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<図1>
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-27
(45)【発行日】2025-01-14
(54)【発明の名称】押ボタンパネル付安全スイッチ
(51)【国際特許分類】
   F16P 3/10 20060101AFI20250106BHJP
   H01H 27/00 20060101ALI20250106BHJP
   E05B 49/00 20060101ALI20250106BHJP
【FI】
F16P3/10
H01H27/00 G
E05B49/00 J
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2021577204
(86)(22)【出願日】2020-06-30
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-09-20
(86)【国際出願番号】 IB2020056188
(87)【国際公開番号】W WO2021009601
(87)【国際公開日】2021-01-21
【審査請求日】2023-06-23
(31)【優先権主張番号】102019000011697
(32)【優先日】2019-07-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(73)【特許権者】
【識別番号】515332229
【氏名又は名称】ピザト エレットリカ エス.アール.エル.
【氏名又は名称原語表記】PIZZATO ELETTRICA S.R.L.
(74)【代理人】
【識別番号】100180781
【弁理士】
【氏名又は名称】安達 友和
(74)【代理人】
【識別番号】100182903
【弁理士】
【氏名又は名称】福田 武慶
(72)【発明者】
【氏名】ピザト,マルコ
(72)【発明者】
【氏名】ゾンタ,シモーネ
【審査官】山田 康孝
(56)【参考文献】
【文献】特表2019-517709(JP,A)
【文献】特表2017-500724(JP,A)
【文献】欧州特許出願公開第03109836(EP,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16P 1/00-7/02
H01H 27/00
E05B 49/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
機械または産業プラントへのアクセス(A)を監視するための押ボタンパネル(12)付安全スイッチであって、
- 監視されるべき前記アクセス(A)の固定部分(F)に連結されるように適合され、前記機械またはプラントの1つまたは複数の制御回路および/またはサービス回路に接続されてこれらを開放/閉鎖するように適合されたスイッチング手段を収容するケーシング(4)を有するスイッチング装置(3)と、
- 前記アクセス(A)の可動部分(M)に連結されて、前記機械またはプラントの1つまたは複数の前記制御回路および/またはサービス回路を開放/閉鎖するためアクセス(A)の開放/閉鎖のときに前記スイッチング手段と相互作用するように適合されたアクチュエータ装置(2)と、
- 前記機械またはプラントの1つまたは複数の前記制御回路および/またはサービス回路を操作するように設計された、1つまたは複数のコントローラ(13)が付された押ボタンパネル(12)と、を備えているものにおいて
前記押ボタンパネル(12)は、前記コントローラ(13)と、前記アクセス(A)の前記固定部分(F)に連結するための連結手段と、を備えたシェル(14)を備え、
前記連結手段は、前記スイッチング装置(3)に対するきが変わるように、前記シェル(14)の回転軸(R)の周りの回転を許容するように適合され
前記押ボタンパネル(12)は、前記コントローラ(13)の前記スイッチング手段への電気的接続のための電気的接続手段を備え、前記1つまたは複数のコントローラ(13)は、前記スイッチング手段と相互作用して電気的スイッチングを実行し、これに伴う出力を前記機械またはプラントの前記制御回路および/またはサービス回路に送信するのに適した、それぞれのコンタクトユニットを備えていることを特徴とする、安全スイッチ。
【請求項2】
回転可能な前記連結手段は、前記シェル(14)を前記アクセス(A)の前記固定部分(F)に連結し回転させる1つまたは複数の連結モジュール(15,16)を備え、前記1つまたは複数の連結モジュール(15,16)は、前記シェル(14)に回転可能に取り付けられて、後者が前記回転軸(R)周りに回転するのを許容するものとされていることを特徴とする、請求項1に記載の安全スイッチ。
【請求項3】
前記電気的接続手段は、前記コントローラ(13)の前記スイッチング手段への電気的接続のための少なくとも1つの接続モジュール(23)を備えることを特徴とする、求項2に記載の安全スイッチ。
【請求項4】
前記少なくとも1つの接続モジュール(23)は、前記回転軸(R)周りを回転するように前記連結モジュール(15,16)の1つに回転可能に取り付けられていることを特徴とする、請求項3に記載の安全スイッチ。
【請求項5】
前記少なくとも1つの接続モジュール(23)は、プラント制御ユニットに配線するため前記コントローラ(13)および/または前記スイッチング手段を接続するそれぞれのケーブル系統に接続された、1つまたは複数のコネクタ(25,26,27,29)を備えることを特徴とする、請求項3記載の安全スイッチ。
【請求項6】
前記押ボタンパネル(12)は、少なくとも一部に1つまたは複数の仮想コントローラが再生されうるタッチパネル(28)が備えられた前面を有し、前記機械またはプラントの1つまたは複数の前記制御回路および/またはサービス回路に関連付けられる制御機能および/またはシグナリング機能を前記仮想コントローラの各々と関連付けるように適合されたマイクロプロセッサをさらに備えることを特徴とする、請求項1記載の安全スイッチ。
【請求項7】
前記押ボタンパネル(12)は、システムの前記制御回路および/またはサービス回路の各々のステータスに関する光信号を送信するための1つまたは複数のLEDライトを備えることを特徴とする、請求項1記載の安全スイッチ。
【請求項8】
前記シェル(14)は、前記ケーシング(4)と前記シェル(14)との間の前記回転軸(R)周りの相対回転を許容するように設計された第1中間接続モジュール(30)を介在させて、前記ケーシング(4)と軸方向に整列されていることを特徴とする、請求項1記載の安全スイッチ。
【請求項9】
前記第1中間接続モジュール(30)は、一方の側が前記ケーシング(4)に他方の側が前記シェル(14)に脱着可能に連結されるように適合され、前記シェル(14)と係合するように軸方向に延出する少なくとも部分的に円筒形のガイド要素(31)を備えることを特徴とする、請求項8に記載の安全スイッチ。
【請求項10】
前記押ボタンパネル(12)の前記シェル(14)は、それぞれのカップリング要素を備え、各1つが2つの異なる押ボタンパネル(12,12’)の軸方向に整列したシェル(14,14’)を接続するように適合された1つまたは複数の第2接続モジュール(32)がさらに設けられており、前記第2接続モジュール(32)の各々は、前記整列したシェル(14,14’)につながるように適合されたそれぞれのカップリング要素(33,34)を備えることを特徴とする、請求項8記載の安全スイッチ。
【請求項11】
前記接続モジュール(23)は、前記プラント制御ユニットに配線するための前記コントローラ(13)および前記スイッチング手段の接続ケーブルに接続された、1つの多極コネクタ(27)を備えることを特徴とする、請求項に記載の安全スイッチ。
【請求項12】
前記接続モジュール(23)は、前記プラント制御ユニットに配線するための前記スイッチング手段のケーブルおよび前記コントローラ(13)の接続ケーブルにそれぞれ接続された、一対の多極コネクタ(25,26)を備えることを特徴とする、請求項に記載の安全スイッチ。
【請求項13】
前記接続モジュール(23)は、前記プラント制御ユニットに配線するための前記スイッチング手段のおよび前記コントローラ(13)の接続ケーブルに接続された、1つまたは複数の接続ケーブル(29)を備えることを特徴とする、請求項に記載の安全スイッチ。
【請求項14】
前記押ボタンパネル(12)および/または前記スイッチング装置(3)は、前記機械またはプラント制御手段にデータを伝送するためのつまたは複数の通信バス備えることを特徴とする、請求項1記載の安全スイッチ。
【請求項15】
前記制御手段に介入する権限を有するオペレータを識別するための装置を有し、メモリに蓄積された確認コードとの比較のため前記制御手段に送信されるべき識別コードが入力されると受信するために前記制御手段に接続されたRFIDタグを備えたロック/ロック解除手段を備えることを特徴とする、請求項14に記載の安全スイッチ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、産業用の電気的装置の分野に用途が見いだされ、特に、機械または産業プラントへのアクセスを監視するため、分離もしくは一体化されておりバリアまたは保護パネルに適用するのに必要な場合には分離できる押ボタンパネルが装備された、安全スイッチに関する。
【背景技術】
【0002】
知られているように、機械または産業プラントへのアクセスは、オペレータによる操作境界への自発的または突発的な侵入を防ぐ対策手段を通じた、絶え間ない観察を必要とする。
【0003】
この目的のため、バリア、境界および保護パネルといったアクセスは、概して、機械またはシステムの電源回路ならびに場合によっては補助サービス回路に接続された、1つまたは複数の安全装置を備える。
【0004】
ここで、境界内部のアクセスは、機械またはシステムのまたは危険部分の封鎖の後でのみ許容される。
【0005】
適切な回路が、機械またはシステムの操作ステータス、およびシステムのあらゆる部分に影響しうるあらゆる動作異常の両方を、コンスタントにリポートする。
【0006】
概して、安全スイッチは、バリアの固定部分に連結されるように意図され、外部からのコマンドに応じて開放/閉鎖またはロックを決定したり信号を送信したりするため、機械またはプラントの電源供給および/またはサービス回路に接続されるのに適した様々な回路を収容するスイッチング装置を備えている。
【0007】
可動部分には、代わりにアクチュエータ装置があり、これは、閉鎖および/または封鎖されたアクセスステータスを示したり、特定の機械またはシステム用に予め規定された安全条件が満たされていない場合にはアクセスの開放を防止したりする様々な信号を作り出すために、スイッチング装置と相互作用する役割を有する。
【0008】
スイッチング装置とアクチュエータ装置との間の相互作用は、機械的なもしくは電気機械的な手段によって、または電気的で場合によっては非接触の手段によって、達成できる。
【0009】
第1の場合、アクチュエータ装置は、スイッチング装置の内部に収容されたロック/ロック解除メカニズムと相互作用するためにスイッチング装置の特定のスロットの内部に挿入される、例えばキータイプのアクチュエータを備える。
【0010】
このメカニズムは、安全でない条件下または権限のない人間によるアクチュエータの開放と、これに伴うアクセスの開放の可能性を防止するように、設計される。
【0011】
電気的に操作されるスイッチの場合、2つの装置の間の相互作用は、アクチュエータ装置のスイッチング装置へのプレゼンス信号の送信に続いて起こる。
【0012】
幾つかの場合、アクチュエータ装置はまた、スイッチング装置に存在するロック/ロック解除メカニズムと相互作用する、保持および/またはセンタリング要素を備える。
【0013】
例えば同じ出願人名義の国際特許第2017/208124号に、スイッチの一例が記載されており、このスイッチング装置は、機械的な補助解放を擬制し、保持およびセンタリング要素を封鎖するピンに直接働いてこれを離すように構成されたマッシュルームヘッドボタンを備えた、緊急補助モジュールと関連付けられている。
【0014】
スイッチング装置の機能は、例えば1つまたは複数のサービスサインを送信するため、ロック-ロック解除メカニズムにまたは補助回路に働くことを許容する1つまたは複数の付加的な押ボタンもしくは電気機械的制御装置を適用することによって、実現できる。
【0015】
概して、コントローラは、ボタン、キーセレクタもしくは他のタイプのアクチュエータ装置とすることができ、スイッチング装置のハウジングに直接的もしくは間接的に適用できる押ボタンパネルに集められる。
【0016】
例えば、第1の場合、スイッチング装置は、コントローラの配線後に、通常のカバーの代わりにハウジングに直接適用される制御サポート板を備えていてもよい。
【0017】
この解決法は幾つかの欠点を有しており、その1つは、制御されるべき回路との接続を確立するためケーシング内部に置かれた制御ユニットとコントローラとの高度に複雑な配線によって、表される。
【0018】
これらの解決法はまた、比較的限定された柔軟性を有しており、特に、スイッチング装置の連結モードまたはアクセス開放/閉鎖モードに応じた最適な場所にコントローラを配置することが許容されない。
【0019】
この解決法の変形例によれば、押ボタンパネルに端子台が装備され、接続を単純化するようにハウジング内部の端子台に接続されるが、配置の柔軟性の限界を超えることはない。
【0020】
装置の外部に押ボタンパネルを有する解決法では、押ボタンパネルから出ているケーブルの直接的な配線が常に必要とされ、これに伴う押ボタンパネルの入口および出口の配線の存在が、押ボタンパネルおよびスイッチの正しい組立の障害や足跡となる。
【0021】
さらに、個々のコントローラを装置の内部回路に接続する必要があるため、組立作業が骨の折れる複雑なものとなり、これに伴って全体コストが増加する。
【0022】
上記した解決法のさらなる共通限界は、特に利用可能なスペースが限定されることにより、同じスイッチと関連付けることができるコマンド数が少ないこと、ならびに装置のカスタマイズの可能性が限定されることである。
【発明の概要】
【0023】
本発明の目的は、産業機械またはプラントの制御へのアクセスに適用可能な、高い効率と相対的経済性を特徴とする押ボタンパネル付安全スイッチを提供することにより、上記した欠点を克服することである。
【0024】
特定の目的は、比較的迅速かつ容易に押ボタンパネルに関連付けることができる、安全スイッチを提供することである。
【0025】
さらに別の目的は、ユーザーのニーズに応じて、スイッチに対する押ボタンパネルの配置を迅速にかつ高い柔軟性をもって変更できる、押ボタンパネル付安全スイッチを提供することである。
【0026】
さらに別の目的は、これに関連付けられたコマンドのカスタマイズの可能性を提供する、押ボタンパネル付安全スイッチを提供することである。
【0027】
さらに別の目的は、安全でない条件下または権限のない人間によるアクセスの開放、および閉鎖アクセス条件下でのあらゆる取り外しの試み、のどちらに対しても安全性の高い、押ボタンパネル付安全スイッチを提供することである。
【0028】
さらに別の目的は、高いモジュール性と様々な構成の可能性を有する、押ボタンパネル付安全スイッチを提供することである。
【0029】
さらに別の目的は、スイッチに対して押ボタンパネルが美的に均一なプロファイルを有し、これと関連付けられるスイッチの部分に似た手段でアクセスに適用できる、押ボタンパネル付安全スイッチを提供することである。
【0030】
さらに別の目的は、取り外しまたは不正変更の試みに対して高い安全度を有する、押ボタンパネル付安全スイッチを提供することである。
【0031】
大事な目的は、1つまたは複数の通信バスに接続できる、押ボタンパネル付安全スイッチを提供することである。
【0032】
これらの目的、ならびに以下により明らかに表されるであろう他の目的は、請求項1に記載の、監視されるべきアクセスの固定部分に連結されるように適合され、プラントの1つまたは複数の制御および/またはサービス回路に連動してこれらを開放/閉鎖するように適合されたスイッチング手段を収容するケーシングを有するスイッチング装置と、アクセスの可動部分に連結されて、プラントの1つまたは複数の制御および/またはサービス回路を開放/閉鎖するためアクセスの開放/閉鎖時にスイッチング手段と相互作用するように適合されたアクチュエータ装置と、複数のコントローラを備えてプラントの1つまたは複数の制御/またはサービス回路上で動作する押ボタンパネルと、を備える押ボタンパネル付安全スイッチによって達成される。
【0033】
押ボタンパネルは、ボタンと、前記アクセスの固定部分に連結するための手段と、を収容するシェルを備え、前記連結手段は、前記スイッチング装置に対する向きが変わるように、シェルが回転軸の周りを回転するのを許容するように適合されている。
【0034】
この特徴の組み合わせのおかげで、押ボタンパネルをスイッチング装置に隣接するか重なる位置に連結しながら、利用可能なスペースと前記アクセスの開放/閉鎖方法に応じて独立して向きを調整できるようにすることが可能になるであろう。
【0035】
押ボタンパネルは、全体として均一な外観と美的な均質性を提供するため、スイッチング装置のものと非常に似た美的外観を有するであろう。
【0036】
有利には、接続手段は、前記回転軸の周りを回転するようにシェルまたは適切な連結モジュールに取り付けることができる、少なくとも1つの接続モジュールを備えていてもよい。
【0037】
このようにすれば、接続モジュールもまた、付属のコントローラから独立して回転でき、スイッチの構成における一層大きな柔軟性が保証される。
【0038】
可能な組み合わせの数を増加させるために複数の連結モジュールを適用し、同じスイッチに複数の押ボタンパネルを適用したり、スイッチング装置および押ボタンの複数のペアを列状に取り付けたりすることも可能であろう。
【0039】
適切には、押ボタンパネルは、少なくとも一部に複数の仮想コマンドを有するタッチパネルが備えられた前面を有していてもよく、前記機械またはプラントの1つまたは複数の回路と関連付けられる制御および/またはシグナリング機能を前記仮想コマンドの各々と関連付けるためのマイクロプロセッサをさらに備える。
【0040】
「タッチパネル」の語は、ユーザーによって及ぼされた圧力または単純な接触に敏感であって、入力装置としても機能するスクリーンを示すのに使用されている。
【0041】
この付加的な特徴により、機能性を増加させるために、タイプの異なった多重仮想コマンドと押ボタンパネルを関連付けることができる、つまり、プラントの1つまたは複数の回路のステータスに関する情報を送信するための視覚的または光信号を再生し、安全性を増加させることが可能であろう。
【0042】
特定の構成によれば、限定的でない一例として、前記押ボタンパネルのシェルは、前記ケーシングと前記シェルとの間の前記軸周りの相対回転を許容するように設計された接続モジュールを介在させて、前記ケーシングと軸方向に整列して取り付けられてもよい。
【0043】
さらに、前記接続モジュールは、プラント制御ユニットに配線するための前記コントローラおよび前記スイッチング手段の接続ケーブルに接続された、1つのコネクタを備えていてもよい。
【0044】
代替変形例によれば、前記接続モジュールは、システム制御ユニットに配線するための前記スイッチング手段のケーブルおよび前記コントローラの接続ケーブルにそれぞれ接続された、一対のコネクタを備えていてもよい。
【0045】
さらに、前記接続モジュールは、システム制御ユニットに配線するための前記スイッチング手段および前記コントローラの接続ケーブルに接続された、接続ケーブルを備えていてもよい。
【0046】
いずれの場合でも、このように構成されたスイッチは、装置内部の直接配線を要することなく、プラントの制御ユニットとコネクタもしくはコネクタ類、またはケーブルとを接続して、押ボタンパネルコマンドとスイッチング手段との接続を実現するのに十分であろうから、特に迅速に設置され便利であろう。
【0047】
有利な本発明の実行の形態は、従属請求項に従って得られる。
【図面の簡単な説明】
【0048】
本発明のさらなる特徴および利点は、添付の図表を用いて非限定的な例として示される、本発明による安全スイッチの好ましいが排他的ではない実施形態の詳細な説明に照らしてより明らかになるであろう。
図1図1は、閉鎖されたアクセスに適用された、第1の好ましい構成によるスイッチの斜視図である。
図2図2は、開放されたアクセスに適用された、図1のスイッチの斜視図である。
図3図3は、図1の押ボタンパネルの斜視図である。
図4図4は、図3の押ボタンパネルの分解斜視図である。
図5図5は、3つの異なる変形例による、図3の押ボタンパネルの正面図である。
図6図6は、閉鎖されたアクセスに適用された、第2の好ましい構成のスイッチの斜視図である。
図7図7は、開放されたアクセスに適用された、図6のスイッチ押ボタンパネルを備えたスイッチング装置の斜視図である。
図8図8は、第1操作条件で組み立てられた、図6のスイッチング装置の斜視図である。
図9図9は、第2操作構成で組み立てられた、図6のスイッチング装置の斜視図である。
図10図10は、図6のスイッチング装置の分解斜視図である。
図11図11は、3つの異なる変形例による、図6のスイッチング装置の正面図である。
図12図12は、軸方向に相互に接続された2つの押ボタンパネルの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0049】
添付の図面を参照しつつ、機械または産業プラントを保護するために配された境界または安全バリアのアクセスに適用可能な、本発明による安全スイッチの好ましいが排他的でない幾つかの構成が表される。
【0050】
概して言えば、アクセスAには、既知なので以下では詳しく記載しない方法によって、これが開放されたとき、または例えば高慣性の機械の場合の開放もしくは単にこのロック解除のためのリクエスト、またはオペレータの介入を許容するためにロック解除もしくは開放が起こった信号を送信するため、機械またはプラント或いはこれらの部分の作動を阻止するように設計された、特別な電気的もしくは電気機械的な安全装置が、適切に装備される。
【0051】
図1および2は、左揺動開口を有するアクセスAに適用された、全体を1で示す安全スイッチの、第1の構成および組立モードを示している。
【0052】
スイッチは、監視されるべきアクセスAの可動部分Mに連結されるように構成されたアクチュエータ装置2を備えており、アクセスAの開放時に、機械またはプラントの特徴にも基づいて、既知の方法によって機械またはプラントの電源供給回路と相互作用し、即時のもしくは時限的なシャットダウンを実行するものとされる。
【0053】
アクセスAの固定フレームFには、これらを制御するため、プラントの1つまたは複数の安全もしくはコマンドおよび/またはサービス回路と連動するように適合された、これ自体は示されていないスイッチング手段を内部に収容するケーシング4を有するスイッチング装置3が、代わりに取り付けられている。
【0054】
代替変形例によれば、第1のものが可動部分Mに第2のものが固定部分Fに取り付けられた、アクセスAに対するスイッチング装置3およびアクチュエータ装置2の配置は、入れ替えることができる。
【0055】
既知のように、また安全な方法で、アクセスAの閉鎖および開放およびこれに伴うアクチュエータ装置2との相互作用に続いて、機械またはプラント或いはこれらの部分の開始または停止を決定するために、スイッチング手段は、本発明の部分ではないため示されていない機械またはプラントの制御ユニットに、接続されるであろう。
【0056】
本発明のアクチュエータ装置2の構成およびこれとスイッチング装置3との相互作用の方法は、限定されるものではなく、当分野における汎用のものから選択できる。
【0057】
図示された構成では、限定されるものではない例示として、アクチュエータ装置2は、ハンドル6を備えてアクセスAの可動部分Mに固定されるように設計された、連結ボディ5を備える。
【0058】
アクセスAが閉鎖されたときに、スイッチング装置2のケーシング4に形成された前面センタリング穴8に係合するように、連結ボディ5からこの後方に保持およびセンタリング要素7が突出する。
【0059】
既知のように、2つの装置がアクセスAの対応する部分に取り付けられたときのこれらの間の位置合わせ不良およびクリアランスを埋め合わせるため、センタリング穴8は適切に広がってよい。
【0060】
ケーシング4はまた、その機械またはプラント用に予め規定された安全条件が満たされていない場合には、センタリング穴8内部に挿入されたときに保持およびセンタリング要素7と相互作用して、これの穴7からの抽出と、これに伴うアクセスAの開放の可能性を防止するのに適した、図示しないロック/ロック解除手段を内部に有している。
【0061】
センタリング穴8の位置は、維持およびセンタリング要素7の挿入方向にも応じて、特に制限されることなく適切に変更できる。
【0062】
例えば、スライド式扉(sliding closure)を有するアクセスAの場合、センタリング穴8はケーシング4の側面に配置されていてもよく、常にケーシング4の前面に配置されていてもよいが、これは図示された実施形態に関しては鉛直軸の周りを90°回転されるであろう。
【0063】
保持およびセンタリング要素7の機械的保持を行うにはあらゆるタイプのメカニズムを用いてもよいため、本発明のロック/ロック解除手段の構成は限定されるものではなく、リテーナもしくは格納式の歯によって機械的に、または電磁石で形成された磁気ブロックで係合し、これを挿入位置に保持するものとされる。
【0064】
この目的のため、保持およびセンタリング要素7には、上記のリテーナに係合されるのに適した溝9が設けられるであろう。
【0065】
ケーシング4の内部には、停止、可能化および/またはシグナルコマンドを送信するため、機械またはプラントの1つまたは複数の制御および/またはシグナリング回路と接続されるのに適した電気および/または電気的制御手段も配される。
【0066】
適切には、維持機構は、アクセスAの安全な開放のための全ての条件が確認されたときにのみ維持およびセンタリング要素7の係合解除を許容する制御手段によって、制御されるであろう。
【0067】
アクチュエータ装置2がもはやスイッチング装置3の近傍にないことを確認することによってアクセスAの開放を検知するため、図面には表れていない検知手段も設けられ、アクセスAの開放を検知した後に上記制御装置にコマンドを送信して、機械またはシステムを停止するものとされる。
【0068】
同時に、スイッチ1に与えられた安全度にも基づいて、維持およびセンタリング要素7が既に開放された後に、即時にまたは時限的に機械またはプラントを停止するため、制御手段がロック/ロック解除メカニズムに接続されていてもよい。
【0069】
図面の構成では、検知手段は、アクチュエータ装置2と関連付けられ、プレゼンス信号を送信するように適合されたトランスミッターと、スイッチング装置3と関連付けられてアクセスAの閉鎖を考慮するのに十分な予め決められた値と少なくとも等しくなったときにプレゼンス信号を受信するように適合された少なくとも1つのレシーバーと、を備える。
【0070】
この条件で、他の諸々の安全条件が確認された場合に、システムのスタートを可能にできるプレゼンス信号が制御手段に送信されるであろう。
【0071】
一例として、トランスミッターは、RFIDレシーバーもしくはアンテナに独自の識別信号を送信するトランスポンダーもしくはタグ/RFID(Radio Frequency Identification)とされてよい。
【0072】
タグ/RFIDは、電波を介した、ホール効果を介した、磁界を通した、超音波もしくは同種のものを介したデータ伝送といった、機械的なキーもしくは電気的認証システムと置き換えられてもよい。
【0073】
有利には、RFIDタグは、レシーバーもしくはアンテナに接続された制御手段によって一義的に認識されるようにコードされ、担当でないアクチュエータ装置の使用を防止して、例えば国際特許第2013098788号に記載された既知の方法により、アクセスAの安全でない開放のリスクを回避してもよい。
【0074】
RFIDタグのアクチュエータ装置2への接続方法は限定されるものではなく、より詳しく記載されることもない。単なる例示目的であるが、RFIDタグは、連結ボディ5の内部に形成された図示しない特定のシートに収容されていてもよい。
【0075】
図示しない代替構成によれば、スイッチ1は、電気機械的に操作されてもよく、すなわち、アクチュエータ装置は、ロック/ロック解除メカニズムと物理的に相互作用するように、アクセスAの閉鎖の際にスイッチング装置のケーシングの特定のスロットに挿入するのに適した、例えば通常はキーによって規定される機械的アクチュエータを備えてもよい。
【0076】
また、本発明のスイッチング装置3は限定されるものではなく、当分野における汎用のものから選択できる。
【0077】
例えば、限定的でない例として図示された構成において、スイッチング装置3は、ロック/ロック解除機構の手動開放を許容するように設計されたキーもしくはスクリュードライバといったその他の補助的なリリースツール、或いは、物理的リリースボタン、
好ましくは機械の緊急停止のためにロック/ロック解除機構に機械的に接続されたマッシュルーム11、によって操作されるのに適合されたタイプの補助ロックリリース10を備える。
【0078】
スイッチング装置3は、遠隔配置されていてもよく、すなわち、図示されているものとは異なった場所に位置して、例えばボーデンケーブルといった電気的もしくは機械的制御や水圧式もしくは空気圧式の回路または類似手段によって開放を作動させるように適合されてもよい。
【0079】
スイッチング装置3はまた、さらなる制御手段を備え、これは、制御手段に接続されており、後者に機械またはシステムの回路によるこれに伴う反応のため、1つまたは複数の通信バスを介しても、1つまたは複数のアクティブ化/非アクティブ化および/またはシグナリングコマンドを送信するように適合されている。
【0080】
特に、制御手段は、直接的もしくはプラントの制御ユニットを通して間接的にもしくは直接的にスイッチング手段に接続されるのに適した複数のコントローラ13を備えた押ボタンパネル12を備え、プラントの1つまたは複数の制御および/またはサービス回路にオペレータが介入するのを許容する。
【0081】
特に、コントローラ13は、スイッチング手段と相互作用して電気的スイッチングを行い、これに伴う出力をプラントもしくは機械の制御および/またはサービス回路に送信するのに適した、押ボタンパネル12の内部にあるために図示されていないそれぞれのコンタクトユニットを、各々備えてもよい。
【0082】
より一般的な構成では、押ボタンパネル12は、これにコントローラ13が固定され、上記のコンタクトユニットを収容するシェル14と、アクセスAの固定部分Fに連結される1つまたは複数のモジュールと、を備える。
【0083】
図3の構成における2つの連結モジュール15,16は、シェル14に回転可能に取り付けられ、使用時は実質的に垂直に、スイッチング装置3に対するこれの向きを変えるように、後者が回転軸Rの周りを回転するのを許容する。
【0084】
特定の変形例によれば、押ボタンパネル12は、回転可能な連結のためのモジュールを欠き、代わりに他の回転連結手段を備えており、最も単純な構成では、これはシェル14の様々な面に配置された同じく単純な穴であってよく、少なくとも互いに90°回転する異なる2方向にこれらを固定することが許容される。
【0085】
例えば、連結手段は、シェルの反対側の面から伸びる1対または複数対の互いに交差する貫通穴によって規定されてもよく、選択された向きに応じて、ねじもしくは類似の固定部材が各対の一方の穴のみに選択的に係合するものとされる。
【0086】
典型的だが限定的ではない特定の構成では、押ボタンパネル12は、スイッチング装置3と同じ軸方向寸法を有していてもよい。
【0087】
図1および2の構成では、シェル14が、コントローラ13をスイッチング装置3のケーシング4の前面に対して同じ面に配置するように向けられていることが観察される。
【0088】
しかしながら、同じ押ボタンパネル12が示されている図3では、前の構成に対してシェル14が90°回転されている。
【0089】
図4からより明確に認められるように、押ボタンパネル12は、シェル14の対向する反対面に固定され、固定ねじもしくは類似部材を挿入するための穴17,18を各々備えた、上連結モジュール15および下連結モジュール16を備える。
【0090】
上および下の語は、添付の図面を参照して単に単純化の目的で使用されているが、2つのモジュール15,16は上下逆に取り付けられていてもよいことが理解される。
【0091】
シェル14の下および上面は、連結モジュール15,16それぞれの対応する雌/雄タイプの要素とカップリングするのに適した、それぞれ雄/雌タイプのカップリング要素を備える。
【0092】
図示された特定の構成では、雄タイプのカップリング要素は、これらに対するシェル14の回転を許容するため、それぞれの連結モジュール15,16に設けられた円形溝によって規定される対応する雌要素との係合に適した円筒形の軸突起19,20によって規定される。
【0093】
回転を調整した後、それぞれの軸通路21に挿入された軸ねじもしくは類似の固定部材によって、シェル14の連結モジュール15,16に対するロックが行われるが、軸通路21は、連結モジュール15,16および接続モジュール23に設けられた貫通穴を通ってシェル14および連結モジュール16および接続モジュール23の内部に伸びており、これらを覆ってアクセスを防止し、また権限のない人間によるこれらの脱着の証拠を提供するのに適した盗難防止キャップ22もしくは他のシーリング手段によって、閉鎖されてもよい。
【0094】
盗難防止キャップ22は、これらの抽出を促進するいかなる要素も存在しなくなるように、対応する貫通穴にぴったりとフィットするように適合され、これらの再挿入を防止して脱着の試みの直接的な証拠を与えるように、脱着された場合は破損するように構成されるであろう。
【0095】
このようにすれば、類似のアクションの痕跡を残すことなく、連結モジュール15を脱着したり、押ボタンパネル12を分解したりすることは、不可能であろう。
【0096】
前面穴17,18はまた、関連ねじもしくは類似の固定要素へのアクセスを防止するように設計された盗難防止キャップもしくは類似のシーリング手段で再び閉鎖されてもよい。
【0097】
類似の固定部材および関連シーリング手段は、スイッチング装置3とも関連付けられていてもよい。
【0098】
このようにすれば、スイッチ1は、部分的にでもこれの脱着や分解を目的とし、アクセスAを安全でない状態に導きうるあらゆるアクションから、常に適切に保護されるであろう。
【0099】
押ボタンパネル12はまた、コントローラ13とスイッチング手段とを接続するためのモジュール23を備える。
【0100】
図示された構成によれば、接続モジュール23は、2つの連結モジュール15,16のうちの1つ、特に連結モジュール16に、回転軸Rの周りを回転するように取り付けられ、特定の操作ニーズによって方向付けられるものとされていてもよい。
【0101】
図5は、上記した押ボタンパネル12の3つの変形例を示しており、これらはコントローラ13のタイプおよび接続モジュール23の構成において異なっている。
【0102】
しかしながら、押ボタンパネル12は、コントローラ13のタイプおよび/または数において、および/または接続モジュール23のタイプにおいて、異なる構成を有していてもよく、理論的に特に限定されないことが理解される。
【0103】
実際、1つまたは2つのスイッチング装置、或いは他の押ボタンパネルに適用されるのに適した、そして高さが減少もしくは増加したシェル14を有する、押ボタンパネル12が設けられていてもよい。
【0104】
左から1番目の変形例では、押ボタンパネル12は、2つの押ボタン13と、回転によってロック解除できる緊急コントローラ24と、を備える。
【0105】
接続モジュール23は、2つの多極コネクタ25,26を含み、これらは、プラント制御ユニットに配線するためのコントローラ13,24のそれぞれの接続ケーブル系統に接続されうる。
【0106】
中央の変形例では、押ボタンパネル12には、3つの押ボタン13、および上の緊急コントローラ24が装備されている。
【0107】
接続モジュール23は、1つの多極コネクタ27を備えており、プラント制御ユニットに配線するためのボタン13の全ての接続ケーブルが、これに接続されうる。
【0108】
どちらの構成においても、1つまたは複数のボタン13およびコントローラ24は、システムのそれぞれの回路のステータスに関する光信号を送信するためのLEDライトと置き換えられていてもよく、或いは、同じボタン13に、ボタンが押された後に光るように設計されたLEDライトが装備されていてもよい。
【0109】
さらなる変形例によれば、表示灯、セレクタ、ポテンショメータ、緊急ボタン、ブザー、アクセス制御用バッジ読取機、指紋読取機、虹彩読取機、生体情報読取機もしくは顔認証用カメラ等および/または様々な数のボタンといったさらなる装置が、押ボタンパネル12のカバーに適用されていてもよい。
【0110】
3番目の右側の変形例では、押ボタンパネル12は、複数の仮想コマンドを再生するように設計されたタッチパネル28を備えた前面を有しており、仮想コマンドはモニター上に画像的に再生され、これらの機能はタッチパネル28に接続されたマイクロプロセッサによって適切に管理されて、システム制御ユニットを介した機械またはシステムの回路の1つへの関連付けのため、各仮想コマンドが特定の制御および/またはシグナリング機能と関連付けられるであろう。
【0111】
要するに、タッチパネル28の特定の各エリアに特定の機能がプログラム可能な方法で割り当てられて、オン/オフボタン、セレクタ、停止ボタン、両手安全コマンド(two-hand safety command)、画像および/または音声信号送信用および/またはオーディオおよび/またはビデオ出力再生用のボタンといった従来のコマンドの機能が再生されるであろう。
【0112】
特定の仮想コントローラをタッチすることで、マイクロプロセッサから制御手段に特定の信号が送信されるが、これは、仮想コマンドと関連付けられたアクションを行うように、リアルなコマンドを備える装置で起こるのと全く類似した方法で、機械またはプラントの1つまたは複数の回路上で動作するであろう。
【0113】
仮想コマンドに付託されるアクションは、安全機能を有するアクションおよび安全機能を有しないアクションのどちらであってもよい。
【0114】
最初の変形例では、接続モジュール23は、プラント制御ユニットに配線するためのコントローラ13,24の接続ケーブルに接続された接続ケーブル29を、代わりに備える。
【0115】
様々なモジュールに設けられたケーブル用の1つまたは複数の出力は、理論的に特に限定されるものではなく、軸方向または横方向のどちらであってもよい。
【0116】
例えば、1つまたは複数の引出しケーブルは、様々なモジュールの後面に配置された所謂ブレイクアウト引出し(breakout exit)によって規定されてもよい。
【0117】
図示しない変形例によれば、押ボタンパネル12が接続モジュール23を欠いており、この場合は、シェル14が、ケーブルを横方向もしくは後方に引き出すため後壁もしくは側壁の1つに配された1つまたは複数のブレイクアウト穴備えていてもよい。
【0118】
図6および7は、押ボタンパネル12をスイッチング装置3に接続する第2の方法を示しており、押ボタンパネル12のシェル14は、同じ回転軸Rの周りのケーシング4とシェル14との間の相対回転を許容するように設計された中間接続モジュール30を介在させて、ケーシング4と同軸に取り付けられている。
【0119】
図8および9は、シェル14が90°回転され、2つの異なった角度に向くようにスイッチング装置3に軸方向に接続された押ボタンパネル12を示している。
【0120】
図10からより明確に認められるように、ケーシング4とシェル14との間の回転可能な接続は、第1接続モジュール30によって得られるが、これは一方の側をケーシング4に、反対側をシェル14に、脱着可能かつ回転可能に連結されていてもよい。
【0121】
第1接続モジュール30は、一方の側に、軸方向に伸びてシェル14の下円筒形突起20と回転可能に係合する少なくとも部分的に円筒形状のガイド要素31によって規定される、雄タイプのカップリング要素を備える。
【0122】
反対側には、第1接続モジュール30は、ケーシング4の軸突部を収容するのに適当な形状とされた、図面には表れていない雌タイプのカップリング要素を、代わりに備える。
【0123】
第1接続モジュール30はまた、シェル14の回転を制約するための手段を備えていてもよく、これが、360°を超えた、より好ましくは270°を超えた、接続ケーブルの過度のねじれやこれに伴う損傷を招き兼ねない、シェル14の回転を防止してもよい。
【0124】
同様に、付加的モジュール15,16もまた、内部接続配線のキンキング(よじれ、kinking)を回避するように、回転を制限するための手段備えていてもよい。
【0125】
この変形例では、押ボタンパネル12は、1つの連結モジュール15を備えてもよく、スイッチング装置3および押ボタンパネル12によって形成される組立品全体の固定は、連結モジュール15によって、また例えば既知のようにこれ自体は図示されないそれぞれの固定部材の挿入のためにケーシング4に形成された貫通穴35でありうるケーシング4の固定手段によって、保証されるであろう。
【0126】
前面穴35は、盗難防止キャップ、或いは関連ねじや類似の固定要素へのアクセスを防止するように設計された同様のシーリング部材によって、再び閉鎖されてもよい。
【0127】
図示された構成では、接続モジュール23は、1つの連結モジュール15と接続されており、押ボタンパネル12のボタン13およびコントローラ24とを接続するためのコネクタと、同じくスイッチング装置2のスイッチングおよび制御手段とを接続するためのコネクタと、の両方を備えている。
【0128】
接続モジュール23はまた、連結モジュール15に対して回転されて、組立品の全てのパーツが互いに独立して回転しうるものとされていてもよく、固定フレームFへの取付けタイプおよびユーザーにとって好ましい介入のために最適な配置が取られる。
【0129】
また接続モジュール23にも、内部接続配線のキンキングを回避するため、回転を制限する手段が設けられていてもよい。
【0130】
理想的な構成が一旦規定されると、上記したのと同様にして、すなわち、上接続モジュール23の貫通穴を通って差し込まれ、シェル14およびケーシング4の対応する軸通路21、並びに全ての他の中間モジュールに挿入されうる、軸ねじまたは類似の要素によって、回転ロックが達成されるであろう。
【0131】
この場合も、接続モジュール23の貫通穴が、盗難防止キャップ22もしくは他のシーリング手段を備えていてもよい。
【0132】
図11は、上記したスイッチング装置3および押ボタンパネル12からなる組立品の3つの変形例を示しており、これらはコントローラ13のタイプおよび接続モジュール23の構成において異なっている。
【0133】
この場合も、押ボタンパネル12は、コマンドのタイプおよび/または数において、および/または接続モジュール23の構成において、異なる構成を有していてもよく、理論的に特に限定されないことが理解される。
【0134】
左から1番目の変形例では、押ボタンパネル12は、2つのボタン13と、回転によってロック解除できる緊急コントローラ24と、を備える。
【0135】
接続モジュール23は、例えば各々が12個のピンを有する2つの多極コネクタ25,26を備えており、これらは、プラントの制御ユニットに配線するためのコントローラ13,24の接続ケーブルおよびスイッチング手段のケーブルにそれぞれ接続されるであろう。
【0136】
中央の変形例では、押ボタンパネル12には、3つのボタン13、および緊急コマンド24が装備されている。
【0137】
接続モジュール23は、例えば19-ピンの1つの多極コネクタ27を備えており、プラント制御ユニットに配線するためのコントローラ13,24およびスイッチング手段の全ての接続ケーブルが、これに接続されるであろう。
【0138】
どちらの構成においても、1つまたは複数のボタン13は、システムのそれぞれの回路のステータスに関する光信号を送信するためのLEDライトと置き換えられていてもよく、或いは、ボタン13そのものに、ボタンが押された後でスイッチングするのに適したLEDライトが装備されていてもよい。
【0139】
LEDの代わりに、表示灯、セレクタ、ポテンショメータ、緊急ボタン、ブザーおよび類似物が設けられていてもよい。
【0140】
3番目の右側の変形例では、押ボタンパネル12は、上記したタッチパネル28を備えた前面を有している。
【0141】
接続モジュール23は、制御ユニットに配線するためのコントローラ13,24およびスイッチング手段をプラントの接続ケーブルに接続された、接続ケーブル29を備える。
【0142】
代替変形例によれば、接続モジュール23は、異なるタイプのコネクタ、例えば二重ケーブルを有していてもよく、例えばフレームを通過させたい場合、これは軸方向または横方向に存在していてもよい。
【0143】
後者の場合、コネクタは、特定のニーズによって配置されうるため、接続モジュールが回転できることは特に有利である。
【0144】
図示されないさらなる構成によれば、押ボタンパネルは、第1制御カードを収容していてもよく、これの内部は、直接的に、或いはスイッチング装置のハウジング内に収容された第2制御カードを通して、システム制御ユニットに接続できる。
【0145】
さらに、第1制御ボードに配線済の出力ターミナルを有する第1ターミナルブロックが、シェル内に収容されていてもよい。
【0146】
さらに、シェルは、コントローラを備え、コントローラの接続のための第1ターミナルブロックの入力端子に接続されるように適合された第2ターミナルブロックを有する、着脱可能なカバーを備えていてもよい。
【0147】
この構成は、エンドユーザーが安全機能に介入できなくとも、自身のニーズに応じてコントローラを接続し、スイッチのオペレーションをカスタマイズするのを許容するという利点を有するであろう。
【0148】
上記した様々なバージョンに可不可なく適用できるさらなる変形例によれば、押ボタンパネル12および/または装置3は、1つまたは複数の通信バスを備えるが、これは安全でも安全でなくともよく、全ての信号が限定された数のケーブルで伝送されるのを許容し、比較的多数のケーブルの配線が避けられるであろう。
【0149】
最後に、図12はさらなる構成を示しているが、ここでは、2つの押ボタンパネル12,12’が、シェル14,14’の間の回転可能な接続を許容するのに適した第2接続モジュール32を介在させて、互いに同軸に接続されている。
【0150】
第2接続モジュール32の構成は、軸寸法および押ボタンの数および/またはタイプの両方において異なるあらゆる2つの押ボタンパネルの接続を、許容するものであろう。
【0151】
さらに、第2接続モジュール32を1つ以上セットアップすることにより、2つ以上の押ボタンパネルを直列に接続することも可能になるであろう。
【0152】
さらに、直列接続された押ボタンパネルは、同時に1つまたは複数のスイッチング装置と、すなわち全ての押ボタンパネルを同じスイッチング装置に接続することにより、或いは、区別された、1つまたは複数のスイッチング装置に接続された幾つかの押ボタンパネルおよび他のスイッチング装置に接続された他の押ボタンパネルと、関連付けられてもよい。
【0153】
好ましいが限定的でない構成によれば、第1および第2接続モジュール30,32は、構造的に同一もしくは類似で、交換可能であってもよい。
【0154】
図示された構成によれば、モジュール30,32は、1つまたは複数の軸状カップリング要素33を備えてよく、図示された構成では4つの軸状ピンもしくはねじであって、押ボタンパネル12がスイッチング装置3に接続されるべきか、または他の押ボタンパネル12’に接続されるべきかに応じて、スイッチング装置3のケーシング4、または押ボタンパネル12,12’のシェル14,14’の1つに形成された、対応する軸通路21に挿入されるように設計されている。
【0155】
次に、係合およびガイド要素31は、さらなる2つの横断係合要素34を備えてよく、図示された構成では2つのねじもしくはピンであって、軸状カップリング要素33で接続されないシェル14,14’の間の1つに固定される。
【0156】
横断カップリング要素34を固定するため、2つのシェル14,14’のうちの1つまたはケーシング4の前閉鎖カバーの脱着防止を進めることが、概して必要となるであろう。
【0157】
本発明によるスイッチは、多数の修正および変形が可能であり、それらの全ては、添付の特許請求の範囲で表される本発明の概念内にある。本発明の保護の範囲から逸脱することなく、全ての細部は技術的に同等な他の要素で置き換えることができ、物品は要件に応じて異なってもよい。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12