(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-26
(45)【発行日】2025-01-10
(54)【発明の名称】大気造水システム
(51)【国際特許分類】
E03B 3/28 20060101AFI20241227BHJP
【FI】
E03B3/28
(21)【出願番号】P 2024038508
(22)【出願日】2024-03-12
【審査請求日】2024-03-12
(31)【優先権主張番号】202311662015.X
(32)【優先日】2023-12-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】202311843938.5
(32)【優先日】2023-12-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】524096059
【氏名又は名称】福建宏泰智能工業互聯網有限公司
【氏名又は名称原語表記】Kingtronics Smart Industrial Interconnection Networking (Fujian) Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】Building 4#, Zhonglianyangguang Park, No. 37 Gu’an South Road, Maxiang Town, Xiang’an District, Xiamen, Fujian, China
(73)【特許権者】
【識別番号】524052952
【氏名又は名称】厦門宏泰智能制造有限公司
【氏名又は名称原語表記】Kingtronics Smart Industrial (Xiamen) Co., Ltd.
【住所又は居所原語表記】Building 2#, Zhonglianyangguang Park, No. 33 Gu’an South Road, Maxiang, Xiang’an District, Xiamen, Fujian, China
(74)【代理人】
【識別番号】110002262
【氏名又は名称】TRY国際弁理士法人
(74)【代理人】
【識別番号】110001139
【氏名又は名称】SK弁理士法人
(74)【代理人】
【識別番号】100130328
【氏名又は名称】奥野 彰彦
(74)【代理人】
【識別番号】100130672
【氏名又は名称】伊藤 寛之
(72)【発明者】
【氏名】曾▲チィ▼
【審査官】柿原 巧弥
(56)【参考文献】
【文献】特開2000-110201(JP,A)
【文献】特開2023-152190(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2006/0005561(US,A1)
【文献】特開2022-070575(JP,A)
【文献】国際公開第2019/207684(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E03B 3/28
B01D 53/26
C02F 1/00
G10K 11/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
大気造水システムであって、
大気造水装置と、制御装置と、を含み、
前記制御装置は、前記大気造水システムの作動を制御するものであり、
前記大気造水装置は、造水蒸発器、凝縮器、圧縮機、ファン、及びノイズ低減装置を含み、前記凝縮器が前記造水蒸発器に接続され、前記圧縮機が前記造水蒸発器及び前記凝縮器に接続されることにより、冷媒を循環冷却させて供給し、前記ノイズ低減装置は、前記ファンと前記圧縮機との間に設けられ、前記ファンが前記凝縮器と前記圧縮機との間に設けられることにより、外部からの空気が前記造水蒸発器を経て、水及び冷風が生成され、冷風は、前記凝縮器を冷却した後、前記ノイズ低減装置に吹き込まれてノイズが低減され、残りの冷風は、さらに前記圧縮機及び前記制御装置の発熱部材に吹き付けられて降温、放熱を行う、ことを特徴とする大気造水システム。
【請求項2】
前記ノイズ低減装置は、前記ファンの吹き出し口に設けられ、その頂部と底部を貫通している複数の送風通路を備える三次元網目構造を有するように配置された複数枚の吸音綿を含む、ことを特徴とする請求項1に記載の大気造水システム。
【請求項3】
前記送風通路の内側壁には、複数の導流溝が周方向に間隔を開けて配置されている、ことを特徴とする請求項2に記載の大気造水システム。
【請求項4】
水冷却装置をさらに含み、
前記水冷却装置は、貯水タンク、冷水ポンプ、直接冷却管、冷水循環弁、及び冷水出口弁を有し、前記直接冷却管の内側管は前記凝縮器及び前記圧縮機に連通し、冷媒を循環冷却させて供給し、前記直接冷却管の外側管は前記貯水タンク、前記冷水ポンプ、前記冷水循環弁、及び前記冷水出口弁に連通し、冷水は、前記冷水ポンプにより駆動されて、前記冷水循環弁を通って循環して前記冷水ポンプに還流し、冷水の吐出が必要となる場合、冷水は前記冷水出口弁から吐出される、ことを特徴とする請求項1に記載の大気造水システム。
【請求項5】
前記貯水タンクは、大気造水システムの収納室内に引き出し可能に設けられ、前記貯水タンクの給水口及び吐水口に第1クイックコネクタが設けられている、ことを特徴とする請求項4に記載の大気造水システム。
【請求項6】
水加熱装置をさらに含み、
前記水加熱装置は、温水タンク、温水ポンプ、直接加熱器、温水出口弁、及び温水循環弁を含み、前記温水タンクは前記貯水タンクに連通し、前記直接加熱器は前記温水タンク、前記温水循環弁、及び前記温水出口弁に連通し、温水は、前記温水ポンプにより駆動されて、前記温水循環弁を通って循環して前記温水タンクに還流し、温水の吐出が必要となる場合、温水は前記温水出口弁から吐出される、ことを特徴とする請求項4に記載の大気造水システム。
【請求項7】
集水装置をさらに含み、前記集水装置は、集水トレイ、水濾過網、及び集水タンクを有し、
前記集水タンクは、天面に集水タンク給水口が設けられ、底部に近い位置に集水タンク吐水口及び集水タンク排水口が設けられ、前記集水タンク吐水口は、前記集水タンク排水口から離間しており、かつ、前記集水タンクの底面よりも高くなるように前記集水タンク排水口の上方に位置し、
前記水濾過網は、前記集水タンク給水口に取り外し可能に設けられ、
前記集水トレイは、造水蒸発器による水を収集するために前記造水蒸発器と前記集水タンクとの間に設けられ、前記集水トレイの底部には、収集した水が前記水濾過網に流れて前記集水タンクに入るための集水トレイ吐水口が設けられている、ことを特徴とする請求項
6に記載の大気造水システム。
【請求項8】
水浄化装置をさらに含み、前記水浄化装置は、組合せフィルタと滅菌消毒器とを有し、前記組合せフィルタは、前記集水タンクと前記貯水タンクとを連通させる水通路、及び、前記貯水タンクと前記直接冷却管とを連通させる水通路に設けられ、水を濾過し、前記滅菌消毒器は、前記貯水タンクと前記冷水ポンプとを連通させる水通路に設けられ、水を滅菌して消毒する、ことを特徴とする請求項7に記載の大気造水システム。
【請求項9】
前記滅菌消毒器は、容器筐体、紫外線ランプ、及びオゾン発生器を含み、前記容器筐体は、前記容器筐体が揺動して直立状態と傾斜状態との間で切り替え可能であるように、ヒンジによって大気造水システムの収納室内に取り付けられ、前記容器筐体の給水口は前記貯水タンクに接続され、前記容器筐体の吐水口は前記組合せフィルタに接続され、前記紫外線ランプは、前記容器筐体内に取り外し可能に挿入されて、前記容器筐体内の水を滅菌処理し、前記オゾン発生器は、前記容器筐体に連通してオゾンを前記容器筐体内に注入し、水を消毒処理する、ことを特徴とする請求項8に記載の大気造水システム。
【請求項10】
前記組合せフィルタにはフィルタケースが設けられ、前記フィルタケース内に複数種のフィルタエレメントが収納されており、前記フィルタケースは、大気造水システムの収納室内に引き出し可能に設けられ、前記フィルタエレメントの給水口及び吐水口には第2クイックコネクタが設けられている、ことを特徴とする請求項8に記載の大気造水システム。
【請求項11】
洗浄装置をさらに含み、前記洗浄装置は、外付け洗浄槽、循環ポンプ、排水弁、及び揚水ポンプを含み、前記排水弁は前記温水タンクの排水口又は前記集水タンク排水口に設けられ、前記循環ポンプは前記温水タンクの給水口又は前記集水タンク給水口、及び前記外付け洗浄槽に連通し、前記揚水ポンプは前記排水弁及び前記外付け洗浄槽に連通する、ことを特徴とする請求項7に記載の大気造水システム。
【請求項12】
フレームをさらに含み、前記フレームは、前記大気造水システムの収納室を画定し、前記収納室は、第1室、第2室、及び第3室を有し、前記大気造水装置の造水蒸発器、凝縮器、ファン、及び前記水加熱装置は前記第1室に設けられ、前記大気造水装置の圧縮機、ノイズ低減装置、及び前記制御装置の制御基板は前記第2室に設けられ、前記集水装置、前記水冷却装置、及び前記水浄化装置は前記第3室に設けられる、ことを特徴とする請求項8に記載の大気造水システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、大気造水の技術分野に関し、特に大気造水システムに関する。
【背景技術】
【0002】
大気造水機は、圧縮機による冷媒の圧縮、凝縮、蒸発の冷凍原理に基づいて、液体冷媒を蒸発器のチューブでガス化するように相変化させ、熱を吸収し、空気中の水蒸気を凝縮させて水にし、そして水を回収して大気造水機の水源とするものである。
【0003】
大気造水機は、内部にファンや凝縮器などの部品が組み込まれているため、作動時に大きなノイズが発生してしまう。関連技術では、例えば、中国実用新案CN 210887419 Uには、造水機本体の頂部と底部の両方に遮音板を配置することで、造水機本体の稼働時のノイズを十分に吸収できる、低ノイズ作動型大気造水機が提案されている。しかし、この提案は、ノイズの低減という課題のみに着目しており、内部エネルギーを十分に活用できておらず、エネルギー消費量が多く、実用性を向上させる必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、上記の技術における技術的課題の1つを少なくともある程度解決することを目的とする。そのため、本発明の1つの目的は、ノイズが低く、エネルギーを十分かつ効率的に利用することができ、エネルギー消費量を低減させ、実用性を向上させる、大気造水システムを提案することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の目的を達成させるために、本発明の実施例は、
大気造水システムであって、
大気造水装置と、制御装置と、を含み、
前記制御装置は、前記大気造水システムの作動を制御するものであり、
前記大気造水装置は、造水蒸発器、凝縮器、圧縮機、ファン、及びノイズ低減装置を含み、前記凝縮器が前記造水蒸発器に接続され、前記圧縮機が前記造水蒸発器及び前記凝縮器に接続されることにより、冷媒を循環冷却させて供給し、前記ノイズ低減装置は、前記ファンと前記圧縮機との間に設けられ、前記ファンが前記凝縮器と前記圧縮機との間に設けられることにより、外部からの空気が前記造水蒸発器を経て、水及び冷風が生成され、冷風は、前記凝縮器を冷却した後、前記ノイズ低減装置に吹き込まれてノイズが低減され、残りの冷風は、さらに前記圧縮機及び前記制御装置の発熱部材に吹き付けられて降温、放熱を行う、大気造水システムを提案する。
【0006】
本発明の実施例の大気造水システムによれば、ファンの作用により、造水蒸発器で外部の空気から水が作られ、それと同時に、冷風が生成され、冷風は凝縮器を冷却した後、ノイズ低減装置でノイズが低減され、残りの冷風は圧縮機及び制御装置の発熱部材(例えば、制御基板の放熱器)に吹き付けられて降温させ、このように、ノイズ低減装置を利用して大気造水システム内で生じたノイズを低減させることができ、また、冷風を大気造水システム内の凝縮器、圧縮機、放熱器などの発熱部材の降温に利用し、それにより、ノイズを低減させるとともに、残りの冷却空気によって熱を放散することができ、エネルギーの利用効率を高め、大気造水の実用性を向上させる。
【0007】
また、本発明の上記の実施例で提案されている大気造水システムによれば、下記付加的な技術的特徴を有してもよい。
【0008】
任意選択で、前記ノイズ低減装置は、前記ファンの吹き出し口に設けられ、その頂部と底部を貫通している複数の送風通路を備える三次元網目構造を有するように配置された複数枚の吸音綿を含む。それにより、ノイズ低減装置は、吸音材料を用いて、空気が流通する少なくとも1つの送風通路の形態に設計され、風力に悪影響を与えずに、最適なノイズ低減効果を得ることができる。さらに、前記送風通路の内側壁には、複数の導流溝が周方向に間隔を開けて配置されている。このように、風力に悪影響を与えずに、最適なノイズ低減効果を得ることができ、当該ノイズ低減装置による残りの冷却空気の輸送への影響を回避する。
【0009】
任意選択で、集水装置をさらに含み、前記集水装置は、集水トレイ、水濾過網、及び集水タンクを有し、
前記集水タンクとしては、長方形の容器を用い、集水タンク吐水口が集水タンクの底部よりも数センチメートル高く、これにより、集水タンクの底部には、数センチメートルほどの水が残されており、沈殿物を保持し、
前記集水タンクには、着脱しやすい水濾過網が設けられ、
前記集水トレイは、造水蒸発器と集水タンクとの間に設けられ、造水蒸発器による水を収集し、集水トレイは、漏斗形であり、底部に集水トレイ吐水口が設けられ、水が集水トレイ吐水口から前記水濾過網に流れて、濾過される後、前記集水タンクに流れ、
前記水濾過網は、集水トレイと集水タンクとの間に設けられ、収集された水を濾過し、前記水濾過網は、迅速に交換可能な構造として構成され、迅速な交換が容易になる。
【0010】
任意選択で、水冷却装置をさらに含み、前記水冷却装置は、貯水タンク、冷水ポンプ、直接冷却管、冷水循環弁、及び冷水出口弁を有し、
前記直接冷却管としては、複数の管を接続した、内側管(瞬間冷却蒸発管)と外側管(水容器)とを含む構造を有するものが採用され、水を迅速に冷却する機能を果たし、
前記直接冷却管は、前記貯水タンク出口弁と、前記冷水ポンプ、前記冷水出口弁、前記冷水循環弁との間に設けられる。エネルギー消費量を節約するために、冷水の吐出が必要となる場合、前記直接冷却管は作動し、前記貯水タンク内の水が、前記冷水ポンプにより駆動されて、前記貯水タンク出口弁を通って直接冷却管に流れ、直接冷却管によって水温を所望の温度(例えば3~4℃)に迅速に下げる。
【0011】
冷水ポンプの作用により、冷水の循環は、前記冷水ポンプ、前記直接冷却管、前記冷水循環弁によって実現される。待機状態又は外部に冷水が使用されない場合、前記直接冷却管は間欠運転を行い、それにより、前記直接冷却管内の水を3~4℃の温度に保持しつつ、エネルギーを節約する。
【0012】
前記直接冷却管の内側管は前記凝縮器及び前記圧縮機に連通し、このように、前記直接冷却管と前記造水蒸発器は同一の圧縮機及び凝縮器を共用し、2つの膨張弁(造水膨張弁、瞬間冷却膨張弁)を介して、前記直接冷却管及び前記造水蒸発器にそれぞれ接続される。造水及び冷水に対するニーズに応じて、前記造水膨張弁及び前記瞬間冷却膨張弁は、制御装置の制御の下で、それぞれ自動的に調整され、それにより、凝縮造水及び水の冷却の機能を果たし、大気造水システム全体の部品点数を大幅に減少させ、システム全体のコストを低下させ、また、大気造水システムの構造をコンパクトにし、設備の体積を大幅に小さくし、実用性をより高め、各ユニットの協力により、エネルギー消費量を低減させ、コストダウンを図る。
【0013】
また、前記貯水タンクは、大気造水システムの収納室内に引き出し可能に設けられ、前記貯水タンクの給水口及び吐水口に第1クイックコネクタが設けられている。このようにして、貯水タンクを取り出して洗浄したり、迅速に取り付けたりすることが容易になる。
【0014】
任意選択で、水加熱装置をさらに含み、前記水加熱装置は、温水入口弁、温水タンク、温水ポンプ、直接加熱器、流量計、温水出口弁、及び温水循環弁を含み、前記直接加熱器は水を迅速に加熱する。
【0015】
温水を吐出する過程は以下の通りである。水は前記温水入口弁を通って前記温水タンクに流れ、外部循環を通じて加熱され、前記温水タンクの温度を所定の温度(例えば、70℃~80℃)に保持する。ユーザが温水を必要とする場合、温水は前記温水ポンプを経て流れ出し、前記直接加熱器で所望の温度(例えば、95~100℃)までさらに加熱されてから、前記温水出口弁により制御されて吐出される。
【0016】
温水循環過程は以下の通りである。待機状態又は温水が使用されない場合、温水は、前記直接加熱器、前記温水循環弁を通って前記温水タンクに還流し、このように、温水を循環させる効果が得られ、この場合、前記直接加熱器は、間欠的に加熱を行うことで、前記温水タンクの温度を相対的に低い温度(例えば、70℃~80℃)に保持し、エネルギー消費量を節約するとともに滅菌を実現できる。
【0017】
任意選択で、水浄化装置をさらに含み、前記水浄化装置は、組合せフィルタと滅菌消毒器とを有し、前記組合せフィルタは、集水タンクと貯水タンクとを連通させる水通路、及び、貯水タンクと直接冷却管とを連通させる水通路に設けられ、水を濾過し、滅菌消毒器は、貯水タンクと直接冷却管とを連通させる水通路に設けられ、水を滅菌して消毒する。
【0018】
前記組合せフィルタにはフィルタケースが設けられ、前記フィルタケース内に複数種のフィルタエレメントが収納されており、前記フィルタケースは、大気造水システムの収納室内に引き出し可能に設けられ、前記フィルタエレメントの給水口及び吐水口には第2クイックコネクタが設けられている。このように、フィルタの交換が容易になり、メンテナンスが便利になり、水質が高く維持される。
【0019】
前記滅菌消毒器は、外部紫外線・オゾン滅菌器であり、外側へ傾斜できるように設けられる、交換しやすい紫外線ランプを含む。前記紫外線ランプを交換する際には、前記滅菌消毒器を外側へ傾斜させることができ、これにより、前記紫外線ランプの交換を容易にする。
【0020】
前記滅菌消毒器は、オゾン注入口をさらに含み、オゾン消毒の際には、オゾンポンプによってオゾン発生器によるオゾンを前記滅菌消毒器に注入し、流動中の水に十分に溶解させて滅菌消毒を行う。
【0021】
前記貯水タンク内の水は前記滅菌消毒器に流れ込み、外部紫外線及びオゾンによって循環的に滅菌され、水の循環流動を制御することによって、水の流動過程において紫外線照射による滅菌及びオゾンによる滅菌を十分に行うことができる。
【0022】
任意選択で、洗浄装置をさらに含み、前記洗浄装置は、外付け洗浄槽、循環ポンプ、排水弁、及び揚水ポンプを含む。
【0023】
前記水タンクの洗浄において、まず、前記排水弁を開いて、前記揚水ポンプの作用により、水タンク(貯水タンク又は温水タンク)内の水を前記外付け洗浄槽に揚水し、前記循環ポンプの作用により、前記外付け洗浄槽内の洗浄水を前記水タンクに注入する。それにより、前記水タンクの循環洗浄が行われる。洗浄時に、前記外付け洗浄槽内の洗浄水を交換してもよい。
【0024】
任意選択で、フレームをさらに含み、前記フレームは、前記大気造水システムの収納室を画定し、前記収納室は、第1室、第2室、及び第3室を有し、前記大気造水装置の造水蒸発器、凝縮器、ファン、及び前記水加熱装置は前記第1室に設けられ、前記大気造水装置の圧縮機、ノイズ低減装置、及び前記制御装置の制御基板は前記第2室に設けられ、前記集水装置、前記水冷却装置、及び前記水浄化装置は前記第3室に設けられる。このように、大気造水システム全体の構造がコンパクトになる。
【0025】
本発明の追加の態様及び利点は、以下の説明において部分的に示され、その一部は以下の説明から明らかになるか、又は本発明の実施によって理解される。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【
図1】本発明の実施例に係る大気造水システムの構造模式図である。
【
図2】本発明の実施例に係る大気造水システムの別の視角での構造模式図である。
【
図3】本発明の実施例に係る大気造水システムの第1視角での内部構造模式図である。
【
図4】本発明の実施例に係る大気造水システムの第2視角での内部構造模式図である。
【
図5】本発明の実施例に係る大気造水システムの第3視角での内部構造模式図である。
【
図6】本発明の実施例に係るファン及びノイズ低減装置の構造模式図である。
【
図7】本発明の実施例に係るノイズ低減装置の構造模式図である。
【
図8】本発明の実施例に係る大気造水システムの第4視角での内部構造模式図である。
【
図9】本発明の実施例に係る集水装置の構造模式図である。
【
図10】本発明の実施例に係る集水タンクの構造模式図である。
【
図11】本発明の実施例に係る冷水の冷却吐水及び冷水循環のブロック図である。
【
図12】本発明の実施例に係る直接冷却管の構造模式図である。
【
図13】本発明の実施例に係る大気造水システムの第5視角での内部構造模式図である。
【
図14】本発明の実施例に係る水冷却装置の一部の部品の模式図である。
【
図15】本発明の実施例に係る水冷却装置の一部の部品の分解図である。
【
図16】本発明の実施例に係る大気造水における温水処理のブロック図である。
【
図17】本発明の実施例に係る水加熱装置の構造模式図である。
【
図18】本発明の実施例に係る水加熱装置の別の視角での構造模式図である。
【
図19】本発明の実施例に係る大気造水における水浄化処理のブロック図である。
【
図20】本発明の実施例に係る滅菌消毒器の構造模式図である。
【
図21】本発明の実施例に係る組合せフィルタの構造模式図である。
【
図22】本発明の実施例に係る組合せフィルタの別の視角での構造模式図である。
【
図23】本発明の実施例に係る水タンクの洗浄のブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本発明の実施例を詳細に説明する。前記実施例の一例を図面に示すが、各図面において同一又は類似の符号は、同一又は類似の要素又は同一又は類似の機能を有する要素を示す。図面を参照して以下に説明する実施例は、本発明を説明するために意図された例示的なものであり、本発明を限定するものとして理解されてはいけない。
【0028】
上記の技術的解決手段をより良く理解するために、以下、図面を参照して、本発明の例示的な実施例をより詳細に説明する。図面には本発明の例示的な実施例が示されているが、本発明は、本明細書に記載された実施例に限定されるべきではなく、様々な形態で実施され得ることが理解されるべきである。むしろ、これらの実施例は、本発明をより完全に理解することを可能にし、かつ、本発明の範囲を当業者に完全に伝えることを可能にするために提供される。
【0029】
以下、
図1~
図23を参照して、本発明による大気造水システムについて詳細に説明する。
【0030】
まず、
図1~
図3に示すように、本発明の実施例に係る大気造水システムは、大気造水装置10と、制御装置と、を含む。
【0031】
具体的には、制御装置は、大気造水システムの作動を制御するものである。大気造水装置10は、造水蒸発器101、凝縮器102、圧縮機103、ファン104、及びノイズ低減装置105を含み、凝縮器102が造水蒸発器101に接続され、圧縮機103が造水蒸発器101及び凝縮器102に接続されることにより、冷媒を循環冷却させて供給し、ノイズ低減装置105は、ファン104と圧縮機103との間に設けられ、ファン104が凝縮器102と圧縮機103との間に設けられることにより、外部からの空気が造水蒸発器101を経て、水及び冷風が生成され、冷風は、凝縮器102を冷却した後、ノイズ低減装置105に吹き込まれてノイズが低減され、さらに、残りの冷風が圧縮機103及び制御装置の発熱部材に吹き付けられて降温、放熱を行う。
【0032】
つまり、造水蒸発器101は、水を生成するとともに冷風を生成し、冷風はノイズ低減装置105によってノイズが低減された後、大気造水装置10内の他の発熱部材の温度を下げることができ、これにより、大気造水システムのノイズの課題とエネルギー利用の課題が同時に解決される。
【0033】
このように、該大気造水システムでは、ファン104の作用により、造水蒸発器101で外部の空気から水が作られ、それとともに、冷風が生成され、冷風は凝縮器102を冷却した後、ノイズ低減装置105でノイズが低減され、残りの冷風は圧縮機103及び制御装置の発熱部材(例えば、制御基板の放熱器)に吹き付けられて降温を行い、このように、空気の流れに関する設計及びノイズ低減装置105によって、大気造水システム内で発生するノイズを大幅に低減させることができ、また、大気造水システム内の圧縮機103や凝縮器102、放熱器などの発熱部材の降温に冷風を利用することにより、ノイズを低減させるとともに、残りの冷却空気によって熱を放散することができ、エネルギーの利用効率を高め、大気造水の実用性を向上させる。
【0034】
上記の実施例は、本願の最も基本的な態様であり、背景技術において提起された課題を解決し、本願の目的を達成することができる。以下、上記の基本的な態様にさまざまな改良を加えてパフォーマンスをさらに向上させることで、実施効果をより良好なものとする。
<大気造水装置>
【0035】
大気造水装置10に関しては、
図4~
図7に示すように、ノイズ低減装置105はファン104の吹き出し口に接続される。このように、ファン104からの風がすべてノイズ低減装置105に導入され、ノイズ低減効果が確保される。ここで、ファン104としては、軸流ファンが利用されてもよい。
【0036】
より具体的には、ノイズ低減装置105は、その頂部と底部を貫通している複数の送風通路1051を有し、横断面が九宮格状である三次元網目構造を有する複数枚の吸音綿を含む。このように、ノイズ低減装置105は吸音綿によって三次元網目構造が形成され、三次元網目構造の横断面を九宮格状にすることで、複数の送風通路1051を形成し、それにより、風力に悪影響を与えずに、最適なノイズ低減効果を得ることができる。
【0037】
ノイズ低減効果をさらに向上させるために、送風通路1051の内側壁には、複数の導流溝が周方向に間隔を開けて配置されている。このように、風力に悪影響を与えずに、最適なノイズ低減効果を得ることができ、当該ノイズ低減装置105による残りの冷却空気の輸送への影響を回避する。
【0038】
発熱部材に対する冷風の降温、放熱効果をさらに確保するために、ノイズ低減装置105では、底部に近い位置に複数の略V字形溝が設けられている。このように、送風通路1051を介して輸送された風を迅速に拡散させることができ、空気抵抗を小さくし、残りの冷風による放熱効果を確保することができる。
【0039】
さらに、大気造水装置10は空気濾過網106をさらに含み、空気濾過網106は造水蒸発器101の外部に設けられ、空気濾過網106で濾過された空気はファン104によって造水蒸発器101に導入され、そこで空気が処理されて水及び冷風を生成する。ここで、空気濾過網106には、従来の空気力学の原理を利用した上で多重濾過技術を採用することができ、これにより、空気中の有害なガスを効果的に濾過することができる。
【0040】
大気造水装置10では、圧縮機103及び凝縮器102の作動について、造水蒸発器101又は直接冷却管302内の冷媒は熱を吸収してから気体に変化し、圧縮機103で圧縮されて高圧高温の気体になり、さらに凝縮器102に送られて冷却されて冷媒になる。
【0041】
凝縮器102で冷却された冷媒は、配管を介して造水蒸発器101に輸送され、配管には膨張弁が設けられてもよい。このように、冷媒は造水蒸発器101内で持続的に冷却作用を果たす。
【0042】
上述のように、ノイズ低減装置105からの残りの冷却空気で放熱器601の熱を放散することもできる。制御装置の制御基板603は主な発熱部材であり、その放熱器601を通じで伝導された熱をタイムリーで放散する必要がある。制御基板603及び放熱器601がノイズ低減装置105と圧縮機103との間に設けられることにより、ノイズ低減装置105から吹き出された風でこの放熱器601が放熱することができる。残りの冷却空気による放熱により、エネルギーの利用効率を高める。
【0043】
大気造水システム全体の電気制御操作を確保するために、上記の制御装置は、制御情報やデータパラメータの表示及び調整情報の入力に用いられる制御パネル602をさらに含み、制御基板603(制御基板603としては、従来技術におけるプログラマブルコントローラが用いられる。)は、大気造水システム全体の作動を制御する。
<集水装置>
【0044】
図8~
図10に示すように、当該大気造水システムは、集水装置20をさらに含み、集水装置20は、集水トレイ201、水濾過網202、及び集水タンク203を含む。
【0045】
具体的には、集水タンク203は、天面に集水タンク給水口2031が設けられ、底部に近い位置に集水タンク吐水口2032及び集水タンク排水口2033が設けられ、集水タンク吐水口2032は、集水タンク排水口2033から離間しており、かつ、集水タンク203の底面よりも高くなるように集水タンク排水口2033の上方に位置する。水濾過網202は、集水タンク給水口2031に取り外し可能に設けられる。集水トレイ201は、造水蒸発器101による水を収集するために、造水蒸発器101と集水タンク203との間に設けられ、集水トレイ201の底部には、収集した水が水濾過網202に流れて集水タンク203に入るための集水トレイ吐水口2011が設けられている。
【0046】
つまり、集水トレイ201は、造水蒸発器101による水を収集し、水は、集水トレイ吐水口2011から水濾過網202に流れて、濾過された後、集水タンク203内に流れる。集水トレイ201が集水タンク203とは別体に設けられ、水濾過網202が集水タンク203の天面における集水タンク給水口2031に取り外し可能に設けられることによって、集水タンク203を取り外さずに、水濾過網202を容易に交換することができ、水質を確保することができる。集水タンク吐水口2032が集水タンク排水口2033及び集水タンク203の底面よりも高いように設けられることによって、集水タンク203の底部には、数センチメートルほどの水が残されており、これにより、集水タンク203の底面に沈殿物を保持することができ、さらに、外部の洗浄水、循環ポンプ、揚水ポンプ及び排水口の協働により、当該装置では、集水タンク203を取り外さずに集水タンク203を洗浄して排水を行うことができ、水質をさらに確保する。
【0047】
さらに、集水トレイ201と集水タンク203との間に隙間があり、集水トレイ吐水口2011は垂直方向において集水タンク給水口2031に位置合わせされる。このように構成によれば、集水トレイ201及び集水タンク203の位置を合理的に設定することができる。
【0048】
ここで、集水タンク203は長尺状である。集水タンク203には、大気造水システムの収納室の内側壁に取り付けるための固定板が設けられる。集水トレイ201は、取り付け板によって造水蒸発器101の下方に設けられる。このように、集水トレイ201が集水タンク203とは別体に配置されるため、洗浄や交換が容易になり、大気造水システムの内部構造がコンパクトになる。
【0049】
水濾過網202を取り外して交換することに関しては、水濾過網202をボウル形状にして、水濾過網202の頂部の開口部には、集水タンク給水口2031の縁部に当接するフランジを設けてもよい。このように、直接着脱構造とともに集水タンク203と集水トレイ201の別体構造化により、水濾過網202の交換が容易になり、水質が確保される。
【0050】
さらに、様々なサイズの水濾過網202を設置するために、集水タンク203の頂部にカバーが設けられる。
【0051】
集水トレイ201の構造については、集水トレイ201には、第1トレイ部2013及び第2トレイ部2014に仕切られるように仕切板2012が設けられ、第1トレイ部2013は漏斗状であり、集水トレイ吐水口2011は第1トレイ部2013の底部に設けられ、仕切板2012には、第2トレイ部2014と第1トレイ部2013とを連通させる貫通孔が設けられ、第2トレイ部2014内には、貫通孔に連通するまで延びる溝が設けられる。ここで、第2トレイ部2014は、溝及び貫通孔を介して収集した水を第1トレイ部2013に案内し、この水は集水トレイ吐水口2011から集水タンク203に流れ込む。
【0052】
より具体的には、第1トレイ部2013は造水蒸発器101の下方に位置し、第2トレイ部2014は凝縮器102の下方に位置する。このように、造水蒸発器101で生成された水がすべて回収される。
<水冷却装置>
【0053】
図11~
図15に示すように、当該大気造水システムは、水冷却装置30をさらに含み、水冷却装置30は、貯水タンク301、冷水ポンプ、直接冷却管302、冷水循環弁、及び冷水出口弁を含む。ここで、直接冷却管302は、複数の管を接続した、内側管(瞬間冷却蒸発管)と外側管(水容器)とを含む構造を有し、水を迅速に冷却する機能を果たす。
【0054】
具体的には、直接冷却管302の内側管は凝縮器102及び圧縮機103に連通し、冷媒を循環冷却させて供給し、直接冷却管102の外側管は貯水タンク301、冷水循環弁、及び冷水出口弁に連通し、冷水循環弁は冷水を循環させて冷水ポンプに流すのに適している。
【0055】
つまり、水冷却装置30の直接冷却管302の内側管(瞬間冷却蒸発管)で使用される冷媒も上記の圧縮機103で圧縮されてから、凝縮器102に輸送されて冷却を行い、その後、循環させて直接冷却管302の内側管に送られる。このように、造水蒸発器101と直接冷却管302は、同一の圧縮機103及び凝縮器102を共用することができる。また、水冷却装置30は、使用時には瞬間冷却を行い、待機時には間欠運転を行う。このように、同一の圧縮機103及び凝縮器102によって凝縮造水と水の冷却の機能を実現し、大気造水システム全体の部品数を減少させ、システム全体のコストを低下させ、エネルギー消費量を低減させ、また、システムの構造をコンパクトにし、機器の体積を大幅に減少し、より実用性を有するものにする。
【0056】
より具体的には、水冷却装置30の使用中、外部に冷水を吐出する必要がある場合、直接冷却管302は作動し、冷水ポンプの駆動により、貯水タンク301内の水が直接冷却管302に流れ、直接冷却管302によって水温を所望の温度(例えば、3~4℃)に迅速に下げる。
【0057】
また、冷水ポンプ、直接冷却管302、冷水循環弁によって冷水の循環が実現され得る。待機状態又は外部に冷水が使用されない場合、直接冷却管302は間欠運転を行い、それにより、直接冷却管302内の水を3~4℃の温度に保持することができる。このようにすると、エネルギー消費量を低減させ、省エネ化の効果を果たす。
【0058】
凝縮器102で冷却された冷媒は、配管を介して直接冷却管302に輸送され、配管には膨張弁が設けられてもよい。このように、冷媒は直接冷却管302内で持続的に冷却作用を果たす。
【0059】
つまり、凝縮器102の吐出配管には、造水膨張弁及び瞬間冷却膨張弁が設けられており、造水膨張弁は凝縮器102と造水蒸発器101とに接続され、瞬間冷却膨張弁は直接冷却管302と凝縮器102とに接続される。それにより、造水蒸発器101及び直接冷却管302で使用される冷媒は、すべて圧縮機103で圧縮されてから凝縮器102に輸送され、冷却を行った後、循環して造水膨張弁及び瞬間冷却膨張弁に送られ、所望の造水量や所望の冷水温度に応じて、造水膨張弁及び瞬間冷却膨張弁がそれぞれ自動的に調整され、そして、当該冷媒はさらに造水蒸発器101及び直接冷却管302内に設けられた蒸発クーラーを通過する。それにより、造水量や冷水温度を簡単に自動制御することができる。
【0060】
また、水冷却装置30では、貯水タンク301は大気造水システムの収納室内に引き出し可能に設けられ、貯水タンク301の給水口及び吐水口には、第1クイックコネクタが設けられ、このように、貯水タンク301を取り出して洗浄したり、迅速に取り付けたりすることが容易になる。
【0061】
具体的には、水冷却装置30は、ベース303と第2引き出し式トレイ304をさらに含み、ベース303は大気造水システムの収納室内に固定され、ベース303は、一端が開口した第1凹溝3031を画定し、第2引き出し式トレイ304は第1凹溝3031に摺動可能に接続され、第2引き出し式トレイ304は第2凹溝3041を画定し、貯水タンク301は第2凹溝3041に設置され、貯水タンク301の給水口及び吐水口の両方には第1クイックコネクタ3011が設けられている。
【0062】
つまり、貯水タンク301は長期間の使用により水垢が付着しやすいため、貯水タンク301を洗浄する必要がある場合、第2引き出し式トレイ304を第1凹溝3031から引き出し、第2凹溝3041内の貯水タンク301を大気造水システムの収納室から離間させ、次に、貯水タンク301を第2凹溝3041から取り出し、それと同時に、貯水タンク301の第1クイックコネクタ3011を、接合対象のホースのクイックコネクタから接合解除し、それにより、貯水タンク301の手動洗浄や交換が容易になる。貯水タンク301の洗浄完了後、貯水タンク301を第2凹溝3041に戻し、第2引き出し式トレイ304を第1凹溝3031に押し戻し、貯水タンク301を大気造水システムの室内に復帰させ、さらに、貯水タンク301の第1クイックコネクタ3011を、接合対象のホースのクイックコネクタに接合し、それにより、通常の使用状態が回復される。
【0063】
このように、貯水タンク301は引き出し式トレイによって大気造水システムの収納室内から引き出され、かつ、貯水タンク301の第1クイックコネクタ3011は、嵌合するホースから迅速に分離されるため、貯水タンク301を容易に洗浄することができ、また、洗浄完了後、貯水タンク301は、引き出し式トレイによって大気造水システムの室内に押し戻され、かつ、貯水タンク301の第1クイックコネクタ3011は、嵌合するホースに迅速に接合される。その結果、水タンクの洗浄や交換、メンテナンスが容易になり、水質が高く確保される。
【0064】
第2引き出し式トレイ304の摺動に関しては、第2引き出し式トレイ304にスライダ、第1凹溝3031内にスライドレールが設けられ、スライダはスライドレールに摺動可能に接続される。このように、貯水タンク301を大気造水システムの収納室に対して引き出したり押し戻したりすることを容易にし、貯水タンク301の洗浄や洗浄後の迅速な回復に有利である。
<水加熱装置>
【0065】
図16~
図18に示すように、該大気造水システムは、水加熱装置40をさらに含み、水加熱装置40は、温水タンク401、直接加熱器402、温水出口弁、及び温水循環弁を有する。直接加熱器402によって水を迅速に加熱することが可能になる。
【0066】
具体的には、温水タンク401は貯水タンク301に連通し、直接加熱器402は、温水タンク401、温水循環弁、及び温水出口弁に連通し、温水循環弁は、温水を循環させて温水タンク401に流すのに適している。
【0067】
つまり、温水タンク401と直接加熱器402とを連通させる水通路には、温水ポンプが設けられ、また、温水タンク401は、温水入口弁を介して冷水循環弁に連通し、さらに貯水タンク301に連通する。温水を吐出する際には、貯水タンク301内の水は温水入口弁を通って温水タンク401に流れ、外部循環を通じて加熱され(直接加熱器402で加熱され)、それにより、温水タンク401の温度を所定の温度(例えば、70℃~80℃)に保持し、ユーザが温水を必要とする場合、温水は温水ポンプを経て流れ出し、直接加熱器402で所望の温度(例えば、95~100℃)までさらに加熱された後、温水吐出端から吐出される。温水の循環過程は以下の通りである。待機状態又は外部に温水が使用されない場合、温水は、直接加熱器402、温水循環弁を通って温水タンク401に還流し、このように、温水を循環させる効果が得られ、この場合、直接加熱器402は、間欠的に加熱を行うことで、温水タンク401の温度を相対的に低い温度(例えば、70℃~80℃)に保持し、エネルギー消費量を節約するとともに滅菌を実現できる。
【0068】
温水タンク401では、温水タンク排水口4011が設けられ、温水タンク排水口4011には排水弁が接続されている。このように、温水タンク401の洗浄を可能にする。
<水浄化装置>
【0069】
図19~
図22に示すように、該大気造水システムは、水浄化装置50をさらに含み、水浄化装置50は、組合せフィルタ501と滅菌消毒器502とを有する。組合せフィルタ501は、集水タンク203と貯水タンク301とを連通させる水通路、及び、貯水タンク301と直接冷却管302とを連通させる水通路に設けられ、水を濾過し、滅菌消毒器502は、貯水タンク301と直接冷却管302とを連通させる水通路に設けられ、水を滅菌して消毒する。
【0070】
つまり、集水タンク203内の水は組合せフィルタ501で濾過されて貯水タンク301に流れ、貯水タンク301を経た後、外部の滅菌消毒器502で循環的に滅菌消毒される。
【0071】
具体的には、組合せフィルタ501は、フィルタケース5011、第1引き出し式トレイ5012、及び第2クイックコネクタ5013を含み、フィルタケース5011内には、複数種のフィルタエレメント5014が収納されており、フィルタケース5011は、第1引き出し式トレイ5012内に配置され、第1引き出し式トレイ5012は大気造水システムの収納室に摺動可能に接続され、第2クイックコネクタ5013は、フィルタエレメント5014の給水口及び吐水口に接続される。それにより、引き出し式トレイによってフィルタケース5011を大気造水システムの室内から引き出し、フィルタエレメント5014のホースのクイックコネクタを嵌合するホースから迅速に離脱させることで、フィルタエレメント5014を容易に交換することができる。交換後、引き出し式トレイによってフィルタケース5011を大気造水システムの室内に押し戻され、さらに、フィルタエレメント5014のホースのクイックコネクタを嵌合するホースに迅速に接合させる。それにより、フィルタエレメントの洗浄や交換が容易になり、メンテナンスが便利になり、水質が高く確保される。
【0072】
ここで、1つの第2クイックコネクタ5013は、1つの給水口と1つの吐水口を含むが、必要に応じて複数の第2クイックコネクタ5013を設けてもよい。1つの第2クイックコネクタ5013は、1つ又は複数の専用のフィルタエレメント5014に対応する。
【0073】
また、第1引き出し式トレイ5012と大気造水システムの収納室との具体的な摺動可能な接続構造については、収納室内にスライドレール、第1引き出し式トレイ5012にスライダが設けられ、スライダはスライドレールに摺動可能に接続され、それにより、第1引き出し式トレイ5012は引き出しによって収納室内を摺動可能である。
【0074】
当該組合せフィルタ501は、集水タンク203と貯水タンク301との間の水通路において、少なくとも1つのフィルタエレメント5014によって初期濾過を行うことができ、貯水タンク301と直接冷却管302との間の水通路において、少なくとも1つのフィルタエレメント5014によって仕上げ濾過を行う。
【0075】
滅菌消毒器502は、外部紫外線・オゾン滅菌器であり、交換しやすい紫外線ランプを含み、この紫外線ランプは、外側へ傾斜できるように設けられる。紫外線ランプを交換する際には、滅菌消毒器502を外側へ傾斜させることができ、これにより、紫外線ランプの交換を容易にする。滅菌消毒器502は、オゾン注入口をさらに含み、オゾン消毒の際には、オゾンポンプによってオゾン発生器で発生したオゾンを滅菌消毒器502に注入し、流動中の水に十分に溶解させて滅菌消毒を行う。
【0076】
なお、貯水タンク301内の水は滅菌消毒器502に流れ込み、外部紫外線及びオゾンによって循環的に滅菌され、それにより、水の流動過程において紫外線照射による滅菌及びオゾンによる滅菌を十分に行うことができる。
【0077】
具体的には、滅菌消毒器502は、容器筐体5021、紫外線ランプ5022、及びオゾン発生器を含み、容器筐体5021の給水口は貯水タンク301に接続され、容器筐体5021の吐水口は組合せフィルタ501に接続され、紫外線ランプ5022は、容器筐体5021内に挿入されて、容器筐体5021内の水を滅菌処理し、オゾン発生器は、容器筐体5021に連通して、オゾンを容器筐体5021内に注入し、水を消毒処理する。
【0078】
つまり、滅菌消毒器502は、貯水タンク301と組合せフィルタ501とを連通させる水通路に設けられ、外部の紫外線滅菌循環を利用して、水の流動過程において紫外線照射による滅菌を十分に行うことを可能にし、一方、オゾン消毒は、オゾン発生器によるオゾンを、紫外滅菌機能付きの容器筐体5021に注入し、流動中の水に十分に溶解させて滅菌消毒を行う。
【0079】
さらに、容器筐体5021は、容器筐体5021が揺動して直立状態と傾斜状態との間で切り替え可能であるように、ヒンジ5023によって大気造水システムの収納室内に取り付けられる。なお、手動で容器筐体5021を動かすことで、容器筐体5021を揺動させて直立状態と傾斜状態との間で切り替えることができる。傾斜状態では、ユーザが紫外線ランプ5022を交換したり洗浄したりすることが容易になる。
【0080】
ここで、紫外線ランプ5022は、容器筐体5021の頂部から容器筐体5021内に挿入されて取り付けられてもよい。容器筐体5021の給水口は容器筐体5021の底部に近い位置に設けられ、容器筐体5021の吐水口は容器筐体5021の頂部に近い位置に設けられ、このようにして、容器筐体5021内で流動中の水に対して滅菌消毒を十分に行うことができる。
【0081】
以上のように、水浄化の際には、冷水ポンプによって貯水タンク301内の水を容器筐体5021内に圧送して滅菌消毒した後、組合せフィルタ501に圧送して濾過し、次に、直接冷却管302に圧送し、又は、冷水ポンプによって貯水タンク301内の水を容器筐体5021内に圧送して滅菌消毒した後、冷水循環弁に圧送して、さらに貯水タンク301に送り、このように、貯水タンク301内の水の循環が実現され、水質が確保される。
<洗浄装置>
【0082】
図23に示すように、当該大気造水システムは洗浄装置をさらに含み、洗浄装置は、外付け洗浄槽、循環ポンプ、及び揚水ポンプを含む。洗浄装置は、集水タンク203及び温水タンク401を洗浄する。
【0083】
水タンクの洗浄において、まず、排水弁を開いて、揚水ポンプの作用により、水タンク(貯水タンク又は温水タンク)内の水を外付け洗浄槽に揚水し、循環ポンプの作用により、外付け洗浄槽内の洗浄水を水タンクに注入する。それにより、水タンクの循環洗浄が行われる。洗浄時に、外付け洗浄槽内の洗浄水を交換してもよい。このように水質が確保される。
【0084】
具体的な実施例では、大気造水システムの具体的な構造に関しては、フレーム70をさらに含んでもよく、フレーム70は収納室を画定し、収納室は、第1室、第2室、及び第3室を有し、最上層の第1室には、大気造水装置10の造水蒸発器101、凝縮器102、ファン104、及び水加熱装置40が配置され、第2室には、圧縮機103、ノイズ低減装置105、制御基板603、及び各種のポンプが配置され、第3室には、集水装置20、水冷却装置30、水浄化装置50、及び各種のポンプが配置される。それにより、大気造水システム全体の構造がコンパクトになる。
【0085】
また、大気造水システムのフレーム70には、自動感知吐水器がさらに設けられ、自動感知吐水器は、温水出口弁及び冷水吐出弁に接続され、それにより、ユーザが自動感知吐水器から水を取ることが可能になり、温水は温水出口弁によって吐水が制御され、冷水は冷水吐出弁によって吐水が制御される。冷水を吐出する水通路及び温水を吐出する水通路のいずれにも、制御装置と組み合わせて吐水量を制御するように、流量計が設けられてもよい。
【0086】
なお、本発明の説明において、「中心」、「縦方向」、「横方向」、「長さ」、「幅」、「厚さ」、「上」、「下」、「前」、「「後」、「左」、「右」、「垂直」、「水平」、「頂」、「底」、「内」、「外」、「時計回り」、「反時計回り」などの用語で示される方位又は位置は、図面に示される方位又は位置関係に基づくものであり、本発明を説明する便宜及び説明の簡略化のためのものに過ぎず、示される装置又は要素は、特定の方位を有したり、特定の方位で構成され、動作しなければならないので、本発明の限定と理解することはできない。
【0087】
さらに、「第1」、「第2」という用語は説明の目的にのみ使用され、相対的重要性を指示若しくは示唆し、又は示された技術的特徴の数を暗黙的に指示するとは解されない。したがって、「第1」、「第2」に限定される特徴は、1つ又は複数の当該特徴を明示的又は暗黙的に含んでもよい。本発明の説明において、「複数」とは、別段の明示的かつ具体的な限定がない限り、2以上を意味する。
【0088】
本発明では、別段の明示的な規定及び限定がない限り、「取り付ける」、「連結」、「接続」、「固定」等の用語は、例えば、固定的な接続、取り外し可能な接続、又は一体的な接続であってもよく、機械的接続、電気的接続であってもよく、直接連結、中間媒体を介した間接的な連結、2つの要素内部の連通又は2つの要素の相互作用関係であってもよい。当業者であれば、本発明における上記の用語の具体的な意味は、状況に応じて理解することができる。
【0089】
本発明では、別段の明確な規定及び限定がない限り、第1特徴が第2特徴の「上」又は「下」にあることは、第1及び第2特徴が直接接触することを含むことができ、又は、第1及び第2特徴が直接接触するのではなく、それらの間の追加の特徴を介して接触することを含むことができる。さらに、第1特徴が第2特徴の「上」、「上方」、及び「よりも上」にあることは、第1特徴が第2特徴の直上及び斜め上にあることを含むか、又は単に第1特徴の水平方向の高さが第2特徴よりも高いことを示す。第1特徴が第2特徴の「下」、「下方」及び「よりも下」にあることは、第1特徴が第2特徴の直下及び斜め下にあることを含むか、又は単に第1特徴の水平方向の高さが第2特徴よりも低いことを示す。
【0090】
本明細書の説明において、用語「一実施例」、「いくつかの実施例」、「例」、「具体例」、又は「いくつかの例」などを参照した説明は、該実施例又は例を参照して説明される特定の特徴、構造、材料、又は特性が本発明の少なくとも1つの実施例又は例に含まれることを意味する。本明細書では、上記の用語の概略的な表現は、同じ実施例又は例を対象とする必要があると理解されるべきではない。さらに、説明された特定の特徴、構造、材料、又は特性は、任意の1つ又は複数の実施例又は例において、適切な方法で組み合わされてもよい。さらに、当業者は、本明細書に記載された異なる実施例又は例を結合したり組み合わせたりすることができる。
【0091】
以上、本発明の実施例が示され、説明されたが、上記の実施例は例示的なものであり、本発明を限定するものとは理解されず、当業者であれば、本発明の範囲内で上記の実施例を変更、修正、置換、及び変形することができることが理解される。
【符号の説明】
【0092】
大気造水装置10、造水蒸発器101、凝縮器102、圧縮機103、ファン104、ノイズ低減装置105、送風通路1051、空気濾過網106
集水装置20、集水トレイ201、集水トレイ吐水口2011、仕切板2012、第1トレイ部2013、第2トレイ部2014、水濾過網202、集水タンク203、集水タンク給水口2031、集水タンク吐水口2032、集水タンク排水口2033
水冷却装置30、貯水タンク301、第1クイックコネクタ3011、直接冷却管302、ベース303、第1凹溝3031、第2引き出し式トレイ304、第2凹溝3041
水加熱装置40、温水タンク401、温水タンク排水口4011、直接加熱器402
水浄化装置50、組合せフィルタ501、フィルタケース5011、第1引き出し式トレイ5012、第2クイックコネクタ5013、フィルタエレメント5014、滅菌消毒器502、容器筐体5021、紫外線ランプ5022、ヒンジ5023
放熱器601、制御パネル602、制御基板603
フレーム70
【要約】 (修正有)
【課題】ノイズが低く、エネルギーを十分かつ効率的に利用することができ、エネルギー消費量を低減させ、実用性を向上させる、大気造水システムを提供する。
【解決手段】大気造水装置と制御装置とを含み、制御装置は、大気造水システムの作動を制御するものであり、大気造水装置は、造水蒸発器101、凝縮器、圧縮機103、ファン104及びノイズ低減装置105を含み、凝縮器が造水蒸発器101に接続され、圧縮機103が造水蒸発器101及び凝縮器に接続されることにより、冷媒を循環冷却させて供給し、ノイズ低減装置105はファン104と圧縮機103との間に設けられ、ファン104が凝縮器と圧縮機103との間に設けられることからなり、外部からの空気が造水蒸発器101を経て、水及び冷風が生成され、冷風は凝縮器を冷却した後、ノイズ低減装置105に吹き込まれてノイズが低減される。
【選択図】
図3