(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-26
(45)【発行日】2025-01-10
(54)【発明の名称】情報処理システム、情報処理方法、表示装置およびコンピュータプログラム
(51)【国際特許分類】
A61B 5/00 20060101AFI20241227BHJP
A61B 10/00 20060101ALI20241227BHJP
A61B 3/113 20060101ALI20241227BHJP
【FI】
A61B5/00 G
A61B10/00 H
A61B3/113
(21)【出願番号】P 2024556702
(86)(22)【出願日】2024-07-10
(86)【国際出願番号】 JP2024025035
【審査請求日】2024-09-25
(31)【優先権主張番号】PCT/JP2023/026906
(32)【優先日】2023-07-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】507326456
【氏名又は名称】株式会社仙台放送
(74)【代理人】
【識別番号】110004015
【氏名又は名称】弁理士法人IPmarche
(72)【発明者】
【氏名】倉内 宏
(72)【発明者】
【氏名】太田 茂
【審査官】▲高▼木 尚哉
(56)【参考文献】
【文献】特許第7103744(JP,B1)
【文献】特開2005-237674(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2004/0070731(US,A1)
【文献】特開2017-058527(JP,A)
【文献】特開2017-204206(JP,A)
【文献】特開2017-208676(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 5/00-5/01
A61B 3/00-3/18
A61B 10/00-10/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
一又は複数のコンピュータプロセッサを備える情報処理システムであって、
前記一又は複数のコンピュータプロセッサは、
所定の表示装置へ、特定のコンテンツを再生可能な表示領域を備える仮想空間を表示するための情報を送信する送信部と、
前記所定の表示装置から送信される、前記表示領域において第一のコンテンツを再生中のユーザの挙動情報を受信する受信部と、
前記受信部が受信した前記ユーザの挙動情報に基づいて、前記ユーザの状態を判定する判定部と、
前記判定部による判定の結果に基づいて、前記ユーザに提供する提供情報を生成する生成部と
を備え、
前記提供情報は、前記仮想空間において前記ユーザの状態に関する情報の提供を行う、食品の配送サービスおよび/または保険サービスへの案内情報である情報処理システム。
【請求項2】
一又は複数のコンピュータプロセッサを備える情報処理システムであって、
前記一又は複数のコンピュータプロセッサは、
所定の表示装置へ、特定のコンテンツを再生可能な表示領域を備える仮想空間を表示するための情報を送信する送信部と、
前記所定の表示装置から送信される、前記表示領域において第一のコンテンツを再生中のユーザの挙動情報を受信する受信部と、
前記受信部が受信した前記ユーザの挙動情報に基づいて、前記ユーザの状態を判定する判定部と、
前記判定部による判定の結果に基づいて、前記ユーザに提供する提供情報を生成する生成部と
を備え、
前記提供情報は、前記仮想空間において前記ユーザの状態に関する情報の提供を行うサービスへの案内情報であり、
前記案内情報は、前記仮想空間における上記サービスの提供場所への移動経路を表示するための情報である情報処理システム。
【請求項3】
一又は複数のコンピュータプロセッサを備える情報処理システムであって、
前記一又は複数のコンピュータプロセッサは、
所定の表示装置へ、特定のコンテンツを再生可能な表示領域を備える仮想空間を表示するための情報を送信する送信部と、
前記所定の表示装置から送信される、前記表示領域において第一のコンテンツを再生中のユーザの挙動情報を受信する受信部と、
前記受信部が受信した前記ユーザの挙動情報に基づいて、前記ユーザの状態を判定する判定部と、
前記判定部による判定の結果に基づいて、前記ユーザに提供する提供情報を生成する生成部と
を備え、
前記提供情報は、前記仮想空間において前記ユーザの状態に関する情報の提供を行うサービスへの案内情報であり、
前記案内情報は、前記仮想空間における上記サービスを予約するための情報である情報処理システム。
【請求項4】
前記保険サービスは、前記ユーザの状態に対応する保険を提案するサービスであることを特徴とする請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項5】
前記保険サービスにより提案される保険の加入条件は、少なくとも前記ユーザの状態に応じて変動するものであることを特徴とする請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項6】
前記食品の配送サービスは、前記ユーザの状態の改善に必要な商品の配送を依頼することができるサービスであることを特徴とする請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項7】
前記ユーザの挙動情報は、前記ユーザの視線に関する視線情報、前記ユーザの操作に関する操作情報および/または前記ユーザの発話に関する発話情報であることを特徴とする請求項1、2または3に記載の情報処理システム。
【請求項8】
前記ユーザの状態は、前記ユーザの目の機能、脳の機能および/または心の機能に関する状態であることを特徴とする請求項1、2または3に記載の情報処理システム。
【請求項9】
前記第一のコンテンツは、前記ユーザの状態を判定するための情報を得るためのゲームコンテンツまたは動画コンテンツであることを特徴とする請求項1、2または3に記載の情報処理システム。
【請求項10】
前記仮想空間には、前記特定のコンテンツを再生可能な表示領域を備える第一の空間が設けられることを特徴とする請求項1、2または3に記載の情報処理システム。
【請求項11】
前記表示領域は、前記第一の空間に設けられた、前記第一の空間の中から当該第一の空間の外を臨む一以上の領域の中の一の領域として表された領域であることを特徴とする請求項10に記載の情報処理システム。
【請求項12】
前記特定のコンテンツの再生が開始される前、前記表示領域には第一の空間の外の空間の画像が表示され、前記ユーザの操作または動作に応じて、前記表示領域において前記特定のコンテンツが再生されることを特徴とする請求項10に記載の情報処理システム。
【請求項13】
前記第一の空間は、宇宙船内を表す空間であることを特徴とする請求項10に記載の情報処理システム。
【請求項14】
前記特定のコンテンツの再生中の前記ユーザの視界画像には、前記表示領域と前記第一の空間の一部とが表示されることを特徴とする請求項10に記載の情報処理システム。
【請求項15】
前記特定のコンテンツは、前記ユーザの操作または動作に応じて前記表示領域において再生が開始されるものとすることを特徴とする請求項10に記載の情報処理システム。
【請求項16】
前記特定のコンテンツは、前記第一の空間に配置された操作パネルオブジェクトに対するユーザの操作に応じて、または、前記ユーザが前記第一の空間内に配置された椅子オブジェクトに座る動作を行ったことをトリガとして再生が開始されるものとすることを特徴とする請求項10に記載の情報処理システム。
【請求項17】
前記仮想空間には、前記一又は複数のコンピュータプロセッサにより制御されるキャラクタオブジェクトが表示され、
前記キャラクタオブジェクトは、前記ユーザの挙動情報に応じて動作することを特徴とする請求項1、2または3に記載の情報処理システム。
【請求項18】
前記受信部は、さらに、前記ユーザの生体情報を受信し、
前記判定部は、前記受信部が受信した前記ユーザの挙動情報および前記ユーザの生体情報に基づいて、前記ユーザの状態を判定することを特徴とする請求項1、2または3に記載の情報処理システム。
【請求項19】
前記生体情報は、脈拍および/または体温であることを特徴とする請求項18に記載の情報処理システム。
【請求項20】
前記一又は複数のコンピュータプロセッサは、さらに、
前記判定部による判定の結果を、前記ユーザに関連付けられた他のユーザのユーザ端末に通知する通知部を備えることを特徴とする請求項1、2または3に記載の情報処理システム。
【請求項21】
前記一又は複数のコンピュータプロセッサは、さらに、
前記判定部の結果に基づいて、前記ユーザに提供する提供情報を生成する生成部を備え、
前記提供情報は、前記仮想空間において前記ユーザの状態に関する情報の提供を行うサービスへの案内情報であり、
前記通知部は、さらに、前記案内情報に基づく前記ユーザへの前記サービスの提供状況を前記他のユーザに通知することを特徴とする請求項20に記載の情報処理システム。
【請求項22】
前記サービスの提供状況は、前記ユーザに対して前記サービスの提供を行ったか否かについての状況であることを特徴とする請求項21に記載の情報処理システム。
【請求項23】
前記一又は複数のコンピュータプロセッサは、
前記仮想空間への、前記ユーザに関連付けられた他のユーザのユーザ端末からのアクセスを許可し、
前記仮想空間内での前記ユーザと前記他のユーザとの会話および/または前記ユーザのアバタと前記他のユーザのアバタとの表示を可能とすることを特徴とする請求項1、2または3に記載の情報処理システム。
【請求項24】
前記仮想空間において前記ユーザの状態に関する情報の提供を行うサービスは、専門家による相談サービスであることを特徴とする請求項1、2または3に記載の情報処理システム。
【請求項25】
前記一又は複数のコンピュータプロセッサは、さらに、
所定の記憶装置に記憶された、患者情報と疾患情報とを関連付けた疾患データを取得する取得部と、
前記取得部により取得された前記疾患データと、前記判定部により判定された前記ユーザの状態とに基づいて、前記ユーザの他の疾患を予測する予測部と
を備えることを特徴とする請求項1、2または3に記載の情報処理システム。
【請求項26】
一又は複数のコンピュータプロセッサに、
所定の表示装置へ、特定のコンテンツを再生可能な表示領域を備える仮想空間を表示するための情報を送信する送信ステップと、
前記所定の表示装置から送信される、前記表示領域において第一のコンテンツを再生中のユーザの挙動情報を受信する受信ステップと、
前記受信ステップにおいて受信した前記ユーザの挙動情報に基づいて、前記ユーザの状態を判定する判定ステップと、
前記判定ステップにおける判定の結果に基づいて、前記ユーザに提供する提供情報を生成する生成ステップと
を実行させ、
前記提供情報は、前記仮想空間において前記ユーザの状態に関する情報の提供を行う、食品の配送サービスおよび/または保険サービスへの案内情報である情報処理方法。
【請求項27】
特定のコンテンツを再生可能な表示領域を備える仮想空間を表示部に表示させる表示処理部と、
前記表示領域において第一のコンテンツを再生中のユーザの挙動情報を取得する取得部と、
前記取得部において取得した前記ユーザの挙動情報に基づいて、前記ユーザの状態を判定する判定部と、
前記判定部による判定の結果に基づいて、前記ユーザに提供する提供情報を生成する生成部と
を備え、
前記提供情報は、前記仮想空間において前記ユーザの状態に関する情報の提供を行う、食品の配送サービスおよび/または保険サービスへの案内情報である表示装置。
【請求項28】
一又は複数のコンピュータプロセッサに、
特定のコンテンツを再生可能な表示領域を備える仮想空間を表示部に表示させる表示処理機能と、
前記表示領域において第一のコンテンツを再生中のユーザの挙動情報を取得する取得機能と、
前記取得機能により取得した前記ユーザの挙動情報に基づいて、前記ユーザの状態を判定する判定機能と、
前記判定機能による判定の結果に基づいて、前記ユーザに提供する提供情報を生成する生成機能と
を実現させ、
前記提供情報は、前記仮想空間において前記ユーザの状態に関する情報の提供を行う、食品の配送サービスおよび/または保険サービスへの案内情報であるコンピュータプログラム。
【請求項29】
一又は複数のコンピュータプロセッサに、
所定の表示装置へ、特定のコンテンツを再生可能な表示領域を備える仮想空間を表示するための情報を送信する送信ステップと、
前記所定の表示装置から送信される、前記表示領域において第一のコンテンツを再生中のユーザの挙動情報を受信する受信ステップと、
前記受信ステップにおいて受信した前記ユーザの挙動情報に基づいて、前記ユーザの状態を判定する判定ステップと、
前記判定ステップにおける判定の結果に基づいて、前記ユーザに提供する提供情報を生成する生成ステップと
を実行させ、
前記提供情報は、前記仮想空間において前記ユーザの状態に関する情報の提供を行うサービスへの案内情報であり、
前記案内情報は、前記仮想空間における上記サービスの提供場所への移動経路を表示するための情報である情報処理方法。
【請求項30】
特定のコンテンツを再生可能な表示領域を備える仮想空間を表示部に表示させる表示処理部と、
前記表示領域において第一のコンテンツを再生中のユーザの挙動情報を取得する取得部と、
前記取得部において取得した前記ユーザの挙動情報に基づいて、前記ユーザの状態を判定する判定部と、
前記判定部による判定の結果に基づいて、前記ユーザに提供する提供情報を生成する生成部と
を備え、
前記提供情報は、前記仮想空間において前記ユーザの状態に関する情報の提供を行うサービスへの案内情報であり、
前記案内情報は、前記仮想空間における上記サービスの提供場所への移動経路を表示するための情報である表示装置。
【請求項31】
一又は複数のコンピュータプロセッサに、
特定のコンテンツを再生可能な表示領域を備える仮想空間を表示部に表示させる表示処理機能と、
前記表示領域において第一のコンテンツを再生中のユーザの挙動情報を取得する取得機能と、
前記取得機能により取得した前記ユーザの挙動情報に基づいて、前記ユーザの状態を判定する判定機能と、
前記判定機能による判定の結果に基づいて、前記ユーザに提供する提供情報を生成する生成機能と
を実現させ、
前記提供情報は、前記仮想空間において前記ユーザの状態に関する情報の提供を行うサービスへの案内情報であり、
前記案内情報は、前記仮想空間における上記サービスの提供場所への移動経路を表示するための情報であるコンピュータプログラム。
【請求項32】
一又は複数のコンピュータプロセッサに、
所定の表示装置へ、特定のコンテンツを再生可能な表示領域を備える仮想空間を表示するための情報を送信する送信ステップと、
前記所定の表示装置から送信される、前記表示領域において第一のコンテンツを再生中のユーザの挙動情報を受信する受信ステップと、
前記受信ステップにおいて受信した前記ユーザの挙動情報に基づいて、前記ユーザの状態を判定する判定ステップと、
前記判定ステップにおける判定の結果に基づいて、前記ユーザに提供する提供情報を生成する生成ステップと
を実行させ、
前記提供情報は、前記仮想空間において前記ユーザの状態に関する情報の提供を行うサービスへの案内情報であり、
前記案内情報は、前記仮想空間における上記サービスを予約するための情報である情報処理方法。
【請求項33】
特定のコンテンツを再生可能な表示領域を備える仮想空間を表示部に表示させる表示処理部と、
前記表示領域において第一のコンテンツを再生中のユーザの挙動情報を取得する取得部と、
前記取得部において取得した前記ユーザの挙動情報に基づいて、前記ユーザの状態を判定する判定部と、
前記判定部による判定の結果に基づいて、前記ユーザに提供する提供情報を生成する生成部と
を備え、
前記提供情報は、前記仮想空間において前記ユーザの状態に関する情報の提供を行うサービスへの案内情報であり、
前記案内情報は、前記仮想空間における上記サービスを予約するための情報である表示装置。
【請求項34】
一又は複数のコンピュータプロセッサに、
特定のコンテンツを再生可能な表示領域を備える仮想空間を表示部に表示させる表示処理機能と、
前記表示領域において第一のコンテンツを再生中のユーザの挙動情報を取得する取得機能と、
前記取得機能により取得した前記ユーザの挙動情報に基づいて、前記ユーザの状態を判定する判定機能と、
前記判定機能による判定の結果に基づいて、前記ユーザに提供する提供情報を生成する生成機能と
を実現させ、
前記提供情報は、前記仮想空間において前記ユーザの状態に関する情報の提供を行うサービスへの案内情報であり、
前記案内情報は、前記仮想空間における上記サービスを予約するための情報であるコンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理システム、情報処理方法および表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、頭部装着型の表示装置(HMD)により表示可能なコンテンツの開発が盛んに行われている。
【0003】
また、仮想現実(VR)の技術は医療・介護の分野での利用も検討されており、一例として、特許文献1には、HMDを用いたリハビリテーション支援システムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記文献において開示されるようなコンテンツは、既に診断された特定の疾患による症状を改善することを目的としたものであり、一般のユーザに対するコンテンツとしては提供されていなかった。
【0006】
そして、近年では、未病および自覚症状のない疾患を発見するための技術、そして、発見されたこれら未病および疾患を深刻化させないための技術の開発が課題とされている。
【0007】
そのため、本発明の目的は、上述した従来技術の課題の少なくとも一部を解決又は緩和する技術的な改善を提供することである。
【0008】
本開示のより具体的な目的の一つは、ユーザの状態を適切に判定することが可能な情報処理システム、情報処理方法、表示装置およびコンピュータプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の情報処理システムは、一又は複数のコンピュータプロセッサを備える情報処理システムであって、一又は複数のコンピュータプロセッサは、所定の表示装置へ、特定のコンテンツを再生可能な表示領域を備える仮想空間を表示するための情報を送信する送信部と、所定の表示装置から送信される、表示領域において第一のコンテンツを再生中のユーザの挙動情報を受信する受信部と、受信部が受信したユーザの挙動情報に基づいて、ユーザの状態を判定する判定部と備えることを特徴とする。
【0010】
ユーザの挙動情報は、ユーザの視線に関する視線情報、ユーザの操作に関する操作情報および/またはユーザの発話に関する発話情報とすることができる。
【0011】
ユーザの状態は、ユーザの目の機能、脳の機能および/または心の機能に関する状態とすることができる。
【0012】
第一のコンテンツは、ユーザの状態を判定するための情報を得るためのゲームコンテンツまたは動画コンテンツとすることができる。
【0013】
一又は複数のコンピュータプロセッサは、さらに、受信部が受信したユーザの挙動情報であるユーザの視線に関する視線情報に基づいて、ユーザの視線位置が表示領域の中央部に設定された第一領域内にあるか否かを判定する視線判定部を備えることができる。
【0014】
一又は複数のコンピュータプロセッサは、さらに、視線判定部による判定の結果、視線位置が第一領域内にあると判定された場合、ユーザのユーザ情報に第一の報酬を関連付ける関連付部を備えることができる。
【0015】
一又は複数のコンピュータプロセッサは、さらに、視線判定部による判定の結果、視線位置が第一領域外の第二領域にあると判定された場合、所定の表示装置に、所定の音声を再生させる再生部を備えることができる。
【0016】
一又は複数のコンピュータプロセッサは、さらに、表示領域の中央部に設定された第一領域内に表示される第一オブジェクト、第一オブジェクトとは異なる第二オブジェクトであって、少なくとも第一領域内を移動する第二オブジェクト、および、第一オブジェクトおよび第二オブジェクトとは異なる第三オブジェクトであって、少なくとも第一領域外の第二領域に所定時間だけ表示される第三オブジェクトを含む画面を表示領域に表示させる表示処理部を備えることができる。
【0017】
仮想空間には、特定のコンテンツを再生可能な表示領域を備える第一の空間が設けられることができる。
【0018】
一又は複数のコンピュータプロセッサは、さらに、判定部の結果に基づいて、ユーザに提供する提供情報を生成する生成部を備えることができる。
【0019】
提供情報は、仮想空間においてユーザの状態に関する情報の提供を行うサービスへの案内情報とすることができる。
【0020】
提供情報は、仮想空間においてユーザの状態を維持または改善するための第二のコンテンツの案内情報とすることができる。
【0021】
第二のコンテンツは、ユーザの状態を維持または改善するための専用のゲームコンテンツまたは動画コンテンツとすることができる。
【0022】
第一のコンテンツは、ユーザの状態を判定するための情報を得るための専用のゲームコンテンツまたは動画コンテンツとすることができる。
【0023】
上記一又は複数のコンピュータプロセッサは、第一のコンテンツの再生中、ユーザの頭部の動きに応じて表示領域の表示位置を変化させることができる。
【0024】
上記一又は複数のコンピュータプロセッサは、第一のコンテンツの再生中、ユーザの視線の動きに応じて表示領域の表示位置を変化させることができる。
【0025】
仮想空間には、一又は複数のコンピュータプロセッサにより制御されるキャラクタオブジェクトが表示され、キャラクタオブジェクトは、ユーザの挙動情報に応じて動作することができる。
【0026】
受信部は、さらに、ユーザの生体情報を受信し、判定部は、受信部が受信したユーザの挙動情報およびユーザの生体情報に基づいて、ユーザの状態を判定することができる。
【0027】
一又は複数のコンピュータプロセッサは、さらに、判定部による判定の結果を、ユーザに関連付けられた他のユーザのユーザ端末に通知する通知部を備えることができる。
【0028】
一又は複数のコンピュータプロセッサは、さらに、判定部の結果に基づいて、ユーザに提供する提供情報を生成する生成部を備え、提供情報は、仮想空間においてユーザの状態に関する情報の提供を行うサービスへの案内情報であり、通知部は、さらに、案内情報に基づくユーザへのサービスの提供状況を通知することができる。
【0029】
一又は複数のコンピュータプロセッサは、仮想空間への、ユーザに関連付けられた他のユーザのユーザ端末からのアクセスを許可し、仮想空間内でのユーザと他のユーザとの会話および/またはユーザのアバタと他のユーザのアバタとの表示を可能とすることができる。
【0030】
仮想空間においてユーザの状態に関する情報の提供を行うサービスは、専門家による相談サービス、食品の配送サービスおよび/または保険サービスとすることができる。
【0031】
本開示における情報処理方法は、一又は複数のコンピュータプロセッサに、所定の表示装置へ、特定のコンテンツを再生可能な表示領域を備える仮想空間を表示するための情報を送信する送信ステップと、所定の表示装置から送信される、表示領域において第一のコンテンツを再生中のユーザの挙動情報を受信する受信ステップと、受信ステップにおいて受信したユーザの挙動情報に基づいて、ユーザの状態を判定する判定ステップとを実行させることを特徴とする。
【0032】
本開示における表示装置は、特定のコンテンツを再生可能な表示領域を備える仮想空間を表示部に表示させる表示処理部と、表示領域において第一のコンテンツを再生中のユーザの挙動情報を取得する取得部と、取得部において取得したユーザの挙動情報に基づいて、ユーザの状態を判定する判定部とを備えることを特徴とする。
【0033】
本開示におけるコンピュータプログラムは、一又は複数のコンピュータプロセッサに、特定のコンテンツを再生可能な表示領域を備える仮想空間を表示部に表示させる表示処理機能と、表示領域において第一のコンテンツを再生中のユーザの挙動情報を取得する取得機能と、取得機能により取得したユーザの挙動情報に基づいて、ユーザの状態を判定する判定機能とを実現させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0034】
本発明によれば、上述した従来技術の課題の少なくとも一部を解決又は緩和する技術的な改善を提供することができる。
【0035】
具体的には、本発明によれば、ユーザの状態を適切に判定可能な情報処理システム、情報処理方法、表示装置およびコンピュータプログラムを提供することが可能となる。
【0036】
また、本発明によれば、コンテンツおよび/または判定環境の特殊性に応じてユーザの状態を適切に判定することができる。
【0037】
また、本発明の一実施形態によれば、上記判定の結果に基づいて、ユーザに適切な提案を行うことができる。
【0038】
また、本発明の一実施形態によれば、未病および自覚症状のない疾患を発見するための技術、そして、発見されたこれら未病および疾患を深刻化させないための技術を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【
図1】本開示における情報処理システムのシステム構成の一例を示すシステム構成図である。
【
図2】本開示における情報処理システムのシステム構成の他の例を示すシステム構成図である。
【
図3】本開示におけるサーバ装置のハードウェア構成の一例を示す構成図である。
【
図4】本開示における情報処理システムの機能構成の一例を示す構成図である。
【
図5】本開示における表示装置に表示される画面の一例を示す概念図である。
【
図6】本開示における表示装置に表示される画面の一例を示す概念図である。
【
図7】本開示における情報処理システムの機能構成の他の例を示す構成図である。
【
図8】本開示における表示装置に表示される画面の一例を示す概念図である。
【
図9】本開示における表示装置に表示される画面の一例を示す概念図である。
【
図10】本開示における表示装置に表示される画面の一例を示す概念図である。
【
図11】本開示における表示装置に表示される画面の一例を示す概念図である。
【
図12】本開示の情報処理システムにおける情報処理方法の一例を示すフロー図である。
【
図13】本開示の情報処理システムで実行されるコンピュータプログラムを実現するための回路構成の一例を示す回路構成図である。
【
図14】本開示の表示装置の機能構成の一例を示す機能構成図である。
【
図15】本開示の表示装置における情報処理方法の一例を示すフロー図である。
【
図16】本開示の表示装置で実行されるコンピュータプログラムを実現するための回路構成の一例を示す回路構成図である。
【
図17】ユーザの右目の視野評価に際し用いられる光体位置および区画したエリアを示したイメージ図である。
【発明を実施するための形態】
【0040】
本開示における情報処理システムの実施形態について、図面を参照しながら説明を行う。
【0041】
<システム構成>
図1に一例として示されるように、本開示に係る情報処理システム1000は、表示装置200とネットワークを介して接続されるサーバ装置100を備えるものとすることができる。情報処理システム1000は、
図2に示されるように、サーバ装置100に加えて表示装置200も備えるものとしてもよい。
【0042】
表示装置200は、テレビジョン装置、スマートフォン(多機能電話端末)、タブレット端末、パーソナルコンピュータ、コンソールゲーム機、ヘッドマウントディスプレイ(HMD)、眼鏡型のウェアラブル端末(ARグラス等)等のウェアラブルコンピュータ、および、これらの装置以外の動画を再生可能な情報処理装置とすることができる。また、これら端末は、単独で動作するスタンドアロン型の装置であってもよく、互いに各種のデータを送受信可能に接続された複数の装置から構成されるものであってもよい。
【0043】
<ハードウェア構成>
ここで、
図3を用いて、サーバ装置100のハードウェア構成について説明する。サーバ装置100は、プロセッサ101と、メモリ102と、ストレージ103と、入出力インターフェース(入出力I/F)104と、通信インターフェース(通信I/F)105とを含む。各構成要素は、バスBを介して相互に接続される。
【0044】
サーバ装置100は、プロセッサ101と、メモリ102と、ストレージ103と、入出力I/F104と、通信I/F105との協働により、本実施形態に記載される機能、方法を実現することができる。
【0045】
プロセッサ101は、ストレージ103に記憶されるプログラムに含まれるコード又は命令によって実現する機能、及び/又は、方法を実行する。プロセッサ101は、例えば、中央処理装置(CPU)、MPU(Micro Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、マイクロプロセッサ(microprocessor)、プロセッサコア(processor core)、マルチプロセッサ(multiprocessor)、ASIC(Application-Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)等を含み、集積回路(IC(Integrated Circuit)チップ、LSI(Large Scale Integration))等に形成された論理回路(ハードウェア)や専用回路によって各実施形態に開示される各処理を実現してもよい。また、これらの回路は、1又は複数の集積回路により実現されてよく、各実施形態に示す複数の処理を1つの集積回路により実現されることとしてもよい。また、LSIは、集積度の違いにより、VLSI、スーパーLSI、ウルトラLSI等と呼称されることもある。
【0046】
メモリ102は、ストレージ103からロードしたプログラムを一時的に記憶し、プロセッサ101に対して作業領域を提供する。メモリ102には、プロセッサ101がプログラムを実行している間に生成される各種データも一時的に格納される。メモリ102は、例えば、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)等を含む。
【0047】
ストレージ103は、プログラムを記憶する。ストレージ103は、例えば、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、フラッシュメモリ等を含む。
【0048】
通信I/F105は、ネットワークアダプタ等のハードウェアや通信用ソフトウェア、及びこれらの組み合わせとして実装され、ネットワークを介して各種データの送受信を行う。当該通信は、有線、無線のいずれで実行されてもよく、互いの通信が実行できるのであれば、どのような通信プロトコルを用いてもよい。通信I/F105は、ネットワークを介して、他の装置との通信を実行する。通信I/F105は、各種データをプロセッサ101からの指示に従って、他の装置に送信する。また、通信I/F105は、他の装置から送信された各種データを受信し、プロセッサ101に伝達する。
【0049】
入出力I/F104は、サーバ装置100に対する各種操作を入力する入力装置、及び、サーバ装置100で処理された処理結果を出力する出力装置を含む。入出力I/F104は、入力装置と出力装置が一体化していてもよいし、入力装置と出力装置とに分離していてもよい。
【0050】
入力装置は、ユーザからの入力を受け付けて、当該入力に係る情報をプロセッサ101に伝達できる全ての種類の装置のいずれか、又は、その組み合わせにより実現される。入力装置は、例えば、タッチパネル、タッチディスプレイ、キーボード等のハードウェアキーや、マウス等のポインティングデバイス、カメラ(画像を介した操作入力)、マイク(音声による操作入力)を含む。
【0051】
また、本開示における表示装置200についても、特筆すべき場合を除き、
図3と同様のハードウェア構成で構成されることができる。
【0052】
<実施形態>
続いて、本開示の実施形態にかかる情報処理システム1000が備える一又は複数のコンピュータプロセッサにおいて実行可能な各種機能について図面を参照しながら説明する。
【0053】
図1に示したように、本開示の実施形態に係る情報処理システム1000は、少なくともサーバ装置100を備えるものとする。
【0054】
そして、情報処理システム1000が備える一又は複数のコンピュータプロセッサは、
図4に一例として示されるように、送信部110、受信部120および判定部130を備える。
【0055】
一例として、上記送信部110、受信部120および判定部130はサーバ装置100が備えるものとして説明を行うが、その一部または全部を表示装置200が備えるものとしてもよい。
【0056】
送信部110は、表示装置200へ、仮想空間を表示するための情報を送信するものである。
【0057】
表示装置200は、一例として、ウェアラブル型の表示装置とすることができる。ウェアラブル型の表示装置には、例えば、HMD(Head Mounted Display)やメガネ型のディスプレイが含まれる。
【0058】
そして、表示装置200は少なくとも表示部、処理部および通信部を備えるものとすることができる。
【0059】
また、表示装置200は、ユーザの頭部の動きを検知するための加速度センサおよび姿勢センサ等も備えることができる。
【0060】
また、表示装置200は、ユーザの視線の動きや瞳孔の状態、ユーザの表情を検知するためのセンサ等も備えることができる。すなわち、表示装置200は、アイトラッキング機能およびフェイシャルトラキング機能を有するものとすることができる。
【0061】
また、表示装置200は、ユーザが操作可能な所定のコントローラと有線または無線により接続可能であるものとする。
【0062】
上記仮想空間は、特定のコンテンツを再生可能な表示領域を備える。
【0063】
一例として、仮想空間には、少なくとも第一の空間が設けられ、当該第一の空間が、上記特定のコンテンツを再生可能な表示領域を備えるものとすることができる。
【0064】
図5は、表示装置200の表示部に表示される仮想空間10の一例を示したイメージ図である。一例として、第一の空間11は宇宙船内を表す空間であり、表示領域12は宇宙船の窓として表される。そして、ユーザは、宇宙船内から宇宙船の窓を介して、仮想空間である宇宙空間または特定のコンテンツを視聴することができるものとする。
【0065】
特定のコンテンツは、一例として、ゲームコンテンツまたは動画コンテンツとすることができるが、後述する第一のコンテンツを含むものであれば特に限定されない。
【0066】
特定のコンテンツは、宇宙船内に配置された操作パネルオブジェクト13に対するユーザの操作に応じて再生が開始されるものとすることができる。
【0067】
あるいは、特定のコンテンツは、ユーザが宇宙船内に配置された椅子オブジェクト14に座る動作を行ったことをトリガとして再生が開始されるものとしてもよい。
【0068】
そして、一例として
図6に示されるように、特定のコンテンツの再生中の表示領域12は、ユーザの視界の略全面に広がるものとすることができる。
【0069】
また、特定のコンテンツは、特定のコンテンツの再生中に表示される操作UIオブジェクト15に対するユーザの操作に応じて再生が停止または終了されるものとすることができる。
【0070】
あるいは、特定のコンテンツは、ユーザが宇宙船内に配置された椅子オブジェクトから立つ動作を行ったことをトリガとして再生が停止または終了されるものとしてもよい。
【0071】
受信部120は、表示装置200から送信される、第一のコンテンツを再生中のユーザの挙動情報を受信するものである。
【0072】
第一のコンテンツは、上記特定のコンテンツの中の一のコンテンツである。
【0073】
具体的には、第一のコンテンツは、ユーザの状態を判定するための情報を得るための専用のゲームコンテンツまたは動画コンテンツとすることができる。詳細については後述する。
【0074】
ユーザの挙動情報は、例えば、ユーザの視線に関する視線情報、ユーザの操作に関する操作情報および/またはユーザの発話に関する発話情報とすることができる。詳細については後述する。
【0075】
判定部130は、受信部120が受信したユーザの挙動情報に基づいて、ユーザの状態を判定するものである。
【0076】
ユーザの状態は、例えば、ユーザの目の機能、脳の機能および/または心の機能に関する状態とすることができる。詳細については後述する。
【0077】
以上の構成によれば、上述した従来技術の課題の少なくとも一部を解決又は緩和する技術的な改善を提供することができる。
【0078】
具体的には、以上の構成によれば、第一のコンテンツを再生中のユーザの挙動情報に基づいてユーザの状態を適切に判定することが可能となる。
【0079】
そして、特に、HMD等の頭部装着型の表示装置を用いてユーザの状態(一例として視野)を判定する場合、目と画面との距離は一定とすることができるものの、より適切な判定結果を得るためには、ユーザの視線が表示領域の中央部から動かないように固定しておく必要がある。
【0080】
そのため、特殊な判定環境に対応したコンテンツを提供することにより、ユーザの状態を適切に判定することが可能となる。
【0081】
上述したとおり、ユーザの挙動情報は、ユーザの視線に関する視線情報、ユーザの操作に関する操作情報および/またはユーザの発話に関する発話情報とすることができる。
【0082】
ユーザの視線に関する視線情報は、表示装置200が備えるカメラにより取得されたものとすることができる。また、さらに、赤外線照射機能を有する表示装置200の場合には、デュアルカメラと赤外線照射により、視線の方向や目の開き具合、瞳孔の大きさや位置などのデータを取得することができる。
【0083】
また、ユーザの挙動情報には、ユーザの表情に関する表情情報が含まれるものとしてもよい。ユーザの表情に関する表情情報は、表示装置200が備えるカメラにより取得されたものとすることができる。具体的には、ユーザの顔の各部位をトラッキングしてユーザの顔の表情や口の動きについてのデータを取得することができる。
【0084】
ユーザの操作に関する操作情報は、表示装置200に接続されたコントローラにより取得されたものとすることができる。あるいは、表示装置200が備えるカメラにより取得されたユーザの手の動きを操作情報として取得するものとしてもよい。
【0085】
ユーザの発話に関する発話情報は、表示装置200が備えるマイクにより取得されたものとすることができる。
【0086】
上述したとおり、ユーザの状態は、ユーザの目の機能、脳の機能および/または心の機能に関する状態とすることができる。
【0087】
目の機能に関する状態は、一例として、緑内障の症状の有無に関する状態や視力に関する状態等とすることができる。
【0088】
脳の機能は、一例として、認知症の症状の有無に関する状態とすることができる。
【0089】
心の機能は、一例として、精神疾患の症状の有無に関する状態とすることができる。
【0090】
本開示における一又は複数のコンピュータプロセッサは、
図7に一例として示されるように、さらに、生成部140を備えることができる。
【0091】
生成部140は、判定部の結果に基づいて、ユーザに提供する提供情報を生成するものである。
【0092】
提供情報は、一例として、仮想空間においてユーザの状態に関する情報の提供を行うサービスへの案内情報とすることができる。
【0093】
ユーザの状態に関する情報の提供を行うサービスとは、例えば、仮想空間において、ユーザの状態について相談や診療等を受けることができるサービス、一例として、仮想空間内の病院等が挙げられる。
【0094】
また、提供情報は、一例として、第二のコンテンツの案内情報とすることができる。
【0095】
第二のコンテンツは、一例として、ゲームコンテンツまたは動画コンテンツとすることができる。
【0096】
具体的には、第二のコンテンツは、ユーザの状態を維持または改善するための専用のゲームコンテンツまたは動画コンテンツとすることができる。詳細については後述する。
【0097】
上述したとおり、提供情報は、仮想空間においてユーザの状態に関する情報の提供を行うサービスへの案内情報とすることができる。
【0098】
ユーザの状態に関する情報の提供を行うサービスとは、例えば、仮想空間において、ユーザの状態について相談や診療等を受けることができるサービス、一例として、仮想空間内の病院等が挙げられる。かかる仮想空間内の病院は、メタバース病院、バーチャルホスピタルなどと呼ばれるることができる。
【0099】
案内情報とは、仮想空間における上記サービスの提供場所への移動経路の表示やナビ等、または、上記サービスを予約するための情報とすることができる。
【0100】
図8は、宇宙船がサービスの提供場所P1へとたどり着くための経路を表示した例であり、表示領域12に矢印P2等で経路が表示されている。
【0101】
また、案内情報は、仮想空間における上記サービスの提供場所へワープ移動するためのリンク情報であってもよい。
【0102】
また、案内情報は、
図9に一例と示されるように、上記表示領域12に、サービス提供に係るユーザ(医師等)また当該ユーザのアバタCOを表示させ、会話可能とするための情報(ボタン等)であってもよい。
【0103】
例えば、ユーザの目の機能に異常があると判定された場合には、仮想空間の眼科への案内情報が表示される。ユーザは、かかる案内情報に従って仮想空間内の眼科へとアクセスすることができる。また、ユーザは、案内情報に示された予約方法に従って仮想空間内の眼科へのアクセスを予約することができる。眼科では、医師等に症状について相談を行うことができ、オンライン診療を行うことができる。このとき、ユーザおよび/または医師はアバタで表示されるものとしてもよい。目の機能については、表示装置を頭部装着型の表示装置とすることにより、より精度高く判定することが可能である。
【0104】
例えば、ユーザの脳の機能に異常があると判定された場合には、仮想空間の精神科や心療内科、脳神経外科、老年科等への案内情報が表示される。ユーザは、かかる案内情報に従って仮想空間内の精神科や心療内科、脳神経外科、老年科等へとアクセスすることができる。これらでは、医師等に相談を行うことができ、オンライン診療を行うことができる。このとき、ユーザおよび/または医師はアバタで表示されるものとしてもよい。脳の機能については、表示装置を頭部装着型の表示装置とすることにより、より精度高く判定することが可能である。
【0105】
例えば、ユーザの心の機能に異常があると判定された場合には、仮想空間の精神科、精神神経科等への案内情報が表示される。ユーザは、かかる案内情報に従って仮想空間内の精神科、精神神経科等へとアクセスすることができる。これらでは、医師等に相談を行うことができ、オンライン診療を行うことができる。このとき、ユーザおよび/または医師はアバタで表示されるものとしてもよい。心の機能については、表示装置を頭部装着型の表示装置とすることにより、より精度高く判定することが可能である。
【0106】
上述したとおり、提供情報は、仮想空間においてユーザの状態を維持または改善するための第二のコンテンツの案内情報とすることができる。
【0107】
ここで、第一のコンテンツおよび第二のコンテンツの詳細について説明を行う。
【0108】
第一のコンテンツは、ユーザの状態を判定するための情報を得るための専用のゲームコンテンツまたは動画コンテンツである。
【0109】
第二のコンテンツは、ユーザの状態を維持または改善するための専用のゲームコンテンツまたは動画コンテンツとすることができる。
【0110】
ゲームコンテンツとは、ユーザの操作に応じて進行するコンテンツとすることができる。ただし、娯楽目的のゲームコンテンツではなく、ユーザの状態を判定するための情報を得るため、または、ユーザの状態を維持または改善するための専用のゲームコンテンツとすることができる。
【0111】
動画コンテンツとは、ユーザが視聴するコンテンツとすることができる。ただし、娯楽目的の動画コンテンツではなく、ユーザの状態を判定するための情報を得るため、または、ユーザの状態を維持または改善するための専用の動画コンテンツとすることができる。
【0112】
一例として、第一のコンテンツは、ユーザの視野を評価するためのコンテンツとすることができる。例えば、第一のコンテンツは、
図10に一例として示されるようなシューティングゲームを模したゲームコンテンツとすることができる。
【0113】
かかるゲームコンテンツは、例えば、表示領域の中央領域R1に固定された照準16に、移動する第1のオブジェクト17が重なるタイミングで、ユーザがコントローラの第1のボタンを押下(SHOOT)する等による入力を行いながら、表示領域の周囲領域R2に第2のオブジェクト(光体)18が出現したタイミングで、ユーザがコントローラの第2のボタンを押下(キャプチャ)する等による入力を行うことでスコアが加算されて進行するゲームである。
【0114】
詳細については後述するが、ユーザの視野の評価を行う場合、ユーザの視野の中心を固定し、周辺視野の範囲を評価することが必要であり、頭部および/または視線が固定位置から動いてしまうと、視野の評価に用いる適切なデータが取得できないおそれがある。
【0115】
そのため、第一のコンテンツにおいては、ユーザの視線を表示領域の中央領域R1から動かさないようにすべく、種々の構成を採用することができる。
【0116】
例えば、上述したように、表示領域の中央領域R1に固定された照準(第一オブジェクト)16に、移動する第1のオブジェクト(第二オブジェクト)17が重なるタイミングで、ユーザがコントローラの第1のボタンを押下する等による入力を行いながら、表示領域の周囲領域R2に第2のオブジェクト(第三オブジェクト)18が出現したタイミングで、ユーザがコントローラの第2のボタンを押下する等による入力を行うことでスコアが加算される構成を採用することができる。
【0117】
このとき、ユーザの視線をトラッキングし、かかるユーザの視線が中央領域R1にある場合に、スコアがさらに加算される構成を採用することができる。
【0118】
あるいは、コントローラの操作に代えて、ユーザの視線に追従する照準を表示し、かかる照準が中央領域R1にあり、かつ、視線に追従する照準と第1のオブジェクト17が重なった場合に、スコアが加算される構成を採用することもできる。
【0119】
また、ターゲットである第1のオブジェクト17と照準16または中央領域R1との距離が所定値以下となった場合に、所定の音声(一例としてアラーム音)が再生される構成とすることができる。また、ターゲットである第1のオブジェクト17が中央の中央領域R1に衝突するまでの時間を画面に表示するものとしてもよい。
【0120】
また、ターゲットである第1のオブジェクト17と照準16または中央領域R1との距離に応じて、効果音を変化させることができる。効果音の変化の例としては、周波数やリズムを変化させることが挙げられ、緊迫感が徐々に向上するような構成とすることができる。
【0121】
第2のオブジェクト(光体)18が出現する位置について詳細に説明を行う。
三次元の仮想空間において光体が出現する三次元座標位置は、ユーザの視点となる座標を(0,0,0)としたとき、ここから距離が45mであり、かつ、6度間隔となる位置を出現位置として設定した。
【0122】
なお、これらの値(45mおよび6度)については厳格に限定されるものではないが、見易さおよび視野計(ハンフリー視野計)に倣って採用したものである。
【0123】
光体が出現してからキャプチャが成功、または、キャプチャが失敗するまでの時間について、
図17に破線矩形で囲まれた複数のエリアそれぞれに対してログを収集することができる。なお、
図17はユーザの右目の視野評価に際し用いられる光体位置および区画したエリアを示したものであり、光体が表示される座標範囲を距離(m)から視野角(度)に変換して図示したものである。
【0124】
上記判定部130は、受信部120が受信したユーザの挙動情報に加え、上記時間に関する情報に基づいて、ユーザの状態を判定することができる。
【0125】
上記構成により、中央領域R1を除き、医療機器の視野検査に相当する範囲についての視野の評価はカバーすることができる。
【0126】
また、光体の明るさは、仮想空間上でRGBで指定されることができ、RGBからHSLに後で変換を行うことで、dB=ln((最大指標輝度)/(提示された指標輝度))で網膜感度に換算ができ、眼科での視野検査と対応させることができる。
【0127】
網膜感度は実際に眼科で用いている視野計で測定しているパラメータであり、各年齢の正常値のデータベースから、各測定点が健康な人よりも見えにくくなっているかを判定しているものである。本発明の医学的見地からの有用性を判断しやすくするために採用したものである。
【0128】
また、国や医療機関等により管理される実際の患者の目の健康状態と他の疾患とを関連付けて記憶した疾患データを利用し、取得したゲームログからユーザの他の関連疾患(「睡眠時無呼吸症候群」「低血圧」「冷え性」「片頭痛」等)を人工知能を活用して予測する機能を実現することもできる。
【0129】
すなわち、本開示における上記一又は複数のコンピュータプロセッサは、さらに、取得部および予測部を備えることができ、取得部は、所定の記憶装置に記憶された、患者情報と疾患情報とを関連付けた疾患データを取得し、予測部は、取得部により取得された疾患データと、判定部により判定されたユーザの状態とに基づいて、ユーザの他の疾患を予測することができる。
【0130】
他の例として、第一のコンテンツは、ユーザの視力を評価するためのコンテンツとすることができる。例えば、第一のコンテンツは、
図11に一例として示されるような視力検査を模したゲームコンテンツとすることができる。
【0131】
かかるゲームコンテンツは、例えば、表示領域に表示されたターゲットアイコン19の形状に応じて、ユーザがコントローラの対応するボタンを押下する、または、ユーザが対応するワードを発言する等による入力を行うことで進行するゲームである。
【0132】
一例として、第二のコンテンツは、ユーザの視野を維持または改善するためのコンテンツとすることができる。例えば、第二のコンテンツは、
図10に一例として示したようなシューティングゲームを模したゲームコンテンツとすることができる。
【0133】
かかるゲームでは、一例として、ユーザの眼球を上下左右に大きく動かすエクササイズを行うための構成を適用することができる。
【0134】
そのため、第二のコンテンツにおいては、ユーザの視線を表示領域の周囲領域R2を動かすようにすべく、種々の構成を採用することができる。
【0135】
例えば、第一のオブジェクト17が周囲領域R2を移動するようにし、視線に追従する照準と第1のオブジェクト17が重なった場合に、スコアが加算される構成を採用することができる。このとき、第2のオブジェクト18の出現は必須ではない。
【0136】
本開示における一又は複数のコンピュータプロセッサは、
図7に一例として支援されるように、さらに、視線判定部150を備えることができる。
【0137】
視線判定部150は、受信部120が受信したユーザの挙動情報であるユーザの視線に関する視線情報に基づいて、ユーザの視線位置が表示領域12の中央部に設定された第一領域R1(
図10)内にあるか否かを判定するものである。
【0138】
本開示における一又は複数のコンピュータプロセッサは、
図7に一例として示されるように、さらに、関連付部160を備えることができる。
【0139】
関連付部160は、視線判定部150による判定の結果、視線位置が第一領域R1内にあると判定された場合、ユーザのユーザ情報に第一の報酬を関連付けるものである。
【0140】
かかる第一の報酬は、上述したスコアの加算とすることができる。
【0141】
本開示における一又は複数のコンピュータプロセッサは、
図7に一例として示されるように、さらに、再生部170を備えることができる。
【0142】
再生部170は、視線判定部150による判定の結果、視線位置が第二領域R2(
図10)にあると判定された場合、所定の表示装置200に、所定の音声を再生させるものである。
【0143】
所定の音声とは、上述したアラーム音とすることができる。
【0144】
本開示における一又は複数のコンピュータプロセッサは、
図7に一例として示されるように、さらに、表示処理部180を備えることができる。
【0145】
表示処理部180は、
図10に一例として示されたように、表示領域の中央部に設定された第一領域R1内に表示される第一オブジェクト16、第一オブジェクトとは異なる第二オブジェクト17であって、少なくとも第一領域R1内を移動する第二オブジェクト17、および、第一オブジェクト16および第二オブジェクト17とは異なる第三オブジェクト18であって、少なくとも第一領域R1外の第二領域R2に所定時間だけ表示される第三オブジェクト18を含む画面を表示領域12に表示させるものである。
【0146】
本開示における一又は複数のコンピュータプロセッサは、第一のコンテンツの再生中、ユーザの頭部の動きに応じて表示領域の表示位置を変化させることができる。
【0147】
すなわち、第一のコンテンツの再生開始から、第一のコンテンツの再生停止または終了までは、ユーザが頭を動かしても常にユーザの視界の中心(正面)位置に表示領域の中心が表示されるものとすることができる。
【0148】
かかる構成によれば、ユーザの頭部の動きによるユーザの状態(特に、視野の状態)の判定の精度の低下を防止することができる。
【0149】
あるいは、本開示における一又は複数のコンピュータプロセッサは、特定のコンテンツの再生中、ユーザの視線の動きに応じて表示領域の表示位置を変化させることができる。
【0150】
すなわち、第一のコンテンツの再生開始から、第一のコンテンツの再生停止または終了までは、ユーザが視線を動かしても常にユーザの視線の先に表示領域の中心が表示されるものとすることができる。
【0151】
かかる構成によれば、ユーザの頭部の動きによるユーザの状態(特に、視野の状態)の判定の精度の低下を防止することができる。
【0152】
例えば、ユーザの視野の評価を行う場合、ユーザの視野の中心を固定し、周辺視野の範囲を評価することが必要であるが、頭部および/または視線が固定位置から動いてしまうと、視野の評価に用いる適切なデータが取得できないおそれがある。
【0153】
しかしながら、上記構成によれば、ユーザの頭部および/または視線が固定位置から動いてしまった場合であっても、表示領域の表示位置を適切に調整することにより、ユーザの状態の判定を適切に行うことができるようになる。
【0154】
仮想空間には、ユーザの挙動情報に応じて動作するキャラクタオブジェクトが表示されることができる。
【0155】
また、受信部120は、さらに、ユーザの生体情報を受信し、判定部130は、受信部120が受信したユーザの挙動情報およびユーザの生体情報に基づいて、ユーザの状態を判定することができる。
【0156】
ここでいう生体情報とは、上述した挙動情報に含まれる生体情報以外の生体情報をいうものとする。例えば、生体情報には、脳波、脈拍、体温等に関する情報が含まれることができる。
【0157】
これらの生体情報を、上述した挙動情報とともに用いることにより、ユーザの状態をより精度高く判定することができるようになる。
【0158】
本開示における一又は複数のコンピュータプロセッサは、
図17に一例として示されるように、さらに、通知部150を備えることができる。
【0159】
通知部150は、判定部130による判定の結果を、ユーザに関連付けられた他のユーザのユーザ端末に通知するものである。
【0160】
他のユーザは、ユーザの家族や友人、知人等、現実世界においてユーザと関わりのあるユーザとすることができる。また、他のユーザは、ユーザが所属する現実世界のコミュニティ(会社、学校、介護施設、病院等)の管理者等とすることができる。
【0161】
かかる構成によれば、仮想空間で判定されたユーザの状態を現実世界において関わりのあるユーザに知らせることが可能となる。
【0162】
なお、通知部150は、判定部130による判定の結果の全てを他のユーザに通知するのではなく、判定の結果に応じて通知の有無を決定してもよい。
【0163】
提供情報が、仮想空間においてユーザの状態に関する情報の提供を行うサービスへの案内情報であるとき、通知部150は、さらに、案内情報に基づくユーザへのサービスの提供状況を通知することができる。
【0164】
サービスの提供状況とは、ユーザに対して上記サービスの提供を行ったか否か、すなわち、ユーザが案内情報に基づいてサービスを受けたか否かについての状況である。
【0165】
かかる構成によれば、ユーザがサービスを受けることを促進させることができる。
【0166】
本開示における一又は複数のコンピュータプロセッサは、仮想空間への、ユーザに関連付けられた他のユーザのユーザ端末からのアクセスを許可することができる。
【0167】
このとき、本開示における一又は複数のコンピュータプロセッサは、仮想空間内でのユーザと他のユーザとの会話および/またはユーザのアバタと他のユーザのアバタとの表示を可能とすることができる。
【0168】
他のユーザは、ユーザに関連付けられていればよく、上述した家族等や管理ユーザ等には限定されない。すなわち、ここでいう他のユーザには、現実世界でユーザと関わりのない、仮想空間のみにおけるユーザのフレンドなども含まれるものとすることができる。
【0169】
上記構成によれば、同一の仮想空間にユーザおよび他のユーザを含む複数のユーザがアクセス可能となる。
【0170】
このとき、ユーザおよび他のユーザそれぞれのアバタが仮想空間に表示されるものとしてもよい。
【0171】
また、アバタは、ユーザおよび他のユーザの表情および/または動作が反映されるものであってもよいし、ユーザおよび他のユーザの操作により動作するものであってもよい。
【0172】
また、ユーザおよび他のユーザの会話に、音声チャットによる会話またはコメント入力によるテキストでの会話が含まれるものとする。
【0173】
以上の構成によれば、仮想空間における他のユーザとのコミュニケーションが活発化し、ユーザの脳の活性化に役立たせることができる。
【0174】
仮想空間においてユーザの状態に関する情報の提供を行うサービスは、専門家との相談サービス、食品の配送サービスおよび/または保険サービスとすることができる。
【0175】
専門家との相談サービスは、仮想空間を介して、医師、看護師、相談員等の専門家に、自身の状態について相談を行うことができるサービスである。
【0176】
食品の配送サービスは、仮想空間を介して、自身の状態の改善に必要な商品の配送を依頼することができるサービスである。
【0177】
保険サービスは、仮想空間を介して、自身の状態に対応する保険が提案されるサービスである。また、自身の状態やサービスの利用状況に応じて保険の加入条件(一例として金額等)が変動するものとしてもよい。
【0178】
このように、本開示の発明によれば、ユーザは、ユーザの状態に対応した仮想空間におけるサービスを受けることが可能となる。
【0179】
続いて、本開示における情報処理方法について図面を参照しながら説明を行う。
【0180】
本開示における情報処理方法は、
図12に一例として示されるように、一又は複数のコンピュータプロセッサに、送信ステップS110、受信ステップS120および判定ステップS130を実行させることを特徴とする。
【0181】
送信ステップS110は、所定の表示装置へ、特定のコンテンツを再生可能な表示領域を備える仮想空間を表示するための情報を送信する。
【0182】
送信ステップS110は、上述した送信部110により実行されることができる。送信部110の詳細については上述したとおりである。
【0183】
受信ステップS120は、所定の表示装置から送信される、表示領域において第一のコンテンツを再生中のユーザの挙動情報を受信する。
【0184】
受信ステップS120は、上述した受信部120により実行されることができる。受信部120の詳細については上述したとおりである。
【0185】
判定ステップS130は、受信ステップS120において受信したユーザの挙動情報に基づいて、ユーザの状態を判定する。
【0186】
判定ステップS130は、上述した判定部130により実行されることができる。判定部130の詳細については上述したとおりである。
【0187】
以上の構成によれば、上述した従来技術の課題の少なくとも一部を解決又は緩和する技術的な改善を提供することができる。
【0188】
続いて、本開示におけるコンピュータプログラムについて図面を参照しながら説明を行う。
【0189】
本開示におけるコンピュータプログラムは、一又は複数のコンピュータプロセッサに、送信機能、受信機能および判定機能を実現させることを特徴とする。
【0190】
送信機能は、所定の表示装置へ、特定のコンテンツを再生可能な表示領域を備える仮想空間を表示するための情報を送信する。
【0191】
受信機能は、所定の表示装置から送信される、表示領域において第一のコンテンツを再生中のユーザの挙動情報を受信する。
【0192】
判定機能は、受信機能により受信されたユーザの挙動情報に基づいて、ユーザの状態を判定する。
【0193】
上記機能は、
図13に示す回路1110~1130により実現されることができる。送信回路1110、受信回路1120および判定回路1130は、それぞれ上述した送信部110、受信部120および判定部130により実現されるものとする。各部の詳細については上述したとおりである。
【0194】
以上の構成によれば、上述した従来技術の課題の少なくとも一部を解決又は緩和する技術的な改善を提供することができる。
【0195】
続いて、本開示における表示装置200について図面を参照しながら説明を行う。
【0196】
本開示における表示装置200は、
図14に示されるように、表示処理部210、取得部220および判定部230を備えることを特徴とする。
【0197】
表示処理部210は、特定のコンテンツを再生可能な表示領域を備える仮想空間を表示部に表示させるものである。
【0198】
取得部220は、表示領域において第一のコンテンツを再生中のユーザの挙動情報を取得するものである。
【0199】
判定部230は、取得部220において取得したユーザの挙動情報に基づいて、ユーザの状態を判定するものである。かかる判定部230は、上述した判定部130と同様の構成とすることができる。
【0200】
以上の構成によれば、上述した従来技術の課題の少なくとも一部を解決又は緩和する技術的な改善を提供することができる。
【0201】
続いて、本開示における情報処理方法について図面を参照しながら説明を行う。
【0202】
本開示における情報処理方法は、
図15に示されるように、一又は複数のコンピュータプロセッサに、表示処理ステップS210、取得ステップS220および判定ステップS230を実行させることを特徴とする。
【0203】
表示処理ステップS210では、特定のコンテンツを再生可能な表示領域を備える仮想空間を表示部に表示させる。
【0204】
表示処理ステップS210は、上述した表示処理部210により実行されることができる。表示処理部210の詳細については上述したとおりである。
【0205】
取得ステップS220では、表示領域において第一のコンテンツを再生中のユーザの挙動情報を取得する。
【0206】
取得ステップS220は、上述した取得部220により実行されることができる。取得部220の詳細については上述したとおりである。
【0207】
判定ステップS230は、取得ステップS220において取得したユーザの挙動情報に基づいて、ユーザの状態を判定する。
【0208】
判定ステップS230は、上述した判定部230により実行されることができる。判定部230の詳細については上述したとおりである。
【0209】
以上の構成によれば、上述した従来技術の課題の少なくとも一部を解決又は緩和する技術的な改善を提供することができる。
【0210】
最後に、本開示におけるコンピュータプログラムについて図面を参照しながら説明を行う。
【0211】
本開示におけるコンピュータプログラムは、一又は複数のコンピュータプロセッサに、表示処理機能、取得機能および判定機能を実現させることを特徴とする。
【0212】
表示処理機能は、特定のコンテンツを再生可能な表示領域を備える第一の空間が設けられた仮想空間を表示部に表示させる。
【0213】
取得機能は、表示領域において第一のコンテンツを再生中のユーザの挙動情報を取得する。
【0214】
判定機能は、取得機能により取得されたユーザの挙動情報に基づいて、ユーザの状態を判定する。
【0215】
上記機能は、
図16に示す回路1210~1230により実現されることができる。表示処理回路1210、取得回路1220および判定回路1230は、それぞれ上述した表示処理部210、取得部220、および判定部230により実現されるものとする。各部の詳細については上述したとおりである。
【0216】
以上の構成によれば、上述した従来技術の課題の少なくとも一部を解決又は緩和する技術的な改善を提供することができる。
【0217】
また、上述した実施形態に係るサーバ装置又は端末装置として機能させるために、コンピュータ又は携帯電話などの情報処理装置を好適に用いることができる。このような情報処理装置は、実施形態に係るサーバ装置又は端末装置の各機能を実現する処理内容を記述したプログラムを、情報処理装置の記憶部に格納し、情報処理装置のCPUによって当該プログラムを読み出して実行させることによって実現可能である。
【0218】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【0219】
また、実施形態に記載した手法は、計算機(コンピュータ)に実行させることができるプログラムとして、例えば磁気ディスク(フロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスク等)、光ディスク(CD-ROM、DVD、MO等)、半導体メモリ(ROM、RAM、フラッシュメモリ等)等の記録媒体に格納し、また通信媒体により伝送して頒布することもできる。なお、媒体側に格納されるプログラムには、計算機に実行させるソフトウェア手段(実行プログラムのみならずテーブルやデータ構造も含む)を計算機内に構成させる設定プログラムをも含む。本装置を実現する計算機は、記録媒体に記録されたプログラムを読み込み、また場合により設定プログラムによりソフトウェア手段を構築し、このソフトウェア手段によって動作が制御されることにより上述した処理を実行する。なお、本明細書でいう記録媒体は、頒布用に限らず、計算機内部あるいはネットワークを介して接続される機器に設けられた磁気ディスクや半導体メモリ等の記憶媒体を含むものである。記憶部は、例えば主記憶装置、補助記憶装置、又はキャッシュメモリとして機能してもよい。
【符号の説明】
【0220】
100 サーバ装置
110 送信部
120 受信部
130 判定部
200 表示装置
【要約】
【課題】 従来技術の課題の少なくとも一部を解決又は緩和する技術的な改善を提供する。
【解決手段】
本発明の情報処理システムは、一又は複数のコンピュータプロセッサを備える情報処理システムであって、一又は複数のコンピュータプロセッサは、所定の表示装置へ、特定のコンテンツを再生可能な表示領域を備える仮想空間を表示するための情報を送信する送信部と、所定の表示装置から送信される、表示領域において第一のコンテンツを再生中のユーザの挙動情報を受信する受信部と、受信部が受信したユーザの挙動情報に基づいて、ユーザの状態を判定する判定部とを備えることを特徴とする。
【選択図】
図7