IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ オーティス株式会社の特許一覧

<>
  • 特許-釣り用のおもり 図1
  • 特許-釣り用のおもり 図2
  • 特許-釣り用のおもり 図3
  • 特許-釣り用のおもり 図4
  • 特許-釣り用のおもり 図5
  • 特許-釣り用のおもり 図6
  • 特許-釣り用のおもり 図7
  • 特許-釣り用のおもり 図8
  • 特許-釣り用のおもり 図9
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-26
(45)【発行日】2025-01-10
(54)【発明の名称】釣り用のおもり
(51)【国際特許分類】
   A01K 95/00 20060101AFI20241227BHJP
【FI】
A01K95/00 C
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2024059703
(22)【出願日】2024-04-02
【審査請求日】2024-05-28
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】505048460
【氏名又は名称】オーティス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000198
【氏名又は名称】弁理士法人湘洋特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】矢萩 拓海
【審査官】大澤 元成
(56)【参考文献】
【文献】実開昭59-000679(JP,U)
【文献】特開平8-298905(JP,A)
【文献】特開2002-218882(JP,A)
【文献】どう切ったら1g?キャスティングゲームに必須!鉛シールのおすすめ切り方と便利な使い方,月22万人が読んでる「オフショアジギング情報マガジン」ジギング魂,2021年11月26日,p.1-10,https://jigging-soul.com/389499
【文献】ジョイントベイトなど、ルアーのシンキングチューンに!日本製で強い粘着力!BIOVEX,石井館長のバス魂,2021年01月14日,p.1-2,https://ameblo.jp/bassdamasii/entry-12650177501.html
【文献】ビッグベイトで使いやすいウェイトシール♪,谷和原店のショップニュース,上州屋,p.1-3,http://www.johshuya.co.jp/shop/detail.php?s=188&no=274257
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01K 95/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
釣り用具の重量を調整するための釣り用のおもりであって、
中心線に関して線対称に形成されるシート状の本体であって前記釣り用具であるルアーに面状に貼り付けることができる本体を備え、
前記本体は、スリットを有するとともに、前記スリットにより区分けされて構成される、前記中心線を跨る一の基部と、一以上の調整部とを有し、
前記本体は、前記中心線を跨る切欠状の逃し部を有し、
前記調整部は、前記基部の両側において前記中心線に関して線対称に構成され、
前記本体は、線対称の前記調整部を除去すると、線対称の形状を保持しつつ重量が規定量減り、
前記本体を前記ルアーに面状に貼り付けた状態で、当該ルアーの左右バランスを変えずに前記調整部を除去しながら重量を調整できる
ことを特徴とする、釣り用のおもり。
【請求項2】
前記本体は、対となる前記調整部を有する
ことを特徴とする、請求項1に記載の釣り用のおもり。
【請求項3】
釣り用具の重量を調整するための釣り用のおもりであって、
中心線に関して線対称に形成されるシート状の本体であって前記釣り用具であるルアーに面状に貼り付けることができる本体を備え、
前記本体は、区分け手段を有するとともに、前記区分け手段により区分けされて構成される、前記中心線を跨る一の基部と、一以上の調整部とを有し、
前記本体は、前記中心線を跨る切欠状の逃し部を有し、
前記調整部は、前記基部の両側において前記中心線に関して線対称に構成され、
前記本体は、前記基部の両側の部分が連なって前記中心線を跨る前記調整部を有し、
前記本体は、前記ルアーに面状に貼り付けた状態で、前記中心線を跨る線対称の前記調整部を除去すると、線対称の形状を保持しつつ重量が規定量減る
ことを特徴とする、釣り用のおもり。
【請求項4】
前記本体は、重量を定量ずつ減らせる
ことを特徴とする、請求項1またはに記載の釣り用のおもり。
【請求項5】
ルアーに面状に貼り付けるための粘着部を備える
ことを特徴とする、請求項1またはに記載の釣り用のおもり。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、釣り用のおもりに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、ルアーを好ましい沈下スピードで沈めたり、好みのバランスで泳がせたりするために、ルアーにシート状の釣り用のおもりを貼り付けることがある。
【0003】
ルアーに装着するものとしては、例えば、「概ね紡錘形をなすとともに後部に釣り針を備えた釣用疑似餌本体における前記釣り針とは反対側たる頭部へ着脱自在に装着する調整用錘であって、釣用疑似餌本体は、前記の頭部に備えた両眼の間付近から上方へ突出させたラインアイと、前記の両眼付近の下方へ突出させた錘部と、を備えており、前記の調整用錘は、前記のラインアイをまたいで挿通させる長孔と、前記の錘部を着脱動作の際に逃がすための切り欠き部を備え、その長孔の長手方向は、釣用疑似餌本体の長手方向と一致させた調整用錘」が提案されている(特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】実用新案登録第3191215号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記ルアーの頭部に装着する調整用錘は、それ自体の重量は調整できないため、重量が異なる複数種類を用意して使い分ける必要がある。また、上記調整用錘は、ルアーの頭部の形状や大きさによっては、装着できない場合がある。
【0006】
上記シート状の釣り用のおもりは、ルアーの表面に貼り付けて使用するため、様々なルアーに幅広く使用できる一方、上記調整用錘と同様に、それ自体の重量は容易に調整できないため、同様に重量が異なる複数種類を用意して使い分けることが多い。
【0007】
すなわち、上記シート状の釣り用のおもりは、釣りの現場で任意の重量にカットすることはできるものの、正確な重量をその場で計算し、カットするには手間がかかる。
【0008】
また、釣り用のおもりの好ましい重量は、その場の川や海水の流れ等にもよるため、ルアーに付けて沈めたりして調整する必要があるが、ルアーに貼った状態でカットするとルアーに傷が入ってしまうことがある。また、ルアーが濡れていて滑りやすいため、怪我につながる可能性がある。一方で、ルアーに貼ったものを剥がしてカットする等、貼ったり剥がしたり繰り返すと、ゴミや水が粘着面に付くため、ルアーの使用中におもりが剥がれやすくなる。
【0009】
本発明は上記課題の少なくとも一つを解決するためのものであり、釣りの現場で簡便に重量を調整できる釣り用のおもりを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の課題を解決する本発明の一態様は、釣り用のおもりであって、中心線に関して線対称に形成されるシート状の本体を備え、前記本体は、前記中心線を跨る基部と、調整部とを有し、前記調整部は、前記基部の両側において前記中心線に関して線対称に構成され、前記本体は、線対称の前記調整部を除去すると、線対称の形状を保持しつつ重量が規定量減る。
【0011】
前記本体は、前記中心線を跨る切欠状の逃し部を有してもよい。
【0012】
前記本体は、対となる前記調整部を有してもよい。
【0013】
前記本体は、前記中心線を跨る前記調整部を有してもよい。
【0014】
前記本体は、重量を定量ずつ減らせるものでもよい。
【0015】
ルアーに面状に貼り付けるための粘着部を備えてもよい。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、釣りの現場で簡便に重量を調整できる釣り用のおもりを提供することができる。
【0017】
上記した以外の課題、構成、及び効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】実施形態1の釣り用のおもりの例を説明するための外観図である。
図2】ルアーの例を示す図である。
図3】実施形態1の本体の例及び本体重量調整例を説明するための図である。
図4】実施形態1の変形例1の釣り用のおもりの例を説明するための外観図である。
図5】実施形態2の釣り用のおもりの例を説明するための外観図である。
図6】実施形態2の変形例1の釣り用のおもりの例を説明するための外観図である。
図7】実施形態2の変形例2の釣り用のおもりの例を説明するための外観図である。
図8】実施形態2の変形例2の本体重量調整例を説明するための図である。
図9】実施形態2の変形例3の釣り用のおもりの例を説明するための外観図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施形態の例について、図面を参照して説明する。なお、下記実施形態において共通する構成要素については、前出の符号と同様な符号を付し説明を省略することがある。また、構成要素等の形状、位置関係等に言及する場合は、特に明示した場合及び原理的に明らかにそうでないと考えられる場合等を除き、実質的にその形状等に近似または類似するもの等を含むものとする。
【0020】
<実施形態1>
図1は、実施形態1に係る釣り用のおもりの例を説明するための外観図で、(a)平面図、(b)正面図である。なお、図中のXは左右方向(幅方向)、Yは上下方向(厚み方向)、Zは長さ方向(前後方向)を示している(以下各図において同じ)。
【0021】
本願の釣り用のおもり1(以下単に「おもり1」ともいう)は、釣り用具の重量を調整するためのもので、例えば、ルアーの重量を調整するためのものである。ルアーは、一般的に、アイと呼ばれるリング状の部分を備え、ライン(釣り糸)を結ぶためのラインアイと呼ばれる部分と、フックを取り付けるためのフックアイと呼ばれる部分を有する。
【0022】
図2は、ルアーの例を示す図である。図示例のように、ルアーLは、例えば、前端部(頭部の前端部)にラインアイL1、下端部(胴体の下端部)に1又は2以上のフックアイL2、後端部にフックアイL3を有する。なお、図示例では、下端部のフックアイL2に釣り用のフック(針)Jが取り付けられているが、後端部のフックアイL3にフックJが取り付けられることもあり、全てのフックアイにフックJが取り付けられることもある。おもり1は、ルアーLに、長手方向(長さ方向)がルアーLの長手方向に沿うように付けられる。
【0023】
おもり1は、少なくとも本体2を備える。本体2は、釣り用具、ここでは、ルアーLの重量を増やすためのおもりの機能を果たす部分である。本体2は、平面積に対して厚みが薄いシート状(板状)で、概略平な上面及び下面を有する。本体2は、一例として、厚みが0.3mm~1mmである。
【0024】
本体2は、特に限定されないが、好ましくは、粘着テープや接着剤等を用いてルアーLの表面に面状に貼り付けられる。用いられる粘着テープや接着剤は、特に限定されないが、好ましくは、耐水性を有する。なお、本体2は、ルアーLに巻いて固定してもよいし、ルアーLの受け部(穴や溝など)に挿入又は詰め込んで固定してもよい。
【0025】
おもり1は、より好ましくは、本体2に加えて、ルアーLの表面に面状に貼り付けるための粘着部5を備える。粘着部5は、一例として、本体2の下面の全面に貼られている。粘着部5には、例えば両面テープが用いられ、ルアーLに貼り付ける際に不図示の剥離紙から剥がして使用される。以下、本体2の構成について詳細に説明する。
【0026】
本体2は、中心線Aに関して線対称の形状を有する。このように構成することで、本体2は、ルアーLに左右対称に付けて、ルアーLの左右バランスを変えずに重量を調整できる。本体2は、一例として、平面視概略矩形である。
【0027】
本体2は、一例として、中心線Aを跨る切欠状の逃し部21を有する。逃し部21は、本体2の長手方向の一端から他端に向かって、中心線Aに沿って外周から切り込む形状である。シート状の釣り用のおもりは、フックアイL2の周りに貼り付けることが多く、本体2は、このように逃し部21を備えることで、フックアイL2との干渉を避けながらその周りに貼り付けることができる。
【0028】
本体2は、おもりの機能を果たす構成部として、中心線Aを跨る基部3と、調整部4とを有する。本形態では、逃し部21は、基部3に設けられる。
【0029】
調整部4は、基部3の左右両側において中心線Aに関して線対称に構成される。本形態の本体2は、偶数の調整部4を有し、左右両側の対となる調整部4同士が、中心線Aに関して線対称に構成される。
【0030】
一例として、図示例では、本体2は、3組(対)計6つの調整部4を有する。具体的には、内側から順に、基部3の左右両側において、1組の第1調整部4a、1組の第2調整部4b、1組の第3調整部4cを有する。なお、本願では、中心線Aに近接する側を内側とし、その反対側を外側とする。調整部4は、ここでは、偶数であればよく、具体的な数は特に限定されない。本体2は、一例として、1組以上、8組以下の範囲内の調整部4を有する。
【0031】
本体2は、このように基部3と調整部4を備えることで、線対称の調整部4を除去すると、線対称の形状を保持しつつ重量が規定量減る。
【0032】
図3は、実施形態1に係る本体の例及び本体重量調整例を説明するための図である。
【0033】
本体2は、1組の第1調整部4aが同材質且つ線対称の形状で、同重量である。1組の第2調整部4b及び1組の第3調整部4cも、対となる調整部同士が同材質且つ線対称の形状で、同重量である。
【0034】
第1調整部4a~第3調整部4cは、一例として、図3に示すように、互いに重量が異なる。第1調整部4a~第3調整部4cは、一例として、内側から外側に向かって順に幅が狭くなり重量が小さくなるように構成される。例えば、1組の第1調整部4aが0.7g(各第1調整部4aが0.35gずつ)で、1組の第2調整部4bが0.5g(各第2調整部4bが0.25gずつ)で、1組の第3調整部4cが0.3g(各第3調整部4cが0.15gずつ)である。
【0035】
本体2は、重量を減らす際は、外側から線対称の1組の調整部4を除去する。例えば、図3(a)の本体2は、まず、外側の1組の第3調整部4cを除去する。そうすると、図3(b)のように、本体2は、その分だけ体積を減らし、重量が0.3g減る。次に、外側の1組の第2調整部4bを除去すると、図3(c)のように、本体2は、その分だけ体積を減らし、重量が0.5g減る。最後に、内側の1組の第1調整部4aを除去すると、図3(d)のように、本体2は、その分だけ体積を減らし、重量が0.7g減って、構成部が基部3のみの状態となる。このように、本体2は、漸次規定量の重量を減らすことができる。本体2は、例えば、ルアーLに貼り付けてから、1組ずつ外側の調整部4を剥がして重量を調整する。
【0036】
なお、本体2は、外側の1組の第3調整部4c及び1組の第2調整部4bを同時に除去してもよいし、3組の調整部4を全て同時に除去してもよい。本体2は、外側の1組の第3調整部4cを除去後、1組の第2調整部4b及び1組の第1調整部4aを同時に除去してもよい。本体2は、ルアーLに貼り付けてから、内側の対称の1組の調整部を先に除去してもよいが、この場合、水の抵抗が大きくなり、剥がれやすくなる。
【0037】
本体2は、このように、外側から線対称の調整部を除去して、規定量だけ重量を減らすことができる。これにより、釣りの現場で、本体2自体の重量を調整でき、複数種類のおもりを携帯しなくとも、ルアーLを好ましい重量に簡便に調整できる。また、本体2は、重量が把握しやすいため、繰り返し貼ったり剥がしたりしなくて済み、粘着テープや接着剤の粘着力が落ちにくい。さらに、本体2は、調整部を除去後の残部が線対称の形状を保持できるため、ルアーLの左右バランスを変えずにルアーLの重量を調整できる。
【0038】
本体2は、一例として、いずれの2組または2組以上が、同幅で重量が同等である。例えば、図1に示すように、第1調整部4a~第3調整部4cが全て同幅で同重量である。例えば、1組の調整部の重量がすべて0.5g(各調整部が0.25gずつ)である。本体2は、このように構成することで、重量を定量ずつ、本例では0.5gずつ減らすことができる。
【0039】
基部3は、特に限定されないが、本例では、好ましくは、1組の調整部4と同様に、例えば0.5gとなるように構成される。
【0040】
本体2は、一例として、隣接の構成部同士が、スリットにより区分けされている。好ましくは、スリットの幅が略ゼロで、隣接の構成部同士の左右側面が少なくとも一部互いに接している。本体2は、一例として、1枚のシート材(板材)に、スリットを入れることで、基部3及び各調整部4を含む各構成部が形成される。
【0041】
本体2に用いられるシート材は、一例として、材質が鉛であるが、おもりとしての用途に適したその他の比重の高い材質でもよい。シート材は、付着防止の観点から、カーボンコーティングや印刷等により表面に塗装がされてもよい。シート材の材質は、環境配慮の観点から、樹脂タングステン、ビスマス合金等が好ましい。
【0042】
本体2は、一例として、図1(b)に示すように、スリットがシートの下面に達して、各構成部が上面及び下面の両方において独立するように区分けされている。本体2は、一例として、スリットがシートの下面に達しておらず、各構成部が上面においては独立しつつ、下面においては分断されず一体のままである。
【0043】
本体2は、このように、スリットにより各構成部が分けられるため、ルアーLに貼り付けてから、剥がすだけで簡便に重量を調整できる。
【0044】
おもり1は、特に限定されないが、一例として、金型プレスで、型抜きして製造される。一例として、まず、本体2を構成するシート材、粘着部5を構成する両面テープ及び両面テープを保護する剥離紙を含む積層材を、おもり1の外周(外形)とともにスリットが形成されるように、剥離紙まで全て切断する。その後、逃し部21を切り抜いて形成する。一例として、このような積層材を、おもり1の外周、スリット、逃し部21が同時に形成されるように、剥離紙まで全て切断する。なお、おもり1は、両面テープ同士が切断後弾性により戻って側面同士がくっつくので、ばらばらにはならず、各構成部が独立しつつ全体の一体性を保持できる。
【0045】
おもり1は、一例として、上記積層材を、おもり1の外周及び逃し部21は全て切断し、スリットは両面テープまで、あるいはシート材まで切断する。この場合は、ユーザが剥離紙や両面テープを手で切り離して使用することになる。
【0046】
おもり1は、本体2が粘着部5と一体に製造されなくてもよい。例えば、一枚の剥離可能な台紙上に、1又は複数のおもり1が配置されるように製造されてもよい。この台紙は、粘着部5を構成する両面テープよりも低い粘着力で、おもり1からの剥離が容易であることが好ましい。この場合は、ユーザが台紙からおもり1を剥がして、別の粘着テープや接着剤を用いてルアーLに貼り付けたり、ルアーLに巻き付けたり、ルアーLの穴に挿入したりすることになる。
【0047】
なお、各構成部は、スリットではなく、区画線の印刷や溝の刻印等によって区分されてもよい。この場合、ユーザがハサミや手でカットするようになる。
【0048】
<実施形態1の変形例1>
図4は、実施形態1の変形例1に係る釣り用のおもりの例を説明するための外観図で、(a)平面図、(b)正面図である。
【0049】
本体2は、一例として、丸みを有する形状に構成される。例えば、図示のように、本体2は、平面視正円形状である。本体2は、長円や楕円等の形状でもよい。
【0050】
このように構成することで、本体2は、尖った角がない分より剥がれにくく、水の抵抗が大きい場合や、水中の障害物に当たった場合等でも、剥がれにくい。
【0051】
本体2は、ルアーLに貼り付ける場所によっては、図示のように、逃し部21を有しない構成でもよい。本体2は、中心線Aを視認できるように、例えば破線が印刷等により表示されてもよい。これにより、逃し部21を有しない場合でも、中心線Aの位置を把握しやすくなる。
【0052】
本例の本体2は、図4(b)に示すように、スリットがシートの下面に達しておらず、各構成部が上面においては独立しつつ、下面においては一体のままである。
【0053】
<実施形態2>
図5は、実施形態2に係る釣り用のおもりの例を説明するための外観図で、(a)平面図、(b)正面図である。本形態のおもり1は、主として、本体2が中心線Aを跨る調整部4を有する点が、上記実施形態1と異なる。以下、異なる点を中心に説明し、同様な点については適宜説明を省略する。
【0054】
本形態のおもり1は、上記実施形態1と同様に、中心線Aに関して線対称に形成されるシート状の本体2を備える。本体2は、上記実施形態1と同様に、おもりの機能を果たす構成部として、中心線Aを跨る基部3と、調整部4とを備え、調整部4が基部3の左右両側において中心線Aに関して線対称に構成される。
【0055】
一方で、本形態の調整部4は、上記実施形態1では基部3の左右両側の調整部4が互いに独立しているのに対して、左右両側の調整部がつながっている。
【0056】
一例として、図示のように、調整部4は、四角い枠状に構成され、基部3をぐるりと一周囲う形状に構成される。言い換えれば、調整部4は、基部3と同心状に構成される。
【0057】
本形態のおもり1は、本体2をこのように構成することで、調整部4を剥がした際の本体2の重心変化を防止できる。また、このように構成することで、基部3の左右の調整部を同時に除去でき、より簡便に重量を調整できる。また、本形態のおもり1は、正面や背面にスリットが露出しないため、より剥がれにくくなる。
【0058】
<実施形態2の変形例1>
図6は、実施形態2の変形例1に係る釣り用のおもりの例を説明するための外観図で、(a)一例の平面図、(b)一例の平面図である。
【0059】
実施形態2のおもり1は、基部3の左右の調整部を同時に除去できる点、操作性の面において優れている。一方で、本体2が逃し溝を有しないため、フックアイL2の周りに貼り付けようとすると、フックアイL2と干渉してしまう。
【0060】
本例のおもり1は、このような課題を解決するためのもので、本体2が、基部3に設けられる逃し部21を有する。また、調整部4が、コ字形状に構成され、逃し部21の開口側を除く基部3の三方を囲うように構成される。
【0061】
おもり1は、このように構成することで、操作性を向上しつつ、フックアイL2の周りに容易に貼り付けられるようになる。また、正面においては、スリットが露出しないため、比較的に剥がれにくくなる。
【0062】
本例のおもり1は、図6(a)に示すように、全ての調整部4がコ字形状に構成されてもよいし、図6(b)に示すように、一部の調整部4(図示では調整部4a、4c)がコ字形状に構成され、一部の調整部4(図示では1組の調整部4b)が一の字状に構成されてもよい。
【0063】
<実施形態2の変形例2>
図7は、実施形態2の変形例2に係る釣り用のおもりの例を説明するための外観図で、平面図である。図8は、本体重量調整例を説明するための図である。
【0064】
実施形態2のおもり1は、基部3の左右の調整部を同時に除去できる点、操作性の面において優れている。また、調整部4を剥がした際の本体2の重心変化を防止できる点も優れている。一方で、本体2が逃し溝を有しないため、フックアイL2の周りに貼り付けようとすると、フックアイL2と干渉してしまう。
【0065】
本例のおもり1は、このような課題を解決するためのもので、本体2において、逃し部21が調整部4の外周から基部3に切り込むように、即ち基部3から調整部4に亘るように構成される。言い換えれば、本例の本体2は、逃し部21の開口を除いて、調整部4が基部3をぐるりと一周囲うように構成される。
【0066】
本例のおもり1は、このように構成することで、操作性を向上しつつ、極力重心変化を抑えながら、フックアイL2の周りに容易に貼り付けられるようになる。また、正面や背面において、スリットが露出しないため、比較的に剥がれにくくなる。
【0067】
<実施形態2の変形例3>
図9は、実施形態2の変形例3に係る釣り用のおもりの例を説明するための外観図で、(a)平面図、(b)右側面図、(c)正面図、(d)背面図である。
【0068】
本例のおもり1は、水の抵抗を低減しより剥がれにくくするために、前後に長い概略長円形状に構成される点が、上記実施形態2の変形例2と異なる。
【0069】
おもり1は、好ましくは、図示のように、逃し部21の開口部及び底部の角部が丸みを有する形状である。これにより、より剥がれにくくなる。
【0070】
おもり1は、好ましくは、各構成部の重量が均等に構成される。基部3及び調整部4a、4bは、いずれも、例えば、0.5gである。これにより、おもり1は、0.5gずつ定重量で剥がせることができる。
【0071】
おもり1は、例えば、図示のように第1調整部4a、第2調整部4bを有する場合、本体2の長さCが、一例として、15mm~60mm、好ましくは22mm~48mm、より好ましくは24mm~40mmの範囲内で、例えば31mmである。幅Dは、一例として5mm~20mm、好ましくは6mm~16mm、より好ましくは8mm~12mmの範囲内で、例えば10mmである。逃し部21の幅Bは、一例として1mm~3mm、好ましくは1.2mm~2.4mm、より好ましくは1.2mm~2mm、例えば1.5mmである。本体2が鉛シート材で構成される場合、厚みは例えば0.5mmである。
【0072】
なお、以上の説明では、おもり1を一旦ルアーLに貼り付けてから、対称の外側の調整部4を剥がして、重量を減らす方向に調整する例を説明したが、基部3を先に貼り付けてから、対称の内側の調整部4を基部3の両側に貼り付けて、重量を増やす方向に調整してもよい。おもり1はルアー以外の釣り用具に取り付けられてもよい。
【0073】
以上、本発明に係る釣り用のおもりの実施形態及びその変形例について説明したが、これらは本発明の一例に過ぎず、本発明はこれらに限定されない。本発明には、以上の各実施形態やその変形例を組み合わせた形態や、さらに様々な変形例が含まれる。請求の範囲に規定された内容及びその均等物から導き出される本発明の概念的な思想と趣旨を逸脱しない範囲で種々の追加、変更及び部分的削除が可能である。
【符号の説明】
【0074】
1…釣り用のおもり、2…本体、21…逃し部、3…基部、4…調整部、4a,4b,4c…調整部、5…粘着部。
【要約】
【課題】 釣りの現場で簡便に重量を調整できる釣り用のおもりを提供する
【解決手段】 釣り用のおもりであって、中心線に関して線対称に形成されるシート状の本体を備え、前記本体は、前記中心線を跨る基部と、調整部とを有し、前記調整部は、前記基部の両側において前記中心線に関して線対称に構成され、前記本体は、線対称の前記調整部を除去すると、線対称の形状を保持しつつ重量が規定量減る、釣り用のおもり。
【選択図】 図1
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9