(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-26
(45)【発行日】2025-01-10
(54)【発明の名称】機械式ドラムサスペンションターンアップ成形構造
(51)【国際特許分類】
B29D 30/32 20060101AFI20241227BHJP
B29D 30/30 20060101ALI20241227BHJP
【FI】
B29D30/32
B29D30/30
(21)【出願番号】P 2023544034
(86)(22)【出願日】2022-01-06
(86)【国際出願番号】 CN2022070602
(87)【国際公開番号】W WO2023040139
(87)【国際公開日】2023-03-23
【審査請求日】2023-09-08
(31)【優先権主張番号】202111101160.1
(32)【優先日】2021-09-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】517095962
【氏名又は名称】▲軟▼控股▲分▼有限公司
(73)【特許権者】
【識別番号】523248965
【氏名又は名称】青▲島▼▲軟▼控机▲電▼工程有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110000659
【氏名又は名称】弁理士法人広江アソシエイツ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】官炳政
(72)【発明者】
【氏名】李▲興▼瑞
(72)【発明者】
【氏名】▲ゆ▼一航
(72)【発明者】
【氏名】王▲藝▼
(72)【発明者】
【氏名】胡▲まん▼
(72)【発明者】
【氏名】▲張▼▲継▼▲鋒▼
(72)【発明者】
【氏名】▲楊▼宇
【審査官】池田 晃一
(56)【参考文献】
【文献】特表2021-521033(JP,A)
【文献】特開2005-074870(JP,A)
【文献】特開2008-221718(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第112477220(CN,A)
【文献】中国実用新案第213919720(CN,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B29D 30/00 - 30/72
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
機械式ドラムサスペンションターンアップ成形構造であって、
前記機械式ドラムサスペンションターンアップ成形構造は、主軸アセンブリ(10)と、後圧車(20)と、を備え、前記後圧車(20)は前記主軸アセンブリ(10)に対向して設置され、前記機械式ドラムサスペンションターンアップ成形構造は、前記主軸アセンブリ(10)に設置されたロックリングアセンブリ(30)と、前記ロックリングアセンブリ(30)の両側に対称に設置された2つのターンアップアセンブリ(40)とをさらに備え、
前記ターンアップアセンブリ(40)は、ターンアップ構造(41)と、支持板(42)と、第1の駆動アセンブリ(43)と、を備え、前記ターンアップ構造(41)は複数であり、複数の前記ターンアップ構造(41)は、前記主軸アセンブリ(10)の周方向に間隔をおいて設置され、かつ、前記ターンアップ構造(41)は、支持位置と退避位置とを有し、前記支持板(42)は複数であり、前記支持板(42)は、前記ターンアップ構造(41)が前記退避位置から前記支持位置に移動する過程で、タイヤのサイドウォールにプラットフォームを提供するように複数の前記支持板(42)は、複数の前記ターンアップ構造(41)とそれぞれ対応しており、前記支持板(42)は、対応する前記ターンアップ構造(41)に設置され、前記第1の駆動アセンブリ(43)は、前記主軸アセンブリ(10)に設置されており、前記第1の駆動アセンブリ(43)は、複数の前記ターンアップ構造(41)に駆動連結され、前記ターンアップ構造(41)が前記支持位置から前記退避位置に移動する過程で、前記後圧車(20)のサスペンションアーム(21)は、前記タイヤのサイドウォールと前記ターンアップ構造(41)との間に入り込み、前記タイヤのサイドウォールを前記ターンアップ構造(41)から離れる方向に移動するよう駆動することができることを特徴とする機械式ドラムサスペンションターンアップ成形構造。
【請求項2】
前記ターンアップ構造(41)は、ターンアップリンク(411)を備え、前記ターンアップリンク(411)は前記第1の駆動アセンブリ(43)に駆動連結され、前記支持板(42)が前記ターンアップリンク(411)に設置されていることを特徴とする請求項1に記載の機械式ドラムサスペンションターンアップ成形構造。
【請求項3】
前記ターンアップリンク(411)は、第1のリンク(4111)と、第2のリンク(4112)と、第3のリンク(4113)と、を備え、前記第1のリンク(4111)と前記第3のリンク(4113)は、前記第2のリンク(4112)の長手方向の両側にそれぞれ可動に連結され、前記第1のリンク(4111)と前記第3のリンク(4113)は、前記第2のリンク(4112)に対して回動可能であり、前記第3のリンク(4113) に近接する前記第2のリンク(4112)の一端が前記第1の駆動アセンブリ(43)に駆動連結され、前記第2のリンク(4112) から離れる前記第1のリンク(4111)の一端が前記タイヤのサイドウォール又は前記ロックリングアセンブリ(30)に当接することを特徴とする請求項2に記載の機械式ドラムサスペンションターンアップ成形構造。
【請求項4】
前記支持板(42)の両端は、前記第2のリンク(4112) から離れる前記第1のリンク(4111)の一側と、前記第2のリンク(4112)から離れる前記第3のリンク(4113)の一側とにそれぞれ連結されていることを特徴とする請求項3に記載の機械式ドラムサスペンションターンアップ成形構造。
【請求項5】
前記ターンアップリンク(411)は、前記ロックリングアセンブリ(30) に近接する前記第1の駆動アセンブリ(43)の一端に連結されていることを特徴とする請求項2に記載の機械式ドラムサスペンションターンアップ成形構造。
【請求項6】
前記支持板(42)に少なくとも1つのドラムが設置されており、前記ドラムは、前記支持板(42)に回動可能に設置されていることを特徴とする請求項1に記載の機械式ドラムサスペンションターンアップ成形構造。
【請求項7】
前記機械式ドラムサスペンションターンアップ構造は、前記ターンアップ構造(41)又は前記主軸アセンブリ(10)に設置され、前記ターンアップ構造(41)が前記タイヤのサイドウォールに当接するように前記ターンアップ構造(41)に当接する位置制限アセンブリ(50)をさらに備えることを特徴とする請求項
1,3,4,5,又は6に記載の機械式ドラムサスペンションターンアップ成形構造。
【請求項8】
前記機械式ドラムサスペンションターンアップ構造は、前記ターンアップ構造(41)又は前記主軸アセンブリ(10)に設置され、前記ターンアップ構造(41)が前記タイヤのサイドウォールに当接するように前記ターンアップ構造(41)に当接する位置制限アセンブリ(50)をさらに備えることを特徴とする請求項2に記載の機械式ドラムサスペンションターンアップ成形構造。
【請求項9】
前記位置制限アセンブリ(50)は、第2の駆動アセンブリ(51)と、位置制限部(52)と、を備え、前記第2の駆動アセンブリ(51)は、前記ターンアップ構造(41)又は前記主軸アセンブリ(10)に設置され、前記位置制限部(52)は、複数であり、複数の前記位置制限部(52)は、複数の前記ターンアップ構造(41)とそれぞれに対応し、前記第2の駆動アセンブリ(51)は、複数の前記位置制限部(52)の一端にそれぞれ駆動連結され、前記位置制限部(52)の他端は、前記ターンアップ構造(41)の前記ターンアップリンク(411)に当接し、前記第2の駆動アセンブリ(51)は、前記ターンアップリンク(411)が前記タイヤのサイドウォールに当接するように、前記位置制限部(52)を前記ロックリングアセンブリ(30)に近接し、又は前記ロックリングアセンブリ(30)から離れる方向に移動するよう駆動することができることを特徴とする請求項
8に記載の機械式ドラムサスペンションターンアップ成形構造。
【請求項10】
前記位置制限アセンブリ(50)は、少なくとも1つのゴムリングを備え、前記支持板(42)に前記ゴムリングと嵌合する少なくとも1つの収容溝が設置され、前記ゴムリングは、前記支持板(42)の各前記収容溝内にそれぞれ嵌設されていることを特徴とする請求項7
、又は8に記載の機械式ドラムサスペンションターンアップ成形構造。
【請求項11】
複数の前記ターンアップ構造(41)は、等間隔に設置されていることを特徴とする請求項1~6のいずれか1項に記載の機械式ドラムサスペンションターンアップ成形構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、2021年9月18日に中国特許庁に提出され、出願番号は202111101160.1であり、発明名称は「機械式ドラムサスペンションターンアップ成形構造」である中国特許出願の優先権を主張するものである。
【0002】
本発明は、タイヤ加工の技術分野に関し、具体的には、機械式ドラムサスペンションターンアップ成形構造に関する。
【背景技術】
【0003】
現在、タイヤ側サスペンションターンアップ成形は全てカプセルドラムが採用されているが、カプセルドラムはカプセルの交換が煩雑であり、カプセルコストが高く、タイヤの口成形品質が機械式ドラムより劣るという問題があった。従来の機械式ドラムでは、タイヤの側面に転がるため、くぼみがあり、ターンアップロードの側に圧痕が存在しているため、完成品のタイヤには「赤日」現象が存在する。また、カプセルドラムを用いてサスペンションターンアップを行う場合には、カプセルの交換が煩雑であり、カプセルのコストが高く、タイヤの口成形品質が機械式ドラムより劣る等の問題があった。
【0004】
したがって、従来技術にはサスペンションターンアップ成形に使用されたカプセルドラムのサスペンションターンアップのプロセスのコストが高い問題がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の主な目的は、従来技術におけるドラムサスペンションターンアップ成形に使用されたカプセルドラムのサスペンションターンアップのプロセスのコストが高い問題を解決するドラムサスペンションターンアップ成形を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一実施形態では、機械式ドラムサスペンションターンアップ成形構造が提供される。機械式ドラムサスペンションターンアップ成形構造は、主軸アセンブリと、後圧車と、を備え、後圧車は主軸アセンブリに対向して設置され、機械式ドラムサスペンションターンアップ成形構造は、主軸アセンブリに設置されたロックリングアセンブリと、ロックリングアセンブリの両側に対称に設置された2つのターンアップアセンブリとをさらに備え、ターンアップアセンブリは、ターンアップ構造と、支持板と、第1の駆動アセンブリと、を備え、ターンアップ構造は複数であり、複数のターンアップ構造は、主軸アセンブリの周方向に間隔をおいて設置され、かつ、ターンアップ構造は、支持位置と退避位置とを有し、支持板は複数であり、ターンアップ構造が退避位置から支持位置に移動する過程で、タイヤのサイドウォールに支持プラットフォームを提供するように複数の支持板は、複数のターンアップ構造とそれぞれ対応しており、支持板は、対応するターンアップ構造に設置され、第1の駆動アセンブリは、主軸アセンブリに設置されており、第1の駆動アセンブリは、複数のターンアップ構造に駆動連結され、ターンアップ構造が支持位置から退避位置に移動する過程で、後圧車のサスペンションアームは、タイヤのサイドウォールとターンアップ構造との間に入り込み、タイヤのサイドウォールをターンアップ構造から離れる方向に移動するよう駆動する。
【0007】
選択可能な一実施形態では、ターンアップ構造は、ターンアップリンクを備え、ターンアップリンクは第1の駆動アセンブリに駆動連結され、支持板が前記ターンアップリンク上に設置されている。
【0008】
選択可能な一実施形態では、ターンアップ構造又は主軸アセンブリに設置され、ターンアップ構造がタイヤのサイドウォールに当接するようにターンアップ構造に当接する位置制限アセンブリをさらに備える。
【0009】
選択可能な一実施形態では、支持板の両端は、第1のリンクから第2のリンクを離れる側と、第3のリンクから第2のリンクを離れる側とにそれぞれ連結されている。
【0010】
選択可能な一実施形態では、ターンアップリンクは、ロックリングアセンブリに近接する第1の駆動アセンブリの一端に連結されている。
【0011】
選択可能な一実施形態では、支持板に少なくとも1つのドラムが設置されており、ドラムは、支持板に回動可能に設置されている。
【0012】
選択可能な一実施形態では、ターンアップ構造又は主軸アセンブリに設置され、ターンアップ構造がタイヤのサイドウォールに当接するようにターンアップ構造に当接する位置制限アセンブリをさらに備える。
【0013】
選択可能な一実施形態では、位置制限アセンブリは、第2の駆動アセンブリと、位置制限部と、を備え、第2の駆動アセンブリは、ターンアップ構造又は主軸アセンブリに設置され、位置制限部は、複数であり、複数の位置制限部は、複数のターンアップ構造とそれぞれに対応し、第2の駆動アセンブリは、複数の位置制限部の一端にそれぞれ駆動連結され、位置制限部の他端は、ターンアップ構造のターンアップリンクに当接し、第2の駆動アセンブリは、ターンアップリンクがタイヤのサイドウォールに当接するように、位置制限部をロックリングアセンブリに近接し、又はロックリングアセンブリから離れる方向に移動するよう駆動することができる。
【0014】
選択可能な一実施形態では、位置制限アセンブリは、少なくとも1つのゴムリングを備え、支持板にゴムリングと嵌合する少なくとも1つの収容溝が設置され、前記ゴムリングは、支持板の各収容溝内にそれぞれ嵌設されている。
【0015】
選択可能な一実施形態では、複数の前記ターンアップ構造は、等間隔に設置されている。
【0016】
本発明の技術的解決手段の適用において、本発明における機械式ドラムサスペンションターンアップ成形構造は、主軸アセンブリと、後圧車とを備え、後圧車は、主軸アセンブリに対向して設置され、機械式ドラムサスペンションターンアップ成形構造は、主軸アセンブリに設置されたロックリングアセンブリとターンアップアセンブリとをさらに備え、ターンアップアセンブリは2つであり、2つのターンアップアセンブリは、ロックリングアセンブリの両側に対称的に設置され、ターンアップアセンブリは、ターンアップ構造と、支持板と、第1の駆動アセンブリと、を備える。ターンアップ構造は複数であり、複数のターンアップ構造は、主軸アセンブリの周方向に間隔をおいて設置され、かつ、ターンアップ構造は、支持位置と退避位置とを有し、支持板は複数であり、ターンアップ構造が退避位置から支持位置に移動する過程で、タイヤのサイドウォールに支持プラットフォームを提供するように複数の支持板は、複数のターンアップ構造とそれぞれ対応しており、支持板は、対応するターンアップ構造に設置される。第1の駆動アセンブリは、主軸アセンブリに設置されており、第1の駆動アセンブリは、複数のターンアップ構造に駆動連結される。ターンアップ構造が支持位置から退避位置に移動する過程で、後圧車のサスペンションアームは、タイヤのサイドウォールとターンアップ構造との間に入り込み、タイヤのサイドウォールをターンアップ構造から離れる方向に移動するよう駆動する。
【0017】
上記の構成された機械式ドラムサスペンションターンアップ成形構造を用いると、ターンアップアセンブリを備えているので、ターンアップアセンブリのターンアップ構造によりタイヤのサイドウォールをターンアップすることができ、第1の駆動アセンブリがターンアップ構造を駆動して退避位置から支持位置まで移動させる過程において、ターンアップアセンブリの支持板は、未ターンアップのタイヤのサイドウォールに支持プラットフォームを提供することができることによって、タイヤのサイドウォールの折り曲げを防止することができる。そして、ターンアップ構造は、支持位置に移動した後、その時、ターンアップ構造はタイヤのサイドウォールのターンアップを完成させるとともに、支持位置から退避位置へと移動し、ターンアップ構造が支持位置から離れた後に、後圧車のサスペンションアームが、未ターンアップのタイヤのサイドウォールとターンアップ構造との間に入り込み、タイヤのサイドウォールをターンアップし続けることができる。そのため、本発明における機械式ドラムサスペンションターンアップ成形構造を用いる場合には、カプセルを頻繁に交換する必要がなくなり、カプセルの交換コストや時間を省くことができる。したがって、本発明における機械式サスペンションターンアップ成形構造は従来技術におけるタイヤのサイドウォールのサスペンションターンアップ成形に用いるカプセルドラムのサスペンションターンアップのプロセスのコストが高い問題を有効的に解決した。
【発明の効果】
【0018】
以上の説明から、本発明の上述した実施形態は、本発明に係る機械式サスペンションターンアップ成形構造を使用する際に、カプセルを頻繁に交換する必要がなくなるため、カプセルの交換コストや時間を省くことができるという技術的効果を奏することが分かる。 したがって、本願発明の機械式サスペンションターンアップ成形構造は、従来技術におけるタイヤのサイドウォールのサスペンションターンアップ成形に用いるカプセルドラムのサスペンションターンアップのプロセスのコストが高い問題を有効的に解決した。
【0019】
本発明の一部を構成する明細書図面は、本発明の更なる理解を提供するためのものであり、本発明の例示的な実施形態及びその説明は、本発明を解釈するためのものであり、本発明を不当に限定するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】本発明の具体実施形態に係る機械式サスペンションターンアップ成形構造を示す模式図である。
【
図2】
図1における機械式サスペンションターンアップ成形構造が退避位置にある時の構造を示す模式図である。
【
図3】
図1における機械式サスペンションターンアップ成形構造が支持位置にある時の構造を示す模式図である。
【
図4】
図3における機械式サスペンションターンアップ成形構造が支持位置から退避位置へ移動する時の構造を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本発明の実施形態および実施形態における特徴は、矛盾することなく互いに組み合わせることができることに留意されたい。 以下、図面を参照し、実施形態と併せて本発明を詳細に説明する。
【0022】
なお、特に明記しない限り、本発明で使用される全ての技術及び科学用語は、本発明の属する技術分野当業者が一般的に理解されるものと同義である。
【0023】
本発明において、逆に説明していない場合、使用される方位語は、「上、下、頂、底」は、通常、図面に示す方向に対して、或いは、部材自体の鉛直、垂直、又は重力方向に対してのものである。同様に、理解及び説明を容易にするために、「内、外」とは、各部材自体の輪郭の内、外を意味するが、前記方位語は、本発明を制限するものではない。
【0024】
従来技術におけるドラムサスペンションターンアップ成形に使用されたカプセルドラムのサスペンションターンアップのプロセスのコストが高い問題を解決するために、本発明は、機械式サスペンションターンアップ成形構造を提供する。
【0025】
図1~
図4に示すように、本発明における機械式ドラムサスペンションターンアップ成形構造は、主軸アセンブリ10と、後圧車20と、を備え、後圧車20は主軸アセンブリ10に対向して設置され、機械式ドラムサスペンションターンアップ成形構造は、主軸アセンブリ10に設置されたロックリングアセンブリ30と、ロックリングアセンブリ30の両側に対称に設置された2つのターンアップアセンブリ40とをさらに備え、ターンアップアセンブリ40は、ターンアップ構造41と、支持板42と、第1の駆動アセンブリ43と、を備え、ターンアップ構造41は複数であり、複数のターンアップ構造41は、主軸アセンブリ10の周方向に間隔をおいて設置され、かつ、ターンアップ構造41は、支持位置と退避位置とを有し、支持板42は複数であり、支持板42は、ターンアップ構造41が退避位置から支持位置に移動する過程で、タイヤのサイドウォールにプラットフォームを提供するように複数の支持板42は、複数の前ターンアップ構造41とそれぞれ対応しており、支持板は、対応するターンアップ構造41上に設置され、第1の駆動アセンブリ43は、主軸アセンブリ10に設置されており、第1の駆動アセンブリ43は、複数のターンアップ構造41に駆動連結され、ターンアップ構造41が支持位置から退避位置に移動する過程で、後圧車20のサスペンションアーム21は、タイヤのサイドウォールとターンアップ構造41との間に入り込み、タイヤのサイドウォールをターンアップ構造41から離れる方向に移動するよう駆動することができる。
【0026】
上記の構成された機械式ドラムサスペンションターンアップ成形構造を用いると、ターンアップアセンブリ40を備えているので、ターンアップアセンブリ40のターンアップ構造41によりタイヤのサイドウォールをターンアップすることができ、第1の駆動アセンブリ43がターンアップ構造41を駆動して退避位置から支持位置まで移動させる過程において、ターンアップアセンブリ40の支持板42は、未ターンアップのタイヤのサイドウォールに支持プラットフォームを提供することができることによって、タイヤのサイドウォールの折り曲げを防止することができる。そして、ターンアップ構造41は、支持位置に移動した後、その時、ターンアップ構造41はタイヤのサイドウォールのターンアップを完成させるとともに、支持位置から退避位置へと移動し、ターンアップ構造41が支持位置から離れた後に、後圧車20のサスペンションアーム21が、未ターンアップのタイヤのサイドウォールとターンアップ構造41との間に入り込み、タタイヤのサイドウォールをターンアップし続けることができる。そのため、本発明における機械式ドラムサスペンションターンアップ成形構造を用いる場合には、カプセルを頻繁に交換する必要がなくなり、カプセルの交換コストや時間を省くことができる。したがって、本発明における機械式サスペンションターンアップ成形構造は従来技術におけるタイヤのサイドウォールのサスペンションターンアップ成形に用いるカプセルドラムのサスペンションターンアップのプロセスのコストが高い問題を有効的に解決した。
【0027】
本願では、リヤプラテン20は、成形機又は床面に設置されてもよい。
【0028】
具体的には、ターンアップ構造41は、第1の駆動アセンブリ43に駆動連結されたターンアップリンク411を備え、支持板42は、ターンアップリンク411に設置されている。つまり、本発明では、ターンアップ構造41の支持位置と退避位置との切り替えは、第1の駆動アセンブリ43がターンアップリンク411を駆動することにより実現される。そして、第1の駆動アセンブリ43がターンアップリンク411を駆動する過程において、ターンアップリンク411がタイヤのサイドウォールに当接してタイヤのサイドウォールのターンアップを実現するとともに、ターンアップリンク411が支持板42を一緒に移動するように駆動し、タイヤのサイドウォールのターンアップされていない部分は、支持板42に連結することができ、重力の作用で落下しないようにし、ターンアップされたタイヤのサイドウォールの表面がより平坦になるようにする。
【0029】
本発明の一実施形態では、ターンアップリンク411は、第1のリンク4111と、第2のリンク4112と、第3のリンク4113と、を備え、第1のリンク4111と第3のリンク4113がそれぞれ第2のリンク4112の長手方向の両側に可動に連結され、第1のリンク4111と第3のリンク4113が第2のリンク4112に対して回動可能であり、第2のリンク4112が第3のリンク4113に近接する一端が第1の駆動アセンブリ43に駆動連結され、第1のリンク4111が第2のリンク4112から離れた一端がサイドウォールまたはロックリングアセンブリ30に当接する。そして、支持板42の両端は、第1のリンク4111が第2のリンク4112から離れた側と、第3のリンク4113が第2のリンク4112から離れた側とにそれぞれ連結されている。このようにすることで、支持板42の両端が第1のリンク4111と第3のリンク4113とにそれぞれ連結されているので、ターンアップリンク411が支持板42を一緒に移動するよう駆動する過程で支持板42の安定性を効果的に確保することができるとともに、支持板42にスキューが生じないようにすることもできる。同時に、本実施形態では、第1の駆動アセンブリ43がターンアップリンク411を駆動すると、第1の駆動アセンブリ43が実際に第2のリンク4112を移動するよう駆動して、第1のリンク4111が第2のリンク4112から離れる一端がサイドウォール又はロックリングアセンブリ30に当接するため、第2のリンク4112が移動すると、第2のリンク4112が第1のリンク4111と第3のリンク4113を一緒に移動するよう駆動して、支持板42を移動させるよう駆動する。
【0030】
具体的には、ターンアップリンク411は、ロックリングアセンブリ30に接近する第1の駆動アセンブリ43の一端側に連結されている。このようにすることで、ターンアップリンク411の全体の長さを効果的に減少させることができ、ターンアップリンク411をタイヤのサイドウォールにターンアップさせる過程において、大きな角度でターンアップを実現でき、ターンアップリンク411と主軸アセンブリ10との間の角度を大きくしたり、ターンアップリンク411とタイヤとの間の角度を小さくしたりすることができる。ターンアップリンク411とタイヤのサイドウォールとの軸方向の分力を低減して、サイドウォールの圧痕を効果的に軽減することができる。
【0031】
具体的には、支持板42に少なくとも1つのドラムが設置されており、支持板42にドラムが回転可能に設置されている。このようにすることで、ターンアップリンク411がタイヤのサイドウォールをターンアップする過程で、支持板42に掛け渡されていないサイドウォールが、ターンアップリンク411の移動に伴って支持板42上を摺動し、ターンアップリンク411でターンアップされることを保証することができる。このため、支持板42にドラムを設置することで、支持板42上での未ターンアップのタイヤのサイドウォールの摺動をより円滑にすることができる。
【0032】
本発明の一実施形態では、各支持板42に2つのドラムが設置されており、2つのドラム間隔が設置されている。勿論、実際の使用状況に応じてドラムの数を調整してもよい。
【0033】
説明すべきは、本発明では、機械式ドラムサスペンションターンアップ成形構造は、ターンアップ構造41又は主軸アセンブリ10に設置され、ターンアップ構造41がタイヤ側壁に当接するように、ターンアップ構造41に当接する位置制限アセンブリ50をさらに備える。本発明では、ターンアップ構造41が退避位置から支持位置に移動してタイヤのサイドウォールをターンアップする過程において、ターンアップリンク411がターンアップに常時当接する必要がある。このため、位置制限部材50を設けることにより、位置制限アセンブリ50をターンアップ構造41に当接させることで、位置制限アセンブリ50のターンアップ構造41への押圧力を確保することができ、ターンアップ構造41のターンアップリンク411をサイドホールドに当接させることができる 。すなわち、本発明では、予め設定された移動方向からずれないように、ターンアップ構造41を予め設定された方向に移動させることができるようにすることを目的とする 。
【0034】
本発明の一の具体的な実施例では、位置制限アセンブリ50は、第2の駆動アセンブリ51と位置制限部52とを備え、第2の駆動アセンブリ51は、ターンアップ構造41又は主軸アセンブリ10に設けられている。位置制限部52は複数であり、複数の位置制限部52は、複数のターンアップ構造41とそれぞれに対応し、第2の駆動アセンブリ51は、複数の位置制限部52の一端にそれぞれ駆動連結され、位置制限部52の他端は、ターンアップ構造41のターンアップリンク411に当接し、第2の駆動アセンブリ51は、ターンアップリンク411がサイドウォールに当接するように、位置制限部52をロックリングアセンブリ30に接近し、又はロックリングアセンブリ30から離れる方向に移動させることができる。
【0035】
本願の図示しない実施例では、位置制限アセンブリ50は、少なくとも1つのゴムリングを備え、支持板42に少なくとも1つのゴムリングと係合する収容溝が設けられ、各支持板42の収容溝内にゴムリングがそれぞれ嵌設されている。本発明では、支持板42が主軸アセンブリ10の周方向に沿って設置されているので、各ゴムリングを全ての支持板42に嵌合させることができる。
【0036】
具体的には、複数のターンアップ構造41が等間隔に設けられている。このようにすることで、ターンアップ構造41がサイドウォールをターンアップする過程において、サイドウォールの力がより均一になることを保証して、ターンアップ効果を確保することができる。
【0037】
説明すべきは、本発明の明細書、特許請求の範囲及び上記図面中の「第1」、「第2」等の用語は、類似の対象を区別するためのものであり、特定の順序や順序を説明するためのものではない。このように使用されるデータは、本明細書で説明される本発明の実施形態が本明細書で図示または説明される以外の順序で実施され得るように適切な場合には交換可能であり得ることが理解されるべきである。
【0038】
以上の説明は、本発明の好適な実施形態に過ぎず、本発明を制限するためのものではなく、当業者にとって、本発明は様々な変更や変更が可能である。本発明の精神及び原則内でなされたいかなる修正、同等置換、改良等は、いずれも本発明の保護範囲内に含まれるべきである
【符号の説明】
【0039】
10 主軸アセンブリ
20 後圧車
21 サスペンションアーム
30 ロックリングアセンブリ
40 ターンアップアセンブリ
41 ターンアップ構造
411 ターンアップリンク
4111 第1のリンク
4112 第2のリンク
4113 第3のリンク
42 支持板
43 第1の駆動アセンブリ
50 位置制限アセンブリ
51 第2の駆動アセンブリ
52 位置制限部