(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-26
(45)【発行日】2025-01-10
(54)【発明の名称】通信システム、通信制御方法およびプログラム
(51)【国際特許分類】
H04L 41/085 20220101AFI20241227BHJP
【FI】
H04L41/085
(21)【出願番号】P 2023541748
(86)(22)【出願日】2023-02-10
(86)【国際出願番号】 JP2023004555
【審査請求日】2023-07-10
(73)【特許権者】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100095407
【氏名又は名称】木村 満
(74)【代理人】
【識別番号】100131152
【氏名又は名称】八島 耕司
(74)【代理人】
【識別番号】100147924
【氏名又は名称】美恵 英樹
(74)【代理人】
【識別番号】100148149
【氏名又は名称】渡邉 幸男
(74)【代理人】
【識別番号】100181618
【氏名又は名称】宮脇 良平
(74)【代理人】
【識別番号】100174388
【氏名又は名称】龍竹 史朗
(72)【発明者】
【氏名】外村 隆佳
(72)【発明者】
【氏名】山田 貴光
(72)【発明者】
【氏名】杉野 真哉
(72)【発明者】
【氏名】桑田 恵之
【審査官】羽岡 さやか
(56)【参考文献】
【文献】特許第6984076(JP,B1)
【文献】特開2003-229856(JP,A)
【文献】特開2009-296157(JP,A)
【文献】特開2017-091280(JP,A)
【文献】特開2008-172462(JP,A)
【文献】特開2016-091064(JP,A)
【文献】ECHONET Consortium,ECHONET Lite システム設計指針, 第3版,2022年09月30日,P.1-33,<URL> https://echonet.jp/wp/wp-content/uploads/pdf/General/Standard/design_guideline/ECHONET-Lite_System_Design_Guidelines_3rd_edition.pdf,第4章 ノード検出・発見手順の指針
【文献】ECHONET Consortium,ECHONET Lite SPECIFICATION 第2部 ECHONET Lite 通信ミドルウェア仕様 Version 1.14,2022年09月30日,P.1-59,<URL> https://echonet.jp/wp/wp-content/uploads/pdf/General/Standard/ECHONET_lite_V1_14_jp/ECHONET-Lite_Ver.1.14(02).pdf,特にP.1-2~1-3
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L 41/085
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
サーバと、
機器が接続された局所ネットワークに接続された第1通信制御装置と、
前記局所ネットワークに接続された第2通信制御装置と、を備え、
前記サーバは、
前記第1通信制御装置に対して前記機器の機器識別情報の送信を要求する機器テーブル要求情報を生成する送信要求部
と、
前記機器テーブル要求情報を前記第1通信制御装置へ送信する情報送信部と、を有し、
前記第1通信制御装置は、
前記サーバから送信される前記
機器テーブル要求情報を取得する情報取得部と、
前記機器テーブル要求情報が取得されると、前記機器に対して機器電文の送信を要求する送信要求情報を
生成する送信要求部と、
前記送信要求情報が生成されると、前記第2通信制御装置に対して前記機器から送信される前記機器電文の取得を要求する取得要求情報を前記第2通信制御装置へ送信する取得要求部と、を有し、
前記第2通信制御装置は、
前記第2通信制御装置が前記取得要求情報を取得すると、前記機器に対して機器電文の送信を要求する送信要求情報を、前記局所ネットワークを介して前記機器へ送信する電文送信部と、
前記機器で生成された機器電文を、前記局所ネットワークを介して取得し、取得した前記機器電文を、前記
電文送信部が送信した送信要求情報の送信先の前記機器から送信される前記機器電文
それぞれに含まれる少なくとも識別番号情報、IPアドレス情報およびMACアドレス情報の全てを記憶できる電文バッファに記憶させる第2電文取得部と、
前記電文バッファが記憶する前記機器電文を含む機器情報を前記サーバへ送信する情報送信部と、を有する、
通信システム。
【請求項2】
前記サーバは、
前記機器情報を、前記第2通信制御装置を識別する装置識別情報に対応づけて記憶する機器情報記憶部と、
前記第2通信制御装置から送信される前記機器情報を取得すると、取得した機器情報を、前記機器情報の送信元の前記第2通信制御装置の前記装置識別情報に対応づけて前記機器情報記憶部に記憶させる情報取得部と、を更に有する、
請求項
1に記載の通信システム。
【請求項3】
機器が接続された局所ネットワークに接続された第1通信制御装置と、
前記局所ネットワークに接続された第2通信制御装置と、を備え、
前記第1通信制御装置は、
前記機器で生成された機器電文を、コネクションレス型の通信プロトコルに基づいて前記局所ネットワークを介して取得する第1電文取得部と、
前記機器に対して前記機器電文の送信を要求する送信要求情報を
生成する送信要求部と、
前記送信要求情報が前記機器に対してマルチキャストまたはブロードキャストされるか否かを判定する送信要求判定部と、
前記送信要求情報が前記機器に対してマルチキャストまたはブロードキャストされると判定されると、前記第2通信制御装置に対して前記機器から送信される前記機器電文の取得を要求する取得要求情報を前記第2通信制御装置へ送信する取得要求部と、を有し、
前記第2通信制御装置は、
前記第2通信制御装置が前記取得要求情報を取得したか否かを判定する取得要求判定部と、
前記取得要求情報を取得したと判定されると、前記機器に対して機器電文の送信を要求する送信要求情報を、前記局所ネットワークを介して前記機器へ送信する電文送信部と、
前記機器で生成された機器電文を、前記局所ネットワークを介して取得し、取得した前記機器電文を、前記
電文送信部が送信した送信要求情報の送信先の前記機器から送信される前記機器電文
それぞれに含まれる少なくとも識別番号情報、IPアドレス情報およびMACアドレス情報の全てを記憶できる電文バッファに記憶させる第2電文取得部と
、を有
する、
通信システム。
【請求項4】
機器が接続された局所ネットワークに接続された第1通信制御装置と、
前記局所ネットワークに接続された第2通信制御装置と、を備え、
前記第1通信制御装置は、
前記機器で生成された機器電文を、コネクションレス型の通信プロトコルに基づいて前記局所ネットワークを介して取得する第1電文取得部と、
前記機器に対して前記機器電文の送信を要求する送信要求情報を
生成する送信要求部と、
前記送信要求情報が生成されると、前記第2通信制御装置に対して前記機器から送信される前記機器電文の取得を要求する取得要求情報を前記第2通信制御装置へ送信する取得要求部と、を有し、
前記第2通信制御装置は、
前記第2通信制御装置が前記取得要求情報を取得すると、前記機器に対して機器電文の送信を要求する送信要求情報を、前記局所ネットワークを介して前記機器へ送信する電文送信部と、
前記機器で生成された機器電文を、前記局所ネットワークを介して取得し、取得した前記機器電文を、前記
電文送信部が送信した送信要求情報の送信先の前記機器から送信される前記機器電文
それぞれに含まれる少なくとも識別番号情報、IPアドレス情報およびMACアドレス情報の全てを記憶できる電文バッファに記憶させる第2電文取得部
と、
前記
電文送信部が送信要求情報を前記機器へマルチキャスト送信することにより取得できる前記機器電文の送信元の前記機器を識別する機器識別情報と、前記
電文送信部が送信要求情報を前記機器へブロードキャスト送信することにより取得できる前記機器電文の送信元の前記機器の前記機器識別情報と、を比較した結果に基づいて、前記
電文送信部の送信要求情報の送信方法として、マルチキャスト送信を採用できるか否かを判別するマルチキャスト採用可否判別部
と、を備える、
通信システム。
【請求項5】
機器が接続された局所ネットワークに接続された第1通信制御装置と、
前記局所ネットワークに接続された第2通信制御装置と、を備え、
前記第1通信制御装置は、
前記機器で生成された機器電文を、コネクションレス型の通信プロトコルに基づいて前記局所ネットワークを介して取得する第1電文取得部と、
前記機器に対して前記機器電文の送信を要求する送信要求情報を
生成する送信要求部と、
前記送信要求情報が生成されると、前記第2通信制御装置に対して前記機器から送信される前記機器電文の取得を要求する取得要求情報を前記第2通信制御装置へ送信する取得要求部と、を有し、
前記第2通信制御装置は、
前記第2通信制御装置が前記取得要求情報を取得すると、前記機器に対して機器電文の送信を要求する送信要求情報を、前記局所ネットワークを介して前記機器へ送信する電文送信部と、
前記機器で生成された機器電文を、前記局所ネットワークを介して取得し、取得した前記機器電文を、前記
電文送信部が送信した送信要求情報の送信先の前記機器から送信される前記機器電文
それぞれに含まれる少なくとも識別番号情報、IPアドレス情報およびMACアドレス情報の全てを記憶できる電文バッファに記憶させる第2電文取得部を有し、
前記第2通信制御装置は、前記機器と前記第1通信制御装置との間の通信状況に応じて、前記局所ネットワークと接続したり、前記局所ネットワークから離脱したりする、
通信システム。
【請求項6】
機器が接続された局所ネットワークに接続された第1通信制御装置と前記第1通信制御装置とは異なる第2通信制御装置とを用いた通信制御方法であって、
前記第1通信制御装置が、前記機器で生成された機器電文を、コネクションレス型の通信プロトコルに基づいて前記局所ネットワークを介して取得するステップと、
前記第1通信制御装置が、前記機器に対して前記機器電文の送信を要求する送信要求情報を
生成するステップと、
前記第1通信制御装置が、前記送信要求情報が前記機器に対してマルチキャストまたはブロードキャストされるか否かを判定するステップと、
前記第1通信制御装置が、前記送信要求情報が前記機器に対してマルチキャストまたはブロードキャストされると判定すると、前記第2通信制御装置に対して前記機器から送信される前記機器電文の取得を要求する取得要求情報を前記第2通信制御装置へ送信するステップと、
前記第2通信制御装置が、前記取得要求情報を取得すると、前記機器に対して前記機器電文の送信を要求する送信要求情報を、前記局所ネットワークを介して前記機器へ送信するステップと、
前記第2通信制御装置が、前
記機器電文を、前記局所ネットワークを介して取得し、取得した前記機器電文を、前記
第2通信制御装置が送信した送信要求情報の送信先の前記機器から送信される前記機器電文
それぞれに含まれる少なくとも識別番号情報、IPアドレス情報およびMACアドレス情報の全てを記憶できる電文バッファに記憶させるステップと、を含む、
通信制御方法。
【請求項7】
通信制御装置のCPUを、
機器で生成された機器電文を、コネクションレス型の通信プロトコルに基づいて前記機器が接続された局所ネットワークを介して取得する第1電文取得部、
前記機器に対して
前記機器電文それぞれに含まれる少なくとも識別番号情報、IPアドレス情報およびMACアドレス情報の全てを記憶できる電文バッファを備える他の通信制御装置への前記機器電文の送信を要求する送信要求情報を
生成する送信要求部、
前記送信要求情報が前記機器に対してマルチキャストまたはブロードキャストされるか否かを判定する送信要求判定部、
前記送信要求情報が前記機器に対してマルチキャストまたはブロードキャストされると判定されると、前記他の通信制御装置に対して前記機器から送信される前記機器電文の取得を要求する取得要求情報を前記他の通信制御装置へ送信する取得要求部、
として機能させるためのプログラム。
【請求項8】
通信制御装置のCPUを、
前記通信制御装置が、他の通信制御装置から送信される、機器から送信される前記機器で生成された機器電文の取得を要求する取得要求情報を取得すると、前記機器に対して前記機器電文の送信を要求する送信要求情報を、前記機器が接続された局所ネットワークを介して前記機器へ送信する電文送信部、
前記機器で生成された機器電文を、
前記機器から前記局所ネットワークを介して取得し、取得した前記機器電文を、前記機器に対して前記機器電文の送信を要求する送信要求情報の送信先の前記機器から送信される前記機器電文
それぞれに含まれる少なくとも識別番号情報、IPアドレス情報およびMACアドレス情報の全てを記憶できる電文バッファに記憶させる第2電文取得部、
として機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、通信システム、通信制御方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
ECHONET(登録商標)規格に対応した機器であるECHONET機器を、ネットワークを介して管理する宅内機器管理装置が提案されている(例えば特許文献1参照)。この宅内機器管理装置は、ECHONET機器を識別する予め定められた個体識別情報の取得要求を、ネットワークに接続されたECHONET機器へ定期的にマルチキャスト送信することにより、ネットワークに接されたECHONET機器それぞれから個体識別情報取得応答を受信し、受信した個体識別情報取得応答に含まれる個体識別情報と、ECHONET機器に設定されたECHONETアドレスと、を対応づけて管理する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、特許文献1に記載されたような宅内機器管理装置が、ECHONET機器と同一のLAN(Local Area Network)に接続されている場合、通信速度を優先して宅内機器管理装置とECHONETとの通信プロトコルとしてUDPのようなコネクションレス型の通信プロトコルが採用される場合がある。この場合、LANに複数のECHONET機器が接続されている場合、複数のECHONET機器は、個体識別情報の取得要求を同時期に受信すると、これに対して互いに同じタイミングで個体識別情報取得応答を宅内機器管理装置へ送信することが想定される。この場合、宅内機器管理装置が、個体識別取得応答を一時的に記憶するバッファ機能が十分でなければ、個体識別取得応答のいわゆる取りこぼしが発生する虞がある。そして、コネクションレス型の通信プロトコルを採用する場合、宅内機器管理装置から個体識別取得応答の送信元のECHONET機器への取得確認を実行しないため、取りこぼしの対象となったECHONET機器について個体識別情報の管理がなされることなく放置されてしまう虞がある。
【0005】
本開示は、上記事由に鑑みてなされたものであり、ネットワークに接続された機器を適切に管理することができる通信システム、通信制御方法およびプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本開示に係る通信システムは、
サーバと、
機器が接続された局所ネットワークに接続された第1通信制御装置と、
前記局所ネットワークに接続された第2通信制御装置と、を備え、
前記サーバは、
前記第1通信制御装置に対して前記機器の機器識別情報の送信を要求する機器テーブル要求情報を生成する送信要求部と、
前記機器テーブル要求情報を前記第1通信制御装置へ送信する情報送信部と、を有し、
前記第1通信制御装置は、
前記サーバから送信される前記機器テーブル要求情報を取得する情報取得部と、
前記機器テーブル要求情報が取得されると、前記機器に対して機器電文の送信を要求する送信要求情報を生成する送信要求部と、
前記送信要求情報が生成されると、前記第2通信制御装置に対して前記機器から送信される前記機器電文の取得を要求する取得要求情報を前記第2通信制御装置へ送信する取得要求部と、を有し、
前記第2通信制御装置は、
前記第2通信制御装置が前記取得要求情報を取得すると、前記機器に対して機器電文の送信を要求する送信要求情報を、前記局所ネットワークを介して前記機器へ送信する電文送信部と、
前記機器で生成された機器電文を、前記局所ネットワークを介して取得し、取得した前記機器電文を、前記電文送信部が送信した送信要求情報の送信先の前記機器から送信される前記機器電文それぞれに含まれる少なくとも識別番号情報、IPアドレス情報およびMACアドレス情報の全てを記憶できる電文バッファに記憶させる第2電文取得部と、
前記電文バッファが記憶する前記機器電文を含む機器情報を前記サーバへ送信する情報送信部と、を有する。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、第2通信制御装置の第2電文取得部が、機器で生成された機器電文を、局所ネットワークを介して取得し、取得した機器電文を前述の電文バッファに記憶させる。これにより、機器から送信される機器電文を電文バッファに漏れなく記憶させることができるので、局所ネットワークに接続された機器を適切に管理することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本開示の実施の形態1に係る通信システムの概略構成図
【
図2】実施の形態1に係る通信システムのハードウェア構成を示すブロック図
【
図3】実施の形態1に係る通信システムの機能構成を示すブロック図
【
図4】実施の形態1に係るクラウドサーバの機器情報記憶部が記憶する情報の一例を示す図
【
図5】実施の形態1に係る通信システムの動作を示すシーケンス図
【
図6】実施の形態1に係る通信システムの動作を示すシーケンス図
【
図7】実施の形態1に係る通信システムの動作を示すシーケンス図
【
図8】実施の形態1に係る通信システムの動作を示すシーケンス図
【
図9】実施の形態1に係る通信システムの動作を示すシーケンス図
【
図10】実施の形態1に係る通信システムの動作を示すシーケンス図
【
図11】実施の形態1に係る通信制御装置が実行する通信制御処理の流れの一例を示すフローチャート
【
図12】実施の形態1に係る端末装置が実行する通信制御処理の流れの一例を示すフローチャート
【
図13】実施の形態1に係るクラウドサーバが実行する機器制御処理の流れの一例を示すフローチャート
【
図14】本開示の実施の形態2に係る通信システムの機能構成を示すブロック図
【
図15】実施の形態2に係る通信システムの動作を示すシーケンス図
【
図16】実施の形態2に係る通信システムの動作を示すシーケンス図
【
図17】実施の形態2に係る通信システムの動作を示すシーケンス図
【
図18】実施の形態2に係る通信制御装置が実行する通信制御処理の流れの一例を示すフローチャート
【
図19】実施の形態2に係るクラウドサーバが実行する機器制御処理の流れの一例を示すフローチャート
【
図20】本開示の実施の形態3に係る通信システムの機能構成を示すブロック図
【
図21】実施の形態3に係る通信システムの動作を示すシーケンス図
【
図22】実施の形態3に係る通信制御装置が実行する通信制御処理の流れの一例を示すフローチャート
【
図23】実施の形態3に係るクラウドサーバが実行する通信制御処理の流れの一例を示すフローチャート
【
図24】変形例に係る通信システムの機能構成を示すブロック図
【
図25】変形例に係るクラウドサーバが実行する機器制御処理の流れの一例を示すフローチャート
【
図26】変形例に係る通信システムの機能構成を示すブロック図
【発明を実施するための形態】
【0009】
(実施の形態1)
以下、本開示の実施の形態に係る通信システムについて、添付図面を参照しながら説明する。本実施の形態に係る通信システムは、機器が接続された局所ネットワークに接続された第1通信制御装置と、局所ネットワークに接続された第2通信制御装置と、を備える。第1通信制御装置は、機器で生成された機器電文を、コネクションレス型の通信プロトコルに基づいて局所ネットワークを介して取得する第1電文取得部と、機器に対して機器電文の送信を要求する送信要求情報を機器へ送信する送信要求部と、送信要求情報が機器に対してマルチキャストされるか否かを判定する送信要求判定部と、送信要求情報が機器に対してマルチキャストされると判定されると、第2通信制御装置に対して機器から送信される機器電文の取得を要求する取得要求情報を第2通信制御装置へ送信する取得要求部と、を有する。また、第2通信制御装置は、取得要求情報を取得したか否かを判定する取得要求判定部と、取得要求情報を取得したと判定されると、機器で生成された機器電文を、局所ネットワークを介して取得し、取得した機器電文を、送信要求情報の送信先の機器から送信される機器電文全てを記憶できる電文バッファに記憶させる第2電文取得部と、を有する。
【0010】
本実施の形態に係る通信システムは、例えば
図1に示すように、クラウドサーバ2と、住宅内に設置された機器3と、機器3で生成される機器電文をクラウドサーバ2へ送信する通信制御装置1と、端末装置4と、を備える。ここで、機器3と通信制御装置1と端末装置4とは、互いに無線LAN(Local Area Network)のような局所ネットワークNW2を介して通信可能となっている。また、クラウドサーバ2は、インターネットのような広域ネットワークNW1およびブロードバンドルータ(以下、「BBR」と称する。)8を介して通信可能となっている。機器3は、例えば無線モジュールを備える空気調和機であり、局所ネットワークNW2を介してBBR8、通信制御装置1および端末装置4と通信する。
【0011】
機器3は、例えば無線モジュールを備える空気調和機であり、例えばECHONETLite(登録商標)のような通信ミドルウェアを用いて、局所ネットワークNW2を介して通信制御装置1または端末装置4と通信する。ここで、機器3は、通信制御装置1、端末装置4との間でコネクションレス型の通信プロトコルに基づいて通信を行い、例えばトランスポート層としてUDPを採用した通信プロトコルにより通信を行う。機器3は、通信制御装置1から送信される自機の状態を示す機器状態情報のクラウドサーバ2への送信を要求する機器状態要求情報を取得すると、機器3の状態を示す状態パラメータ情報を含む機器状態情報を生成して通信制御装置1へ送信する。また、機器3は、通信制御装置1または端末装置4から自機に対して自機を識別する機器識別情報の送信を要求する機器識別情報要求情報を取得すると、これに応じて、前述の機器識別情報を含む機器識別情報応答情報を生成して通信制御装置1へ送信する。ここで、機器識別情報要求情報は、アプリケーション層で機器3を識別する識別番号情報を含む情報であり、例えばECHONETLite規格の通信プロトコルにおいて機器3に対してインスタンスリスト通知電文の送信を要求するインスタンスリスト要求電文である。また、識別番号情報は、例えばECHONETLite規格において機器3毎に付与された16バイトの識別番号を示す情報である。機器識別情報応答情報は、機器3のMACアドレス情報およびIPアドレス情報を含む情報であり、例えばECHONETLite規格の通信プロトコルにおいて機器3からマルチキャスト送信されるインスタンスリスト通知電文である。更に、機器3は、通信制御装置1から送信される制御情報に基づいて動作する。
【0012】
通信制御装置1は、機器3で生成される機器電文を、広域ネットワークNW1を介してクラウドサーバ2へ送信する。通信制御装置1は、
図2に示すように、CPU(Central Processing Unit)101と、主記憶部102と、補助記憶部103と、通信部106と、各部を接続するバス109と、を備える。主記憶部102は、RAM(Random Access Memory)のような揮発性メモリであり、CPU101の作業領域として使用される。補助記憶部103は、半導体メモリのような不揮発性メモリを有し、ROM(Read Only Memory)、ストレージとして機能し、通信制御装置1の各種機能を実現するためのプログラムを記憶する。通信部106は、例えば無線モジュールを有し、機器3、BBR8との間で無線通信を行う。
【0013】
CPU101は、補助記憶部103が記憶するプログラムを主記憶部102に読み込んで実行することにより、
図3に示すように、電文取得部111、情報送信部112、情報取得部113、送信要求部114、送信要求判定部115、電文送信部116、取得要求部117およびマルチキャスト採用可否情報取得部118として機能する。電文取得部111は、機器3から送信される機器電文を取得し、取得した機器電文と機器電文の送信元のIPアドレス情報とを情報送信部112に通知する。この機器電文は、前述の機器識別情報応答情報または前述の機器状態情報である。
【0014】
情報送信部112は、電文取得部111が取得した機器電文をカプセル化してクラウドサーバ2へ送信する。ここで、情報送信部112は、機器電文に通信制御装置1のMACアドレス情報を付加してからカプセル化してクラウドサーバ2を送信先に指定するためのヘッダ情報を付加してからクラウドサーバ2へ送信する。ここで、ヘッダ情報は、例えばクラウドサーバ2のドメイン名を示す情報である。
【0015】
情報取得部113は、クラウドサーバ2から通信制御装置1を送信先とする各種情報を取得すると、取得した情報からヘッダ情報を解除してから非カプセル化することにより、機器3のMACアドレス情報と通信制御装置1のMACアドレス情報とを含む情報を抽出する。ここで、各種情報には、機器3に対して機器3の状態を示す機器状態情報の送信を要求する機器状態要求情報および機器3を制御するための制御情報が含まれる。そして、情報取得部113は、抽出した各種情報を電文送信部116に通知する。また、情報取得部113は、クラウドサーバ2から送信される、通信制御装置1に対して機器3の機器識別情報の送信を要求する機器テーブル要求情報を取得すると、取得した機器テーブル要求情報を送信要求部114に通知する。
【0016】
マルチキャスト採用可否情報取得部118は、端末装置4から送信されるマルチキャスト採用可通知情報またはマルチキャスト採用不可通知情報を取得すると、取得した各種情報を送信要求部114に通知する。送信要求部114は、機器3に対して前述の機器識別情報の送信を要求する送信要求情報である機器識別情報要求情報を生成する。ここで、送信要求部114は、機器識別情報要求情報の宛先IPアドレスをマルチキャストアドレスに設定するマルチキャストモードと、機器識別情報要求情報の宛先IPアドレスをブロードキャストアドレスに設定するブロードキャストモードと、のいずれかのモードに設定される。送信要求部114は、マルチキャスト採用可否情報取得部118からマルチキャスト採用可通知情報が通知されると、マルチキャストモードに設定され、マルチキャスト採用可否情報取得部118からマルチキャスト採用不可通知情報が通知されると、ブロードキャストモードに設定される。
【0017】
送信要求判定部115は、送信要求部114により生成された機器識別情報要求情報が機器3に対してマルチキャストまたはブロードキャストされるか否かを判定する。ここで、送信要求判定部115は、生成された機器識別情報要求情報の宛先IPアドレスがマルチキャストアドレス、ブロードキャストアドレスに設定されている場合、機器識別情報要求情報が機器3に対してマルチキャスト、ブロードキャストされると判定する。送信要求判定部115は、生成された機器識別情報要求情報の宛先IPアドレスが1つの機器3のIPアドレスに設定されている場合、機器識別情報要求情報を電文送信部116に通知する。
【0018】
取得要求部117は、機器識別情報要求が機器3に対してマルチキャストまたはブロードキャストされると判定されると、端末装置4に対して機器3から送信される機器識別情報の取得を要求する取得要求情報を端末装置4へ送信する。電文送信部116は、情報取得部113から通知される各種情報に含まれる機器3のIPアドレス情報に基づいて、通知された各種情報を機器3へ送信する。また、電文送信部116は、送信要求判定部115から機器識別情報要求情報が通知された場合、通知された機器識別情報要求情報に含まれる機器3のIPアドレス情報に基づいて、通知された機器識別情報要求をIPアドレス情報で特定される1つの機器3へ送信する。
【0019】
端末装置4は、通信制御装置1から前述の取得要求情報を取得した場合、機器3で生成される機器電文を、広域ネットワークNW1を介してクラウドサーバ2へ送信する。端末装置4は、
図2に示すように、CPU401と、主記憶部402と、補助記憶部403と、広域通信部406と、局所通信部407と、各部を接続するバス409と、を備える。主記憶部402は、揮発性メモリであり、CPU401の作業領域として使用される。補助記憶部403は、不揮発性メモリを有し、端末装置4の各種機能を実現するためのプログラムを記憶する。表示部404は、液晶ディスプレイ、有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイ等の表示装置である。入力部405は、例えば表示部404に重ねて配置される透明なタッチパッドである。広域通信部406は、広域ネットワークNW1を介してクラウドサーバ2と通信する。局所通信部407は、例えば無線モジュールを有し、機器3との間で無線通信を行う。なお、本実施の形態では、端末装置4が、広域通信部406により基地局を介してクラウドサーバ2と通信する例について説明するが、これに限らず、例えば端末装置4が局所通信部407のみを備え、局所通信部407、BBR8および広域ネットワークNW1を介してクラウドサーバ2と通信するものであってもよい。
【0020】
CPU401は、補助記憶部403が記憶するプログラムを主記憶部402に読み込んで実行することにより、
図3に示すように、取得要求判定部411、送信要求部412、電文送信部413、電文取得部414、情報送信部415、受付部416、マルチキャスト採用可否通知部417および表示制御部418として機能する。また、
図2に示す主記憶部402は、
図3に示す電文バッファ421を有する。電文バッファ421は、機器識別情報要求情報の送信先の機器3の全てから送信される機器電文全てを記憶できるだけの記憶容量を有する。
【0021】
取得要求判定部411は、通信制御装置1から送信される取得要求情報を取得したか否かを判定する。送信要求部412は、取得要求判定部411により取得要求情報が取得されたと判定すると、宛先IPアドレスがマルチキャストアドレスまたはブロードキャストアドレスに設定された前述の機器識別情報要求情報を生成する。また、送信要求部412は、受付部416から後述のネットワーク初期接続操作を示す操作情報が通知されると、宛先IPアドレスがマルチキャストアドレスに設定された機器識別情報要求情報と、宛先IPアドレスがブロードキャストアドレスに設定された機器識別情報要求情報と、を生成する。この場合、送信要求部412は、宛先IPアドレスが異なる2種類の機器識別情報要求情報を生成した旨を通知する2種類作成通知情報を電文送信部413および電文取得部414に通知する。電文送信部413は、生成された機器識別情報要求情報を、その宛先IPアドレスの設定内容に基づいて、機器3へマルチキャスト送信またはブロードキャスト送信する。また、電文送信部413は、送信要求部412から前述の2種類作成通知情報が通知されると、宛先IPアドレスがマルチキャストアドレスに設定された機器識別情報要求情報を送信した後、予め設定された待機時間が経過した後、宛先IPアドレスがブロードキャストアドレスに設定された機器識別情報要求情報を送信する。
【0022】
電文取得部414は、前述の機器識別情報要求情報に応じて機器3から送信される機器識別情報応答情報を取得すると、取得した機器識別情報応答情報に含まれる識別番号情報と機器識別情報応答情報の送信元のIPアドレス情報およびMACアドレス情報とを抽出し、抽出した識別番号情報とIPアドレス情報およびMACアドレス情報とを互いに対応づけて電文バッファ421に記憶させる。これにより、電文バッファ421が、局所ネットワークNW2に接続された各機器3について、識別番号情報とIPアドレス情報とMACアドレス情報とを互いに対応づける機器テーブル情報を記憶する。また、電文取得部414は、送信要求部412から前述の2種類作成通知情報が通知されると、宛先IPアドレスがマルチキャストアドレスに設定された機器識別情報要求情報に対応する機器識別応答情報を取得した後、予め設定された待機時間が経過した後、宛先IPアドレスがブロードキャストアドレスに設定された機器識別情報要求情報に対応する機器識別情報応答情報を取得する。そして、電文取得部414は、取得した宛先IPアドレスがマルチキャストアドレスに設定された機器識別情報要求情報に対応する機器識別応答情報に含まれる機器識別情報、IPアドレス情報およびMACアドレス情報と、取得した宛先IPアドレスがブロードキャストアドレスに設定された機器識別情報要求情報に対応する機器識別情報応答情報に含まれる機器識別情報、IPアドレス情報およびMACアドレス情報と、を各別に電文バッファ421に記憶させる。これにより、電文バッファ421は、宛先IPアドレスがマルチキャストアドレスに設定された機器識別情報要求情報に対応する機器テーブル情報と、宛先IPアドレスがブロードキャストアドレスに設定された機器識別情報要求情報に対応する機器テーブル情報と、を各別に記憶する。
【0023】
情報送信部415は、電文バッファ421が記憶する機器テーブル情報をカプセル化してクラウドサーバ2へ送信する。ここで、情報送信部415は、機器テーブル情報に通信制御装置1のMACアドレス情報を付加してからカプセル化してクラウドサーバ2を送信先に指定するためのヘッダ情報を付加してからクラウドサーバ2へ送信する。
【0024】
受付部416は、端末装置4の利用者が入力部405に対して行った操作内容を受け付け、受け付けた操作内容に応じた操作情報を生成して送信要求部412に通知する。利用者が、例えば機器3を新たに局所ネットワークNW2に接続した後、入力部405に対して、新たに接続した機器3の機器識別情報、IPアドレス情報およびMACアドレス情報の組み合わせをクラウドサーバ2が管理する機器テーブル情報に登録するためのネットワーク初期接続操作を行ったとする。この場合、受付部416は、ネットワーク初期接続操作を受け付けて、ネットワーク初期接続操作の内容を示す操作情報を生成して送信要求部412に通知する。表示制御部418は、電文バッファ421が記憶する機器テーブル情報に基づいて、機器テーブル情報が示す各機器3の識別番号情報、IPアドレス情報およびMACアドレス情報の組み合わせを表す機器テーブル表示画像を形成して表示部404に表示させる。
【0025】
マルチキャスト採用可否通知部417は、機器識別情報要求情報を機器3へマルチキャスト送信することにより取得できる機器識別情報応答情報の送信元の機器3の識別番号情報、IPアドレス情報およびMACアドレス情報と、機器識別情報要求情報を機器3へブロードキャスト送信することにより取得できる機器識別情報応答情報の送信元の機器3の識別番号情報、IPアドレス情報およびMACアドレス情報機器識別情報と、を比較した結果に基づいて、機器識別情報要求情報の送信方法として、マルチキャスト送信を採用できるか否かを判別するマルチキャスト採用可否判別部である。具体的には、マルチキャスト採用可否通知部417は、電文バッファ421が記憶する、宛先IPアドレスがマルチキャストアドレスに設定された機器識別情報要求情報に対応する機器テーブル情報と、宛先IPアドレスがブロードキャストアドレスに設定された機器識別情報要求情報に対応する機器テーブル情報と、を比較し、両者が一致しているか否かを判定する。そして、マルチキャスト採用可否通知部417は、機器テーブル情報が一致している場合、機器識別情報のマルチキャストが可能であることを通知するマルチキャスト採用可通知情報を通信制御装置1へ送信する。一方、マルチキャスト採用可否通知部417は、機器テーブル情報が不一致である場合、機器識別情報のマルチキャストが不可能であることを通知するマルチキャスト採用不可通知情報を通信制御装置1へ送信する。
【0026】
図2に戻って、クラウドサーバ2は、CPU201と、主記憶部202と、補助記憶部203と、通信部206と、計時部207と、各部を接続するバス209と、を備える。CPU201は、例えばマルチコアプロセッサである。主記憶部202は、揮発性メモリであり、CPU201の作業領域として使用される。補助記憶部203は、不揮発性メモリを有し、ROM、ストレージとして機能し、クラウドサーバ2の各種機能を実現するためのプログラムを記憶する。通信部206は、広域ネットワークNW1およびBBR8を介して通信制御装置1と通信するとともに広域ネットワークNW1を介して端末装置4と通信する。計時部207は、例えばリアルタイムクロックを有するものである。
【0027】
クラウドサーバ2では、CPU201が、補助記憶部203が記憶するプログラムを主記憶部202に読み込んで実行することにより、
図3に示すように、情報取得部211、種別判定部212、機器情報更新部213、状態取得部214、制御情報生成部215、送信要求部216、情報送信部217および更新要否判定部218として機能する。また、
図2に示す補助記憶部203は、
図3に示すように、機器情報記憶部231と、状態記憶部232と、を有する。機器情報記憶部231は、少なくとも、機器3をアプリケーション層で識別する識別番号情報、MACアドレス情報およびIPアドレス情報の組み合わせを、通信制御装置1のIPアドレス情報と端末装置4のIPアドレス情報とに対応づけて記憶する。この通信制御装置1のIPアドレス情報と端末装置4のIPアドレス情報とが、通信制御装置1、端末装置4それぞれを識別する装置識別情報である。機器情報記憶部231は、例えば
図4に示すように、局所ネットワークNW2に接続された各機器3の識別番号情報、MACアドレス情報およびIPアドレス情報から構成される機器テーブル情報を、局所ネットワークNW2に接続された通信制御装置1のIPアドレス情報および端末装置4のIPアドレス情報に対応付けて記憶する。ここで、機器テーブル情報は、各機器3の識別番号情報を、機器3のMACアドレス情報およびIPアドレス情報の組み合わせに対応づけた情報である。
図4に示す例では、サブネット情報「192.168.32.0/24」で示される局所ネットワークNW2にIPアドレス「192.168.32.x0」が付与された通信制御装置1と、IPアドレス「192.168.32.x1」が付与された端末装置4と、が接続されていることを表している。
【0028】
図3に戻って、状態記憶部232は、機器3の状態を示す機器状態情報を、機器3の識別番号情報、MACアドレス情報およびIPアドレス情報に対応づけて記憶する。
【0029】
情報取得部211は、通信制御装置1または端末装置4から送信される各種情報を取得すると、取得した各種情報を種別判定部212に通知する。種別判定部212は、情報取得部211から通知される情報が機器テーブル情報および機器状態情報のいずれであるかを判定する。ここで、種別判定部212は、機器電文が機器テーブル情報であると判定すると、当該機器テーブル情報を機器情報更新部213に通知する。また、種別判定部212は、情報取得部211から通知される機器電文が前述の機器状態情報であると判定すると、当該機器状態情報を状態取得部214に通知する。
【0030】
機器情報更新部213は、種別判定部212から通知される機器テーブル情報を用いて、機器情報記憶部231が記憶する機器テーブル情報を更新する。状態取得部214は、機器3に対して機器状態情報の送信を要求する機器状態要求情報を機器3へ送信することにより、機器3から送信される機器状態情報を取得する。具体的には、状態取得部214は、予め設定された機器状態取得時期が到来する毎に、機器状態要求情報を生成し、生成した機器状態要求情報を情報送信部217に通知する。そして、状態取得部214は、種別判定部212から機器状態情報が通知されると、通知された機器状態情報を用いて、状態記憶部232が記憶する機器状態情報を更新する。
【0031】
制御情報生成部215は、状態記憶部232が記憶する機器状態情報を参照し、機器状態情報が示す機器3の状態に基づいて、機器3の制御内容の変更が必要な制御イベントが発生したか否かを判定する。そして、制御情報生成部215は、制御イベントが発生したと判定すると、機器3の制御内容を変更するための制御情報を生成し、生成した制御情報を情報送信部217に通知する。
【0032】
送信要求部216は、計時部207が計時する時刻に基づいて予め設定された機器識別情報取得時期が到来したか否かを判定し、機器識別情報取得時期が到来したと判定すると、前述の機器テーブル要求情報を生成し、生成した機器テーブル要求情報を情報送信部217に通知する。また、送信要求部216は、更新要否判定部218から後述する更新要通知情報が通知されると、機器テーブル要求情報を生成し、生成した機器テーブル要求情報を情報送信部217に通知する。
【0033】
情報送信部217は、状態取得部214、制御情報生成部215から各種情報が通知されると、通知された各種情報に応じて、送信先の通信制御装置1を特定する。ここで、情報送信部217は、機器情報記憶部231が記憶する制御情報の送信先の機器3のMACアドレス情報およびIPアドレス情報の組合せに対応づけられた通信制御装置1のIPアドレス情報を特定する。そして、情報送信部217は、通知された各種情報をカプセル化して特定した通信制御装置1を送信先に指定するためのヘッダ情報を付加する。そして、情報送信部217は、カプセル化した各種情報を、特定したIPアドレス情報が示す送信先へ送信する。また、情報送信部217は、送信要求部216から機器テーブル要求情報されると通知されると、通知された機器テーブル要求情報を通信制御装置1へ送信する。
【0034】
更新要否判定部218は、情報送信部217がカプセル化した機器状態要求情報を通信制御装置1へ送信した後、予め設定された許容応答時間内に、情報取得部211が通信制御装置1から送信されるカプセル化された機器状態情報を取得しない場合、機器情報記憶部231が記憶する機器テーブル情報の更新要と判定する。ここで、更新要否判定部218は、機器状態要求情報を通信制御装置1へ送信した後、予め設定された待機時間内に機器状態情報が取得されない場合、情報送信部217に対して機器状態要求情報の再送信を要求する再送信要求情報を情報送信部217に通知する。この待機時間は、例えば20secに設定される。そして、更新要否判定部218は、前述の待機時間毎に再送信要求情報の情報送信部217への通知を繰り返しても前述の許容応答時間内に機器状態情報が取得されなかった場合、機器テーブル情報の更新要を判定する。また、更新要否判定部218は、カプセル化した制御情報を通信制御装置1へ送信した後、対応する機器3が制御情報に基づいて状態が変更されるまでに必要なオーバーヘッド時間経過後において、状態記憶部232が記憶する対応する機器3の状態が送信した制御情報を反映した状態になっていない場合、機器テーブル情報の更新要と判定する。そして、更新要否判定部218は、機器テーブル情報の更新要と判定すると、その旨を通知する更新要通知情報を送信要求部216に通知する。
【0035】
次に、本実施の形態に係る通信システムの動作について
図5から
図9を参照しながら説明する。ここで、通信制御装置1および端末装置4とクラウドサーバ2との間では、既にコネクションを確立するための処理が実行されており、通信制御装置1、端末装置4とクラウドサーバ2とが、互いのIPアドレス情報を取得しているものとする。まず、
図5に示すように、利用者が端末装置4の入力部405に対して前述のネットワーク初期接続操作を行ったとする。この場合、端末装置4は、宛先IPアドレスがマルチキャストアドレスに設定された機器識別情報要求情報を生成する(ステップS1)。次に、生成された機器識別情報要求情報が機器3へマルチキャスト送信される(ステップS2)。一方、機器3は、機器識別情報要求情報を取得すると、これに応じて、自機の識別番号情報を含む機器識別情報応答情報を生成する(ステップS3)。続いて、生成された機器識別情報応答情報が機器3から端末装置4へ送信される(ステップS4)。一方、端末装置4は、機器識別情報応答情報を取得すると、取得した機器識別応答情報に含まれる識別番号情報、IPアドレス情報およびMACアドレス情報を抽出し、抽出した機器識別情報、IPアドレス情報およびMACアドレス情報を互いに対応づけて電文バッファ421に記憶させる(ステップS5)。
【0036】
その後、端末装置4は、ステップS1の処理が実行されてから予め設定された待機時間が経過した後、宛先IPアドレスがブロードキャストアドレスに設定された機器識別情報要求情報を生成する(ステップS6)。次に、生成された機器識別情報要求情報が機器3へブロードキャスト送信される(ステップS7)。一方、機器3は、機器識別情報要求情報を取得すると、これに応じて、自機の識別番号情報を含む機器識別情報応答情報を生成する(ステップS8)。次に、生成された機器識別情報応答情報が、機器3から端末装置4へ送信される(ステップS9)。一方、端末装置4は、機器識別情報応答情報を取得すると、取得した機器識別応答情報に含まれる機器識別情報、IPアドレス情報およびMACアドレス情報を抽出し、抽出した識別番号情報、IPアドレス情報およびMACアドレス情報を互いに対応づけて電文バッファ421に記憶させる(ステップS10)。ここで、端末装置4は、マルチキャスト送信された機器識別情報要求情報に対応する機器識別応答情報に含まれる識別番号情報、IPアドレス情報およびMACアドレス情報と、ブロードキャスト送信された機器識別情報要求情報に対応する機器識別情報応答情報に含まれる機器識別情報、IPアドレス情報およびMACアドレス情報と、を区別して電文バッファ421に記憶させる。これにより、電文バッファ421は、マルチキャスト送信された機器識別情報要求情報に対応する機器テーブル情報と、ブロードキャスト送信された機器識別情報要求情報に対応する機器テーブル情報と、を各別に記憶することになる。
【0037】
続いて、端末装置4は、電文バッファ421が記憶する機器テーブル情報に基づいて、機器テーブル表示画像を形成して表示部404に表示させる(ステップS11)。その後、端末装置4が、電文バッファ421が記憶する、マルチキャスト送信された機器識別情報要求情報に対応する機器テーブル情報と、ブロードキャスト送信された機器識別情報要求情報に対応する機器テーブル情報と、が一致していると判定したとする(ステップS12)。この場合、
図6に示すように、前述のマルチキャスト採用可通知情報が、端末装置4から通信制御装置1へ送信される(ステップS13)。一方、通信制御装置1は、マルチキャスト採用可通知情報を取得すると、これに応じて、機器識別情報要求情報の送信モードを前述のマルチキャストモードに設定する(ステップS14)。次に、電文バッファ421が記憶する、マルチキャスト送信された機器識別情報要求情報に対応する機器テーブル情報と、ブロードキャスト送信された機器識別情報要求情報に対応する機器テーブル情報と、のいずれか一方が、端末装置4からクラウドサーバ2へ送信される(ステップS15)。一方、クラウドサーバ2は、端末装置4から送信された機器テーブル情報を取得すると、取得した機器テーブル情報を、端末装置4のIPアドレス情報に対応づけて機器情報記憶部231に記憶させる(ステップS16)。
【0038】
また、前述のステップS1からS11までの処理が実行された後、
図7に示すように、端末装置4が、電文バッファ421が記憶する、マルチキャスト送信された機器識別情報要求情報に対応する機器テーブル情報と、ブロードキャスト送信された機器識別情報要求情報に対応する機器テーブル情報と、が不一致と判定したとする(ステップS17)。この場合、前述のマルチキャスト採用不可通知情報が、端末装置4から通信制御装置1へ送信される(ステップS18)。一方、通信制御装置1は、マルチキャスト採用不可通知情報を取得すると、これに応じて、機器識別情報要求情報の送信モードをブロードキャストモードに設定する(ステップS19)。続いて、電文バッファ421が記憶するブロードキャスト送信された機器識別情報要求情報に対応する機器テーブル情報が、端末装置4からクラウドサーバ2へ送信される(ステップS20)。一方、クラウドサーバ2は、端末装置4から送信された機器テーブル情報を取得すると、取得した機器テーブル情報を、端末装置4のIPアドレス情報に対応づけて機器情報記憶部231に記憶させる(ステップS21)。
【0039】
その後、予め設定された機器識別情報取得時期が到来すると、クラウドサーバ2が、前述の機器テーブル要求情報を生成し(ステップS22)、生成された機器テーブル要求情報が、クラウドサーバ2から通信制御装置1へ送信される(ステップS23)。一方、通信制御装置1は、機器テーブル要求情報を取得すると、これに応じて、設定された送信モードに基づいて、宛先IPアドレスをマルチキャストアドレスまたはブロードキャストアドレスに設定した機器識別情報要求情報を生成する(ステップS24)。次に、通信制御装置1が、生成した機器識別情報要求情報の宛先IPアドレスがマルチキャストアドレスまたはブロードキャストアドレスと判定し(ステップS25)、前述の取得要求情報が、通信制御装置1から端末装置4へ送信される(ステップS26)。一方、端末装置4は、取得要求情報を取得すると、これに応じて、宛先IPアドレスをマルチキャストアドレスまたはブロードキャストアドレスに設定した機器識別情報要求情報を生成する(ステップS27)。続いて、生成された機器識別情報要求情報が、端末装置4から機器3へマルチキャスト送信またはブロードキャストされる(ステップS28)。
【0040】
一方、機器3は、機器識別情報要求情報を取得すると、これに応じて、自機の識別番号情報を含む機器識別情報応答情報を生成する(ステップS29)。その後、
図8に示すように、生成された機器識別情報応答情報が、機器3から端末装置4へ送信される(ステップS30)。一方、端末装置4は、機器識別情報応答情報を取得すると、取得した機器識別応答情報に含まれる識別番号情報、IPアドレス情報およびMACアドレス情報を抽出し、抽出した識別番号情報、IPアドレス情報およびMACアドレス情報を互いに対応づけて電文バッファ421に記憶させる(ステップS31)。これにより、端末装置4は、電文バッファ421に機器テーブル情報を記憶させる。次に、電文バッファ421が記憶する機器テーブル情報が、端末装置4からクラウドサーバ2へ送信される(ステップS32)。一方、クラウドサーバ2は、端末装置4から送信された機器テーブル情報を取得すると、取得した機器テーブル情報を、端末装置4のIPアドレス情報および通信制御装置1のIPアドレス情報に対応づけて機器情報記憶部231に記憶させる(ステップS33)。
【0041】
また、予め設定された機器3の機器状態を示す機器状態取得時期が到来したとする。この場合、クラウドサーバ2は、機器3に対して機器状態情報の送信を要求する機器状態要求情報を生成する(ステップS34)。続いて、クラウドサーバ2は、機器情報記憶部231が記憶する機器状態要求情報の送信先の機器3のIPアドレス情報に対応づけられた通信制御装置1のIPアドレス情報を特定する。そして、クラウドサーバ2は、機器状態要求情報に、特定したIPアドレス情報を含むヘッダ情報を付加するカプセル化処理を実行する(ステップS35)。その後、カプセル化された機器状態要求情報が、クラウドサーバ2から通信制御装置1へ送信される(ステップS36)。一方、通信制御装置1は、クラウドサーバ2から送信された機器状態要求情報を取得すると、取得した機器状態要求情報からヘッダ情報を解除する非カプセル化処理を実行する(ステップS37)。そして、機器状態情報要求情報は、ヘッダ情報が解除された機器状態要求情報に含まれる機器3のMACアドレス情報およびIPアドレス情報に基づいて、通信制御装置1から機器3へ送信される(ステップS38)。
【0042】
一方、機器3は、機器状態要求情報を取得すると、これに応じて、自機の状態を示す機器状態情報を生成する(ステップS39)。次に、生成された機器状態情報が、機器3から通信制御装置1へ送信される(ステップS40)。一方、通信制御装置1は、機器状態情報を取得すると、取得した機器状態情報に、クラウドサーバ2を送信先に指定するためのヘッダ情報を付加するカプセル化処理を実行する(ステップS41)。続いて、カプセル化された機器状態情報が、通信制御装置1からクラウドサーバ2へ送信される(ステップS42)。一方、
図9に示すように、クラウドサーバ2は、通信制御装置1から送信された機器状態情報を取得すると、取得した機器状態情報を用いて、状態記憶部232が記憶する機器状態情報を更新する(ステップS43)。
【0043】
また、前述の制御イベントが発生すると、クラウドサーバ2は、機器3の制御内容を変更するための制御情報を生成する(ステップS44)。次に、クラウドサーバ2は、機器情報記憶部231が記憶する機器状態要求情報の送信先の機器3のIPアドレス情報に対応づけられた通信制御装置1のIPアドレス情報を特定する。そして、クラウドサーバ2は、機器状態要求情報に、特定したIPアドレス情報を含むヘッダ情報を付加するカプセル化処理を実行する(ステップS45)。続いて、カプセル化された制御情報が、クラウドサーバ2から通信制御装置1へ送信される(ステップS46)。一方、通信制御装置1は、
図7に示すように、クラウドサーバ2から送信された制御情報を取得すると、取得した制御情報からヘッダ情報を解除する非カプセル化処理を実行する(ステップS47)。そして、制御情報は、それに含まれる機器3のMACアドレス情報およびIPアドレス情報に基づいて、通信制御装置1から機器3へ送信される(ステップS48)。一方、機器3は、制御情報を取得すると、取得した制御情報に基づいて動作する(ステップS49)。
【0044】
その後、機器3のIPアドレスが更新されるIPアドレス更新イベントが発生したとする。このIPアドレス更新イベントとしては、例えばBBR8のDHCP機能部が、各機器3に付与したIPアドレスのリース時間を設定しており、設定したリース時間が経過して各機器3に付与されたIPアドレスが開放される場合に相当する。この場合、クラウドサーバ2は、機器情報記憶部231が記憶する機器テーブル情報の更新要と判定する(ステップS50)。ここで、クラウドサーバ2は、機器状態要求情報を通信制御装置1へ送信した後、前述の許容応答時間内に通信制御装置1から送信される機器状態情報を取得しない場合、或いは、制御情報を通信制御装置1へ送信した後、対応する機器3のオーバーヘッド時間経過後において、状態記憶部232が記憶する対応する機器3の状態が送信した制御情報を反映した状態になっていない場合、機器テーブル情報の更新要と判定する。この場合、クラウドサーバ2が、前述の機器テーブル要求情報を生成し(ステップS22)、生成された機器テーブル要求情報が、クラウドサーバ2から通信制御装置1へ送信される(ステップS23)。一方、通信制御装置1は、機器テーブル要求情報を取得すると、これに応じて、設定された送信モードに基づいて機器識別情報要求情報を生成する(ステップS24)。次に、通信制御装置1が、生成した機器識別情報要求情報の宛先IPアドレスがマルチキャストアドレスまたはブロードキャストアドレスと判定し(ステップS25)、
図10に示すように、取得要求情報が、通信制御装置1から端末装置4へ送信される(ステップS26)。その後、ステップS27以降の一連の処理が実行される。
【0045】
次に、本実施の形態に係る通信制御装置1が実行する通信制御処理について
図11を参照しながら説明する。この通信制御処理は、例えば通信制御装置1へ電源が投入され、通信制御装置1が局所ネットワークNW2に接続可能な場所に配置されたことを契機として開始される。まず、マルチキャスト採用可否情報取得部118は、端末装置4から送信されるマルチキャスト採用可通知情報を取得したか否かを判定する(ステップS101)。ここで、マルチキャスト採用可否情報取得部118は、マルチキャスト採用可通知情報を取得したと判定すると(ステップS101:Yes)、マルチキャスト採用可通知情報を送信要求部114に通知する。そして、送信要求部114が、機器識別要求情報の送信モードをマルチキャストモードに設定した後(ステップS102)、後述のステップS105の処理が実行される。一方、マルチキャスト採用可否情報取得部118は、マルチキャスト採用可通知情報を取得していないと判定すると(ステップS101:No)、端末装置4から送信されるマルチキャスト採用不可通知情報を取得したか否かを判定する(ステップS103)。ここで、マルチキャスト採用可否情報取得部118が、マルチキャスト採用不可通知情報を取得していないと判定すると(ステップS103:No)、後述のステップS105の処理が実行される。一方、マルチキャスト採用可否情報取得部118は、マルチキャスト採用不可通知情報を取得したと判定すると(ステップS103:Yes)、マルチキャスト採用不可通知情報を送信要求部114に通知する。そして、送信要求部114が、機器識別要求情報の送信モードをブロードキャストモードに設定する(ステップS104)。
【0046】
その後、情報取得部113は、クラウドサーバ2から送信された前述の機器テーブル要求情報を取得したか否かを判定する(ステップS105)。ここで、情報取得部113が、機器テーブル要求情報を取得していないと判定すると(ステップS105:No)、後述するステップS112の処理が実行される。一方、情報取得部113が、機器テーブル要求情報を取得したと判定すると(ステップS105:Yes)、送信要求部114は、機器テーブル要求情報に基づいて、前述の機器識別情報要求情報を生成する(ステップS106)。次に、送信要求判定部115は、生成された機器識別情報要求情報の宛先のIPアドレスがマルチキャストアドレスまたはブロードキャストアドレスに設定されているか否かを判定する(ステップS107)。ここで、送信要求判定部115が、宛先IPアドレスが1つの機器3に付与されたIPアドレスであると判定すると(ステップS107:No)、電文送信部116は、生成された機器識別情報要求情報を、その宛先IPアドレスが付与された機器3へ送信する(ステップS108)。これにより、電文取得部111は、機器識別情報要求情報の送信先の機器3から送信される機器識別情報応答情報を取得する(ステップS109)。続いて、電文取得部111が、取得した機器識別情報応答情報に含まれる機器識別情報、IPアドレス情報およびMACアドレス情報を抽出し、情報送信部112が、これらの情報を含む機器情報を生成してクラウドサーバ2へ送信する(ステップS110)。その後、ステップS112の処理が実行される。
【0047】
一方、送信要求判定部115が、生成された機器識別情報要求情報の宛先のIPアドレスがマルチキャストアドレスまたはブロードキャストアドレスに設定されていると判定したとする(ステップS107:Yes)。この場合、取得要求部117は、前述の取得要求情報を端末装置4へ送信する(ステップS111)。次に、電文取得部111は、機器3から送信される機器状態情報を取得したか否かを判定する(ステップS112)。ここで、電文取得部111が、機器状態情報を取得していないと判定すると(ステップS112:No)、後述のステップS114の処理が実行される。一方、電文取得部111が、機器状態情報を取得したと判定すると(ステップS112:Yes)、取得した機器状態情報に通信制御装置1のMACアドレス情報を含むクラウドサーバ2を送信先に指定するためのヘッダ情報を付加するカプセル化処理を行ってからクラウドサーバ2へ送信する(ステップS113)。
【0048】
続いて、情報取得部113は、クラウドサーバ2から送信される機器状態要求情報または制御情報を取得したか否かを判定する(ステップS114)。ここで、情報取得部113が、機器状態要求情報および制御情報を取得していないと判定すると(ステップS114:No)、再びステップS101の処理が実行される。一方、情報取得部113は、機器状態要求情報または制御情報を取得したと判定すると(ステップS114:Yes)、取得した機器状態要求情報または制御情報を電文送信部116に通知する。そして、電文送信部116は、情報取得部113から通知される機器状態要求情報または制御情報からヘッダ情報を解除する非カプセル化処理を行ってから機器3へ送信する(ステップS115)。その後、再びステップS101の処理が実行される。
【0049】
次に、本実施の形態に係る端末装置4が実行する通信制御処理について
図12を参照しながら説明する。この通信制御処理は、例えば端末装置4へ電源が投入され、端末装置4において通信制御処理を実行するためのプログラムが起動され且つ端末装置4が局所ネットワークNW2に接続可能な場所に配置されたことを契機として開始される。まず、受付部416は、利用者が入力部405に対して行った前述のネットワーク初期接続操作を受け付けたか否かを判定する(ステップS201)。ここで、受付部416が、ネットワーク初期接続操作を受け付けていないと判定すると(ステップS201:No)、後述のステップS212の処理が実行される。一方、受付部416は、ネットワーク初期接続操作を受け付けたと判定すると(ステップS201:Yes)、ネットワーク初期接続操作を示す操作情報を生成して送信要求部412に通知する。そして、送信要求部412は、宛先IPアドレスがマルチキャストアドレスに設定された機器識別情報要求情報を生成する(ステップS202)。次に、電文送信部413は、生成された機器識別情報要求情報を機器3へマルチキャスト送信する(ステップS203)。これにより、電文取得部414は、局所ネットワークNW2に接続された機器識別情報要求情報の送信先の機器3から送信される機器識別情報応答情報を取得する(ステップS204)。続いて、電文取得部111は、取得した機器識別情報応答情報それぞれに含まれる機器識別情報、IPアドレス情報およびMACアドレス情報を抽出して電文バッファ421に記憶させる(ステップS205)。これにより、電文バッファ421には、マルチキャスト送信された機器識別情報要求情報に対応する機器テーブル情報が記憶される。その後、送信要求部412は、宛先IPアドレスがブロードキャストアドレスに設定された機器識別情報要求情報を生成し(ステップS206)、電文送信部413が、生成された機器識別情報要求情報を機器3へブロードキャスト送信する(ステップS207)。これにより、電文取得部414は、局所ネットワークNW2に接続された機器識別情報要求情報の送信先の機器3から送信される機器識別情報応答情報を取得する(ステップS208)。次に、電文取得部111は、取得した機器識別情報応答情報それぞれに含まれる識別番号情報、IPアドレス情報およびMACアドレス情報を抽出して電文バッファ421に記憶させる(ステップS209)。これにより、電文バッファ421には、ブロードキャスト送信された機器識別情報要求情報に対応する機器テーブル情報が記憶される。
【0050】
続いて、表示制御部418は、電文バッファ421が記憶する機器テーブル情報に基づいて、機器テーブル情報が示す各機器3の識別番号情報、IPアドレス情報およびMACアドレス情報の組み合わせを表す機器テーブル表示画像を形成して表示部404に表示させる(ステップS210)。
【0051】
その後、マルチキャスト採用可否通知部417は、電文バッファ421が記憶する、宛先IPアドレスがマルチキャストアドレスに設定された機器識別情報要求情報に対応する機器テーブル情報と、宛先IPアドレスがブロードキャストアドレスに設定された機器識別情報要求情報に対応する機器テーブル情報と、が一致しているか否かを判定する(ステップS211)。ここで、マルチキャスト採用可否通知部417は、機器テーブル情報が一致していると判定すると(ステップS211:Yes)、前述のマルチキャスト採用可通知情報を通信制御装置1へ送信し(ステップS212)、次に、後述のステップS214の処理が実行される。一方、マルチキャスト採用可否通知部417は、機器テーブル情報が不一致であると判定すると(ステップS211:No)、前述のマルチキャスト採用不可通知情報を通信制御装置1へ送信する(ステップS213)。続いて、情報送信部415は、電文バッファ421が記憶する機器テーブル情報をクラウドサーバ2へ送信する(ステップS214)。ここで、情報送信部415は、マルチキャスト採用可通知情報が通信制御装置1へ送信された場合、電文バッファ421が記憶する、マルチキャスト送信された機器識別情報要求情報に対応する機器テーブル情報と、ブロードキャスト送信された機器識別情報要求情報に対応する機器テーブル情報と、のいずれか一方をクラウドサーバ2へ送信する。一方、情報送信部415は、マルチキャスト採用不可通知情報が通信制御装置1へ送信された場合、電文バッファ421が記憶するブロードキャスト送信された機器識別情報要求情報に対応する機器テーブル情報をクラウドサーバ2へ送信する。
【0052】
その後、取得要求判定部411は、通信制御装置1から送信される前述の取得要求情報を取得したか否かを判定する(ステップS215)。ここで、取得要求判定部411が、取得要求情報を取得していないと判定すると(ステップS215:No)、再びステップS201の処理が実行される。一方、取得要求判定部411が、取得要求情報を取得したと判定すると(ステップS215:Yes)、送信要求部412は、前述の機器識別情報要求情報を生成する(ステップS216)。ここで、送信要求部412は、マルチキャスト採用可否通知部417による判定結果に応じて、宛先IPアドレスをマルチキャストアドレスまたはブロードキャストアドレスに設定する。次に、電文送信部413が、生成された機器識別情報要求情報を機器3へマルチキャスト送信またはブロードキャスト送信する(ステップS217)。これにより、電文取得部414は、局所ネットワークNW2に接続された機器3全てから送信される機器識別情報応答情報を取得する(ステップS218)。続いて、電文取得部111は、取得した機器識別情報応答情報それぞれに含まれる機器識別情報、IPアドレス情報およびMACアドレス情報を抽出して電文バッファ421に記憶させる(ステップS219)。これにより、電文バッファ421には、少なくとも1つの機器識別情報、IPアドレス情報およびMACアドレス情報の組み合わせから構成される機器テーブル情報が記憶される。その後、情報送信部415が、電文バッファ421が記憶する機器テーブル情報をクラウドサーバ2へ送信する(ステップS220)。次に、再びステップS201の処理が実行される。
【0053】
次に、本実施の形態に係るクラウドサーバ2が実行する機器制御処理について
図13を参照しながら説明する。この機器制御処理は、例えばクラウドサーバ2において、機器制御処理を実行するためのアプリケーションが起動したことを契機として開始される。まず、送信要求部216は、計時部207により計時される時刻を示す時刻情報に基づいて、前述の機器識別情報取得時期が到来したか否かを判定する(ステップS301)。ここで、送信要求部216が、機器識別情報取得時期が到来したと判定すると(ステップS301:Yes)、後述のステップS303の処理が実行される。一方、送信要求部216が、未だ機器識別情報取得時期が到来していないと判定すると(ステップS301:No)、機器テーブル情報の更新が必要であるか否かを判定する(ステップS302)。ここで、送信要求部216が、機器テーブル情報の更新が不要であると判定すると(ステップS302:No)、後述のステップS304の処理が実行される。一方、機器テーブル情報の更新が必要であるか否かを判定する。送信要求部216は、機器テーブル情報の更新が必要であると判定すると(ステップS302:Yes)、前述の機器テーブル要求情報を生成して通信制御装置1へ送信する(ステップS303)。
【0054】
次に、制御情報生成部215は、状態記憶部232が記憶する機器状態情報を参照し、機器状態情報が示す機器3の状態に基づいて、機器3の制御内容の変更が必要な制御イベントが発生したか否かを判定する(ステップS304)。ここで、制御情報生成部215が、制御イベントが発生していないと判定すると(ステップS304:No)、後述のステップS307の処理が実行される。一方、制御情報生成部215は、制御イベントが発生したと判定すると(ステップS304:Yes)、機器3の制御内容を変更するための制御情報を生成する(ステップS305)。続いて、情報送信部217は、機器情報記憶部231が記憶する機器状態要求情報の送信先の機器3のIPアドレス情報に対応づけられた通信制御装置1のIPアドレス情報を特定し、制御情報に、特定したIPアドレス情報を含むヘッダ情報を付加するカプセル化処理を実行し、カプセル化した制御情報を通信制御装置1へ送信する(ステップS306)。
【0055】
その後、状態取得部214は、前述の機器状態取得時期が到来したか否かを判定する(ステップS307)。ここで、状態取得部214が、未だ機器状態取得時期が到来していないと判定すると(ステップS307:No)、後述のステップS310の処理が実行される。一方、状態取得部214は、機器状態取得時期が到来したと判定すると(ステップS307:Yes)、前述の機器状態要求情報を生成する(ステップS308)。次に、情報送信部217は、機器情報記憶部231が記憶する機器状態要求情報の送信先の機器3のIPアドレス情報に対応づけられた通信制御装置1のIPアドレス情報を特定し、機器状態要求情報に、特定したIPアドレス情報を含むヘッダ情報を付加するカプセル化処理を実行し、カプセル化した機器状態要求情報を通信制御装置1へ送信する(ステップS309)。
【0056】
続いて、情報取得部211は、通信制御装置1から送信される各種情報を取得したか否かを判定する(ステップS310)。ここで、情報取得部211が、通信制御装置1から送信される各種情報を取得していないと判定すると(ステップS310:No)、再びステップS301の処理が実行される。一方、情報取得部211は、通信制御装置1から送信される各種情報を取得したと判定すると(ステップS310:No)、取得した情報が機器テーブル情報であるか否かを判定する(ステップS311)。
【0057】
ここで、種別判定部212は、機器テーブル情報であると判定すると(ステップS311:Yes)、機器テーブル情報を機器情報更新部213に通知する。そして、機器情報更新部213は、通知された機器テーブル情報を用いて、機器情報記憶部231が記憶する機器テーブル情報を更新する(ステップS312)。続いて、再びステップS301の処理が実行される。一方、種別判定部212が、機器テーブル情報ではないと判定すると(ステップS311:No)、取得した情報が機器状態情報であるか否かを判定する(ステップS313)。ここで、種別判定部212が、機器状態情報ではないと判定すると(ステップS313:No)、再びステップS301の処理が実行される。一方、種別判定部212が、機器状態情報であると判定すると(ステップS313:Yes)、状態取得部214は、当該機器状態情報を用いて、状態記憶部232が記憶する機器3の機器状態情報を更新する(ステップS314)。その後、再びステップS301の処理が実行される。
【0058】
以上説明したように、本実施の形態に係る通信システムによれば、通信制御装置1の取得要求部117が、機器識別情報要求情報が機器3に対してマルチキャストされると判定されると、取得要求情報を端末装置4へ送信する。そして、端末装置4の電文取得部414が、前述の取得要求情報を取得したと判定されると、機器3で生成された機器識別情報応答情報を、局所ネットワークNW2を介して取得し、取得した機器識別情報応答情報に含まれる機器識別情報、IPアドレス情報およびMACアドレス情報の組み合わせを電文バッファ421に記憶させる。これにより、機器3へマルチキャスト送信された機器識別情報要求情報に応じて機器3から送信される機器識別情報応答情報を電文バッファ421に漏れなく記憶させることができるので、局所ネットワークNW2に接続された機器3を適切に管理することができる。
【0059】
ところで、マルチキャスト送信された機器識別情報要求情報が、局所ネットワークNW2に接続されている複数の機器3へ同時期に取得された場合、複数の機器3が、同じタイミングで機器識別情報応答情報を送信する場合がある。この場合、通信制御装置1の機器電文のバッファ能力が低く、機器電文が同着した場合の処理能力が不十分である場合、機器識別情報応答情報を取りこぼしてしまう虞がある。このため、局所ネットワークNW2に接続する機器3の台数を制限せざるを得なくなる虞がある。これに対して、本実施の形態に係る通信システムでは、端末装置4が、機器3へマルチキャスト送信された機器識別情報要求情報に応じて機器3から送信される機器識別情報応答情報を電文バッファ421に漏れなく記憶させることができるので、機器識別情報応答情報の取りこぼしによる不具合の発生を抑制することができる。
【0060】
また、本実施の形態に係る端末装置4では、表示制御部418が、電文バッファ421が記憶する機器テーブル情報に基づいて、機器テーブル情報が示す各機器3の識別番号情報、IPアドレス情報およびMACアドレス情報の組み合わせを表す機器テーブル表示画像を形成して表示部404に表示させる。これにより、利用者は、機器テーブル表示画像を確認することにより、局所ネットワークNW2に接続された機器3に対応する機器テーブル情報を把握することができるので、利用者による機器3のメンテナンスの際の利便性を高めることができる。特に、利用者が局所ネットワークNW2に接続されているBBR8を交換した際に交換後の機器3の局所ネットワークNW2への接続状況を把握し易くなるという利点がある。
【0061】
更に、本実施の形態に係る通信システムでは、端末装置4の入力部405に対して前述のネットワーク初期接続操作を行うだけで、機器テーブル情報を生成して電文バッファ421に記憶させることができる。これにより、利用者が広域ネットワークNW1を使用できない場合であっても、クラウドサーバ2に登録すべき機器テーブル情報を事前に作成することが可能となるので、クラウドサーバ2への機器テーブル情報登録作業の効率化を図ることができる。
【0062】
ところで、BBR8がIGMP(Internet Group Management Protocol)に適合している場合、機器3が局所ネットワークNW2に接続されたときに、機器3からBBRへMenbershipReport電文を送信することにより、機器3がBBR8のマルチキャストグループに参加するように決められている。そして、BBR8が、配下の機器3へQuery電文をブロードキャスト送信することによりマルチキャストグループに属する機器3からの応答電文を取得することでマルチキャストグループに参加している機器3を管理するようになっている。一方、ECHONETLiteでは、マルチキャストアドレスとして「224.0.23.0」を採用しているが、IGMPに適合したBBR8或いはBBR8に接続された他のスイッチの中には、宛先IPアドレスがマルチキャストアドレス「224.0.23.0」に設定された機器電文をブロックするように設定されているものが存在する場合がある。この場合、通信制御装置1は、マルチキャスト送信された機器電文をブロックするBBR8またはスイッチが介在するリンクに接続された機器3から機器識別情報応答情報を取得できない虞がある。
【0063】
これに対して、本実施の形態に係る通信制御装置1では、マルチキャスト採用可否通知部417が、機器識別情報要求情報を機器3へマルチキャスト送信することにより取得できる機器識別情報応答情報に含まれる識別番号情報、IPアドレス情報およびMACアドレスと、機器識別情報要求情報を機器3へブロードキャスト送信することにより取得できる機器識別情報応答情報に含まれる識別番号情報、IPアドレス情報およびMACアドレスと、を比較する。そして、マルチキャスト採用可否通知部417は、比較結果に基づいて、機器識別情報要求情報の送信方法として、マルチキャスト送信を採用できるか否かを判別する。従って、通信制御装置1は、少なくとも1つの機器3がIGMPに適合したBBR8或いはBBR8に接続された他のスイッチが介在するリンクに接続されている場合であっても機器3を適切に管理することができる。また、通信制御装置1の送信要求部114は、マルチキャスト採用可通知情報を取得すると、機器識別情報要求情報の送信モードを優先的にマルチキャストモードに設定する。これにより、局所ネットワークNW2へ送出される機器識別情報要求情報である通信フレームの数を低減することができるので、その分、局所ネットワークNW2におけるトラフィックを削減することができる。
【0064】
(実施の形態2)
本実施の形態に係る通信システムは、クラウドサーバが、宛先IPアドレスがマルチキャストアドレスまたはブロードキャストアドレスに設定された機器識別情報要求情報を生成し、前述のカプセル化処理を実行してから通信制御装置へ送信する点で実施の形態1と相違する。
【0065】
本実施の形態に係る通信システムのハードウェア構成は、実施の形態で説明したハードウェア構成と同様である。そこで、本実施の形態に係る通信システムハードウェア構成については適宜
図2に示す符号を用いて説明する。
図14に示すように、本実施の形態に係る通信制御装置2001では、CPU101が、補助記憶部103が記憶するプログラムを主記憶部102に読み込んで実行することにより、電文取得部111、情報送信部112、情報取得部2113、送信要求判定部115、電文送信部116および取得要求部117として機能する。なお、
図14において、実施の形態1と同様の構成については
図3と同一の符号を付している。
【0066】
情報取得部2113は、クラウドサーバ2002からカプセル化された機器識別情報要求情報を取得すると、取得した機器識別情報要求情報からヘッダ情報を解除してから非カプセル化する。そして、情報取得部2113は、ヘッダ情報を解除した機器識別情報要求情報を送信要求判定部115に通知する。そして、送信要求判定部115は、情報取得部2113から通知される機器識別情報要求情報が機器3に対してマルチキャストまたはブロードキャストされるか否かを判定する。
【0067】
端末装置2004では、CPU401が、補助記憶部403が記憶するプログラムを主記憶部402に読み込んで実行することにより、取得要求判定部411、送信要求部412、電文送信部413、電文取得部414、情報送信部415、受付部416、マルチキャスト採用可否通知部2417および表示制御部418として機能する。また、主記憶部402は、電文バッファ421を有する。
【0068】
マルチキャスト採用可否通知部2417は、電文バッファ421が記憶する、宛先IPアドレスがマルチキャストアドレスに設定された機器識別情報要求情報に対応する機器テーブル情報と、宛先IPアドレスがブロードキャストアドレスに設定された機器識別情報要求情報に対応する機器テーブル情報と、が一致しているか否かを判定する。そして、マルチキャスト採用可否通知部2417は、機器テーブル情報が一致している場合、前述のマルチキャスト採用可通知情報をクラウドサーバ2002へ送信する。一方、マルチキャスト採用可否通知部2417は、機器テーブル情報が不一致である場合、前述のマルチキャスト採用不可通知情報をクラウドサーバ2002へ送信する。
【0069】
クラウドサーバ2002では、CPU201が、補助記憶部203が記憶するプログラムを主記憶部202に読み込んで実行することにより、情報取得部211、種別判定部212、機器情報更新部213、状態取得部214、制御情報生成部215、送信要求部2216、情報送信部2217、更新要否判定部218およびマルチキャスト採用可否情報取得部2219として機能する。また、補助記憶部203は、機器情報記憶部231と、状態記憶部232と、を有する。
【0070】
マルチキャスト採用可否情報取得部2219は、端末装置4から送信されるマルチキャスト採用可通知情報またはマルチキャスト採用不可通知情報を取得すると、取得した各種情報を送信要求部2216に通知する。送信要求部2216は、計時部207が計時する時刻に基づいて予め設定された機器識別情報取得時期が到来したか否かを判定し、機器識別情報取得時期が到来したと判定すると、機器識別情報要求情報を生成し、生成した機器識別情報要求情報を情報送信部2217に通知する。ここで、送信要求部2216は、前述のマルチキャストモードとブロードキャストモードと、のいずれかの送信モードに設定される。送信要求部2216は、マルチキャスト採用可否情報取得部2219からマルチキャスト採用可通知情報が通知されると、送信モードをマルチキャストモードに設定し、マルチキャスト採用可否情報取得部2219からマルチキャスト採用不可通知情報が通知されると、送信モードをブロードキャストモードに設定する。また、送信要求部2216は、更新要否判定部218から後述する更新要通知情報が通知されると、前述の機器識別情報要求情報を生成し、生成した機器識別情報要求情報を情報送信部217に通知する。更に、送信要求部2216は、機器識別情報要求情報とともに、更新対象となる機器テーブル情報に対応するサブネットを示すサブネット情報を情報送信部2217に通知する。
【0071】
情報送信部2217は、送信要求部2216から機器識別情報要求情報およびサブネット情報が通知されると、通知されたサブネット情報に対応する通信制御装置1のIPアドレス情報を特定する。そして、情報送信部2217は、通知された機器識別情報要求情報を、特定したIPアドレス情報を含むヘッダ情報を付加してカプセル化し、カプセル化した機器識別情報要求情報を、特定したIPアドレス情報が示す送信先へ送信する。
【0072】
次に、本実施の形態に係る通信システムの動作について
図15から
図17を参照しながら説明する。なお、
図15から
図17において、実施の形態1と同様の処理については
図5から
図10と同一の符号を付している。まず、
図15に示すように、利用者が端末装置2004の入力部405に対して前述のネットワーク初期接続操作を行ったとする。この場合、ステップS1からS11までの一連の処理が実行される。その後、端末装置2004が、電文バッファ421が記憶する、マルチキャスト送信された機器識別情報要求情報に対応する機器テーブル情報と、ブロードキャスト送信された機器識別情報要求情報に対応する機器テーブル情報と、が一致していると判定したとする(ステップS12)。この場合、前述のマルチキャスト採用可通知情報が、端末装置2004からクラウドサーバ2002へ送信される(ステップS2001)。一方、クラウドサーバ2002は、マルチキャスト採用可通知情報を取得すると、これに応じて、機器識別情報要求情報の送信モードをマルチキャストモードに設定される(ステップS2002)。次に、実施の形態1で説明したステップS15以降の処理が実行される。
【0073】
また、
図16に示すように、前述のステップS1からS11までの処理が実行された後、端末装置2004が、電文バッファ421が記憶する、マルチキャスト送信された機器識別情報要求情報に対応する機器テーブル情報と、ブロードキャスト送信された機器識別情報要求情報に対応する機器テーブル情報と、が不一致と判定したとする(ステップS17)。この場合、前述のマルチキャスト採用不可通知情報が、端末装置2004からクラウドサーバ2002へ送信される(ステップS2003)。一方、クラウドサーバ2002は、マルチキャスト採用不可通知情報を取得すると、これに応じて、機器識別情報要求情報の送信モードがブロードキャストモードに設定される(ステップS2004)。次に、実施の形態1で説明したステップS20以降の処理が実行される。
【0074】
また、前述の機器識別情報取得時期が到来すると、クラウドサーバ2002が、前述の機器識別情報要求情報を生成し(ステップS2005)、
図17に示すように、生成した機器識別情報要求情報をカプセル化するカプセル化処理を実行する(ステップS2006)。次に、カプセル化された機器識別情報要求情報が、クラウドサーバ2002から通信制御装置2001へ送信される(ステップS2007)。一方、通信制御装置1は、カプセル化された機器識別情報要求情報を取得すると、取得した機器識別情報要求情報からヘッダ情報を解除する非カプセル化処理を実行する(ステップS2008)。続いて、通信制御装置2001が、生成した機器識別情報要求情報の宛先IPアドレスがマルチキャストアドレスまたはブロードキャストアドレスと判定すると(ステップS25)、実施の形態1で説明したステップS26以降の一連の処理が実行される。
【0075】
次に、本実施の形態に係る通信制御装置2001が実行する通信制御処理について
図18を参照しながら説明する。なお、
図18において、実施の形態1と同様の処理については
図11と同一の符号を付している。まず、情報取得部2113は、クラウドサーバ2から送信された前述の機器識別情報要求情報を取得したか否かを判定する(ステップS2101)。ここで、情報取得部2113が、機器識別情報要求情報を取得していないと判定すると(ステップS2101:No)、ステップS112の処理が実行される。一方、情報取得部2113が、機器識別情報要求情報を取得したと判定すると(ステップS2101:Yes)、取得した機器識別情報要求情報からヘッダ情報を解除する非カプセル化処理を実行する(ステップS2102)。次に、送信要求判定部115は、ヘッダ情報が解除された機器識別情報要求情報の宛先のIPアドレスがマルチキャストアドレスまたはブロードキャストアドレスに設定されているか否かを判定する(ステップS107)。ここで、送信要求判定部115が、宛先IPアドレスが1つの機器3に付与されたIPアドレスであると判定すると(ステップS107:No)、ステップS108以降の一連の処理が実行される。一方、送信要求判定部115が、ヘッダ情報が解除された機器識別情報要求情報の宛先のIPアドレスがマルチキャストアドレスまたはブロードキャストアドレスに設定されていると判定したとする(ステップS107:Yes)。この場合、取得要求部117は、前述の取得要求情報を端末装置4へ送信し(ステップS111)、その後、ステップS112以降の一連の処理が実行される。
【0076】
次に、本実施の形態に係るクラウドサーバ2002が実行する機器制御処理について
図19を参照しながら説明する。なお、
図19において、実施の形態1と同様の処理については
図13と同一の符号を付している。まず、マルチキャスト採用可否情報取得部2219は、端末装置2004から送信されるマルチキャスト採用可通知情報を取得したか否かを判定する(ステップS2301)。ここで、マルチキャスト採用可否情報取得部2219は、マルチキャスト採用可通知情報を取得したと判定すると(ステップS2301:Yes)、マルチキャスト採用可通知情報を送信要求部2216に通知する。そして、送信要求部2216が、機器識別要求情報の送信モードをマルチキャストモードに設定した後(ステップS2302)、後述のステップS301の処理が実行される。一方、マルチキャスト採用可否情報取得部2219は、マルチキャスト採用可通知情報を取得していないと判定すると(ステップS2301:No)、端末装置2004から送信されるマルチキャスト採用不可通知情報を取得したか否かを判定する(ステップS2303)。ここで、マルチキャスト採用可否情報取得部2219が、マルチキャスト採用不可通知情報を取得していないと判定すると(ステップS2303:No)、後述のステップS301の処理が実行される。一方、マルチキャスト採用可否情報取得部2219は、マルチキャスト採用不可通知情報を取得したと判定すると(ステップS2303:Yes)、マルチキャスト採用不可通知情報を送信要求部2216に通知する。そして、送信要求部2216が、機器識別要求情報の送信モードをブロードキャストモードに設定する(ステップS2304)。
【0077】
その後、送信要求部216は、計時部207により計時される時刻を示す時刻情報に基づいて、前述の機器識別情報取得時期が到来したか否かを判定する(ステップS301)。ここで、送信要求部216が、機器識別情報取得時期が到来したと判定すると(ステップS301:Yes)、後述のステップS2305の処理が実行される。一方、送信要求部216が、未だ機器識別情報取得時期が到来していないと判定すると(ステップS301:No)、機器テーブル情報の更新が必要であるか否かを判定する(ステップS302)。ここで、送信要求部216が、機器テーブル情報の更新が不要であると判定すると(ステップS302:No)、後述のステップS304の処理が実行される。一方、機器テーブル情報の更新が必要であるか否かを判定する。送信要求部2216は、機器テーブル情報の更新が必要であると判定すると(ステップS302:Yes)、前述の機器識別情報要求情報を生成する(ステップS2305)。そして、送信要求部2216は、機器識別情報要求情報とともに、更新対象となる機器テーブル情報に対応するサブネット情報を情報送信部2217に通知する。次に、情報送信部2217は、送信要求部2216から通知されたサブネット情報に対応する通信制御装置1のIPアドレス情報を特定し、前述の機器識別情報要求情報を、特定したIPアドレス情報を含むヘッダ情報を付加するカプセル化処理を実行し、カプセル化した機器識別情報要求情報を、特定したIPアドレス情報が示す通信制御装置1へ送信する(ステップS2306)。続いて、ステップS304以降の一連の処理が実行される。
【0078】
以上説明したように、本実施の形態に係る通信システムによれば、通信制御装置1において機器識別情報要求情報を生成する必要が無くなるので、その分、通信制御装置1の構成を簡素化することができる。
【0079】
(実施の形態3)
本実施の形態に係る通信システムは、利用者が端末装置の入力部に対して前述のネットワーク初期接続操作を行った場合のみ、機器識別情報要求情報が機器へ送信される点で実施の形態1と相違する。 本実施の形態に係る通信システムのハードウェア構成は、実施の形態で説明したハードウェア構成と同様である。そこで、本実施の形態に係る通信システムハードウェア構成については適宜
図2に示す符号を用いて説明する。
図20に示すように、本実施の形態に係る通信制御装置3001では、CPU101が、補助記憶部103が記憶するプログラムを主記憶部102に読み込んで実行することにより、電文取得部111、情報送信部112、情報取得部113、送信要求部114および電文送信部116として機能する。なお、
図20において、実施の形態1と同様の構成については
図3と同一の符号を付している。本実施の形態に係る通信制御装置3001は、送信要求判定部115、取得要求部117およびマルチキャスト採用可否情報取得部118を備えていない点で実施の形態1に係る通信制御装置1と相違する。
【0080】
端末装置3004では、CPU401が、補助記憶部403が記憶するプログラムを主記憶部402に読み込んで実行することにより、送信要求部3412、電文送信部3413、電文取得部414、情報送信部415、受付部416および表示制御部418として機能する。また、主記憶部402は、電文バッファ421を有する。送信要求部3412は、受付部416から前述のネットワーク初期接続操作を示す操作情報が通知されると、宛先IPアドレスがマルチキャストアドレスまたはブロードキャストアドレスに設定された機器識別情報要求情報を生成する。ここで、宛先IPアドレスは、利用者が入力部405に対して行うIPアドレス設定操作の操作内容に応じて、マルチキャストアドレスまたはブロードキャストアドレスに設定される。電文送信部3413は、生成された機器識別情報要求情報を、その宛先IPアドレスの設定内容に基づいて、機器3へマルチキャスト送信またはブロードキャスト送信する。
【0081】
次に、本実施の形態に係る通信システムの動作について
図21を参照しながら説明する。まず、利用者が端末装置3004の入力部405に対して前述のネットワーク初期接続操作を行ったとする。このとき、利用者は、機器識別情報要求情報を機器3へ送信する際、マルチキャスト送信を行うかブロードキャスト送信を行うかを選択する操作も行う。この場合、端末装置3004は、利用者の選択に応じて宛先IPアドレスがマルチキャストアドレスまたはブロードキャストアドレスに設定された機器識別情報要求情報を生成する(ステップS3001)。次に、生成された機器識別情報要求情報が、端末装置3004から機器3へマルチキャスト送信またはブロードキャスト送信される(ステップS3002)。一方、機器3は、機器識別情報要求情報を取得すると、これに応じて、自機の識別番号情報を含む機器識別情報応答情報を生成する(ステップS3)。続いて、生成された機器識別情報応答情報が機器3から端末装置3004へ送信される(ステップS4)。一方、端末装置4は、機器識別情報応答情報を取得すると、取得した機器識別応答情報に含まれる識別番号情報、IPアドレス情報およびMACアドレス情報を抽出し、抽出した識別番号情報、IPアドレス情報およびMACアドレス情報を互いに対応づけて電文バッファ421に記憶させる(ステップS5)。
【0082】
その後、電文バッファ421が記憶する、マルチキャスト送信された機器識別情報要求情報に対応する機器テーブル情報と、ブロードキャスト送信された機器識別情報要求情報に対応する機器テーブル情報と、のいずれか一方が、端末装置3004からクラウドサーバ2へ送信される(ステップS15)。一方、クラウドサーバ2は、端末装置4から送信された機器テーブル情報を取得すると、取得した機器テーブル情報を、端末装置4のIPアドレス情報に対応づけて機器情報記憶部231に記憶させる(ステップS16)。そして、予め設定された機器3の機器状態を示す機器状態取得時期が到来すると、実施の形態1で説明したステップS34以降の一連の処理が実行される。
【0083】
本実施の形態に係る通信制御装置3001は、
図22に示すように、ステップS112からS115までの一連の処理を実行する。なお、
図22において、実施の形態1と同様の処理については、
図11と同一の符号を付している。電文送信部116が、情報取得部113から通知される機器状態要求情報または制御情報からヘッダ情報を解除する非カプセル化処理を行ってから機器3へ送信した後(ステップS115)、再びステップS112の処理が実行される。
【0084】
次に、本実施の形態に係る端末装置4が実行する通信制御処理について
図23を参照しながら説明する。なお、
図23において、実施の形態1と同様の処理については、
図12と同一の符号を付している。まず、ステップS201の処理が実行され、受付部416が、ネットワーク初期接続操作を受け付けたと判定すると(ステップS201:Yes)、ネットワーク初期接続操作を示す操作情報を生成して送信要求部3412に通知する。そして、送信要求部3412は、操作情報に基づいて、宛先IPアドレスが利用者により選択されたマルチキャストアドレスまたはブロードキャストアドレスに設定された機器識別情報要求情報を生成する(ステップS3201)。次に、電文送信部3413は、生成された機器識別情報要求情報を機器3へマルチキャスト送信またはブロードキャスト送信する(ステップS3203)。これにより、電文取得部414は、局所ネットワークNW2に接続された機器識別情報要求情報の送信先の機器3から送信される機器識別情報応答情報を取得する(ステップS204)。続いて、電文取得部111は、取得した機器識別情報応答情報それぞれに含まれる機器識別情報、IPアドレス情報およびMACアドレス情報を抽出して電文バッファ421に記憶させる(ステップS205)。これにより、電文バッファ421には、マルチキャスト送信された機器識別情報要求情報に対応する機器テーブル情報が記憶される。その後、表示制御部418は、電文バッファ421が記憶する機器テーブル情報に基づいて、機器テーブル情報が示す各機器3の識別番号情報、IPアドレス情報およびMACアドレス情報の組み合わせを表す機器テーブル表示画像を形成して表示部404に表示させる(ステップS210)。次に、情報送信部415は、電文バッファ421が記憶する機器テーブル情報をクラウドサーバ2へ送信する(ステップS214)。続いて、再びステップS201の処理が実行される。
【0085】
以上説明したように、本実施の形態によれば、機器3へマルチキャスト送信された機器識別情報要求情報に応じて機器3から送信される機器識別情報応答情報を端末装置3004の電文バッファ421に漏れなく記憶させることができるので、局所ネットワークNW2に接続された機器3を適切に管理することができる。
【0086】
以上、本開示の各実施の形態について説明したが、本開示は前述の実施の形態によって限定されるものではない。例えば、端末装置4、2004が、宛先IPアドレスをIPv4に適合したマルチキャストアドレスまたはブロードキャストアドレスに設定した機器識別情報要求情報と、宛先IPアドレスをIPv6に適合したマルチキャストアドレスまたはブロードキャストアドレスに設定した機器識別情報要求情報と、の両方を生成するものであってもよい。この場合、端末装置4、2004が、機器3から機器3に付与されたIPv4に適合したIPアドレスを示すIPアドレス情報を含む機器識別情報応答情報と、機器3から機器3に付与されたIPv6に適合したIPアドレスを示すIPアドレス情報を含む機器識別情報応答情報と、を取得するものであってもよい。そして、端末装置4、2004が、機器3のIPv4に適合したIPアドレス情報を含む機器テーブル情報と、機器3のIPv6に適合したIPアドレス情報を含む機器テーブル情報と、を電文バッファ421に記憶させるものであってもよい。また、端末装置4、2004は、電文バッファ421が記憶する、機器3のIPv4に適合したIPアドレス情報を含む機器テーブル情報と、機器3のIPv6に適合したIPアドレス情報を含む機器テーブル情報と、を参照して、各機器3がIPv4、IPv6のいずれのインターネット層プロトコルのいずれか一方または両方に対応しているか否かを判別するインターネット層プロトコル判別部(図示せず)を有するものであってよい。
【0087】
本構成によれば、各機器3に対応するインターネット層プロトコルが互いに異なる場合であっても、各機器3の識別番号情報、IPアドレス情報およびMACアドレス情報の組み合わせを漏れなく取得することができる。従って、機器3を適切に管理することが可能となる。
【0088】
実施の形態2において、クラウドサーバが、機器識別情報要求を、機器3に対してマルチキャストまたはブロードキャストすると判定した場合、端末装置に対して機器3から送信される機器識別情報の取得を要求する取得要求情報を直接端末装置へ送信するものであってもよい。
【0089】
図24に示すように、本変形例に係る通信制御装置4001では、CPU101が、補助記憶部103が記憶するプログラムを主記憶部102に読み込んで実行することにより、電文取得部111、情報送信部112、情報取得部4113、電文送信部116および取得要求部117として機能する。なお、
図24において、実施の形態1、2と同様の構成については
図3、
図14と同一の符号を付している。情報取得部4113は、クラウドサーバ4002からカプセル化された機器識別情報要求情報を取得すると、取得した機器識別情報要求情報からヘッダ情報を解除してから非カプセル化する。そして、情報取得部4113は、ヘッダ情報を解除した機器識別情報要求情報を電文送信部116に通知する。
【0090】
端末装置4004では、CPU401が、補助記憶部403が記憶するプログラムを主記憶部402に読み込んで実行することにより、取得要求判定部4411、送信要求部412、電文送信部413、電文取得部414、情報送信部415、受付部416、マルチキャスト採用可否通知部2417および表示制御部418として機能する。また、主記憶部402は、電文バッファ421を有する。取得要求判定部4411は、クラウドサーバ4002から送信される取得要求情報を取得したか否かを判定し、送信要求部412は、取得要求判定部4411により取得要求情報が取得されたと判定すると、宛先IPアドレスがマルチキャストアドレスまたはブロードキャストアドレスに設定された前述の機器識別情報要求情報を生成する。
【0091】
クラウドサーバ4002では、CPU201が、補助記憶部203が記憶するプログラムを主記憶部202に読み込んで実行することにより、情報取得部211、種別判定部212、機器情報更新部213、状態取得部214、制御情報生成部215、送信要求部4216、情報送信部2217、更新要否判定部218、マルチキャスト採用可否情報取得部2219および取得要求部4220として機能する。また、補助記憶部203は、機器情報記憶部231と、状態記憶部232と、を有する。送信要求部4216は、計時部207が計時する時刻に基づいて予め設定された機器識別情報取得時期が到来したか否かを判定し、機器識別情報取得時期が到来したと判定すると、機器識別情報要求情報を生成し、生成した機器識別情報要求情報を情報送信部2217に通知する。ここで、送信要求部4216は、マルチキャスト採用可否情報取得部2219からマルチキャスト採用可通知情報が通知されると、送信モードをマルチキャストモードに設定し、マルチキャスト採用可否情報取得部2219からマルチキャスト採用不可通知情報が通知されると、送信モードをブロードキャストモードに設定する。取得要求部4220は、送信要求部4216が送信モードをマルチキャストモードまたはブロードキャストモードに設定する場合、前述の取得要求情報を端末装置4004へ送信する。
【0092】
本変形例に係るクラウドサーバ4002は、
図25に示すように、ステップS2301からS2304までの一連の処理が実行された後、送信要求部216が、前述の機器識別情報取得時期が到来したと判定した場合(ステップS301:Yes)、或いは、送信要求部4216が、未だ機器識別情報取得時期が到来していないと判定した後(ステップS301:No)、機器テーブル情報の更新が必要であると判定した場合(ステップS302:Yes)、前述の機器識別情報要求情報を生成する(ステップS2305)。次に、情報送信部2217は、送信要求部4216から通知されたサブネット情報に対応する通信制御装置1のIPアドレス情報を特定し、前述の機器識別情報要求情報を、特定したIPアドレス情報を含むヘッダ情報を付加するカプセル化処理を実行し、カプセル化した機器識別情報要求情報を、特定したIPアドレス情報が示す通信制御装置1へ送信する(ステップS2306)。そして、送信要求部4216は、前述の取得要求情報を端末装置4004へ送信する(ステップS4301)。続いて、ステップS304以降の一連の処理が実行される。
【0093】
本構成によれば、前述の取得要求情報が、クラウドサーバ4002から直接端末装置4004へ送信されるので、通信制御装置4001において取得要求情報を端末装置4へ送信する処理が不要となる。従って、通信制御装置4001における処理負荷を軽減することができる。
【0094】
実施の形態2において、クラウドサーバが、機器識別情報要求を、機器3に対してマルチキャストまたはブロードキャストすると判定した場合、端末装置に対して通信制御装置2001から送信される取得要求情報を取得するよう指示する取得指示情報を端末装置へ送信するものであってもよい。そして、端末装置が、取得指示情報を取得したときのみ、これに応じて、端末装置が局所ネットワークNW2に接続された状態として、通信制御装置2001から送信される取得要求情報を取得可能な状態とするものであってもよい。
【0095】
図26に示すように、本変形例に係る端末装置5004では、CPU401が、補助記憶部403が記憶するプログラムを主記憶部402に読み込んで実行することにより、取得要求判定部411、送信要求部412、電文送信部413、電文取得部414、情報送信部415、受付部416、マルチキャスト採用可否通知部2417、表示制御部418および端末接続部5440として機能する。なお、
図26において、実施の形態1、2と同様の構成については
図3、
図14と同一の符号を付している。端末接続部5440は、クラウドサーバ5002から送信される取得指示情報を取得した場合のみ、端末装置5004が局所ネットワークNW2に接続された状態にし、取得要求判定部411が、通信制御装置2001から送信される取得要求情報を取得可能な状態にする。ここで、端末接続部5440は、通信制御装置2001から送信される前述の取得要求情報以外の情報は破棄する。
【0096】
クラウドサーバ5002では、CPU201が、補助記憶部203が記憶するプログラムを主記憶部202に読み込んで実行することにより、情報取得部211、種別判定部212、機器情報更新部213、状態取得部214、制御情報生成部215、送信要求部2216、情報送信部5217、更新要否判定部218およびマルチキャスト採用可否情報取得部2219として機能する。また、補助記憶部203は、機器情報記憶部231と、状態記憶部232と、を有する。情報送信部5217は、機器識別情報要求情報がマルチキャスト送信またはブロードキャスト送信される場合、前述の取得指示情報を端末装置5004へ送信する。また、情報送信部5217は、送信要求部2216から通知された機器識別情報要求情報を、ヘッダ情報を付加してカプセル化し、カプセル化した機器識別情報要求情報を、ヘッダ情報に含まれるIPアドレス情報が示す送信先へ送信する。
【0097】
本構成によれば、前述の取得要求情報が、クラウドサーバ5002から端末装置5004へ送信される取得指示情報により、通信制御装置2001から端末装置5004への送信が制御されるので、クラウドサーバ5002側での局所ネットワークNW2のトラフィックの管理を行い易くなるという利点がある。
【0098】
各実施の形態において、端末装置4,2004、3004、4004、5004が、機器3と通信制御装置1、2001、3001、4001との間の通信状況に応じて、局所ネットワークNW2と接続したり、局所ネットワークNW2から離脱したりするものであってもよい。例えば、通信制御装置1、2001、3001、4001が、機器3との間でのトラフィックを監視し、通信量を示す通信量情報をクラウドサーバ2、2002、4002、5002へ送信するものであってもよい。また、クラウドサーバ2、2002、4002、5002が、通信量情報を端末装置4,2004、3004、4004、5004へ転送するものであってもよい。そして、端末装置4,2004、3004、4004、5004は、クラウドサーバ2、2002、4002、5002から取得した通信量情報が示す通信量が予め設定された基準通信量よりも大きくなると、通信制御装置1、2001、3001、4001をバックアップするために局所ネットワークNW2と接続した状態になり、前述の通信量が前述の基準通信量以下になると、局所ネットワークNW2から離脱した状態になるものであってもよい。
【0099】
各実施の形態では、通信システムが、端末装置4、2004を備える例について説明したが、これに限定されるものではなく、端末装置4、2004の代わりに、局所ネットワークNW2に接続された通信機能を有するパーソナルコンピュータ或いはローカルサーバであってもよい。
【0100】
実施の形態1では、送信要求判定部115が、機器識別情報要求情報が機器3に対してマルチキャストまたはブロードキャストされるか否かを判定し、取得要求部117が、機器識別情報要求情報がマルチキャストまたはブロードキャストされると判定されると、取得要求情報を端末装置4へ送信する例について説明した。但し、これに限らず、たとえば送信要求判定部115が、送信要求情報に対応する機器電文のサイズが予め設定された基準電文サイズ以上であるか否かを判定するものであってもよい。この場合、取得要求部117が、送信要求情報に対応する機器電文のサイズが基準電文サイズ以上であると判定されると、前述の取得要求情報を端末装置4へ送信するものであってもよい。そして、端末装置4の電文取得部414が、取得要求情報を取得したと判定されると、機器3で生成された機器電文を、局所ネットワークNW2を介して取得し、取得した前記機器電文を電文バッファ421に記憶させるようにすればよい。ここで、電文バッファ421は、基準電文サイズ以上のサイズの機器電文を記憶できる記憶容量を有するものとすればよい。
【0101】
各実施の形態では、機器情報記憶部231が、機器3のIPアドレス情報およびMACアドレス情報と機器3に固有の識別番号情報とを互いに対応づけて記憶する例について説明した。但し、これに限らず、機器情報記憶部231が、機器3のIPアドレス情報およびMACアドレス情報と機器3の型名を示す型名情報、機器3の製造番号を示す製造番号情報等とを互いに対応づけて記憶するものであってもよい。
【0102】
また、本開示に係る通信制御装置1、2001、3001、4001、クラウドサーバ2、2002、4002、5002、端末装置4,2004、3004、4004、5004の各種機能は、ソフトウェア、ファームウェア、またはソフトウェアとファームウェアとの組み合わせにより実現されてもよい。この場合、ソフトウェアまたはファームウェアは、プログラムとして記述され、プログラムを、フレキシブルディスク、CD-ROM(Compact Disc Read Only Memory)、DVD(Digital Versatile Disc)、MO(Magneto-Optical Disc)、フラッシュメモリ等コンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納して配布し、そのプログラムをコンピュータに読み込んでインストールすることにより、前述の各機能を実現することができるコンピュータを構成してもよい。そして、各機能をOS(Operating System)とアプリケーションとの分担、またはOSとアプリケーションとの協働により実現する場合には、OS以外の部分のみを記録媒体に格納してもよい。
【0103】
さらに、搬送波に各プログラムを重畳し、通信ネットワークを介して配信することも可能である。例えば、通信ネットワーク上の掲示板(BBS,Bulletin Board System)に当該プログラムを掲示し、ネットワークを介して当該プログラムを配信してもよい。そして、これらのプログラムを起動し、OSの制御下で、他のアプリケーションプログラムと同様に実行することにより、前述の処理を実行できるようにしてもよい。
【0104】
本開示は、本開示の広義の精神と範囲を逸脱することなく、様々な実施の形態及び変形が可能とされるものである。また、上述した実施の形態は、本開示を説明するためのものであり、本開示の範囲を限定するものではない。つまり、本開示の範囲は、実施の形態ではなく、請求の範囲によって示される。そして、請求の範囲内及びそれと同等の開示の意義の範囲内で施される様々な変形が、本開示の範囲内とみなされる。
【産業上の利用可能性】
【0105】
本開示は、住宅内に設置された複数の機器を管理するシステムとして好適である。
【符号の説明】
【0106】
1,2001,3001,4001 通信制御装置、2,2002,4002,5002 クラウドサーバ、3 機器、4,2004,3004,4004,5004 端末装置、8 BBR、101,201,401 CPU、102,202,402 主記憶部、103,203,403 補助記憶部、106,206 通信部、109,209,409 バス、111,414 電文取得部、112,217,415,2217,5217 情報送信部、113,211,2113,4113 情報取得部、114,216,412,2216,3412,4216 送信要求部、115 送信要求判定部、116,413,3413 電文送信部、117,4220 取得要求部、118,2219 マルチキャスト採用可否情報取得部、207 計時部、212 種別判定部、213 機器情報更新部、214 状態取得部、215 制御情報生成部、218 更新要否判定部、231 機器情報記憶部、232 状態記憶部、404 表示部、405 入力部、406 広域通信部、407 局所通信部、411,4411 取得要求判定部、416 受付部、417,2417 マルチキャスト採用可否通知部、418 表示制御部、421 電文バッファ、5440 端末接続部、NW1 広域ネットワーク、NW2 局所ネットワーク
【要約】
通信制御装置(1)は、機器(3)で生成された機器電文を、コネクションレス型の通信プロトコルに基づいて局所ネットワークを介して取得する電文取得部(111)と、機器(3)に対して機器電文の送信を要求する送信要求情報を機器(3)へ送信する送信要求部(114)と、を有する。端末装置(4)は、機器(3)で生成された機器識別情報応答情報を、局所ネットワークを介して取得し、取得した機器識別情報応答情報を、機器識別情報要求情報の送信先の機器(3)から送信される機器識別情報応答情報全てを記憶できる電文バッファ(421)に記憶させる電文取得部(414)と、を有する。この通信制御装置(1)を備える通信システムによれば、局所ネットワークに接続された機器(3)を適切に管理することができる。