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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-27
(45)【発行日】2025-01-14
(54)【発明の名称】コミュニケーション支援システム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/10 20230101AFI20250106BHJP
【FI】
G06Q10/10
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2023571183
(86)(22)【出願日】2023-08-02
(86)【国際出願番号】 JP2023028315
【審査請求日】2023-11-15
【早期審査対象出願】
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088672
【弁理士】
【氏名又は名称】吉竹 英俊
(74)【代理人】
【識別番号】100088845
【弁理士】
【氏名又は名称】有田 貴弘
(72)【発明者】
【氏名】上野 真理子
(72)【発明者】
【氏名】西村 慎也
(72)【発明者】
【氏名】加島 隆博
(72)【発明者】
【氏名】岡 隆之介
(72)【発明者】
【氏名】ドミンゲス 祢翔
【審査官】原 忠
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-057272(JP,A)
【文献】特開2021-157509(JP,A)
【文献】再公表特許第2010/071112(JP,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力されたテキストまたはメディア情報である起点情報を解析し、クラスタリングを行う起点情報解析部と、
前記起点情報解析部によりクラスタリングされた起点情報を、フレームワークにマッピングしマッピングフレームワークとして構築するフレームワーク作成部と、
前記マッピングフレームワークを表示装置に表示させるフレームワーク表示部と、
前記マッピングフレームワークが前記表示装置に表示された状態で、前記マッピングフレームワークに対する議論の入力をユーザから受け付け、前記議論の内容を表す議論情報を前記マッピングフレームワークにマッピングして前記マッピングフレームワークを更新するコミュニケーション提供部と、を備え、
前記フレームワーク作成部は、ユーザの行動履歴および属性情報に基づき前記起点情報をマッピングする前記フレームワークを選択する、
コミュニケーション支援システム。
【請求項2】
入力されたテキストまたはメディア情報である起点情報を解析し、クラスタリングを行う起点情報解析部と、
前記起点情報解析部によりクラスタリングされた起点情報を、フレームワークにマッピングしマッピングフレームワークとして構築するフレームワーク作成部と、
前記マッピングフレームワークを表示装置に表示させるフレームワーク表示部と、
前記マッピングフレームワークが前記表示装置に表示された状態で、前記マッピングフレームワークに対する議論の入力をユーザから受け付け、前記議論の内容を表す議論情報を前記マッピングフレームワークにマッピングして前記マッピングフレームワークを更新するコミュニケーション提供部と、
ユーザの行動履歴および属性情報に基づき、コミュニケーション支援システムを操作するためのガイド情報を表示装置に表示させるガイド情報作成部と、を備える、
コミュニケーション支援システム。
【請求項3】
前記フレームワーク作成部は、前記フレームワークに含まれる複数のカテゴリのうちの少なくとも1つの前記カテゴリに前記起点情報をマッピングし、
前記コミュニケーション提供部は、前記マッピングフレームワークの前記カテゴリごとに前記議論を受け付け、前記議論情報をマッピングする、
請求項1または請求項2に記載のコミュニケーション支援システム。
【請求項4】
前記マッピングフレームワークに前記起点情報を補足する参考情報を添付する参考情報添付部をさらに備える、
請求項1または請求項2に記載のコミュニケーション支援システム。
【請求項5】
前記参考情報添付部は、前記マッピングフレームワークの少なくとも1つのカテゴリに前記参考情報を添付する、
請求項に記載のコミュニケーション支援システム。
【請求項6】
前記マッピングフレームワークを蓄積するフレームワークデータベースと、
前記フレームワークデータベースに蓄積された前記マッピングフレームワークに対するユーザの評価を表す評価情報を取得し、前記マッピングフレームワークに紐づけて前記フレームワークデータベースに格納する閲覧評価部と、をさらに備える、
請求項1または請求項2に記載のコミュニケーション支援システム。
【請求項7】
ユーザが属するグループ内での前記マッピングフレームワークの位置づけを分析するポジショニング分析部をさらに備える、
請求項1または請求項2に記載のコミュニケーション支援システム。
【請求項8】
前記フレームワークデータベースに蓄積された前記マッピングフレームワークの前記評価情報に基づき、前記マッピングフレームワークのランキングを作成し、前記マッピングフレームワークのランキングを表示装置に表示させるランキング表示部をさらに備える、
請求項に記載のコミュニケーション支援システム。
【請求項9】
前記評価情報を表示装置に表示させる評価情報表示部をさらに備える、
請求項に記載のコミュニケーション支援システム。
【請求項10】
前記マッピングフレームワークを蓄積するフレームワークデータベースと、
蓄積された前記マッピングフレームワークの中から特定の前記マッピングフレームワークを抽出し、表示装置に表示させる表示部をさらに備える、
請求項に記載のコミュニケーション支援システム。
【請求項11】
前記表示部は、ユーザの行動履歴に基づき前記特定のマッピングフレームワークを抽出する、
請求項10に記載のコミュニケーション支援システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、コミュニケーション支援システムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、参加者のアイデアの発想を支援するワークショップ支援システムが提供されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2020-057272号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
先行技術文献には、ソリューションまたは企画の立案時に、必要な情報をフレームワーク上にマッピングしてグラフィカルに表示し、表示した情報に基づきユーザ間にコミュニケーションの場を提供するシステムが開示されていない。
【0005】
本開示は、上記の問題点を解決するためになされたものであり、フレームワークにマッピングした情報を基にユーザ間のコミュニケーションを支援するシステムの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の1つのコミュニケーション支援システムは、入力されたテキストまたはメディア情報である起点情報を解析し、クラスタリングを行う起点情報解析部と、起点情報解析部によりクラスタリングされた起点情報を、フレームワークにマッピングしマッピングフレームワークとして構築するフレームワーク作成部と、マッピングフレームワークを表示装置に表示させるフレームワーク表示部と、マッピングフレームワークが表示装置に表示された状態で、マッピングフレームワークに対する議論の入力をユーザから受け付け、議論の内容を表す議論情報をマッピングフレームワークにマッピングしてマッピングフレームワークを更新するコミュニケーション提供部と、を備え、フレームワーク作成部は、ユーザの行動履歴および属性情報に基づき前記起点情報をマッピングする前記フレームワークを選択する。
【発明の効果】
【0007】
本開示のコミュニケーション支援システムによれば、フレームワークにマッピングした情報を基にユーザ間のコミュニケーションを支援することができる。本開示の目的、特徴、態様、および利点は、以下の詳細な説明と添付図面とによって、より明白となる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】実施の形態1に係るコミュニケーション支援システムの構成を示すブロック図である。
図2】ビジネスモデルキャンバスをベースとしたマッピングフレームワークを示す図である。
図3図2のマッピングフレームワークにおけるカテゴリコミュニケーションおよびフレームワークコミュニケーションを示す図である。
図4】実施の形態2に係るコミュニケーション支援システムの構成を示すブロック図である。
図5】マッピングフレームワーク上に参考情報のサムネイルが表示される様子を示す図である。
図6】実施の形態3に係るコミュニケーション支援システムの構成を示すブロック図である。
図7】評価情報の入力画面を示す図である。
図8】評価情報の表示例を示す図である。
図9】実施の形態4に係るコミュニケーション支援システムの構成を示すブロック図である。
図10】実施の形態5に係るコミュニケーション支援システムの構成を示すブロック図である。
図11】表示部によるフレームワークの表示切替を示す図である。
図12】実施の形態6に係るコミュニケーション支援システムの構成を示すブロック図である。
図13】コミュニケーション支援システムのハードウェア構成を示す図である。
図14】コミュニケーション支援システムのハードウェア構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
<A.実施の形態1>
図1は、実施の形態1に係るコミュニケーション支援システム101の構成を示すブロック図である。
【0010】
コミュニケーション支援システム101は、情報取得部11、起点情報データベース12、起点情報解析部13、フレームワーク作成部14、フレームワーク表示部15、コミュニケーション提供部16およびフレームワークデータベース17を備えている。
【0011】
情報取得部11は、クローリングによりテキストまたはメディア情報などの起点情報を取得し、起点情報データベース12に格納する。起点情報は、例えば「自動車部品」のタグが付されたデータ、関連特許の情報、関連技術者名情報、関連事例の情報、関連顧客データの情報などである。起点情報データベース12には、複数の起点情報が蓄積される。
【0012】
起点情報解析部13は、起点情報データベース12に蓄積された複数の起点情報を解析し、クラスタリングおよび紐づけを行う。解析結果に沿って、ある起点情報は他の起点情報の関連データとして紐づけられる。
【0013】
フレームワーク作成部14は、フレームワークの作成元となる起点情報を、起点情報データベース12に蓄積された複数の起点情報から選択する。そして、作成元の起点情報の解析結果に基づき、適切なフレームワークを抽出する。例えば、作成元の起点情報が起点情報解析部13において「新規事業アイデア」とタグ付けされている場合には、フレームワーク作成部14はリーンキャンバス、またはMVPキャンバスなどのフレームワークを抽出することができる。また、フレームワーク作成部14は、作成元の起点情報に関連する複数の起点情報、すなわち関連データを、抽出したフレームワークの対応するカテゴリにマッピングする。ここでマッピングとは、フレームワークの特定の領域に関連データの表示を割り付けることである。なお、フレームワーク作成部14が複数のフレームワークを抽出した場合には、それらのフレームワークの夫々に関連データをマッピングしてもよい。
【0014】
図2は、ビジネスモデルキャンバスに複数の起点情報をマッピングして作成されたマッピングフレームワーク51を示している。本明細書では、複数の起点情報がマッピングされたフレームワークをマッピングフレームワークと称する。マッピングフレームワーク51は、「主要パートナー」、「主要な活動」、「主要なリソース」、「コスト構造」、「提供価値」、「顧客セグメント」、「収益の流れ」というカテゴリを有している。そして、これらのカテゴリを表す「主要パートナー」領域52、「主要な活動」領域53、「主要なリソース」領域54、「コスト構造」領域55、「提供価値」領域56、「顧客セグメント」領域57、および「収益の流れ」領域58に起点情報50がマッピングされることにより、マッピングフレームワーク51が作成される。
【0015】
フレームワーク表示部15は、図示しない表示装置を用いてマッピングフレームワークを表示装置に表示する。フレームワーク作成部14が複数のマッピングフレームワークを作成した場合、フレームワーク表示部15はそれら複数のマッピングフレームワークを表示装置に表示させ、そのうちユーザが図示しない入力装置を用いて選択したマッピングフレームワークを、後述の処理を行うマッピングフレームワークとして確定してもよい。
【0016】
コミュニケーション提供部16は、表示装置に表示されたマッピングフレームワーク上でのコミュニケーションを提供する。具体的には、コミュニケーション提供部16は、マッピングフレームワーク上にチャット領域を表示し、ユーザが図示しない入力装置を用いて入力したマッピングフレームワークに対する議論情報であるテキストをチャット領域にマッピングしてマッピングフレームワークを更新する。ここで提供されるコミュニケーションには、カテゴリコミュニケーションと、フレームワークコミュニケーションとがある。カテゴリコミュニケーションは、マッピングフレームワークの各カテゴリ内でのチャットである。
【0017】
図3は、図2のマッピングフレームワークにおけるコミュニケーションを示している。「主要パートナー」領域52において、「関連技術者A」の枠内にチャット領域61が設けられる。チャット領域61は、関連技術者Aに関するユーザ間でのチャットが表示される領域である。例えば、ユーザXは、表示装置に表示されたマッピングフレームワークを見ながら、図示しない入力装置を用いてチャット領域61を選択し、関連技術者Aに関する議論を入力する。ユーザXが入力した関連技術者Aに関する議論はチャット領域61に表示され、コミュニケーション支援システム101にアクセスしている他のユーザYにも視認される。ユーザYも、関連技術者Aに関する議論をユーザXと同様に入力することができ、ユーザXが入力した関連技術者Aに関する議論もチャット領域61に表示される。
【0018】
同様に、「主要パートナー」領域52において、「関連技術者B」の枠内にチャット領域62が設けられる。また、「主要な活動」領域53、「主要なリソース」領域54、「提供価値」領域56、「顧客セグメント」領域57において、それぞれチャット領域63,64,65,66が設けられる。これらのチャット領域62-66も、チャット領域61と同様に機能する。マッピングフレームワーク51の右端には、いずれのカテゴリにも属さないチャット領域67が表示される。ユーザは、いずれのカテゴリにも属さない議論、またはマッピングフレームワーク51の全体に関する議論を行いたい場合、チャット領域67を選択して入力を行う。
【0019】
このように、コミュニケーション支援システム101によれば、マッピングフレームワーク51上にカテゴリ別に整理された複数の関連データを一覧した状態で、複数のユーザ間で、カテゴリごとの議論、またはマッピングフレームワーク全体に関する議論を行うことができる。これにより、ユーザは効果的かつ効率的にソリューションまたは企画の立案から事業化を行うことができる。
【0020】
コミュニケーション提供部16は、チャット領域61-67に表示される議論を含むマッピングフレームワーク51をフレームワークデータベースに格納する。
【0021】
実施の形態1に係るコミュニケーション支援システム101は、入力されたテキストまたはメディア情報である起点情報を、フレームワークにマッピングしマッピングフレームワークとして構築するフレームワーク作成部14と、マッピングフレームワークを表示装置に表示させるフレームワーク表示部15と、マッピングフレームワークが表示装置に表示された状態で、マッピングフレームワークに対する議論の入力をユーザから受け付け、議論の内容を表す議論情報をマッピングフレームワークにマッピングしてマッピングフレームワークを更新するコミュニケーション提供部16と、を備える。このような構成によれば、ユーザはフレームワークにマッピングされた起点情報を参照しながら議論を行うことができる。
【0022】
コミュニケーション支援システム101において、フレームワーク作成部14は、フレームワークに含まれる複数のカテゴリのうちの少なくとも1つのカテゴリに起点情報をマッピングし、コミュニケーション提供部16は、マッピングフレームワークの1つのカテゴリごとに議論を受け付け、議論情報をマッピングしてもよい。この場合、ユーザはカテゴリごとに整理された起点情報を参照しながらカテゴリごとに議論を行うことができる。
【0023】
<B.実施の形態2>
図4は、実施の形態2に係るコミュニケーション支援システム102の構成を示すブロック図である。コミュニケーション支援システム102は、実施の形態1に係るコミュニケーション支援システム101の構成に加えて参考情報添付部18を備える。
【0024】
参考情報添付部18は、マッピングフレームワークに参考情報を添付する。参考情報はマッピングフレームワークの全体に添付されてもよいし、少なくとも1つのカテゴリに対して添付されてもよい。参考情報は、マッピングフレームワークにマッピングされた関連データを補足する情報であり、例えば関連データの参考URL、PDFファイル、Wordファイル、PPTファイルなどの電子ファイルである。参考情報添付部18は、参考情報のサムネイルまたはファイル名をマッピングフレームワーク上、またはその特定のカテゴリ上にマッピングする。
【0025】
図5は、マッピングフレームワーク51の「顧客セグメント」57上に参考情報のサムネイル68が表示される様子を示している。ユーザが図示しない入力装置を用いてサムネイル68を選択すると、参考情報添付部18は顧客セグメントに関する参考情報を表示装置上に表示する。
【0026】
実施の形態2に係るコミュニケーション支援システム102は、マッピングフレームワークに起点情報を補足する参考情報を添付する参考情報添付部18を備える。従って、ユーザは必要に応じて参考情報を参照することが可能である。
【0027】
<C.実施の形態3>
図6は、実施の形態3に係るコミュニケーション支援システム103の構成を示すブロック図である。コミュニケーション支援システム103は、実施の形態1に係るコミュニケーション支援システム101の構成に加えて、閲覧評価部19、ポジショニング分析部20、ランキング表示部21および評価情報表示部22を備える。
【0028】
閲覧評価部19は、フレームワークデータベース17に蓄積されたマッピングフレームワークをユーザに閲覧させ、そのマッピングフレームワークに対する評価をユーザから取得する。図7は、マッピングフレームワーク51に対する評価入力画面69を示している。閲覧評価部19はマッピングフレームワーク51と評価入力画面69を表示装置に表示する。評価入力画面69は、マッピングフレームワーク51に対する評価が1から5の5段階で入力されるダイアログボックスと、マッピングフレームワーク51に対するユーザの意見または感想などの口コミが入力されるダイアログボックスとを有している。閲覧評価部19は、ユーザが評価入力画面69により取得したユーザの評価をマッピングフレームワーク51に紐づけて、フレームワークデータベース17に格納する。
【0029】
ポジショニング分析部20は、ユーザが入力した情報、またはクローリングにより取得した情報に基づき、ユーザが属するグループ内、例えば会社内または業界内におけるマッピングフレームワークの位置づけを分析する。例えば、マッピングフレームワークにマッピングされた起点情報に技術分野のタグが付与されている場合、ポジショニング分析部20は、その技術分野と予め定められたコア技術分野との関連度を横軸とし、マッピングフレームワークにマッピングされた起点情報で表される特許数または市場への普及度合いを縦軸としたマッピング図を作成する。こうして作成されたマッピングフレームワークの位置づけ分析結果は、ユーザ同士のコミュニケーション時に閲覧することが可能である。
【0030】
ランキング表示部21は、フレームワークデータベース17に蓄積されたマッピングフレームワークをランキング形式で表示装置に表示する。ランキング表示部21は、閲覧評価部19が取得しフレームワークデータベース17に蓄積されたユーザからの評価結果に基づきランキングを作成する。また、ランキング表示部21は、ランキングを作成する際、ポジショニング分析部20で分析された位置づけを考慮してもよい。例えば、ランキング表示部21は、マッピングフレームワークの特許数の多さ、または市場への普及度合いを、ランキング作成時の重みづけパラメータとしてもよい。
【0031】
評価情報表示部22は、閲覧評価部19が取得したユーザからの評価結果を表示装置に表示させる。図8は、評価結果の表示画面の例を示している。図8の例では、マッピングフレームワークの五段階評価の割合を表すグラフ70と、口コミ内容71,72,73が表示されている。
【0032】
実施の形態3に係るコミュニケーション支援システム103は、マッピングフレームワークを蓄積するフレームワークデータベース17と、フレームワークデータベース17に蓄積されたマッピングフレームワークに対するユーザの評価を表す評価情報を取得し、マッピングフレームワークに紐づけてフレームワークデータベースに格納する閲覧評価部19とを備える。
【0033】
<D.実施の形態4>
図9は、実施の形態4に係るコミュニケーション支援システム104の構成を示すブロック図である。コミュニケーション支援システム104は、実施の形態1に係るコミュニケーション支援システム101の構成に加えて、行動履歴データベース23、属性データベース24およびガイド情報作成部25を備えている。
【0034】
行動履歴データベース23は、ユーザのコミュニケーション支援システム104上の行動履歴を蓄積する。行動履歴は、ユーザによるマッピングフレームワークの閲覧、編集、作成または評価の履歴、およびコミュニケーション支援システム104の操作履歴を含む。
【0035】
属性データベース24は、ユーザ登録の際に、図示しない入力装置を用いてコミュニケーション支援システム104に入力されたユーザの属性情報を格納する。ユーザの属性情報は、例えばユーザのビジネス分野、技術分野、経験年数といった専門性の情報を含む。
【0036】
ガイド情報作成部25は、ユーザの行動履歴および属性情報に基づき、必要に応じてコミュニケーション支援システム104の操作をガイドするためのガイド情報を作成し、コミュニケーション支援システム104の操作画面に表示する。
【0037】
例えば、ガイド情報作成部25は、ユーザの行動履歴から、そのユーザがコミュニケーション支援システム104の入力画面において空欄が多い、または的外れなことを記載している、または1つの時間に留まっている時間が長いなど、コミュニケーション支援システム104の操作に迷っている履歴がある場合には、そのユーザをITに詳しくないと属性付けし、ガイド情報を作成する。ガイド情報作成部25は、行動履歴から操作に不慣れと判断できるユーザに対してはガイド情報を多く表示し、行動履歴から操作がスムーズと判断できるユーザに対してはガイド情報を少なく表示することにより、ガイド情報のパーソナライズを行うことができる。
【0038】
フレームワーク作成部14は、ユーザの行動履歴および属性情報に基づき、起点情報をマッピングするフレームワークを選択する。例えば、ユーザの属性が「企画部門」であれば、フレームワーク作成部14は、リーンキャンバス、またはMVPキャンバスなどの新規事業開発に特化したフレームワークを選択することができる。また、ユーザの属性が「営業部門」であれば、フレームワーク作成部14は、カスタマージャーニーのフレームワークを選択することができる。
【0039】
また、ユーザの行動履歴においてある技術分野Aのタグが付されたマッピングフレームワークの閲覧履歴が多い場合に、フレームワーク作成部14は、そのユーザを技術分野Aのスペシャリストまたは技術分野Aに興味がある人と属性付けすることができる。この場合、フレームワーク作成部14は、技術分野Aのスペシャリストまたは技術分野Aに興味があると属性付けされた他のユーザが作成したフレームワークを選択してもよい。
【0040】
<E.実施の形態5>
図10は、実施の形態5に係るコミュニケーション支援システム105の構成を示すブロック図である。コミュニケーション支援システム105は、実施の形態1に係るコミュニケーション支援システム101の構成に加えて表示部26を備えている。
【0041】
表示部26は、マッピングフレームワークの検索機能を有し、ユーザからの入力に応じて、フレームワークデータベース17に蓄積されたマッピングフレームワークの中から特定のマッピングフレームワークを選択し、図示しない表示装置に表示する。
【0042】
例えば、表示部26は、ユーザから特定のカテゴリがキーワードとして入力された場合に、フレームワークデータベース17に蓄積された複数のマッピングフレームワークの中から、入力されたカテゴリを含むマッピングフレームワークを抽出し、抽出したマッピングフレームワークを表示装置に表示させる。ユーザは、表示されたマッピングフレームワークの中から、所望のマッピングフレームワークを選択し、閲覧することが可能である。
【0043】
また、表示部26は、フレームワークデータベース17に蓄積された複数のマッピングフレームワークの一覧を、リスト表示、サムネイル表示、およびカテゴリ表示など、様々な方式で表示することが可能である。図11は、リスト表示、サムネイル表示、およびカテゴリ表示の間で表示が切替えられる様子を示している。ユーザは、タブを操作することによってマッピングフレームワークの一覧の表示形式を切り替えることができる。
【0044】
<F.実施の形態6>
図12は、実施の形態6に係るコミュニケーション支援システム106の構成を示すブロック図である。コミュニケーション支援システム106は、実施の形態5に係るコミュニケーション支援システム105の構成に加えて、実施の形態4と同様の行動履歴データベース23および属性データベース24を備えている。
【0045】
表示部26は、ユーザの行動履歴または属性に基づき、ユーザに適切と思われるマッピングフレームワークをフレームワークデータベース17から抽出し、ユーザに提示するレコメンド機能を有する。
【0046】
例えば、ユーザが過去にあるマッピングフレームワークを複数回閲覧していた場合に、表示部26はそのマッピングフレームワーク、または類似するマッピングフレームワークをユーザに提示することができる。
【0047】
また、例えばユーザの属性が「企画部門」であれば、表示部26は、リーンキャンバス、またはMVPキャンバスなどの新規事業開発に特化したフレームワークをユーザに提示することができる。また、ユーザの属性が「営業部門」であれば、表示部26は、カスタマージャーニーのフレームワークをユーザに提示することができる。
【0048】
<G.ハードウェア構成>
上述したコミュニケーション支援システム101,102,103,104,105,106における、情報取得部11、起点情報データベース12,起点情報解析部13、フレームワーク作成部14、フレームワーク表示部15、コミュニケーション提供部16、フレームワークデータベース17、参考情報添付部18、閲覧評価部19、ポジショニング分析部20、ランキング表示部21、評価情報表示部22、行動履歴データベース23、属性データベース24およびガイド情報作成部25は、図13に示す処理回路81により実現される。すなわち、処理回路81は、情報取得部11、起点情報データベース12,起点情報解析部13、フレームワーク作成部14、フレームワーク表示部15、コミュニケーション提供部16、フレームワークデータベース17、参考情報添付部18、閲覧評価部19、ポジショニング分析部20、ランキング表示部21、評価情報表示部22、行動履歴データベース23、属性データベース24およびガイド情報作成部25(以下、「情報取得部11等」と称する)を備える。処理回路81には、専用のハードウェアが適用されても良いし、メモリに格納されるプログラムを実行するプロセッサが適用されても良い。プロセッサは、例えば中央処理装置、処理装置、演算装置、マイクロプロセッサ、マイクロコンピュータ、DSP(Digital Signal Processor)等である。
【0049】
処理回路81が専用のハードウェアである場合、処理回路81は、例えば、単一回路、複合回路、プログラム化したプロセッサ、並列プログラム化したプロセッサ、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、またはこれらを組み合わせたものが該当する。情報取得部11等の各部の機能それぞれは、複数の処理回路81で実現されてもよいし、各部の機能をまとめて一つの処理回路で実現されてもよい。
【0050】
処理回路81がプロセッサである場合、情報取得部11等の機能は、ソフトウェア等(ソフトウェア、ファームウェアまたはソフトウェアとファームウェア)との組み合わせにより実現される。ソフトウェア等はプログラムとして記述され、メモリに格納される。図14に示すように、処理回路81に適用されるプロセッサ82は、メモリ83に記憶されたプログラムを読み出して実行することにより、各部の機能を実現する。すなわち、コミュニケーション支援システム101,102,103,104,105,106は、処理回路81により実行されるときに、情報取得部11等の処理が結果的に実行されることになるプログラムを格納するためのメモリ83を備える。換言すれば、このプログラムは、情報取得部11等の手順または方法をコンピュータに実行させるものであるともいえる。ここで、メモリ83は、例えば、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリ、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)などの、不揮発性または揮発性の半導体メモリ、HDD(Hard Disk Drive)、磁気ディスク、フレキシブルディスク、光ディスク、コンパクトディスク、ミニディスク、DVD(Digital Versatile Disk)及びそのドライブ装置等、または、今後使用されるあらゆる記憶媒体であってもよい。
【0051】
以上、情報取得部11等の各機能が、ハードウェア及びソフトウェア等のいずれか一方で実現される構成について説明した。しかしこれに限ったものではなく、情報取得部11等の一部を専用のハードウェアで実現し、別の一部をソフトウェア等で実現する構成であってもよい。例えばフレームワーク作成部14については専用のハードウェアとしての処理回路でその機能を実現し、それ以外についてはプロセッサ82としての処理回路81がメモリ83に格納されたプログラムを読み出して実行することによってその機能を実現することが可能である。
【0052】
以上のように、処理回路は、ハードウェア、ソフトウェア等、またはこれらの組み合わせによって、上述の各機能を実現することができる。なお、起点情報データベース12,フレームワークデータベース17、行動履歴データベース23および属性データベース24は、メモリ83から構成されるが、それらは単一のメモリ83から構成されてもよいし、それぞれが個別のメモリから構成されてもよい。
【0053】
なお、各実施の形態を自由に組み合わせたり、各実施の形態を適宜、変形、省略したりすることが可能である。上記の説明は、すべての態様において、例示である。例示されていない無数の変形例が想定され得るものと解される。
【符号の説明】
【0054】
11 情報取得部、12 起点情報データベース、13 起点情報解析部、14 フレームワーク作成部、15 フレームワーク表示部、16 コミュニケーション提供部、17 フレームワークデータベース、18 参考情報添付部、19 閲覧評価部、20 ポジショニング分析部、21 ランキング表示部、22 評価情報表示部、23 行動履歴データベース、24 属性データベース、25 ガイド情報作成部、26 表示部、50 起点情報、51 マッピングフレームワーク、69 評価入力画面、70 グラフ、81 処理回路、82 プロセッサ、83 メモリ、101,102,103,104,105,106 コミュニケーション支援システム。
【要約】
本開示は、フレームワークにマッピングした情報を基にユーザ間のコミュニケーションを支援するシステムの提供を目的とする。コミュニケーション支援システム(101)は、入力されたテキストまたはメディア情報である起点情報を、フレームワークにマッピングしマッピングフレームワークとして構築するフレームワーク作成部(14)と、マッピングフレームワークを表示装置に表示させるフレームワーク表示部(15)と、マッピングフレームワークが表示装置に表示された状態で、マッピングフレームワークに対する議論の入力をユーザから受け付け、議論の内容を表す議論情報をマッピングフレームワークにマッピングしてマッピングフレームワークを更新するコミュニケーション提供部(16)と、を備える。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14