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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-26
(45)【発行日】2025-01-10
(54)【発明の名称】制御盤
(51)【国際特許分類】
   H02B 1/36 20060101AFI20241227BHJP
   H05K 5/02 20060101ALI20241227BHJP
【FI】
H02B1/36
H05K5/02 B
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2024543434
(86)(22)【出願日】2023-01-18
(86)【国際出願番号】 JP2023001339
(87)【国際公開番号】W WO2024154254
(87)【国際公開日】2024-07-25
【審査請求日】2024-07-23
(73)【特許権者】
【識別番号】501137636
【氏名又は名称】株式会社TMEIC
(74)【代理人】
【識別番号】100161207
【弁理士】
【氏名又は名称】西澤 和純
(74)【代理人】
【識別番号】100135301
【弁理士】
【氏名又は名称】梶井 良訓
(74)【代理人】
【識別番号】100196689
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 康一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100207192
【弁理士】
【氏名又は名称】佐々木 健一
(72)【発明者】
【氏名】蓮実 智
【審査官】井上 信
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-235177(JP,A)
【文献】特開2013-128334(JP,A)
【文献】特開平9-9424(JP,A)
【文献】特開2004-357348(JP,A)
【文献】特開昭62-92497(JP,A)
【文献】中国実用新案第212085486(CN,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02B 1/36
H05K 5/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
筐体と、
前記筐体内のベースパネルに載置されるユニットと、
前記ユニットの底部に設けられて前記ベースパネルの上を走行可能なキャスターと、
前記ユニットの収納時に、前記ユニットの奥側上端を固定する上部固定パネルと、
前記ユニットの収納時に、前記ユニットを奥側に向けて固定位置まで下降するように前記キャスターの移動を規制する誘導溝と、
前記ユニットの下面全域が前記ベースパネルに接した際、前記ユニットの奥側下端を固定するユニット固定部と、
を有し、
前記上部固定パネルは、前記ユニットの収納時に、手前側下端が前記ベースパネルから浮くように傾けた前記ユニットを前記キャスターで支持しながら奥側に向けて移動して、前記ユニットの奥側上端が最初に接触する位置に設けられ、
前記誘導溝は、前記ベースパネルに設けられて前記上部固定パネルに接触した位置を中心として前記ユニットの奥側下端が奥側に向けて回転するように前記キャスターの移動軌跡を規制するとともに、
前記誘導溝は、前記上部固定パネルに接触した位置を中心として前記ベースパネルから奥側に向けて下降する曲面形状を有し、
前記ユニット固定部は、前記ユニットの奥側下端に設けられる奥固定板と、前記筐体に前記ユニットを収納した状態で前記奥固定板を上側から押さえる奥位置規制部と、を有し、
上側から前記奥固定板を押さえた前記奥位置規制部と、下側から前記ユニットの下板に当接する前記ベースパネルとにより、前記ユニットの前記ベースパネルに対する上下方向収納位置が規制される
制御盤。
【請求項5】
前記誘導溝の底板は、手前側が前記ベースパネルと一体であり、前記ベースパネルから下側に向けて折り曲げて形成される、
請求項1記載の制御盤。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は制御盤に関する。
【背景技術】
【0002】
たとえば、電力変換装置の制御盤は多くの制御基板や電気用品等(用品)を有する。これらの基板や用品等は、筐体内に格納される。基板や用品等は、ユニット構成とされる。ユニットは、筐体内から引き出せるように構成される。このような例が特許文献1に記載される。
【0003】
しかし、電力変換装置では、筐体内部においてユニットの後部をボルトで固定していない場合がある。筐体へのユニットの固定が不十分な場合、輸送中や装置稼働中等に発生する振動によって、ユニット内部の部品や、ユニットに接続される導体、ケーブル等が破損する可能性があった。
【0004】
また、基板や用品等は重量物である。このため、筐体に対してユニットは固定されている。筐体へのユニット出し入れにおける容易性と作業性との改善可能性があった。同時に、筐体へのユニット出し入れにおける作業時間の短縮可能性があった。
【0005】
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたもので、筐体に対するユニットの固定性を向上し、ユニットの筐体への取り付けにおける容易性の向上、作業性の向上、作業時間の短縮、柔軟な用品配置に対応した構成を提供するという目的を達成しようとすることである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開2010-183711号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明が解決しようとする課題は、筐体に対してユニットは固定性を向上し、ユニット内部の部品や、ユニットに接続される導体、ケーブル等の破損を防止することができ、筐体へのユニット出し入れにおける容易性と作業性とを向上することができる制御盤を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
実施形態の制御盤は、筐体と、ユニットと、キャスターと、上部固定パネルと、誘導溝と、ユニット固定部と、を有する。前記ユニットは、前記筐体内のベースパネルに載置される。前記キャスターは、前記ユニットの底部に設けられて前記ベースパネルの上を走行可能である。前記上部固定パネルは、前記ユニットの収納時に、前記ユニットの奥側上端を固定する。前記誘導溝は、前記ユニットの収納時に、前記ユニットを奥側に向けて固定位置まで下降するように前記キャスターの移動を規制する。前記ユニット固定部は、前記ユニットの下面全域が前記ベースパネルに接した際、前記ユニットの奥側下端を固定する。前記上部固定パネルは、前記ユニットの収納時に、手前側下端が前記ベースパネルから浮くように傾けた前記ユニットを前記キャスターで支持しながら奥側に向けて移動して、前記ユニットの奥側上端が最初に接触する位置に設けられる。前記誘導溝は、前記ベースパネルに設けられて前記上部固定パネルに接触した位置を中心として前記ユニットの奥側下端が奥側に向けて回転するように前記キャスターの移動軌跡を規制する。前記誘導溝は、前記上部固定パネルに接触した位置を中心として前記ベースパネルから奥側に向けて下降する曲面形状を有する。前記ユニット固定部は、前記ユニットの奥側下端に設けられる奥固定板と、前記筐体に前記ユニットを収納した状態で前記奥固定板を上側から押さえる奥位置規制部と、を有する。上側から前記奥固定板を押さえた前記奥位置規制部と、下側から前記ユニットの下板に当接する前記ベースパネルとにより、前記ユニットの前記ベースパネルに対する上下方向収納位置が規制される。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】実施形態の制御盤を示す正面図。
図2】実施形態の制御盤における筐体へのユニットの収納状態を示す側面図。
図3】実施形態の制御盤における収納前のユニットおよびベースパネル等を示す斜視図。
図4】実施形態の制御盤におけるユニットの寸法等を示す側面図。
図5】実施形態の制御盤における筐体の寸法等を示す側面図。
図6】実施形態の制御盤における上部固定パネルおよびユニットの寸法等を示す側面図。
図7】実施形態の制御盤における筐体およびユニットの寸法等を示す側面図。
図8】実施形態の制御盤におけるユニットの筐体への収納方法を示す側面工程図。
図9】実施形態の制御盤におけるユニットの筐体への収納方法を示す側面工程図。
図10】実施形態の制御盤におけるユニットの筐体への収納方法を示す側面工程図。
図11】実施形態の制御盤におけるユニットの筐体への収納方法を示す側面工程図。
図12】実施形態の制御盤におけるユニットの筐体への収納方法を示す側面工程図。
図13】実施形態の制御盤におけるユニットの筐体への収納方法を示す側面工程図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、実施形態の制御盤を、図面を参照して説明する。
図1は、実施形態における制御盤を示す正面図である。図において、符号1は、制御盤である。
以下、3次元空間で互いに直交するX軸、Y軸及びZ軸の各軸方向は、各軸に平行な方向である。例えば図1に示すように、X軸方向は制御盤1の左右方向に平行である。Y軸方向は制御盤1の前後方向に平行である。Z軸方向は制御盤1の上下方向に平行である。
【0011】
実施形態に係る制御盤1は、電気設備等に備えられる。制御盤1は、電力変換装置、電源装置及びモータ駆動装置等を構成する配電盤、分電盤等である。
制御盤1は、図1に示すように、筐体2と、ユニット10と、を有する。
【0012】
筐体2は、前面が開口する。筐体2は、開口を開閉する図示しない開閉扉を備える。筐体2は、ベースパネル(棚板)3を複数備える。筐体2は、ベースパネル3によって内部が複数段に分けられている。最も下に位置するベースパネル3は、筐体2の底部と一致していてもよい。
【0013】
ベースパネル3は、筐体2の内部に配置される。ベースパネル3は、筐体2に取り付けられる。ベースパネル3は、筐体2に固定される。ベースパネル3は、上下方向に互いに離間する。ベースパネル3は、互いに平行である。ベースパネル3は、互いに同じ輪郭形状を有する。ベースパネル3は、いずれも水平に配置される。複数のベースパネル3は、筐体2の内部を上下方向に仕切っている。
【0014】
ベースパネル3は、ユニット10が載置可能である。筐体2に収納する用品に応じて、ベースパネル3は、ユニット10が載置されないこともできる。
ベースパネル3にユニット10を載置する場合に、筐体2は、奥位置規制部14と、上部固定パネル17と、を備える(図2図3参照)。奥位置規制部14と上部固定パネル17とに関しては後述する。
【0015】
ユニット10は、筐体2の内部に収納される。ユニット10は、筐体2に収納した状態でベースパネル3に載置される。ユニット10は、筐体2の外部から内部へと収納される際に、Y方向に移動する。ユニット10は、筐体2の内部から外部へ引き出すことができる。ユニット10は、筐体2の内部から外部へ引き出す際に、Y方向に移動する。
【0016】
ユニット10は、複数の電気機器(用品)および複数の回路用部品(用品)が内部に収納される。いくつかの電気部品(用品)は、配線により外部と接続される。ユニット10は、外部へと接続される配線を備える。
ユニット10は、X方向に見て矩形の輪郭形状を有する。ユニット10は、Y方向に見て矩形の輪郭形状を有する。ユニット10は、Z方向に見て矩形の輪郭形状を有する。ユニット10は、Z方向に見てベースパネル3と同じような矩形の輪郭形状を有する。
【0017】
図2は、実施形態における筐体へのユニットの収納状態を示す側面図である。
ユニット10は、図2に示すように、ユニット前板10bと、ユニット上板10uと、ユニット奥板10fと、ユニット下板(底部)10dと、を有する。ユニット奥板10fとユニット上板10uとユニット前板10bとユニット下板10dとは、X方向に見て矩形に内部を取り囲む。
【0018】
ユニット前板10bは、Y方向に見て、矩形の輪郭形状を有する。ユニット前板10bは、上端がユニット上板10uと接続されている。ユニット前板10bは、下端がユニット下板10dと接続されている。ユニット前板10bは、筐体2にユニット10を収納した状態で、Y方向の手前側に露出する。ユニット前板10bは、筐体2にユニット10を収納した状態で、開閉扉を開けた筐体2の正面に露出する。
【0019】
ユニット前板10bは、筐体2にユニット10を収納した状態で、略垂直なXZ面に沿って立設される。ユニット前板10bは、筐体2へのユニット10の収納時に、ユニット10の移動方向で後側となる。ユニット前板10bは、筐体2からのユニット10の取り外し時に、ユニット10の移動方向で前側となる。XZ面は、X方向およびZ方向に沿った平面である。
【0020】
ユニット上板10uは、Z方向に見て、矩形の輪郭形状を有する。ユニット上板10uは、筐体2の正面側がユニット前板10bと接続される。ユニット上板10uは、筐体2の奥側がユニット奥板10fと接続される。ユニット上板10uは、X方向において、ユニット前板10bと同じ寸法を有する。ユニット上板10uは、X方向において、ユニット奥板10fと同じ寸法を有する。ユニット上板10uは、筐体2にユニット10を収納した状態で、略水平なXY面である。ユニット上板10uは、筐体2にユニット10を収納した状態で、ベースパネル3に平行である。XY面は、X方向およびY方向に沿った平面である。
【0021】
ユニット奥板10fは、Y方向に見て、矩形の輪郭形状を有する。ユニット奥板10fは、Y方向に見て、ユニット前板10bとほぼ同じ輪郭形状を有する。ユニット奥板10fは、上端がユニット上板10uと接続される。ユニット奥板10fは、下端がユニット下板10dと接続される。ユニット奥板10fは、筐体2にユニット10を収納した状態で、筐体2の奥側に対向する。ユニット奥板10fは、X方向において、ユニット前板10bと同じ寸法を有する。
【0022】
ユニット奥板10fは、X方向において、ユニット上板10uと同じ寸法を有する。ユニット奥板10fは、ユニット前板10bに平行である。ユニット奥板10fは、筐体2にユニット10を収納した状態で、略垂直なXZ面に沿って立設される。ユニット奥板10fは、筐体2へのユニット10の収納時に、ユニット10の移動方向で前側となる。ユニット奥板10fは、筐体2からのユニット10の取り外し時に、ユニット10の移動方向で後側となる。
【0023】
ユニット下板10dは、Z方向に見て、矩形の輪郭形状を有する。ユニット下板10dは、Z方向に見て、ユニット上板10uとほぼ同じ輪郭形状を有する。ユニット下板10dは、筐体2の正面側がユニット前板10bと接続される。ユニット下板10dは、筐体2の奥側がユニット奥板10fと接続される。ユニット下板10dは、X方向において、ユニット前板10bと同じ寸法を有する。ユニット下板10dは、X方向において、ユニット奥板10fと同じ寸法を有する。
【0024】
ユニット下板10dは、筐体2にユニット10を収納した状態で、略水平なXY面である。ユニット下板10dは、筐体2にユニット10を収納した際に、ベースパネル3に平行である。ユニット下板10dは、筐体2にユニット10を収納した状態で、ベースパネル3に接触する。ユニット下板10dは、X方向における両端がZ方向に沿って上向きに折り曲げられていてもよい。ユニット下板10dは、X方向における両端を織り曲げて強度を向上できる。
【0025】
ユニット下板10dは、筐体2にユニット10を収納した状態で、X方向において、ベースパネル3よりも奥側に延在する。ユニット下板10dは、筐体2にユニット10を収納した状態で、ベースパネル3の奥端部3fからはみ出している。奥端部3fは、ユニット奥板10fの下端と平行である。奥端部3fは、筐体2にユニット10を収納した状態で、Y方向において、ユニット下板10dの中央よりもユニット奥板10fに近接している。奥端部3fは、筐体2にユニット10を収納した状態で、Y方向において、ユニット下板10dの中央とユニット奥板10fとの中間位置よりもユニット奥板10fに近接していてもよい。
ユニット下板10dは、下部に、後述するキャスター19が設けられる。
【0026】
ユニット前板10bは、下端に前固定板11を備える。前固定板11は、XY面に沿って形成される。前固定板11は、Y方向に伸びる。前固定板11は、ユニット下板10dと面一である。前固定板11は、ユニット下板10dと平行である。前固定板11は、筐体2へのユニット10の収納時に、ユニット10の移動方向でユニット前板10bから後側に延在する。前固定板11は、X方向において、ユニット前板10bと同じ寸法を有する。前固定板11は、ベースパネル3に平行である。
【0027】
前固定板11は、ベースパネル3に固定される。前固定板11は、ボルト12によってベースパネル3に固定される。前固定板11を固定することで、ユニット10がベースパネル3に固定される。前固定板11は、結合部材(ボルト)12が貫通する貫通部11sを有する(図3参照)。ベースパネル3は、ボルト12が貫通する貫通部3sを有する(図3参照)。前固定板11は、ユニット前板10bの下端を折り曲げて形成してもよい。結合部材(ボルト)12は、ボルトに限らず他の構成とすることもできる。
前固定板11は、筐体2からユニット10の取り外し時に、ボルト12を外してベースパネル3から移動できる。前固定板11の固定を解除することで、ユニット10がベースパネル3から移動できる。
【0028】
ユニット奥板10fは、下端に奥固定板(ユニット固定部)13を備える。奥固定板13は、ユニット10の奥側下端10fdに設けられる。奥固定板13は、ユニット10の奥側下端10fdを位置決めする。奥固定板13は、XY面に沿って形成される。奥固定板13は、Y方向に伸びる。奥固定板13は、ユニット下板10dと面一である。奥固定板13は、ユニット下板10dと平行である。奥固定板13は、筐体2へのユニット10の収納時に、ユニット10の移動方向でユニット前板10bから前側に延在する。奥固定板13は、X方向において、ユニット奥板10fと同じ寸法を有する。奥固定板13は、ベースパネル3に平行である。
【0029】
奥固定板13は、筐体2にユニット10を収納した状態で、奥位置規制部(ユニット固定部)14に当接する。奥位置規制部(ユニット固定部)14に関しては後述する。奥固定板13は、ユニット奥板10fの下端を折り曲げて形成してもよい。奥固定板13は、筐体2にユニット10を収納した状態で、ベースパネル3と面一である。奥固定板13は、ボルトによって固定されない。
奥固定板13は、弾性変形可能である。
【0030】
奥位置規制部14は、筐体2へのユニット10の収納時に、下側に奥固定板13が当接する。奥位置規制部14は、筐体2にユニット10を収納した状態で、ユニット10の奥側下端10fdに当接する。奥位置規制部14は、筐体2へのユニット10の収納時に、ユニット10の奥側下端10fdを位置決めする。奥位置規制部14は、当接した奥固定板13を上側から押さえる。上側から奥固定板13を押さえた奥位置規制部14と、下側からユニット下板10dに当接するベースパネル3とにより、ユニット10のベースパネル3に対するZ方向位置が規制される。
奥位置規制部14は、弾性変形可能である。
【0031】
奥位置規制部14は、Y方向に延在する奥上下位置規制部14aと、Z方向に延在する奥前後位置規制部14bと、を有する。奥上下位置規制部14aと奥前後位置規制部14bとは、それぞれ板体とされる。奥上下位置規制部14aのY方向端部と、奥前後位置規制部14bのZ方向端部とは、互いに接続される。奥上下位置規制部14aと奥前後位置規制部14bとは、一枚の板体を折り曲げて形成される。
【0032】
奥上下位置規制部14aは、略水平なXY面に沿って延在する。奥上下位置規制部14aは、Y方向において、筐体2の正面側となる端部が奥前後位置規制部14bと接続される。奥上下位置規制部14aは、Y方向の端部が、X方向の全長で奥前後位置規制部14bと接続される。奥上下位置規制部14aは、Y方向において、奥端部3fと離間している。
【0033】
奥前後位置規制部14bは、略垂直なZX面に沿って延在する。奥前後位置規制部14bは、Z方向において、下端が奥上下位置規制部14aと接続される。奥前後位置規制部14bは、筐体2にユニット10を収納した状態で、ユニット10のY方向の奥端に当接する。奥前後位置規制部14bは、筐体2へのユニット10の収納時に、Y方向におけるユニット奥板10fに当接する。奥前後位置規制部14bは、Y方向におけるユニット10の収納位置を規制する。
【0034】
図3は、実施形態における収納前のユニットおよびベースパネル等を示す斜視図である。
奥位置規制部14は、図3に示すように、X方向両端にそれぞれ横位置規制部14cを有する。
【0035】
横位置規制部14cは、奥前後位置規制部14bのX方向の両端に接続される。横位置規制部14cは、略垂直なYZ面に沿って延在する。横位置規制部14cは、奥上下位置規制部14aの筐体2の正面側となる端部と接していてもよい。横位置規制部14cは、上端が奥前後位置規制部14bの上端と一致している。横位置規制部14cは、奥前後位置規制部14bのX方向の両端を折り曲げて形成されてもよい。横位置規制部14cは、筐体2にユニット10を収納した状態で、ユニット10のX方向の両端に当接する。
【0036】
横位置規制部14cは、筐体2へのユニット10の収納時に、X方向におけるユニット10の収納位置を規制する。
2枚の横位置規制部14cは、X方向における離間距離がユニット10のX方向寸法と等しい。2枚の横位置規制部14cは、X方向における離間距離がユニット10のX方向寸法よりも若干大きくてもよい。2枚の横位置規制部14cは、X方向における離間距離がユニット奥板10fのX方向寸法と等しい。2枚の横位置規制部14cは、X方向における離間距離がユニット奥板10fのX方向寸法よりも若干大きくてもよい。
【0037】
2枚の横位置規制部14cは、X方向における離間距離が奥固定板13のX方向寸法と等しい。2枚の横位置規制部14cは、X方向における離間距離が奥固定板13のX方向寸法よりも若干大きくてもよい。
横位置規制部14cは、Y方向において、筐体2の正面側となる手前側端部14c1がベースパネル3の奥端部3fよりも筐体2の正面側に近接して位置している。横位置規制部14cは、Y方向において、筐体2の正面側となる手前側端部14c1がベースパネル3の奥端部3fとほぼ同じ位置に形成されてもよい。横位置規制部14cは、Y方向において、筐体2の正面側となる端部がベースパネル3の奥端部3fよりも筐体2の正面側から若干離間して位置していてもよい。
横位置規制部14cは、下端が奥位置規制固定部14dに接続される。
【0038】
奥位置規制固定部14dは、ボルト15によってベースパネル3に固定される。奥位置規制固定部14d固定することで、奥位置規制部14がベースパネル3に固定される。奥位置規制固定部14dは、筐体2にユニット10を収納した状態で、X方向におけるユニット10の両端よりも外方に位置する。奥位置規制固定部14dは、略水平なXY面に沿って延在する。
【0039】
奥位置規制固定部14dは、Y方向において、筐体2の正面側となる端部がベースパネル3の奥端部3fとほぼ同じ位置に形成される。奥位置規制固定部14dは、Y方向において、筐体2の正面側となる端部がベースパネル3の奥端部3fよりも筐体2の正面側に近接して位置していてもよい。奥位置規制固定部14dは、Y方向において、筐体2の正面側となる端部がベースパネル3の奥端部3fよりも筐体2の正面側から離間して位置していてもよい。
【0040】
上部固定パネル17は、筐体2にユニット10を収納した状態で、ユニット10に当接する。上部固定パネル17は、筐体2にユニット10を収納した状態で、奥側上端10fuに当接する。上部固定パネル17は、筐体2にユニット10を収納する時に、奥側上端10fuを位置決めする。上部固定パネル17は、筐体2にユニット10を収納する時に、ユニット10を位置決めする。上部固定パネル17は、筐体2にユニット10を収納した状態で、下側に奥側上端10fuが当接する。上部固定パネル17は、筐体2にユニット10を収納した状態で、Y方向において筐体2の正面側に奥側上端10fuが当接する。
上部固定パネル17は、ベースパネル3に対して位置が固定される。上部固定パネル17は、X方向の両端が、筐体2に接続される。
上部固定パネル17は、弾性変形可能である。
【0041】
上部固定パネル17は、後述するように、筐体2にユニット10を収納する時に、奥側上端10fuの位置を規制する。上部固定パネル17は、筐体2にユニット10を収納する時に、ユニット10の奥側上端10fuが最初に接触する位置に設けられる。上部固定パネル17は、筐体2にユニット10を収納する時に、Y方向において、手前側下端10bdがベースパネル3から浮くように傾けたユニット10を、後述するキャスター19で支持しながらY方向において奥側に向けて移動した際に、ユニット10の奥側上端10fuが最初に接触する位置に設けられる。
【0042】
上部固定パネル17は、Y方向に延在する上部上下位置規制部17aと、Z方向に延在する上部前後位置規制部17bと、を有する。上部上下位置規制部17aと上部前後位置規制部17bとは、それぞれ板体とされる。上部上下位置規制部17aのY方向端部と、上部前後位置規制部17bのZ方向端部とは、互いに接続される。上部上下位置規制部17aと上部前後位置規制部17bとは、一枚の板体を折り曲げて形成される。
【0043】
上部上下位置規制部17aは、略水平なXY面に沿って延在する。上部上下位置規制部17aは、Y方向において、筐体2の奥側となる端部が上部前後位置規制部17bと接続される。上部上下位置規制部17aは、Y方向の奥側端部が、X方向の全長で上部前後位置規制部17bと接続される。上部上下位置規制部17aは、Y方向の手前側端部17a1が、X方向の全長でX方向に沿って延在している。上部上下位置規制部17aは、筐体2にユニット10を収納した状態で、ユニット上板10uの奥端に当接する。上部上下位置規制部17aは、後述するように筐体2にユニット10を収納する際に、手前側端部17a1がユニット上板10uに当接する。
【0044】
上部前後位置規制部17bは、略垂直なZX面に沿って延在する。上部前後位置規制部17bは、Z方向において、上端が上部上下位置規制部17aと接続される。上部前後位置規制部17bは、筐体2にユニット10を収納した状態で、ユニット奥板10fの上端に当接する。上部前後位置規制部17bは、Y方向におけるユニット10の収納位置を規制する。
【0045】
キャスター19は、ユニット下板10dの下部に設けられる。キャスター19は、ユニット下板10dから下方に突出する。キャスター19は、筐体2にユニット10を収納した状態で、X方向に延在する回転軸19cまわりに回転可能である。回転軸19cは、ユニット下板10dとユニット奥板10fとの接続される角部分の稜線に平行である。回転軸19cは、ユニット下板10dとユニット前板10bとの接続される角部分の稜線に平行である。回転軸19cは、ユニット下板10dからZ方向下方に離間している。
【0046】
キャスター19は、筐体2にユニット10を収納した状態で、後述する誘導溝32に収納される。キャスター19は、筐体2にユニット10を収納した状態で、ベースパネル3から下方に突出する。キャスター19は、筐体2にユニット10を収納した状態で、後述する誘導溝32に接触している。キャスター19は、筐体2にユニット10を収納した状態で、奥端部3fよりも筐体2の正面側に近接して位置している。
キャスター19は、筐体2にユニット10を収納する時に、ベースパネル3上を走行する。キャスター19は、筐体2にユニット10を収納する時に、後述する誘導溝32の内部を走行する。
【0047】
キャスター19は、X方向においてユニット下板10dの中央に配置される。キャスター19は、X方向において、筐体2にユニット10を収納した状態で、後述する誘導溝32に対応する位置に配置される。キャスター19は、Y方向においてユニット下板10dの両端から離間して配置される。キャスター19は、X方向においてユニット下板10dの両端から長距離離間した中央に配置される。
【0048】
キャスター19は、筐体2にユニット10を収納する時に、Y方向において、ユニット10を手前側下端10bdがベースパネル3から浮くように傾けてベースパネル3上を走行可能な位置に配置される。
キャスター19は、筐体2にユニット10を収納する時に、Y方向において奥側に向けてユニット10が移動して、ユニット10の奥側上端10fuが上部固定パネル17に接触した際に、Y方向における後述する誘導溝32の手前溝端部32bと一致する位置に設けられる。
【0049】
ベースパネル3は、誘導溝32を有する。誘導溝32は、筐体2にユニット10を収納する時に、ユニット10をY方向で奥側に向けて移動した際、キャスター19の移動を規制する。誘導溝32は、キャスター19の移動を誘導する。誘導溝32は、ユニット10の移動を誘導する。誘導溝32は、ユニット10のY方向の移動に伴ってユニット10がZ方向で固定位置まで下降するように規制する。
誘導溝32は、筐体2にユニット10を収納した状態で、ユニット下板10dから離間している。ベースパネル3は、筐体2にユニット10を収納した状態で、誘導溝32の周囲に位置がユニット下板10dに接触している。
【0050】
誘導溝32は、ベースパネル3に設けられる。誘導溝32は、Y方向に延在している。誘導溝32は、Y方向において、手前溝端部32bから奥溝端部32fに向けて傾斜している。誘導溝32は、Y方向において、手前溝端部32bから奥溝端部32fに向けて下降している。
手前溝端部32bは、Z方向においてベースパネル3と同じ高さである。奥溝端部32fは、Z方向においてユニット下板10dから下方に突出するキャスター19の突出量と同じ高さだけベースパネル3から下降している。
誘導溝32は、X方向の両側が外方に向けて開放されている。誘導溝32は、奥溝端部32fがY方向の外側に向けて開放されている。奥溝端部32fは、Y方向において、ベースパネル3の奥端部3fとほぼ同じ位置に形成される。
【0051】
誘導溝32は、底部(底板)32dを有する。
底部32dは、湾曲している。底部32dは、X方向に見て円弧状に形成される。底部32dは、ユニット10が上部固定パネル17に接触した位置を中心とする円弧状に湾曲する。底部32dは、ユニット10が上部固定パネル17に接触した位置を中心として、手前溝端部32bから奥溝端部32fに向けて下降する曲面形状を有する。底部32dは、ベースパネル3の切欠として形成できる。
【0052】
底部32dは、手前溝端部32b付近で奥溝端部32fに向けて下方に傾斜している。底部32dは、奥溝端部32f付近でY方向に延在する。底部32dは、X方向において、その全長が水平方向に延在する。つまり、底部32dは、X方向には傾斜していない。
底部32dは、板状である。底部32dは、手前溝端部32bがベースパネル3に接続される。底部32dは、ベースパネル3と一体である。ベースパネル3から手前溝端部32bで奥溝端部32fを下側に向けて折り曲げて形成される。
【0053】
誘導溝32は、上部固定パネル17に接触した位置を中心としてユニット10の奥側下端10fdが奥側に向けて回転するようにキャスター19の移動軌跡を規制する。
【0054】
図4は、実施形態におけるユニットの寸法等を示す側面図である。図5は、実施形態におけるベースパネル等の寸法を示す側面図である。図6は、実施形態におけるユニットおよび上部固定パネルの寸法を示す側面図である。図7は、実施形態におけるユニットおよびベースパネル等の寸法を示す側面図である。
ユニット10のZ方向寸法は、図4に示すように、Z方向高さZ10である。ユニット奥板10fのZ方向寸法は、Z方向高さZ10である。Z方向高さZ10は、ユニット上板10uの上面からユニット下板10dの下面までのZ方向寸法である。
【0055】
奥固定板13の厚さ寸法は、図4に示すように、Z方向厚さZ13である。奥固定板13のY方向寸法は、Y方向寸法Y13である。Y方向寸法Y13は、ユニット奥板10fの奥側面から奥固定板13の奥側端部までのY方向寸法である。Y方向寸法Y13は、奥固定板13のY方向突出寸法である。
【0056】
上部固定パネル17のZ方向高さ寸法は、図5に示すように、Z方向高さZ17である。Z方向高さZ17は、ベースパネル3の上面3uから上部上下位置規制部17aの下面までのZ方向距離である。
【0057】
奥位置規制部14のZ方向高さ寸法は、図5に示すように、Z方向高さZ14である。Z方向高さZ14は、ベースパネル3の上面3uから奥上下位置規制部14aの下面までのZ方向距離である。
【0058】
上部固定パネル17のY方向寸法Y17は、図6に示すように、Y方向における上部上下位置規制部17aのY方向長さである。上部上下位置規制部17aのY方向長さは、Y方向における手前側端部17a1から上部上下位置規制部17aの基端までの長さである。上部上下位置規制部17aのY方向長さは、Y方向における手前側端部17a1から上部前後位置規制部17bの手前側面までの長さである。
【0059】
ユニット10のY方向位置Y10uは、図6に示すように、Y方向において、ユニット上板10uの手前側端部17a1が当接する位置からユニット奥板10fの外面までの距離である。
【0060】
キャスター19のY方向取り付け位置は、図7に示すように、角度θによって規定される。角度θは、ベースパネル3とユニット10とにおいて、次の状態の上面3uとユニット下板10dとの為す角である。角度θは、筐体2にユニット10を収納する時に、ユニット10の奥側上端10fuが上部固定パネル17に当接した状態で規定する。角度θは、筐体2にユニット10を収納する時に、筐体2にユニット10を収納する時に、Y方向において、ユニット10を手前側下端10bdがベースパネル3から浮くように傾けた状態で規定する。角度θは、筐体2にユニット10を収納する時に、キャスター19が手前溝端部32bに接触している状態で規定する。角度θは、筐体2にユニット10を収納する時に、奥固定板13の端部がベースパネル3の奥端部3fに当接した状態で規定する。角度θは、Y方向寸法Y13で規定される。
【0061】
ここで、以下の関係を有する。
Z10 ≧ Z17
Z13 ≧ Z14
Y10u = Y14
【0062】
さらに、上部固定パネル17と誘導溝32とにおいて、図7に示すように、手前側端部17a1から手前溝端部32bまでの距離は、R19である。角度θで傾いたユニット10における手前側端部17a1の当接するユニット上板10uの上面の箇所から、手前溝端部32bに当接するキャスター19の下部までの距離は、距離R19である。手前側端部17a1から手前溝端部32bまでの距離R19は、角度θで傾いたユニット10における手前側端部17a1の当接するユニット上板10uの上面の箇所から、手前溝端部32bに当接するキャスター19の下部までの距離R19と等しい。
【0063】
また、手前側端部17a1から手前溝端部32bまで距離R19は、手前側端部17a1の当接するユニット上板10uの上面の箇所から、手前溝端部32bに当接するキャスター19の下部までの距離R19と等しい。
手前側端部17a1から手前溝端部32bまで距離R19は、手前側端部17a1から奥溝端部32fまでの距離R19と等しい。手前側端部17a1から底部32dの上面までの距離R19は、手前側端部17a1から奥溝端部32fまでの距離R19と等しい。
手前側端部17a1から奥溝端部32f付近までの距離R19は、手前側端部17a1の当接するユニット上板10uの上面の箇所から、手前溝端部32bに当接するキャスター19の下部までの距離R19と等しい。
【0064】
次に、ユニット10の筐体2への収納方法について説明する。
【0065】
図8は、実施形態におけるユニットの収納方法を示す工程図である。図9は、実施形態におけるユニットの収納方法を示す工程図である。図10は、実施形態におけるユニットの収納方法を示す工程図である。図11は、実施形態におけるユニットの収納方法を示す工程図である。図12は、実施形態におけるユニットの収納方法を示す工程図である。
ユニット10を筐体2に収納する際に、ユニット10は、図8に示すように、ユニット10を載置するベースパネル3よりも、Y方向の手前側に準備される。
【0066】
この際、ユニット10は、Y方向における筐体2の外方位置で、ユニット上板10uがユニット下板10dよりも上方位置とする。ユニット10は、Y方向における筐体2の外方位置で、ユニット奥板10fがユニット前板10bよりもベースパネル3に近接する位置とする。ユニット10は、Y方向における筐体2の外方位置で、回転軸19cがX方向に沿った姿勢とする。
【0067】
ユニット10は、キャスター19の下端がベースパネル3の上面3uをほぼ同じ高さとする。あるいは、ユニット10は、キャスター19がベースパネル3の上面3uよりも上方位置とする。
ユニット10は、ユニット上板10uおよびユニット下板10dがベースパネル3に平行である。あるいは、ユニット10は、キャスター19がベースパネル3の上面3uよりも上方位置であれば、ユニット上板10uおよびユニット下板10dがベースパネル3に対して傾いていてもよい。
【0068】
次に、図9に示すように、ユニット10をベースパネル3の上面3uに載置する。ユニット10は、キャスター19の下端がベースパネル3の上面3uに接触する。
ユニット10は、Y方向において、キャスター19の下端が、手前溝端部32bから離間した位置で上面3uに接触する。ユニット10は、Y方向において手前溝端部32bよりも手前側で、キャスター19の下端が上面3uに接触する。ユニット10は、回転軸19cがX方向に沿った姿勢を維持する。
ユニット10は、ユニット上板10uおよびユニット下板10dがベースパネル3に平行である。あるいは、ユニット10は、前固定板11および奥固定板13が上面3uに接触していなければ、ユニット上板10uおよびユニット下板10dがベースパネル3に対して傾いていてもよい。
【0069】
さらに、ユニット10は、キャスター19が回転軸19cのまわりに回転して移動する。ユニット10は、上面3uに沿ってY方向において奥側に向かって移動する。このとき、ユニット10は、前固定板11および奥固定板13が上面3uに接触していない姿勢を維持する。ユニット10は、回転軸19cがX方向に沿った姿勢を維持する。
ユニット10は、Y方向において、キャスター19の下端が手前溝端部32bに到達していない。
【0070】
次に、ユニット10は、図10に矢印で示すように、回転軸19cを中心として傾けられる。ユニット10は、回転軸19cを中心として、奥側下端10fdが下方に移動する向きに回転する。ユニット10は、回転軸19cを中心として、手前側下端10bdが上方に移動する向きに回転する。ユニット10は、前固定板11が奥固定板13に比べてベースパネル3から離間する。
このとき、ユニット10は、回転軸19cがX方向に沿った姿勢を維持する。ユニット10は、奥固定板13が上面3uに接触していない状態を維持する。
【0071】
ユニット10は、Y方向において、キャスター19の下端が手前溝端部32bに到達するまで、上面3uに沿って走行する。ユニット10は、走行している間、回転軸19cがX方向に沿った姿勢を維持する。ユニット10は、走行中、回転軸19cを中心として傾斜した姿勢を維持する。
【0072】
次に、ユニット10は、図11に示すように、キャスター19の下端が手前溝端部32bに到達する。
同時に、ユニット10は、奥側上端10fuが上部固定パネル17に当接する。ユニット10は、ユニット上板10uが上部上下位置規制部17aに当接する。上部上下位置規制部17aは、Y方向における手前側端部17a1がユニット上板10uに当接する。ユニット上板10uは、上面においてユニット奥板10fの奥面からのY方向距離である位置Y10uに対応する箇所が手前側端部17a1に当接する。
【0073】
同時に、ユニット10は、奥固定板13が奥端部3fに到達する。この間、ユニット10は、回転軸19cがX方向に沿った姿勢を維持する。ユニット10は、回転軸19cを中心として傾斜した姿勢を維持する。
ユニット10とベースパネル3とは、上面3uとユニット下板10dとの為す角が、角度θである。ユニット01とベースパネル3とは、角度θを維持する。ユニット10は、ユニット奥板10fが上部前後位置規制部17bには当接していない。
【0074】
ユニット10は、Z方向視して奥固定板13が奥端部3fに到達する際、X方向における奥側下端10fdの両端が、それぞれ横位置規制部14cに当接する。
横位置規制部14cは、Y方向において、手前側端部14c1が奥端部3fよりも筐体2の正面側に近接している。奥固定板13は、奥端部3fよりも先に手前側端部14c1に当接する。2枚の横位置規制部14cに挟まれた奥固定板13は、X方向の位置が規制される。ユニット10は、奥側下端10fdが横位置規制部14cに挟まれて、X方向の位置が規制される。X方向に位置規制されたユニット10は、キャスター19が誘導溝32の内部に進入可能な位置となる。
【0075】
次に、ユニット10は、図12に矢印で示すように、手前側端部17a1に当接した位置を中心として傾けられる。ユニット10は、手前側端部17a1に当接した位置を中心として、奥側下端10fdがY方向における奥側に向かうように回転する。ユニット10は、手前側端部17a1に当接した位置を中心として、手前側下端10bdがZ方向における下向きに向かうように回転する。ユニット10は、手前側端部17a1に当接した位置を中心として、手前側下端10bdがベースパネル3に近接するように回転する。
このとき、ユニット上板10uは、手前側端部17a1に当接した位置がずれることはない。ユニット10は、キャスター19が手前溝端部32bを越えて誘導溝32の内部に進入する。
【0076】
キャスター19は、誘導溝32の内部において、底部32dに沿ってY方向に走行する。底部32dは手前溝端部32bから奥溝端部32fへと下降している。キャスター19は、底部32dに沿って下降する。キャスター19の走行に従って、ユニット10は、手前側端部17a1に当接した位置を中心として回転する。同時に、ユニット10は、手前側下端10bdがZ方向における下向きおよびY方向における奥側に向いた斜め方向に向かって移動する。ユニット10は、奥側下端10fdがZ方向における下向きおよびY方向における奥側に向いた斜め方向に向かって移動する。
このとき、ユニット10は、図13に示すように、ユニット下板10dの下面が奥端部3fと離間した状態を維持する。ユニット10の移動は、ベースパネル3によって阻害されない。
【0077】
ユニット10は、手前側端部17a1に当接した位置を中心として回転して、図2に示すように、収納位置に到達する。収納位置において、奥側下端10fdは、ユニット奥板10fが奥前後位置規制部14bに当接する。奥側下端10fdは、奥固定板13の上面が奥上下位置規制部14aの下面に当接する。奥固定板13の上面は、奥上下位置規制部14aの下面に押圧される。奥側下端10fdは、奥固定板13および奥上下位置規制部14aが弾性変形する。奥固定板13および奥上下位置規制部14aは、弾性変形により生じる摩擦力で固定され、XY面に沿った方向における防振効果を奏する。
【0078】
収納位置において、奥側上端10fuは、ユニット奥板10fが上部前後位置規制部17bに当接する。奥側上端10fuは、ユニット上板10uが上部上下位置規制部17aに当接する。奥側上端10fuは、ユニット上板10uが上部上下位置規制部17aに押圧される。奥側上端10fuは、上部上下位置規制部17aが弾性変形する。上部上下位置規制部17aは、弾性変形により生じる摩擦力で固定され、XY面に沿った方向における防振効果を奏する。
【0079】
収納位置において、手前側下端10bdは、ユニット下板10dが上面3uに当接する。ユニット下板10dは、下面のうちY方向において奥端部3fまでの全域が上面3uに当接する。
貫通部11sは、貫通部3sと一致した位置となる。貫通部11sおよび貫通部3sにボルト12を貫通してユニット10をベースパネル3に固定する。
【0080】
ボルト12を締めることによって、ユニット10は、手前側下端10bdがベースパネル3に近接するように力がかかる。これにより、ユニット上板10uの上面と上部上下位置規制部17aの下面における押圧力を増大する。また、奥固定板13の上面と奥上下位置規制部14aの下面における押圧力を増大する。
【0081】
これにより、筐体2へのユニット10の収納を完了する。
【0082】
収納されたユニット10を筐体2から取り出すには、上述した収納方法を逆の手順でおこなう。
【0083】
実施形態の制御盤1は、防振構造を維持したまま、奥側でのボルト固定を不要とすることができる。これにより、ユニット10を筐体2のベースパネル3、奥位置規制部14、上部固定パネル17の間に嵌め込むことで、ユニット10を充分に固定することができる。同時に、奥固定板13の上面が奥上下位置規制部14aの下面に当接することで、ユニット10を充分に固定することができる。
【0084】
制御盤1は、キャスター19によって、ベースパネル3へのユニット10の角度θを維持することができる。制御盤1は、キャスター19によって、ベースパネル3に対するユニット10の移動性を向上することができる。制御盤1は、キャスター19によって、ベースパネル3へのユニット10の固定を容易にできる。
【0085】
制御盤1は、従来と比べて、ユニット10を固定する際の支点と力点の距離を遠くすることができる。なお、ユニット10の側面に側板を設けて、ユニット10の側面を閉塞することもできる。
制御盤1は、1つのキャスター19と1つの誘導溝32を対応させる構成として説明したが、複数のキャスター19と対応する誘導溝32をベースパネル3に形成することもできる。
【0086】
制御盤1は、ユニット下板10dにキャスター19を設けたことにより、ベースパネル3との角度θを容易に維持することができる。また、Y方向においてユニット下板10dにキャスター19を設ける位置を変更することで、角度θを容易に設定することができる。なお、角度θは、奥固定板13のY方向長さY13を変更することで、容易に設定することができる。
【0087】
制御盤1は、ユニット10を走行させた後、ユニット10を押し込んで上部固定パネルの手前側端部14a1が当接した状態で手前側下端10bdを下方向に回転させることで、収納位置にすることが容易にできる。
【0088】
制御盤1は、電力変換装置に適用された場合に、筐体2の小型化や内部用品を高密度実装しても、工具を必要とすることがない。制御盤1は、工具が奥まで入らないという問題を回避することができる。さらに、筐体2の内部においてユニット10の後部をボルト等で固定する必要がない。しかも、筐体2へのユニット10の固定を充分おこなうことができる。
【0089】
したがって、輸送中や装置稼働中等に発生する振動によって、ユニット10の内部の部品や、ユニット10に接続される導体、ケーブル等が破損する可能性を防止することができる。
同時に、特殊工具を用いることなく筐体2へのユニット10の固定ができる。特殊工具を用いることがないため、部品点数の増加、コストの増大を招くことがない。
【0090】
また、基板や用品等は重量物である。ユニット10は重量物である。しかし制御盤1は、筐体2へのユニット10の出し入れにおける容易性と作業性とを向上することができる。同時に、筐体2へのユニット10の出し入れにおける作業時間を短縮することができる。
【0091】
制御盤1は、筐体2に対するユニット10の固定性を向上することができる。制御盤1は、筐体2の内部で特殊工具を使うことなくユニット10の固定を可能とすることができる。制御盤1は、ユニット10の筐体2への取り付けにおける容易性を向上することができる。制御盤1は、ユニット10の筐体2への取り付けにおける作業性を向上することができる。制御盤1は、ユニット10の筐体2への取り付けにおける作業時間を短縮することができる。制御盤1は、ユニット10の筐体2への取り付けにおける柔軟な用品配置に対応した構成を提供することができる。
【0092】
制御盤1は、ユニット上板10uの上面と上部上下位置規制部17aの下面において、互いに接触する面の摩擦係数を大きくすることで、ユニット10を筐体2により強固に固定することができる。これにより、防振効果を向上できる。
ユニット上板10uの上面と上部上下位置規制部17aの下面との間の摩擦係数を大きくするには、ユニット上板10uの上面と上部上下位置規制部17aの下面とに所定の表面加工おこなうことができる。摩擦係数を大きくするには、ユニット上板10uの上面と上部上下位置規制部17aの下面とを摩擦係数の大きな材質によって形成することができる。
【0093】
制御盤1は、奥固定板13の上面と奥上下位置規制部14aの下面において、互いに接触する面の摩擦係数を大きくすることで、ユニット10を筐体2により強固に固定することができる。これにより、防振効果を向上できる。
奥固定板13の上面と奥上下位置規制部14aの下面との間の摩擦係数を大きくするには、奥固定板13の上面と奥上下位置規制部14aの下面とに所定の表面加工おこなうことができる。摩擦係数を大きくするには、奥固定板13の上面と奥上下位置規制部14aの下面とを摩擦係数の大きな材質によって形成することができる。
【0094】
制御盤1は、ユニット下板10dの下面とベースプレート3の上面3uにおいて、互いに接触する面の摩擦係数を大きくすることで、ユニット10を筐体2により強固に固定することができる。これにより、防振効果を向上できる。
ユニット下板10dの下面とベースプレート3の上面3uとの間の摩擦係数を大きくするには、ユニット下板10dの下面とベースプレート3の上面3uとに所定の表面加工おこなうことができる。摩擦係数を大きくするには、ユニット下板10dの下面とベースプレート3の上面3uとを摩擦係数の大きな材質によって形成することができる。
【符号の説明】
【0095】
1…制御盤
2…筐体
3…ベースパネル
10…ユニット
10fd…奥側下端
10fu…奥側上端
14…奥位置規制部(ユニット固定部)
17…上部固定パネル
19…キャスター
32…誘導溝
32d…底部(底板)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13