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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-26
(45)【発行日】2025-01-10
(54)【発明の名称】搬送装置および搬送方法
(51)【国際特許分類】
   B65G 1/00 20060101AFI20241227BHJP
   G05D 1/22 20240101ALI20241227BHJP
   B62D 53/00 20060101ALI20241227BHJP
   G05D 1/43 20240101ALN20241227BHJP
【FI】
B65G1/00 501C
G05D1/22
B62D53/00 G
G05D1/43
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2024517626
(86)(22)【出願日】2022-04-25
(86)【国際出願番号】 JP2022018725
(87)【国際公開番号】W WO2023209771
(87)【国際公開日】2023-11-02
【審査請求日】2024-04-04
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】324003048
【氏名又は名称】三菱電機モビリティ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088672
【弁理士】
【氏名又は名称】吉竹 英俊
(74)【代理人】
【識別番号】100088845
【弁理士】
【氏名又は名称】有田 貴弘
(72)【発明者】
【氏名】坂之上 浩
(72)【発明者】
【氏名】山本 知
(72)【発明者】
【氏名】森本 大輔
(72)【発明者】
【氏名】下谷 光生
【審査官】大塚 多佳子
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-178821(JP,A)
【文献】特表2016-508474(JP,A)
【文献】実開平05-032166(JP,U)
【文献】特開平04-024141(JP,A)
【文献】特開2010-036644(JP,A)
【文献】特開2011-219006(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 1/00
G05D 1/22
B62D 53/00
G05D 1/43
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
前部フレームと、前記前部フレームに対向する後部フレームと、前記前部フレームと前記後部フレームとを結合する結合フレームと、複数のキャスタとを有するカートを搬送する搬送装置であって、
前記搬送装置を駆動する装置駆動部と、
前記搬送装置の周辺状況と、前記カートを構成する前記前部フレーム、前記後部フレーム、および前記結合フレームのそれぞれの位置とを検出する少なくとも1つのセンサと、
前記前部フレームおよび前記後部フレームをそれぞれ保持するクランプ機構と、
前記クランプ機構を駆動するクランプ機構駆動部と、
前記装置駆動部および前記クランプ機構駆動部を制御する制御部と、
を備え、
前記制御部は、前記センサの検出結果に基づいて、前記搬送装置を前記カートに潜り込ませるように前記装置駆動部を制御した後、前記クランプ機構を外側にスライドさせて前記前部フレームおよび前記後部フレームを内側から保持するように前記クランプ機構駆動部を制御する、搬送装置。
【請求項2】
少なくとも1つの前記センサを有するセンサ機構と、
前記センサ機構を垂直方向に駆動するセンサ機構駆動部と、
をさらに備え、
前記制御部は、前記センサ機構が有する前記センサが前記搬送装置の周辺状況を検出可能な位置に移動するように前記センサ機構駆動部を制御する、請求項1に記載の搬送装置。
【請求項3】
前記カートの前記結合フレームに嵌合するガイド機構と、
前記ガイド機構を垂直方向に駆動するガイド機構駆動部と、
をさらに備え、
前記制御部は、前記センサの検出結果に基づいて、前記搬送装置が前記カートに潜り込んだ状態で、前記ガイド機構を垂直方向に移動させて前記ガイド機構が前記結合フレームに嵌合するように前記ガイド機構駆動部を制御した後、前記クランプ機構を外側にスライドさせて前記前部フレームおよび前記後部フレームを内側から保持するように前記クランプ機構駆動部を制御する、請求項1に記載の搬送装置。
【請求項4】
少なくとも1つの前記センサを有するセンサ機構は、前記ガイド機構と一体に設けられている、請求項3に記載の搬送装置。
【請求項5】
前記クランプ機構の外側に設けられたバンパー機構をさらに備え、
前記バンパー機構の少なくとも一部は、前記クランプ機構が前記前部フレームおよび前記後部フレームを保持している状態において、前記前部フレームおよび前記後部フレームよりも外側に突出している、請求項1に記載の搬送装置。
【請求項6】
前記制御部は、前記クランプ機構が前記前部フレームおよび前記後部フレームと同じ高さに移動するように前記クランプ機構駆動部を制御する、請求項1に記載の搬送装置。
【請求項7】
前記クランプ機構および前記クランプ機構駆動部は、前記センサ機構と一体に設けられている、請求項2に記載の搬送装置。
【請求項8】
前記センサは、同一種類のセンサを複数含み、
各同一種類のセンサは、平面視において前記搬送装置の前後で対称の位置でありかつ左右で対称の位置に設けられている、請求項1に記載の搬送装置。
【請求項9】
前記センサは、前記クランプ機構に設けられている、請求項8に記載の搬送装置。
【請求項10】
前記センサは、段差検出センサを含む、請求項8に記載の搬送装置。
【請求項11】
前記搬送装置に対して前記カートの搬送を指示する指示センタと通信を行う通信部をさらに備え、
前記通信部は、前記指示センタから、前記カートの位置情報、および前記カートの搬送先の位置情報を含む移動コマンドを取得し、
前記制御部は、前記通信部が取得した前記移動コマンドに基づいて、前記搬送装置を前記カートの位置まで自律走行させるように前記装置駆動部を制御し、前記クランプ機構によって前記カートの前記前部フレームおよび前記後部フレームを保持するように前記クランプ機構駆動部を制御し、前記カートを保持した前記搬送装置を前記カートの搬送先まで自律走行させるように前記装置駆動部を制御する、請求項1に記載の搬送装置。
【請求項12】
前部フレームと、前記前部フレームに対向する後部フレームと、前記前部フレームと前記後部フレームとを結合する結合フレームと、複数のキャスタとを有するカートを搬送装置によって搬送する搬送方法であって、
前記搬送装置の周辺状況と、前記カートを構成する前記前部フレーム、前記後部フレーム、および前記結合フレームのそれぞれの位置とを検出し、
前記検出結果に基づいて、前記搬送装置を前記カートに潜り込ませた後、前記搬送装置が備えるクランプ機構を外側にスライドさせて前記前部フレームおよび前記後部フレームを内側から保持する、搬送方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、物品を収容したカートを搬送する搬送装置および搬送方法に関する。
【背景技術】
【0002】
物品を収容するカートは、前部フレームと、前部フレームに対向する後部フレームと、前部フレームと後部フレームとを結合する結合フレームと、底部機構に設けられた複数のキャスタとを備えており、種々の場面で用いられている。昨今、省力化のために、カートの移動方法が手動移動から自動移動へと進化している。
【0003】
従来、カートを自動移動させる種々の技術が開発されている。例えば、結合フレームを保持アームで挟み込んだ状態でカートを移動させる技術が開示されている(例えば、特許文献1参照)。また、カート全体を持ち上げて移動させる技術が開示されている(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】国際公開第2005/105620号
【文献】特開2020-187457号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1では、結合フレームを保持アームで挟み込んだ状態でカートを移動させるため、カートを移動させる際に結合フレームと前部フレームとの結合点、および結合フレームと後部フレームとの結合点に強い応力が加わり、これらの結合点に金属疲労が蓄積してカートを劣化させるという問題がある。また、特許文献1では、保持アームと結合フレームとの接点にも応力が加わって金属疲労が発生するという問題もある。
【0006】
特許文献2では、カートを持ち上げる装置が大掛かりになってコストが増大するという問題がある。また、特許文献2では、下からカートを持ち上げる際に、カートに収容された物品に振動が加わる可能性がある。さらに、特許文献2では、カートの重心位置によっては、移動時にカートが不安定になる可能性がある。
【0007】
本開示は、このような問題を解決するためになされたものであり、カートを構成する各フレームに余計な応力を加えることなく安定してカートを搬送することが可能な搬送装置および搬送方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の課題を解決するために、本開示による搬送装置は、前部フレームと、前部フレームに対向する後部フレームと、前部フレームと後部フレームとを結合する結合フレームと、複数のキャスタとを有するカートを搬送する搬送装置であって、搬送装置を駆動する装置駆動部と、搬送装置の周辺状況と、カートを構成する前部フレーム、後部フレーム、および結合フレームのそれぞれの位置とを検出する少なくとも1つのセンサと、前部フレームおよび後部フレームをそれぞれ保持するクランプ機構と、クランプ機構を駆動するクランプ機構駆動部と、装置駆動部およびクランプ機構駆動部を制御する制御部とを備え、制御部は、センサの検出結果に基づいて、搬送装置をカートに潜り込ませるように装置駆動部を制御した後、クランプ機構を外側にスライドさせて前部フレームおよび後部フレームを内側から保持するようにクランプ機構駆動部を制御する。
【発明の効果】
【0009】
本開示によれば、カートを構成する各フレームに余計な応力を加えることなく安定してカートを搬送することが可能となる。
【0010】
本開示の目的、特徴、態様、および利点は、以下の詳細な説明と添付図面とによって、より明白となる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】実施の形態1による搬送装置の構成の一例を示すブロック図である。
図2】実施の形態1による搬送装置の構成の一例を示すブロック図である。
図3】実施の形態1によるカートの構成の一例を示す図である。
図4】実施の形態1による搬送装置の外観を示す図である。
図5】実施の形態1によるクランプ機構の一例を示す平面図である。
図6】実施の形態1によるクランプ機構の一例を示す側面図である。
図7】実施の形態1によるクランプ機構の一例を示す正面図である。
図8】実施の形態1による搬送装置の動作の一例を示すフローチャートである。
図9】実施の形態1による搬送装置の動きを説明するための図である。
図10】実施の形態1による搬送装置の動きを説明するための図である。
図11】実施の形態1による搬送装置の動きを説明するための図である。
図12】実施の形態1による搬送装置の効果を説明するための図である。
図13】実施の形態1による搬送装置の効果を説明するための図である。
図14】実施の形態1の変形例1によるクランプ機構の構成の一例を示す図である。
図15】実施の形態1の変形例1によるクランプ機構の構成の一例を示す図である。
図16】実施の形態1の変形例1によるクランプ機構の構成の一例を示す図である。
図17】実施の形態1の変形例2によるバンパー機構の構成の一例を示す平面図である。
図18】実施の形態1の変形例2によるバンパー機構の構成の一例を示す側面図である。
図19】実施の形態1の変形例2によるバンパー機構の構成の一例を示す正面図である。
図20】実施の形態1の変形例3によるクランプ機構の動きを説明するための側面図である。
図21】実施の形態1の変形例3によるクランプ機構の動きを説明するための側面図である。
図22】実施の形態1の変形例3によるクランプ機構の動きを説明するための側面図である。
図23】実施の形態1の変形例3によるクランプ機構の動きを説明するための正面図である。
図24】実施の形態1の変形例3によるバンパー機構の構成の一例を示す側面図である。
図25】実施の形態1の変形例3によるバンパー機構の構成の一例を示す平面図である。
図26】実施の形態1の変形例3によるバンパー機構の構成の一例を示す平面図である。
図27】実施の形態2による搬送装置の構成の一例を示すブロック図である。
図28】実施の形態2による搬送装置の外観を示す図である。
図29】実施の形態2による搬送装置の動作の一例を示すフローチャートである。
図30】実施の形態2によるガイド機構の構成の一例を示す平面図である。
図31】実施の形態2によるガイド機構の構成の一例を示す平面図である。
図32】実施の形態2によるガイド機構の構成の一例を示す正面図である。
図33】実施の形態2によるガイド機構の構成の一例を示す側面図である。
図34】実施の形態2によるガイド機構の構成の一例を示す正面図である。
図35】実施の形態2の変形例1によるガイド機構にセンサを設けた構成の一例を示す図である。
図36】実施の形態2の変形例1によるガイド機構にセンサを設けた構成の一例を示す図である。
図37】実施の形態3による搬送装置の構成の一例を示すブロック図である。
図38】実施の形態3による搬送装置の外観を示す図である。
図39】実施の形態3によるセンサの配置を示す図である。
図40】実施の形態1~3による搬送装置のハードウェア構成の一例を示す図である。
図41】実施の形態1~3による搬送装置のハードウェア構成の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
<実施の形態1>
<構成>
図1は、実施の形態1による搬送装置1の構成の一例を示すブロック図である。
【0013】
搬送装置1は、装置駆動部2と、少なくとも1つのセンサ3と、クランプ機構4と、クランプ機構駆動部5と、制御部6とを備えている。
【0014】
装置駆動部2は、搬送装置1を駆動する。センサ3は、搬送装置1の周辺状況と、後述する図3に示すカートを構成する前部フレーム15、後部フレーム16、および結合フレーム17のそれぞれの位置とを検出する。
【0015】
クランプ機構4は、前部フレーム15および後部フレーム16をそれぞれ保持する。クランプ機構駆動部5は、クランプ機構4を駆動する。制御部6は、センサ3の検出結果に基づいて、搬送装置1をカートに潜り込ませるように装置駆動部2を制御した後、クランプ機構4を外側にスライドさせて前部フレーム15および後部フレーム16を内側から保持するようにクランプ機構駆動部5を制御する。
【0016】
次に、図1に示す搬送装置1を含む搬送装置の他の構成、および搬送装置が搬送するカートについて説明する。図2は、他の構成に係る搬送装置7の構成の一例を示すブロック図である。また、図3は、搬送装置7が搬送するカートの構成の一例を示す図である。以下では、まずカートの構成について説明した後、搬送装置7の構成について説明する。
【0017】
<カートの構成>
図3に示すように、カートは、前部フレーム15と、後部フレーム16と、結合フレーム17と、キャスタ18と、キャスタブレーキ19と、支持フレーム20,21と、トレイ22とを備えている。
【0018】
前部フレーム15は、カートの前部に設けられたフレームである。後部フレーム16は、前部フレーム15に対向してカートの後部に設けられたフレームである。結合フレーム17は、前部フレーム15と後部フレーム16とを結合するフレームである。結合フレーム17の位置は、前部フレーム15および後部フレーム16の位置よりも高い。
【0019】
キャスタ18は、前部フレーム15の左右端に1つずつ設けられ、後部フレーム16の左右端に1つずつ設けられている。キャスタブレーキ19は、キャスタ18が動かないように固定するためのものであり、使用者がキャスタブレーキ19を操作することによってカートが動かないように固定することができる。なお、キャスタブレーキ19は、カートに設けなくてもよい。
【0020】
支持フレーム20は、前部フレーム15に垂直方向に設けられている。支持フレーム21は、後部フレーム16に垂直方向に設けられている。トレイ22は、支持フレーム20,21に載置されており、トレイ22に物品を載せることができる。なお、図3では、トレイ22が2つ設けられているが、トレイ22の数はこれに限るものではない。
【0021】
<搬送装置7の構成>
図2に示すように、搬送装置7は、装置駆動部2と、クランプ機構4と、クランプ機構駆動部5と、制御部6と、Lidar11と、3Dカメラ12と、通信部13とを備えている。装置駆動部2、クランプ機構駆動部5、制御部6、および通信部13は、底部機構8に設けられている。なお、Lidar11および3Dカメラ12は、図1に示すセンサ3に相当する。
【0022】
図4は、搬送装置7の外観を示す図である。底部機構8の四隅には、キャスタ9が設けられている。
【0023】
装置駆動部2は、制御部6の指示に従って駆動輪10を駆動するモータである。駆動輪10は、搬送装置7の左右に1つずつ設けられている。なお、装置駆動部2であるモータは、駆動輪10ごとに設けてもよい。
【0024】
クランプ機構4は、カートの前部フレーム15および後部フレーム16を内側から押し当てて保持する一対の機構である。
【0025】
図5はクランプ機構4の一例を示す平面図であり、図6はクランプ機構4の一例を示す側面図であり、図7はクランプ機構4の一例を示す正面図である。図5~7は、クランプ機構4が前部フレーム15を内側から押し当てて保持している状態を示しているが、後部フレーム16側のクランプ機構4も同様である。
【0026】
なお、クランプ機構4は、外側にスライドして広がって前部フレーム15(および後部フレーム16)の内側から押し当てて保持することができればよく、図5~7の構造に限るものではない。また、クランプ機構4の形状は、平面視における形状が図5~7に示すような直方体に限るものではない。クランプ機構4の形状は、平面視において、先の方が細い台形形状でもよく、複数に分割されていてもよく、カートの前部フレーム15および後部フレーム16の形状が直線形状でない場合は前部フレーム15および後部フレーム16の形状に合う形状であってもよい。
【0027】
クランプ機構駆動部5は、クランプ機構4をカートの内側から外側に向けてスライドさせる。クランプ機構駆動部5は、例えば、油圧機構または電動機構など種々の機構を採用してもよい。
【0028】
Lidar11は、搬送装置7の周辺に存在する物体との距離を測定することによって、搬送装置7の周辺状況を検出する。3Dカメラ12は、搬送装置7の周辺を撮影して距離画像を取得し、距離画像に対して画像処理を行うことによって搬送装置7の周辺に存在する物体との距離を求める。また、Lidar11および3Dカメラ12は、カートの前部フレーム15、後部フレーム16、および結合フレーム17を含む各部位の位置を検出する。なお、Lidar11および3Dカメラ12のいずれか1つを備える構成としてもよい。
【0029】
制御部6は、装置駆動部2およびクランプ機構駆動部5を含む搬送装置7全体の制御を行う。
【0030】
通信部13は、搬送装置7の外部に設けられた指示センタ14と通信を行う。
【0031】
指示センタ14は、搬送装置7をモニタリングするとともに、搬送装置7に対してカートの搬送を指示する。
【0032】
<動作>
以下では、建屋内において、搬送装置7は予め定められた待機位置Prestに待機しており、指示センタ14からの指示を受けると地点Paに停止しているカートを検出し、目的地Pbまでカートを搬送する動作について説明する。
【0033】
なお、制御部6は、SoC(System On a Chip)を備えており、搬送装置7全体を自律走行させるプログラムが内蔵されている。
【0034】
図8は、搬送装置7の動作の一例を示すフローチャートである。
【0035】
ステップS11において、制御部6は、通信部13を介して、指示センタ14から送信された移動コマンドを受け付ける。移動コマンドは、地点Paに停止しているカートを目的地Pbまで搬送する旨のコマンドであり、カートの位置情報(地点Paの位置情報)、およびカートの搬送先の位置情報(目的地Pb)を含む。
【0036】
ステップS12において、制御部6は、図示しない建屋内の地図情報に基づいて、搬送装置7の待機位置Prestからカートが存在する地点Paまでの経路を算出する。そして、制御部6は、Lidar11および3Dカメラ12が検出した周辺状況に基づいて、搬送装置7の周辺に存在する移動体または障害物を避けながら地点Paまで自律走行するように装置駆動部2を制御する。制御部6は、地点Pa近傍でカートを発見すると、搬送装置7を停止するように装置駆動部2を制御する。
【0037】
なお、ここでは、制御部6が待機位置Prestから地点Paまでの経路を算出する場合について説明したが、これに限るものではない。指示センタ14が待機位置Prestから地点Paまでの経路を算出して搬送装置7に通知してもよい。
【0038】
建屋内の地図情報は、制御部6が保持してもよく、必要に応じて指示センタ14などの外部から取得してもよい。
【0039】
ステップS13において、制御部6は、搬送装置7をカートに潜り込ませるための移動計画を策定する。そして、制御部6は、策定した移動計画と、Lidar11および3Dカメラ12が検出した周辺状況とに基づいて、搬送装置7がカートに潜り込むように装置駆動部2を制御する。図9は、搬送装置7がカートに潜り込む様子を示している。
【0040】
ステップS14において、制御部6は、Lidar11および3Dカメラ12が検出したカートの前部フレーム15および後部フレーム16の位置に基づいて、クランプ機構4がカートの前部フレーム15および後部フレーム16と平行になるように回転する。図10は、搬送装置7が回転した後の様子を示している。
【0041】
ステップS15において、クランプ機構駆動部5は、制御部6からの指示に従って、クランプ機構4をカートの内側から外側に向けてスライドさせ、クランプ機構4を前部フレーム15の内側および後部フレーム16の内側に押し当てて保持する。図11は、クランプ機構4を前部フレーム15の内側および後部フレーム16の内側に押し当てて保持している様子を示している。
【0042】
ステップS16において、制御部6は、図示しない建屋内の地図情報に基づいて、地点Paから目的地Pbまでの経路を算出する。そして、制御部6は、Lidar11および3Dカメラ12が検出した周辺状況に基づいて、搬送装置7の周辺に存在する移動体または障害物を避けながら目的地Pbまで自律走行するように装置駆動部2を制御する。これにより、カートは、地点Paから目的地Pbまで搬送される。
【0043】
なお、ここでは、制御部6が地点Paから目的地Pbまでの経路を算出する場合について説明したが、これに限るものではない。指示センタ14が地点Paから目的地Pbまでの経路を算出して搬送装置7に通知してもよい。
【0044】
カートが目的地Pbに到着すると、建屋内のスタッフがカートのトレイ22に載置された物品を回収する。その後、搬送装置7の制御部6は、通信部13経由で指示センタ14から待機位置Prestまで戻る旨のコマンドを受けると、目的地Pbから待機位置Prestまで自律走行するように装置駆動部2を制御する。あるいは、ステップS11において制御部6が指示センタ14から受け付けた移動コマンドに、搬送装置7が目的地Pbに到着後に待機位置Prestまで自律走行する旨のコマンドを含めてもよい。
【0045】
搬送装置7の用途としては、例えば、病院内での薬の配送または配膳、学校での配膳、オフィスでの配膳または物品の配送、あるいは製造工場内における部品の運搬などが挙げられる。
【0046】
<効果>
図12に示すように、例えば特許文献1で開示されているような従来の搬送装置では、クランプ機構が結合フレームを保持するため、図中の丸印で示す箇所に応力が加わり、かつ搬送時にカートの動きが不安定になるという問題がある。
【0047】
一方、図13に示すように、実施の形態1による搬送装置7では、クランプ機構4を前部フレーム15および後部フレーム16の内側に押し当てて、クランプ機構4によって前部フレーム15および後部フレーム16を保持する(図中の四角形状となるように保持する)ため、カートを構成する各フレームに余計な応力を加えることなく安定してカートを搬送することが可能となる。
【0048】
<実施の形態1の変形例1>
カートの前部フレーム15、後部フレーム16、および結合フレーム17は、種々の形態がある。図3に示す各フレーム形態は一例であり、以下で説明する他の形態であっても実施の形態1の搬送装置7を適用することができる。
【0049】
例えば、図14に示すように、カートに結合フレーム17が2本設けられている場合であっても、クランプ機構4を前部フレーム15および後部フレーム16の内側に押し当てて、クランプ機構4によって前部フレーム15および後部フレーム16を保持するため、実施の形態1と同様の効果が得られる。
【0050】
図15に示すように、前部フレーム15および後部フレーム16が長軸であり、結合フレーム17が短軸である場合は、結合フレーム17の長さに適合するように、図4に示す搬送装置7よりもクランプ機構4の端部間の長さが短い搬送装置を設計すればよい。このように設計された搬送装置によれば、実施の形態1と同様の効果が得られる。
【0051】
図16に示すように、前部フレーム15と、後部フレーム16と、2本の結合フレーム17とで平面視において長方形形状を形成している場合は、クランプ機構4を長軸である前部フレーム15および後部フレーム16の内側に押し当てて、クランプ機構4によって前部フレーム15および後部フレーム16を保持するようにしてもよく、クランプ機構4を短軸である結合フレーム17の内側に押し当てて、クランプ機構4によって結合フレーム17を保持するようにしてもよく、それらの両方を採用してもよい。両方を採用する場合は、2対のクランプ機構4を設ける必要がある。
【0052】
<実施の形態1の変形例2>
図17~19に示すように、クランプ機構4の外側にバンパー機構23を設けてもよい。図17はバンパー機構23の一例を示す平面図であり、図18はバンパー機構23の一例を示す側面図であり、図19はバンパー機構23の一例を示す正面図である。
【0053】
なお、図17~19では、前部フレーム15側のクランプ機構4に設けられたバンパー機構23を示しているが、後部フレーム16側のクランプ機構4にもバンパー機構23が設けられている。
【0054】
バンパー機構23は、クランプ機構4が前部フレーム15および後部フレーム16の内側に押し当たっている状態において、少なくとも一部が前部フレーム15および後部フレーム16よりも外側に突出している。バンパー機構23を設けることによって、カートの底部が障害物に接触した際の衝撃を緩和することができる。
【0055】
なお、トレイ22またはカートの一部が前部フレーム15および後部フレーム16よりも外側にはみ出ている場合は、当該はみ出た部分よりも外側に突出したバンパー機構23をクランプ機構4に設ければよい。
【0056】
バンパー機構23の形状は、図17~19に示す形状に限るものではなく、カートよりも外側に突出する形状であればよい。また、クランプ機構4とバンパー機構23とを一体に構成してもよい。
【0057】
<実施の形態1の変形例3>
カートによっては、前部フレーム15および後部フレーム16の高さが結合フレーム17の高さ以上の場合がある。この場合、実施の形態1で説明した搬送装置7では、カートに潜り込んだ後にクランプ機構4をスライドさせても、クランプ機構4が前部フレーム15および後部フレーム16の下を通るためクランプ機構4によって前部フレーム15および後部フレーム16を保持することができない。
【0058】
このような問題の対策として、図20~23に示すように、クランプ機構4を垂直方向に移動可能とする。図20はクランプ機構4が初期状態を示す側面図であり、図21はクランプ機構4が上昇している様子を示す側面図であり、図22はクランプ機構4を前部フレーム15の内側に押し当てている様子を示す側面図であり、図23はクランプ機構4を前部フレーム15の内側に押し当てている様子を示す正面図である。
【0059】
なお、図20~23では、前部フレーム15側のクランプ機構4を示しているが、後部フレーム16側のクランプ機構4も同様である。
【0060】
クランプ機構4の垂直方向の移動は、クランプ機構駆動部5がクランプ機構4を駆動することによって実現される。
【0061】
クランプ機構4は、図20に示す初期状態から、図21に示すように前部フレーム15および後部フレーム16と同じ高さまで上昇した後、図22に示すようにスライドして前部フレーム15の内側に押し当たる。これにより、前部フレーム15はクランプ機構4によって保持される。
【0062】
なお、クランプ機構4が上昇したときに、クランプ機構4が結合フレーム17と接触しないようにするために、図23に示すようにクランプ機構4は凹型の形状となっている。また、クランプ機構4の凹型の寸法を結合フレーム17の寸法に合わせることによって、後述する実施の形態2のガイド機構と同様の機能を持たせてもよい。
【0063】
図24に示すように、クランプ機構4の外側に、変形例2で説明したバンパー機構23を設けてもよい。この場合、バンパー機構23は、図25に示すような凹型でもよい。また、バンパー機構23は、図26に示すように、先端部分がカートの前部フレーム15および後部フレーム16よりも長く、平面視においてコ字型でもよい。バンパー機構23をコ字型とすることによって、バンパー機構23の強度を増すことができる。
【0064】
<実施の形態1の変形例4>
実施の形態1では、建屋内の同一フロアでドアなどがない場所を、搬送装置7がカートを搬送する場合を想定して説明した。しかし、ドアが存在する場所で移動させる場合、またはエレベータを使用して他の階に移動させる場合であっても、搬送装置7はカートを搬送することができる。
【0065】
例えば、指示センタ14は、建屋内に設けられたエレベータおよびドアの開閉を制御し、搬送装置7の状況をモニタリングする機能を有するように構成されている。そして、指示センタ14は、搬送装置7の移動に応じて、ドアの開閉制御、エレベータの開閉制御、またはエレベータの上昇下降制御を行い、搬送装置7が目的地まで自律走行できるようにしてもよい。あるいは、搬送装置7の制御部6が、通信部13を介してエレベータ制御部およびドア開閉制御部と通信を行うことによって、搬送装置7が目的地まで自律走行できるようにしてもよい。
【0066】
<実施の形態2>
<構成>
図27は、実施の形態2による搬送装置24の構成の一例を示すブロック図である。図28は、搬送装置24の外観を示す図である。
【0067】
図27に示すように、搬送装置24は、ガイド機構駆動部25およびガイド機構26を備えることを特徴としている。その他の構成は、実施の形態1で説明した搬送装置7と同様であるため、ここでは詳細な説明を省略する。
【0068】
ガイド機構26は、カートの結合フレーム17に嵌合する機構である。具体的には、ガイド機構26は、結合フレーム17を保持するように嵌合するのではなく、結合フレーム17に緩く嵌合する。
【0069】
ガイド機構駆動部25は、底部機構8に設けられており、ガイド機構26を垂直方向に駆動する。
【0070】
<動作>
図29は、搬送装置24の動作の一例を示すフローチャートである。図29のステップS21~ステップS23、ステップS26、およびステップS27は、実施の形態1で説明した図8のステップS11~ステップS13、ステップS15、およびステップS16と同様であるため、ここでは説明を省略する。以下では、ステップS24およびステップS25について説明する。
【0071】
ステップS24において、制御部6は、Lidar11および3Dカメラ12が検出したカートの前部フレーム15、後部フレーム16、および結合フレーム17の位置に基づいて、ガイド機構26が結合フレーム17を嵌合可能な位置となるように回転する。
【0072】
ステップS25において、ガイド機構駆動部25は、制御部6からの指示に従って、ガイド機構26を上昇して結合フレーム17に嵌合させる。図28は、ガイド機構26が上昇して結合フレーム17に篏合している様子を示している。
【0073】
図30は、ガイド機構26が結合フレーム17に嵌合している状態を示す平面図である。図31は結合フレーム17に嵌合しているガイド機構26を示す平面図、図32は結合フレーム17に嵌合しているガイド機構26を示す正面図、図33は結合フレーム17に嵌合しているガイド機構26を示す側面図である。
【0074】
図30~33に示すようにガイド機構26が結合フレーム17に嵌合すると、ステップS26においてクランプ機構4をスライドさせて前部フレーム15の内側および後部フレーム16の内側に押し当てて保持する。
【0075】
なお、図30~33では、ガイド機構26が凹型の形状である場合を示しているが、ガイド機構26の形状は凹型に限るものではなく、結合フレーム17に緩く嵌合することができる形状であればよい。例えば、ガイド機構26は、図34に示すようなテーパ形状であってもよい。ガイド機構26を図34に示すようなテーパ形状とすることによって、ガイド機構26が結合フレーム17に嵌合しやすくなる。
【0076】
<効果>
実施の形態2による搬送装置24では、ガイド機構26を結合フレーム17に緩く嵌合させている。従って、実施の形態1による搬送装置7よりも、より安定してカートを保持することができる。また、ガイド機構26が結合フレーム17に緩く嵌合しているため、クランプ機構4をスライドさせて前部フレーム15および後部フレーム16に押し当てて保持する動作をスムーズに行うことができる。
【0077】
<実施の形態2の変形例1>
ガイド機構26の下面(凹部の底面)に、結合フレーム17の有無を確認するためのセンサを設けてもよい。
【0078】
図35,36は、ガイド機構26にセンサ27を設けた構成の一例を示す図である。図35は、ガイド機構26が結合フレーム17に嵌合していない状態を示している。図36は、ガイド機構26が結合フレーム17に嵌合している状態を示している。
【0079】
センサ27は、ガイド機構26の上方にカートが存在しているか否か、およびガイド機構26が結合フレーム17に正しく嵌合しているか否かなどを検出する。センサ27としては、例えば、赤外線レーザと受光素子とのセット、あるいは磁気センサなどが挙げられる。
【0080】
<実施の形態3>
<構成>
図37は、実施の形態3による搬送装置28の構成の一例を示すブロック図である。図38は、搬送装置28の外観を示す図である。
【0081】
図37に示すように、搬送装置28は、センサ機構29およびセンサ機構駆動部30を備え、ガイド機構26とセンサ機構29とが一体に構成されていることを特徴としている。その他の構成は、実施の形態2で説明した搬送装置24と同様であるため、ここでは詳細な説明を省略する。
【0082】
センサ機構29は、底部機構8の上部に設けられており、少なくとも1つのセンサを有する。図37の例では、センサ機構29は、Lidar11および3Dカメラ12を有している。
【0083】
センサ機構駆動部30は、底部機構8に設けられており、センサ機構29を垂直方向に駆動する。具体的には、センサ機構駆動部30は、制御部6の指示に従って、センサ機構29が有するセンサ(Lidar11および3Dカメラ12)が搬送装置28の周辺状況を検出可能な位置となるように駆動する。センサ機構駆動部30は、例えば、ネジ回転によって垂直方向に移動する機構など、種々の機構を採用してもよい。
【0084】
<動作>
搬送装置28の基本的な動作は、実施の形態2で説明した搬送装置24の動作(図29参照)と同様である。ただし、図29のステップS25においてガイド機構駆動部25がガイド機構26を上昇させる際に、ガイド機構26と一体に構成されたセンサ機構29も一緒に上昇する。
【0085】
<効果>
実施の形態3による搬送装置28では、ガイド機構26が上昇する際に、ガイド機構26と一体に構成されたセンサ機構29も一緒に上昇する。このような構成とすることによって、センサ機構29が有するLidar11および3Dカメラ12を搬送装置28の周辺を検出することが可能な最適な高さに変更することができ、Lidar11および3Dカメラ12の検出精度が向上する。
【0086】
<実施の形態3の変形例1>
実施の形態3では、センサ機構29が有するセンサ(Lidar11および3Dカメラ12)の配置について規定していないが、図39に示すように、同一種類のセンサ(Lidar11および3Dカメラ12)を、平面視においてセンサ機構29(すなわち、搬送装置28)の前後で対称の位置でありかつ左右で対称の位置に配置してもよい。
【0087】
センサ機構29が有するセンサを図39に示すような配置とすることによって、搬送装置28の前後方向の移動を同一のプログラム処理で実行することができる。また、搬送装置28の左右方向の回転移動についても同一のプログラム処理で実行することができる。このことは、搬送装置28の前後方向の移動、および左右方向の回転移動を、同一性能で実現することができることを意味している。
【0088】
また、搬送装置28の前後方向の移動を同一のプログラム処理で実現することができるため、制御部6のプログラム開発コストを削減することができる。搬送装置28の左右方向の回転移動についても同一のプログラム処理で実現することができるため、制御部6のプログラム開発コストを削減することができる。
【0089】
<実施の形態3の変形例2>
実施の形態3では、ガイド機構26とセンサ機構29とが一体に構成される場合について説明したが、センサ機構29のみが上昇するような構成としてもよい。この場合、搬送装置は、実施の形態1で説明した搬送装置7に、実施の形態3で説明したセンサ機構29を備える構成となる。あるいは、実施の形態3で説明した搬送装置28からガイド機構26を除いた構成となる。
【0090】
<実施の形態3の変形例3>
実施の形態3で説明した搬送装置28は、クランプ機構4の外側にバンパー機構を設けてもよい。バンパー機構は、実施の形態1の変形例2で説明したバンパー機構23であってもよい。
【0091】
<実施の形態3の変形例4>
実施の形態3で説明した搬送装置28は、クランプ機構4およびクランプ機構駆動部5をセンサ機構29に配置し、クランプ機構4およびクランプ機構駆動部5がセンサ機構29とともに垂直方向に移動可能な構成としてもよい。
【0092】
<実施の形態3の変形例5>
実施の形態3で説明した搬送装置28は、クランプ機構4にセンサとして図示しないカメラを設け、当該カメラを使用して搬送装置28の前方の障害物を検出するようにしてもよい。
【0093】
また、実施の形態3で説明した搬送装置28は、変形例3で説明したバンパー機構にカメラを設けてもよい。
【0094】
クランプ機構4またはバンパー機構にカメラを設ける代わりに、静電容量センサを設けて搬送装置28の前方の障害物を検出するようにしてもよい。
【0095】
<実施の形態3の変形例6>
実施の形態3で説明した搬送装置28は、クランプ機構4に段差検出センサを設け、当該段差検出センサを使用して搬送装置28の前方の段差を検出するようにしてもよい。
【0096】
<ハードウェア構成>
図2に示す搬送装置7における制御部6および通信部13の各機能は、処理回路により実現される。すなわち、搬送装置7は、センサ3の検出結果に基づいて、搬送装置7をカートに潜り込ませるように装置駆動部2を制御した後、クランプ機構4を外側にスライドさせて前部フレーム15および後部フレーム16を内側から保持するようにクランプ機構駆動部5を制御し、搬送装置7の外部に設けられた指示センタ14と通信を行うための処理回路を備える。処理回路は、専用のハードウェアであってもよく、メモリに格納されるプログラムを実行するプロセッサ(CPU、中央処理装置、処理装置、演算装置、マイクロプロセッサ、マイクロコンピュータ、DSP(Digital Signal Processor)ともいう)であってもよい。
【0097】
処理回路が専用のハードウェアである場合、図40に示すように、処理回路31は、例えば、単一回路、複合回路、プログラム化したプロセッサ、並列プログラム化したプロセッサ、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)、またはこれらを組み合わせたものが該当する。制御部6および通信部13の各機能をそれぞれ処理回路31で実現してもよく、各機能をまとめて1つの処理回路31で実現してもよい。
【0098】
処理回路31が図41に示すプロセッサ32である場合、制御部6および通信部13の各機能は、ソフトウェア、ファームウェア、またはソフトウェアとファームウェアとの組み合わせにより実現される。ソフトウェアまたはファームウェアは、プログラムとして記述され、メモリ33に格納される。プロセッサ32は、メモリ33に記録されたプログラムを読み出して実行することにより、各機能を実現する。すなわち、搬送装置7は、センサ3の検出結果に基づいて、搬送装置7をカートに潜り込ませるように装置駆動部2を制御した後、クランプ機構4を外側にスライドさせて前部フレーム15および後部フレーム16を内側から保持するようにクランプ機構駆動部5を制御するステップ、搬送装置7の外部に設けられた指示センタ14と通信を行うステップが結果的に実行されることになるプログラムを格納するためのメモリ33を備える。また、これらのプログラムは、制御部6および通信部13の手順または方法をコンピュータに実行させるものであるともいえる。ここで、メモリとは、例えば、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリ、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)等の不揮発性または揮発性の半導体メモリ、磁気ディスク、フレキシブルディスク、光ディスク、コンパクトディスク、DVD(Digital Versatile Disc)等、または、今後使用されるあらゆる記憶媒体であってもよい。
【0099】
なお、制御部6および通信部13の各機能について、一部の機能を専用のハードウェアで実現し、他の機能をソフトウェアまたはファームウェアで実現するようにしてもよい。
【0100】
このように、処理回路は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、またはこれらの組み合わせによって、上述の各機能を実現することができる。
【0101】
なお、上記では、図2に示す搬送装置7のハードウェア構成について説明したが、図27に示す搬送装置24、および図37に示す搬送装置28のハードウェア構成についても同様である。
【0102】
なお、本開示の範囲内において、各実施の形態を自由に組み合わせたり、各実施の形態を適宜、変形、省略したりすることが可能である。
【0103】
本開示は詳細に説明されたが、上記した説明は、すべての態様において、例示であって、限定的なものではない。例示されていない無数の変形例が想定され得るものと解される。
【符号の説明】
【0104】
1 搬送装置、2 装置駆動部、3 センサ、4 クランプ機構、5 クランプ機構駆動部、6 制御部、7 搬送装置、8 底部機構、9 キャスタ、10 駆動輪、11 Lidar、12 3Dカメラ、13 通信部、14 指示センタ、15 前部フレーム、16 後部フレーム、17 結合フレーム、18 キャスタ、19 キャスタブレーキ、20 支持フレーム、21 支持フレーム、22 トレイ、23 バンパー機構、24 搬送装置、25 ガイド機構駆動部、26 ガイド機構、27 センサ、28 搬送装置、29 センサ機構、30 センサ機構駆動部、31 処理回路、32 プロセッサ、33 メモリ。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
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図24
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図26
図27
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図29
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図34
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図37
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図40
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