(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-27
(45)【発行日】2025-01-14
(54)【発明の名称】視覚障害者誘導用ブロック
(51)【国際特許分類】
E01F 9/512 20160101AFI20250106BHJP
E01F 9/553 20160101ALI20250106BHJP
【FI】
E01F9/512
E01F9/553
(21)【出願番号】P 2021082679
(22)【出願日】2021-05-14
【審査請求日】2024-05-03
(73)【特許権者】
【識別番号】000167820
【氏名又は名称】広島化成株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100126310
【氏名又は名称】山口 慎太郎
(72)【発明者】
【氏名】西 純平
(72)【発明者】
【氏名】野上 晃正
【審査官】山口 剛
(56)【参考文献】
【文献】登録実用新案第3172721(JP,U)
【文献】特開2012-117321(JP,A)
【文献】特開2020-033832(JP,A)
【文献】特開2020-117916(JP,A)
【文献】特開2019-044497(JP,A)
【文献】米国特許第4715743(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E01F 9/50 - 9/70
E01C 15/00
G09B 21/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
路面に敷設され視覚障害者の歩行位置や歩行方向を案内するシート状の視覚障害者誘導用ブロックにおいて、
点状又は線状の突起が上面に並設された平面視四角形のシート状の本体部と、
前記本体部の表面に突設された複数の半球状の微小突起と、
前記本体部及び微小突起の表面に形成され前記微小突起よりも更に小さい複数の凸模様を有する梨地面と、
を具備してなることを特徴とする視覚障害者誘導用ブロック。
【請求項2】
前記微小突起は、前記本体部の基準面からの高さが前記梨地面の前記凸模様の高さよりも大きく、0.2~0.7mmである請求項1に記載の視覚障害者誘導用ブロック。
【請求項3】
前記微小突起は、平面視格子状に配設される請求項1又は請求項2に記載の視覚障害者誘導用ブロック。
【請求項4】
前記梨地面は、前記凸模様の凹所の上端位置からの高さが0.01~0.3mmである請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の視覚障害者誘導用ブロック。
【請求項5】
前記梨地面は、凹所の上端位置が一定に形成される請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の視覚障害者誘導用ブロック。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、視覚障害者誘導用ブロックの技術に関し、より詳細には、路面に敷設され視覚障害者の歩行位置や歩行方向を案内するシート状の視覚障害者誘導用ブロックに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、視覚障害者を誘導又は警告して歩行を補助するための視覚障害者誘導用ブロックの構成が公知であり、具体的には、点状又は線状の突起が表面に並設された平面視四角形の本体部より構成され、路面や床面等に敷設されて使用されている。視覚障害者誘導用ブロックとしては、コンクリートや陶器等を用いて本体部がブロック状に形成されたものや、ゴムや合成樹脂等を用いて本体部がシート状に形成されたもの等が提案されている。
【0003】
この種の視覚障害者誘導用ブロックは、屋外では主に路面に設置されることから、一般的な歩道舗装と同程度の歩行性や安全性が求められる。特に、視覚障害者誘導用ブロックとしては、特に雨天時や撒水時等のような湿潤状態で、視覚障害者や高齢者等の一般歩行者等や走行自転車等が転倒するのを防止し、安全に歩行・走行できるような防滑性能を有している必要がある。
【0004】
従来の視覚障害者誘導用ブロックとしては、例えば、特許文献1に開示されるように、本体部の表面にサンドブラストに起因する凹凸模様が形成された合成樹脂製の視覚障害者誘導用ブロック(点字タイル)が提案されている。かかる構成によれば、確かに、本体部の表面に凹凸模様が直接形成されることですべり抵抗(BPN値)を大きくすることができ、一定の防滑性を有することが期待できるものである。
【0005】
しかしながら、上述した特許文献1に開示される視覚障害者誘導用ブロックは、金型のキャビティ面にブラスト粒子を高速噴射して凹凸形状を賦形した成形用金型(マスターモデル)を用いて形成するものであるため、凹凸模様の形状が不均一でブラスト粒子の素材や大きさによっては望ましい突出形状とならず、また、本体部表面(基準面)の凹凸模様の高さも小さく極微小であることから、湿潤状態で歩行者等が安全に歩行・走行できるような防滑性能を安定して発揮できないという問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
そこで、本発明では、視覚障害者誘導用ブロックに関し、前記従来の課題を解決するもので、湿潤状態で歩行者等が安全に歩行・走行可能な防滑性能を安定して発揮することができる視覚障害者誘導用ブロックを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
【0009】
すなわち、請求項1においては、路面に敷設され視覚障害者の歩行位置や歩行方向を案内するシート状の視覚障害者誘導用ブロックにおいて、点状又は線状の突起が上面に並設された平面視四角形のシート状の本体部と、前記本体部の表面に突設された複数の半球状の微小突起と、前記本体部及び微小突起の表面に形成され前記微小突起よりも更に小さい複数の凸模様を有する梨地面と、を具備してなるものである。
【0010】
請求項2においては、前記微小突起は、前記本体部の基準面からの高さが前記梨地面の前記凸模様の高さよりも大きく、0.2~0.7mmであるものである。
【0011】
請求項3においては、前記微小突起は、平面視格子状に配設されるものである。
【0012】
請求項4においては、前記梨地面は、前記凸模様の凹所の上端位置からの高さが0.01~0.3mmであるものである。
【0013】
請求項5においては、前記梨地面は、凹所の上端位置が一定に形成されるものである。
【発明の効果】
【0014】
本発明の効果として、湿潤状態で歩行者等が安全に歩行・走行可能な防滑性能を安定して発揮することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】本発明の一実施例に係る視覚障害者誘導用ブロックの全体的な構成を示した平面図である。
【
図3】本体部の表面に形成された微小突起及び梨地面を示した拡大平面図である。
【
図4】微小突起及び梨地面を示した拡大断面図である。
【
図6】本体部の表面に形成された微小突起及び梨地面の拡大写真である。
【
図7】別実施例の視覚障害者誘導用ブロックの全体的な構成を示した平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
次に、発明を実施するための形態を説明する。
【0017】
図1及び
図2に示すように、本実施例の視覚障害者誘導用ブロック1は、路面に敷設され視覚障害者の歩行位置や歩行方向を案内するシート状の部材として構成されており、具体的には、平面視四角形(本実施例では300mm×300mmの平面視正方形)のシート状の本体部2と、本体部2の表面に突設された複数の微小突起3と、本体部2及び微小突起3の表面に形成された梨地面4等とで構成されている。
【0018】
本体部2は、JIS T 9251(視覚障害者誘導用ブロック等の突起の形状・寸法及びその配列に関する規定)に即した誘導ブロックとして構成され、平面視四角形に形成されたシート状部材20と、シート状部材20の上面に並設された複数の線状の突起21・21・・・とで構成されている。本実施例の本体部2は、突起21が断面視ハーフドーム形の長板状(棒状)に形成され、複数(4個)が相互に等間隔に離間されて並設されている。
【0019】
図3乃至
図6に示すように、微小突起3は、本体部2(シート状部材20及び突起21)の表面に形成された半球状の突起であり、複数の微小突起3・3・・・が所定の離間D(
図3参照)を有して配設されている。微小突起3は、球体の一部分の形状であり、必ずしも球体の半分の体積からなるものではなく、球体の一部を含むものとして形成されればよい。本実施例の微小突起3は、外周面のなす形状が平面視円形状に形成され、鉛直下方に向かうにつれて径が拡大するような形状とされている。
【0020】
微小突起3は、本体部2の表面の全面に渡って、隣接する微小突起3同士が所定の離間Dにて平面視格子状に配設されており、本実施例では、一例として微小突起3が平面視六角格子状に配設されている。微小突起3の配列は、特に限定されず、例えば、斜方格子状、正方格子状、矩形格子状、及び平行体格子状のいずれかを採用することができる。
【0021】
微小突起3の大きさは、平面幅R(
図3参照)が0.5~2.0mmで、本体部2の表面の基準面Lからの高さH1(
図5参照)が0.2~0.7mm、好ましくは0.3~0.6mmで一定となるように形成される。なお、微小突起3の高さH1は、本体部2の基準面L(水平面)から微小突起3の頂部までの鉛直長さである。微小突起3が小さ過ぎると安定した防滑性能を発揮することができず、一方、大き過ぎると視覚障害者誘導用ブロック1の美的外観(意匠性)が悪く、かつ、塵埃が滞留したり汚れが付着したりし易くなってメンテナンス性に劣るからである。
【0022】
微小突起3の配置は、最も近接する微小突起3・3の離間Dが0.5~3.0mmとなるように配置され、上述した大きさの諸元を満たす微小突起3の場合、本体部2の表面に単位面積(1cm2)あたり10~40個が配置されるのが好ましい。微小突起3の単位面積あたりの個数が少ないと安定した防滑性能を発揮することができず、個数が多いと塵埃が滞留したり汚れが付着したりし易くなってメンテナンス性に劣るからである。
【0023】
図3乃至
図6に示すように、梨地面4は、本体部2(シート状部材20及び突起21)及び微小突起3の表面に形成され、上述した微小突起3よりも更に小さい複数の梨地状の凸模様40・40・・・を有するように構成されている。凸模様40は、方向性を有しない微細な凸状突起の集合であり、凸模様40の離間に凹所41が形成されている。本実施例の梨地面4は、後述するように、視覚障害者誘導用ブロック1の製造工程にて、エッチング法にてキャビティ面に梨地面4に対応する所定の凹形状を賦形した成形用金型を用いることで、凹所41の上端位置(本実施例では本体部2の基準面L)が一定に形成されている。
【0024】
梨地面4は、本体部2及び微小突起3の表面の全面に渡って、本体部2だけでなく本体部2の表面に突設された微小突起3の表面に連続して形成される。すなわち、本実施例の視覚障害者誘導用ブロック1は、表面が梨地面4にて覆われており、本体部2(シート状部材20及び突起21)の水平面や微小突起3の表面に沿って複数の凸模様40・40・・・が形成されているのである。
【0025】
凸模様40の大きさは、本体部2及び微小突起3の表面からの突出量が、微小突起3の本体部2の表面からの突出量以下となるように形成され、凹所41の上端位置(本実施例では本体部2の基準面L)からの高さH2(
図6参照)が少なくとも微小突起3の高さH1よりも小さく(H1>H2)、好ましくは0.01~0.3mmで、より好ましくは0.02~0.2mmとなるように形成される。なお、凸模様40の高さH2は、凹所41の上端位置から凸模様40の頂部までの鉛直長さである。凸模様40が小さ過ぎると微小突起3による防滑性を向上することができず、一方、大き過ぎると塵埃が滞留したり汚れが付着したりし易くなってメンテナンス性に劣るからである。
【0026】
微小突起3及び梨地面4の加工処理としては、公知の方法を採用することができ、代表的な処理方法として、ブラスト粒子を用いるサンドブラスト法や溶剤を用いるエッチング法等が挙げられる。本実施例の視覚障害者誘導用ブロック1では、本体部2、微小突起3、及び梨地面4を一体に成形するものであることから、エッチング法が好ましく採用され、本体部2や微小突起3の表面の広範な面積や曲面に対して、エッチングに起因する凹凸模様としての微小突起3及び梨地面4を同時加工することが可能となる。
【0027】
視覚障害者誘導用ブロック1の材料としては、主原料としてゴム、熱可塑性エラストマー、及び熱可塑性樹脂からなる群から選択される少なくとも1種、又は2種以上が用いられ、射出成形等により本体部2、微小突起3、及び梨地面4が一体に成形される。
【0028】
ゴムとしては、例えば、天然ゴム(NR)、スチレン-ブタジエンゴム(SBR)、アクリロニトリル-ブタジエンゴム(NBR)、クロロプレンゴム(CR)等のジエン系ゴム;エチレン-プロピレンゴム(EPM)、エチレン-プロピレン-ジエンゴム(EPDM)、エチレン-ブテンゴム(EBM)、クロロスルホン化ポリエチレンゴム(CSM)、アクリルゴム(ACM、ANM)等のオレフィン系ゴム;エピクロロヒドリンゴム(ECO);シリコーンゴム(Q);フッ素ゴム;ウレタンゴム等を用いることができる。なお、これらのゴムは、単独で用いられてもよく、又は2種以上が併用されてもよい。
【0029】
熱可塑性エラストマーとしては、例えば、スチレン系エラストマー(TPS)、オレフィン系エラストマー(TPO)、ポリ塩化ビニル系エラストマー(TPVC)、ポリエステル系エラストマー(TPEE)、ウレタン系エラストマー(TPU)、ポリアミド系エラストマー(TPA、TPAE)等を用いることができる。なお、これらの熱可塑性エラストマーは、単独で用いられてもよく、又は2種以上が併用されてもよい。
【0030】
熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリメタクリル酸メチル樹脂(PMMA)、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン共重合体樹脂(ABS)、ポリ塩化ビニル樹脂(PVC)、エチレン-酢酸ビニル共重合体樹脂(EVA)、ポリスチレン樹脂(PS)、ポリエチレン樹脂(PE)、ポリプロピレン樹脂(PP)、ポリカーボネート樹脂(PC)、ポリアミド樹脂(PA)等が挙げられる。なお、これらの熱可塑性樹脂は、単独で用いられてもよく、又は2種以上が併用されてもよい。
【0031】
上述した主原料の内で特に好ましく用いられるものとしては、スチレン-ブタジエンゴム(SBR)、エチレン-プロピレン-ジエンゴム(EPDM)、スチレン系エラストマー(TPS)、ウレタン系エラストマー(TPU)、オレフィン系エラストマー(TPO)、ポリメタクリル酸メチル樹脂(PMMA)、及びアクリロニトリル-ブタジエン-スチレン共重合体樹脂(ABS)等が挙げられる。
【0032】
また、上述した主原料の他に、各種添加剤として、例えば、滑剤、カーンボンブラック、シリカ、二酸化チタン、各種顔料、クレー、酸化亜鉛、ステアリン酸、促進剤、加硫剤、硫黄、安定剤、劣化防止剤、加工助剤、粘着付与剤、可塑剤、ワックス、加硫促進剤、エクステンダー油等を適宜添加することができる。
【0033】
視覚障害者誘導用ブロック1の製造方法としては、本体部2の表面に微小突起3及び梨地面4を成形可能な方法であれば、公知の射出成形等の方法を採用することができる。例えば、所定形状及び寸法の本体部2が成形されるように設計された金型を使用して、エッチング処理等にてキャビティ面に微小突起3及び梨地面4に対応する所定の凹形状を賦形した成形用金型とし、適宜キャビティ面に離型剤塗布やコーティング処理を行った後、成形用金型内にシート状の誘導ブロックとして必要な物理特性を満たすように配合された本体部2の材料を好適に射出することで、本体部2、微小突起3、及び梨地面4が一体に成形された視覚障害者誘導用ブロック1を容易に得ることができる。
【0034】
一例として、表1に示す諸元(大きさ・配置)の微小突起3及び梨地面4を有する視覚障害者誘導用ブロック1を製造するために、予め金型のキャビティ面にエッチング法にて微小突起3及び梨地面4に対応する所定の凹形状を賦形した成形用金型を用いて、主原料としてのEPDM及びその他の各種添加剤を所定割合で配合したゴム組成物を、射出温度60~90℃、金型温度150~180℃、射出時間5~40秒、及び加硫時間180~360秒の条件下で射出成形したところ、
図6に示す表面形状の視覚障害者誘導用ブロック1を良好に得ることができた。
【0035】
【0036】
上記で得られた視覚障害者誘導用ブロック1の防滑性能を確認するために、ASTM E 303に準拠して、英国式ポータブルスキッドレジスタンステスタ(すべり抵抗試験機)にて6.35mm×25.4mm×31.75mmのゴムスライダを使用して湿潤状態でのすべり抵抗値(BPN値)を測定した結果、すべり抵抗値が64BPNであり、本実施例の視覚障害者誘導用ブロック1が優れた防滑性を有することを確認した。
【0037】
以上のように、本実施例の視覚障害者誘導用ブロック1は、路面に敷設され視覚障害者の歩行位置や歩行方向を案内するシート状の視覚障害者誘導用ブロック1において、線状の突起21が上面に並設された平面視四角形のシート状の本体部2と、本体部2の表面に突設された複数の半球状の微小突起3・3・・・と、本体部2及び微小突起3の表面に形成され微小突起3よりも更に小さい複数の凸模様40・40・・・を有する梨地面4と、を具備してなるため、湿潤状態で歩行者等が安全に歩行・走行可能な防滑性能を安定して発揮することができるのである。
【0038】
すなわち、本実施例の視覚障害者誘導用ブロック1は、本体部2の表面に突設された複数の半球状の微小突起3・3・・・と、本体部2及び微小突起3の表面に形成され微小突起3よりも更に小さい複数の凸模様40・40・・・を有する梨地面4とが設けられるため、微小突起3にて本体部2の表面のすべり抵抗(BPN値)を大きくして、湿潤状態での防滑性を獲得しつつ、本体部2及び微小突起3の表面に形成された梨地面4にて微小突起3による防滑性を向上させて、ひいては、視覚障害者や高齢者等の一般歩行者等や走行自転車等が容易に転倒するのを防止し、安全に歩行・走行できる防滑性能を安定して発揮させることができる。
【0039】
特に、本実施例の視覚障害者誘導用ブロック1は、本体部2の基準面Lからの高さH1が梨地面4の凸模様40の高さH2よりも大きく、0.2~0.7mmであるため、安定した防滑性能を発揮しつつ、美的外観(意匠性)に優れ、かつ、塵埃の滞留や汚れの付着を低減することができる。
【0040】
また、本実施例の梨地面4は、凸模様40の凹所41の上端位置からの高さH2が0.01~0.3mmであるため、防滑性を効果的に向上できるとともに、塵埃の滞留や汚れの付着も低減することができる。
【0041】
また、本実施例の梨地面4は、凹所41の上端位置が一定に形成されるため、塵埃の滞留や汚れの付着を効果的に低減してメンテナンス性の劣化を防止することができる。
【0042】
なお、視覚障害者誘導用ブロック1の構成としては、上述した実施例に限定されず、本発明の目的を逸脱しない限りにおいて種々の変更が可能である。
【0043】
すなわち、上述した実施例の視覚障害者誘導用ブロック1では、本体部2の表面の全面に渡って微小突起3が形成される構成について説明したが、かかる微小突起3の配置構成はこれに限定されず、例えば、本体部2のシート状部材20及び突起21の一部にのみ形成されてもよい。このことは梨地面4の構成についても同様であり、本体部2及び微小突起3の表面の一部にのみ形成されてもよい。
【0044】
また、上述した実施例の視覚障害者誘導用ブロック1では、微小突起3において外周面のなす形状が平面視円形状で、鉛直下方に向かうにつれて径が拡大するように形成される構成について説明したが、微小突起3の形状はこれに限定されず、例えば、半球状の突起として球体の一部を含み、かつ外周面のなす形状が平面視円形状で、中途部から鉛直下方に向かうにつれて径が縮小するか又は同じ径のまま延出されるように形成されてもよい。
【0045】
また、上述した実施例の視覚障害者誘導用ブロック1では、本体部2に複数の線状の突起21・21・・・が設けられた誘導ブロックとして構成されるが、視覚障害者誘導用ブロック1の形状はJIS T 9251(視覚障害者誘導用ブロック等の突起の形状・寸法及びその配列に関する規定)に即した構成であればこれに限定されず、例えば、
図7に示す別実施例の視覚障害者誘導用ブロック1のように、本体部2に複数の断面略台形の円柱形状の点状の突起21・21・・・が設けられた警告ブロックとして構成されてもよい。
【0046】
また、上述した実施例の視覚障害者誘導用ブロック1では、本体部2が300mm×300mmの平面視正方形に形成された構成について説明したが、かかる本体部2(シート状部材20)は平面視四角形に形成されたものであればよく、例えば、300mm×600mmの平面視長方形に形成されてもよい。
【符号の説明】
【0047】
1 視覚障害者誘導用ブロック
2 本体部
3 微小突起
4 梨地面
20 シート状部材
21 突起
40 凸模様
41 凹所