165】
上記態様によれば、搬送機器の駆動が不要な期間において搬送機器駆動手段への電力供給を遮断することが可能となる。この結果、安全性を高めることができるとともに、消費電力の削減を実現することが可能となる。
【0166】
本開示の第8態様に係る搬送通電制御装置(90,90a)は、上記第1から第7態様のいずれかにおいて、前記開閉器制御手段は、非常停止ボタン(48)が操作された場合に、前記開閉器を開いて前記搬送機器駆動手段への電力を遮断する。
【0167】
上記態様によれば、非常停止ボタンが操作された場合には、搬送機器駆動手段への電力供給を遮断することが可能となる。この結果、搬送機器の駆動を確実に防止することができ、安全性を高めることができる。
【0168】
本開示の第9態様に係る搬送通電制御装置(90,90a)は、上記第1から第8態様のいずれかにおいて、前記乗降室に設けられた非常用扉(6)を備え、前記開閉器制御手段は、前記非常用扉が開いたことが検知された場合に、前記開閉器を開いて前記搬送機器駆動手段への電力供給を遮断する。
【0169】
上記態様によれば、非常用扉を介して人が乗降室に入室している期間において、搬送機器駆動手段への電力供給を遮断することが可能となる。この結果、搬送機器の駆動を確実に防止することができ、安全性を高めることができる。
【0170】
本開示の第10態様に係る機械式駐車装置は、車両の入庫及び出庫の少なくともいずれか一方を行う乗降室と、前記乗降室の出入口に設けられた入出庫扉と、前記入出庫扉を駆動する扉駆動手段と、車両の搬送に関する機器である搬送機器を駆動する搬送機器駆動手段と、上記第1から第9態様のいずれかに係る搬送通電制御装置とを備える。
【0171】
本開示の第11態様に係る機械式駐車装置は、上記第10態様において、前記扉駆動手段と前記電源とを接続する電路に設けられた扉用開閉器と、前記扉用開閉器を制御する扉用開閉器制御手段とを有する扉通電制御装置を備え、前記搬送通電制御装置と前記扉通電制御装置とは通信可能に構成され、前記扉通電制御装置と前記搬送通電制御装置とは、前記扉用開閉器及び前記開閉器を開閉するタイミングを相互に通知することにより、前記扉用開閉器と前記開閉器とが共に閉状態とならないように、前記扉用開閉器と前記開閉器の開閉制御を行う。
【0172】
上記態様によれば、扉用開閉器が閉じられている期間において、開閉器を開放状態とすることができ、同様に、扉用開閉器が閉じられている期間において、開閉器を開放状態とすることができる。これにより、安全性を更に向上させることが可能となる。
【0173】
本開示の第12態様に係る搬送通電制御装置(190,190a)は、車両(2)の入庫及び出庫の少なくともいずれか一方を行う乗降室(102)と、車両を乗降階と格納階との間で移動させるリフト(103)を駆動する搬送機器駆動手段(150)と、前記リフトが昇降するリフト昇降室(101)と前記乗降室との間に設けられた区画扉(104)とを備える機械式駐車装置(100)に適用される搬送通電制御装置であって、前記搬送機器駆動手段と電源(200)とを接続する電路に設けられた開閉器(191)と、前記開閉器を制御する開閉器制御手段(192,192a)とを備え、前記開閉器制御手段は、前記リフトが前記乗降階に到達したときから前記区画扉の全閉状態が検知されるときまでの所定のタイミングにおいて、前記開閉器を開いて前記搬送機器駆動手段への電力供給を遮断する。
【0174】
上記態様によれば、区画扉が開いている期間において、リフト(搬送機器)を駆動させる搬送機器駆動手段への電力供給自体を遮断するので、ソフトウェア処理によってリフトの運転をロックする場合に比べて、リフトの駆動をより確実に防止することが可能となる。これにより、安全性を更に高めることが可能となる。
【0175】
本開示の第13態様に係る搬送通電制御装置(190a)は、上記第12態様において、前記開閉器制御手段は、前記リフトが前記格納階に到達したことが検知された場合に、前記開閉器を開いて前記搬送機器駆動手段への電力供給を遮断する。
【0176】
上記態様によれば、リフトを使用しない期間において、搬送機器駆動手段への電力供給を遮断することが可能となる。これにより、消費電力を削減することが可能となる。
【0177】
本開示の第14態様に係る機械式駐車装置(100)は、車両(2)の入庫及び出庫の少なくともいずれか一方を行う乗降室(102)と、前記乗降室に設けられた機器(104,114)を駆動するバース駆動手段(140)と、車両を乗降階と格納階との間で移動させるリフト(103)を駆動する搬送機器駆動手段(150)と、上記第12又は第13態様に係る搬送通電制御装置(190,190a)とを備える。
【0178】
本開示の第15態様に係るバース通電制御装置(180,180a)は、車両(2)の入庫及び出庫の少なくともいずれか一方を行う乗降室(102)と、車両を乗降階と格納階との間で移動させるリフト(103)を駆動する搬送機器駆動手段(150)と、前記リフトが昇降するリフト昇降室(101)と前記乗降室との間に設けられた区画扉(104)と、前記乗降室に設けられたバース機器(104,114)を駆動するバース駆動手段(140)とを備える機械式駐車装置(100)に適用されるバース通電制御装置であって、前記バース機器には、前記区画扉が含まれ、前記バース駆動手段と電源(200)とを接続する電路に設けられたバース用開閉器(181)と、前記バース用開閉器を制御するバース用開閉器制御手段(182,182a)とを備え、前記バース用開閉器制御手段は、前記区画扉の全開が検知されたときから前記リフトが乗降階からの移動を開始するまでの所定のタイミングで前記バース用開閉器を開いて前記バース駆動手段への電力供給を遮断する。
【0179】
上記態様によれば、リフトが動いている期間においてバース駆動手段への電力供給を遮断することが可能となる。これにより、リフトが動いている状態で区画扉、横送りコンベヤ等のバース機器が駆動することを確実に防止することができる。すなわち、本実施形態によれば、区画扉104、横送りコンベヤ114等を駆動させるバース駆動部140への電力供給自体を遮断するので、ソフトウェア処理によってこれらの機器の運転をロックする場合に比べて、これらの機器の駆動をより確実に防止することが可能となる。これにより、安全性を更に高めることが可能となる。
【0180】
本開示の第16態様に係る機械式駐車装置(100)は、車両(2)の入庫及び出庫の少なくともいずれか一方を行う乗降室(102)と、車両を乗降階と格納階との間で移動させるリフト(103)を駆動する搬送機器駆動手段(150)と、前記リフトが昇降するリフト昇降室(101)と前記乗降室との間に設けられた区画扉(104)と、前記乗降室に設けられたバース機器(104,114)を駆動するバース駆動手段(140)と、上記第15態様に係るバース通電制御装置(180,180a)とを備える。
【0181】
本開示の第17態様に係る搬送通電制御方法は、車両の入庫及び出庫の少なくともいずれか一方を行う乗降室と、前記乗降室の出入口に設けられた入出庫扉と、前記入出庫扉を駆動する扉駆動手段と、車両の搬送に関する機器である搬送機器を駆動する搬送機器駆動手段と、前記搬送機器駆動手段と電源とを接続する電路に設けられた開閉器とを備える機械式駐車装置に適用される搬送通電制御方法であって、コンピュータが、前記搬送機器が前記乗降室に着床したときから前記入出庫扉の全開状態が検知されるときまでの所定のタイミングにおいて、前記開閉器を開いて前記搬送機器駆動手段への電力供給を遮断する。
【0182】
本開示の第18態様に係る搬送通電制御方法は、車両の入庫及び出庫の少なくともいずれか一方を行う乗降室と、車両を乗降階と格納階との間で移動させるリフトを駆動する搬送機器駆動手段と、前記リフトが昇降するリフト昇降室と前記乗降室との間に設けられた区画扉と、前記搬送機器駆動手段と電源とを接続する電路に設けられた開閉器とを備える機械式駐車装置に適用される搬送通電制御方法であって、コンピュータが、前記リフトが前記乗降階に到達したときから前記区画扉の全閉状態が検知されるときまでの所定のタイミングにおいて、前記開閉器を開いて前記搬送機器駆動手段への電力供給を遮断する。
【0183】
本開示の第19態様に係る搬送通電制御プログラムは、コンピュータに上記第17又は第18態様に記載の搬送通電制御方法を実行させるためのプログラムである。
【0184】
本開示の第20態様に係る搬送通電制御方法は、車両の入庫及び出庫の少なくともいずれか一方を行う乗降室と、車両を乗降階と格納階との間で移動させるリフトを駆動する搬送機器駆動手段と、前記リフトが昇降するリフト昇降室と前記乗降室との間に設けられた区画扉と、前記乗降室に設けられたバース機器を駆動するバース駆動手段と、前記バース駆動手段と電源とを接続する電路に設けられたバース用開閉器とを備える機械式駐車装置に適用されるバース通電制御方法であって、前記バース機器には、前記区画扉が含まれ、前記区画扉の全開が検知されたときから前記リフトが乗降階からの移動を開始するまでの所定のタイミングで前記バース用開閉器を開いて前記バース駆動手段への電力供給を遮断する。
【0185】
本開示の第21態様に係るバース通電制御プログラムは、コンピュータに上記第20態様に係るバース通電制御方法を実行させるためのプログラムである。
【0186】
本開示の第22態様に係る機械式駐車装置(1)は、車両(2)の入庫及び出庫の少なくともいずれか一方を行う乗降室(7)と、前記乗降室の出入口(3)に設けられた入出庫扉(4)と、前記入出庫扉を駆動する扉駆動手段(63)と、車両の搬送に関する機器である搬送機器(8,14)を駆動する搬送機器駆動手段(60)と、前記乗降室に設けられた非常用扉(6)と、前記搬送機器駆動手段と電源(70)とを接続する電路に設けられた開閉器(91)と、前記非常用扉が開いたことが検知された場合に、前記開閉器を開いて前記搬送機器駆動手段への電力供給を遮断する開閉器制御手段(92,92a)とを備える。
【符号の説明】
【0187】
1 :機械式駐車装置
3 :入出庫口
4 :入出庫扉
6 :非常用扉
7 :乗降室
8 :ターンテーブル(搬送機器)
11 :旋回駆動部
14 :リフト(搬送機器)
17 :車両格納棚
18 :パレット
22 :操作盤
28 :モニタ
30 :内部検知センサ
30A :測域センサ
30B :測域センサ
32 :入退出検知センサ
34 :着床検知センサ
35 :カメラ
40 :制御装置
41 :記憶部
45 :タッチパネル
46 :ICカードリーダ
47 :スピーカ
48 :非常停止ボタン
50 :主制御部
52 :総合データベース
55 :入出庫扉制御部
56 :搬送機制御部
57 :センサ制御部
58 :カメラ制御部
59 :画像データベース
60 :搬送機器駆動部
61 :車両計測制御部
62 :旋回制御部
63 :扉駆動部
64 :リフト駆動部
65 :入出庫扉センサ
66 :扉全開検知センサ
67 :扉全閉検知センサ
68 :搬送機位置センサ
69 :車両計測器
70 :電源
80 :扉通電制御装置(扉通電制御手段)
80a :扉通電制御装置(扉通電制御手段)
81 :開閉器(扉用開閉器)
82 :開閉器制御部(扉用開閉器制御手段)
82a :開閉器制御部(扉用開閉器制御手段)
90 :搬送通電制御装置
90a :搬送通電制御装置
91 :開閉器
92 :開閉器制御部(開閉器制御手段)
92a :開閉器制御部(開閉器制御手段)
100 :機械式駐車装置
101 :リフト昇降室
102 :バース(乗降室)
103 :リフト(搬送機器)
104 :区画扉(バース機器)
105 :台車
110 :複列式格納棚群
112 :格納棚
114 :横送りコンベヤ(バース機器)
130 :制御装置
140 :バース駆動部(バース駆動手段)
141 :扉駆動部(扉駆動手段)
142 :横送り駆動部
150 :リフト駆動部
160 :台車駆動部
171 :リフト乗降室センサ
172 :扉全閉検知センサ
180 :バース通電制御装置
180a :バース通電制御装置
181 :開閉器(バース用開閉器)
182 :開閉器制御部(バース用開閉器制御手段)
182a :開閉器制御部(バース用開閉器制御手段)
190 :搬送通電制御装置
190a :搬送通電制御装置
191 :開閉器
192 :開閉器制御部(開閉器制御手段)
192a :開閉器制御部(開閉器制御手段)
200 :電源