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特許7612114評価支援装置、評価支援システム、評価支援方法、および評価支援プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-26
(45)【発行日】2025-01-10
(54)【発明の名称】評価支援装置、評価支援システム、評価支援方法、および評価支援プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/0639 20230101AFI20241227BHJP
【FI】
G06Q10/0639
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2024541615
(86)(22)【出願日】2024-02-26
(86)【国際出願番号】 JP2024006777
【審査請求日】2024-07-10
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002491
【氏名又は名称】弁理士法人クロスボーダー特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】松▲原▼ 圭佑
(72)【発明者】
【氏名】松本 卓
(72)【発明者】
【氏名】白木 宏明
【審査官】加舎 理紅子
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-241020(JP,A)
【文献】特開2012-128736(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第108764624(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
作業者により実施される作業の評価を支援する評価支援装置において、
前記作業者により利用される作業者端末の画面操作ログに基づいて、各作業について作業者ごとに作業時間の実績を設定した作業情報を更新する作業情報更新部と、
作業の一覧である作業一覧と前記作業情報とを用いて、各作業における作業者間での作業時間のばらつきと、作業者の属性情報と作業時間との相関関係とを評価支援情報として生成し、前記属性情報と作業時間との相関関係を用いて前記作業時間のばらつきの要因を分析し、前記作業時間のばらつきの要因として作業時間との依存性が最も高い属性情報を分析情報として特定し、前記分析情報を前記評価支援情報に含める評価支援生成部と
を備える評価支援装置。
【請求項2】
前記評価支援装置は、
前記評価支援情報の出力を要求する評価支援情報要求を受け付け、前記評価支援情報要求に含まれる出力フォーマットに応じて前記評価支援情報を出力する評価支援出力部を備える請求項1に記載の評価支援装置。
【請求項3】
前記評価支援出力部は、
前記評価支援情報要求に含まれるデータ形式に応じて前記作業時間のばらつきを可視化するとともに、前記属性情報と作業時間との相関関係を可視化する請求項2に記載の評価支援装置。
【請求項4】
前記評価支援装置は、
前記作業者の画面操作ログと各作業を定義する各作業定義ログとを照合し、各作業の実施の有無を作業者ごとに判定し、各作業の実施の状況を作業者ごとに設定した実施作業情報を生成する操作ログ解析部を備え、
前記作業情報更新部は、
前記実施作業情報を用いて、実施された作業について作業者ごとの作業時間を算出し、前記作業情報を更新する請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の評価支援装置。
【請求項5】
前記評価支援生成部は、
作業者を管理する作業者情報に設定されている勤続年数情報、保有資格情報、および研修受講歴を含む前記属性情報と作業時間との相関関係を算出する請求項4に記載の評価支援装置。
【請求項6】
前記操作ログ解析部は、
前記作業者の画面操作ログと各作業を定義する各作業定義ログとを照合し、各作業の実施の有無を作業者ごとに判定し、各作業の実施の状況として各作業における作業者ごとの作業開始日時と作業終了日時を含む前記実施作業情報を生成し、
前記作業情報更新部は、
前記作業開始日時と前記作業終了日時との差分を、各作業における作業者ごとの作業時間として算出する請求項4に記載の評価支援装置。
【請求項7】
作業者により実施される作業の評価を支援する評価支援装置と、前記作業者により利用される作業者端末と、前記評価を実施する管理者により利用される管理者端末とを備える評価支援システムにおいて、
前記作業者端末から画面操作ログを受信し、前記画面操作ログに基づいて、各作業について作業者ごとに作業時間の実績を設定した作業情報を更新する作業情報更新部と、
作業の一覧である作業一覧と前記作業情報とを用いて、各作業における作業者間での作業時間のばらつきと、作業者の属性情報と作業時間との相関関係とを評価支援情報として生成し、前記属性情報と作業時間との相関関係を用いて前記作業時間のばらつきの要因を分析し、前記作業時間のばらつきの要因として作業時間との依存性が最も高い属性情報を分析情報として特定し、前記分析情報を前記評価支援情報に含める評価支援生成部と、
前記管理者端末から前記評価支援情報の出力を要求する評価支援情報要求を受け付け、前記評価支援情報要求に含まれる出力フォーマットに応じて前記評価支援情報を前記管理者端末に送信する評価支援出力部と
を備える評価支援システム。
【請求項8】
作業者により実施される作業の評価を支援する評価支援装置に用いられる評価支援方法において、
コンピュータが、前記作業者により利用される作業者端末の画面操作ログに基づいて、各作業について作業者ごとに作業時間の実績を設定した作業情報を更新し、
コンピュータが、作業の一覧である作業一覧と前記作業情報とを用いて、各作業における作業者間での作業時間のばらつきと、作業者の属性情報と作業時間との相関関係とを評価支援情報として生成し、前記属性情報と作業時間との相関関係を用いて前記作業時間のばらつきの要因を分析し、前記作業時間のばらつきの要因として作業時間との依存性が最も高い属性情報を分析情報として特定し、前記分析情報を前記評価支援情報に含める評価支援方法。
【請求項9】
作業者により実施される作業の評価を支援する評価支援装置に用いられる評価支援プログラムにおいて、
前記作業者により利用される作業者端末の画面操作ログに基づいて、各作業について作業者ごとに作業時間の実績を設定した作業情報を更新する作業情報更新処理と、
作業の一覧である作業一覧と前記作業情報とを用いて、各作業における作業者間での作業時間のばらつきと、作業者の属性情報と作業時間との相関関係とを評価支援情報として生成し、前記属性情報と作業時間との相関関係を用いて前記作業時間のばらつきの要因を分析し、前記作業時間のばらつきの要因として作業時間との依存性が最も高い属性情報を分析情報として特定し、前記分析情報を前記評価支援情報に含める評価支援生成処理と
をコンピュータである前記評価支援装置に実行させる評価支援プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、評価支援装置、評価支援システム、評価支援方法、および評価支援プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
現場の機器に対して作業者が実施する設備の保守/保全作業を効率化し、質を向上させるための技術として、特許文献1に記載された技術がある。現場の機器とは、製品の生産工場といった現場に設けられている各種の機器である。特許文献1には、作業手順書のうち更新が必要なものを特定する技術が記載されている。
特許文献1の技術では、まず作業者の持つタブレットのドキュメント参照ログから作業者が参照した作業手順書および実施した作業の特定を行っている。次に、保守/保全の対象となる現場の機器から状態の遷移情報を抽出し、作業手順書内の各タスクの作業時間を取得する。その結果をもとに、作業ごとに作業時間の平均値および分散を算出する。そして、それら統計情報をもとに内容の改善もしくは更新が必要とされる作業手順書の特定を行っている。
【0003】
この特許文献1の技術は、標準作業と実施された作業の差分について問題を評価する評価機能を有する作業管理システムである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2023-042224号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1の技術では、対象とする機器の保守/保全業務として実施する作業に対し、作業時間の平均値および分散値を算出し、評価に用いている。しかし、この方法では、平均作業時間が長い作業、あるいは分散値の大きい作業を一様にボトルネックと見なしてしまい、適切に評価を実施できないという課題がある。
【0006】
本開示では、作業者間での作業時間のばらつきに対し、作業者の属性情報と作業時間との相関関係を出力する。これにより、生じている作業時間のばらつきが作業者の経験あるいは知識に依存するものかどうかを評価する、管理者による評価を支援することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示に係る評価支援装置は、
作業者により実施される作業の評価を支援する評価支援装置において、
前記作業者の画面操作ログに基づいて、各作業について作業者ごとに作業時間の実績を設定した作業情報を更新する作業情報更新部と、
作業の一覧である作業一覧と前記作業情報とを用いて、各作業における作業者間での作業時間のばらつきと、作業者の属性情報と作業時間との相関関係とを評価支援情報として生成する評価支援生成部とを備える。
【発明の効果】
【0008】
本開示に係る評価支援装置では、作業者間での作業時間のばらつきと、作業者の持つ属性情報と作業時間との相関関係とを出力する。よって、本開示に係る評価支援装置によれば、生じている作業時間のばらつきが作業者の経験あるいは知識に依存するものかどうかを評価する管理者による評価を支援することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】実施の形態1に係る評価支援システムの全体構成例を示す図。
図2】実施の形態1に係る評価支援装置の構成例を示す図。
図3】実施の形態1に係る評価支援処理の操作ログ解析処理の例を示すフロー図。
図4】実施の形態1に係る作業一覧の構成例を示す図。
図5】実施の形態1に係る各作業定義ログの構成例を示す図。
図6】実施の形態1に係る実施作業情報の構成例を示す図。
図7】実施の形態1に係る評価支援処理の作業情報更新処理の例を示すフロー図。
図8】実施の形態1に係る作業情報の構成例を示す図。
図9】実施の形態1に係る評価支援処理の評価支援生成処理の例を示すフロー図。
図10】実施の形態1に係る作業者情報の構成例を示す図。
図11】実施の形態1に係る評価支援情報画面におけるリクエスト送信の画面GUIの例を示す図。
図12】実施の形態1に係る評価支援情報画面における評価支援情報出力の画面GUIの例を示す図。
図13】実施の形態1の変形例に係る評価支援情報画面における評価支援情報出力の例を示す図。
図14】実施の形態1の変形例に係るExcelファイルによる評価支援情報の出力例を示す図。
図15】実施の形態1の変形例に係る評価支援装置の構成例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本実施の形態について、図を用いて説明する。各図中、同一または相当する部分には、同一符号を付している。実施の形態の説明において、同一または相当する部分については、説明を適宜省略または簡略化する。図中の矢印はデータの流れまたは処理の流れを主に示している。また、以下の図では各構成部材の大きさの関係が実際のものとは異なる場合がある。また、実施の形態の説明において、上、下、左、右、前、後、表、裏といった向きあるいは位置が示されている場合がある。これらの表記は、説明の便宜上の記載であり、装置、器具、あるいは部品の配置、方向および向きを限定するものではない。
【0011】
実施の形態1.
***構成の説明***
図1は、本実施の形態に係る評価支援システム500の全体構成例を示す図である。
評価支援システム500は、作業者201により実施される作業の評価を支援するシステムである。評価支援システム500では、作業者間での作業時間のばらつきに対し、作業者の持つ各種の属性情報と作業時間との相関関係を出力する。これにより、評価支援システム500では、生じている作業時間のばらつきが作業者の経験あるいは知識に依存するものかどうかを評価する管理者による評価を支援する。
評価支援システム500は、評価支援装置100と作業者端末200と管理者端末300とを備える。評価支援装置100と作業者端末200と管理者端末300とは、ネットワークを介して通信する。
【0012】
評価支援装置100は、作業者201により実施される作業の評価を支援する装置である。評価支援装置100は、属人性情報を利用したインシデント対応作業の評価および改善を支援する装置である。評価支援装置100は、属人性改善支援装置ともいう。
作業者端末200は、作業者201が扱う端末である。管理者端末300は、管理者301が扱う端末である。作業者201は、インシデント対応業務を行う者である。管理者301は、インシデント対応業務における各作業を評価し改善する者である。管理者301は、インシデント対応業務における各作業の属人性を評価し、改善の必要な作業を特定する者である。
【0013】
図2は、本実施の形態に係る評価支援装置100の構成例を示す図である。
評価支援装置100は、コンピュータである。評価支援装置100は、プロセッサ910を備えるとともに、メモリ921、補助記憶装置922、入力インタフェース930、出力インタフェース940、および通信装置950といった他のハードウェアを備える。プロセッサ910は、信号線を介して他のハードウェアと接続され、これら他のハードウェアを制御する。
【0014】
評価支援装置100は、機能要素として、操作ログ取得部110と操作ログ解析部120と作業情報更新部130と評価支援生成部140と評価支援出力部150と記憶部160とを備える。記憶部160には、作業一覧51と各作業定義ログ52と実施作業情報53と作業情報54と作業者情報55が記憶される。
【0015】
操作ログ取得部110と操作ログ解析部120と作業情報更新部130と評価支援生成部140と評価支援出力部150の機能は、ソフトウェアにより実現される。記憶部160は、メモリ921に備えられる。なお、記憶部160は、補助記憶装置922に備えられていてもよいし、メモリ921と補助記憶装置922に分散して備えられていてもよい。
【0016】
プロセッサ910は、評価支援プログラムを実行する装置である。評価支援プログラムは、操作ログ取得部110と操作ログ解析部120と作業情報更新部130と評価支援生成部140と評価支援出力部150の機能を実現するプログラムである。
プロセッサ910は、演算処理を行うICである。プロセッサ910の具体例は、CPU、DSP、GPUである。ICは、Integrated Circuitの略語である。CPUは、Central Processing Unitの略語である。DSPは、Digital Signal Processorの略語である。GPUは、Graphics Processing Unitの略語である。
【0017】
メモリ921は、データを一時的に記憶する記憶装置である。メモリ921の具体例は、SRAM、あるいはDRAMである。SRAMは、Static Random Access Memoryの略語である。DRAMは、Dynamic Random Access Memoryの略語である。
補助記憶装置922は、データを保管する記憶装置である。補助記憶装置922の具体例は、HDDである。また、補助記憶装置922は、SD(登録商標)メモリカード、CF、NANDフラッシュ、フレキシブルディスク、光ディスク、コンパクトディスク、ブルーレイ(登録商標)ディスク、DVDといった可搬の記憶媒体であってもよい。なお、HDDは、Hard Disk Driveの略語である。SD(登録商標)は、Secure Digitalの略語である。CFは、CompactFlash(登録商標)の略語である。DVDは、Digital Versatile Diskの略語である。
【0018】
入力インタフェース930は、マウス、キーボード、あるいはタッチパネルといった入力装置と接続されるポートである。入力インタフェース930は、具体的には、USB端子である。なお、入力インタフェース930は、LANと接続されるポートであってもよい。USBは、Universal Serial Busの略語である。LANは、Local Area Networkの略語である。図1では、1つの入力インタフェース930が記載されているが、複数の入力インタフェース930が存在してもよい。
【0019】
出力インタフェース940は、ディスプレイといった出力機器のケーブルが接続されるポートである。出力インタフェース940は、具体的には、USB端子またはHDMI(登録商標)端子である。ディスプレイは、具体的には、LCDである。出力インタフェース940は、表示器インタフェースともいう。HDMI(登録商標)は、High Definition Multimedia Interfaceの略語である。LCDは、Liquid Crystal Displayの略語である。図1では、1つの出力インタフェース940が記載されているが、複数の出力インタフェース940が存在してもよい。
【0020】
通信装置950は、レシーバとトランスミッタを有する。通信装置950は、LAN、インターネット、電話回線、あるいはWi-Fi(登録商標)といった通信網に接続している。通信装置950は、具体的には、通信チップまたはNICである。なお、通信装置950は、ネットワークインタフェースの役割を有していてもよい。NICは、Network Interface Cardの略語である。
【0021】
評価支援プログラムは、評価支援装置100において実行される。評価支援プログラムは、プロセッサ910に読み込まれ、プロセッサ910によって実行される。メモリ921には、評価支援プログラムだけでなく、OSも記憶されている。OSは、Operating Systemの略語である。プロセッサ910は、OSを実行しながら、評価支援プログラムを実行する。評価支援プログラムおよびOSは、補助記憶装置922に記憶されていてもよい。補助記憶装置922に記憶されている評価支援プログラムおよびOSは、メモリ921にロードされ、プロセッサ910によって実行される。なお、評価支援プログラムの一部または全部がOSに組み込まれていてもよい。
【0022】
評価支援装置100は、プロセッサ910を代替する複数のプロセッサを備えていてもよい。これら複数のプロセッサは、評価支援プログラムの実行を分担する。それぞれのプロセッサは、プロセッサ910と同じように、評価支援プログラムを実行する装置である。
【0023】
評価支援プログラムにより利用、処理または出力されるデータ、情報、信号値および変数値は、メモリ921、補助記憶装置922、または、プロセッサ910内のレジスタあるいはキャッシュメモリに記憶される。
【0024】
操作ログ取得部110と操作ログ解析部120と作業情報更新部130と評価支援生成部140と評価支援出力部150の各部の「部」を「回路」、「工程」、「手順」、「処理」、あるいは「サーキットリー」に読み替えてもよい。評価支援プログラムは、操作ログ取得処理と操作ログ解析処理と作業情報更新処理と評価支援生成処理と評価支援出力処理を、コンピュータに実行させる。操作ログ取得処理と操作ログ解析処理と作業情報更新処理と評価支援生成処理と評価支援出力処理の「処理」を「プログラム」、「プログラムプロダクト」、「プログラムを記憶したコンピュータ読取可能な記憶媒体」、または「プログラムを記録したコンピュータ読取可能な記録媒体」に読み替えてもよい。また、評価支援方法は、評価支援装置100が評価支援プログラムを実行することにより行われる方法である。
評価支援プログラムは、コンピュータ読取可能な記録媒体に格納されて提供されてもよい。また、評価支援プログラムは、プログラムプロダクトとして提供されてもよい。
【0025】
評価支援装置100は、インシデント業務における各作業の属人性評価を支援する情報を出力する。
作業一覧51は、インシデント対応業務で実施される作業の一覧である。
各作業定義ログ52は、インシデント対応業務で実施される各作業を定義づける画面操作ログ群である。
実施作業情報53は、操作ログ解析部120で実施有りと判定された作業の画面操作ログ群から抽出した実施作業の情報である。具体的には、実施作業情報53は、作業ID、作業者ID、作業開始日時、および作業終了日時である。IDはIDentifierの略語である。
作業情報54は、各作業の属人性評価に用いる情報である。具体的には、作業情報54は、作業ID、作業者ID、作業時間、および作業日時である。
作業者情報55は、作業者の持つ様々な属性情報である。具体的には、作業者情報55は、勤続年数、作業者保有資格、および研修受講歴といった情報である。
評価支援情報56は、管理者301による属人性評価を支援するための情報である。記憶部160には、過去の評価支援情報56を蓄積してもよい。
【0026】
操作ログ取得部110は、インシデント対応時の画面操作ログデータ31を取得する。
操作ログ解析部120は、画面操作ログデータ31から、実施された作業の情報である実施作業情報53を抽出する。操作ログ解析部120は、画面操作ログデータ31から得られる作業者201の画面操作ログと各作業を定義する各作業定義ログ52とを照合する。そして、操作ログ解析部120は、各作業の実施の有無を作業者ごとに判定する。操作ログ解析部120は、各作業の実施の状況を作業者ごとに設定した実施作業情報53を生成する。
【0027】
作業情報更新部130は、作業者の画面操作ログに基づいて、各作業について作業者ごとに作業時間の実績を設定した作業情報54を更新する。作業情報更新部130は、操作ログ解析部120で抽出した実施作業情報53から必要な情報を取得し、作業情報54を更新する。例えば、作業情報更新部130は、実施作業情報53を用いて、実施された作業について作業者ごとの作業時間を算出し、作業情報54を更新する。
【0028】
評価支援生成部140は、管理者が各作業の属人性を評価するための情報である評価支援情報56を生成および出力する。評価支援生成部140は、作業の一覧である作業一覧51と作業情報54とを用いて、各作業における作業者間での作業時間のばらつきと、作業者の属性情報と作業時間との相関関係とを評価支援情報56として生成する。
【0029】
評価支援出力部150は、評価支援情報56の出力を要求する評価支援情報要求32を受け付ける。評価支援出力部150は、評価支援情報要求32に含まれる出力フォーマットに応じて評価支援情報56を出力する。また、評価支援出力部150は、評価支援情報要求32に含まれるデータ形式に応じて作業時間のばらつきを可視化するとともに、属性情報と作業時間との相関関係を可視化して、評価支援情報要求32の送信元に送信する。
【0030】
***動作の説明***
次に、本実施の形態に係る評価支援装置100の動作について説明する。評価支援装置100の動作手順は、評価支援方法に相当する。また、評価支援装置100の動作である評価支援処理を実現するプログラムは、評価支援プログラムに相当する。
【0031】
評価支援装置100は、各作業者201の持つ作業者端末200から送信される画面操作ログデータ31を受信する。あるいは、評価支援装置100は、作業者201がインシデント対応業務時に用いる作業者端末200から送信される画面操作ログデータ31を受信する。
なお、画面操作ログとは、作業者端末200において行われた操作のログ情報のことを指す。画面操作ログには、実施された処理以外に作業者および実行日時といった情報を含む。また、画面操作ログデータ31とは、複数の画面操作ログを単一のデータとしてまとめたものである。
評価支援装置100は、画面操作ログデータ31を操作ログ取得部110で入力として受け取る。そして、操作ログ解析部120において、入力された画面操作ログデータ31の解析を行う。
【0032】
図3は、本実施の形態に係る評価支援処理の操作ログ解析処理の例を示すフロー図である。
図3を用いて、操作ログ解析部120が画面操作ログデータ31を解析し、実施された作業の情報である実施作業情報53を抽出する処理を説明する。実施作業情報53は、例えば、作業ID、作業者ID、作業開始日時、および作業終了日時といった情報である。
【0033】
<操作ログ解析処理>
操作ログ解析処理では、操作ログ解析部120は、作業者の画面操作ログと各作業を定義する各作業定義ログ52とを照合する。操作ログ解析部120は、各作業の実施の有無を作業者ごとに判定し、各作業の実施の状況として各作業における作業者ごとの作業開始日時と作業終了日時を含む実施作業情報53を生成する。
具体的には以下の通りである。
【0034】
ステップS301において、操作ログ解析部120は、記憶部160から作業一覧51を取得する。
【0035】
図4は、本実施の形態に係る作業一覧51の構成例を示す図である。
作業一覧51には、作業IDと作業内容とが設定されている。作業一覧51は、インシデント対応業務における作業IDの一覧である。
【0036】
ステップS302からステップS310の間の処理は、作業一覧51における作業ID分繰り返される。
【0037】
ステップS303において、操作ログ解析部120は、作業一覧51に含まれる作業IDのうちの一つを処理対象の作業IDとする。ここでは、処理対象の作業IDを作業nとする。操作ログ解析部120は、作業nを定義づける操作のログの組み合わせである画面操作ログ群を、各作業定義ログ52から取得する。
【0038】
図5は、本実施の形態に係る各作業定義ログ52の構成例を示す図である。
各作業定義ログ52には、作業IDと、作業定義ログである画面操作ログ群とが設定されている。
【0039】
ステップS304において、操作ログ解析部120は、入力として取得した画面操作ログデータ31内に作業nを定義づける画面操作ログ群が含まれているか否かを判定する。なお、画面操作ログ群とは、複数の画面操作ログをひとかたまりとしたものを指す。
判定の結果、画面操作ログデータ31内に作業nの画面操作ログ群が含まれていた場合(ステップS305でYES)、ステップS306に進む。
判定の結果、画面操作ログデータ31内に作業nの画面操作ログ群が含まれていなかった場合(ステップS305でNO)、ステップS310に進み、次の作業IDがあれば次の作業IDについて処理を繰り返す。次の作業IDがなければ、処理を終了する。
【0040】
ステップS306において、操作ログ解析部120は、該当する画面操作ログ群内の最初のログから作業開始日時を抽出する。
ステップS307において、操作ログ解析部120は、該当する画面操作ログ群内の最後のログから作業終了日時を抽出する。
ステップS308において、操作ログ解析部120は、該当する画面操作ログ群から作業nの作業者IDを抽出する。
ステップS309において、操作ログ解析部120は、作業ID、作業者ID、作業開始日時および作業終了日時を対応付けた情報を、記憶部160に記憶されている実施作業情報53に格納する。
なお、ここでの作業開始日時、作業終了日時とは、それぞれ作業nの画面操作ログ群のうち最初または最後に実行された処理の実行日時を指す。
【0041】
図6は、本実施の形態に係る実施作業情報53の構成例を示す図である。
実施作業情報53には、ステップS302からステップS310の処理により、作業ID、作業者ID、作業開始日時と作業終了日時が設定されている。
【0042】
以上の処理を作業一覧51から取得した作業ID数分繰り返す。
以上のように、本実施の形態では、実施された作業の特定および作業情報の抽出を行っている。通常は、手順書の無い作業あるいは状態遷移の発生しない作業に対して作業の情報を抽出することはできない。しかし、本実施の形態では作業者の扱う作業者端末上で実施されるシステムのインシデント対応業務におけるあらゆる作業の抽出を行うことができる。
【0043】
<作業情報更新処理>
図7は、本実施の形態に係る評価支援処理の作業情報更新処理の例を示すフロー図である。
図7を用いて、作業情報更新部130が、実施作業情報53から作業の情報を取得し、作業情報54を更新する処理について説明する。
【0044】
ステップS401において、作業情報更新部130は、記憶部160に記憶されている実施作業情報53を取得する。
ステップS402からステップS408の間の処理は、実施作業情報53における作業数分、すなわち実施作業情報53における行分、繰り返される。
【0045】
ステップS403において、作業情報更新部130は、作業開始日時と作業終了日時との差分を、各作業における作業者ごとの作業時間として算出する。具体的には、作業情報更新部130は、処理対象の行における作業IDに対し、作業開始日時と作業終了日時の差分を作業時間として算出する。作業情報更新部130は、処理対象の行における作業ID、作業者ID、作業時間、および作業日時の情報を取得する。
以下のステップS404からステップS407の処理により、作業情報更新部130は、処理対象の行における作業ID、作業者ID、作業時間、および作業日時の情報を用いて、記憶部160に記憶されている作業情報54を更新する。
【0046】
図8は、本実施の形態に係る作業情報54の構成例を示す図である。
作業情報54には、作業IDごとに、作業者ID、作業時間、および作業日時の情報が設定されている。
具体的には、作業情報54の更新処理は以下の通りである。
【0047】
ステップS404において、作業情報更新部130は、記憶部160に記憶されている作業情報54を参照する。
ステップS405において、作業情報更新部130は、作業情報54において、処理対象の行における作業IDおよび作業者IDと同一の作業IDと作業者IDを持つ行が存在するか否かを判定する。
処理対象の行における作業IDおよび作業者IDと同一の作業IDと作業者IDを持つ行が作業情報54存在する場合は、ステップS406に進む。
処理対象の行における作業IDおよび作業者IDと同一の作業IDと作業者IDを持つ行が作業情報54存在しない場合は、ステップS407に進む。
【0048】
作業情報54に同一の作業IDと作業者IDを持つ行が存在する場合、ステップS406において、作業情報更新部130は、作業情報54において同一の作業IDと作業者IDを持つ行の作業時間と作業日時とに、処理対象の行における作業時間と作業日時とを上書きする。
作業情報54に同一の作業IDと作業者IDを持つ行が存在しない場合、ステップS407において、作業情報更新部130は、作業ID、作業者ID、作業時間、および作業日時の情報を作業情報54に新たに格納する。なお、ここでの作業日時とは各作業の作業開始日時とする。
【0049】
以上の処理を実施作業情報53に格納された全作業IDに対し完了後、ステップS409において、作業情報更新部130は、実施作業情報53に記憶された情報を全て削除する。
【0050】
図9は、本実施の形態に係る評価支援処理の評価支援生成処理の例を示すフロー図である。
図9を用いて、各作業の属人性を評価する際に用いられる評価支援情報56を生成し、管理者に出力する評価支援生成処理の例について説明する。
評価支援生成処理では、評価支援生成部140は、作業者を管理する作業者情報に設定されている勤続年数情報、保有資格情報、および研修受講歴を含む属性情報と作業時間との相関関係を算出する。また、評価支援生成部140は、属性情報と作業時間との相関関係を用いて作業時間のばらつきの要因となる属性情報を分析した分析情報を生成してもよい。評価支援生成部140は、属性情報と作業時間との相関関係と分析情報とを評価支援情報56に含めて生成する。
【0051】
ステップS501において、評価支援生成部140は、評価支援情報要求32を受け付けると、記憶部160から作業一覧51を取得する。評価支援生成部140は、管理者301の操作する管理者端末300から属人性の評価を支援する評価支援情報56の要求を評価支援情報要求32として受け付ける。
ステップS502からステップS506の間の処理は、作業一覧51における作業ID分、繰り返される。
評価支援生成部140は、作業情報54および作業者情報55をもとに、管理者301に対して各作業の属人性を評価するための情報である評価支援情報56を生成および出力する。
【0052】
図10は、本実施の形態に係る作業者情報55の構成例を示す図である。
作業者情報55には、作業者を識別する作業者IDと、勤続年数、保有資格、および研修受講歴といった作業者の属性情報が設定される。その他の属性情報が設定されていてもよい。
【0053】
図11は、本実施の形態に係る評価支援情報画面321におけるリクエスト送信の画面GUIの例を示す図である。
GUIは、Graphical User Interfaceの略語である。
評価支援生成部140は、評価支援情報画面321を管理者端末300に表示し、管理者端末300に表示された評価支援情報画面321を介して評価支援情報要求32を受け付ける。
図11では、管理者301が評価支援情報要求32を送信するための評価支援情報画面321におけるリクエスト送信の画面GUIの例を示している。
【0054】
管理者301は、図11に示す評価支援情報画面321の画面GUIの操作により、管理者端末300から評価支援情報56のリクエストを送る。
管理者301は、評価支援情報画面321において、出力する情報のフォーマットである出力フォーマット、出力する情報の形式である各データの形式などを選択する。
出力される内容は、各作業における作業者間の作業時間のばらつき、あるいは各作業者の持つ属性情報と作業時間の相関関係といった情報である。各作業における作業者間の作業時間のばらつき、あるいは各作業者の持つ属性情報と作業時間の相関関係といった情報が、管理者の指定したフォーマットで評価支援情報56として出力される。なお、各作業者の持つ属性情報には、勤続年数、作業者保有資格、研修歴といった属性が含まれる。
【0055】
以下に画面出力を選択した場合の出力の例を示す。
図11は、画面出力による出力が選択された評価支援情報画面321である。なお、出力フォーマットの選択は、画面出力のチェックボックスにチェックをすることで選択可能となる。
【0056】
図12は、本実施の形態に係る評価支援情報画面321における評価支援情報出力の画面GUIの例を示す図である。
図12では、管理者301により画面出力による出力が選択された場合の出力結果である。画面内では図12に示すように作業IDのタブを選択することでインシデント対応業務の各作業における評価支援情報56を参照可能となる。
【0057】
ステップS503において、評価支援生成部140は、作業情報54から該当する作業IDの作業者ID、作業時間、および作業日時を取得する。
【0058】
ステップS504において、評価支援生成部140は、作業時間のばらつき(変動係数CV)を算出する。
出力する内容のうち作業者間での作業時間のばらつきについては、評価支援生成部140は、各作業における作業者間の作業時間のばらつきとして変動係数CVを算出する。CVは、Coefficient of Variationの略語である。CVは、平均値に対する標準偏差の大きさである。なお、作業時間のばらつきの評価に分散を用いる場合もある。しかし、データ群のばらつきは、平均値の大きいデータ群ほど分散も大きくなる傾向にある。そのため、本実施の形態では、作業時間のばらつきの評価に変動係数CVを用いることで、平均値を考慮したデータ群のばらつきを算出している。
【0059】
ステップS505において、評価支援生成部140は、作業者のもつ属性情報(勤続年数、保有資格、研修受講歴)と作業時間の相関関係を生成する。
ステップS507において、評価支援生成部140は、リクエスト送信時に選択されたフォーマットでの出力用データを生成、出力する。
図12では作業時間と作業者の持つ属性情報の相関関係の出力例として、勤続年数と作業時間の関係の出力方法を示している。各作業者の勤続年数と作業に要した時間の関係の出力方法として、例えば分布図での出力がある。この時、各作業者が要した作業時間を縦軸、各作業者の勤続年数を横軸としたグラフを生成する。また、各作業者の勤続年数と作業時間の相関係数を算出し、併せて出力する。出力の方法は、複数の選択肢の中から、管理者によるリクエスト送信時の選択により変更することが可能である。
このとき、評価支援生成部140は、属性情報と作業時間との相関関係を用いて作業時間のばらつきの要因となる属性情報を分析した分析情報を生成してもよい。評価支援生成部140は、グラフ作成のために用いた各属性情報と作業時間の関係から、どの属性情報との依存性が最も高いと考えられるかを特定し、分析情報として出力する。図12では、「研修γ受講者は本作業の作業時間が短い傾向にあります」といった分析情報が出力されている。
【0060】
以上のように、評価支援生成部140は、インシデント対応業務内で発生する各作業に対し、作業者間の作業時間のばらつき、および作業者の属性情報と作業時間の相関関係を出力する。これにより、管理者301が管理者端末300上で各作業の属人性を評価することを可能としている。また、管理者301はインシデント対応業務において属人的になっている作業を特定し、作業手順書の改善あるいは作業者の教育などの策を講じることができる。
【0061】
***他の構成***
<変形例1>
以上のように本実施の形態では、画面出力による出力の例を示した。
本実施の形態の変形例として、Excelファイルによる出力を行う態様について説明する。
【0062】
図13は、本実施の形態の変形例に係る評価支援情報画面321における評価支援情報出力の例を示す図である。
図13は、図11の出力フォーマットにおいてExcelファイルによる出力を選択した場合の管理者端末上に表示される出力画面である。Word文書、Excelファイル、あるいはPDFファイルなどによる出力を選択した場合、出力画面にはファイルダウンロード用のボタンが表示される。このボタンを押下することで評価支援装置100の出力結果である評価支援情報56をダウンロードすることが可能となる。
【0063】
図14は、本実施の形態の変形例に係るExcelファイルによる評価支援情報56の出力例を示す図である。
図14では、Excelファイルによる評価支援情報56のファイルの内容を示している。単一のExcelファイル内に作業IDごとにシートが作成される。各シートには該当する作業IDの作業者間の作業時間のばらつき、および各作業者の持つ属性情報と作業時間の相関関係といった情報が管理者の指定したフォーマットで出力される。図14では、属性情報と作業時間の相関関係に、作業時間のばらつきの要因となる属性情報を分析した分析情報を含めて表示している。
【0064】
<変形例2>
本実施の形態では、操作ログ取得部110と操作ログ解析部120と作業情報更新部130と評価支援生成部140と評価支援出力部150の機能がソフトウェアで実現される。変形例として、操作ログ取得部110と操作ログ解析部120と作業情報更新部130と評価支援生成部140と評価支援出力部150の機能がハードウェアで実現されてもよい。
具体的には、評価支援装置100は、プロセッサ910に替えて電子回路909を備える。
【0065】
図15は、本実施の形態の変形例に係る評価支援装置100の構成例を示す図である。
電子回路909は、操作ログ取得部110と操作ログ解析部120と作業情報更新部130と評価支援生成部140と評価支援出力部150の機能を実現する専用の電子回路である。電子回路909は、具体的には、単一回路、複合回路、プログラム化したプロセッサ、並列プログラム化したプロセッサ、ロジックIC、GA、ASIC、または、FPGAである。GAは、Gate Arrayの略語である。ASICは、Application Specific Integrated Circuitの略語である。FPGAは、Field-Programmable Gate Arrayの略語である。
【0066】
操作ログ取得部110と操作ログ解析部120と作業情報更新部130と評価支援生成部140と評価支援出力部150の機能は、1つの電子回路で実現されてもよいし、複数の電子回路に分散して実現されてもよい。
【0067】
別の変形例として、操作ログ取得部110と操作ログ解析部120と作業情報更新部130と評価支援生成部140と評価支援出力部150の一部の機能が電子回路で実現され、残りの機能がソフトウェアで実現されてもよい。また、操作ログ取得部110と操作ログ解析部120と作業情報更新部130と評価支援生成部140と評価支援出力部150の一部またはすべての機能がファームウェアで実現されてもよい。
【0068】
プロセッサと電子回路の各々は、プロセッシングサーキットリとも呼ばれる。つまり、操作ログ取得部110と操作ログ解析部120と作業情報更新部130と評価支援生成部140と評価支援出力部150の機能は、プロセッシングサーキットリにより実現される。
【0069】
***本実施の形態の効果の説明***
本実施の形態に係る評価支援装置では、インシデント対応業務内で発生する各作業に対し、作業者間の作業時間のばらつき、および作業者の属性情報と作業時間の相関関係を出力する。よって、本実施の形態に係る評価支援装置によれば、生じている作業時間のばらつきが作業者の経験あるいは知識に依存するものかどうかを評価する管理者による評価を支援することができる。
【0070】
また、本実施の形態に係る評価支援装置では、各作業の属人性を評価するための評価支援情報を管理者端末300に、管理者の所望する出力フォーマットおよびデータ形式により出力することができる。よって、本実施の形態に係る評価支援装置によれば、管理者はインシデント対応業務において属人的になっている作業を特定し、作業手順書の改善あるいは作業者の教育などの策を適切に講じることができる。
【0071】
また、本実施の形態に係る評価支援装置では、実施された作業の特定および作業情報の抽出を行っている。通常は、手順書の無い作業あるいは状態遷移の発生しない作業に対して作業の情報を抽出することはできない。しかし、本実施の形態に係る評価支援装置によれば、作業者の扱う作業者端末上で実施されるシステムのインシデント対応業務におけるあらゆる作業の抽出を行うことができる。
【0072】
以上の実施の形態1では、評価支援装置の各部を独立した機能ブロックとして説明した。しかし、評価支援装置の構成は、上述した実施の形態のような構成でなくてもよい。評価支援装置の機能ブロックは、上述した実施の形態で説明した機能を実現することができれば、どのような構成でもよい。また、評価支援装置は、1つの装置でなく、複数の装置から構成されたシステムでもよい。
また、実施の形態1のうち、複数の部分を組み合わせて実施しても構わない。あるいは、実施の形態1のうち、1つの部分を実施しても構わない。その他、実施の形態1を、全体としてあるいは部分的に、どのように組み合わせて実施しても構わない。
すなわち、実施の形態1では、実施の形態1の部分の自由な組み合わせ、あるいは実施の形態1の任意の構成要素の変形、もしくは実施の形態1において任意の構成要素の省略が可能である。
【0073】
なお、上述した実施の形態は、本質的に好ましい例示であって、本開示の範囲、本開示の適用物の範囲、および本開示の用途の範囲を制限することを意図するものではない。上述した実施の形態は、必要に応じて種々の変更が可能である。例えば、フロー図あるいはシーケンス図を用いて説明した手順は、適宜に変更してもよい。
【符号の説明】
【0074】
31 画面操作ログデータ、32 評価支援情報要求、51 作業一覧、52 各作業定義ログ、53 実施作業情報、54 作業情報、55 作業者情報、56 評価支援情報、100 評価支援装置、110 操作ログ取得部、120 操作ログ解析部、130 作業情報更新部、140 評価支援生成部、150 評価支援出力部、160 記憶部、200 作業者端末、201 作業者、300 管理者端末、301 管理者、321 評価支援情報画面、500 評価支援システム、909 電子回路、910 プロセッサ、921 メモリ、922 補助記憶装置、930 入力インタフェース、940 出力インタフェース、950 通信装置。
【要約】
評価支援装置(100)は、作業者により実施される作業の評価を支援する。作業情報更新部(130)は、作業者の画面操作ログに基づいて、各作業について作業者ごとに作業時間の実績を設定した作業情報(54)を更新する。評価支援生成部(140)は、作業の一覧である作業一覧(51)と作業情報(54)とを用いて、各作業における作業者間での作業時間のばらつきと、作業者の属性情報と作業時間との相関関係とを評価支援情報(56)として生成する。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15