(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-27
(45)【発行日】2025-01-14
(54)【発明の名称】制御弁
(51)【国際特許分類】
F16K 27/06 20060101AFI20250106BHJP
【FI】
F16K27/06 B
(21)【出願番号】P 2023543128
(86)(22)【出願日】2021-09-26
(86)【国際出願番号】 CN2021120574
(87)【国際公開番号】W WO2022151758
(87)【国際公開日】2022-07-21
【審査請求日】2023-07-18
(31)【優先権主張番号】202110065261.1
(32)【優先日】2021-01-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】523037370
【氏名又は名称】杭州奥科美瑞科技有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110002343
【氏名又は名称】弁理士法人 東和国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】フー、 メイヤン
【審査官】井古田 裕昭
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第111828687(CN,A)
【文献】特開平11-325278(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第104806779(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16K 27/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
弁ボディと弁体ユニットと封止部品とを含み、前記弁ボディは、装着室を有し、少なくとも一部の前記弁体ユニットは、前記装着室に位置する制御弁において、
前記弁ボディは、底壁と側壁と位置制限リブとを含み、
前記側壁は、前記底壁から突起して設けられ、
前記位置制限リブは、弧形部分を含み、
前記位置制限リブは、前記側壁と前記底壁とによって囲んで形成された空間内に位置して前記底壁から突出し、
前記位置制限リブは、前記封止部品の位置を制限するための部材であり、
前記側壁と前記位置制限リブとの間には隙間があり、
前記封止部品は、第1部分と第2部分とを含み、
前記封止部品の軸方向の一端に近づく部位を第1部分、前記弁体ユニットと前記側壁との間に位置する部位を第2部分として定義し、前記第1部分と前記第2部分とは、固定接続され、前記第1部分は、前記隙間内に位置し、
前記弁ボディは、装着室内に位置して前記底壁から突出する装着部を含み、
前記弁体ユニットの部分が、前記装着部内に挿入され、
前記位置制限リブの前記底壁から突出する高さが、前記装着部の前記底壁から突出する高さ以下であることを特徴とする制御弁。
【請求項2】
前記位置制限リブの弧長が、前記封止部品の第1部分の弧長の0.9倍以上であることを特徴とする請求項1に記載の制御弁。
【請求項3】
前記位置制限リブの弧長に対応する円心角が、前記側壁の内面の弧長に対応する円心角の0.7倍~1倍であることを特徴とする請求項1に記載の制御弁。
【請求項4】
前記封止部品の第1部分の弧長に対応する円心角が、270度以上、280度以下であり、
前記位置制限リブの弧長に対応する円心角が、260度以上、360度以下であることを特徴とする請求項1に記載の制御弁。
【請求項5】
前記位置制限リブの弧長に対応する円心角が、前記封止部品の第1部分の弧長に対応する円心角と等しいことを特徴とする請求項4に記載の制御弁。
【請求項6】
前記位置制限リブは、前記装着室の周方向に沿って間隔をおいて設けられた少なくとも2つの位置制限ブロックを含み、
前記位置制限リブの弧長が、前記少なくとも2つの位置制限ブロックの弧長の和よりも大きいことを特徴とする請求項1に記載の制御弁。
【請求項7】
前記位置制限ブロックの弧長に対応する円心角が、76度以上であり、
各前記位置制限ブロックの投影は、前記側壁の径方向に沿って、それぞれ前記封止部品の前記第1部分の投影と少なくとも一部的に重なることを特徴とする請求項6に記載の制御弁。
【請求項8】
前記位置制限リブと前記側壁との間の隙間の幅が、前記封止部品の第1部分の厚み以上であり、
前記封止部品は、前記弁体ユニットと前記側壁との間に介在されることを特徴とする請求項1~請求項7のいずれか1項に記載の制御弁。
【請求項9】
前記位置制限リブと前記側壁とは、同軸であり、
前記位置制限リブは、前記側壁に向かって前記封止部品の位置を制限する側面を有し、
前記側面の形状が前記封止部品の形状とマッチングすることにより、前記封止部品と前記側壁とは、同軸であることを特徴とする請求項8に記載の制御弁。
【請求項10】
前記側壁は、前記側壁の周方向に沿って延在する第1サブ部を含み、
前記第1サブ部は、第1連通口を含み、
前記第1連通口は、前記第1サブ部を貫通し、
前記封止部品は、前記封止部品を貫通する第2連通口を含み、
前記第2連通口は、前記第1連通口に対応し且つ互いに導通し、
前記位置制限リブは、前記第1サブ部に近づいて設けられることを特徴とする請求項1~請求項7のいずれか1項に記載の制御弁。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2021年01月18日にて中国特許庁に提出され、出願番号が202110065261.1であり、発明名称が「弁装置」である中国特許出願の優先権を主張し、その全ての内容が援用されることで本出願に結合される。
本発明は、流体制御という技術に関し、具体的には、制御弁である。
【背景技術】
【0002】
あるシステムは、流路を制御するように多通路の制御弁を用いる必要があり、例えば、自動車は、現在、一般的には、複数の制御弁を用いて制御する可能性があり、多通路の制御弁において、封止を実現するために、通常、弁ボディ及び弁体ユニットに封止部品を設けることがあり、封止部品と弁ボディとの組立過程において、封止部品が装着過程において局所の変形を発生させる可能性があり、封止効果に影響を与える。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の目的は、封止部品の位置を限定し、封止部品が組立過程において局所の変形を防止し、封止部品の封止効果を向上させる制御弁を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、弁ボディと弁体ユニットと封止部品とを含み、前記弁ボディは、装着室を有し、少なくとも一部の前記弁体ユニットは、前記装着室に位置する制御弁において、前記弁ボディは、底壁と側壁と位置制限リブとを含み、前記側壁は、前記底壁から突起して設けられ、前記位置制限リブは、弧形部分を含み、前記位置制限リブは、前記側壁と前記底壁とによって囲んで形成された空間内に位置して前記底壁から突出し、前記位置制限リブは、前記封止部品の位置を制限するための部材であり、前記側壁と前記位置制限リブとの間には、隙間があり、前記封止部品は、第1部分と第2部分とを含み、前記封止部品の軸方向の一端に近づく部位を第1部分、前記弁体ユニットと前記側壁との間に位置する部位を第2部分として定義し、前記第1部分と前記第2部分とは、固定接続され、前記第1部分は、前記隙間内に位置し、前記弁ボディは、装着室内に位置して前記底壁から突出する装着部を含み、前記弁体ユニットの部分が、前記装着部内に挿入され、前記位置制限リブの前記底壁から突出する高さが、前記装着部の前記底壁から突出する高さ以下である制御弁を提供する。
【0005】
本発明の制御弁によれば、弁ボディと弁体ユニットと封止部品とを含み、封止部品は、弁体ユニットと弁ボディの側壁との間に位置し、封止部品の封止性能を実現でき、封止部品及び弁ボディが2つの単独のパーツであるから、封止部品を弁ボディに装着する過程において、弁ボディに対する封止部品の組立位置を便利に限定するために、弁ボディ内に位置制限リブが設けられ、側壁と位置制限リブとの間には隙間があり、封止部品と弁ボディとの組立過程において、封止部品の第1部分は、側壁と位置制限リブとの間に位置する隙間内に設けられることができ、これにより、位置制限リブは、弁ボディに対する封止部品の組立位置を便利に限定することができ、本発明の実施例は、位置制限リブが弧形部分を含むように設けることにより、位置制限リブが封止部品の弧長を限定し、封止部品が組立過程において局所の変形を発生させるのを減少することができ、これにより、制御弁の封止性能の向上に寄与し、さらに制御弁の安定性及び品質の向上に寄与する。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】本発明の実施例による制御弁の局所構造分解図である。
【
図2】本発明の実施例による制御弁の第1角度での局所断面図である。
【
図3】本発明の実施例による弁ボディの局所構造図である。
【
図4】本発明の実施例の位置制限リブと封止部品との組み合わせ図であり、位置制限リブ、封止部品の弧長及び円心角が示される。
【
図5】本発明の実施例による弁ボディの局所構造の平面図である。
【
図6】
図5から提供される弁ボディの局所構造の立体構造図である。
【
図7】本発明の実施例による制御弁の第2角度での局所断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、本発明の実施例を詳しく記載し、本発明をより明瞭にさせるために、以下、図面及び具体的な実施例を結合して本発明をさらに詳しく記載する。
【0008】
流体を制御する制御弁という分野において、制御弁は、弁ボディと弁体ユニットと弁ボディと弁体ユニットとの間に位置する封止部品とを含む。
弁ボディは、装着室を有し、弁体ユニットは、少なくとも一部が装着室内に位置し、弁体ユニットは、駆動装置の駆動によって回動することができ、封止部品は、弁体ユニットと弁ボディとの間の隙間を封止するために用いられ、弁体ユニットが作動過程において漏れることを防止する。
【0009】
通常の弁ボディ及び封止部品は、別体で設けられ、即ち、封止部品及び弁ボディは、2つの単独のパーツであり、後続に、単独に設けられた封止部品及び弁ボディを人工によって組立て、その後、弁体ユニット300を封止部品の形成された装着空間に組立てた後に封止部品を押圧することにより、弁ボディ、封止部品、弁体ユニットの間に封止関係が存在するようにさせる。
封止部品を弁ボディの装着室に便利に組立てるために、弁ボディ内に位置制限部品が設けられていることができ、これにより、封止部品を位置制限部品と弁ボディの側壁との間に装着し、位置制限部品の構造は、1つの重要な要素であり、部分の封止部品が位置制限部品の限定作用を受けない可能性があり、封止部品と弁ボディとの組立過程において、または、弁体ユニットと封止部品との組立押圧の過程において、封止部品の変形を引き起こしやすく、例えば、封止部品のカール等を引き起こすことにより、制御弁の封止性能に影響を与える。
【0010】
本発明は、新型の制御弁1000を提供する。
以下、図により、本発明の実施例の制御弁1000を説明する。
【0011】
図1~
図4を併せて参照し、本発明の実施例である制御弁1000は、弁ボディ100と弁体ユニット300と封止部品200とを含む。
弁ボディ100は、装着室101を有し、少なくとも一部の弁体ユニット300は、装着室101に位置し、弁体ユニット300は、回動可能であり、例えば、弁体部品は、外部駆動部品の駆動によって回動可能であり、これにより、流体を制御する。
弁ボディ100は、側壁20を含み、封止部品200は、弁ボディ100の側壁20と弁体ユニット300との間の隙間を封止するように、装着室101内に位置して弁ボディ100の側壁20と弁体ユニット300との間に設けられることにより、制御弁1000の品質及び安定性を向上させる。
理解するように、側壁20は、囲んで装着室101を形成する側壁であり、側壁20は、内郭と外郭とを含む。
内郭及び外郭の形状が同じであってもよいし、異なってもよく、例えば、
図1において、側壁20の内郭は、円筒面であり、側壁20の外面は、平面装着面を含むことにより、制御弁1000の装着を便利にさせる。
【0012】
封止部品200の装着を便利にさせ、封止部品200をよく位置制限するために、弁ボディ100は、底壁10と側壁20と位置制限リブ30とを含む。
側壁20は、底壁10から突起して設けられ、本実施例において、位置制限リブ30は、弧形部分を含み、位置制限リブ30は、底壁10と側壁20とが囲んで形成された空間内に位置して底壁10から突出し、側壁20と位置制限リブ30との間には隙間があり、封止部品200は、組立てられた後に弧形構造であり、かつ、封止部品200は、この隙間内に位置し、封止部品200が組立てられた後に弧形構造であるとは、封止部品200が組立てられた後に、底壁10での正投影が閉鎖しない円弧形構造であることを指し、即ち、封止部品200が組立てられた後に内面と外面とを有し、内面及び外面は、それぞれに弧面であり、封止部品200は、第1部分と第2部分とを含み、封止部品200の軸方向の一端に近づく部位を第1部分、弁体ユニット300と側壁20との間に位置する部位を第2部分として定義し、第1部分と第2部分とは、固定接続され、第1部分は、側壁20と位置制限リブ30との間の隙間内に位置する。
【0013】
本発明の実施例の弁ボディ100により、弁ボディ100内に位置制限リブ30が設けられ、側壁20と位置制限リブ30との間には隙間があり、封止部品200と弁ボディ100との組立過程において、封止部品200の第1部分は、側壁20と位置制限リブ30との間に位置する隙間内に設けられることができる。
これにより、位置制限リブ30は、隙間内に位置する封止部品200の位置を便利に限定することができる。
本発明の実施例は、位置制限リブ30が弧形部分を含むように設けることにより、位置制限リブ30が封止部品200の弧長を限定し、封止部品200が組立過程において局所の変形を発生させるのを減少することができ、これにより、制御弁の封止性能の向上に寄与し、さらに制御弁の安定性及び品質の向上に寄与する。
本発明の実施例により提供される弁ボディ100は、単独に生産または販売されることができ、それに、弁ボディ100を設けることにより、制御弁1000の封止性能を向上させることができ、普及や適用を便利にさせる。
【0014】
いくつかの実施例において、位置制限リブ30の弧長が封止部品200の第1部分の弧長の0.9倍以上である。
図4に示すように、位置制限リブ30の弧長m1とが、位置制限リブ30の封止部品200に向かう弧形表面の弧長、即ち、位置制限リブ30の外面の弧長を指し、封止部品200の弧長m2が、封止部品200の位置制限リブ30に向かう弧形表面の弧長、即ち、組立てられた後の封止部品200の内面の弧長である。
本発明の実施例は、位置制限リブ30の弧長が封止部品200の弧長の0.9倍以上であるように設けることにより、弁ボディ100が制御弁1000に適用される場合、位置制限リブ30が封止部品200の大部分の弧長を限定することができ、位置制限リブ30の弧長が小さい場合、封止部品200の組立過程において、または、封止部品200と弁体ユニット300との組立過程において、封止部品200における位置制限リブ30により限定されない部分に変形を発生させることの減少に寄与し、これにより、制御弁1000の封止性能の向上に寄与し、さらに、制御弁1000の安定性及び品質の向上に寄与する。
【0015】
図2及び
図3をさらに参照し、封止部品200については、封止部品200と弁ボディ100の側壁20との間の静的封止を保証する必要がある。
弁体ユニット300が回動する場合、封止部品200については、弁体ユニット300と封止部品200との間の動的封止を保証する必要があるため、組立てられた後の封止部品200は、非閉鎖の円弧形構造であり、非閉鎖の円弧形構造が径方向の外力の作用を受けた時に膨張できることにより、弁体ユニット300及び封止部品200は、押圧過程において大きな膨張空間を有し、閉鎖された円環形の封止部品200と比較すれば、本発明の実施例の封止部品200について、設計の難しさ及び加工の難しさを減少することができる。
封止部品200が非閉鎖の円弧形構造である場合、封止部品200の周方向における両側が、組立過程において変形が発生しやすいので、位置制限リブ30の弧長を設けることにより、封止部品200の周方向における両側の縁箇所に変形を発生させることを効果的に防止できる。
【0016】
封止部品200をよりよく位置制限し、制御弁1000の組立過程において封止部品200の変形を引き起こすことを防止するために、位置制限リブ30の弧長に対応する円心角が、側壁20の内面の弧長に対応する円心角の0.7倍~1倍である。
側壁20の内面が閉鎖された円筒形曲面であるため、この場合、弧形の側壁20の弧長に対応する円心角が360度であり、位置制限リブ30の弧長に対応する円心角が側壁20の内面の弧長に対応する円心角の0.7倍~1倍であるように設ける。
これにより、位置制限リブ30の弧長に対応する円心角が、252度~360度であることを算出し得ることができ、数式m=n×π×r/180により、位置制限リブ30の弧長を算出し得ることができ、式において、mは、位置制限リブ30の弧長であり、nは、位置制限リブ30の弧長に対応する円心角の度数であり、rは、位置制限リブ30の弧長に対応する半径であり、この場合の位置制限リブ30は、より大きな部分の封止部品200を位置制限することができる。
【0017】
図4をさらに参照し、封止部品200の第1部分の弧長に対応する円心角α2が、270度以上、280度以下であり、任意選択で、封止部品200の第1部分の弧長に対応する円心角が、276度であってもよい。
位置制限リブ30の弧長に対応する円心角α1が、260度よりも大きく、360度以下である。
具体的に実施する場合、位置制限リブ30の弧長に対応する円心角が、260度であって封止部品200の弧長に対応する円心角が、276度であり、この場合、位置制限リブ30の弧長が封止部品200の弧長の0.9倍であり、位置制限リブ30の弧長に対応する円心角が、360度であって封止部品200の弧長に対応する円心角が、276度であり、この場合、位置制限リブ30の弧長が、封止部品200の弧長の4.2倍である。
上記設置により、封止部品200は、大きな膨張空間を有することができ、位置制限リブ30は、封止部品200の大部分を位置制限でき、位置制限リブ30の弧長を設けることにより、封止部品200が組立過程において変形を発生させることを効果的に減少できる。
封止部品200の弧長に対応する円心角について、ユーザのニーズに応じて設定されることができ、例えば、封止部品200の弧長に対応する円心角が260度、または他の角度であってもよく、位置制限リブ30の弧長に対応する角度についても、封止部品200の弧長に応じて相応的に調整される。
【0018】
封止部品200の設置及び製造を便利にさせるために、位置制限リブ30の弧長に対応する円心角が、封止部品200の第1部分の弧長に対応する円心角と等しい。
上記設置により、位置制限リブ30は、封止部品200に対して全面的に限定し、それが変形することを防止することができる。
位置制限リブ30がよりよい位置制限の作用を実現するように、位置制限リブ30と封止部品200とは、互いに嵌合され、かつ、位置制限リブ30と封止部品200とは、互いに対応して設けられる。
【0019】
図5~
図7を併せて参照し、封止部品200に対する位置制限リブ30の位置制限性能を向上させ、封止部品200の変形を効果的に防止するために、位置制限リブ30は、少なくとも2つの位置制限ブロック31を含む。
位置制限ブロック31は、円弧形構造であり、少なくとも2つの位置制限ブロック31は、装着室101の周方向に沿って間隔をおいて設けられ、位置制限リブ30の弧長が、少なくとも2つの位置制限ブロック31の弧長の和よりも大きい。
少なくとも2つの位置制限ブロック31が間隔をおいて設けられるため、隣り合う2つの位置制限ブロック31の間に間隔通路があり、この場合、位置制限リブ30の弧長が、少なくとも2つの位置制限ブロック31の弧長の和と、位置制限ブロック31の間の間隔通路に対応する弧長との総和であり、即ち、位置制限リブ30の弧長が、位置制限リブ30の円心、及び周方向において縁に配列された2つの位置制限ブロック31の端点を通った最大弧長である。
間隔をおいて設けられた少なくとも2つの位置制限ブロック31を設けることにより、封止部品200の周方向の各位置箇所で封止部品200を位置制限でき、例えば、3つの位置制限ブロック31を設けてもよく、封止部品200の変形をよりよく防止するように、そのうちの2つの位置制限ブロック31は、それぞれ、封止部品200の両側の縁の位置箇所に設けられ、もう1つの位置制限ブロック31は、封止部品200の周方向における中間位置に位置することにより、制御弁1000の封止性能を向上させる。
少なくとも2つの位置制限ブロック31の数について、ユーザのニーズに応じて設定されることができ、例えば、位置制限ブロック31の数が2つ、または、4つ、5つ等であってもよい。
【0020】
位置制限リブ30が少なくとも2つの位置制限ブロック31を含む場合、位置制限ブロック31の弧長に対応する円心角が、76度以上であり、側壁20の径方向に沿う方向において、各位置制限ブロック31の投影は、いずれも、封止部品200の第1部分の投影と少なくとも一部的に重なることにより、各位置制限ブロック31は、いずれも封止部品200の位置を限定できる。
弁ボディ100がプラスチック部品であるため、通常、射出によって成形され、円弧形の位置制限ブロック31の製造成形を便利にさせるために、位置制限ブロック31の弧長に対応する円心角度を設けることにより、製造プロセスの難しさを簡単化することができる。
具体的に実施する場合、各位置制限ブロック31の間の間隔距離について、ユーザのニーズに応じて設定されることができ、各位置制限ブロック31は、いずれも、封止部品200の第1部分を限定できればよい。
【0021】
いくつかの実施例において、位置制限リブ30と側壁20との間の隙間の幅が、封止部品200の第1部分の厚み以上であり、封止部品200は、弁体ユニット300と側壁20との間に介在される。上記設置により、封止部品200と弁ボディ100との装着を便利にさせることができる。
【0022】
弁体ユニット300が側壁20の内面側に嵌設される必要があるから、弁体ユニット300と側壁20とを同軸にさせて弁体ユニット300を安定的に回動させるために、位置制限リブ30と側壁20とは、同軸であり、位置制限リブ30は、側壁20に向かう位置制限面、すなわち、側壁20に向かって前記封止部品200の位置を制限する側面を有し、位置制限面である側面の形状が封止部品200の形状とマッチングすることにより、封止部品200と側壁20とは、同軸である。
位置制限リブ30が少なくとも2つの位置制限ブロック31を含む場合、少なくとも2つの位置制限ブロック31の側壁20から離反する表面が位置する円弧面は、互いに面一であることにより、封止部品200の位置をよりよく限定する。
【0023】
弁体ユニット300と弁ボディ100との組立を便利にさせるために、弁ボディ100は、装着室101内に位置して底壁10から突出する装着部102を含む。
弁体ユニット300の部分が装着部102内に挿入され、位置制限リブ30の底壁10から突出する高さが、装着部102の底壁10から突出する高さ以下である。
上記設置により、位置制限リブ30は、封止部品200を位置制限するとともに、位置制限リブ30の高さが高すぎて弁体ユニット300の装着に影響を与えるのを防止することができる。
具体的に実施する場合、位置制限リブ30の高さについて、ユーザのニーズに応じて設定されることができ、位置制限リブ30の高さが小さくて位置制限性能に影響を与えることを防止するために、任意選択で、位置制限リブ30の高さが装着部102の高さよりもわずかに低くしてもよく、弁体ユニット300の装着及び回動に影響を与えないことができればよい。
【0024】
本発明の実施例の制御弁1000は、流体を制御するために用いられ、制御弁1000は、熱交換システム、例えば、車両用空気調和システム、または、家庭用空気調和システム等に適用されることができる。
具体的には、制御弁1000に流通させる作動媒体は、水、水と他の液体との混合液体、または、熱伝導能力を有する他の冷却液体であってもよく、制御弁1000は、作動媒体の分配を制御し、制御弁1000を通過する出口流量を調節し分配し、さらに、熱交換システム流路の作動媒体を制御し、該熱交換システム流路の制御性能を向上させて最適化することができる。
【0025】
流体に対する制御弁1000の制御性能を実現するために、側壁20は、側壁20の周方向に沿って延在する第1サブ部21を含み、第1サブ部21は、第1連通口211を含み、第1連通口211は、第1サブ部21を貫通し、封止部品200は、封止部品200を貫通する第2連通口201を含み、第2連通口201は、第1連通口211に対応して互いに導通しており、位置制限リブ30は、側壁20の周方向に沿って、第1サブ部21に近づいて設けられる。
上記設置により、位置制限リブ30は、第1サブ部21の内面側に嵌設された封止部品200をよりよく位置制限し、封止部品200に変形を発生させるのを防止することができる。
【0026】
上述のように、本発明の実施例の制御弁1000によれば、制御弁1000は、弁ボディ100と弁体ユニット300と封止部品200とを含み、封止部品200は、弁体ユニット300と弁ボディ100の側壁20との間に嵌設されることにより、封止部品200は、弁体ユニット300と弁ボディ100との間の封止を実現し、制御弁1000が作動過程において流体の漏れを引き起こすのを防止することができる。
封止部品200及び弁ボディ100が2つの単独のパーツであるから、封止部品200と弁ボディ100との組立を便利にさせるために、弁ボディ100内に位置制限リブ30が設けられ、封止部品200の組立位置を便利に限定することができ、本発明の実施例は、位置制限リブ30の弧長が封止部品200の弧長の0.9倍以上であるように設けることにより、位置制限リブ30がより大きな部分の封止部品200の弧長を限定することができ、位置制限リブ30の弧長が小さい場合、封止部品200の組立過程において、または封止部品200と弁体ユニット300との組立過程において、位置制限リブ30により限定されない部分に変形を発生させることの減少に寄与し、これにより、制御弁1000の封止性能の向上に寄与し、制御弁1000の品質を向上させ、普及や適用を便利にさせる。
【0027】
用語である「第1」、「第2」等のような関係用語は、単に、実体または動作を、他の実体または動作と区別するために使用されるもので、必ずしも、実体または動作間に、この種の実在関係または順位付けが存在することを要求する、あるいは、意味するわけではない。
このように使用される用語は、適切な場合、本明細書に記載された発明における実施例、例えば、本明細書に説明された、または、他の方式に記載されたもの以外のそれらの順序に応じて作動、または、並べることを可能にするように、互いに交換可能である。
【0028】
説明しようとするのは、以上の実施例は、本発明を説明するために使用されるだけであり、本発明を制限するものではなく、本明細書は、上記の実施例を参照して本発明を既に詳しく説明したが、当業者が理解するように、当業者は依然として、本発明に対して補正、または等同交替を行うことができ、本発明の精神及び範囲を離脱しないあらゆる改善はいずれも、本発明の請求項の範囲内に含まれるべきである。