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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-26
(45)【発行日】2025-01-10
(54)【発明の名称】加熱設備、方法、およびシステム
(51)【国際特許分類】
   F24H 1/18 20220101AFI20241227BHJP
   F24H 4/04 20060101ALI20241227BHJP
   F24H 15/212 20220101ALI20241227BHJP
   F24H 15/258 20220101ALI20241227BHJP
   F24H 15/262 20220101ALI20241227BHJP
   F24H 15/265 20220101ALI20241227BHJP
   F24H 15/375 20220101ALI20241227BHJP
   F24H 15/414 20220101ALI20241227BHJP
【FI】
F24H1/18 G
F24H4/04
F24H15/212
F24H15/258
F24H15/262
F24H15/265
F24H15/375
F24H15/414
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2023547560
(86)(22)【出願日】2022-02-07
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-28
(86)【国際出願番号】 IB2022051081
(87)【国際公開番号】W WO2022168049
(87)【国際公開日】2022-08-11
【審査請求日】2024-04-03
(31)【優先権主張番号】2101678.7
(32)【優先日】2021-02-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(31)【優先権主張番号】2109593.0
(32)【優先日】2021-07-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(31)【優先権主張番号】2109594.8
(32)【優先日】2021-07-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(31)【優先権主張番号】2109596.3
(32)【優先日】2021-07-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(31)【優先権主張番号】2109597.1
(32)【優先日】2021-07-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(31)【優先権主張番号】2109598.9
(32)【優先日】2021-07-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(31)【優先権主張番号】2109599.7
(32)【優先日】2021-07-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(31)【優先権主張番号】2109600.3
(32)【優先日】2021-07-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(31)【優先権主張番号】2111076.2
(32)【優先日】2021-08-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】523293529
【氏名又は名称】オクトパス エナジー ヒーティング リミテッド
【氏名又は名称原語表記】OCTOPUS ENERGY HEATING LIMITED
【住所又は居所原語表記】UK House, 164-182 Oxford Street, London, W1D 1NN, UNITED KINGDOM
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(74)【代理人】
【識別番号】100142907
【弁理士】
【氏名又は名称】本田 淳
(72)【発明者】
【氏名】コノヴァルチク、ピーター
【審査官】豊島 ひろみ
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-098407(JP,A)
【文献】特開2014-020764(JP,A)
【文献】特許第6525370(JP,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24H 1/00 - 15/493
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
構内用の加熱設備であって、
コントローラと、前記コントローラに結合された:
周囲の空気からエネルギーを抽出する空気源ヒート・ポンプ;
構内加熱機構;および
局所気象検知機構;と
を備え、
前記コントローラは、
外部ソースから有線または無線接続を介して気象予報データを受信し、前記局所気象検知機構から局所気象状態情報を受信し、
前記気象予報データと前記局所気象状態情報との両方に基づいて、制御アルゴリズムを設定し、
前記設定された制御アルゴリズムに基づいて、前記空気源ヒート・ポンプから前記構内加熱機構へのエネルギーの供給を制御し、
前記気象予報データに基づいて、前記空気源ヒート・ポンプがエネルギーを抽出する前記空気の温度が低下すると予想される期間を決定し、
温度が低下すると予想される前記期間中に前記構内加熱機構が使用される可能性を予測し、前記コントローラは、前記可能性を予測する際に、前記構内の占有状態または予測された占有状態と前記構内の占有者の予定された活動とを考慮に入れるように構成され、
温度が低下すると予想される前記期間中に前記構内加熱機構が使用されると予測した前記可能性に基づいて、エネルギーの前記供給を制御し、前記空気源ヒート・ポンプがエネルギーを抽出する前記空気の温度が低下すると予想される前記期間の前に、前記構内加熱機構へのエネルギー入力を増加させるように構成される、加熱設備。
【請求項2】
前記コントローラは、前記構内の過去の世帯行動に基づいて、および/または類似する世帯の過去の行動に基づいて、前記可能性を予測するように構成される、請求項1に記載の加熱設備。
【請求項3】
前記コントローラは、前記構内加熱機構の設定をオーバライドするように構成される、請求項1または2に記載の加熱設備。
【請求項4】
前記空気源ヒート・ポンプからエネルギーを受け取るように配置されたエネルギー貯蔵部をさらに備え、前記コントローラは、前記設定された制御アルゴリズムに基づいて、前記空気源ヒート・ポンプから前記エネルギー貯蔵部へのエネルギーの供給を制御するように構成される、請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の加熱設備。
【請求項5】
前記エネルギー貯蔵部は、潜熱としてエネルギーを貯蔵するために使用される相変化材料の塊を備える、請求項に記載の加熱設備。
【請求項6】
前記コントローラは、顕熱として前記エネルギー貯蔵部に貯蔵されているエネルギーの量を増加させるように、前記エネルギー貯蔵部へのエネルギーの供給を制御するように構成される、請求項に記載の加熱設備。
【請求項7】
前記エネルギー貯蔵部は、前記構内の温水システムに対してエネルギーを供給するように配置される、請求項4から請求項6のいずれか一項に記載の加熱設備。
【請求項8】
構内加熱設備を制御する方法であって、前記構内加熱設備は、コントローラと、前記コントローラに結合された:周囲の空気からエネルギーを抽出する空気源ヒート・ポンプ;構内加熱機構;および局所気象検知機構;とを含み、前記方法は、前記コントローラが、
外部ソースから有線または無線接続を介して気象予報データを受信し、前記局所気象検知機構から局所気象状態情報を受信する工程と、
前記気象予報データと前記局所気象状態情報との両方に基づいて、制御アルゴリズムを設定する工程と、
前記制御アルゴリズムの前記設定に基づいて、前記空気源ヒート・ポンプから前記構内加熱機構へのエネルギーの供給を制御する工程と、
前記気象予報データに基づいて、前記空気源ヒート・ポンプがエネルギーを抽出する前記空気の温度が低下すると予想される期間を決定する工程と、
温度が低下すると予想される前記期間中に前記構内加熱機構が使用される可能性を予測する工程であって、前記可能性を予測する際に、前記構内の占有状態または予測された占有状態と前記構内の占有者の予定された活動とを考慮に入れる工程と、
温度が低下すると予想される前記期間中に前記構内加熱機構が使用される予測される前記可能性に基づいて、エネルギーの供給を制御する工程であって、前記空気源ヒート・ポンプがエネルギーを抽出する前記空気の温度が低下すると予想される前記期間の前に、前記構内加熱機構へのエネルギー入力を増加させる工程と、
を備える方法。
【請求項9】
前記構内の過去の世帯行動に基づいて、および/または類似する世帯の過去の行動に基づいて、前記可能性を予測する工程をさらに備える、請求項に記載の方法。
【請求項10】
前記構内加熱機構の設定をオーバライドする工程をさらに備える、請求項またはに記載の方法。
【請求項11】
前記構内加熱設備は、前記空気源ヒート・ポンプからエネルギーを受け取るように配置されたエネルギー貯蔵部を含み、前記方法は、前記設定された前記制御アルゴリズムに基づいて、前記空気源ヒート・ポンプから前記エネルギー貯蔵部へのエネルギーの供給を制御する工程をさらに備える、請求項8から請求項10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
前記エネルギー貯蔵部は、潜熱としてエネルギーを貯蔵するために使用される相変化材料の塊を備え、前記方法は、顕熱として前記エネルギー貯蔵部に貯蔵されるエネルギーの量を増加させるように、前記エネルギー貯蔵部へのエネルギーの供給を制御する工程をさらに備える、請求項11に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は様々に、構内用の設備を加熱すること、ならびに関連する方法、システム、および装置に関する。
【背景技術】
【0002】
指令2012/27/EUによれば、建築物はEUの最終エネルギー消費の40%、CO排出の36%を占めている。EUの世帯では暖房および温水だけで最終エネルギー総使用量(約8.06×1018J(192.5Mtoe))の79%を占めると結論付けられている(例えば、非特許文献1参照)。また、欧州委員会は、「ユーロスタットによる2019年の数字によれば、冷暖房の約75%が依然として化石燃料から生成されているのに対し、わずか22%が再生可能エネルギーから生成されている」と報告している。EUの気候およびエネルギー目標を達成するためには、冷暖房部門はそのエネルギー消費を大幅に減らし、化石燃料の使用を削減しなければならない。ヒート・ポンプ(空気、土地、または水から取り出されるエネルギーを伴う)は、この問題に対処する上で潜在的に重要な貢献をするものと認められている。
【0003】
多くの国において、二酸化炭素排出量を削減するための政策および圧力がある。例えば、英国では2020年に、英国政府が将来の住宅基準(Future Homes Standard)に関する白書を発表し、2025年までに新築住宅からの炭素排出を既存の水準に比べて75~80%削減することを提案している。さらに2019年初めには、新築住宅へのガス・ボイラーの設置を2025年から禁止することが発表された。報告の時点で英国では、建物の暖房に使用される総エネルギーの78%がガスから生じ、12%が電気から生じていると報告されている。
【0004】
英国では、ガス焚きセントラル・ヒーティングを有しベッドルームが2~3以下である小規模な物件が多くあり、これらの物件のほとんどは、ボイラーが瞬間湯沸器とセントラル・ヒーティング用ボイラーとして機能する、いわゆるコンビネーション・ボイラーを使用している。コンビネーション・ボイラーは、それらが小さなフォーム・ファクタを有し、多かれ少なかれ即座の「無制限」温水源(20~35kW出力を有する)を提供し、温水貯蔵を必要としないため、一般的に普及している。そのようなボイラーは、評判の良い製造者から比較的安価に購入できる。フォーム・ファクタが小さく、温水貯蔵タンクなしで機能するので、一般に、台所に壁掛けされることが多い小さなアパートや家でもそのようなボイラーを収容することができ、一人の一日の作業で新しいボイラーを設置することができる。したがって、新しいコンビ・ガス・ボイラーを安価に設置することが可能である。新しいガス・ボイラーの禁止が差し迫ったため、ガス・コンビ・ボイラーに代わる代替熱源が必要となる。また、以前から設置されているコンビ・ボイラーも最終的に何らかの代替品に交換される必要がある。
【0005】
ヒート・ポンプは、化石燃料への依存を減らしCO2排出を削減する必要性に対する潜在的解決策として提案されているが、それらは、現在のところ、小規模な家庭(および小規模商業施設)のガス燃焼ボイラーの置き換えの問題、またはいくつかの技術的、商業的、および実用的理由に関して適していない。それらは典型的には非常に大きく、物件の外側に相当なユニットを必要とする。したがって、典型的なコンビ・ボイラーを備えた物件に容易に組み込むことができない。典型的なガス・ボイラーと同等の出力を提供できるユニットは、現在のところ高価であり、かなりの電力需要を必要とする可能性がある。ユニット自体が、同等のガス火力相当物の何倍もコストがかかるだけでなく、それらのサイズと複雑さは、設置が技術的に複雑であり、したがって高価であることを意味する。また、温水用の貯蔵タンクが必要であり、これは、小さな家庭用住居でのヒート・ポンプの使用を妨げるさらなる要因である。さらなる技術的問題は、ヒート・ポンプが、需要に応じて熱の発生を開始するのにかなりの時間を必要とする傾向があり、おそらく、自己チェックに30秒、次いで、加熱にいくらかの時間を必要とするので、温水の要求とその送達との間に1分以上の遅延がある。このような理由から、試みられているヒート・ポンプおよび/または太陽光を使用する再生可能な解決策は、一般的に、(スペース要求、熱損失、およびレジオネラ・リスクを伴う)温水貯蔵タンクのための空間を有する大きな物件に適用可能である。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0006】
【文献】The EU Commission report of 2016 “Mapping and analyses of the current and future (2020 - 2030) heating/cooling fuel deployment (fossil/renewables)”
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
したがって、ガス・コンビ・ボイラー、特に小さな家庭用住居のガス・コンビ・ボイラーを置き換えるための適切な技術を見出すという問題の解決策を提供する必要がある。
より一般的には、ヒート・ポンプ、特に最も安価に設置されるヒート・ポンプのタイプである空気源ヒート・ポンプの実効効率を改善する継続的な必要性がある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
第1の態様によれば、構内用の加熱設備が提供され、この設備は、コントローラと、コントローラに結合された:空気源ヒート・ポンプ;構内加熱機構;および局所気象検知機構;とを備え、
コントローラは、外部ソースからの気象予報データ、および局所気象検知機構からの局所気象状態情報を受信し、気象予報データと局所気象状態情報との両方に基づいて、制御アルゴリズムを設定し、設定された制御アルゴリズムに基づいて、空気源ヒート・ポンプから加熱機構へのエネルギーの供給を制御するように構成され、コントローラは、空気源ヒート・ポンプがエネルギーを抽出する空気の温度の予想された下降を見込んで、加熱機構へのエネルギー入力を増加させるように構成される。
【0009】
好ましくは、コントローラは、空気源ヒート・ポンプがエネルギーを抽出する空気の温度の予想された下降を見込んで、加熱機構へのエネルギー入力を増加させるように構成される。
【0010】
好ましくは、コントローラは、低下された温度の予想された期間中に構内加熱機構が起動される、または使用される、または必要とされる、予測された可能性に基づいて、エネルギーの供給を制御するように構成される、任意選択で、コントローラは、構内の過去の世帯行動に基づいて、および/または類似する世帯の過去の行動に基づいて、可能性を予測するように構成される、任意選択で、コントローラは、可能性を予測する際に、構内の占有状態または予測された占有状態を考慮に入れるように構成され得る。
【0011】
任意選択で、コントローラは、可能性を予測する際に、構内の占有者の予定された活動を考慮に入れるように構成される。
任意選択で、コントローラは、加熱機構の設定をオーバライドするように構成される。
【0012】
任意選択で、加熱機構は、ヒート・ポンプからエネルギーを受け取るように配置されたエネルギー貯蔵部をさらに備え、コントローラは、設定された制御アルゴリズムに基づいて、空気源ヒート・ポンプからエネルギー貯蔵部へのエネルギーの供給を制御するように構成される。好ましくは、エネルギー貯蔵部は、潜熱としてエネルギーを貯蔵するために使用される相変化材料の塊を備える。任意選択で、コントローラは、顕熱として貯蔵部に貯蔵されているエネルギーの量を増加させるように、エネルギー貯蔵部へのエネルギーの供給を制御するように構成される。好ましくは、エネルギー貯蔵部は、構内の温水システムに対してエネルギーを供給するように配置される。
【0013】
第2の態様によれば、構内加熱設備を制御する方法が提供され、加熱設備は、空気源ヒート・ポンプを含み、この方法は、外部ソースから気象予報データを受信し、局所気象検知機構から局所気象状態情報を受信する工程と、気象予報データと局所気象状態情報との両方に基づいて、制御アルゴリズムを設定する工程と、制御アルゴリズムの設定に基づいて、空気源ヒート・ポンプを制御する工程と、空気源ヒート・ポンプがエネルギーを抽出する空気の温度の予想された下降を見込んで、加熱機構へのエネルギー入力を増加させる工程とを備える。
【0014】
好ましくは、この方法は、低下された温度の予想された期間中に構内加熱機構が起動されること、使用されること、または必要とされることのいずれか1つとなる、予測された可能性に基づいて、エネルギーの供給を制御する工程をさらに備える。
【0015】
任意選択で、この方法は、構内の過去の世帯行動に基づいて、および/または類似する世帯の過去の行動に基づいて、可能性を予測する工程をさらに備える。
任意選択で、この方法は、可能性を予測する際に、構内の占有状態または予測された占有状態を考慮に入れる工程をさらに備える。
【0016】
任意選択で、この方法は、可能性を予測する際に、構内の占有者の予定された活動を考慮に入れる工程をさらに備える。
任意選択で、この方法は、加熱機構の設定をオーバライドする工程をさらに備える。
【0017】
第2の態様による方法では、設備は、ヒート・ポンプからエネルギーを受け取るように配置されたエネルギー貯蔵部を含むことができ、この方法は、設定された制御アルゴリズムに基づいて、空気源ヒート・ポンプからエネルギー貯蔵部へのエネルギーの供給を制御する工程をさらに備える。
【0018】
好ましくは、エネルギー貯蔵部は、潜熱としてエネルギーを貯蔵するために使用される相変化材料の塊を備え、この方法は、顕熱として貯蔵部に貯蔵されるエネルギーの量を増加させるように、エネルギー貯蔵部へのエネルギーの供給を制御する工程をさらに備える。
【0019】
第3の態様によれば、家庭用グリーン発電設備が提供され、家庭用グリーン発電設備は、コントローラと、コントローラに結合された:グリーン・エネルギー源;エネルギー・シンク;および局所気象検知機構;とを備え、コントローラは、
外部ソースからの気象予報データ、および局所気象検知機構からの局所気象状態情報を受信し、気象予報データと局所気象状態情報との両方に基づいて、制御アルゴリズムを設定し、設定された制御アルゴリズムに基づいて、グリーン・エネルギー源からエネルギー・シンクおよび/またはエネルギー貯蔵部へのエネルギーの供給を制御するように構成される。好ましくは、さらに、空気源ヒート・ポンプがエネルギーを抽出する空気の温度の予想された下降を見込んで、加熱機構へのエネルギー入力を増加させるように構成される。
【0020】
好ましくは、グリーン・エネルギー源は、空気源ヒート・ポンプ、1つまたは複数の太陽電池を含む太陽光発電設備、および風力タービンを備える群から選択される。
好ましくは、エネルギー・シンクは、構内用の加熱設備、エネルギー貯蔵部、および温水供給システムを備える群から選択される。
【0021】
第4の態様によれば、グリーン・エネルギー源を含む家庭用加熱設備を制御する方法が提供され、この方法は、
外部ソースから気象予報データを受信し、局所気象検知機構から局所気象状態情報を受信する工程と、気象予報データと局所気象状態情報との両方に基づいて、制御アルゴリズムを設定する工程と、設定された制御アルゴリズムに基づいて、グリーン・エネルギー源から家庭用加熱設備へのエネルギーの供給を制御する工程とを備える。好ましくは、さらに、空気源ヒート・ポンプがエネルギーを抽出する空気の温度の予想された下降を見込んで、加熱機構へのエネルギー入力を増加させる工程を備える。
【0022】
次に、本開示の様々な態様の実施形態が、添付の図面を参照して単に例示として説明される。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】本発明の一態様によるシステムの概要を模式的に示す図。
図2】概ね図1に対応するが、より詳細を含む図。
図3】本発明の一態様によるシステムの詳細を模式的に示す図。
図4】本発明の一態様によるコントローラの動作を示す概略的時系列図。
図5】相変化材料と、ヒート・ポンプエネルギー源に結合された熱交換器とを含むエネルギー・バンクであって、相変化材料における潜熱として貯蔵されたエネルギー量を示す測定データを提供するための1つまたは複数のセンサを含むエネルギー・バンクを示す概略図。
図6】本開示の態様による、エネルギー・バンクを組み込んだインターフェース・ユニットの構成要素の可能な配置を示す概略図。
【発明を実施するための形態】
【0024】
図1は、本発明の一態様によるシステム100の概要を模式的に示す。システムは、グリーン・エネルギー源104と、エネルギー・シンク106と、局所気象検知機構108とに結合されたコントローラ102を含む。コントローラ102は、外部ソース110から例えば有線または無線接続を介して気象予報データを受信し、局所気象検知機構108から局所気象状態情報を受信するように構成される。システムはまた、任意選択で、グリーン・エネルギー源104と、コントローラ102と、エネルギー・シンク106とに結合されたエネルギー貯蔵部112を含む。グリーン・エネルギー源104は、例えば、風力タービン105、太陽光発電機構107、またはより好ましくは空気源ヒート・ポンプ109を含んでよい。コントローラ102は、気象予報データと局所気象状態情報との両方に基づいて、制御アルゴリズムを設定し、設定された制御アルゴリズムに基づいて、グリーン・エネルギー源からエネルギー・シンクおよび/またはエネルギー貯蔵部へのエネルギーの供給を制御するようにさらに構成される。
【0025】
図2は、概ね図1に対応するが、より詳細をいくぶん含んでいる。コントローラ102は、受信された気象予報データに基づいて制御アルゴリズムを動作させ、それは必要に応じて、局所気象検知機構108からの局所気象状態情報に基づいて調整される。制御アルゴリズム103は、グリーン・エネルギー源104から利用可能なエネルギーの量を減少させると予想される気象の局所的変化の前に、現在利用可能なエネルギーまたは利用可能になると予測されるエネルギーを使用することを意図して動作させられる。例えば、グリーン・エネルギー源が空気源ヒート・ポンプであり、局所気温が下がると予測され、および/または相対湿度が下がると予測される場合、制御アルゴリズムは、エネルギーを抽出し、この抽出されたエネルギーが後で役に立つことを見込んで、これを、エネルギー・シンク、例えば構内加熱設備に対して、および/またはエネルギー貯蔵部、例えば熱エネルギー貯蔵部に対して供給するために使用され得る。同様に、グリーン・エネルギー源が1つまたは複数の太陽電池または太陽電池アレイを備え、現在晴れているまたは実質的に晴れている空が厚い雲の覆いに置き換えられると予想される場合、制御アルゴリズムは、捕捉されたエネルギーの全部または大部分を電力網に対して供給するのではなく、エネルギー・シンク、例えば構内加熱設備、および/またはエネルギー貯蔵部、例えばバッテリやスーパーキャパシタ機構に対して供給するために、太陽電池からのエネルギーを転用するために使用され得る。グリーン・エネルギー源が1つまたは複数の風力タービンを備え、現在または間もなく風の強い日が風のない長い期間に取って代わられると予測された場合、捕捉されたエネルギーは、太陽光発電機構を参照して説明したように扱うことができる。これらの代替形態のいずれかを用いて、制御アルゴリズムは、気温の予想された下降を見込んで、構内加熱機構(エネルギー・シンク)へのエネルギー入力を増加させるように配置され得る。気温の予想により、気温の予想された下降の効果を相殺するように、構内の占有者が加熱設備の使用を開始し、および/またはその温度設定を上昇させる見込みが高くなり得る。したがって、コントローラは、低下された温度の予想された期間中に構内加熱機構が起動される/使用される/必要とされる予測された可能性に基づいて、エネルギーの供給を制御するように構成され得る。コントローラは、構内の過去の世帯行動に基づいて、および/または類似する世帯の過去の行動に基づいて、可能性を予測するように構成され得る。コントローラは、機械学習アルゴリズムを使用して、特に構内加熱機構の設定および動作から占有者の行動を学習するように構成され得る。また、コントローラは、例えば、システムのインストール/初期設定時に提供されるか、またはクラウドにおける供給者もしくは事業者のサーバから提供もしくはアップロードされる、類似する世帯の行動に関するデータを提供されてもよい。
【0026】
また、コントローラは、可能性を予測する際に、構内の占有状態または予測される占有者を考慮に入れるように構成されることが好ましい。これを行うために、コントローラは、可能性を予測する際に、構内の占有者のスケジュール活動を考慮に入れるように構成されてよく、コントローラは、任意選択で、構内の居住者のスケジュール、カレンダ、および/または予約の詳細にアクセスを有し、コントローラは「スマート・ホーム」モードで動作してもよい。また、コントローラは、セキュリティ監視システムの一部として提供され得る存在検出器、例えば、移動センサ(例えばPIRセンサ)および/もしくはドア・センサから情報を供給されてもよく、加えてまたは代わりに、構内の例えば照明回路などの起動に関する情報を提供し得る構内の電気システムからの情報を供給されてもよい。
【0027】
局所気象検知機構108を使用することにより、構内に影響を与える気象事象のより正確な予測および検出が可能となり、システムの運転においてエネルギー節約を達成する能力が高くなる。コントローラ102は、局所気象検知機構によって検出されるような構内で経験された気象と、受信された気象予報データとが、例えば時間遅延および任意選択で重大度に関してどのように異なるかを学習するように構成された、機械学習アルゴリズムを実行するように構成され得る。そのような機械学習アルゴリズムを使用して、コントローラ102は、グリーン・エネルギー源から局所的エネルギー・シンクおよび/またはエネルギー貯蔵部へのエネルギー供給を増加させることがいつ有益であり得るかについて、より良い予測を行うことが可能であり得る。
【0028】
局所気象検知機構108は、好ましくは、気温、空気の湿度、および気圧を検知するように配置される。機構108は、これらの変数の各々を検出するための別個のセンサを含んでもよいが、機構108は、統合された気象検知機構、例えば、気象検知チップに基づくことが好ましい。そのようなチップは、相対湿度、気圧、および周囲温度を測定する湿度センサを次のようにすべてについて高精度で提供するBosch Sensortec BME280統合環境ユニットとして利用可能である。湿度センサは相対湿度±3%、圧力センサは±0.25%、温度センサは0~65℃の範囲で±1℃の正確さである。BME280は、圧力、温度、および湿度の測定値を1分間に1回提供する気象監視モードを有し、これは本発明者らの目的に十分な頻度である。さらに、局所気象検知装置108は、風速および風向検知器を含んでよく、なぜならば、風向および風速は、例えば、寒冷前線の到着、通過中、および通過などを示す、現在および起こり得る差し迫った天候条件の非常に有用な指標となり得るからである。
【0029】
図3は、本発明の一態様によるシステムの詳細を模式的に示しており、これは図2に非常に密接に対応しているが、ここで、グリーン・エネルギー源は、空気源ヒート・ポンプ109であり、エネルギー・シンクは、構内加熱設備116を含み、好ましくは熱エネルギー貯蔵部を含み、理想的には、潜熱としてエネルギーを貯蔵するために相変化が使用される相変化材料を含む。
【0030】
図4は、本発明の一態様によるコントローラ102の動作を示す概略時系列図である。
400では、コントローラが外部ソースから気象予報データを受信する。コントローラは、そのようなデータを定期的に収集するように構成されてよく、またはデータがコントローラに対して定期的にプッシュされ、より好ましくは、気象の重大な変化が予想されるたびにプッシュされてよい。これらの気象予報データは、例えば、英国の気象庁のような国もしくは地域の気象機能、英国のBBCのような国もしくは地域の放送局、または他の任意の国、地域、もしくは地方の気象予報情報のプロバイダによって提供されることがあり、これらはすべて、インターネットを介してデータ・フィードを提供する。もちろん、これらの気象予報データは、データ・アグリゲータ、通信社、他の仲介者または情報源から提供されることもある。
【0031】
402では、コントローラは、例えば、BME280のようなデバイスに基づいて、局所気象検知機構から局所気象状態情報を受信する。コントローラは、そのような気象状態情報を定期的に収集するように構成されてよく、または情報がコントローラに対して定期的にプッシュもしくは他の形で供給されてよく、より好ましくは、気象における差し迫った重大な変化の1つまたは複数の徴候が検出されるたびに、そのように供給されてもよい。図では、コントローラが局所気象状態情報を受信する前に気象予報データを受信しているが、順序が逆にされ、コントローラが気象予報データを受信する前に局所気象状態情報を受信してもよい。例えば、コントローラは、局所気象状態情報を連続的に(例えば、1分間に1回、または数分間に1回)受信し処理するように配置されて、局所気象の重大な間近または瞬時の変化の指標を検出することができる。局所気象検知機構108は、局所気象状態情報を処理するように配置された処理能力を含むことができ、好ましくは含み、それにより、局所気象の重大な間近または瞬時の変化の指標を検知し、それらは通知としてコントローラ102に対して即座に渡されるか、またはコントローラ102によって定期的に読み取られる。
【0032】
404において、コントローラは、受信された気象予報データおよび受信された気象状態情報を処理して、エネルギー・シンク106へのエネルギー入力を増加させるかどうかを決定する。この決定を行う際、コントローラは、好ましくは、エネルギー・シンクに供給される余分なエネルギーが有用である予測された可能性を考慮に入れる。例えば、エネルギー・シンクが構内加熱機構を含む場合、コントローラは、好ましくは、低下された温度の予想された期間中に構内加熱機構が起動される/使用される/必要とされる可能性を予測するように構成される。この可能性を予測する際、コントローラは、好ましくは、構内の過去の世帯行動、例えば、同様の気象条件下で同じ時期または対応する時期に加熱機構が使用されたかどうか、および任意のそのような使用の性質、例えば、使用の期間、サーモスタット設定などを考慮に入れる。任意選択で、コントローラは、類似する世帯の過去の行動を考慮に入れることができ、関連するデータが、メモリ202に記憶され、任意選択で、システムの製造者/供給者/事業者に関連付けられたネットワークベースのリソースから供給/更新される。好ましくは、コントローラは、可能性を予測する際に、構内の占有状態または予測された占有状態を考慮に入れるように構成され、任意選択で、構内のドキュメントの予定された活動を考慮に入れる。コントローラ102は、例えば、「スマート・ホーム」制御システムの一部であるか、「スマート・ホーム」制御システムと統合されているか、またはセキュリティ監視システムに結合されていることがあり、これにより、占有状態および活動検知/センサが、コントローラ102が可能性を予測する際に使用するデータを提供することができる。また、コントローラは、加熱機構の設定をオーバライドするように構成されてよく、例えば、加熱機構は、後のある時点でオンにするように設定されてよく、および/または加熱機構が現在オフであるように現在の周囲よりも高い温度に設定されたサーモスタットによって制御されてもよく、コントローラは、追加のエネルギーが加熱機構に入力できるように、タイマおよび/またはサーモスタットをオーバライドしてもよい。
【0033】
処理404の結果として、状態情報を有する気象予報データに基づいて、コントローラは、開始時刻408および終了時刻410を有する気象予報ウィンドウ406を確立し得る。気象予報ウィンドウ開始時間408の前または後に実行されてよい工程412において、コントローラは、グリーン・エネルギー源104の状態をチェックする。工程414では、グリーン・エネルギー源104が状態更新をコントローラに提供する。工程416では、コントローラは、任意選択で加熱機構およびエネルギー貯蔵部(例えば、バッテリ、またはPCMに基づくエネルギー貯蔵機構)を含む、エネルギー・シンクの状態をチェックする。工程418では、エネルギー貯蔵部が状態の更新をコントローラに提供する。状態更新と、工程404で実行された処理とに基づいて、プロセッサは、工程420で第2の処理を実行して、適宜にグリーン・エネルギー源と、(任意選択で、加熱機構とエネルギー貯蔵機構の両方を含む)エネルギー・シンクとを制御する際に使用される制御パラメータを決定する。次いで、コントローラは、適宜に、422で制御命令をグリーン・エネルギー源104に対して送信し、決定された制御パラメータに基づいて、424で制御命令をエネルギー・シンクに送信する。任意選択で、グリーン・エネルギー源およびエネルギー・シンクは、工程426および428でフィードバック情報を提供する。その後、必要に応じて、コントローラは、グリーン・エネルギー源およびエネルギー・シンクに対して適切な制御指示を出し、それらからフィードバックを受け取る。
【0034】
次に、本発明の方法は、グリーン・エネルギー源が空気源ヒート・ポンプである設備に適用されるときになぜ特に魅力的であるかを考察する。寒冷前線の性質を考えてみる:寒冷前線に先立って暖かく、大気圧が高く、空気が場合によって高い相対湿度を有することがあり;寒冷前線が近づくと、大気圧が下がり始め、雲の密度が高くなり;次いで、寒冷前線が通過するとき、気圧が最低に達し、温度が急に10℃以上も下がり、雲が重くなり、大雨が降り;寒冷前線が通過した後、気圧は上昇し始めるが、気温は下がり続け、大雨はにわか雨になり、その後晴れて、雲の覆いの密度が低くなる傾向がある。明らかに、到着すると予測され得る温度よりも10℃以上高い可能性がある現在の気温を利用して、加熱設備にエネルギーを与え、および/またはエネルギー貯蔵物を充電する能力が有利である。しかし、別の非常に大きなエネルギー・ボーナスを得ることも可能であり、それは、寒冷前線(および何らかの他の気象現象)に伴って来るはるかに冷たく乾燥した空気によって置き換えられる温かい湿った空気における潜熱として貯蔵されたエネルギーである。25℃、80%R.H.の空気は空気1kgあたり約16gの水を含むのに対し、10℃、80%R.H.の空気は空気1kgあたり約6.3gの水を含むことに留意されたい。
【0035】
大気中の水蒸気含有量は0~3質量%で変化する。湿気があり湿った空気のエンタルピーは、乾燥した空気のエンタルピー(顕熱)と空気中の蒸発した水のエンタルピー(潜熱)とを含む。実際に、水の蒸発による潜熱として貯蔵されたエネルギーは顕熱として貯蔵されたエネルギーを大きく上回り、例えば、25℃、80%R.Hでは、湿り空気のエンタルピーは約66kJ/kgであり、そのうち水の蒸発による潜熱は約40kJ/kg(約60%)を占める。
【0036】
寒冷前線での空気が10℃であり、それでも80%R.H(湿り空気1kgあたり約6.3グラムの水に相当する)である場合、エンタルピーは約26kJ/kgである。より冷たい空気と比較して暖かい空気から利用可能な余分な40kJ/kgのエネルギーは、余分なエネルギーが、構内の予熱もしくは過熱および/または熱エネルギー貯蔵部の充電もしくは過充電などのような有用な目的のために使用され得るならば、ヒート・ポンプの実効効率に大きな寄与をする可能性があることが容易に理解され得る。
【0037】
図5は、熱交換器を含むエネルギー・バンク510を模式的に示し、エネルギー・バンクはエンクロージャ512を備えている。エンクロージャ512内には、(ここでは空気源ヒート・ポンプ109として示される)エネルギー源に接続するための熱交換器の入力側回路514と、(ここでは冷水供給520に接続され、1つまたは複数の出口522を含む温水供給システムとして示される)エネルギー・シンクに接続するための熱交換器の出力側回路516とがある。エンクロージャ512内には、エネルギーの貯蔵のための相変化材料がある。また、エネルギー・バンク510は、PCMの状態を示す測定値を提供するために、1つまたは複数の状態センサ524を含む。例えば、1つまたは複数の状態センサ524は、エンクロージャ内の圧力を測定するための圧力センサであってよい。エンクロージャはまた、相変化材料(PCM)内の温度を測定するための1つまたは複数の温度センサ526を含むことが好ましい。好ましいように、PCM内に複数の温度センサが設けられた場合、これらは、好ましくは、熱交換器の入力および出力回路の構造から離間され、PCMの状態の良好な「画像」を得るためにPCM内で適切に離間される。
【0038】
エネルギー・バンク510は、プロセッサ529を含む関連付けられたシステム・コントローラ102を有する。コントローラは、エネルギー・バンク510に一体化されてよいが、より典型的には別個に取り付けられる。コントローラ102は、ユーザ・インターフェース・モジュール531が、一体もしくは別個のユニットとして、またはコントローラ102を収容する本体に取り外し可能に取り付けられ得るユニットとして設けられてもよい。ユーザ・インターフェース・モジュール531は、典型的には、例えばタッチ・センシティブ・ディスプレイの形態でディスプレイ・パネルおよびキーパッドを含む。ユーザ・インターフェース・モジュール531は、コントローラ102から分離しているかまたは分離可能である場合、コントローラ102のプロセッサ529とユーザ・インターフェース・モジュールが互いに通信することを可能にする無線通信能力を含むことが好ましい。ユーザ・インターフェース・モジュール531は、システム状態情報、メッセージ、助言、および警告をユーザに対して表示し、起動および停止命令、温度設定、システム・オーバライドなどのユーザ入力およびユーザ・コマンドを受信するために使用され得る。
【0039】
状態センサは、存在する場合、温度センサ526と同様にプロセッサ102に結合される。また、プロセッサ102は、有線接続を介して、または関連付けられたトランシーバ534および536を使用して無線で、または有線接続と無線接続の両方を介して、空気源ヒート・ポンプ109内のプロセッサ/コントローラ532に結合される。このようにして、システム・コントローラ102は、開始命令および停止命令などの命令を、空気源ヒート・ポンプ109のコントローラ532に対して送信することができる。同様に、プロセッサ102は、ヒート・ポンプ109のコントローラ532から、状態更新や温度情報などの情報を受信することもできる。
【0040】
また、温水供給設備は、温水供給システム内の流れを測定する1つまたは複数の流量センサ538を含む。図示されるように、そのような流量センサは、システムへの冷水供給520上、および/または熱交換器の出力側回路18の出力間に設けられてよい。任意選択で、1つまたは複数の圧力センサが温水供給システムに含まれてもよく、圧力センサはまた、熱交換器/エネルギー・バンクの上流および/または熱交換器/エネルギー・バンクの下流に、例えば1つまたは複数の流量センサ538のうちの1つまたは複数に沿って設けられてもよい。上記の量センサまたは各流量センサ、上記の温度センサまたは各温度センサ、および上記の圧力センサまたは各圧力センサは、例えば1つまたは複数の無線送信機またはトランシーバ540を使用して、有線接続または無線接続のいずれかまたは両方で、システム・コントローラ102のプロセッサ529に結合される。様々なセンサ524、526、および538の性質に応じて、それらは、システム・コントローラ102のプロセッサ529によって問い合わせ可能であってもよい。
【0041】
電気的に制御されたサーモスタット混合弁560は、エネルギー・バンクの出口と温水供給システムの1つまたは複数の出口との間に結合され、その出口に温度センサ542を含む。追加の瞬間湯沸器570、例えば、コントローラ102によって制御される電気ヒータ(誘導性または抵抗性)は、好ましくは、エネルギー・バンクの出口と混合弁560との間の水流路に配置される。さらなる温度センサが、瞬間湯沸器570によって出力される水の温度を測定するために提供されてよく、測定値はコントローラ102に対して提供される。また、サーモスタット混合弁560が、冷水供給部540に結合され、所望の供給温度を達成するために温水と冷水を混合するようにコントローラ102によって制御可能である。
【0042】
任意選択で、図示されるように、エネルギー・バンク510は、エンクロージャ512内に電気加熱要素514を含んでよく、電気加熱要素514は、システム・コントローラ102のプロセッサ529によって制御され、エネルギー・バンクを再充電するためにヒート・ポンプ109の代替として使用される場合がある。
【0043】
プロセッサ102はまた、局所気象検知機構108に結合され、例えば有線または無線のデータ・リンクまたはフィードを介して、外部ソース110から気象予報データを受信するように構成される。
【0044】
図5は、単に概略図であって、温水供給設備へのヒート・ポンプの接続を示しているに過ぎない。世界の多くの地域では、温水だけでなく空間暖房の必要があることは理解されよう。したがって、典型的には、ヒート・ポンプ109は空間暖房にも使用される。次に、空気源ヒート・ポンプが空間暖房を提供し、温水加熱のためのエネルギー・バンクと共に動作する例示的な配置が、図6を参照して説明される。
【0045】
図6は、本開示の態様によるインターフェース・ユニット10の構成要素の可能な配置を概略的に示す。インターフェース・ユニットは、ヒート・ポンプ(この図には示されない)と建物内温水システムとの間のインターフェースをとる。インターフェース・ユニットは、エンクロージャ(別個に番号が付されていない)を備える熱交換器12を含み、熱交換器12は、エンクロージャ内に、ヒート・ポンプに接続するための、14として非常に単純化された形態で示される入力側回路と、建物内温水システム(この図には示されない)に接続するための、16として非常に単純化された形態で示される出力側回路とを備える。熱交換器12には、エネルギーの貯蔵のための蓄熱媒体を含むが、これは図には示されていない。図6を参照して次に説明される例では、蓄熱媒体は相変化性材料である。インターフェース・ユニットが前述のエネルギー・バンクに対応していることは認識されよう。特許請求の範囲を含む本明細書全体を通して、エネルギー・バンク、蓄熱媒体、エネルギー貯蔵媒体、および相変化材料への言及は、文脈により明らかに異なる要求がない限り、互換性があるとみなされるべきである。
【0046】
典型的には、熱交換器における相変化性材料は、(融解の潜熱によって貯蔵されるエネルギー量の観点で)2メガジュールと5メガジュールの間のエネルギー貯蔵容量を有するが、より多くのエネルギー貯蔵が可能であり、有用であり得る。もちろん、より少ないエネルギー貯蔵も可能であるが、一般的には、(物理的寸法、重量、コスト、および安全性に基づく実用的な制約のもとで)インターフェース・ユニット10の相変化性材料におけるエネルギー貯蔵の可能性を最大化しようとする。適切な相変化性材料およびそれらの特性ならびに寸法などについて、本明細書でさらに後で述べられる。
【0047】
入力側回路14は、ヒート・ポンプからの供給に接続するためのカップリング24を有するパイプ22から、ノード20から供給されるパイプまたは導管18に接続される。また、ノード20は、ヒート・ポンプからパイプ26へ流体を供給し、パイプ26は、家またはアパートの加熱ネットワークに接続する、例えば、床下暖房もしくはラジエータのネットワークまたは両方へ配管するように意図されたカップリング28で終端する。したがって、インターフェース・ユニット10が完全に設置され作動すると、ヒート・ポンプ(家またはアパートの外部に位置する)によって加熱された流体は、カップリング24を介してパイプ22に沿って進んでノード20に至り、ここから、流体の流れの一部はパイプ18に沿って熱交換器の入力側回路14へ進み、流体の流れの他の一部はパイプ26に沿って進んでカップリング28を通って出て家またはアパートの加熱インフラストラクチャに至る。
【0048】
ヒート・ポンプからの加熱された流体は、熱交換器の入口側回路14を通ってパイプ30に沿って熱交換器12から流れ出る。使用中、状況によっては、ヒート・ポンプからの加熱された流体によって運ばれる熱は、そのエネルギーの一部を熱交換器内の相変化材料に与え、一部を出力側回路16における水に与える。他の状況下では、後で説明されるように、熱交換器の入力側回路14を流れる流体は、相変化材料から実際に熱を獲得する。
【0049】
パイプ30は、入力側回路14を出る流体をモータ駆動3ポート弁32に供給し、次いで、弁の状態に応じてパイプ34に沿ってポンプ36に対して供給する。ポンプ36は、カップリング36を介して外部のヒート・ポンプへ流れを押し込む役割をする。
【0050】
また、モータ駆動3ポート弁32は、パイプ40から流体を受け取り、パイプ40は、カップリング42を介して、家またはアパートの加熱インフラストラクチャ(例えば、ラジエータ)から戻る流体を受け取る。
【0051】
モータ駆動3ポート弁32とポンプ36との間には、温度トランスデューサ44、流量トランスデューサ46、圧力トランスデューサ48の3つのトランスデューサが設けられている。さらに、温度トランスデューサ49が、ヒート・ポンプの出力から流体を取り入れるパイプ22において設けられている。これらのトランスデューサは、インターフェース・ユニット10における他のすべてのものと同様に、図示されていないプロセッサに動作的に接続され、またはプロセッサによってアドレス可能であり、プロセッサは、典型的にはインターフェース・ユニットの一部として設けられるが、別のモジュールに設けられてもよい。
【0052】
図6に図示されていないが、ヒート・ポンプの出力から流体を受け取るカプラ24の間の流路に、追加の電気加熱要素が設けられてもよい。この追加の電気加熱要素は、誘導加熱要素または抵抗加熱要素であってもよく、ヒート・ポンプの潜在的な故障を補償する手段として提供されるが、また、(例えば、現在のエネルギーコストに基づき、加熱および/または温水について予測される)蓄熱ユニットに対するエネルギーの追加の際に使用することも可能である。当然ながら、追加の電気加熱要素もシステムのプロセッサによって制御可能である。
【0053】
また、パイプ34には拡張容器50が接続されており、膨張容器50には弁52が接続されており、それにより、充填ループが加熱回路における流体を補充するように接続されている。また、インターフェース・ユニットの加熱回路の一部として、ノード20と入力側回路14との間の圧力リリーフ弁54、およびカップリング42と3ポート弁32との間の(粒子状汚染物質を捕捉する)ストレーナ56が示されている。
【0054】
また、熱交換器12には、少なくとも1つの温度トランスデューサ58と、圧力トランスデューサ60とを含む、いくつかのトランスデューサが設けられ、温度トランスデューサ58は、図示されるように、より多くのもの(例えば、最大4つ以上)が設けられることが好ましい。図示されている例では、熱交換器は、相変化材料内に均一に分布する4つの温度トランスデューサを含み、それにより、温度変化が決定され得る(したがって、相変化材料のバルク全体にわたる状態に関する知識が得られる)。そのような配置は、追加熱伝達配置を最適化することを含めて、熱交換器の設計を最適化する手段として、設計/実装段階で特に有益であり得る。しかし、複数のセンサを有することにより、プロセッサおよびプロセッサにより採用された機械学習アルゴリズム(インターフェース・ユニットのみ、および/またはインターフェース・ユニットを含むシステムのプロセッサのいずれか)に対して有用な情報を提供できるため、そのような配置は、配備されたシステムにおいても引き続き有益であり得る。
【0055】
ここで、インターフェース・ユニット10の冷水供給および温水回路の配置について説明する。カップリング62は、給水主管からの冷水に接続するために設けられている。典型的には、給水主管からの水がインターフェース・ユニット10に到達する前に、水はアンチサイフォン逆止弁を通過して、その圧力を低下し得る。カップリング62から、冷水がパイプに沿って熱交換器12の出力側回路16に進む。我々がインターフェース・ユニット内の多数のセンサを監視するプロセッサを提供すると仮定すると、同じプロセッサに対して任意選択でもう1つタスクが与えられ得る。それは、給水主管から冷水が送達される圧力を監視するためである。この目的のために、さらなる圧力センサが、カップリング62の上流で、特に構内における任意の減圧機構の上流で、冷水供給ラインに導入され得る。すると、プロセッサは、供給された水の圧力を連続的または定期的に監視することができ、さらに、給水主管が法定最低圧力未満で水を供給する場合は、水供給会社に補償を求めるように所有者/ユーザに促すこともできる。
【0056】
出力側回路16からの水は、熱交換器を通過して加熱済みとなり得るものであり、パイプ66に沿って電気加熱ユニット68に進む。電気加熱ユニット68は、前述のプロセッサの制御下にあり、プロセッサからの命令に従って熱出力が変調され得る抵抗または誘導加熱機構を備え得る。
【0057】
プロセッサは、相変化材料の状態およびヒート・ポンプの状態に関する情報に基づいて、電気ヒータを制御するように構成される。
典型的には、電気加熱ユニット68は、10kW以下の電力定格を有するが、状況によっては、より強力なヒータ、例えば12kWが提供され得る。
【0058】
次に、電気ヒータ68から、温水がパイプ70に沿ってカップリング74に進み、カップリング74には、家またはアパートの蛇口やシャワーなどの制御可能な出口を含む温水回路が接続される。
【0059】
温度トランスデューサ76は、電気ヒータ68の後に、例えば、電気ヒータ68の出口に設けられて、温水システムの出口における水温に関する情報を提供する。圧力リリーフ弁77も温水供給部に設けられており、これは電気ヒータ68と出口温度トランスデューサ76との間に配置されるように示されているが、正確な位置は重要ではなく、実際、図6に示された構成要素の多くの場合と同様である。
【0060】
また、温水供給ラインのどこかに圧力トランスデューサ79および流量トランスデューサ81があり、これらのいずれも、温水を求める要求を検出するためにプロセッサによって使用でき、すなわち、蛇口またはシャワーのような制御可能な出口の開放を検出することができる。流量トランスデューサは、好ましくは、可動部品を含まずに、例えば、音波式流量検出または磁気式流量検出に基づく。次いで、プロセッサは、その記憶されたロジックと共に、これらのトランスデューサの一方または両方からの情報を使用して、ヒート・ポンプに対して始動するように信号を送信するかどうかを決定することができる。
【0061】
プロセッサは、空間暖房に対する需要に基づいて(例えば、プロセッサ内もしくは外部コントローラ内の記憶されたプログラムに基づいて、および/または1つもしくは複数のサーモスタット、例えば、室内スタット、外部スタット、床下暖房スタットからの信号に基づいて)、または温水に対する需要に基づいて、ヒート・ポンプを始動するように呼び出すことができることが理解されよう。ヒート・ポンプの制御は、単純なオン/オフのコマンドの形態であってよいが、追加的または代替的に、(例えば、ModBusを使用する)変調の形態であってもよい。
【0062】
インターフェース・ユニットの加熱回路の場合と同様に、冷水供給パイプ64に沿って、温度トランスデューサ78、流量トランスデューサ80、および圧力トランスデューサ82の3つのトランスデューサが設けられている。また、別の温度トランスデューサ84が、熱交換器12の出力側回路16の出口と電気ヒータ68との間でパイプ66に設けられている。同様に、これらのトランスデューサはすべて、前述のプロセッサに動作的に接続され、または前述のプロセッサによってアドレス可能である。
【0063】
また、冷水供給ライン64上には、磁気または電気整水器86、モータ駆動および変調可能弁88(これは、すべてのモータ駆動弁と同様に、前述のプロセッサによって制御され得る)、逆止弁90、ならびに膨張容器92が示されている。変調可能弁88は、冷水の流れを調節して、(例えば、温度トランスデューサ76によって測定される)温水の所望の温度を維持するように制御され得る。
【0064】
弁94および96はまた、それぞれ冷水および加熱水を貯蔵するための外部貯蔵タンクへの接続のために設けられている。最後に、二重逆止弁98が冷供給パイプ64を別の弁100に接続し、これは、より多くの水または水と腐食防止剤との混合物を加熱回路に充填するために前述の弁52に接続する充填ループと共に使用され得る。
【0065】
図6は、様々な交差するパイプを示しているが、これらの交差がノード20のようにノードとして示されない限り、交差として示される2つのパイプは、前述の図の説明からここで明らかなように、相互に連絡しないことに留意されたい。
【0066】
図6には示されないが、熱交換器12は、熱を蓄熱媒体に入れるように構成された1つまたは複数の追加の電気加熱要素を含んでよい。これは直感に反するように見え得るが、次に説明されるように、そうすることが経済的に意味のあるときに、それは蓄熱媒体を予め充電するために電気エネルギーを使用することを可能にする。
【0067】
エネルギー供給企業が、需要の増加または減少の時間を考慮に入れ、需要と供給の能力のより良いバランスをとるために顧客行動を形成するのを助けるために、電力の単位コストが時刻に応じて変化するような料金を有することは、長い間、エネルギー供給企業の慣行であった。歴史的には、料金プランは発電と消費の両方の技術を反映して、かなり粗いものであった。しかし、太陽光発電(太陽電池、太陽光発電パネル、太陽光発電企業など)や風力発電などの電力の再生可能エネルギー源が諸国の発電構造にますます組み込まれることにより、エネルギーのより動的な価格設定が進展している。この手法は、そのような天候に依存した発電に固有の変動性を反映している。そのような動的な価格設定は、当初は大規模なユーザに限定されていたが、ますます動的な価格設定が国内消費者に提供されるようになっている。
【0068】
価格設定のダイナミズムの度合いは、国によって、また所定の国内の異なる生産者の間で異なる。ある極端な例では、「動的」価格設定は、1日の異なる時間枠で異なる料金を提供することに過ぎず、そのような料金は、週、月または季節について変動なしに適用される場合がある。しかし、いくつかの動的な価格設定の方式では、供給者が1日前またはそれ未満の通知で価格を変更することを可能にし、したがって、例えば、顧客には明日の30分の時間帯の価格を今日提示することができる。いくつかの国では、6分という短い時間帯が提示されており、エネルギー消費機器に「インテリジェンス」を含めることにより、間近の料金を消費者に通知するリードタイムがさらに短縮できると考えられる。
【0069】
太陽光および風力発電設備によって生成されるであろうエネルギーの量と、暖房および冷房のための電力需要の見込まれる規模との両方を予測するために、短期および中期の気象予測を用いることが可能であるため、極端な需要の期間を予測することが可能になる。生成可能発電容量が大きい発電会社の中には、電力に負の料金を課すことが知られているところもあり、文字通り、余剰電力を使用するために顧客に料金を支払っている。より多くの場合、電力が通常の料金と比べてわずかの料金で提供されることがある。
【0070】
本開示によるシステムの熱交換器のようなエネルギー貯蔵ユニットに電気ヒータを組み込むことによって、消費者は、低コストの供給の期間を利用し、エネルギー価格が高いときに電力への依存を減らすことが可能となる。これは個々の消費者に利益をもたらすだけでなく、化石燃料の燃焼によって過剰な需要を満たさなければならないときに需要を減らすことができるため、より一般的に有益である。
【0071】
インターフェース・ユニットのプロセッサは、インターネットなどのデータ・ネットワークに対する有線または無線(またはその両方)の接続を有し、プロセッサがエネルギー供給者から動的価格設定情報を受信することを可能にする。プロセッサはまた、ヒート・ポンプに対して命令を送信し、ヒート・ポンプから情報(例えば、状態情報および温度情報)を受信するために、ヒート・ポンプへのデータ・リンク接続(例えば、ModBus)を有することが好ましい。プロセッサは、それ*が世帯の行動を学習することを可能にするロジックを有し、これと動的価格設定情報を用いて、プロセッサは、安い電力を使用して暖房システムをプリチャージするかどうか、およびそれをいつするかを決定することができる。これは、熱交換器内の電気素子を使用してエネルギー貯蔵媒体を加熱することによって可能であるが、代わりに、ヒート・ポンプを通常よりも高い温度、例えば、摂氏40度と48度の間ではなく摂氏60度に駆動することによっても可能である。ヒート・ポンプの効率は、より高い温度で動作すると低下するが、これは、より安い電気をいつどのように使用するのが最適かを決定する際にプロセッサによって考慮され得る。
【0072】
*システム・プロセッサは、インターネットおよび/またはプロバイダのイントラネットのようなデータ・ネットワークに接続可能であるため、ローカル・システム・プロセッサは、外部計算能力から利益を得ることができる。したがって、例えば、インターフェース・ユニットの製造者は、クラウド・プレゼンス(またはイントラネット)を有する可能性が高く、ここで、コンピューティング能力は、例えば、予測される以下のものの計算のために提供される:
占有;活動;料金(短期/長期);天気予報(それらは、ローカル・プロセッサで簡単に使用されるように前処理されることが可能であり、インターフェース・ユニットが設置された物件の状況、場所、露出に合わせてかなり調整されることが可能であるので、一般に利用可能な天気予報よりも好ましくなり得る);偽陽性および/または偽陰性の識別。
【0073】
温水供給システムからの過熱水による火傷のリスクからユーザを保護するために、火傷防止機能を提供することが賢明である。これは、熱交換器の出力回路から温水が出るときに温水に冷水供給部からの冷水を混合するための電気的に制御可能な(変調可能な)弁(図5の弁560など)を提供する形態をとり得る。
【0074】
図6は、インターフェース・ユニットの「中身」と考えられるものを模式的に示しているが、これらの「中身」の容器は示されていない。本開示によるインターフェース・ユニットの重要な用途は、ガス焚きコンビネーション・ボイラーを以前に備えていた(または他のやり方でそのようなボイラーを有し得る)住居の空間暖房および温水要件に実際的に寄与するものとしてヒート・ポンプが使用されることを可能にする手段としてのものであり、従来のコンビ・ボイラーと同様に美観と安全性の両方のための容器を提供することがしばしば便利であることは理解されよう。さらに、好ましくは、そのような容器は、コンビ・ボイラーの直接交換を可能にするフォーム・ファクタに収まるような寸法にされ、コンビ・ボイラーは、典型的には、壁に取り付けられ、しばしばキッチンにあってキッチン・キャビネットと同じ場所にある。高さ、幅、および奥行きを有する概ね直方体の形状に基づいて(しかし、当然ながら、美観、人間工学、または安全性のために、容器の表面のいずれかまたはすべてに曲面が使用されてもよい)、適切なサイズは、高さ650mm~800mm、幅350mm~550mm、奥行き260mm~420mmというおおよその範囲に見出されてよく、例えば、高さ800mm、幅500mm、奥行き400mmとなる。
【0075】
ガス・コンビ・ボイラーに関する開示によるインターフェース・ユニットの一つの注目すべき特徴は、後者の容器は一般に、高温燃焼室の存在により、鋼のような不燃性材料で作られる必要があるが、インターフェース・ユニットの内部温度は一般に、摂氏100度よりかなり低く、典型的には摂氏70℃未満、しばしば摂氏60℃未満であることである。したがって、インターフェース・ユニットのための容器を作製する際に、木、竹、または紙のような可燃性材料を使用することが実際的となる。
【0076】
燃焼がなければ、一般にガス・コンビ・ボイラーの設置に適さないと考えられる場所にインターフェース・ユニットを設置する可能性も開き、もちろん、ガス・コンビ・ボイラーとは異なり、開示に従うインターフェース・ユニットは、排ガスのための煙道を必要としない。したがって、例えば、台所の調理台の下に設置するためのインターフェース・ユニットを構成し、カウンター下隅で表される悪名高いデッドスポットを利用することも可能になる。そのような場所に設置するために、インターフェース・ユニットは、好ましくは台所キャビネットの製造者との協力を通して、カウンター下の食器棚に実際に統合してよい。しかし、展開のための最大の柔軟性は、何らかの形態のキャビネットの後に効果的に位置するインターフェース・ユニットを有し、キャビネットがインターフェース・ユニットへのアクセスを可能にするように構成されることによって維持されるであろう。次いで、好ましくは、インターフェース・ユニットは、循環ポンプ36が入力側回路の流路から分離される前に、循環ポンプ36が熱交換器12から滑り出され離れることを可能にするように構成される。
【0077】
また、装備された台所で頻繁に浪費される他のスペース、すなわちカウンター下の食器棚の下のスペースを利用することも考慮され得る。幅300、400、500、600mm以上、高さ150mm超、深さ600mm程度のスペースがあることが多い(しかし、キャビネットを支える脚のために余裕を作る必要がある)。特に新しい設置の場合、または台所の改修と共にコンビ・ボイラーが交換される場合、少なくともインターフェース・ユニットの熱交換器を収容するために、または所定のインターフェース・ユニットに複数の熱交換器ユニットを使用するために、これらのスペースを使用することは理にかなっている。
【0078】
特に、壁取付けのために設計されたインターフェース・ユニットについては、インターフェース・ユニットの用途が何であれ潜在的に有益であるが、インターフェース・ユニットを複数のモジュールとして設計することがしばしば望ましい。そのような設計では、相変化材料の存在により、熱交換器単体の重量が25kgを超える可能性があるため、モジュールの1つとして熱交換器を有することが便利であり得る。衛生および安全の理由から、また一人での設置を容易にするために、インターフェース・ユニットが、重量が約25kgを超えないモジュールのセットとして提供できることを保証することが望ましい。
【0079】
そのような重量制約は、モジュールの1つを、インターフェース・ユニットを構造に取り付けるためのシャーシにすることによって対応され得る。例えば、インターフェース・ユニットが既存のガス・コンビ・ボイラーの代わりに壁に取り付けられる場合、他のモジュールを支持するシャーシを最初に壁に固定できれば便利であり得る。好ましくは、シャーシは、交換されるコンビ・ボイラーを支持するために使用される既存の固定点の位置と連動するように設計される。これは、一般的なガス・コンビ・ボイラーの間隔および位置に応じて予め形成された固定穴を有する「ユニバーサル」シャーシを提供することで行われ得る。あるいは、各々が特定の製造者のボイラーの位置/サイズ/間隔に適合する穴の位置/サイズ/間隔を有する一定のシャーシを製造することで費用対効果が高くなり得る。次いで、該当する製造者のボイラーを交換するために適切なシャーシを指定するだけでよい。この手法には複数の利点があり、固定ボルトのためのプラグ用の穴をさらに開ける必要がなくなり、目印を付け、穴を開け、清掃するのに必要な時間がなくなるだけでなく、設置が行われる住居の構造をさらに弱める必要がなくなり、このことは、「スターター・ホーム」および他の低コスト住宅で頻繁に使用される低コストの建設技術および材料では、重要な考慮事項となり得る。
【0080】
好ましくは、熱交換器モジュールとシャーシ・モジュールは互いに結合するように構成される。このようにして、分離可能な固定の必要性をなくすことができ、ここでも設置時間を節約することができる。
【0081】
好ましくは、追加のモジュールは、熱交換器12の出力側回路16を建物内温水システムに結合するための第1の相互接続部、例えば、62および74を含む。好ましくは、追加のモジュールは、熱交換器12の入力側回路14をヒート・ポンプに結合するための第2の相互接続部、例えば、38および24を含む。好ましくは、追加モジュールはまた、インターフェース・ユニットが使用される構内の熱回路にインターフェース・ユニットを結合するための第3の相互接続部、例えば42および28を含む。熱交換器は、最初にシャーシに接続部を取り付けるのではなく、それ自体が壁に直接接続されたシャーシに取り付けることによって、熱交換器の重みが壁のより近くに維持され、インターフェース・ユニットを壁に固定する壁固定具に対するカンチレバー負荷効果が低減されることが理解されるであろう。
相変化材料
相変化材料の1つの適切なクラスは、家庭用温水供給のための、およびヒート・ポンプと組み合わせて使用するための、該当温度で固液相変化をするパラフィン・ワックスである。特に興味深いのは、摂氏40度から60度の範囲の温度で融解するパラフィン・ワックスであり、この範囲内では、特定の用途に適するような異なる温度で融解するワックスが見出され得る。典型的な潜熱容量は、約180kJ/kgと230kJ/kgの間であり、比熱容量はおそらく、液相で2.27Jg-1-1、固相で2.1Jg-1-1である。非常に大きなエネルギーが、融解の潜熱を使用して貯蔵され得ることが分かる。相変化液を融点より高く加熱することによって、より多くのエネルギーが貯蔵され得る。例えば、電力コストが比較的低く、温水の必要性が間もなくあることが予測できる場合(電気が、おそらく、よりコストがかかる可能性が高く、またはよりコストがかかるようになることが知られているとき)、通常よりも高い温度でヒート・ポンプを運転して熱エネルギー貯蔵を「過熱」することは理にかなうことがある。
【0082】
ワックスの適切な選択は、n-トリコサンC23、またはパラフィンC20~C33のような、摂氏約48℃で融点を有するものであり得る。熱交換器(ヒート・ポンプから供給される液体と熱交換器内の相変化材料との間)を横切って標準的な3Kの温度差を適用すると、ヒート・ポンプ液体温度が摂氏約51度となる。また、出力側でも同様に、3Kの温度低下を可能にして、一般的家庭用温水として満足できる摂氏45度の水温に到達し、これは、台所の蛇口には十分であるが、シャワー/バスルーム蛇口には若干高い可能性があるが、常に冷水を流れに加えて水温を下げることができることは明らかである。もちろん、世帯がより低い温水温度を受け入れるように訓練された場合、または他の何らかの理由で受け入れられる場合は、より低い融点を有する相変化材料が検討される可能性があるが、一般的には、45度から50度の範囲の相転移温度が良好な選択である可能性が高い。当然ながら、そのような温度で水を貯蔵することによるレジオネラ菌のリスクは考慮したいところであり、前述の消毒技術は、このリスクが管理され得る手段を提供している。
【0083】
ヒート・ポンプ(例えば、地熱源または空気源ヒート・ポンプ)は、最高摂氏60度の動作温度を有する(ただし、冷媒としてプロパンを使用することにより、最高摂氏72度の動作温度が可能である)が、摂氏45度から50度の範囲の温度で運転すると、それらの効率ははるかに高くなる傾向がある。したがって、ここで、摂氏48度の相転移温度からの摂氏51度は満足できるものと思われる。
【0084】
ヒート・ポンプの温度性能も考慮する必要がある。一般に、最大ΔT(ヒート・ポンプによって加熱される流体の入力温度と出力温度との差)は、好ましくは摂氏5~7度の範囲に維持されるが、10度にもなる可能性がある。
【0085】
パラフィン・ワックスは、エネルギー貯蔵媒体として使用するための好ましい材料であるが、それらは唯一の適切な材料ではない。塩水和物も、本発明におけるような潜熱エネルギー貯蔵システムに適している。この文脈での塩水和物は、無機塩と水の混合物であり、相変化では、その水の全部または大部分が失われる。相転移では、水和結晶は、無水(またはそれ未満の水性)塩と水に分けられる。塩水和物の利点は、それらがパラフィン・ワックスよりもはるかに高い(2倍から5倍高い)熱伝導率を有し、相転移に伴う体積変化がはるかに小さいことである。本出願に適した塩水和物は、Na・5HOであり、これは、融点が摂氏約48度から49度であり、潜熱が200/220kJ/kgである。
【0086】
単純にエネルギー貯蔵の観点から、摂氏40~50度の範囲を大きく上回る相転移温度を有するPCMを使用することも考慮され得る。例えば、パラフィン・ワックスは、以下のような広範囲の融点で利用可能なワックスである:
摂氏約40度の融点を有するn-ヘニコサンC24
摂氏約44.5度の融点を有するn-ドコサンC21
摂氏約52度の融点を有するn-テトラコサンC23
摂氏約54度の融点を有するn-ペンタコサンC25
摂氏約56.5度の融点を有するn-ヘキサコサンC26
摂氏約59度の融点を有するn-ヘプタコサンC27
摂氏約64.5度の融点を有するn-オクタコサンC28
摂氏約65度の融点を有するn-ノナコサンC29
摂氏約66度の融点を有するn-トリアコンタン(n-triacosane)C30
摂氏約67度の融点を有するn-ヘントリアコンタン(n-hentriacosane)C31
摂氏約69度の融点を有するn-ドトリアコンタン(n-dotriacosane)C32
摂氏約71度の融点を有するn-トリトリアコンタン(n-triatriacosane)C33
摂氏約58~60度の融点を有するパラフィンC22~C45
摂氏約66~68度の融点を有するパラフィンC21~C50
摂氏約69~71度の融点を有するRT70HC。
【0087】
代替的には、摂氏約58度の融点および226/265kJ/kgの潜熱を有するCHCOONa・3HOなどの塩水和物を使用し得る。
これまで、熱エネルギー貯蔵は、主に、1つまたは複数のコイルまたはループの形態のそれぞれ入力および出力回路を有する熱交換器内の相変化材料の単一の塊を有するものとして説明されてきた。しかし、熱伝達率の観点で、例えば、複数の密封体(例えば、出力回路(好ましくは、(家庭用)温水システムのための温水を提供するために使用される)が熱を抽出する熱伝達液体によって囲まれた、例えば、金属(例えば、銅または銅合金)シリンダ(または他の細長い形態))に相変化材料を封入することも有益であり得る。
【0088】
そのような構成では、熱伝達液体は熱交換器内に密封されてよく、より好ましくは、熱伝達液体はエネルギー貯蔵部を流れてもよく、エネルギー貯蔵部内の入力熱伝達コイルの使用なしに、グリーン・エネルギー源(例えばヒート・ポンプ)からの熱を伝達する熱伝達液体であってもよい。このようにして、入力回路は、コイルまたは他の通常の導管に限定されることなく、熱伝達液体が熱交換器を自由に通過するように、1つ(またはより一般的には複数)の入口および1つまたは複数の出口によって単純に提供されてよく、熱伝達液体は、熱を封入されたPCMに伝達し、または封入されたPCMから伝達し、次いで出力回路(したがって、出力回路内の水)に伝達する。このようにして、入力回路は、熱伝達液体のための1つまたは複数の入口および1つまたは複数の出口、ならびに封入されたPCMを通過しエネルギー貯蔵部内を通る自由形状の経路によって規定される。
【0089】
好ましくは、PCMは、管の入口から出口への経路上で、または入力コイルが使用される場合には熱エネルギー貯蔵部内に設けられた1つもしくは複数のインペラによって誘導されるように、パイプ上を横方向に(またはパイプもしくは他の封入エンクロージャの長さに対して横方向に)流れるように好ましくは配置された熱伝達流体を有する1つまたは複数の離間された配列(例えば、各列が複数の離間されたパイプを含む、パイプの千鳥列など)に配置された複数の細長い閉端パイプに封入される。
【0090】
任意選択で、出力回路は、エネルギー貯蔵部の上部に配置され、封入されたPCMにわたりその上に配置されてもよく、その容器は、水平に配置され、入力ループもしくはコイルの上部に配置されてもよく(したがって、対流がエネルギー貯蔵部を介して上方へのエネルギー伝達を支持する)、または封入されたPCMに対する、もしくは任意選択で情報の出力回路に向かう熱伝達液体が進入する入口方向に配置されてもよい。1つまたは複数のインペラが使用される場合、エネルギー貯蔵部のエンクロージャの完全性が損なわれないように、そのインペラまたは各インペラは、外部に取り付けられたモータに磁気的に結合されることが好ましい。
【0091】
任意選択で、PCMは、典型的には円形断面の細長いチューブに封入されてよく、その公称外径は、20mmから67mmの範囲、例えば、22mm、28mm、35mm、42mm、54mm、または67mmであり、これらのチューブは、典型的には、配管用途に適した銅で形成される。好ましくは、パイプの外径は、22mmと54mmの間、例えば、28mmと42mmの間である。
【0092】
熱伝達液体は、好ましくは、水または水性液体、例えば、流動添加剤、腐食防止剤、凍結防止剤、殺生物剤のうちの1つまたは複数の混合された水であり、水で適切に希釈されたセントラルヒーティングシステムで使用するように設計されたタイプの阻害剤、例えば、Sentinel X100またはFernox F1(両方ともRTM)を備え得る。
【0093】
したがって、本出願の明細書および請求の範囲を通して、文脈で明らかに異なる要求がない限り、入力回路という表現は、上述されたような配置を含み、入力回路の入力からその出力への液体の流れの経路は、通常の導管によって規定されず、むしろ、実質的に自由にエネルギー貯蔵部のエンクロージャ内を流れる液体を含むと解釈されるべきである。
【0094】
PCMは、円形またはほぼ円形の断面の複数の細長い円筒に封入されてよく、円筒は、好ましくは、1つまたは複数の列に間隔を置いて配置される。好ましくは、隣接する列の円筒は、熱伝達液体からの熱伝達および熱伝達液体への熱伝達を促進するために、互いに対してオフセットされる。任意選択で、入力マニホールドによって供給される封入体に向かって封入体上に熱伝達液体を導く、複数の入力ノズルの形態であり得る1つまたは複数の入力ポートによって、封入体に関する空間へ熱伝達液体が導入される入力機構が提供される。それらの出口のノズルのボアは、断面が概ね円形であってよく、または封入されたPCMに対して熱をより効果的に伝達する液体のジェットもしくはストリームを生成するように細長くてもよい。マニホールドは、流量を増加させ、圧力損失を低減させる目的で、一端または両端から供給され得る。
【0095】
熱伝達液体は、グリーン・エネルギー源(例えば、ヒート・ポンプもしくは太陽温水システム)のポンプもしくは別のシステムのポンプの作用の結果として、エネルギー貯蔵部12に送り込まれてよく、または熱エネルギー貯蔵部がそれ自体のポンプを含んでもよい。入力回路の1つまたは複数の出口にあるエネルギー貯蔵部から出た後、熱伝達液体は、エネルギー源(例えば、ヒート・ポンプ)に直接戻ってもよく、または、1つもしくは複数の弁の使用を介して、まず加熱設備(例えば、床下暖房、ラジエータ、もしくは他の何らかの形態の空間暖房)に進み、その後にグリーン・エネルギー源に戻るように切り替え可能であってよい。
【0096】
封入体は水平に配設され、出力回路のコイルが封入体上にわたり配置され得る。これは多くの可能な配置および配向のうちの1つに過ぎないことが理解されよう。封入体が垂直に配置された状態で同じ配置が同様に行われてもよい。
【0097】
代替的には、PCM封入を使用するエネルギー貯蔵部が、先に説明されたような円筒形の細長い封入体をここでも使用できるが、この場合、導管の形状、例えばコイルの形状の入力回路を有する。封入体は、それらの長軸が垂直に配設された状態で配置され、入力コイル14および出力コイル18がエネルギー貯蔵部12の両側に配設され得る。しかし、この配置は代替的配向で使用されてもよく、例えば、入力回路が底部にあり、出力回路が上部にあり、封入体がそれらの長軸を水平に配置される。好ましくは、1つまたは複数のインペラが、エネルギー貯蔵部12内に配置され、エネルギー伝達液体を入力コイル14の周囲から封入体に向けて推進する。そのインペラまたは各インペラは、好ましくは、磁気駆動システムを介して外部に取り付けられた駆動ユニット(例えば、電気モータ)に結合され、その結果、エネルギー貯蔵部12のエンクロージャは、駆動シャフトを受け入れるために穿孔される必要がなくなり、それにより、そのようなシャフトがエンクロージャに入る場合の漏れのリスクを低減する。
【0098】
PCMが封入されているという事実によって、エネルギー貯蔵のために複数の相変化材料を使用するエネルギー貯蔵部を構築することが容易に可能となり、特に、異なる遷移(例えば融解)温度を有するPCMが組み合わされることが可能であるエネルギー貯蔵ユニットの作成を可能とし、それにより、エネルギー貯蔵部の動作温度を拡張する。
【0099】
ここで説明されたタイプの実施形態において、エネルギー貯蔵部12は、熱伝達液体(例えば、水または水/阻害剤溶液)と組み合わせて潜熱としてエネルギーを貯蔵するように1つまたは複数の相変化材料を含有することが理解されよう。
【0100】
相変化材料の相変化によって引き起こされる圧力の増加に応じて体積を減少させ、相変化材料の逆相変化によって引き起こされる圧力の減少に応じて再び膨張させるように構成された複数の弾性体は、好ましくは、封入体内の相変化材料を提供される(それらは、本明細書の他の箇所に説明されているように、「バルク」PCMを使用するエネルギー・バンク内で使用されてもよい)。
図1
図2
図3
図4
図5
図6