(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-26
(45)【発行日】2025-01-10
(54)【発明の名称】情報処理装置、及び制御方法
(51)【国際特許分類】
G06F 3/04817 20220101AFI20241227BHJP
G06F 3/14 20060101ALI20241227BHJP
G09G 5/14 20060101ALI20241227BHJP
G09G 5/00 20060101ALI20241227BHJP
G09G 5/37 20060101ALI20241227BHJP
G09G 5/377 20060101ALI20241227BHJP
G09G 5/373 20060101ALI20241227BHJP
【FI】
G06F3/04817
G06F3/14 350A
G09G5/14 A
G09G5/00 530T
G09G5/37 320
G09G5/377
G09G5/373 200
G09G5/00 530D
G09G5/37 110
(21)【出願番号】P 2023127319
(22)【出願日】2023-08-03
【審査請求日】2023-08-03
(73)【特許権者】
【識別番号】505205731
【氏名又は名称】レノボ・シンガポール・プライベート・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100161207
【氏名又は名称】西澤 和純
(74)【代理人】
【識別番号】100169764
【氏名又は名称】清水 雄一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100175824
【氏名又は名称】小林 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100206081
【氏名又は名称】片岡 央
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 嘉則
【審査官】冨永 昌彦
(56)【参考文献】
【文献】特開2022-070081(JP,A)
【文献】特開2023-039567(JP,A)
【文献】特開2023-039569(JP,A)
【文献】特開2023-039571(JP,A)
【文献】特開2012-203899(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/01
G06F 3/048 - 3/04895
G06F 3/14 - 3/153
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ディスプレイと、
アプリケーションのプログラムを記憶するメモリと、
前記メモリに記憶された前記アプリケーションのプログラムを実行することにより、前記アプリケーションのウィンドウを前記ディスプレイに表示させる制御を行うプロセッサと、
を備え、
前記プロセッサは、
前記ディスプレイの画面領域の全体を1つの表示領域として表示を制御する第1表示モードと、前記ディスプレイの画面領域を複数の表示領域に分けて表示を制御する第2表示モードとの切り替えを制御する表示モード切替処理と、
前記第2表示モードにおいて複数の表示領域のいずれかに表示されている前記ウィンドウが非表示になったことに起因して、前記ウィンドウが非表示になった表示領域に、実行中の前記アプリケーションの前記ウィンドウの少なくとも一部に対応するサムネイル画像を表示させる表示制御処理と、
を行う情報処理装置。
【請求項2】
前記プロセッサは、
前記第2表示モードにおいて複数の表示領域のいずれかに表示されている前記ウィンドウが非表示になり且つ前記ウィンドウが非表示になった表示領域に表示する他のウィンドウが無い場合、前記表示制御処理により、前記ウィンドウが非表示になった表示領域に前記サムネイル画像を表示させる、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記プロセッサは、
前記表示モード切替処理により前記第1表示モードから前記第2表示モードへ切り替えた場合、前記表示制御処理により、複数の表示領域のうちの第1表示領域に対しては、前記第1表示モードにおいて実行されていた前記アプリケーションの前記ウィンドウのうちの1つのウィンドウを表示させ、複数の表示領域のうちの前記第1表示領域を除く第2表示領域に対しては、前記第1表示モードにおける前記ウィンドウのうちの前記1つのウィンドウを除くウィンドウに対応する前記サムネイル画像を表示させる、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記プロセッサは、
前記表示モード切替処理により前記第1表示モードから前記第2表示モードへ切り替えた場合、前記表示制御処理により、前記第1表示モードにおける前記ウィンドウのうちの前記1つのウィンドウを除くウィンドウを最小化する、
請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記プロセッサは、
前記表示モード切替処理により前記第1表示モードから前記第2表示モードへ切り替えた場合、前記表示制御処理により、前記第1表示モードにおける前記ウィンドウのうちの前記1つのウィンドウを除くウィンドウを前記第1表示領域に配置してから最小化する、
請求項4に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記プロセッサは、
前記サムネイル画像のいずれかがユーザの操作により選択された場合、前記第2表示領域に表示させていたすべての前記サムネイル画像を非表示にして、選択された前記サムネイル画像に対応する前記ウィンドウを前記第2表示領域に表示させる、
請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記プロセッサは、
前記第2表示モードにおいて複数の表示領域のいずれかに表示されている前記ウィンドウが非表示になったことに起因して前記表示制御処理により前記サムネイル画像を表示させる場合、実行中のすべての前記アプリケーションの前記ウィンドウのうち複数の表示領域のいずれかに最上位のレイヤとして表示されているウィンドウを除くウィンドウに対応する前記サムネイル画像を表示させる、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記プロセッサは、
前記第2表示モードにおいて複数の表示領域のいずれかに表示されている前記ウィンドウが閉じられて非表示になったことに起因して前記表示制御処理により前記サムネイル画像を表示させる場合、前記閉じられて非表示になったウィンドウに対応する前記サムネイル画像を表示対象から除く、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記プロセッサは、
前記第2表示モードにおいて複数の表示領域のいずれかに表示されている前記ウィンドウが非表示になったことに起因して前記表示制御処理により前記サムネイル画像を表示させる場合、実行中のすべての前記アプリケーションの前記ウィンドウに対応する前記サムネイル画像を表示させる、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項10】
ディスプレイと、アプリケーションのプログラムを記憶するメモリと、前記メモリに記憶された前記アプリケーションのプログラムを実行することにより、前記アプリケーションのウィンドウを前記ディスプレイに表示させる制御を行うプロセッサと、を備える情報処理装置における制御方法であって、
前記プロセッサが、
前記ディスプレイの画面領域の全体を1つの表示領域として表示を制御する第1表示モードと、前記ディスプレイの画面領域を複数の表示領域に分けて表示を制御する第2表示モードとの切り替えを制御する表示モード切替ステップと、
前記第2表示モードにおいて複数の表示領域のいずれかに表示されている前記ウィンドウが非表示になったことに起因して、前記ウィンドウが非表示になった表示領域に、実行中の前記アプリケーションの前記ウィンドウの少なくとも一部に対応するサムネイル画像を表示させる表示制御ステップと、
を含む制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、及び制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、複数の画面(例えば、2画面)を有する情報処理装置がある。例えば、連結部(ヒンジ機構)を介して折り畳みが可能な第1筐体と第2筐体のそれぞれにディスプレイ(表示部)が搭載された2つのディスプレイによる2画面構成の情報処理装置が開示されている(例えば、特許文献1)。また、有機ELディスプレイ等のフレキシブルディスプレイ(表示部)が折り畳みに応じて屈曲可能に第1筐体と第2筐体にわたって設けられている情報処理装置もある(例えば、特許文献2参照)。このように第1筐体と第2筐体にわたって1つのディスプレイ(表示部)が設けられている場合でも、1つのディスプレイを1つの画面として使用する1画面モードだけでなく、1つのディスプレイを第1筐体側の表示領域と第2筐体側の表示領域とに分割して疑似的に2画面モードとして使用することが可能である。また、上述した2つのディスプレイによる2画面構成の情報処理装置でも、2画面モードだけでなく、2つのディスプレイを1つの画面として1画面モードで使用することも可能である。
【0003】
例えば、特許文献3には、実行中のアプリケーションのウィンドウの表示に関して、1画面モードから2画面モードへ切り替わることに応じて、2画面の一方の画面に1画面モードにおけるアクティブウィンドウを表示させ、他方の画面にアクティブウィンドウ以外のウィンドウに対応するサムネイル画像を表示させる情報処理装置が開示されている。この情報処理装置では、1画面モードから2画面モードへ切り替えたときに、1画面モードで使用していたアプリケーションの使用を継続しやすくできるとともに、他に実行されているアプリケーションの一覧をサムネイル画像で容易に確認できるため利便性がよい。ユーザは、サムネイル画像を選択する操作を行うことで、選択したサムネイル画像に対応するアプリケーションのウィンドウを表示させて使用することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2015-233198号公報
【文献】特開2018-13850号公報
【文献】特開2022-70081号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、例えば上述の特許文献3に開示されている技術では、ユーザがサムネイル画像を選択する操作を行うことで使用したいアプリケーションのウィンドウを表示させることができるものの、そのウィンドウを閉じてさらに他のアプリケーションのウィンドウに切り替えることは容易ではない。2画面モードに限らず、ディスプレイを3つ以上の複数の表示領域に分けて使用する場合には、さらに各表示領域に表示させるウィンドウの数も増えるため、各表示領域に表示させるウィンドウをより容易に選択できることが望ましい。
【0006】
本発明は上記した事情に鑑みてなされたもので、複数の表示領域のそれぞれに表示させるウィンドウを選択する際の操作性を向上する情報処理装置、及び制御方法を提供することを目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は上記の課題を解決するためになされたものであり、本発明の第1態様に係る情報処理装置は、ディスプレイと、アプリケーションのプログラムを記憶するメモリと、前記メモリに記憶された前記アプリケーションのプログラムを実行することにより、前記アプリケーションのウィンドウを前記ディスプレイに表示させる制御を行うプロセッサと、を備え、前記プロセッサは、前記ディスプレイの画面領域の全体を1つの表示領域として表示を制御する第1表示モードと、前記ディスプレイの画面領域を複数の表示領域に分けて表示を制御する第2表示モードとの切り替えを制御する表示モード切替処理と、前記第2表示モードにおいて複数の表示領域のいずれかに表示されている前記ウィンドウが非表示になったことに起因して、前記ウィンドウが非表示になった表示領域に、実行中の前記アプリケーションの前記ウィンドウの少なくとも一部に対応するサムネイル画像を表示させる表示制御処理と、を行う。
【0008】
上記情報処理装置において、前記プロセッサは、前記第2表示モードにおいて複数の表示領域のいずれかに表示されている前記ウィンドウが非表示になり且つ前記ウィンドウが非表示になった表示領域に表示する他のウィンドウが無い場合、前記表示制御処理により、前記ウィンドウが非表示になった表示領域に前記サムネイル画像を表示させてもよい。
【0009】
上記情報処理装置において、前記プロセッサは、前記表示モード切替処理により前記第1表示モードから前記第2表示モードへ切り替えた場合、前記表示制御処理により、複数の表示領域のうちの第1表示領域に対しては、前記第1表示モードにおいて実行されていた前記アプリケーションの前記ウィンドウのうちの1つのウィンドウを表示させ、複数の表示領域のうちの前記第1表示領域を除く第2表示領域に対しては、前記第1表示モードにおける前記ウィンドウのうちの前記1つのウィンドウを除くウィンドウに対応する前記サムネイル画像を表示させてもよい。
【0010】
上記情報処理装置において、前記プロセッサは、前記表示モード切替処理により前記第1表示モードから前記第2表示モードへ切り替えた場合、前記表示制御処理により、前記第1表示モードにおける前記ウィンドウのうちの前記1つのウィンドウを除くウィンドウを最小化してもよい。
【0011】
上記情報処理装置において、前記プロセッサは、前記表示モード切替処理により前記第1表示モードから前記第2表示モードへ切り替えた場合、前記表示制御処理により、前記第1表示モードにおける前記ウィンドウのうちの前記1つのウィンドウを除くウィンドウを前記第1表示領域に配置してから最小化してもよい。
【0012】
上記情報処理装置において、前記プロセッサは、前記サムネイル画像のいずれかがユーザの操作により選択された場合、前記第2表示領域に表示させていたすべての前記サムネイル画像を非表示にして、選択された前記サムネイル画像に対応する前記ウィンドウを前記第2表示領域に表示させてもよい。
【0013】
上記情報処理装置において、前記プロセッサは、前記第2表示モードにおいて複数の表示領域のいずれかに表示されている前記ウィンドウが非表示になったことに起因して前記表示制御処理により前記サムネイル画像を表示させる場合、実行中のすべての前記アプリケーションの前記ウィンドウのうち複数の表示領域のいずれかに最上位のレイヤとして表示されているウィンドウを除くウィンドウに対応する前記サムネイル画像を表示させてもよい。
【0014】
上記情報処理装置において、前記プロセッサは、前記第2表示モードにおいて複数の表示領域のいずれかに表示されている前記ウィンドウが閉じられて非表示になったことに起因して前記表示制御処理により前記サムネイル画像を表示させる場合、前記閉じられて非表示になったウィンドウに対応する前記サムネイル画像を表示対象から除いてもよい。
【0015】
上記情報処理装置において、前記プロセッサは、前記第2表示モードにおいて複数の表示領域のいずれかに表示されている前記ウィンドウが非表示になったことに起因して前記表示制御処理により前記サムネイル画像を表示させる場合、実行中のすべての前記アプリケーションの前記ウィンドウに対応する前記サムネイル画像を表示させてもよい。
【0016】
また、本発明の第2態様に係る、ディスプレイと、アプリケーションのプログラムを記憶するメモリと、前記メモリに記憶された前記アプリケーションのプログラムを実行することにより、前記アプリケーションのウィンドウを前記ディスプレイに表示させる制御を行うプロセッサと、を備える情報処理装置における制御方法は、前記プロセッサが、前記ディスプレイの画面領域の全体を1つの表示領域として表示を制御する第1表示モードと、前記ディスプレイの画面領域を複数の表示領域に分けて表示を制御する第2表示モードとの切り替えを制御する表示モード切替ステップと、前記第2表示モードにおいて複数の表示領域のいずれかに表示されている前記ウィンドウが非表示になったことに起因して、前記ウィンドウが非表示になった表示領域に、実行中の前記アプリケーションの前記ウィンドウの少なくとも一部に対応するサムネイル画像を表示させる表示制御ステップと、を含む。
【発明の効果】
【0017】
本発明の上記態様によれば、複数の表示領域のそれぞれに表示させるウィンドウを選択する際の操作性を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】第1の実施形態に係る情報処理装置の外観を示す斜視図。
【
図2】第1の実施形態に係る折れ曲がった状態の情報処理装置の例を示す側面図。
【
図3】第1の実施形態に係る平面の状態の情報処理装置の例を示す側面図。
【
図4】第1の実施形態に係る情報処理装置の各種の表示モードの具体例を示す図。
【
図5】第1の実施形態に係る表示モード切替操作の操作仕様の一例を示す図。
【
図6】第1の実施形態に係る2画面モードの表示例の一例を示す図。
【
図7】第1の実施形態に係るサムネイルウィンドウの表示制御の第1例を示す図。
【
図8】第1の実施形態に係るサムネイルウィンドウの表示制御の第2例を示す図。
【
図9】第1の実施形態に係る情報処理装置のハードウェア構成例を示すブロック図。
【
図10】第1の実施形態に係る表示制御処理に関連する機能構成例を示すブロック図。
【
図11】第1の実施形態に係る2画面モードへの切り替え時の表示制御処理の一例を示すフローチャート。
【
図12】第1の実施形態に係るウィンドウが非表示になった時の表示制御処理の一例を示すフローチャート。
【
図13】第2の実施形態に係る表示モード切替操作の操作仕様の一例を示す図。
【
図14】第2の実施形態に係る3画面モードにおけるサムネイルウィンドウの表示制御の第1例を示す図。
【
図15】第2の実施形態に係る3画面モードにおけるサムネイルウィンドウの表示制御の第2例を示す図。
【
図16】第2の実施形態に係る4画面モードにおけるサムネイルウィンドウの表示制御の一例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について説明する。
<第1の実施形態>
まず、本発明の第1の実施形態の概要について説明する。
図1は、本実施形態に係る情報処理装置10の外観を示す斜視図である。本実施形態に係る情報処理装置10は、クラムシェル型(ノート型)のPC(パーソナルコンピュータ)である。情報処理装置10は、第1筐体101、第2筐体102、及びヒンジ機構103を備える。第1筐体101及び第2筐体102は、略四角形の板状(例えば、平板状)の筐体である。第1筐体101の側面の一つと第2筐体102の側面の一つとがヒンジ機構103を介して結合(連結)されており、ヒンジ機構103がなす回転軸の周りに第1筐体101と第2筐体102とが相対的に回動可能である。第1筐体101と第2筐体102との回転軸の周りの開き角θが略0°の状態が、第1筐体101と第2筐体102とが重なり合って閉じた状態である。第1筐体101と第2筐体102とが閉じた状態のことを「閉状態」(closed)と称する。閉状態において第1筐体101と第2筐体102との互いに対面する側の面を、それぞれの「内面」と呼び、内面に対して反対側の面を「外面」と称する。開き角θとは、第1筐体101の内面と第2筐体102の内面とがなす角とも言うことができる。閉状態に対して第1筐体101と第2筐体102とが開いた状態のことを「開状態」と称する。開状態とは、開き角θが予め設定された閾値(例えば、10°)より大きくなるまで、第1筐体101と第2筐体102とが相対的に回動された状態である。
【0020】
また、情報処理装置10は、カメラ16と、ディスプレイ150とを備える。カメラ16は、第1筐体101の内面に設けられている。ディスプレイ150は、第1筐体101の内面から第2筐体102の内面に亘って設けられている。カメラ16は、例えば第1筐体101の内面のディスプレイ150の画面領域の外側の部分に設けられ、ディスプレイ150に対面する側に存在するユーザなどを撮像することが可能である。ディスプレイ150は、第1筐体101と第2筐体102との相対的な回動による開き角θに合わせて屈曲可能なフレキシブルディスプレイである(
図2、3参照)。フレキシブルディスプレイとしては、有機ELディスプレイ等が用いられる。情報処理装置10は、ディスプレイ150の画面領域の全体を1つの表示領域DAとして1画面構成として表示を制御することも、ディスプレイ150の画面領域を第1表示領域DA1と第2表示領域DA2との2つの表示領域に分けて2画面構成として表示を制御することも可能である。ここで、第1表示領域DA1と第2表示領域DA2とは、互いに重ならない表示領域である。ここでは、ディスプレイ150の画面領域のうち第1筐体101の内面側に対応する表示領域が第1表示領域DA1、第2筐体102の内面側に対応する表示領域が第2表示領域DA2であるとする。以下では、1画面構成で表示を制御する表示モードのことを「1画面モード」、2画面構成で表示を制御する表示モードのことを「2画面モード」と称する。
【0021】
なお、ディスプレイ150の画面領域の上にはタッチセンサが設けられている。情報処理装置10は、ディスプレイ150の画面領域に対するタッチ操作を検出することが可能である。ユーザは、情報処理装置10を開状態にすることにより、第1筐体101と第2筐体102のそれぞれの内面に設けられたディスプレイ150の表示を視認することやディスプレイ150へのタッチ操作が可能となり、情報処理装置10の使用が可能となる。
【0022】
次に、情報処理装置10の使用形態と画面モードについて詳しく説明する。まず、情報処理装置10の使用形態としては、第1筐体101と第2筐体102との開き角θによって、第1筐体101と第2筐体102とが折れ曲がった状態(Bent form)と、第1筐体101と第2筐体102とが折れ曲がっていない平面の状態(Flat form)とに分けられる。以下では、第1筐体101と第2筐体102とが折れ曲がった状態(Bent form)のことを単に「折れ曲がった状態(Bent form)」、第1筐体101と第2筐体102とが折れ曲がっていない平面の状態(Flat form)のことを単に「平面の状態(Flat form)」と称する。折れ曲がった状態(Bent form)では、第1筐体101と第2筐体102とに亘って設けられているディスプレイ150も折れ曲がった状態になる。平面の状態(Flat form)では、ディスプレイ150も平面の状態になる。
【0023】
図2は、折れ曲がった状態(Bent form)の情報処理装置10の一例を示す側面図である。ディスプレイ150が第1筐体101と第2筐体102とに亘って(またがって)配置されている。ディスプレイ150の画面領域(
図1に示す表示領域DA)は、ヒンジ機構103に対応する部分を折り目として折り曲げ(屈曲)が可能であり、この折り目を境に第1筐体101側の表示領域を第1表示領域DA1、第2筐体102側の表示領域を第2表示領域DA2として示している。ディスプレイ150は、第1筐体101と第2筐体102との回動(開き角θ)に応じて屈曲する。情報処理装置10は、開き角θに応じて折れ曲がった状態(Bent form)であるか否かを判別する。一例として10°<θ<170°である場合に、情報処理装置10は、折れ曲がった状態(Bent form)であると判別する。この状態は、所謂クラムシェルモードやブックモードという使用形態に相当する。
【0024】
図3は、平面の状態(Flat form)の情報処理装置10の一例を示す側面図である。情報処理装置10は、典型的には開き角θが180°である場合に平面の状態(Flat form)であると判別するが、一例として、170°≦θ≦180°である場合に平面の状態(Flat form)であると判別してもよい。例えば、第1筐体101と第2筐体102との開き角θが180°の場合、ディスプレイ150も平面の状態となる。この状態は、所謂タブレットモードという使用形態に相当する。
【0025】
次に、
図4を参照して、情報処理装置10の各種の使用形態による表示モードについて詳しく説明する。
図4は、本実施形態に係る情報処理装置10の各種の表示モードの具体例を示す図である。情報処理装置10は、第1筐体101と第2筐体102との開き角θ、情報処理装置10の姿勢(向き)、1画面モードであるか2画面モードであるかなどによって分類される使用形態で表示モードが異なる。なお、1画面のことはシングルスクリーン、2画面のことはスプリットスクリーンまたはデュアルスクリーンなどともいわれる。
【0026】
表示モード(a)は、使用形態として第1筐体101と第2筐体102とが閉状態(Closed)であるときの表示モードである。例えば、この閉状態では、情報処理装置10は、例えばスリープや休止状態(ハイバネーション)などの待機状態となり、ディスプレイ150が表示オフの状態である。このスリープや休止状態(ハイバネーション)などの待機状態は、例えばACPI(Advanced Configuration and Power Interface)で規定されているシステムの電源状態のS3またはS4に相当する。
【0027】
表示モード(b)は、使用形態としては折れ曲がった状態(Bent form)で、且つディスプレイ150の画面領域を第1表示領域DA1と第2表示領域DA2との2つの表示領域に分けて表示を制御する2画面モードであるときの表示モードである。また、情報処理装置10の向きは、第1表示領域DA1と第2表示領域DA2とが縦向きで左右に横に並ぶ向きである。表示領域が縦向きとは、長方形の表示領域の4辺のうちの長辺が縦方向、短辺が横方向になる向きである。表示領域が縦向きの場合は表示の向きも縦向きであり、長辺に沿う方向が上下方向に対応し短辺に沿う方向が左右方向になる向きで表示される。この使用形態は、本を開いたときの左右の頁が左右の画面に相当するような使用形態であり、所謂ブックモードに相当する。この使用形態は、折れ曲がった状態(Bent form)で、且つ第1表示領域DA1と第2表示領域DA2とが横並びで2つを合わせた表示領域が横長であることから、「Fold Landscape」とも称する。
【0028】
この表示モード(b)では、情報処理装置10は、例えば通常の動作状態で、左側の第1表示領域DA1がプライマリ画面として、右側の第2表示領域DA2がセカンダリ画面として、2画面の表示モードとなる。なお、表示モード(b)において、第1表示領域DA1及び第2表示領域DA2とプライマリ画面及びセカンダリ画面との対応関係は、逆としてもよい。
【0029】
表示モード(c-1)は、表示モード(b)と同様に、折れ曲がった状態(Bent form)で、且つディスプレイ150の画面領域を第1表示領域DA1と第2表示領域DA2との2つの表示領域に分けて表示を制御する2画面モードであるときの表示モードであるが、情報処理装置10の向きが異なる使用形態である。情報処理装置10の向きは、第1表示領域DA1と第2表示領域DA2とが横向きで上下に縦に並ぶ向きである。表示領域が横向きとは、長方形の表示領域の4辺のうちの長辺が横方向、短辺が縦方向になる向きである。表示領域が横向きの場合は表示の向きも横向きであり、短辺に沿う方向が上下方向に対応し長辺に沿う方向が左右方向になる向きで表示される。この使用形態はクラムシェル(Clamshell)型のPCの一般的な使用形態の一つである。
【0030】
この表示モード(c-1)では、情報処理装置10は、例えば通常の動作状態で、第1表示領域DA1がプライマリ画面として、第2表示領域DA2がセカンダリ画面として、2画面の表示モードとなる。なお、表示モード(c-1)において、第1表示領域DA1及び第2表示領域DA2とプライマリ画面及びセカンダリ画面との対応関係は、逆としてもよい。
【0031】
例えば、情報処理装置10は、情報処理装置10の姿勢(向き)の変化を検出することで、表示モード(b)から表示モード(c-1)または表示モード(c-1)から表示モード(b)へ自動的に切り替える(Switch by Rotation)。例えば、表示モード(b)に対して表示モード(c-1)は図示でディスプレイ150が右方向へ90度回転した状態であるため、情報処理装置10は、表示モード(b)の状態から右方向へ所定の角度(例えば45度)以上回転したことを検出すると、表示モード(c-1)へ切り替える。また、表示モード(c-1)に対して表示モード(b)は図示でディスプレイ150が左方向へ90度回転した状態であるため、情報処理装置10は、表示モード(c-1)の状態から左方向へ所定の角度(例えば45度)以上回転したことを検出すると、表示モード(b)へ切り替える。
【0032】
表示モード(c-2)は、表示モード(c-1)と同様に、折れ曲がった状態(Bent form)で情報処理装置10の向きも同じであるが、情報処理装置10に接続可能な外付けのキーボード30(Dockable mini KBD:KeyBord)が接続されていることが異なる。この使用形態は、クラムシェル(Clamshell)型のPCの一般的な使用形態に物理的なキーボード30が接続されている状態である。例えば、キーボード30は、第2表示領域DA2のサイズとほぼ同等であり、第2表示領域DA2の上に載置可能に構成されている。一例として、キーボード30は、底面の内部(端部)にはマグネットが設けられており、第2表示領域DA2の上に載置すると、第2筐体102の内面端部の金属部分と吸着されて固定される。これにより、元々物理的なキーボードが設けられている旧来からのクラムシェル型のPCと同様の使用形態となる。また、情報処理装置10とキーボード30とは、例えば、Bluetooth(登録商標)で接続される。この表示モード(c-2)では、情報処理装置10は、第2表示領域DA2はキーボードで視認できなくなるため、黒表示または表示オフに制御する。つまり、この表示モード(c-2)は、表示に有効なのは半分の画面のみとなる表示モード(以下、「ハーフ画面モード」と称する)であり、第1表示領域DA1のみを使用した1画面モードとなる。
【0033】
例えば、情報処理装置10は、表示モード(c-1)の状態で、外付けのキーボードとの接続を検出すると、表示モード(c-1)から表示モード(c-2)へ自動的に切り替える(Switch by Dock)。
【0034】
表示モード(d)は、表示モード(b)と同様に、折れ曲がった状態(Bent form)で、情報処理装置10の向きも同じであるが、ディスプレイ150の画面領域の全体を1つの表示領域DAとして表示を制御する1画面モードであることが異なる。この使用形態は、表示モード(b)に対して、1画面モードであることが異なるが、折れ曲がった状態(Bent form)で、且つ表示領域DAが横長であることから、「Fold Landscape」とも称する。表示領域DAは横向きであり、表示の向きも横向きである。
【0035】
ここで、折れ曲がった状態(Bent form)における1画面モードと2画面モードとの切り替えは、例えば、ユーザの操作により行われる。例えば、情報処理装置10は、1画面モードと2画面モードとを切り替え可能なUI(User Interface)としての操作子を画面上のいずれかの場所に表示させ、当該操作子に対する操作に基づいて、表示モード(b)から表示モード(d)へ切り替える(Switch by UI)。この表示モードの切り替え操作の具体例については後述する。
【0036】
表示モード(e)は、表示モード(c-1)と同様に、折れ曲がった状態(Bent form)で、情報処理装置10の向きも同じであるが、ディスプレイ150の画面領域の全体を1つの表示領域DAとして表示を制御する1画面モードであることが異なる。この使用形態は、表示モード(c-1)に対して、1画面モードであることが異なるが、折れ曲がった状態(Bent form)と情報処理装置10の向きから、クラムシェル(Clamshell)型のPCの使用形態に相当する。表示領域DAは縦向きであり、表示の向きも縦向きである。
【0037】
例えば、情報処理装置10は、情報処理装置10の姿勢(向き)の変化を検出することで、表示モード(d)から表示モード(e)へ、または表示モード(e)から表示モード(d)へ自動的に切り替える(Switch by Rotation)。例えば、表示モード(d)に対して表示モード(e)は図示でディスプレイ150が右方向へ90度回転した状態であるため、情報処理装置10は、表示モード(d)の状態から右方向へ所定の角度(例えば45度)以上回転したことを検出すると、表示モード(e)へ切り替える。また、表示モード(e)に対して表示モード(d)は図示でディスプレイ150が左方向へ90度回転した状態であるため、情報処理装置10は、表示モード(e)の状態から左方向へ所定の角度(例えば45度)以上回転したことを検出すると、表示モード(d)へ切り替える。
【0038】
表示モード(d´)は、表示モード(d)と同様に、1画面モードで、情報処理装置10の向きも表示領域DAが横長となる向きであるが、平面の状態(Flat form)であることが異なる。平面の状態(Flat form)とは、第1筐体101と第2筐体102との開き角θが略180°の状態である。この使用形態は、
図3を参照して説明した所謂タブレットモードに対応するものであり、平面の状態(Flat form)で、且つ表示領域DAが横長であることから、「Flat Landscape」とも称する。この表示モード(d´)は、表示モード(d)に対して第1筐体101と第2筐体102との開き角θが異なるだけである。表示モード(d)と同様に、表示領域DAは横向きであり、表示の向きも横向きである。
【0039】
表示モード(e´)は、表示モード(e)と同様に、1画面モードで、情報処理装置10の向きも表示領域DAが縦長となる向きであるが、平面の状態(Flat form)であることが異なる。この使用形態は、平面の状態(Flat form)で、且つ表示領域DAが縦長であることから、「Flat Portrait」とも称する。この表示モード(e´)は、表示モード(e)に対して第1筐体101と第2筐体102との開き角θが異なるだけである。表示モード(e)と同様に、表示領域DAは縦向きであり、表示の向きも縦向きである。
【0040】
例えば、情報処理装置10は、情報処理装置10の姿勢(向き)の変化を検出することで、表示モード(d´)から表示モード(e´)へ、または表示モード(e´)から表示モード(d´)へ自動的に切り替える(Switch by Rotation)。例えば、表示モード(d´)に対して表示モード(e´)は図示でディスプレイ150が右方向へ90度回転した状態であるため、情報処理装置10は、表示モード(d´)の状態から右方向へ所定の角度(例えば45度)以上回転したことを検出すると、表示モード(e´)へ切り替える。また、表示モード(e´)に対して表示モード(d´)は図示でディスプレイ150が左方向へ90度回転した状態であるため、情報処理装置10は、表示モード(e´)の状態から左方向へ所定の角度(例えば45度)以上回転したことを検出すると、表示モード(d´)へ切り替える。
【0041】
なお、表示モード(d´)及び表示モード(e´)において、前述した1画面モードと2画面モードとを切り替え可能なUIとしての操作子(例えば、
図5を参照して後述する表示モード切替アイコン)に対してユーザが操作を行うことにより、平面の状態(Flat form)のまま2画面モードに切り替えることも可能である。例えば、表示モード(d´)の状態から2画面モードに切り替えると、平面の状態(Flat form)で表示状態は表示モード(b)と同様になる。また、表示モード(e´)の状態から2画面モードに切り替えると、平面の状態(Flat form)で表示状態は表示モード(c-1)と同様になる。
【0042】
また、情報処理装置10は、表示モード(e´)の状態でキーボード30との接続を検出すると、表示モード(e´)から表示モード(c-2´)へ自動的に切り替える(Switch by Dock)。表示モード(c-2´)は、平面の状態(Flat form)であり、表示モード(c-2)に対して第1筐体101と第2筐体102との開き角θが異なるだけである。この表示モード(c-2´)では、情報処理装置10は、第2表示領域DA2はキーボードで視認できなくなるため、黒表示または表示オフに制御する。つまり、この表示モード(c-2´)は、表示モード(c-2)と同様に、表示に有効なのは半分の1画面のみとなるハーフ画面モードである。
【0043】
また、情報処理装置10は、平面の状態(Flat form)から折れ曲がった状態(Bent form)への変化を検出することで、1画面モードから2画面モードに自動的に切り替えるようにすることもできる(Switch by Hinge angle)。例えば、情報処理装置10は、第1筐体101と第2筐体102との開き角θに基づいて、表示モード(d´)の状態において折れ曲がった状態(Bent form)への変化を検出した場合、表示モード(d´)から表示モード(b)へ自動的に切り替える。また、情報処理装置10は、第1筐体101と第2筐体102との開き角θに基づいて、表示モード(e´)の状態において折れ曲がった状態(Bent form)への変化を検出した場合、表示モード(e´)から表示モード(c-1)へ自動的に切り替える。
【0044】
(表示モードの切り替え操作)
次に、ユーザの操作により表示モードを切り替える際の操作仕様の具体例を説明する。
図5は、本実施形態に係る表示モード切替操作の操作仕様の一例を示す図である。例えば、
図5(A)に示すように、表示モードの切替メニューを表示させるアイコンC1がタスクバーB2に表示される。タスクバーB2は、ディスプレイ150の画面領域内のいずれかに表示される。例えば、1画面モードであっても2画面モードであっても、ディスプレイ150の画面領域内の1か所(例えば、画面領域の最下部)のみにタスクバーB2が表示される。なお、2画面モードの場合に、第1表示領域DA1及び第2表示領域DA2のそれぞれに(例えば、それぞれの最下部に)タスクバーB2が表示されてもよい。
【0045】
切替メニューを表示させるアイコンC1に対して操作がされると、表示モードの切替メニューがポップアップ画面として表示される。なお、折れ曲がった状態(Bent form)から折れ曲がっていない平面の状態(Flat form)へ変化したときに表示モードの切替メニューがポップアップ画面として表示されてもよい。また、平面の状態(Flat form)から折れ曲がった状態(Bent form)へ変化したときに表示モードの切替メニューがポップアップ画面として表示されてもよい。
【0046】
切替メニューには、1画面モードと2画面モードとの切り替え、及び2画面モードにおける第1表示領域DA1と第2表示領域DA2とのそれぞれに表示させる表示データの入れ替え(プライマリ画面とセカンダリ画面の入れ替え)をユーザが指示するための表示モード切替アイコンが表示モードの選択肢として表示される。切替メニューには、そのときの使用形態(ディスプレイ150の向き)によってユーザが選択可能な表示モードの選択肢が表示される。
【0047】
図5(B)は、使用形態が「Landscape」(表示モード(b)、表示モード(d)、表示モード(d´)など)のときに表示される切替メニューM1を示している。なお、図中の「1」、「2」は、表示領域を区別するために付しており、例えば、各表示領域に予め設定された領域の優先順位に従った数字で表している。例えば、2画面モードにおいて「1」は「2」よりも領域の優先順位が上位であり、例えばプライマリ画面であることを示し、「2」はセカンダリ画面であることを示している。切替メニューM1には、表示モード切替アイコンC11、表示モード切替アイコンC12、及び表示モード切替アイコンC13が表示される。表示モード切替アイコンC11は、1画面モードの表示モード(d)及び表示モード(d´)を選択するための操作子として表示される。表示モード切替アイコンC12と表示モード切替アイコンC13は、2画面モードの表示モード(b)を選択するための操作子として表示され、表示モード切替アイコンC12と表示モード切替アイコンC13では、「1」(プライマリ画面)と「2」(セカンダリ画面)の並びが異なる。
【0048】
なお、現在の表示モードに対応する表示モード切替アイコンは、他の表示モード切替アイコンと区別可能な表示態様で表示される。ここでは、表示モード切替アイコンC11が現在の表示モードであることがわかるように、他の表示モード切替アイコンC12、C13に対して強調表示されている。
【0049】
図5(C)は、使用形態が「ClamshellまたはPortrait」(表示モード(c-1)、表示モード(e)、表示モード(e´)など)のときに表示される切替メニューM2を示している。切替メニューM2には、表示モード切替アイコンC21、表示モード切替アイコンC22、及び表示モード切替アイコンC23が表示される。表示モード切替アイコンC21は、1画面モード(表示モード(e)及び表示モード(e´))を選択するための操作子として表示される。表示モード切替アイコンC22と表示モード切替アイコンC23は、2画面モードの表示モード(c-1)を選択するための操作子として表示され、表示モード切替アイコンC22と表示モード切替アイコンC23では、「1」(プライマリ画面)と「2」(セカンダリ画面)の並びが異なる。
【0050】
なお、
図5(B)に示す切替メニューM1と同様に、現在の表示モードに対応する表示モード切替アイコンは、他の表示モード切替アイコンと区別可能な表示態様で表示される。ここでは、表示モード切替アイコンC21が現在の表示モードであることがわかるように、他の表示モード切替アイコンC22、C23に対して強調表示されている。
【0051】
ユーザは、切替メニューM1または切替メニューM2に表示されている表示モード切替アイコンのいずれかを任意に選択することが可能である。表示モード切替アイコンのいずれかをユーザが選択した場合、切替メニューの表示は終了される。或いは、切替メニューM1または切替メニューM2が表示されてから所定時間(例えば、3~5秒)経過してもユーザがいずれの表示モード切替アイコンを選択しなかった場合、切替メニューの表示は終了される。また、切替メニューの右上の閉じるボタン「×」に対してユーザが操作した場合、ポップアップされている切替メニューの画面の外側をユーザが操作した場合、または情報処理装置10の向きが変更された場合、切替メニューの表示は終了される。なお、キーボード30が接続されている状態では、第1表示領域DA1のみ表示が有効となるハーフ画面モード(表示モード(c-2))に固定されるため、切替メニューは表示されない。
【0052】
なお、1画面モードと2画面モードとを切り替えるためのUIは、
図5に示す例に限定されるものではなく、任意のUIを用いることができる。例えば、操作されるごとに1画面モードと2画面モードとが交互に切り替わるアイコン、または、操作されるごとに1画面モードと2画面モードと反転2画面モードとが順番に切り替わるアイコンがタスクバーB2に表示されてもよい。なお、以下の説明において、2画面モードと反転2画面モードとを特に区別しない場合は、2画面モードと総称する。
【0053】
また、
図5に示す例では、タスクバーB2に表示されるアイコンC1に対する操作により表示モードの切替メニューがポップアップ画面として表示されるが、アプリケーションのウィンドウに対するドラッグ操作などにより切替メニューがポップアップ画面として表示されてもよい。また、アプリケーションのウィンドウに対するドラッグ操作などで表示モードが切り替わってもよい。アプリケーションのウィンドウに対するドラッグ操作により切替メニューをポップアップする場合には、切替メニューに表示される画面領域の分割領域のうちの一つの上にドラッグすることにより画面モードのみではなく画面領域の選択を可能として、選択された領域にドラッグされているアプリケーションを配置するようにしてもよい。また、アプリケーションのウィンドウの特定の場所に対する操作により切替メニューがポップアップ画面として表示されてもよい。
【0054】
(1画面モードから2画面モードへの切り替えの際の表示制御)
次に、1画面モードから2画面モードへの切り替えの際の表示制御について説明する。情報処理装置10は、1画面モードから2画面モードへ切り替えた場合、第1表示領域DA1(例えば、プライマリ画面)に対しては、1画面モードにおいて実行されていたアプリケーション(以下、単に「アプリ」と称する)のウィンドウのうちの1つのウィンドウを表示させる。例えば、情報処理装置10は、1画面モードにおいて実行されていたアプリのウィンドウのうちのアクティブウィンドウを第1表示領域DA1に表示させる。
【0055】
ここで、複数のウィンドウが開いている場合、1つ1つのウィンドウは、ディスプレイ150において複数のレイヤに重ねて配置される。アクティブウィンドウとは、現在選択されユーザの操作対象となっているウィンドウであり、例えばディスプレイ150の最前面のレイヤ(最上位のレイヤ)に配置されて表示されているウィンドウのことである。情報処理装置10が1画面モードから2画面モードへの切り替え時に第1表示領域DA1に表示させるアクティブウィンドウは、2画面モードへ切り替わる直前の1画面モードのときにアクティブウィンドウとして表示されていたウィンドウである。
【0056】
なお、情報処理装置10は、1画面モードから2画面モードへ切り替えた場合、第1表示領域DA1には1画面モードにおけるアクティブウィンドウを表示させるが、アクティブウィンドウが無い場合には、1画面モードで表示領域DAに表示させていたウィンドウのうち最も優先順位の高いウィンドウを第1表示領域DA1に表示させる。
【0057】
最も優先順位の高いウィンドウとは、典型的にはアクティブウィンドウであるが、アクティブウィンドウが無い場合には、アクティブウィンドウとなった順番が最後のウィンドウである。例えば、表示領域DAにおいてウィンドウ以外の箇所に対して操作したときにはアクティブウィンドウが無い状態となるが、最後にアクティブウィンドウとなったウィンドウが第1表示領域DA1に表示される。即ち、アクティブウィンドウとなった順番が後のウィンドウほど表示の優先順位が高く、第1表示領域DA1には最も優先順位の高いウィンドウが表示されることになる。但し、説明を分かりやすくするために、以下の説明において、最も優先順位の高いウィンドウのことを、「アクティブウィンドウ」と記載して説明する。
【0058】
また、情報処理装置10は、1画面モードから2画面モードへ切り替えた場合、第2表示領域DA2(例えば、セカンダリ画面)に対しては、1画面モードにおけるウィンドウのうちアクティブウィンドウを除く非アクティブウィンドウに対応するサムネイル画像(縮小画像)を表示させる。ここで、非アクティブウィンドウとは、2画面モードへ遷移する直前の1画面モードのときのアクティブウィンドウ以外のウィンドウである。以下では、非アクティブウィンドウのサムネイル画像が表示されるウィンドウを「サムネイルウィンドウ」とも称する。
【0059】
図6を参照して、1画面モードから2画面モードへ切り替えたときに第2表示領域DA2にサムネイルウィンドウが表示される場合の2画面モードの表示例を説明する。
図6は、本実施形態に係る2画面モードの表示例を示す図である。ここでは、
図4に示す表示モード(c-1)における2画面モードの表示例を示している。クラムシェル型のPCの一般的な2画面モードでの使用形態であり、第1表示領域DA1と第2表示領域DA2とが横向きで上下に縦に並ぶ向きである。表示領域が横向きとは、長方形の表示領域の4辺のうちの長辺が横方向、短辺が縦方向になる向きである。縦は垂直(上下)方向に対応し、横は水平(左右)方向に対応する。垂直方向は、典型的には鉛直方向である。すなわち、第1表示領域DA1の表示の向きにおいて下側となる端辺が、第2表示領域DA2の表示の向きにおいて上側となる端辺側となるように、第1表示領域DA1と第2表示領域DA2とが配置されている。
【0060】
情報処理装置10は、1画面モードから2画面モードへ切り替えた場合、1画面モードで実行中のアプリのアクティブウィンドウを第1表示領域DA1に表示させる。例えば、情報処理装置10は、1画面モードで表示領域DAに表示されていたアクティブウィンドウを、2画面モードに遷移すると第1表示領域DA1の表示領域全体に最大化してアクティブウィンドウとして表示させる。また、情報処理装置10は、1画面モードで非アクティブウィンドウであったウィンドウを、2画面モードに遷移すると第1表示領域DA1のアクティブウィンドウが表示されている最前面の後ろのレイヤ(下位のレイヤ)に、1画面モードのときのレイヤ関係(ウィンドウの重なり順)を維持した状態で配置する。例えば、情報処理装置10は、1画面モードで非アクティブウィンドウであったウィンドウも第1表示領域DA1の表示領域全体に最大化して、アクティブウィンドウの後ろのレイヤ(下位のレイヤ)に配置する。よって、第1表示領域DA1では、アクティブウィンドウが最大化して表示され、非アクティブウィンドウはアクティブウィンドウの後ろのレイヤ(下位のレイヤ)に存在するものの表示はされない(ユーザからは見えない)状態となる。
【0061】
また、情報処理装置10は、1画面モードから2画面モードへ切り替えた場合、1画面モードで非アクティブウィンドウであったウィンドウのサムネイル画像を生成して第2表示領域DA2(セカンダリ画面)にサムネイルウィンドウを表示させる。非アクティブウィンドウが複数ある場合には、情報処理装置10は、複数の非アクティブウィンドウのサムネイル画像が並ぶサムネイルウィンドウを第2表示領域DA2に表示させる。
【0062】
例えば、サムネイルウィンドウには、複数のウィンドウのサムネイル画像が並べられて表示される。サムネイルウィンドウの上端には、タイトルバーB1が表示される。タイトルバーB1の右端の閉じるボタン「×」は、サムネイルウィンドウを閉じるための操作子として表示されている。ユーザは、このタイトルバーB1の閉じるボタン「×」に対して操作(例えば、タップ操作)することで、サムネイルウィンドウを閉じてサムネイル画像のすべてを非表示にすることも可能である。
【0063】
なお、第1表示領域DA1でアクティブウィンドウの後ろのレイヤに存在する非アクティブウィンドウ(すなわち、第2表示領域DA2にサムネイル画像として表示される非アクティブウィンドウの本体(実ウィンドウ)は、アクティブウィンドウの背面に隠れるように同サイズ(第1表示領域DA1の表示領域全体に最大化したサイズ)で優先順位に従って重ねて配置されるが、アクティブウィンドウより小さいサイズで優先順位に従って重ねて配置されてもよい。
【0064】
また、情報処理装置10は、第2表示領域DA2でサムネイル画像として表示される非アクティブウィンドウの本体(実ウィンドウ)を、一旦全て最小化(例えば、Windows(登録商標)ではタスクバー上にアプリのアイコンのみが存在する状態)して表示領域には配置しない状態にしてもよい。要するに、第2表示領域DA2でサムネイル画像が表示される非アクティブウィンドウの本体(実ウィンドウ)は、一旦ユーザから見えないように処理されればよい。そして、第2表示領域DA2には、その後サムネイルウィンドウで選択されたサムネイル画像のアプリのウィンドウがアクティブウィンドウとして最前面に表示される。
【0065】
また、第2表示領域DA2の下端に表示されているタスクバーB2は、
図5に示すタスクバーB2に対応し、第1表示領域DA1及び第2表示領域DA2に共通のタスクバーとして1か所に表示されている。なお、タスクバーB2が表示される位置は、第1表示領域DA1または第2表示領域DA2の左端または右端としてもよいし、第1表示領域DA1の上端としてもよい。また、前述したように第1表示領域DA1と第2表示領域DA2のそれぞれにタスクバーが表示されてもよい。タスクバーが表示される位置がいずれであっても本発明の適用を制限するものではない。
【0066】
なお、
図6では、第2表示領域DA2にサムネイル画像が表示される場合、タイトルバーB1が含まれるサムネイルウィンドウとして表示される例を示したが、タイトルバーB1の表示が無くてもよく、単に複数のサムネイル画像が並んで表示されてもよい。
【0067】
ユーザの操作(例えば、タップ操作)によりいずれかのサムネイル画像が選択された場合、情報処理装置10は、第2表示領域DA2に表示させていたサムネイルウィンドウを閉じて(非表示にして)、選択されたサムネイル画像に対応する非アクティブウィンドウをアクティブウィンドウとして第2表示領域DA2に表示させる。具体的には一例として、情報処理装置10は、選択されたサムネイル画像に対応する非アクティブウィンドウを第1表示領域DA1から第2表示領域DA2へ移動させた上で、第2表示領域DA2に最大化してアクティブウィンドウとして表示させる。
【0068】
このように、ユーザは、実行中のアプリのうち使用したいアプリのウィンドウを、サムネイル画像を選択することで容易に表示させることができる。ここで、この第2表示領域DA2へ表示させたウィンドウを閉じて非表示にしたときには、ウィンドウの表示が無い状態(ウィンドウが空の状態)になることがある。例えば、
図6を参照して説明したように、1画面モードから2画面モードに切り替えたときに第2表示領域DA2に表示したにサムネイル画像に対応する非アクティブウィンドウの本体(実ウィンドウ)を第1表示領域DA1の下位レイヤに配置または最小化した場合には、第2表示領域DA2へ表示させたウィンドウを閉じて非表示にしたときに第2表示領域DA2はウィンドウの表示が無い状態(ウィンドウが空の状態)になる。この状態では、ユーザは別のアプリのウィンドウをその空の状態になった第2表示領域DA2に表示させるには例えばタスクバーからアプリを選択してウィンドウを表示させた後に移動させるといった操作が容易に表示させることができない。
【0069】
そこで、情報処理装置10は、第2表示領域DA2に表示しているウィンドウを閉じて非表示にしたときに、ウィンドウの表示が無い状態(ウィンドウが空の状態)になったタイミングで、自動的にサムネイルウィンドウを表示させる。これにより、ユーザが次に表示させたいアプリのウィンドウを容易に表示させることができる。
【0070】
(サムネイルウィンドウの表示制御)
図7は、本実施形態に係るサムネイルウィンドウの表示制御の第1例を示す図である。
図7(A)は1画面モードの表示例を示している。図示する例では、1画面モードにおいて実行されているアプリのウィンドウの数は4つである。ここでは、表示領域DAに4つのウィンドウW1、W2、W3、W4を示している。ウィンドウW1が最前面のレイヤ(最上位のレイヤ)に配置されているアクティブウィンドウである。1画面モードから2画面モードへ切り替わると、
図7(B)に示すように、第1表示領域DA1にはウィンドウW1が最大化してアクティブウィンドウとして表示され、第2表示領域DA2にはサムネイルウィンドウが表示される。
【0071】
例えば、第2表示領域DA2には、実行中のアプリのウィンドウのうちウィンドウW1を除くウィンドウW2、W3、W4のサムネイル画像SW2、SW3、SW4が並ぶサムネイルウィンドウが表示される。ウィンドウW2、W3、W4の本体(実ウィンドウ)は、第1表示領域DA1に表示されているウィンドウW1の下位レイヤに配置または最小化される。なお、1画面モードにおいて実行されているアプリのウィンドウの数が5つ以上であれば、2画面モードへ切り替わったときに第2表示領域DA2に表示されるサムネイル画像の数も4つ以上になる。
【0072】
図7(B)に示す2画面モードにおいてユーザがサムネイル画像SW2を選択する操作を行うと、サムネイルウィンドウが閉じ、
図7(C)に示すようにサムネイル画像SW2に対応するウィンドウW2が第2表示領域DA2に最大化してアクティブウィンドウとして表示される。ここで、ユーザの操作(例えば、ウィンドウW2の閉じるボタン「×」に対する操作)によりウィンドウW2が閉じて非表示になると、ウィンドウW2の下位レイヤにはウィンドウが配置されていないため、第2表示領域DA2はウィンドウの表示が無い状態(ウィンドウが空の状態)になる。そこで、
図7(D)に示すように第2表示領域DA2にはサムネイルウィンドウが自動で表示される。例えば、第2表示領域DA2には、実行中のアプリのウィンドウのうちウィンドウW1を除くウィンドウW3、W4のサムネイル画像SW3、SW4が並ぶサムネイルウィンドウが表示される。
【0073】
なお、
図7(C)においてユーザの操作によりウィンドウW2が閉じて非表示になるのではなく、ユーザの操作によりウィンドウW2が最小化されて非表示になった場合には、ウィンドウW2も最小化された状態で存在している。そのため、
図7(D)において第2表示領域DA2には、サムネイル画像SW2、SW3、SW4が並ぶサムネイルウィンドウが表示される。
【0074】
また、
図7(D)において第2表示領域DA2に表示されるサムネイルウィンドウには、第1表示領域DA1に表示されているウィンドウW1のサムネイル画像も含まれてもよい。また、情報処理装置10に複数のディスプレイが接続されている場合には、第2表示領域DA2に表示されるサムネイルウィンドウには、他のディスプレイに表示されているウィンドウのサムネイル画像も含まれてもよい。この場合、他のディスプレイに表示されているウィンドウのサムネイル画像が選択された場合は、そのウィンドウは他のディスプレイから第2表示領域DA2に移動される。
【0075】
また、情報処理装置10は、第1表示領域DA1に表示されているウィンドウが閉じられて非表示にしたときも、ウィンドウの表示が無い状態(ウィンドウが空の状態)になったタイミングで、自動的にサムネイルウィンドウを表示させる。
【0076】
図8は、本実施形態に係るサムネイルウィンドウの表示制御の第2例を示す図である。
図8(A)、(B)は、
図7(A)、(B)に対応し、
図8(A)に示す1画面モードから、
図8(B)に示す2画面モードへ切り替わると、第1表示領域DA1にはウィンドウW1が最大化してアクティブウィンドウとして表示され、第2表示領域DA2にはサムネイルウィンドウが表示される。ここでは、第2表示領域DA2に表示されているサムネイル画像SW2、SW3、SW4に対応するウィンドウW2、W3、W4の本体(実ウィンドウ)は最小化されているとものとする。
【0077】
また、
図8(B)に示す2画面モードにおいてユーザがサムネイル画像SW2を選択する操作を行うと、サムネイルウィンドウが閉じ、
図7(C)と同様に、
図8(C)に示すようにサムネイル画像SW2に対応するウィンドウW2が第2表示領域DA2に最大化してアクティブウィンドウとして表示される。
【0078】
ここで、ユーザの操作(例えば、ウィンドウW1の閉じるボタン「×」に対する操作)によりウィンドウW1が閉じて非表示になると、ウィンドウW1の下位レイヤにはウィンドウが配置されていないため、第1表示領域DA1はウィンドウの表示が無い状態(ウィンドウが空の状態)になる。そこで、
図8(D)に示すように第1表示領域DA1にはサムネイルウィンドウが自動で表示される。例えば、第1表示領域DA1には、実行中のアプリのウィンドウのうちウィンドウW2を除くウィンドウW3、W4のサムネイル画像SW3、SW4が並ぶサムネイルウィンドウが表示される。
【0079】
なお、
図8(C)においてユーザの操作によりウィンドウW1が閉じて非表示になるのではなく、ユーザの操作によりウィンドウW1が最小化されて非表示になった場合には、ウィンドウW1も最小化された状態で存在している。そのため、
図8(D)において第1表示領域DA1には、サムネイル画像SW2、SW3、SW4が並ぶサムネイルウィンドウが表示される。
【0080】
また、
図8(D)において第1表示領域DA1に表示されるサムネイルウィンドウには、第2表示領域DA2に表示されているウィンドウW2のサムネイル画像も含まれてもよい。
【0081】
(情報処理装置10の構成)
以下、情報処理装置10の具体的な構成について説明する。
図9は、本実施形態に係る情報処理装置10のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。情報処理装置10は、通信部11と、RAM(Random Access Memory)12と、記憶部13と、スピーカ14と、表示部15と、カメラ16と、第1加速度センサ161と、第2加速度センサ162と、ホールセンサ17と、制御部18とを備えている。これらの各部は、バスなどを介して通信可能に接続されている。
【0082】
通信部11は、例えば、複数のイーサネット(登録商標)ポートや複数のUSB(Universal Serial Bus)等のデジタル入出力ポート、Bluetooth(登録商標)やWi-Fi(登録商標)等の無線通信を行う通信デバイス等を含んで構成される。例えば、通信部11は、Bluetooth(登録商標)を用いて、前述の外付けのキーボード30などと通信することが可能である。
【0083】
RAM12には、制御部18により実行される処理のプログラムやデータが展開され、適宜、各種データの保存または消去が行われる。例えば、RAM12は、ディスプレイ150の表示用のビデオメモリ(V-RAM)としても機能する。一例として、RAM12は、ディスプレイ150を1画面モードまたは2画面モードなどに制御する際の各表示領域に表示されるデータのビデオメモリとして機能する。また、RAM12には、実行中のアプリの情報や、実行中のアプリのうちの使用中のアプリ(アクティブウィンドウのアプリ)、それ以外の非アクティブウィンドウのアプリの情報、各ウィンドウがどの表示領域に表示されているか、どのレイヤに配置されているか、ウィンドウのサイズや最小化されているか否かなどの情報を記憶する。なお、RAM12は、揮発性メモリであるため、RAM12への給電が停止されるとデータを保持しない。RAM12への給電が停止される際に保持が必要なデータは、記憶部13に移される。
【0084】
記憶部13は、SSD(Solid State Drive)、HDD(Hard Disk Drive)、ROM(Resad Only Memory)、Flash-ROMなどのいずれか一つ又は複数を含んで構成される。例えば、記憶部13には、BIOS(Basic Input Output System)のプログラムや設定データ、OS(Operating System)やOS上で動作するアプリのプログラム、及びアプリで使用される各種のデータなどが保存される。
スピーカ14は、電子音や音声などを出力する。
【0085】
表示部15は、ディスプレイ150とタッチセンサ155とを備えている。ディスプレイ150は、前述したように、第1筐体101と第2筐体102との相対的な回動による開き角θに合わせて屈曲可能なフレキシブルディスプレイである。ディスプレイ150は、制御部18の制御に応じて、
図4を参照して説明した各表示モードに対応する表示を行う。タッチセンサ155は、ディスプレイ150の画面上に設けられており、画面に対するタッチ操作を検出する。例えば、タッチセンサ155は、1画面モードの際には、表示領域DAに対するタッチ操作を検出する。また、タッチセンサ155は、2画面モードの際には、第1表示領域DA1及び第2表示領域DA2の一方または両方に対するタッチ操作を検出する。タッチ操作には、タップ操作、スライド操作、フリック操作、スワイプ操作、ピンチ操作などが含まれる。タッチセンサ155は、タッチ操作を検出し、検出した操作に基づく操作情報を制御部18へ出力する。
【0086】
カメラ16は、レンズ及び撮像素子などを含んで構成されている。カメラ16は、制御部18の制御に応じて、画像(静止画や動画)を撮像し、撮像した画像のデータを出力する。
【0087】
第1加速度センサ161は、第1筐体101の内部に設けられており、第1筐体101の向き及び向きの変化を検出する。例えば、第1表示領域DA1の長手方向に平行な方向をX1方向、短手方向に平行な方向をY1方向、X1方向及びY1方向に垂直な方向をZ1方向とすると、第1加速度センサ161は、X1方向、Y1方向、及びZ1方向のそれぞれの加速度を検出し、検出結果を制御部18へ出力する。
【0088】
第2加速度センサ162は、第2筐体102の内部に設けられており、第2筐体102の向き及び向きの変化を検出する。例えば、第2表示領域DA2の長手方向に平行な方向をX2方向、短手方向に平行な方向をY2方向、X2方向及びY2方向に垂直な方向をZ2方向とすると、第2加速度センサ162は、X2方向、Y2方向、及びZ2方向のそれぞれの加速度を検出し、検出結果を制御部18へ出力する。
【0089】
ホールセンサ17は、キーボード30の接続を検出するために設けられている。例えば、第2筐体102の第2表示領域DA2の上にキーボード30が載置されると、キーボード30の底面の内部に設けられたマグネットが接近することにより磁界が変化し、ホールセンサ17の検出値(出力値)が変化する。つまり、ホールセンサ17は、キーボード30が載置されているか否かによって異なる検出結果を出力する。なお、ここではホールセンサ17を用いてキーボード30が載置されている否かを検出しているが、検出方法はこれに限られるものではなく、任意の検出方法を用いることができる。
【0090】
制御部18は、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphic Processing Unit)、マイクロコンピュータ(Microcomputer)等のプロセッサを含んで構成されており、それらが記憶部13等に記憶されたプログラム(BIOSや、OS、OS上で動作するアプリなどの各種プログラム)を実行することにより各種の機能を実現する。例えば、制御部18は、第1加速度センサ161及び第2加速度センサ162の検出結果に基づいて、情報処理装置10の姿勢(向き)を検出する。また、制御部18は、第1加速度センサ161及び第2加速度センサ162の検出結果に基づいて、開状態であるか又は閉状態であるか、及び開状態の場合に折れ曲がった状態(Bent form)であるか又は平面の状態(Flat form)であるかなどを検出する。
【0091】
また、制御部18は、ユーザによる表示モード切替操作(例えば、
図5に示す表示モード切替アイコンに対する操作)を検出する。また、制御部18は、ホールセンサ17の検出結果に基づいて、キーボード30との接続を検出する。なお、このキーボード30との接続とは、第2表示領域DA2の上へのキーボード30の載置のことを指しており、通信の接続のことを指すものではない。キーボード30との通信の接続については、制御部18は、Bluetooth(登録商標)の機能などを用いて検出する。
【0092】
また、制御部18は、システムの状態、情報処理装置10の姿勢(向き)、開状態であるか又は閉状態であるか、及び開状態の場合に折れ曲がった状態(Bent form)であるか又は平面の状態(Flat form)であるか、ユーザによる表示モード切替操作(
図5参照)、キーボード30との接続などを検出することによって、
図4、及び
図6~9を参照して説明したディスプレイ150の表示の制御を行う。
【0093】
次に、制御部18が実行する処理のうちの表示制御処理に関連する機能構成について説明する。
図10は、本実施形態に係る表示制御処理に関連する機能構成の一例を示すブロック図である。制御部18は、システム処理部181と、検出処理部182と、表示処理部183とを備えている。ここで、システム処理部181は、例えばOS又はBIOSなどに基づいてCPUが処理を実行する機能構成である。また、検出処理部182は、例えばOS又はBIOSなどの処理を実行するCPUとは別のマイクロコンピュータが各種検出処理を実行する機能構成である。表示処理部183は、例えばOS又はOS上で動作するプログラムに基づいてCPUが処理を実行する機能構成である。
【0094】
システム処理部181は、OSや、OS上で動作するドライバやアプリなどの各種プログラムを実行する。また、システム処理部181は、例えば実行アプリ情報生成部1811を備えている。実行アプリ情報生成部1811は、実行中のアプリの識別情報(例えば、アプリID)及び実行中のアプリのうちユーザによって使用中のアプリ(すなわち、ウィンドウがアクティブなアプリ)を示す情報などを含むアプリ情報を生成する。また、実行アプリ情報生成部1811は、実行中のアプリのウィンドウの状態を示すウィンドウ情報を生成する。ウィンドウの状態とは、アクティブウィンドウであるか否か、及びウィンドウのサイズ(最小化、最大化など)、位置、配置されているレイヤなどである。実行アプリ情報生成部1811は、生成したアプリ情報及びウィンドウ情報をRAM12に記憶させて保持する。
【0095】
検出処理部182は、情報処理装置10の状態を検出する機能構成として、開閉検出部1821と、姿勢検出部1822と、接続検出部1823とを備えている。検出処理部182は、開閉検出部1821、姿勢検出部1822、及び接続検出部1823による検出結果を表示処理部183へ出力する。
【0096】
開閉検出部1821は、第1加速度センサ161及び第2加速度センサ162の検出結果に基づいて、情報処理装置10が開状態であるか閉状態であるかを検出する。また、開閉検出部1821は、情報処理装置10が開状態である場合、第1加速度センサ161及び第2加速度センサ162の検出結果に基づいて、第1筐体101と第2筐体102との開き角θを検出する。そして、開閉検出部1821は、検出した開き角θに基づいて、折れ曲がった状態(Bent form)であるか或いは平面の状態(Flat form)であるかを検出する。
【0097】
姿勢検出部1822は、第1加速度センサ161及び第2加速度センサ162の検出結果に基づいて、情報処理装置10の姿勢(向き)を検出する。
【0098】
接続検出部1823は、キーボード30との接続を検出する。例えば、接続検出部1823は、ホールセンサ17の検出結果に基づいて、第2表示領域DA2の上にキーボード30が載置されているか否かを検出することにより、キーボード30との接続を検出する。検出処理部182は、開閉検出部1821、姿勢検出部1822、及び接続検出部1823による検出結果(情報処理装置10の状態)を表示処理部183へ出力する。
【0099】
また、検出処理部182は、情報処理装置10に対する操作を検出する機能構成として、操作検出部1824を備えている。操作検出部1824は、ディスプレイ150の画面上に設けられているタッチセンサ155から出力される操作情報に基づいて、ユーザの操作を検出する。例えば、操作検出部1824は、表示モードの切り替えが可能な切替メニュー画面(
図5参照)に対するユーザの操作に基づく操作情報を取得し、取得した操作情報に基づいて、ユーザが表示モードを切り替える表示モード切替操作を検出する。検出処理部182は、検出したユーザの操作情報を表示処理部183へ出力する。
【0100】
表示処理部183は、検出処理部182から取得する情報処理装置10の開閉状態および姿勢(向き)、ユーザの操作などに基づいて、表示モードを判定して切り替える。また、表示処理部183は、システム処理部181から取得するアプリ情報に基づいて、実行中のアプリのウィンドウ(アクティブウィンドウ及び非アクティブウィンドウ)の表示を表示モードなどに応じて制御する。具体的には、表示モード判定部1831と、表示モード切替部1832と、サムネイル生成部1833と、表示制御部1834とを備える。
【0101】
表示モード判定部1831は、検出処理部182により検出された情報処理装置10の状態またはユーザの操作についての検出結果に基づいて、表示モードを判定する判定処理を行う。例えば、表示モード判定部1831は、情報処理装置10の開閉状態の検出結果、開状態である場合に折れ曲がった状態(Bent form)であるか或いは平面の状態(Flat form)であるかの検出結果、情報処理装置10の姿勢(向き)の検出結果、ユーザの操作情報を検出処理部182から取得する。そして、表示モード判定部1831は、検出処理部182から取得した各検出結果及び操作情報に基づいて、
図4を参照して説明した表示モードを判定する。
【0102】
表示モード切替部1832は、表示モード判定部1831により判定された表示モードに基づいて、
図4を参照して説明した表示モードに切り替える表示モード切替処理を行う。例えば、表示モード切替部1832は、表示モード判定部1831により判定された表示モードに基づいて、1画面モード、2画面モード(或いは反転2画面モード)、ハーフ画面モードなどへの切替、各表示領域の向き、各表示領域の表示内容などの表示モードを設定する。
【0103】
サムネイル生成部1833は、実行中のアプリのウィンドウに対応するサムネイル画像を生成する。例えば、サムネイル生成部1833は、1画面モードから2画面モードに切り替えたときに第2表示領域DA2にサムネイルウィンドウとして表示させるためのサムネイル画像として、実行中のアプリのウィンドウのうちの非アクティブウィンドウに対応するサムネイル画像を生成する。また、サムネイル生成部1833は、第1表示領域DA1または第2表示領域DA2が非表示になったことに起因して第1表示領域DA1または第2表示領域DA2にサムネイルウィンドウとして表示させるためのサムネイル画像を生成する。なお、サムネイル生成部1833は、基本的には、最小化されているウィンドウも非アクティブウィンドウとして含めてサムネイル画像を生成する。
【0104】
表示制御部1834は、表示モード切替部1832によって設定された表示モードに従って、各表示領域へ表示させるアプリのウィンドウやサムネウィンドウの表示データを出力して表示させる表示制御処理を行う。
【0105】
表示制御部1834は、表示モード切替部1832により1画面モードから2画面モードへ切り替えた場合、第1表示領域DA1に対しては、1画面モードにおいて実行されていたアプリのウィンドウのうちのアクティブウィンドウ(表示領域DAに表示されていたアクティブウィンドウ)を表示させる。例えば、表示制御部1834は、第1表示領域DA1に対しては、1画面モードにおけるアクティブウィンドウを最大化してアクティブウィンドウとして表示させる。
【0106】
また、表示制御部1834は、表示モード切替部1832により1画面モードから2画面モードへ切り替えた場合、第2表示領域DA2に対してはサムネイルウィンドウを表示させる。例えば、表示制御部1834は、第2表示領域DA2に対しては、1画面モードにおけるアクティブウィンドウを除く非アクティブウィンドウに対応するサムネイル画像を表示させる。
【0107】
ここで、表示制御部1834は、表示モード切替部1832により1画面モードから2画面モードへ切り替えた場合、1画面モードにおけるアクティブウィンドウを除く非アクティブウィンドウを第1表示領域DA1におけるアクティブウィンドウの下位レイヤに配置する。
【0108】
なお、表示制御部1834は、表示モード切替部1832により1画面モードから2画面モードへ切り替えた場合、1画面モードにおけるアクティブウィンドウを除く非アクティブウィンドウを最小化してもよい。
【0109】
また、表示制御部1834は、表示モード切替部1832により1画面モードから2画面モードへ切り替えた場合、1画面モードにおけるアクティブウィンドウを除く非アクティブウィンドウを第1表示領域DA1に一旦配置してから最小化してもよい。
【0110】
なお、1画面モードにおいてアクティブウィンドウのみで非アクティブウィンドウが無い場合には、1画面モードから2画面モードへ切り替わったときの第2表示領域DA2は、表示させるサムネイル画像が無いためサムネイルウィンドウは表示されず、ウィンドウが空の状態になる。
【0111】
また、表示制御部1834は、2画面モードにおいて第2表示領域DA2に表示されているサムネイル画像のいずれかがユーザの操作により選択された場合、第2表示領域DA2に表示させていたすべてのサムネイル画像を非表示にして、選択されたサムネイル画像に対応する非アクティブウィンドウをアクティブウィンドウとして第2表示領域DA2に表示させる。例えば、表示制御部1834は、選択されたサムネイル画像に対応する非アクティブウィンドウをアクティブウィンドウとして第2表示領域DA2に最大化して表示させる。
【0112】
また、表示制御部1834は、第1表示領域DA1または第2表示領域DA2のいずれかに表示されているウィンドウが非表示になったことに起因して、ウィンドウが非表示になった表示領域にサムネイルウィンドウを表示させる。例えば、表示制御部1834は、ウィンドウが非表示になった表示領域に実行中のアプリのウィンドウの少なくとも一部に対応するサムネイル画像(サムネイルウィンドウ)を表示させる。このとき、表示制御部1834は、例えば、実行中のすべてのアプリのウィンドウのうち複数の表示領域のいずれかに最上位のレイヤとして表示されているウィンドウを除くウィンドウに対応するサムネイル画像(サムネイルウィンドウ)を表示させる。
【0113】
ここで、表示制御部1834は、第1表示領域DA1または第2表示領域DA2のいずれかに表示されているウィンドウが閉じられて非表示になったことに起因してサムネイルウィンドウを表示させる場合、閉じられて非表示になったウィンドウに対応するサムネイル画像を表示対象から除く。一方、表示制御部1834は、第1表示領域DA1または第2表示領域DA2のいずれかに表示されているウィンドウが最小化されて非表示になったことに起因してサムネイルウィンドウを表示させる場合、最小化されて非表示になったウィンドウに対応するサムネイル画像も表示させる。
【0114】
なお、表示制御部1834は、実行中のすべてのアプリのウィンドウに対応するサムネイル画像を表示させてもよい。
【0115】
また、表示制御部1834は、第1表示領域DA1または第2表示領域DA2のいずれかに表示されているウィンドウが非表示になり且つウィンドウが非表示になった表示領域に表示する他のウィンドウが無い場合(つまり、ウィンドウが空の状態の場合)、ウィンドウが非表示になった表示領域にサムネイルウィンドウを表示させる。
【0116】
例えば、表示制御部1834は、各表示領域においてウィンドウが配置されているレイヤを確認し、ウィンドウが非表示になった表示領域において非表示になったウィンドウの下位レイヤに配置されているウィンドウの有無を確認する。表示制御部1834は、各表示領域においてウィンドウが配置されているレイヤの情報を、システム処理部181から取得してもよいし、表示制御部1834自身が表示制御に応じて保持してもよいし、その両方を併用してもよい。そして、表示制御部1834は、ウィンドウが非表示になった表示領域において下位レイヤに配置されているウィンドウが無い場合、表示する他のウィンドウが無い(つまり、ウィンドウが空の状態である)と判断し、サムネイルウィンドウを表示させる。
【0117】
(表示制御処理の動作)
次に、制御部18による表示制御処理の動作について説明する。まず、制御部18が1画面モードから2画面モードへ切り替えた場合にサムネイルウィンドウを表示させる表示制御処理の動作について、
図11を参照して説明する。
図11は、本実施形態に係る2画面モードへの切り替え時の表示制御処理の一例を示すフローチャートである。
【0118】
(ステップS101)制御部18は、1画面モードから2画面モードへの切り替えを行うか否かを判定する。例えば、制御部18は、
図4を参照して説明したように平面の状態(Flat form)から折れ曲がった状態(Bent form)への変化を検出すること、或いは
図5を参照して説明した表示モードの切り替え操作などに基づいて1画面モードから2画面モードへの切り替えを行うか否かを判定する。制御部18は、1画面モードから2画面モードへの切り替えを行わないと判定した場合(NO)、1画面モードを継続し、再びステップS101の処理を行う。一方、制御部18は、1画面モードから2画面モードへの切り替えを行うと判定した場合(YES)、表示領域DAを第1表示領域DA1と第2表示領域DA2との2つの表示領域に分けた2画面モードへ切り替え、ステップS103の処理へ進む。
【0119】
(ステップS103)制御部18は、第1表示領域DA1に1画面モードにおけるアクティブウィンドウを表示させ、第2表示領域DA2に1画面モードにおける非アクティブウィンドウのサムネイル画像が並ぶサムネイルウィンドウを表示させる(例えば
図6、
図7(B)、
図8(B)参照)。そして、ステップS105の処理へ進む。
【0120】
(ステップS105)制御部18は、第2表示領域DA2に表示させているサムネイル画像のいずれかが選択されたか否かを判定する。制御部18は、サムネイル画像が選択されていないと判定した場合(NO)、再びステップS105の処理を行う。一方、制御部18は、サムネイル画像のいずれかが選択されたと判定した場合(YES)、ステップS107の処理に進む。
【0121】
(ステップS107)制御部18は、サムネイルウィンドウを閉じて非表示にして、サムネイルウィンドウの表示を終了する。そして、ステップS108の処理へ進む。
【0122】
(ステップS108)制御部18は、選択されたサムネイル画像に対応するウィンドウをアクティブウィンドウとして、第2表示領域DA2に表示(例えば、第2表示領域DA2に最大化して表示)させる(例えば
図7(C)、
図8(C)参照)。
【0123】
次に、制御部18が2画面モードにおいていずれかの表示領域に表示されているウィンドウが非表示になったことに起因してサムネイルウィンドウを表示させる表示制御処理の動作について、
図12を参照して説明する。
図12は、本実施形態に係るウィンドウが非表示になった時の表示制御処理の一例を示すフローチャートである。
【0124】
(ステップS201)制御部18は、複数の表示領域のいずれかに表示されているウィンドウが非表示になったか否かを判定する。例えば、制御部18は、2画面モードの場合、第1表示領域DA1または第2表示領域DA2に表示されているウィンドウが非表示になったか否かを判定する。制御部18は、ウィンドウが非表示になっていないと判定した場合(NO)、再びステップS201の処理を行う。一方、制御部18は、ウィンドウが非表示になったと判定した場合(YES)、ステップS203の処理へ進む。
【0125】
(ステップS203)制御部18は、ウィンドウが非表示になった表示領域の下位レイヤ(非表示になったウィンドウの下位レイヤ)にウィンドウがあるか否かを判定する。制御部18は、下位レイヤにウィンドウがあると判定した場合(YES)、ステップS205の処理へ進む。一方、制御部18は、下位レイヤにウィンドウが無いと判定した場合(NO)、ステップS207の処理へ進む。
【0126】
(ステップS205)制御部18は、ウィンドウが非表示になった表示領域に下位レイヤのウィンドウを表示させる。例えば、制御部18は、ウィンドウが非表示になった表示領域の下位レイヤに複数のウィンドウが配置されている場合、その中で最も上位のレイヤ配置されているウィンドウを表示させる。
【0127】
(ステップS207)制御部18は、ウィンドウが非表示になった表示領域にサムネイルウィンドウを表示させる(例えば
図7(D)、
図8(D)参照)。
【0128】
以上説明したように、本実施形態に係る情報処理装置10は、ディスプレイ150と、アプリ(プリケーション)プログラムを記憶する記憶部13(メモリの一例)と、記憶部13に記憶されたアプリのプログラムを実行することにより、アプリのウィンドウをディスプレイ150に表示させる制御を行う制御部18(例えば、CPU、GPU、マイクロコンピュータ等のプロセッサの一例)と、を備える。制御部18は、ディスプレイ150の画面領域の全体を1つの表示領域DAとして表示を制御する1画面モード(第1表示モードの一例)と、ディスプレイ150の画面領域を2つの表示領域(例えば、第1表示領域DA1と第2表示領域DA2)に分けて表示を制御する2画面モード(第2表示モードの一例)との切り替えを制御する表示モード切替処理を行う。また、制御部18は、2画面モードにおいて2つの表示領域のいずれかに表示されているウィンドウが非表示になったことに起因して、ウィンドウが非表示になった表示領域に、実行中のアプリのウィンドウの少なくとも一部に対応するサムネイル画像(例えば、サムネイルウィンドウ)を表示させる表示制御処理を行う。
【0129】
これにより、情報処理装置10は、例えばウィンドウを閉じて非表示になった表示領域に自動で他のアプリのウィンドウのサムネイル画像(例えば、サムネイルウィンドウ)を表示させるため、他に実行されているアプリを容易に確認することができ、他のアプリのウィンドウに切り替えることが容易となる。よって、情報処理装置10は、複数の表示領域のそれぞれに表示させるウィンドウを選択する際の操作性を向上することができる。
【0130】
例えば、制御部18は、2画面モードにおいて2つの表示領域(例えば、第1表示領域DA1と第2表示領域DA2)のいずれかに表示されているウィンドウが非表示になり且つウィンドウが非表示になった表示領域に表示する他のウィンドウが無い場合(ウィンドウが空の状態の場合)、表示制御処理により、ウィンドウが非表示になった表示領域に上記サムネイル画像(例えば、サムネイルウィンドウ)を表示させる。
【0131】
これにより、情報処理装置10は、例えばウィンドウを閉じてウィンドウが空の状態になった表示領域に自動で他のアプリのウィンドウのサムネイル画像(例えば、サムネイルウィンドウ)を表示させるため、他に実行されているアプリを容易に確認することができ、他のアプリのウィンドウに切り替えることが容易となる。よって、情報処理装置10は、複数の表示領域のそれぞれに表示させるウィンドウを選択する際の操作性を向上することができる。
【0132】
また、制御部18は、表示モード切替処理により1画面モードから2画面モードへ切り替えた場合、表示制御処理により、2つの表示領域のうちの第1表示領域DA1に対しては、1画面モードにおいて実行されていたアプリのウィンドウのうちのアクティブウィンドウ(1つのウィンドウの一例)を表示させ、2つの表示領域のうちの第1表示領域DA1を除く第2表示領域DA2に対しては、1画面モードにおけるウィンドウのうちのアクティブウィンドウを除く(例えば、非アクティブウィンドウ)に対応するサムネイル画像(例えば、サムネイルウィンドウ)を表示させる。
【0133】
これにより、情報処理装置10は、1画面モードから2画面モードへ切り替えたときに、一方の画面にアクティブウィンドウを表示するだけでなく、他方の画面にアクティブウィンドウ以外のウィンドウをサムネイル画像で一覧表示できるため、他に実行されているアプリを容易に確認することができ、利便性がよい。
【0134】
また、制御部18は、表示モード切替処理により1画面モードから2画面モードへ切り替えた場合、表示制御処理により、1画面モードにおけるウィンドウのうちのアクティブウィンドウを除くウィンドウ(例えば、非アクティブウィンドウ)を最小化してもよい。
【0135】
これにより、情報処理装置10は、いずれの表示領域においても例えばウィンドウを閉じたときにウィンドウが空の状態になって自動で他のアプリのウィンドウのサムネイル画像(例えば、サムネイルウィンドウ)を表示させることができる。
【0136】
また、制御部18は、表示モード切替処理により1画面モードから2画面モードへ切り替えた場合、前記表示制御処理により、1画面モードにおけるウィンドウのうちのアクティブウィンドウを除くウィンドウを第1表示領域DA1に配置してから最小化してもよい。
【0137】
これにより、情報処理装置10は、例えば最小化されたウィンドウをタスクバーに対する操作で表示させるときに、第1表示領域DA1側に表示させることができる。
【0138】
また、制御部18は、第2表示領域DAに表示させたサムネイル画像のいずれかがユーザの操作により選択された場合、第2表示領域DAに表示させていたすべてのサムネイル画像を非表示にして、選択されたサムネイル画像に対応するウィンドウを第2表示領域DAに表示させる。
【0139】
これにより、情報処理装置10は、ユーザが表示させたいウィンドウを、サムネイル画像を選択するのみで容易に表示させることができる。
【0140】
例えば、制御部18は、2画面モードにおいて2つの表示領域のいずれかに表示されているウィンドウが非表示になったことに起因して表示制御処理によりサムネイル画像を表示させる場合、実行中のすべてのアプリのウィンドウのうち2つの表示領域のいずれかに最上位のレイヤとして表示されているウィンドウを除くウィンドウに対応するサムネイル画像を表示させる。
【0141】
これにより、情報処理装置10は、いずれの表示領域にも表示されていないアプリのウィンドウを容易に確認することができ、他のアプリのウィンドウに切り替えることが容易となる。
【0142】
また、制御部18は、2画面モードにおいて2つの表示領域のいずれかに表示されているウィンドウが閉じられて非表示になったことに起因して表示制御処理によりサムネイル画像を表示させる場合、閉じられて非表示になったウィンドウに対応するサムネイル画像を表示対象から除く。
【0143】
これにより、情報処理装置10は、閉じられたウィンドウのサムネイル画像を誤って表示してしまわないようにすることができる。
【0144】
なお、制御部18は、2画面モードにおいて2つの表示領域のいずれかに表示されているウィンドウが非表示になったことに起因して表示制御処理によりサムネイル画像を表示させる場合、実行中のすべてのアプリのウィンドウに対応するサムネイル画像を表示させてもよい。
【0145】
これにより、情報処理装置10は、実行中のすべてのアプリのウィンドウをサムネイル画像で一覧表示できるため、利便性がよい。例えば、情報処理装置10は、第1表示領域DA1に表示しているウィンドウをユーザが第2表示領域DA2に容易に表示させて確認することもできる。
【0146】
また、本実施形態に係る情報処理装置10における制御方法は、前記プロセッサが、ディスプレイ150の画面領域の全体を1つの表示領域DAとして表示を制御する1画面モード(第1表示モードの一例)と、ディスプレイ150の画面領域を2つの表示領域(例えば、第1表示領域DA1と第2表示領域DA2)に分けて表示を制御する2画面モード(第2表示モードの一例)との切り替えを制御する表示モード切替ステップと、2画面モードにおいて2つの表示領域のいずれかに表示されているウィンドウが非表示になったことに起因して、ウィンドウが非表示になった表示領域に、実行中のアプリのウィンドウの少なくとも一部に対応するサムネイル画像(例えば、サムネイルウィンドウ)を表示させる表示制御ステップと、を含む。
【0147】
これにより、情報処理装置10は、例えばウィンドウを閉じて非表示になった表示領域に自動で他のアプリのウィンドウのサムネイル画像(例えば、サムネイルウィンドウ)を表示させるため、他に実行されているアプリを容易に確認することができ、他のアプリのウィンドウに切り替えることが容易となる。よって、情報処理装置10は、複数の表示領域のそれぞれに表示させるウィンドウを選択する際の操作性を向上することができる。
【0148】
<第2の実施形態>
次に、本発明の第2の実施形態の概要について説明する。
第1の実施形態では、情報処理装置10が、ディスプレイ150の画面領域の全体を1つの表示領域DAとして表示を制御する1画面モードと、ディスプレイ150の画面領域を第1表示領域DA1と第2表示領域DA2との2つの表示領域に分けて表示を制御する2画面モードを有する構成を説明したが、ディスプレイ150の画面領域を3つ以上の表示領域に分けて表示を制御してもよい。
【0149】
本実施形態では、情報処理装置10は、1画面モードと2画面モードに加え、ディスプレイ150の画面領域を3つの表示領域に分けて表示を制御する3画面モードと、4つの表示領域に分けて表示を制御する4画面モードとを有する。情報処理装置10は、3画面モードまたは4画面モードにおいても2画面モードと同様に、複数の表示領域のうちのいずれかの表示領域に表示されているウィンドウが非表示になったことに起因してサムネイルウィンドウを表示させる表示制御処理を行うことができる。
【0150】
なお、情報処理装置10の基本的な構成については、第1の実施形態と同様であり、ここでは、3画面モード及び4画面モードにおける表示制御の例について説明する。
【0151】
図13は、本実施形態に係る表示モード切替操作の操作仕様の一例を示す図である。この図は、例えば
図5(A)に示すアイコンC1に対して操作がされることにより表示される切替メニューの例を示している。
図13(B)は、使用形態が「Landscape」(表示モード(b)、表示モード(d)、表示モード(d´)など)のときに表示される切替メニューM3を示しており、
図13(C)は、使用形態が「ClamshellまたはPortrait」(表示モード(c-1)、表示モード(e)、表示モード(e´)など)のときに表示される切替メニューM4を示している。切替メニューM3と切替メニューM4は、3画面モードおよび4画面モードへ切り替えが可能な点が
図5(B)の切替メニューM1と
図5(C)の切替メニューM2に対して異なる。
【0152】
切替メニューM3には、表示モード切替アイコンC31、C32、C33、C34、及びC35が表示されている。表示モード切替アイコンC31は、1画面モードの表示モード(d)及び表示モード(d´)を選択するための操作子として表示される。表示モード切替アイコンC32は、2画面モードの表示モード(b)を選択するための操作子として表示される。表示モード切替アイコンC33と表示モード切替アイコンC34は、3画面モードの表示モードを選択するための操作子として表示される。表示モード切替アイコンC33と表示モード切替アイコンC34では、2画面モードにおける第1表示領域DA1と第2表示領域DA2とのいずれの側が2つの表示領域に分けられるかが異なる。表示モード切替アイコンC35は、4画面モードの表示モードを選択するための操作子として表示される。
【0153】
図中の「1」、「2」、「3」、「4」は、
図5と同様に、表示領域を区別するために付しており、例えば、各表示領域に予め設定された領域の優先順位に従った数字で表している。「1」は領域の優先順位が最上位であり、「2」、「3」、「4」の順に領域の優先順位が下がる。
【0154】
ユーザが表示モード切替アイコンC33または表示モード切替アイコンC34を選択する操作を行うと、切替メニューの表示は終了し、「Landscape」での3画面モードに制御される。また、ユーザが表示モード切替アイコンC35を選択する操作を行うと、切替メニューの表示は終了し、「Landscape」での4画面モードに制御される。
【0155】
切替メニューM4には、表示モード切替アイコンC41、C42、C43、C44、及びC45が表示されている。表示モード切替アイコンC41は、1画面モードの表示モード(e)または表示モード(e´)を選択するための操作子として表示される。表示モード切替アイコンC42は、2画面モードの表示モード(c-1)を選択するための操作子として表示される。表示モード切替アイコンC43と表示モード切替アイコンC44は、3画面モードの表示モードを選択するための操作子として表示される。表示モード切替アイコンC43と表示モード切替アイコンC44では、2画面モードにおける第1表示領域DA1と第2表示領域DA2とのいずれの側が2つの表示領域に分けられるかが異なる。表示モード切替アイコンC45は、4画面モードの表示モードを選択するための操作子として表示される。
【0156】
ユーザが表示モード切替アイコンC43または表示モード切替アイコンC44を選択する操作を行うと、切替メニューの表示は終了し、「ClamshellまたはPortrait」での3画面モードに制御される。また、ユーザが表示モード切替アイコンC35を選択する操作を行うと、切替メニューの表示は終了し、「ClamshellまたはPortrait」での4画面モードに制御される。
【0157】
(3画面モードにおけるサムネイルウィンドウの表示制御)
次に、3画面モードにおけるサムネイルウィンドウの表示制御について説明する。ここでは、3画面モードにおいてディスプレイ150の画面領域を3つの表示領域に分けたときの各領域を、第1表示領域DA1と第2表示領域DA2と第3表示領域DA3と称する。
【0158】
なお、3画面モードにおける第2表示領域DA2と第3表示領域DA3とは、第1表示領域DA1を除く表示領域を2つに分けた2つの第2表示領域ということができる。この2つの第2表示領域を区別するために、領域の優先順位が上位の方から順に第2表示領域DA2と第3表示領域DA3として示している。
【0159】
図14は、本実施形態に係る3画面モードにおけるサムネイルウィンドウの表示制御の第1例を示す図である。
図14(A)は、3画面モードにおいて第1表示領域DA1にはウィンドウW1、第2表示領域DA2にはウィンドウW2、第3表示領域DA3にはウィンドウW3がそれぞれ表示されている例を示している。ここでは、実行中のアプリのウィンドウの数は、ウィンドウW1、W2、W3、W4、W5、W6の6つであり、ウィンドウW4、W5、W6は、第1表示領域DA1のウィンドウW1の下位レイヤに配置または最小化されているものとする。
【0160】
図14(A)においてユーザの操作(例えば、ウィンドウW2の閉じるボタン「×」に対する操作)によりウィンドウW2が閉じて非表示になると、ウィンドウW2の下位レイヤにはウィンドウが配置されていないため、第2表示領域DA2はウィンドウの表示が無い状態(ウィンドウが空の状態)になる。そこで、
図14(B)に示すように第2表示領域DA2にはサムネイルウィンドウが自動で表示される。例えば、第2表示領域DA2には、実行中のアプリのウィンドウのうちウィンドウW1、W3を除くウィンドウW4、W5、W6のサムネイル画像SW4、SW5、SW6が並ぶサムネイルウィンドウが表示される。
【0161】
なお、
図14(A)においてユーザの操作によりウィンドウW2が閉じて非表示になるのではなく、ユーザの操作によりウィンドウW2が最小化されて非表示になった場合には、ウィンドウW2も最小化された状態で存在している。そのため、
図14(B)において第2表示領域DA2には、サムネイル画像SW2、SW4、SW5、SW6が並ぶサムネイルウィンドウが表示される。
【0162】
また、
図14(B)において第2表示領域DA2に表示されるサムネイルウィンドウには、第1表示領域DA1に表示されているウィンドウW1のサムネイル画像と第3表示領域DA3に表示されているウィンドウW3のサムネイル画像も含まれてもよい。
【0163】
図15は、本実施形態に係る3画面モードにおけるサムネイルウィンドウの表示制御の第2例を示す図である。
図15(A)は、
図14(B)の表示例に相当する。第1表示領域DA1にはウィンドウW1、第3表示領域DA3にはウィンドウW3がそれぞれ表示されており、第2表示領域DA2にはサムネイルウィンドウが表示されている。また、この
図15に示す例では、第2表示領域DA2に表示されているサムネイル画像SW4、SW5、SW6に対応するウィンドウW4、W5、W6の本体(実ウィンドウ)は最小化されているとものとする。
【0164】
この
図15(A)においてユーザの操作(例えば、ウィンドウW1の閉じるボタン「×」に対する操作)によりウィンドウW1が閉じて非表示になると、ウィンドウW1の下位レイヤにはウィンドウが配置されていないため、第1表示領域DA1はウィンドウの表示が無い状態(ウィンドウが空の状態)になる。そこで、
図15(B)に示すように第1表示領域DA1にはサムネイルウィンドウが自動で表示される。例えば、第1表示領域DA1には、実行中のアプリのウィンドウのうちウィンドウW3を除くウィンドウW4、W5、W6のサムネイル画像SW4、SW5、SW6が並ぶサムネイルウィンドウが表示される。
【0165】
なお、
図15(A)においてユーザの操作によりウィンドウW1が閉じて非表示になるのではなく、ユーザの操作によりウィンドウW1が最小化されて非表示になった場合には、ウィンドウW1も最小化された状態で存在している。そのため、
図15(B)において第1表示領域DA1には、サムネイル画像SW1、SW2、SW4、SW5、SW6が並ぶサムネイルウィンドウが表示される。
【0166】
また、
図15(B)において第1表示領域DA1に表示されるサムネイルウィンドウには、第3表示領域DA3に表示されているウィンドウW3のサムネイル画像も含まれてもよい。
【0167】
(4画面モードにおけるサムネイルウィンドウの表示制御)
次に、4画面モードにおけるサムネイルウィンドウの表示制御について説明する。ここでは、4画面モードにおいてディスプレイ150の画面領域を4つの表示領域に分けたときの各領域を、第1表示領域DA1と第2表示領域DA2と第3表示領域DA3と第4表示領域DA4と称する。
【0168】
なお、4画面モードにおける第2表示領域DA2と第3表示領域DA3と第4表示領域DA4とは、第1表示領域DA1を除く表示領域を3つに分けた3つの第2表示領域ということができる。この3つの第2表示領域を区別するために、領域の優先順位が上位の方から順に第2表示領域DA2と第3表示領域DA3と第4表示領域DA4として示している。
【0169】
図16は、本実施形態に係る4画面モードにおけるサムネイルウィンドウの表示制御の一例を示す図である。
図16(A)は、4画面モードにおいて第1表示領域DA1にはウィンドウW1、第2表示領域DA2にはウィンドウW2、第3表示領域DA3にはウィンドウW3、第4表示領域DA4にはウィンドウW4がそれぞれ表示されている例を示している。ここでは、実行中のアプリのウィンドウの数は、ウィンドウW1、W2、W3、W4、W5、W6、W7、W8の8つであり、ウィンドウW5、W6、W7、W8は、第1表示領域DA1のウィンドウW1の下位レイヤに配置または最小化されているものとする。
【0170】
図16(A)においてユーザの操作(例えば、ウィンドウW2の閉じるボタン「×」に対する操作)によりウィンドウW2が閉じて非表示になると、ウィンドウW2の下位レイヤにはウィンドウが配置されていないため、第2表示領域DA2はウィンドウの表示が無い状態(ウィンドウが空の状態)になる。そこで、
図16(B)に示すように第2表示領域DA2にはサムネイルウィンドウが自動で表示される。例えば、第2表示領域DA2には、実行中のアプリのウィンドウのうちウィンドウW1、W3、W4を除くウィンドウW5、W6、W7、W8のサムネイル画像SW5、SW6、SW7、SW8が並ぶサムネイルウィンドウが表示される。
【0171】
なお、
図16(A)においてユーザの操作によりウィンドウW2が閉じて非表示になるのではなく、ユーザの操作によりウィンドウW2が最小化されて非表示になった場合には、ウィンドウW2も最小化された状態で存在している。そのため、
図16(B)において第2表示領域DA2には、サムネイル画像SW2、SW5、SW6、SW7、SW8が並ぶサムネイルウィンドウが表示される。
【0172】
また、
図16(B)において第2表示領域DA2に表示されるサムネイルウィンドウには、第1表示領域DA1に表示されているウィンドウW1のサムネイル画像と第3表示領域DA3に表示されているウィンドウW3のサムネイル画像と第4表示領域DA4に表示されているウィンドウW4のサムネイル画像も含まれてもよい。
【0173】
以上説明したように、本実施形態に係る情報処理装置10において、制御部18は、ディスプレイ150の画面領域の全体を1つの表示領域DAとして表示を制御する1画面モード(第1表示モードの一例)と、ディスプレイ150の画面領域を複数(2つ、3つ、4つ等)の表示領域に分けて表示を制御する複数画面モード(第2表示モードの一例)との切り替えを制御する表示モード切替処理を行う。また、制御部18は、複数画面モードにおいて複数の表示領域のいずれかに表示されているウィンドウが非表示になったことに起因して、ウィンドウが非表示になった表示領域に、実行中のアプリのウィンドウの少なくとも一部に対応するサムネイル画像(例えば、サムネイルウィンドウ)を表示させる表示制御処理を行う。
【0174】
これにより、情報処理装置10は、例えばウィンドウを閉じて非表示になった表示領域に自動で他のアプリのウィンドウのサムネイル画像(例えば、サムネイルウィンドウ)を表示させるため、他に実行されているアプリを容易に確認することができ、他のアプリのウィンドウに切り替えることが容易となる。よって、情報処理装置10は、複数の表示領域のそれぞれに表示させるウィンドウを選択する際の操作性を向上することができる。
【0175】
例えば、制御部18は、複数画面モードにおいて複数の表示領域のいずれかに表示されているウィンドウが非表示になり且つウィンドウが非表示になった表示領域に表示する他のウィンドウが無い場合、表示制御処理により、ウィンドウが非表示になった表示領域にサムネイル画像(例えば、サムネイルウィンドウ)を表示させる。
【0176】
これにより、情報処理装置10は、例えばウィンドウを閉じてウィンドウが空の状態になった表示領域に自動で他のアプリのウィンドウのサムネイル画像(例えば、サムネイルウィンドウ)を表示させるため、他に実行されているアプリを容易に確認することができ、他のアプリのウィンドウに切り替えることが容易となる。よって、情報処理装置10は、複数の表示領域のそれぞれに表示させるウィンドウを選択する際の操作性を向上することができる。
【0177】
例えば、制御部18は、複数画面モードにおいて複数の表示領域のいずれかに表示されているウィンドウが非表示になったことに起因して表示制御処理によりサムネイル画像を表示させる場合、実行中のすべてのアプリのウィンドウのうち複数の表示領域のいずれかに最上位のレイヤとして表示されているウィンドウを除くウィンドウに対応するサムネイル画像を表示させる。
【0178】
これにより、情報処理装置10は、いずれの表示領域にも表示されていないアプリのウィンドウを容易に確認することができ、他のアプリのウィンドウに切り替えることが容易となる。
【0179】
また、制御部18は、複数画面モードにおいて複数の表示領域のいずれかに表示されているウィンドウが閉じられて非表示になったことに起因して表示制御処理によりサムネイル画像を表示させる場合、閉じられて非表示になったウィンドウに対応するサムネイル画像を表示対象から除く。
【0180】
これにより、情報処理装置10は、閉じられたウィンドウのサムネイル画像を誤って表示してしまわないようにすることができる。
【0181】
なお、制御部18は、複数画面モードにおいて複数の表示領域のいずれかに表示されているウィンドウが非表示になったことに起因して表示制御処理によりサムネイル画像を表示させる場合、実行中のすべてのアプリのウィンドウに対応するサムネイル画像を表示させもよい。
【0182】
これにより、情報処理装置10は、実行中のすべてのアプリのウィンドウをサムネイル画像で一覧表示できるため、利便性がよい。例えば、情報処理装置10は、いずれかの表示領域に表示しているウィンドウをユーザが他の表示領域に容易に表示させて確認することもできる。
【0183】
また、本実施形態に係る情報処理装置10における制御方法は、前記プロセッサが、ディスプレイ150の画面領域の全体を1つの表示領域DAとして表示を制御する1画面モード(第1表示モードの一例)と、ディスプレイ150の画面領域を複数(2つ、3つ、4つ等)の表示領域に分けて表示を制御する複数画面モード(第2表示モードの一例)との切り替えを制御する表示モード切替ステップと、複数画面モードにおいて複数の表示領域のいずれかに表示されているウィンドウが非表示になったことに起因して、ウィンドウが非表示になった表示領域に、実行中のアプリのウィンドウの少なくとも一部に対応するサムネイル画像(例えば、サムネイルウィンドウ)を表示させる表示制御ステップと、を含む。
【0184】
これにより、情報処理装置10は、例えばウィンドウを閉じて非表示になった表示領域に自動で他のアプリのウィンドウのサムネイル画像(例えば、サムネイルウィンドウ)を表示させるため、他に実行されているアプリを容易に確認することができ、他のアプリのウィンドウに切り替えることが容易となる。よって、情報処理装置10は、複数の表示領域のそれぞれに表示させるウィンドウを選択する際の操作性を向上することができる。
【0185】
以上、図面を参照してこの発明の実施形態について詳しく説明してきたが、具体的な構成は上述のものに限られることはなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲内において様々な設計変更等をすることが可能である。例えば、上記の各実施形態で説明した構成は、任意に組み合わせてもよい。
【0186】
なお、上記実施形態では、複数画面モード(例えば2画面モード、3画面モード、4画面モード)においていずれかの表示領域に表示されているウィンドウが非表示になったとき、その表示領域がウィンドウの表示が無い状態(ウィンドウが空の状態)になった場合にサムネイルウインドウ(サムネイル画像)を表示する例を説明したが、その表示領域の下位レイヤにウィンドウがあってウィンドウが空にならない場合も、サムネイルウインドウ(サムネイル画像)が表示されてもよい。例えば、
図12に示す表示制御処理において、制御部18は、ステップS203の判定処理を行わずに、ステップS201においてウィンドウが非表示になったと判定した場合(YES)、ステップS207の処理へ進み、ウィンドウが非表示になった表示領域にサムネイルウィンドウを表示させてもよい。
【0187】
また、上述した実施形態では、折り畳み可能な1つのディスプレイ150を1画面モードと2画面モードで使用する例を説明したが、2つのディスプレイを用いてもよい。つまり、2つのディスプレイのそれぞれの画面領域を1つにまとめた表示領域として表示を制御する1画面モードと、2つのディスプレイのそれぞれの画面領域を個別に表示領域として表示を制御する2画面モードとの切り替えに対して、上述した実施形態における処理を適用することもできる。また、2つのディスプレイのそれぞれの画面領域の一方または両方を2つの表示領域に分けて表示を制御することで3画面モードまたは4画面モードとして、上述した実施形態における処理を適用することもできる。
【0188】
また、上述した実施形態では、情報処理装置10は、複数画面モードとして、2つの表示領域に分けて表示を制御する2画面モード、3つの表示領域に分けて表示を制御する3画面モード、および4つの表示領域に分けて表示を制御する4画面モードを有する構成を説明したが、5つ以上の表示領域に分けて表示を制御する画面モードを有する構成としてもよい。
【0189】
また、上述した実施形態では、入力部(タッチセンサ)と表示部とが一体となって構成されている複数のタッチパネル式のディスプレイに対するタッチ操作の例を説明したが、タッチ操作に限定されるものではなく、マウスによるクリック操作、ジェスチャーによる操作などとしてもよい。
【0190】
なお、上述した制御部18は、内部にコンピュータシステムを有している。そして、上述した制御部18のそれぞれが備える各構成の機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより上述した制御部18のそれぞれが備える各構成における処理を行ってもよい。ここで、「記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行する」とは、コンピュータシステムにプログラムをインストールすることを含む。ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータシステム」は、インターネットやWAN、LAN、専用回線等の通信回線を含むネットワークを介して接続された複数のコンピュータ装置を含んでもよい。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。このように、プログラムを記憶した記録媒体は、CD-ROM等の非一過性の記録媒体であってもよい。
【0191】
また、記録媒体には、当該プログラムを配信するために配信サーバからアクセス可能な内部又は外部に設けられた記録媒体も含まれる。なお、プログラムを複数に分割し、それぞれ異なるタイミングでダウンロードした後に制御部18が備える各構成で合体される構成や、分割されたプログラムのそれぞれを配信する配信サーバが異なっていてもよい。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、ネットワークを介してプログラムが送信された場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(RAM)のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。また、上記プログラムは、上述した機能の一部を実現するためのものであってもよい。さらに、上述した機能をコンピュータシステムに既に記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。
【0192】
また、上述した実施形態における制御部18が備える各機能の一部、または全部を、LSI(Large Scale Integration)等の集積回路として実現してもよい。各機能は個別にプロセッサ化してもよいし、一部、又は全部を集積してプロセッサ化してもよい。また、集積回路化の手法はLSIに限らず専用回路、または汎用プロセッサで実現してもよい。また、半導体技術の進歩によりLSIに代替する集積回路化の技術が出現した場合、当該技術による集積回路を用いてもよい。
【符号の説明】
【0193】
10 情報処理装置、101 第1筐体、102 第2筐体、103 ヒンジ機構、11 通信部、12 RAM、13 記憶部、14 スピーカ、15 表示部、16 カメラ、150 ディスプレイ、155 タッチセンサ、161 第1加速度センサ、162 第2加速度センサ、17 ホールセンサ、18 制御部、181 システム処理部、1811 実行アプリ情報生成部、182 検出処理部、1821 開閉検出部、1822 姿勢検出部、1823 接続検出部、1824 操作検出部、183 表示処理部、1831 表示モード判定部、1832 表示モード切替部、1833 サムネイル生成部、1834 表示制御部
【要約】
【課題】複数の表示領域のそれぞれに表示させるウィンドウを選択する際の操作性を向上すること。
【解決手段】情報処理装置は、ディスプレイを備え、ディスプレイの画面領域の全体を1つの表示領域として表示を制御する第1表示モードと、ディスプレイの画面領域を複数の表示領域に分けて表示を制御する第2表示モードとの切り替えを制御し、第2表示モードにおいて複数の表示領域のいずれかに表示されているウィンドウが非表示になったことに起因して、ウィンドウが非表示になった表示領域に、実行中のアプリケーションのウィンドウの少なくとも一部に対応するサムネイル画像を表示させる。
【選択図】
図7