(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-26
(45)【発行日】2025-01-10
(54)【発明の名称】光走査装置及びセンサ装置
(51)【国際特許分類】
G02B 26/10 20060101AFI20241227BHJP
G02B 26/08 20060101ALI20241227BHJP
B81B 3/00 20060101ALI20241227BHJP
G01S 7/481 20060101ALN20241227BHJP
【FI】
G02B26/10 104Z
G02B26/08 E
B81B3/00
G01S7/481 A
(21)【出願番号】P 2023550909
(86)(22)【出願日】2021-09-30
(86)【国際出願番号】 JP2021036138
(87)【国際公開番号】W WO2023053342
(87)【国際公開日】2023-04-06
【審査請求日】2024-02-15
(73)【特許権者】
【識別番号】000005016
【氏名又は名称】パイオニア株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】520001073
【氏名又は名称】パイオニアスマートセンシングイノベーションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100110928
【氏名又は名称】速水 進治
(74)【代理人】
【識別番号】100127236
【氏名又は名称】天城 聡
(72)【発明者】
【氏名】黒木 英治
【審査官】近藤 幸浩
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-045335(JP,A)
【文献】国際公開第2014/097683(WO,A1)
【文献】特開2004-205836(JP,A)
【文献】特開2017-134384(JP,A)
【文献】特開2012-145910(JP,A)
【文献】特開2011-133745(JP,A)
【文献】特開2010-266508(JP,A)
【文献】特開2020-187235(JP,A)
【文献】国際公開第2019/208375(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 26/10
G02B 26/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
可動反射体と、
前記可動反射体を囲む領域の少なくとも一部分に位置する金属製の第1枠体と、
前記可動反射体と前記第1枠体とに接続された金属製の
一対の第1トーションバーと、
前記第1枠体の少なくとも一部分に設けられた第1樹脂体と、
第1発光素子と、
を備え
、
前記可動反射体は、反射体、金属製の第1支持部、金属製の第2支持部及び樹脂ステージを有しており、
前記一対の第1トーションバーは、第1バーおよび第2バーを有しており、
前記第1支持部は、前記第1バーの端部に接続されており、
前記第2支持部は、前記第2バーの端部に接続されており、
前記第1支持部と前記第2支持部とは直接繋がっておらず、前記樹脂ステージによって物理的に結合されており、
前記第1発光素子のアノード及びカソードの一方は、前記第1支持部を介して前記第1バーの少なくとも一部分に電気的に接続されており、
前記第1発光素子のアノード及びカソードの他方は、前記第2支持部を介して前記第2バーの少なくとも一部分に電気的に接続されている
光走査装置。
【請求項2】
可動反射体と、
前記可動反射体を囲む領域の少なくとも一部分に位置する金属製の第1枠体と、
前記可動反射体と前記第1枠体とに接続された金属製の一対の第1トーションバーと、
前記第1枠体の少なくとも一部分に設けられた第1樹脂体と、
を備え、
前記可動反射体は、反射体、金属製の第1支持部、金属製の第2支持部及び樹脂ステージを有しており、
前記一対の第1トーションバーは、第1バーおよび第2バーを有しており、
前記第1支持部は、前記第1バーの端部に接続されており、
前記第2支持部は、前記第2バーの端部に接続されており、
前記第1支持部と前記第2支持部とは直接繋がっておらず、前記樹脂ステージによって物理的に結合されており、
前記樹脂ステージに前記反射体が載置されている
光走査装置。
【請求項3】
可動反射体と、
前記可動反射体を囲む領域の少なくとも一部分に位置する金属製の第1枠体と、
前記可動反射体と前記第1枠体とに接続された金属製の第1トーションバーと、
前記第1枠体の少なくとも一部分に設けられた第1樹脂体と、
を備え、
前記第1樹脂体を形成する樹脂のウエルドが、前記第1枠体のうち前記第1トーションバーに接続された部分と異なる部分に形成されている、光走査装置。
【請求項4】
可動反射体と、
前記可動反射体を囲む領域の少なくとも一部分に位置する金属製の第1枠体と、
前記可動反射体と前記第1枠体とに接続された金属製の第1トーションバーと、
前記第1枠体の少なくとも一部分に設けられた第1樹脂体と、
を備え、
前記第1樹脂体のうち前記第1枠体の曲率が変化する部分における樹脂の量が、前記第1樹脂体のうち前記第1枠体の前記部分の周辺における樹脂の量より多くなっている、光走査装置。
【請求項5】
可動反射体と、
前記可動反射体を囲む領域の少なくとも一部分に位置する金属製の第1枠体と、
前記可動反射体と前記第1枠体とに接続された金属製の第1トーションバーと、
前記第1枠体の少なくとも一部分に設けられた第1樹脂体と、
を備え、
前記第1樹脂体のうち前記第1枠体と前記第1トーションバーとの接続部における樹脂の量が、前記第1樹脂体のうち前記接続部の周辺における樹脂の量より多くなっている、光走査装置。
【請求項6】
可動反射体と、
前記可動反射体を囲む領域の少なくとも一部分に位置する金属製の第1枠体と、
前記可動反射体と前記第1枠体とに接続された金属製の第1トーションバーと、
前記第1枠体の少なくとも一部分に設けられた第1樹脂体と、
を備え、
前記第1樹脂体のうち前記第1枠体と重ならない部分の表面に少なくとも1つの穴が設けられている、光走査装置。
【請求項7】
可動反射体と、
前記可動反射体を囲む領域の少なくとも一部分に位置する金属製の第1枠体と、
前記可動反射体と前記第1枠体とに接続された金属製の第1トーションバーと、
前記第1枠体の少なくとも一部分に設けられた第1樹脂体と、
を備え、
前記第1枠体に取り付けられた永久磁石をさらに備え、
前記第1枠体の回転軸に平行な方向における前記永久磁石の幅が、前記第1枠体のうち前記永久磁石が取り付けられた部分の前記第1枠体の回転軸に平行な方向における幅の95%以上105%以下である、光走査装置。
【請求項8】
請求項1
~7のいずれか一項に記載の光走査装置において、
前記第1枠体を囲む領域の少なくとも一部分に位置する金属製の第2枠体と、
前記第1枠体と前記第2枠体とに接続された金属製の第2トーションバーと、
前記第2枠体の少なくとも一部分に設けられた第2樹脂体と、
をさらに備える光走査装置。
【請求項9】
請求項1
~8のいずれか一項に記載の光走査装置において、
前記第1枠体のうち前記第1枠体の回転軸に平行な方向に互いに対向する両部分の間の距離が、前記第1枠体の少なくとも一部分において、前記回転軸から離れるにつれて減少している、光走査装置。
【請求項10】
請求項1~
9のいずれか一項に記載の光走査装置において、
前記第1枠体の外縁及び内縁の少なくとも一方に設けられ、先端が前記第1樹脂体から露出した突起をさらに備える光走査装置。
【請求項11】
請求項
2~
7のいずれか一項に記載の光走査装置と、
発光素子と、
前記発光素子から出射され前記可動反射体によって反射されて前記光走査装置の外部に存在する物体によって反射又は散乱された光を検出する光検出素子と、
を備えるセンサ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光走査装置及びセンサ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、様々な光走査装置が開発されている。光走査装置は、レーザダイオード(LD)等の発光素子から出射された光を反射する可動反射体を備えている。可動反射体は、SOI(Silicon On Insulator)基板等の半導体基板を半導体製造技術によって加工して形成されることがある。これに対して、例えば特許文献1に記載されているように、金属を加工して可動反射体を形成することがある。また、特許文献1に記載されているように、金属を加工して、枠体及びトーションバーを形成することがある。枠体は、可動反射体を囲む領域の少なくとも一部分に設けられている。トーションバーは、可動反射体と枠体とに接続されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
例えば特許文献1に記載されているように、金属を加工して、可動反射体、枠体及びトーションバーを形成することがある。しかしながら、この場合、可動反射体の回転運動、可動反射体の単振動、可動反射体の荷重、可動反射体、枠体及びトーションバーの少なくとも一部分の熱応力等の種々の条件によって、枠体に、塑性歪み、弾性歪み等の歪みが生じることがある。枠体に歪みが生じた場合、枠体に不要な振動が発生し得る。
【0005】
本発明が解決しようとする課題としては、枠体の不要な振動を抑制することが一例として挙げられる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載の発明は、
可動反射体と、
前記可動反射体を囲む領域の少なくとも一部分に位置する金属製の第1枠体と、
前記可動反射体と前記第1枠体とに接続された金属製の第1トーションバーと、
前記第1枠体の少なくとも一部分に設けられた第1樹脂体と、
を備える光走査装置。である。
【0007】
請求項10に記載の発明は、
前記光走査装置と、
発光素子と、
前記発光素子から出射され前記可動反射体によって反射されて前記光走査装置の外部に存在する物体によって反射又は散乱された光を検出する光検出素子と、
を備えるセンサ装置。である。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】実施形態に係る光走査装置を可動反射体が位置する側から見た斜視図である。
【
図2】実施形態に係る光走査装置を可動反射体が位置する側の反対側から見た斜視図である。
【
図3】実施形態に係る光走査装置を可動反射体の回転軸に平行な方向から見た側面図である。
【
図4】実施形態に係る光走査装置を第1枠体の回転軸に平行な方向から見た側面図である。
【
図6】実施形態に係る光走査装置の製造方法の一例を説明するための図である。
【
図7】実施形態に係る光走査装置の製造方法の一例を説明するための図である。
【
図9】実施例に係るセンサ装置の構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態、変形例及び実施例について、図面を用いて説明する。すべての図面において、同様な構成要素には同様の符号を付し、適宜説明を省略する。
【0010】
図1は、実施形態に係る光走査装置10を可動反射体100が位置する側から見た斜視図である。
図2は、実施形態に係る光走査装置10を可動反射体100が位置する側の反対側から見た斜視図である。
図3は、実施形態に係る光走査装置10を可動反射体100の回転軸に平行な方向から見た側面図である。
図4は、実施形態に係る光走査装置10を第1枠体210の回転軸に平行な方向から見た側面図である。
図5は、
図3のA-A断面図である。
【0011】
図1~
図5において、第1方向X、第2方向Y又は第3方向Zを示す矢印は、当該矢印の基端から先端に向かう方向が当該矢印によって示される方向の正方向であり、当該矢印の先端から基端に向かう方向が当該矢印によって示される方向の負方向であることを示している。
図3及び
図4において、第1方向X又は第2方向Yを示す黒点付き白丸は、紙面の奥から手前に向かう方向が当該白丸によって示される方向の正方向であり、紙面の手前から奥に向かう方向が当該白丸によって示される方向の負方向であることを示している。
図5において、第3方向Zを示すX付き白丸は、紙面の手前から奥に向かう方向が当該白丸によって示される方向の正方向であり、紙面の奥から手前に向かう方向が当該白丸によって示される方向の負方向であることを示している。
【0012】
第1方向Xは、可動反射体100が第1トーションバー220を回転軸として第1枠体210に対して回転する際の可動反射体100の回転軸に平行な方向を示している。第1方向Xの正方向は、後述する第2バー224から第1バー222に向かう方向に平行な方向となっている。第1方向Xの負方向は、第1バー222から第2バー224に向かう方向に平行となっている。第2方向Yは、第1方向Xに直交している。第2方向Yは、第1枠体210が第2トーションバー240を回転軸として第2枠体230に対して回転する際の第1枠体210の回転軸に平行な方向を示している。第2方向Yの正方向は、後述する第4バー244から第3バー242に向かう方向に平行となっている。第2方向Yの負方向は、第3バー242から第4バー244に向かう方向に平行となっている。第3方向Zは、第1方向X及び第2方向Yの双方に直交している。第3方向Zの正方向は、可動反射体100のうち反射面112が位置する側から可動反射体100のうち反射面112が位置する側の反対側に向かう方向となっている。第3方向Zの負方向は、可動反射体100のうち反射面112が位置する側の方向から可動反射体100のうち反射面112が位置する側に向かう方向となっている。
【0013】
光走査装置10は、可動反射体100、第1枠体210、一対の第1トーションバー220、第2枠体230、一対の第2トーションバー240、第1樹脂体310、第2樹脂体320、第1磁石410、2つの第2磁石420、第1発光素子500及び第1光検出素子600を備えている。一対の第1トーションバー220は、第1バー222及び第2バー224を有している。一対の第2トーションバー240は、第3バー242及び第4バー244を有している。
【0014】
図5に示すように、可動反射体100は、反射体110、第1支持部252、第2支持部254及び樹脂ステージ350を有している。
【0015】
本実施形態において、反射体110は、第3方向Zに厚みを有する円板形状となっている。反射体110は反射面112を有している。反射面112は、第3方向Zの正方向に向けられた平坦面となっている。可動反射体100の形状は、本実施形態に係る形状に限定されない。
【0016】
第1支持部252は、金属製である。第1支持部252は、第1バー222の第1方向Xの負方向の端部に接続されている。第1支持部252は、可動反射体100の第1方向Xの中心に対して第1方向Xの正方向側に位置している。
【0017】
第2支持部254は、金属製である。第2支持部254は、第2バー224の第1方向Xの正方向の端部に接続されている。第2支持部254は、可動反射体100の第1方向Xの中心に対して第1方向Xの負方向側に位置している。本実施形態において、第2支持部254は、可動反射体100の中心を第3方向Zに通過する中心軸に関して、第1支持部252と対称に配置されている。
【0018】
樹脂ステージ350は、第1支持部252の少なくとも一部分と、第2支持部254の少なくとも一部分と、に設けられている。具体的には、樹脂ステージ350のうち第1支持部252及び第2支持部254の第3方向Zの負方向側に位置する部分は、第1支持部252及び第2支持部254の第3方向Zの負方向側の面の少なくとも一部分を覆っている。また、樹脂ステージ350のうち第1支持部252及び第2支持部254の第3方向Zの正方向側に位置する部分は、第1支持部252及び第2支持部254の第3方向Zの正方向側の面の少なくとも一部分を覆っている。また、樹脂ステージ350のうち第1支持部252及び第2支持部254を第3方向Zに垂直な方向に囲む部分は、第1支持部252及び第2支持部254のうち第3方向Zの垂直な方向に向けられた外縁の少なくとも一部分を覆っている。
【0019】
後述する
図7に示すように、樹脂ステージ350の第3方向Zの正方向側の面には、3つの支持突起352が設けられている。反射体110は、3つの支持突起352上に載置されている。
【0020】
本実施形態によれば、第1支持部252及び第2支持部254に樹脂ステージ350が設けられていない場合と比較して、反射体110の搭載の精度を向上させることができる。具体的には、樹脂ステージ350が設けられていない場合、第1支持部252及び第2支持部254には反りが生じ得る。これに対して、樹脂ステージ350が設けられている場合、第1支持部252及び第2支持部254の反りを抑制することができる。また、第1支持部252及び第2支持部254には、バリが存在することがある。これに対して、樹脂ステージ350が設けられている場合、第1支持部252及び第2支持部254のバリを樹脂ステージ350によって覆うことができる。
【0021】
また、本実施形態においては、樹脂ステージ350は、第1磁石410及び第1光検出素子600の取り付け位置を決定するためのガイド部材として機能することができる。したがって、樹脂ステージ350が第1支持部252及び第2支持部254に設けられていない場合と比較して、第1磁石410及び第1光検出素子600をより簡易かつより精度良く設置することができる。
【0022】
また、本実施形態によれば、第1支持部252及び第2支持部254が電気的に絶縁された状態にしつつ、第1支持部252及び第2支持部254を樹脂ステージ350によって物理的に結合することができる。仮に、第1支持部252及び第2支持部254が連通していて第1支持部252及び第2支持部254が電気的に接続されている場合、後述するように、第1光検出素子600のアノード及びカソードを第1支持部252及び第2支持部254に電気的に接続しても、第1光検出素子600に電流を流すことができない。これに対して、本実施形態においては、第1光検出素子600のアノード及びカソードを第1支持部252及び第2支持部254に電気的に接続して、第1光検出素子600に電流を流すことができる。
【0023】
第1枠体210は、金属製である。第1枠体210は、可動反射体100を第3方向Zに垂直な方向に囲む領域の少なくとも一部分に位置している。
【0024】
第1バー222は、金属製である。
図5に示すように、第1バー222は、第1支持部252の第1方向Xの正方向の端部の外縁と、第1枠体210の第1方向Xの正方向の端部の内縁と、の間において、第1方向Xに延伸している。第1バー222の第1方向Xの負方向の一端は、第1支持部252の第1方向Xの正方向の端部の外縁に接続されている。第1バー222の第1方向Xの正方向の他端は、第1枠体210の第1方向Xの正方向の端部の内縁に接続されている。
【0025】
第2バー224は、金属製である。
図5に示すように、第2バー224は、第2支持部254の第1方向Xの負方向の端部の外縁と、第1枠体210の第1方向Xの負方向の端部の内縁と、の間において、第1方向Xに延伸している。第2バー224の第1方向Xの正方向の一端は、第2支持部254の第1方向Xの負方向の端部の外縁に接続されている。第2バー224の第1方向Xの負方向の他端は、第1枠体210の第1方向Xの負方向の端部の内縁に接続されている。
【0026】
図2に示すように、可動反射体100の第3方向Zの負方向側には、第1磁石410が取り付けられている。第1磁石410は、可動反射体100の第1方向X及び第2方向Yの中心に対して第1方向Xの負方向側に位置している。不図示の磁気回路から発せられた磁束を第1磁石410が受けることで、可動反射体100は、第1トーションバー220を回転軸として第1枠体210に対して揺動する。本実施形態において、第1トーションバー220は、高速駆動軸となっている。
【0027】
第2枠体230は、金属製である。第2枠体230は、第1枠体210を第3方向Zに垂直な方向に囲む領域の少なくとも一部分に位置している。
【0028】
本実施形態において、第2枠体230の形状は、第1方向Xに延伸する一対の長辺を有し第2方向Yに延伸する一対の短辺を有する実質的な長方形となっている。第2枠体230の形状は、本実施形態に係る形状に限定されない。
【0029】
第3バー242は、金属製である。
図5に示すように、第3バー242は、第1枠体210の第2方向Yの正方向の部分の第1方向Xの中心の外縁と、第2枠体230の第2方向Yの正方向の部分の第1方向Xの中心の内縁と、の間において、第2方向Yに延伸している。第3バー242の第2方向Yの負方向の一端は、第1枠体210の第2方向Yの正方向の部分の第1方向Xの中心の外縁に接続されている。第3バー242の第2方向Yの正方向の他端は、第2枠体230の第2方向Yの正方向の部分の第1方向Xの中心の内縁に接続されている。
【0030】
第4バー244は、金属製である。
図5に示すように、第4バー244は、第1枠体210の第2方向Yの負方向の部分の第1方向Xの中心の外縁と、第2枠体230の第2方向Yの負方向の部分の第1方向Xの中心の内縁と、の間において、第2方向Yに延伸している。第3バー242の第2方向Yの正方向の一端は、第1枠体210の第2方向Yの負方向の部分の第1方向Xの中心の外縁に接続されている。第3バー242の第2方向Yの負方向の他端は、第2枠体230の第2方向Yの負方向の部分の第1方向Xの中心の内縁に接続されている。
【0031】
第1枠体210の第3方向Zの負方向側には、2つの第2磁石420が取り付けられている。2つの第2磁石420の一方は、第1枠体210の第1方向Xの正方向の端部に位置している。2つの第2磁石420の他方は、第1枠体210の第1方向Xの負方向の端部に位置している。不図示の磁気回路から発せられる磁束を2つの第2磁石420が受けることで、第1枠体210は、第2トーションバー240を回転軸として第2枠体230に対して揺動する。本実施形態において、第2トーションバー240は、低速駆動軸となっている。
【0032】
本実施形態において、第1枠体210の第1方向Xの正方向の端部に位置する第2磁石420の第2方向Yの幅は、第1枠体210の第1方向Xの正方向の端部の第2方向Yの幅と実質的に等しくなっている。例えば、第1枠体210の第1方向Xの正方向の端部に位置する第2磁石420の第2方向Yの幅は、第1枠体210の第1方向Xの正方向の端部の第2方向Yの幅の95%以上105%以下となっている。第1枠体210の第1方向Xの正方向の端部の第2方向Yの両側には、駆動コイル等の不図示の磁気回路が配置されている。したがって、本実施形態によれば、当該第2磁石420の第2方向Yの幅が第1枠体210の第1方向Xの正方向の端部の第2方向Yの幅より短い場合と比較して、磁気回路と第2磁石420とを近づけることができる。また、本実施形態によれば、当該第2磁石420の第2方向Yの幅が第1枠体210の第1方向Xの正方向の端部の第2方向Yの幅より長い場合と比較して、第2磁石420の重量を軽くすることができる。第2磁石420の第2方向Yの幅は、上述した例に限定されない。例えば、第2磁石420の第2方向Yの幅は、第1枠体210の第1方向Xの正方向の第2方向Yの端部の幅より長くてもよい。この場合、第2磁石420の第2方向Yの幅が第1枠体210の第1方向Xの正方向の端部の第2方向Yの幅以下である場合と比較して、磁気回路と第2磁石420とを近づけやすくすることができる。
【0033】
第1枠体210の第1方向Xの負方向の端部に位置する第2磁石420の第2方向Yの幅は、第1枠体210の第1方向Xの正方向の端部に位置する第2磁石420の第2方向Yの幅と同様にして、第1枠体210の第1方向Xの負方向の端部の第2方向Yの幅と実質的に等しくなっている。
【0034】
2つの第2磁石420が設けられる位置は、本実施形態に係る位置に限定されない。例えば、2つの第2磁石420のうち第1方向Xの正方向側に位置する第2磁石420は、第1枠体210の第1方向Xの正方向側の端部より第1方向Xの負方向側に位置していてもよい。この場合、第2磁石420の第2方向Yの幅は、第1枠体210のうち第2磁石420が取り付けられた部分の第2方向Yの幅と実質的に等しくなっていてもよい。
【0035】
第1樹脂体310は、第1枠体210の少なくとも一部分に設けられている。第1樹脂体310は、第1枠体210の第3方向Zの正方向側の面の少なくとも一部分と、第1枠体210の第3方向Zの負方向側の面の少なくとも一部分と、第1枠体210の第3方向Zに垂直な方向側の内縁の少なくとも一部分と、第1枠体210の第3方向Zに垂直な方向側の外縁の少なくとも一部分と、を覆っている。本実施形態においては、第1樹脂体310が第1枠体210に設けられていない場合と比較して、第1枠体210の歪みを抑制することができる。
【0036】
本実施形態においては、第1樹脂体310が第1枠体210に設けられていない場合と比較して、第1枠体210の不要な振動を抑制することができる。具体的には、第1枠体210の材料と第1樹脂体310の材料とは異なっている。したがって、第1枠体210の共振周波数と第1樹脂体310の共振周波数とが異なっている。このため、第1樹脂体310が設けられていない場合と比較して、第1枠体210の共振モード、すなわち、不要な振動をダンピングすることができる。
【0037】
また、本実施形態においては、第1樹脂体310は、2つの第2磁石420の取り付け位置を決定するためのガイド部材として機能することができる。したがって、第1樹脂体310が第1枠体210に設けられていない場合と比較して、2つの第2磁石420をより簡易かつより精度良く設置することができる。
【0038】
第2樹脂体320は、第2枠体230の少なくとも一部分に設けられている。第2樹脂体320は、第2枠体230の第3方向Zの正方向側の面の少なくとも一部分と、第2枠体230の第3方向Zの負方向側の面の少なくとも一部分と、第2枠体230の第3方向Zに垂直な方向側の内縁の少なくとも一部分と、第2枠体230の第3方向Zに垂直な方向側の外縁の少なくとも一部分と、を覆っている。本実施形態においては、第2樹脂体320が第2枠体230に設けられていない場合と比較して、第2枠体230の歪みを抑制することができる。したがって、本実施形態においては、第2樹脂体320が第2枠体230に設けられていない場合と比較して、第2枠体230の不要な振動を抑制することができる。
【0039】
次に、
図5を参照して、第1枠体210の形状の詳細について説明する。
【0040】
本実施形態において、第1枠体210のうち第1枠体210の回転軸に平行な方向に互いに対向する両部分の間の第2方向Yの距離は、第1枠体210の少なくとも一部分において当該回転軸から第1方向Xの正方向及び第1方向Xの負方向に向けて離れるにつれて減少している。
【0041】
具体的には、第1枠体210のうち反射体110の第2方向Yの両側に位置する部分の第2方向Yの間の距離は、反射体110の第1方向Xの中心から可動反射体100の第1方向Xの正方向の端部及び可動反射体100の第1方向Xの負方向の端部に向かうにつれて、可動反射体100の第2方向Yの幅に沿って減少している。第1枠体210のうち第1バー222の第2方向Yの両側に位置する部分の第2方向Yの間の距離は、第1バー222の第1方向Xの負方向の一端から第1バー222の第1方向Xの正方向の他端にかけて一定となっている。第1枠体210のうち第2バー224の第2方向Yの両側に位置する部分の第2方向Yの間の距離は、第2バー224の第1方向Xの正方向の一端から第2バー224の第1方向Xの負方向の他端にかけて一定となっている。
【0042】
本実施形態と、第1枠体210のうち第1枠体210の回転軸に平行な方向に互いに対向する両部分の間の第2方向Yの間の距離が当該回転軸から第1枠体210の第1方向Xの正方向又は負方向の端部にかけて一定である場合と、を比較する。本実施形態においては、上述した場合と比較して、第1トーションバー220の第1方向Xの長さを長くすることが許容される。具体的には、次のとおりである。すなわち、第1トーションバー220の第1方向Xの長さを比較的長くすることが必要なことがある。一方、第1トーションバー220の第1方向Xの長さが長くなるほど、第1枠体210の第1方向Xの長さも長くなる。第1トーションバー220の第1方向Xの長さが長くなるほど、第2トーションバー240を回転軸として回転する第1枠体210の慣性モーメントが大きくなる。また、当該慣性モーメントは、第1枠体210の第1方向Xの正方向の端部の質量と、第1枠体210の第1方向Xの負方向の端部の質量と、が大きくなるほど大きくなる。本実施形態においては、上述した場合と比較して、第1枠体210の第1方向Xの正方向の端部の質量と、第1枠体210の第1方向Xの負方向の端部の質量と、を小さくすることができる。したがって、本実施形態においては、上述した場合と比較して、上述した慣性モーメントを一定値以下に抑えるための第1トーションバー220の第1方向Xの長さを長くすることができる。
【0043】
第1枠体210の形状は、本実施形態に係る形状に限定されない。例えば、第1枠体210のうち第1枠体210の回転軸に平行な方向に互いに対向する両部分の間の第2方向Yの距離は、第1枠体210の回転軸から第1枠体210の第1方向Xの正方向又は負方向の端部にかけて一定であってもよい。
【0044】
次に、
図5を参照して、4組の第1突起210a、4組の第2突起230a、2つの第3突起210b、2つの第4突起230b、2つの第5突起250c及び2つの第6突起210cについて説明する。
【0045】
本実施形態において、各組の第1突起210aは2つの突起を含んでいる。第1枠体210のうち可動反射体100の第2方向Yの正方向の部分を第3方向Zに垂直な方向に囲む部分の外縁には、2組の第1突起210aが設けられている。これら2組の第1突起210aは、第1枠体210の当該部分の第1方向Xの中心に対して第1方向Xの両側に位置している。各第1突起210aの先端は、第1樹脂体310のうち可動反射体100の第2方向Yの正方向の部分を第3方向Zに垂直な方向に囲む部分の外縁から露出している。第1枠体210のうち可動反射体100の第2方向Yの負方向の部分を第3方向Zに垂直な方向に囲む部分の外縁には、他の2組の第1突起210aが設けられている。これら2組の第1突起210aは、第1枠体210の当該部分の第1方向Xの中心に対して第1方向Xの両側に位置している。各第1突起210aの先端は、第1樹脂体310のうち可動反射体100の第2方向Yの負方向の部分を第3方向Zに垂直な方向に囲む部分の外縁から露出している。
【0046】
本実施形態において、各組の第2突起230aは2つの突起を含んでいる。第2枠体230のうち第1枠体210に対して第2方向Yの正方向側に位置する部分の内縁には、2組の第2突起230aが設けられている。これら2組の第2突起230aは、第2枠体230の当該部分の第1方向Xの中心に対して第1方向Xの両側に位置している。各第2突起230aの先端は、第2樹脂体320のうち第1枠体210に対して第2方向Yの正方向側に位置する部分の内縁から露出している。第2枠体230のうち第1枠体210に対して第2方向Yの負方向側に位置する部分の内縁には、2組の第2突起230aが設けられている。これら2組の第2突起230aは、第2枠体230の当該部分の第1方向Xの中心に対して第1方向Xの両側に位置している。各第2突起230aの先端は、第2樹脂体320のうち第1枠体210に対して第2方向Yの負方向側に位置する部分の内縁から露出している。
【0047】
第1枠体210の第1方向Xの正方向の端部の外縁には、第3突起210bが設けられている。この第3突起210bは、第1樹脂体310の第1方向Xの正方向の端部の外縁から露出している。第1枠体210の第1方向Xの負方向の端部の外縁には、他の第3突起210bが設けられている。この第3突起210bは、第1樹脂体310の第1方向Xの負方向の端部の外縁から露出している。
【0048】
第2枠体230のうち第1枠体210に対して第1方向Xの正方向側に位置する部分の第2方向Yの中心の内縁には、第4突起230bが設けられている。この第4突起230bは、第2樹脂体320のうち第1枠体210に対して第1方向Xの正方向側に位置する部分の第2方向Yの中心の内縁から露出している。第2枠体230のうち第1枠体210に対して第1方向Xの負方向側に位置する部分の第2方向Yの中心の内縁には、他の第4突起230bが設けられている。この第4突起230bは、第2樹脂体320のうち第1枠体210に対して第1方向Xの負方向側に位置する部分の第2方向Yの中心の内縁から露出している。
【0049】
第1支持部252の第1方向Xの負方向側の端部には、第5突起250cが設けられている。この第5突起250cの先端は、樹脂ステージ350の第2方向Yの負方向側の外縁から露出している。第2支持部254の第1方向Xの正方向側には、他の第5突起250cが設けられている。この第5突起250cの先端は、樹脂ステージ350の第2方向Yの正方向側の外縁から露出している。
【0050】
第1枠体210のうち可動反射体100の第2方向Yの正方向の部分を第3方向Zに垂直な方向に囲む部分の第1方向Xの中心の内縁には、第6突起210cが設けられている。この第6突起210cは、第1樹脂体310のうち可動反射体100の第2方向Yの正方向の部分を第3方向Zに垂直な方向に囲む部分の第1方向Xの中心の内縁から露出している。第1枠体210のうち可動反射体100の第2方向Yの負方向の部分を第3方向Zに垂直な方向に囲む部分の第1方向Xの中心の内縁には、他の第6突起210cが設けられている。この第6突起210cは、第1樹脂体310のうち可動反射体100の第2方向Yの負方向の部分を第3方向Zに垂直な方向に囲む部分の第1方向Xの中心の内縁から露出している。
【0051】
これらの突起のうちの一部の突起は設けられていなくてもよい。例えば、2つの第3突起210b及び2つの第4突起230bは設けられていなくてもよい。また、2つの第5突起250c及び2つの第6突起210cは設けられていなくてもよい。
【0052】
次に、
図5を参照して、第1端子230d、第7突起230e、第2端子230f及び第8突起230gについて説明する。
【0053】
第2枠体230のうち第1枠体210に対して第2方向Yの正方向側に位置する部分の第1方向Xの中心の外縁には、第1端子230dが設けられている。第1端子230dの先端は、第2樹脂体320のうち第1枠体210に対して第2方向Yの正方向側に位置する部分の第1方向Xの中心の外縁から露出している。
【0054】
第2枠体230のうち第1枠体210に対して第2方向Yの正方向側に位置していて第1方向Xの中心から第1方向Xの負方向側に位置する部分の外縁には、第7突起230eが設けられている。第7突起230eの先端は、第2樹脂体320のうち第1枠体210に対して第2方向Yの正方向側に位置していて第1方向Xの中心から第1方向Xの負方向側に位置する部分の外縁から露出している。
【0055】
第2枠体230のうち第1枠体210に対して第2方向Yの負方向側に位置する部分の第1方向Xの中心の外縁には、第2端子230fが設けられている。第2端子230fの先端は、第2樹脂体320のうち第1枠体210に対して第2方向Yの負方向側に位置する部分の第1方向Xの中心の外縁から露出している。
【0056】
第2枠体230のうち第1枠体210に対して第2方向Yの負方向側に位置していて第1方向Xの中心から第1方向Xの正方向側に位置する部分の外縁には、第8突起230gが設けられている。第8突起230gの先端は、第2樹脂体320のうち第1枠体210に対して第2方向Yの負方向側に位置していて第1方向Xの中心から第1方向Xの正方向側に位置する部分の外縁から露出している。
【0057】
次に、2つの第1分断部212及び2つの第2分断部232について説明する。
【0058】
第1枠体210のうち可動反射体100の回転軸の第2方向Yの正方向側には、第1分断部212が設けられている。本実施形態において、この第1分断部212は、第1枠体210のうち可動反射体100の第1方向Xの負方向かつ第2方向Yの正方向の部分を第3方向Zに垂直な方向に囲む部分に設けられている。第1枠体210のうち可動反射体100の回転軸の第2方向Yの負方向側には、他の第1分断部212が設けられている。本実施形態において、この第1分断部212は、第1枠体210のうち可動反射体100の第1方向Xの正方向かつ第2方向Yの負方向の部分を第3方向Zに垂直な方向に囲む部分に設けられている。
【0059】
これら2つの第1分断部212が設けられていることで、第1バー222及び第2バー224が第1枠体210を介して電気的に接続されないようになっている。
【0060】
第2枠体230のうち第1枠体210の回転軸の第1方向Xの正方向側には、第2分断部232が設けられている。本実施形態において、この第2分断部232は、第2端子230fと第8突起230gとの間に設けられている。第2枠体230のうち第1枠体210の回転軸の第1方向Xの負方向側には、他の第2分断部232が設けられている。本実施形態において、この第2分断部232は、第1端子230dと第7突起230eとの間に設けられている。
【0061】
これら2つの第2分断部232が設けられていることで、第3バー242及び第4バー244が第2枠体230を介して電気的に接続されないようになっている。
【0062】
次に、
図5を参照して、4つの第1幅広部310a、2つの第2幅広部310b及び2つの第3幅広部310cについて説明する。
【0063】
第1樹脂体310のうち第1枠体210の曲率が変化する部分には、第1幅広部310aが設けられている。本実施形態において、第1幅広部310aは、第1枠体210の外縁の外側に設けられている。これによって、第1樹脂体310のうち第1枠体210の曲率が変化する部分における樹脂の量が、第1樹脂体310のうち第1枠体210の当該部分の周辺における樹脂の量より多くなっている。第1枠体210のうち曲率が変化する部分には、第1枠体210のうち当該部分の周囲と比較して、第1樹脂体310に大きな応力が加わりやすい。したがって、本実施形態によれば、第1樹脂体310のうち第1枠体210の曲率が変化する部分に第1幅広部310aが設けられていない場合と比較して、第1樹脂体310の強度を向上させることができる。
【0064】
本実施形態において、4つの第1幅広部310aのうちの1つは、第1枠体210のうち可動反射体100の第1方向Xの正方向側及び第2方向Yの正方向側の外縁に沿って湾曲している部分と、第1バー222の第2方向Yの正方向側で第1方向Xに平行に直線状に延伸している部分と、の間に位置している。4つの第1幅広部310aのうちの他の1つは、第1枠体210のうち可動反射体100の第1方向Xの負方向側及び第2方向Yの正方向側の外縁に沿って湾曲している部分と、第2バー224の第2方向Yの正方向側で第1方向Xに平行に直線状に延伸している部分と、の間に位置している。4つの第1幅広部310aのうちの他の1つは、第1枠体210のうち可動反射体100の第1方向Xの負方向側及び第2方向Yの負方向側の外縁に沿って湾曲している部分と、第2バー224の第2方向Yの負方向側で第1方向Xに平行に直線状に延伸している部分と、の間に位置している。4つの第1幅広部310aのうちの他の1つは、第1枠体210のうち可動反射体100の第1方向Xの正方向側及び第2方向Yの負方向側の外縁に沿って湾曲している部分と、第1バー222の第2方向Yの負方向側で第1方向Xに平行に直線状に延伸している部分と、の間に位置している。
【0065】
第1樹脂体310のうち第1枠体210の曲率が変化する部分における樹脂の量が、第1樹脂体310のうち第1枠体210の当該部分の周辺における樹脂の量より多くなるための構造は、本実施形態に限定されない。例えば、第1樹脂体310のうち第1枠体210の曲率が変化する部分における第3方向Zの厚みを、第1樹脂体310のうち第1枠体210の当該部分の周辺における第3方向Zの厚みより厚くしてもよい。
【0066】
図1に示すように、第1樹脂体310の第1方向X及び第2方向Yの中心に対して第1方向Xの正方向側かつ第2方向Yの負方向側に位置する第1幅広部310aの第3方向Zの上面には、第1穴312aが設けられている。第1樹脂体310の第1方向X及び第2方向Yの中心に対して第1方向Xの負方向側かつ第2方向Yの負方向側に位置する第1幅広部310aの第3方向Zの上面には、他の第1穴312aが設けられている。第1穴312aが設けられた2つの第1幅広部310aは、第1樹脂体310を形成する樹脂を、第1樹脂体310を成型する金型に注入するためのゲートとして設けられている。各第1穴312aは、樹脂を注入するための注入口として残っている。
【0067】
本実施形態において、各第1穴312aは、第3方向Zに第1枠体210と重なっていない。樹脂が注入されるゲートは、第1樹脂体310の全体の中で比較的大きな圧力が加わる。したがって、第1穴312aが第3方向Zに第1枠体210と重なっている場合、第1枠体210が樹脂の圧力によって変形するおそれがある。これに対して、本実施形態によれば、第1穴312aが第3方向Zに第1枠体210と重なっている場合と比較して、樹脂の圧力による第1枠体210の変形を抑制することができる。第1穴312aが設けられる位置は、本実施形態に係る位置に限定されない。例えば、第1穴312aは、第3方向Zに第1枠体210と重なっていてもよい。
【0068】
本実施形態において、2つの第1穴312aは、第1樹脂体310の第1方向X及び第2方向Yの中心に対して対称に配置されている。
【0069】
以下、必要に応じて、2つの第1穴312aのうち第2方向Yの正方向側に位置する第1穴312aを、一方の第1穴312aという。必要に応じて、2つの第1穴312aのうち第2方向Yの負方向側に位置する第1穴312aを、他方の第1穴312aという。必要に応じて、第1枠体210のうち第1枠体210の第2方向Yの中心に対して第2方向Yの正方向側に位置する部分を、第1枠体210の一方側部分という。必要に応じて、第1枠体210のうち第1枠体210の第2方向Yの中心に対して第2方向Yの負方向側に位置する部分を、第1枠体210の他方側部分という。必要に応じて、第1枠体210のうち第1バー222の第1方向Xの正方向の端部に接続された部分を、第1枠体210及び第1バー222の接続部という。必要に応じて、第1枠体210のうち第2バー224の第1方向Xの負方向の端部に接続された部分を、第1枠体210及び第2バー224の接続部という。
【0070】
一方の第1穴312aは、第1枠体210及び第1バー222の接続部と、第1枠体210及び第2バー224の接続部と、から、第1枠体210の一方側部分のうち第1枠体210の周方向において等距離にある部分からずれて位置している。本実施形態において、第1枠体210及び第1バー222の接続部と、第1枠体210及び第2バー224の接続部と、から、第1枠体210の一方側部分のうち第1枠体210の周方向において等距離にある部分は、第1枠体210の一方側部分の第1方向Xの中心である。
【0071】
他方の第1穴312aは、第1枠体210及び第1バー222の接続部と、第1枠体210及び第2バー224の接続部と、から、第1枠体210の他方側部分のうち第1枠体210の周方向において等距離にある部分からずれて位置している。本実施形態において、第1枠体210及び第1バー222の接続部と、第1枠体210及び第2バー224の接続部と、から、第1枠体210の他方側部分のうち第1枠体210の周方向において等距離にある部分は、第1枠体210の他方側部分の第1方向Xの中心である。
【0072】
本実施形態においては、第1樹脂体310を形成する樹脂を2つの第1穴312aから注入した場合、当該樹脂のウエルドが、第1枠体210及び第1バー222の接続部と異なる部分と、第1枠体210及び第2バー224の接続部と異なる部分と、に形成されるようにすることができる。このため、当該ウエルドが、第1枠体210及び第1バー222の接続部と、第1枠体210及び第2バー224の接続部と、に形成される場合と比較して、第1樹脂体310の破損を抑制することができる。
【0073】
図1に示すように、第1樹脂体310の第1方向X及び第2方向Yの中心に対して第1方向Xの負方向側かつ第2方向Yの正方向側に位置する第1幅広部310aの第3方向Zの上面には、第1穴312aが設けられていない。第1樹脂体310の第1方向X及び第2方向Yの中心に対して第1方向Xの正方向側かつ第2方向Yの負方向側に位置する第1幅広部310aの第3方向Zの上面には、第1穴312aが設けられていない。第1穴312aが設けられていない2つの第1幅広部310aは、第1穴312aが設けられた2つの第1幅広部310aに対して、第1樹脂体310の第2方向Yの中心に関して対称に配置されている。したがって、第1穴312aが設けられていない2つの第1幅広部310aが設けられずに第1穴312aが設けられた2つの第1幅広部310aが設けられている場合と比較して、第1樹脂体310の平仄がとりやすくなっている。
【0074】
第1樹脂体310のうち第1枠体210の第1方向Xの正方向の端部と第1バー222の第1方向Xの正方向の端部との接続部には、第2幅広部310bが設けられている。第1樹脂体310のうち第1枠体210の第1方向Xの負方向の端部と第2バー224の第1方向Xの負方向の端部との接続部には、他の第2幅広部310bが設けられている。これによって、第1樹脂体310のうち第1枠体210と第1トーションバー220との接続部における樹脂の量が、第1樹脂体310のうち当該接続部の周辺における樹脂の量より多くなっている。第1枠体210と第1トーションバー220との接続部には、第1枠体210のうち当該接続部の周囲と比較して、第1樹脂体310に大きな応力が加わりやすい。したがって、本実施形態によれば、第1樹脂体310のうち第1枠体210と第1トーションバー220との接続部に第2幅広部310bが設けられていない場合と比較して、第1樹脂体310の強度を向上させることができる。
【0075】
第1樹脂体310のうち第1枠体210と第1トーションバー220との接続部における樹脂の量が、第1樹脂体310のうち当該接続部の周辺における樹脂の量より多くなるための構造は、本実施形態に限定されない。例えば、第1樹脂体310のうち第1枠体210と第1トーションバー220との接続部における第3方向Zの厚みを、第1樹脂体310のうち当該接続部の周辺における第3方向Zの厚みより厚くしてもよい。
【0076】
第1樹脂体310のうち第1枠体210の第2方向Yの正方向の端部と第3バー242の第2方向Yの負方向の端部との接続部には、第3幅広部310cが設けられている。第1樹脂体310のうち第1枠体210の第2方向Yの負方向の端部と第4バー244の第1方向Xの正方向の端部との接続部には、他の第3幅広部310cが設けられている。これによって、第1樹脂体310のうち第1枠体210と第2トーションバー240との接続部における樹脂の量が、第1樹脂体310のうち当該接続部の周辺における樹脂の量より多くなっている。第1枠体210と第2トーションバー240との接続部には、第1枠体210のうち当該接続部の周囲と比較して、第1樹脂体310に大きな応力が加わりやすい。したがって、本実施形態によれば、第1樹脂体310のうち第1枠体210と第2トーションバー240との接続部に第3幅広部310cが設けられていない場合と比較して、第1樹脂体310の強度を向上させることができる。
【0077】
第1樹脂体310のうち第1枠体210と第2トーションバー240との接続部における樹脂の量が、第1樹脂体310のうち当該接続部の周辺における樹脂の量より多くなるための構造は、本実施形態に限定されない。例えば、第1樹脂体310のうち第1枠体210と第2トーションバー240との接続部における第3方向Zの厚みを、第1樹脂体310のうち当該接続部の周辺における第3方向Zの厚みより厚くしてもよい。
【0078】
次に、
図1及び
図5を参照して、2つの第4幅広部320aについて説明する。
【0079】
第2樹脂体320の第1方向X及び第2方向Yの中心に対して第1方向Xの負方向側かつ第2方向Yの正方向側には、第4幅広部320aが設けられている。第2樹脂体320の第1方向Xの正方向側かつ第2方向Yの負方向側には、他の第4幅広部320aが設けられている。各第4幅広部320aの第3方向Zの正方向側の面には、第2穴322aが設けられている。本実施形態において、第4幅広部320aは、第1トーションバー220の内縁の内側に設けられている。第4幅広部320aは、第2樹脂体320を形成する樹脂を、第2樹脂体320を成型する金型に注入するためのゲートとして設けられている。各第2穴322aは、樹脂を注入するための注入口として残っている。
【0080】
本実施形態において、各第2穴322aは、第3方向Zに第2枠体230と重なっていない。したがって、第1穴312aについて説明した理由と同様にして、第2穴322aが第3方向Zに第2枠体230と重なっている場合と比較して、樹脂の圧力による第2枠体230の変形を抑制することができる。第2穴322aが設けられる位置は、本実施形態に係る位置に限定されない。例えば、第2穴322aは、第3方向Zに第2枠体230と重なっていてもよい。
【0081】
本実施形態において、2つの第2穴322aは、第2樹脂体320の第1方向X及び第2方向Yの中心に対して対称に配置されている。
【0082】
以下、必要に応じて、2つの第2穴322aのうち第1方向Xの正方向側に位置する第2穴322aを、一方の第2穴322aという。必要に応じて、2つの第2穴322aのうち第1方向Xの負方向側に位置する第2穴322aを、他方の第2穴322aという。必要に応じて、第2枠体230のうち第2枠体230の第1方向Xの中心に対して第1方向Xの正方向側に位置する部分を、第2枠体230の一方側部分という。必要に応じて、第2枠体230のうち第2枠体230の第1方向Xの中心に対して第1方向Xの負方向側に位置する部分を、第2枠体230の他方側部分という。必要に応じて、第2枠体230のうち第3バー242の第2方向Yの正方向の端部に接続された部分を、第2枠体230及び第3バー242の接続部という。必要に応じて、第2枠体230のうち第4バー244の第2方向Yの負方向の端部に接続された部分を、第2枠体230及び第4バー244の接続部という。
【0083】
一方の第2穴322aは、第2枠体230及び第3バー242の接続部と、第2枠体230及び第4バー244の接続部と、から、第2枠体230の一方側部分のうち第2枠体230の周方向において等距離にある部分からずれて位置している。本実施形態において、第2枠体230及び第3バー242の接続部と、第2枠体230及び第4バー244の接続部と、から、第2枠体230の一方側部分のうち第2枠体230の周方向において等距離にある部分は、第2枠体230の一方側部分の第2方向Yの中心である。
【0084】
他方の第2穴322aは、第2枠体230及び第3バー242の接続部と、第2枠体230及び第4バー244の接続部と、から、第2枠体230の他方側部分のうち第2枠体230の周方向において等距離にある部分からずれて位置している。本実施形態において、第2枠体230及び第3バー242の接続部と、第2枠体230及び第4バー244の接続部と、から、第2枠体230の他方側部分のうち第2枠体230の周方向において等距離にある部分は、第2枠体230の他方側部分の第2方向Yの中心である。
【0085】
本実施形態においては、第2樹脂体320を形成する樹脂を2つの第2穴322aから注入した場合、当該樹脂のウエルドが、第2枠体230及び第3バー242の接続部と異なる部分と、第2枠体230及び第4バー244の接続部と異なる部分と、に形成されるようにすることができる。このため、当該ウエルドが、第2枠体230及び第3バー242の接続部と、第2枠体230及び第4バー244の接続部と、に形成される場合と比較して、第2樹脂体320の破損を抑制することができる。
【0086】
次に、第1発光素子500について説明する。
【0087】
第1発光素子500は、可動反射体100のうち反射面112が位置する側の反対側に取り付けられている。仮に、第1発光素子500が反射面112に取り付けられている場合、反射面112のうち第1発光素子500が取り付けられている部分は光を反射することができない。これに対して、本実施形態によれば、反射面112が第1発光素子500によって覆われなくすることができる。
【0088】
第1発光素子500のアノード及びカソードの一方は、第1支持部252を介して第1バー222の少なくとも一部分に電気的に接続されている。第1発光素子500のアノード及びカソードの他方は、第2支持部254を介して第2バー224の少なくとも一部分に電気的に接続されている。第1発光素子500のアノードが第1支持部252を介して第1バー222の少なくとも一部分に電気的に接続され、第1発光素子500のカソードが第2支持部254を介して第2バー224の少なくとも一部分に電気的に接続されている場合を検討する。この場合、第1端子230dから、第3バー242と、第1枠体210のうち第1枠体210の第1方向X及び第2方向Yの中心に対して第1方向Xの正方向側かつ第2方向Yの正方向側に位置する部分と、第1バー222と、第1支持部252と、第1発光素子500と、第2支持部254と、第2バー224と、第1枠体210のうち第1枠体210の第1方向X及び第2方向Yの中心に対して第1方向Xの負方向側かつ第2方向Yの負方向側に位置する部分と、第4バー244と、を経由して、第2端子230fまで電流を流すことができる。
【0089】
次に、第1光検出素子600について説明する。
【0090】
第1光検出素子600は、第1発光素子500に対して第3方向Zの負方向側に位置している。第1光検出素子600は、第1光検出部612、第2光検出部614、第3光検出部616及び第4光検出部618を有している。
【0091】
図3に示すように、第1光検出部612及び第2光検出部614は、第1仮想平面IP1に対して第2方向Yの正方向側に位置している。第3光検出部616及び第4光検出部618は、第1仮想平面IP1に対して第2方向Yの負方向側に位置している。第1仮想平面IP1は、可動反射体100の回転軸を通過して反射面112に垂直となっている。
【0092】
図4に示すように、第2光検出部614及び第3光検出部616は、第2仮想平面IP2に対して第1方向Xの負方向側に位置している。第1光検出部612及び第4光検出部618は、第2仮想平面IP2に対して第1方向Xの正方向側に位置している。第2仮想平面IP2は、第1枠体210の回転軸を通過して反射面112に垂直となっている。
【0093】
反射面112の法線が第3方向Zの正方向に平行となっている場合、第1発光素子500から出射された光によって第1光検出素子600に生成されるスポットの中心は、第1光検出素子600のうち第1仮想平面IP1と第2仮想平面IP2との交差部分と一致している。また、反射面112の法線が第3方向Zの正方向に平行となっている場合、当該スポットのうちの第1光検出部612の照射面積と、当該スポットのうちの第2光検出部614の照射面積と、当該スポットのうちの第3光検出部616の照射面積と、当該スポットのうちの第4光検出部618の照射面積と、が互いに等しくなっている。当該スポットによって各光検出部に生成される信号の強度は、当該スポットのうち各光検出部の照射面積が大きくなるほど高くなる。
【0094】
本実施形態においては、第1発光素子500から出射された光によって第1光検出部612、第2光検出部614、第3光検出部616及び第4光検出部618の各々に発生する信号の強度の割合に応じて、可動反射体100の揺動を検出することができる。具体的には、第1枠体210が第2トーションバー240を回転軸として第2枠体230に対して揺動した場合における可動反射体100の第2トーションバー240の周りの揺動角は、以下の式(1)によって示されるX_TiltErrorによって推定される。また、可動反射体100が第1トーションバー220を回転軸として第1枠体210に対して揺動した場合における可動反射体100の第1枠体210の周りの揺動角は、以下の式(2)によって示されるY_TiltErrorによって推定される。
X_TiltError=(A+D-B-C)/(A+B+C+D) (1)
Y_TiltError=(A+B-C-D)/(A+B+C+D) (2)
ただし、A、B、C及びDは、それぞれ、第1発光素子500から出射された光によって第1光検出部612、第2光検出部614、第3光検出部616及び第4光検出部618の各々に発生する信号の強度である。
【0095】
上記式(1)においては、第1光検出部612において発生した信号の強度と第4光検出部618において発生した信号の強度との和と、第2光検出部614において発生した信号の強度と第3光検出部616において発生した信号の強度との和と、が比較されている。この比較より、第1枠体210が第2トーションバー240を回転軸として第2枠体230に対して揺動した場合における可動反射体100の第2トーションバー240の周りの揺動角を推定することができる。
【0096】
上記式(2)においては、第1光検出部612において発生した信号の強度と第2光検出部614において発生した信号の強度との和と、第3光検出部616において発生した信号の強度と第4光検出部618において発生した信号の強度との和と、が比較されている。この比較より、可動反射体100が第1トーションバー220を回転軸として第1枠体210に対して揺動した場合における可動反射体100の第1トーションバー220の周りの揺動角を推定することができる。
【0097】
可動反射体100の揺動の検出方法は、本実施形態に係る方法に限定されない。
【0098】
例えば、第1光検出素子600は、単一の光検出部を有していてもよい。この例において、単一の光検出部は、例えば、第1仮想平面IP1に対して第1方向Xの正方向側に設けられている。この場合、単一の光検出部が第1発光素子500から出射された光を検出した場合、反射面112の法線は、第3方向Zの正方向に対して第2方向Yの負方向に向けて傾いているといえる。一方、単一の光検出部が第1発光素子500から出射された光を検出しない場合、反射面112の法線は、第3方向Zの正方向に対して第2方向Yの正方向に向けて傾いているといえる。
【0099】
また、第1発光素子500は、反射面112に取り付けられていてもよい。この場合、第1光検出素子600は、反射面112の第3方向Zの正方向側に設けられる。この例においても、第1発光素子500及び第1光検出素子600を用いて、可動反射体100の揺動を検出することができる。
【0100】
図6及び
図7は、実施形態に係る光走査装置10の製造方法の一例を説明するための図である。この例において、実施形態に係る光走査装置10は、以下のようにして製造される。
【0101】
まず、
図6に示す金属体200を準備する。金属体200は、4つの第1連結部260a、2つの第2連結部260b、2つの第3連結部260c、第1折返し部260d及び第2折返し部260fを有している。
【0102】
4つの第1連結部260aは、第1枠体210の第3方向Zの垂直な方向側の外縁と、第2枠体230の第3方向Zに垂直な方向側の内縁と、に連結されている。これによって、第1枠体210は、第2トーションバー240だけでなく、4つの第1連結部260aによっても、第2枠体230に支持されている。具体的には、各第1連結部260aのうち第1枠体210の外縁に連結される一端は、第1突起210aの先端に接続されている。各第1連結部260aのうち第2枠体230の内縁に連結される他端は、第2突起230aの先端に接続されている。各第1連結部260aは、2つの第1幅狭部262aを有している。2つの第1幅狭部262aの一方は、第1連結部260aのうち第1突起210aの先端に接続される一端に設けられている。2つの第1幅狭部262aの他方は、第1連結部260aのうち第2突起230aの先端に接続される他端に設けられている。
【0103】
2つの第2連結部260bは、第1枠体210の第3方向Zの垂直な方向側の外縁と、第2枠体230の第3方向Zに垂直な方向側の内縁と、に連結されている。これによって、第1枠体210は、第2トーションバー240だけでなく、2つの第2連結部260bによっても、第2枠体230に支持されている。具体的には、各第2連結部260bのうち第1枠体210の外縁に連結される一端は、第3突起210bの先端に接続されている。各第2連結部260bのうち第2枠体230の内縁に連結される他端は、第4突起230bの先端に接続されている。各第2連結部260bは、2つの第2幅狭部262bを有している。2つの第2幅狭部262bの一方は、第2連結部260bのうち第3突起210bの先端に接続される一端に設けられている。2つの第2幅狭部262bの他方は、第2連結部260bのうち第4突起230bの先端に接続される他端に設けられている。
【0104】
2つの第3連結部260cの一方は、第1支持部252の第1方向Xの負方向側の端部の外縁と、第1枠体210の第2方向Yの負方向の部分の内縁と、に連結されている。2つの第3連結部260cの他方は、第2支持部254の第1方向Xの正方向の端部の外縁と、第1枠体210の第2方向Yの正方向側の部分の内縁と、に連結されている。これによって、第1支持部252及び第2支持部254は、第1トーションバー220だけでなく、2つの第3連結部260cによっても、第1枠体210に支持されている。具体的には、各第3連結部260cのうち第1支持部252又は第2支持部254に連結される一端は、第5突起250cの先端に接続されている。各第3連結部260cのうち第1枠体210の内縁に連結される他端は、第6突起210cの先端に接続されている。各第3連結部260cは、2つの第3幅狭部262cを有している。2つの第3幅狭部262cの一方は、第3連結部260cのうち第5突起250cの先端に接続される一端に設けられている。2つの第3幅狭部262cの他方は、第3連結部260cのうち第6突起210cの先端に接続される他端に設けられている。
【0105】
第1折返し部260dは、第2枠体230の第2方向Yの正方向の外縁の外側において、第1端子230dと第7突起230eとの間で折り返している。第1折返し部260dは、2つの第4幅狭部262dを有している。2つの第4幅狭部262dの一方は、第1折返し部260dのうち第1端子230dの先端に接続される一端に設けられている。2つの第4幅狭部262dの他方は、第1折返し部260dのうち第7突起230eの先端に接続される他端に設けられている。
【0106】
第2折返し部260fは、第2枠体230の第2方向Yの負方向の外縁の外側において、第2端子230fと第8突起230gとの間で折り返している。第2折返し部260fは、2つの第5幅狭部262fを有している。2つの第5幅狭部262fの一方は、第2折返し部260fのうち第2端子230fの先端に接続される一端に設けられている。2つの第5幅狭部262fの他方は、第2折返し部260fのうち第8突起230gの先端に接続される他端に設けられている。
【0107】
次いで、
図7に示すように、第1枠体210に第1樹脂体310を形成する。具体的には、第1樹脂体310を成型するための金型に第1枠体210を設置して、第1樹脂体310を形成する樹脂を第1枠体210の第3方向Zの正方向側から金型に注入する。樹脂は、第1樹脂体310の第1方向X及び第2方向Yの中心に対して第1方向Xの正方向側かつ第2方向Yの正方向側に位置する第1幅広部310aと、第1樹脂体310の第1方向X及び第2方向Yの中心に対して第1方向Xの負方向側かつ第2方向Yの負方向側に位置する第1幅広部310aと、が形成される2箇所から注入される。樹脂が当該2箇所から注入されることで、各第1幅広部310aの第3方向Zの正方向側の面には第1穴312aが形成される。
【0108】
また、第2枠体230に第2樹脂体320を形成する。具体的には、第2樹脂体320を成型するための金型に第2枠体230を設置して、第2樹脂体320を形成する樹脂を第2枠体230の第3方向Zの正方向側から金型に注入する。樹脂は、2つの第4幅広部320aが形成される2箇所から注入される。樹脂が当該2箇所から注入されることで、各第4幅広部320aの第3方向Zの正方向側の面には第2穴322aが形成される。
【0109】
また、第1支持部252及び第2支持部254に樹脂ステージ350を形成する。具体的には、樹脂ステージ350を成型するための金型に第1支持部252及び第2支持部254を設置して、樹脂ステージ350を形成する樹脂を金型に注入する。樹脂は、第1支持部252と第3方向Zに重なる箇所から注入される。樹脂が当該箇所から注入されることで、樹脂ステージ350の第3方向Zの正方向側の面には第3穴352aが形成される。
【0110】
次いで、第1連結部260aをレーザ溶断等の方法で除去する。具体的には、2つの第1幅狭部262aをレーザ溶断等の方法によって切断する。これによって、第1突起210aの先端が第1樹脂体310の第3方向Zに垂直な方向側の外縁の外側に残り、第2突起230aの先端が第2樹脂体320の第3方向Zに垂直な方向側の内縁の外側に残る。この方法によれば、第1突起210aの先端が第1樹脂体310の第3方向Zに垂直な外縁の外側に残らないように第1連結部260aをレーザ溶断等の方法によって除去した場合と比較して、レーザ溶断等の方法によって発生する熱による第1樹脂体310の第3方向Zに垂直な方向側の外縁の損傷を抑制することができる。同様にして、第3突起210bの先端が第2樹脂体320の第3方向Zに垂直な外縁の外側に残らないように第1連結部260aをレーザ溶断等の方法によって除去した場合と比較して、レーザ溶断等の方法によって発生する熱による第2樹脂体320の第3方向Zに垂直な方向側の内縁の損傷を抑制することができる。
【0111】
第1連結部260aと同様にして、各第2連結部260bの2つの第2幅狭部262bをレーザ溶断等の方法によって切断することで、各第2連結部260bを除去する。また、各第3連結部260cの2つの第3幅狭部262cをレーザ溶断等の方法によって切断することで、各第3連結部260cを除去する。また、2つの第4幅狭部262dをレーザ溶断等の方法によって切断することで、第1折返し部260dを除去する。また、2つの第5幅狭部262fをレーザ溶断等の方法によって切断することで、第2折返し部260fを除去する。
【0112】
次いで、樹脂ステージ350の3つの支持突起352の第3方向Zの正方向側に反射体110を載置する。また、樹脂ステージ350の第3方向Zの負方向側に第1磁石410及び第1発光素子500を設ける。また、第1樹脂体310の第3方向Zの負方向側に2つの第2磁石420を設ける。また、第1発光素子500の第3方向Zの負方向側に第1光検出素子600を設ける。
【0113】
このようにして、光走査装置10が製造される。
【0114】
図8は、変形例に係る光走査装置10Aの斜視図である。本変形例に係る光走査装置10Aは、
図1及び
図2に示した第1発光素子500及び第1光検出素子600を備えていない。
【実施例】
【0115】
図9は、実施例に係るセンサ装置20の構成を示す図である。
【0116】
センサ装置20は、実施形態に係る光走査装置10を備えている。センサ装置20は、第2発光素子12、第2光検出素子14及びビームスプリッタ16をさらに備えている。本実施例において、センサ装置20は、LiDAR(Light Detection And Ranging)である。
【0117】
第2発光素子12は、例えば、レーザダイオード(LD)である。第2発光素子12からビームスプリッタ16及び可動反射体100を経由して延びる実線矢印で示されるように、第2発光素子12から出射された光は、ビームスプリッタ16を透過して可動反射体100によって反射される。可動反射体100によって反射された光は、光走査装置10の外部に存在する不図示の物体によって反射又は散乱される。
【0118】
第2光検出素子14は、例えば、アバランシェフォトダイオード(APD)である。光走査装置10及びビームスプリッタ16を経由して第2光検出素子14まで延びる実線矢印で示されるように、第2光検出素子14は、第2発光素子12から出射されて可動反射体100によって反射されて光走査装置10の外部に存在する不図示の物体によって反射又は散乱された光を検出する。本実施例において、第2光検出素子14によって検出される光は、上記物体によって反射又は散乱されて、可動反射体100及びビームスプリッタ16によって反射されて、第2光検出素子14に達している。
【0119】
センサ装置20の構造は、本実施例に係る構造に限定されない。例えば、本実施例では、可動反射体100によって反射されて光走査装置10の外部に存在する物体に照射される光の光軸と、当該物体によって反射又は散乱された光の光軸と、が一致している。しかしながら、可動反射体100によって反射されて光走査装置10の外部に存在する物体に照射される光の光軸と、当該物体によって反射又は散乱された光の光軸と、は互いにずれていてもよい。この場合、当該物体によって反射又は散乱された光は、可動反射体100での反射を経ずに、第2光検出素子14に達する。
【0120】
以上、図面を参照して本発明の実施形態、変形例及び実施例について述べたが、これらは本発明の例示であり、上記以外の様々な構成を採用することもできる。
以下、参考形態の例を付記する。
1.
可動反射体と、
前記可動反射体を囲む領域の少なくとも一部分に位置する金属製の第1枠体と、
前記可動反射体と前記第1枠体とに接続された金属製の第1トーションバーと、
前記第1枠体の少なくとも一部分に設けられた第1樹脂体と、
を備える光走査装置。
2.
1.に記載の光走査装置において、
前記第1枠体を囲む領域の少なくとも一部分に位置する金属製の第2枠体と、
前記第1枠体と前記第2枠体とに接続された金属製の第2トーションバーと、
前記第2枠体の少なくとも一部分に設けられた第2樹脂体と、
をさらに備える光走査装置。
3.
1.又は2.に記載の光走査装置において、
前記第1枠体のうち前記第1枠体の回転軸に平行な方向に互いに対向する両部分の間の距離が、前記第1枠体の少なくとも一部分において、前記回転軸から離れるにつれて減少している、光走査装置。
4.
1.~3.のいずれか一つに記載の光走査装置において、
前記第1枠体の外縁及び内縁の少なくとも一方に設けられ、先端が前記第1樹脂体から露出した突起をさらに備える光走査装置。
5.
1.~4.のいずれか一つに記載の光走査装置において、
前記第1樹脂体を形成する樹脂のウエルドが、前記第1枠体のうち前記第1トーションバーに接続された部分と異なる部分に形成されている、光走査装置。
6.
1.~5.のいずれか一つに記載の光走査装置において、
前記第1樹脂体のうち前記第1枠体の曲率が変化する部分における樹脂の量が、前記第1樹脂体のうち前記第1枠体の前記部分の周辺における樹脂の量より多くなっている、光走査装置。
7.
1.~6.のいずれか一つに記載の光走査装置において、
前記第1樹脂体のうち前記第1枠体と前記第1トーションバーとの接続部における樹脂の量が、前記第1樹脂体のうち前記接続部の周辺における樹脂の量より多くなっている、光走査装置。
8.
1.~7.のいずれか一つに記載の光走査装置において、
前記第1樹脂体のうち前記第1枠体と重ならない部分の表面に少なくとも1つの穴が設けられている、光走査装置。
9.
1.~8.のいずれか一つに記載の光走査装置において、
前記第1枠体に取り付けられた永久磁石をさらに備え、
前記第1枠体の回転軸に平行な方向における前記永久磁石の幅が、前記第1枠体のうち前記永久磁石が取り付けられた部分の前記第1枠体の回転軸に平行な方向における幅の95%以上105%以下である、光走査装置。
10.
1.~9.のいずれか一つに記載の光走査装置と、
発光素子と、
前記発光素子から出射され前記可動反射体によって反射されて前記光走査装置の外部に存在する物体によって反射又は散乱された光を検出する光検出素子と、
を備えるセンサ装置
【符号の説明】
【0121】
10 光走査装置
10A 光走査装置
12 第2発光素子
14 第2光検出素子
16 ビームスプリッタ
20 センサ装置
100 可動反射体
110 反射体
112 反射面
200 金属体
210 第1枠体
210a 第1突起
210b 第3突起
210c 第6突起
212 第1分断部
220 第1トーションバー
222 第1バー
224 第2バー
230 第2枠体
230a 第2突起
230b 第4突起
230d 第1端子
230e 第7突起
230f 第2端子
232 第2分断部
240 第2トーションバー
242 第3バー
244 第4バー
250c 第5突起
252 第1支持部
254 第2支持部
260a 第1連結部
260b 第2連結部
260c 第3連結部
260d 第1折返し部
260f 第2折返し部
262a 第1幅狭部
262b 第2幅狭部
262c 第3幅狭部
262d 第4幅狭部
262f 第5幅狭部
310 第1樹脂体
310a 第1幅広部
310b 第2幅広部
310c 第3幅広部
312a 第1穴
320 第2樹脂体
320a 第4幅広部
322a 第2穴
350 樹脂ステージ
352 支持突起
352a 第3穴
410 第1磁石
420 第2磁石
500 第1発光素子
600 第1光検出素子
612 第1光検出部
614 第2光検出部
616 第3光検出部
618 第4光検出部
IP1 第1仮想平面
IP2 第2仮想平面
X 第1方向
Y 第2方向
Z 第3方向