(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-26
(45)【発行日】2025-01-10
(54)【発明の名称】回転電機
(51)【国際特許分類】
H02K 1/32 20060101AFI20241227BHJP
H02K 1/22 20060101ALI20241227BHJP
H02K 9/19 20060101ALI20241227BHJP
【FI】
H02K1/32 Z
H02K1/22 A
H02K9/19 B
(21)【出願番号】P 2024547060
(86)(22)【出願日】2023-04-24
(86)【国際出願番号】 JP2023016073
【審査請求日】2024-08-07
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002941
【氏名又は名称】弁理士法人ぱるも特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】武石 惠介
(72)【発明者】
【氏名】加藤 健次
(72)【発明者】
【氏名】熊谷 健吾
(72)【発明者】
【氏名】茅野 慎介
(72)【発明者】
【氏名】上村 和己
【審査官】津久井 道夫
(56)【参考文献】
【文献】特開2022-128783(JP,A)
【文献】特開2023-050327(JP,A)
【文献】特開2022-127811(JP,A)
【文献】特開2020-150614(JP,A)
【文献】特開2012-524514(JP,A)
【文献】特開2001-65647(JP,A)
【文献】国際公開第2008/133786(WO,A1)
【文献】中国実用新案第208508717(CN,U)
【文献】特開2022-154043(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2010/0289386(US,A1)
【文献】米国特許第4208598(US,A)
【文献】特開2010-220340(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02K 1/32
H02K 1/22
H02K 9/19
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハウジング、前記ハウジングを貫通する回転シャフト、前記回転シャフトに固設され、前記回転シャフトの外周に設けられたロータ、前記ロータの外周に前記ロータと間隔を開けて設けられたステータ、前記ロータの端部に位置し、前記ロータを前記回転シャフトの軸方向に挟持するエンドプレート
を備え、
一方の前記エンドプレートは内部に前記回転シャフト側から前記軸方向に対し垂直な径方向外周側に進む流路と前記径方向外周側から前記回転シャフト側に流れる戻る流路とを含んで冷媒が循環する第1の冷却流路
が形成され、
前記回転シャフトは内部に、前記回転シャフト内
を貫通するように形成され
て前記冷媒が導入される第2の冷却流路
と前記第1の冷却流路に前記冷媒を流すための流出口と前記第1の冷却流路から前記冷媒を戻すための流入口と前記第2の冷却流路の流れを前記第1の冷却流路に導く仕切板またはガイドとを備え、
前記回転シャフトの一方側から前記第2の冷却流路に導入された前記冷媒は、
前記流出口から前記第1の冷却流路
の前記進む流路に流入されて前記エンドプレートを冷却し、前記エンドプレートを冷却した前記冷媒は
前記戻る流路を経て前記流入口から前記第2の冷却流路に流出され、前記回転シャフトの他方側に排出されることを特徴とする回転電機。
【請求項2】
ハウジング、前記ハウジングを貫通する回転シャフト、前記回転シャフトに固設され、前記回転シャフトの外周に設けられたロータ、前記ロータの外周に前記ロータと間隔を開けて設けられたステータ、前記ロータの端部に位置し、前記ロータを前記回転シャフトの軸方向に挟持するエンドプレート
を備え、
一方の前記エンドプレートは内部に前記軸方向に対し垂直な径方向外周側に進む流路と前記径方向外周側から前記回転シャフト側に流れる戻る流路とを含んで冷媒が循環する第1の冷却流路
が形成され、
前記回転シャフトは内部に、前記回転シャフト内を軸方向に形成され
て前記冷媒が導入される第2の冷却流路と
前記第1の冷却流路に前記冷媒を流すための流出口と前記第1の冷却流路から前記冷媒を戻すための流入口と前記第2の冷却流路の流れを前記第1の冷却流路に導く仕切板またはガイドと前記第2の冷却流路内に前記第2の冷却流路と連通するとともに前記第2の冷却流路と二重管構造を形成する第3の冷却流路
とを備え、
前記回転シャフトの一方側から前記第2の冷却流路に導入された前記冷媒は、
前記流出口から前記第1の冷却流路
の前記進む流路に流入されて前記エンドプレートを冷却し、前記エンドプレートを冷却した前記冷媒は
前記戻る流路を経て前記流入口から前記第2の冷却流路に流出され、前記第2の冷却流路と連通する前記第3の冷却流路から、前記冷媒を導入した前記回転シャフトの一方側に排出されることを特徴とする回転電機。
【請求項3】
ハウジング、前記ハウジングを貫通する回転シャフト、前記回転シャフトに固設され、前記回転シャフトの外周に設けられたロータ、前記ロータの外周に前記ロータと間隔を開けて設けられたステータ、前記ロータの端部に位置し、前記ロータを前記回転シャフトの軸方向に挟持するエンドプレート
を備え、
一方の前記エンドプレートは内部に前記軸方向に対し垂直な径方向外周側に進む流路と前記径方向外周側から前記回転シャフト側に流れる戻る流路とを含んで冷媒が循環する第1の冷却流路
が形成され、
前記回転シャフトは内部に、前記回転シャフト内を軸方向に形成されて前記
冷媒が導入される側となる第2の冷却流路と
前記第1の冷却流路に前記冷媒を流すための流出口と前記第1の冷却流路から前記冷媒を戻すための流入口と前記第2の冷却流路内に前記第2の冷却流路と連通するとともに前記第2の冷却流路と二重管構造を形成して前記冷媒が排出される側となる第3の冷却流路
とを備え、
前記回転シャフトの一方側から前記第2の冷却流路に導入された前記冷媒は、
前記流出口から前記第1の冷却流路
の前記進む流路に流入されて前記エンドプレートを冷却し、前記エンドプレートを冷却した前記冷媒は
前記戻る流路を経て前記流入口から前記第3の冷却流路に流出され、前記回転シャフトの一方側に排出されることを特徴とする回転電機。
【請求項4】
ハウジング、前記ハウジングを貫通する回転シャフト、前記回転シャフトに固設され、前記回転シャフトの外周に設けられたロータ、前記ロータの外周に前記ロータと間隔を開けて設けられたステータ、前記ロータの端部に位置し、前記ロータを前記回転シャフトの軸方向に挟持するエンドプレートを備え、
一方の前記エンドプレートは内部に前記軸方向に対し垂直な径方向外周側に進む流路と前記径方向外周側から前記回転シャフト側に流れる戻る流路とを含んで冷媒が循環する第1の冷却流路が形成され、
前記回転シャフトは内部に、前記回転シャフト内を前記軸方向に延びるように形成されて前記冷媒が導入される第2の冷却流路と前記第1の冷却流路に前記冷媒を流すための流出口と前記第1の冷却流路から前記冷媒を戻すための流入口と前記流出口における前記第2の冷却流路の流れを前記エンドプレート内に導く仕切板またはガイドとを備え、
前記流出口、前記第1の冷却流路の前記進む流路、前記第1の冷却流路の前記戻る流路、前記流入口、前記第2の冷却流路の順に前記冷媒が流れるように接続されていることを特徴とする回転電機。
【請求項5】
ハウジング、前記ハウジングを貫通する回転シャフト、前記回転シャフトに固設され、前記回転シャフトの外周に設けられたロータ、前記ロータの外周に前記ロータと間隔を開けて設けられたステータ、前記ロータの端部に位置し、前記ロータを前記回転シャフトの軸方向に挟持するエンドプレートを備え、
一方の前記エンドプレートは内部に前記軸方向に対し垂直な径方向外周側に進む流路と前記径方向外周側から前記回転シャフト側に流れる戻る流路とを含んで冷媒が循環する第1の冷却流路が形成され、
前記回転シャフトは内部に、前記軸方向に延びるように形成されて前記冷媒が導入される側となる第2の冷却流路と前記軸方向に延びるように形成されて前記冷媒が排出される側となる第3の冷却流路と、前記第1の冷却流路に前記冷媒を流すための流出口と前記第1の冷却流路から前記冷媒を戻すための流入口とを備え、
前記第2の冷却流路、前記流出口、前記第1の冷却流路の前記進む流路、前記第1の冷却流路の前記戻る流路、前記流入口、前記第3の冷却流路の順に前記冷媒が流れるように接続されていることを特徴とする回転電機。
【請求項6】
前記第1の冷却流路は、前記回転シャフトを支持するベアリングをさらに冷却することを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の回転電機。
【請求項7】
前記第1の冷却流路は、前記回転シャフトの他方側で前記回転シャフトに接続された駆動部をさらに冷却することを特徴とする請求項
2または3に記載の回転電機。
【請求項8】
前記エンドプレート内に前記冷媒の流入と流出をガイドするガイド部材を備えたことを特徴とする請求項1
または2に記載の回転電機。
【請求項9】
前記ガイド部材は、前記回転シャフトに一端を固定されエンドプレート内を径方向に延びる仕切板であることを特徴とする請求項8に記載の回転電機。
【請求項10】
前記ガイド部材は、エンドプレート内面に設けられた溝であることを特徴とする請求項8に記載の回転電機。
【請求項11】
前記仕切板は、他端をエンドプレートの内壁に固定され、前記ロータに埋設された磁石の軸方向端部の延長線上の前記仕切板の面状に前記冷媒が通過する孔部が形成されていることを特徴とする請求項9に記載の回転電機。
【請求項12】
前記溝は、前記ロータに埋設された磁石の軸方向端部の延長線上のエンドプレートの内面に環状に設けられていることを特徴とする請求項10に記載の回転電機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、回転電機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
車載用の高出力モータをはじめとした回転電機では、回転子と、回転子の外径側または軸方向側に固定子を有しており、回転子の磁石が発熱することから回転子磁石が高温になる。回転子磁石が昇温すると、減磁し不具合となることから、回転子磁石温度を低減させる必要がある。
このため、回転子磁石を冷却するための冷却流路構造を回転子の内部に有し、この冷却流路に冷却液を流すことで回転子磁石の冷却性能を向上させる構造が知られている(例えば、特許文献1および特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2022-107336号公報
【文献】国際公開第2010/123635号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1では、回転子から冷却液が遠心方向に吐出され、回転子と固定子の間に冷却液が入り込むことで摩擦損が増加し、回転電機の効率が低下するという課題がある。また、特許文献2では、回転子シャフトを二重管構造として冷却流路とすることにより回転子と固定子の間に冷却液が入り込むことを防止できるが、回転子シャフトの冷却により間接的に磁石を冷却するため、回転子磁石の冷却性能は低いという課題がある。
【0005】
本願は、上述のような問題を解決するためになされたもので、回転子(ロータ)から冷却液が漏れ出すことなくロータ内に埋設された回転子磁石の冷却性能を向上させることができる回転電機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本願に開示される回転電機は、ハウジング、ハウジングを貫通する回転シャフト、回転シャフトに固設され、回転シャフトの外周に設けられたロータ、ロータの外周にロータと間隔を開けて設けられたステータ、ロータの端部に位置し、ロータを回転シャフトの軸方向に挟持するエンドプレートを備え、
一方のエンドプレートは内部に回転シャフト側から軸方向に対し垂直な径方向外周側に進む流路と径方向外周側から回転シャフト側に流れる戻る流路とを含んで冷媒が循環する第1の冷却流路が形成され、
回転シャフトは内部に、回転シャフト内を貫通するように形成されて冷媒が導入される第2の冷却流路と第1の冷却流路に冷媒を流すための流出口と第1の冷却流路から冷媒を戻すための流入口と第2の冷却流路の流れを第1の冷却流路に導く仕切板またはガイドとを備え、
回転シャフトの一方側から第2の冷却流路に導入された冷媒は、流出口から第1の冷却流路の進む流路に流入されてエンドプレートを冷却し、エンドプレートを冷却した冷媒は戻る流路を経て流入口から第2の冷却流路に流出され、回転シャフトの他方側に排出されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本願に開示される回転電機によれば、冷媒は、回転シャフト内およびエンドプレート内のみを移動するため、ロータから冷却液が漏れ出すことなくロータ内に埋設された磁石の冷却性能を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】実施の形態1に係る回転電機の冷却冷媒の流れを説明する断面図である。
【
図2】実施の形態1に係る回転電機のロータの一部を拡大した拡大断面図である。
【
図3】実施の形態1に係るエンドプレート内の冷却流路に配設する仕切板を説明する図である。
【
図4】実施の形態1に係るエンドプレート内の冷却流路を説明する模式図である。
【
図5】実施の形態2に係る回転電機の断面図である。
【
図6】実施の形態2に係る回転電機の冷却冷媒の流れを説明する図である。
【
図7】実施の形態2に係る回転電機の冷却冷媒の流れを説明する断面図である。
【
図8】実施の形態2に係る回転電機の冷却冷媒の流れを説明する断面図である。
【
図9】実施の形態2に係る回転電機の冷却冷媒の流れを説明する断面図である。
【
図10】実施の形態3に係る回転電機の冷却冷媒の流れを説明する図である。
【
図11】実施の形態4に係る回転電機の冷却冷媒の流れを説明する断面図である。
【
図12】実施の形態4に係る回転電機の冷却冷媒の流れを説明する断面図である。
【
図13】実施の形態4に係る回転電機の冷却冷媒の流れを説明する断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本願に係る回転電機の好適な実施の形態について、図面を参照して説明する。なお、同一内容および相当部については同一符号を配し、その詳しい説明は省略する。以降の実施形態も同様に、同一符号を付した構成について重複した説明は省略する。
【0010】
実施の形態1.
図1は、実施の形態1に係る回転電機の冷却冷媒の流れを説明する断面図である。回転電機1は、例えばガソリンエンジンおよびディーゼルエンジン等の内燃機関、あるいは、充放電可能な2次電池から電力供給されるモータを動力源とするハイブリッド自動車などに搭載されている。また、回転電機1は、電力供給されて駆動力を発生させるモータとしての機能と、発電機としての機能との少なくとも1つの機能を有する。
【0011】
回転電機1は、ハウジング2と、ハウジング2を貫通する回転シャフト3と、回転シャフト3に固設され、回転シャフト3の外周に設けられるロータ4と、ロータ4の外周に設けられるステータ5と、から構成される。回転シャフト3は、回転軸X(
図2参照)に沿った軸方向に延び、軸受のベアリング11に支持され、回転軸Xを中心に回転可能に設けられている。以下、本明細書中で軸方向、径方向、周方向と記載する場合には、それぞれ、回転シャフト3の軸方向、径方向、周方向を示すものとする。
【0012】
ロータ4は、
図2に示すロータコア41と、ロータコア41に埋設された永久磁石42とを有する。すなわち、実施の形態1の回転電機1はIPMモータ(Interior Permanent Magnet Motor)であるが、ロータ4の外周に複数の永久磁石が取付けられたSPMモータ(Surface Permanent Magnet Motor)であってもよい。ロータコア41は、円筒形状を有し、軸方向に積層された複数の電磁鋼板から構成されている。ロータコア41は、回転シャフト3の外周面に嵌合され、回転シャフトと一体的に回転可能とされる。
【0013】
ステータ5は、ロータ4の外周に配置され、図示しないステータコアとステータコアに巻回されたコイル51とを有する。ステータコアは、軸方向に積層された複数の電磁鋼板から構成される。なお、ステータコアおよびロータコア41は、電磁鋼板に限定されず、圧粉磁心によって一体成型されてもよい。ステータ5には、周方向に間隔をおいて複数のコイル51が装着されている。各コイル51が通電されることでステータ5の周りに回転磁界が発生し、この回転磁界の作用によって回転シャフト3、ロータ4、永久磁石42がハウジング2およびステータ5に対して一体的に回転する。
【0014】
軸方向におけるロータ4の両端部に位置する軸方向端面と対向するようにエンドプレート7a、7bが設けられている。エンドプレート7a、7bは、ロータ4を構成する電磁鋼板のロータコア41の積層構造を、軸方向に挟持する。永久磁石42に対向するロータコア41の端部が磁化されたとき、磁力の作用によってロータコア41が分離しようとする力が働くが、エンドプレート7a、7bを配置してロータコア41の積層構造を挟持することにより、分離を防止する。エンドプレート7a、7bは、ネジ止め、かしめ圧入などの方法によって、回転シャフト3に一体に固定されており、回転シャフト3の回転に伴って回転運動を行う。
【0015】
図2は、
図1に示すロータ4の一部を拡大した拡大断面図である。
図2に示すように、エンドプレート7aは、円板状の環状板部71と、環状板部の外縁から突起した筒部72とを含む。環状板部71の中央部には孔が形成され、この孔に回転シャフト3が挿通されて環状板部が回転シャフト3に固定されることでエンドプレート7aが回転シャフト3に固定される。環状板部71は、ロータ4の軸方向端面に対し軸方向に隔てられて配置される。筒部72の円環形状の先端部がロータ4の軸方向端部の回転子鉄芯に当接するか、あるいは、
図2に示すように他の部品73を介して回転子鉄心に接することによりロータコア41の積層構造が軸方向に保持されている。このような構造により、エンドプレート7a、7bは、環状板部71、筒部72および回転子鉄心あるいは他の部品73で囲まれた中空部を有し、冷却流路82aが形成される。筒部72の円環形状の先端部を回転子鉄芯に接する構造では、回転子鉄芯に冷却冷媒が直接接しないようにシールを施す必要がある。また、筒部72の円環形状の先端部を他の部品73を介して回転子鉄芯に接する構造では、円環形状の先端部と他の部品73との間にシールを施す必要がある。冷却冷媒は、空気、水、油、または冷媒などでもよく、またこれらが混合された流体でもよい。
【0016】
ハウジング2は、有底円筒状であり、ロータ4、ステータ5を収容し、一対のベアリング11を介して回転シャフト3を回転可能に支持している。
【0017】
図2に示すように、回転シャフト3は、中空に形成され、中空の部分に、冷却流路81が形成されている。また、上述した通り、エンドプレート7a、7bの中空部に冷却流路82a、82bが形成されている。冷却流路81は、回転シャフト3の軸方向に延び、冷却流路82a、82bは、冷却流路81に連通し、エンドプレート7a、7b内を軸方向に対し垂直方向(エンドプレート7a、7bの径方向)に延びる。中空部には、流入流路と流出流路を形成し、冷却冷媒の流れをガイドする必要がある。
【0018】
例えば、
図3(a)に示すように、冷却流路82a、82b内の中央部または中央部近傍に、回転シャフト3に固定され、エンドプレート7a、7bの径方向に延びる仕切板9を設けてもよい。仕切板9は、冷却流路81内の流れをエンドプレート7a、7b内に導入する形状であればどのような形状でもよい。例えば、
図3(a)に示す円板形状を含む略回転対称な形状、
図3(b)に示すらせん形状でもよく、円板形状でも略回転対称でもない板状形状でもよい。また、
図3(a)では、仕切板9と、冷却流路82a、82bの端部との間に冷却冷媒を通過させる隙間Pを形成しているが、
図3(c)に示すように、冷却流路82a、82b端部まで延びる仕切板10の一部に形成した孔Qから冷却冷媒を通過させることにより流路を形成してもよい。仕切板10に形成する孔Qの流入および流出側の少なくとも一方側には、圧力損失低減のために角部に微小な円弧形状を設けてもよい。また、永久磁石42の軸方向の投影位置に孔Qを設けることで、永久磁石端部の冷却性能を高めるように配置してもよい。この構造により、仕切板10がエンドプレート7a、7bの内壁に接続されるため、仕切板の強度が増す。仕切板10に形成する孔の数および孔の位置は、永久磁石42の端部の延長線上の位置に対応する箇所に設けてもよいが、流路の形成の仕方に応じて変更してもよい。また、仕切板を設けずに、または仕切板とともに、冷却流路81から冷却流路82a、82bに流入する際、流入および流出の流れの方向を誘導するガイドを設けても良い。例えば
図3(a)に示すように、エンドプレート7a、7bの上部内面の壁に角度をつけ、冷却冷媒の流れを下方向に誘導するような構造としてもよい。さらに、
図3(a)には示していないが、冷却流路81から冷却流路82a、82bへの流出口に、冷却冷媒が上側に流れるように角度をつけたガイドを形成してもよい。このような仕切板9、10を配設して流路を形成する場合、冷却流路81から冷却流路82a、82bに流入した冷却媒体がエンドプレート7a、7b内を満たすことでエンドプレート7a、7bの全面を冷却する。
【0019】
また、
図4(a)~(c)は、エンドプレート7a、7b内に流出流路と流入流路を形成する別の例を説明する模式図である。回転シャフト3に形成された冷却流路81から冷却流路82a、82bに流出した冷却冷媒は、ロータコア41に埋設された複数の永久磁石42の端部の延長線上に対応する位置およびその近傍を循環するように形成された
図4(a)~
図4(c)に矢印で示された流路を流れる。循環する環状の流路を形成するように、エンドプレート7a、7bに溝などのガイドを設ける。さらに、回転シャフト3の回転を利用して、環状の流路を形成するようにしてもよい。ロータ4の外周部の方が内周部より発熱するため、永久磁石42と永久磁石42より外周のロータコア41を冷却する環状の流路のみを形成してもよい。
【0020】
図4(a)は、冷却流路81から冷却流路82a、82bに冷却冷媒を流すための冷却流路流出口と、冷却流路82a、82bを循環した後に冷却流路81に戻すための流入口とが回転シャフト3内に並列に配列されており、流出口から冷却流路82a、82bに流出した冷却冷媒は、エンドプレート7a、7b内を径方向外周側に進み、永久磁石42が埋め込まれている回転子の位置に対応する位置で右回りの流路と左回りの流路に冷却流路82a、82bが分岐され、径方向反対側で流路が結合されて冷却流路81の流入口に戻る。このように冷却流路を途中で分岐させることにより、流路圧損を低減できる。また、冷却流路を分岐させることなく、
図4(b)のように一筆書き形状の流路を形成してもよい。この場合、例えば、冷却流路82a、82bを冷却冷媒は回転シャフト3の回転方向と同じ右回りに進み、流出口から流出したのと同じ側から冷却冷媒が流入口に戻る。
図4(c)は、後述する実施の形態2における二重管構造の冷却流路81a、81bの例であり、冷却冷媒の流出口と流入口が二重管構造の外周側の冷却流路81aと内周側の冷却流路81bとで仕切られている。その他の構造は、
図4(a)と同じである。
図4では、回転シャフト3から周方向に1本の流路が形成されて径方向外周側に進むように示しているが、周方向に複数の並列となる流路を形成してもよく、また同様に、径方向外周側から回転シャフト3へ冷却冷媒を戻す流路についても、周方向に複数の並列となる流路を形成してもよい。
【0021】
このように形成された冷却流路による冷却冷媒の流れを説明する。冷却冷媒は、図示しないポンプによって移送され、回転シャフト3の一端部から回転シャフト3内の冷却流路81内に導入される。導入された冷却冷媒は、ロータ4の回転により発生する遠心力の作用によって径方向外側に流れ、ロータ4の一端側のエンドプレート7a内の冷却流路82aに流入する。冷却流路82aに流入した冷却冷媒は、例えば
図4(a)に示すように分岐され、エンドプレート7a内を循環した後結合する。循環の過程で、エンドプレート7aに接触または冷却可能な近傍に配設された永久磁石42の端部とロータコア41を冷却する。エンドプレート7a内を循環した冷却冷媒は、冷却流路81に流入する。また、
図3(a)のように仕切板9で隔てられた左右のエンドプレート7aの左から右への流路を冷媒が流れて移動しながら、エンドプレートの内面全面を冷却することで、永久磁石42の端部とロータコア41を冷却する。冷却流路81に流入した冷却冷媒は、回転シャフト3内を軸方向に進み、ロータ4の他端側のエンドプレート7b内の冷却流路82bに流入する。冷却流路82bに流入した冷却冷媒は、エンドプレート7a内同様、エンドプレート7b内を循環または移動する。循環または移動の過程で、エンドプレート7bに接触または冷却可能な近傍に配設された永久磁石42とロータコア41を冷却する。エンドプレート7b内を循環または移動した冷却冷媒は、冷却流路81に再び流入し、回転シャフト3の他端部から排出される。なお、排出された冷却冷媒は冷却槽に集められ、再度冷却に使用してもよい。
【0022】
このように環状の冷却流路を形成することにより、永久磁石42およびその周囲のロータコア41を冷却することで、エンドプレート全面を冷却する
図3の仕切板のガイドに比べ冷媒の量を削減することができる。なお、
図3に示す仕切板9、10のようなガイドおよび
図4に示す環状のガイドの両方を組合わせて冷却冷媒の流入および流出のための冷却流路を形成してもよいことは言うまでも無い。
【0023】
以上のように、本実施の形態1では、冷却冷媒がエンドプレート7a、7b内と回転シャフト3内を通ることにより、ロータ4から冷却冷媒が漏れ出さない構造とすることで、ロータ4とステータ5との間に冷却冷媒が侵入することを防ぎ、摩擦損の増加を抑制している。このような構成により、ロータ4内に埋設された永久磁石42の磁石温度がキュリー点を超えないように低減することで減磁による不具合をなくすことができる。
【0024】
実施の形態2.
図5は、実施の形態2に係る回転電機の断面図、
図6は、冷却冷媒の流れを説明するための図である。実施の形態1と異なる部分のみを説明する。
図5において、回転シャフト3内の冷却流路81を二重管構造とし、二重管構造の外周側の冷却流路81aの冷媒流出口にエンドプレート7a内に形成される冷却流路82aが接続され、連通する。同様にエンドプレート7b内に形成される冷却流路82bが冷却流路81aの冷媒流出口に接続され連通する。さらに冷却流路82bは、二重管構造の内周側の冷却流路81bの冷媒流入口に接続され、連通する。冷却流路81aと冷却流路82aとの接続構造の一例を
図6(a)に示す。このような接続構造を直列流路と称す。
【0025】
直列流路に形成された冷却流路の冷却冷媒の流れを
図5、
図6を用いて説明する。冷却冷媒は、図示しないポンプによって移送され、回転シャフト3の一端部から冷却流路81a内に導入される。導入された冷却冷媒は、ロータ4の回転により発生する遠心力の作用によって径方向外側に流れ、一方のエンドプレート7a内の冷却流路82aに流入する。冷却流路82aに流入した冷却冷媒は、実施の形態1で説明した
図3で説明したように仕切板9、10により形成された流路を移動し、エンドプレート7a内全面を冷却する。あるいは
図4で説明したようにエンドプレート7a内を循環するように冷却する。冷却の過程で、エンドプレート7aに接触または冷却可能な近傍に配設された永久磁石42の端部とロータコア41が冷却される。エンドプレート7a内を冷却した冷却冷媒は、回転シャフト3内の冷却流路81aに流入する。冷却流路81aに流入した冷却冷媒は、回転シャフト3内を軸方向に進み、エンドプレート7b内の冷却流路82bに流入する。冷却流路82bに流入した冷却冷媒は、エンドプレート7a内同様、エンドプレート7b内を冷却することにより、エンドプレート7bに接触または冷却可能な近傍に配設された永久磁石42の端部とロータコア41を冷却する。エンドプレート7b内を冷却した冷却冷媒は、冷却流路81bに流入し、冷却冷媒導入側と同じ回転シャフト3の一端部側から排出される。このような冷却冷媒の流れを模式したのが
図6(b)である。
【0026】
このように冷却流路81を二重管構造とすることにより、実施の形態1のようなギア12が配置された出力側に冷却冷媒を排出するのではなく、出力側でない反出力側に冷却冷媒を排出するので、冷却冷媒の導入および排出を反出力側に纏めることができ、出力側に冷却冷媒のスペースを設ける必要がなく、車に回転電機1を搭載する際のスペースの裕度が増す。さらに、反出力側のベアリングにのみシール箇所を設ければよく、実施の形態1に比べ、シール箇所を1箇所に低減できる。
【0027】
図5において、冷却流路81a、81bは、両側のエンドプレート7a、7bまで形成されているが、
図7に示すようにベアリング11を冷却するために、ベアリング11に支持される位置まで冷却流路81a、81bを回転シャフト3内に延長して形成してもよい。この場合、エンドプレート7b内を移動または循環した冷却冷媒は、冷却流路81aに再度流入し、ベアリング11に支持された回転シャフト3の位置で冷却流路81bに流入し、冷却冷媒を冷却冷媒導入側に返送してもよい。
【0028】
さらに、
図8に示すように回転シャフト3に連結されたギア12も冷却するように構成してもよい。具体的には、冷却流路81a、81bを回転シャフト3の外部に延ばしギア12内まで形成する。このような構成により、ベアリング11を冷却した冷却冷媒は、冷却流路81aに再度流入し、ギア12内に延びた冷却流路によりギア12を冷却した後、冷却流路81bに流入する。その後、冷却冷媒は、冷却冷媒導入側(反出力側)に返送されてもよい。このような冷却冷媒の流れを模式したのが
図6(c)である。
【0029】
さらに、永久磁石42の温度上昇に応じ、
図9に示すように一端側のエンドプレート7aの冷却で十分であると判断された場合は、エンドプレート7a内のみに冷却流路81a、81bを形成してもよい。この場合、冷却流路81aから冷却流路82aに流入した冷却冷媒は、
図3あるいは
図4で説明したようにエンドプレート7a内を冷却することにより、エンドプレート7aに接触または冷却可能な近傍に配設された永久磁石42の端部とロータコア41を冷却する。エンドプレート7a内を冷却した冷却冷媒は、冷却流路81bに流入し、冷却冷媒を冷却冷媒導入側に返送してもよい。
【0030】
以上のように、実施の形態2によれば、実施の形態1と同様、冷却冷媒がエンドプレート7a、7b内と回転シャフト3内を通ることにより、ロータ4から冷却冷媒が漏れ出さないような構造とすることで、ロータ4とステータ5との間への冷却冷媒の侵入を防ぎ、摩擦損の増加を抑制できる。さらに、回転電機の同じ端面から冷却冷媒を導入、排出することで回転電機の搭載するスペースの裕度を上げるとともに、ロータ4の冷却性能を向上させることができる。加えて冷媒流路を二重管構造とすることで、ロータ4のみを冷却する場合は回転シャフト3から冷却冷媒の漏れを防止するシール箇所を反出力側のベアリング11の1箇所に低減することができ、安価で漏れのリスクの少ない回転電機の冷却構造を形成することができる。
【0031】
実施の形態3.
実施の形態2は、二重管構造の冷却流路を
図6に示すような直列流路で説明した。これに対し、並列流路により冷却冷媒を流してもよい。すなわち、
図10(a)に示すように、冷却流路81aから冷却流路82a、82bに流出した冷却冷媒は、エンドプレート7a、7bを循環あるいは移動後、再び冷却流路81aに流入するのではなく、冷却流路81bに流入し、冷却冷媒導入側(反出力側)に返送される。すなわち、冷却流路82a、82bの流出口が冷却流路81bと連通する。このように並列流路で冷却冷媒を流すことで、例えばエンドプレート7a内を冷却し、温度が上昇した冷却冷媒はエンドプレート7b内を引き続き冷却することなく排出されるため、エンドプレート7b内を冷却する冷却冷媒の冷却性能が低下することがない。さらに
図10(b)に示すように、ベアリング11を冷却する冷却冷媒は、エンドプレート7a、7b内を冷却することなく直接ベアリング11を冷却し、ギア12を冷却する冷媒は、エンドプレート7a、7b、およびベアリング11を経由することなく直接ギア12を冷却する。これにより、冷却する部品のみを、導入された冷却冷媒が冷却する。
【0032】
以上のように、実施の形態3によれば、冷却流路を並列流路とするため、冷却冷媒の冷却性能を低下させることなく各部品を冷却することができる。
【0033】
実施の形態4.
図11は、実施の形態4に係る回転電機の冷却流路を説明する断面図である。実施の形態1と異なる部分のみを説明する。
図11において、回転シャフト3内の冷却流路81を一部で二重管構造とし、二重管の外周側の冷却流路81aとエンドプレート7a内の冷却流路82aが連通する。実施の形態1および2で説明した通り、エンドプレート7a内に延びる冷却流路82aは、ロータコア41に埋設された永久磁石42を冷却する。さらに、永久磁石42の軸方向側面を冷却するように、例えばロータ4内に、永久磁石42の軸方向側面と接触して、あるいは冷却可能な位置に冷却流路83を形成する。冷却流路83の一端側が冷却流路82aとエンドプレート7a内で接続されて連通する。そして、冷却流路83は、軸方向に延び、冷却流路83の他端側とエンドプレート7b内に延びる冷却流路82bがエンドプレート7b内で接続されて連通する。なお、永久磁石42は複数埋設されているため、冷却流路83も各永久磁石42に対応して複数形成してもよい。
【0034】
このように形成された冷却流路の冷却冷媒の流れを説明する。冷却冷媒は、図示しないポンプによって移送され、回転シャフト3の一端部から2重管構造の外周に形成された冷却流路81a内に導入される。導入された冷却冷媒は、ロータ4の回転により発生する遠心力の作用によって径方向外側に流れ、一方のエンドプレート7a内の冷却流路82aに流入する。冷却流路82aに流入した冷却冷媒は、
図3あるいは
図4に示すようにエンドプレート7a内を冷却することにより、エンドプレート7aに接触または冷却可能な近傍に配設された永久磁石42の端部とロータコア41を冷却する。さらに、冷却流路82aに接続された冷却流路83に冷却冷媒が導入されることにより、冷却流路83に接触または冷却可能な距離に配設されている永久磁石42を軸方向に亘って冷却することができる。
【0035】
冷却流路83の冷却冷媒は、他方のエンドプレート7b内の冷却流路82bに流入する。冷却流路82bに流入した冷却冷媒は、エンドプレート7a内同様、エンドプレート7b内を冷却することにより、エンドプレート7bに接触または冷却可能な近傍に配設された永久磁石42の端部とロータコア41を冷却する。エンドプレート7bを冷却した冷却冷媒は、回転シャフト3内に形成された冷却流路81bに流入し、冷却冷媒を導入した回転シャフト3の一端部側と同じ側から排出される。なお、排出された冷却冷媒は冷却槽に集められ、再度冷却に使用してもよい。
【0036】
また、上述の冷却冷媒の流れでは、回転シャフト3の一端部から二重管構造の冷却流路の外周側の冷却流路81aから冷却冷媒を導入し、各部品を冷却した後、内周側の冷却流路81bを通って、回転シャフト3の一端部側に冷却冷媒を排出したが、
図12に示すように、回転シャフト3の一端部側から二重管構造の冷却流路の内周側の冷却流路81bから冷却冷媒を導入し、各部品を冷却した後、外周側の冷却流路81a通って、回転シャフト3の一端部側に冷却冷媒を排出するようにしてもよい。すなわち、回転シャフト3の一方側から冷却流路81bに導入された冷却冷媒は、冷却流路82bに流入されてエンドプレート7bを冷却するとともに冷却流路83に流入されて永久磁石42の軸方向側面を冷却し、冷却流路82aに流入してエンドプレート7aを冷却して冷却流路82aに流出され、冷却冷媒を導入した前記回転シャフトの一方側に排出される。
【0037】
以上のように、実施の形態4によれば、実施の形態2の効果に加え、永久磁石42の軸方向に延びる面に接触または冷却可能な近傍に冷却流路83を形成することにより、ロータ4の径方向と軸方向の両方からロータ4に埋設された永久磁石42を冷却することができる。
【0038】
なお、上述の説明では、エンドプレート内に冷却流路82a、82bを形成しているが、
図13に示すように冷却流路81aを冷却流路83に分岐する冷却流路84をロータコア41内に形成してもよい。
【0039】
本願は、様々な例示的な実施の形態及び実施例が記載されているが、1つ、または複数の実施の形態に記載された様々な特徴、態様、及び機能は特定の実施の形態の適用に限られるのではなく、単独で、または様々な組み合わせで実施の形態に適用可能である。
従って、例示されていない無数の変形例が、本願明細書に開示される技術の範囲内において想定される。例えば、少なくとも1つの構成要素を変形する場合、追加する場合または省略する場合、さらには、少なくとも1つの構成要素を抽出し、他の実施の形態の構成要素と組み合わせる場合が含まれるものとする。
【符号の説明】
【0040】
1:回転電機、2:ハウジング、3:回転シャフト、4:ロータ、5:ステータ、7a、7b:エンドプレート、9、10:仕切板、11:ベアリング、12:ギア、41:ロータコア、42:永久磁石、81、81a、81b、82a、82b、83、84:冷却流路。
【要約】
ロータ(4)を回転シャフト(3)の軸方向に挟持するエンドプレート(7a)内に形成された第1の冷却流路(82a)、第1の冷却流路(82a)に連通し、回転シャフト(3)内を軸方向に貫通するように形成された第2の冷却流路(81)、を備え、回転シャフト(3)の一方側から第2の冷却流路(81)に導入された冷媒は、第1の冷却流路(82a)に流入されてエンドプレート(7a)を冷却し、エンドプレート(7a)を冷却した冷媒は第2の冷却流路(81)に流出され、回転シャフト(3)の他方側に排出される。このような構成により、回転シャフト(3)内およびエンドプレート(7a)内のみを移動するため、ロータ(4)から冷却液が漏れ出すことなくロータに埋設された磁石(42)の冷却性能を向上させることができる。