(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-26
(45)【発行日】2025-01-10
(54)【発明の名称】剛性制御装置、内視鏡システムおよび剛性制御方法
(51)【国際特許分類】
A61B 1/005 20060101AFI20241227BHJP
A61B 1/00 20060101ALI20241227BHJP
【FI】
A61B1/005 512
A61B1/00 550
(21)【出願番号】P 2023506464
(86)(22)【出願日】2021-03-16
(86)【国際出願番号】 JP2021010710
(87)【国際公開番号】W WO2022195742
(87)【国際公開日】2022-09-22
【審査請求日】2023-07-14
(73)【特許権者】
【識別番号】304050923
【氏名又は名称】オリンパスメディカルシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110004185
【氏名又は名称】インフォート弁理士法人
(74)【代理人】
【識別番号】110002907
【氏名又は名称】弁理士法人イトーシン国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】中村 翔
(72)【発明者】
【氏名】山本 小百合
【審査官】渡▲辺▼ 純也
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2018/0289925(US,A1)
【文献】特開平05-042100(JP,A)
【文献】国際公開第2017/179126(WO,A1)
【文献】特開2020-137089(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 1/00 - 1/32
G02B 23/24 - 23/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
加熱されることで曲げ剛性が高まる剛性可変部材と、前記剛性可変部材を加熱可能なヒータと、を有する剛性可変装置を制御する剛性制御装置であって、
前記ヒータの温度に関する情報を算出するヒータ温度検出部と、
前記剛性可変部材の温度に関する情報を推定する剛性可変部材温度推定部と、
を備え
、
前記剛性可変部材温度推定部は、設定された熱伝導方程式をラプラス変換した伝達関数として前記ヒータの温度に関する情報に基づいて前記剛性可変部材の温度に関する情報を推定することを特徴とする剛性制御装置。
【請求項2】
前記剛性可変部材温度推定部は、前記ヒータの温度に関する情報を入力値とし、前記剛性可変部材の温度に関する情報を出力する関数であって、前記ヒータの温度に対する前記剛性可変部材の温度の収束値に係るゲインと、前記剛性可変部材の温度の収束の速さに係る時定数とを持つ関数に基づき、前記剛性可変部材の温度に関する情報を出力する
ことを特徴とする請求項1に記載の剛性制御装置。
【請求項3】
前記剛性可変部材温度推定部は、前記ヒータが前記剛性可変部材の加熱を開始するときの加熱開始時ヒータ温度に関する情報を取得し、前記加熱開始時ヒータ温度に関する情報に基づき前記ゲインを設定する
ことを特徴とする請求項2に記載の剛性制御装置。
【請求項4】
前記剛性可変部材の温度履歴情報を記録する温度履歴保存部をさらに有し、
前記剛性可変部材温度推定部は、前記温度履歴情報に基づいて、前記時定数を設定する
ことを特徴とする請求項2に記載の剛性制御装置。
【請求項5】
前記剛性可変部材の温度に関する情報に基づき、前記ヒータを制御するヒータ制御部と、
をさらに備える
ことを特徴とする請求項1に記載の剛性制御装置。
【請求項6】
前記ヒータは、導電性を有し、通電されることで発熱し、
前記ヒータ温度検出部は、前記ヒータに係る電圧と電流との情報に基づき前記ヒータの温度を算出する
ことを特徴とする請求項1に記載の剛性制御装置。
【請求項7】
前記剛性可変部材は筒形状であり、
前記ヒータは、前記剛性可変部材の内側に配置され、筒形状をなす
ことを特徴とする請求項1に記載の剛性制御装置。
【請求項8】
前記剛性可変部材温度推定部は、前記ヒータが前記剛性可変部材の加熱を開始するときの加熱開始時ヒータ温度に関する情報を取得し、前記ヒータの温度に関する情報と前記加熱開始時ヒータ温度とに基づき、前記剛性可変部材の温度を推定する
ことを特徴とする請求項1に記載の剛性制御装置。
【請求項9】
前記剛性可変部材の温度履歴情報を記録する温度履歴保存部をさらに有し、
前記剛性可変部材温度推定部は、前記ヒータの温度に関する情報と前記温度履歴情報とに基づいて、前記剛性可変部材の温度を推定する
ことを特徴とする請求項1に記載の剛性制御装置。
【請求項10】
前記熱伝導方程式は、以下であることを特徴とする請求項1に記載の剛性制御装置。
但し、
m:SMA質量[g],
c:SMA比熱[J/g/K],
T
SMA
:SMA温度[K](出力値),
t:時間[s],
K
K
:ヒータコイルからSMAまで(主に伝導性素材)の平均熱伝導率,
A
K
:ヒータコイルからSMAまで(主に伝導性素材)の平均表面積,
D
K
:ヒータコイルからSMAまで(主に主に伝導性素材)の平均厚み,
T
HEATER
:ヒータ温度(入力値)
K
S
:SMA周囲環境(スコープ内の空気層,スコープ内構成部品)の平均熱伝導率,
A
S
:SMA表面積[m
2
],
D
S
:SMA周囲環境(スコープ内の空気層,スコープ内構成部品)までの平均厚み,
T
e
:SMA周囲環境(スコープ内の空気層,スコープ内構成部品)温度[K]
【請求項11】
前記熱伝導方程式をラプラス変換した伝達関数は以下であることを特徴とする請求項10に記載の剛性制御装置。
ここで“S”はラプラス演算子であり、時間微分の意味をもつ。
【請求項12】
挿入部と、前記挿入部に搭載され加熱されることで曲げ剛性が高まる剛性可変部材と、前記挿入部に搭載され前記剛性可変部材を加熱可能なヒータと、を有する剛性可変装置と、を有する内視鏡と、
前記ヒータの温度を算出するヒータ温度検出部と、前記ヒータの温度に基づき前記剛性可変部材の温度を推定する剛性可変部材温度推定部と、を有し、前記剛性可変部材温度推定部が、設定された熱伝導方程式をラプラス変換した伝達関数として前記ヒータの温度に関する情報に基づいて前記剛性可変部材の温度に関する情報を推定する剛性制御装置と、
を備える内視鏡システム。
【請求項13】
前記ヒータと前記剛性可変部材との間に、空気よりも高い熱伝導性を有する熱伝導性素材が充填されている
ことを特徴とする請求項12に記載の内視鏡システム。
【請求項14】
前記剛性可変部材温度推定部は、前記ヒータの温度に関する情報を入力値とし、前記剛性可変部材の温度に関する情報を出力する関数であって、前記ヒータの温度に対する前記剛性可変部材の温度の収束値に係るゲインと、前記剛性可変部材の温度の収束の早さに係る時定数とを持つ関数に基づき、前記剛性可変部材の温度に関する情報を出力する
ことを特徴とする請求項12に記載の内視鏡システム。
【請求項15】
前記内視鏡は、前記ゲインと前記時定数とに係る情報を予め記憶したメモリを有する
ことを特徴とする請求項14に記載の内視鏡システム。
【請求項16】
前記剛性制御装置は、前記剛性可変部材の温度に関する情報に基づき、前記ヒータを制御する
ことを特徴とする請求項12に記載の内視鏡システム。
【請求項17】
前記ヒータは、導電性を有し、通電されることで加熱し、
前記剛性制御装置は、前記ヒータに係る電圧と電流との情報に基づき前記ヒータの温度を算出する
ことを特徴とする請求項12に記載の内視鏡システム。
【請求項18】
前記剛性可変部材は筒形状であり、
前記ヒータは、前記剛性可変部材の内側に配置され、筒形状をなす
ことを特徴とする請求項12に記載の内視鏡システム。
【請求項19】
前記熱伝導方程式は、以下であることを特徴とする請求項12に記載の内視鏡システム。
但し、
m:SMA質量[g],
c:SMA比熱[J/g/K],
T
SMA
:SMA温度[K](出力値),
t:時間[s],
K
K
:ヒータコイルからSMAまで(主に伝導性素材)の平均熱伝導率,
A
K
:ヒータコイルからSMAまで(主に伝導性素材)の平均表面積,
D
K
:ヒータコイルからSMAまで(主に主に伝導性素材)の平均厚み,
T
HEATER
:ヒータ温度(入力値)
K
S
:SMA周囲環境(スコープ内の空気層,スコープ内構成部品)の平均熱伝導率,
A
S
:SMA表面積[m
2
],
D
S
:SMA周囲環境(スコープ内の空気層,スコープ内構成部品)までの平均厚み,
T
e
:SMA周囲環境(スコープ内の空気層,スコープ内構成部品)温度[K]
【請求項20】
前記熱伝導方程式をラプラス変換した伝達関数は以下であることを特徴とする請求項19に記載の内視鏡システム。
ここで“S”はラプラス演算子であり、時間微分の意味をもつ。
【請求項21】
加熱されることで曲げ剛性が高まる剛性可変部材と、前記剛性可変部材を加熱可能なヒータと、を有する剛性可変装置を制御する剛性制御方法であって、
剛性制御装置が前記ヒータの温度に関する情報を算出するステップと、
前記剛性制御装置が前記剛性可変部材の温度を推定するステップと、
を有し、
前記剛性制御装置は、設定された熱伝導方程式をラプラス変換した伝達関数として前記ヒータの温度に関する情報に基づいて前記剛性可変部材の温度に関する情報を推定することを特徴とする剛性制御方法。
【請求項22】
前記剛性制御装置は、前記ヒータの温度に関する情報を入力値とし、前記剛性可変部材の温度に関する情報を出力する関数であって、前記ヒータの温度に対する前記剛性可変部材の温度の収束値に係るゲインと、前記剛性可変部材の温度の収束の早さに係る時定数とを持つ関数に基づき、前記剛性可変部材の温度に関する情報を出力する
ことを特徴とする請求項21に記載の剛性制御方法。
【請求項23】
前記剛性制御装置は、前記ヒータが前記剛性可変部材の加熱を開始するときの加熱開始時ヒータ温度に関する情報を取得し、前記加熱開始時ヒータ温度に関する情報に基づきゲインを設定する
ことを特徴とする請求項21に記載の剛性制御方法。
【請求項24】
前記剛性可変部材の温度履歴情報を記録する温度履歴保持部をさらに有し、
前記温度履歴情報に基づいて、前記時定数を設定する
ことを特徴とする請求項22に記載の剛性制御方法。
【請求項25】
前記熱伝導方程式は、以下であることを特徴とする請求項21に記載の剛性制御方法。
但し、
m:SMA質量[g],
c:SMA比熱[J/g/K],
T
SMA
:SMA温度[K](出力値),
t:時間[s],
K
K
:ヒータコイルからSMAまで(主に伝導性素材)の平均熱伝導率,
A
K
:ヒータコイルからSMAまで(主に伝導性素材)の平均表面積,
D
K
:ヒータコイルからSMAまで(主に主に伝導性素材)の平均厚み,
T
HEATER
:ヒータ温度(入力値)
K
S
:SMA周囲環境(スコープ内の空気層,スコープ内構成部品)の平均熱伝導率,
A
S
:SMA表面積[m
2
],
D
S
:SMA周囲環境(スコープ内の空気層,スコープ内構成部品)までの平均厚み,
T
e
:SMA周囲環境(スコープ内の空気層,スコープ内構成部品)温度[K]
【請求項26】
前記熱伝導方程式をラプラス変換した伝達関数は以下であることを特徴とする請求項25に記載の剛性制御方法。
ここで“S”はラプラス演算子であり、時間微分の意味をもつ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内視鏡挿入部の剛性を変更する剛性可変装置を有し、当該剛性可変装置を制御する剛性制御装置、内視鏡システムおよび当該剛性制御装置の剛性制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、内視鏡挿入部の剛性を変更する剛性可変装置としては種々の方式が知られている。この剛性可変装置の方式の1つとして、ヒータコイルを用いて形状記憶合金部材(SMA)を加熱することで剛性を高める方式が知られている。例えば、国際公開第2018/189888号には、形状記憶合金部材(SMA)をパイプ形状に形成し、発熱素子(ヒータコイル)を当該SMAパイプの同軸上に配置する構成が示されている。
【0003】
また、形状記憶合金部材(SMA)の剛性制御法として、国際公開第2016/189683号には、ヒータコイルの電気抵抗測定によってヒータコイルの温度を測定し、さらにヒータコイル温度に基づいて形状記憶合金部材(SMA)の剛性を算出(推定)する技術が開示されている。
【0004】
ここで、細径のSMAパイプおよびヒータコイルからなる剛性可変アクチュエータを、当該ヒータコイルの温度検出に基づいてSMAパイプの温度を制御する場合、以下に示す課題を有する。すなわち、ヒータコイルとSMAパイプとの間には僅かながらもクリアランスが存在するため、たとえこのクリアランス距離が僅かであっても、ヒータコイルからSMAパイプに熱が伝導するのには所定の時間を要することとなる。したがって、早い応答性を目して加熱制御しようとした場合、ヒータコイルとSMAパイプ(形状記憶合金部材)間に温度差が生じるため、形状記憶合金部材の温度(剛性値)の推定精度が低くなるという問題が有った。
【0005】
本発明は上述した事情に鑑みてなされたものであり、高精度に形状記憶合金部材の剛性値を推定可能な剛性制御装置、内視鏡システムおよび当該剛性制御装置の剛性制御方法を提供することを目的とする。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様の剛性制御装置は、加熱されることで曲げ剛性が高まる剛性可変部材と、前記剛性可変部材を加熱可能なヒータと、を有する剛性可変装置を制御する剛性制御装置であって、前記ヒータの温度に関する情報を算出するヒータ温度検出部と、前記剛性可変部材の温度に関する情報を推定する剛性可変部材温度推定部と、を備え、前記剛性可変部材温度推定部は、設定された熱伝導方程式をラプラス変換した伝達関数として前記ヒータの温度に関する情報に基づいて前記剛性可変部材の温度に関する情報を推定する。
【0007】
また、本発明の一態様の内視鏡システムは、挿入部と、前記挿入部に搭載され加熱されることで曲げ剛性が高まる剛性可変部材と、前記挿入部に搭載され前記剛性可変部材を加熱可能なヒータと、を有する剛性可変装置と、を有する内視鏡と、前記ヒータの温度を算出するヒータ温度検出部と、前記ヒータの温度に基づき前記剛性可変部材の温度を推定する剛性可変部材温度推定部と、を有し、前記剛性可変部材温度推定部が、設定された熱伝導方程式をラプラス変換した伝達関数として前記ヒータの温度に関する情報に基づいて前記剛性可変部材の温度に関する情報を推定する剛性制御装置と、を備える。
【0008】
本発明の一態様の剛性制御方法は、加熱されることで曲げ剛性が高まる剛性可変部材と、前記剛性可変部材を加熱可能なヒータと、を有する剛性可変装置を制御する剛性制御方法であって、剛性制御装置が前記ヒータの温度に関する情報を算出するステップと、前記剛性制御装置が前記剛性可変部材の温度を推定するステップと、を有し、前記剛性制御装置は、設定された熱伝導方程式をラプラス変換した伝達関数として前記ヒータの温度に関する情報に基づいて前記剛性可変部材の温度に関する情報を推定する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1は、本発明の第1の実施形態に係る剛性制御装置と、当該剛性制御装置が制御する剛性可変装置を有する内視鏡と、を有する内視鏡システムの構成を示す要部外観斜視図である。
【
図2】
図2は、第1の実施形態に係る剛性制御装置における主要部の構成と、内視鏡挿入部における剛性可変装置の構成と、を示すブロック図である。
【
図3】
図3は、第1の実施形態に係る剛性制御装置における剛性可変部材温度推定部が求める形状記憶部材の温度の立ち上がり特性を示したグラフである。
【
図4】
図4は、本発明の第2の実施形態に係る剛性制御装置に使用するゲイン設定テーブルを示した表図である。
【
図5】
図5は、本発明の第3の実施形態に係る剛性制御装置における剛性可変部材温度推定部が形状記憶部材の温度を推定する際における、形状記憶部材の推定温度、目標温度、ヒータ温度および形状記憶部材の温度の関係を示したグラフである。
【
図6】
図6は、第3の実施形態に係る内視鏡挿入部に配設された形状記憶部材のSMA温度変化に対するSMA変位量のヒステリシス特性を示した図である。
【
図7】
図7は、第3の実施形態に係る剛性制御装置に使用する時定数設定テーブルを示した表図である。
【
図8】
図8は、本発明の第4の実施形態に係る剛性制御装置における主要部の構成と、内視鏡挿入部における剛性可変装置およびメモリ部の構成と、を示すブロック図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて説明する。
【0011】
<第1の実施形態>
図1は、本発明の第1の実施形態に係る剛性制御装置と、当該剛性制御装置が制御する剛性可変装置を有する内視鏡と、を有する内視鏡システムの構成を示す要部外観斜視図であり、
図2は、第1の実施形態に係る剛性制御装置における主要部の構成と、内視鏡挿入部における剛性可変装置の構成と、を示すブロック図である。
【0012】
図1、
図2に示すように、本発明の第1の実施形態に係る内視鏡システム1は、被検体に挿入し体腔内に係る内視鏡画像を撮像する内視鏡2と、当該内視鏡2に接続され取得した内視鏡画像に対して所定の画像処理を施して外部に出力するプロセッサ3と、を主に備える。
【0013】
内視鏡2は、被検体内に挿入される挿入部11と、挿入部11の基端側に設けられた操作部12と、操作部12から延設されたユニバーサルコード13と、を有して構成されている。また、内視鏡2は、ユニバーサルコード13の端部に設けられているスコープコネクタ13Aを介し、プロセッサ3に対して着脱自在に接続されるように構成されている。
【0014】
本実施形態においてプロセッサ3は、図示しない光源装置を内設する。また、挿入部11、操作部12及びユニバーサルコード13の内部には、当該光源装置から供給される照明光を伝送するためのライトガイド(不図示)と、プロセッサ3から延設される所定の電気ケーブル14が配設されている。
【0015】
挿入部11は、可撓性及び細長形状を有して構成されている。また、挿入部11は、硬質の先端部11Aと、湾曲自在に形成された湾曲部11Bと、可撓性を有する長尺な可撓管部11Cと、を先端側から順に設けて構成されている。
【0016】
先端部11Aには、挿入部11の内部に設けられたライトガイドにより伝送された照明光を被写体へ出射するための照明窓(不図示)が設けられている。また、先端部11Aには、プロセッサ3から供給される撮像制御信号に応じた動作を行うとともに、照明窓を経て出射される照明光により照明された被写体を撮像して撮像信号を出力するように構成された撮像部(不図示)が設けられている。撮像部は、例えば、CMOSイメージセンサ、CCDイメージセンサ等のイメージセンサを有して構成されている。
【0017】
湾曲部11Bは、操作部12に設けられたアングルノブ12Aの操作に応じて湾曲することができるように構成されている。
【0018】
本実施形態においては、詳しくは後述するが、湾曲部11Bの基端部から可撓管部11Cの先端部にかけての所定の範囲に相当する剛性可変範囲の内部には、プロセッサ3(剛性制御装置)の制御に応じて当該剛性可変範囲の曲げ剛性を変化させることができるように構成された剛性可変装置20が、挿入部11の長手方向に沿って設けられている。剛性可変装置20の具体的な構成等については、後に詳述する。
【0019】
なお、以降においては、説明の便宜上、「曲げ剛性」を単に「剛性」として適宜略記するものとする。また、本実施形態においては、前述の剛性可変範囲が挿入部11の少なくとも一部の範囲に設けられていればよい。
【0020】
操作部12は、ユーザが把持して操作することが可能な形状を具備して構成されている。また、操作部12には、挿入部11の長手軸に対して交差する上下左右(UDLR)の4方向に湾曲部11Bを湾曲させるための操作を行うことができるように構成されたアングルノブ12Aが設けられている。また、操作部12には、ユーザの入力操作に応じた指示を行うことが可能な1つ以上のスコープスイッチ12Bが設けられている。
【0021】
<剛性可変
装置20>
剛性可変
装置20は、
図1、
図2に示すように、SMAパイプ21、ヒータ22、熱伝導性部材23により構成され、プロセッサ3(剛性制御装置)の制御に応じて当該剛性可変範囲の曲げ剛性を変化させることができるようになっている。
【0022】
SMAパイプ21は、細径のパイプ形状を呈する形状記憶合金部材(SMA)により形成され、加熱されることで曲げ剛性が高まる剛性可変部材である。また本実施形態においてSMAパイプ21は、内視鏡2の挿入部11における湾曲部11Bの基端部から可撓管部11Cの先端部にかけての所定の範囲において、挿入部11の長手方向に沿って配設される。なお、本実施形態の剛性可変部材は細径のパイプ形状を呈するが、剛性可変部材の形状はこれに限らず、種々の形状の剛性可変部材を用いることができる。
【0023】
ヒータ22は、SMAパイプ21の内径部に長手方向に沿って配設されたヒートコイルにより構成される。このヒートコイルは、導電性を有し、電力の供給を受けて通電されることにより発熱する導電体をSMAパイプ21の軸に対して同軸に巻回し略筒形状に形成される。
【0024】
また本実施形態においては、ヒータ22は剛性可変部材であるSMAパイプ21の内側に配置され、筒形状のコイル外周部がSMAパイプ21の内径部に略当接しつつ長手方向に沿って配設される。
【0025】
本実施形態においてヒータ22は、プロセッサ3におけるヒータ加熱部32に接続され、当該ヒータ加熱部32から電力の供給を受け発熱する。また、このヒータ22の加熱は、同じくプロセッサ3に配設されたヒータ加熱量制御部31により制御されるようになっている。このヒータ22の加熱制御については、後述する。
【0026】
ところで、ヒータ22は電力の供給を受けて発熱する際、その抵抗値が温度変化に応じて変化し、それに伴いヒータ22に接続される電力供給線における電圧値および電流値も変位する。本実施形態においては、この電力供給線における電圧値および電流値を計測することによりヒータ22の抵抗値に係る情報がプロセッサ3にフィードバックされ、このヒータ22の抵抗値に係る情報から当該ヒータ22の温度を検出し、さらには、このヒータ22の温度からSMAパイプ21の温度を推定するようになっている。このヒータ温度の検出、SMAパイプ21の温度の推定については後に詳述する。
【0027】
なお、SMAパイプ21およびヒータ22の構成については、国際公開第2018/189888号に記載する技術を用いても良いが、本実施形態は、当該国際公開第2018/189888号に記載する技術においては採用されてない熱伝導性部材23をヒータ22とSMAパイプ21との間に充填することを特徴とする。
【0028】
熱伝導性部材23は、上述したように本実施形態において採用した特徴的な構成要素であって、少なくとも空気よりも高い熱伝導性を有する熱伝導性素材により構成される。本実施形態において熱伝導性部材23は、ヒータ22と剛性可変部材であるSMAパイプ21の内径部との間のクリアランス部に充填されるように配設され、ヒータ22において発生した熱を効率よくSMAパイプ21に伝達する役目を果たす。
【0029】
このように、本実施形態においては、この形状記憶合金部材(SMA)であるSMAパイプ21とヒータコイルであるヒータ22との間に熱伝導性部材23を配置することで、これら形状記憶合金部材とヒータコイル間の温度差を小さくする効果を奏する。
【0030】
<剛性制御装置(プロセッサ3)>
本実施形態においてプロセッサ3は、内視鏡2に接続され取得した内視鏡画像に対して所定の画像処理を施して外部に出力する機能、および、接続された当該内視鏡2を制御する機能等、いわゆるビデオプロセッサ(画像処理装置)としての公知の諸機能を有するが、これら画像処理装置としての公知の諸機能についてはここでの詳しい説明は省略し、本実施形態における特徴的な機能を備える構成について以下説明する。
【0031】
図2は、本実施形態に係る剛性制御装置としてのプロセッサ3における主要部の構成と、内視鏡挿入部における剛性可変装置
20の構成と、を示すブロック図である。
【0032】
図2に示すように、本実施形態におけるプロセッサ3は、図示しない公知の画像処理機能に係る構成の他に、内視鏡2における剛性可変
装置20を制御する剛性制御装置としての機能を備える。
【0033】
具体的にプロセッサ3は、剛性可変装置20に接続されたヒータ加熱部32と、当該ヒータ加熱部32を制御するヒータ加熱量制御部31(ヒータ制御部)と、剛性可変装置20におけるヒータ22の温度を検出するヒータ温度検出部33と、ヒータ温度検出部33において検出したヒータ22の温度に基づいてSMAパイプ21の温度を推定するSMA温度推定部34と、を有する。
【0034】
ヒータ加熱部32は、当該プロセッサ3に内視鏡2が接続された際、内視鏡2に配設された剛性可変装置20におけるヒータ22に対して、電力供給線を経由して、当該ヒータ22を発熱させるための電力を供給する。このときヒータ加熱部32は、ヒータ加熱量制御部31の制御下に、当該ヒータ加熱量制御部31から取得したヒータ加熱量情報に基づいて、上記電力を供給する。
【0035】
ヒータ加熱量制御部31は、所定のSMA目標温度を取得し、当該取得したSMA目標温度と、SMA温度推定部34から取得したSMA推定温度とに基づいてヒータ22に印加すべくヒータ加熱量を算出し、当該ヒータ加熱量に係る情報をヒータ加熱部32に伝達する。
【0036】
なお、ヒータ加熱量制御部31は、SMA温度推定部34から取得したSMA推定温度に基づいてSMAパイプ21の剛性を推定する機能も有する。
【0037】
ヒータ温度検出部33は、内視鏡2からヒータ22に係る電圧電流情報を取得する。例えば、ヒータ22の両端電圧を計測する信号線に接続されヒータ電圧に係る情報を取得すると共に、ヒータ22を加熱するための電力を供給する電力供給線に接続されヒータ電流を取得する。そしてヒータ温度検出部33は、取得したヒータ22に係る電圧電流情報に基づいて当該ヒータ22の抵抗値に係る情報を逐次的に取得する。さらに、このヒータ抵抗値とヒータ温度との関係式からヒータ22に係るヒータ温度を逐次算出する。
【0038】
SMA温度推定部34は、ヒータ温度検出部33において算出したヒータ22に係るヒータ温度の情報を取得し、形状記憶部材であるSMAパイプ21(以下、場合によりSMAと略記する)の温度(SMA温度)を推定する。このとき、SMA温度推定部34は、取得したヒータ温度情報に加え、"ヒータ22-SMAパイプ21間"、"SMAパイプ21自体"、"SMAパイプ21の周囲環境"それぞれの熱伝導特性を考慮した「熱伝導モデル」に基づいてSMAパイプ21に係るSMA温度を推定する。
【0039】
なお、本実施形態においてSMA温度推定部34は、剛性可変部材温度推定部としての機能を果たす。
【0040】
<SMA温度推定部34におけるSMA温度の推定>
次に、剛性可変部材温度推定部としての役目を果たすSMA温度推定部34における、SMA温度の推定手法について説明する。
【0041】
SMA温度推定部34は、ヒータ温度検出部33において算出したヒータ22の温度に関する情報を入力値とし、剛性可変部材であるSMAパイプ21の温度に関する情報を出力する関数であって、前記ヒータ22の温度に対する前記SMAパイプ21の温度に係るゲインと、当該SMAパイプ21の温度変化の応答の速さに係る時定数とを持つ関数に基づき、当該SMAパイプ21の温度に関する情報を出力する。
【0042】
具体的には、SMA温度推定部34は、設定した熱伝導方程式から導出された式を用いて、ヒータ22の温度に関する情報を入力値としてSMAパイプ21のSMA温度を推定する。
【0043】
<第1の実施形態におけるSMA温度推定部34におけるSMA温度推定手法>
以下、本第1の実施形態におけるSMA温度推定部34におけるSMA温度推定手法についてより具体的に説明する。
【0044】
第1の実施形態においては、下記に示す熱伝導方程式を設定し、当該熱伝導方程式をラプラス変換して1次の伝達関数とし、入力をヒータ温度、出力をSMA推定温度としてSMAパイプ21に係るSMA温度を推定する。
【0045】
なお、第1の実施形態においては、「ゲイン」と「時定数」を固定値とする。
【0046】
【0047】
m:SMA質量[g],
c:SMA比熱[J/g/K],
TSMA :SMA温度[K](出力値),
t:時間[s],
KK:ヒータコイルからSMAまで(主に伝導性素材)の平均熱伝導率,
AK:ヒータコイルからSMAまで(主に伝導性素材)の平均表面積,
DK:ヒータコイルからSMAまで(主に主に伝導性素材)の平均厚み,
THEATER:ヒータ温度(入力値)
KS:SMA周囲環境(スコープ内の空気層,スコープ内構成部品)の平均熱伝導率,
AS:SMA表面積[m2],
DS:SMA周囲環境(スコープ内の空気層,スコープ内構成部品)までの平均厚み,
Te:SMA周囲環境(スコープ内の空気層,スコープ内構成部品)温度[K]
【0048】
[ラプラス変換した1次の伝達関数]
上述した熱伝導方程式をラプラス変換した1次の伝達関数は、以下の通りである。
【0049】
ここで"S"は、ラプラス演算子であり、時間微分の意味をもち、出力値であるSMA温度T
SMAは、
図3に示すように、時間的に滑らかに立ち上がる。
【0050】
また、「ゲイン」および「時定数」は、上述したように第1の実施形態においては固定値として設定される。
【0051】
ここで、入力値であるヒータ温度T
HEATER:が"1"のとき、
【0052】
「ゲイン」は、入力であるヒータ温度に対して最終的に何倍の出力(SMA温度T
SMA)となるかを決める。また、「時定数」は、出力がゲインの63.2%の値になるときの時間を定める(
図3参照)。
【0053】
なお、本第1の実施形態に係る剛性制御装置は、内視鏡2の挿入部11の形状を検出する形状検出部と、検出された形状に応じて複数の異なる熱伝導方程式から計算に適用する熱伝導方程式を選択する選択部と、をさらに設けても良い。挿入部11の曲がりの大きさの変化に伴い、内視鏡2の構成部材同士の隙間が変化することがあるが、形状検出部と選択部とがあることによって、隙間の変化を考慮した最適な熱伝導方程式を選択することができる。形状検出部は、例えば、磁気式の形状センサを用いることができる。
【0054】
<第1の実施形態の効果>
以上説明したように、本第1の実施形態に係る剛性制御装置によると、所定の熱伝導方程式から導出された式を用いて、剛性可変装置を構成するヒータ22の温度情報を入力値として、同じく剛性可変装置を構成する剛性可変部材である形状記憶合金部材(SMAパイプ21)の温度を推定することで、当該SMAパイプ21の剛性制御の精度をより高めることができる。
【0055】
<第2の実施形態>
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。
第2の実施形態の剛性制御装置は、基本的な構成は第1の実施形態と同様であるので、ここでは差異のみの説明に留める。なお、本第2の実施形態においても、熱伝導方程式および、熱伝導方程式をラプラス変換した1次の伝達関数は、第1の実施形態と同様である。
【0056】
上記第1の実施形態においては、「ゲイン」を固定値としたが、本第2の実施形態においては当該「ゲイン」を可変値とすることを特徴とする。
【0057】
すなわち、第2の実施形態においてSMA温度推定部34は、ヒータ22が剛性可変部材であるSMAパイプ21の加熱を開始するときの加熱開始時のヒータ温度に関する情報を取得し、当該加熱開始時ヒータ温度に関する情報に基づき前記ゲインを設定する。具体的には、「ゲイン」の可変値の設定は、
図4に示すようなヒータ温度とゲイン値とのテーブル表を用いる。
【0058】
なお、上記ヒータ温度とゲイン値とのテーブル表は、本実施形態においてはSMA温度推定部34内において記憶することを想定するが、プロセッサ3における他の記憶部に記憶するようにしてもよい。
【0059】
なお、周囲環境Teがばらつくと、本来設定すべきゲインは異なるが、SMAパイプ21の加熱開始時におけるヒータ温度は、
ヒータ温度≒周囲環境温度Te
であるため、本実施形態においては、SMAパイプ21の加熱開始時のTeに応じてゲインを設定する。
【0060】
<第2の実施形態の効果>
以上説明したように、本第2の実施形態に係る剛性制御装置においても上記第1の実施形態と同様の効果を奏するが、ヒータ温度とゲイン値とのテーブル表を用いて「ゲイン」を可変値とすることで、より精度良く剛性可変部材である形状記憶合金部材(SMAパイプ21)の温度を推定することができ、したがって、当該SMAパイプ21の剛性制御の精度をより高めることができる。
【0061】
<第3の実施形態>
次に、本発明の第3の実施形態について説明する。
第3の実施形態の剛性制御装置は、基本的な構成は第1の実施形態と同様であるので、ここでは差異のみの説明に留める。なお、本第3の実施形態においても、熱伝導方程式および、熱伝導方程式をラプラス変換した1次の伝達関数は、第1の実施形態と同様である。
【0062】
上記第1の実施形態においては、「時定数」を固定値としたが、本第3の実施形態においては当該「時定数」を可変値とすることを特徴とする。
【0063】
すなわち、第3の実施形態においては、プロセッサ3に、SMAパイプ21に係る温度履歴情報を記録する温度履歴保存部を設け、SMA温度推定部34は、当該温度履歴情報に基づいて、前記時定数を設定する。具体的には、「時定数」の可変値は、
図7に示す如きテーブル表を用いて設定する。
【0064】
ここで、
図5は、本発明の第3の実施形態に係る剛性制御装置における剛性可変部材温度推定部が形状記憶部材の温度を推定する際における、形状記憶部材の推定温度、目標温度、ヒータ温度および形状記憶部材の温度の関係を示したグラフであり、
図6は、第3の実施形態に係る内視鏡挿入部に配設された形状記憶部材のSMA温度変化に対するSMA変位量のヒステリシス特性を示した図である。
【0065】
SMAパイプ21の比熱cは、SMAパイプ21に係る形状記憶合金部材SMAの変態中に値が変わり、かつヒステリシスを有するので、本実施形態においては、係るSMAの温度履歴に基づいて、比熱cを設定する。
【0066】
すなわち、
図5に示すように、SMAのオーステナイト変態により比熱が高くなる一方、マルテンサイト変態により比熱は小さくなる。また、
図6に示すように、SMAの変位量は所定のヒステリシスを有するが、比熱も同様にヒステリシスを有する。
【0067】
なお、上記温度履歴保存部は、本実施形態においてはSMA温度推定部34内に設けることを想定するが、プロセッサ3における他の部位に設けるようにしてもよい。
【0068】
<第3の実施形態の効果>
以上説明したように、本第3の実施形態に係る剛性制御装置においても上記第1の実施形態と同様の効果を奏するが、SMAパイプ21に係る温度履歴情報を記録する温度履歴保存部を設け、SMA温度推定部34が当該温度履歴情報に基づいて時定数を可変値として設定することで、より精度良く剛性可変部材である形状記憶合金部材(SMAパイプ21)の温度を推定することができ、したがって、当該SMAパイプ21の剛性制御の精度をより高めることができる。
【0069】
<第4の実施形態>
次に、本発明の第4の実施形態について説明する。
第4の実施形態の剛性制御装置は、基本的な構成は第1の実施形態と同様であるので、ここでは差異のみの説明に留める。なお、本第4の実施形態においても、熱伝導方程式および、熱伝導方程式をラプラス変換した1次の伝達関数は、第1の実施形態と同様である。
【0070】
図8は、本発明の第4の実施形態に係る剛性制御装置における主要部の構成と、内視鏡挿入部における剛性可変装置およびメモリ部の構成と、を示すブロック図である。
【0071】
図8に示すように、本第4の実施形態は、内視鏡2ごとに予め定められた「ゲイン」と「時定数」とに係る情報を当該内視鏡2におけるメモリ25に保存することを特徴とする。本第4の実施形態の剛性制御装置は、プロセッサ3に所定の内視鏡2接続された際、プロセッサ3におけるSMA温度推定部34が、接続された内視鏡2における前記メモリ25から当該内視鏡2固有の情報(予め定められた「ゲイン」と「時定数」とに係る情報)を取得し、これら「ゲイン」と「時定数」とに係る情報に基づいて、ヒータ22の温度からSMAパイプ21のSMA温度を推定する。
【0072】
<第4の実施形態の効果>
以上説明したように、本第4の実施形態に係る剛性制御装置においても上記第1の実施形態と同様の効果を奏するが、内視鏡2ごとに予め定められた「ゲイン」と「時定数」とに係る情報を当該内視鏡2におけるメモリ25に保存し、SMA温度推定部34が、接続された内視鏡2に係る「ゲイン」と「時定数」とに係る情報に基づいてヒータ22の温度からSMAパイプ21のSMA温度を推定するので、剛性制御装置である1つのプロセッサ3に複数種の内視鏡2を接続する場合においても、内視鏡の種別ごとに的確にSMAパイプ21のSMA温度を推定することができる。
【0073】
本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を変えない範囲において、種々の変更、改変等が可能である。