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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-27
(45)【発行日】2025-01-14
(54)【発明の名称】表示装置
(51)【国際特許分類】
   G02B 5/22 20060101AFI20250106BHJP
   G02B 5/20 20060101ALI20250106BHJP
   H10K 50/844 20230101ALI20250106BHJP
   H10K 50/86 20230101ALI20250106BHJP
   H10K 59/35 20230101ALI20250106BHJP
   H10K 59/38 20230101ALI20250106BHJP
【FI】
G02B5/22
G02B5/20
G02B5/20 101
H10K50/844
H10K50/86
H10K50/86 865
H10K59/35
H10K59/38
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2019139474
(22)【出願日】2019-07-30
(65)【公開番号】P2021021875
(43)【公開日】2021-02-18
【審査請求日】2022-05-19
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】501426046
【氏名又は名称】エルジー ディスプレイ カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100094112
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 讓
(74)【代理人】
【識別番号】100106183
【弁理士】
【氏名又は名称】吉澤 弘司
(72)【発明者】
【氏名】高杉 親知
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 竜一
【審査官】辻本 寛司
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2015/0228232(US,A1)
【文献】特開2019-109515(JP,A)
【文献】特開2017-037121(JP,A)
【文献】特開2018-132662(JP,A)
【文献】国際公開第2018/159623(WO,A1)
【文献】特表2008-522228(JP,A)
【文献】特開2018-205456(JP,A)
【文献】特開2019-028380(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0301408(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 5/22
G02B 5/20
H10K 50/844
H10K 50/86
H10K 59/35
H10K 59/38
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガラス基板と、
前記ガラス基板上に形成される発光素子と、前記発光素子から発せられた光の波長を変換する量子ドット層とを含む画素と、
前記発光素子上に形成され、前記発光素子を封止する第1の封止膜と、
前記量子ドット層に対して前記発光素子とは反対側に形成され、前記量子ドット層に入射する外光を低減する光低減膜と、
前記光低減膜上に形成され、前記量子ドット層及び前記光低減膜を封止する第2の封止膜と、
前記第2の封止膜上に形成されるカバーフィルムと、
前記カバーフィルム上に配置され、前記外光の出射を阻止する反射防止フィルムと
を有し、
前記光低減膜は、可視光の一部分を透過するとともに前記可視光の他の部分を反射する半透過膜又は青色光以下の波長を有する光を吸収する光吸収膜であり、
前記画素は、第1の色の第1の副画素と、第2の色の第2の副画素と、第3の色の第3の副画素とを有し、
前記光低減膜は、カラーフィルタに対して前記量子ドット層とは反対側に形成され、
前記第2の封止膜は、前記第1の副画素及び前記第3の副画素において前記光低減膜に接触し、前記第2の副画素において前記第1の封止膜に接触する
ことを特徴とする表示装置。
【請求項2】
前記光吸収膜は、紫外線を吸収する
ことを特徴とする請求項1記載の表示装置。
【請求項3】
前記第1の副画素は、前記第2の色の光を発する前記発光素子と、前記量子ドット層としての前記第2の色の光を前記第1の色の光に変換する第1の量子ドット層とを有し、
前記第2の副画素は、前記第2の色の光を発する前記発光素子を有し、
前記光低減膜は、前記第1の副画素に形成されている
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の表示装置。
【請求項4】
前記第3の副画素は、前記第2の色の光を発する前記発光素子と、前記量子ドット層としての前記第2の色の光を前記第3の色の光に変換する第2の量子ドット層とを有し、
前記光低減膜は、前記第3の副画素に形成されている
ことを特徴とする請求項3記載の表示装置。
【請求項5】
前記第2の副画素は、前記カラーフィルタを介さずに前記第2の色の光を発する
ことを特徴とする請求項3又は4に記載の表示装置。
【請求項6】
前記第1の色は、赤色又は緑色であり、
前記第2の色は、青色である
ことを特徴とする請求項3乃至5のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項7】
前記半透過膜は、金属膜である
ことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項8】
前記金属膜は、アルミニウム膜である
ことを特徴とする請求項7記載の表示装置。
【請求項9】
前記光吸収膜は、酸化インジウムスズを含む膜である
ことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項10】
前記発光素子は、有機発光ダイオードである
請求項1乃至9のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項11】
前記第2の副画素は、前記量子ドット層を有しない
ことを特徴とする請求項3乃至6のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項12】
前記発光素子、前記量子ドット層及び前記光低減膜が前記ガラス基板の一の面の側に形成される
ことを特徴とする請求項1乃至11のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項13】
前記ガラス基板の前記一の面の側が表示面の側である
ことを特徴とする請求項12記載の表示装置。
【請求項14】
前記反射防止フィルムは、前記光低減膜上の1/4波長板および前記1/4波長板上の偏光板を有する
ことを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、青色の有機発光ダイオード(Organic Light-Emitting Diode、OLED)を発光素子として用い、量子ドット層をOLEDから発せられた光の波長を変換する光変換層として用いた表示装置が開発されている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】韓国公開特許第10-2017-0096583号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
光変換層として量子ドット層を用いた場合、量子ドット層に外光が入射して量子ドット層中の量子ドットに当たると、量子ドットが励起されて発光する。発光した量子ドットからの光は、入射した外光とは方向及び偏光性が変化したものになっている。このため、表示面に反射防止フィルムが形成されていたとしても、外光により発光した量子ドットから発せられた光が表示面から出射するのを阻止することは困難である。このため、特に明環境においては、画質が低下することになる。
【0005】
本発明の目的は、上述した課題を鑑み、明環境において画質を向上することができる表示装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一観点によれば、発光素子と、前記発光素子から発せられた光の波長を変換する量子ドット層とを含む画素と、前記量子ドット層に対して前記発光素子とは反対側に形成され、前記量子ドット層に入射する外光を低減する光低減膜とを有することを特徴とする表示装置が提供される。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、明環境において画質を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、本発明の第1実施形態による表示装置の概略構成を示すブロック図である。
図2図2は、本発明の第1実施形態による表示装置のパネルにおける画素及び副画素の配列の例を示す図である。
図3図3は、本発明の第1実施形態による表示装置の副画素の概略構成を示す回路図である。
図4図4は、本発明の第1実施形態による表示装置の画素の概略構成を示す断面図である。
図5図5は、本発明の第1実施形態による表示装置の画素の発光を示す概略図である。
図6図6は、本発明の第1実施形態の変形例による表示装置の画素の概略構成を示す断面図である。
図7図7は、本発明の第2実施形態による表示装置の画素の概略構成を示す断面図である。
図8図8は、本発明の第2実施形態の変形例による表示装置の画素の概略構成を示す断面図である。
図9図9は、本発明の第3実施形態による表示装置の画素の概略構成を示す断面図である。
図10図10は、本発明の第3実施形態の変形例による表示装置の画素の概略構成を示す断面図である。
図11図11は、本発明の第4実施形態による表示装置の画素の概略構成を示す断面図である。
図12図12は、本発明の第4実施形態の変形例による表示装置の画素の概略構成を示す断面図である。
図13図13は、本発明の第5実施形態による表示装置の画素の概略構成を示す断面図である。
図14図14は、本発明の第5実施形態の変形例による表示装置の画素の概略構成を示す断面図である。
図15図15は、本発明の第6実施形態による表示装置の画素の概略構成を示す断面図である。
図16図16は、本発明の第6実施形態の変形例による表示装置の画素の概略構成を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
[第1実施形態]
本発明の第1実施形態による表示装置について図1乃至図5を用いて説明する。
【0010】
まず、本実施形態による表示装置の概略構成について図1乃至図3を用いて説明する。
図1は、本実施形態による表示装置の概略構成を示すブロック図である。図2は、本実施形態による表示装置のパネルにおける画素及び副画素の配列の例を示す図である。図3は、本実施形態による表示装置の副画素の概略構成を示す回路図である。
【0011】
本実施形態による表示装置は、有機発光ダイオード(OLED)を画素における発光素子として用い、入力されたRGBデータに基づいて画像を表示する装置である。本実施形態による表示装置の用途は、例えば、コンピュータの画像出力装置、テレビジョン受像機、スマートフォン、ゲーム機等であり得るが、特に限定されるものではない。
【0012】
図1に示すように、表示装置は、タイミングコントローラ(TCON)1、パネル2、複数のソースドライブIC(SDIC)3及び複数のゲートドライブIC(GDIC)4を備える。パネル2は行列状に配列された複数の画素を備えており、画像を表示する表示部として機能する。
【0013】
タイミングコントローラ1は、複数のソースドライブIC3及び複数のゲートドライブIC4と通信可能に接続されている。タイミングコントローラ1は、外部システムから入力されるタイミング信号(垂直同期信号、水平同期信号、データイネーブル信号等)に基づいて、複数のソースドライブIC3及び複数のゲートドライブIC4の動作タイミングを制御する。
【0014】
後述するように、パネル2における画素は、赤色(R)、緑色(G)及び青色(B)の各色の副画素を有している。タイミングコントローラ1は、外部システムから入力される入力信号であるRGBデータに基づいて、パネル2の各副画素の輝度を示すRGBデータを生成し、RGBデータを複数のソースドライブIC3に出力信号として出力する。なお、ソースドライブIC3及びゲートドライブIC4の個数は、図示したものに限定されるものではない。
【0015】
複数のソースドライブIC3の各々は、タイミングコントローラ1の制御に応じて、複数のデータラインを介してパネル2内の複数の画素を駆動するための電圧(映像信号)を供給する。複数のゲートドライブIC4の各々は、タイミングコントローラ1の制御に応じて、複数のゲートラインを介してパネル2内の複数の画素にスキャン信号を供給する。このように、タイミングコントローラ1は、表示装置全体の動作を制御する表示制御装置として機能する。
【0016】
図2(a)及び図2(b)は、それぞれパネル2における画素(Pixel)20及び副画素(Subpixel)21R、21G、21Bの配列図である。パネル2は、複数の行及び複数の列をなすように配された複数の画素20を備える。複数の画素20の各々は、赤色の光を発する副画素21R、緑色の光を発する副画素21G及び青色の光を発する副画素21Bを含む。なお、以下では、副画素21R、21G、21Bについて特に色を区別する必要がない場合には単に「副画素21」と記載する。
【0017】
副画素21R、21G、21Bは、例えば、図2に示すように、画素20において一定の方向に並んで配置されている。
【0018】
副画素21R、21G、21Bの輝度は、ソースドライブIC3から出力される電圧に応じて制御される。副画素21R、21G、21Bが所定の輝度比で発光することにより、画素20は加法混色によって種々の色を表示することができる。
【0019】
このように、本実施形態の表示装置は、第4の副画素としてシアン色の副画素21Cを含んでおり、RGBCの4色表示に対応した画素構成を有している。
【0020】
なお、本明細書において、赤色及び緑色のうちの一方は第1の色、青色は第2の色、赤色及び緑色のうちの他方は第3の色と呼ばれることがある。また、本明細書において、赤色の副画素及び緑色の副画素のうちの一方は第1の副画素、青色の副画素は第2の副画素、赤色の副画素及び緑色の副画素のうちの他方は第3の副画素と呼ばれることがある。
【0021】
また、本実施形態では、光変換層としての各色の量子ドット層が副画素に適宜形成されている。各色の量子ドット層は、OLEDから発せられて入射した光の波長を変換して各色の光を発する波長変換層として機能する。具体的には、例えば、赤色の量子ドット層は、青色のOLEDから発せられた青色光を変換して赤色光を発する。緑色の量子ドット層は、青色のOLEDから発せられた青色光を変換して緑色光を発する。量子ドット層は、例えば、出力波長に対応した粒径、材質等を有する半導体材料等からなる量子ドットが分散された樹脂等の層により構成されている。
【0022】
図3は、副画素21の概略構成を示している。図3には複数の画素20のうちのある1つの画素20に含まれる副画素21と、その副画素21に接続される1つのソースドライブIC3と、その副画素21に接続される1つのゲートドライブIC4とが図示されている。
【0023】
副画素21は、スキャントランジスタM1、駆動トランジスタM2及びダイオードDを備える。ダイオードDは、表示装置の発光素子であり、OLEDである。スキャントランジスタM1及び駆動トランジスタM2は、例えば薄膜トランジスタ(TFT)である。本実施形態では、スキャントランジスタM1及び駆動トランジスタM2は、nチャネル型であるものとする。しかしながら、スキャントランジスタM1及び駆動トランジスタM2は、pチャネル型であってもよい。なお、駆動トランジスタM2がpチャネル型である場合には、副画素21の回路構成は、図3に示したものとは異なるものであり得る。
【0024】
ダイオードDのカソードは電位VSSを供給する電位線に接続されている。ダイオードDのアノードは、駆動トランジスタM2のソースに接続されている。駆動トランジスタM2のドレインは、電位VDDを供給する電位線に接続されている。駆動トランジスタM2のゲートは、スキャントランジスタM1のソースに接続されている。
【0025】
スキャントランジスタM1のドレインには、データラインDLが接続されている。ソースドライブIC3は、データラインDLを介してスキャントランジスタM1のドレインに映像信号を供給する。スキャントランジスタM1のゲートには、ゲートラインGLが接続されている。ゲートドライブIC4は、ゲートラインGLを介してスキャントランジスタM1のゲートに制御信号を供給する。スキャントランジスタM1は、ゲートに入力される制御信号のレベルに応じてオン又はオフに制御される。
【0026】
駆動トランジスタM2のドレインソース間を流れる電流は、データラインDL及びスキャントランジスタM1を介してソースドライブIC3から駆動トランジスタM2のゲートに入力される電圧(映像信号)に基づいて制御される。ダイオードDには、駆動トランジスタM2のドレインソース間を流れる電流が供給され、ダイオードDはその電流に応じた輝度で発光する。このようにして、ダイオードDは、副画素21に入力される映像信号に応じた輝度で発光する。
【0027】
次に、本実施形態による表示装置の画素20についてさらに図4及び図5を用いて説明する。図4は、本実施形態による表示装置の画素20の概略構成を示す断面図である。図5は、本実施形態による表示装置の画素20の発光を示す概略図である。
【0028】
図4に示すように、パネル2における各画素20は、赤色の副画素21R、緑色の副画素21G及び青色の副画素21Bを有している。
【0029】
パネル2は、素子基板100と、カラーフィルタ基板200とを有している。カラーフィルタ基板200は、素子基板100の素子形成面に対向するように配置されている。本実施形態による表示装置は、素子基板100におけるガラス基板30の素子形成面側から光が発せられるトップエミッション型のものである。すなわち、本実施形態による表示装置は、素子基板100におけるガラス基板30の素子形成面側が表示面の側である。
【0030】
素子基板100は、透明基板であるガラス基板30と、青色の光を発する発光素子である青色のOLED32とを有している。なお、以下では、パネル2の基板としてガラス基板30及び後述のガラス基板40、50、60を用いる場合を例に説明するが、これらのガラス基板に代えて、柔軟性を有する透明樹脂基板等の種々の透明基板を用いることができる。
【0031】
各画素20において、ガラス基板30の素子形成面上には、副画素21R、21G、21Bに対応するように金属電極からなる3つのアノード電極34が形成されている。アノード電極34は、十分な反射率を有し、反射層としても機能する反射電極として構成されている。各アノード電極34上には、青色の光を発する有機発光材料からなる青色有機発光層36が形成されている。各青色有機発光層36上には、透明電極からなる共通のカソード電極38が形成されている。
【0032】
こうして、各画素20において、副画素21R、21G、21Bごとに、アノード電極34と、青色有機発光層36と、カソード電極38とを有するOLED32が形成されている。カソード電極38が形成されたガラス基板30の全面には、図示しない封止膜等が形成されている。
【0033】
一方、カラーフィルタ基板200は、透明基板であるガラス基板40と、カラーフィルタ42R、42Gと、量子ドット層44R、44Gと、半透過膜46と、反射防止フィルム48とを有している。反射防止フィルム48は、1/4波長板481と、偏光板482とを有している。
【0034】
ガラス基板40の素子基板100に対向する面には、赤色の副画素21RのOLED32に対向するように、赤色のカラーフィルタ42Rが形成されている。カラーフィルタ42Rは、半透過膜41を介してガラス基板40に形成されている。半透過膜41は、所定の透過率で可視光を透過するように所定の膜厚で形成されている。半透過膜41は、特に限定されるものではないが、例えば、アルミニウム膜等の金属膜である。カラーフィルタ42Rの素子基板100に対向する面には、赤色の量子ドット層44Rが形成されている。赤色の量子ドット層44Rは、光の波長を変換する光変換層として機能し、OLED32から発せられて入射した青色光の波長を変換して赤色光を発する。量子ドット層44Rから発せられる光は、赤色光とともに未変換の青色光が含まれる。
【0035】
こうして、青色のOLED32と、赤色の量子ドット層44Rと、赤色のカラーフィルタ42Rとを有する赤色の副画素21Rが構成されている。量子ドット層44Rを有する副画素21Rにおいては、量子ドット層44Rに対して外光の進入側となる、量子ドット層44Rに対してパネル2の表示面の側におけるカラーフィルタ42Rとガラス基板40との間に半透過膜41が形成されている。すなわち、半透過膜41は、量子ドット層44Rに対してOLED32とは反対側であって、カラーフィルタ42Rに対して量子ドット層44Rとは反対側に形成されている。
【0036】
また、ガラス基板40の素子基板100に対向する面には、緑色の副画素21GのOLED32に対向するように、緑色のカラーフィルタ42Gが形成されている。カラーフィルタ42Gは、カラーフィルタ42Rと同様に、半透過膜41を介してガラス基板40に形成されている。カラーフィルタ42Gの素子基板100に対向する面には、緑色の量子ドット層44Gが形成されている。緑色の量子ドット層44Gは、光の波長を変換する光変換層として機能し、OLED32から発せられて入射した青色光の波長を変換して緑色光を発する。量子ドット層44Gから発せられる光は、緑色光とともに未変換の青色光が含まれる。
【0037】
こうして、青色のOLED32と、緑色の量子ドット層44Gと、緑色のカラーフィルタ42Gとを有する緑色の副画素21Gが構成されている。量子ドット層44Gを有する副画素21Gにおいては、量子ドット層44Gに対して外光の進入側となる、量子ドット層44Rに対してパネル2の表示面の側におけるカラーフィルタ42Gとガラス基板40との間に半透過膜41が形成されている。すなわち、半透過膜41は、量子ドット層44Gに対してOLED32とは反対側であって、カラーフィルタ42Gに対して量子ドット層44Rとは反対側に形成されている。
【0038】
一方、ガラス基板40の素子基板100に対向する面には、青色の副画素21BのOLED32に対向するようにはカラーフィルタも量子ドット層も形成されていない。このため、青色の副画素21Bは、青色のOLED32を有するが、青色のカラーフィルタその他のカラーフィルタも量子ドット層も有していない。すなわち、副画素21Bは、青色のカラーフィルタその他のカラーフィルタを介さずに青色光を発する。
【0039】
なお、量子ドット層を有しない青色の副画素21Bにおいてもガラス基板40に半透過膜41が形成されていてもよいが、輝度を確保する観点からは副画素21Bには半透過膜41が形成されていないことが好ましい。
【0040】
なお、カラーフィルタ42R、42G及び量子ドット層44R、44Gが形成されたガラス基板40の全面には、図示しない封止膜等が形成されている。
【0041】
こうして、副画素21R、21G、21Bを有する画素20が構成されている。
【0042】
図5には、各副画素21R、21G、21Bの発光を模式的に示している。図5中、矢印Lrは赤色光、矢印Lgは緑色光、矢印Lbは青色光を示し、各矢印の数で光量を示している。また、図5中に示す各構成要素の配置は、便宜上、図4に示す各構成要素の配置とは一致していない。
【0043】
赤色の副画素21Rでは、図5に示すように、まず、OLED32から青色光Lbが発せられる。次いで、青色光Lbは、赤色の量子ドット層44Rにより赤色光Lrに変換されて量子ドット層44Rから発せられる。この際、量子ドット層44Rの変換率が100%でないため、量子ドット層44Rからは、赤色光Lrとともに、未変換の青色光Lbが発せられる。また、量子ドット層44Rでは、青色光Lbの一部が失活し又は吸収される。次いで、量子ドット層44Rから発せられた赤色光Lrは、赤色のカラーフィルタ42Rを透過してパネル2の表示面から発せられる。この際、量子ドット層44Rから発せられた青色光Lbは、カラーフィルタ42Rにより吸収される。
【0044】
緑色の副画素21Gでは、図5に示すように、まず、OLED32から青色光Lbが発せられる。次いで、青色光Lbは、緑色の量子ドット層44Gにより緑色光Lgに変換されて量子ドット層44Gから発せられる。この際、量子ドット層44Gの変換率が100%でないため、量子ドット層44Gからは、緑色光Lgとともに、未変換の青色光Lbが発せられる。また、量子ドット層44Gでは、青色光Lbの一部が失活し又は吸収される。次いで、量子ドット層44Gから発せられた緑色光Lgは、緑色のカラーフィルタ42Gを透過してパネル2の表示面から発せられる。この際、量子ドット層44Gから発せられた青色光Lbは、カラーフィルタ42Gにより吸収される。
【0045】
青色の副画素21Bでは、図5に示すように、まず、OLED32から青色光Lbが発せられる。次いで、青色光Lbは、量子ドット層もカラーフィルタも介さずにそのままパネル2の表示面から発せられる。
【0046】
本実施形態では、量子ドット層44R、44Gに対して外光の進入側となる、量子ドット層44R、44Gに対してパネル2の表示面の側におけるカラーフィルタ42R、42Gとガラス基板40との間に半透過膜41が形成されている。半透過膜41は、量子ドット層44R、44Gに入射する外光を低減する光低減膜として機能する。すなわち、パネル2の表示面の側から進入した外光の一部は、半透過膜41により反射される。半透過膜41による外光の吸収のため、量子ドット層44R、44Gに入射する外光を低減することができ、外光による量子ドットの励起を低減して量子ドット層44R、44Gの発光を低減することができる。これにより、明環境において画質を向上することができ、具体的には表示コントラストを向上することができる。なお、半透過膜41により反射された外光は、反射防止フィルム48によりパネル2の表示面からの出射が阻止される。
【0047】
また、量子ドット層44R、44Gから発せられた副画素41R、41Gの本来の発光による光は、半透過膜41により反射されたとしても、反射電極としてのアノード電極34により再反射されるため、パネル2の表示面から出射することができる。このため、半透過膜41による輝度の低下を抑制することができる。
【0048】
このように、本実施形態によれば、明環境において画質を向上することができる。
【0049】
(変形例)
本実施形態の変形例による表示装置について図6を用いて説明する。図6は、本実施形態の変形例による表示装置の画素の概略構成を示す断面図である。
【0050】
本実施形態では、図4に示すように、カラーフィルタ42R、42Gとガラス基板40との間に半透過膜41が形成されている場合について説明したが、これに限定されるものではない。
【0051】
図6に示すように、半透過膜41は、カラーフィルタ42Rと量子ドット層44Rとの間、及びカラーフィルタ42Gと量子ドット層44Gとの間に形成されていてもよい。図6に示す構成においても、半透過膜41は、量子ドット層44R、44Gに対して外光の進入側となる、量子ドット層44R、44Gに対してパネル2の表示面の側に形成されている。このため、図6に示す場合も、図4に示す場合と同様に、明環境において画質を向上することができる。
【0052】
[第2実施形態]
本発明の第2実施形態による表示装置について図7を用いて説明する。図7は、本実施形態による表示装置の画素の概略構成を示す概略図である。なお、上記第1実施形態による表示装置と同様の構成要素については同一の符号を付し説明を省略し又は簡略にする。
【0053】
上記第1実施形態では、OLEDが素子基板100に形成され、カラーフィルタ及び量子ドット層がカラーフィルタ基板200に形成された構成について説明したが、これに限定されるものではない。OLED、量子ドット層及びカラーフィルタは、単一のガラス基板上に形成されていてもよい。
【0054】
本実施形態では、第1実施形態と同様の3つの副画素を含む画素が単一のガラス基板上に形成されている場合について説明する。
【0055】
図7に示すように、パネル2における画素20は、赤色の副画素21R、緑色の副画素21G及び青色の副画素21Bを有している。
【0056】
パネル2は、ガラス基板50を有するが、ガラス基板50に対向するカラーフィルタ基板を有していない。本実施形態による表示装置は、ガラス基板50の素子形成面側から光が発せられるトップエミッション型のものである。すなわち、本実施形態による表示装置は、ガラス基板50の素子形成面側が表示面の側である。
【0057】
透明基板であるガラス基板50の素子形成面上には、副画素21R、21G、21Bに対応するように3つのアノード電極34が形成されている。各アノード電極34上には、青色有機発光層36が形成されている。各青色有機発光層36上には、共通のカソード電極38が形成されている。こうして、各画素20において、副画素21R、21G、21Bごとに、第1実施形態と同様にOLED32が形成されている。カソード電極38上には、OLED32を封止する封止膜52が形成されている。
【0058】
封止膜52上には、赤色の副画素21RのOLED32に対向するように、赤色の量子ドット層44Rが形成されている。量子ドット層44R上には、赤色のカラーフィルタ42Rが形成されている。こうして、青色のOLED32と、赤色の量子ドット層44Rと、赤色のカラーフィルタ42Rとを有する赤色の副画素21Rが構成されている。
【0059】
また、封止膜52上には、緑色の副画素21GのOLED32に対向するように、緑色の量子ドット層44Gが形成されている。量子ドット層44G上には、緑色のカラーフィルタ42Gが形成されている。こうして、青色のOLED32と、緑色の量子ドット層44Gと、緑色のカラーフィルタ42Gとを有する緑色の副画素21Gが構成されている。
【0060】
カラーフィルタ42R、42G上には、第1実施形態と同様の半透過膜41が形成されている。本実施形態では、量子ドット層44R、44Gに対して外光の進入側となる、量子ドット層44R、44Gに対してパネル2の表示面の側におけるカラーフィルタ42R、42Gと後述のカバーフィルム56との間に半透過膜41が形成されている。すなわち、半透過膜41は、量子ドット層44R、44Gに対してOLED32とは反対側であって、カラーフィルタ42R、42Gに対して量子ドット層44R、44Gとは反対側に形成されている。
【0061】
一方、封止膜52上には、青色の副画素21BのOLED32に対向するようにはカラーフィルタも量子ドット層も形成されていない。このため、青色の副画素21Bは、青色のOLED32を有するが、青色のカラーフィルタその他のカラーフィルタも量子ドット層も有していない。すなわち、副画素21Bは、青色のカラーフィルタその他のカラーフィルタを介さずに青色光を発する。
【0062】
副画素21R、21G、21B、21C及び半透過膜41が形成されたガラス基板50の全面には、量子ドット層44R、44G、カラーフィルタ42R、42G及び半透過膜41を封止する封止膜54が形成されている。封止膜54上には、透明樹脂膜等からなるカバーフィルム56が形成されている。カバーフィルム56上には、反射防止フィルム48が形成されている。
【0063】
本実施形態のように、3つの副画素を含む画素が単一のガラス基板上に形成されていてもよい。本実施形態においても、第1実施形態と同様にして明環境において画質を向上することができる。
【0064】
(変形例)
本実施形態の変形例による表示装置について図8を用いて説明する。図8は、本実施形態の変形例による表示装置の画素の概略構成を示す断面図である。
【0065】
本実施形態では、図7に示すように、カラーフィルタ42R、42Gとカバーフィルム56との間に半透過膜41が形成されている場合について説明したが、これに限定されるものではない。
【0066】
図8に示すように、半透過膜41は、カラーフィルタ42Rと量子ドット層44Rとの間、及びカラーフィルタ42Gと量子ドット層44Gとの間に形成されていてもよい。図8に示す構成においても、半透過膜41は、量子ドット層44R、44Gに対して外光の進入側となる、量子ドット層44R、44Gに対してパネル2の表示面の側に形成されている。このため、図8に示す場合も、図7に示す場合と同様に、明環境において画質を向上することができる。
【0067】
[第3実施形態]
本発明の第3実施形態による表示装置について図9を用いて説明する。図9は、本実施形態による表示装置の画素の概略構成を示す概略図である。なお、上記第1及び第2実施形態による表示装置と同様の構成要素については同一の符号を付し説明を省略し又は簡略にする。
【0068】
上記第1及び第2実施形態では、トップエミッション型の画素構成について説明したが、これに限定されるものではない。画素は、ボトムエミッション型のものであってもよい。
【0069】
本実施形態では、第1実施形態と同様の3つの副画素を含む画素がボトムエミッション型である場合について説明する。
【0070】
図9に示すように、パネル2における画素20は、赤色の副画素21R、緑色の副画素21G及び青色の副画素21Bを有している。
【0071】
パネル2は、ガラス基板60を有するが、ガラス基板60に対向するカラーフィルタ基板を有していない。本実施形態による表示装置は、ガラス基板60の素子形成面とは反対の面側から光が発せられるボトムエミッション型のものである。すなわち、本実施形態による表示装置は、ガラス基板60の素子形成面側とは反対の面の側が表示面の側である。
【0072】
透明基板であるガラス基板60の素子形成面上には、赤色の副画素21Rに対応するように、赤色のカラーフィルタ42Rと、赤色の量子ドット層44Rとが順次積層されている。カラーフィルタ42Rは、半透過膜41を介してガラス基板60に形成されている。
【0073】
また、ガラス基板60の素子形成面上には、緑色の副画素21Gに対応するように、緑色のカラーフィルタ42Gと、緑色の量子ドット層44Gが順次積層されている。カラーフィルタ42Gは、半透過膜41を介してガラス基板60に形成されている。
【0074】
本実施形態では、量子ドット層44R、44Gに対して外光の進入側となる、量子ドット層44R、44Gに対してパネル2の表示面の側におけるカラーフィルタ42R、42Gとガラス基板60との間に半透過膜41が形成されている。すなわち、半透過膜41は、量子ドット層44R、44Gに対してOLED32とは反対側であって、カラーフィルタ42R、42Gに対して量子ドット層44R、44Gとは反対側に形成されている。
【0075】
一方、ガラス基板60の素子形成面上には、青色の副画素21Bに対向するようにはカラーフィルタも量子ドット層も形成されていない。
【0076】
カラーフィルタ42R、42G、量子ドット層44R、44G及び半透過膜41が形成されたガラス基板60の素子形成面の全面には、カラーフィルタ42R、42G、量子ドット層44R、44G及び半透過膜41を封止する封止膜62が形成されている。
【0077】
封止膜62上には、副画素21R、21G、21Bに対応するように3つのアノード電極34が形成されている。各アノード電極34上には、青色有機発光層36が形成されている。各青色有機発光層36上には、共通のカソード電極38が形成されている。こうして、各画素20において、副画素21R、21G、21Bごとに、第1実施形態と同様にOLED32が形成されている。なお、本実施形態では、ボトムエミッション型であるため、アノード電極34を透明電極として構成することができる。
【0078】
こうして、青色のOLED32と、赤色の量子ドット層44Rと、赤色のカラーフィルタ42Rとを有する赤色の副画素21Rが構成されている。
【0079】
また、青色のOLED32と、緑色の量子ドット層44Gと、緑色のカラーフィルタ42Gとを有する緑色の副画素21Gが構成されている。
【0080】
一方、ガラス基板60の素子形成面上には、青色の副画素21BのOLED32に対向するようにはカラーフィルタも量子ドット層も形成されていない。このため、青色の副画素21Bは、青色のOLED32を有するが、青色のカラーフィルタその他のカラーフィルタも量子ドット層も有していない。すなわち、副画素21Bは、青色のカラーフィルタその他のカラーフィルタを介さずに青色光を発する。
【0081】
カソード電極38が形成されたガラス基板60の全面には、OLED32を封止する封止膜64が形成されている。
【0082】
本実施形態のように、3つの副画素を含む画素をボトムエミッション型のものとして構成してもよい。本実施形態においても、第1実施形態と同様にして明環境において画質を向上することができる。
【0083】
(変形例)
本実施形態の変形例による表示装置について図10を用いて説明する。図10は、本実施形態の変形例による表示装置の画素の概略構成を示す断面図である。
【0084】
本実施形態では、図9に示すように、カラーフィルタ42R、42Gとガラス基板60との間に半透過膜41が形成されている場合について説明したが、これに限定されるものではない。
【0085】
図10に示すように、半透過膜41は、カラーフィルタ42Rと量子ドット層44Rとの間、及びカラーフィルタ42Gと量子ドット層44Gとの間に形成されていてもよい。図10に示す構成においても、半透過膜41は、量子ドット層44R、44Gに対して外光の進入側となる、量子ドット層44R、44Gに対してパネル2の表示面の側に形成されている。このため、図10に示す場合も、図9に示す場合と同様に、明環境において画質を向上することができる。
【0086】
[第4実施形態]
本発明の第4実施形態による表示装置について図11を用いて説明する。図11は、本実施形態による表示装置の画素の概略構成を示す概略図である。なお、上記第1乃至第3実施形態による表示装置と同様の構成要素については同一の符号を付し説明を省略し又は簡略にする。
【0087】
上記第1乃至第3実施形態では、画素20において、量子ドット層44R、44Gに入射する外光を低減する光低減膜として半透過膜41が用いられた構成について説明したが、これに限定されるものではない。半透過膜41に代えて、量子ドットにおける量子ドットを励起しうる特定の波長の光を吸収する吸収膜を用いることもできる。
【0088】
本実施形態では、画素20において、図4に示す構成において半透過膜41に代えて紫外線吸収膜が用いられた構成について説明する。
【0089】
図11に示すように、量子ドット層44R、44Gに対してパネル2の表示面の側におけるカラーフィルタ42R、42Gとガラス基板40との間に、半透過膜41に代えて、紫外線吸収膜71が形成されている。すなわち、紫外線吸収膜71は、量子ドット層44R、44Gに対してOLED32とは反対側であって、カラーフィルタ42R、42Gに対して量子ドット層44R、44Gとは反対側に形成されている。量子ドット層44R、44Gに対してパネル2の表示面の側は、量子ドット層44R、44Gに対して外光の進入側となる。
【0090】
紫外線吸収膜71は、可視光を透過する一方、量子ドット層44R、44G中の量子ドットを励起しうる紫外線を吸収する。紫外線吸収膜71は、特に限定されるものではないが、紫外線吸収材料を含む膜であればよい。紫外線吸収膜71は、例えば、紫外線吸収材料として酸化亜鉛、酸化インジウムスズ(Indium Tin Oxide、ITO)等を含む膜である。紫外線吸収膜71は、量子ドット層44R、44Gに入射する外光を低減する光低減膜として機能する。すなわち、紫外線吸収膜71による紫外線の吸収のため、量子ドット層44R、44Gに入射する外光のうちの紫外線を低減することができ、紫外線による量子ドットの励起を低減して量子ドット層44R、44Gの発光を低減することができる。これにより、明環境において画質を向上することができ、具体的には表示コントラストを向上することができる。
【0091】
このように、本実施形態によれば、明環境において画質を向上することができる。
【0092】
なお、本実施形態では紫外線を吸収する紫外線吸収膜71を用いる場合について説明したが、これに限定されるものではない。本実施形態及び後述の第5及び第6実施形態では、紫外線吸収膜71に代えて、量子ドット層44R、44G中の量子ドットを励起する特定の波長の光を吸収する光吸収膜を広く用いることができる。例えば、紫外線吸収膜71に代えて、紫外線を含む青色光の波長以下の波長を有する光、具体的には例えば490nm以下の波長を有する光を吸収する光吸収膜を用いることができる。このような光吸収膜により、量子ドットの励起を低減して量子ドット層44R、44Gの発光を低減することができる。光吸収膜は、少なくとも赤色光及び緑色光を透過するように構成することができる。なお、本明細書にいう光は、可視光のみならず、赤外線及び紫外線をも含む広義の光である。
【0093】
(変形例)
本実施形態の変形例による表示装置について図12を用いて説明する。図12は、本実施形態の変形例による表示装置の画素の概略構成を示す断面図である。
【0094】
本実施形態では、図11に示すように、カラーフィルタ42R、42Gとガラス基板40との間に紫外線吸収膜71が形成されている場合について説明したが、これに限定されるものではない。
【0095】
図12に示すように、紫外線吸収膜71は、カラーフィルタ42Rと量子ドット層44Rとの間、及びカラーフィルタ42Gと量子ドット層44Gとの間に形成されていてもよい。図12に示す構成においても、紫外線吸収膜71は、量子ドット層44R、44Gに対して外光の進入側となる、量子ドット層44R、44Gに対してパネル2の表示面の側に形成されている。このため、図12に示す場合も、図11に示す場合と同様に、明環境において表示コントラストを向上することができる。
【0096】
[第5実施形態]
本発明の第5実施形態による表示装置について図13を用いて説明する。図13は、本実施形態による表示装置の画素の概略構成を示す概略図である。なお、上記第1乃至第4実施形態による表示装置と同様の構成要素については同一の符号を付し説明を省略し又は簡略にする。
【0097】
上記第4実施形態では、図4に示す構成において半透過膜41に代えて紫外線吸収膜71が用いられている場合について説明したが、これに限定されるものではない。
【0098】
本実施形態では、図7に示す構成において半透過膜41に代えて紫外線吸収膜71が用いられた構成について説明する。
【0099】
図13に示すように、量子ドット層44R、44Gに対してパネル2の表示面の側におけるカラーフィルタ42R、42Gとカバーフィルム56との間に、半透過膜41に代えて、第4実施形態と同様の紫外線吸収膜71が形成されている。すなわち、紫外線吸収膜71は、量子ドット層44R、44Gに対してOLED32とは反対側であって、カラーフィルタ42R、42Gに対して量子ドット層44R、44Gとは反対側に形成されている。量子ドット層44R、44Gに対してパネル2の表示面の側は、量子ドット層44R、44Gに対して外光の進入側となる。
【0100】
本実施形態のように、3つの副画素を含む画素が単一のガラス基板上に形成されていてもよい。本実施形態においても、第4実施形態と同様にして明環境において画質を向上することができる。
【0101】
(変形例)
本実施形態の変形例による表示装置について図14を用いて説明する。図14は、本実施形態の変形例による表示装置の画素の概略構成を示す断面図である。
【0102】
本実施形態では、図13に示すように、カラーフィルタ42R、42Gとカバーフィルム56との間に紫外線吸収膜71が形成されている場合について説明したが、これに限定されるものではない。
【0103】
図14に示すように、紫外線吸収膜71は、カラーフィルタ42Rと量子ドット層44Rとの間、及びカラーフィルタ42Gと量子ドット層44Gとの間に形成されていてもよい。図14に示す構成においても、紫外線吸収膜71は、量子ドット層44R、44Gに対して外光の進入側となる、量子ドット層44R、44Gに対してパネル2の表示面の側に形成されている。このため、図14に示す場合も、図13に示す場合と同様に、明環境において画質を向上することができる。
【0104】
[第6実施形態]
本発明の第6実施形態による表示装置について図15を用いて説明する。図15は、本実施形態による表示装置の画素の概略構成を示す概略図である。なお、上記第1乃至第5実施形態による表示装置と同様の構成要素については同一の符号を付し説明を省略し又は簡略にする。
【0105】
上記第4実施形態では、図4に示す構成において半透過膜41に代えて紫外線吸収膜71が用いられている場合について説明したが、これに限定されるものではない。
【0106】
本実施形態では、図9に示す構成において半透過膜41に代えて紫外線吸収膜71が用いられた構成について説明する。
【0107】
図15に示すように、量子ドット層44R、44Gに対してパネル2の表示面の側におけるカラーフィルタ42R、42Gとガラス基板60との間に、半透過膜41に代えて、第4実施形態と同様の紫外線吸収膜71が形成されている。すなわち、紫外線吸収膜71は、量子ドット層44R、44Gに対してOLED32とは反対側であって、カラーフィルタ42R、42Gに対して量子ドット層44R、44Gとは反対側に形成されている。量子ドット層44R、44Gに対してパネル2の表示面の側は、量子ドット層44R、44Gに対して外光の進入側となる。
【0108】
本実施形態のように、3つの副画素を含む画素をボトムエミッション型のものとして構成してもよい。本実施形態においても、第4実施形態と同様にして明環境において画質を向上することができる。
【0109】
(変形例)
本実施形態の変形例による表示装置について図16を用いて説明する。図16は、本実施形態の変形例による表示装置の画素の概略構成を示す断面図である。
【0110】
本実施形態では、図15に示すように、カラーフィルタ42R、42Gとガラス基板60との間に紫外線吸収膜71が形成されている場合について説明したが、これに限定されるものではない。
【0111】
図16に示すように、紫外線吸収膜71は、カラーフィルタ42Rと量子ドット層44Rとの間、及びカラーフィルタ42Gと量子ドット層44Gとの間に形成されていてもよい。図16に示す構成においても、紫外線吸収膜71は、量子ドット層44R、44Gに対して外光の進入側となる、量子ドット層44R、44Gに対してパネル2の表示面の側に形成されている。このため、図16に示す場合も、図15に示す場合と同様に、明環境において画質を向上することができる。
【0112】
[変形実施形態]
本発明は、上記実施形態に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において適宜変更が可能である。
【0113】
例えば、上記実施形態では、発光素子としてOLEDを用いた場合を例に説明したが、これに限定されるものではない。OLEDに代えて、種々の発光素子を用いることができる。
【0114】
また、上記実施形態では、画素20が3つの副画素21R、21G、21Bを有する場合を例に説明したが、これに限定されるものではない。画素20は、2つ以上の複数の副画素を有していてもよいし、単一の副画素を有していてもよい。
【0115】
また、上記実施形態では、2つの量子ドット層44R、44Gに対して半透過膜41又は紫外線吸収膜71が形成されている場合を例に説明したが、これに限定されるものではない。半透過膜41又は紫外線吸収膜71は、量子ドット層44R、44Gのうちの少なくとも一方に対して形成されていればよい。
【符号の説明】
【0116】
1…タイミングコントローラ
2…パネル
3…ソースドライブIC
4…ゲートドライブIC
20…画素
21…副画素
21R、21G、21B…副画素
30…ガラス基板
34…アノード電極
36…青色有機発光層
38…カソード電極
40…ガラス基板
41…半透過膜
42R、42G…カラーフィルタ
44R、44G…量子ドット層
50…ガラス基板
60…ガラス基板
71…紫外線吸収膜
100…素子基板
200…カラーフィルタ基板
D…ダイオード
DL…データライン
GL…ゲートライン
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16