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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-26
(45)【発行日】2025-01-10
(54)【発明の名称】内部および外部近接走査
(51)【国際特許分類】
   A61B 8/12 20060101AFI20241227BHJP
   A61B 1/00 20060101ALI20241227BHJP
   A61B 1/045 20060101ALI20241227BHJP
【FI】
A61B8/12
A61B1/00 C
A61B1/045 618
【請求項の数】 16
(21)【出願番号】P 2023503117
(86)(22)【出願日】2021-06-09
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-08-16
(86)【国際出願番号】 CN2021099130
(87)【国際公開番号】W WO2022017039
(87)【国際公開日】2022-01-27
【審査請求日】2023-11-14
(31)【優先権主張番号】16/937,848
(32)【優先日】2020-07-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】390009531
【氏名又は名称】インターナショナル・ビジネス・マシーンズ・コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】INTERNATIONAL BUSINESS MACHINES CORPORATION
【住所又は居所原語表記】New Orchard Road, Armonk, New York 10504, United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】100112690
【弁理士】
【氏名又は名称】太佐 種一
(74)【代理人】
【識別番号】100120710
【弁理士】
【氏名又は名称】片岡 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】ラクシット、サルバジット ケー
【審査官】井海田 隆
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-009956(JP,A)
【文献】国際公開第2019/142243(WO,A1)
【文献】特開2009-022446(JP,A)
【文献】特開2006-334167(JP,A)
【文献】特開2009-225933(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 8/00 ー 8/15
A61B 1/00 ー 1/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータ・プログラムであって、コンピュータに、
患者の身体内部の経口摂取型走査デバイスから第1のセットのデータを受信することと、
前記第1のセットのデータに基づいて、前記身体内の関心点を識別することと、
前記身体内の前記関心点の場所を求めることと、
外部走査デバイスで前記関心点を走査することと
を行わせる、コンピュータ・プログラム。
【請求項2】
前記場所を求めることが、反響定位、ドップラ位置、X線スキャン、および三角測量からなるグループから選択された技術によって実施される、請求項1に記載のコンピュータ・プログラム。
【請求項3】
前記外部走査デバイスがX線機械、超音波装置、CTスキャン装置、およびMRIスキャン装置のいずれかである、請求項1に記載のコンピュータ・プログラム。
【請求項4】
前記経口摂取型走査デバイスが経口摂取型超音波走査デバイスであり、前記外部走査デバイスがX線機械である、請求項1に記載のコンピュータ・プログラム。
【請求項5】
前記第1のセットのデータに基づいて前記外部走査デバイスの設定を求めること
をさらに含む、請求項1に記載のコンピュータ・プログラム。
【請求項6】
前記設定が、前記関心点に対する前記外部走査デバイスの角度を含む、請求項に記載のコンピュータ・プログラム。
【請求項7】
前記設定が、前記外部走査デバイスについての曝露のエリアを含む、請求項に記載のコンピュータ・プログラム
【請求項8】
前記設定を求めることが、
前記関心点についてのカテゴリを求めることと、
前記カテゴリに基づいて履歴データのセットを受け取ることと、
前記第1のセットのデータを前記履歴データと比較することと、
前記比較に基づいて前記外部走査デバイスを設定することと
をさらに含む、請求項に記載のコンピュータ・プログラム。
【請求項9】
システムであって、
プロセッサと、
前記プロセッサと通信しているメモリとを備え、前記メモリは、前記プロセッサによって実行されるとき、前記プロセッサに方法を実施させるように設定されるプログラム命令を含み、前記方法が、
患者の身体内部の経口摂取型走査デバイスから第1のセットのデータを受信することと、
前記第1のセットのデータに基づいて、前記身体内の関心点を識別することと、
前記身体内の前記関心点の場所を求めることと、
外部走査デバイスで前記関心点を走査することと
を含む、システム。
【請求項10】
前記場所を求めることが、反響定位、ドップラ位置、X線スキャン、および三角測量からなるグループから選択された技術によって実施される、請求項に記載のシステム。
【請求項11】
前記外部走査デバイスがX線機械、超音波装置、CTスキャン装置、およびMRIスキャン装置のいずれかである、請求項1に記載のシステム。
【請求項12】
前記経口摂取型走査デバイスが経口摂取型超音波走査デバイスであり、前記外部走査デバイスがX線機械である、請求項に記載のシステム。
【請求項13】
前記第1のセットのデータに基づいて前記外部走査デバイスの設定を求めること
をさらに含む、請求項に記載のシステム。
【請求項14】
前記設定が、前記関心点に対する前記外部走査デバイスの角度を含む、請求項13に記載のシステム。
【請求項15】
前記設定が、前記外部走査デバイスについての曝露のエリアを含む、請求項13に記載のシステム。
【請求項16】
前記設定を求めることが、
前記関心点についてのカテゴリを求めることと、
前記カテゴリに基づいて履歴データのセットを受け取ることと、
前記第1のセットのデータを前記履歴データと比較することと、
前記比較に基づいて前記外部走査デバイスを設定することと
をさらに含む、請求項13に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の態様は内部および外部近接走査に関し、より詳細には、態様は医用デバイス走査に関する。
【背景技術】
【0002】
医学走査は、臨床的分析および医療介入、ならびにいくつかの器官または組織の機能(生理学)の視覚的表現のために、身体の内部のデータを収集する技術およびプロセスである。医学走査は、皮膚および骨によって隠された内部構造を明らかにし、病気を診断および治療し得る。医学走査はまた、異常(abnormality)またはアノマリ(anomaly)を識別することを可能にするように、正常な組織および生理学のデータベースを確立する。医学超音波のケースでは、プローブが、内部構造を示すために、組織内部に進む超音波圧力波およびエコーを放射する。投影ラジオグラフィのケースでは、プローブはX線放射を使用し、X線放射は、骨、筋肉、脂肪などの異なる組織タイプによって異なる割合で吸収される。
【0003】
医学走査は、とりわけ、X線ラジオグラフィ、磁気共鳴イメージング、超音波、内視鏡検査、エラストグラフィ、触覚イメージング(tactile imaging)、サーモグラフィ、医学写真の各イメージング技術、ならびに陽電子放出断層撮影法(PET)および単光子放出コンピュータ断層撮影法(SPECT)としての核医学機能イメージング技術を使用するラジオロジー手順を含む。
【0004】
医学走査はまた、脳波記録法(EEG:electroencephalography)、電磁式脳造影法(MEG:magnetoencephalography)、心電図記録法(ECG:electrocardiography)などの、主にイメージを生成するために設計されているのではない測定技術および記録技術を含む。
【発明の概要】
【0005】
本開示は、内部および外部近接走査の方法、コンピュータ・プログラム製品、およびシステムを提供する。いくつかの実施形態では、方法は、身体内部の経口摂取型走査デバイスから第1のセットのデータを受信することと、第1のセットのデータに基づいて、身体内の第1の関心点を識別することと、身体内の第1の関心点の場所を求めることと、外部走査デバイスで関心点を走査することとを含む。
【0006】
いくつかの実施形態では、コンピュータ・プログラム製品は、プログラム命令を有するコンピュータ可読記憶媒体を含み、プログラム命令は、コンピュータに、患者の身体内部の経口摂取型走査デバイスから第1のセットのデータを受信することと、第1のセットのデータに基づいて、身体内の関心点を識別することと、身体内の関心点の場所を求めることと、外部走査デバイスで関心点を走査することとを行わせるようにコンピュータによって実行可能である。
【0007】
いくつかの実施形態では、システムは、プロセッサと、プロセッサと通信しているメモリであって、プロセッサによって実行されるとき、プロセッサに方法を実施させるように構成されるプログラム命令を含み、上記方法が、患者の身体内部の経口摂取型走査デバイスから第1のセットのデータを受信することと、第1のセットのデータに基づいて、身体内の関心点を識別することと、身体内の関心点の場所を求めることと、外部走査デバイスで関心点を走査することとを含む、上記メモリとを含む。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本開示の様々な実施形態による、内部および外部近接走査の例示的方法のフローチャートを示す図である。
図2】本開示の様々な実施形態による、内部スキャンおよび履歴データに基づいて外部スキャンを設定するための例示的方法のフローチャートを示す図である。
図3】本開示の様々な実施形態による例示的ネットワーキング環境を示すブロック図である。
図4】本開示の様々な実施形態によるコンピュータ・システムを示す図である。
図5】本開示の一実施形態によるクラウド・コンピューティング環境を示す図である。
図6】本開示の一実施形態による抽象化モデル層を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
X線、超音波、CTスキャン、MRIスキャンなどの医学スキャンは貴重な情報を与えるが、個々に全体の画像を与えないことがある。たとえば、医学的診断でのX線は通常、X線撮影される対象の視覚的イメージを得るために使用される。イメージは放射の減衰差(differential attenuation)から生じ、放射の減衰差は、照射される器官の厚さ、密度、および向きに部分的に依存し、存在する様々な元素の割合および性質に部分的に依存する。生物学的物質の性質は、各器官または器官の各部分の間のコントラスト差がしばしば不十分となるようなものであり、コントラストを向上させる方法にも関わらず、このことは依然として主な制限の1つである。生きている対象が検査されるとき、追加の制限が課される。対象の運動がなくなることは滅多になく、運動がイメージを歪め得るからである。さらに、イメージング放射は生きている対象にとって有害であり得るので、放射線量を妥当に現実的な低さに保つことが好ましい。ある機器の高いコスト、および機器を操作し、所見を解釈するための資格のある人材の不足により、さらなる制限が課される。可能性のある最も重要な、情報を与えるイメージのみを放射線専門医に提供することが重要である。さらに、非常に具合の悪い患者では、患者の忍耐の限度に達するので、実施される検査の数およびタイプを限定しなければならない。したがって、実際には、あらゆる処置が特定の利点および制限を有する。しかしながら、内部および外部近接走査を用いると、制限のうちのいくつかが軽減され得、走査される目標のより完全な理解が達成され得る。
【0010】
医学界は、引き続き医学走査技術の進歩を遂げている。しかしながら、時には情報の欠如により、過剰使用、不正確、および誤った診断が引き起こされ得る。たとえば、厳密な関心位置(たとえば、腫瘤(growth))を知らないと、局所的精密スキャンの代わりに、全エリアのX線またはCTスキャンが使用され得る。これにより、放射などの有害な要素に対する過剰な曝露、余分な費用、および医師がイメージおよび結果を閲覧するための時間の浪費が生じ得る。
【0011】
いくつかの実施形態では、内部走査技術(たとえば、経口摂取型走査デバイス)を外部走査技術と共に使用するためのシステムが提案される。内部走査技術(たとえば、経口摂取型超音波丸薬(ingestible ultrasonic pill))と外部スキャン(たとえば、X線)を組み合わせることにより、より焦点の合った効率的なプロセスが達成され得る。スキャンを組み合わせることにより、個々のスキャンの一方または両方の欠点が軽減され得る。たとえば、通常は広範囲X線が使用され得る場合、どのX線を取る必要があるかを正確に医療技術者に伝えるために、経口摂取型走査デバイスが使用され得る。その情報を用いて、医療技術者は、その場所に対して狭範囲X線を使用し、それによって曝露のエリアを限定し得る。同様に、2つの異なる走査方法を使用して結果を相関させることにより、関心エリアのより完全な画像が求められ得る。いくつかの実施形態では、第2の外部スキャンが選択または設定され得るように、第1の内部走査デバイスが情報を提供し得る。たとえば、ある関心点はMRIによってより正確に解析され得、ある関心点はX線によってより正確に解析され得る。
【0012】
図1は、内部および外部近接走査のための例示的方法100を示す。例示的方法100は、生きている身体の近接スキャンを実施するためのモデルを示す。
【0013】
ブロック110では、経口摂取型走査デバイスからの走査データが受信される。いくつかの実施形態では、経口摂取型走査デバイスは、内部身体のスキャン(たとえば、超音波スキャン/イメージ、ビデオ、画像、温度など)を撮り、信号を送り、信号を受信し、かつ/または記録を行い得るワイヤレス・デバイスであり得る。いくつかの実施形態では、経口摂取型走査デバイスは継続的にスキャンを撮る。いくつかの実施形態では、経口摂取型走査デバイスは、特定のトリガの後にスキャンを撮る。たとえば、経口摂取型走査デバイスは、胃を通過した後に、設定された時間間隔で、または外部信号を受信した後にのみスキャンを撮るように構成され得る。
【0014】
いくつかの実施形態では、経口摂取型走査デバイスは、飲み込み得る1つの走査機器を説明するために使用される。いくつかの実施形態では、経口摂取型走査デバイスは超音波カプセルであり得る。超音波カプセル内視鏡検査(USCE)は、表面のみのイメージングの制限を克服し、胃腸管の経壁スキャン(transmural scan)を実現する。高周波数マイクロ超音波(μUS)をカプセル内視鏡検査に統合することにより、高解像度経壁イメージが可能となり、腸壁の定性的評価と定量的評価の両方の手段が提供される。
【0015】
いくつかの実施形態では、経口摂取型走査デバイスは、走査機能を有する任意の他のカプセルであり得る。たとえば、カプセル内視鏡検査は、消化管(digestive tract)の画像を撮るために小さいワイヤレス・カメラを使用する処置である。カプセル内視鏡検査カメラは、飲み込まれるビタミンサイズのカプセル内部にある。カプセルが消化管を移動するとき、カメラは数千の画像を撮り、画像がレコーダに送信される。
【0016】
ブロック120では、経口摂取型走査デバイスからのデータが解析され、関心点が見つけられる。いくつかの実施形態では、関心点は、前もって求められる特定の目標エリアであり得る。たとえば、関心点は、患者が訴える潰瘍、前もって見つかった腫瘍、または経口摂取型走査デバイスによって発見された腫瘤であり得る。いくつかの実施形態では、関心点は、異常な特徴を示す任意のエリアであり得る。いくつかの実施形態では、関心点の場所および特徴(たとえば、サイズ、形状、密度など)が、別のどんなスキャン/試験を使用すべきか、およびどのようにスキャン/試験を構成すべきかを判定するために使用され得る。いくつかの実施形態では、関心点(たとえば、アノマリ)を示す情報についてデータが解析され得る。たとえば、システムは、1つまたは複数の目標特徴を示し得る読取りしきい値を有し得る。読取りしきい値のいくつかの例は、形状、密度、信号伝送、不透明度、または信号反射、あるいはその組合せであり得る。たとえば、腎結石および腫瘍は、軟部組織よりも強く超音波イメージを屈折させる。たとえば、腸内の一定の形状の腫瘤は癌性腫瘤を示し得る。いくつかの実施形態では、データが人工ニューラル・ネットワークによって解析され得る。
【0017】
人工ニューラル・ネットワーク(ANN)は、動物の脳内で見つかった生物学的神経回路網に倣ってモデル化されたコンピューティング・システムであり得る。そのようなシステムは、一般にタスク特有のプログラミングを行うことなく、例を考慮することによってタスクを行うように学習する(すなわち、漸進的に性能を改善する)。たとえば、イメージ認識では、ANNは、手作業で「腫瘍」または「非腫瘍」と標識が付けられた例示的イメージを解析し、解析結果を使用して他のイメージ内の腫瘍を識別することにより、腫瘍を含むイメージを識別するように学習し得る。
【0018】
本開示のいくつかの実施形態では、ニューラル・ネットワークがデータ・スキャンで関心点を識別するために使用され得る。ニューラル・ネットワークは、ネットワークを通じてトレーニング・データを伝播させ、出力誤りを識別し、出力誤りに対処するようにネットワークを変更する反復的プロセスにより、入力データ内のパターンを認識するようにトレーニングされ得る。トレーニング・データはニューラル・ネットワークを通じて伝播され得、ニューラル・ネットワークはトレーニング・データ内のパターンを認識する。そうしたパターンが、ニューラル・ネットワークの精度を評価するために、人間の注釈者(human annotator)によってトレーニング・データ内で識別されたパターンと比較され得る。いくつかの実施形態では、ニューラル・ネットワークによって識別されたパターンと、人間の注釈者によって識別されたパターンとの間の不整合により、ニューラル・ネットワーク・アーキテクチャの検討がトリガされ、不整合に寄与するネットワークの特定のニューロンが求められ得る。次いで、不整合に対する特定のニューロンの寄与を低減しようとして、そうした特定のニューロンが(たとえば、そうしたニューロンで関数に適用される重みを更新することによって)更新され得る。いくつかの実施形態では、ニューロンを更新するためにランダムな変更が行われる。パターン不整合に寄与するニューロンの数がゆっくりと減少し、最終的には結果としてニューラル・ネットワークの出力が変化するまで、このプロセスが反復され得る。その新しい出力が人間の注釈者による検討に基づく予想出力と合致する場合、ニューラル・ネットワークがそのデータに関してトレーニングされたと言われる。
【0019】
いくつかの実施形態では、特定の主題についてニューラル・ネットワークがトレーニング・データ・セットに関して十分にトレーニングされると、ニューラル・ネットワークが類似のライブ・データのセット(すなわち、人間の注釈者によって前もって検討されていないが、トレーニング・データと同一の主題に関する非トレーニング・データ)内のパターンを検出するために使用され得る。次いで、ニューラル・ネットワークのパターン認識能力が、様々な用途のために使用され得る。たとえば、特定の主題に関してトレーニングされるニューラル・ネットワークが、その主題についてのライブ・データを検討し、その主題に関連する潜在的な将来の事象が発生する確率を予測するように構成され得る。
【0020】
いくつかの実施形態では、多層パーセプトロン(MLP)はフィードフォワード人工ニューラル・ネットワークのクラスである。MLPは、ノードの少なくとも3つの層である、入力層、隠れ層、および出力層からなる。入力ノードを除いて、各ノードは、非線形活性化関数を使用するニューロンである。MLPは、トレーニングのために逆伝播と呼ばれる教師あり学習技術を利用する。その複数の層および非線形活性化が、MLPを線形パーセプトロンから区別する。その複数の層および非線形活性化は、線形に分離可能ではないデータを区別し得る。さらに、MLPは回帰演算を実施するために適用され得る。
【0021】
(超音波イメージなどの)データ・スキャンでの関心点の正確な識別は、大量のデータを含むライブ・データ・セットを処理することに依拠する。たとえば、ライブ・データ・セットは、様々なソースの生物学的データ(超音波イメージ、画像、X線イメージ、温度、酸性度など)を含み得る。さらに、ある主題についての正確な予測を達成することは、予測に関連し得るデータ量のために難しい。たとえば、超音波丸薬は、消化器系を通過するときに数千のスキャンを撮ることがある。いくつかの実施形態では、たとえば、本開示によるニューラル・ネットワークは、ライン・アセットについての条件の特定のセットに関する関心点(すなわち、目標予測で確率が求められる事象)の確率の予測を生成するように構成され得る。たとえば、いくつかの実施形態では、予測ニューラル・ネットワークは、外部走査デバイスによる外部スキャンの根拠となる、腸の特定の区間がアノマリを含む数値確率を予測するために利用され得る(たとえば、予測ニューラル・ネットワークがアノマリを関心点として識別することになる)。
【0022】
ブロック130では、経口摂取型走査デバイスの場所または向きあるいはその両方が求められ得る。いくつかの実施形態では、走査データは、場所を求めるために使用され得る。たとえば、超音波経口摂取型走査デバイスによって実施される組織スキャンは、その周囲の環境を胃、小腸、または大腸として識別し得る。次いでこの識別が、走査デバイスの場所を求めるために使用され得る。たとえば、いくつかの実施形態では、経口摂取型デバイスは、組織スキャンを使用してその場所を求め得る。いくつかの実施形態では、経口摂取型走査デバイスは、外部コンピュータ・システムにイメージを送り得、外部コンピュータ・システムは、受信したイメージに基づいて、経口摂取型デバイスがどこにあるかを求め得る。いくつかの実施形態では、関心点の場所も求められ得る。
【0023】
丸薬の場所を求めるために様々な方法が実施され得る。いくつかの実施形態では、場所の決定は、X線検出、超音波検出、反響定位、ドップラ位置、三角測量、またはそれらの何らかの組合せからなるグループから選択された技術によって実施され得る。
【0024】
いくつかの実施形態では、場所を求めるためにX線が使用され得る。これは、丸薬の位置を特定するように特に設計された専用のX線であり得る。たとえば、丸薬が少なくとも部分的に金属から作成される場合、丸薬は低出力X線であってもはっきりと目立ち得る。
【0025】
パルス・ドップラ・レーダは、パルス・タイミング技術を使用して目標までの距離を求め、戻り信号のドップラ効果を使用して物体の速度を求めるレーダ・システムである。パルス・ドップラ・レーダは、電子回路の複雑さのために以前は別々であったパルス・レーダと連続波レーダの特徴を組み合わせる。
【0026】
超音波スキャナは、コンピュータ・コンソール、ビデオ・ディスプレイ画面、および接続された変換器からなる。変換器は、マイクロフォンと似た小型のハンドヘルド・デバイスである。いくつかの検査では、単一の検査中に(相異なる機能を有する)相異なる変換器が使用され得る。変換器は、不可聴の高周波音波を身体内に送り出し、次いで戻りエコーを聴取する。原理は、ボートおよび潜水艦で使用されるソナーと同様である。
【0027】
三角測量は、2つまたは3つの異なる地点からの、受信された信号の半径方向距離または方向のどちらかを測定することによって無線送信機の場所が求められ得るプロセスである。三角測量は、セルラ通信でユーザの地理的位置を特定するために使用されることがある。
【0028】
ブロック140では、経口摂取型走査デバイスから受信した情報、または経口摂取型走査デバイスの場所、あるいはその両方に基づいて、外部スキャンのための設定が求められ得る。いくつかの実施形態では、外部走査デバイスは、より良好なイメージを生成するように配置され得る。たとえば、経口摂取型走査デバイスが腸のあるエリアで低血流量(low blood flow)を識別した場合、X線曝露についての特定の向きが最も重要なデータを与え得ると判定され得る。同様に、設定は、向き、強度、曝露エリア、曝露持続時間などの、外部スキャンについての1つまたは複数の設定を含み得る。たとえば、超音波丸薬から受信したイメージによって、外部スキャンを必要とする腸のあるエリアが識別され得る。同様に、丸薬の場所および向きが、外部スキャンのための設定を求める助けとなり得る。経口摂取型走査デバイスがイメージを撮った厳密な場所と、経口摂取型走査デバイスの向きが、身体内の走査する厳密な場所に外部デバイスを向けるために使用され得る。たとえば、人間の腸管は約25フィート(約7.62m)の長さであり、経口摂取型走査デバイスが関心点(たとえば、アノマリ)を検出したとき、経口摂取型走査デバイスの厳密な場所および向きを識別することにより、ずっと狭い外部スキャンを実施することが可能となり得る。
【0029】
いくつかの実施形態では、外部スキャンの設定は、実施すべきスキャンのタイプを含み得る。いくつかの実施形態では、関心点の場所および特徴(たとえば、低血流量、石灰化など)が、どんな種類の外部スキャンが使用され得るかを判定するために使用され得る。たとえば、高石灰化を有する関心点では、X線がMRIよりも良い選択肢であり得る。
【0030】
ブロック150で、外部スキャンが実施され得る。いくつかの実施形態では、スキャンは同期式であり得、経口摂取型走査デバイスが関心点を走査し得、ほぼ同時に外部走査デバイスが関心点を走査し得る。同期式走査は、関心点が前もって識別されているときに行われ得る。たとえば、関心点が既知であるとき、経口摂取型走査デバイスが定位置となるまで、外部走査デバイスはスタンバイ中であり得、次いで両者がほぼ同時にイメージを撮り得る。いくつかの実施形態では、外部デバイスは、経口摂取型走査デバイスが関心点を検出するのを待機してスタンバイ中であり得る。たとえば、経口摂取型走査デバイスが消化管(digestive track)を移動中に、外部デバイスは、身体内の経口摂取型走査デバイスの前進に追従中であり得る。経口摂取型走査デバイスが関心点を検出した場合、外部走査デバイスは、ほぼ即座に関心点エリアを走査し得る。いくつかの実施形態では、経口摂取型走査デバイスが関心点を検出し、その後で外部スキャンが実施され得る。たとえば、経口摂取型走査デバイスがある場所で関心点を検出した場合、その場所が識別され得、経口摂取型走査デバイスから受信した場所およびデータに基づいて、エリアの後続の外部スキャンが実施され得る。
【0031】
いくつかの実施形態では、経口摂取型走査デバイスおよび外部スキャンからのデータが比較され得る。スキャンが比較および相関され、関心点についてのより詳しい情報が取得され得る。たとえば、経口摂取型走査デバイスから形状および血流が取得され得、外部走査デバイスから密度が取得され得る。
【0032】
図2は、本開示の実施形態による、内部スキャンおよび履歴データに基づいて外部スキャンを設定するための例示的方法200のフローチャートを示す。
【0033】
いくつかの実施形態では、履歴データは、以前のスキャンおよびその結果を含む。いくつかの実施形態では、履歴データは、識別されたどんな特徴が関心点で重要であり得るか、または結果を改善するために、外部スキャンでどのように関心点を走査することができるか、あるいはその両方を示し得る。第1の例では、癌性ポリープが識別された場合、履歴の(以前の)結腸鏡検査スキャンでの癌性ポリープの形状を現スキャンでのポリープと比較することが、現スキャンで癌性ポリープを識別する助けとなり得る。ここでは、結腸鏡検査が、結腸での異常を探すスキャンを説明するために使用され得、経口摂取型超音波カプセル、経口摂取型カメラ、またはその他によって実施され得る。システムはまた、以前のスキャンで識別された何らかの異常な読取り値(低血流量など)を探し、具体的に探索していない他の問題を示し得る。
【0034】
第2の例では、患者に既知の憩室炎がある場合、システムは、患者の嚢を識別するために、以前に識別された嚢を取り囲む炎症を、現スキャン・データと比較し得る。憩室炎は、腸内に形成され得る嚢の感染または炎症である。こうした嚢は憩室と呼ばれる。
【0035】
いくつかの実施形態では、方法200は(図1に示される)方法100のブロック140を表し得る。方法200は205から始まり得、経口摂取型走査デバイスからの現スキャン・データが受信される。本明細書で論じたように、現スキャン・データはイメージ(たとえば、超音波イメージ)、医学データ、信号データなどであり得る。
【0036】
210で、現スキャン・データまたは履歴データに基づいて関心点カテゴリが識別される。関心点カテゴリは、現スキャン・データの主な対象であり得る。上記の第1の例を続けると、経口摂取型走査デバイスを用いる全般的結腸鏡検査を受ける、症状のない患者について、システムはアノマリを探し、アノマリ(ポリープなど)を関心点として識別し、関心点に1つまたは複数のカテゴリ(たとえば、低血流量または非対称形状)を与え、比較のためにその1つまたは複数のカテゴリを有する履歴データを見つけ得る。上記の第2の例を続けると、腸の痛みおよび以前の憩室炎の診断を訴える患者では、(嚢を取り囲み得る)炎症が以前の診断に基づいて主なカテゴリであり得る。システムは、スキャン中の比較(たとえば、炎症のある嚢の特徴を比較する)のために、先手を打って、識別されたカテゴリを含む履歴データを見つけ得る。
【0037】
いくつかの実施形態では、単一の関心点について複数のカテゴリが識別され得る。たとえば、単一の関心点(たとえば、腸の変色したエリア)が、低血流量のカテゴリと、石灰化のカテゴリでタグ付けされ得る。
【0038】
関心点カテゴリを識別するための技術は、ユーザ選択を含み得るが、さらに、(たとえば、イメージ/ビデオ内の物体を識別するための)イメージ認識解析、(たとえば、イメージ/ビデオ内のアノマリを識別するための)アノマリ認識、場所決定(たとえば、イメージが生成された場所を識別すること、または場所ベースの組織スキャン/イメージを求めること)などの自動化技術を含み得る。いくつかの実施形態では、スキャンからのデータは、受け入れられる範囲を有し得、範囲外の任意のデータが関心点として識別され得る。たとえば、腸についての典型的な血流は全血流の6~7%であり得、血流がその範囲未満である場合、血流は「低血流量」のカテゴリを有すると識別され得る。実施形態では、現スキャン・データが、受け入れられる範囲外にあるとき、関心点カテゴリを識別するためにニューラル・ネットワークが利用され得る(たとえば、認知イメージ解析など)。いくつかの実施形態では、カテゴリは識別された特徴に基づき得る。たとえば、腸の側面から突き出る任意の腫瘤(ポリープなど)が、異常腫瘤のカテゴリでタグ付けされ得る。いくつかの実施形態では、関心点が識別された場合、ユーザは通知を受け得る。たとえば、一定のサイズを超える腫瘤が検出された場合、腫瘤が強調表示された超音波イメージが表示され得る。
【0039】
215で、識別された関心点カテゴリについての関連性スコアが、現スキャン・データから生成される。上記の結腸鏡検査の第1の例を続けると、あるカテゴリは、隠れた他の症状が存在しない限り問題を引き起こす可能性の低い低関連性(たとえば、軽症の石灰化)と指定され得(たとえば、どんな既知の問題とも合致しない)、別のカテゴリ(たとえば、大きいポリープ)は高関連性を有し得る(関心点の特徴が問題に密接に合致する)。憩室炎に関する上記の第2の例を続けると、システムは、炎症を高関連性と識別し得(たとえば、嚢を示す可能性が高い)、ポリープを低関連性と識別し得る(たとえば、嚢を示す可能性が低い)。実施形態では、関連性スコアは連続体に基づき得(たとえば、関連性スコアは「類似」と「無関係」の間のどこかであり得る)、または関連性スコアは多次元(たとえば、各軸が関連性スコアの所与の解析される成分を定義する場合、1つまたは複数の3Dモデル内にプロットされた点)であり得る。いくつかの実施形態では、関連性スコアはしきい値に基づき得る。たとえば、腸についての正常な血流範囲は、0.88±0.13ml/分/gであり得、0.75ml/分/gが下限しきい値となる。しきい値以下の血流を有する腸のエリアは、「低血流量」カテゴリについて低関連性スコア(たとえば、正常に近い)でタグ付けされ得る。血流のない腸のエリアは、「低血流量」カテゴリについて高関連性スコアでタグ付けされ得る。いくつかの実施形態では、関連性スコアは、関心点とカテゴリとの間の類似性の程度に基づく数値スコアであり得る。
【0040】
220で、履歴スキャン・データのセットが、関心点カテゴリに基づいて識別される。実施形態では、履歴スキャン・データ・リポジトリが事前定義され得(たとえば、コンピューティング・デバイス上の特定のファイル・フォルダ)、または履歴スキャン・データ・リポジトリは未定義であり得る(たとえば、履歴スキャン・データのセットがインターネットからフェッチされ、コンピューティング・デバイス内のディスク・ドライブ全体を探索することによって、複数のデバイスにわたって複数の共有フォルダを走査することによって、または関連する履歴スキャン・データ・データベースを探索することなどによってフェッチされ得る)。
【0041】
実施形態では、履歴スキャン・データのセットは、さらに調査すべき特定のデータ範囲を既に記述しているメタデータ・タグを有し得る。そのようなケースでは、適切な処置を伴うメタデータ・タグが識別され、探索によって返され得る。いくつかの実施形態では、履歴スキャン・データのセットは、別のどんなステップを行うべきかを示すメタデータ・タグを有し得る。たとえば、(たとえば、ブロック205で受信したスキャン・データに基づいて)低血流量の領域が腸内に見つかったとき、類似の血流が見つかった履歴スキャンが識別され得る。類似のスキャンに関するメタデータ・タグが、エリアのX線が履歴の血流の低下の理由を判定することができたことを示し得る。
【0042】
ブロック230で、識別された履歴データのセットが、関心点および関心点カテゴリの特徴に基づいて解析され得る。いくつかの実施形態では、履歴データが解析され、関心点特徴(たとえば、血流速度、腫瘍サイズなど)および関連する外部情報(たとえば、どんなスキャンを実施するか、どんな角度でスキャンを撮るべきか、放射の強度など)が求められ得る。いくつかの実施形態では、現スキャン・データ内に存在し得る履歴データのセット内の特定の特徴を識別するために関心点カテゴリが使用され得る。
【0043】
いくつかの実施形態では、解析は、1つまたは複数のデータのセットに類似性スコアを割り当てることを含み得る。たとえば、ブロック205で受信された内部スキャン・データが関心点(たとえば、アノマリ)を識別する場合、システムは、その内部スキャン・データを取り、それを履歴スキャン・データと比較し得る。履歴スキャン・データ内のデータが現スキャン・データにより密接に合致するほど、類似性スコアが高くなる。いくつかの実施形態では、識別された履歴データのセットおよび現スキャン・データがユーザに対して表示され得る。たとえば、イメージが腫瘍の特徴を有する腫瘤を示す場合、比較のために、確認された腫瘍のいくつかのイメージが表示され得る。
【0044】
ブロック240で、外部スキャンのための設定が、履歴データに基づいて求められ得る。たとえば、経口摂取型超音波デバイスが、潰瘍などの組織内の異常を発見したとき、外部スキャンの第1の向きが、第2の向きよりも良好なイメージを提供し得る。履歴データは、側面からの潰瘍のX線が潰瘍の表面のスキャンよりも劣ったデータを提供し得ることを示し得る。同様に、履歴データが解析され、走査する必要のあるエリアが求められ得る。たとえば、悪性である徴候を示す腫瘍は、(たとえば、癌が広がっているかどうかを判定するために)良性である徴候を示す腫瘍よりも広いエリアの外部スキャンを必要とし得る。
【0045】
いくつかの実施形態では、設定は、とりわけ角度、方向、強度、エリア、焦点、および信号強度を含み得る。たとえば、履歴データが解析され、潰瘍を走査するために使用すべきX線の角度が求められ得る。ある角度は、別の角度よりも多くの情報、またはより完全な情報を提供し得る。
【0046】
ブロック250で、第1のスキャンに基づいて、第2のスキャン(すなわち、外部スキャン)が実施され得る。上記の第1の例を続けると、ポリープと、ポリープの向きを含むポリープに関する情報とを識別するために内部走査デバイスが使用され得る。内部スキャンに基づいてX線が実施され得、X線機械が、ポリープの輪郭を示す図を与えるような向きにされる。ポリープの輪郭図は、ポリープが癌性であるかどうかを診断するより良い機会を放射線専門医に与え得る。上記の第2の例を続けると、可能な憩室炎嚢(diverticulitis pouch)を検出するために内部走査デバイスが使用され得る。ブロック230の比較とブロック240からの設定とに基づいて、腹部全体の大きなエリアのスキャンの代わりに、嚢を取り囲む、隣接するエリアの外部スキャン(たとえば、コンピュータ断層撮影法(CT)スキャン)が実施され得る。いくつかの実施形態では、外部スキャンが自動的に実施される。いくつかの実施形態では、血流が受け入れられる正常な範囲未満であることなど、ブロック240からの特徴がしきい値レベルを満たし、または超過することに基づいて、外部スキャンが実施され得る。いくつかの実施形態では、外部スキャンはブロック250で自動的に実施されないことがある。むしろ、いくつかの実施形態では、ブロック250は、外部スキャンを開始するようにユーザに促すことを含み得る。たとえば、スキャン中にしきい値を超過した場合、ユーザにイメージが示され、ユーザは外部スキャンを開始するように促され得る。
【0047】
いくつかの実施形態では、しきい値レベルは1つまたは複数の識別された特徴であり得る。たとえば、一定の形状または色が、第2のスキャンの根拠となることを示し得る。ある形状、たとえばポリープは、隠れた医学的問題を示し得、別の形状、たとえば小さいこぶは正常であり得る。著しい変色は、壊死や壊疽などの隠れた状態を示し得、わずかな変色は、肉の色調の自然な変動であり得る。
【0048】
いくつかの実施形態では、しきい値は、走査される組織が示す特定の値であり得る。たとえば、しきい値は、血流速度、密度、腫瘤についての湾曲の特定の角度、または腫瘤のサイズであり得る。
【0049】
いくつかの実施形態では、しきい値は特徴の組合せであり得る。たとえば、一定の速度未満の血流と、一定の割合より上の温度とを有する腸の任意のエリアが、その血流およびその温度がそれ自体では外部スキャンを個々にトリガしないことがあるとしても、外部スキャンをトリガし得る。たとえば、一定の速度より上の血流を有する、一定の形状の腫瘤が外部スキャンをトリガし得る。
【0050】
次に図3を参照すると、本開示の実施形態による例示的ネットワーキング環境300が示されている。ネットワーキング環境300は、クライアント・デバイス324と、履歴スキャン・データ・データベース330と、ネットワーク340と、関心点カテゴリおよびスキャン・タイプに基づく履歴スキャン・データ選択のための履歴スキャン・データ選択ツール301(たとえば、システム)とを含み得る。履歴スキャン・データ選択ツール301は、ユーザのコンピューティング・デバイス上で実行中のアプリケーションとして、クラウドを介して提供されるサービスとして、ウェブ・ブラウザ・プラグインとして、スマートフォン・アプリケーションとして、または2次アプリケーションに接続された共依存アプリケーションとして(たとえば、テキスト・メッセージング・アプリケーションなどのパートナ・アプリケーションに対する「オーバーレイ」またはコンパニオン・アプリケーションとして)実装され得る。
【0051】
ネットワーク340は、任意のタイプまたは組合せのネットワークであり得る。たとえば、ネットワーク340は、パーソナル・エリア・ネットワーク(PAN)、ローカル・エリア・ネットワーク(LAN)、大都市圏ネットワーク(MAN)、広域ネットワーク(WAN)、ワイヤレス・ローカル・エリア・ネットワーク(WLAN)、ストレージ・エリア・ネットワーク(SAN)、企業プライベート・ネットワーク(EPN)、または仮想プライベート・ネットワーク(VPN)の任意の組合せを含み得る。いくつかの実施形態では、ネットワーク340は、IPネットワーク、従来の同軸ベースのネットワークなどを指すことがある。たとえば、履歴スキャン・データ・データベース330を記憶するサーバは、インターネットを介して様々なクライアント・デバイス(たとえば、タブレット、ラップトップ、スマートフォン、ポータブル端末、クライアント・デバイス324など)と通信し得る。
【0052】
いくつかの実施形態では、ネットワーク340はクラウド・コンピューティング環境内で実装され、あるいは1つまたは複数のクラウド・コンピューティング・サービスを使用して実装され得る。様々な実施形態に適合して、クラウド・コンピューティング環境は、1つまたは複数のクラウド・コンピューティング・サービスを提供するネットワーク・ベースの分散型データ処理システムを含み得る。さらに、クラウド・コンピューティング環境は、1つまたは複数のデータ・センタ内に配設され、ネットワーク340を介してリソースを共有するように構成された多くのコンピュータ(たとえば、数百または数千以上のコンピュータ)を含み得る。クラウド・コンピューティングは図5および6に関してより詳細に論じられる。
【0053】
クライアント・デバイス324は、ユーザが本明細書で説明する方法/技術と対話し、それを実行するためのデスクトップ、ラップトップ、スマートフォン、タブレット、または任意の他の適切なコンピューティング・デバイスであり得る。実施形態では、クライアント・デバイス324は、スキャン・データ302などの1つまたは複数のスキャン・データのセットを記憶し得る。本明細書で説明されるように、スキャン・データ302は、書かれた記事、オーディオ・ストリーム、ビデオ・ストリームなどであり得る。
【0054】
履歴スキャン・データ・データベース330は、本明細書で企図されるように、多種多様な履歴スキャン・データを記憶し得る。たとえば、履歴スキャン・データは、スキャン・データ、静止イメージ、ビデオ、オーディオ記録(たとえば、ソノグラムからの心拍)、またはスキャン・データ302の作成者/ユーザがスキャン・データ302と共に追加もしくは使用することを望み得る任意の他のタイプの履歴スキャン・データを含み得る。実施形態では、履歴スキャン・データ・データベース330は、単一のサーバ、クラウド・コンピューティング環境内の複数のサーバ、ならびに/あるいはクライアント・デバイス324、または履歴スキャン・データ選択ツール301と同一の物理システムもしくは仮想システム上に常駐し得る。
【0055】
履歴スキャン・データ選択ツール301は、デスクトップやラップトップなどのスタンドアロン・コンピューティング・システム、サーバ、あるいはクラウド・コンピューティング環境内の1つまたは複数のサーバ上で実行中の仮想システムであり得る。履歴スキャン・データ選択ツール301は、履歴スキャン・データ処理システム306、スキャン・データ処理システム314、およびスコアリング・モジュール322を含み得る。
【0056】
実施形態では、スキャン・データ302が、ネットワーク340を介して履歴スキャン・データ選択ツール301によって受信され得る。スキャン・データ処理システム314は、たとえば、イメージ・プロセッサ316、探索アプリケーション318、および内容解析モジュール320を含み得る。
【0057】
実施形態では、イメージ・プロセッサ316は、履歴スキャンを解析して1つまたは複数の関心点カテゴリを識別するように構成され得る。実施形態では、イメージ・プロセッサ316は、関心点カテゴリが識別され得る、アノマリの特徴を識別するように構成される。
【0058】
関心点カテゴリが識別されたとき、内容解析モジュール320を介して、関連性スコアが生成され、識別された関心点カテゴリに関して履歴スキャン・データの1つまたは複数の特徴(信号強度、密度、異常の形状、異常のサイズ、血流など)が求められ得る。実施形態では、内容解析モジュール320は、1つまたは複数の特徴を1つまたは複数の他の特徴に結び付けるリレーショナル・データベースを含み、またはリレーショナル・データベース内に情報を記憶し得る。たとえば、関心点は、血流の増大とあいまって、より高い温度を有し得、そのどちらも個々には異常ではないことがある。別の実施形態では、内容解析モジュール320は、関連性スコアを生成するために畳込みニューラル・ネットワークを含み得る。さらに別の実施形態では、内容解析モジュール320は、たとえば、リレーショナル・データベースと畳込みニューラル・ネットワークの両方を含み得、リレーショナル・データベースからのデータを畳込みニューラル・ネットワークに対する入力として使用し得る。関連性スコアは、類似性スコアリングのためにスコアリング・モジュール322に出力され得る。
【0059】
探索アプリケーション318は、イメージ・プロセッサ316によって識別された関心点カテゴリについて履歴スキャン・データ・データベース330を探索することによって履歴スキャン・データのセットを見つけるために利用され得る。本明細書で説明されるように、履歴スキャン・データ・データベース330は、事前定義されたファイル・フォルダまたはコンピュータを含み得、または履歴スキャン・データ・データベース330は、ウェブサイト、コンピュータ、サーバなどの集合と解釈され得る。探索結果が履歴スキャン・データ処理システム306に返され得る。
【0060】
いくつかの実施形態では、履歴スキャン・データ処理システム306は、たとえば、データ解析モジュール308、イメージ解析モジュール310、およびカテゴリ受信モジュール312を含み得る。カテゴリ受信モジュール312は、探索アプリケーション318によって検索された履歴スキャン・データのセットに必然的に関係付けられる、スキャン・データ302のエリアを解析することによって識別された関心点カテゴリを、スキャン・データ処理システム314から受信するように構成され得る。
【0061】
たとえば、実施形態では、特定の腫瘤または形成を識別するために、形状認識がスキャン・データ処理システム314の部分として利用される。腫瘤または形成についてのスーパークラスが、形状についてリレーショナル・データベースを解析することによって求められ得、スーパークラスが関心点カテゴリとして割り当てられ得る。関心点カテゴリを識別した後、形状属性がイメージ解析モジュール310またはデータ解析モジュール308によってそれぞれ視覚的/オーディオ属性の識別を通知し得るとき、スキャン・データ処理システム314は、関心点カテゴリに関するデータをカテゴリ受信モジュール312に送信し得る。
【0062】
デジタル・ファイル・フォーマット(たとえば、イメージ・ファイル・フォーマット(たとえば、.jpg)、テキストフォーマット(たとえば、.docx、.raf、.txtなど)、オーディオ・フォーマット(たとえば、.mp3など)、およびビデオ・ファイル・フォーマット(たとえば、.wmv))に基づいて、履歴スキャン・データ処理システム306は、探索アプリケーション318の結果に応答して受信した履歴スキャン・データを解析するためにシステムがどの処理モジュール(たとえば、データ解析モジュール308またはイメージ解析モジュール310)を共に使用すべきかを判定し得る。テキスト履歴スキャン・データが受信される実施形態では、履歴スキャン・データの解析が、たとえばスキャン・データ・プロセッサ316で実施される。別の実施形態では、履歴スキャン・データ処理システム306は、それ自体のスキャン・データ・プロセッサ(図示せず)を含み得る。
【0063】
実施形態では、イメージ解析モジュール310は、本明細書で説明されるように、ビデオおよびイメージ・フォーマットを受信して、イメージ内の物体、場所、関心点など(たとえば、対象)を識別するように構成され得る。ビデオ・ファイルが受信される実施形態では、静止フレーム・イメージがランダムな間隔で、規則的な間隔で選択され得、または静止イメージ選択基準に従って「最良のイメージ」(たとえば、腫瘍を最もはっきりと示すイメージ)が選択され得る。
【0064】
実施形態では、イメージ解析モジュール310が、(たとえば、静止イメージ、ビデオ、またはビデオ・フィードの単一のフレームから)物体または特徴(たとえば、腫瘤の形状、色合い、炎症など)を識別するように構成され得る。イメージ解析モジュール310は、イメージ内の物体の組合せを考慮して、イメージの状況をさらに識別し得る。たとえば、1つまたは複数の形状、腫瘤、変色を含む物体の組合せを伴うイメージが、イメージの状況を壊死と識別するための基礎を与え得る。イメージ解析モジュール310は、本明細書で説明される解析技術を実施して、受信した関心点カテゴリに基づいて、解析したイメージについての特定の関心点の確率を出力し得る。
【0065】
イメージの物体、属性、状況、および関連性スコアが識別されると、この情報を反映するリストまたはテーブルで(たとえばメタデータとして)イメージに「タグ付けされ」、あるいは注釈が付けられ、履歴スキャン・データ・データベース330内に記憶され得る。イメージ解析モジュール310によって生成された関連性スコアがスコアリング・モジュール322に送られる。
【0066】
実施形態では、本明細書で論じられるように、スコアリング・モジュール322は、内容と履歴スキャン・データの両方についての受信した関連性スコアに基づいて類似性スコアを生成するために使用され得る。
【0067】
実施形態では、スコアリング・モジュール322は、本明細書で説明されるように、ニューラル・ネットワークを利用して類似性スコアを生成し得る。実施形態では、ニューラル・ネットワークは、多層パーセプトロン、S字形ニューロンのシステム、複数のコアレットを備える有向非巡回グラフ、またはニューラル・ネットワーキングが可能な任意の他の構造/システムであり得る。
【0068】
スコアリング・モジュール322は、本明細書で説明されるように、類似性スコアに基づいて、履歴スキャン・データから1つまたは複数のイメージを選択し、ユーザに表示し得る。選択のためのパラメータは、最大の類似性スコアを有する単一のデータセットを含み得、または履歴スキャン・データのサブセットであり得る(たとえば、最大の類似性スコアを有する10個の履歴スキャン・データ)。選択パラメータは調節可能であり得る。
【0069】
図4は、本開示の実施形態に従って使用され得る例示的コンピュータ・システム401の代表的な主な構成要素を示す。図示される特定の構成要素は例示のために提示されるに過ぎず、必ずしもそのような唯一の変形形態ではない。コンピュータ・システム401は、プロセッサ410、メモリ420、入力/出力インターフェース(本明細書ではI/OまたはI/Oインターフェースとも呼ばれる)430、およびメイン・バス440を備え得る。メイン・バス440は、コンピュータ・システム401の他の構成要素のための通信経路を提供し得る。いくつかの実施形態では、メイン・バス440は、専用デジタル信号プロセッサ(図示せず)などの他の構成要素に接続され得る。
【0070】
コンピュータ・システム401のプロセッサ410は、1つまたは複数のCPU412から構成され得る。プロセッサ410は、CPU412のための命令およびデータの一時的記憶を実現する1つまたは複数のメモリ・バッファまたはキャッシュ(図示せず)からさらに構成され得る。CPU412は、キャッシュまたはメモリ420から提供される入力に対する命令を実施し、結果をキャッシュまたはメモリ420に出力し得る。CPU412は、本開示の実施形態に適合する1つまたは複数の方法を実施するように構成された1つまたは複数の回路から構成され得る。いくつかの実施形態では、コンピュータ・システム401は、比較的大規模なシステムに特有の複数のプロセッサ410を含み得る。しかしながら、別の実施形態では、コンピュータ・システム401は、単一のCPU412を有する単一のプロセッサであり得る。
【0071】
コンピュータ・システム401のメモリ420は、メモリ・コントローラ422と、データを一時的または永続的に記憶するための1つまたは複数のメモリ・モジュール(図示せず)から構成され得る。いくつかの実施形態では、メモリ420は、データおよびプログラムを記憶するためのランダム・アクセス半導体メモリ、記憶デバイス、または記憶媒体(揮発性または不揮発性)を含み得る。メモリ・コントローラ422はプロセッサ410と通信し得、メモリ・モジュール内への情報の記憶、およびメモリ・モジュール内の情報の検索を容易にする。メモリ・コントローラ422はI/Oインターフェース430と通信し得、メモリ・モジュールの入力または出力の記憶および検索を容易にする。いくつかの実施形態では、メモリ・モジュールはデュアル・インライン・メモリ・モジュールであり得る。
【0072】
I/Oインターフェース430は、I/Oバス450、端末インターフェース452、ストレージ・インターフェース454、I/Oデバイス・インターフェース456、およびネットワーク・インターフェース458を備え得る。I/Oインターフェース430は、メイン・バス440をI/Oバス450に接続し得る。I/Oインターフェース430は、プロセッサ410およびメモリ420からの命令およびデータをI/Oバス450の様々なインターフェースに向けて送り得る。I/Oインターフェース430はまた、I/Oバス450の様々なインターフェースからの命令およびデータをプロセッサ410およびメモリ420に向けて送り得る。様々なインターフェースは、端末インターフェース452、ストレージ・インターフェース454、I/Oデバイス・インターフェース456、およびネットワーク・インターフェース458を備え得る。いくつかの実施形態では、様々なインターフェースは、前述のインターフェースのサブセットを備え得る(たとえば、産業応用例での組込みコンピュータ・システムは、端末インターフェース452およびストレージ・インターフェース454を含まないことがある)。
【0073】
限定はしないがメモリ420、プロセッサ410、およびI/Oインターフェース430を含む、コンピュータ・システム401全体にわたる論理モジュールが、1つまたは複数の構成要素に対する障害および変更をハイパーバイザまたはオペレーティング・システム(図示せず)に通信し得る。ハイパーバイザまたはオペレーティング・システムは、コンピュータ・システム401内で利用可能な様々なリソースを割り振り、メモリ420内のデータの位置、および様々なCPU412に割り当てられたプロセスの位置を追跡し得る。要素を組み合わせ、または再配置する実施形態では、論理モジュールの機能の態様が組み合わされ、または再分配され得る。こうした変形形態は当業者には明らかであり得る。
【0074】
本発明は、任意の可能な技術的詳細統合レベルのシステム、方法、またはコンピュータ・プログラム製品、あるいはその組合せであり得る。コンピュータ・プログラム製品は、プロセッサに本発明の態様を実施させるコンピュータ可読プログラム命令を有するコンピュータ可読記憶媒体を含み得る。
【0075】
コンピュータ可読記憶媒体は、命令実行デバイスによる使用のための命令を保持し、記憶し得る有形デバイスであり得る。コンピュータ可読記憶媒体は、たとえば、限定はしないが、電子記憶デバイス、磁気記憶デバイス、光記憶デバイス、電磁記憶デバイス、半導体記憶デバイス、または前述の任意の適切な組合せであり得る。コンピュータ可読記憶媒体のより具体的な例の非網羅的なリストには、ポータブル・コンピュータ・ディスケット、ハード・ディスク、ランダム・アクセス・メモリ(RAM)、読取り専用メモリ(ROM)、消去可能プログラマブル読取り専用メモリ(EPROMまたはフラッシュ・メモリ)、静的ランダム・アクセス・メモリ(SRAM)、ポータブル・コンパクト・ディスク読取り専用メモリ(CD-ROM)、デジタル・バーサタイル・ディスク(DVD)、メモリ・スティック、フロッピィ(R)・ディスク、命令が記録されたパンチ・カードや溝の中の隆起構造などの機械的に符号化されたデバイス、および前述の任意の適切な組合せが含まれる。本明細書では、コンピュータ可読記憶媒体は、電波または他の自由伝播電磁波、導波路または他の伝送媒体を通じて伝播する電磁波(たとえば、光ファイバ・ケーブルを通過する光パルス)、ワイヤを通じて伝送される電気信号など、本質的に一時的信号であると解釈されるべきではない。
【0076】
本明細書で説明されるコンピュータ可読プログラム命令は、コンピュータ可読記憶媒体からそれぞれのコンピューティング/処理デバイスに、あるいはネットワーク、たとえばインターネット、ローカル・エリア・ネットワーク、広域ネットワーク、もしくはワイヤレス・ネットワーク、またはその組合せを介して外部コンピュータまたは外部記憶デバイスにダウンロードされ得る。ネットワークは、銅伝送ケーブル、光伝送ファイバ、ワイヤレス伝送、ルータ、ファイアウォール、スイッチ、ゲートウェイ・コンピュータ、またはエッジ・サーバ、あるいはその組合せを含み得る。各コンピューティング/処理デバイス内のネットワーク・アダプタ・カードまたはネットワーク・インターフェースが、ネットワークからコンピュータ可読プログラム命令を受信し、それぞれのコンピューティング/処理デバイス内のコンピュータ可読記憶媒体内に記憶するためにコンピュータ可読プログラム命令を転送する。
【0077】
本発明の動作を実施するためのコンピュータ可読プログラム命令は、アセンブラ命令、命令セット・アーキテクチャ(ISA)命令、機械語命令、マシン依存命令、マイクロコード、ファームウェア命令、状態設定データ、集積回路用の構成データ、あるいはSmalltalk(R)、C++などのオブジェクト指向プログラミング言語と、「C」プログラミング言語や類似のプログラミング言語などの手続型プログラミング言語とを含む、1つまたは複数のプログラミング言語の何らかの組合せで書かれたソース・コードまたはオブジェクト・コードであり得る。コンピュータ可読プログラム命令は、完全にユーザのコンピュータ上で、スタンド・アロン・ソフトウェア・パッケージとして部分的にユーザのコンピュータ上で、部分的にリモート・コンピュータ上で、または完全にリモート・コンピュータもしくはサーバ上で実行され得る。後者のシナリオでは、リモート・コンピュータは、ローカル・エリア・ネットワーク(LAN)または広域ネットワーク(WAN)を含む任意のタイプのネットワークを通じてユーザのコンピュータに接続され得、あるいは接続が外部コンピュータに対して(たとえば、インターネット・サービス・プロバイダを使用してインターネットを通じて)行われ得る。いくつかの実施形態では、たとえばプログラマブル論理回路、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(FPGA)、またはプログラマブル論理アレイ(PLA)を含む電子回路が、本発明の態様を実施するために、コンピュータ可読プログラム命令の状態情報を利用して電子回路を個別化することによってコンピュータ可読プログラム命令を実行し得る。
【0078】
本発明の態様が、本発明の実施形態による方法、装置(システム)、およびコンピュータ・プログラム製品のフローチャート図またはブロック図あるいはその両方を参照して本明細書で説明される。フローチャート図またはブロック図あるいはその両方の各ブロック、フローチャート図またはブロック図あるいはその両方の中のブロックの組合せが、コンピュータ可読プログラム命令によって実装され得ることを理解されよう。
【0079】
こうしたコンピュータ可読プログラム命令は、コンピュータまたは他のプログラム可能データ処理装置のプロセッサを介して実行される命令により、フローチャートまたはブロック図あるいはその両方の1つまたは複数のブロックで指定される機能/動作を実装するための手段を生み出すように、汎用コンピュータ、専用コンピュータ、または他のプログラム可能データ処理装置のプロセッサに与えられ、マシンが作り出され得る。こうしたコンピュータ可読プログラム命令はまた、命令を記憶するコンピュータ可読記憶媒体がフローチャートまたはブロック図あるいはその両方の1つまたは複数のブロックで指定される機能/動作の態様を実装する命令を含む製造品を含むように、コンピュータ、プログラム可能データ処理装置、他のデバイス、または他のデバイス、あるいはその組合せに特定の方式で機能するように指示し得るコンピュータ可読記憶媒体内に記憶され得る。
【0080】
コンピュータ可読プログラム命令はまた、コンピュータ、他のプログラム可能装置、または他のデバイス上で実行される命令が、フローチャートまたはブロック図あるいはその両方の1つまたは複数のブロックで指定される機能/動作を実装するように、コンピュータ、他のプログラム可能データ処理装置、または他のデバイス上にロードされ、コンピュータ、他のプログラム可能装置、または他のデバイス上で一連の動作ステップを実施させて、コンピュータ実装プロセスが生成され得る。
【0081】
本開示はクラウド・コンピューティングに関する詳細な説明を含むが、本明細書に記載の教示の実装はクラウド・コンピューティング環境に限定されないことを理解されたい。むしろ、本発明の実施形態は、現在知られている、または後に開発される任意の他のタイプのコンピューティング環境と共に実装することができる。
【0082】
クラウド・コンピューティングは、最小限の管理労力またはサービスのプロバイダとの対話で迅速にプロビジョニングされ、解放され得る構成可能コンピューティング・リソース(たとえば、ネットワーク、ネットワーク帯域幅、サーバ、処理、メモリ、ストレージ、アプリケーション、仮想マシン、およびサービス)の共有プールへの便利なオンデマンド・ネットワーク・アクセスを可能にするためのサービス配信のモデルである。このクラウド・モデルは、少なくとも5つの特徴、少なくとも3つのサービス・モデル、および少なくとも4つの配置モデルを含み得る。
【0083】
特徴は以下の通りである。
【0084】
オンデマンド・セルフサービス:クラウド消費者は、サービスのプロバイダとの人間の対話を必要とすることなく、必要に応じて自動的に、サーバ時間やネットワーク・ストレージなどのコンピューティング機能を一方的にプロビジョニングし得る。
【0085】
広範なネットワーク・アクセス:機能がネットワークを介して利用可能であり、異種シンまたはシック・クライアント・プラットフォーム(たとえば、携帯電話、ラップトップ、およびPDA)による使用を促進する標準機構を通じてアクセスされる。
【0086】
リソース・プーリング:マルチ・テナント・モデルを使用して複数の消費者にサービスするためにプロバイダのコンピューティング・リソースがプールされ、異なる物理および仮想リソースが、要求に従って動的に割当ておよび再割当てされる。消費者は一般に、提供されるリソースの厳密な位置に関する制御または知識を有さないが、より高い抽象化レベル(たとえば、国、州、またはデータセンタ)で位置を指定することができ得るという点で、ある意味で位置独立性がある。
【0087】
迅速な弾力性:迅速にスケールアウトし、迅速に解放して迅速にスケールインするために、機能が、迅速かつ弾力的に、あるケースでは自動的にプロビジョニングされ得る。消費者にとって、プロビジョニングのために利用可能な機能はしばしば、無制限であり、いつでも任意の量を購入できるように見える。
【0088】
測定サービス:クラウド・システムは、サービスのタイプにとって適切な何らかのレベルの抽象化(たとえば、ストレージ、処理、帯域幅、およびアクティブなユーザ・アカウント)の計量機能を活用することによってリソース使用を自動的に制御し、最適化する。リソース使用量が監視され、制御され、レポートされ得、利用されるサービスのプロバイダと消費者の両方についての透明性が実現される。
【0089】
サービス・モデルは以下の通りである。
【0090】
Software as a Service(SaaS):消費者に提供される機能は、クラウド・インフラストラクチャ上で実行中のプロバイダのアプリケーションを使用することである。アプリケーションは、ウェブ・ブラウザ(たとえば、ウェブ・ベースのeメール)などのシン・クライアント・インターフェースを通じて、様々なクライアント・デバイスからアクセス可能である。消費者は、ネットワーク、サーバ、オペレーティング・システム、ストレージ、さらには個々のアプリケーション機能を含む、基礎となるクラウド・インフラストラクチャを管理または制御しないが、可能性のある例外は、限定されたユーザ特有のアプリケーション構成設定である。
【0091】
Platform as a Service(PaaS):消費者に提供される機能は、プロバイダによってサポートされるプログラミング言語およびツールを使用して作成された、消費者が作成または取得したアプリケーションをクラウド・インフラストラクチャ上に配置することである。消費者は、ネットワーク、サーバ、オペレーティング・システム、またはストレージを含む、基礎となるクラウド・インフラストラクチャを管理または制御しないが、配置されるアプリケーション、および場合によってはアプリケーション・ホスティング環境構成に関する制御を有する。
【0092】
Infrastructure as a Service(IaaS):消費者に提供される機能は、処理、ストレージ、ネットワーク、および他の基本コンピューティング・リソースをプロビジョニングすることであり、消費者は、オペレーティング・システムおよびアプリケーションを含み得る任意のソフトウェアを配置および実行することができる。消費者は、基礎となるクラウド・インフラストラクチャを管理または制御しないが、オペレーティング・システム、ストレージ、配置されるアプリケーションに関する制御、および場合によっては選択されたネットワーキング構成要素(たとえば、ホスト・ファイアウォール)の限定された制御を有する。
【0093】
配置モデルは以下の通りである。
【0094】
プライベート・クラウド:クラウド・インフラストラクチャが組織だけのために運用される。クラウド・インフラストラクチャは、組織または第3者によって管理され得、オンプレミスまたはオフプレミスで存在し得る。
【0095】
コミュニティ・クラウド:クラウド・インフラストラクチャがいくつかの組織によって共有され、共有される関心事(たとえば、任務、セキュリティ要件、ポリシー、およびコンプライアンスの考慮事項)を有する特定のコミュニティをサポートする。クラウド・インフラストラクチャは、組織または第3者によって管理され得、オンプレミスまたはオフプレミスで存在し得る。
【0096】
パブリック・クラウド:クラウド・インフラストラクチャが、一般社会または大規模な産業グループに対して利用可能にされ、クラウド・サービスを販売する組織によって所有される。
【0097】
ハイブリッド・クラウド:クラウド・インフラストラクチャは、固有のエンティティのままであるが、データおよびアプリケーションのポータビリティを可能にする標準化技術または所有権を主張できる技術(たとえば、クラウド間のロード・バランシングのためのクラウド・バースティング)によって互いに結び付けられる2つ以上のクラウド(プライベート、コミュニティ、またはパブリック)の合成である。
【0098】
クラウド・コンピューティング環境は、ステートレスネス(statelessness)、低結合、モジュラリティ、およびセマンティック相互運用性(semantic interoperability)に焦点を合わせることを指向するサービスである。クラウド・コンピューティングの中心は、相互接続されたノードのネットワークを含むインフラストラクチャである。
【0099】
次に図5を参照すると、例示的クラウド・コンピューティング環境50が示されている。図示されるように、クラウド・コンピューティング環境50は、たとえば、携帯情報端末(PDA)またはセルラ電話54A、デスクトップ・コンピュータ54B、ラップトップ・コンピュータ54C、または自動車コンピュータ・システム54N、あるいはその組合せなどの、クラウド消費者によって使用されるローカル・コンピューティング・デバイスが通信し得る1つまたは複数のクラウド・コンピューティング・ノード10を含む。ノード10は互いに通信し得る。ノード10は、前述のようなプライベート、コミュニティ、パブリック、またはハイブリッド・クラウドなどの1つまたは複数のネットワーク、またはそれらの組合せの中で、物理的または仮想的にグループ化され得る(図示せず)。これにより、クラウド・コンピューティング環境50が、インフラストラクチャ、プラットフォーム、またはソフトウェア、あるいはその組合せを、クラウド消費者がそのためにローカル・コンピューティング・デバイス上のリソースを維持する必要のないサービスとして提供することが可能となる。図5に示されるコンピューティング・デバイス54A~Nのタイプは例示のみを目的としていること、ならびにコンピューティング・ノード10およびクラウド・コンピューティング環境50が、任意のタイプのネットワークまたは(たとえば、ウェブ・ブラウザを使用して)ネットワーク・アドレス指定可能な接続あるいはその両方を介して、任意のタイプのコンピュータ化されたデバイスと通信し得ることを理解されたい。
【0100】
次に図6を参照すると、クラウド・コンピューティング環境50(図5)によって提供される機能的抽象化層のセットが示されている。図6に示される構成要素、層、および機能は、例示のみを目的としており、本発明の実施形態はそれに限定されないことをあらかじめ理解されたい。図示されるように、以下の層および対応する機能が提供される。
【0101】
ハードウェアおよびソフトウェア層60がハードウェアおよびソフトウェア構成要素を含む。ハードウェア構成要素の例には、メインフレーム61、RISC(縮小命令セット・コンピュータ)アーキテクチャ・ベースのサーバ62、サーバ63、ブレード・サーバ64、記憶デバイス65、ならびにネットワークおよびネットワーキング構成要素66が含まれる。いくつかの実施形態では、ソフトウェア構成要素はネットワーク・アプリケーション・サーバ・ソフトウェア67およびデータベース・ソフトウェア68を含む。
【0102】
仮想化層70が抽象化層を提供し、抽象化層から仮想エンティティの以下の例が提供され得る:仮想サーバ71、仮想ストレージ72、仮想プライベート・ネットワークを含む仮想ネットワーク73、仮想アプリケーションおよびオペレーティング・システム74、ならびに仮想クライアント75。
【0103】
一例では、管理層80が、以下で説明される機能を提供し得る。リソース・プロビジョニング81が、クラウド・コンピューティング環境内のタスクを実施するために利用されるコンピューティング・リソースおよび他のリソースの動的調達(dynamic procurement)を実現する。計量および価格設定(Metering and Pricing)82が、クラウド・コンピューティング環境内でリソースが利用されるときのコスト追跡と、こうしたリソースの消費に対する請求書作成(billing)または送り状送付(invoicing)とを実現する。一例では、こうしたリソースはアプリケーション・ソフトウェア・ライセンスを含み得る。セキュリティが、クラウド消費者およびタスクについての識別検証、ならびにデータおよび他のリソースに対する保護を実現する。ユーザ・ポータル83が、消費者およびシステム管理者のためのクラウド・コンピューティング環境へのアクセスを実現する。サービス・レベル管理84が、必要とされるサービス・レベルが満たされるようにクラウド・コンピューティング・リソース割振りおよび管理を実現する。サービス・レベル・アグリーメント(SLA)計画および履行85が、SLAに従って、将来の必要が予想されるクラウド・コンピューティング・リソースの事前調整および調達を実現する。
【0104】
作業負荷層90が、クラウド・コンピューティング環境が利用され得る機能の例を提供する。この層から提供され得る作業負荷および機能の例には、地図作成およびナビゲーション91、ソフトウェア開発およびライフサイクル管理92、仮想クラスルーム教育配信93、データ解析処理94、取引処理95、ならびに予測ニューラル・ネットワーク96が含まれる。
【0105】
本発明は、任意の可能な技術的詳細統合レベルのシステム、方法、またはコンピュータ・プログラム製品、あるいはその組合せであり得る。コンピュータ・プログラム製品は、プロセッサに本発明の態様を実施させるコンピュータ可読プログラム命令を有するコンピュータ可読記憶媒体を含み得る。
【0106】
コンピュータ可読記憶媒体は、命令実行デバイスによる使用のための命令を保持し、記憶し得る有形デバイスであり得る。コンピュータ可読記憶媒体は、たとえば、限定はしないが、電子記憶デバイス、磁気記憶デバイス、光記憶デバイス、電磁記憶デバイス、半導体記憶デバイス、または前述の任意の適切な組合せであり得る。コンピュータ可読記憶媒体のより具体的な例の非網羅的なリストには、下記のポータブル・コンピュータ・ディスケット、ハード・ディスク、ランダム・アクセス・メモリ(RAM)、読取り専用メモリ(ROM)、消去可能プログラマブル読取り専用メモリ(EPROMまたはフラッシュ・メモリ)、静的ランダム・アクセス・メモリ(SRAM)、ポータブル・コンパクト・ディスク読取り専用メモリ(CD-ROM)、デジタル・バーサタイル・ディスク(DVD)、メモリ・スティック、フロッピィ・ディスク、命令が記録されたパンチ・カードや溝の中の隆起構造などの機械的に符号化されたデバイス、および前述の任意の適切な組合せが含まれる。本明細書では、コンピュータ可読記憶媒体は、電波または他の自由伝播電磁波、導波路または他の伝送媒体を通じて伝播する電磁波(たとえば、光ファイバ・ケーブルを通過する光パルス)、ワイヤを通じて伝送される電気信号など、本質的に一時的信号であると解釈されるべきではない。
【0107】
本明細書で説明されるコンピュータ可読プログラム命令は、コンピュータ可読記憶媒体からそれぞれのコンピューティング/処理デバイスに、あるいはネットワーク、たとえばインターネット、ローカル・エリア・ネットワーク、広域ネットワーク、もしくはワイヤレス・ネットワーク、またはその組合せを介して外部コンピュータまたは外部記憶デバイスにダウンロードされ得る。ネットワークは、銅伝送ケーブル、光伝送ファイバ、ワイヤレス伝送、ルータ、ファイアウォール、スイッチ、ゲートウェイ・コンピュータ、またはエッジ・サーバ、あるいはその組合せを含み得る。各コンピューティング/処理デバイス内のネットワーク・アダプタ・カードまたはネットワーク・インターフェースが、ネットワークからコンピュータ可読プログラム命令を受信し、それぞれのコンピューティング/処理デバイス内のコンピュータ可読記憶媒体内に記憶するためにコンピュータ可読プログラム命令を転送する。
【0108】
本発明の動作を実施するためのコンピュータ可読プログラム命令は、アセンブラ命令、命令セット・アーキテクチャ(ISA)命令、機械語命令、マシン依存命令、マイクロコード、ファームウェア命令、状態設定データ、集積回路用の構成データ、あるいはSmalltalk(R)、C++などのオブジェクト指向プログラミング言語と、「C」プログラミング言語や類似のプログラミング言語などの手続型プログラミング言語とを含む、1つまたは複数のプログラミング言語の何らかの組合せで書かれたソース・コードまたはオブジェクト・コードであり得る。コンピュータ可読プログラム命令は、完全にユーザのコンピュータ上で、スタンド・アロン・ソフトウェア・パッケージとして部分的にユーザのコンピュータ上で、部分的にユーザのコンピュータ、および部分的にリモート・コンピュータ上で、または完全にリモート・コンピュータもしくはサーバ上で実行され得る。後者のシナリオでは、リモート・コンピュータは、ローカル・エリア・ネットワーク(LAN)または広域ネットワーク(WAN)を含む任意のタイプのネットワークを通じてユーザのコンピュータに接続され得、または接続が外部コンピュータに対して(たとえば、インターネット・サービス・プロバイダを使用してインターネットを通じて)行われ得る。いくつかの実施形態では、たとえばプログラマブル論理回路、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(FPGA)、またはプログラマブル論理アレイ(PLA)を含む電子回路が、本発明の態様を実施するために、コンピュータ可読プログラム命令の状態情報を利用して電子回路を個別化することによってコンピュータ可読プログラム命令を実行し得る。
【0109】
本発明の態様が、本開示の実施形態による方法、装置(システム)、およびコンピュータ・プログラム製品のフローチャート図またはブロック図あるいはその両方を参照して本明細書で説明される。フローチャート図またはブロック図あるいはその両方の各ブロック、フローチャート図またはブロック図あるいはその両方の中のブロックの組合せが、コンピュータ可読プログラム命令によって実装され得ることを理解されよう。
【0110】
こうしたコンピュータ可読プログラム命令は、コンピュータまたは他のプログラム可能データ処理装置のプロセッサを介して実行される命令により、フローチャートまたはブロック図あるいはその両方の1つまたは複数のブロックで指定される機能/動作を実装するための手段を生み出すように、汎用コンピュータ、専用コンピュータまたは他のプログラム可能データ処理装置のプロセッサに与えられ、マシンが作り出され得る。こうしたコンピュータ可読プログラム命令はまた、命令を記憶するコンピュータ可読記憶媒体がフローチャートまたはブロック図あるいはその両方の1つまたは複数のブロックで指定される機能/動作の態様を実装する命令を含む製造品を含むように、コンピュータ、プログラム可能データ処理装置、または他のデバイス、あるいはその組合せに特定の方式で機能するように指示し得るコンピュータ可読記憶媒体内に記憶され得る。
【0111】
コンピュータ可読プログラム命令はまた、コンピュータ、他のプログラム可能装置、または他のデバイス上で実行される命令が、フローチャートまたはブロック図あるいはその両方の1つまたは複数のブロックで指定される機能/動作を実装するように、コンピュータ、他のプログラム可能データ処理装置、または他のデバイス上にロードされ、コンピュータ、他のプログラム可能装置、または他のデバイス上で一連の動作ステップを実施させて、コンピュータ実装プロセスが生成され得る。
【0112】
図中のフローチャートおよびブロック図は、本発明の様々な実施形態によるシステム、方法、およびコンピュータ・プログラム製品の可能な実装のアーキテクチャ、機能、および動作を示す。この点で、フローチャートまたはブロック図の各ブロックは、指定の論理的機能を実装するための1つまたは複数の実行可能命令を含む命令のモジュール、セグメント、または部分を表し得る。いくつかの代替実装では、ブロック内に記載の機能は、図に記載されている以外の順序で行われ得る。たとえば、連続して示される2つのブロックは、実際には、ほぼ同時に実行され得、またはブロックは、関係する機能に応じて、時には逆の順序で実行され得る。ブロック図またはフローチャート図あるいはその両方の各ブロック、およびブロック図またはフローチャート図あるいはその両方のブロックの組合せが、指定の機能または動作を実施し、あるいは専用ハードウェアおよびコンピュータ命令の組合せを実施する専用ハードウェア・ベースのシステムによって実装され得ることにも留意されよう。
【0113】
本明細書では、物体の「セット」は、その物体のすべての利用可能な例と同等ではない。たとえば、4つのファイルが利用可能であった場合、ファイルのセットは、すべての4つのファイルを含まないことがある。さらに、本明細書では、物体の「セットのそれぞれ」という語句は、そのセットのその物体の例のみを指す。たとえば、4つのファイルが利用可能であった場合、「4つのファイルのうちの2つのファイルのセットで、セット内のファイルのそれぞれは読取り専用である」は、2つのファイル(セット内の2つのファイル)が読取り専用であることを示唆すると適切に解釈されることになる。セット内にない、4つの利用可能なファイルのうちの2つのファイルは読取り専用であることがあり、または読取り専用ではないことがある。
【0114】
本開示の様々な実施形態の説明が例示のために提示されたが、網羅的なものではなく、開示される実施形態に限定されないものとする。記載の実施形態の範囲および思想から逸脱することなく、多くの修正形態および変形形態が当業者には明らかであろう。本明細書で用いられた用語は、実施形態の原理、実際の応用、または市場で見出される技術に勝る技術的改良を説明し、当業者が本明細書で開示される実施形態を理解することを可能にするように選ばれた。
【0115】
図中のフローチャートおよびブロック図は、本発明の様々な実施形態によるシステム、方法、およびコンピュータ・プログラム製品の可能な実装のアーキテクチャ、機能、および動作を示す。この点で、フローチャートまたはブロック図の各ブロックは、指定の論理的機能を実装するための1つまたは複数の実行可能命令を含む命令のモジュール、セグメント、または部分を表し得る。いくつかの代替実装では、ブロック内に記載の機能は、図に記載されている以外の順序で行われ得る。たとえば、連続して示される2つのブロックは、実際には、ほぼ同時に実行され得、またはブロックは、関係する機能に応じて、時には逆の順序で実行され得る。ブロック図またはフローチャート図あるいはその両方の各ブロック、およびブロック図またはフローチャート図あるいはその両方のブロックの組合せが、指定の機能または動作を実施し、あるいは専用ハードウェアおよびコンピュータ命令の組合せを実施する専用ハードウェア・ベースのシステムによって実装され得ることにも留意されよう。
【0116】
本開示の様々な実施形態の説明が例示のために提示されたが、網羅的なものではなく、開示される実施形態に限定されないものとする。記載の実施形態の範囲および思想から逸脱することなく、多くの修正形態および変形形態が当業者には明らかであろう。本明細書で用いられた用語は、実施形態の原理、実際の応用、または市場で見出される技術に勝る技術的改良を説明し、当業者が本明細書で開示される実施形態を理解することを可能にするように選ばれた。
図1
図2
図3
図4
図5
図6