(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-27
(45)【発行日】2025-01-14
(54)【発明の名称】情報表示装置、制御方法
(51)【国際特許分類】
G01C 21/36 20060101AFI20250106BHJP
G01C 21/26 20060101ALI20250106BHJP
G08G 1/0969 20060101ALI20250106BHJP
【FI】
G01C21/36
G01C21/26 C
G08G1/0969
(21)【出願番号】P 2024520300
(86)(22)【出願日】2023-04-06
(86)【国際出願番号】 JP2023014251
(87)【国際公開番号】W WO2023218817
(87)【国際公開日】2023-11-16
【審査請求日】2024-05-10
(31)【優先権主張番号】P 2022079803
(32)【優先日】2022-05-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】504050275
【氏名又は名称】株式会社 ミックウェア
(72)【発明者】
【氏名】安井 百合江
【審査官】白石 剛史
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-171098(JP,A)
【文献】特開平09-210702(JP,A)
【文献】特開2009-103989(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01C 21/36
G08G 1/0969
G01C 21/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動体が走行する予定の経路に存在し、前記移動体の現在地との離間距離がそれぞれ異なる2以上の施設の名称と、前記移動体の現在地を基準とした前記施設同士の位置関係とを示す経路リストを生成し、前記経路リストから、前記施設の名称を所定数だけ含む経路略図を表示する表示装置と、
ユーザから指示を受け付ける入力装置と、
前記表示装置を制御する制御装置と、を備え、
前記施設は、前記移動体に動力源を補充できる補充施設であり、
前記制御装置は、
前記移動体が前記動力源を補充することなく走行できる航続可能距離に対する前記離間距離の割合が所定値未満とな
る到達可能施設である安全圏施設を示す情報と、前記割合が前記所定値以上
の到達可能施設である注意圏施設を示す情報と、前記移動体が到達するために前記動力源の補充が必要と推測される前記補充施設である到達不可施設を示す情報とを取得し、
前記経路略図において、現在地から直近の2以上の前記安全圏施設の名称を含み、前記注意圏施設の名称を含まない場合、ジャンプボタンを表示させ、
前記指示により、前記ジャンプボタンが選択された場合、前記経路略図を、前記安全圏施設よりも前記経路の先にある前記注意圏施設の名称を含む前記経路略図に切り替える、
ことを特徴とする情報表示装置。
【請求項2】
前記補充施設は、前記移動体に前記動力源を補充する補充設備を備えるサービスエリア、前記補充設備を備えるパーキングエリア、又は、前記補充設備が近隣にあるインターチェンジ若しくは交差点であり、
前記制御装置は、
第1位置を囲む第1図形と第2位置を囲む第2図形とが前記経路順に並ぶ前記経路略図を、前記第1図形の色と前記第2図形の色とをそれぞれ異ならせて前記表示装置に表示させることを特徴とする請求項1に記載の情報表示装置。
【請求項3】
地図データを記憶する記憶装置をさらに備え、
前記制御装置は、
前記地図データに基づき、前記インターチェンジ若しくは前記交差点を基準とする所定の近隣範囲内にある前記補充設備を検索し、
前記近隣範囲内に前記補充設備がある前記インターチェンジ若しくは前記交差点を前記補充施設に決定することを特徴とする請求項2に記載の情報表示装置。
【請求項4】
表示装置と、ユーザから指示を受け付ける入力装置と、前記表示装置を制御する制御装置と、を備える情報表示装置で実行される制御方法において、
前記表示装置が、移動体が走行する予定の経路に存在し、前記移動体の現在地との離間距離がそれぞれ異なる2以上の施設の名称と、前記移動体の現在地を基準とした前記施設同士の位置関係とを示す経路リストを生成し、前記経路リストから、前記施設の名称を所定数だけ含む経路略図を表示し、
前記制御装置が、前記移動体
が動力源を補充することなく走行できる航続可能距離に対する前記離間距離の割合が所定値未満とな
る到達可能施設である安全圏施設を示す情報と、前記割合が前記所定値以上
の到達可能施設である注意圏施設を示す情報と、前記移動体が到達するため
に動力源の補充が必要と推測され
る補充施設である到達不可施設を示す情報とを取得し、
前記経路略図において、現在地から直近の2以上の前記安全圏施設の名称を含み、前記注意圏施設の名称を含まない場合、ジャンプボタンを表示させ、
前記指示により、前記ジャンプボタンが選択された場合、前記経路略図を、前記安全圏施設よりも前記経路の先にある前記注意圏施設の名称を含む前記経路略図に切り替える、
制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、移動体が走行する予定の経路に存在する、複数の施設の位置関係を示した経路略図を表示する情報表示装置、及び、経路略図を情報表示装置に表示させるための制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、航続可能距離を同心円などで表現した地図である「レンジマップ」を表示できるナビゲーション装置がある。例えば、特許文献1は、航続可能経路が航続可能経路ではない道路と区別して色分け表示された道路地図画面を表示できる情報システムを開示する。特許文献1に開示の技術によれば、ユーザは、表示部に表示された道路地図によって現在地からの航続可能範囲を直感的に把握できる。
【0003】
特許文献2は、目的地追加設定画面を表示できるナビゲーション装置を開示する。目的地追加設定画面には、各指標の名称が表示される名称欄41a、41b、41c、41d、41eが設けられている。目的地追加設定画面は、目的地が充電施設を有する旨の指標である充電施設指標CFaを表示する。また目的地追加設定画面は、出発地から目的地に至るまでの走行距離Dを表示する。
【0004】
特許文献3は、EV車両の目的地までの走行経路において、走行区間毎に、EV車両が電池切れになるリスクを算出して、リスク度合いを色で表示する技術を開示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2014-035215号公報
【文献】特開2011-227050号公報
【文献】特開2017-125825号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に開示のナビゲーション装置は、道路地図画面にSA(サービスエリア)及びPA(パーキングエリア)等の補充施設の位置が示されないので、ユーザの現在地から補充施設までの距離を感覚的に掴みにくいという問題がある。
【0007】
特許文献2に開示のナビゲーション装置は、充電施設指標CFaを名称欄の外側に表示するので、ユーザが充電施設指標CFaを見つけるために視線移動を必要とする。また充電施設指標CFaは、目的地追加設定画面に対して小さく、ユーザに見逃されるおそれがある。
【0008】
EV車両で長距離のドライブをする場合、充電を行ってからドライブを開始することが多い。特許文献3に開示する技術をナビゲーション装置に適用した場合、走行開始時の直近では、電池切れになるリスクは低いため、走行予定区間の色が変わることはない。しかしながら、走行距離、或いは走行状況に応じて、どこかの走行区間で、電池切れになるリスクが高まる可能性があるが、走行開始時の直近では、それがどの区間でそうなるのかが表示されない場合が考えられる。
【0009】
本発明の目的は、ユーザの視線移動を抑えつつ、航続可能範囲内の補充施設の位置をユーザに直感的に把握させることができる情報表示装置及びプログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の第一態様に係る情報表示装置は、表示装置と、入力装置と、制御装置とを備える。表示装置は、経路略図を表示する。経路略図は、経路リストに基づき施設の名称を所定数だけ含む。経路リストは、移動体が走行する予定の経路に存在し、前記移動体の現在地との離間距離がそれぞれ異なる2以上の施設の名称と、移動体の現在地を基準とした施設同士の位置関係とを示す。入力装置は、ユーザから指示を受け付ける。制御装置は、表示装置を制御する。施設は、移動体に動力源を補充できる補充施設である。制御装置は、安全圏施設を示す情報と、注意圏施設を示す情報と、到達不可施設を示す情報とを取得する。安全圏施設は、移動体が動力源を補充することなく走行できる航続可能距離に対する離間距離の割合が所定値未満となる到達可能施設である。注意圏施設は、上記の割合が所定値以上の到達可能施設である。到達不可施設は、移動体が到達するために動力源の補充が必要と推測される補充施設である。制御装置はさらに、入力装置が指示を受け付けることで、現在地から直近の2以上の安全圏施設の名称を含む経路略図を、安全圏施設よりも経路の先にある注意圏施設の名称を含む経路略図に切り替える。
【0011】
第一態様の情報処理装置は、安全圏施設と注意圏施設と到達不可施設とを区別して示し、動力源の補充により適した補充施設をユーザに選択させることができるので、安全圏施設にて動力源の残量が十分に残っている状態で動力源の補充が行われることを抑制できる。また、ユーザからの指示により、動力源の補充に適した補充施設をユーザに簡単かつ素早く把握させることができる。
【0012】
本発明の第一態様に係る情報処理装置において、補充施設は、補充設備を備えるサービスエリアである。又は、補充施設は、補充設備を備えるパーキングエリアである。又は、補充施設は、補充設備が近隣にあるインターチェンジ若しくは交差点である。補充設備は移動体に動力源を補充する設備である。制御装置は、第1位置を囲む第1図形と第2位置を囲む第2図形とが経路順に並ぶ経路略図を、第1図形の色と第2図形の色とをそれぞれ異ならせて表示装置に表示させる。
【0013】
本発明の第一態様に係る情報処理装置は、記憶装置をさらに備える。記憶装置は、地図データを記憶する。制御装置は、地図データに基づき、近隣範囲内にある補充設備を検索する。近隣範囲は、インターチェンジ若しくは交差点を基準とする所定の範囲である。制御装置は、近隣範囲内に補充設備があるインターチェンジ若しくは交差点を補充施設に決定する。
【0014】
第一態様の情報処理装置は、ユーザが選択できる補充施設の数を増やして利便性を向上させることができる。
【0015】
本発明の第一態様に係る情報処理装置は、通信装置をさらに備える。通信装置は、外部装置から交通情報を取得する。外部装置は、移動体の外部にある装置である。交通情報は、移動体が走行する予定の経路の交通情報である。制御装置は、経路の渋滞を示す交通情報を通信装置が受信した場合、処理を停止する。
【0016】
第一態様の情報処理装置は、経路略図において渋滞に関する色分けと補充施設に関する色分けとが混在することを防止して、経路略図の色分けが複雑になることを抑制できる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、ユーザの視線移動を抑えつつ、航続可能範囲内の補充施設の位置をユーザに直感的に把握させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】本実施形態に係る情報表示装置の概略構成図。
【
図6】ジャンプボタンを含む経路略図の一例を示す図。
【
図7】ジャンプボタンがユーザに選択されることで表示装置に表示される経路略図の一例を示す図。
【
図8】交通情報に対する色分け処理の一例を示す表。
【
図12】ジャンプボタンの表示処理のフローチャート。
【
図14】ジャンプボタンを含む経路略図の他の一例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0019】
図1に示すように、本発明の一実施形態である情報表示装置1は、入力装置11と、表示装置12と、経路リストを記憶する記憶装置13と、制御装置14とを備える。制御装置14は、第1通信制御部15と、第2通信制御部16と、ナビゲーション部17と、決定部18と、表示制御部19とを備える。情報表示装置1は、移動体2に搭載される。搭載は、情報表示装置1が移動体2とともに移動する状態になることである。例えば、搭載は、情報表示装置1が移動体2に組み込まれていることである。又は、搭載は、情報表示装置1がユーザによって移動体2内に一時的に持ち込まれることである。
【0020】
情報表示装置1は、例えば、カーナビゲーション装置、スマートフォン、タブレット端末又はパーソナルコンピュータである。本実施形態において、情報表示装置1は、カーナビゲーション装置である。移動体2は、例えば車両である。車両は、例えば自動車である。移動体2は、例えば二輪車である。二輪車は、例えばバイクである。本実施形態において、移動体2は電気自動車である。電気自動車は、電気を動力源にして移動する。本実施形態において、移動体2は、情報表示装置1に加え、位置センサ21と、動力源部22と、通信装置23と、補充部24とを備える。
【0021】
図2に示すように、表示装置12は、ナビゲーション画面4を表示する。本実施形態において、ナビゲーション画面4は経路リストに基いて、経路略図を表示する。経路リストは、2以上の施設の名称を含む情報である。
【0022】
図3に示すように、施設は2以上に分類される。施設は、補充設備を備える施設と、補充設備を備えない施設とに分けられる。補充設備は、移動体2に動力源を補充できる設備である。以下、補充設備を備える施設は「補充施設」と記載される。補充施設は、到達可能施設又は到達不可施設に分けられる。到達可能施設は、移動体2の現在地を基準として、移動体2が動力源を補充することなく到達できると推測される補充施設である。到達不可施設は、移動体2の現在地を基準として、移動体2が到達するために動力源の補充が必要と推測される補充施設である。到達可能施設は、到達不可施設よりも移動体2の現在地に近い補充施設である。到達可能施設は、航続可能範囲内に存在する補充施設である。
【0023】
図4に示すように、経路略図は、第1図形7及び第2図形8の少なくともいずれか一方を含んで構成される。第1図形7は到達可能施設を表す。第2図形8は到達不可施設を表す。第1図形7の色と第2図形8の色とはそれぞれ異なる。
【0024】
経路略図は、第1図形7と第2図形8との色の違いによって補充施設の種類の違いを表現する。経路略図は、例えば第1図形7で表されたaaaSA(サービスエリア)及びaaaPA(パーキングエリア)が到達可能施設であることを示す。経路略図は、例えば第2図形8で表されたbbbPAが到達不可施設であることを示す。経路略図は、第1図形7の色により、移動体2が動力源の補充なしにaaaSA及びaaaPAに到達できることを示す。経路略図は、第2図形8の色により、移動体2が動力源の補充なしにbbbPAに到達することが難しいことを示す。経路略図は、bbbPAよりも手前のaaaSA又はaaaPAで、移動体2への動力源の補充が必要なことを示す。すなわち、経路略図は、aaaSA及びaaaPAが航続可能範囲内にあり、bbbPAが航続可能範囲外にあることを示す。このように情報表示装置1は、到達可能施設の名称を示すテキストデータ79が表示装置12に表示された位置の周囲と、到達不可施設の名称を示すテキストデータ79が表示装置12に表示された位置の周囲とで色をそれぞれ異ならせるので、小さなアイコンによって補充施設を示す構成よりも、ユーザの視線移動を抑えつつ、航続可能範囲内の補充施設の位置をユーザに直感的に把握させることができる。
【0025】
以下、到達可能施設の名称を示すテキストデータ79が表示装置12に表示された位置は、「第1位置81」と記載される。到達不可施設の名称を示すテキストデータ79が表示装置12に表示された位置は、「第2位置82」と記載される。なお、
図2,4~7は、斜線又は塗りつぶしの有無により色の違いを表現する。
図2,4~7は、斜線の幅の違いにより色の違いを表現する。
【0026】
≪各構成要素の詳細≫
図1に示す位置センサ21は、所定の時間間隔で、移動体2の位置データを取得する。位置データは、それが取得された時点での移動体2の現在地を示す。位置センサ21は、例えばGPS(Global Positioning System)センサである。位置データは、例えば緯度データ及び経度データを含む。位置センサ21は、位置データを第1通信制御部15に出力できる。
【0027】
動力源部22は、収容部22aと動力源センサ22bとを有する。収容部22aは、動力源を収容する。動力源は、例えば、電気、ガソリン又は水素である。収容部22aは、動力源が電気の場合、走行用のバッテリである。収容部22aは、動力源がガソリン又は水素の場合、動力源を収容できる容器である。動力源センサ22bは、例えば、電流センサ、電圧センサ及び温度センサの少なくともいずれか1つを備える。動力源センサ22bは、収容部22aに収容されている動力源の残量を制御装置14が算出するためのデータを取得する。動力源センサ22bは、動力源が電気の場合、例えば、バッテリの電流値と電圧値と温度とを検出する。動力源センサ22bは、第1通信制御部15を介して、取得したデータを決定部18に出力できる。
【0028】
通信装置23は、移動体2の外に設けられた外部装置と通信する。外部装置は、例えばサーバである。サーバは、例えば交通情報サーバ3が挙げられる。交通情報サーバ3は、交通情報を配信する。通信装置23は、交通情報サーバ3から交通情報を取得できる。交通情報は、例えば渋滞情報を含む。通信装置23は、例えばTCU(Telematics Control Unit)である。TCUは、モバイルネットワークを使って外部装置との双方向通信を行う。
【0029】
補充部24は、動力源を収容部22aに補充するために使用される。補充部24は、移動体2の外に向けて設けられている。補充部24は、ケーブル又は管等を介して収容部22aに接続される。本実施形態において、補充部24は、充電ケーブルを介して、充電スタンドと接続できるように構成されている。充電スタンドは、動力源である電気を収容部22aに補充できる。充電スタンドは、2以上の種類がある。充電スタンドは、例えば急速充電又は普通充電に分類される。充電スタンドは、例えば充電ケーブルの有無によって分類される。充電スタンドは、例えば充電ステーションに設置されている。
【0030】
入力装置11は、ユーザによって操作される。ユーザは、例えば移動体2の運転手である。入力装置11は、例えば表示装置12と一体的に構成されたタッチパネルである。入力装置11は、例えば音声でテキストデータを入力できる音声入力装置である。入力装置11は、例えば物理キーである。本実施形態において、入力装置11は、タッチパネルである。情報表示装置1は、入力装置11がユーザの指又はタッチペンによって押された位置を検知できる。
【0031】
表示装置12は、種々の画像を表示する。表示装置12は、ディスプレイである。表示装置12は、例えばタッチパネルである。表示装置12は、例えばHUD(Head-Up Display)である。本実施形態において、表示装置12は、入力装置11と一体的に構成されたタッチパネルである。
【0032】
図4に示すように、表示装置12は、経路略
図5において現在地マーク78と第1図形7と第2図形8と施設情報83とを表示できる。現在地マーク78は、移動体2に対応する画像である。施設情報83は、施設の名称を示すテキストデータ79を含む。施設情報83は、施設に備わる種々の設備を表す画像データをさらに含んでもよい。種々の設備を表す画像データは、例えば補充設備を表す補充設備アイコン80である。施設情報83は、施設に備わる設備を示すテキストデータをさらに含んでもよい。施設情報83は、移動体2の現在地から施設までの離間距離を示すテキストデータ84をさらに含んでもよい。離間距離は、移動体2が走行する予定の経路に沿った移動体2の現在地から施設までの距離である。
【0033】
経路略図は、第1図形7及び第2図形8の少なくともいずれか1つを含んで形成される。経路略図は、道路図形76をさらに含んで形成されてもよい。道路図形76は、道路を表す。道路図形76は、移動体2が走行する道路の形状によらず一定の形である。経路略
図5は、第1図形7と第2図形8とを同時に表示する場合、第1図形7を第2図形8よりも現在地マーク78の近くに配置する。例えば、経路略
図5は、現在地マーク78から近い順に、2つの第1図形7と、1つの第2図形8とを一列で表示する。
【0034】
第1図形7及び第2図形8は、それぞれ1つの施設を表す。第1図形7の枠線39は、第1位置81を囲む。第2図形8の枠線39は、第2位置82を囲む。表示装置12は、第1図形7内に到達可能施設の施設情報83を表示する。表示装置12は、第2図形8内に到達不可施設の施設情報83を表示する。本実施形態において、経路略
図5は、移動体2の現在地に最も近い補充施設を表す第1図形7を現在地マーク78の最も近くに配置する。経路略
図5は、第1図形7及び第2図形8の少なくともいずれか一方によって、所定数の施設を示す。所定数は、例えば2以上5以下である。本実施形態において、所定数は3である。
【0035】
図2に示す第1図形7又は第2図形8の横幅7aは、例えば経路略
図5の横幅4aの50%以上100%以下である。第1図形7又は第2図形8の縦の長さ7bは、経路略
図5に表示される第1図形7又は第2図形8の数によって異なる。例えば所定数が3の場合、第1図形7又は第2図形8の縦の長さ7bは、経路略
図5の縦の長さ4bの5%以上30%以下である。
【0036】
経路リストは、移動体2が立ち寄り可能な施設の名称を示す情報を含む。経路リストは、移動体2が走行する予定の経路沿いにある施設の名称を示す情報を含む。経路リストは、移動体2の現在地から近い順に施設の名称を示す情報を含む。経路略
図5は、離間距離が相対的に短い施設の名称を示すテキストデータ79を、現在地マーク78から相対的に近い位置に表示する。経路略
図5は、離間距離が相対的に長い施設の名称を示すテキストデータ79を、現在地マーク78から相対的に遠い位置に表示する。本実施形態において、現在地マーク78及び各テキストデータ79それぞれが表示装置12に表示される位置は、移動体2の現在地と経路沿いにある各施設との位置関係に対応する。このような経路リストは、離間距離がそれぞれ異なる施設同士の位置関係を示す情報を含む。
【0037】
ナビゲーション画面4は、
図2に示すように、さらに地
図6を含んでもよい。地
図6は、例えば現在地マーク78と道路図形61とを含む。道路図形61は、移動体2が走行する道路の形状と対応する形である。表示装置12は、高速道路でナビゲーション画面4を表示する。
【0038】
図3に示すように、到達可能施設は、離間距離に応じて2以上に分類される。本実施形態において、到達可能施設は、安全圏施設、注意圏施設、警戒圏施設又は危険圏施設の4種類に分けられる。なお、到達可能施設は4種類に限定されない。到達可能施設は3種類であってもよい。到達可能施設は2種類であってもよい。到達可能施設は5種類以上であってもよい。
【0039】
図5にイメージで示すように、本実施形態において、表示装置12は、安全圏施設図形71と注意圏施設図形72と警戒圏施設図形73と危険圏施設図形74と第2図形8とをそれぞれ異なる色で経路略
図5に表示できる。安全圏施設図形71は、安全圏施設を表す第1図形7である。注意圏施設図形72は、注意圏施設を表す第1図形7である。警戒圏施設図形73は、警戒圏施設を表す第1図形7である。危険圏施設図形74は、危険圏施設を表す第1図形7である。
【0040】
第1図形7の色は、例えば色相環に基づいて設定される。色相環は、緑色から黄色、橙色、赤色の順で変化する。安全圏施設図形71は、例えば緑色である。注意圏施設図形72は、例えば黄色である。警戒圏施設図形73は、例えば橙色である。危険圏施設図形74は、例えば赤色である。第2図形8は、例えば灰色である。安全圏施設図形71は、ユーザに安心感を与えるような色に設定されることが好ましい。逆に注意圏施設図形72及び警戒圏施設図形73は、ユーザの注意を引くために目立つ色に設定されることが好ましい。第2図形8の色は、注意圏施設図形72及び警戒圏施設図形73の色と大きく異なることが好ましい。第2図形8の色は、例えば色相環に含まれない色が好ましい。なお、本実施形態において第1図形7は、緑色、黄色、橙色、赤色の4色で色分けされるが、この構成に限定されない。第1図形7の色の数は、視認性の観点から、4色よりも少なくてもよい。
【0041】
経路リストは、交通情報サーバ3から取得された交通情報に基づき、色分けによって施設間の渋滞を表現する情報を含んでいてもよい。この場合、経路リストは、渋滞に関する色分けと、施設の種類に関する色分けとを互いに異ならせる情報を含むことが好ましい。すなわち、渋滞を表す色と、施設の種類を表す色とが互いに被らないようにすることが好ましい。
【0042】
補充施設の種類は、移動体2に動力源が補充されることによって変わる。例えば、警戒圏施設は、移動体2に動力源が補充されることで安全圏施設に変わる。例えば、到達不可施設は、移動体2に動力源が補充されることで到達可能施設に変わる。
【0043】
補充設備は、例えば充電ステーションである。補充設備は、例えばガソリンスタンドである。補充設備は、例えば水素ステーションである。補充施設は、例えば充電ステーションを備えたSAである。補充施設は、例えばガソリンスタンドを備えたPAである。補充施設は、例えば水素ステーションが近隣にあるIC(インターチェンジ)である。本実施形態において、補充施設は、充電ステーションを備えたSA又はPA、あるいは近隣に充電ステーションがあるICである。
【0044】
本実施形態において、経路リストは、補充施設と補充設備を備えない施設とを補充設備アイコン80の有無でそれぞれ表すが、この構成に限定されない。経路リストは、経路沿いに補充設備を備えない施設がある場合、補充設備を備えない施設を第2図形8と同じ色の図形で表す情報であってもよい。補充設備を備えない施設は、移動体2に対応する動力源を補充できない施設である。例えば充電ステーションのないSAは、移動体2が電気自動車の場合、たとえガソリンスタンドが併設されていても補充設備を備えない施設となる。本実施形態において、経路リストは、ICを表す第1図形7又は第2図形8内に補充設備アイコン80を含むことで、近隣に充電ステーションがあるICを表現する。また経路リストは、補充設備の使用可否を補充設備アイコン80の色または何らかのアイコンで識別してもよい。
【0045】
図5に示す範囲20は、表示装置12に表示されるエリアに対応する。範囲20は、ユーザの見える範囲である。経路リストで表現されるエリアは、入力装置11を介したユーザの操作によって変更できる。経路リストで表現されるエリアは、経路略
図5のスクロール操作により、経路の先のエリアに変更される。
【0046】
経路略
図5は、
図6に示すジャンプボタン36を表示してもよい。本実施形態において、ジャンプボタン36は、経路略
図5のスクロール操作なしに、経路の先にある注意圏施設を含むエリアに変更できる。ジャンプボタン36は、例えば「補充推奨施設までジャンプ」という文字を示す。補充推奨施設は、情報表示装置1が移動体2のユーザに動力源の補充を推奨する施設である。本実施形態において、補充推奨施設は、注意圏施設である。ジャンプボタン36は、表示対象の施設として安全圏施設のみを示す経路略
図5に表示される。ジャンプボタン36は、例えば、移動体2の現在地から最も遠い表示対象の安全圏施設を表す安全圏施設図形71の隣に配置される。ジャンプボタン36は、例えば、他の安全圏施設図形71よりも移動体2の現在地から遠いことを表現できる位置に配置される。
【0047】
表示装置12は、ジャンプボタン36がユーザによって選択されると、
図7に示すように、表示対象の施設として注意圏施設を先頭に示す経路略
図5を表示する。すなわち、表示装置12は、ジャンプボタン36により、経路略
図5のスクロール操作なしに、移動体2の現在地の直近の施設を示す経路略
図5を、注意圏施設を含むエリアを表現した経路略
図5に切り替える。このように情報表示装置1は、ジャンプボタン36によって、注意圏に含まれる施設である注意圏施設を表示装置12に表示する注意圏表示を行える。そのため、情報表示装置1は、航続可能距離が長い場合であっても、経路リストに基いて表示された経路略
図5が示すエリアをワンタッチで航続可能距離の付近まで移動させることができる。これにより、動力源の補充に適した補充施設をユーザに簡単かつ素早く把握させることができる。なお、切り替え後の経路略
図5が示す先頭の到達可能施設は注意圏施設に限定されず、警戒圏施設であってもよい。
【0048】
図1に示す記憶装置13は、電源が切られれば情報が消える揮発性記憶装置と、電源が切られても情報が消えない不揮発性記憶装置とを有している。揮発性記憶装置は、制御装置14により処理される情報を一時的に記憶する。揮発性記憶装置は、例えば、RAM(Random Access Memory)が挙げられる。不揮発性記憶装置は、各種の情報処理プログラム及び各種の情報が記憶可能なストレージである。各種の情報は、例えば地図データである。地図データは、地
図6の表示に利用される。地図データは、経路略
図5の表示に利用される。不揮発性記憶装置は、例えば、ROM(Read Only
Memory)が挙げられる。ROMは、例えば、フラッシュメモリ、若しくはHDD(Hard Disk Drive)が用いられる。
【0049】
地図データは、道路情報を含む。道路情報は、ノードとリンクの組み合わせで道路ネットワークの形状を表現する。ノードは、交差点や道路の末端等に対応する。リンクは、隣り合うノードをつなぐ位置に対応する。地図データは、経路略
図5の表示に必要なデータとして、施設情報83と施設の位置データとを含む。
【0050】
記憶装置13は、制御装置14によってアクセスされる。決定部18は、地図データから特定の情報を選択的に取得できる。決定部18は、例えば、地図データから注意圏内にある施設の施設情報83を選択的に取得できる。以下、この情報は「注意圏情報」と記載される。なお、決定部18は、注意圏情報を地図データから取得する構成に限定されない。決定部18は、注意圏情報を交通情報サーバ3などの外部装置から取得する構成であってもよい。決定部18は、例えば施設が故障中で使用できないことなどを示す注意圏情報を、外部装置から取得する構成であってもよい。決定部18は、例えば、移動体2が走行する予定の経路が高速道路の場合、高速道路に備わる施設の施設情報83を地図データから選択的に取得できる。以下、この情報は「高速施設情報」と記載される。本実施形態において、高速施設情報は、移動体2が走行する予定の高速道路に繋がるSA、PA及びICの少なくとも1つの施設に関する情報である。
【0051】
制御装置14は、信号線14aを介して、位置センサ21と、動力源部22と、通信装置23と、入力装置11と、表示装置12と、記憶装置13とにそれぞれ接続されている。制御装置14は、これらの装置とそれぞれ電気的に接続されていればよい。制御装置14は、図示しないバスを介してこれらの装置と接続される構成であってもよい。制御装置14は、例えば、記憶装置13に記憶されている各種のプログラムを動作させるように駆動する。制御装置14は、例えばCPU(Central Processing Unit)で構成される。制御装置14は、例えばMPU(Micro Processing Unit)で構成される。
【0052】
第1通信制御部15は、位置センサ21から位置データを取得する。位置データは、その位置データが位置センサ21によって取得された時点での移動体2の現在地を示す。第1通信制御部15は、動力源センサ22bから残量データを取得する。残量データは、収容部22a内の動力源の残量を示す。第1通信制御部15は、例えばCAN(CONTROLLER AREA NETWORK)通信を利用して位置センサ21又は動力源センサ22bからデータを取得する。第1通信制御部15は、LIN、FlexRay、又はMOSTなどの通信プロトコルを利用して、位置センサ21又は動力源センサ22bからデータを取得する構成であってもよい。
【0053】
本実施形態において、第2通信制御部16は、通信装置23を介して交通情報サーバ3から交通情報を取得する。第2通信制御部16は、交通情報を取得するため、例えば、移動体2の現在地を示す位置データを交通情報サーバ3に送信する。第2通信制御部16は、通信装置23を介して移動体2がこれから向かうエリアの交通情報を交通情報サーバ3から受信する。
【0054】
ナビゲーション部17は、移動体2を出発地から目的地まで案内する。ナビゲーション部17は、移動体2の現在地と目的地とに基づき、経路を設定する。ナビゲーション部17は、経路設定のため、移動体2の現在地を示す位置データを位置センサ21から取得する。ナビゲーション部17は、経路設定のため、目的地情報を取得する。目的地情報は、目的地を示す。目的地は、ユーザにより入力装置11を介して設定される。目的地情報は、例えば、前述の揮発性記憶媒体に記憶される。ナビゲーション部17は、ナビゲーション画面4でユーザに経路を案内する。
【0055】
決定部18は、表示対象の施設の種類を決定する。決定部18は、航続可能距離に対する離間距離の割合に基づいて施設の種類を決定する。決定部18は、割合を算出するため、航続可能距離を算出する。決定部18は、残量データに基づき、航続可能距離を算出する。決定部18は、割合を算出するため、離間距離を算出する。決定部18は、移動体2の現在地を示す位置データと地図データとに基づき、離間距離を算出する。決定部18は、表示対象の施設までの離間距離と航続可能距離とを比較する。以下、この割合は「航続可能割合」と記載される。
【0056】
本実施形態において、決定部18は、航続可能割合に基づき、表示対象の施設を、安全圏施設、注意圏施設、警戒圏施設、危険圏施設又は到達不可施設に決定する。安全圏施設は、航続可能割合が第1所定値未満の施設である。第1所定値は例えば50%である。安全圏施設は、動力源の補充が不要な位置にある。注意圏施設は、航続可能割合が第1所定値以上第2所定値未満の施設である。第2所定値は例えば60%である。注意圏施設は、充設備が他のユーザによって使用されておらず、補充設備に空きがある場合に動力源の補充を推奨すべき位置にある。注意圏施設は、ユーザによる休憩の予定がある場合に動力源の補充を推奨すべき位置にあるといえる。警戒圏施設は、航続可能割合が第2所定値以上第3所定値未満の施設である。第3所定値は例えば75%である。警戒圏施設は、動力源の補充を推奨する位置にあるといえる。危険圏施設は、航続可能割合が第3所定値以上第4所定値未満の施設である。第4所定値は例えば80%である。危険圏施設は、動力源の補充をここまで粘るべきではない位置にあるといえる。到着不可施設は、航続可能割合が第4所定値以上の施設である。決定部18は、施設の種類を決定することで、到達可能施設を示す情報及び到達不可施設を示す情報の少なくともいずれか1つを生成する。到達可能施設を示す情報は、安全圏施設を示す情報、注意圏施設を示す情報、警戒圏施設を示す情報及び危険圏施設を示す情報の少なくともいずれか1つを含む。
【0057】
決定部18は、注意圏に含まれる注意圏施設のうち、移動体2の現在地に最も近い施設を決定できる。以下、この施設は「注意圏表示の先頭」とも記載される。決定部18は、航続可能割合が第1所定値以上第2所定値未満の施設のうち、移動体2の現在地に最も近い施設を、注意圏表示の先頭に決定する。決定部18は、航続可能割合が第1所定値以上第2所定値未満の施設が補充設備を備えない場合、補充設備を備える安全圏施設を、注意圏表示の先頭に決定してもよい。この場合、決定部18は、補充設備を備える安全圏施設のうち、移動体2の現在地から最も遠い施設を、注意圏表示の先頭に決定してもよい。
【0058】
決定部18は、移動体2が走行する予定の経路の交通情報を通信装置23が受信した場合、施設の種類で色分けを行う処理を停止する構成であってもよい。この場合、決定部18は、例えば、表示対象の施設の種類と交通情報の内容とに応じて、色分けの処理を決定する。
【0059】
具体的に、決定部18は、例えば
図8に示すように、表示対象が安全圏施設の場合、交通情報を経路略
図5に表示させることを決定する。これにより、経路略
図5は、渋滞、通行止め、事故及び工事等の少なくともいずれか1つが移動体2の先の経路にあることは示すが、航続可能範囲に関する情報は表示しない。すなわち、表示制御部19は、経路リストと、交通情報とに基づき、例えば道路図形76が緑色又は赤色に変化した経路略
図5を表示する。緑色又は赤色の道路図形76は、対応する道路が渋滞していることを示す。又は、表示制御部19は、例えば道路図形76が黒色に変化した経路略
図5を表示する。黒色の道路図形76は、対応する道路が通行止めであることを示す。又は、表示制御部19は、例えば事故又は工事中であることを示す所定のアイコンを経路略
図5に表示する。
【0060】
また決定部18は、表示対象が注意圏施設又は危険圏施設の場合、交通情報の少なくとも一部を経路略
図5に表示させないことを決定する構成であってもよい。経路略
図5に表示させない交通情報は、例えば、渋滞を示す交通情報である。この場合、経路略
図5は、通行止め、事故及び工事等の少なくともいずれか1つが移動体2の先
の経路にあることを示す。しかしながら、経路略
図5は、先の経路が渋滞している場合でも、先の経路が渋滞していることを示さない。決定部18は、経路略
図5において渋滞を表す色と注意圏施設図形72の色とが同系色の場合、渋滞を示す交通情報を経路略
図5に表示させないことを決定する。これにより、経路略
図5において渋滞と注意圏施設との見分けが付かなくなることを防止できる。なお、決定部18は、渋滞と注意圏施設とが容易に見分けられる配色の場合、渋滞を示す交通情報も経路略
図5に表示させる構成であってもよい。決定部18は、危険圏施設についても注意圏施設と同様の判断を行う。なお、表示対象が危険圏施設である場合、収容部22a内の動力源がなくなって移動体2が走行不能になるおそれがあるので、渋滞を示す交通情報を経路略
図5に表示させる優先度を表示対象が注意圏施設の場合よりも下げてもよい。すなわち、経路略
図5は、表示対象が危険圏施設である場合、表示対象が注意圏施設の場合よりも渋滞を示す交通情報が表示されにくい。なお、経路略
図5は、表示対象が危険圏施設の場合、通行止めを示す交通情報を表示して、施設の種類の色分けによる航続可能範囲の表示と共存させる。これによって、情報表示装置1は、経路略
図5において渋滞に関する色分けと補充施設に関する色分けとが混在することを防止して、経路略
図5の色分けが複雑になることを抑制できる。
【0061】
本実施形態において、決定部18は、近隣範囲内に補充設備があるICを補充施設に決定する。近隣範囲は、ICを基準とする所定の範囲である。近隣範囲は、例えばICを中心とする半径3kmの範囲内である。決定部18は、地図データに基づき、移動体2が走行する予定のICのうち、近隣範囲内に補充設備があるICを検索する。決定部18は、近隣範囲内に、一般道を通って到達できる補充設備があるか否か判断する。これによって、情報表示装置1は、ユーザが選択できる補充施設の数を増やして利便性を向上させることができる。経路略図は、
図7に示す補充設備アイコン80を第1図形7の枠内39に表示し、補充設備の使用可否を色またはアイコンで表現してもよい。
【0062】
上記のような情報表示装置1は、コンピュータに相当する。本実施形態において、
図1に示す第1通信制御部15と第2通信制御部16とナビゲーション部17と決定部18と表示制御部19とは、例えば、CPUなどのハードウェアプロセッサが記憶装置13に格納されたソフトウェアプログラムを実行することにより実現される。また、これらの構成要素のうち一部または全部は、LSI(Large Scale Integration)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、又はGPU(Graphics Processing Unit)などのハードウェアによって実現されてもよいし、ソフトウェアとハードウェアとの協働によって実現されてもよい。ソフトウェアプログラムは、予めHDDやフラッシュメモリなどの記憶装置13に格納されていてもよい。ソフトウェアプログラムは、DVDやCD-ROMなどの着脱可能な記憶媒体に格納されており、記憶媒体が情報表示装置1に装着されることでインストールされてもよい。
【0063】
≪リスト更新処理≫
本実施形態の情報表示装置1は、移動体2が高速道路に進入すると、
図9のフローチャートに示すリスト更新処理を開始する。なお、以後の説明に用いる各フローチャートに示す「S」は、ステップを示す。
【0064】
S1で、決定部18は、動力源の残量データに基づき、移動体2の航続可能距離を算出する。
【0065】
S2で、決定部18は、S1で算出された航続可能距離と、移動体2の現在地から表示対象の施設までの離間距離とを比較する。
【0066】
S3で、決定部18は、S2の比較結果に基づき、表示対象の施設が注意圏施設か否か判断する。決定部18は、表示対象の施設が注意圏施設の場合、本処理をS4に進める。決定部18は、表示対象の施設が注意圏施設ではない場合、本処理をS7に進める。
【0067】
S4で、決定部18は、注意圏施設が表示対象の最遠方の施設か否か判断する。決定部18は、注意圏施設が表示対象の最遠方である場合、本処理をS5に進める。決定部18は、注意圏施設が表示対象の最遠方ではない場合、本処理をS6に進める。
【0068】
S5で、決定部18は、表示対象の施設のうち移動体2の現在地から一番遠い施設を注意圏表示の先頭に決定する。これによって、情報表示装置1は、近隣に補充施設が無いことを移動体2のユーザに知らせることができる。これによって、決定部18は本処理を終了する。
【0069】
S6で、表示制御部19は、経路リストに基いて経路略
図5を表示装置12に表示する。
【0070】
S7で、決定部18は、注意圏情報取得処理を行う。これによって、決定部18は、注意圏内の施設情報を取得する。
【0071】
S8で、決定部18は、記憶装置13に記憶されている地図データから取得した高速施設情報に基づき、注意圏内の施設に補充設備があるか否か判断する。決定部18は、注意圏内の施設に補充設備がある場合、本処理をS9に進める。決定部18は、注意圏内の施設に補充設備がない場合、本処理をS10に進める。
【0072】
S9で、表示制御部19は、経路リストに基いて経路略図を表示装置12に表示する。
【0073】
S10で、決定部18は、注意圏の前方、すなわち注意圏の手前にある施設を示す高速施設情報を、記憶装置13に記憶されている地図データから取得する。本実施形態において、注意圏の手前にある施設は、安全圏にある施設である。
【0074】
S11で、決定部18は、S10で取得した高速施設情報に基づき、注意圏の手前の施設に補充設備があるか否か判断する。決定部18は、注意圏よりも前方の施設に補充設備がある場合、本処理をS12に進める。決定部18は、注意圏よりも前方の施設に補充設備がない場合、本処理をS5に進める。
【0075】
S12で、決定部18は、S11で補充設備があると判断された施設を、注意圏表示の先頭に決定する。
【0076】
S13で、決定部18は、警戒圏以遠の判定処理を行う。これによって、決定部18は本処理を終了する。
【0077】
≪注意圏情報取得処理≫
図9に示すS21で、決定部18は、記憶装置13に記憶されている地図データから注意圏情報を取得する。
【0078】
S22で、決定部18は、S21で取得された注意圏情報に基づき、注意圏施設がSA又はPAか否か判断する。決定部18は、注意圏施設がSA又はPAの場合、本処理をS23に進める。決定部18は、注意圏施設がSAでもPAでもない場合、本処理をS26に進める。
【0079】
S23で、決定部18は、記憶装置13に記憶されている地図データから高速施設情報を取得する。
【0080】
S24で、決定部18は、S23で取得された高速施設情報に基づき、SA又はPAに補充設備があるか否か判断する。決定部18は、SA又はPAに補充設備がある場合、本処理をS25に進める。決定部18は、SA又はPAに補充設備がない場合、本処理をS28に進める。
【0081】
S25で、決定部18は、S22で検出されたSA又はPAを補充施設に決定する。これによって、決定部18は本処理を終了する。
【0082】
S26で、決定部18は、移動体2が通過する予定のICの近隣範囲内に補充設備があるか否か判断する。決定部18は、ICの近隣範囲内に補充設備がある場合、本処理をS27に進める。決定部18は、ICの近隣範囲内に補充設備がない場合、本処理をS28に進める。
【0083】
S27で、決定部18は、注意圏内にあるICを補充施設に決定する。これによって、決定部18は本処理を終了する。
【0084】
S28で、決定部18は、注意圏内に補充施設がないと判断する。これによって、決定部18は本処理を終了する。
【0085】
≪警戒圏以遠の判定処理≫
図11に示すS31で、決定部18は、警戒圏の最近距離と警戒圏の最遠距離とを算出する。警戒圏の最近距離は、移動体2の現在地から警戒圏の移動体2に最も近い地点までの距離である。警戒圏の最遠距離は、移動体2の現在地から警戒圏の移動体2に最も遠い地点までの距離である。
【0086】
S32で、決定部18は、警戒圏内に施設があるか否か判断する。決定部18は、警戒圏内に施設がある場合、本処理をS33に進める。決定部18は、警戒圏内に施設がない場合、本処理を終了する。
【0087】
S33で、決定部18は、警戒圏情報取得処理を行う。警戒圏情報取得処理は、
図10に示す注意圏情報取得処理と同様である。決定部18は、警戒圏情報取得処理において、注意圏内の施設情報ではなく、警戒圏内の施設情報を用いる。決定部18は、警戒圏情報取得処理によって、警戒圏内における補充施設の有無を決定する。決定部18は、警戒圏情報取得処理によって、警戒圏内の施設の種類を決定する。
【0088】
S34で、決定部18は、警戒圏内の施設に補充設備があるか否か判断する。決定部18は、警戒圏内の施設に補充設備がある場合、本処理をS35に進める。決定部18は、警戒圏内の施設に補充設備がない場合、本処理をS39に進める。
【0089】
S35で、決定部18は、安全圏施設と注意圏施設とを除いて、警戒圏の最遠距離内に収まる施設を警戒圏施設に決定する。
【0090】
S36で、決定部18は、警戒圏よりも経路の先に施設があるか否か判断する。決定部18は、警戒圏よりも経路の先に施設がある場合、本処理をS37に進める。決定部18は、警戒圏よりも経路の先に施設がない場合、本処理を終了する。
【0091】
S37で、決定部18は、到達不可施設を除いて、警戒圏よりも経路の先にある施設を危険圏施設に決定する。
【0092】
S38で、決定部18は、危険圏よりも経路の先にある施設を到達不可施設に決定する。これによって、決定部18は本処理を終了する。
【0093】
S39で、決定部18は、注意圏最遠の施設を警戒圏施設に変更する。決定部18は、到達不可施設を除いて、その警戒圏施設よりも先の施設を危険圏施設に決定する。このように、決定部18は、警戒圏に補充施設がない場合、その手前の注意圏において移動体2の現在地から最も遠くにある補充施設を、警戒圏施設に決定できる。
【0094】
S40で、決定部18は、危険圏よりも経路の先にある施設を到達不可施設に決定する。これによって、決定部18は本処理を終了する。
【0095】
≪ジャンプボタン36の表示処理≫
本実施形態の情報表示装置1は、移動体2が高速道路に進入すると
図12に示すジャンプボタン36の表示処理を行う。
【0096】
S41で、決定部18は、注意圏内の施設を決定する。これは、警戒圏及び危険圏内の施設が表示対象から外れることを意味する。
【0097】
S42で、決定部18は、注意圏内の施設が表示対象か否か判断する。決定部18は、注意圏内の施設が表示対象の場合、本処理を終了する。決定部18は、注意圏内の施設が表示対象ではない場合、本処理をS43に進める。
【0098】
S43で、決定部18は、注意圏内の施設が同一路線内か否か判断する。決定部18は、注意圏内の施設が同一路線内の場合、本処理をS44に進める。決定部18は、注意圏内の施設が同一路線内ではない場合、本処理を終了する。
【0099】
S44で、表示制御部19は、ジャンプボタン36を経路略
図5に表示させる。これによって、表示制御部19は、本処理を終了する。
【0100】
≪ジャンプ処理≫
本実施形態の情報表示装置1は、ジャンプボタン36がユーザによってタップされることで
図13に示すジャンプ処理を行う。
【0101】
Sで、決定部18は、表示対象外の施設のうち、移動体2の現在地から最も近い施設までの距離を示す情報を取得する。
【0102】
S52で、決定部18は、S41で取得した情報に対応する施設が注意圏内にあるか否か判断する。決定部18は、施設が注意圏内にある場合、本処理をS54に進める。決定部18は、施設が注意圏内にない場合、本処理をS53に進める。
【0103】
S53で、決定部18は、表示対象外の施設のうち、S42で検出された施設の次に移動体2の現在地に近い施設までの距離を示す情報を取得する。
【0104】
S54で、決定部18は、対象の施設を注意圏表示の先頭に決定する。対象の施設は、S52で決定部18により注意圏内にあると判断された施設、又は、S53で取得された情報に対応する施設である。これによって、決定部18は、本処理を終了する。
【0105】
本発明の比較例として、「レンジマップ」の機能が搭載されたEV(Electric
Vehicle)向けナビゲーションシステムが考えられる。しかし、以下のような問題があり、高速道路走行中には使いにくく、特に、長距離の移動で次の充電を検討する際に使えないと判断されてしまうことが多い。
【0106】
・航続可能範囲が地図に表現されても、地図に表現された航続可能範囲にIC、SA及びPAの名称が示されない。又は、地図に表現された航続可能範囲にIC、SA又はPAの名称が示されてもその文字が小さいので見えにくく視認性が低くなりやすい。
【0107】
・航続可能距離が長い場合、航続可能範囲の確認のためにユーザによる地図画面のスクロールが必要となるが、このような動作はユーザにとって煩わしく、また運転中には危険である。
【0108】
・運転中の地図やリストのスクロールは、メーカーによっては走行中の操作制限の対象となり、出来ない可能性がある。
【0109】
・地図上で航続可能範囲内にあるIC、SA又はPAの名称をユーザが把握できても、ユーザの現在地からIC、SA又はPAまでの距離感が掴みにくい。
【0110】
このようにレンジマップは、移動体2の走行中には確認されにくく、さらにユーザに土地勘がないとわかりにくい。レンジマップは、一般的なナビ画面で使われる縮尺では地図がユーザによってスクロール操作されないと、航続可能距離が見渡せない。特に航続可能距離が伸びた昨今のEVの航続可能な地点を判断するには使いにくい。また移動体の走行中にユーザが具体的なIC、SA又はPAの名称を知りたい場合、地図では読みにくく、走行中にナビ画面の操作を必要とする。
【0111】
これに対して本実施形態の情報表示装置1は、高速道路走行中かつ経路略図表示中に以下の制御を行う。
【0112】
1、一定周期にて航続可能距離を算出する。
【0113】
2、経路略図に表示されている施設までの離間距離と航続可能距離とを照らし合わせ、それに応じて経路略図に示される施設を「安全圏」、「注意圏」、「警戒圏」、「危険圏」及び「到達不可圏」で色分け表示をする。
【0114】
3、直近の渋滞情報など、注意しなくてはならない情報を邪魔しないように、移動体2の現在地からスクロールせずに表示する範囲に注意圏がある場合は色分け表示は行わない。ただし、移動体2の近隣に表示対象の施設が無い場合は除く。例えば、移動体2の現在地から色分け表示対象となる補充施設までの距離が所定値を超えている場合は除く。所定値は、例えば20kmである。これにより、移動体2が施設の間隔が30kmくらい離れている高速道路を走行する場合であっても、移動体2のユーザが補充施設を見逃して動力源を補充できないおそれを低減できる。
【0115】
4、注意圏~危険圏の施設は表示中の経路略図の最遠端に固定表示可能とすることで、リマインダとして使うことも可能とする。
【0116】
5、上記4の表示はユーザの好みに合わせてON/OFF切り替え可能とする。
【0117】
6、色分け表示はSA及びPAだけでなく、ICも対象とする。ICはIC周辺の例えば半径3km以内の一般道路上に補充設備があるかどうかを検索し、色分け表示の条件に加味する。
【0118】
7、SA及びPAについて、補充設備があるところについては色分け表示の条件に加味する。
【0119】
8、補充設備の満空については問わない。
【0120】
9、近隣範囲内に補充設備がないIC、ならびに補充設備がないSA及びPAがある場合は、色分け表示の対象となる範囲を広げて表示すること。これによって、高速道路上で移動体2が動力源不足により止まってしまうことをより抑制できる。
【0121】
10、経路案内中又は非案内中にかかわらず色分け表示を行う。路線の切り替わりで経路略図が途切れる場合には、切り替わった後の経路略図表示時に航続可能距離を算出し直し、経路略図に反映する。
【0122】
このような本実施形態の情報表示装置1は、例えば移動体が高速道路を走行している場合には、どのSA、PA、ICまで移動体が動力源を補充することなく走行可能か判断しやすくなる。またユーザの視線移動やナビ操作を減らし、安全性を高めることができる。
【0123】
また本実施形態の情報表示装置1は、航続可能距離が伸びたEVにも好適に使用でき、レンジマップに代わる航続可能範囲の表現場所として経路リストを活用できる。そのため、例えば移動体2が高速道路を走行中に意識するIC、SA、及びPAの名称で、適した補充施設を認知でき、初めて走る高速道路であっても航続可能距離を把握できない不安によるストレスを低減できる。また経路リストの表示を簡略化することで、メータクラスタ内の液晶又はHUDで経路リストを表現することも可能になり、走行可能範囲を把握するためのユーザの視線移動をより少なくすることができる。また経路リストにより、ユーザは経路案内中でなくても航続可能範囲を知ることができる。
【0124】
すなわち、本実施形態の情報表示装置1は、以下のような効果がある。
【0125】
・移動体2の現在地からIC、SA又はPAまでの離間距離を知るのに便利な経路略図を活用できる。
・経路リストを使うことで、大きな画面が必須ではなくなり、表示対象の幅を広げることができる。
・ユーザの視線移動が少ない航続可能範囲の表示を可能にする。
・音声認識やステアリングスイッチ操作と組み合わせることで航続可能範囲の境界付近をピンポイントで知ることができる。
・ICやSA、PAの名称で「行けるところ」を示すことで、土地勘がなかったり、地図を見ることが苦手なユーザにとっても航続可能範囲がわかりやすい。
・EVに限らずガソリン車であっても、使い慣れないレンタカーやシェアリングカーなどでガソリン補給の目安として用いることで、「ガス欠」を防ぐことができる。
【0126】
以上、本発明の実施形態について説明したが、装置構成や制御方法等は、上述した実施形態のみに限定されるものではない。
【0127】
経路略
図5は、例えば、
図14に示すように、ターンリストに基いて経路略
図5を表示してもよい。ターンリストとは、目的地に向けて走行する際に通る交差点、道路の種類や距離、各交差点への到着予想時刻などを表示する情報である。本実施形態において、ジャンプボタン36は、経路略
図5のスクロール操作なしに、ターンリストが表現するエリアを、経路の先にある注意圏施設を含むエリアに変更できる。ジャンプボタン36は、例えば「補充推奨ターンまでジャンプ」という文字を示す。補充推奨ターンは、情報処理装置情報表示装置1が移動体2のユーザに動力源の補充設備が近隣に存在する交差点である。本実施形態において、補充推奨ターンは、注意圏に含まれる交差点である。ジャンプボタン36は、表示対象の交差点として安全圏に存在る交差点のみを示す経路略
図5に表示される。ジャンプボタン36、及び、経路リストを形成する安全圏ターン図形71は、例えば一列に並んで配置される。ジャンプボタン36は、例えば、移動体2の現在地から最も遠い表示対象の安全圏にある交差点を表す安全圏ターン図形71の隣に配置される。ジャンプボタン36は、例えば、他の安全圏ターン図形71よりも移動体2の現在地から遠いことを表現できる位置に配置される。
【0128】
例えば、経路略図に表示する情報を限定し、航続可能距離に特化した表示に切り替える構成であってもよい。
【0129】
また、経路リストに基いて経路略
図5を表示することで、HUD、又はメータ内への簡略表示などの可能性も広がり、航続可能距離の不安を解消できる。経路略図を用いて縦長画面に表示することで、スマホアプリの視認性も高めることができる。
【0130】
また、本実施形態の情報表示装置1は、移動体2が高速道路に対応する経路略図を表示する構成に限定されず、移動体2がFreewayやMotorwayと呼ばれる所謂「高速道路」以外の道路に対応する経路リストを表示する構成であってもよい。情報表示装置1は、次に曲がるポイントまで長い道路に好適に適用される。さらに情報表示装置1は、一般道に対応する経路略図を表示する構成であってもよい。
【0131】
その他の構成も、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形が可能である。また上記実施形態および変形例の構成がそれぞれ組み合わせられてもよい。
【符号の説明】
【0132】
1 情報表示装置
2 移動体
7 第1図形
8 第2図形
12 表示装置
14 制御装置
23 通信装置
79 テキストデータ
81 第1位置
82 第2位置